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特許7470115吸引流量を制御するための方法及びシステム
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  • 特許-吸引流量を制御するための方法及びシステム 図1
  • 特許-吸引流量を制御するための方法及びシステム 図2
  • 特許-吸引流量を制御するための方法及びシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】吸引流量を制御するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A61F9/007 130C
A61F9/007 130G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021525784
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2019060065
(87)【国際公開番号】W WO2020109948
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】62/771,282
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ゴードン
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-515584(JP,A)
【文献】特開2013-184011(JP,A)
【文献】特表2003-526389(JP,A)
【文献】特表平09-508298(JP,A)
【文献】特表2008-533370(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0019607(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
F04B 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブを通して物質をポンプ圧送するためのポンプに結合するように構成されたポンプモータであって、前記プローブがコネクタを介して前記ポンプに接続される、ポンプモータと、
制御モジュールであって、
初期ポンプ速度で前記ポンプの作動を開始し、
前記ポンプに関連付けられたリアルタイム入口吸引圧力を決定し、
前記ポンプの吸引圧力としての前記リアルタイム入口吸引圧力の関数に基づいて、前記ポンプのリアルタイムポンプ効率を決定し、
前記初期ポンプ速度、前記ポンプの前記リアルタイムポンプ効率及び前記ポンプの1回転当たりの体積の関数に基づいて、前記プローブを通るリアルタイム流量を決定し、
目標流量を達成するように前記ポンプの前記初期ポンプ速度を調整し、前記初期ポンプ速度が前記リアルタイム流量に基づいて調整される、
ように構成された制御モジュールと
を備える、手術システム。
【請求項2】
前記プローブを通る前記リアルタイム流量を決定するように構成された前記制御モジュールが、
前記初期ポンプ速度で前記ポンプの作動を開始するための開始要素からの信号を受信し、
前記初期ポンプ速度で前記ポンプを作動させる、
ように構成された前記制御モジュールを含む、請求項1に記載の手術システム。
【請求項3】
前記ポンプが、前記プローブを通して前記物質を吸引するための吸引ポンプである、請求項2に記載の手術システム。
【請求項4】
前記1回転当たりの体積が、前記ポンプの作動領域内に密閉された物質の体積に対応する、請求項1に記載の手術システム。
【請求項5】
前記ポンプの前記初期ポンプ速度を調整するように構成された前記制御モジュールが、
前記リアルタイム流量と前記目標流量とを比較し、
前記リアルタイム流量と前記目標流量とが互いの閾値内にないと決定すると、前記リアルタイムポンプ効率及び前記目標流量の関数に基づいて目標ポンプ速度を計算し、
前記ポンプの前記初期ポンプ速度を前記計算された目標ポンプ速度に変更する
ように構成された前記制御モジュールを含む、請求項1に記載の手術システム。
【請求項6】
前記ポンプの前記初期ポンプ速度を調整するように構成された前記制御モジュールが、
前記リアルタイム流量と前記目標流量との間の差分に基づいて、前記目標流量を達成するために前記初期ポンプ速度を変更する量を計算し、
前記ポンプの前記初期ポンプ速度を前記計算された量だけ変更する
ように構成された前記制御モジュールを含む、請求項1に記載の手術システム。
【請求項7】
前記制御モジュールが、前記ポンプの作動中に前記目標流量を一定に保つように更に構成される、請求項1に記載の手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、概して、吸引操作の際に吸引流量を制御するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術の際、外科医は身体部分から特定の物質を吸引しようとすることがある。一例では、吸引を行うために、外科医はコネクタを介して手術システムに接続されているプローブを身体部分内に配置する。このような例では、手術システムは、身体部分から物質を吸引するためにプローブの先端において吸引又は真空を生じるように作動する吸引ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)を備える。
