(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】厨房内ディスプレイ装置および厨房システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240410BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2020028573
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】大貫 正文
(72)【発明者】
【氏名】前田 宏輝
(72)【発明者】
【氏名】木村 大志
(72)【発明者】
【氏名】宮野 和俊
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-194740(JP,A)
【文献】特開2019-212058(JP,A)
【文献】特開2018-150156(JP,A)
【文献】特開2012-099149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0021407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンとパントリーとを含む厨房に設置され
、注文情報入力部に接続された厨房内ディスプレイ装置において、
前記キッチンに設けられ、注文商品をテーブル毎に表示するキッチン側表示部と、
前記パントリーに設けられ、注文商品をテーブル毎に表示する第1パントリー側表示部と、
前記パントリーに設けられ、完成商品をテーブル毎に表示する第2パントリー側表示部と、
キッチン側入力部と、
パントリー側入力部と、
制御部とを備え、
前記制御部は前記注文情報入力部からの注文情報に基づいて、
前記注文情報入力部からの注文情報順に前記キッチン側表示部および前記第1パントリー側表示部に注文商品をテーブル毎に表示させ、
前記キッチン側入力部からの消込情報に基づいて
、前記キッチン側入力部からの消込情報順に、前記キッチン側表示部の注文商品の表示を消し込むと共に
前記第1パントリー側表示部の注文商品の表示色を変化させ、かつ前記第2パントリー側表示部に完成商品をテーブル毎に表示させ、
前記パントリー側入力部からの消込情報に基づいて、
前記パントリー側入力部からの消込情報順に、前記第1パントリー側表示部の注文商品の表示色をさらに変化させ、前記第2パントリー側表示部の完成商品の表示を消し込み、
前記第1パントリー側表示部のテーブル毎にすべての注文商品の表示色が変化した場合、当該注文商品の表示を消し込む、厨房内ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記キッチン側表示部は前記キッチン側入力部を含むタッチパネルからなり、
前記第2パントリー側表示部は前記パントリー側入力部を含むタッチパネルからなる、
請求項1に記載の厨房内ディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の厨房内ディスプレイ装置と、
前記キッチンと前記パントリーとの間に設けられ、複数のフリーローラを含む商品搬送ラインとを備えた、厨房システム。
【請求項4】
前記商品搬送ラインは一対の傾斜する傾斜ラインを含み、各々の傾斜ラインは共通する停止台に向かって降下する、
請求項3に記載の厨房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はキッチンとパントリーとを含む厨房に設置された厨房内ディスプレイ装置および厨房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりキッチンとパントリーとを含む厨房において、キッチン側で作製した商品(料理)がパントリー側へ移載される。この場合、キッチン側には注文商品を表示するキッチン側表示部が設置され、キッチン側のスタッフはこのキッチン側表示部の表示を確認しながら、商品を作製した後、パントリー側へ送るようになっている。パントリー側ではキッチン側で商品が作製されると、パントリー側のスタッフがパントリー側に置かれた伝票と商品を照合しながら移載されてきた商品を所定のテーブルへ運んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにパントリー側へ商品が移載されると、パントリー側のスタッフがパントリー側に置かれた伝票と商品を照合しながら、移載されてきた商品を所定のテーブルへ運んでいる。
【0005】
しかしながら、伝票と商品を照合して、当該商品をテーブルに運ぶ作業は容易ではなく、完成したばかりの商品をテーブルに運ぶこともあるが、他方、場合によっては伝票の照合に手間取り、商品提供に時間を要してしまうこともある。
