(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240410BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240410BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/47 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240410BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H01L29/78 654C
H01L29/78 652K
H01L29/78 653B
H01L29/78 653D
H01L29/78 657A
H01L29/86 301F
H01L29/78 652F
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/86 301M
H01L29/78 658F
H01L29/78 652A
H01L29/78 652M
H01L29/78 652H
H01L29/91 K
H01L29/91 C
H01L29/78 656A
H01L29/78 652T
H01L29/86 301D
H01L29/91 F
H01L29/48 F
H01L29/44 Y
H01L29/50 J
(21)【出願番号】P 2021028206
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2020125264
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】井口 智明
(72)【発明者】
【氏名】雁木 比呂
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇介
(72)【発明者】
【氏名】飯島 良介
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0252463(US,A1)
【文献】特開2018-107168(JP,A)
【文献】特開2018-206923(JP,A)
【文献】特開2004-303755(JP,A)
【文献】特開2018-098518(JP,A)
【文献】特開2002-083963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/872
H01L 29/06
H01L 21/336
H01L 29/861
H01L 29/12
H01L 29/47
H01L 29/41
H01L 29/417
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を含む支持体と、
第1導電部と、
第2導電部であって、前記第1導電部から前記第2導電部への第1方向は、前記第1面に沿う、前記第2導電部と、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域及び第3部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第2部分領域への第2方向は、前記第1面に沿い前記第1方向と交差し、前記第3部分領域は前記第1方向において前記第1部分領域と前記第2導電部と、の間にあり、前記第3部分領域は前記第2導電部と対向する対向面を含み、前記第3部分領域と前記第2導電部はショットキー接触する、前記第1半導体領域と、
第3導電部であって、前記対向面から前記第3導電部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3導電部と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部であって、前記第1絶縁領域の少なくとも一部は、前記対向面と前記第3導電部と、の間にある、前記第1絶縁部と、
を備え
、
前記第1絶縁領域は、前記対向面と接する、半導体装置。
【請求項2】
前記第3部分領域の一部から前記第3導電部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2導電部の少なくとも一部から前記第3導電部への方向は、前記第2方向に沿う、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第3部分領域は、第1領域及び第2領域を含み、
前記第1領域は、前記第1方向において、前記第2領域と前記第2導電部との間にあり、
前記第1領域における前記第1導電形の不純物の濃度は、前記第2領域における前記第1導電形の不純物の濃度よりも高い、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2導電部は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、
前記第1導電領域は、前記第1方向において、前記第1部分領域と前記第2導電領域との間にあり、
前記第2導電領域は、第1元素を含み、
前記第3部分領域は、第2元素を含み、
前記第1導電領域は、前記第1元素と前記第2元素とを含む化合物を含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2導電部は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、
前記第1導電領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第2導電領域との間にあり、
前記第2導電領域は、第1金属元素を含み、
前記第3部分領域は、シリコンを含み、
前記第1導電領域は、前記第1金属元素を含むシリサイドを含む、請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
第4導電部をさらに備え、
前記第1半導体領域は、第4部分領域をさらに含み、
前記第2方向において、前記第2部分領域は、前記第1部分領域と前記第4部分領域との間にあり、
前記第4部分領域から前記第4導電部への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第3部分領域の少なくとも一部から前記第4導電部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1絶縁部は、第2絶縁領域を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域の前記少なくとも一部と、前記第4導電部との間にある、請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第4導電部は、前記第2導電部と電気的に接続された、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
第5導電部をさらに備え、
前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第5導電部の少なくとも一部との間に前記第2導電部があり、
前記第5導電部は、前記第2導電部及び前記第4導電部と電気的に接続された、請求項6または7に記載の半導体装置。
【請求項9】
第2絶縁部をさらに備え、
前記第3導電部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第5導電部との間にあり、
前記第2絶縁部の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記第3導電部と、前記第5導電部の少なくとも一部と、の間にある、請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
複数の前記第2導電部と、
複数の前記第4導電部と、
を備え、
前記複数の前記第2導電部の1つの前記第2方向における位置、及び、前記複数の第2導電部の別の1つの前記第2方向における位置は、前記複数の第4導電部の1つの前記第2方向における位置と、前記複数の第4導電部の別の1つの前記第2方向における位置と、の間にあり、前記複数の第4導電部の前記別の1つは、前記複数の第4導電部の前記1つの隣である、請求項6~9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第4部分領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第3部分領域における前記第1導電形の不純物濃度よりも高い、請求項6~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1半導体領域は、第5部分領域を含み、
