(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理用コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 3/14 20240101AFI20240410BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240410BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240410BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G06T3/14
G06T19/00 A
G06T7/00 614
G06T1/00 290A
(21)【出願番号】P 2020094580
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-03-30
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「産学連携医療イノベーション創出プログラム」「脱気変形肺に対応した微小結節の術中同定法」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000176730
【氏名又は名称】三菱プレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】乾谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】長坂 学
(72)【発明者】
【氏名】石井 隆司
【審査官】渡部 幸和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-007277(JP,A)
【文献】特開2000-172884(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110494889(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0165008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
前記入力部を介して、2次元画像上に第1線分を生成するための第1始点及び第1終点の位置を取得し、且つ、前記入力部を介して、視点から投影面を透して透視される3次元モデルが前記投影面に投影された像を含む3次元画像上に第2線分を生成するための第2始点及び第2終点の位置を取得する情報取得部と、
前記第1始点及び前記第1終点の位置に基づいて前記2次元画像上に前記第1線分を生成し、且つ、前記第2始点及び前記第2終点の位置に基づいて前記3次元画像上に前記第2線分を生成する線分生成部と、
前記第1線分上の2点と、当該2点と対応する前記第2線分上の2点とが一致するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成する視点変換部と、
前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を有
し、
前記情報取得部は、前記2次元画像上の第1物体に対する第1線分の位置関係と、前記3次元画像上の第2物体に対する第2線分の位置関係とが近くなるような前記第2始点及び前記第2終点の位置を、前記入力部を介したユーザからの入力により取得する、画像処理装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記入力部を介して、前記第2線分の前記第2始点と対応する前記3次元モデル上の第3始点と前記第2線分の第2終点と対応する前記3次元モデル上の第3終点とを結んだ第3線分を軸とした前記視点の回転角を取得し、
前記視点変換部は、前記第3線分を軸として前記視点を前記回転角だけ回転するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成し、
前記重畳画像生成部は、前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記入力部を介して、前記視点と、前記第2線分の前記第2始点と対応する前記3次元モデル上の第4始点と前記第2線分の前記第2終点と対応する前記3次元モデル上の第4終点とを結んだ第4線分とを含む面内で、前記3次元画像上の前記第2線分の位置を維持した状態で、前記視点を現在の位置から他の位置へ移動させる移動方向及び移動量を取得し、
前記視点変換部は、移動後の前記視点の位置に対応するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成し、
前記重畳画像生成部は、前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記入力部を介して、
前記2次元画像上の前記第1物体の輪郭と前記3次元画像上の前記第2物体の輪郭とが一致するように、前記3次元画像内で、前記第2線分を平行移動、回転移動、拡大、又は、縮小させる移動変形情報を取得し、
前記線分生成部は、前記移動変形情報に基づいて、前記3次元画像内で前記第2線分を移動又は変形し、
前記視点変換部は、前記第1線分上の2点と、当該2点と対応する前記第2線分上の2点とが一致するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成し、
