(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240410BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G09F9/00 350A
H04N5/64 571Z
(21)【出願番号】P 2020022108
(22)【出願日】2020-02-13
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】植木 政瑛
(72)【発明者】
【氏名】岩田 大樹
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219406(JP,A)
【文献】特開2015-026065(JP,A)
【文献】特開2014-130312(JP,A)
【文献】特開2014-074756(JP,A)
【文献】特開2010-097080(JP,A)
【文献】特開2010-060736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に向けて画像を表示する表示面を有する矩形状の表示部と、
前記表示部の周縁部の後方に位置する枠部を有し、前記表示部を後方から支持するシャーシと、
前記表示部を囲み、前記シャーシに固定されるベゼルと、
前記周縁部の前方に設けられた弾性部材と、
を備えており、
前記ベゼルは、前記弾性部材の前方に位置する前壁と、前記枠部の後方に位置する後壁と、前記前壁の一端と前記後壁の一端とを繋ぐ周壁と、前記前壁の他端と前記後壁の他端との間に設けられた開口部と、を有し、
前後方向において、前記開口部の長さは、前記弾性部材の前端から前記枠部の後端までの長さよりも長く、
前記ベゼルは、前記後壁の前記他端から後方に突出するように形成された突出壁を有し、前記突出壁に形成された挿通孔を介して前記シャーシに結合されたねじにより、前記シャーシに固定されている、
表示装置。
【請求項2】
前方に向けて画像を表示する表示面を有する矩形状の表示部と、
前記表示部の周縁部の後方に位置する枠部を有し、前記表示部を後方から支持するシャーシと、
前記表示部を囲み、前記シャーシに固定されるベゼルと、
前記周縁部の前方に設けられた弾性部材と、
を備えており、
前記ベゼルは、前記弾性部材の前方に位置する前壁と、前記枠部の後方に位置する後壁と、前記前壁の一端と前記後壁の一端とを繋ぐ周壁と、前記前壁の他端と前記後壁の他端との間に設けられた開口部と、を有し、
前後方向において、前記開口部の長さは、前記弾性部材の前端から前記枠部の後端までの長さよりも長く、
前記シャーシは、前記後壁の後方に位置し、前記後壁と前後方向に対向する固定片を有し、
前記ベゼルは、前記固定片に形成された挿通孔を介して前記後壁に結合されたねじにより、前記シャーシに固定されている、
表示装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記前壁と前記表示部とで挟まれている、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ベゼルは、前記弾性部材を弾性変形させた状態で前記シャーシに固定されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ベゼルは、前記周壁に形成された挿通孔を介して前記シャーシに結合されたねじにより、前記シャーシに固定されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ねじを覆うバックキャビネットをさらに備える、
請求項
5に記載の表示装置。
【請求項7】
前方に向けて画像を表示する表示面を有する矩形状の表示部と、
前記表示部の周縁部の後方に位置する枠部を有し、前記表示部を後方から支持するシャーシと、
前記表示部を囲み、前記シャーシに固定されるベゼルと、
前記周縁部の前方に設けられた弾性部材と、
を備えており、
前記ベゼルは、前記弾性部材の前方に位置する前壁と、前記枠部の後方に位置する後壁と、前記前壁の一端と前記後壁の一端とを繋ぐ周壁と、前記前壁の他端と前記後壁の他端との間に設けられた開口部と、を有し、
前後方向において、前記開口部の長さは、前記弾性部材の前端から前記枠部の後端までの長さよりも長く、
前記表示部の前記周縁部と前記シャーシの前記枠部とは接しており、
前記シャーシの前記枠部と前記ベゼルの前記後壁との間に空間が形成され、
前記シャーシは、前記枠部から後方に延びる上板部を有し、
前記ベゼルは、前記後壁の他端から後方に突出する突出壁を有し、
前記ベゼルの前記突出壁が前記シャーシの前記上板部上に設けられることにより、前記ベゼルが前記シャーシにスライド可能に支持された
