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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】残餌回収装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/80 20170101AFI20240410BHJP
【FI】
A01K61/80
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022208865
(22)【出願日】2022-12-26
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石若 裕子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智博
(72)【発明者】
【氏名】利根 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】安居 覚
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-009820(JP,A)
【文献】特開平08-266185(JP,A)
【文献】特開昭55-150829(JP,A)
【文献】実開昭54-032297(JP,U)
【文献】実開昭50-083294(JP,U)
【文献】実開昭50-000098(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に設けられる生簀の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる収集部と、
前記生簀を抜け、かつ、前記収集部によって集められた残餌を回収し、前記収集部に着脱可能な回収部と
を備え、
前記回収部には、前記収集部から前記残餌が入る開口部が形成され、
前記回収部は、回収した前記残餌が前記開口部から前記収集部へ出ることを抑制する逆流防止弁を備え
前記回収部は、
前記開口部が形成される本体部と、
前記開口部を閉塞可能な蓋部と
を備える、残餌回収装置。
【請求項2】
前記回収部は、前記蓋部によって前記開口部が閉塞された場合に、前記開口部の閉塞状態を保持する固定部
を備える、請求項に記載の残餌回収装置。
【請求項3】
前記収集部は、開閉可能である、請求項1に記載の残餌回収装置。
【請求項4】
水中に設けられる生簀の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる収集部と、
前記生簀を抜け、かつ、前記収集部によって集められた残餌を回収し、前記収集部に着脱可能な回収部と
を備え、
前記回収部には、前記収集部から前記残餌が入る開口部が形成され、
前記回収部は、回収した前記残餌が前記開口部から前記収集部へ出ることを抑制する逆流防止弁を備え、
前記収集部は、開閉可能であり、
前記収集部は、
回動支持部と、
前記回動支持部に回動可能に設けられる支柱部と、
前記支柱部に取り付けられ、前記支柱部の回動に応じて開閉するシート部と
を備える、残餌回収装置。
【請求項5】
水中に設けられる生簀の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる収集部と、
前記生簀を抜け、かつ、前記収集部によって集められた残餌を回収し、前記収集部に着脱可能な回収部と
を備え、
前記回収部には、前記収集部から前記残餌が入る開口部が形成され、
前記回収部は、回収した前記残餌が前記開口部から前記収集部へ出ることを抑制する逆流防止弁を備え、
前記収集部は、挿入溝を形成する取付枠を備え、
前記回収部は、前記挿入溝に挿入可能な挿入部を備える、残餌回収装置。
【請求項6】
水中に設けられる生簀の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる収集部と、
前記生簀を抜け、かつ、前記収集部によって集められた残餌を回収し、前記収集部に着脱可能な回収部と
を備え、
前記回収部には、前記収集部から前記残餌が入る開口部が形成され、
前記回収部は、回収した前記残餌が前記開口部から前記収集部へ出ることを抑制する逆流防止弁を備え、