前記重畳画像生成部は、前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成する請求項1~3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1線分上の2点は、前記第1線分の前記第1始点及び前記第1終点であり、前記第1線分上の2点と対応する前記第2線分上の2点は、前記第2線分の前記第2始点及び前記第2終点である請求項1~4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力部を介して、2次元画像上に第1線分を生成するための第1始点及び第1終点の位置を取得し、且つ、前記入力部を介して、視点から投影面を透して透視される3次元モデルが前記投影面に投影された像を含む3次元画像上に第2線分を生成するための第2始点及び第2終点の位置を取得
することであって、前記2次元画像上の第1物体に対する第1線分の位置関係と、前記3次元画像上の第2物体に対する第2線分の位置関係とが近くなるような前記第2始点及び前記第2終点の位置を、前記入力部を介したユーザからの入力により取得し、
前記第1始点及び前記第1終点の位置に基づいて前記2次元画像上に前記第1線分を生成し、且つ、前記第2始点及び前記第2終点の位置に基づいて前記3次元画像上に前記第2線分を生成し、
前記第1線分上の2点と、当該2点と対応する前記第2線分上の2点とが一致するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成し、
前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成すること、
をプロセッサに実行させる画像処理用コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理用コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術及び医療機器の進歩により、内視鏡下手術が行われるようになってきている。術者は、内視鏡により撮影された2次元画像を見ながら、3次元の臓器又は血管等の組織に対する処置を行う。
【0003】
このように、内視鏡下手術は限られた視野の中で処置が行われるので、手術前に個々の手術予定者の臓器等のCT又はMRI等の医療用画像データが測定され、この医療用画像データを用いて、手術予定者の臓器等の3次元モデルが作成される。そして、この3次元モデルに基づいて生成された3次元画像を用いて、術者によって処置対象の臓器等の状態が確認される。内視鏡下手術の際には、内視鏡により撮影された2次元画像と、臓器等の3次元モデルに基づいて生成された3次元画像とを対比しながら、術者により処置が行われる。
【0004】
例えば、特許文献1は、被検体(例えば、気管支)を撮影して得られた3次元画像(例えば、CT又はMRI等の医療用画像データを用いて生成された3次元画像)と、この3次元画像とは異なる他の画像(例えば、内視鏡により撮影された2次元画像)を取得する画像取得部と、3次元画像に含まれる管状構造物のグラフ構造を生成するグラフ構造生成部と、グラフ構造上の各点における管状構造物の輪郭情報を取得する輪郭情報取得部と、輪郭情報に基づいて3次元画像と他の画像との位置合わせを行う位置合わせ部とを備えた画像位置合わせ装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が提案する装置では、3次元画像に含まれる被検体としての気管支の輪郭情報に基づいて、3次元画像と、内視鏡により撮影された2次元画像との位置合わせが行われる。
【0007】
しかし、臓器は、必ずしも環状の構造を有しているとは限らない。また、臓器は、不定形を有しており特徴となる部位を有さない場合もある。そこで、不定形又は特徴となる部位を有していない臓器が示された3次元画像と、2次元画像との位置合わせを行える技術が望まれている。
【0008】
また、内視鏡下手術の最中に、3次元画像に示された臓器と、内視鏡により撮影された2次元画像に示された臓器との位置合わせを行うので、位置合わせの作業は容易であることが好ましい。
【0009】
そこで、本明細書では、不定形又は特徴となる部位を有さない物体が示された3次元画像と2次元画像との位置合わせを容易に行うことができる画像処理装置を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に開示する画像処理装置によれば、入力部と、前記入力部を介して、2次元画像上に第1線分を生成するための第1始点及び第1終点の位置を取得し、且つ、前記入力部を介して、視点から投影面を透して透視される3次元モデルが前記投影面に投影された像を含む3次元画像上に第2線分を生成するための第2始点及び第2終点の位置を取得する情報取得部と、前記第1始点及び前記第1終点の位置に基づいて前記2次元画像上に前記第1線分を生成し、且つ、前記第2始点及び前記第2終点の位置に基づいて前記3次元画像上に前記第2線分を生成する線分生成部と、前記第1線分上の2点と、当該2点と対応する前記第2線分上の2点とが一致するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成する視点変換部と、前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成する重畳画像生成部と、を有する。
【0011】
更に、本明細書に開示する画像処理用コンピュータプログラムによれば、入力部を介して、2次元画像上に第1線分を生成するための第1始点及び第1終点の位置を取得し、且つ、前記入力部を介して、視点から投影面を透して透視される3次元モデルが前記投影面に投影された像を含む3次元画像上に第2線分を生成するための第2始点及び第2終点の位置を取得し、前記第1始点及び前記第1終点の位置に基づいて前記2次元画像上に前記第1線分を生成し、且つ、前記第2始点及び前記第2終点の位置に基づいて前記3次元画像上に前記第2線分を生成し、前記第1線分上の2点と、当該2点と対応する前記第2線分上の2点とが一致するように視点変換された前記3次元モデルの前記3次元画像を生成し、前記第1線分と前記第2線分とを一致させて、前記3次元画像と前記2次元画像とを重ねた重畳画像を生成すること、をプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上述した本明細書に開示する画像処理装置によれば、不定形又は特徴となる部位を有さない物体が示された3次元画像と2次元画像との位置合わせを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本明細書に開示する画像処理装置の一実施形態の構成を示す図である。
