(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】光源装置及び光パルス試験器
(51)【国際特許分類】
H01S 5/14 20060101AFI20240410BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20240410BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20240410BHJP
H04B 10/071 20130101ALN20240410BHJP
【FI】
H01S5/14
G01M11/00 R
H01S5/022
G01M11/00 Q
H04B10/071
(21)【出願番号】P 2020121625
(22)【出願日】2020-07-15
【審査請求日】2022-12-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】太田 克志
(72)【発明者】
【氏名】小久保 宰
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-029428(JP,A)
【文献】特開平09-184788(JP,A)
【文献】特開2001-284715(JP,A)
【文献】特開2001-284716(JP,A)
【文献】韓国公開特許第1997-0028648(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0044436(US,A1)
【文献】特開2015-012101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1共振器を形成する互いに平行な第1端面と第2端面とを有し、前記第1端面からレーザ光を射出する半導体レーザと、
前記半導体レーザから射出されるレーザ光の光路上に配置され、前記半導体レーザの前記第2端面と第2共振器を形成し、前記半導体レーザの規定の中心波長を中心とする予め規定された波長幅の光に対する反射率が前記第1端面の反射率よりも高い反射特性を有する光学系と、
を備え、
前記光学系は、前記反射特性を有する反射膜が設けられた第1面と、前記半導体レーザから射出されるレーザ光に対する反射防止膜が設けられた第2面と、を有
し、ガラス材料によって形成されている光学素子を備える、
光源装置。
【請求項2】
前記半導体レーザと前記光学系との間におけるレーザ光の光路上に設けられ、前記半導体レーザから射出されるレーザ光をコリメートするコリメート光学系を備える、請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
光ファイバに光パルスを入射させて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバの特性を試験する光パルス試験器において、
前記光パルスを射出する
請求項1又は請求項2記載の光源装置と、前記戻り光を受光する受光装置とを有する双方向モジュールと、
前記受光装置の受光結果に基づいて前記光ファイバの特性を求める処理を行う信号処理部と、
を備える光パルス試験器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及び光パルス試験器に関する。
【背景技術】
【0002】
光パルス試験器は、光パルスを試験対象である光ファイバに入射させ、光ファイバから得られる戻り光に基づいて光ファイバの特性を試験又は測定する装置である。この光パルス試験器には、例えば、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer:光時間領域反射率計)、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer:ブリルアン光時間領域反射率計)、ROTDR(Raman Optical Time Domain Reflectometer:ラマン光時間領域反射率計)と呼ばれるものがある。
【0003】
OTDRは、光ファイバ内で生ずるレイリー散乱光やフレネル反射光に基づいて光ファイバの伝送損失や障害点までの距離等を測定する機器である。BOTDRは、光ファイバ内で生ずるブリルアン散乱の後方散乱光に基づいて光ファイバの歪みや温度分布等を測定する機器である。ROTDRは、光ファイバ内で生ずるラマン散乱の後方散乱光に基づいて光ファイバの温度分布等を測定する機器である。
【0004】
以下の特許文献1には、1つの半導体レーザから、光パルスと安定度の高い連続光(又は、変調光)とを出力させることができる従来の光パルス試験器が開示されている。また、以下の特許文献2には、半導体レーザ素子の前端面(又は、後端面)に形成された反射膜と、光ファイバの入射端面の露出面(又は、入射端面に形成された反射膜)とによって形成されたキャビディ内に波長選択フィルタが設けられた半導体レーザモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-13346号公報