【0006】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、パントリー側で商品提供に時間を要することを未然に防止して、作製された順で商品をお客様に提供することができる厨房内ディスプレイ装置および厨房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、キッチンとパントリーとを含む厨房に設置された厨房内ディスプレイ装置において、前記キッチンに設けられ、注文商品をテーブル毎に表示するキッチン側表示部と、前記パントリーに設けられ、注文商品をテーブル毎に表示する第1パントリー側表示部と、前記パントリーに設けられ、完成商品をテーブル毎に表示する第2パントリー側表示部と、キッチン側入力部と、パントリー側入力部と、注文情報入力部と、制御部とを備え、前記制御部は前記注文情報入力部からの注文情報に基づいて、前記キッチン側表示部および前記第1パントリー側表示部に注文商品をテーブル毎に表示させ、前記キッチン側入力部からの消込情報に基づいて前記キッチン側表示部の注文商品の表示を消し込み、かつ前記第2パントリー側表示部に完成商品をテーブル毎に表示させ、前記パントリー側入力部からの消込情報に基づいて、前記第2パントリー側表示部の完成商品の表示を消し込む、厨房内ディスプレイ装置である。
【0008】
本開示は、前記制御部は前記パントリー側入力部からの消込情報に基づいて、前記第1パントリー側表示部の注文商品の表示色を変化させる、厨房内ディスプレイ装置である。
【0009】
本開示は、前記制御部は前記パントリー側入力部からの消込情報に基づいて、前記第1パントリー側表示部のテーブル毎にすべての注文商品の表示色が変化した場合、当該注文商品の表示を消し込む、厨房内ディスプレイ装置である。
【0010】
本開示は、前記制御部は前記キッチン側表示部および第1パントリー側表示部に、前記注文情報入力部からの注文情報が入力されたテーブル順に注文商品を表示させ、前記第2パントリー側表示部に前記キッチン側入力部からの消込情報が入力されたテーブル順に、完成商品を表示させる、厨房内ディスプレイ装置である。
【0011】
本開示は、前記キッチン側表示部は前記キッチン側入力部を含むタッチパネルからなり、前記第2パントリー側表示部は前記パントリー側入力部を含むタッチパネルからなる、厨房内ディスプレイ装置である。
【0012】
本開示は、厨房内ディスプレイ装置と、前記キッチンと前記パントリーとの間に設けられ、複数のフリーローラを含む商品搬送ラインとを備えた、厨房システムである。
【0013】
本開示は、前記商品搬送ラインは一対の傾斜する傾斜ラインを含み、各々の傾斜ラインは共通する停止台に向かって降下する、厨房システムである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本開示によれば、商品提供に時間をかけることなく、かつ作製された順で商品をお客様に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は本開示による厨房内ディスプレイ装置の一実施の形態を示す図。
【
図2】
図2は本開示による厨房内ディスプレイ装置の他の実施の形態を示す図。
【
図8】
図8は本開示の制御部による制御方法を示すブロック図。
【
図9】
図9は厨房のパントリー側に設置されるタイマの作用を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<発明の実施の形態>
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
【0017】
まず
図3乃至
図7により本開示による厨房内ディスプレイが設置される厨房について説明する。
【0018】
図3乃至
図7に示すように、厨房30はキッチン側スタッフP1が商品(料理)40を作製するキッチン30Aと、パントリー側スタッフP2が作製された商品を受け取るパントリー30Bとを備えている。このうちキッチン30Aにはキッチン側スタッフP1が商品40を作製する調理台35が設けられ、調理台35の下方には各種調理器を収納する収納棚36が配置されている。
【0019】
他方パントリー30Bには、キッチン30Aで作製された商品を仮置きする仮置き台37と、仮置き台37下方に設置された収納棚38とが設置されている。ここで、パントリー30Bとは、キッチン30Aに隣接するとともに、キッチン30Aで作製された商品をパントリー側スタッフP2が配膳する領域をいう。
【0020】
また厨房30のキッチン30Aとパントリー30Bとの間に、キッチン30Aとパントリー30Bとの間の境界に沿って延びる商品搬送ライン31が設置されている。
【0021】