【
図2】(A)は、2次元画像を示す図であり、(B)は、3次元画像を示す図であり、(C)は、重畳画像を示す図であり、(D)は、他の重畳画像を示す図である。
【
図3】3次元画像を生成する処理を説明する図である。
【
図4】画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】第1位置合わせ処理のフローチャートである。
【
図7】第1位置合わせ処理を説明する図(その1)である。
【
図8】第1位置合わせ処理を説明する図(その2)である。
【
図9】第2位置合わせ処理のフローチャートである。
【
図10】第2位置合わせ処理を説明する図(その1)である。
【
図11】第2位置合わせ処理を説明する図(その2)である。
【
図12】第3位置合わせ処理のフローチャートである。
【
図13】第3位置合わせ処理を説明する図(その1)である。
【
図14】第3位置合わせ処理を説明する図(その2)である。
【
図15】第4位置合わせ処理のフローチャートである。
【
図16】第4位置合わせ処理を説明する図(その1)である。
【
図17】第4位置合わせ処理を説明する図(その2)である。
【
図18】第4位置合わせ処理を説明する図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本明細書で開示する画像処理装置の好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0015】
図1は、本明細書に開示する画像処理装置の一実施形態の構成を示す図である。画像処理装置10は、通信インターフェース11と、表示部12と、ユーザインターフェース13と、ストレージ装置14と、メモリ15と、プロセッサ16とを有する。画像処理装置10は、内視鏡100と接続されており、内視鏡100により撮影された2次元画像を、表示部12に表示可能である。
【0016】
まず、本実施形態の画像処理装置10により行われる処理の概要を、
図2を参照しながら、以下に説明する。画像処理装置10のプロセッサ16は、
図2(A)に示すように、内視鏡100から入力された2次元画像30を、表示部12に表示する。
図2(A)は、内視鏡手術を受ける者の臓器等の一例である肺を示す2次元画像30を示す。
【0017】
プロセッサ16は、術者等のユーザによるユーザインターフェース13の操作に基づいて、2次元画像30上に第1ガイダンス線分31を生成して、表示部12に表示する。
【0018】
プロセッサ16は、
図2(B)に示すように、内視鏡手術を受ける者の肺の3次元モデルを示す3次元画像40を、表示部12に表示する。3次元画像40は、手術を受ける者の肺のCT又はMRI等の医療用画像データを用いて生成された3次元モデルが、所定の視点から透視された投影面に投影されて像を含む。3次元画像40には、肺の腫瘍46が示されている。
【0019】
プロセッサ16は、ユーザによるユーザインターフェース13の操作に基づいて、3次元画像40上に第2ガイダンス線分41を生成して、表示部12に表示する。
【0020】
プロセッサ16は、第1ガイダンス線分31上の2点(例えば、始点及び終点)と、これらの2点と対応する第2ガイダンス線分41上の2点(例えば、始点及び終点)とが一致するように視点変換された肺の3次元モデルの3次元画像40を生成する。
【0021】
プロセッサ16は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させて、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成して、表示部12に表示する。
図2(C)は、重畳画像50を示す図である。線分51は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とが重ね合わされた重畳ガイダンス線分である。
図2(C)に示すように、重畳画像50において、3次元画像に示される肺の輪郭45は、2次元画像30に示される肺の輪郭とは一致していない。
【0022】
ユーザは、ユーザインターフェース13を用いて、3次元画像の肺の輪郭と2次元画像の肺の輪郭とが一致するように、重畳ガイダンス線分51を基準にして3次元画像を操作する。プロセッサ16は、ユーザによるユーザインターフェース13の操作に基づいて、3次元画像の視点の位置を移動させて、移動後の視点の位置に対応するように視点変換された3次元モデルの3次元画像40を生成する。
【0023】
プロセッサ16は、再度、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させて、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成して、表示部12に表示する。
図2(D)は、新たな重畳画像50を示す図である。新たな重畳画像50では、肺の輪郭45は、2次元画像30に示される肺の輪郭と一致している。このように、画像処理装置10が、3次元画像と2次元画像との位置合わせを行うことにより、術者は、3次元モデルの肺の腫瘍46の位置が、内視鏡100により撮影された2次元画像30に示される肺のどの部分に対応するのか確認することができる。
【0024】
