IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

<>
  • 特許-物品載置具および什器 図1
  • 特許-物品載置具および什器 図2
  • 特許-物品載置具および什器 図3
  • 特許-物品載置具および什器 図4
  • 特許-物品載置具および什器 図5
  • 特許-物品載置具および什器 図6
  • 特許-物品載置具および什器 図7
  • 特許-物品載置具および什器 図8
  • 特許-物品載置具および什器 図9
  • 特許-物品載置具および什器 図10
  • 特許-物品載置具および什器 図11
  • 特許-物品載置具および什器 図12
  • 特許-物品載置具および什器 図13
  • 特許-物品載置具および什器 図14
  • 特許-物品載置具および什器 図15
  • 特許-物品載置具および什器 図16
  • 特許-物品載置具および什器 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】物品載置具および什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240410BHJP
   A47F 1/035 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47F1/035
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020019839
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021109075
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2020004537
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晃夫
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/201317(WO,A1)
【文献】特開2004-280459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/00-8/02
A47F 11/00-11/10
B65G 1/00-1/133
B65G 1/14-1/20
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、前記ベース部材上に幅方向に並べて複数配置される天板と、各前記天板と各前記ベース部材との間に配置され各該天板にかかる荷重を検出する荷重検出センサと、を備える物品載置具であって、
幅寸法が異なる前記天板を複数種類有しており、前記荷重検出センサは、前記ベース部材に対して幅方向位置を変更可能に設置される支持部材に取付けられており、
前記ベース部材には、隣接する前記天板上の空間を区画する仕切部材が取付けられており、前記仕切部材と前記天板は前記ベース部材にそれぞれ別々に支持されて互いに離間していることを特徴とする物品載置具。
【請求項2】
最小幅の天板と、前記最小幅の天板と奥行寸法が同一で、且つ該最小幅の天板の自然数倍の幅寸法を有する天板と、を有し、前記ベース部材は、前記最小幅の天板の自然数倍の幅寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の物品載置具。
【請求項3】
前記ベース部材が上方に開口する箱状を成すことを特徴とする請求項1または2に記載の物品載置具。
【請求項4】
前記ベース部材には、前記支持部材に設けられた係合部に係合可能な被係合部が幅方向に等配されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の物品載置具。
【請求項5】
前記天板の両側方には、下方に延びるリブが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物品載置具。
【請求項6】
ベース部材と、前記ベース部材上に幅方向に並べて複数配置される天板と、各前記天板と各前記ベース部材との間に配置され各該天板にかかる荷重を検出する荷重検出センサと、を備える物品載置具であって、
前記天板と天板に対して幅方向の取付位置を変更可能に取り付けられる仕切部材により前記天板上の物品載置領域が異なる幅寸法に構成され、前記荷重検出センサは、前記ベース部材に対して幅方向位置を変更可能に設置される支持部材に取付けられていることを特徴とする物品載置具。
【請求項7】
床面から立設する左右一対の支柱と、各前記支柱に着脱可能に取付けられる一対のブラケットと、を備え、請求項1ないしのいずれかに記載の前記物品載置具が前記一対のブラケットに架け渡されて載置される棚であることを特徴とする什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の荷重を検出可能な物品載置具および該物品載置具を備えた什器に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーやコンビニ等の店舗においては、物品を棚上に陳列する什器や、物品を台上に陳列する什器が用いられている。また、このような店舗では、在庫管理のために所定期間ごとに棚卸が行われるが、労力を低減するために、什器に種々のセンサを設け、センサにより什器からの商品の出し入れを検出することで在庫管理を短時間で行えるようにした技術が開発されている。また、近年では、人件費削減のために、無人店舗の導入が検討されており、このような場合も上記技術が応用されつつある。
【0003】
上記のような技術の一例として、特許文献1のようなものがある。特許文献1の什器は、棚上に物品を陳列可能となっている。該棚は、ベース部材と、ベース部材の幅方向に複数配置される物品を載置可能な天板と、各天板とベース部材との間に配置される荷重検出センサと、を備えており、各荷重検出センサはコンピュータに接続されている。また、各天板には、1種類の物品がそれぞれ載置されて使用されるようになっている。また、コンピュータには、各荷重検出センサの識別番号、各天板に載置された商品の種類、各商品の1個当たりの重量等が予め入力されており、各荷重検出センサにより検出された荷重に基づいて各天板に載置されている物品の在庫数を簡便に管理できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実願昭62-145056号(実開昭64-50204号)のマイクロフィルム(第4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような什器では、物品の大きさや種類、売れ行き状況、販売時間帯、キャンペーン等に応じて、棚における物品を載置する領域の大きさや配置位置を変更して、物品の視認性の向上や魅力的に陳列することは、物品の購入意欲を高める上で重要である。しかしながら、特許文献1の什器にあっては、ベース部材に対して荷重検出センサが固定して設置される構成となっているので、荷重検出を可能としつつ物品のレイアウトを変更することに制限があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、荷重検出を可能としつつ物品のレイアウトを自由に変更できる物品載置具および什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の物品載置具は、
