(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】塗布具
(51)【国際特許分類】
B43K 8/06 20060101AFI20240410BHJP
B43K 8/04 20060101ALI20240410BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240410BHJP
B43K 8/02 20060101ALN20240410BHJP
【FI】
B43K8/06
B43K8/04 100
A45D34/04 525B
B43K8/02 100
(21)【出願番号】P 2020030658
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】瀬田川 洋亮
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-000831(JP,A)
【文献】特開昭63-040504(JP,A)
【文献】実開昭63-082484(JP,U)
【文献】特開2003-136883(JP,A)
【文献】特開2002-052888(JP,A)
【文献】特開2017-052248(JP,A)
【文献】特開2013-081761(JP,A)
【文献】実開平01-084776(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00- 1/12
B43K 5/00- 8/24
A45D 33/00-40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆穂を備えた塗布部に、塗布液タンク内の塗布液が供給される塗布具において、
第一の軸筒と、
前記第一の軸筒前端部に設けられた、筆穂を備えた塗布部と、
前記第一の軸筒
の外方に突出する操作部と、
前記第一の軸筒
の後方に繋げられた塗布液タンクと、
前記塗布部と連通する中継芯が前方に延在して塗布液タンクの
前記塗布部側に設けられた弁機構と、
前記操作部の後部に設けられ、前記操作部が押圧された際に揺動するリンク爪と、
前記操作部の押圧操作により
前記リンク爪が揺動した際に、前記リンク爪の揺動力によって中継芯を後退させて
直接的に弁機構を開弁させる中継芯作動機構とを備え、
前記弁機構が開弁した際に
、塗布液が前記中継芯を経由して塗布部側に流出可能になっていることを特徴とする塗布具。
【請求項2】
前記中継芯は
、横断面が放射状である
と共に、前記リンク爪の揺動により後方に移動するスライド部材の内部に挿通された状態で固定され、前記スライド部材はスプリングで前方に付勢されたことを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
塗布液タンクは、
第二の軸筒に、押圧しても撓まない筆記部とキャップとを備えた
マーキングペンであり、キャップを外して前記第一の軸筒に装着することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筆記具等の塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布具には、ペン先の種類を別ユニット装着にて変更できるマーキングペンが提案されている(特許文献1参照)。この塗布具は、ペン芯押圧式なので、筆穂のような、軟質塗布部には不向きである。
【0003】
また、サイドノック式のポンプ機構を用いた塗布具が提案されている(特許文献2参照)。この塗布具においては、ノック操作によって弁体が後方に移動するポンプ式であるが、液吐出する際に一度のノック操作で供給可能な量が限られている。
【0004】
また、サイドノック式塗布具には、塗布具を含めた先軸ユニットが後退して塗布液を吐出する塗布具がある(特許文献3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-52248号公報
【文献】特開2019-107201号公報
【文献】特開2014-148069号公報
【文献】特開2012-831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の特許文献1~4の塗布具の全てにおいて、筆ユニットが取り付け可能な構造となっていない。
【0007】
また、特許文献3、4では、操作部のノック操作の際、塗布部まで移動するので操作部を押しながら使用してしまった場合、ユーザが戸惑ったり書き損じたりする可能性があった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、柔軟な筆穂を塗布部として取り付け可能でありノック操作の際に塗布部を移動させずに塗布液を供給できる塗布具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、筆穂を備えた塗布部に、塗布液タンク内の塗布液が供給される塗布具において、
軸筒外方に突出する操作部と、
軸筒後方に繋げられた塗布液タンクと、
中継芯が前方に延在して塗布液タンクの塗布部側に設けられた弁機構と、
前記操作部の押圧操作により、中継芯を後退させて弁機構を開弁させる中継芯作動機構とを備え、