【0003】
吸引操作の際、身体部分から物質を乳化及び/又は吸引する目的で、プローブの先端に物質を引き付ける手術システムの能力は重要である。プローブの先端に物質を引き付ける手術システムの能力は追従性と呼ばれ得る。ある場合では、十分な追従性を生み出すために、手術システムはポンプ速度を上げることにより吸引を高めることがある。しかしながら、過度の吸引は、例えば身体部分を通る物質の流れを過剰にすることがあり、そうすると乱流が発生して乱流により追従性が低下し得るため、逆効果になり得る。過度の吸引はまた、物質が吸引されている身体部分を損傷させる場合もある。例えば、身体部分が患者の眼である場合、過度の吸引は眼房の安定性を低下させ、患者の視力を損なう場合がある。
【0004】
真空度の上昇もまた吸引手順の際に重要である。真空度の上昇は、プローブの先端などで閉塞が形成された後の真空度上昇の速度を指す。一般的に閉塞は、吸引されている物質には流体だけでなく固体も含まれ得るために形成される。真空度の上昇の量が適切であることにより、プローブは、物質を乳化したり機械的に破壊したりする前に、閉塞している物質をよりよく把持することができる。ポンプ速度が高いほど、真空度の上昇は当然速くなる。しかしながら、上述のように、必要以上のポンプ速度は過剰な吸引をもたらして、追従性の低下を引き起こす場合があり、このことは、プローブの先端に物質を引き付ける手術システムの能力の低下に対応する。一方、適切な量の追従性をもたらすポンプ速度は、真空度の上昇の適切な量を達成するのに最適ではない場合がある。
【0005】
吸引操作を通してポンプ速度が固定された状態で構成されている既存のシステムは、十分な追従性又は十分な真空度の上昇のいずれかをもたらさないため最適ではない。他の既存のシステムは、閉塞の発生を検出するとポンプ速度を自動的に調整するように構成されている場合がある。このようなシステムは、個別の閾値ベースの閉塞発生検出(「DTOOD」)機構を利用している場合があり、DTOOD機構とは、真空圧力を周期的にサンプリングし、真空が特定のポイントに上昇したことを検出した後、閉塞が発生していると決定し、それに基づいて、ポンプ速度を上げて吸引流量を増やす機構である。
【0006】
しかしながら、上述のように、真空があるレベルまで上昇しない限りシステムはポンプ速度の上昇に関与しないため、DTOOD機構を使用するシステムに伴う遅延が存在する。この遅延の間に、吸引流量が落ちて、手術システムの性能が望ましくないものになる。真空があるポイントに達すると、DTOOD機構はポンプ速度を所定の速度まで任意に上昇させ、突然の不必要な量の吸引を引き起こす場合がある。このように、DTOOD機構は、ある場合には一貫性のない性能をもたらす。上記の理由に加えて、手術システムが低真空設定で作動される場合にもDTOOD機構は最適ではなく、これは、ポンプ速度への関与及びポンプ速度の上昇を開始するためにシステムが必要とするレベルまで真空が上昇しない可能性があるためである。
【0007】
また、一般的に、吸引操作の際の物質の実際の吸引流量は使用されるポンプ速度に直接対応しない場合があるため、ポンプ速度を制御パラメータとして使用することは有効ではない場合がある。例えば、特定のポンプ速度が特定の予想流量をもたらすと予想される場合もある。しかしながら、予想流量と実際の流量とは、物質の流量が制限されていない場合など、特定の状況でしか一致しない場合がある。制限がある場合、実際の流量は予想流量とは異なる(例えば、低い)場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、吸引流量を制御するための方法及びシステムに関する。ある実施形態は、プローブを通して物質をポンプ圧送するためのポンプに結合するように構成されたポンプモータであって、プローブがコネクタを介してポンプに接続される、ポンプモータを備える手術システムを提供する。手術システムは、プローブを通るリアルタイム流量を決定し、目標流量を達成するようにポンプの現在のポンプ速度を調整し、現在のポンプ速度がリアルタイム流量に基づいて調整される、ように構成された制御モジュールを更に備える。
【0009】
ある実施形態は、手術システムによって実行される、プローブを通して物質をポンプ圧送するためのポンプを作動させる方法を提供する。本方法は、一般に、プローブを通して物質を吸引するために、現在のポンプ速度で吸引ポンプを開始するための吸引開始要素からの信号を受信することであって、プローブがコネクタを介してポンプに接続される、ことを含む。本方法はまた、現在のポンプ速度で吸引ポンプを作動させることを含む。本方法はまた、プローブを通るリアルタイム流量を決定することを含む。本方法はまた、目標流量を達成するように吸引ポンプの現在のポンプ速度を調整することであって、現在のポンプ速度がリアルタイム流量に基づいて調整される、ことを含む。
