(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】発光装置および発光装置セット
(51)【国際特許分類】
H01S 5/022 20210101AFI20240410BHJP
【FI】
H01S5/022
(21)【出願番号】P 2020133054
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】319006036
【氏名又は名称】シャープ福山レーザー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅宏
(72)【発明者】
【氏名】石田 真也
(72)【発明者】
【氏名】東坂 浩由
(72)【発明者】
【氏名】織田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 剛史
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175997(JP,A)
【文献】特開2011-044694(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183638(WO,A1)
【文献】国際公開第02/054548(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0126704(US,A1)
【文献】特開2008-159986(JP,A)
【文献】特開2008-091796(JP,A)
【文献】特開2009-135269(JP,A)
【文献】特開2009-099633(JP,A)
【文献】特開平10-223788(JP,A)
【文献】特開2017-103271(JP,A)
【文献】特開2006-261039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-23/06
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の第1貫通孔を有する上面部および開口を有する正面部を含む筐体と、
前記1以上の第1貫通孔を塞ぐ透明部材と、
前記筐体内で前記1以上の第1貫通孔にそれぞれ対向する1以上の発光素子と、
前記開口を塞ぐように設けられた蓋部材と、を備え、
前記筐体が1つの材料を用いて一体成形された
発光装置であって、
前記筐体の外側に設けられ、前記発光装置とは異なる他の部材への装着に利用される装着部をさらに備え、
前記筐体および前記装着部が前記1つの材料を用いて一体成形され、
前記装着部は、前記他の部材への装着に利用される装着用部品が挿入される2つの第2貫通孔を有し、
前記2つの第2貫通孔は、前記筐体の上面から下面へ貫通する上下貫通孔と、前記筐体の正面から背面へ貫通する前後貫通孔と、を含む、発光装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記蓋部材に対向するように設けられ、前記1以上の発光素子が装着された背面壁を含み、
前記1以上の発光素子は、前記背面壁に取り付けられ、
前記背面壁の厚さが、前記筐体の前記背面壁とは異なる部分の厚さよりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記筐体および前記蓋部材は、互いの位置関係が固定される嵌合構造をなしている、請求項1
または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記筐体と前記蓋部材とは、溶着または接着によって接合された、請求項1~
3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項5】
前記透明部材は、前記1以上の第1貫通孔にそれぞれに対向する1以上のレンズ部を含む、請求項1~
4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
前記1以上のレンズ部は、一体成形された、請求項
5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記1以上の第1貫通孔の周囲に、前記透明部材の位置決めをする突起または座繰りを含む、請求項1~
6のいずれかに記載の発光装置。
【請求項8】
前記透明部材と前記筐体とは、接着によって接合された、請求項1~
7のいずれかに記載の発光装置。
【請求項9】
前記筐体は、1以上の第3貫通孔を有し、
前記1以上の第3貫通孔のそれぞれを通過して、前記1以上の発光素子に電気的に接続された配線と、
前記配線と前記1以上の第3貫通孔のそれぞれとの間の隙間を塞ぐ1以上の封止部材と、をさらに備えた、請求項1~
8のいずれかに記載の発光装置。
【請求項10】
それぞれが請求項1~
9のいずれかに記載の発光装置である複数の発光装置と、
前記複数の発光装置が1つの集合体になるように拘束する枠状部材と、を備えた、発光装置セット。
【請求項11】
それぞれが請求項1~
9のいずれかに記載の発光装置である複数の発光装置を備え、
前記複数の発光装置のうちの隣接する2つの発光装置の一方は、連結部を含み、
前記複数の発光装置のうちの隣接する2つの発光装置の他方は、前記連結部に連結される被連結部を含む、発光装置セット。