前記第5部分領域は、前記第1導電部と前記第1部分領域との間に設けられ、
前記第5部分領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第1部分領域における前記第1導電形の不純物濃度よりも高い、請求項1~11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
第2導電形の第2半導体領域をさらに備え、
前記第2半導体領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域の一部と前記第2導電部との間にあり、
前記第3部分領域の別の一部は、前記第2方向において前記第2半導体領域と前記第1絶縁領域との間にある、請求項1~12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
第1部材をさらに備え、
前記第1半導体領域は、第4部分領域をさらに含み、
前記第2方向において、前記第2部分領域は、前記第1部分領域と前記第4部分領域との間にあり、
前記第4部分領域から前記第1部材への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第3部分領域の少なくとも一部から前記第1部材への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1絶縁部は、第2絶縁領域を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域の前記少なくとも一部と、前記第1部材と、の間にあり、
前記第1部材は、前記第4部分領域と電気的に接続され、
前記第1部材は、前記第2導電部と電気的に接続された、または、前記第2導電部と電気的に接続されることが可能であり、
前記第1部材の抵抗率は、前記第4部分領域の抵抗率よりも高く、前記第2絶縁領域の抵抗率よりも低い、請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
第1部材をさらに備え、
前記第1半導体領域は、第4部分領域をさらに含み、
前記第2方向において、前記第2部分領域は、前記第1部分領域と前記第4部分領域との間にあり、
前記第4部分領域から前記第1部材への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第3部分領域の少なくとも一部から前記第1部材への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1絶縁部は、第2絶縁領域を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域の前記少なくとも一部と、前記第1部材との間にあり、
前記第1部材は、前記第4部分領域と電気的に接続され、
前記第1部材は、前記第2導電部と電気的に接続された、または、前記第2導電部と電気的に接続されることが可能であり、
前記第1部材は、第1材料、第2材料、第3材料、第4材料、第5材料及び第6材料よりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記第1材料は、Si、N及びOを含み、
前記第2材料は、Si-Nの結合、N-Oの結合、及び、N-Nの結合を含み、
前記第3材料は、Si-Nの結合、N-Hの結合、及び、N-Nの結合を含み、
前記第4材料は、Siと、Cと、第1元素と、を含み、前記第1元素は、B及びNよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記第5材料は、Siと、Oと、第2元素と、を含み、前記第2元素は、Fe、Au、Ni、Ta、W及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記第6材料は、第3元素及び第4元素を含み、前記第3元素は、In、Al及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、前記第4元素は、P、As、B、Fe、Au、Ni、Ta、W及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項16】
第1面を含む支持体と、
第1導電部と、
第2導電部であって、前記第1導電部から前記第2導電部へ第1方向は、前記第1面に沿う、前記第2導電部と、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域及び第3部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第2部分領域への第2方向は、前記第1面に沿い前記第1方向と交差し、前記第3部分領域は前記第1方向において前記第1部分領域と前記第2導電部と、の間にある、前記第1半導体領域と、
前記第3部分領域と前記第2導電部との間に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
第3導電部であって、前記第2半導体領域の少なくとも一部から前記第3導電部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3導電部と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部であって、前記第1絶縁領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の前記少なくとも一部と、前記第3導電部と、の間にある、前記第1絶縁部と、
を備えた半導体装置。
【請求項17】
前記第1導電部及び前記第2導電部は、前記第1面に対して垂直な第3方向に沿って延びる、請求項1~16のいずれか1つの記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1方向及び前記第2方向を含む平面において、前記第5導電部の周りに前記第1導電部が設けられ、
前記第5導電部と前記第1導電部との間に、複数のセルが設けられ、
前記複数のセルの1つは、前記第2導電部及び前記第3導電部を含む、請求項
8記載の半導体装置。
【請求項19】
第1セルグループと第2セルグループとが設けられ、
第1セルグループ及び前記第2セルグループのそれぞれは、前記第2導電部を含み、
前記第1セルグループから前記第2セルグループへの方向は、前記第1方向に沿う、請求項1~17のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項20】
第1~第4セルグループが設けられ、
前記第1~前記第4セルグループのそれぞれは、前記第1導電部及び前記第2導電部を含み、
前記第1セルグループと前記第4セルグループとの間に、前記第2セルグループがあり、
前記第2セルグループと前記第4セルグループとの間に前記第3セルグループがあり、
前記第1セルグループの前記第1導電部から前記第1セルグループの前記第2導電部へのへの向きは、前記第2セルグループの前記第1導電部から前記第2セルグループの前記第2導電部への向きと逆であり、
前記第3セルグループの前記第1導電部から前記第3セルグループの前記第2導電部への向きは、前記第4セルグループの前記第1導電部から前記第4セルグループの前記第2導電部への向きと逆であり、
前記第1セルグループの前記第1導電部から前記第1セルグループの前記第2導電部への前記向きは、前記第3セルグループの前記第1導電部から前記第3セルグループの前記第2導電部への前記向きと同じである、請求項1~17のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性を向上できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1面を含む支持体と、第1導電部と、第2導電部と、第3導電部と、第1導電形の第1半導体領域と、第1絶縁部と、を含む。前記第1導電部から前記第2導電部への第1方向は、前記第1面に沿う。前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域及び第3部分領域を含む。前記第1部分領域から前記第2部分領域への第2方向は、前記第1面に沿い前記第1方向と交差する。前記第3部分領域は前記第1方向において前記第1部分領域と前記第2導電部と、の間にある。前記第3部分領域は前記第2導電部と対向する対向面を含む。前記第3部分領域と前記第2導電部はショットキー接触する。第3導電部であって、前記対向面から前記第3導電部への方向は、前記第2方向に沿う。前記第1絶縁部は、第1絶縁領域を含む。前記第1絶縁領域の少なくとも一部は、前記対向面と前記第3導電部と、の間にある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的斜視図である。