このような商品搬送ライン31は上述のように、キッチン30Aとパントリー30Bとの間の境界に沿って設けられ、例えばキッチン30A側からみた場合、右方から中央に向かって延びる第1商品搬送ライン31aと、左方から中央に向かって延びる第2商品搬送ライン31bとを有する(
図6参照)。
【0022】
また
図7に示すように商品搬送ライン31の第1商品搬送ライン31aは複数のフリーローラ32を含み、
図6において、右方から中央に向かって降下している。このため第1商品搬送ライン31aの右側端部上に商品40を載置した場合、この商品40がフリーローラ32上を滑って中央に向かって移動する。
【0023】
同様に商品搬送ライン31の第2商品搬送ライン31bは複数のフリーローラ32を含み、
図6において、左方から中央に向かって降下している。このため第2商品搬送ライン31bの左側端部上に商品40を載置した場合、この商品がフリーローラ32上を滑って中央に向かって移動する。
【0024】
またキッチン30Aからみて右方から中央へ延びる第1商品搬送ライン31aと左方から中央へ延びる第2商品搬送ライン31bは中央部分において互いに離間し、第1商品搬送ライン31aと第2商品搬送ライン31bとの間に共通する停止台33が配置されている。そして第1商品搬送ライン31aによりキッチン30Aからみて右方から中央へ向かって搬送された商品40は、共通する停止台33へ送られて、この停止台33で停止する(
図6参照)。
【0025】
同様に第2商品搬送ライン31bにより左方から中央へ向かって搬送された商品40は、共通する停止台33へ送られて、この停止台33で停止する(
図6参照)。
【0026】
また厨房30のキッチン30A側には、注文商品をテーブル(以下、卓ともいう)毎に表示する第1キッチン側表示部11および第2キッチン側表示部12が枠体42により吊設されている。これら第1キッチン側表示部11および第2キッチン側表示部12は、後述する調理台35のパスタライン35aおよびピザライン35bごとにそれぞれ設けられている。
【0027】
また、パントリー30B側に向かって第1パントリー側表示部21および第2パントリー側表示部22が、各々設置されている。このうち第1パントリー側表示部21は注文商品をテーブル毎に表示するものであり、第2パントリー側表示部22はキッチン30A側で作製され完成した完成商品をテーブル毎に表示するものである(
図4参照)。
【0028】
また第2パントリー側表示部22に近接してタイマ24が枠体42により吊設されて設置されている。このタイマ24は共通する停止台33に送られて、この停止台33上に停止する商品40について、後述する第1キッチン側入力部11aおよび第2キッチン側入力部11bで消込情報が入力されてからの経過時間、すなわち商品が完成してからの経過時間を表示するものである。
【0029】
また
図8に示すようにキッチン30A側に設けられた第1キッチン側表示部11および第2キッチン側表示部12は、異なる注文商品についてテーブル毎に表示するよう設けられている。しかしながら、第1キッチン側表示部11と第2キッチン側表示部12は、必ずしも別個独立して設ける必要はなく、すべての注文商品についてテーブル毎に表示するよう単一のキッチン側表示部を設けてもよい。
【0030】
また第1キッチン側表示部11はタッチパネルからなり、このタッチパネルは消込情報を入力する第1キッチン側入力部11aを含んでいてもよく、第2キッチン側表示部12はタッチパネルからなり、このタッチパネルは消込情報を入力する第2キッチン側入力部12aを含んでいてもよい。
【0031】
さらに、第2パントリー側表示部22はタッチパネルからなり、このタッチパネルは消込情報を入力するパントリー側入力部22aを含んでいてもよい。
【0032】
ここで
図8は本開示の制御部による制御方法を示すブロック図であり、
図8に示すように制御部50は入力部51と、出力部53と、操作部52とを含む。
【0033】
また注文情報入力部23は、お客様からの商品(料理)についての注文情報を入力するものであり、注文情報入力部23を用いてテーブル毎のお客様からの商品の注文情報を入力することができる。このような注文情報入力部23としては、テーブル毎におかれた注文情報入力端末、あるいはお客様から注文を受けた後、パントリー30B側のスタッフP2が操作する注文情報入力端末が挙げられる。
【0034】
上記のように構成された第1キッチン側表示部11と、第1キッチン側入力部11aと、第2キッチン側表示部12と、第2キッチン側入力部12aと、注文情報入力部23と、制御部50とにより厨房内ディスプレイ装置10が構成される。
【0035】
また厨房内ディスプレイ装置10と商品搬送ライン31とにより厨房システムが構成される。
【0036】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、