以下、画像処理装置10について、更に、詳述する。通信インターフェース11は、画像処理装置10を、内視鏡100等の画像処理装置10の外部の装置又はネットワーク(図示せず)と通信可能に接続するためのインターフェース回路を有する。例えば、通信インターフェース11は、内視鏡100から入力された二次元画像を、プロセッサ16へ出力する。また、通信インターフェース11は、CT又はMRI等の医療用画像データを用いて生成された3次元モデルを入力して、ストレージ装置14へ出力する。
【0025】
表示部12は、プロセッサ16に制御されて、2次元画像30又は3次元画像40等の情報を表示する。表示部12として、例えば、液晶ディスプレイを用いることができる。
【0026】
ユーザインターフェース13は、入力部の一例であり、プロセッサ16に制御されて、ユーザからの操作に応じた操作信号を生成して、プロセッサ16へ出力する。ユーザインターフェース13として、例えば、マウス又はキーボードを用いることができる。
【0027】
ストレージ装置14は、記憶部の一例であり、例えば、非一時的な記憶媒体であるハードディスク装置又は光記録媒体、及びそのアクセス装置を有する。ストレージ装置14は、手術を受ける者の臓器等のCT又はMRI等の医療用画像データを用いて生成された3次元モデルを記憶する。ストレージ装置14は、プロセッサ16上で実行される、画像処理を実行するためのコンピュータプログラムを記憶してもよい。
【0028】
メモリ15は、記憶部の他の一例であり、例えば、不揮発性の半導体メモリ及び揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ15は、画像処理の実行中に生成される各種データ、並びに、内視鏡100から入力された2次元画像等の各種データ等を一時的に記憶する。
【0029】
プロセッサ16は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ16は、論理演算ユニットあるいは数値演算ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。そしてプロセッサ16は、画像処理に関連する処理を実行する。プロセッサ16は、情報取得部21と、線分生成部22と、視点変換部23と、重畳画像生成部24とを有する。プロセッサ16が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ16上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ16が有するこれらの各部は、プロセッサ16に設けられる、専用の演算回路であってもよい。
【0030】
情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、画像処理に関連する入力情報を取得する。例えば、情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、2次元画像30上に第1ガイダンス線分31を生成するための第1始点及び第1終点の位置を取得する。また、情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、3次元画像40上に第2ガイダンス線分41を生成するための第2始点及び第2終点の位置を取得する。
【0031】
線分生成部22は、ユーザインターフェース13を介して入力された第1始点及び第1終点の位置に基づいて2次元画像30上に第1ガイダンス線分31を生成する。また、線分生成部22は、ユーザインターフェース13を介して入力された第2始点及び第2終点の位置に基づいて3次元画像40上に第2ガイダンス線分41を生成する。
【0032】
視点変換部23は、ストレージ装置14に記憶された3次元モデルに基づいて、所定の視点から投影面を透して透視される3次元モデルが投影面に投影された像を含む3次元画像40を生成する。また、視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の2点と、当該2点と対応する第2ガイダンス線分41の2点とが一致するように視点変換された3次元モデルの3次元画像40を生成する。
【0033】
以下、視点変換部23が、所定の視点から投影面を透して透視される3次元モデルが投影面に投影された像を含む3次元画像を生成する処理について、
図3を参照しながら、以下に説明する。
【0034】
まず、視点変換部23は、ストレージ装置14から3次元モデル60の情報を読み出す。3次元モデル60は、ワールド座標系で3次元モデル60を形成する各部位の位置情報を有する。
【0035】
次に、視点変換部23は、ワールド座標系で表された3次元モデル60の位置に対して、モデルビュー変換を行って、3次元モデル60を所定の視点80を原点とするカメラ座標系で表す。視点80から投影面70を透して透視される3次元モデル60が投影面70に投影された像が3次元画像となる。
【0036】
次に、視点変換部23は、カメラ座標系で表された3次元モデル60に対して、射影変換を行って、3次元モデル60を正規化デバイス座標系で表す。正規化デバイス座標系では、投影面は、X座標は-1.0~1.0の範囲に制限され、Y座標は-1.0~1.0の範囲に制限され、Z座標は、1.0に制限される。
【0037】
次に、視点変換部23は、正規化デバイス座標系で表された3次元画像に対して、ビューポート変換を行って、3次元画像をウィンドウ座標系で表す。ウィンドウ座標系では、左上隅に原点が配置されて、原点の右側にX座標の正方向が伸び、原点の下側にY座標の正方向が伸びる。表示部12には、ウィンドウ座標系で表された3次元画像が表示される。
【0038】
ここで、モデルビュー変換を行列Mで表し、射影変換を行列Pで表し、ビューポート変換を行列∪で表すと、3次元モデル60上の位置Rworldと、ウィンドウ座標系の位置Rwindowとの関係は、下記式(1)で表される。
