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特許7470132飲料自動販売機の電磁誘導連続流温水ヒータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】飲料自動販売機の電磁誘導連続流温水ヒータ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/54 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A47J31/54 100
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021557549
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 IB2020052950
(87)【国際公開番号】W WO2020201962
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】19166383.0
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102019000007166
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522138722
【氏名又は名称】ヘイロー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドグリオニ マジェル,アンドレア
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-540132(JP,A)
【文献】実開昭51-041749(JP,U)
【文献】登録実用新案第3090888(JP,U)
【文献】特開2005-171580(JP,A)
【文献】特表2009-511102(JP,A)
【文献】特開2008-164215(JP,A)
【文献】国際公開第2017/191529(WO,A1)
【文献】特表2007-501506(JP,A)
【文献】特開2007-192486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
H05B 6/10-6/14
F24H 1/10-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料自動販売機(1)のための電磁誘導連続流温水ヒータ(102,1202,1302,1402,1502,1602,1702,180)であって、
長手軸線(A)を有するとともに、加熱される水を受容して使用時に管形体(8,108,208)へ供給するように構成される少なくとも一つの入口(10)と、加熱後の前記水が管形体(8,108,208)から流出するための出口(11)とを含む管形体(8,108,208)と、
前記管形体(8,108,208)に巻かれて電磁誘導場を発生させるように通電可能である電気巻線(12)と、
を備え、
前記電磁誘導場の作用で電磁誘導により加熱されるように前記管形体(8,108,208)が導電性材料で製作され、
前記管形体(8,108,208)に収容されて前記長手軸線(A)に沿って延在するインサート(118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,181)を前記ヒータがさらに備え、
前記ヒータはさらに、前記長手軸線(A)を中心として螺旋状に延在し、前記管形体(8,108,208)の内面(22,122,222)と前記インサートの外面(121,1221,1321,1421,1521,1621,1721,182)とにより境界が形成されている前記水の螺旋流路(123,1223,1323,1423,1523,1623,1723,182)を備え、
前記インサートは、非熱発生性であり、非導電性材料で製作されており、
前記インサート(1118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,1818)が、少なくとも、前記インサートが前記入口(10)の最も近くに配置される第1位置と、前記インサートが前記出口(11)の最も近くに配置される第2位置との間において、前記管形体(8,108,208)の内側で移動可能であり、
前記インサート(1118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,1818)が前記第1位置に配置された時に前記入口を液密状態で密閉するように構成される閉止部分(1130,1230,1330,1430,1530,1630,1730,1830)を前記インサートが備える、ヒータ。
【請求項2】
前記流路(123,1323,1523,172)の境界を形成するように、前記長手軸線(A)を中心として前記インサートの前記外面(121,1321,1521,172)に延在するとともに前記管形体(8,208)の前記内面(22,222)との接触状態に配置される第1螺旋頂部(120,1320,1520,1720)を画定するねじ山(1119,1319,1519,171)を前記インサート(118,1318,1518,171)が備える、請求項1に記載のヒー
【請求項3】
前記長手軸線(A)を中心として前記管形体(208)の前記内面(222)に延在する第2螺旋頂部(220)を前記管形体(208)が備え、
前記第1螺旋頂部(320,172)と前記第2螺旋頂部(220)とが少なくとも互いの間で前記流路(323,1723)の境界を形成する、
請求項2に記載のヒー
【請求項4】
前記流路(223,162)の境界を形成するように、前記長手軸線(A)を中心として前記管形体(108)の前記内面(122)に延在するとともに、前記インサート(218,161)の前記外面(221,162)との接触状態に配置される螺旋頂部(120)を前記管形体(108)が備え、前記インサートの前記外面が円筒形であって前記長手軸線(A)に平行である、請求項1に記載のヒー
【請求項5】
前記流路(123,1223,1323,1423,1523,1623,1723,182)の内側に配置され、前記インサート(118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,181)により支承され、前記長手軸線(A)を中心とする螺旋形状を有する水流偏向部材(125,1225,1325,1425,1525,1625,1725,182)をさらに備え、
前記偏向部材が前記管形体(8,108,208)の前記内面(22,122,222)との接触状態に配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のヒータ。
【請求項6】
