(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】プリント基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240410BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H05K1/02 Q
H05K1/02 F
H05K3/46 U
H05K3/46 Q
(21)【出願番号】P 2020067304
(22)【出願日】2020-04-03
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110004060
【氏名又は名称】弁理士法人あお葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【氏名又は名称】千葉 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100139745
【氏名又は名称】丹波 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【氏名又は名称】川野 由希
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】原 洋之輔
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-158792(JP,A)
【文献】特開平09-199823(JP,A)
【文献】特開平05-218226(JP,A)
【文献】特開平06-077347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2層設けられる樹脂層と、
前記樹脂層間に挟持される挟持層、複数の前記樹脂層の最表面に設けられる表層、及び複数の前記樹脂層の最裏面に設けられる裏層から形成される金属製の導電パターンと、
前記樹脂層の最裏面に設けられ、前記導電パターンの前記裏層に
熱的に接続される放熱部と、
を有するプリント基板において、
前記樹脂層の前記最表面に搭載される発熱部品を有し、
前記導電パターンは、
前記発熱部品に電気的に接続されると共に
前記発熱部品の直下からオフセットした位置に配置された1以上の第1スルーホールビアを介して前記放熱部にも
熱的に接続される第1導電伝熱パターンと、
前記第1導電伝熱パターンに電気的に接続されることなく、
第1導電伝熱パターンと電位の異なる搭載部品に電気的に接続され、少なくとも一部が前記発熱部品の直下に配置される受熱層を有し、かつ1以上の第2スルーホールビアを介して前記放熱部に
熱的に接続される第2導電伝熱パターンと、
を有することを特徴とする、プリント基板。
【請求項2】
前記第2導電伝熱パターンの前記受熱層は、前記第1導電伝熱パターンの配置層と異なる層に配置されたことを特徴とする、請求項1に記載のプリント基板。
【請求項3】
前記第2導電伝熱パターンが、グラウンドに
電気的に接続されたことを特徴とする、請求項1または2に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記第2導電伝熱パターンの前記挟持層が複数設けられ、かつベリッドビアで
電気的に接続されたことを特徴とする、請求項1または2に記載のプリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
導電パターンを介して搭載電子部品の放熱を行うプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、段落番号[0048][0050][0051]と
図3、
図4に複数の絶縁層(樹脂層)と、絶縁層の表面、裏面、中間に配置されて、電子素子(発熱部品)に接続される複数の金属層(導電パターン)を有するプリント基板が開示されている。
【0003】
特許文献1のプリント基板は、[0048][0050]及び
図3に記載されているように発熱部品である電子素子で発生した熱を第1ビアによってグラウンド端子に電気的に接続された第2金属層及び第7金属層から放熱部材に伝熱させ、更に[0048][0051]及び
