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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】温度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/00 20220101AFI20240410BHJP
【FI】
G01J5/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020094020
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189020
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】寺田 大亮
(72)【発明者】
【氏名】井内 徹
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-019629(JP,A)
【文献】特開昭58-058426(JP,A)
【文献】実開昭58-006239(JP,U)
【文献】特開平02-245646(JP,A)
【文献】特開平02-085731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 5/00 - G01J 5/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射ミラーと、
前記反射ミラーによる反射を周期τで停止する反射停止部と、
測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光するとともに、前記反射停止時には、前記測温点からの自発光を直接的に受光する受光部と、
前記受光部の前面で、反射光の受光光路を除き、前記測温点の法線に対して、前記反射ミラーの反射光の仮想の反射光中心と、同じ角度で仮想の反射光中心が入射するように構成される受光部側反射ミラーと、
前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する放射率演算部と、
を有する温度測定装置。
【請求項2】
反射ミラーと、
前記反射ミラーによる反射を周期τで停止する反射停止部と、
測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光するとともに、前記反射停止時には、前記測温点からの自発光を直接的に受光する受光部と、
前記受光部の受光を周期τの参照信号を用いたロックインアンプを通して後記する放射率演算部に渡すフィルタリング部と、
前記受光部の前面で、反射光の受光光路を除き、前記測温点の法線に対して、前記反射ミラーの反射光の仮想の反射光中心と、同じ角度で仮想の反射光中心が入射するように構成される受光部側反射ミラーと、
前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する放射率演算部と、
を有する温度測定装置。
【請求項3】
反射ミラーによる反射を周期τで停止する反射停止ステップと、
測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光する反射光受光ステップと、
前記反射ミラーの反射停止時に、前記測温点からの自発光を直接的に受光する自発光受光ステップと、
前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する放射率演算ステップと、
を有し、
前記反射光受光ステップ又は/及び自発光受光ステップで受光を行う受光部の前面で、反射光の受光光路を除き、前記測温点の法線に対して、前記反射ミラーの反射光の仮想の反射光中心と、同じ角度で仮想の反射光中心が入射するように構成される受光部側反射ミラーを有する温度測定方法。
【請求項4】
反射ミラーによる反射を周期τで停止する反射停止ステップと、
測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光する反射光受光ステップと、
前記反射ミラーの反射停止時に、前記測温点からの自発光を直接的に受光する自発光受光ステップと、
前記反射光受光ステップで受光した反射光又は/及び前記自発光受光ステップで受光した自発光を周期τの参照信号を用いたロックインアンプを通して後記する放射率演算ステップに渡すフィルタリングステップと、
前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する放射率演算ステップと、
を有し、