、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベゼルを備える表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の表示装置は、バックライトシャーシの側面に取り付けられるベゼルを備えている。ベゼルは、断面がコの字状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置において、組み立て性の向上が望まれていた。
【0006】
本開示の主な目的は、組立性の向上を図ることができる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る表示装置は、前方に向けて画像を表示する表示面を有する矩形状の表示部と、表示部の周縁部の後方に位置する枠部を有し、表示部を後方から保持するシャーシと、表示部を囲み、シャーシに固定されるベゼルと、周縁部の前方に設けられた弾性部材と、を備えている。ベゼルは、弾性部材の前方に位置する前壁と、枠部の後方に位置する後壁と、前壁の一端と後壁の一端とを繋ぐ周壁と、前壁の他端と後壁の他端との間に設けられた開口部と、を有する。ベゼルは、前後方向において、開口部の長さが、弾性部材の前端から枠部の後端までの長さよりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の表示装置の背面斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の表示装置におけるベゼルおよびシャーシの背面斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の表示装置の製造方法の第1説明図である。
【
図6】
図6は、同上の表示装置の製造方法の第2説明図である。
【
図7】
図7は、同上の表示装置の製造方法の第3説明図である。
【
図8】
図8は、第1変形例に係る表示装置の側断面図である。
【
図9】
図9は、第2変形例に係る表示装置の側断面図である。
【
図10】
図10は、第3変形例に係る表示装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0010】
(実施形態)
本実施形態の表示装置1について、以下に
図1~
図4を参照して説明する。
【0011】
(概要)
本実施形態の表示装置1は、動画、静止画などの画像を表示するディスプレイ装置である。本実施形態では、表示装置1は、アンテナからのテレビ放送信号を受信する受信回路、受信したテレビ放送信号に基づいた映像を表示させる表示回路等を備えており、テレビ受信装置としても機能する。
【0012】
図1~
図3に示すように、表示装置1は、表示部2と、シャーシ3と、ベゼル4と、を備えている。
【0013】
表示部2は、矩形板状に形成されており、画像を表示する表示面21を前面に有する。シャーシ3は、矩形板状に形成されている。シャーシ3は、表示部2を後方から支持するように設けられている。シャーシ3は、表示部2の後方に位置する枠部31を有している。ベゼル4は、枠状に形成されており、表示部2の周縁部22を囲むように構成されている。ベゼル4は、表示面21の前方に位置する前壁41、枠部31の後方に位置する後壁42、前壁41の一端と後壁42の一端とを繋ぐ周壁43、および前壁41の他端と後壁42の他端との間に設けられた開口部44とを有している。また、表示装置1は、前記周縁部22の前方に設けられた弾性部材6を更に備えている。前後方向において、ベゼル4の開口部44の長さは、弾性部材6の前端から枠部31の後端までの長さよりも長い。
【0014】
表示装置1の組立工程には、ベゼル4の開口部44を介して前壁41と後壁42との間の空間に、表示部2の周縁部22及び枠部31を挿入する挿入作業が含まれている。本実施形態の表示装置1では、前後方向において、ベゼル4の開口部44の長さが、弾性部材6の前端から枠部31の後端までの長さよりも長い。それにより、挿入作業において、ベゼル4が弾性部材6、表示部2の周縁部22、及びシャーシ3の枠部31と干渉することが抑制されるので、挿入作業が容易となる。したがって、表示装置1の組立性が向上する。
【0015】
(詳細)
以下、本実施形態の表示装置1について、
図1~
図4を参照して詳細に説明する。以下の説明では、表示部2の長手方向を左右方向(第1方向)、表示部2の短手方向を上下方向(第2方向)、表示部2の厚さ方向を前後方向(第3方向)と規定して説明する(
図1参照)。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上規定した方向であって、使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0016】
表示部2は、例えば表示パネルであり、矩形板状に形成されている。表示部2は、画像を表示させるための表示面21を有している。表示部2は、前方から順に配置された液晶パネル、光学シート群、導光板等を備えている。導光板は、シャーシ3に設けられた光源からの光を光学シート群に導くように構成されている。導光板と光学シート群によって、光源からの光が液晶パネルの背面に均一に照射される。