【文献】特開2002-141609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した光パルス試験器では、一般的に、ファブリペロー型半導体レーザが用いられている。これは、ファブリペロー型半導体レーザは、比較的安価であって、高出力が得られるという理由による。しかしながら、ファブリペロー型半導体レーザは、個体間で中心波長のばらつきがあり、また、その中心波長は、温度変化によっても変化する。このため、ファブリペロー型半導体レーザは、個体を選別した上で、温度管理を行わないと、中心波長を予め規定された範囲内(例えば、規定値の15nm以内)に収めるのは難しいという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に中心波長を所定範囲内に収めることができる光源装置、及び当該光源装置を備える光パルス試験器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様による光源装置(21、21B、21C、22)は、第1共振器を形成する互いに平行な第1端面(E1)と第2端面(E2)とを有し、前記第1端面からレーザ光を射出する半導体レーザ(LD)と、前記半導体レーザから射出されるレーザ光の光路上に配置され、前記半導体レーザの前記第2端面と第2共振器(RS2)を形成し、前記半導体レーザの規定の中心波長を中心とする予め規定された波長幅の光に対する反射率が前記第1端面の反射率よりも高い反射特性を有する光学系(21c、21e、21f、21h)と、を備える。
【0009】
ここで、本発明の一態様による光源装置は、前記光学系が、前記反射特性を有する反射膜が設けられた第1面(PL1)と、前記半導体レーザから射出されるレーザ光に対する反射防止膜が設けられた第2面(PL2)と、を有する光学素子(21c)を備える。
【0010】
或いは、本発明の一態様による光源装置は、前記光学系が、前記反射特性を有し、レーザ光の光路に対して斜め配置された第1光学素子(21e)と、前記第1光学素子を透過したレーザ光を予め規定された比率で反射及び透過させる第2光学素子(21f)と、を備える。
【0011】
また、本発明の一態様による光源装置は、前記半導体レーザと前記光学系との間におけるレーザ光の光路上に設けられ、前記半導体レーザから射出されるレーザ光をコリメートするコリメート光学系(21b)を備える。
【0012】
或いは、本発明の一態様による光源装置は、前記光学系が、前記反射特性を有するグレーティング(GR)が形成された反射部材(21h)を備えており、前記半導体レーザと前記反射部材との間におけるレーザ光の光路上に設けられ、前記半導体レーザから射出されるレーザ光を前記反射部材に集光する集光光学系(21g)を備える。
【0013】
本発明の一態様による光パルス試験器は、光ファイバ(FUT)に光パルスを入射させて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバの特性を試験する光パルス試験器(1)において、前記光パルスを射出する上記の何れかに記載の光源装置と、前記戻り光を受光する受光装置(26)とを有する双方向モジュール(11)と、前記受光装置の受光結果に基づいて前記光ファイバの特性を求める処理を行う信号処理部(14)と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容易に中心波長を所定範囲内に収めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態による光パルス試験器の要部構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における双方向モジュールの要部構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による光源装置の要部構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態において用いられるノッチフィルタの反射透過特性の一例を示す図である。の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による光源装置の要部構成を示す図である。
【
図6】本発明の第2実施形態において用いられるバンドパスフィルタ及びハーフミラーの反射透過特性の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第3実施形態による光源装置の要部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による光源装置及び光パルス試験器について詳細に説明する。以下では、まず本発明の実施形態の概要について説明し、続いて本発明の各実施形態の詳細について説明する。
【0017】
〔概要〕
本発明の実施形態は、光源装置の中心波長を容易に所定範囲内に収めることができるようにするものである。光パルス試験器(OTDR)で用いられる光源装置の中心波長は、JIS規格(JIS C 6823)において、規定値(例えば、1310nm又は1550nm)の15nm以内と定められている。光パルス試験器で一般的に用いられるファブリペロー型半導体レーザは、個体間で中心波長のばらつきがある。このため、光源装置の中心波長を上記のJIS規格で規定された範囲に収めるには、中心波長が既定値に近い個体を選別する必要があり、コストが上昇する。