【0010】
ある実施形態は、手術システムによって実行されると、上記の方法を手術システムに実行させる命令を格納した非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0011】
以下の説明及び関連する図面は、1つ又は複数の実施形態の特定の例示的特徴を詳述する。
【0012】
添付の図面は、1つ又は複数の実施形態の特定の態様を示しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、ある実施形態による、身体部分から物質を吸引するための操作を容易にする例示的な手術システムを示す。
図2図2は、ある実施形態による、吸引操作の際に吸引流量を制御するための例示的な操作を示す。
図3図3は、ある実施形態による、図1の手術システムの例示的な構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な限り、同一の参照符号が使用されている。一実施形態の要素及び特徴は、更なる説明を伴わずに他の実施形態に有益に組み込むことができると企図されている。
【0015】
本開示の態様は、概して、吸引流量を制御するための方法及びシステムに関する。既存の解決策に関連する欠陥を解決するために、本明細書における特定の実施形態は、リアルタイム吸引流量の計算に基づいて、吸引操作中に吸引流量を制御する手術システムについて説明する。
【0016】
図1は、プローブ130を通して人間又は動物の身体部分(例えば、患者の眼)から物質を吸引するための操作を容易にする例示的な手術システム100(例えば、眼科手術システム)を示している。手術システム100は、ユーザインターフェース105と、足踏みペダル120と、制御モジュール101とを備える。ユーザインターフェース105は、手術システム100に入力を与える又は手術システム100の機能を選択するために、ユーザ(例えば、外科医)によって使用される。足踏みペダル120は、吸引/灌注操作などの機能を開始し且つ制御モジュール101に入力(例えば、目標流量)を与えるために使用される開始要素である。図示のように、手術システム100は、物質の吸引のためにユーザによって身体部分に配置されるプローブ130に接続される。手術システム100及びプローブ130は、エラストマ流体導管又は空気管であるコネクタ140を介して互いに接続される。一方の端部では、コネクタ140が吸引ポンプ(「ポンプ」)110の入口ポート112に接続され、また他方の端部では、コネクタ140がプローブ130に接続する。
【0017】
ポンプ110は、入口ポート112で真空を生成するように動作し、これによりプローブ130の先端で真空が発生し、その結果物質がプローブ130を通って引かれ、ポンプ110に輸送される。ポンプ110はまた、物質が排出される出口114を備える。ある態様では、ポンプ110は、手術システム100の一部である蠕動ポンプである。ある態様では、ポンプ110は、手術カセットの一部である蠕動ポンプである。手術カセットは、ある態様では、手術システム100の一部ではないコンポーネントである。このような態様では、手術カセットは、手術システム100内のポンプモータによって回転されるように構成された手術システム100のローラヘッドに対して配置される。ポンプ速度(例えば、1秒当たりの回転数(RPS)で測定されるポンプの回転速度に対応するポンプ速度)などのポンプモータの動作は、制御モジュール101によって制御される。手術カセットの例は、米国特許第8,790,096号明細書に記載されており、その手術カセット及びマルチポンプセグメントの説明は、参照により本明細書に組み込まれる。手術システム100は、ポンプ110が手術システム100の一部であるか別個のコンポーネントであるかにかかわらず、ポンプ110を作動させるように構成されることに留意されたい。
【0018】
ポンプ110は、ある態様では、ローラヘッドのローラと係合し得る1つ又は複数のポンプセグメントを備える。ローラヘッドが回転するたびにポンプ110の入口ポート112で真空が生じ、その結果、上記のように、身体部分から物質が吸引され、コネクタ140を通ってポンプ110に輸送される。したがって、1回転ごとにある体積の物質がポンプ110から出口ポート114を通って排出される。この体積は、ポンプ110の1回転当たりの体積(VPR)と呼ばれる。ある態様では、ポンプが異なればVPRも異なり得る。米国特許第8,790,096号明細書に記載されたポンプなどのポンプが使用される場合、VPRはポンプの作動領域内に密閉された物質の体積を指し得る。これらの作動領域内に密閉された物質の体積は、1回転ごとにポンプから排出される物質の体積に対応する。
【0019】
上記のように、吸引操作中に追従性と真空度の上昇とのバランスを取ることが重要になり得る。追従性と真空度の上昇とのバランスを常に取ることにより、比較的望ましい一定の吸引流量が得られる。上記のように、ある既存のシステム及び解決策は、ポンプ速度を調整することにより追従性と真空度の上昇とのバランスを取ろうとしている。しかしながら、このようなシステムは、例えばポンプ速度の調整を遅延を伴って実行し、望ましくない性能を引き起こすため最適ではない。