前記弁機構が開弁した際に塗布液が前記中継芯を経由して塗布部側に流出可能になっていることを特徴とする塗布具である。
【0010】
本発明において、前記中継芯は、塗布部と連通すると共に、横断面が放射状であることが好適である。
【0011】
本発明において、塗布液タンクは、筆記部を備えたことが好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塗布具によれば、操作部の押圧操作により、中継芯を後退させて弁機構を開弁させる中継芯作動機構を備え、前記弁機構が開弁した際に塗布液が前記中継芯を経由して塗布部側に流出可能になっているので、中継芯によって弁機構を開弁させるので、開弁作動がスムーズに塗布液を塗布体側に流出して供給することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る塗布具の非操作時(非ノック時)の説明図であって、(a)が操作部側から見た正面図、(b)が(a)から90°周方向に回転させた側面図、(c)が(a)のC-C線に沿う縦断面図である。
【
図2】
図1の塗布具の操作部を押圧状態にした操作時(ノック時)の説明図であって、(a)が操作部側から見た正面図、(b)が(a)から90°周方向に回転させた側面図、(c)が(a)のC-C線に沿う縦断面図である。
【
図3】
図1の塗布具の非操作時における操作部周辺の斜視一部断面図である。
【
図4】
図1の塗布具の操作部を押圧状態にした操作時における操作部周辺の斜視一部断面図である。
【
図5】
図1の塗布具におけるスライド部材の部品図であって、(a)が斜視図、(b)が前方からの視図、(c)が平面図、(d)が側面視図、(e)が(c)のE-E線に沿う縦断面図、(f)が後方からの視図である。
【
図6】
図1の塗布具における操作部の部品図であって、(a)が前方側からの斜視図、(b)が後方側からの斜視図である。
【
図7】
図1の塗布具における前軸の部品図であって、(a)が前方からの斜視図、(b)が前方からの視図、(c)が平面図、(d)が側面図、(e)が(c)のE-E線に沿う断面図、(f)が後方からの斜視図、(g)が後方からの視図である。
【
図8】第2実施形態に係る塗布具であって、(a)がマーキングペンとの接続前、(b)がマーキングペンとの接続後の斜視図である。
【
図9】
図8の塗布具の非操作時の説明図であって、(a)が操作部側から見た正面図、(b)が(a)から90°周方向に回転させた側面図、(c)が(a)のC-C線に沿う縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0015】
【0016】
図1に示すように、第1実施形態の塗布具は、筆穂を備えた塗布部10に、塗布液タンク12内の塗布液が供給される塗布具において、軸筒14外方に突出する操作部16と、軸筒14後方に繋げられた塗布液タンク12と、中継芯18が前方に延在して塗布液タンクの塗布部側に設けられた弁機構20と、操作部16の押圧操作により、中継芯18を後退させて弁機構20を開弁させるスライド部材(中継芯作動機構)22とを備え、弁機構20が開弁した際に塗布液が中継芯18を経由して塗布部10側に流出可能になっている。
【0017】
本実施形態において、塗布具には、水性・油性インクと被塗布面に筆記するためのマーカ等の筆記具、修正液を被塗布面に塗布する修正ペン、流動体を塗布するための塗布体等種々に適用できる。
【0018】
〔塗布部10〕
塗布部10は、天然繊維又は樹脂繊維を束ねた柔軟な筆穂、樹脂成形体、又は連続多孔質体等の塗布液を送液可能な硬質な塗布体等各種の塗布体を使用できる。塗布部10は、前部が細径で後部が大径で中空10aになっており、中空10a内に中継芯18が前後動可能に挿入されている。塗布部10の後端部には、拡径したフランジ10bが形成されている。
【0019】
塗布部10は、前端部を突出させた状態で中空の先軸24に覆われている。
【0020】
〔塗布液タンク12〕
塗布液タンク12は有底円筒状の成形品であって、その口元部12aは内径が拡径しており、軸筒14の後端が嵌り込んでいる。塗布液タンク12内は撹拌体12bが収容されている。
【0021】
〔軸筒14〕
図1~
図4に示すように、軸筒14の内部には、中継芯18とスライド部材22が前後動可能に収容されている。
【0022】
軸筒14は、詳細には、
図7に示すように、前端部14f及び後端部14rよりも中央部が太径の概略中空筒体であって、側面に操作部(ノック部材)16の出没可能な側方視で矩形のノック孔14aが穿設される。軸筒14の前端部14fは、外周部が段状に切り欠いて形成されており、その前端部14fには、先軸24の後端部が外嵌される(
図1参照)。後端部14rの内部は中央部に比較して小径になった段部14r1が形成されている。段部14r1には、
図3に示すように、スプリング32の後端が当接して、スプリング32の前端をスライド部材22に当接させてそれを前方に向けて弾発している。
【0023】
また、軸筒14における後端部14rの外周部には、О(オー)リング等の弾性樹脂製のシール部材26を外嵌するための溝14r2が形成されている。
【0024】
図1に示すように、スライド部材22に対向する軸筒14の側面には、ノック孔14aが形成される。該ノック孔14aには、側板16a、16aと天板16bを有する横断面略コ字状の操作部16が揺動可能に装着されている(