図1および
図8により説明する。ここで
図1は厨房内ディスプレイ装置の第1キッチン側表示部11、第2キッチン側表示部12、第1パントリー側表示部21、第2パントリー側表示部22を制御する制御部50の制御作用を示す図である。
【0037】
まず、例えばテーブル毎に置かれた注文情報端末等の注文情報入力部23からお客様が注文情報を入力する。このとき例えばお客様はパスタとピザを注文する。注文情報入力部23から入力された注文情報は制御部50へ送られ、さらに注文情報は入力部51から操作部52へ送られる。
【0038】
次に制御部50の操作部52は出力部53を介して、第1キッチン側表示部11と、第2キッチン側表示部12と、第1パントリー側表示部21へ注文情報を出力する。このとき第1キッチン側表示部11は、注文情報のうち注文商品「パスタ」をテーブル毎に表示する。同様に第2キッチン側表示部12は、注文情報のうち注文商品「ピザ」をテーブル毎に表示する。また第1パントリー側表示部21は注文情報のうち注文商品のすべてパスタおよびピザをテーブル毎に表示する(
図1参照)。
図1において、テーブル「1」とは、複数のテーブル中、注文情報が発せられた第1番目のテーブルを意味する。
【0039】
第1キッチン側表示部11に注文商品、パスタが表示され、第2キッチン側表示部12に注文商品、ピザが表示されると、
図6に示すようにキッチン31A内のキッチン側スタッフP1がキッチン31A内の調理台35のうちピザライン35bを使用してピザを作製する。
【0040】
このようにキッチン側スタッフP1がピザライン35bを使用してピザを作製しピザを完成させる。
【0041】
次に
図6に示すように完成商品のピザはキッチン側スタッフP1により第2商品搬送ライン31bの左側端部上に載置される。
【0042】
そして第2商品搬送ライン31b上のピザは第2商品搬送ライン31bを降下しながら中央に向かって搬送されて停止台33上に止まる。
【0043】
この間キッチン30A内のキッチン側スタッフP1は、ピザの完成後に第2キッチン側表示部12の第2キッチン側入力部12aを操作してピザが完成した旨の消込情報を入力する。第2キッチン側入力部12aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2キッチン側表示部12に表示されていた「ピザ」の表示を消し込む。
【0044】
同時に第2キッチン側入力部12aからの消込情報に基づいて、制御部50は第1パントリー側表示部21に表示されていた「パスタ」「ピザ」の表示のうち「ピザ」の表示のみをピンク色で表示し、ピザが完成した旨表示する。
【0045】
同様に第2キッチン側入力部12aからの消込情報に基づいて、制御部50は第2パントリー側表示部22に完成商品「ピザ」の表示をテーブル毎にピンク色で表示する。第2パントリー側表示部22に表示されたテーブル「1」とは商品が完成した第1番目のテーブルを意味する。
【0046】
第1パントリー側表示部21に表示されていた「ピザ」がピンク色で表示され、かつ第2パントリー側表示部22に完成商品「ピザ」がテーブル毎に表示されると、パントリー側スタッフP2は、これらを確認して第2商品搬送ライン31bにより搬送され、停止台33上にあるピザへ接近し、このピザを持って、第1パントリー側表示部21および第2パントリー側表示部22に表示された当該テーブル(以下、卓ともいう)へ運ぶ。この際、パントリー側スタッフP2はピザを運ぶ前に第2パントリー側表示部22のパントリー側入力部22aを操作してお客様へ提供済である旨の消込情報を入力する。
【0047】
パントリー側入力部22aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2パントリー側表示部22に表示されていた「ピザ」の表示を消し込む。同時にパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、第1パントリー側表示部21に表示されていた「パスタ」と「ピザ」表示のうち、「ピザ」をピンク色からブルー色へ変え、ピザはすでにお客様へ提供された旨表示する。
【0048】
次にキッチン側スタッフP1がパスタライン35aを使用してパスタを作製し第1番目のテーブルのパスタを完成させる。
【0049】
次に
図6に示すように完成商品のパスタはキッチン側スタッフP1により第1商品搬送ライン31aの右側端部上に載置される。
【0050】
そして第1商品搬送ライン31a上のパスタは第1商品搬送ライン31aを降下しながら中央に向かって搬送されて停止台33上に止まる。
【0051】