ベース部材と、前記ベース部材上に幅方向に並べて複数配置される天板と、各前記天板と各前記ベース部材との間に配置され各該天板にかかる荷重を検出する荷重検出センサと、を備える物品載置具であって、
幅寸法が異なる前記天板を複数種類有しており、前記荷重検出センサは、前記ベース部材に対して幅方向位置を変更可能に設置される支持部材に取付けられており、
前記ベース部材には、隣接する前記天板上の空間を区画する仕切部材が取付けられており、前記仕切部材と前記天板は前記ベース部材にそれぞれ別々に支持されて互いに離間していることを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材をベース部材の幅方向に移動させて荷重検出センサおよび天板の設置位置を変更することができるので、ベース部材上に幅寸法が異なる天板を組み合わせて配置でき、荷重検出を可能としつつ物品のレイアウトを自由に変更できる。
【0008】
最小幅の天板と、前記最小幅の天板と奥行寸法が同一で、且つ該最小幅の天板の自然数倍の幅寸法を有する天板と、を有し、前記ベース部材は、前記最小幅の天板の自然数倍の幅寸法を有することを特徴としている。
この特徴によれば、最小幅の天板と、最小幅の天板の自然数倍の幅寸法を有する天板とを組み合わせてベース部材上に物品載置領域を広く確保できる。
【0009】
前記ベース部材が上方に開口する箱状を成すことを特徴としている。
この特徴によれば、箱状のベース部材に天板と荷重検出センサと支持部材とを組み立てた状態で取り扱うことができる。
【0010】
前記ベース部材には、前記支持部材に設けられた係合部に係合可能な被係合部が幅方向に等配されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ベース部材の幅方向の任意の位置に支持部材を確実に位置決めすることができる。
【0011】
前記天板の両側方には、下方に延びるリブが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、下方に延びるリブにより隣接する天板の間で物品等が上下に狭持されることを回避できる。
【0012】
本発明の物品載置具は、
ベース部材と、前記ベース部材上に幅方向に並べて複数配置される天板と、各前記天板と各前記ベース部材との間に配置され各該天板にかかる荷重を検出する荷重検出センサと、を備える物品載置具であって、
前記天板と天板に対して幅方向の取付位置を変更可能に取り付けられる仕切部材により前記天板上の物品載置領域が異なる幅寸法に構成され、前記荷重検出センサは、前記ベース部材に対して幅方向位置を変更可能に設置される支持部材に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材をベース部材の幅方向に移動させて荷重検出センサおよび天板の設置位置を変更することができるので、ベース部材上に天板および仕切部材により構成される物品載置領域の幅寸法が異なる荷重検出ユニットを組み合わせて配置でき、荷重検出を可能としつつ物品のレイアウトを自由に変更できる。
【0013】
前記物品載置領域は、前記天板に対する前記仕切部材の幅方向の取付位置を変更することで幅寸法が調整可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、同一の天板および仕切部材によって物品載置領域の幅寸法を変更することができるため、少ない部品数で物品のレイアウトを自由に変更することができる。
【0014】
本発明の什器は、
床面から立設する左右一対の支柱と、各前記支柱に着脱可能に取付けられる一対のブラケットと、を備え、前記物品載置具が前記一対のブラケットに架け渡されて載置される棚であることを特徴としている。
この特徴によれば、棚のブラケットから物品載置具を取り外してベース部材に対する天板、荷重センサのレイアウト変更をできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1における什器を示す斜視図である。
図2】実施例1における陳列棚部を示す分解斜視図である。
図3】(a)は実施例1におけるベース部材を示す上面図、(b)はベース部材の前端部の側断面図である。
図4】実施例1における陳列棚部を示す側断面図である。
図5】実施例1における荷重検出ユニットを示す分解斜視図である。
図6】(a)は実施例1における天板の正面図、(b)は下面図、(c)は側断面図である。
図7】(a)は実施例1における支持部材の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図8】(a)は実施例1における図6の天板と幅寸法の異なる天板の正面図、(b)は下面図、(c)は側断面図である。
図9】(a)は実施例1における図7の支持部材と形状が異なる支持部材の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図10】(a)は実施例1における幅寸法が小さな荷重検出ユニットのみを用いて構成した陳列棚部を上面から見た概略図、(b)は(a)における支持部材の取付態様を示す概略図、(c)は(a)における仕切部材の取付態様を示す概略図である。
図11】(a)は実施例1における幅寸法が大きな荷重検出ユニットのみを用いて構成した陳列棚部を上面から見た概略図、(b)は(a)における支持部材の取付態様を示す概略図、(c)は(a)における仕切部材の取付態様を示す概略図である。
図12】(a)は実施例1における2種類の荷重検出ユニットのみを用いて構成した陳列棚部の一例を上面から見た概略図、(b)は(a)における支持部材の取付態様を示す概略図、(c)は(a)における仕切部材の取付態様を示す概略図である。
図13】(a)は実施例1における隣接する天板の端部近傍を示す正面断面図、(b)は片側の天板が傾いた状態を示す説明図である。
図14】本発明の実施例2における物品載置領域の幅寸法が小さな荷重検出ユニットを示す斜視図である。
図15】実施例2における物品載置領域の幅寸法が大きな荷重検出ユニットを示す斜視図である。
図16】(a)は実施例2における物品載置領域の幅寸法が小さな荷重検出ユニットのみを用いて構成した陳列棚部を上面から見た概略図、(b)は(a)における支持部材の取付態様を示す概略図、(c)は(a)における仕切部材の取付態様を示す概略図である。
図17】(a)は実施例2における物品載置領域の幅寸法が大きな荷重検出ユニットのみを用いて構成した陳列棚部を上面から見た概略図、(b)は(a)における支持部材の取付態様を示す概略図、(c)は(a)における仕切部材の取付態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る物品載置具および什器を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1に係る物品載置具および什器につき、図1から図13を参照して説明する。以下、図4の紙面右側を物品載置具および什器の正面側(前方側)とし、物品載置具および什器の正面視左右側を物品載置具および什器の左右側として説明する。尚、物品載置具および什器の左右方向を幅方向、物品載置具および什器の前後方向を奥行方向ということもある。
【0018】
図1に示されるように、本実施例の什器1は、主にスーパーマーケットやコンビニエンスストア等に設置され、商品を陳列して販売するための商品陳列棚であり、売り場において、複数並列または単体で配置されている。