【0017】
表示部2は、矩形状の外周縁を含む周縁部22を有している。周縁部22は、表示部2における、表示部2の外周縁に沿った部分である。
【0018】
図2に示すように、シャーシ3は、表示部2の背面全体を覆うように配置されている。シャーシ3は、金属により矩形状に形成されている。シャーシ3は、凸部32、および枠部31を有している。
【0019】
凸部32は、上板部321、下板部322、一対の側板部323、及び背板部324を有する(
図2および
図3参照)。背板部324は、平面視が矩形の板状に形成されており、前後方向を厚さ方向とする。上板部321は、背板部324の上端から前方に突出し、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。下板部322は、背板部324の下端から前方に突出し、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。一対の側板部323の一方は、背板部324の左端から前方に突出するように形成され、一対の側板部323の他方は、背板部324の右端から前方に突出するように形成されている。各側板部323は、左右方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。
【0020】
また、
図3または
図4に示すように、上板部321には、上下方向に貫通した複数のねじ孔3212が形成される。複数のねじ孔3212は、上板部321の長手方向である左右方向に離れて形成されている。各ねじ孔3212は、内周面にねじ溝が形成されている。各ねじ孔3212は、シャーシ3とベゼル4とを固定するねじB1が結合される。また、各側板部323には、上板部321と同様に、複数のねじ孔が形成されている。
【0021】
枠部31は、上板部321、下板部322、及び一対の側板部323それぞれの前端から外方向に突出した矩形枠状に形成されており、表示部2の周縁部22の後方に位置している。ここでいう「外方向」とは、上下方向及び左右方向に沿った平面において、背板部324の中心から離れる方向である。枠部31は、上枠部311、下枠部312、及び一対の側枠部313を有している。上枠部311は、上板部321の前端から上方に突出し、左右方向を長手方向、上下方向を短手方向、前後方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。下枠部312は、下板部322の前端から下方に突出し、左右方向を長手方向、上下方向を短手方向、前後方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。一対の側枠部313の一方は、対応する側板部323の前端から左方に突出するように形成され、一対の側枠部313の他方は、対応する側板部323の前端から右方に突出するように形成されている。各側枠部313は、上下方向を長手方向、左右方向を短手方向、前後方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。
【0022】
ベゼル4は、表示部2及びシャーシ3の枠部31を囲むように構成されている。本実施形態では、ベゼル4は、上ベゼル401、および一対の側ベゼル402を有している。ベゼル4は、上ベゼル401と一対の側ベゼル402とが組み合わされることにより、枠状に形成されている。
【0023】
上ベゼル401は、表示部2の周縁部22における上辺部、及びシャーシ3の枠部31における上枠部311を囲むように配置される。一対の側ベゼル402の一方は、表示部2の周縁部22における左辺部、及びシャーシ3の枠部31における一方の側枠部313を囲むように配置され、一対の側ベゼル402の他方は、表示部2の周縁部22における右辺部、及びシャーシ3の枠部31における他方の側枠部313を囲むように配置される。
【0024】
ベゼル4について、
図3~
図4を参照してより詳細に説明する。
図3は、ベゼル4の後方からの斜視図である。
図4は、ベゼル4の側断面図である。なお、ベゼル4の上ベゼル401、一対の側ベゼル402は、それぞれ同様の構成であるので、以下では、上ベゼル401について詳細に説明し、一対の側ベゼル402の詳細な説明を省略する。
【0025】
上ベゼル401は、前壁41、後壁42、周壁43、突出壁45、及び開口部44を備える。
【0026】
前壁41は、左右方向を長手方向、上下方向を短手方向、前後方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。前壁41は、表示部2の周縁部22における上辺部の前方に位置しており、表示面21と前後方向に対向している。
【0027】