【
図7】
図7(a)~
図7(d)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図11】
図11(a)~
図11(d)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【
図12】
図12(a)~
図12(e)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図21】
図21は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図22】
図22は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図23】
図23は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図24】
図24は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図25】
図25は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的斜視図である。
【
図26】
図26は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的斜視図である。
【
図27】
図27は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図28】
図28は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図29】
図29は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図30】
図30は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1~
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図1は、斜視図である。
図2は、半導体装置に含まれる一部の要素を除去した状態の斜視図である。
図3は、断面図である。
【0009】
図1~
図3に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、支持体50S、第1導電部51、第2導電部52、第3導電部53、第1半導体領域11及び第1絶縁部41を含む。
【0010】
支持体50Sは、例えば、基板でも良い。
図1に示すように、この例では、支持体50Sは、基板部50uと、絶縁層50xと、を含む。基板部50uは、例えばシリコン基板である。基板部50uの上に、絶縁層50xが設けられる。絶縁層50xは、例えば、酸化シリコン層(例えば熱酸化膜)である。
【0011】
支持体50Sは、第1面50Fを含む。第1面50Fは、例えば上面である。この例では、第1面50Fは、絶縁層50xの上面に対応する。
【0012】
第1面50Fに対して平行な1つの方向をX軸方向とする。第1面50Fに対して平行で、X軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。第1面50Fは、Z軸方向に対して垂直である。
【0013】
第1面50Fの上に、第1導電部51、第2導電部52、第3導電部53、第1半導体領域11及び第1絶縁部41などが設けられる。後述するように、半導体装置110は、第4導電部54、第5導電部55、及び、第2絶縁部42を含んでも良い。
【0014】
第1導電部51から第2導電部52への方向(例えば第1方向)は、第1面50Fに沿う。第1方向は、例えば、Y軸方向である。
【0015】
第1半導体領域11は、第1導電形である。第1導電形はn形及びp形の一方である。以下では、第1導電形をn形とする。
【0016】
図1及び
図3に示すように、第1半導体領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b及び第3部分領域11cを含む。第1部分領域11aから第2部分領域11bへの第2方向は、第1面50Fに沿い、第1方向と交差する。第2方向は、例えば、X軸方向である。
【0017】
図3に示すように、第3部分領域11cは、第1方向(Y軸方向)において、第1部分領域11aと第2導電部52と、の間にある。第3部分領域11cは、第2導電部52と対向する対向面F1を含む。第3部分領域11cと第2導電部52はショットキー接触する。
【0018】
図3に示すように、この例では、対向面F1から第3導電部53への方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿う。
【0019】
第1絶縁部41は、第1絶縁領域41aを含む。例えば、第1絶縁領域41aの少なくとも一部は、第2導電部52の少なくとも一部と、第3導電部53と、の間にある。第1絶縁領域41aの少なくとも一部は、対向面F1と第3導電部53と、の間にある。例えば、第1絶縁部41(例えば第1絶縁領域41a)は、第2導電部52と第3導電部53とを電気的に絶縁する。例えば、第1絶縁部41(例えば第1絶縁領域41a)は、第3部分領域11cと第3導電部53とを電気的に絶縁する。
【0020】
例えば、第3部分領域11cの一部から第3導電部53への方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿っても良い。第2導電部52の少なくとも一部から第3導電部53への方向は、第2方向に沿っても良い。
【0021】
図1及び
図3に示すように、Y軸方向において、第1導電部51と第5導電部55との間に、第2導電部52、第1半導体領域11及び第1絶縁部41が設けられる。第5導電部55は、第2導電部52と電気的に接続される。
【0022】
例えば、第3導電部53の電位を制御することで、第1導電部51と第2導電部52との間に流れる電流が制御される。第1導電部51は、例えばドレイン電極DEとして機能する。第2導電部52及び第5導電部55は、ソース電極SEとして機能する。第3導電部53は、例えばゲート電極GEとして機能する。第1絶縁領域41aは、例えば、ゲート絶縁膜として機能する。半導体装置110は、例えば、トランジスタである。
【0023】
半導体装置110において、第3部分領域11cと第2導電部52との界面にショットキー障壁が形成される。第3導電部53の電位により、ショットキー障壁の厚さ(例えばY軸方向における距離)が制御できる。ショットキー障壁が厚いときには電流が実質的に流れない。これにより、オフ状態が得られる。第3導電部53の電位を制御することで、ショットキー障壁が薄くなり、例えば、トンネル電流が流れる。トンネル電流が流れることで、オン状態が得られる。実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0024】
例えば、pnp構造を有する参考例のトランジスタがある。この場合、ソース電極のコンタクト部に生じるボディダイオードは、pn接合を含む。このため、リカバリに長い時間を要する。
【0025】
これに対して、実施形態においては、第3部分領域11cと第2導電部52とを含む領域(ショットキー接触を含む領域)が、ボディダイオードとなる。実施形態においては、ボディダイオードがショットキーダイオードであるため、リカバリを高速化できる。
【0026】
pnp構造を用いる参考例においては、第1n領域、p領域及び第2n領域を含む領域と、ゲート電極と、が対向する。このため、ゲート長が長い。
【0027】
これに対して、実施形態においては、第3導電部53は、第3部分領域11cと第2導電部52との界面(例えば対向面F1)に対向すれば良い。このため、ゲート長が短い。これにより、ゲート総電荷量(Qg)が小さい。ゲート容量が小さい。これにより、高速のスイッチングが得られる。損失が小さい。例えば、ゲート容量(Cg)、及び、ゲート・ドレイン間容量(Cgd)が小さくなる。これにより、ゲート総電荷量(Qg)、及び、ゲート・ドレイン間電荷量(Qgd)が低減する。これにより、ゲートドライバの損失を低減できる。例えば、スイッチングを高速化できる。例えば、ターンオン損失、及び、ターンオフ損失を抑制できる。