【請求項12】
前記連結部は、凹部であり、
前記被連結部は、前記凹部に嵌合する凸部である、請求項
11に記載の発光装置セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置および発光装置セットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、下記の特許文献1に開示されているように、レーザーダイオード等の発光素子が搭載された発光装置の開発が行われている。このような発光装置においては、平板状の台座と凹形状を有する封止キャップとが固定され、それにより、内部空間が形成される。この内部空間に発光素子が設けられている。封止キャップの上面部に貫通孔が設けられている。発光素子が発した光は、貫通孔を経由して、外部空間へ進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような発光装置によれば、台座と封止キャップとが溶着等によって接続される。そのため、台座と封止キャップとの間に接続部が形成される。その結果、台座および封止キャップの全体に熱が伝導し難い。したがって、発光素子の放熱性が良好ではない。
【0005】
本開示の目的は、放熱性が向上した発光装置および発光装置セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の発光装置は、1以上の第1貫通孔を有する上面部および開口を有する正面部を含む筐体と、前記1以上の第1貫通孔を塞ぐ透明部材と、前記筐体内で前記1以上の第1貫通孔にそれぞれ対向する1以上の発光素子と、前記開口を塞ぐように設けられた蓋部材と、を備え、前記筐体が1つの材料を用いて一体成形されている。
【0007】
本開示の発光装置セットの一態様は、それぞれが前述の発光装置である複数の発光装置と、
前記複数の発光装置が1つの集合体になるように拘束する枠状部材と、を備えている。
【0008】
本開示の発光装置セットの他の態様は、それぞれが前述の発光装置である複数の発光装置を備え、前記複数の発光装置のうちの隣接する2つの発光装置の一方は、連結部を含み、前記複数の発光装置のうちの隣接する2つの発光装置の他方は、前記連結部に連結される被連結部を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1の発光装置の分解斜視図である。
【
図2】実施の形態1の発光装置のうちの発光素子が装着された筐体の上面図である。
【
図3】実施の形態1の発光装置のうちの発光素子が装着された筐体の正面図である。
【
図4】実施の形態1の発光装置のうちの発光素子が装着された筐体の下面図である。
【
図7】実施の形態2の発光装置のうちの発光素子が装着された筐体の上面図である。
【
図8】実施の形態2発光装置のうちの発光素子が装着された筐体の正面図である。
【
図9】実施の形態2の発光装置のうちの発光素子が装着された筐体の下面図である。
【
図12】実施の形態3の発光装置のうちの透明部材を示す平面図である。
【
図13】実施の形態4の発光装置セットの上面図である。
【
図14】実施の形態5の発光装置セットの分解上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態の発光装置および発光装置セットを、図面を参照しながら説明する。なお、各図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、同一の符号が付された要素の重複する説明は、各図面の説明において、特に必要がなければ、繰り返さない。
【0011】
(実施の形態1)
図1~
図6を用いて、実施の形態1の発光装置10を説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1の発光装置10の分解斜視図である。
図1に示されるように、発光装置10は、筐体C、装着部AT、蓋部材LI、配線T、封止部材S、および透明部材TMを備えている。
図1は、蓋部材LIのみが筐体Cから取り外され、配線Tおよび封止部材Sおよび透明部材TMは筐体Cに装着された状態を示している。
図1においては、発光素子は筐体C内に隠れている。
【0013】
筐体Cは、直方体形状を有している。ただし、筐体Cの形状は、数学的な意味での直方体形状ではなく、角部が円弧状に加工されていたり、面取り加工されていたりしてもよい。また、筐体Cの形状は、直方体形状に限定されない。筐体Cは、1以上の発光素子LD(
図1には現れず)を内包し得る形状であって、発光装置10がその機能を発揮し得る形状を有していれば、円柱形状または角錐形状等のいかなる形状を有していてもよい。
【0014】
装着部ATは、直方体の下面部が左側面側および右側面側のそれぞれに延長された鍔のような形状を有している。装着部ATは、発光装置10の他の部材への装着に利用される部分である。
【0015】
筐体Cと装着部ATとは、同一材料により一体成形されている。本実施の形態においては、筐体Cおよび装着部ATは、単一の材料、たとえば、銅のみからなっている。そのため、筐体Cおよび装着部ATは、熱抵抗源となる同一または異なる材料同士の接着または溶接された部分を有していない。したがって、筐体Cおよび装着部ATの全体の熱伝導率は良好である。