この間キッチン30A内のキッチン側スタッフP1は、パスタの完成後に第1キッチン側表示部11の第1キッチン側入力部11aを操作して消込情報を入力する。第1キッチン側入力部11aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第1キッチン側表示部11に表示されていた「パスタ」の表示を消し込む。
【0052】
同時に第1キッチン側入力部11aからの消込情報に基づいて、制御部50は第1パントリー側表示部21に表示されていた「パスタ」「ピザ」の表示のうち「パスタ」をピンク色で表示し、パスタが完成した旨表示する。
【0053】
同様に第1キッチン側入力部11aからの消込情報に基づいて、制御部50は第2パントリー側表示部22に完成商品「パスタ」の表示をテーブル毎にピンク色で表示する。第2パントリー側表示部22に表示されたテーブル「1」とは上述のように、商品が完成した第1番目のテーブルを意味する。
【0054】
第1パントリー側表示部21に表示されていた「パスタ」がピンク色で表示され、かつ第2パントリー側表示部22に完成商品「パスタ」が表示されると、パントリー側スタッフP2は、これらを確認して第1商品搬送ライン31aにより搬送され、停止台33上にあるパスタへ接近し、このパスタを持って、第1パントリー側表示部21および第2パントリー側表示部22に表示された当該テーブルへ運ぶ。この際、パントリー側スタッフP2はパスタを運ぶ前に第2パントリー側表示部22のパントリー側入力部22aを操作して消込情報を入力する。
【0055】
パントリー側入力部22aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2パントリー側表示部22に表示されていた「パスタ」の表示を消し込む。同時にパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、第1パントリー側表示部21に表示されていた「パスタ」と「ピザ」表示のうち、「パスタ」をピンク色からブルー色へ変え、パスタはすでにお客様へ提供された旨表示する。
【0056】
その後制御部50は第1パントリー側表示部21に表示されていた商品「パスタ」および「ピザ」がすべてブルー色となり、当該テーブルのすべてがお客様に提供されたとき、第1パントリー側表示部21に表示されていたすべての商品「パスタ」および「ピザ」を消し込む。
【0057】
この間、商品搬送ライン31の停止台33上に完成商品が載置された場合、第1キッチン側入力部11a、第2キッチン側入力部12aおよびパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、当該商品がキッチン30A側で作製されお客様へ運ばれるまでの時間を制御部50が管理し、商品が作製されてお客様へ運ばれるまでの時間をタイマ24に表示させる(
図9参照)。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、キッチン側で作製された完成商品を第2パントリー側表示部22にテーブル毎に表示することができ、パントリー側スタッフはこの第2パントリー側表示部22を確認して商品搬送ライン31の停止台33上に載置されている商品を当該テーブルに持っていくことができる。このためパントリー側で商品提供に時間を要することなく、作製された完成商品を順次お客様に提供することができる。
【0059】
また商品搬送ライン31は複数のフリーローラ32を含む第1商品搬送ライン31aと第2商品搬送ライン31bとを含み、第1商品搬送ライン31aと第2商品搬送ライン31bとの間に停止台33が配置されている。このためキッチン30A側で作製されて完成した商品は、順次この第1商品搬送ライン31aまたは第2商品搬送ライン31bを使用して搬送され停止台33上へ搬送されることになる。このためパントリー側スタッフP2はこの商品搬送ライン31の停止台33上に載置された商品が最初に完成された商品であると判断し、第2パントリー側表示部22にテーブル毎に表示された商品と停止台33上の商品を照合することで、最初に完成した商品を間違いなく当該テーブルへ運ぶことができ、完成した順に商品を確実にお客様へ提供することができる。
【0060】
次に
図2および
図8により、他の本実施の形態の作用について説明する。ここで
図2は厨房内ディスプレイ装置の第1キッチン側表示部11、第2キッチン側表示部12、第1パントリー側表示部21、第2パントリー側表示部22を制御する制御部50の制御作用を示す図である。
【0061】
まず、例えばテーブル毎に置かれた注文情報端末等の注文情報入力部23からお客様が注文情報を入力する。このとき例えば第1番目のテーブルのお客様はパスタとピザを注文する。注文情報入力部23から入力された注文情報は制御部50へ送られ、この注文情報は入力部51から操作部52へ送られる。
【0062】