【0018】
また、ファブリペロー型半導体レーザは、その中心波長が温度変化によっても変化する。例えば、温度変化に伴って、約0.4nm/℃の波長シフトが発生する。このため、光源装置の中心波長を上記のJIS規格で規定された範囲に収めるには、例えば、光源装置にペルチェ素子等を搭載して光源装置の温度管理を厳密に行う必要がある。但し、OTDRは、工事現場等の屋外で使用されることが多いため、バッテリ駆動が一般的である。温度変化が大きな環境では、ペルチェ素子の消費電力が大きくなり、バッテリの駆動時間が極端に短くなってしまう。
【0019】
ここで、DFB(Distributed Feed-Back)型半導体レーザは、個体間の中心波長のばらつきが小さく、温度変化に伴う波長シフトが約0.1nm/℃であり、ファブリペロー型半導体レーザに比べて非常に小さいという特徴がある。このため、ファブリペロー型半導体レーザに代えて、DFB型半導体レーザを用いれば、光源装置の中心波長を容易に上記のJIS規格で規定された範囲に収めることができるとも考えられる。しかしながら、DFB型半導体レーザは、光出力が小さいため高いダイナミックレンジを実現することができず、また、スペクトル半値幅が小さいためフェージングノイズ(位相雑音)が発生し、OTDR波形が悪化してしまう。
【0020】
本発明の実施形態は、半導体レーザの第1端面から射出されるレーザの光路上に、半導体レーザの規定の中心波長を中心とする予め規定された波長幅の光に対する反射率が、半導体レーザの第1端面の反射率よりも高い反射特性を有する光学系を配置し、半導体レーザの第2端面と光学系とによって共振器を形成するようにしている。これにより、光源装置の中心波長を容易に所定範囲内に収めることができるようにしている。
【0021】
〔第1実施形態〕
〈光パルス試験器〉
図1は、本発明の第1実施形態による光パルス試験器の要部構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の光パルス試験器1は、双方向モジュール11、LD駆動部12、サンプリング部13、信号処理部14、表示部15、及びコネクタ16を備える。このような光パルス試験器1は、光ファイバFUTに光パルスを入射させて得られる戻り光に基づいて光ファイバFUTの特性を試験又は測定する。尚、光パルス試験器1は、OTDRとも呼ばれる。
【0022】
双方向モジュール11は、LD駆動部12から出力される駆動信号DSに基づいて、光ファイバFUTに入射させる光パルス(レーザ光)を出力するとともに、光ファイバFUTから得られる戻り光を受光して受光信号RSを出力する。尚、双方向モジュール11の詳細については後述する。
【0023】
LD駆動部12は、信号処理部14の制御の下で、双方向モジュール11を駆動する駆動信号DSを出力する。つまり、LD駆動部12は、光ファイバFUTに入射させる光パルスを双方向モジュール11から出力させるための駆動信号DSを出力する。サンプリング部13は、信号処理部14の制御の下で、双方向モジュール11から出力される受光信号RSをサンプリングする。
【0024】
信号処理部14は、LD駆動部12及びサンプリング部13を制御するとともに、サンプリング部13でサンプリングされた信号を用いて、光ファイバFUTの特性を求めるために必要となる演算を行う。表示部15は、例えば、液晶表示装置等の表示装置を備えており、信号処理部14の演算結果等を表示する。コネクタ16は、光ファイバFUTの一端を光パルス試験器1に接続するためのものである。
【0025】
〈双方向モジュール〉
図2は、本発明の第1実施形態における双方向モジュールの要部構成を示す図である。
図2に示す通り、本実施形態における双方向モジュール11は、光源装置21,22、合分波フィルタ23、ビームスプリッタ24、レンズ25、及び受光装置26を備える。このような双方向モジュール11は、JIS規格(JIS C 6823)において規定されている中心波長を有する光パルスを出力可能である。例えば、双方向モジュール11は、1550nmを中心とする±15nm以内の中心波長を有する光パルス(以下、「第1光パルス」という場合がある)と、1310nmを中心とする±15nm以内の中心波長を有する光パルス(以下、「第2光パルス」という場合がある)とを出力可能である。
【0026】
光源装置21は、パルス光源21a、コリメートレンズ21b(コリメート光学系)、及びノッチフィルタ21c(光学系、光学素子)を備えており、LD駆動部12から出力される駆動信号DSに基づいて、第1光パルスを出力する。光源装置22は、パルス光源22a、コリメートレンズ22b(コリメート光学系)、及びノッチフィルタ22c(光学系、光学素子)を備えており、LD駆動部12から出力される駆動信号DSに基づいて、第2光パルスを出力する。尚、光源装置21,22の詳細については後述する。
【0027】