【0019】
什器1は、左右に離間した中空筒状の支柱2,2と、支柱2,2の前面側に上下複数に取付けられる物品載置具としての陳列棚部3,3,…と、什器1の下部に設けられる下方棚台部4と、から主に構成されている。支柱2,2の下端部は、前方に配置される下方棚台部4により、支柱2,2同士が強固に連結されており、前後方向への転倒が防止されている。また、下方棚台部4の上面には、陳列棚部3が載置されている。
【0020】
支柱2,2の上端部は、左右に延びる架設部材6により、支柱2,2同士が強固に連結されている。また各支柱2の前面には、係止孔2a,2a,…が上下複数に設けられている。支柱2の係止孔2aには、ブラケット7の後端に設けられたフック8,8,…が係止可能となっており、フック8を係止孔2aに係止させることによりブラケット7が支柱2の前面に着脱可能に取付けられている。
【0021】
図2に示されるように、陳列棚部3は、左右一対のブラケット7,7に架け渡されて支持されるベース部材10と、ベース部材10上に左右方向に並んで複数配置される荷重検出ユニット11,11,…と、ベース部材10の前端部に取付けられるストッパー部材12と、荷重検出ユニット11,11,…の前後に配置されベース部材10に固定される仕切固定板14,15と、前後の仕切固定板14,15に渡って支持される複数の仕切部材16,16,…と、を備えている。この荷重検出ユニット11,11,…には、それぞれ種類の異なる物品が載置されるようになっている。
【0022】
また、本実施例の陳列棚部3は、荷重検出ユニット11とはサイズが異なる荷重検出ユニット110を別個に複数備えており、ベース部材10に対して荷重検出ユニット11および荷重検出ユニット110を選択的に組み合わせて自由に配置することができるようになっている(図10図12参照)。尚、ここでは、先ず、荷重検出ユニット11を用いた陳列棚部3について説明する。
【0023】
図3および図4に示されるように、ベース部材10は、上面視矩形状を成す底板部10aと、底板部10aの前端部から立ち上がる前板部10bと、底板部10aの左右両端部から立ち上がる側板部10c,10dと、底板部10aの後端部から立ち上がる背板部10eと、から構成されている。すなわち、ベース部材10は、上方に開口する箱状を成している。このベース部材10における側板部10cと側板部10dとは、幅寸法L30分左右に離間している。
【0024】
特に図3に示されるように、底板部10aの前後中央部よりも若干後方側の位置には、左右方向に幅寸法L1ずつ離間して貫通孔10f,10f,…が複数形成されている。また、底板部10aにおける背面側中央部には、上下に貫通する配線用のスリット10gが形成されている。また、底板部10aの下面における中央部には、制御部13が取付部材13aにより固定されており、制御部13には、荷重検出ユニット11,11,…が接続されるようになっている。具体的には、制御部13から延びる複数(貫通孔10f,10f,…と同数)の配線30がスリット10gを通って底板部10aの上面側に配置されており、各配線30の端部コネクタに各荷重検出ユニット11から延びる後述するひずみゲージの配線の端部のコネクタ(図示略)が接続可能となっている。また、底板部10aの上面には、前後に離間して補強部材17,18が固定されている。尚、1つの陳列棚部3に対して1つの制御部13が設けられることに限られず、1つの陳列棚部3に対して制御部13が2つ以上設けられていてもよいし、複数の陳列棚部3に対して1つの制御部13が設けられていてもよい。また、1つの陳列棚部3に対して設けられる貫通孔10fやスリット10gの数量は自由に変更できる。
【0025】
前方側の補強部材17は、左右方向に延びる側断面視下向きコ字状の第1部位17aと、第1部位17aの前側の壁部17dの下端部から前方に延びる第2部位17bと、第1部位17aの後側の壁部17eの下端部から後方に延びる第3部位17cと、から構成されており、第2部位17bおよび第3部位17cの下面が溶接により底板部10aの上面に固定されている。すなわち、補強部材17は、側断面視においてハット形状を成している。尚、補強部材17は、ボルトナット等により底板部10aに固定されるようになっていてもよい。
【0026】
また、壁部17eの下端には、前後に貫通する被係合部としてのスリット17f,17f,…が正面視において貫通孔10f,10f,…と前後方向に重畳する位置に形成されている。すなわちスリット17fと貫通孔10fとを結ぶ線分が前後方向に延びる線に平行である。スリット17fは、左右の幅寸法L2を有しているとともに、スリット17fの左右中央部から隣接するスリット17fの左右中央部まで幅寸法は、幅寸法L3となっている。尚、この隣接するスリット17f,17f間の幅寸法L3は、貫通孔10f,10f間の幅寸法L1と同一である(L1=L3)。すなわち、貫通孔10fは、正面視においてスリット17fの左右中央部と前後方向に重畳している。
【0027】
後方側の補強部材18は、左右方向に延びる側断面視下向きコ字状の第1部位18aと、第1部位18aの前側の壁部の下端部から前方に延びる第2部位18bと、第1部位18aの後側の壁部の下端部から後方に延びる第3部位18cと、から構成されており、第2部位18bおよび第3部位18cの下面が溶接により底板部10aの上面に固定されている。すなわち、補強部材18は、側断面視においてハット形状を成している。また、第2部位18bには、貫通孔10f,10f,…と対応する貫通孔18d,18d,…が左右方向に複数形成されている。尚、補強部材18は、ボルトナット等により底板部10aに固定されるようになっていてもよい。
【0028】
また、底板部10aにおける前板部10bと補強部材17との間、背板部10eと補強部材18との間には、L字状部材19,19,…が左右方向に離間して複数配置されている。L字状部材19は、底板部10aに固定される固定板部19aと、固定板部19aから上方に立設する立設片部19bと、を備えている。
【0029】
図4を参照し、ストッパー部材12は、半透明状の合成樹脂から構成されており、前板部10bから上方に延びる第1片部12aと、第1片部12aの上端から前下方向に折り返される第2片部12bと、第2片部12bの下端から後上方向に折り返される第3片部12cと、を有している。このストッパー部材12により、荷重検出ユニット11,11,…上に載置された物品が前側に落下することが防止される。また、第3片部12cには、第2片部12bを押圧する方向に弾性復帰力が働いており、第2片部12bと第3片部12cとの間には、値札やPOPなどを狭持できるようになっている。
【0030】
次いで、図2および図4に示されるように、仕切固定板14,15は、左右方向に延びる板状を成しており、仕切固定板14,15の各上端部には、上方に開口し前後に貫通する切欠溝14aおよび切欠溝15aがそれぞれ左右方向に離間して複数等配されている。また、仕切固定板14の左右両端には、上方および外側に開口し前後に貫通する正面視略L字状の段部14b,14bが形成されているとともに、仕切固定板15の左右両端には、上方および外側に開口し前後に貫通する正面視略L字状の段部15b,15bが形成されている。具体的には、図2に示されるように、隣接する切欠溝14a間の幅寸法L20(隣接する切欠溝14aと段部14bとの幅寸法L20)と、隣接する切欠溝15a間の幅寸法L21(隣接する切欠溝15aと段部15bとの幅寸法L21)とは、同一寸法となっている(L20=L21)。