図6参照)。
【0025】
〔中継芯18〕
中継芯18は、
図1~
図4に示すように、塗布部と連通すると共に、横断面が放射状の棒状のものであって、多孔質体樹脂体や樹脂成形体からなる。放射状になる面同士の間隙に生じる含浸力で塗布液を塗布部10に送液する。
【0026】
中継芯18は、横断面放射状の樹脂材が好適であるが、それ以外の材質を種々に選定することができるが、剛性として、操作部16の操作時に、スライド部材22と弁機構20を、スプリング32と弁機構20のバネ部材20bの弾発力に総和に抗して作動させる剛性が少なくとも必要である。
【0027】
〔スライド部材22〕
スライド部材(中継芯作動機構)22は、
図5に示すように、内部に前後に亘って中継芯18が挿通される空間22aが開口した概略矩形状のスライダ本体22bを有する。スライダ本体22bの下面に突条を有する。スライダ本体22bの前部に概略円形の案内板22cと、後方からスプリング32を装着するため筒部の形成された受板22dとが形成され、スライダ本体22b、案内板22c及び受板22dとには、前後に亘って中継芯18が挿通される空間22aが連続して形成されている。
【0028】
図1に示すように、スライド部材22は、スプリング32で前方に付勢されている。なお、案内板22c及び又は受板22dの外形状は、軸筒14内壁に摺接して回り止めするように適宜の異形断面に形成されている。
【0029】
また、スライダ本体22bには中継芯18が空間22aに挿通された状態で固定され、スライダ本体22bが前後すると合わせて中継芯18も前後するように構成されている。
図3、
図5に示すように、スライダ本体22bの側面部には、空間22aが連通する窓孔22a1が形成され、この窓孔22a1から中継芯18が外面に露出している。受板22dの前部には、軸方向に延びる壁22e1と軸径方向に延びる壁22e2を有する略L字形状の側壁22eを有している。側壁22eのL字形状の中央部付近には、リンク爪30が当接しているので、リンク爪30は、操作部16とスライド部材22との間で互いの応力を伝達する伝達部材の機能を有する。
【0030】
〔操作部16〕
図6に示すように、操作部16は、側板16a、16aと天板16b側板16a、16aの前部と後部との下部がノッチ状に切り欠かれている(切り欠き16e1、16e2)。側板16a、16aのほぼ中央部に外向きに突起16c、16cが形成されると共に、側板16a、16aの前部の切り欠き16e1、16e1に隣接して外向きに突起16d、16dが形成されている。
【0031】
操作部16は、
図1に示すように、軸筒14のノック孔14aを通して軸筒14内に装着した状態では、天板16bが露出し、側板16a、16aの外面がノック孔14a内面に摺接する。それと共に、軸筒14内においては、ノック孔14aの下縁に突起16c、16cと突起16d、16dが当接して操作部16はノック孔14a内から脱落又は飛び出さない構成となっている。
【0032】
つまり、操作部16の非押圧時には、
図3に示されるように、スプリング32の弾発力がリンク爪30を介して作用することで、操作部16は、ノック孔14aの外方に持ち上げられている状態である。その状態で、ノック孔14aの下縁に突起16c、16cと突起16d、16dが当接して位置が規制されている。
【0033】
一方、操作部16の押圧時には、
図4に示されるように、天板16bが押されて、突起16dを支点として操作部16が揺動してその後部が沈み込み、リンク爪30を揺動させる。この際に、リンク爪30の揺動力によってスライド部材22をスプリングの32の弾発力に抗して後方に移動させる。
【0034】
また、操作部16の後部の切り欠き16e2には、
図1~
図4に示すように、リンク爪30が傾斜状態に介装されている。リンク爪30は、
図6に示すように、側面概略くの字状(直線状でもよい)の脚片30a、30aが左右に設けられて、それら脚片30a、30a同士の上端を連結部30bで結んだ概略鋤状の構造である。脚片30a、30a間の空間は、操作部16の側板16a、16a間の空間に軸方向に連続している。その空間には、
図3に示すように、スライド部材22の上部に跨っている。
【0035】
〔弁機構20〕
弁機構20は軸筒14の後部に連続すると塗布液タンク12の前部内に配置される。弁機構20は、塗布液タンク12の口元部に嵌入された概略筒状に後方が塗布液タンク12内に連通するバネ受け20aと、バネ受け20a内に組み込まれると共にバネ受け20aに後端が支持されるバネ部材20bと、バネ受け20a内に前後方向に移動自在に配設され、バネ部材20bにより前方に付勢される弁棒20cと、バネ受け20aの前端部内に嵌着されると共に弁棒20cと弁の機能をなす弁座20dとを備えている。
【0036】
弁棒20cの前端には、中継芯18の後端が接し又は隣接している。操作部16の押圧操作によって、中継芯18が後方に移動することによって、弁棒20cがバネ部材20bの弾性力に抗して後方に移動すると弁棒20cと弁座20dとの間に隙間ができて開弁する。
【0037】
〔実施形態の塗布具の作動〕
実施形態の塗布具は、操作部16の非押圧時には、
図1、