後壁42は、左右方向を長手方向、上下方向を短手方向、前後方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。後壁42は、前壁41と前後方向に対向している。前壁41と後壁42との間には、空間が形成されており、当該空間には表示部2の周縁部22、及びシャーシ3の枠部31における上枠部311が配置される。
【0028】
周壁43は、左右方向を長手方向、前後方向を短手方向、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。周壁43は、前壁41及び後壁42の上方に位置しており、前壁41の一端(上端)と後壁42の一端(上端)とを繋いでいる。具体的には、周壁43は、前端が前壁41の上端と連続し、後端が後壁42の上端と連続している。
【0029】
突出壁45は、後壁42の他端(下端)から後方に突出するように形成されている。具体的には、突出壁45は、後壁42における周壁43と反対側に位置にする下端部から後方に突出するように形成されている。突出壁45は、左右方向を長手方向、前後方向を短手方向、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。
【0030】
突出壁45には、複数の挿通孔451が形成されている。各挿通孔451は、突出壁45を上下方向に貫通するように形成されている。複数の挿通孔451は、左右方向に離れて形成されており、シャーシ3の上板部321に形成された複数のねじ孔3212と一対一に対応している。挿通孔451は、対応するねじ孔3212と上下方向に並んでいる。ベゼル4の上ベゼル401をシャーシ3に固定するねじB1は、挿通孔451を介してねじ孔3212に結合される。
【0031】
開口部44は、前壁41の他端と後壁42の他端との間に形成されている。開口部44は、前壁41の下端と後壁42の下端との間の空間である。表示部2の周縁部22及びシャーシ3の上枠部311は、開口部44を介して、前壁41と後壁42との間の空間に挿入される。
【0032】
また、表示装置1は、弾性部材6を更に備えている。弾性部材6は、前壁41と後壁42との間の空間における、前壁41と周縁部22との間に配置されている。弾性部材6は、例えば、スポンジ状のポリウレタン等で構成されており、弾性を有する。弾性部材6は、左右方向を長手方向、上下方向を短手方向、前後方向を厚さ方向とする矩形体状に形成されており、前壁41に沿って配置されている。本実施形態では、弾性部材6は、例えば、接着剤、両面テープ等で前壁41の後面に取り付けられている。弾性部材6は、前壁41と表示部2の周縁部22とで挟まれ、弾性変形している。言い換えれば、上ベゼル401は、弾性部材6が弾性変形するように表示部2の周縁部22との間で弾性部材6を挟んだ状態でシャーシ3に取り付けられる。弾性部材6により、前壁41と表示部2の表示面21とが接触することを抑制できる。なお、本実施形態では、弾性部材6は、前壁41に取り付けられているが、表示部2の周縁部22に取り付けられていてもよい。
【0033】
ここで、本実施形態では、上ベゼル401は、前壁41と後壁42とが略平行となるように構成されており、開口部44の前後方向の長さは、周壁43の前後方向の長さと略同じである。また、開口部44の前後方向の長さは、弾性部材6の前端から上枠部311の後端までの長さよりも長い。つまり、前後方向において、開口部44の長さをL1、弾性部材6の長さをL2、表示部2の周縁部22の長さをL3、上枠部311の長さをL4とした場合、長さL1~L4の関係は、L1>L2+L3+L4となる。上ベゼル401は、表示部2の周縁部22との間で弾性部材6を挟むようにシャーシ3に取り付けられているので、上ベゼル401の後壁42と、シャーシ3の上枠部311とが前後方向にはなれている。なお、上述した弾性部材6の長さL2は、前壁41と表示部2の周縁部22とで挟まれて弾性変形している状態の長さである。前後方向における弾性部材6の自然長をL2aとした場合、長さL1、L2a、L3、L4の関係は、L1>L2a+L3+L4となる。したがって、上ベゼル401における前壁41と後壁42との間の空間に、表示部2の周縁部22及びシャーシ3の上枠部311を挿入する際に、前壁41に固定された弾性部材6が、表示部2の周縁部22に引っ掛かることが抑制される。
【0034】
また、本実施形態の表示装置1は、バックキャビネット5を更に備えている。
【0035】
バックキャビネット5は、シャーシ3等を後方から覆うカバーである。バックキャビネット5は、例えば合成樹脂製であり、前面が開口した箱状に形成されている。バックキャビネット5は、シャーシ3が露出しないように、シャーシ3を全体的に覆うようシャーシ3に固定される。バックキャビネット5は、前端がベゼル4の後壁42と近接するようにシャーシ3に固定される。これにより、ベゼル4をシャーシ3に固定するねじ(例えばねじB1など)がバックキャビネット5に覆われるので、ねじが露出しない。