【0020】
したがって、本明細書に記載されるある態様は、リアルタイム流量を周期的に計算し、目標流量を達成するようにリアルタイム流量に基づいてポンプ速度を調整することにより、吸引操作全体を通して吸引流量を制御するように構成された手術システム(例えば、眼科手術装置)に関する。ある態様では、目標流量は追従性と真空度の上昇との望ましいバランスに対応し得る。このような手術システムは、ポンプ速度の調整における遅延を減らし、より一定の流量などの改善された性能を有することができる。例えば、本明細書に記載の態様は、手術システムが完全閉塞の前に流量の減少を感知し、それに応じてポンプ速度を調整して目標流量を維持することを可能にする。
【0021】
図2は、吸引操作の際に吸引流量を制御するための例示的な操作200を示している。操作200は、本明細書では、図1及びその構成要素に関連して説明される。
【0022】
ブロック210において、手術システム100の制御モジュール101は、現在のポンプ速度で吸引を開始するための吸引開始要素からの信号を受信する。例えば、ユーザは、プローブ130を身体部分(例えば、患者の眼)又は内腔に配置し、足踏みペダル120を踏んで、身体部分からの物質の吸引を開始し得る。ある態様では、外科医は足踏みペダル120の代わりにユーザインターフェース105を使用して吸引を開始し得る。本明細書に記載のある態様は、身体部分から物質を吸引することに関するが、手術システム100は、他の物体から物質を吸引するためにも使用され得ることに留意されたい。
【0023】
ブロック220において、制御モジュール101は、現在のポンプ速度でポンプを作動させる。例えば、制御モジュール101が、吸引開始要素(例えば、足踏みペダル120、ユーザインターフェース105など)からの信号を受信すると、制御モジュール101は、初期ポンプ速度でポンプ110の作動を開始する。初期ポンプ速度は、事前構成された又はユーザ定義のポンプ速度とすることができる。例えば、制御モジュール101は、ある外科的処置中に、ある初期ポンプ速度で吸引操作を開始するように構成され得る。別の例では、ユーザは、吸引開始要素を通して初期ポンプ速度を制御モジュール101に示すことができる。例えば、ユーザは、初期ポンプ速度をユーザインターフェース105に入力することができる、又は足踏みペダル120を踏むことにより初期ポンプ速度を示すことができる。
【0024】
ブロック230において、制御モジュール101は、ポンプに関連付けられたリアルタイム入口真空圧力を決定する。制御モジュール101が初期ポンプ速度で吸引を開始した後、制御モジュール101は、リアルタイム吸引流量を計算するためにポンプ110におけるリアルタイム入口真空圧力を周期的に決定するように構成される。ある態様では、入口真空圧力とは、大気圧と入口ポート112で感知される圧力との差分を指す。ポンプ110が手術カセットの一部である態様では、圧力センサ(例えば、図3に示すセンサ317)が入口真空圧力を感知するために使用され得る。次いで圧力センサは、感知された入口真空圧力を制御モジュール101に示すことができる。
【0025】
ある態様では、制御モジュール101は、ある時間増分でポンプ110におけるリアルタイム入口真空圧力をサンプリングする又は決定するように構成される。一例として、制御モジュール101は、5ミリ秒(ms)の時間増分で入口真空圧力を決定するように構成され得る。このことを例で説明するために、制御モジュール101がtにおいて初期ポンプ速度で吸引を開始した場合、制御モジュール101はt=t+5msで入口真空圧を決定することができる。制御モジュール101は、t=t+5msで入口真空圧力を同様に決定することができ、以下同様である。
【0026】
ブロック240において、制御モジュール101は、入口真空圧力に基づいてポンプのリアルタイムポンプ効率を計算するように任意で構成される。制御モジュール101がリアルタイム入口真空圧力を決定するたびに、ある態様では、ポンプ110のリアルタイムポンプ効率が計算される。例えば、制御モジュール101は、ポンプ110のポンプ効率を出力するパラメータとして入口真空圧力を使用する、ポンプ110に関連付けられたポンプ効率関数(例えば、η(v)、ここで、vは入口真空圧力)で構成され得る。各ポンプは異なるポンプ効率関数を有し得る。そのため、ある態様では、手術システム100は、自身の不揮発性ストレージに様々なポンプのポンププロファイルを格納し得る。このような態様では、制御モジュール101は、吸引操作に使用されているポンプに基づいてポンププロファイルを選択する。ポンププロファイルは、制御モジュール101が最新の入口真空圧力を使用してポンプの効率を計算するために使用し得るポンプ効率関数を含み得る。
【0027】