【0028】
図2においては、第5導電部55及び第2絶縁部42が除去された状態が描かれている。
図2に示すように、この例では、第2導電部52(ソース電極SEの一部)、及び、第3導電部53(ゲート電極GE)は、Z軸方向に沿って延びる。
【0029】
実施形態においては、支持体50S(例えば基板)の第1面50Fの上に、第1面50Fに対して垂直なZ軸方向に沿って、ゲート電極GEが延びる。このような構成により、支持体50S(例えば基板)の上に高い密度でトランジスタを設けることができる。単位面積当たりのチャネル面積を大きくできる。これにより、例えば、オン抵抗を低減できる。大きな電流をスイッチングできる。
【0030】
図3に示すように、第3導電部53は、対向面F1に加えて、第3部分領域11cの一部及び第2導電部52の一部と対向しても良い。例えば、第3導電部53の厚さ(第1方向すなわちY軸方向に沿う長さ)は薄くても良い。第3導電部53の厚さは、例えば、100nm以下でも良い。
【0031】
pnp構造を用いる参考例においては、合わせずれを考慮するため、ソースコンタクト部分の幅(X軸方向の長さ)を縮小することが困難である。このため、複数のソースコンタクトのピッチを縮小することが困難である。
【0032】
これに対して、実施形態においては、トレンチコンタクトは不要である。第2導電部52が第3部分領域11cと接する構造が設けられるだけで良い。実施形態においては、複数のソースコンタクトのピッチを縮小することが容易になる。例えば、小型で低抵抗の半導体装置を提供できる。
【0033】
pnp構造を用いる参考例においては、寄生バイポーラ構造がある。例えば、ドレイン側から注入されるホール電流が過度に大きくなると、アバランシェ破壊が生じ易い。
【0034】
これに対して、実施形態においては、寄生バイポーラ構造が無い。このため、例えば、高いアバランシェ耐圧が得られる。
【0035】
このように、実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0036】
実施形態においては、支持体50Sの第1面50Fの上に、第1導電部51、第2導電部52、第3導電部53、第1半導体領域11及び第1絶縁部41などが設けられる。
図2に示すように、第1導電部51及び第2導電部52は、第1面50Fに対して垂直な第3方向(Z軸方向)に沿って延びる。このような構成により、支持体50S(例えば基板)の第1面50Fにおいて、素子部の密度を高めることができる。これにより、例えば、単位面積当たりのオン抵抗を低くできる。特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0037】
図3に示すように、第1半導体領域11は、第4部分領域11d及び第5部分領域11eを含んでも良い。第2方向(X軸方向)において、第2部分領域11bは、第1部分領域11aと第4部分領域11dとの間にある。
【0038】
第5部分領域11eは、第1導電部51と第1部分領域11aとの間に設けられる。この例では、第5部分領域11eは、第1導電部51と第2部分領域11bとの間、及び、第1導電部51と第4部分領域11dとの間にも設けられる。第5部分領域11eにおける第1導電形の不純物濃度は、第1部分領域11aにおける第1導電形の不純物濃度よりも高い。第5部分領域11eは、例えば、n+領域である。第1~第4部分領域11a~11dは、例えば、n領域である。第5部分領域11eが設けられることで、第1半導体領域11と第1導電部51との間において、良好な電気的な接続が得られる。
【0039】
図3に示すように、半導体装置110は、第4導電部54を含んでも良い。第4部分領域11dから第4導電部54への方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。第3部分領域11cの少なくとも一部から第4導電部54への方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿う。第1絶縁部41は、第2絶縁領域41bを含む。第2絶縁領域41bは、第2方向(例えばX軸方向)において、第3部分領域11cの少なくとも一部と、第4導電部54と、の間にある。例えば、第2絶縁領域41bは、第3部分領域11cと第4導電部54とを電気的に絶縁する。
【0040】
例えば、第4導電部54は、第2導電部52と電気的に接続される。または、第4導電部54は、第2導電部52と電気的に接続されることが可能でも良い。この例では、配線54Lにより、第4導電部54は、第5導電部55を介して第2導電部52と電気的に接続される。配線54Lに端子が設けられ、半導体装置110の外部で、端子と第2導電部52とが電気的に接続されても良い。
【0041】
第4導電部54の電位は、第2導電部52の電位(例えばソース電位)に設定される。第4導電部54を設けることで、第1半導体領域11における電界が制御できる。例えば、局所的な電界の集中が抑制できる。例えば、高い信頼性が得やすくなる。第4導電部54は、例えば、フィールドプレートとして機能する。
【0042】
図3に示すように、第1方向(Y軸方向)において、第3部分領域11cと第5導電部55の少なくとも一部との間に第2導電部52がある。第5導電部55は、第2導電部52及び第4導電部54と電気的に接続される。
【0043】
図3に示すように、半導体装置110は、第2絶縁部42を含んでも良い。第3導電部53は、第1方向(Y軸方向)において、第2部分領域11bと第5導電部55との間にある。第2絶縁部42の少なくとも一部は、第1方向(Y軸方向)において、第3導電部53と、第5導電部55の少なくとも一部と、の間にある。この例では、第3導電部53は、第1方向において、第2絶縁領域41bと、第2絶縁部42の少なくとも一部と、の間にある。
【0044】
実施形態において、第1半導体領域11は、例えば、シリコン(Si)、窒化物半導体(例えばGaNなど)、炭化珪素(SiC)、及び、酸化物半導体(例えばGaO)よりなる群から選択された少なくとも1つを含んで良い。第1半導体領域11がシリコンを含む場合、第1導電形の不純物は、例えば、リン、ヒ素及びアンチモンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0045】
1つの例において、第1半導体領域11の第3部分領域11cがシリコンを含む場合、第2導電部52は、Ti、W、Mo、Ta、Zr、Al、Sn、V、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Rh、Ru、Nb、Sr及びHfよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0046】
第3導電部53及び第4導電部54は、例えば、ポリシリコン及び金属の少なくともいずれかを含んで良い。第5導電部55は、例えば、Al、Cu、Mo、W、Ta、Co、Ru、Ti及びPtよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1導電部51は、例えば、Al、Cu、Mo、W、Ta、Co、Ru、Ti及びPtなどを含む。
【0047】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図4は、第2導電部52を含む領域の拡大図である。
【0048】
図4に示すように、第3部分領域11cは、第1領域r1及び第2領域r2を含んでも良い。第1領域r1は、第1方向(Y軸方向)において、第2領域r2と第2導電部52との間にある。第1領域r1における第1導電形の不純物の濃度は、第2領域r2における第1導電形の不純物の濃度よりも高い。第1領域r1は、例えばn
+領域である。第2領域r2は、例えば、n領域である。第1領域r1は、薄い。1つの例において、第1領域r1の第1方向に沿う厚さは、1nm以上20nm以下である。
【0049】
第1領域r1を設けることで、例えば、オン時のショットキー障壁の厚さ(Y軸方向に沿う長さ)を薄くできる。これにより、オン電流を大きくできる。
【0050】
図4に示すように、第2導電部52は、第1導電領域c1及び第2導電領域c2を含んでも良い。第1導電領域c1は、第1方向(Y軸方向)において、第3部分領域11cと第2導電領域c2との間にある。
【0051】