【0031】
図4に示されるように、仕切固定板14は、前方に配置されるL字状部材19と前板部10bとの間に圧入されてベース部材10に取付けられている。仕切固定板15は、後方に配置されるL字状部材19と背板部10eとの間に圧入されてベース部材10に取付けられている。また、図4の拡大部に示されるように、切欠溝15aの底部は、荷重検出ユニット11の上面11a(後述する天板20の上面)よりも上方に位置している。また、図示しないが、切欠溝14aの底部も同様に荷重検出ユニット11,11,…の上面よりも上方に位置している。尚、図4の拡大部は、説明の便宜上、切欠溝15aの左右中央部を縦方向に切断した側断面図を示している。
【0032】
仕切部材16は、半透明状の合成樹脂から構成された板材であり、前後に対応する仕切固定板14,15の切欠溝14a,15aに差し込まれることで着脱可能に取付けられるようになっている。すなわち、仕切部材16は、前後の仕切固定板14,15に掛け渡されて支持されている。また、前述のように、切欠溝14aおよび切欠溝15aの底部は荷重検出ユニット11の上面11aよりも上方に位置しているので、仕切部材16は荷重検出ユニット11の上面11aから上下寸法L4分上方に離間して取付けられる。
【0033】
次いで、荷重検出ユニット11について説明する。図4および図5に示されるように、荷重検出ユニット11は、上面に物品を載置可能な天板20と、天板20の下面に接続される荷重検出センサ21と、ベース部材10の底板部10aに固定されるとともに荷重検出センサ21を支持する矩形板状の支持部材22と、から主に構成されている。尚、荷重検出ユニット11の高さ寸法L22は、ベース部材10の高さ寸法L23よりも小さく形成されているので、荷重検出ユニット11をベース部材10内に収めることができるようになっている。
【0034】
図4図6に示されるように、天板20は、上面視矩形状を成す天板部20aと、天板部20aの左右両端部から垂直下方に延びるリブ20b,20bと、を備えている。この天板20の幅寸法L5は、該天板20の奥行寸法L6よりも小さくなっているとともに(L5<L6)、天板20の幅寸法L5は、隣接する切欠溝14a,15a間の幅寸法L20,L21と同寸法となっている(L5=L20,L21。図2参照)。すなわち、陳列棚部3を組み立てた状態にあっては、各荷重検出ユニット11の天板20上の空間Z1(物品載置領域)が仕切部材16により左右方向に区画されるようになっている。尚、仕切部材16の取付態様は、後に詳しく説明する。
【0035】
また、天板20は、1枚の金属板を折り曲げることで、天板部20aとリブ20b,20bとが形成されており、簡素な構造となっている。また、天板部20aの下面には、矩形状の補強板20cが固定されており、補強板20cには、荷重検出センサ21を接続するための接続部20d,20dが前後に離間して設けられている。この接続部20dは、内側に雌ネジ部が形成された筒体であり、天板20の下面の前後中心部に配置されている。
【0036】
荷重検出センサ21は、天板20に作用する荷重を計測するものであり、平面視矩形状の金属片21aと、金属片21aを天板20に接続する接続部材24と、金属片21aを支持部材22に接続する接続部材25と、金属片21aの前端部を接続部材24に固定するネジ21b,21bと、金属片21aの後端部を接続部材25に固定するネジ21c,21cと、を備えている。金属片21aの前後方向略中央部には、前述したひずみゲージ(図示略)が張り付けられている。また、金属片21aの前部には、上下に貫通する貫通孔部21e,21eが形成されており、金属片21aの後部には、上下に貫通し内周面に雌ネジ部が形成されたネジ孔部21f,21fが形成されている。
【0037】
接続部材24は、水平方向に延びる第1板部24aと、第1板部24aの後端辺から立ち上がる第2板部24bと、第2板部24bの上端辺から後方側に水平に延びる第3板部24cと、を備え、クランク状を成している。第1板部24aには上下に貫通する貫通孔24d,24dが形成され、第3板部24cには上下に貫通する貫通孔24e,24eが形成されている。また、第1板部24aの上面には貫通孔24e,24eに連通するネジ孔を有するナット26,26が固着されている。
【0038】
また、接続部材25は、水平方向に延びる第1板部25aと、第1板部25aの後端辺から立ち上がる第2板部25bと、第2板部25bの上端辺から後方側に水平に延びる第3板部25cと、を備え、クランク状を成している。第1板部25aには上下に貫通する貫通孔25d,25dが形成され、第3板部25cには上下に貫通する貫通孔25e,25eが形成されている。
【0039】
金属片21aは、貫通孔部21e,21eに第1板部24aの貫通孔24d,24dの位置を合わせて下方から遊挿されたネジ21b,21bがナット26,26に螺挿され、接続部20d,20dに第3板部24cの貫通孔24e,24eの位置を合わせて下方からネジN2が螺合されることで天板20に接続されている。また、金属片21aは、ネジ孔部21f,21fに第1板部25aの貫通孔25e,25eの位置を合わせて下方から遊挿されたネジ21c,21cが螺合され、支持部材22の貫通孔22c,22cに第1板部25aの貫通孔25d,25dの位置を合わせて下方からネジN3が螺合されることで支持部材22に接続されている。特に図4に示されるように、荷重検出ユニット11を組み立てた状態において、接続部材24により天板20の前後中央部と金属片21aの前端部が接続されており、接続部材25により支持部材22の前後中央部と金属片21aの後端部とが接続されている。すなわち、天板20の前後中央部を通る中心線C1よりも前方側の位置で天板20が金属片21aに接続されているとともに、中心線C1よりも後方側の位置で支持部材22が金属片21aに接続されている。また、前後方向に長く延びる金属片21aは、前後方向に長く延びる天板20の左右方向および前後中央部に、その長手方向に沿って配置されている。
【0040】
図4図5、および図7に示されるように、支持部材22は、金属板により形成されており、上面視略矩形状の基部22aと、基部22aの前端部における左右方向中央部から前方側に突出する係合部としての凸部22bと、を備えている。基部22aにおける後端側の左右方向中央部には、前後方向に並んで上下方向に貫通する貫通孔22c,22cと、貫通孔22c,22cの後方側に設けられる接続孔22dと、が形成されている。この接続孔22dの内周面には雌ネジ部が形成されている。
【0041】
具体的には、支持部材22には、基部22aの左右中央部を通るように前後に延びる中心線C2上に凸部22b、貫通孔22c,22c、および接続孔22dが配設されている。また、支持部材22は、天板20の幅寸法L5よりも小寸の幅寸法L7を有している(L2>L7)。また、凸部22bの幅寸法L8は、補強部材17のスリット17fの幅寸法L2よりも若干小さく形成されており、スリット17fに対して凸部22bが挿入可能となっている(L2>L8)。
【0042】
図4に示されるように、支持部材22は、凸部22bがスリット17fに挿入されており、上下方向に重畳した貫通孔10f、貫通孔18d、および接続孔22dに対して下方からネジN1が螺挿されることにより、ベース部材10に対して固定されている。
【0043】