前記回収部は、面ファスナーによって前記収集部に取り付けられる、残餌回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、残餌回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生簀に養殖される魚に与えた餌の残り(以下、「残餌」と称する。)を収集する残餌回収装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-276849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術の装置は、収集した残餌が残餌回収装置の外に排出される。従来技術の装置は、たとえば、水中の流れによって、残餌回収装置から生簀側に残餌が流出するおそれがあり、残餌の回収性について改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、残餌の回収性を向上させる残餌回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る残餌回収装置は、収集部と、回収部とを備える。収集部は、水中に設けられる生簀の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる。回収部は、生簀を抜け、かつ、収集部によって集められた残餌を回収し、収集部に着脱可能である。回収部には、収集部から残餌が入る開口部が形成される。回収部は、逆流防止弁を備える。逆流防止弁は、回収した残餌が開口部から収集部へ出ることを抑制する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、残餌の回収性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る残餌回収装置が生簀に取り付けられた状態を示す概略図である。
図2図2は、残餌回収装置の斜視図である。
図3図3は、図2においてA方向から見た残餌回収装置の一部を示す概略図である。
図4図4は、残餌回収装置の一部の概略を示す平面図である。
図5図5は、回収部の斜視図である。
図6図6は、収集部が閉じた状態を示す図である。
図7図7は、回収部が収集部に着脱される状態を示す図である。
図8図8は、変形例に係る残餌回収装置における回収部と、収集部との取り付け方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願にかかる残餌回収装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる残餌回収装置が限定されるものではない。
【0010】
以下では鉛直方向に平行な方句を上下方向として説明する。下方向は、鉛直方向に一致する。上方向は、鉛直方向とは逆方向である。
【0011】
実施形態に係る残餌回収装置1について、図1を参照し説明する。図1は、実施形態に係る残餌回収装置1が生簀100に取り付けられた状態を示す概略図である。
【0012】
残餌回収装置1は、水中に設けられた生簀100の下方に取り付けられる。生簀100には、魚が入れられて養殖される。生簀100は、海に設けられる。生簀100は、湖などに設けられてもよい。生簀100の魚には、たとえば、自動給餌器101によって餌Fが与えられる。自動給餌器101は、生簀100内に餌Fを投下する。なお、餌Fは、自動給餌器101ではなく、人によって投下されてもよい
【0013】
生簀100に投下された餌Fは、魚によって食べられる。魚によって食べられたかった残餌FRは、生簀100を抜けて下方に沈む。残餌回収装置1は、生簀100を抜けた残餌FRを回収する。残餌FRが回収されることで、魚の成長度、および、生簀100に投下される餌Fの適正量などを調査することができる。
【0014】
次に、残餌回収装置1の詳細について、図2図5を参照し説明する。図2は、残餌回収装置1の斜視図である。図3は、図2においてA方向から見た残餌回収装置1の一部を示す概略図である。図4は、残餌回収装置1の一部の概略を示す平面図である。図5は、回収部3の斜視図である。図4では、説明のためシート部14が省略される。
【0015】
以下では、上下方向に直交する断面における形状が矩形状の生簀100(図1参照)に取り付けられる残餌回収装置1を一例として説明するが、これに限られることはない。生簀100は、たとえば、上下方向に直交する断面における形状が円形などであってもよい。
【0016】
残餌回収装置1は、収集部2と、回収部3とを備える。収集部2は、生簀100に対して着脱可能である。収集部2は、複数の取付部102(図1参照)によって、生簀100の下方に取り付けられる。収集部2は、下方となるにつれて狭くなる。取付部102は、たとえば、カラビナである。収集部2は、支持板10と、取付枠11と、回動支持部12と、支柱部13と、シート部14とを備える。
【0017】
支持板10は、矩形状に形成される。支持板10には、孔10aが形成される。孔10aは、たとえば、支持板10の中心付近に形成される。支持板10は、たとえば、アルミニウムなどの金属によって構成される。
【0018】