前記反射光受光ステップ又は/及び自発光受光ステップで受光を行う受光部の前面で、反射光の受光光路を除き、前記測温点の法線に対して、前記反射ミラーの反射光の仮想の反射光中心と、同じ角度で仮想の反射光中心が入射するように構成される受光部側反射ミラーを有する温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測温対象の測温点からの光を反射ミラーにより反射させた反射光と、反射せずに測温点から直接受光する光と、に基づき測温点の放射率を求める温度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触にて温度測定ができる放射温度計は、鋼板製造プロセスや半導体製造プロセスのRTP(Rapid thermal processing)などにおいてよく使われている。放射温度計は対象からの熱放射の強度(分光放射輝度)を測定し、熱放射の強度から温度への換算を、黒体の熱放射の強度と温度との関係に基づいて行う。ここで、測温対象の放射率が黒体の放射率(ε=1.0)と近い値である場合には問題はないが、アルミニウムのように非酸化面で約0.2、酸化面で約0.4といったように、放射率が黒体の放射率に対して著しく小さい値である物質の温度測定においては補正の必要が生じる。
【0003】
適切に補正をするためには、測温対象の実際の放射率を知る必要がある。主な物質の放射率は概ね知られているが、例えば、アルミニウム板の製造プロセスの温度管理のための測温において、プロセス中のアルミニウム板表面の酸化の進み具合により放射率は変化し、補正のために予め設定した放射率と実際の測温対象の放射率とが異なり、正確な補正をすることができないという問題が生じる。
【0004】
かかる問題を解決するために、特許文献1には、耐熱光学材料(石英、サファイアなど)からなるロッドを、ロッドの長手方向が測温対象の表面に対して略垂直となるようにしつつ、ロッドの一端の開口を測温対象の表面に近づけて配置し、ロッドの他端に光ファイバを接続し、測温対象からの放射光の導光路として放射輝度を測定する測温装置であって、導光路の端部と光検出器との間に高反射面と低反射面とを扇状に交互に配置した回転セクタを設けた測温装置を開示している。
【0005】
回転セクタの高反射面がロッドの開口を覆うときは、ロッド内を反射しながら伝播した測温対象からの放射光を高反射面が反射し、この反射光がロッド内を伝播して測温対象の表面にてさらに反射すると言うように多重反射が生じる(高反射状態)。一方、回転セクタの低反射面がロッドの開口を覆うときは、ロッド内を反射しながら伝播した測温対象からの放射光は、その多くが低反射面に吸収され反射光は弱まる。したがって、高反射面が覆ったときのような多重反射は生じない(低反射状態)。
【0006】
また、回転セクタの高反射面と低反射面のそれぞれにはスリットが穿孔されており、高反射状態と低反射状態のそれぞれのときの放射光がスリットを通って光検出器にて受光されるように構成されている。そして、高反射状態で受光した光の強度と低反射状態で受光した光の強度との比に基づき、測温対象の放射率と温度を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2001-91362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の測温装置では、測温対象の表面の真上にロッドを配置しなければならない。そのため、ウェハの真上にフラッシュランプなどを配設して行うRTPにおいて、ウェハの表面温度を測定するための測温装置として用いることはできない。すなわち、測温対象の真上にロッドを配置するスペースがなければ、特許文献1の測温装置を適用することができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決するために本発明において、反射ミラーと、前記反射ミラーによる反射を周期τで停止する反射停止部と、測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光するとともに、前記反射停止時には、前記測温点からの自発光を直接的に受光する受光部と、前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する放射率演算部と、を有する温度測定装置を提供する。
【0010】
また、上記の温度測定装置において、前記受光部の受光を周期τの参照信号を用いたロックインアンプを通して放射率演算部に渡すフィルタリング部をさらに有する温度測定装置を提供する。
【0011】
また、上記の温度測定装置において、前記受光部の前面は反射光の受光光路を除き、前記測温点の法線に対して、前記反射ミラーの反射光の仮想の反射光中心と、同じ角度で仮想の反射光中心が入射するように構成される受光部側反射ミラーをさらに有する温度測定装置を提供する。
【0012】