図4に記載されているように第2ビアによってグラウンド端子に電気的に接続された第4金属層及び第5金属層から放熱部材に伝熱させて外部に放熱させる放熱構造を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のプリント基板において、
図3及び
図4に示す第2、第4、第5及び第7金属層は、いずれも電気的に接続されて給電されることにより、面方向に熱を拡散しつつ、放熱部材に伝熱させる。各層の導電パターンは、配置面積が広いほど面方向の拡散性が高まり、放熱部材への迅速な伝熱効果をもたらす点で望ましい。
【0006】
しかし、1つの電子素子に電気的に接続されている導電パターン回路は、同じ層の他の電子部品の導電パターン回路から絶縁する必要からルーティングが限られることにより、同じそうにおける配置面積を拡大させることに限度がある。
【0007】
特許文献1のプリント回路における第2、第4、第5及び第7金属層は、いずれも電気的に接続された同一の回路を形成するため、各層における配置面積を広げることに限度があるため、発揮させる伝熱性にも限度がある。一方で、特許文献1における第3金属層及び第6金属層は、信号端子に接続された金属層であって、[0048]、
図3及び
図4に記載されているように、第2、第4、第5及び第7金属層から絶縁された別の導電パターン回路を形成するものの、放熱部材からも絶縁されているため、放熱部材への伝熱効果を発生させない点で問題がある。
【0008】
本願は、上記問題に鑑みて、放熱部への伝熱性を高めた導電パターンを有するプリント基板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも2層設けられる樹脂層と、前記樹脂層間に挟持される挟持層、複数の前記樹脂層の最表面に設けられる表層、及び複数の前記樹脂層の最裏面に設けられる裏層から形成される金属製の導電パターンと、前記樹脂層の最裏面に設けられ、前記導電パターンの前記裏層に接続される放熱部と、を有するプリント基板において、 前記樹脂層の前記最表面に搭載される発熱部品を有し、前記導電パターンは、1以上の第1スルーホールビアを介して前記発熱部品に電気的に接続されると共に前記放熱部にも接続される第1導電伝熱パターンと、前記第1導電伝熱パターンに電気的に接続されることなく、少なくとも一部が前記発熱部品の直下に配置される受熱層を有し、かつ1以上の第2スルーホールビアを介して前記放熱部に接続される第2導電伝熱パターンと、を有するようにした。
【0010】
(作用)発熱部品で発生した熱は、第1導電伝熱パターンに電気的に接続されること無く発熱部品の直下に配置された受熱層から第2スルーホールビアを介して放熱部に接続される第2導電伝熱パターンにより、第1導電伝熱パターンとは別ルートで放熱部に伝熱される。
【0011】
また、プリント基板において、前記第2導電伝熱パターンの前記受熱層は、前記第1導電伝熱パターンの配置層と異なる層に配置されることが望ましい。
【0012】
(作用)配置層を替えることにより、第2導電伝熱パターンをどの位置に配置しても第1導電伝熱パターンに干渉しなくなる。
【0013】
また、プリント基板において、前記第2導電伝熱パターンは、グラウンドに接続されることが望ましい。
【0014】
(作用)第2導電伝熱パターンで受けた熱は、比較的配置面積を確保しやすいグラウンドパターンから放熱部に伝熱される。
【0015】
また、プリント基板において、前記第2導電伝熱パターンの前記挟持層が複数設けられ、かつベリッドビアで接続されることが望ましい。
【0016】
(作用)ベリッドビアの直上の樹脂層に配置された電子部品が、第2導電伝熱パターンから絶縁される。
【発明の効果】
【0017】
本願のプリント基板によれば、第2導電伝熱パターンは、第1導電伝熱パターンから絶縁された第2導電伝熱パターンが面方向に自在に配置されることと共に発熱部品の熱を放熱部に伝え、第1導電伝熱パターンから放熱部への伝熱を補完することにより、高い放熱性を発揮する。
【0018】