合分波フィルタ23は、光源装置21から出力される第1光パルスと、光源装置22から出力される第2光パルスとを合波する。ここで、仮に、光源装置21,22が同時に駆動される場合には、第1光パルスと第2パルスとが合分波フィルタ23によって合波される。光源装置21,22の何れか一方が駆動される場合には、第1光パルスと第2パルスとの何れか一方が、合分波フィルタ23を介してビームスプリッタ24に導かれる。
【0028】
ビームスプリッタ24は、入射する光を所定の分岐比(例えば、1対1)で分岐する。例えば、ビームスプリッタ24は、合分波フィルタ23から導かれた第1光パルス又は第2光パルスの50%を透過させ、残りの50%を反射させる。また、ビームスプリッタ24は、光ファイバFUTから得られた戻り光の50%を反射させ、残りの50%を反透過させる。レンズ25は、ビームスプリッタ24を透過した第1光パルス又は第2光パルスを結合用光ファイバFBの一端に結合させる。尚、結合用光ファイバFBは、一端が双方向モジュール11に接続されてレンズ25と光学的に結合しており、他端がコネクタ16に接続されている。つまり、結合用光ファイバFBの他端には、光ファイバFUTの一端が接続される。
【0029】
受光装置26は、レンズ26a及び光検出器26bを備えており、ビームスプリッタ24で反射された戻り光を受光して受光信号RSを出力する。レンズ26aは、ビームスプリッタ24で反射された戻り光を光検出器26bに集光する。光検出器26bは、例えばアバランシェフォトダイオード(Avalanche Photo Diode:APD)等の受光素子を備えており、受光素子の受光面に入射した戻り光を光電変換して、受光面に入射した戻り光に応じた受光信号RSを出力する。
【0030】
〈光源装置〉
図3は、本発明の第1実施形態による光源装置の要部構成を示す図である。
図3に示す通り、光源装置21は、パルス光源21aから射出される光パルスの光路上に、コリメートレンズ21bとノッチフィルタ21cとが順に配置された構成である。尚、
図3では、光源装置21を図示しているが、光源装置22も同様の構成である。つまり、
図3に示された、光源装置21、パルス光源21a、コリメートレンズ21b、及びノッチフィルタ21cをそれぞれ、光源装置22、パルス光源22a、コリメートレンズ22b、及びノッチフィルタ22cと読み替えれば光源装置22の構成になる。但し、光源装置22の中心波長は1310nmである。
【0031】
図3に示す通り、パルス光源21aは、半導体レーザLDを備える。この半導体レーザLDは、例えば、互いに平行な第1端面E1と第2端面E2とを有するファブリペロー型半導体レーザである。半導体レーザLDの第1端面E1には、例えば、第1光パルスに対する反射率が5%程度以下のARコート(Anti-Reflection coating:反射防止膜)が形成されている。半導体レーザLDの第2端面E2には、例えば、第1光パルスに対する反射率が90%程度以下のHRコート(High Reflection coating:増反射膜)が形成されている。
【0032】
半導体レーザLDは、
図1に示すLD駆動部12から出力される駆動信号DSが入力されると、第1端面E1から中心波長が概ね1550nmである光パルスを射出する。ここで、ファブリペロー型半導体レーザは、個体間で中心波長のばらつきがあり、また、その中心波長は、温度変化によっても変化することから、「中心波長が概ね1550nmである光パルスを射出する」としている。
【0033】
コリメートレンズ21bは、パルス光源21aとノッチフィルタ21cとの間における光パルスの光路上に設けられ、パルス光源21aから出力される光パルスをコリメートして平行光にする。ノッチフィルタ21cは、半導体レーザLDの第2端面E2と共振器を形成する光学素子であり、光源装置21の中心波長を所定範囲(1550nmを中心とする±15nmの範囲)内に収めるために設けられる。
【0034】
ノッチフィルタ21cは、
図4に示す反射特性を有する反射膜が形成された第1面PL1と、ARコートが形成された第2面PL2と、を有する平行平板状のガラス部材である。ノッチフィルタ21cは、例えば、BK7、B270等のガラス材料によって形成されている。このように、ガラス材料によって形成されたノッチフィルタ21cを用いるのは、反射波長の温度依存性を小さくするためである。
【0035】
図4は、本発明の第1実施形態において用いられるノッチフィルタの反射透過特性の一例を示す図である。尚、
図4に示すグラフは、横軸に波長をとり、縦軸に透過率をとってある。ここで、透過率をT[%]とすると、反射率Rは、R=100-T[%]なる関係式で表すことができる。
図4に示すグラフは、縦軸が透過率であることから、直接的にはノッチフィルタ21cの透過特性を示すものであるが、
図4に示すグラフは、上記関係式から、間接的にノッチフィルタ21cの反射特性を示すものでもある。
【0036】
図4に示す通り、ノッチフィルタ21cの透過率は、半導体レーザLDの規定の中心波長(1550nm)において最も低下し、例えば70%程度になる。換言すると、ノッチフィルタ21cの反射率は、半導体レーザLDの規定の中心波長(1550nm)において最も高くなり、例えば30%程度になる。また、ノッチフィルタ21cの透過率は、半導体レーザLDの規定の中心波長(1550nm)から離れるにつれて徐々に高くなる。換言すると、ノッチフィルタ21cの反射率は、半導体レーザLDの規定の中心波長(1550nm)から離れるにつれて徐々に低くなる。