【0016】
蓋部材LIと筐体Cとは、本実施の形態においては、超音波溶着もしくは熱溶着、または接着剤を用いた接着などの手段で接合される。
【0017】
図2は、実施の形態1の発光装置10の上面図である。
図2に示されるように、発光装置10の筐体Cは、上面部USを含んでいる。
【0018】
上面部USは、1以上の第1貫通孔TH1を有している。
図2においては、1以上の第1貫通孔TH1の数は、6個であるが、いかなる値であってもよい。第1貫通孔TH1は、円柱状の空間を構成している。
【0019】
上面部USは、1以上の第1貫通孔TH1を塞ぐように設けられた透明部材TMを有している。透明部材TMは、光を透過させる部材であれば、いかなるものであってもよい。本実施の形態においては、透明部材TMは、1以上の第1貫通孔TH1にそれぞれ対応する1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6を含んでいる。本実施の形態においては、透明部材TMを構成する1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6のそれぞれが独立して設けられている。
【0020】
ただし、透明部材TMの全体が一体成形されていてもよい(
図12参照)。この場合、筐体Cへの透明部材TMの装着を容易に行うことができる。また、透明部材TMは、レンズ部を有しておらず、単に、光を透過させるだけの平板状部材であってもよい。なお、レンズ部は、光を収束させる凸レンズ形状であっても、光を発散させる凹レンズ形状であってもよい。
【0021】
筐体Cは、1以上の第1貫通孔TH1のそれぞれの周囲に、透明部材TMの位置決めをする突起または座繰りCBを含んでいる。突起または座繰りCBにより、透明部材TMの筐体Cに対する位置決めがなされている。そのため、1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6の1以上の第1貫通孔TH1への装着を容易に行うことができる。1以上の発光素子LDが発した光は、それぞれ、1以上の第1貫通孔TH1を経由して、1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6を通過した後、外部空間を進行する。
【0022】
発光装置10は、筐体Cから右側方および左側方のそれぞれに突出する装着部ATを有している。装着部ATは、その厚さ方向に延びる第2貫通孔TH2を有している。第2貫通孔TH2は、発光装置10を他の部品へ装着するためのボルトを挿入するためのものである。ボルトは、発光装置10の他の部品への装着に利用される装着用部品の一例である。
【0023】
装着部ATは、第2貫通孔TH2の代わりに、たとえば、半円形の切り欠き(図示せず)を有していてもよい。これによっても、装着用部品の一例であるボルトまたはネジによって、発光装置10を他の部材へ装着することができる。
【0024】
図3は、実施の形態1の発光装置10の正面図であって、蓋部材LIが取り外された状態を示す図である。
図3に示されるように、筐体Cは、正面部FSに開口Oを有している。筐体Cは、開口Oの奥側に、背面壁BWを有している。背面壁BWに1以上の発光素子LDが装着されていることが分かる。
【0025】
筐体Cの正面部FSは、開口Oの外周に沿って周状に形成された窪みHを有している。窪みHは、蓋部材LIを受け入れる。それにより、蓋部材LIと窪みHとは嵌合する。本実施の形態においては、筐体Cが窪みHを有し、蓋部材LIが窪みHに嵌り込む(
図1の白抜き矢印を参照)。
【0026】
しかしながら、蓋部材LIが凹部を有し、筐体Cが凸部を有し、筐体Cの凸部が蓋部材LIの凹部に嵌合してもよい。蓋部材LIと筐体Cとは、互いに嵌合する構造を有していれば、いかなる形状を有していてもよい。
【0027】
本実施の形態においては、1以上の発光素子LDは、端面出射型の複数の半導体レーザー素子である。複数の半導体レーザー素子は、一列に並べられており、かつ、電気的に直列に接続されている。
【0028】
図4は、実施の形態1の発光装置10の下面図である。
図4から分かるように、筐体Cは、下面部LSに2つの第3貫通孔TH3を有している。2つの第3貫通孔TH3のそれぞれには、配線Tが挿入されている(
図1参照)。
【0029】
配線Tと第3貫通孔TH3との間には、封止部材Sが充填されている。その結果、第3貫通孔TH3は、封止部材Sによって隙間を塞がれた状態になっている。
【0030】
図5は、
図2、
図3、および
図4のそれぞれのV-V線断面図である。
図5から分かるように、筐体C内の空間は、左側壁LSW、背面壁BW、右側壁RSW、および蓋部材LIによって囲まれている。筐体C内の空間は、1以上の発光素子LDを含んでいる。
【0031】
1以上の発光素子LDは、接着剤(図示せず)によって背面壁BWに固定されている。背面壁BWの厚さt1は、筐体の他の部分、たとえば、下面部の厚さt2および上面部USの厚さt3よりも大きいだけでなく、左側壁LSWの厚さ、右側壁RSWの厚さ、および蓋部材LIの厚さのいずれの部分の厚さよりも大きい(
図3および
図4参照)。
【0032】
図6は、
図3のVI-VI線断面図である。
図6から推測されるように、筐体C内の空間は、上面部US、背面壁BW、下面部LS、および蓋部材LI(