また、反射ミラーによる反射を周期τで停止する反射停止ステップと、測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光する反射光受光ステップと、前記反射停止時に、前記測温点からの自発光を直接的に受光する自発光受光ステップと、前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する放射率演算ステップと、を有する温度測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、測温対象の測定面の上方空間に余裕のない場合であっても、多重反射をした放射光と多重反射をしなかった放射光との比に基づいて、測温対象の放射率と温度を求めることができる温度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1の温度測定装置の一例を示す概念図
図2】数式9の放射輝度比Rと放射率εθとの関係をプロットした図
図3】実施形態1の温度測定装置を半導体製造RTPプロセスに適用した態様の一例を示す概念図
図4】周期τで取得するL、Lと、ランプ放射による直流雑音を示す図
図5】ロックインアンプの基礎構成を示す概念図
図6】反射停止部を異なる手段で構成した温度測定装置の一例を示す概念図
図7】受光部側反射ミラーを備えない実施形態1の温度測定装置の一例を示す概念図
図8】実施形態1の温度測定装置を実現する計算機の一例を示す概念図
図9】実施形態1の温度測定装置による温度測定方法の一例を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0016】
なお、以下に記載する各実施形態の機能的構成は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実現することができ、これらについては後述する。また、本明細書に記載の各実施形態は装置として実現できるのみでなく、その一部または全部を動作方法としても実現可能である。また、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然に本明細書に記載の各実施形態の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
【0017】
本実施形態の温度測定装置は、測温点からの自発光(熱放射により発せられる光)を直接受光した値と、反射ミラーにより自発光を反射させてから測温点で反射した反射光を受光した値とから温度測定をする温度測定装置であって、反射ミラーでの反射を周期τで反射停止部(黒色のシャッター)で停止し、反射しない自発光のみを受光し、両受光強度を演算処理することで放射率を正確に算出することを特徴とする。これにより、自発光と反射光を周期的に受光することができ、自発光の測定値と反射光の測定値とをそれぞれ周期τの周期的な信号として取得することができ、様々な周波数成分を含む雑音からの分離が可能になり、より精度の高い温度測定に寄与する。
なお、反射ミラーから受光している受光期間は毎回同じ期間長であり、反射停止部で反射停止されている期間長も毎回同じ期間長であることが好ましい。つまり、受光期間周期は、反射、反射停止、期間はともに同じ周期であることが好ましい。なお、反射、反射停止期間をランダムな期間としても、演算処理に利用する受光期間が同じように同じ周期、同じ期間長である場合には反射、反射停止期間長にこだわらなくてもよい。
<実施形態1 構成>
【0018】
図1は、本実施形態の温度測定装置の一例を示す概念図である。図示するように、本実施形態の温度測定装置は、反射ミラー0101と、反射停止部を構成する黒体面0102と、受光部0103と、図示しない放射率演算部を有する。
【0019】
また、測温対象0104は、シリコンウェハ、アルミ板、鋼板などであり、本図においてはそのような測温対象の断面を示している。また、測温対象を搬送するための搬送手段0106を設けてもよい。本図の場合には、紙面の法線方向に測温対象を搬送するように構成することができる。このような搬送手段を設けることで、本温度測定装置を圧延プロセスなどのように流れ作業のなかでの温度測定が可能になる。
<実施形態1 反射ミラー>
【0020】
反射ミラー0101は、半球面状のミラー面0105を有しており、そのミラー面は測温対象0104の表面の測温点Pとミラー面との距離を半径とする球面を構成している。また、反射ミラーは、測温点Pから放射される光が測温点Pに戻るように測温点Pに正対する姿勢をとることができる。また、反射ミラーは、反射率が高いことが好ましく、例えばミラー面を金メッキするなどして、反射率ρが0.95以上となるように構成することが好ましい。
<実施形態1 反射停止部>
【0021】