【0039】
【0040】
ここで、3次元モデル60上の位置Rworld及びウィンドウ座標系の位置Rwindowのそれぞれは、下記式(2)及び(3)で表される。
【0041】
【0042】
【0043】
表示部12に表示される3次元画像40は、ウィンドウ座標の所定の範囲を示しており、3次元モデル60が投影面に投影された像を含む。本明細書では、3次元画像40は、表示部12に表示されるウィンドウ座標の所定の範囲の画像を意味する。以上が、3次元モデルから3次元画像を生成する処理の説明である。
【0044】
重畳画像生成部24は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させ、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成する。また、重畳画像生成部24は、重畳画像50を表示部12に表示する。
【0045】
次に、画像処理装置10の動作を、
図4に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0046】
プロセッサ16の情報取得部21は、内視鏡100から入力された2次元画像30を表示部12に表示する。ユーザは、ユーザインターフェース13を操作して、例えば2次元画像30に示される物体(例えば、肺等の臓器)34と重なるように、2次元画像30上に第1ガイダンス線分31を生成するための第1始点32及び第1終点33の位置を画像処理装置10に入力する。情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、2次元画像30上の第1始点32及び第1終点33の位置を取得する。プロセッサ16の線分生成部22は、
図5(A)に示すように、第1始点32及び第1終点33の位置に基づいて2次元画像30上に第1ガイダンス線分31を生成して、表示部12に表示する(ステップS101)。
【0047】
プロセッサ16の視点変換部23は、ストレージ装置14から3次元モデルを読み出し、3次元画像40を生成して表示部12に表示する。ユーザは、ユーザインターフェース13を操作して、例えば2次元画像30上の物体34に対する第1ガイダンス線分31の位置関係と、3次元画像40上の物体44に対する第2ガイダンス線分41の位置関係とが近くなるように、3次元画像40上に第2ガイダンス線分41を生成するための第2始点42及び第2終点43の位置を画像処理装置10に入力する。プロセッサ16の情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、第2始点42及び第2終点43の位置を取得する。プロセッサ16の線分生成部22は、
図5(B)に示すように、第2始点42及び第2終点43の位置に基づいて3次元画像30上に第2ガイダンス線分41を生成して、表示する(ステップS102)。第2ガイダンス線分41と物体44との位置関係は、第1ガイダンス線分31と物体34との位置関係と近いことが、その後の処理において、2次元画像30と3次元画像40との位置合わせを迅速に行う観点から好ましい。また、物体44に対する第2ガイダンス線分41の長さ及び方向は、物体34に対する第1ガイダンス線分31の相対的な長さ及び方向と近いことが、同様の観点から好ましい。
【0048】
プロセッサ16は、2次元画像30と3次元画像40との第1位置合わせ処理を実行する(ステップS103)。第1位置合わせ処理の詳細を、
図6に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0049】
プロセッサ16の視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の2点と、これらの2点と対応する第2ガイダンス線分41上の2点とが一致するように視点変換された3次元モデル60の3次元画像40を生成する(ステップS201)。本実施形態では、視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の2点として、第1ガイダンス線分31の第1始点32及び第1終点33を用いる。従って、第1ガイダンス線分31上の2点と対応する第2ガイダンス線分41上の2点は、第2ガイダンス線分41の第2始点42及び第2終点43となる。なお、視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の2点として、他の2点を用いてもよい。例えば、第1ガイダンス線分31上の2点のうちの一点として、第1ガイダンス線分31の中点を用いてもよい。
【0050】
視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の第1始点32及び第1終点33と、第2ガイダンス線分41上の第2始点42及び第2終点43とが一致するように視点変換を行う変換行列M
fitを算出する(
図7参照)。ここで、視点変換後の3次元画像40の投影面70bの視点80bの位置は、一意には定まらない。そこで、視点80bの位置と、第1ガイダンス線分31の第1始点32との距離が、3次元画像40の投影面70aの視点80aの位置と第2ガイダンス線分41の第2始点42との距離と同じであると仮定する。なお、視点変換部23は、上述した仮定のもとで変換行列M
fitを、幾何学的に算出することができる。
【0051】
ワールド座標系から視点変換前の3次元画像40のカメラ座標系へ3次元モデルの位置を変換するモデルビュー変換行列をM3dと表すと、ワールド座標系から視点変換後の3次元画像40のカメラ座標系へ3次元モデルの位置を変換するモデルビュー変換行列をM2dは、下記式(4)で表される。
【0052】
【0053】