例えば、ポンプ110が吸引に使用されていると決定された場合、制御モジュール101は、正しいポンプ効率関数を決定するためにポンプ110に関連付けられたポンププロファイルを選択する。その後、tにおいて測定されたリアルタイム入口真空圧力vを使用して、制御モジュール101は、リアルタイムポンプ効率PEを計算するためにポンプ110のプロファイルに含まれるポンプ効率関数を利用する。ある態様では、手術システム100は1つのポンプでのみ機能するように構成され得る。このような態様では、制御モジュール101は、ポンプのポンプ効率関数で事前構成され得る。上記のように、ブロック240の実行は任意であり得る。
【0028】
ブロック250において、制御モジュール101は、現在のポンプ速度及びポンプのリアルタイムポンプ効率の関数に基づいてリアルタイム流量を決定する。ある態様では、制御モジュール101は、ポンプ110のVPR、ポンプ速度(1秒当たりの回転数(RPS))、及びポンプ効率(η(v))のうちの1つ又は複数を含むいくつかのパラメータを有する吸引流量(AFR)関数で構成される。このようなAFR関数の例を次に示す。
AFR=VPR*RPS*η(v)
【0029】
上記のAFR関数において、吸引流量とは、プローブ130が単位時間当たりに吸引する物質の体積の推定値を指す。上記のように、VPRは、ポンプ110から出口ポート114を介して排出される物質の体積を指す。ポンプが異なればVPRも異なり得る。ある態様では、手術装置100は、吸引に使用されているポンプのVPRで構成される。例えば、ポンプ110のVPRは、手術システム100のストレージ(例えば、図3のストレージ304)に格納されたポンプ110のポンププロファイルに含まれ得る。このような例では、ポンプ110のプロファイルを取得することにより、制御モジュール101は対応するVPRを決定することができる。ある態様では、手術システム100は1つのポンプとのみ連携するように構成され得る。このような態様では、制御モジュール101は、ポンプのVPRで事前構成され得る。
【0030】
上記のAFR関数はまた、ポンプ110のポンプモータの速度又はポンプ速度の尺度であるRPSを含む。所与の時点におけるリアルタイム流量を計算するために、制御モジュール101はその時点でポンプ速度を使用するように構成され、これが現在のポンプ速度と呼ばれる。例えば、tにおいて、制御モジュール101は、tにおける現在のポンプ速度を利用してリアルタイムAFRを計算する。上記の例では、tにおける現在のポンプ速度は、制御モジュール101が吸引操作を開始した初期ポンプ速度と同じである。
【0031】
上記のAFR関数において、η(v)はポンプ110の効率を指す。ある態様では、制御モジュール101は、任意であるブロック240で計算されたリアルタイムポンプ効率を利用する。VPR、現在のRPS、及びリアルタイムポンプ効率を得ると、制御モジュール101は、リアルタイムAFRを計算することができる。
【0032】
上記の態様では、制御モジュール101は、リアルタイムポンプ効率を計算し、ポンプ110のVPRを決定し、次いで計算されたポンプ効率及び決定されたVPRを利用して、AFR関数を使用してリアルタイムAFRを計算するように構成される。しかしながら、ある態様では、上記のAFR関数は、各ポンプが異なるAFR関数を有し得るようなポンプ固有である。ポンプ固有のAFR関数は、対応するポンプのVPR及びポンプ効率関数を既に組み込んでいる。したがって、そのような態様では、制御モジュール101は、ステップ230で決定された入口真空圧力及び現在のRPSを、ポンプ固有のAFR関数への入力として使用して、リアルタイムAFRを計算することができる。このため、そのような態様では、制御モジュール101は、ポンプ110のリアルタイムポンプ効率を別個に計算しない、及び/又はポンプ110のVPRを決定しない。ある態様では、制御モジュール101はポンプ110のポンプ固有のAFR関数で構成される。例えば、ポンプ110のポンプ固有のAFR関数は手術システム100のストレージに格納され、リアルタイムAFRを計算するときに制御モジュール101によって取得されてもよい。ある態様では、手術システム100がポンプ110などの異なるポンプと連携することができる場合、制御モジュール101は、吸引に使用されているポンプのプロファイルを特定し、プロファイルから対応するポンプのAFR関数を取得するように構成され得る。
【0033】
ブロック260において、制御モジュール101は、目標流量を達成するようにポンプの現在のポンプ速度を調整し、現在のポンプ速度がリアルタイム流量に基づいて調整される。リアルタイムAFRが決定されると、制御モジュール101は、いくつかの異なる技法のいずれかを使用して現在のポンプ速度を調整するように構成され得る。
【0034】
ある実施形態では、制御モジュール101は、計算されたリアルタイムAFRと目標流量とを比較するように構成される。ある態様では、ユーザは、ユーザインターフェース105を介して目標流量を入力し得る。ある態様では、ユーザは、足踏みペダル120を使用して目標流量を入力及び/又は調整し得る。ある態様では、制御モジュール101は、目標流量で事前構成され得る。例えば、ユーザは、ユーザインターフェース105と対話することによって、実行しようとしている処置のタイプを選択することができる。ユーザの選択に基づいて、制御モジュール101は、その処置に対応する目標流量を決定するように構成され得る。