反射停止部は、反射ミラーによる反射を周期τで停止する機能を有する。図1の例における反射の停止は、測温点Pに正対する反射ミラー0101を回転させて姿勢を変えることで、測温点Pから放射される光を反射して測温点Pに戻すことができないようにしている(図中、点線回転軸と回転矢印)。また、反射ミラーの回転は、一定速度で回転するよりも、所定角度で断続的に回転することが好ましい。これは、反射光と自発光を的確に受光して、それぞれの光の放射輝度を測定するためである。例えば、反射ミラーを回転させるための手段としてはステッピングモーターが好適である。ステッピングモーターは、位置決めを精度よく行うことができ、例えば、反射ミラーを測温点Pに正対する姿勢と、反射ミラーのミラー面を測温点Pから完全に背ける姿勢と、が断続的に到来するように反射ミラーを回転させることができる。そして、反射ミラーのミラー面が測温点Pから完全に背く姿勢となるタイミングが周期τで到来するように反射ミラーを回転させるようにステッピングモーターを駆動する。また、反射ミラーのミラー面を測温点Pから背けミラー面での反射を停止するだけでなく、測温点Pから放射される光を吸収するように構成することが好ましい。例えば、図1に例示するように、反射ミラーのミラー面の背後側に黒体面0102を配置することが好ましい。反射ミラーによる反射光を含む測温点Pからの光の放射輝度と、反射ミラーによる反射光を含まない測温点Pからの光の放射輝度と、の比に基づいて測温点Pの温度を算出する測定原理において、後者の放射輝度が測温点Pから放射される光のみの放射輝度であることが理想だからである。したがって、黒体面からの熱放射を抑制するために黒体面を冷却する手段を設けることがより好ましい。冷却手段は空冷、水冷、油冷を問わない。
<実施形態1 受光部>
【0022】
受光部0103は、測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光するとともに、前記反射停止時には、前記測温点からの自発光を直接的に受光する。なお、図1の例においては、受光部の前方(測温対象側)に孔0107を有する球面形状の反射ミラーである受光部側反射ミラー0108を、さらに有する構成となっている。受光部は、孔0107を通して測温点Pからの光を受光することができる。
【0023】
受光部は、サーモパイルなどの赤外光受光素子を有し、測温点に焦点を合わせるための光学系と組み合わせて使うことが好ましい。また、受光する赤外光の波長範囲は0.9μm~15μm程度が適当である。また、受光部として放射温度計を用いてもよい。
【0024】
受光部側反射ミラー0108は、受光部0103の前面で、反射光の受光光路を除き、前記測温点Pの法線0109に対して、前記反射ミラーの反射光の仮想の反射光中心(図中、測温点Pから反射ミラーに向かう矢印)と、同じ角度で仮想の反射光中心(図中、測温点Pから受光部に向かう矢印)が入射するように構成される。
【0025】
また、受光部側反射ミラー0108のミラー面は、反射ミラーと同様に測温対象0104の表面の測温点Pとミラー面との距離を半径とする球面を構成している。また、受光部側反射ミラーは、測温点Pから発せられる光(自発光と反射光が含まれる)が測温点Pに戻るように測温点Pに正対する姿勢をとる。また、受光部側反射ミラーは、反射率が高いことが好ましく、例えばミラー面を金メッキするなどして、反射率ρが0.95以上となるように構成することが好ましい。
【0026】
また、受光部0103と反射ミラー0101との位置関係は、測温対象0104の測温点Pから測定面法線0109に対して角度θで発せられる光(自発光と反射光が含まれる)が孔010を通過して受光部に入射するように受光部が配置されるとともに、反射ミラーは測温点Pから測定面法線に対して角度-θで発せられる光(自発光と反射光が含まれる)を受けて再び測温点Pへ反射するように構成される。測温対象の上方空間に応じて角度θを設定することで、図1に示すように測温対象の上方空間に干渉することなく温度測定装置を配置することができる。
<実施形態1 放射率演算部>
【0027】
放射率演算部は、反射光と、自発光とに基づいて測温点Pの放射率を演算する機能を有する。放射率演算部は、受光部による測定値を取得、保持し、それらの測定値を後述する測定原理に基づくプログラムを実行するなどして測温点Pの放射率を算出する。放射率を算出するための演算に用いる測定値は、受光部が受光した反射光の分光放射輝度と受光した自発光の分光放射輝度である。それぞれの分光放射輝度の測定値は、受光部が測定値として取得するよう構成してもよいし、放射率演算部が、受光部が受光した信号に基づき分光放射輝度に変換して取得するよう構成してもよい。また、反射光の分光放射輝度と自発光の分光放射輝度は周期τで取得する。後述するように、両測定値を周期τで取得することで、背光放射などの雑音の影響を除去することができるからである。また、周期τで測定値を取得するためには、周期τで反射を停止する反射停止部の動作と同期する信号をエンコーダーや光スイッチにより取得し、この信号に基づき反射光の分光放射輝度と自発光の分光放射輝度とを取得するように構成する。