【0037】
図4に示す例において、反射率が中心波長における反射率の半分になる部分の波長幅(半値全幅:FWHM)(予め規定された波長幅)は、10nm程度である。尚、この波長幅は、JIS規格(JIS C 6823)において、中心波長の誤差として規定されている15nmであっても良い。ノッチフィルタ21cは、少なくとも、この波長幅の光に対する反射率が、半導体レーザLDの第1端面E1の反射率よりも高い反射特性を有する。尚、ノッチフィルタ21cの第1面PL1に形成される反射膜の反射率は、半導体レーザLDの第1端面E1の反射率よりも高ければ良いが、例えば、20~70%程度の反射率であることが望ましい。
【0038】
図3に示す通り、本実施形態では、半導体レーザLDの第1端面E1と第2端面E2とによって第1共振器RS1が形成され、半導体レーザLDの第2端面E2とノッチフィルタ21cの第1面PL1に形成された反射膜とによって第2共振器RS2が形成されている。つまり、光源装置21には、第1共振器RS1と第2共振器 RS2とからなる複合共振器が形成されている。
【0039】
ここで、上述の通り、ノッチフィルタ21cの反射率は、半導体レーザLDの第1端面E1の反射率よりも高い。このため、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)は、半導体レーザLDの第2端面E2とノッチフィルタ21cの第1面PL1に形成された反射膜とによって形成される第2共振器RS2によって決定される。
【0040】
ノッチフィルタ21cは、前述の通り、ガラス材料で形成されているため、反射波長の温度依存性が半導体レーザLDに比べて小さい(例えば、1桁程度小さい)。このため、環境温度が変化した場合であっても、光源装置21から出力されるパルス光の中心波長の変化を極めて小さくすることができる。これにより、光源装置21から出力される光パルスの中心周波数を所定範囲(1550nmを中心とする±15nmの範囲)内に収めることができる。
【0041】
〈光パルス試験器の動作〉
光パルス試験器1の動作が開始されると、まず、
図1に示す信号処理部14によってLD駆動部12が制御され、LD駆動部12から駆動信号DSが出力される。LD駆動部12から出力された駆動信号DSは、例えば、双方向モジュール11の光源装置21(
図2参照)に供給される。駆動信号DSが光源装置21に供給されると、パルス光源21aに設けられている半導体レーザLD(
図3に示す通り、共振器RS1が形成されている半導体レーザLD)でレーザ発振が生じ、半導体レーザLDの第1端面E1からは光パルス(レーザ光)が射出される。
【0042】
半導体レーザLDの第1端面E1から射出された光パルスは、コリメートレンズ21bで平行光に変換された後にノッチフィルタ21cに入射し、一部がノッチフィルタ21cの第1面PL1に形成された反射膜で反射され、残りがノッチフィルタ21cを透過する。ノッチフィルタ21cで反射された平行光は、コリメートレンズ21bで集光されて第1端面E1から半導体レーザLDに入射する。半導体レーザLDに入射した光パルスは、半導体レーザLDの第2端面E2で反射された後に、一部が再び半導体レーザLDの第1端面E1から射出される。
【0043】
半導体レーザLDの第1端面E1から射出された光パルスは、コリメートレンズ21bで平行光に変換された後にノッチフィルタ21cに入射し、一部がノッチフィルタ21cの第1面PL1に形成された反射膜で反射され、残りがノッチフィルタ21cを透過する。このように、光パルスは、半導体レーザLDの第2端面E2とノッチフィルタ21cの第1面PL1に形成された反射膜とによって形成される第2共振器RS2内を往復する。これにより、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)は、第2共振器RS2によって決定され、光源装置21からは、第1光パルス(1550nmを中心とする±15nm以内の中心波長を有する光パルス)が出力される。
【0044】
光源装置21から出力された第1光パルスは、合分波フィルタ23及びビームスプリッタ24を順に介した後にコネクタ16に接続された光ファイバFUTに入射する。第1光パルスが、光ファイバFUTを伝播する従って、光ファイバFUT内ではレイリー散乱光やフレネル反射光が生ずる。これらは戻り光として、光ファイバFUTを逆方向(第1光パルスの伝播方向とは逆の方法)に伝播する。
【0045】
光ファイバFUTから出力された戻り光は、双方向モジュール11に設けられた受光装置26で受光され、受光装置26からは受光信号RSが出力される。この受光信号RSは、
図1に示すサンプリング部13でサンプリングされる。サンプリング部13でサンプリングされた信号は信号処理部14に入力され、光ファイバFUTの特性を求めるために必要となる演算に用いられる。信号処理部14では、例えば、光源装置21から第1光パルスが出力されてから、戻り光が受光装置26で受光されるまでの時間に基づいて、例えば、光パルス試験器1から光ファイバFUTの障害点までの距離を求める演算が行われる。このようにして得られた信号処理部14の演算結果(例えば、光ファイバFUTの伝送損失や障害点までの距離等)が、表示部15に表示される。