前記管形体(8)の前記内面(22)と前記インサート(418,181)の前記外面(421,182)とが円筒形であって前記長手軸線(A)に平行であり、
前記偏向部材(425,182)が前記インサート(418,181)に螺旋状に巻かれて、前記管形体(8)の前記内面(22)との、そして前記インサート(418,181)の前記外面(421,182)との接触状態に配置され、
前記偏向部材(425,182)の前記外面の一部により前記流路(423,182)の境界がさらに形成される、
請求項1に従属する時に請求項5に記載のヒー
【請求項7】
前記偏向部材(125,1225,1325,1425,1525,1625,1725,182)が前記長手軸線(A)に沿って弾性変形可能であり、非変形時に、前記インサート(118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,181)の軸長より大きい軸長を有し、
前記偏向部材が組立状態で弾性変形可能である、
請求項5または6に記載のヒータ。
【請求項8】
前記長手軸線(A)に沿って可変である通路区分を前記流が有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のヒー
【請求項9】
前記インサート(1118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,1818)が、前記入口(10)で前記インサート自体に作用する水流の圧力によって前記管形体(8,108,208)の内側で移動可能である、請求項に記載のヒー
【請求項10】
前記第1位置と前記第2位置との間での前記インサート(1518,1618,1718,181)の移動を制御するように構成される磁気アクチュエータ(1531,1631,1731,183)によって前記インサートが前記管形体(8,108,208)の内側で移動可能である、請求項に記載のヒー
【請求項11】
前記管形体(8,108,208)に前記巻線(12)が直接巻かれるか、前記管形体(8,108,208)に共成形されるスプール(16)に前記巻線が巻かれる、請求項1から10のいずれか一項に記載のヒータ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の電磁誘導連続流温水ヒータ(102,1202,1302,1402,1502,1602,1702,180)と、
前記ヒータに流体接続されて前記ヒータに水流を供給する油圧供給回路(3)と、
前記巻線(12)に電気接続されて前記巻線に通電する通電回路(7)と、
を備える温飲料の作製のための機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願の相互参照)
本特許出願は、2019年3月29日出願の欧州特許出願第19166383.0号と2019年5月23日出願のイタリア特許出願第102019000007166号の優先権を主張し、これら出願の内容全体が参照により援用される。
【0002】
本発明は概ね飲料自動販売機の分野に、特に無水物質、例えばコーヒー、茶、チョコレートなどによる温飲料自動販売機での電磁誘導連続流温水ヒータに関し、以下の記述では普遍性を損なうことなくこれに言及する。
【背景技術】
【0003】
無水物質、例えばコーヒー、茶、チョコレートなどによる飲料、特に温飲料の調製および分注のための機械は、周知である。
【0004】
これらの機械には、通常は二タイプの一以上の温水ヒータ、つまり貯湯タイプヒータ(ボイラー、ケトル)と連続流温水ヒータが設けられる。
【0005】
後者は、二つの主要技術、つまりこの分野で非常に一般的な抵抗加熱部材による加熱と、前者ほどこの分野で一般的ではない電磁誘導加熱により、水を加熱する装置である。
【0006】
第一の技術によれば、加熱される水の流れと直接的または間接的に接触する加熱要素の両端部に電位差が印加される。こうして、加熱要素内で電流が発生され、電流はジュール効果により熱の形でエネルギーを放散して、伝導により水を加熱する。
【0007】
このタイプのヒータの例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12に記載されている。
【0008】
特許文献13には、連続流温水ヒータの三つの実施形態が記載されている。ここに例示されている最初の二つの実施形態では第一の技術を使用する当該の連続流温水ヒータが検討され、第三実施形態には、上述した第二の技術を使用して水を加熱するヒータが比較的簡単にそれほど詳細にではなく例示されている。
【0009】
この第二の技術によれば、水流を加熱するのに電磁誘導現象が使用される。
【0010】
特に、加熱される水が内側を流れる導電性材料製のダクトの内側に渦電流を発生させるのに電磁誘導を利用する連続流温水ヒータは、よく知られている。渦電流はジュール効果により熱の形でエネルギーを放散し、こうしてダクト、結果的にこれとの接触状態で流れる水を加熱する。
【0011】
電磁誘導連続流温水ヒータは、短時間で水を加熱できるので特に有利であることがよく知られている。
【0012】
特許文献14には、電磁誘導巻線が巻かれる電気絶縁材料製のスプールキャビティに同軸に収容されるコイル状金属を備えるヒータが例示されている。
【0013】
ジュール効果により螺旋金属ダクト、それゆえその内側を流れる水を加熱する渦電流を電磁誘導により発生させる交流電流が巻線に提供される。
【0014】
スプールは機械支持構造に拘束されるが、金属ダクトは、圧入によって接続される油圧回路に単純に支持されているので、スプールとの機械的拘束は設けられていない。
【0015】
より正確に記すと、金属ダクトとスプールとは間隙(空隙)により径方向に分離されている。
【0016】
電磁誘導温水ヒータの他の例は、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献11、特許文献18に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】英国特許出願公開第2542359号明細書
【文献】国際公開第2004/105438号
【文献】中国特許出願公開第107647785号明細書
【文献】国際公開第2016/016225号
【文献】国際公開第2004/006742号
【文献】国際公開第2009/012904号
【文献】国際公開第2014/205771号
【文献】国際公開第2006/056705号
【文献】国際公開第2013/008140号
【文献】国際公開第2007/036076号
【文献】欧州特許出願公開第2881020号明細書
【文献】独国特許出願公開第3542507号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2044869号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2868242号明細書