また、プリント基板によれば、第2導電伝熱パターンを第1導電伝熱パターンと別の層に配置することにより、第2導電伝熱パターンの配置の自在性が向上して伝熱面積をより広く確保することで放熱部への伝熱性を向上させることが出来る。
【0019】
また、プリント基板によれば、第2導電伝熱パターンを樹脂層上における配置面積を確保しやすいグラウンドパターンとすることで伝熱面積が更に広く確保され、放熱部への伝熱性が更に向上する。
【0020】
また、プリント基板によれば、仮にスルーホールビアで接続された場合に第2導電伝熱パターンから絶縁する必要があるためにビアの上方に配置出来ない電子部品であっても、第2導電伝熱パターンの複数の挟持層をベリッドビアで接続することにより、ベリッドビアの上方に配置出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】複数の樹脂層及び複数層の第1及び第2導電伝熱パターンを有するプリント基板に関する説明図であって、(a)は、第1及び第2導電伝熱パターンの表層及び第1樹脂層を示す、本実施形態のプリント基板の平面図であり、(b)は、第1導電伝熱パターンの挟持層、第2導電伝熱パターンの第1受熱層及び第2樹脂層のみを表面側から見たと仮定した場合の平面図、(c)は、第2導電伝熱パターンの第2受熱層及び第3樹脂層のみを表面側から見たと仮定した場合の平面図であり、(d)は、第1及び第2導電伝熱パターンの裏層及び放熱部のみを表面側から見たと仮定した場合の平面図である。
【
図2】本実施形態のプリント基板を
図1(a)のI-Iの位置で切断した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態を
図1と
図2に基づいて説明する。各図においては、の搭載車両(図示せず)において、プリント基板の方向を(表面側:裏面側:左端側:右端側:先端側:基端側=Up:Lo:Le:Ri:Fr:Re)として説明する。
【0023】
図1(a)から
図1(d)は、本発明の実施形態にかかるプリント基板1の第1導電伝熱パターン2及び第2導電伝熱パターン3の表層(2a,3a)、挟持層2b,挟持層である第1受熱層3b、挟持層である第2受熱層3c及び裏層(2d,3d)を示すものである。第1導電伝熱パターン2の各層は、複数の第1スルーホールビア10によって電気的に接続され、第2導電伝熱パターン3の各層は、第2スルーホールビア11によって電気的に接続される。表層(2a,3a)は、第1樹脂層4の表面4aに設けられて、発熱部品7や搭載部品8等に電気的に接続される。挟持層2b及び第1受熱層3bは、第1樹脂層4と裏面側の第2樹脂層5によって挟持され、第2受熱層3cは、第2樹脂層5と裏面側の第3樹脂層6によって挟持され、裏層(2d,3d)は、第3樹脂層6と裏面側の放熱部9の伝熱部9aによって挟持される。伝熱部9aは、裏面に設けられた多数の放熱フィン9bと共に放熱部9を形成する。
図2は、発熱部品7や搭載部品8等と、積層された第1及び第2導電伝熱パターン(2,3)及び樹脂層(4,5,6)と、放熱部9によって構成された本件プリント基板1の断面図を示すものである。尚、
図2に示すプリント基板1は、説明の都合上、実際よりもかなり厚く記載している。
【0024】
図1各図及び
図2によって、本実施形態のプリント基板1を説明する。まず、銅箔等の金属で形成された第2導電伝熱パターン3は、同じく銅箔等の金属で形成された第1導電伝熱パターン2に対していずれの層においても電気的に接続されず、互いに独立した状態に配置される。第2導電伝熱パターン3は、最も幅広く配置面積を確保出来るグラウンド(アース電位)に接続されている。
【0025】
図1(a)及び
図2に示すように、第1導電伝熱パターン2の表層2a、第2導電伝熱パターン3の表層3a、発熱部品7及びその他の搭載部品8は、第1樹脂層4の表面4a(第1樹脂層4から第3樹脂層6の最表面)に配置される。発熱部品7と、その他の搭載部品8は、図示しない他の構成部品と共に第1導電伝熱パターン2の表層2aに電気的に接続される。第1導電伝熱パターン2の表層2aは、銅などの金属製の円筒部材からなる複数の第1スルーホールビア10に電気的に接続され、各第1スルーホールビア10は、表層2aと第1樹脂層4を貫通して裏面側に突出する。第2導電伝熱パターン3の表層3aもまた、銅などの金属製の円筒部材からなる複数の第2スルーホールビア11に電気的に接続され、各スルーホールビア11は、表層3aと第1樹脂層4を貫通して裏面側に突出する。発熱部品7によって発生した熱は、第1導電伝熱パターン2の表層2a及び複数の第1スルーホールビア10に伝達される。