荷重検出ユニット11がベース部材10に取付けられた状態にあっては、天板20に載置された物品の荷重により、荷重検出センサ21の金属片21aにひずみが生じる。ひずみゲージにより検出されたひずみ(抵抗値の変化)の値は制御部13に送られる。制御部13には、各荷重検出ユニット11の天板20に載置された物品の種類、1個当たりの重量、1個当たりの値段等の物品情報が予め記憶されており、前記物品情報とひずみの値に基づいて、各荷重検出ユニット11の天板20上の商品の数量を演算することができるようになっている。
【0044】
次いで、図11に示される荷重検出ユニット110について説明する。荷重検出ユニット110は、荷重検出ユニット11とはサイズが異なっている。具体的には、荷重検出ユニット110は、荷重検出ユニット11の天板20とサイズが異なる天板200と、荷重検出ユニット11の支持部材22とサイズおよび形状の異なる支持部材220と、を有している。尚、荷重検出ユニット110に用いられる荷重検出センサ21は、荷重検出ユニット11と同一のものを使用しているので説明を省略する。
【0045】
図8に示されるように、天板200は、上面視矩形状を成す天板部200aと、天板部200aの左右両端部から垂直下方に延びるリブ200b,200bと、を備えている。この天板200の幅寸法L9は、該天板200の奥行寸法L10よりも小さくなっている(L9<L10)。また、天板200の幅寸法L9は、天板20の幅寸法L5の略2倍(自然数倍)の寸法となっている(L5<L9)。厳密には、幅寸法L9は、天板20の幅寸法L5の2倍の寸法と、後述する隙間の幅寸法L14との合計であり、幅寸法L5の2倍よりも若干大きい寸法となっている。また、天板200の奥行寸法L10は、天板20の奥行寸法L6と同一寸法となっている(L6=L9)。
【0046】
また、天板200の下面には、矩形状の補強板200cが固定されており、補強板20cには、荷重検出センサ21を接続するための接続部200d,200dが前後に離間して設けられている。この接続部200d,200dは、天板200の下面の前後中心部に配置されている。
【0047】
図9に示されるように、支持部材220は、金属板により形成されており、上面視略矩形状の基部220aと、基部220aの前端部における左右両端から前方側に突出する係合部としての凸部220b,220bと、を備えている。基部220aの左右中央部を通るように前後に延びる中心線C3上には、貫通孔220c,220cが前後に並んで配設されている。また、凸部220b,220bの左右中央部を通るように前後に延びる中心線C4,C4上には、接続孔220d,220dがそれぞれ形成されている。
【0048】
また、支持部材220の幅寸法L11は、天板200の幅寸法L9よりも小寸である(L9>L11)。また、中心線C4,C4間の幅寸法L12、すなわち、接続孔220d,220d間の離間寸法L12は、貫通孔10f,10f間の幅寸法L1と同一である(L1=L12)。また、凸部220bの幅寸法L13は、凸部22bの幅寸法L8と同一寸法となっているので、補強部材17のスリット17fに対して挿入可能となっている(L8=L13)。
【0049】
次に、実際に荷重検出ユニット11のみを用いて構成した陳列棚部3Aについて図10に基づいて説明する。尚、図10図12は、各陳列棚部を概略的に図示しており、特に図10(c)、図11(c)、図12(c)では、説明の便宜上、仕切固定板14,15の板厚を実際よりも厚く図示している。
【0050】
図10(a)に示されるように、荷重検出ユニット11のみを用いて構成した陳列棚部3Aは、ベース部材10の幅方向に荷重検出ユニット11,11,…を6つ均等に配設することができるようになっている。また、隣接する荷重検出ユニット11,11の間には幅寸法L14分の隙間が形成されているとともに、左右両端の荷重検出ユニット11,11とベース部材10の側板部10c,10dとの間には幅寸法L14分の隙間が形成されている。すなわち、ベース部材10における側板部10cと側板部10dとの間の幅寸法L30は、天板20の幅寸法L5の略6倍の長さとなっている。厳密には、ベース部材10の幅寸法L30は、天板20の6枚分の幅寸法と、隣接する荷重検出ユニット11,11の各隙間と、右端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10cとの隙間と、左端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10dとの隙間と、を合計した長さと等しくなっている。
【0051】
図10(b)に示されるように、支持部材22は、凸部22bがベース部材10のスリット17fに差し込まれているとともに、上下に位置合わせされた接続孔22dと貫通孔10fとにネジN1が螺挿されることでベース部材10に固定されている。このとき、荷重検出センサ21は、上面視においてベース部材10のスリット17fおよび貫通孔10fと前後方向に重畳する位置に配置されている。すなわち、各荷重検出ユニット11が、1つのスリット17fおよび1つの貫通孔10fを利用してベース部材10に取付けられている。
【0052】
また、図10(c)に示されるように、仕切固定板14の各切欠溝14aおよび各段部14bと、仕切固定板15の各切欠溝15aおよび段部15bとは、隣接する荷重検出ユニット11,11の隙間、右端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10cとの隙間、および左端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10dとの隙間に対して前後方向に重畳する位置に配設されている。仕切部材16,16,…は、前後に対応する各切欠溝14aと切欠溝15aとの間、各段部14bと段部15bとの間に架け渡されて設置されている。すなわち、各荷重検出ユニット11の天板20上の空間Z1が、ベース部材10に取付けられる仕切部材16,16により左右方向に区画されるようになっている。尚、陳列棚部3Aの左右両端の仕切部材16,16は、各段部14b,15bとベース部材10の側板部10c,10dとで形成された上向きコ字状の凹部に差し込まれて設置されている。
【0053】
次に、実際に荷重検出ユニット110のみを用いて構成した陳列棚部3Bについて図11に基づいて説明する。
【0054】
図11(a)に示されるように、荷重検出ユニット110のみを用いて構成した陳列棚部3Bは、ベース部材10の幅方向に荷重検出ユニット110,110,…を3つ均等に配設することができるようになっている。また、隣接する荷重検出ユニット110,110の間には幅寸法L14分の隙間が形成されているとともに、左右両端の荷重検出ユニット110,110とベース部材10の側板部10c,10dとの間には幅寸法L14分の隙間が形成されている。すなわち、ベース部材10における側板部10cと側板部10dとの間の幅寸法L30は、天板200の幅寸法L9の略3倍の長さとなっている。厳密には、ベース部材10の幅寸法L30は、天板200の3枚分の幅寸法と、隣接する荷重検出ユニット110,110の各隙間と、右端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10cとの隙間と、左端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10dとの隙間と、を合計した長さと等しくなっている。
【0055】