従って、第1位置合わせ処理において視点変換された3次元モデル60の3次元画像40のウィンドウ座標系の位置Rwindowは、下記式(5)で表される。
【0054】
【0055】
図8に示すように、視点変換部23は、式(5)を用いて、3次元モデル60に基づいて、2次元画像30と同じ視点の投影面70bにおいてウィンドウ座標系で表された3次元画像40を生成する。この3次元画像40における第2ガイダンス線分41の長さ及び向きは、2次元画像30の第1ガイダンス線分31の長さ及び向きと一致する。
【0056】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させ、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成して、表示部12に表示する(ステップS202)。
図8に示すように、重畳画像50では、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とが重畳された重畳ガイダンス線分51が示されている。
図8に示す例では、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44と輪郭とは、まだ一致していない。ユーザは、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44の輪郭とが一致していない場合には、更に、第2位置合わせ処理へ進む。一方、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44の輪郭とが一致している場合には、3次元画像と2次元画像との位置合わせ処理を終了してもよい。以上が、第1位置合わせ処理の説明である。
【0057】
プロセッサ16は、ユーザによるユーザインターフェース13の操作に基づいて、2次元画像30と3次元画像40との第2位置合わせ処理を実行する(ステップS104)。第2位置合わせ処理の詳細を、
図9に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0058】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、上述した第1位置合わせ処理において生成された重畳画像50を、表示部12に表示する。ユーザは、3次元画像の物体44の輪郭と2次元画像の物体34の輪郭とが一致するように、第2ガイダンス線分と重なっている重畳ガイダンス線分51を軸として、3次元画像の物体44を回転させるようにユーザインターフェース13を操作する。これにより、情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、
図10に示すように、第2ガイダンス線分41の第2始点42と対応する3次元モデル60上の第3始点62と第2ガイダンス線分41の第2終点43と対応する3次元モデル60上の第3終点63とを結んだ第3ガイダンス線分61を軸とした視点80cの回転角θを取得する(ステップS301)。ここで、重畳画像生成部24は、3次元モデル60上の第3始点62及び第3終点63の位置を、第2ガイダンス線分41の第2始点42及び第2終点43のウィンドウ座標系で表された位置と、∪PM
3dの逆行列と、射影変換Pにおける深度情報とに基づいて算出する。
【0059】
プロセッサ16の視点変換部23は、第3ガイダンス線分61を軸として視点80cの位置を回転角θだけ回転するように視点変換された3次元モデル60の3次元画像40を生成する(ステップS302)。回転前の視点80cの位置から3次元モデル60を透視するように投影面70cに投影された3次元画像は、回転後の視点80dの位置から3次元モデル60を透視するように投影面70dへ投影された3次元画像に変換される。視点の位置の回転の前後において、3次元画像40上の第2ガイダンス線分41の位置は不変である。
【0060】
ワールド座標系から視点の回転前のカメラ座標系へ3次元モデルの位置を変換するモデルビュー変換行列をM3dと表すと、ワールド座標系から視点の回転後のカメラ座標系へ3次元モデルの位置を変換するモデルビュー変換行列をM3d_hrotは、変換行列Mhrotを用いて下記式(6)で表される。視点変換部23は、変換行列Mhrotを、視点80cの位置を回転角θ等の情報に基づいて、幾何学的に算出することができる。
【0061】
【0062】
従って、第2位置合わせ処理において視点変換された3次元モデル60の3次元画像40のウィンドウ座標系の位置Rwindowは、下記式(7)で表される。
【0063】
【0064】
図11に示すように、視点変換部23は、式(7)を用いて、3次元モデル60に基づいて、第3ガイダンス線分61を軸として視点80cの位置を回転角θだけ回転するように視点変換された3次元モデル60の3次元画像40を生成する。回転角θは、第3ガイダンス線分61を軸として、時計回りの回転、又は、反時計回りの回転を示すものでよい。
【0065】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させ、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成して、表示部12に表示する(ステップS303)。ユーザは、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44の輪郭とが一致していない場合には、更に、第3位置合わせ処理へ進める。一方、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44の輪郭とが一致している場合には、3次元画像と2次元画像との位置合わせ処理を終了してもよい。
【0066】
プロセッサ16は、ユーザによるユーザインターフェース13の操作に基づいて、2次元画像30と3次元画像40との第3位置合わせ処理を実行する(ステップS105)。第3位置合わせ処理の詳細を、