【文献】特開2001‐284034号公報
【文献】国際公開第2017/191529号
【文献】特開2003‐317915号公報
【文献】英国特許出願公開第190915786号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記のタイプの連続流温水ヒータは飲料の調製および分注のために構成された機械で水を加熱するための機能的に実行可能な解決法に当たるが、特に、達成可能な熱交換の有効性とその保守効率に関して周知のヒータがさらに改良されうることを出願人は発見した。
【0019】
本発明の目的は、周知のタイプの電磁誘導ヒータに関連する上述の必要性を満たすことのできる高信頼性かつコスト削減の電磁誘導連続流温水ヒータを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、添付請求項による電磁誘導連続流温水ヒータによりこの目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるヒータを備える飲料自動販売機を、明瞭性のために幾つかの部品を除去して概略的に図示する。
図2a】第一実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図2b】第一実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図2c】第一実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図3a】第二実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図3b】第二実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図3c】第二実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図3d】第二実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図4a】第三実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図4b】第三実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図5a】第四実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図5b】第四実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図6a】第五実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図6b】第五実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図6c】第五実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図6d】第五実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図7a】第六実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図7b】第六実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図7c】第六実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図7d】第六実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図8a】第七実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図8b】第七実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図8c】第七実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
図8d】第七実施形態による図1のヒータの構成を示す、明瞭性のために幾つかの部品が除去された倍尺での軸断面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
さて、当業者が製造および使用するために、添付図を参照して本発明が詳しく記載される。記載される実施形態の様々な改良は当業者にはすぐに明白になり、記載される一般原理は、添付請求項に規定される発明の保護範囲を逸脱することなく他の実施形態および用途に適用されうる。それゆえ、本発明は記載および図示される実施形態に限定されると解釈されるべきではないが、記載および請求される特徴による最も広い保護範囲を有することが意図されている。
【0023】
他の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的な語は、発明の当業者により一般的に使用されるものと同じ意味を有する。紛争の場合に、本発明は、提示される定義を含めて、拘束力を持つことになるだろう。さらに、数々の例は例示的な目的でのみ提示され、それゆえ限定的であると見なされるべきではない。
【0024】
本明細書に記載される実施形態の理解を促すため、幾つかの特定実施形態について言及が行われ、これらを記載するのに特定の文言が使用される。本書で使用される技術用語は特定の実施形態のみを記述することが意図されており、発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0025】
図1を参照すると、特に無水物質、例えばコーヒー、茶、チョコレートなどによる温飲料の飲料自動販売機が、全体として1で概略的に示されている。
【0026】
機械1は、
電磁誘導連続流温水ヒータ2と、
水、好ましくは室温の水を保管して、管路5および油圧ポンプ6を介して容器4からヒータ2へ水流を搬送するように構成される容器4が設けられる油圧供給回路3(概略図示)と、
機能については後で説明される電気回路7(概略図示)と、
を備える。
【0027】
詳しく記すと、ヒータ2は電気回路7に電気接続され、油圧回路3に流体接続される。
【0028】
図2aに見られるように、長手軸線Aを有して、加熱される水流を容器4から受容して使用時に管形体8へ供給するように構成される入口10、特に入口通路と、温水の流れが管形体8から流出するための出口11、特に出口通路とを少なくとも含む管形体8を、ヒータ2が本質的に備える。
【0029】
好適であって限定的ではないこの実施形態によると、管形体8は実質的に中空の円筒形状を有して軸線Aは直線状である。加えて、管形体8は、周知であって詳しくは記載されない方法で機械1の内部支持構造(不図示)に拘束される。