図11(b)に示されるように、支持部材220は、凸部220b,220bが隣接するスリット17f,17fに跨って差し込まれているとともに、上下に位置合わせされた接続孔220d,220dと貫通孔10f,10fとにネジN1が螺挿されことでベース部材10に固定されている。このとき、荷重検出センサ21は、上面視において隣接するスリット17f,17fの中央位置に配置されている。すなわち、各荷重検出ユニット11が、2つのスリット17fおよび2つの貫通孔10fを利用してベース部材10に取付けられている。
【0056】
また、荷重検出ユニット110の天板200の幅寸法L9は、荷重検出ユニット11の天板20の2枚分の幅寸法と、隣接する荷重検出ユニット11,11の間に形成される隙間の幅寸法L14との合計と等しい。すなわち、ベース部材10に対して2種類の荷重検出ユニット11と荷重検出ユニット110とを交換して取付けることができる。
【0057】
また、図11(c)に示されるように、仕切部材16,16,…は、隣接する荷重検出ユニット110,110の隙間、右端の荷重検出ユニット110とベース部材10の側板部10cとの隙間、および左端の荷重検出ユニット110とベース部材10の側板部10dとの隙間に対して前後方向に重畳する切欠溝14aおよび切欠溝15aに架け渡されて設置されている。すなわち、各荷重検出ユニット110の天板200上の空間Z2が、ベース部材10に取付けられる仕切部材16,16により左右方向に区画されるようになっている。
【0058】
次に、実際に荷重検出ユニット11と、荷重検出ユニット110とを用いて構成した陳列棚部3Cの一例について図12に基づいて説明する。
【0059】
図12(a)(b)に示されるように、本実施例の陳列棚部3Cは、2つの荷重検出ユニット11と2つの荷重検出ユニット110とを用いて構成されている。具体的には、陳列棚部3Cの左側から右側に向けて、荷重検出ユニット110、荷重検出ユニット11、荷重検出ユニット110、荷重検出ユニット11の順で配設されている。また、隣接する荷重検出ユニット11,110の間には幅寸法L14分の隙間が形成されている。
【0060】
また、図12(c)に示されるように、仕切部材16,16,…は、隣接する荷重検出ユニット11,110の隙間、右端の荷重検出ユニット11とベース部材10の側板部10cとの隙間、および左端の荷重検出ユニット110とベース部材10の側板部10dとの隙間に対して前後方向に重畳する切欠溝14aおよび切欠溝15aに架け渡されて設置されている。
【0061】
以上説明したように、本実施例の陳列棚部3は、幅寸法L5を有する天板20と、幅寸法L9の天板200とを有しており、荷重検出センサ21は、ベース部材10に対して幅方向位置を変更可能に設置される支持部材22または支持部材220に取付けられている。これによれば、支持部材22または支持部材220をベース部材10の幅方向に移動させて荷重検出センサ21と天板20または天板200の位置を変更することができるので、ベース部材10上に幅寸法の異なる天板20と天板200とを組み合わせて配置することができる。すなわち、荷重検出センサ21による荷重検出を可能としつつ、物品を載置する天板20上の空間Z1や天板200上の空間Z2における大きさや配置位置を変更できるので、物品の大きさや種類、売れ行き状況、販売時間帯、キャンペーン等に応じて物品のレイアウトを自由に変更できる。
【0062】
また、天板200の幅寸法L9は、天板20の幅寸法L5の略2倍の寸法となっている。また、ベース部材10の幅寸法L30は、天板20の幅寸法L5の略6倍の寸法(天板200の幅寸法L9の略3倍の寸法)となっている。すなわち、天板200の幅寸法L9およびベース部材10の幅寸法L30は、最小の天板20の幅寸法L5の自然数倍の寸法となっているため、ベース部材10に対して天板20および天板200を配置したときに、ベース部材10上に天板20または天板200が配置されない部分、すなわちデッドスペースが形成されることを抑制でき、物品載置領域である空間Z1および空間Z2を広く確保できる。
【0063】
また、ベース部材10が上方に開口する箱状を成している。具体的には、ベース部材10の底板部10aの周縁に前板部10b、側板部10c,10d、および背板部10eが立設しており、その内側に荷重検出ユニット11,110が収められる構成となっているので、前板部10b、側板部10c,10d、および背板部10eを目安として荷重検出ユニット11,110を設置しやすくなっているとともに、ベース部材10に対して荷重検出ユニット11または荷重検出ユニット110を組み立てた状態(陳列棚部3を構成した状態)で取り扱うことができる。例えば、陳列棚部3の持ち運びや、ブラケット7,7への着脱を簡便に行うことができる。また、ブラケット7,7から陳列棚部3を取り外してベース部材10に対する荷重検出ユニット11または荷重検出ユニット110のレイアウト変更を行うことができる。また、制御部13から延びる複数の配線30のコネクタがスリット10gを通って底板部10aの上面側に配置されているので、荷重検出ユニット11または荷重検出ユニット110のレイアウト変更時の配線作業を底板部10aの上面側で簡便に行うことができる。
【0064】
また、ベース部材10の前板部10b、側板部10c,10d、および背板部10eにより荷重検出ユニット11または荷重検出ユニット110の側方が囲まれるので、側方から荷重検出センサ21が露見することがなく、見栄えが良い。また、荷重検出ユニット11または荷重検出ユニット110を支持する底板部10aの強度が前板部10b、側板部10c,10d、および背板部10eにより高められているので、荷重検出ユニット11,110を安定的に支持することができる。
【0065】
また、ベース部材10には、スリット17f,17f,…が幅方向に等配して配置されており、支持部材22の凸部22bまたは支持部材220凸部220b,220bを任意のスリット17fに挿入することにより、支持部材22または支持部材220をベース部材10の幅方向に確実に位置決めすることができる。また、支持部材22の凸部22bまたは支持部材220の凸部220b,220bを任意のスリット17fに挿入することにより、上下方向の軸を中心とした支持部材22または支持部材220の回動も規制されるとともに、支持部材22の接続孔22dまたは支持部材220の接続孔220dと、底板部10aの貫通孔10fとの位置決めを行うことができるので、ベース部材10と支持部材22または支持部材220との固定作業を簡便に行うことができる。
【0066】
また、図13(a)に示されるように、天板20の両側方には、下方に延びるリブ20b,20bが設けられている。これによれば、例えば、図13(b)に示されるように、物品の重量バランス等により、左側の天板20の右端部が下がるように傾いても、右側の天板20のリブ20bにより、左側の天板20の天板部20aと右側の天板20の天板部20aとの間で物品等が上下に挟まれることが阻止される。また、左側の天板20の天板部20aと右側の天板20の天板部20aとの間から物品等が落下することも回避できる。また、天板20のリブ20b,20bにより構造強度が向上するので、天板20を薄くすることができる。尚、図13(b)では説明の便宜上、実際よりも傾きを大きく図示している。
【0067】
また、隣接する天板20,20の間には、仕切部材16が配置されているので、物品が隣接する天板20,20に跨って配置されることが防止される。
【0068】