例えば、第2導電領域c2は、第1元素を含む。第3部分領域11cは、第2元素を含む。第1導電領域c1は、第1元素と第2元素とを含む化合物を含む。例えば、第2導電領域c2は、第1金属元素を含む。第3部分領域11cは、シリコンを含む。第1導電領域c1は、第1金属元素を含むシリサイドを含む。第1金属元素は、例えばTi、W、Mo、Ta、Zr、Al、Sn、V、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Rh、Ru、Nb、Sr及びHfよりなる群から選択された少なくとも1つである。
【0052】
上記のような第1導電領域c1及び第2導電領域c2を設けることで、第1導電形の不純物を高濃度で含む第1領域r1が形成し易い。
【0053】
1つの例において、第3部分領域11cとなるシリコン層に接して、第2導電部52となる金属層が形成される。金属層は、第1導電形の不純物を含む。例えば、熱処理などにより、金属層のシリコン層の側の部分にシリサイド領域が形成される。このとき、シリサイド領域が形成される前のシリコン層に含まれる不純物は、シリサイド領域から下方(第1導電部51への向き)に移動する。これにより、第3部分領域11cの、シリサイド領域に対向する部分に、不純物を高濃度で含む領域(例えば第1領域r1)が形成される。
【0054】
1つの例において、第3部分領域11cとなるシリコン層に接して、第2導電部52となる金属層が形成され、金属層を介して、シリコン層の一部に第1導電形の不純物が導入されても良い。シリコン層の、金属層に対向する部分に、不純物を高濃度で含む領域(例えば第1領域r1)が形成される。例えば、第2導電領域c2の少なくとも一部における第1導電形の不純物の濃度は、第1導電領域c1の少なくとも一部における不純物の濃度よりも高くても良い。
【0055】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式図である。
図5は、第3部分領域11cを含む領域における不純物のプロファイルを例示している。
図5の横軸は、Y軸方向における位置pYである。縦軸は、第1導電形の不純物の濃度Cn1である。
【0056】
図5に示すように、第1領域r1における不純物の濃度Cn1は、第2領域r2における不純物の濃度Cn1よりも高い。
【0057】
以下、実施形態に係る半導体装置110の製造方法の例について説明する。
図6は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的斜視図である。
図7(a)~
図7(d)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0058】
図6に示すように、支持体50S及び半導体層11uを準備する。半導体層11uは、支持体50Sの第1面50Fの上に設けられる。半導体層11uは、第1半導体領域11となる。
【0059】
図7(a)に示すように、フォトリソグラフィとRIE(Reactive Ion Etching)とにより、半導体層11uの一部を除去して、トレンチ40Tを形成する。トレンチ40Tは、Z軸方向に延びる。
【0060】
この後、トレンチ40Tの内部に絶縁膜(例えば酸化シリコン)を形成し、残った領域に、導電材料(例えばポリシリコン)をCVD(Chemical Vapor Deposition)などにより埋め込む。
【0061】
図7(b)に示すように、上記の絶縁膜から第1絶縁部41が得られる。上記の導電材料から第3導電部53及び第4導電部54が得られる。
【0062】
図7(b)に示すように、半導体層11uの一部に接して金属膜(例えばTi膜)などを形成することで、金属膜から第2導電部52が得られる。
【0063】
図7(c)に示すように、第2絶縁部42を形成し、さらに、第5導電部55を形成する。
【0064】
図7(d)に示すように、半導体層11uの一部に不純物を導入して、第5部分領域11eを形成する。この後、第5部分領域11eの表面に金属膜を形成することで、第1導電部51を形成する。このようにして、半導体装置110が得られる。
【0065】
図8は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、実施形態に係る半導体装置110aにおいては、第4導電部54のX軸方向に沿う長さ(幅)が変化する。半導体装置110aにおけるこれ以外の構成は、半導体装置110の構成と同様である。以下、半導体装置110aにおける第4導電部54の例について説明する。
【0066】
図8に示すように、第4導電部54は、第1導電部分領域54aと第2導電部分領域54bとを含む。第2導電部分領域54bは、第1方向(Y軸方向)において、第1導電部51と第1導電部分領域54aとの間にある。第2導電部分領域54bの第2方向(X軸方向)に沿う長さw2(幅)は、第1導電部分領域54aの第2方向(X軸方向)に沿う長さw1(幅)よりも短い。このような構成により、例えば、第1半導体領域11の第2部分領域11bの近傍において、電界がより緩和できる。
【0067】
以下、半導体装置110aの製造方法の例について説明する。
図9(a)及び
図9(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図9(a)に示すように、
図7(a)及び
図7(b)に関して説明した方法により、半導体層11uの一部に、第3導電部53と、導電部54u(例えばポリシリコン)と、を形成する。
【0068】
この後、フォトリソグラフィとRIEとにより、導電部54uの一部を除去する。この後、導電部54uの表面を酸化する。酸化された導電部54uが膨張し、第1絶縁部41の一部となる絶縁膜と一体化する。酸化された導電部54uから第1絶縁部41の一部が得られる。酸化されずに残った導電部54uが第4導電部54の一部となる。これにより、
図9(b)に示すように、幅が変化する第4導電部54と、第1絶縁部41と、が得られる。または、導電部54uの一部が除去された領域に、CVDなどにより絶縁部材が形成され、この絶縁部材が第1絶縁部41の一部となっても良い。
【0069】
この後、
図7(b)~
図7(d)に関して説明した方法により、第2導電部52、第5導電部55、第5部分領域11e、及び、第1導電部51を形成する。これにより、半導体装置110aが得られる。
【0070】
図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、実施形態に係る半導体装置110Aにおいては、第3部分領域11cとショットキー接触する第2導電部52となる金属膜が、第2絶縁部42と第5導電部55との間に延びている。半導体装置110Aにおけるこれ以外の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0071】
以下、半導体装置110Aの製造方法の例について説明する。
図11(a)~
図11(d)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0072】
図11(a)に示すように、フォトリソグラフィとRIEとにより、半導体層11uを加工し、絶縁膜(例えば酸化シリコン)を形成し、残った領域に、導電材料(例えばポリシリコン)をCVDなどにより埋め込む。これにより、絶縁部41u、第2絶縁部42、第3導電部53、及び、導電部54uが得られる。
【0073】
この後、フォトリソグラフィとRIEとにより、導電部54u(例えばポリシリコン)の一部を除去する。この後、導電部54uの表面を酸化する。酸化された導電部54uが膨張し、第1絶縁部41の一部となる絶縁膜と一体化する。酸化された導電部54uから第1絶縁部41の一部が得られる。酸化されずに残った導電部54uが第4導電部54の一部となる。これにより、
図11(b)に示すように、幅が変化する第4導電部54と、第1絶縁部41と、が得られる。または、導電部54uの一部が除去された領域に、CVDなどにより絶縁部材が形成され、この絶縁部材が第1絶縁部41の一部となっても良い。
【0074】
この後、半導体層11uの一部、及び、第2絶縁部42の一部を除去して、第1半導体領域11の第3部分領域11cとなる部分の表面を露出させる。この表面、及び、第2絶縁部42の表面に、金属膜を形成することで、第2導電部52が得られる(
図11(c)参照)。さらに、第2導電部52を覆うように導電膜を形成することで第5導電部55が得られる(
図11(c)参照)。
【0075】
図11(d)に示すように、第5部分領域11e及び第1導電部51を形成する。このようにして、半導体装置110Aが得られる。
【0076】
図12(a)~