【0046】
以上の通り、本実施形態では、半導体レーザLDの第1端面E1から射出される光パルス(レーザ光)の光路上に、半導体レーザLDの規定の中心波長(例えば、1550nm)を中心とする予め規定された波長幅(例えば、±15nm)の光に対する反射率が、半導体レーザLDの第1端面E1の反射率よりも高い反射特性を有するノッチフィルタ21cを配置している。そして、半導体レーザLDの第2端面E2とノッチフィルタ21cとによって第2共振器RS2を形成するようにしている。これにより、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)が、第2共振器RS2によって決定されるため、光源装置21の中心波長を容易に所定範囲内に収めることができる。
【0047】
また、本実施形態では、第1共振器RS1が形成されている半導体レーザLDもレーザ発振するため、スペクトル幅が極端に狭くなることはなく、フェージングノイズの影響による波形ノイズの影響もない。また、半導体レーザLDとノッチフィルタ21cとの距離(外部共振器長)が極端に長くなると、光パルスのパルス幅が狭い場合にはゲインが不足してレーザ発振しないこともある。これに対し、本実施形態では、コリメートレンズ21bの直後にノッチフィルタ21cを配置することができるため、光パルスのパルス幅が狭くとも十分にレーザ発振することができる。更に、本実施形態では、光源装置21の中心波長を所定範囲内に収めるために、ペルチェ素子等の温調装置を使用しない。このため、光パルス試験器1を屋外で使用する場合でも、バッテリの駆動時間が短くなってしまうことはない。
【0048】
〔第2実施形態〕
〈光パルス試験器、双方向モジュール〉
本実施形態の光パルス試験器の要部構成は、
図1に示す光パルス試験器1の要部構成と同様の構成である。また、本実施形態の光パルス試験器が備える双方向モジュールの要部構成は、
図2に示す双方向モジュール11の光源装置21,22を、
図5に示すものに代えた構成である。このため、本実施形態の光パルス試験器及び双方向モジュールの構成の説明は省略する。
【0049】
〈光源装置〉
図5は、本発明の第2実施形態による光源装置の要部構成を示す図である。尚、
図5では、
図3に示す光源装置21に代えて設けられる光源装置21Bを図示しているが、
図3に示す光源装置22に代えて設けられる光源装置22B(図示省略)も同様の構成である。但し、光源装置22Bの中心波長は1310nmである。
【0050】
図5に示す通り、本実施形態の光源装置21Bは、
図3に示す光源装置21とは、
図3にノッチフィルタ21cに代えてバンドパスフィルタ21e(光学系、第1光学素子)及びハーフミラー21f(光学系、第2光学素子)を備える点が異なる。つまり、本実施形態の光源装置21Bは、パルス光源21aから射出される光パルスの光路上に、コリメートレンズ21b、バンドパスフィルタ21e、及びハーフミラー21fが順に配置された構成である。
【0051】
ここで、バンドパスフィルタ21eは、
図5に示す通り、パルス光源21aから射出される光パルスの光路に対して傾斜配置されている。これは、バンドパスフィルタ21eで反射された光パルスが半導体レーザLDに入射しないようにするためである。言い替えると、半導体レーザLDの第2端面E2とバンドパスフィルタ21eとによって共振器が形成されないようにするためである。尚、パルス光源21aから射出される光パルスの光路に対するバンドパスフィルタ21eの傾斜角度は、例えば5°である。本実施形態の光源装置21Bでは、半導体レーザLDの第1端面E1と第2端面E2とによって第1共振器RS1が形成され、半導体レーザLDの第2端面E2とハーフミラー21fとによって第2共振器RS2が形成されている。
【0052】
図6は、本発明の第2実施形態において用いられるバンドパスフィルタ及びハーフミラーの反射透過特性の一例を示す図である。尚、
図6(a)は、バンドパスフィルタの反射透過特性の一例を示す図であり、
図6(b)は、ハーフミラーの反射透過特性の一例を示す図である。
図6に示すグラフは、
図4に示すグラフと同様に、横軸に波長をとり、縦軸に透過率をとってある。
【0053】
図6(a)に示す通り、バンドパスフィルタ21eは、半導体レーザLDの規定の中心波長(1550nm)を中心とし、所定の波長幅の光のみを透過させる透過特性を有する。例えば、バンドパスフィルタ21eが光を透過させる波長幅(半値全幅:FWHM)(予め規定された波長幅)は、10~15nm程度である。尚、バンドパスフィルタ21eの中心波長(1550nm)における透過率は、高ければ高い方が望ましく、例えば、ほぼ100%であることが好ましい。
【0054】
図6(b)に示す通り、ハーフミラー21fは、波長1550~1600nmの範囲の光に対する反射率が、ほぼ一定である。尚、ハーフミラー21fは、少なくとも第1光パルス(1550nmを中心とする±15nm以内の中心波長を有する光パルス)に対する反射率が、ほぼ一定であれば良い。ハーフミラー21fの反射率は、例えば、30~40%が望ましい。