図1参照)によって囲まれている。
【0033】
1以上の発光素子LDは、蓋部材LIが筐体Cに装着される前に、1以上の発光素子LDのそれぞれがストロー状の部材(図示せず)の先端に吸着された状態で、開口Oから筐体C内の空間へ向かって挿入され、接着される。配線Tおよび封止部材Sは、第3貫通孔TH3に下方から上方へ向かって挿入される。
【0034】
以上のことから分かるように、本実施の形態の発光装置10によれば、次のことが言える。
【0035】
発光装置10は、筐体C、透明部材TM、1以上の発光素子LD、および蓋部材LIを備えている。筐体Cは、1以上の第1貫通孔TH1を有する上面部USおよび開口Oを有する正面部FSを含んでいる。透明部材TMは、1以上の第1貫通孔TH1を塞いでいる。
【0036】
1以上の発光素子LDは、筐体C内で1以上の第1貫通孔TH1にそれぞれ対向している。蓋部材LIは、開口Oを塞ぐように正面部FSに設けられている。筐体Cが1つの材料を用いて一体成形されている。
【0037】
これによれば、筐体Cは、熱抵抗源となる同一または異なる材料同士の接着または溶接された部分を有していない。そのため、1以上の発光素子LDから発せられた熱は、筐体Cの全体を熱伝導によって移動する。その結果、1以上の発光素子LDの放熱性が向上する。
【0038】
発光装置10は、装着部ATを備えている。装着部ATは、筐体Cの外側に設けられている。装着部ATは、発光装置10とは異なる他の部材への装着に利用される。筐体Cおよび装着部が1つの材料を用いて一体成形されている。
【0039】
本実施の形態の発光装置10によれば、筐体Cおよび装着部ATは、熱抵抗源となる同一または異なる材料同士の接着または溶接された部分を有していない。そのため、1以上の発光素子LDから発せられた熱は、筐体Cおよび装着部ATの全体を熱伝導によって移動する。その結果、1以上の発光素子LDから発せられた熱の放熱性がさらに向上する。
【0040】
発光装置10は、背面壁BWを備えている。背面壁BWは、蓋部材LIに対向するように設けられている。背面壁BWは、1以上の発光素子LDが装着されている。背面壁BWの厚さは、筐体Cの背面壁BWとは異なる部分の厚さよりも大きい。
【0041】
これによれば、1以上の発光素子LDから発せられた熱は、最初に、体積の大きい背面壁BWへ流れる。そのため、1以上の発光素子LDから発せられた熱をより効果に筐体Cへ伝達することができる。
【0042】
筐体Cおよび蓋部材LIは、互いの位置が固定される嵌合構造をなしている。これによれば、蓋部材LIと筐体Cとの間に隙間が形成されにくいため、筐体C内の空間を密閉し易くなっている。嵌合構造は、隙間嵌め、中間嵌め、および、締まり嵌めのうちのいずれであってもよい。
【0043】
筐体Cと蓋部材LIとは、溶着または接着によって接合されている。これによれば、筐体C内の空間を密閉することが可能になっている。溶着は、超音波溶着および熱溶着のいずれであってもよい。この接着には、いかなる接着剤が用いられてもよい。
【0044】
透明部材TMは、1以上の第1貫通孔TH1にそれぞれに対向する1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6を含んでいる。そのため、1以上の発光素子LDが発する光を収束させたり拡散したりすることができる。
【0045】
1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6は、一体成形されていれば、1以上のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6の1以上の第1貫通孔TH1を塞ぐための筐体Cへの取り付けを容易に行うことができる。
【0046】
筐体Cは、1以上の第1貫通孔TH1の周囲に、透明部材TMの位置決めをする突起または座繰りCBを含んでいる。そのため、透明部材TMの筐体Cに対する位置決めを容易に行うことができる。
【0047】
透明部材TMと筐体Cとは、接着によって接合されている。そのため、筐体C内の空間を密閉することが可能になっている。なお、この接着にも、いかなる接着剤が用いられてもよい。
【0048】
筐体Cは、内部空間に連通した1以上の第3貫通孔TH3を有している。発光装置10は、配線Tと封止部材Sとを備えている。配線Tは、1以上の第3貫通孔TH3のそれぞれを通過して、1以上の発光素子LDに電気的に接続されている。封止部材Sは、1以上の第3貫通孔TH3のそれぞれとの間の隙間を塞いでいる。そのため、筐体C内の空間を密閉状態にすることができる。封止部材Sは、筐体C内の空間を密閉状態にすることができる材料であれば、いかなる材料であってもよい。
【0049】
(実施の形態2)
図7~
図11を用いて、実施の形態2の発光装置10を説明する。なお、下記において、実施の形態1と同様である点については、その説明は繰り返さない。本実施の形態の発光装置10は、筐体Cが全体として実質的に直方体形状を有している点で、実施の形態1の発光装置10と異なる。以下、本実施の形態の発光装置10の実施の形態1の発光装置10と異なる点を主として説明する。
【0050】
図1~
図6に示される実施の形態1の発光装置10と
図7~