【0026】
尚、第2導電伝熱パターン3の表層3aについては、発熱部品7の直下に第1導電伝熱パターン2の表層2aを配置しない部分を設けた上で表層3aの一部を発熱部品7の直下に配置することによって発生した熱を受ける受熱部としてもよい。その場合、発熱部品7で発生した熱の一部は、第2導電伝熱パターン3の表層3aから第2スルーホールビア11に伝達される。
【0027】
図1(b)及び
図2に示すように、第1導電伝熱パターン2の挟持層2bと、第2導電伝熱パターン3の第1受熱層3bは、第2樹脂層5の表面に配置され、図示しない搭載部品に電気的に接続される。第1導電伝熱パターン2の挟持層2bは、表裏に貫通しかつ突出する複数の第1スルーホールビア10に電気的に接続される。また、第2導電伝熱パターン3の第1受熱層3bは、第1受熱部3e(二点鎖線で囲まれた領域)を発熱部品7の直下に配置し、かつ挟持層2bを取り囲む(先端側を除く)ようにし、かつ図示しない他の電位の導電パターンから独立した状態で第2樹脂層5の表面に配置される。第1受熱層3bは、表裏に貫通しかつ突出する複数の第2スルーホールビア11に電気的に接続される。
【0028】
図1(c)及び
図2に示すように、第2導電伝熱パターン3の第2受熱層3cは、第3樹脂層6の表面に配置され、図示しない搭載部品に電気的に接続される。第2導電伝熱パターン3の第2受熱層3cは、第2受熱部3f(二点鎖線で囲まれた領域)を発熱部品7の直下に配置し、かつ複数の第1スルーホールビア10を取り囲む(先端側を除く)ようにし、かつ図示しない他の電位の導電パターンから独立した状態で第3樹脂層6の表面に配置される。第2受熱層3cは、表裏に貫通しかつ突出する複数の第2スルーホールビア11に電気的に接続される。
【0029】
また、
図1(b)、
図1(c)及び
図2に示すように、第1受熱層3bと第2受熱層3cは、第1樹脂層4及び第3樹脂層6側に突出せずに第1受熱層3b及び第2受熱層3cの両者にのみ貫通する円筒型銅製金属等によるベリッドビア(プリント基板の複数の内層のみを貫通するビア)12に電気的に接続される。
図1(a)及び
図2に示す、その他の搭載部品8は、直下に配置されるビアを第1樹脂層4を貫通しないベリッドビア12とすることにより、第2導電伝熱パターン3と短絡することなく第1導電伝熱パターン2の表層2aに接続される。
【0030】
更に、
図1(b)、
図1(c)及び
図2に示すように、第1受熱層3bと第2受熱層3cは、複数のブラインドビア(表面側の第1樹脂層4と表層3aに貫通しないビア)13に電気的に接続される。
【0031】
図1(a)~(c)及び
図2に示される発熱部品7において発生して第1導電伝熱パターン2と複数の第1スルーホールビア10に伝達されない熱は、第1樹脂層4を介して第1受熱層3bの第1受熱部3eに伝達され、更に第2樹脂層5を介して第2受熱層3cの第2受熱部3fに伝達される。第1受熱部3eに伝達された熱は、面方向に沿って第1受熱層3bの全体に拡散され、第2受熱部3fに伝達された熱もまた、面方向に沿って第2受熱層3cの全体に拡散される。第1受熱層3bに拡散された熱は、ベリッドビア12を介して第2受熱層3cに伝達される。第1受熱層3bと第2受熱層3cに拡散された熱は、第2スルーホールビア11とブラインドビア13に伝達される。
【0032】
また、
図1(d)及び
図2に示すように、第1導電伝熱パターン2の裏層2dと、第2導電伝熱パターン3の裏層3dは、第3樹脂層6の裏面6d(第1樹脂層4から第3樹脂層6の最裏面)に設けられ、かつ放熱部9の伝熱部9aに接続される。放熱部9は、熱伝達を促進するシリコングリスや伝熱シートで形成された伝熱部9aの裏面に金属製の多数の放熱フィン9bを設けることで構成される。尚、