次に制御部50の操作部52は出力部53を介して、第1キッチン側表示部11と、第2キッチン側表示部12と、第1パントリー側表示部21へ注文情報を出力する。このとき第1キッチン側表示部11は、注文情報のうち注文商品「パスタ」を第1番目のテーブルについて表示する。同様に第2キッチン側表示部12は、注文情報のうち注文商品「ピザ」を第1番目のテーブルについて表示する。また第1パントリー側表示部21は注文情報のうち注文商品のすべてパスタおよびピザを第1番目のテーブルについて表示する(
図2参照)。
【0063】
次に第2番目のテーブルのお客様がパスタとピザを注文する。注文情報入力部23から入力された注文情報は制御部50へ送られ、この注文情報は入力部51から操作部52へ送られる。
【0064】
次に制御部50の操作部52は出力部53を介して、第1キッチン側表示部11と、第2キッチン側表示部12と、第1パントリー側表示部21へ注文情報を出力する。このとき第1キッチン側表示部11は、注文情報のうち注文商品「パスタ」を第2番目のテーブルについて表示する。同様に第2キッチン側表示部12は、注文情報のうち注文商品「ピザ」を第2番目のテーブルについて表示する。また第1パントリー側表示部21は注文情報のうち注文商品のすべてパスタおよびピザを第2番目のテーブルについて表示する(
図2参照)。
図2において、テーブル「1」「2」とは、複数のテーブル中、注文情報が発せられた第1番目のテーブルおよび第2番目のテーブルを意味する。
【0065】
第1キッチン側表示部11に注文商品、パスタが表示され、第2キッチン側表示部12に注文商品、ピザが表示されると、
図6に示すようにキッチン31A内のキッチン側スタッフP1がキッチン31A内の調理台35のうちピザライン35bを使用して2つのテーブル「1」、テーブル「2」用のピザを作製する。
【0066】
このようにキッチン側スタッフP1がピザライン35bを使用してピザを作製し2つのテーブル用のピザを完成させる。
【0067】
次に
図6に示すように完成商品の2つのテーブル用のピザはキッチン側スタッフP1により第2商品搬送ライン31bの左側端部上に載置される。
【0068】
そして第2商品搬送ライン31b上の2つのテーブル用のピザは第2商品搬送ライン31bを降下しながら中央に向かって搬送されて停止台33上に止まる。
【0069】
この間キッチン30A内のキッチン側スタッフP1は、ピザの完成後に第2キッチン側表示部12の第2キッチン側入力部12aを操作して2つのテーブル用のピザが完成した旨の消込情報を入力する。第2キッチン側入力部12aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2キッチン側表示部12に表示されていた第1番目のテーブルと第2番目のテーブル用の「ピザ」の表示を消し込む。
【0070】
同時に第2キッチン側入力部12aからの消込情報に基づいて、制御部50は第1パントリー側表示部21にテーブル毎に表示されていた「パスタ」「ピザ」の表示のうち「ピザ」をピンク色で表示し、第1番目のテーブルと第2番目のテーブルのピザが完成した旨表示する。
【0071】
同様に第2キッチン側入力部12aからの消込情報に基づいて、制御部50は第2パントリー側表示部22に完成商品「ピザ」の表示を第1のテーブルと第2のテーブル毎にピンク色で表示する。第2パントリー側表示部22に表示されたテーブル「1」「2」とは商品が完成した第1番目のテーブルおよび第2番目のテーブルを意味する。
【0072】
更にキッチン31A内のキッチン側スタッフP1は、キッチン31A内の調理台35のうち、パスタライン35aを使用して、第1番目のテーブル「1」用のパスタを作製する。
【0073】
このようにキッチン側スタッフP1がパスタライン35aを使用してパスタを作製し第1番目のテーブル用のパスタを完成させる。
【0074】
次に
図6に示すように完成商品の第1番目のテーブル用のパスタはキッチン側スタッフP1により第1商品搬送ライン31aの右側端部上に載置される。
【0075】
そして第1商品搬送ライン31a上のパスタは第1商品搬送ライン31aを降下しながら中央に向かって搬送されて停止台33上に止まる。
【0076】
この間キッチン30A内のキッチン側スタッフP1は、パスタの完成後に第1キッチン側表示部11の第1キッチン側入力部11aを操作して第1番目のテーブル用のパスタが完成した旨の消込情報を入力する。第1キッチン側入力部11aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第1キッチン側表示部11に表示されていた第1番目のテーブルの「パスタ」の表示を消し込む。
【0077】