【0028】
反射光の分光放射輝度と自発光の分光放射輝度に基づき測温点Pの放射率を算出する測定原理を以下に示す。なお、放射率演算部は、算出した放射率と、受光部が受光した自発光とに基づき測温点Pの温度を算出する温度算出手段を有してもよい。このような温度算出は、一般的な放射温度における温度測定の常法を用いることで行うことができる。
<実施形態1 測定原理>
【0029】
本実施形態における測定原理は、図1に示したような温度測定装置において、測温点Pから放射した光が反射ミラーと受光部側反射ミラーとの間で多重反射した光の分光放射輝度であるL=Leffと、反射ミラーの反射が停止したときの測温点Pからの自発光の分光放射輝度であるLと、の比であるR=L/Lに基づき測温点Pの放射率を求めるものである。
【0030】
まず、Lについて説明する。測温点Pから反射ミラーまでの距離をRとする。同じく測温点Pから受光部側反射ミラーまでの距離もRとなるようにする。また、反射ミラーと受光部側反射ミラーのミラー面はRを半径とする球面になっている。ここで、半径Rの反射ミラー及び受光部側反射ミラーの焦点距離はそれぞれf=R/2となるので、数式1で示す光学の集光公式がなりたつ。
【数1】
【0031】
測温点Pと反射ミラー及び受光部側反射ミラーのそれぞれとの距離をa=Rとすると、数式1からb=Rとなる。すなわち測温点Pから発した放射束は反射ミラーで反射し(反射率ρ)、再び測温点Pに戻り、つづいて受光部側反射ミラーに向かい、受光部側反射ミラーで反射し(反射率ρ)、ふたたび測温点Pに戻る過程を繰り返す。つまり、反射ミラーと受光部側反射ミラーの両ミラー間で放射束の多重反射を生ずる。
【0032】
ここで、いま測温点Pのθ方向の(分光)放射率εθとし、測温対象の表面が完全鏡面的な反射面だとすると、両ミラー間で永久的に多重反射を繰り返す。しかし実際には測温対象の表面での吸収や、反射ミラー及び受光部側反射ミラーの反射率の影響により有限回の反射に収束する。そのため、多重反射が生じているなかで受光部側反射ミラーの孔を通過する放射束φは実質ミラー間を有限のn回往復の積算とみなすと、下記の数式2に比例する量となる。
【数2】
【0033】
受光部は数式2の放射束φに対応する放射束を、多重反射による見かけの分光放射輝度Leffとして数式3を検出する。
【数3】
【0034】
ここで、ρは反射ミラーと受光部側反射ミラーの反射率、Lb,λ(T)は温度T、波長λの黒体分光放射輝度である。数式3の見かけの分光放射輝度Leffは、パラメータαを下記の数式4のようにとれば、下記の数式5のように変形できる。
【数4】
【数5】
【0035】
したがって、見かけの分光放射率εeffは、数式6となる。
【数6】
【0036】
ここで、n→∞のとき、ρ(1-εθ)<1であるため、ρn+1(1-εθn+1→0となり、数式5は数式7で表せる。この式は測定試料が完全鏡面的反射面であるときの究極的な見かけの放射輝度を表す。
【数7】
【0037】
一方、反射停止部により反射ミラーによる反射を停止したときに、受光部が測定する測温点Pからの自発光の分光放射輝度Lは、数式8となる。
【数8】
【0038】
そして、数式5と数式8とから、Rは数式9となる。
【数9】
【0039】
図2は、数式9の放射輝度比Rと放射率εθとの関係をプロットした図である。図1で示した温度測定装置により、放射輝度比R=L/Lを測定することによって試料の(分光)放射率εθを一意的に求めることができる.これによって放射率が極度に小さくても温度と放射率の同時測定が可能となる.図中n=∞のときは数式7の関係から数式10が得られる。
【数10】
【0040】
図2において放射率輝度比Rと放射率εθとの関係は、n=5ではεθ=0.4以上、n=10ではεθ=0.25以上、n=20ではεθ=0.1以上で数式10と一致する。鏡面アルミニウムのように放射率εθが極端に小さい場合、同時に鏡面反射特性が高いのでn は大きくなり、数式10の関係式が成立する可能性が高い。現実の測温対象に対しては予め実験を行うことによって図2の関係式を求めておく。
【0041】
なお、この実験は次のようなものである。まず、サンプルの温度を直接的に計測するために熱電対をサンプルに溶接して測温する。その一方で、放射温度計により当該サンプルの温度指示値を取得する。当該サンプルの分光放射率が理想黒体の放射率(1.0)より下回れば、放射率補正を行っていない放射温度計による計測値(指示値)と熱電対により直接計測したサンプルの実際の温度とに差異が生じる。この差異に基づいて当該サンプルの分光放射率εθを求めることができる。