図12(e)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図12(a)に示すように、半導体装置110Bにおいては、第4導電部54のX軸方向の幅は、実質的に一定である。
【0077】
図12(b)に示すように、半導体装置110Cにおいては、第4導電部54の第2導電部分領域54bのX軸方向に沿う幅は、第4導電部54の第1導電部分領域54aのX軸方向に沿う幅よりも狭い。第4導電部54のX軸方向に沿う幅は、ステップ状に変化する。
【0078】
図12(c)に示すように、半導体装置110Dにおいては、第4導電部54のX軸方向に沿う幅が、連続的に変化する。
【0079】
図12(d)に示すように、半導体装置110Eにおいては、複数の第4導電部54が設けられる。複数の第4導電部54は、Y軸方向に並ぶ。1つの例において、複数の第4導電部54はフローティング状態とされる。別の例において、複数の第4導電部54は、第2導電部52(及び第5導電部55)と電気的に接続されても良い。電気的接続は、例えば、配線54Lにより行われても良い。
【0080】
図12(e)に示すように、半導体装置110Fにおいては、第4導電部54と第1半導体領域11との間に空隙SP(例えばエアギャップ)が設けられている。例えば、第4導電部54と第1半導体領域11との間に設けられる第1絶縁部41の厚さを薄くしても良い。例えば、セルピッチを縮小できる。これにより、例えば、単位面積あたりの電流を大きくできる。
【0081】
実施形態においては、第4導電部54の形状を任意に設計できる。これにより、第1半導体領域11における電界分布を適正に制御し易くできる。
【0082】
図13は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図13に示すように、実施形態に係る半導体装置111においては、第1半導体領域11の構成が、半導体装置110における第1半導体領域11の構成と異なる。半導体装置111におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様である。
【0083】
半導体装置111においては、第4部分領域11dにおける第1導電形の不純物濃度は、第3部分領域11cにおける第1導電形の不純物濃度よりも高い。例えば、第1部分領域11aにおける第1導電形の不純物濃度は、第3部分領域11cにおける第1導電形の不純物濃度よりも高い。例えば、第2部分領域11bにおける第1導電形の不純物濃度は、第3部分領域11cにおける第1導電形の不純物濃度よりも高い。半導体装置111においても、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0084】
図14は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図14に示すように、実施形態に係る半導体装置112においては、第2絶縁部42は、複数の第3導電部53のそれぞれに設けられる。例えば、第5導電部55は、2つの第2絶縁部42の間を通過して、第4導電部54と接する。半導体装置112におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様である。半導体装置112においても、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0085】
図15は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図15に示すように、実施形態に係る半導体装置113においては、
図3に例示した複数の構造が、X軸方向に並ぶ。この例では、複数の第4導電部54のピッチよりも、複数の第2導電部52のピッチが小さい。このような構造を用いることにより、例えば、ショットキー接触を含む部分のオン時の抵抗を下げつつ、ドリフト部(例えば、第1半導体領域11)のオン抵抗を下げることができる。
【0086】
半導体装置113において、複数の第2導電部52と、複数の第4導電部54と、が設けられる。複数の第2導電部52の1つの第2方向(X軸方向)における位置、及び、複数の第2導電部52の別の1つの第2方向における位置は、複数の第4導電部54の1つの第2方向における位置と、複数の第4導電部54の別の1つの第2方向における位置と、の間にある。複数の第4導電部54の上記の別の1つは、複数の第4導電部54の上記の1つの隣である。
【0087】
第4導電部54を含む部分と、第2導電部52を含む部分と、が別に作製され、これらの2つの部分が互いに接合されることで、上記の半導体装置113が製造されても良い。
【0088】
または、第4導電部54を含む部分を形成した後、絶縁部の間の半導体領域から半導体層を再成長させて第2導電部52及び第3導電部53を含む部分が形成されても良い。再成長は、例えば「横方向成長」を含む。このような手法によって半導体装置113が製造されても良い。
【0089】
図16は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図16に示すように、実施形態に係る半導体装置114は、第2半導体領域12を含む。半導体装置114におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様で良い。
【0090】
第2半導体領域12は、第2導電形(例えばp形である)。第2半導体領域12は、第1方向(Y軸方向)において、第3部分領域11cの一部と、第2導電部52と、の間にある。第3部分領域11cの別の一部は、第2方向(例えばX軸方向)において、第2半導体領域12と第1絶縁領域41aとの間にある。
【0091】
第2半導体領域12が設けられることで、例えば、リーク電流を小さくできる。第2半導体領域12がシリコンを含む場合、第2導電形の不純物は、例えば、ホウ素、ガリウム及びインジウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0092】
図17は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図17に示すように、実施形態に係る半導体装置115においては、Y軸方向において、1つの第3導電部53は、第1絶縁部41の2つの領域、及び、第4導電部54と重なる。第4導電部54と第3導電部53との間に、第3絶縁部43が設けられる。半導体装置115におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様で良い。半導体装置115においても、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0093】
図18は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図18に示すように、実施形態に係る半導体装置116は、第1導電部51、第2導電部52、第3導電部53、第1半導体領域11及び第1絶縁部41に加えて、第1部材61を含む。半導体装置116におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様で良い。
【0094】
図18に示すように、第1半導体領域11は、第1~第4部分領域11a~11dを含む。この例では、第1半導体領域11は、第5部分領域11eをさらに含む。第2方向(X軸方向)において、第2部分領域11bは、第1部分領域11aと第4部分領域11dとの間にある。第4部分領域11dから第1部材61への方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。第3部分領域11cの少なくとも一部から第1部材61への方向は、第2方向(X軸方向)に沿う。第1絶縁部41は、第2絶縁領域41bを含む。第2絶縁領域41bは、第2方向(X軸方向)において、第3部分領域11cの少なくとも一部と、第1部材61との間にある。
【0095】
例えば、第1部材61は、第4部分領域41dと電気的に接続される。例えば、第1部材61の下端部(第1導電部51側の端部)は、第4部分領域41dと接続される。例えば、第1部材61は、第4部分領域41dと電気的に接続される。例えば、第1部材61の下端部、第4部分領域41dと接する。例えば、第1部材61は、第5導電部55と電気的に接続される。第1部材61は、第2導電部52と電気的に接続される。または、第1部材61は、第2導電部52と電気的に接続されることが可能である。例えば、配線61Lにより第1部材61が、第5導電部55を介して第2導電部52と電気的に接続されても良い。例えば、配線61Lに端子61Tが設けられ、端子61Tと第2導電部52とが半導体装置116の外部で接続されても良い。