【0036】
(製造方法)
次に、本実施形態の表示装置1の製造方法について説明する。ここでは、表示装置1の製造方法における、ベゼル4をシャーシ3に取り付ける組立工程について
図5~
図7を参照して説明する。なお、当該組立工程が行われる前に、表示部2がシャーシ3に固定されている。また、以下では、ベゼル4のうち上ベゼル401をシャーシ3に取り付ける工程についてのみ説明するが、一対の側ベゼル402をシャーシ3に取り付ける工程も同様であり、説明を省略する。
【0037】
図5~
図7に示すように、表示装置1の製造方法における、ベゼル4をシャーシ3に取り付ける工程には、挿入工程と、位置合わせ工程と、固定工程と、が含まれている。
【0038】
挿入工程は、
図5及び
図6に示すように、上ベゼル401における開口部44を介して前壁41と後壁42との間の空間に、表示部2の周縁部22及びシャーシ3の上枠部311を挿入する工程である。つまり、挿入工程は、周縁部22及び上枠部311に上ベゼル401を被せる工程である。上述したように、前後方向における、開口部44の長さL1、弾性部材6の自然長L2a、表示部2の周縁部22の長さL3、上枠部311の長さL4の関係が、L1>L2a+L3+L4である。本実施形態では、弾性部材6は、前壁41に固定されている。したがって、挿入工程において、前壁41と後壁42との間の空間、厳密には弾性部材6と後壁42との間の空間に、表示部2の周縁部22と上枠部311とを挿入する際に、弾性部材6が表示部2の周縁部22等に引っかかることが抑制される。これにより、弾性部材6と後壁42との間の空間に、周縁部22及び上枠部311を挿入しやすくなり、弾性部材6の位置ずれ、捲れ等が抑制される。したがって、表示装置1の組立性が向上する。
【0039】
挿入工程の後に、位置合わせ工程が行われる。位置合わせ工程は、
図7に示すように、シャーシ3に対して上ベゼル401の位置を、所定位置に合わせる工程である。所定位置とは、突出壁45に形成された複数の挿通孔451が、対応するシャーシ3の上板部321に形成された複数のねじ孔3212と対向する位置である。つまり、所定位置とは、上ベゼル401がシャーシ3に固定される位置である。
【0040】
また、上ベゼル401が所定位置にある場合、弾性部材6が前壁41と表示部2の周縁部22とで挟まれて弾性変形する。つまり、位置合わせ工程では、前壁41を周縁部22に近づけて弾性部材6が弾性変形するように、上ベゼル401を移動させる。
【0041】
位置合わせ工程の後に、固定工程が行われる。固定工程は、上ベゼル401をシャーシ3にねじ止めする工程である。
【0042】
また、ベゼル4(上ベゼル401、一対の側ベゼル402)がシャーシ3に固定された後、バックキャビネット5がシャーシ3に固定される。バックキャビネット5により、ベゼル4をシャーシ3に固定するねじが覆われるため、表示装置1の意匠性の向上を図ることができる。
【0043】
(変形例)
次に、本実施形態の表示装置1の変形例について説明する。以下の説明では、上述した表示装置1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、以下の説明では、ベゼル4における上ベゼル401、及び上ベゼル401が取り付けられるシャーシ3の上板部321の構成についてのみ説明し、一対の側ベゼル402、及び一対の側板部323はそれぞれ、上ベゼル401、及び上板部321と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
【0044】
(第1変形例)
本変形例の表示装置1は、
図8に示すように、シャーシ3が固定片33を有しており、ベゼル4が固定片33に固定される点が、上述した実施形態と相違する。
【0045】
固定片33は、上板部321から上方に突出するように形成されている。固定片33は、前後方向を厚さ方向とする板状に形成されている。固定片33は、例えば、上板部321の一部を切り起こすことにより形成されている。固定片33は、上ベゼル401の後壁42の後方に位置しており、後壁42と前後方向に対向している。また、固定片33には、挿通孔331が形成されている。挿通孔331は、固定片33を前後方向に貫通するように形成されている。
【0046】
また、上ベゼル401の後壁42は、挿通孔331と前後方向に対向する位置にねじ孔421が形成されている。ねじ孔421は、後壁42を前後方向に貫通するように形成されており、内周面にねじ溝が形成されている。
【0047】
上ベゼル401は、後方から、固定片33の挿通孔331を介してねじ孔421にねじB2が結合されることにより、シャーシ3に固定される。本変形例では、ねじB2をねじ止めする方向が表示部2の厚さ方向と一致し、さらに固定片33に対する後壁42と反対側の空間が開放されているので、上ベゼル401をシャーシ3にねじ止めする作業が容易となる。