図12に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0067】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、上述した第2位置合わせ処理において生成された重畳画像50を、表示部12に表示する。ユーザは、3次元画像の物体44の輪郭と2次元画像の物体34の輪郭とが一致するように、第2ガイダンス線分と重なっている重畳ガイダンス線分51が伸びる方向において、3次元画像の物体44を回転させるようにユーザインターフェース13を操作する。これにより、プロセッサ16の情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、
図13に示すように、視点80eの位置と、第2ガイダンス線分41の第2始点42と対応する3次元モデル60上の第3始点62と第2ガイダンス線分41の第2終点43と対応する3次元モデル60上の第3終点63とを結んだ第3ガイダンス線分61とを含む面90内で、3次元画像40上の第2ガイダンス線分41の位置を維持した状態で、視点を現在の位置80eから他の位置80fへ移動させる移動方向及び移動量(以下、移動情報ともいう)を取得する(ステップS401)。
図13に示す例では、視点は、面90内において、位置80eから他の位置80fへ移動する。情報取得部21は、面90内において、位置80eから他の位置80fへ移動した移動方向及び移動量を、移動情報として取得する。
【0068】
プロセッサ16の視点変換部23は、移動後の視点80fの位置に対応するように視点変換された3次元モデル60の3次元画像40を生成する(ステップS402)。移動前の視点80eの位置から3次元モデル60を透視するように投影面70eに投影された3次元画像は、移動後の視点80fの位置80fから3次元モデル60を透視するように投影面70fへ投影された3次元画像に変換される。視点の位置の移動の前後において、3次元画像40上の第2ガイダンス線分41の位置は不変である。
【0069】
ワールド座標系から視点の移動前のカメラ座標系へ3次元モデルの位置を変換するモデルビュー変換行列をM3dと表すと、ワールド座標系から視点の移動後のカメラ座標系へ3次元モデルの位置を変換するモデルビュー変換行列をM3d_vrotは、変換行列Mvrotを用いて下記式(8)で表される。視点変換部23は、変換行列Mvrotを、移動前の視点の位置、視点の移動方向及び移動量等に基づいて、幾何学的に算出することができる。
【0070】
【0071】
従って、第3位置合わせ処理において視点変換された3次元モデル60の3次元画像40のウィンドウ座標系の位置Rwindowは、下記式(9)で表される。
【0072】
【0073】
図14に示すように、視点変換部23は、式(9)を用いて、3次元モデル60に基づいて、移動後の視点80fの位置に対応するように視点変換された3次元モデル60の3次元画像40を生成する。視点の移動方向は、面90内において、上方向でも、又は、下方向であってもよい。
【0074】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させ、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成して、表示部12に表示する(ステップS403)。ユーザは、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44の輪郭とが一致していない場合には、更に、第4位置合わせ処理へ進む。一方、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44の輪郭とが一致している場合には、3次元画像と2次元画像との位置合わせ処理を終了してもよい。なお、ユーザは、第3位置合わせ処理を、第2位置合わせ処理の前に行ってもよい。
【0075】
プロセッサ16は、ユーザによるユーザインターフェース13の操作に基づいて、2次元画像30と3次元画像40との第4位置合わせ処理を実行する(ステップS106)。第4位置合わせ処理の詳細を、
図15に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0076】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、上述した第3位置合わせ処理において生成された重畳画像50を、表示部12に表示する。ユーザは、3次元画像の物体44の輪郭と2次元画像の物体34の輪郭とが一致するように、第2ガイダンス線分と重なっている重畳ガイダンス線分51を平行移動、回転移動、拡大、又は、縮小させるように、ユーザインターフェース13を操作する。これにより、プロセッサ16の情報取得部21は、ユーザインターフェース13を介して、第2ガイダンス線分41を平行移動、回転移動、拡大、又は、縮小させる移動変形情報を取得する(ステップS501)。
【0077】
図16は、ユーザが第2ガイダンス線分41を平行移動させた場合を示す。情報取得部21は、移動変形情報として、第2ガイダンス線分41の平行移動における移動量及び移動方向を取得する。
【0078】
図17は、ユーザが第2ガイダンス線分41を回転移動させた場合を示す。情報取得部21は、移動変形情報として、第2始点42を中心とした第2ガイダンス線分41の回転角を取得する。
【0079】
図18は、ユーザが第2ガイダンス線分41を拡大、又は、縮小させた場合を示す。情報取得部21は、移動変形情報として、第2ガイダンス線分41の長さの拡大率又は縮小率を表す変形率を取得する。
【0080】
プロセッサ16の線分生成部22は、移動変形情報に基づいて、3次元画像40内の第2ガイダンス線分41を移動又は変形する(ステップS502)。