【0035】
リアルタイムAFRが目標AFRの閾値内にない場合、制御モジュール101は、目標流量に対応する目標ポンプ速度を計算するように構成される。例として、リアルタイムAFRと目標AFRとが互いに一定の割合又は小数点の値内にある場合、制御モジュール101は、ポンプが所望のポンプ速度で作動していると決定し、したがって、リアルタイムAFRが再度計算される次の時間増分までポンプ速度の調整をスキップすることができる。しかしながら、ある他の態様では、閾値は、リアルタイムAFRと目標AFRとが完全に同じでない場合、制御モジュール101が、正確な目標AFRを達成するために目標ポンプ速度を計算するように構成されるように定義される。
【0036】
目標ポンプ速度を計算する場合、制御モジュール101は、リアルタイムAFRの計算に使用したのと同じAFR関数を使用するように構成される。例えば、制御モジュール101は、次の例示的なAFR関数を使用することができる。
AFR=VPR*RPS*η(v)
【0037】
目標ポンプ速度を計算する場合、上記のAFR関数への入力は、目標AFR、VPR、及びポンプ効率を含み、出力は目標ポンプ速度(RMP)である。例えば、リアルタイムAFRが0.5cc/sであり、VPRが1ccであり、ポンプ効率が70%である場合、目標ポンプ速度又はRPSは(0.5cc/s)/(1cc*70%)に等しい。上記のように、ある態様では、ポンプ効率は、リアルタイムAFRの計算の前に(ブロック240に関連して説明したように)決定され得る。他のいくつかの態様では、ポンプ効率は、制御モジュール101が目標RPSを計算することを決定したときに決定され得る。
【0038】
他の実施形態では、制御モジュール101は、リアルタイムAFRと目標AFRとの間の差分に基づいて目標ポンプ速度を計算するように構成される。例えば、リアルタイムAFRと目標AFRとの間の差分に基づいて、制御モジュール101は、目標流量を達成するために現在のポンプ速度を変更する量を計算するように構成され得る。ある態様では、制御モジュール101は、制御モジュール101がリアルタイムAFRと目標AFRとの間の差分に基づいて、目標流量を達成するために現在のポンプ速度をどれだけ変更するべきかを決定できるようにするPID(比例・積分・微分)コントローラ機構で構成される。
【0039】
目標ポンプ速度(又は現在のポンプ速度を変更する量)が(本明細書で説明されるような適切な技法を使用して)計算されると、制御モジュール101は現在のポンプ速度を目標ポンプ速度に変更する(又は現在のポンプ速度を計算された量だけ変更する)。操作200のステップ230から260を周期的に(例えば、5msごとに)繰り返すことによって、制御モジュール101は、リアルタイムAFRに基づいて現在のポンプ速度を継続的に調整することができる。リアルタイムAFRに基づいて現在のポンプ速度を調整することにより、制御モジュール101は、吸引操作中に目標流量を達成及び維持することによりAFRを制御することができる。
【0040】
図3は、図1の手術システム100の様々な構成要素がどのように共に通信し動作するかを示す例示的な図を示している。図示のように、手術システム100は、非限定的に、制御モジュール101と、ユーザインターフェースディスプレイ105と、配線306と、ポンプモータ315と、ローラヘッド316と、手術システム100への様々なI/O装置(例えば、キーボード、ディスプレイ、マウス装置、ペン入力など)の接続を可能にし得る、少なくとも1つのI/O装置インターフェース309とを含む。図3はまた、ポンプ318(例えば、図1ではポンプ110として示されている)とセンサ317とを備える手術カセット319を示している。手術カセット319は、ポンプ318のポンプセグメントがローラヘッド316のローラと係合できるように手術システム100に結合され得る別個のコンポーネントである。図示のように、手術カセット319は、物質が手術カセット319に入る入力ポートを備える。センサ317を使用することにより、手術カセット319は入口真空圧力を測定する。次いで、物質はポンプ318を介してポンプ圧送され、手術カセット319の出力ポートから排出される。
【0041】
制御モジュール101は、中央処理装置(CPU)312と、メモリ302と、ストレージ304とを備える。CPU312は、メモリ202に格納されたプログラミング命令を取得して実行してもよい。同様に、CPU312は、メモリ202に存在するアプリケーションデータを取得して格納してもよい。配線306は、CPU312、I/O装置インターフェース309、ユーザインターフェース105、メモリ302、ストレージ304、ポンプモータ315などの間で、プログラミング命令及びアプリケーションデータを伝送する。CPU312は、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPU、及びその他を表し得る。加えて、メモリ302は、ランダムアクセスメモリなどの揮発性メモリを表す。更に、ストレージ304は、ディスクドライブなどの不揮発性メモリを表す。単一のユニットとして示されているが、ストレージ304は、固定ディスクドライブ、着脱式メモリカード若しくは光学ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、又はストレージエリアネットワーク(SAN)などの、固定又は着脱式記憶装置の組み合わせであってもよい。