【0030】
この目的のため、管形体8の軸方向反対部に配置されて管形体8に固定され、機械1の内部支持構造への結合に適応している第1端部分13および第2端部分14をヒータ2が備える。
【0031】
特に、第1端部分13と第2端部分14とは管形体8の当該の軸方向閉止部材を画定し、それぞれが入口10と出口11とを備える。
【0032】
より具体的に記すと、入口10と出口11とは、第1端部分13および第2端部分14からそれぞれ軸方向に突出する当該の中空突出部により画定される。
【0033】
図示されている例において、出口11は出口管路15(図1)と流体接続される。この出口管路15は、温水をヒータ2から飲料作製室(不図示)へ搬送するように構成され、この飲料作製室で、通常は予穿孔カプセルに格納される無水物質と温水が接触する。そしてこうして得られた飲料が作製室から分注器(やはり不図示)へ搬送され、分注器により機械から吐出される。
【0034】
軸線Aと同軸に管形体8の周りに配置され、つまりこれに巻かれ、通電されると電磁誘導場を発生させる電気巻線12をヒータ2がさらに備える。
【0035】
詳しく記すと、管形体8に同軸に装着された中空で実質的に円筒形のスプール16の外面に巻かれた複数の連続同心コイル12aにより、巻線12が画定される。言い換えると、管形体8はスプール16の軸方向キャビティに少なくとも部分的に収容される。
【0036】
より詳しく記すと、非導電性の、つまり磁化率がゼロの材料でスプール16が製作される。
【0037】
巻線12は、所与の振動周波数の交流電流が提供されることにより電磁場を発生させるように構成される。
【0038】
管形体8が導電性および導磁性の材料で製作され、それゆえ電磁誘導場による電磁誘導によって加熱されるように構成されると、適切である。
【0039】
使用時に管形体8からスプール16自体への伝導による熱伝達を回避するように、スプール16と管形体8の外面との間に熱絶縁材料の層17が径方向に介在配置されると、好都合である。
【0040】
一実施形態において、スプール16は管形体8とともに共成形(重ね成形)されうる。
【0041】
別の実施形態では、巻線12が管形体8に直接巻かれて、絶縁材料層17のみが介在配置される。
【0042】
別の実施形態では、巻線12が管形体8に直接巻かれる。
【0043】
図1に見られるように、機械1は幾つかの温度センサ30、記載の例では二つの温度センサ30も備え、各々が入口10と出口11にそれぞれ配置され、当該の作用ゾーンの水温を検出するように構成される。
【0044】
機械1は、温度センサ30により検出された温度値を受信して結果的に電気回路7の起動を制御するように構成される制御ユニット31も備える。
【0045】
図2aに見られるように、ヒータ2は、特に軸線Aに対して同軸に管形体8の内側に収容されて軸線Aに沿って延在する、磁化率が0の非導電性材料で製作された非発熱性―つまり非熱発生性―インサート18も備える。
【0046】
好適かつ非限定的なこの実施形態によれば、インサート18は、長手軸線Aを中心としてインサート18の外面21にわたって延在する螺旋頂部20を画定するねじ山19を備える。
【0047】
詳しく記すと、螺旋頂部20は管形体8の内面22との接触状態に配置される。
【0048】
ゆえに、管形体8とインサート18、より具体的には外面21と内面22は、軸線Aを中心として螺旋状に延在するこれらの間の螺旋水流路23の境界を形成する。
【0049】
好ましくは、螺旋頂部20は一定ピッチの円筒螺旋に従って出現する。
【0050】
図示されていない代替的実施形態では、可変ピッチの円筒螺旋、あるいは一定または可変ピッチの円錐螺旋に従って螺旋頂部20が出現する。
【0051】
上記を考慮すると、流路23は、ヒータ2を流れる水を加熱するための螺旋または渦巻き状の通路を画定する。この構成のため、管形体8の内側を水流が軸方向直線状に流れる場合よりも長い管形体8の内側の経路に沿って水が移動する。これは水温の正確な制御を可能にする。
【0052】
実際に、この解決法は、低流量に、そして高い温度正確性が必要とされる時、例えば水温により風味が影響される飲料に、特に適応している。
【0053】
入口10を通して管形体8へ水流が供給される初期状態を特に参照して、本発明によるヒータ2の動作が以下に記載される。
【0054】
この状態で、水流はインサート18のねじ山19から偏向されて、螺旋頂部20と管形体8の内面22とにより境界が形成される螺旋流路23を移動する。
【0055】
同時に、電気回路7の起動を制御する制御ユニット31によって巻線12に通電される。管形体8は電磁誘導加熱され、流路23を流れる水は結果的に、管形体8の内面22と接触する際に伝導加熱される。
【0056】
この時点で、出口11から水が流出する。調製される各飲料についてこのプロセスが反復される。
【0057】
図2bの番号102は、本発明の代替的実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0058】
ヒータ102はヒータ2と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照番号が使用される。
【0059】
特に、ヒータ102は、ねじ山を備えない実質的に平滑な外面121を有して軸線Aに平行である実質的に円筒形のインサート118を備えるという点でヒータ2と異なる。
【0060】
加えて、ヒータ102は、軸線Aを中心として管形体108の内面122にわたって延在してインサート118の外面121との接触状態にある螺旋頂部120が設けられた管形体108を含む。
【0061】
ゆえに、外面121と螺旋頂部120とにより境界が形成される螺旋流路123が画定される。
【0062】
ヒータ102の動作はヒータ2と類似している。
【0063】
図2cの番号202は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0064】
ヒータ202はヒータ2と、そしてヒータ102と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0065】
特に、ヒータ202は、インサート18と、ヒータ102の管形体108と実質的に類似した管形体208とを備える。
【0066】
ゆえに、インサート18の螺旋頂部20と管形体208の螺旋頂部220と管形体208の内面222とインサート18の外面21との間で境界が形成される螺旋流路223が画定される。
【0067】
ヒータ202の動作はヒータ2と類似している。
【0068】
図3aの番号302は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0069】