【0055】
本実施形態の光源装置21Bでは、半導体レーザLDの第1端面E1から射出された光パルスが、コリメートレンズ21bで平行光に変換された後にバンドパスフィルタ21eに入射する。バンドパスフィルタ21eに入射した光のうち、半導体レーザLDの規定の中心波長(1550nm)を中心とし、所定の波長幅の光のみがバンドパスフィルタ21eを透過し、ハーフミラー21fに入射する。
【0056】
ハーフミラー21fに入射した光のうち、一部(例えば、30%の光)がハーフミラー21fで反射され、残り(例えば、70%の光)がハーフミラー21fを透過する。ハーフミラー21fで反射された平行光は、バンドパスフィルタ21eを透過した後にコリメートレンズ21bで集光されて第1端面E1から半導体レーザLDに入射する。半導体レーザLDに入射した光パルスは、半導体レーザLDの第2端面E2で反射された後に、一部が再び半導体レーザLDの第1端面E1から射出される。
【0057】
半導体レーザLDの第1端面E1から射出された光パルスは、コリメートレンズ21bで平行光に変換された後にバンドパスフィルタ21eを透過してハーフミラー21fに入射する。ハーフミラー21fに入射した光のうち、一部(例えば、30%の光)がハーフミラー21fで反射され、残り(例えば、70%の光)がハーフミラー21fを透過する。このように、光パルスは、半導体レーザLDの第2端面E2とハーフミラー21fとによって形成される第2共振器RS2内を往復する。これにより、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)は、第2共振器RS2によって決定され、光源装置21Bからは、第1光パルス(1550nmを中心とする±15nm以内の中心波長を有する光パルス)が出力される。
【0058】
以上の通り、本実施形態では、半導体レーザLDの第1端面E1から射出される光パルス(レーザ光)の光路上に、バンドパスフィルタ21eとハーフミラー21fとからなる光学系を配置している。この光学系は、半導体レーザLDの規定の中心波長(例えば、1550nm)を中心とする予め規定された波長幅(例えば、±15nm)の光に対する反射率が、半導体レーザLDの第1端面E1の反射率よりも高い反射特性を有する。そして、半導体レーザLDの第2端面E2と上記光学系をなすハーフミラー21fとによって第2共振器RS2を形成するようにしている。
【0059】
これにより、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)が、第2共振器RS2によって決定されるため、光源装置21Bの中心波長を容易に所定範囲内に収めることができる。また、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、光パルスのパルス幅が狭くとも十分にレーザ発振することができ、バッテリの駆動時間が短くなってしまうこともない。
【0060】
〔第3実施形態〕
〈光パルス試験器、双方向モジュール〉
本実施形態の光パルス試験器の要部構成は、
図1に示す光パルス試験器1の要部構成と同様の構成である。また、本実施形態の光パルス試験器が備える双方向モジュールの要部構成は、
図2に示す双方向モジュール11の光源装置21,22を、
図7に示すものに代えた構成である。このため、本実施形態の光パルス試験器及び双方向モジュールの構成の説明は省略する。
【0061】
〈光源装置〉
図7は、本発明の第3実施形態による光源装置の要部構成を示す図である。尚、
図7では、
図3に示す光源装置21に代えて設けられる光源装置21Cを図示しているが、
図3に示す光源装置22に代えて設けられる光源装置22C(図示省略)も同様の構成である。但し、光源装置22Cの中心波長は1310nmである。
【0062】
図7に示す通り、本実施形態の光源装置21Cは、
図3に示す光源装置21とは、
図3に示すコリメートレンズ21b及びノッチフィルタ21cに代えて、集光レンズ21g(集光光学系)、反射部材21h(光学系)、及びコリメートレンズ21iを備える点が異なる。つまり、本実施形態の光源装置21Cは、パルス光源21aから射出される光パルスの光路上に、集光レンズ21g、反射部材21h、及びコリメートレンズ21iが順に配置された構成である。
【0063】
集光レンズ21gは、パルス光源21aと反射部材21hとの間における光パルスの光路上に設けられ、パルス光源21aから出力される光パルスを反射部材21hの一端部に集光する。反射部材21hは、
図3に示すノッチフィルタ21cと同様の反射透過特性(
図4に示す反射透過特性)を有する部材である。この反射部材21hは、例えば、ファイバスタブに内蔵された光ファイバのコアにグレーティングGRが形成された部材である。コリメートレンズ21iは、反射部材21hの他端部から射出される光パルスをコリメートして平行光にする。本実施形態の光源装置21Cでは、半導体レーザLDの第1端面E1と第2端面E2とによって第1共振器RS1が形成され、半導体レーザLDの第2端面E2と反射部材21hに形成されたグレーティングGRとによって第2共振器RS2が形成されている。