【0096】
第1部材61の抵抗率は、第4部分領域11dの抵抗率よりも高く、第2絶縁領域41bの抵抗率よりも低い。例えば、第1部材61の抵抗率は、5×107Ωm以上8×1011Ωm以下である。
【0097】
実施形態によれば、例えば、オフ時に第1部材61に微小な電流が流れることが可能である。これにより、例えば、第3部分領域11cにおける電界を均一化できる。例えば、ソース-ドレイン間の電荷量Qossを低減できる。これにより、例えば、損失を抑制できる。例えば、消費電力を低減できる。例えば、ゲート絶縁膜に印加される電界を低減できる。例えば、高い信頼性が得られる。実施形態によれば、例えば、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0098】
第1部材61は、以下のような各種の材料を含んでもよい。第1部材61は、例えば、第1材料、第2材料、第3材料、第4材料、第5材料及び第6材料よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1材料は、例えば、Si、N及びOを含む。
【0099】
第2材料は、例えば、Si、N及びOを含む。第2材料は、例えば、Si-Nの結合、N-Oの結合、及び、N-Nの結合を含む。第2材料は、例えば、酸素ドープされたSIPOS(Semi-insulating Poly-crystalline Silicon)を含む。第2材料は、例えば、SiH4、N2O、及び、N2の混合材料である。
【0100】
第3材料は、Si、N及びOを含む。第3材料は、例えば、Si-Nの結合、N-Hの結合、及び、N-Nの結合を含む。第3材料は、例えば、窒素ドープされたSIPOSである。第3材料は、SiH4、NH3、及び、N2の混合材料である。
【0101】
第4材料は、例えば、Siと、Cと、第1元素と、を含む。第1元素は、B及びNよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第5材料は、例えば、Siと、Oと、第2元素と、を含む。第2元素は、Fe、Au、Ni、Ta、W及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第6材料は、例えば、第3元素及び第4元素を含む。第3元素は、In、Al及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第4元素は、P、As、B、Fe、Au、Ni、Ta、W及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0102】
このような材料により、例えば、第1部材61は、適切な抵抗率を有することができる。これにより、上記のように、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0103】
(第2実施形態)
図19は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図19に示すように、実施形態に係る半導体装置120は、支持体50S(
図1参照)、第1導電部51、第2導電部52、第1半導体領域11、第2半導体領域12、第3導電部53及び第1絶縁部41を含む。
図19においては、支持体50Sは省略されている。
【0104】
第1導電部51から第2導電部52への第1方向は、支持体50Sの第1面50F(
図1参照)に沿う。第1方向は、例えば、Y軸方向である。
【0105】
第1半導体領域11は、第1導電形(例えばn形)である。第1半導体領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b及び第3部分領域11cを含む。第1部分領域11aから第2部分領域11bへの第2方向は、第1面50F(
図1参照)に沿い、第1方向と交差する。第2方向は、例えば、X軸方向である。第3部分領域11cは、第1方向(Y軸方向)において、第1部分領域11aと第2導電部52と、の間にある。
【0106】
第2半導体領域12は、第3部分領域11cと第2導電部52との間に設けられる。第2半導体領域12は、第2導電形(例えばp形)である。第2半導体領域12の少なくとも一部から第3導電部53への方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿う。第1絶縁部41は、第1絶縁領域41aを含む。第1絶縁領域41aの少なくとも一部は、第2半導体領域12の少なくとも一部と、第3導電部53と、の間にある。
【0107】
半導体装置120は、例えば、pn形のトランジスタである。第1半導体領域11と第2半導体領域12との間に形成される障壁の高さが、第3導電部53の電位により制御できる。半導体装置120においても、例えばゲート総電荷量(Qg)が小さい。例えば、ゲート容量(Cg)及びゲート・ドレイン間容量(Cgd)が小さくなる。これにより、ゲート総電荷量(Qg)及びゲート・ドレイン間電荷量(Qgd)が低減する。例えば、ゲートドライバの損失を低減できる。例えば、スイッチングを高速化できる。例えば、ターンオン損失、及び、ターンオフ損失を抑制できる。特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0108】
半導体装置120において、第2導電部52は、第5導電部55と連続的でも良い。第2導電部52は、第5導電部55と一体でも良い。
【0109】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係る半導体装置の例について説明する。第3実施形態においても、第1半導体領域11、ドレイン電極DE(第1導電部51)、ソース電極SE(第2導電部52及び第5導電部55)、及び、ゲート電極GE(第3導電部53)は、支持体50Sの上に設けられる(
図1及び
図2などを参照)。以下の図では、支持体50Sが省略される場合がある。
【0110】
図20は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図20に示すように、実施形態に係る半導体装置130においては、X-Y平面内において、ソース電極SEの周りに、環状のドレイン電極DEが設けられる。ソース電極SEと、環状のドレイン電極DEと、の間に、複数のセル10Cが設けられる。複数のセル10Cの1つは、第2導電部52を含む。複数のセル10Cの1つは、複数の第3導電部53の1つ、及び、複数の第4導電部54の1つを含むと見なしても良い。
【0111】
半導体装置130において、高い密度で、複数のセル10Cを設けることができる。半導体装置130においては、複数のセル10Cは、X-Y平面内において環状に連続的に設けられる。このため、半導体装置130においては、終端領域が存在しない。これにより、終端領域のための面積が省略でき、より高い密度で、複数のセル10Cを設けることができる。
【0112】
図21は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図21に示すように、実施形態に係る半導体装置131においても、X-Y平面内において、ソース電極SEの周りに、複数のドレイン電極DEが設けられる。複数のドレイン電極DEの2つを結ぶ方向は、複数のドレイン電極DEの別の2つを結ぶ方向と交差する。半導体装置131においても、高い密度の複数のセル10Cが得られる。半導体装置131において、複数のドレイン電極DEは、互いに連続しても良い。
【0113】
図22は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図22に示すように、実施形態に係る半導体装置132においては、複数のセルグループ(第1セルグループ71及び第2セルグループ72)が設けられる。この例では、第1セルグループ71から第2セルグループ72への向きは、Y軸方向である。第1セルグループ71及び第2セルグループ72のそれぞれは、複数のセル10Cを含む。複数のセル10Cは、X軸方向に並ぶ。例えば、第1セルグループ71の第5導電部55は、第2セルグループ72の第1導電部51と連続する。例えば、第1セルグループ71に含まれる第1半導体領域11と、第2セルグループ72に含まれる第1半導体領域11と、の間に設けられる導電部SE/DEが、第1セルグループ71の第5導電部55、及び、第2セルグループ72の第1導電部51と見なされても良い。
【0114】