ヒータ302はヒータ2と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部材について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0070】
特に、ヒータ302は、インサート18により支承されて軸線Aを中心とする螺旋形状を有する水流偏向部材325を備えるという点でヒータ2と異なる。
【0071】
好ましくは、流路323の対応の通路区分に各コイルが収容されるように、インサート18に結合される円筒形コイルばねにより偏向部材325が画定される。
【0072】
好ましくは、一定ピッチの円筒形コイルばねにより偏向部材325が画定される。
【0073】
代替的実施形態では、可変ピッチの円筒形コイルばね、あるいは一定または可変ピッチの円錐形コイルばねにより偏向部材325が画定される。
【0074】
上記を考慮すると、流路323の通路区分は、ヒータ2の流路23の通路区分と比較して狭小化されている。
【0075】
この構成のため、インサート18または管形体8を改良または置換する必要なく、単純に偏向部材325を置換することにより―例えば、異なる直径を有するコイルを備える偏向部材325を選択することにより―、流路323の通路区分が変更されうる。
【0076】
加えて、偏向部材325は管形体8の内面22との接触状態に配置されるので、機械1の通常使用中に内面22に付着した水垢が擦過により除去されうる。
【0077】
これに関して、偏向部材325は軸線Aに沿って弾性変形可能であり、非変形状態でインサート18の軸長より大きい軸長を有する。
【0078】
ゆえに、ヒータ302の組立(装着)中に、偏向部材325は弾性により圧縮され、そして内面22との接触状態で配置されるので、この内面22に付着した水垢残留物が弾性変形により擦過除去される。
【0079】
より詳しく記すと、組立中に、偏向部材325を支承するインサート18は管形体8の内側に締り嵌めされるので、螺旋頂部20と偏向部材325とは、偏向部材の第1軸方向端部326が第1端部分13と当接するまで、内面22との接触状態に配置される。
【0080】
この時点で、第1軸方向端部326と反対の第2軸方向端部327に偏向部材325を押圧および圧縮するように、第2端部分14が管形体8に結合される。
【0081】
この圧縮より偏向部材325のコイルの軸方向移動が生じて内面22を擦過し、所望の作用を達成する。
【0082】
ヒータ302の動作はヒータ2と類似している。
【0083】
図3bの番号402は、本発明の代替的実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0084】
ヒータ402はヒータ102と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0085】
特に、ヒータ402は、偏向部材325と実質的に同一である偏向部材425を備えるという点でヒータ102と異なっている。
【0086】
ゆえに、外面121と螺旋頂部120と偏向部材425とにより境界が形成される螺旋流路423が画定される。
【0087】
その結果、流路423の通路区分は狭小化され、インサート118または管形体108を改良または置換する必要なく、単純に偏向部材425を置換することにより―例えば、異なる直径を有するコイルを備える偏向部材425を選択することにより、流路423の通路区分が変更されうる。
【0088】
ヒータ402の動作はヒータ102と類似している。
【0089】
図3cの番号502は、本発明の代替的実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0090】
ヒータ502はヒータ202と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0091】
特に、ヒータ502は、偏向部材325と実質的に同一である偏向部材525を備えるという点でヒータ202と異なる。
【0092】
特に、ヒータ502は、インサート18と管形体208の両方を備える。
【0093】
ゆえに、インサート18の螺旋頂部20と管形体208の螺旋頂部220と管形体208の内面222とインサート18の外面21と偏向部材525との間で境界が形成される螺旋流路523が画定される。
【0094】
その結果、流路523の通路区分は狭小化され、インサート18または管形体208を改良または置換する必要なく、単純に偏向部材525を置換することにより―例えば異なる直径を有するコイルを備える偏向部材525を選択することにより―流路523の通路区分が変更されうる。
【0095】
ヒータ502の動作はヒータ202と類似している。
【0096】
図3dの番号602は、本発明の代替的実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0097】
ヒータ602はヒータ302と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0098】
特に、ヒータ602は、実質的に平滑な外面121を有して軸線Aに平行である実質的に円筒形のインサート118を備えるという点で、ヒータ302と異なる。ゆえに、管形体8の内面22とインサート118の外面121とは円筒形であって、互いに、また軸線Aに平行である。
【0099】
ヒータ602は、インサート118に螺旋状に巻かれる偏向部材625を備え、管形体8の内面22との、そしてインサート118の外面121との接触状態に配置される。
【0100】
結果的に、この場合に流路623は、管形体8の内面22により、インサート118の外面121により、そして偏向部材625の外面により境界が形成される。
【0101】
ヒータ602の動作はヒータ2と類似している。
【0102】
図4aの番号702は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0103】
ヒータ702はヒータ2と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0104】
特に、ヒータ702は、軸線Aに沿って可変流区分を持つ螺旋流路723を画定するという点で、ヒータ2と異なっている。
【0105】
この目的のため、
軸線Aを中心としてインサート718の外面721にわたって延在する螺旋頂部720と、
螺旋頂部720に続いて、軸線Aを中心として外面721にわたって延在する螺旋底部728と、
を有するねじ山719を含むインサート718をヒータ702が備える。
【0106】
詳しく記すと、螺旋頂部720は管形体8の内面22との接触状態に配置されるので、螺旋頂部720の最大直径は一定であるが、軸線Aに対する螺旋底部728の直径は軸線A自体に沿って可変である。
【0107】
より詳しく記すと、入口10から出口11への方向を考えるとこの直径が増加する。
【0108】