【0081】
図16に示す例では、線分生成部22は、移動変形情報が表す平行移動における移動量及び移動方向に基づいて、3次元画像40内の第2ガイダンス線分41を平行移動する。
【0082】
図17に示す例では、線分生成部22は、移動変形情報が表す回転角に基づいて、3次元画像40内の第2ガイダンス線分41を回転移動する。
【0083】
図18に示す例では、線分生成部22は、移動変形情報が表す変形率に基づいて、3次元画像40内の第2ガイダンス線分41を拡大又は縮小するように変形する。
【0084】
プロセッサ16の視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の2点と、これらの2点と対応する第2ガイダンス線分41上の2点とが一致するように視点変換された3次元モデル60の3次元画像40を生成する(ステップS503)。視点変換部23は、第1ガイダンス線分31上の2点として、第1ガイダンス線分31の第1始点32及び第1終点33を用いる。従って、第1ガイダンス線分31上の2点と対応する第2ガイダンス線分41上の2点は、第2ガイダンス線分41の第2始点42及び第2終点43となる。視点変換部23が行う処理については、上述したステップS201の説明が適宜適用される。
【0085】
プロセッサ16の重畳画像生成部24は、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させ、3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成して、表示部12に表示する(ステップS504)。ユーザは、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44と輪郭とが一致していない場合には、第4位置合わせ処理を繰り返して行ってもよい。第4位置合わせ処理を繰り返して行うことにより、通常、重畳画像50において、2次元画像の物体34の輪郭と、3次元画像の物体44と輪郭とをほぼ一致させて、2次元画像30と3次元画像40との位置合わせを行うことができる。また、ユーザは、第4位置合わせ処理を、第2位置合わせ処理又は第3位置合わせ処理の前に行ってもよい。
【0086】
重畳画像生成部24は、
図1(D)に示すように、第1ガイダンス線分31と第2ガイダンス線分41とを一致させ、物体の輪郭を示した3次元画像40と2次元画像30とを重ねた重畳画像50を生成してもよい。これにより、ユーザは、3次元画像40に示された、不定形又は特徴となる部位を有さない物体の一例である肺の腫瘍46の位置が、内視鏡に撮影された2次元画像30のどこに対応するのかを認識できる。
【0087】
上述した本実施形態の画像処理装置によれば、2次元画像上に第1線分を生成し、且つ、3次元画像上に第2線分を生成して、第1ガイダンス線分と第2ガイダンス線分とを一致させて、3次元画像と2次元画像とを重ね合わせることにより、2次元画像と3次元画像との位置合わせを行う。これにより、画像処理装置は、3次元モデルが不定形又は特徴となる部位を有していない物体であっても、3次元画像と2次元画像との位置合わせを容易に行うことができる。
【0088】
本実施形態の画像処理装置では、2次元画像上の第1ガイダンス線分上の2点と、この2点と対応する3次元画像上の2点とを一致させることに基づいて、2次元画像と3次元画像との位置合わせを行っている。仮に、2次元画像上の1点と、この1点と対応する3次元画像上の1点とを一致させることに基づいて、2次元画像と3次元画像との位置合わせを行った場合には、その後の位置合わせの自由度が高すぎるので、ユーザは、2次元画像と3次元画像との位置合わせが困難になるおそれがある。また、2次元画像上の3点と、この3点と対応する3次元画像上の3点とを一致させることに基づいて、2次元画像と3次元画像との位置合わせを行った場合には、この位置合わせによる拘束が大きいので、ユーザは、2次元画像と3次元画像との位置合わせをうまくできないおそれがある。
【0089】
本発明では、上述した実施形態の画像処理装置及び画像処理用コンピュータプログラム、は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
【0090】
例えば、上述した実施形態では、3次元モデルは不定形又は特徴となる部位を有していない物体であったが、3次元モデルは、立法体等の定まった形状を有していてもよい。また、3次元モデルは、特徴となる部位を有していてもよい。
【0091】
また、上述した実施形態では、3次元モデルは、手術を受ける者の臓器であったが、3次元モデルは、臓器に限定されない。例えば、3次元モデルは、建築物等であってもよい。
【0092】
また、上述した実施形態では、2次元画像は、3次元画像に示される3次元モデルに対応する物体が撮影された画像であったが、2次元画像に示される物体は、3次元画像に示される物体に対応していなくてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 画像処理装置
11 通信インターフェース
12 表示部
13 ユーザインターフェース
14 ストレージ装置
15 メモリ
16 プロセッサ
21 情報取得部
22 線分生成部
23 視点変換部
24 重畳画像生成部
30 2次元画像
31 第1ガイダンス線分(第1線分)
32 第1始点
33 第1終点
34 物体
40 3次元画像
41 第2ガイダンス線分(第2線分)
42 第2始点
43 第2終点
44 物体
45 物体の輪郭
46 腫瘍
50 重畳画像
51 重畳ガイダンス線分
60 3次元モデル
61 第3線分
62 第3始点
63 第3終点
70、70a~70f 投影面
80、80a~80f 視点
90 面
100 内視鏡