【0048】
また、ねじB2は、固定片33の挿通孔331を介して後壁42のねじ孔421に結合される。そのため、ねじB2をねじ孔421に結合することにより、後壁42が固定片33に近づくこととなるので、上ベゼル401を所定位置に合わせる位置合わせ工程が不要となる。これにより、表示装置1の組立性が向上する。
【0049】
(第2変形例)
本変形例の表示装置1は、
図9に示すように、ベゼル4の後壁42が傾斜面4231を有し、シャーシ3の枠部31がボス314を有している点が、上述した実施形態と相違する。
【0050】
本変形例の上ベゼル401における後壁42は、本体部422と傾斜部423とを有している。
【0051】
本体部422は、周壁43における後方部分から下方に突出するように形成されており、前壁41と略平行に形成されている。本体部422と前壁41との間の空間に、表示部2の周縁部22及び上枠部311が配置される。
【0052】
傾斜部423は、本体部422の下端から後方かつ下方に突出するように形成されており、傾斜部423の下端に向かうにつれて、前壁41から後方に離れるように傾斜した傾斜面4231を有している。
【0053】
本変形例では、傾斜部423の下端が、後壁42の下端に相当する。つまり、本変形例の上ベゼル401は、前壁41の下端と、後壁42における傾斜部423の下端との間に開口部44が形成されている。
【0054】
弾性部材6は、下端が、傾斜面4231の上端、つまり本体部422と傾斜部423との接続点よりも下方に位置するように、前壁41に固定されている。つまり、弾性部材6は、周壁43とは反対側に位置する端部が、傾斜面4231における周壁43側に位置する端部よりも周壁43から離れる位置となるように配置されている。
【0055】
後壁42の本体部422には、挿通孔4221が形成されている。挿通孔4221は、本体部422を前後方向に貫通するように形成されている。
【0056】
また、シャーシ3の上枠部311には、筒状のボス314が設けられている。ボス314は、上枠部311の後面から後方に突出するように設けられている。ボス314は、内周面にねじ溝が形成されている。
【0057】
上ベゼル401は、後方から、後壁42の本体部422に形成された挿通孔4221を介してボス314に、ねじB3が結合されることにより、シャーシ3に固定される。
【0058】
本変形例では、前壁41の下端と、傾斜部423の下端との間に開口部44が形成されているので、後壁42全体が前壁41と平行となるように構成されている場合に比べて、枠部31の後方の空間を不要に大きくすることなく、開口部44を拡大化することができる。これにより、上ベゼル401における開口部44を介して前壁41と後壁42との間の空間に、表示部2の周縁部22及びシャーシ3の上枠部311を挿入する挿入工程が容易となる。また、後壁42の本体部422は、弾性部材6の下端よりも上方に位置しているため、挿入工程において、弾性部材6が表示部2の周縁部22等に引っかかることが抑制され、弾性部材6の位置ずれ、捲れ等が抑制される。
【0059】
また、弾性部材6の弾性力によって、ボス314の先端が後壁42の本体部422と接触する。これにより、ねじB3を用いて上ベゼル401をシャーシ3にねじ止めする前に、上ベゼル401の位置ずれが抑制されるので、上ベゼル401をシャーシ3にねじ止めする作業が容易となる。
【0060】
(第3変形例)
本変形例の表示装置1は、
図10に示すように、ベゼル4の周壁43に、ベゼル4をシャーシ3に固定するねじB4を通す挿通孔431が形成されている点が、上述した実施形態と相違する。
【0061】
本変形例の上ベゼル401は、周壁43に挿通孔431が形成されている。挿通孔431は、周壁43を上下方向に貫通するように形成されている。また、本変形例のシャーシ3は、上板部321に、ねじ孔3213が形成されている。ねじ孔3213は、上板部321を上下方向に貫通するように形成されており、内周面にねじ溝が形成されている。
【0062】
上ベゼル401は、上方から、周壁43に形成された挿通孔431を介して、上板部321に形成されたねじ孔3213にねじB4が結合されることにより、シャーシ3に固定される。
【0063】
本変形例では、ベゼル4をシャーシ3に固定するために、突出壁45(
図4参照)、固定片33(
図8参照)、ボス314(
図9参照)等が不要であるため、ベゼル4、シャーシ3の構成の簡略化を図ることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 表示装置
2 表示部
21 表示面
22 周縁部
3 シャーシ
31 枠部
33 固定片
331 挿通孔
4 ベゼル
41 前壁
42 後壁
4221 挿通孔
4231 傾斜面
43 周壁
431 挿通孔
44 開口部
451 挿通孔
5 バックキャビネット
6 弾性部材
B1,B2,B3,B4 ねじ