図示されていない代替的実施形態では、螺旋底部728の直径がこの方向に減少する。
【0109】
この構成のため、ヒータ2を使用するよりも高い流量を達成することが可能である。
【0110】
ヒータ702の動作はヒータ2と類似している。
【0111】
図4bの番号802は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0112】
ヒータ802はヒータ702と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0113】
特に、ヒータ802は、管形体208も備えるという点でヒータ702と異なる。
【0114】
ゆえに、インサート718の螺旋頂部720と管形体208の螺旋頂部220と管形体208の内面222とインサート718の外面721との間に境界が形成される螺旋流路823が画定される。
【0115】
ヒータ802の動作はヒータ702と類似している。
【0116】
図5aの番号902は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0117】
ヒータ902はヒータ702と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0118】
特に、ヒータ902は、ヒータ302の偏向部材325と実質的に同一であって同じ特徴および機能を有する偏向部材925も備えるという点でヒータ702と異なる。
【0119】
この構成のため、流路923の通路区分は、単純に偏向部材925を置換することにより変更されうる。
【0120】
ヒータ902の動作はヒータ702と類似している。
【0121】
図5bの番号1002は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0122】
ヒータ1002はヒータ802と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0123】
特に、ヒータ1002は、ヒータ902の偏向部材925と実質的に同一であって同じ特徴および機能を有する偏向部材1025も備えるという点でヒータ802と異なる。
【0124】
ヒータ1002の動作はヒータ902と類似している。
【0125】
図6aの番号1102は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0126】
ヒータ1102はヒータ302と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0127】
特に、ヒータ1102は、インサート18と実質的に類似しており、少なくとも、
インサート1118が入口10の近くに配置される第1位置と、
インサート1118が出口11の近くに配置される第2位置と、
の間において管形体8の内側で移動可能であるインサート1118を備えるという点で、ヒータ302と異なる。
【0128】
詳しく記すと、インサート1118は、閉止部分、特定例では入口10を液密状態で密閉するように構成されるシャッタ1130を備える。
【0129】
より詳しく記すと、シャッタ1130は、インサート1118が第1位置に配置された時に液密状態で入口10を密閉するように構成される。
【0130】
この好適な実施形態によれば、入口10でインサート1118自体に作用する、特にシャッタ1130に作用する水流圧力によって第1および第2位置の間でインサート1118が移動可能である。
【0131】
より正確に記すと、使用時に、入口10を通して管形体8に供給される水流圧力がシャッタ1130、それゆえインサート1118を第2位置に向かって押圧することで、水通路を開放して流路1123へ水を流入させる。
【0132】
実質的に偏向部材325と類似した偏向部材1125もシャッタ1130ためのフィードバック部材として作用して、(水がシャッタ1130を押圧しない)アイドル状態でインサート1118を第1位置に保持すると、適切である。
【0133】
逆に、第1から第2位置への、また逆のインサート1118の移動中に、偏向部材1125は管形体8の内面22を擦過する。
【0134】
ゆえに、保守―水垢残留物の除去―を自動的に行うとともに、流路1123の自動的な液密状態閉止も提供することが可能である。
【0135】
ヒータ1102の動作はヒータ302と類似している。
【0136】
図6bの番号1202は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0137】
ヒータ1202はヒータ402と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0138】
特に、ヒータ1202は、構造的および機能的にシャッタ1130と類似しているシャッタ1230を備えるという点でヒータ402と異なる。インサート1218は、シャッタ1230を除いて(平滑な円筒形の)インサート118と実質的に類似している。
【0139】
実質的に偏向部材425と類似している偏向部材1225の存在は、実質的に流路423と類似した流路1223を画定する。
【0140】
ヒータ1202の動作はヒータ1102と類似している。
【0141】
図6cの番号1302は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0142】
ヒータ1202はヒータ502と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0143】
特に、ヒータ1302は、構造的および機能的にシャッタ1130と類似しているシャッタ1330を備えるという点でヒータ502と異なっている。インサート1318は、シャッタ1330を除いて、実質的にインサート18と類似している。
【0144】
偏向部材525と実質的に類似している偏向部材1325の存在は、流路523と実質的に類似している流路1323を画定する。
【0145】
ヒータ1302の動作はヒータ1102と類似している。
【0146】
図6dの番号1402は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0147】
ヒータ1402はヒータ602と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0148】
特に、ヒータ1402は、構造的および機能的にシャッタ1130と類似しているシャッタ1430を備えるという点でヒータ602と異なっている。インサート1418は、シャッタ1430を別にしてインサート18と実質的に類似している。
【0149】
偏向部材625と実質的に類似している偏向部材1425の存在は、流路623と実質的に類似している流路1423を画定する。
【0150】
ヒータ1402の動作はヒータ1102と類似している。
【0151】