【0042】
図示のように、ストレージ304は、ポンプ318などの様々なポンプのポンププロファイル320を含む。メモリ302は、本明細書の実施形態(例えば、図2の操作200)に記載されているように、吸引操作の際に吸引流量を制御するためのAFR制御モジュール330を備える。加えて、メモリ302は、吸引に使用されるポンプ(例えば、ポンプ318)のポンププロファイル332を含む。例えば、制御モジュール101が、吸引に使用されているポンプを決定すると(例えば、ユーザインターフェース105を介したユーザ入力を通じて)、制御モジュール101は、ストレージ304からポンプのプロファイル332を取得し、ポンププロファイル332において示される情報を吸引操作の際に使用する。このような例では、AFRモジュール330は、本明細書に記載された実施形態による、ポンプ318のポンププロファイル332、リアルタイムAFR、及び目標AFRに基づいて吸引流量を制御するための実行可能命令を含む。
【0043】
図3では、複数のポンプを吸引に使用できるため、手術システム100はポンププロファイル320で構成され、このポンププロファイル320から、上記のように、制御モジュール101はリアルタイムAFRを計算するときにポンプ効率を周期的に決定するために使用されているポンププロファイル(例えば、ポンププロファイル332)を取得する。しかしながら、ある態様では、1種類のポンプのみが手術システム100で使用され得る。このような態様では、手術システム100は様々なポンプのポンププロファイル320で構成されていない。このような態様では、AFR制御モジュール330が、使用されるポンプに関する情報で事前構成され得る。例えば、AFR制御モジュール330は、ポンプのポンプ効率関数、ポンプの1回転当たりの体積、及び/又はポンプのポンプ固有のAFR関数のポンプ効率関数を含み得る。
【0044】
図示のように、手術システム100はまた、ポンプモータ315を含む。ポンプモータ315は、ポンプ318に係合する又はポンプ318を作動させるためにポンプ318に結合するように構成される。ポンプモータ315は、例えば、制御モジュール101によって示されるポンプ速度でローラヘッド316を回転させることにより、ポンプ318を作動させる。ポンプモータ315は、制御モジュール101からの制御信号を受信するアクチュエータであり得る。ポンプモータ315とローラヘッド316とは機構307を介して接続され、機構307は機械的な機構であり得る。例えば、機構307は、ローラヘッド316を回転させるモータシャフトであり得る。図3では、ポンプ318は手術システム100の一部ではなく、代わりに手術カセット319の一部であるが、ある他の態様では、ポンプは手術システム100の一部である。
【0045】
上記の方法及び操作は、吸引操作の際の目標流量の維持に関連して説明されているが、当業者には、同じ方法及び操作が、灌注操作の際の目標流量の維持に同様に適用可能であることが理解されよう。より具体的には、手術システム100は、リアルタイム流量を周期的に計算し、目標流量を達成するようにリアルタイム流量に基づいてポンプ速度を調整することにより、灌注操作全体を通して灌注流量(IFR)を制御するように構成され得る。例えば、手術システム100の制御モジュール101は、センサ317と同様のセンサを使用して出口圧力(すなわち、手術システム100から外へ、且つ手術部位又は身体部分内への物質が灌注される圧力)を周期的にサンプリングすることによって、リアルタイム流量を周期的に計算し得る。
【0046】
手術システム100が灌注に使用される場合、手術カセット319は灌注に別個の入力ポート及び出力ポート(例えば、図3に示すように、吸引に使用されるのと同じ入力ポート及び出力ポートではない)を使用し得ることに留意されたい。例えば、物質は、入力ポートから手術カセット319内に流れ、灌注ポンプ(例えば、ポンプ318)によって受け取られ、その後、灌注ポンプが手術カセット319の出力ポートから物質をポンプ圧送し得る。物質の出口圧力は、物質が灌注ポンプを出た後に出力ポートに向かう途中でセンサによって感知される。換言すれば、物質の圧力がセンサ317によってまず感知された後に物質がポンプ318によってポンプ圧送される吸引とは異なり、灌注では、物質は灌注ポンプによってまずポンプ圧送された後に物質の出口圧力がセンサによって感知される。
【0047】