【0042】
併せて、当該サンプルに対して、上述した本装置を用いて放射輝度比Rを計測し、求められた当該サンプルの分光放射率εθと放射輝度比Rを数式10に代入することで、当該サンプルにおけるパラメータαを求めることができる。このような実験を多数のサンプルに対して行うことで、図2に示すような、分光放射率εθと放射輝度比Rとの関係を得ることができる。このように得た分光放射率εθと放射輝度比Rとの関係を本温度測定装置が保持しておき、実際の温度測定の場面では、受光部が自発光と反射光とを受光することでそれぞれの分光放射輝度の比である放射輝度比Rを取得し、取得したRと保持している分光放射率εθと放射輝度比Rとの関係に基づき測温点の放射率が得られる。そして、自発光の分光放射輝度を測定するとともに、得られた放射率で補正(一般的な放射温度計における放射率設定など)することで測温点Pの温度を測定することができる。
【0043】
なお、以上の測定原理は、測温点Pと反射ミラーとの距離と、測温点Pと受光部側反射ミラーとの距離が等しいとして記述したが、双方の距離が異なっていても、ミラーの曲率半径を測温点Pと反射ミラーとの距離と、測温点Pと受光部側反射ミラーとの距離とそれぞれあわせることにより、測温点Pの法線に対する角度を同じくして向き合い、測温点Pからの光を反射して再度測温点Pに発することができれば、上述した測定原理に基づき測温点Pの放射率を得ることができる。
<実施形態1 周期τでの反射停止>
【0044】
上述のとおり、反射停止部は、周期τで反射ミラーによる反射を停止する。この構成により、測定原理で述べたL(測温点Pから放射した光が反射ミラーと受光部側反射ミラーとの間で多重反射した光の分光放射輝度)と、L(反射ミラーの反射が停止したときの測温点Pからの自発光の分光放射輝度)とを、周期τの周期的な信号として取得することができる。
【0045】
図3は、本温度測定装置を半導体製造RTPプロセスに適用した態様の一例を示す概念図である。図示するように、ミラー面0305と黒体面0302とを有する反射ミラー0301、受光部0303、孔0306を有する受光部側反射ミラー0307を有するとともに、測温対象となるシリコンウェハ0304の上方にはハロゲンランプ0308が備わっている。
【0046】
図4は、図3で示した測定環境における、周期τでそれぞれ取得するL、Lと、ランプ放射による雑音を示す図である。図示するように、ランプ放射による雑音に対して、LとLは周期τの周期的な信号となっている。そのため、例えばロックインアンプを用いることで、これらの雑音を除去することができる。したがって、精度よくRを求めることができるので、ウェハの放射率をより正確に算出することができる。
<ロックインアンプを用いるフィルタリング部>
【0047】
本温度測定装置は、前記受光部の受光を周期τの参照信号を用いたロックインアンプを通して放射率演算部に渡すフィルタリング部を有する構成とすることができる。ロックインアンプは、入力される測定信号に含まれる種々の信号のうち、参照信号と同じ周波数成分のみを抽出することができる。したがって、周期τ(周波数1/τ)で取得した反射光の分光放射輝度Lと自発光の分光放射輝度Lとを、2台のロックインアンプのそれぞれに測定信号として入力し、参照信号の周波数を1/τとすることで、背光放射による雑音を除去したLとLを抽出することができる。
<ロックインアンプによる雑音除去>
【0048】
ロックインアンプの基礎構成は、PSD(Phase Sensitive Detector 位相敏感検波器)とローパスフィルターを組み合わせ、図5に示すように構成することができる。なお、ロックインアンプに入力される信号には、測定したい信号(L、L)であるVに雑音成分の信号V(=V+Vn1+Vn2+・・・)が重畳している。
【0049】
ここで、測定信号V、参照信号Vを以下の数式11のように定義する。
【数11】
【0050】
この2種類の信号が、PSDを通ったのちの出力は、以下の数式12のようになる。
【数12】
【0051】
ここで、Vは参照信号Vの周波数と一致(ω=ω)するため、数式12のcos内の(ω-ω)が0になり、cos(φ-φ)の形となり時間項(t項)がなくなり、ローパスフィルターを通過して残る。
一方、雑音成分をV=Asin(ωt+φ)として、参照信号Vと乗算すると以下の数式13のようになる。
【数13】
【0052】
ここで、Vの周波数ωはVの周波数ωと異なるため、数式13のcos内の(ω-ω)が0にならず、PSD後も周波数を持ってしまい、後段のローパスフィルターを通過することができなくなる。このように、ω=ωの場合にのみローパスフィルター通過後の出力が得られ、その出力は、以下の数式14で表される。
【数14】
【0053】