図7aの番号1502は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータを全体として指す。
【0152】
ヒータ1502はヒータ1102と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0153】
特に、ヒータ1502は、構造的および機能的にインサート1118と類似しているインサート1518を備えるという点でヒータ1102と異なっており、それゆえ、シャッタ1130と実質的に類似しているシャッタ1530と、磁気相互作用による第1および第2位置の間でのインサート1518の移動を制御するように構成される磁気アクチュエータ1531によって管形体8の中で移動可能である、偏向部材1125と実質的に類似した偏向部材1525とを備える。
【0154】
より詳しく記すと、固定されて選択的に通電されると電磁場を発生させるソレノイド1532と、インサート1518に一体的に固定されてソレノイド1532に磁気結合されるように構成される永久磁石1533とを磁気アクチュエータ1531が備える。
【0155】
より正確に記すと、ソレノイド1532に通電することにより、永久磁石1533、それゆえインサート1518の移動が周知の手法で達成される。
【0156】
この構成のため、インサート1518に加えられる水圧に関係なく、インサート1518の移動と、これに続くあらゆることがら―例えば偏向部材1525による水垢の除去―とを制御することが可能である。
【0157】
好ましくは、磁気アクチュエータ1531は出口11に配置される。
【0158】
ヒータ1502の動作はヒータ1102と類似している。
【0159】
図7bの番号1602は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0160】
ヒータ1602はヒータ1202と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0161】
特に、ヒータ1602は、インサート1618を備えるという点でヒータ1202と異なっており、それゆえ、シャッタ1230と実質的に類似しているシャッタ1630と、偏向部材1225と実質的に類似している偏向部材1625とを備え、このインサートは構造的および機能的にインサート1218と類似しているが、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に類似している磁気アクチュエータ1631によって管形体108の中で移動可能である。
【0162】
ヒータ1602の動作はヒータ1502と類似している。
【0163】
図7cの番号1702は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0164】
ヒータ1702はヒータ1302と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0165】
特に、ヒータ1702は、構造的および機能的にインサート1318と類似しているインサート1718を備えるという点でヒータ1302と異なっており、それゆえシャッタ1330と実質的に類似しているシャッタ1730と、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に同一である磁気アクチュエータ1731によって管形体208の中で移動可能である、偏向部材1325と実質的に類似した偏向部材1725とを備える。
【0166】
ヒータ1702の動作はヒータ1502と類似している。
【0167】
図7dの番号1802は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0168】
ヒータ1802はヒータ1402と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0169】
特に、ヒータ1802は、構造的および機能的にインサート1418と類似しているインサート1818を備えるという点でヒータ1402と異なっており、それゆえ、シャッタ1430と実質的に類似しているシャッタ1830と、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に同一である磁気アクチュエータ1831によって管形体8の中で移動可能である、偏向部材1425と実質的に類似した偏向部材1825とを備える。
【0170】
ヒータ1802の動作はヒータ1502と類似している。
【0171】
図8aの番号1902は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0172】
ヒータ1902はヒータ302と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0173】
特に、ヒータ1902は、構造的および機能的にインサート18と類似しているが、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に同一である磁気アクチュエータ1931によって管形体8の中で移動可能であるインサート1918を備えるという点で、ヒータ302と異なる。
【0174】
この構成のため、インサート1918への流体圧力の実質的な寄与を伴わずに、管形体8の内側でインサート1918が制御移動可能である。
【0175】
ヒータ1902の動作はヒータ1502と類似している。
【0176】
図8bの番号2002は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指している。
【0177】
ヒータ2002はヒータ402と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0178】
特に、ヒータ2002は、構造的および機能的にインサート118と類似しているが、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に同一である磁気アクチュエータ2031によって管形体108の中で移動可能であるインサート2018を備えるという点で、ヒータ402と異なる。
【0179】
この構成のため、インサート2018への流体圧力の実質的な寄与を伴わずに、管形体108の内側でインサート2018が制御移動可能である。
【0180】
ヒータ2002の動作はヒータ1502と類似している。
【0181】
図8cの番号2102は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指している。
【0182】
ヒータ2102はヒータ502と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0183】