以下、出口圧力を「o」で示す。次に、サンプリングされた出口圧力を使用して、制御モジュール101は、灌注を行っている灌注ポンプ(例えば、ポンプ110、ポンプ318など)のリアルタイムポンプ効率を計算し得る。灌注ポンプのポンプ効率は、上述の吸引ポンプの効率の計算の仕方と同様に計算され得る。例えば、制御モジュール101は、最新のサンプリングされた出口圧力を使用してポンプ効率を計算するための灌注ポンプのポンプ効率関数で構成され得る。
【0048】
灌注ポンプの効率が計算されると、制御モジュール101は、図2のブロック250に関連して説明した流量関数を使用してリアルタイム流量を計算することができる。例えば、制御モジュール101は関数IFR=VPR*RPS*η(o)を使用する。リアルタイム流量を計算することにより、制御モジュール101は、図2のブロック260に関連して説明した操作と同様に、目標流量を達成するように灌注ポンプの現在のポンプ速度を調整することができる。
【0049】
本明細書に記載の態様は、眼科手術を行うための手術システム(例えば、手術システム100)内で実施され得ることに留意されたい。このような場合、手術システムが吸引に使用されるとき、患者の眼から吸引された物質は、体液、OVD(眼科粘弾性物質)、又は乳化レンズ片を含み得る。しかしながら、手術システムが灌注に使用される場合、物質は灌注溶液を含み得る。
【0050】
本明細書に開示される方法は、方法を達成するための1つ又は複数のステップ又は作用を含む。方法ステップ及び/又は作用は、特許請求の範囲から逸脱することなく、互いに交換可能であり得る。換言すれば、ステップ又は作用の具体的な順序の指定がない限り、具体的なステップ及び/又は作用の順序及び/又は使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更され得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、項目のリスト「の少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b、又はcの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに複数の同じ要素の任意の組み合わせ(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、並びにc-c-c又はa、b、及びcの他の任意の順序)を網羅することが意図される。
【0052】
本明細書で使用される場合、「決定する(determining)」という用語は、多種多様な作用を包含する。例えば、「決定する」は、算出する、計算する、処理する、導出する、調査する、検索する(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造で検索する)、確認する、及びその他を含み得る。また、「決定する」は、受信する(例えば、情報を受信する)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスする)、及びその他を含み得る。また、「決定する」は、解明する、選択する、選ぶ、定める、及びその他を含み得る。
【0053】
前述の説明は、本明細書で説明した様々な実施形態を当業者が実施できるようにするために提供される。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかになり、本明細書で定義する一般的な原理は、他の実施形態に適用されることがある。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す態様に限定されることが意図されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する全範囲が認められるべきである。
【0054】
特許請求の範囲において、単数形での要素への言及は、具体的にそのような定めがない限り、「1つ及び1つのみ(one and only one)」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つ又は複数(one or more)」を意味するものである。具体的に別段の定めがない限り、「いくつかの(some)」という用語は、1つ又は複数を指す。当業者に知られている又は後に知られることになる、本開示全体を通して説明した様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的均等物は、本明細書に参照により明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることが意図される。その上、本明細書に開示したものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず公衆に献呈されることが意図されるものではない。特許請求の範囲のいかなる要素も、「するための手段(means for)」という語句を使用して明示的に列挙されない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではなく、又は方法請求項の場合には、要素は「ためのステップ(step for)」という語句を使用して列挙される。
図1
図2
図3