同時に第1キッチン側入力部11aからの消込情報に基づいて、制御部50は第1パントリー側表示部21にテーブル毎に表示されていた「パスタ」「ピザ」の表示のうち第1番目のテーブルの「パスタ」をピンク色で表示し、第1番目のテーブルのパスタが完成した旨表示する。
【0078】
同様に第1キッチン側入力部11aからの消込情報に基づいて、制御部50は第2パントリー側表示部22に完成商品「パスタ」の表示を第1のテーブルについてピンク色で表示する。第2パントリー側表示部22に表示されたテーブル「1」「2」とは第1番目のテーブルおよび第2番目のテーブルを意味する。
【0079】
第1パントリー側表示部21に表示されていた第1番目のテーブルおよび第2番目のテーブルの「ピザ」をピンク色で表示し、かつ第1番目のテーブルの「パスタ」をピンク色で表示するとともに、第2パントリー側表示部22に完成商品「ピザ」が第1番目のテーブルおよび第2番目のテーブル毎に表示され、かつ第1番目のテーブルの「パスタ」が表示されると、パントリー側スタッフP2は、これらを確認して第2商品搬送ライン31bにより搬送され、停止台33上にあるピザ、および第1商品搬送ライン31aにより搬送され、停止台33上によるパスタへ接近し、第1番目のテーブル用のピザおよびパスタを持って、第1パントリー側表示部21および第2パントリー側表示部22に表示された第1願目のテーブルへ運ぶ。このとき停止台33上には第2番目のテーブル用のピザが残っている。なお、パントリー側スタッフP2はピザを運ぶ前に第2パントリー側表示部22のパントリー側入力部22aを操作して第1番目のテーブルのお客様へ提供済であることを示す消込情報を入力する。
【0080】
パントリー側入力部22aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2パントリー側表示部22に表示されていた第1番目のテーブルの「ピザ」と「パスタ」の表示を消し込む。同時にパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、第1パントリー側表示部21に第1番目のテーブルについて表示されていた「パスタ」と「ピザ」表示は、すべて第1番目のテーブルのお客様へ提供済であるため消し込まれる。
【0081】
更に、パントリー側スタッフP2は、第1パントリー側表示部21と第2パントリー側表示部22を確認して第2商品搬送ライン31bにより搬送され、停止台33上に残っている第2番目のテーブル用のピザへ接近し、第2番目のテーブル用のピザを持って、第1パントリー側表示部21および第2パントリー側表示部22に表示された第2番目のテーブルへ運ぶ。この際、パントリー側スタッフP2はピザを運ぶ前に第2パントリー側表示部22のパントリー側入力部22aを操作して第2番目のテーブルのお客様へ提供済であることを示す消込情報を入力する。
【0082】
パントリー側入力部22aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2パントリー側表示部22に表示されていた第2番目のテーブルの「ピザ」の表示を消し込む。同時にパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、第1パントリー側表示部21に第2番目のテーブルについて表示されていた「パスタ」と「ピザ」表示のうち、「ピザ」をピンク色からブルー色へ変え、ピザはすでにお客様へ提供された旨表示する。
【0083】
次にキッチン側スタッフP1がパスタライン35aを使用してパスタを作製し第2番目のテーブルのパスタを完成させる。
【0084】
次に
図6に示すように完成商品のパスタはキッチン側スタッフP1により第1商品搬送ライン31aの右側端部上に載置される。
【0085】
そして第1商品搬送ライン31a上のパスタは第1商品搬送ライン31aを降下しながら中央に向かって搬送されて停止台33上に止まる。
【0086】
この間キッチン30A内のキッチン側スタッフP1は、パスタの完成後に第1キッチン側表示部11の第1キッチン側入力部11aを操作してパスタが完成した旨の消込情報を入力する。第1キッチン側入力部11aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第1キッチン側表示部11に表示されていた第2番目のテーブル用の「パスタ」の表示を消し込む。
【0087】
同時に第1キッチン側入力部11aからの消込情報に基づいて、制御部50は第1パントリー側表示部21に表示されていた第2番目のテーブル用の「パスタ」「ピザ」の表示のうち「パスタ」をピンク色で表示し、パスタが完成した旨表示する。
【0088】
同様に第1キッチン側入力部11aからの消込情報に基づいて、制御部50は第2パントリー側表示部22に完成商品「パスタ」の表示を第2番目のテーブルについてピンク色で表示する。第2パントリー側表示部22に表示されたテーブル「2」とは商品が完成した第2番目のテーブルを意味する。