さらに、フェイズシフター(Phase Shifter)により、φ=φとすることで、測定信号の実効値出力が得られる。上述した第2のロックインアンプのそれぞれで、このように得た実効値出力が、雑音を除去したLとLになる。
【0054】
このようにロックインアンプを経て抽出したLとLとを放射率演算部に渡すことで、放射輝度比R=L/Lに基づく放射率の演算を、背光放射などの雑音を除去して行うことができ、より高い精度での温度測定に寄与することができる。
<他の態様の反射停止部>
【0055】
図6は、図1で例示した温度測定装置における反射停止部を異なる手段で構成した例を示す概念図である。図示するように、この温度測定装置は、測温対象0604の表面の測温点Pからの光を反射して測温点Pに戻すように構成されている球面形状の反射ミラー0601と、測温点Pからの光を反射ミラーが反射することを妨げるシャッター0602を有している。また、図1に示した温度測定装置と同様に受光部0603と、孔0605を有する受光部側反射ミラー0606とを有する。図示する両端矢印の方向にシャッターを往復させてミラー面を測温点Pに対して周期τで開閉するように構成する。シャッターの往復運動を実現する手段は問わないが、例えば、リニアアクチュエータ、回転モーターとリンク機構、回転モーターとラック・アンド・ピニオンなどを適用することができる。このようにシャッターを周期τで動作させる構成が本例における反射停止部となる。
<一の反射ミラーのみの態様>
【0056】
図7は、図1に示した温度測定装置において、反射ミラーのみを備え、受光部側反射ミラーを備えない温度測定装置である。図示するように、測温対象0704の測温点Pから発せられる光を反射して測温点Pに戻るように構成されるミラー面0705を有する反射ミラー0701と、反射ミラーを回転させてミラー面の背面側にある黒体面0702を測温点Pに周期τで向けることでミラー面による反射を周期τで停止する反射停止部と、受光部0703と、を有している。
【0057】
受光部が受光する測温点Pからの光は、自発光と、測温点Pにて放射される光が反射ミラーにより反射してから測温点Pに戻り、測温点Pにおいて反射した反射光である。そして、受光部により自発光と反射光とのそれぞれの分光放射輝度であるLとLとを取得する。そして、上述した測定原理に基づき(反射回数n=1)、放射率演算部によりそれぞれの値の比Rに基づき測温対象Pの放射率を求めることができる。そして求めた放射率に基づき測温対象Pの温度を測定することができる。
<実施形態1 ハードウェア構成>
【0058】
図8は、実施形態1の温度測定装置を実現する計算機の一例を示す概念図である。図示するように、マザーボード上などに備えられる、CPU0801、不揮発性メモリ0802、メインメモリ0803、グラフィックカード0804、さらにI/Oコントローラ0805、USBやIEEE、LANなどのインターフェース0806や、BIOS0807、PCIスロット0808、リアルタイムクロック0809など及び、これらを相互に接続するバス並びにバスを接続するチップセット(ノースブリッジ、サウスブリッジ)0810から構成される。
【0059】
「チップセット」0810は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。CPUやメインメモリに近い側をノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインターフェースの側にサウスブリッジが設けられる。
【0060】
ノースブリッジには、CPUインターフェース、メモリコントローラ、グラフィックインターフェースが含まれる。集積化が進み、従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとはメモリバスを介して接続し、グラフィックカードのグラフィックカードスロットとは、ハイスピードグラフィックバス(AGP、PCI Express)で接続される。
【0061】
サウスブリッジには、PCIインターフェース(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(SATA)インターフェース、USBインターフェース、EthernetインターフェースなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。
【0062】
「バス」は、CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐために備えられる。又、バスは前述のチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPUのフロントサイドバス(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられる。バスの種類としてはGPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