図1(d)においては、多数の放熱フィン9dの一部を省略している。第1導電伝熱パターン2の裏層2dは、表裏に貫通する複数の第1スルーホールビア10に電気的に接続される。第2導電伝熱パターン3の裏層3dは、表裏に貫通する複数の第2スルーホールビア11とブラインドビア13に電気的に接続される。発熱部品7で発生した熱は、第1導電伝熱パターン2と複数の第1スルーホールビア10を介して裏層2dから放熱部9に伝達され、更に第1導電伝熱パターン2に直接伝達されなくても、第2導電伝熱パターン3と複数の第2スルーホールビア11とブラインドビア13を介して裏層3dから放熱部9に伝達され、多数の放熱フィン9dを介してプリント基板1の裏面側の外部に放熱される。
【0033】
尚、第2導電電熱パターン3の第1受熱層3b及び第2受熱層3cは、共に表層3a及び裏層3dよりも板厚を厚く形成されてもよい。
【0034】
一般にプリント基板においては、発熱部品に電気的に接続された複数層の導電パターンを発熱部品直下に設けた多数のスルーホールビアによって、プリント基板裏面側の放熱部(ヒートシンク)へ伝達して放熱することが多い。しかし、このようにすると、電位の異なる搭載部品に接続された他の複雑な導電パターンと短絡しないように各層における導電パターンの面積を狭く制限しなければならないことが多い。本実施形態においては、
図1各図及び
図2に示すように、複数層からなる第1導電伝熱パターン2を電気的に接続するための複数の第1スルーホールビア10を発熱部品7の直下からオフセットした位置に配置し、発熱部品7の直下から面方向に延ばして配置した表層2a、挟持層2b及び裏層2dに接続させている。
【0035】
このようにすることで、
図1(b)(c)及び
図2に示すように、発熱部品7の直下に配置面積を制限される第1導電伝熱パターン2と電位の異なる第2導電伝熱パターン3の第1受熱層3b及び第2受熱層3cを配置することが出来る。第1導電伝熱パターン2と複数の第1スルーホールビア10は、第1導電伝熱パターン2の各層の総面積が制限されるために多くの熱を放熱部9に伝えることが出来ない。しかし、第2導電伝熱パターン3は、第1導電伝熱パターン2と電位が異なるために
図1(b)(c)及び
図2に示すように第1受熱層3b及び第2受熱層3cの面積を挟持層2bよりもかなり広く取ることが出来る。また、第2受熱層3cは、第2樹脂層5と第3樹脂層6との間に第1導電伝熱パターン2の挟持層を設けず、第1導電伝熱パターン2と異なる層に設けられることで、更に幅広い面積を確保することが出来る。第1導電伝熱パターン2によって放熱部9に伝えきれなかった発熱部品7の熱は、第1受熱層3b及び第2受熱層3cにおいて面方向に幅広く拡散されることで、第2導電伝熱パターン3に効率良く伝達されると共に、複数の第2スルーホールビア11及びブラインドビア13を介して放熱部9から効率良く放熱される点で優れている。
【0036】
尚、第2導電伝熱パターン3については、総面積を最も広く確保出来るグラウンドに接続することが最も望ましいが、グラウンド以外の電位を有する導電パターンとしても良い。
【0037】
また、本実施形態におけるプリント基板は、1例として樹脂層を3層にして第1導電伝熱パターン2の挟持層と、第2導電伝熱パターン3の受熱層を2層にしているが、樹脂層を2層以上にしているのであれば、その間に挟持される挟持層及び受熱層を受熱層の層数にあわせて1または複数としても構わない。また、第1スルーホールビア10、第2スルーホールビア11及びブラインドビア13は、熱伝達性向上のために出来るだけ多く設けることが望ましいが、1つにしても良く、ベリッドビア12は、熱伝達性向上のために複数設けてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 プリント基板
2 第1導電伝熱パターン
2a 表層
2b 第1挟持層
2d 裏層
3 第2導電伝熱パターン
3a 表層
3b 第1受熱層
3c 第2受熱層
3d 裏層
4a 樹脂層の表面
7 発熱部品
9 放熱部
10 第1スルーホールビア
11 第2スルーホールビア
12 ベリッドビア