また、荷重検出センサ21における前後方向に延びる金属片21aは、前後方向に長く延びる天板20の長手方向に沿って配置されているので、前方側から物品の出し入れが行われた際に金属片21aにひずみが効率よく生じ、正確に荷重検出を行うことができる。さらに、前述したように、天板20は、天板20の前後中央部を通る中心線C1よりも前方側の位置で金属片21aに対して接続されているとともに、支持部材22は、中心線C1よりも後方側の位置で金属片21aに対して接続されている。これによれば、空間Z1には、前方側から物品の出し入れが行われるので、中心線C1よりも後方側の位置を支点として天板20の前端部が上下に回動するようになっており、荷重検出センサ21の金属片21aを効率よくひずませることができるので、荷重検出センサ21による荷重検出を高い精度で行うことができる。
【0069】
また、荷重検出センサ21は、補強板20cまたは補強板200cを介して天板20または天板200の下面に取付けられているとともに、支持部材22または支持部材220を介してベース部材10の底板部10aに取付けられているので、天板20、天板200、およびベース部材10の底板部10aの強度を保ちつつ薄く形成することができる。
【実施例2】
【0070】
次に、実施例2に係る物品載置具および什器につき、図14から図17を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
【0071】
図14および図16に示されるように、本発明の実施例2において、荷重検出ユニット311は、上面に物品を載置可能な天板320と、天板320の下面に接続される荷重検出センサ21と、ベース部材10の底板部10aに固定されるとともに荷重検出センサ21を支持する矩形板状の支持部材322と、天板320の上面に取付けられる左右一対の仕切部材316,316と、から主に構成されている。尚、仕切部材316,316は、互いに左右対称に構成されている。
【0072】
天板320には、天板部320aの四隅においてそれぞれ上下方向に貫通する貫通孔320e(図16(a)参照)が形成されている。
【0073】
支持部材322は、金属板により上面視略矩形状に形成されており、前後両端部の左右中央部には接続孔322d,322dが形成されている。この接続孔322dの内周面には雌ネジ部が形成されている。尚、説明の便宜上、詳細な図示を省略するが、ベース部材10および前方側の補強部材17には、支持部材322の前端部に形成される接続孔322dと対応する位置に、貫通孔10f,10f,…および貫通孔17g,17g,…がそれぞれ左右方向に複数形成されている。
【0074】
図16(b)に示されるように、支持部材322は、前後両端部において上下方向に重畳した貫通孔10f,10f、貫通孔17g,18d、および接続孔322d,322dに対して下方からネジN1が螺挿されることにより、ベース部材10に対して固定されている。
【0075】
仕切部材316は、半透明状の合成樹脂から構成され、上面視略矩形状の取付板部316aと、取付板部316aの一方の側端部から立ち上がる側面視五角形状の仕切板部316bと、取付板部316aの前端部から立ち上がる正面視矩形状の前方規制板部316cと、取付板部316aの後端部から立ち上がる正面視矩形状の後方規制板部316dと、を備えている。尚、前方規制板部316cの高さ寸法は、後方規制板部316dの高さ寸法よりも小さくなっている。また、仕切部材316の奥行寸法は、天板320の奥行寸法と同一寸法となっている。
【0076】
また、取付板部316aにおける前後両端部には、左右方向に並んで上下方向に貫通する取付孔316e,316fが形成されている。尚、本実施例においては、仕切板部316b側に形成されるものを取付孔316e、仕切板部316bと左右方向の反対側に形成されるものを取付孔316fとして説明する。
【0077】
また、仕切部材316は、天板部320aの上面において取付板部316aの側端を天板部320aの側端に揃えた状態で、上下方向に重畳した貫通孔320eおよび取付孔316eに対して上方からナイロン製のプッシュリベットRが押し込まれることにより、天板320に対して固定されている。
【0078】
尚、陳列棚部3Aを組み立てた状態にあっては、各荷重検出ユニット311の天板320上の空間Z311(物品載置領域)が左右一対の仕切部材316,316により左右方向に区画されるようになっている(図16(c)参照)。詳しくは、荷重検出ユニット311の天板320上の空間Z311は、天板320の天板部320aの上面の上方の空間と、天板320の左右端部に固定される仕切部材316,316の取付板部316a,316aの上面の上方の空間と、により構成されている。尚、空間Z311の幅寸法L311は、一対の仕切部材316の仕切板部316bの内側面間の最短寸法であって、天板320の幅寸法L5(図16(a)参照)から各仕切部材316の仕切板部316bの板厚寸法を差し引いた寸法となっている。
【0079】
次いで、図15および図17に示される荷重検出ユニット411について説明する。荷重検出ユニット411は、図14および図16に示される荷重検出ユニット311とはサイズが異なっている。具体的には、荷重検出ユニット411は、左右一対の仕切部材316、316が天板部320aの上面において取付板部316aの側端部を天板部320aの両側端から左右方向にそれぞれ突出させた状態で、上下方向に重畳した貫通孔320eおよび取付孔316fに対して上方からプッシュリベットRが押し込まれることにより、天板320に対して固定されている。尚、荷重検出ユニット411に用いられる天板320、荷重検出センサ21、支持部材322および仕切部材316,316は、荷重検出ユニット311と同一のものを使用しているので説明を省略する。
【0080】
尚、陳列棚部3Aを組み立てた状態にあっては、各荷重検出ユニット411の天板320上の空間Z411(物品載置領域)が左右一対の仕切部材316,316により左右方向に区画されるようになっている(図17(c)参照)。詳しくは、荷重検出ユニット311の天板320上の空間Z411は、天板320の天板部320aの上面の上方の空間と、天板320の左右端部に固定される仕切部材316,316の取付板部316a,316aの上面の上方の空間と、により構成されている。尚、空間Z411の幅寸法L411は、一対の仕切部材316の仕切板部316bの内側面間の最短寸法であって、天板320の幅寸法L5と、天板部320aの両側端から左右方向にそれぞれ突出する仕切部材316,316の突出部分の幅寸法との合計から各仕切部材316の仕切板部316bの板厚寸法を差し引いた寸法となっている。すなわち、荷重検出ユニット411の天板320上の空間Z411の幅寸法L411は、荷重検出ユニット311の天板320上の空間Z311の幅寸法L311よりも大きい(L411>L311)。
【0081】
次に、実際に荷重検出ユニット311のみを用いて構成した陳列棚部3Aについて図16に基づいて説明する。
【0082】
図16に示されるように、荷重検出ユニット311のみを用いて構成した陳列棚部3Aは、ベース部材10の幅方向に荷重検出ユニット311,311,…を6つ均等に配設することができるようになっている。また、隣接する荷重検出ユニット311,311の間には幅寸法L14分の隙間が形成されているとともに、左右両端の荷重検出ユニット311,311とベース部材10の側板部10c,10dとの間には幅寸法L14分の隙間が形成されている。
【0083】
次に、実際に荷重検出ユニット411のみを用いて構成した陳列棚部3Aについて図17に基づいて説明する。
【0084】