【0089】
第1パントリー側表示部21に表示されていた「パスタ」がピンク色で表示され、かつ第2パントリー側表示部22に完成商品「パスタ」が表示されると、パントリー側スタッフP2は、これらを確認して第1商品搬送ライン31aにより搬送され、停止台33上にあるパスタへ接近し、このパスタを持って、第1パントリー側表示部21および第2パントリー側表示部22に表示された第2番目のテーブルへ運ぶ。この際、パントリー側スタッフP2はパスタを運ぶ前に第2パントリー側表示部22のパントリー側入力部22aを操作して消込情報を入力する。
【0090】
パントリー側入力部22aからの消込情報は制御部50へ送られ、制御部50は第2パントリー側表示部22に表示されていた第2番目のテーブルの「パスタ」の表示を消し込む。同時にパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、第1パントリー側表示部21に第2番目のテーブルについて表示されていた「パスタ」と「ピザ」表示はすべて消し込まれる。
【0091】
この場合、制御部50は第2番目のテーブルについて第1パントリー側表示部21に表示されていた商品「パスタ」および「ピザ」がすべてブルー色となり、当該テーブルのすべてがお客様に提供されたとき、第1パントリー側表示部21に表示されていたすべての商品「パスタ」および「ピザ」を消し込む。
【0092】
この間、商品搬送ライン31の停止台33上に完成商品が載置された場合、第1キッチン側入力部11a、第2キッチン側入力部12aおよびパントリー側入力部22aからの消込情報に基づいて、当該商品がキッチン30A側で作製されお客様へ運ばれるまでの時間を制御部50が管理し、商品が作製されてお客様へ運ばれるまでの時間をタイマ24に表示させる(
図9参照)。
【0093】
以上のように本実施の形態によれば、キッチン側で作製された完成商品を第2パントリー側表示部22にテーブル毎に表示することができ、パントリー側スタッフはこの第2パントリー側表示部22を確認して商品搬送ライン31の停止台33上に載置されている商品を当該テーブルに持っていくことができる。このためパントリー側で完成商品の提供に時間を要することなく、作製された完成商品を順次お客様に提供することができる。
【0094】
例えば
図9に示すように、キッチン30A側において第1番目のテーブル用のパスタが作製されて完成し、その後第2番目のテーブル用のパスタが作製されて完成する場合、この時の完成時刻が第1番目のテーブル用のパスタについては、12時0分0秒であり、第2番目のテーブル用のパスタについては、12時0分10秒であるとする。
【0095】
この時タイマ24は第1番目のテーブル用のピザは完成した後、停止台33上でお客様あて提供される時刻(12時1分34秒)までその経過時間を表示する。本実施の形態において、第1番目のテーブル用のピザは完成後1分34秒経過後にお客様へ提供される。
【0096】
停止台33から第1のテーブル用のピザが運ばれた後は、第2のテーブル用のピザが12時0分10秒に完成した後、停止台33上でお客様あてに提供される時刻(12時1分56秒)までの経過時間がタイマ24により表示される。本実施の形態において、第2番目のテーブル用のピザは完成後1分46秒経過後にお客様へ提供される。
【0097】
また商品搬送ライン31は複数のフリーローラ32を含む第1商品搬送ライン31aと第2商品搬送ライン31bとを含み、第1商品搬送ライン31aと第2商品搬送ライン31bとの間に停止台33が配置されている。このためキッチン30A側で作製されて完成した商品は、順次この第1商品搬送ライン31aまたは第2商品搬送ライン31bを使用して搬送され停止台33上へ搬送されることになる。このためパントリー側スタッフP2はこの商品搬送ライン31の停止台33上に載置された商品が最初の段階に完成された商品であると判断し、第2パントリー側表示部22にテーブル毎に表示された商品と停止台33上の商品を照合することで、最初の段階で完成した商品を間違いなく当該テーブルへ運ぶことができ、完成した順に商品を確実にお客様へ提供することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 厨房内ディスプレイ装置
11 第1キッチン側表示部
11a 第1キッチン側入力部
12 第2キッチン側表示部
12a 第2キッチン側入力部
21 第1パントリー側表示部
22 第2パントリー側表示部
22a パントリー側入力部
23 注文情報入力部
30 厨房
30A キッチン
30B パントリー
31 商品搬送ライン
31a 第1商品搬送ライン
31b 第2商品搬送ライン
33 停止台
40 商品(料理)
50 制御部