特に、ヒータ2102は、構造的および機能的にインサート18と類似しているが、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に同一である磁気アクチュエータ2131によって管形体208の内側で移動可能であるインサート2118を備えるという点で、ヒータ502と異なる。
【0184】
この構成のため、インサート2118への流体圧力の実質的な寄与を伴わずに管形体208の内側でインサート2118が制御移動可能である。
【0185】
ヒータ2102の動作はヒータ1502と類似している。
【0186】
図8dの番号2202は、本発明のさらなる実施形態による電磁誘導温水ヒータの全体を指す。
【0187】
ヒータ2202はヒータ602と類似しているので、以下の記載はその間の相違に限定され、同一または対応の部品について可能であれば同じ参照符号が使用される。
【0188】
特に、ヒータ2202は、構造的および機能的にインサート118と類似しているが、構造的および機能的に磁気アクチュエータ1531と実質的に同一である磁気アクチュエータ2231によって管形体8の中で移動可能であるインサート2218を備えるという点で、ヒータ602と異なる。
【0189】
この構成のため、インサート2218への流体圧力の実質的な寄与を伴わずに、管形体8の内側でインサート2218が制御移動可能である。
【0190】
ヒータ2202の動作はヒータ1502と類似している。
【0191】
本発明により製造されるヒータ2,102,302,403,502,602,702,802,902,1002,1102,1202,1302,1402,1502,1602,1702,1802,1902,2002,2102,2202の特徴の精査から、達成が可能な利点は明白である。
【0192】
特に、流路23,123,223,323,423,523,623,723,823,923,1023,1123,1223,1323,1423,1523,1623,1723,1823,1923,2023,2123,2223の螺旋形状のため、水流が軸方向直線状である場合と比較して、管形体8の内側のはるかに長い経路を水が移動する。これは水温の正確な制御を可能にする。この解決法は低流量と、水温により風味が影響される飲料などのために高い温度正確性が必要とされる時に適応している。
【0193】
加えて、流路323,423,523,623,723,823,923,1023,1123,1223,1323,1423,1523,1623,1723,1823,1923,2023,2123,2223の中の偏向部材325,425,525,625,725,825,925,1025,1125,1225,1325,1425,1525,1625,1725,1825,1925,2025,2125,2225が存在する時には常に、インサートまたは管形体を改良または置換する必要なく、単純に偏向部材を置換することにより―例えば、コイルが異なる直径を有する偏向部材を選択することにより、流路通路区分を変更することが可能である。
【0194】
加えて、偏向部材は弾性変形可能であって管形体の内面との接触状態に配置されるので、弾性変形中の偏向部材コイルの軸移動は、組立中にこの内面に付着した水垢残留物の擦過、ゆえに除去を行う。
【0195】
特に有利なのは、偏向部材1123,1223,1323,1423,1523,1623,1723,1823,1923,2023,2123,2223のこの軸移動が、例えば、インサート1118,1218,1318,1418への水圧により、またはインサート1918,2018,2118,2218を移動させる電磁アクチュエータの起動により、あるいはインサート1518,1618,1718,1818に関しては上記解決法の両方により、自動的に制御される場合である。
【0196】
さらに、軸線Aに沿って可変通路区分を有する流路723,823,923,1023をインサート718が画定する場合には、軸線Aに沿って一定の通路区分を持つ流路が使用される場合よりも高い流量を達成することが可能である。
【0197】
請求項により規定される保護範囲を逸脱することなく、本明細書に記載および図示されたヒータ2,102,302,403,502,602,702,802,902,1002,1102,1202,1302,1402,1502,1602,1702,1802,1902,2002,2102,2202に様々な改良および変形が加えられうることは理解されている。
【符号の説明】
【0198】
1 飲料自動販売機
2,102,202,302,402,502,602,702,802,902,1002,1102,1202,1302,1402,1502,1602,1702,1802,1902,2002,2102,2202 電磁誘導連続流温水ヒータ
3 油圧供給回路
4 容器
5 管路
6 油圧ポンプ
7 電気回路
8,108,208 管形体
10 入口
11 出口
12 電気巻線
12a 同心コイル
13 第1端部分
14 第2端部分
15 出口管路
16 スプール
17 熱絶縁材料層
18,118,718,1118,1218,1318,1418,1518,1618,1718,1818,1918,2018,2118,2218 インサート
19,719,1119,1319,1519,1719,1919,2119 ねじ山
20,120,720,1120,1320,1520,1720,1920,2120 第1螺旋頂部
21,121,721,1121,1221,1321,1421,1521,1621,1721,1821,1921,2021,2121,2221 外面
22,122,222 内面
23,123,223,323,423,523,623,723,823,923,1023,1123,1223,1323,1423,1523,1623,1723,1823,1923,2023,2123,2223 螺旋流路
30 温度センサ
31 制御ユニット
220,720 第2螺旋頂部
325,425,525,625,725,825,925,1025,1125,1225,1325,1425,1525,1625,1725,1825,1925,2025,2125,2225 偏向部材
326,426,526,626 第1軸方向端部
327,427,527,627 第2軸方向端部
728 螺旋底部
1130,1230,1330,1430,1530,1630,1730,1830 閉止部分/シャッタ
1531,1631,1731,1831,1931,2031,2131,2231 磁気アクチュエータ
1532,1632,1732,1832,1932,2032,2132,2232 ソレノイド
1533,1633,1733,1833,1933,2033,2133,2233 永久磁石
A 長手軸線
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D