【0063】
「CPU」(MPU)はメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインターフェースなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。
【0064】
「不揮発性メモリ」の一例はハードディスクドライブである。基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェースは、SATA(過去ではATA)を採用することができる。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、ハードディスクドライブ間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
【0065】
なお、不揮発性メモリとしては「(NANDフラッシュ)から構成されるSSDをHDDとともに採用してもよいし、HDDに置き換えて採用してもよい。
【0066】
メインメモリは、揮発性のメモリで構成される。最も代表的なものはDRAMダイナミックラムである。
【0067】
BIOSは、計算機の立ち上げ時にメインメモリにオペレーティングシステムを読み込み、アプリケーションなどを実行可能な状態とするために用いられる。前述のようにサウスブリッジに接続されるがノースブリッジに接続されてもよい。
【0068】
I/Oコントローラは外部機器との接続に利用される。USBコネクタもその一例である。赤外光受光素子、可視光受光素子などが接続され、それらの検出信号の入力を受け付ける。また、シャッターやチョッパーも接続され、それらを駆動するための信号が出力される。
【0069】
IEEE1394コネクタは最も代表的な通信規格のインターフェースである。
【0070】
PCIスロットは、機能回路を計算機に接続するためのインターフェースである。
【0071】
OS(オペレーティングシステム)は、コンピュータを稼働するための基本ソフトウェアである。ユーザやアプリケーションプログラムに対してインターフェースを提供し、ハードウェアなどの機能部や、各リソースに対して効率的な管理を行う役割を果たす。
【0072】
デバイスドライバはオペレーティングシステムを介して計算機に付属する各種のデバイスをユーザやアプリケーションに利用可能等するためのデバイスのハードウェアを制御するためのプログラムである。
【0073】
そして、不揮発性メモリ0802には、反射停止プログラム、反射光受光プログラム、自発光受光プログラム、放射率演算プログラムなどの各種プログラムが格納されている。また、データとして、自発光放射輝度L、反射光放射輝度L、放射輝度比R、パラメータα、Rとεθとの関係式などの各種情報が格納される。そして、これらのプログラムやデータは、メインメモリの保持領域に読み込まれて作業領域で実行される。
【0074】
なお、上述のハードウェア構成は、温度測定装置を実現する計算機としてPCを想定して示した一例であるが、上述した各種プログラムを保持し、適宜必要な信号の入出力を可能とするマイコンによっても当然に実現することができる。
<実施形態1 温度測定方法>
【0075】
図9は、本実施形態の温度測定装置による温度測定方法の一例を示すフロー図である。まず、反射ミラーによる反射を周期τで停止する(0901:反射停止ステップ)。そして、測温対象の測温点からの光を源とし、前記反射ミラーから反射した後、前記測温点から反射光を受光する(0902:反射光受光ステップ)。そして、前記反射停止時に、前記測温点からの自発光を直接的に受光する(0903:自発光受光ステップ)。そして、前記反射光と、前記自発光とに基づいて前記測温点の放射率を演算する(0904:放射率演算ステップ)。また、放射率演算ステップは、算出した放射率と、受光部が受光した自発光とに基づき測温点Pの温度を算出する温度算出サブステップを有するものとしてもよい。
<実施形態1 効果>
【0076】
本実施形態の温度測定装置により、測温対象の上方空間に干渉せずに精度よく温度測定をすることができる。また、自発光の分光放射輝度値と反射光の分光放射輝度値とを周期τ(周波数1/τ)の交流信号とすることができ、背景放射などの直流雑音の影響を低減することが可能になり、より精度の高い温度測定に寄与する。
【符号の説明】
【0077】
0101 反射ミラー
0102 黒体面
0103 受光部
0104 測温対象
0105 ミラー面
0106 搬送手段
0107 孔
0108 受光部側反射ミラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9