図17に示されるように、荷重検出ユニット411のみを用いて構成した陳列棚部3Aは、ベース部材10の幅方向に荷重検出ユニット411,411,…を5つ均等に配設することができるようになっている。また、隣接する荷重検出ユニット411,411の間には幅寸法L14分の隙間が形成されているとともに、左右両端の荷重検出ユニット411,411とベース部材10の側板部10c,10dとの間には幅寸法L14分の隙間が形成されている。
【0085】
尚、本実施例において、ベース部材10の幅方向に荷重検出ユニット311,311,…を6つ均等に配設する場合と、荷重検出ユニット411,411,…を5つ均等に配設する場合の両方に対応できるように、ベース部材10および前後の補強部材17,18には、貫通孔10f,10f,…および貫通孔18d,18d,…がそれぞれ適当な位置に左右方向に複数形成されている。
【0086】
また、図16および図17に示されるように、同一サイズの荷重検出ユニットがベース部材10の幅方向に複数均等に配置されるものに限らず、例えばサイズの異なる荷重検出ユニット311,411が組み合わせて配置されてもよく、さらに隣接する荷重検出ユニットの間の隙間や、左右両端の荷重検出ユニットとベース部材10の側板部10c,10dとの間の隙間の幅寸法は同一に構成されなくてもよい。また、ベース部材10および前後の補強部材17,18に形成される貫通孔10f,10f,…および貫通孔18d,18d,…の数や配置は、荷重検出ユニットの配置に合わせて適宜変更されることは言うまでもない。
【0087】
以上説明したように、本実施例の陳列棚部3は、天板320と天板320に取り付けられる仕切部材316,316により天板320上の物品載置領域としての空間Z311,Z411が異なる幅寸法に構成され、荷重検出センサ21は、ベース部材10に対して幅方向位置を変更可能に設置される支持部材322に取付けられている。これによれば、支持部材322をベース部材10の幅方向に移動させて荷重検出センサ21と天板320の位置を変更することができるので、ベース部材10上に天板320および仕切部材316,316により構成される物品載置領域の幅寸法が異なる荷重検出ユニット311,411を組み合わせて配置することができる。すなわち、荷重検出センサ21による荷重検出を可能としつつ、物品を載置する天板320上の空間Z311,Z411における大きさや配置位置を変更できるので、物品の大きさや種類、売れ行き状況、販売時間帯、キャンペーン等に応じて物品のレイアウトを自由に変更できる。
【0088】
また、物品載置領域としての天板320上の空間Z311,Z411は、天板320に対する仕切部材316,316の幅方向の取付位置を変更することで幅寸法が調整可能となっている。これによれば、同一の天板320および仕切部材316,316によって物品載置領域の幅寸法を変更することができるため、少ない部品数で物品のレイアウトを自由に変更することができる。
【0089】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0090】
例えば、前記実施例1では、陳列棚部3が幅寸法の異なる2種類の天板20および天板200を備える形態を例示したが、これに限られず、幅寸法の異なる3種類以上の天板を備えていてもよい。
【0091】
また、前記実施例1では、荷重検出ユニット11および荷重検出ユニット110が幅寸法の異なる支持部材22および支持部材220をそれぞれ備える形態を例示したが、ベース部材に対して幅方向位置を変更可能であれば、同一形状の支持部材であってもよい。
【0092】
また、前記実施例1では、支持部材22の凸部22bまたは支持部材220の凸部220bをベース部材10の幅方向に複数設けられた貫通孔10f,10f,…のうち任意の貫通孔10fに差し込むことで、ベース部材10に対する荷重検出ユニット11および荷重検出ユニット110の幅方向位置を変更する形態を例示したが、これに限定されない。例えば、ベース部材に幅方向に延びるレールを設け、該レールに対して支持部材を移動可能に取付け、支持部材をレールの任意の位置で固定できるようになっていてもよい。
【0093】
また、前記実施例2では、天板320に対する仕切部材316,316の幅方向の取付位置を変更することで物品載置領域の幅寸法を2種類に変更できる形態を例示したが、これに限られず、仕切部材の取付板部に左右方向に並んで形成される取付孔の数を増やすことにより物品載置領域の幅寸法を3種類以上に変更できるようにしてもよい。
【0094】
また、前記実施例2では、天板320の天板部320aの四隅において1つずつ貫通孔320eが形成され、仕切部材316の取付板部316aに左右方向に並んで複数の取付孔316e,316fが形成される形態を例示したが、これに限られず、仕切部材の取付板部に1つの取付孔を形成し、天板の天板部の四隅においてそれぞれ左右方向に並んで複数の貫通孔を形成することにより、天板に対する仕切部材の幅方向の取付位置を変更して物品載置領域の幅寸法を変更できるようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施例2では、仕切部材316は、天板部320aの上面に取付板部316aを配置した状態で、上下方向に重畳した貫通孔320eおよび取付孔316e,316fに対して上方からプッシュリベットRを押し込むことにより、天板320に対して固定される形態を例示したが、これに限られず、天板と仕切部材との固定は、例えばボルト締めや係合爪等により行われてもよい。
【0096】
また、前記実施例1,2では、1つの天板に対して1つの荷重検出センサ21が取付けられる形態を例示したが、これに限られず、1つの天板に対して複数の荷重検出センサが取付けられ、複数の荷重検出センサにより天板上の荷重を検出するようになっていてもよい。特に、天板のサイズが大きい場合には、複数の荷重検出センサで安定して支持できるので有用である。
【0097】
また、前記実施例1,2では、什器1が左右一対のブラケット7,7に陳列棚部3が載置された商品陳列棚に限られず、例えば、陳列棚部3が台に載置される商品陳列台などであってもよい。また、什器1は、売り場に配置されるものに限られず、例えば、バックヤードに配置される物品保管用の什器であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 什器
2 支柱
3,3A~3C 陳列棚部(物品載置具)
7 ブラケット
10 ベース部材
10a 底板部
10b 前板部
10c 側板部
10d 側板部
10e 背板部
11 荷重検出ユニット
14 仕切固定板
14a 切欠溝(設置部)
14b 段部(設置部)
15 仕切固定板
15a 切欠溝(設置部)
15b 段部(設置部)
16 仕切部材
17f スリット(被係合部)
20 天板
20b リブ
21 荷重検出センサ
22 支持部材
22b 凸部(係合部)
110 荷重検出ユニット
200 天板
200b リブ
220 支持部材
220b 凸部
311 荷重検出ユニット
316 仕切部材
316a 取付板部
316b 仕切板部
316c 前方規制板部
316d 後方規制板部
316e,316f 取付孔
320 天板
320e 貫通孔
322 支持部材
411 荷重検出ユニット
Z1,Z2 空間(物品載置領域)
Z311,Z411 空間(物品載置領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17