【0064】
本実施形態の光源装置21Cでは、半導体レーザLDの第1端面E1から射出された光パルスが、集光レンズ21gによって反射部材21hの一端部に集光される。集光された光パルスは、反射部材21hに内蔵された光ファイバのコア内を伝播し、光ファイバのコアに形成されたグレーティングGRに入射する。グレーティングGRに入射した光のうち、一部がグレーティングGRによって反射され、残りがグレーティングGRを透過する。グレーティングGRを透過した光は、コリメートレンズ21iによって平行光に変換されて出力される。
【0065】
グレーティングGRで反射された光は、反射部材21hに内蔵された光ファイバのコア内を反対方向に伝播した後に、集光レンズ21gによって集光されて第1端面E1から半導体レーザLDに入射する。半導体レーザLDに入射した光パルスは、半導体レーザLDの第2端面E2で反射された後に、一部が再び半導体レーザLDの第1端面E1から射出される。
【0066】
半導体レーザLDの第1端面E1から射出された光パルスは、集光レンズ21gによって集光された後に、反射部材21hに内蔵された光ファイバのコア内を伝播し、光ファイバのコアに形成されたグレーティングGRに入射する。グレーティングGRに入射した光のうち、一部がグレーティングGRによって反射され、残りがグレーティングGRを透過する。グレーティングGRを透過した光は、コリメートレンズ21iによって平行光に変換されて出力される。
【0067】
このように、光パルスは、半導体レーザLDの第2端面E2と反射部材21hに形成されたグレーティングGRとによって形成される第2共振器RS2内を往復する。これにより、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)は、第2共振器RS2によって決定され、光源装置21からは、第1光パルス(1550nmを中心とする±15nm以内の中心波長を有する光パルス)が出力される。
【0068】
以上の通り、本実施形態では、半導体レーザLDの第1端面E1から射出される光パルス(レーザ光)の光路上に、グレーティングGRが形成された反射部材21hを配置している。このグレーティングGRは、半導体レーザLDの規定の中心波長(例えば、1550nm)を中心とする予め規定された波長幅(例えば、±15nm)の光に対する反射率が、半導体レーザLDの第1端面E1の反射率よりも高い反射特性を有する。そして、半導体レーザLDの第2端面E2と反射部材21hのグレーティングGRとによって第2共振器RS2を形成するようにしている。
【0069】
これにより、半導体レーザLDの主発振モード(縦モード)が、第2共振器RS2によって決定されるため、光源装置21Cの中心波長を容易に所定範囲内に収めることができる。また、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、光パルスのパルス幅が狭くとも十分にレーザ発振することができ、バッテリの駆動時間が短くなってしまうこともない。
【0070】
以上、本発明の実施形態による光源装置及び光パルス試験器について説明したが、本発明は上記実施形態に制限される訳ではなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した第1~第3実施形態では、波長1550nmの光パルスを出力する光源装置と、波長1310nmの光パルスを出力する光源装置とを備える光パルス試験器について説明した。しかしながら、光パルス試験器は、波長1550nmの光パルスを出力する光源装置と、波長1310nmの光パルスを出力する光源装置との何れか一方のみを備えるものであっても良い。
【0071】
また、上述した第1~第3実施形態では、波長1550nmの光パルスと、波長1310nmの光パルスとを出力する光パルス試験器について説明したが、光パルス試験器から出力される光パルスの波長は、波長1550nm、波長1310nm以外の波長であっても良い。また、光パルス試験器は、2つの波長の光パルスを出力するものに制限される訳ではなく、1つの波長の光パルスを出力するものであっても良く、3つ以上の波長の光パルスを出力するものであっても良い。
【0072】
また、上述した第1実施形態の光源装置では、
図4に示す反射透過特性を有するノッチフィルタ21cを備えていた。しかしながら、このノッチフィルタ21cに代えて、同様の反射透過特性を有するVHG(Volume Holographic Grating:体積型ホログラフィックグレーティング)を備えていても良い。
【符号の説明】
【0073】
1 光パルス試験器
11 双方向モジュール
14 信号処理部
21 光源装置
21B 光源装置
21C 光源装置
21a パルス光源
21b コリメートレンズ
21c ノッチフィルタ
21d ノッチフィルタ
21e バンドパスフィルタ
21f ハーフミラー
21g 集光レンズ
21h 反射部材
22 光源装置
26 受光装置
E1 第1端面
E2 第2端面
FUT 光ファイバ
GR グレーティング
LD 半導体レーザ
PL1 第1面
PL2 第2面
RS1 第1共振器
RS2 第2共振器