図3に示されるように状態であり、押圧時には、
図2、
図4に示される状態である。
【0038】
操作部16の非押圧時には、
図1、
図3に示されるように、操作部16における操作部16は軸筒14から突出しており、スライド部材22がスプリング32の弾発力によって前方に位置していることから、弁機構20が閉弁している。
【0039】
この際、スプリング32の弾発力がリンク爪30を介してスライド部材22に作用することで、スライド部材は前方に位置し、操作部16は、ノック孔14aの外方に持ち上げられている状態である。その状態で、ノック孔14aの下縁に突起16c、16cと突起16d、16dが当接して位置が規制されている。
【0040】
一方、操作部16の押圧時には、
図2、
図4に示されるように、操作部16の天板16bが使用者の手指にて押される(
図4に押圧方向を矢印Fで示す)。
操作部16は、突起16dを支点として揺動してその後部が沈み込み、リンク爪30を後ろ向きに揺動させる。この際に、リンク爪30の揺動力によってスライド部材22がスプリングの32の弾発力に抗して後方に移動する。
スライド部材22の後方への移動に伴って、中継芯18が後方に移動して弁機構20の弁棒20cを押圧する。この押圧力によって弁棒20cは後方に移動することによって、弁座20dとの間に隙間ができ、弁機構20が開弁する。
開弁時には、塗布液タンク12内の塗布液が、バネ受け20aの中空内部に後方の開口から通り、中継芯18に流入する。流入した塗布液は、中継芯18に誘導されて塗布部10に伝達され、塗布部10に塗布液が供給される。
【0041】
操作部16に対するノック操作の押圧・解除を必要な回数繰り返すことによって、弁機構20が開閉を繰り返して塗布液が塗布部10にて必要量供給されるので、塗布可能になる。
【0042】
したがって、実施形態の塗布具によれば、操作部16の押圧操作により、中継芯18を後退させて弁機構20を開弁させるスライド部材(中継芯作動機構)22を備え、弁機構20が開弁した際に塗布液が中継芯18を経由して塗布液が塗布部10側に流出可能になっているので、直接的に、中継芯18で弁機構20を開弁させるので、開弁作動がスムーズに塗布液を塗布体側に流出して供給することができるという優れた効果を奏する。
【0043】
なお、塗布部10、塗布液タンク12、軸筒14、操作部16、中継芯18、スライド部材22等は、図に示す構成の他、公知の種々の構成を適宜採用することができる。
【0044】
〔第2実施形態〕
第2実施形態の塗布具では、第1実施形態の塗布液タンク12に代えてマーキングペン(筆記具)の塗布液タンク42を用いたものである。
マーキングペン34は、塗布体38と塗布液タンク42を備え、塗布体38を押圧・解除することで弁機構20を開閉するものを用いている。塗布液タンク42内には塗布液撹拌用の撹拌体42aが収容される。
図8、
図9では、第1実施形態と同様の部分に同一の符号を付する。
【0045】
マーキングペン34は、
図8(a)に示すように、キャップ34aをした状態のものを(b)に示すようにキャップ34aを外して、軸筒14の後部に装着する。
【0046】
図9に示すように、マーキングペン34は、先軸36内に押圧しても撓まない塗布体(ペン芯)38が設けられており、塗布体38の後部には、弁機構20がある構造のものである。塗布体38を押圧・解除を繰り替えることによって弁機構20を開閉するタイプの物であって、独立して塗布体38を用いて筆記できるタイプのものである。塗布体38の周囲には、塗布液貯留体40が配置される。
【0047】
第2実施形態の塗布具は、
図8(b)に示すように、マーキングペン34を第1実施形態に塗布具の塗布液タンクに代えて用いて、具体的に、軸筒14に装着することによって、塗布液タンク42内の塗布液が、弁機構20を介して塗布体38から中継芯18を介して塗布体10に供給可能にする。
【0048】
マーキングペン34の装着の際には、
図9に示すように、先軸36を軸筒14の後端部14rに差し込んでマーキングペン34の塗布体38を中継芯18の後端に接しさせて装着する。
【0049】
塗布液の供給の際には、操作部16の操作によって中継芯18が後退すると、塗布体38が後退して弁機構20が開弁して、塗布液タンク42内の塗布液が塗布体38から中継芯18を介して塗布液が塗布部10に供給される。
【0050】
第2実施形態によれば、マーキングペン34の塗布液タンク42に収容された塗布液をそのままサイドノック式の塗布具に使用できるので、塗布具の塗布部10を使用したいときに、手元にある塗布体マーキングペン34の塗布液タンク42を使用できるので、非常に使い勝手がよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の塗布具は、塗布液としてインクを用いた筆記具としても利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 塗布部
12 塗布液タンク
14 軸筒
14a ノック孔
14f 前端部
14r 後端部
14r1 段部
14r2 溝
16 操作部
18 中継芯
20 弁機構
22 スライド部材
24 先軸
30 リンク爪
34 マーキングペン
36 先軸
38 塗布体
40 塗布液貯留体
42 塗布液タンク