第1セルグループ71は、例えば、低電圧側のトランジスタグループである。第2セルグループ72は高電圧側のトランジスタグループである。例えば、半導体装置132は、高電圧を制御できる。
【0115】
図23は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図23に示すように、実施形態に係る半導体装置133において、
図22に例示した半導体装置132の構成が、複数設けられる。複数の半導体装置132の構成は、X軸方向に並ぶ。
【0116】
図24は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図24に示すように、実施形態に係る半導体装置134において、複数のセルグループ(第1~第4セルグループ71~74)が設けられる。第1セルグループ71と第4セルグループ74との間に第2セルグループ72がある。第2セルグループ72と第4セルグループ74との間に第3セルグループ73がある。
【0117】
第1セルグループ71のドレイン電極DE(第1導電部51)から第1セルグループ71のソース電極SE(第2導電部52)への向きは、第2セルグループ72のドレイン電極DE(第1導電部51)から第2セルグループ72のソース電極SE(第2導電部52)への向きと逆である。第3セルグループ73のドレイン電極DE(第1導電部51)から第3セルグループ73のソース電極SE(第2導電部52)への向きは、第4セルグループ74のドレイン電極DE(第1導電部51)から第4セルグループ74のソース電極SE(第2導電部52)への向きと逆である。第1セルグループ71のドレイン電極DE(第1導電部51)から第1セルグループ71のソース電極SE(第2導電部52)への向きは、第3セルグループ73のドレイン電極DE(第1導電部51)から第3セルグループ73のソース電極SE(第2導電部52)への向きと同じである。
【0118】
第2セルグループ72及び第3セルグループ73において、ドレイン電極DEがシェアされている。第1セルグループ71及び第2セルグループ72において、ソース電極SEがシェアされている。第3セルグループ73及び第4セルグループ74において、ソース電極SEがシェアされている。この例では、第1~第4セルグループ71~74のドレイン電極DEが、配線70Aにより互いに電気的に接続される。この例では、第1~第4セルグループ71~74のソース電極SEが、配線70Bにより互いに電気的に接続される。半導体装置134によれば、複数のセル10Cを高密度で設けることができる。
【0119】
図25は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的斜視図である。
図25に示すように、実施形態に係る半導体装置135は、半導体装置110の構成に加えて、基体68をさらに含む。例えば、基体68の上に半導体装置110の構成が設けられる。基体68の下に、ソース用電極68S、及び、ドレイン用電極68Dが設けられる。例えば、ソース用接続部材68Sv及びドレイン用接続部材68Dvが設けられる。ソース用接続部材68Sv及びドレイン用接続部材68Dvは、基体68中をZ軸方向に延びる。ソース用接続部材68Svは、ソース用電極68Sと、ソース電極SEと、を電気的に接続する。ドレイン用接続部材68Dvは、ドレイン用電極68Dと、ドレイン電極DEと、を電気的に接続する。
【0120】
図26は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的斜視図である。
図26に示すように、実施形態に係る半導体装置135aにおいて、ドレイン用接続部材68Dvの接続位置が、半導体装置135におけるその接続位置とは異なる。半導体装置135aにおいては、ドレイン電極DEのZ軸方向における位置は、ソース用接続部材68SvのZ軸方向における位置と、ドレイン用接続部材68DvのZ軸方向における位置と、の間にある。
【0121】
図27は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図27に示すように、実施形態に係る半導体装置136は、半導体装置134の構成に加えて、制御部70をさらに含む。制御部70は、例えば、配線70Aにより、ドレイン電極DEと電気的に接続される。制御部70は、例えば、配線70Bにより、ソース電極SEと電気的に接続される。制御部70は、例えば、配線70Cにより、ゲート電極GEと電気的に接続される。
【0122】
図28及び
図29は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図28及び
図29に示すように、実施形態に係る半導体装置141及び141aにおいては、第2導電部52は、第1導電部分52p及び第2導電部分52qを含む。第2導電部分52qは、第3部分領域11cと、第1導電部分52pと、の間にある。第2導電部分52qから第3部分領域11cの一部への方向は、X軸方向に沿う。第2導電部分52qから第3導電部53の少なくとも一部への方向は、X軸方向に沿う。この例では、第2導電部分52qは、X軸方向において第3部分領域11cの2つの部分の間にある。半導体装置141aのように、第2導電部分52qの側面は、Y軸方向に対して傾斜しても良い。このような構成においても、特性を向上できる半導体装置が得られる。半導体装置141に関して説明した第2導電部52の構成は、第1実施形態及び第2実施形態に係る任意の半導体装置に適用されて良い。
【0123】
図30は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的斜視図である。
図30に示すように、実施形態に係る半導体装置142においては、支持体50Sは、基板部50u及び絶縁層50xに加えて、基体半導体領域50pを含む。基体半導体領域50pは、例えば、第2導電形(p形)である。基板部50uと基体半導体領域50pとの間に、絶縁層50xがある。この例では、第1面50Fは、基体半導体領域50pの上面に対応する。基体半導体領域50pは、例えば終端領域として機能する。第1導電部51は、第1面50Fに到達していなくても良い。半導体装置142に関して説明した支持体50Sの構成は、第1実施形態及び第2実施形態に係る任意の半導体装置に適用されて良い。
【0124】
実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0125】
本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1-x-y-zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0126】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる導電部、半導体領域、絶縁部及び配線などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0127】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0128】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0129】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0131】
10C…セル、 11…半導体領域、 11a~11e…第1~第5部分領域、 11u…半導体層、 12…第2半導体領域、 40T…トレンチ、 41…第1絶縁部、 41a、41b…第1、第2絶縁領域、 41u…絶縁部、 42…第2絶縁部、 43…第3絶縁部、 50F…第1面、 50S…支持体、 50p…基体半導体領域、 50u…基板部、 50x…絶縁層、 51~55…第1~第5導電部、 52p…第1導電部分、 52q…第2導電部分、 54L…配線、 54a、54b…第1、第2導電部分領域、 54u…導電部、 61…第1部材、 61L…配線、 61T…端子、 68…基体、 68D…ドレイン用電極、 68Dv…ドレイン用接続部材、 68S…ソース用電極、 68Sv…ソース用接続部材、 70…制御部、 70A~70C…配線、 71~74…第1~第4セルグループ、 110、110A~110F、110a、111~116、120、130~136、141、141a、142…半導体装置、 Cn1…濃度、 DE…ドレイン電極、 F1…対向面、 GE…ゲート電極、 SE…ソース電極、 SE/DE…導電部、 SP…空隙、 c1、c2…第1、第2導電領域、 pY…位置、 r1、r2…第1、第2領域、 w1、w2…長さ