図11に示される実施の形態2の発光装置10とは、それらの図面の対比から分かるように、装着部ATの構成が異なっているが、その他の構成についてはほぼ同一である。そのため、本実施の形態の発光装置10によっても、実施の形態1の発光装置10と同様に、放熱性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施の形態の発光装置10の装着部ATの体積が実施の形態1の発光装置10の鍔状の装着部ATの体積に比較して大きい。そのため、筐体Cおよび装着部ATは、1以上の発光素子LDが発した熱をより多く受け取ることができる。そのため、本実施の形態の発光装置10は、実施の形態1の発光装置10に比較して、放熱性がより向上している。
【0052】
さらに、装着部ATは、第2貫通孔TH2以外に、第2貫通孔TH2-aを有している。これによれば、発光装置10を他の部品に対して上下方向に装着することができるだけでなく、前後方向にも装着することができる。したがって、発光装置10の装着態様のバリエーションが増加する。
【0053】
(実施の形態3)
図12を用いて、実施の形態3の発光装置10を説明する。なお、下記において、実施の形態1と同様である点については、その説明は繰り返さない。
【0054】
図12に示されるように、本実施の形態の発光装置10は、複数のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6が同一材料を用いて1つの透明部材TMとして一体成形されている点で、実施の形態1または2の発光装置10と異なっている。本実施の形態の発光装置10によれば、複数のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6を個々に筐体Cへ装着する場合に比較して、複数のレンズ部LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6の筐体Cへの装着を同時かつ容易に行うことができる。
【0055】
なお、本実施の形態の発光装置10の場合、上面部USの1以上の第1貫通孔TH1の近傍に形成される座繰りCBは、透明部材TMの外形に対応するように、長方形の外形を有している。
【0056】
(実施の形態4)
図13を用いて、実施の形態4の発光装置セット100を説明する。なお、下記において、実施の形態1~3と同様である点については、その説明は繰り返さない。本実施の形態の発光装置セット100は、複数の実施の形態1の発光装置10が一体化されたものである。
【0057】
言い換えると、発光装置セット100は、それぞれが実施の形態1の発光装置10である複数の発光装置10と、複数の発光装置10が1つの集合体になるように拘束する枠状部材FLと、を備えている。これによれば、複数の発光装置10を容易に一体化することができる。
【0058】
枠状部材FLは、本実施の形態においては、その形状がほとんど変化しないものとするが、弾性変形して形状が大きく変化するものであってもよい。枠状部材は、複数の発光装置10の相対的な位置関係を固定できるものであれば、いかなるものであってもよい。
【0059】
本実施の形態の発光装置セット100は、複数の実施の形態1の発光装置10を一体化させているが、実施の形態2または3の発光装置10を枠状部材FLによって拘束することにより、一体化させてもよい。
【0060】
(実施の形態5)
図14を用いて、実施の形態4の発光装置セット100を説明する。なお、下記において、実施の形態1~4と同様である点については、その説明は繰り返さない。本実施の形態の発光装置セット100は、複数の実施の形態1の発光装置10が一体化されたものである。
【0061】
図14に示されるように、本実施の形態の発光装置セット100は、それぞれが実施の形態1の発光装置10を一体化させるときの連結部と被連結部とを有している。より具体的には、複数の発光装置10のうちの隣接する2つの発光装置10の一方は、連結部を含み、複数の発光装置10のうちの隣接する2つの発光装置10の他方は、連結部に連結される被連結部を含んでいる。そのため、複数の発光装置を一体化させることが容易になる。
【0062】
本実施の形態においては、連結部は凹部CCであり、被連結部は凹部CCに嵌合する凸部CVである。これによれば、連結部の製造工程を別途設けることを必要としないため、発光装置10の製造工程を簡略化することができる。ただし、連結部と被連結部とは、凹凸嵌合構造以外に、スナップ留め構造または係止構造等のように、発光装置10同士を一体化させたり、分離させたりすることができる構造であれば、いかなる構造であってもよい。
【0063】
なお、本実施の形態の発光装置10の凸部CVのような連結部と凹部CCのような被連結部とは、実施の形態2または3の発光装置10に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 発光装置
100 発光装置セット
AT 装着部
BW 背面壁
C 筐体
CB 突起または座繰り
CC凹部(被連結部)
CV凸部(連結部)
FL 枠状部材
FS 正面部
LD 発光素子
LI 蓋部材
LE1,LE2,LE3,LE4,LE5,LE6 レンズ部
O 開口
TH1 第1貫通孔
TH2 第2貫通孔(または切り欠き)
TH3 第3貫通孔
TM 透明部材
US 上面部