取付枠11は、支持板10に取り付けられる。取付枠11は、支持板10において上下方向に直交する辺に沿って延びるように形成される。取付枠11は、上下方向に直交する方向において向かい合うように一対設けられる。取付枠11は、支持板10の辺に沿って延びる方向に直交する断面形状が、略U字状となるように形成される。取付枠11には、回収部3が取り付けられる。取付枠11は、第1壁部11aと、第2壁部11bと、第3壁部11cとを備える。取付枠11は、たとえば、アルミニウムなどの金属によって構成される。
【0019】
第1壁部11aは、支持板10に取り付けられる。第1壁部11aは、下面が支持板10に接した状態で支持板10に取り付けられる。第2壁部11bは、第1壁部11aよりも下方に設けられる。第2壁部11bは、第1壁部11aと向かい合うように設けられる。第3壁部11cは、第1壁部11aと、第2壁部11bとを接続する。
【0020】
取付枠11は、第2壁部11bと、支持板10との間に隙間が生じるように形成される。第2壁部11bと、支持板10との間に形成される隙間は、後述する回収部3の取付板21が挿入される挿入溝5である。すなわち、取付枠11は、回収部3の取付板21が挿入される挿入溝5を形成する。
【0021】
なお、取付枠11は、第1壁部11aの上面が支持板10に接した状態で支持板10に取り付けられてもよい。この場合、第1壁部11aと、第2壁部11bとの間の隙間が、挿入溝5を形成する。
【0022】
また、支持板10と、取付枠11とは、一体に設けられてもよい。この場合、たとえば、支持板10の両端側の端部に曲げ加工が行われることで、取付枠11が形成される。
【0023】
回動支持部12は、支持板10に取り付けられる。回動支持部12は、支持板10の上面に取り付けられる。回動支持部12は、支柱部13を回動可能に支持する。
【0024】
たとえば、回動支持部12は、4つの支柱部13を回動可能に支持する。回動支持部12は、略L字状の継ぎ手12aと、回動軸部12bとを備える。継ぎ手12aは、4つ設けられる。継ぎ手12aは、矩形形状の四隅に配置される。継ぎ手12aは、端部が、他の継ぎ手12aの端部と向かい合うように配置される。継ぎ手12aは、中空状に形成される。回動軸部12bは、継ぎ手12aに圧入される。たとえば、回動軸部12bは、継ぎ手12aに対して、回動可能となる程度に圧入される。回動軸部12bは、継ぎ手12aに対して、回動不能となるように圧入されてもよい。
【0025】
支柱部13は、回動支持部12に回動可能に設けられる。支柱部13は、回動支持部12に回動可能に支持される。たとえば、支柱部13は、ポリ塩化ビニルによって構成される。支柱部13は、取付部102によって、生簀100の下端に取り付けられる。支柱部13が生簀100に取り付けられた状態では、支柱部13は、回動支持部12から、斜め上方に向けて延びるように設けられる。支柱部13は、複数設けられる。たとえば、支柱部13は、4つ設けられる。支柱部13が生簀100に取り付けられた状態では、4つの支柱部13に囲まれる領域は、下方となるにつれて狭くなる。4つの支柱部13に囲まれる領域は、上下方向に直交する面における領域である。
【0026】
支柱部13は、略T字状の継ぎ手13aと、支持柱13bとを備える。継ぎ手13aは、中空状に形成される。継ぎ手13aは、回動支持部12の回動軸部12bに回動可能に支持される。継ぎ手13aには、回動支持部12の回動軸部12bが圧入される。回動軸部12bは、継ぎ手13a(支柱部13)が、回動軸部12bに対して、回動可能となる程度に圧入される。
【0027】
支持柱13bは、継ぎ手13aに圧入される。支持柱13bは、たとえば、筒状、または、円柱状に形成される。支持柱13bは、取付部102によって、生簀100の下端に取り付けられる。支柱部13が生簀100に取り付けられた状態において、支持柱13bは、継ぎ手13aから、斜め上方に向けて延びるように設けられる。
【0028】
シート部14は、支柱部13に取り付けられる。シート部14は、支柱部13の回動に応じて開閉する。シート部14は、支柱部13の支持柱13bに取り付けられる。収集部2が生簀100に取り付けられた場合、シート部14は、生簀100の下方を覆うように設けられる。シート部14は、生簀100を抜けた残餌FR(図1参照)が回収部3に集まるように設けられる。
【0029】
収集部2が生簀100に取り付けられた状態では、シート部14は、下方となるにつれて狭くなるように設けられる。すなわち、収集部2は、下方となるにつれて狭くなるように設けられる。具体的には、収集部2が生簀100に取り付けられた状態では、シート部14は、シート部14に囲まれた領域が、下方となるにつれて狭くなる。シート部14に囲まれた領域は、上下方向に直交する面における領域である。すなわち、収集部2が生簀100に取り付けられた状態では、上下方向に直交する方向においてシート部14によって囲まれる面積が、下方となるにつれて小さくなる。
【0030】
シート部14には、複数の孔が形成される。複数の孔の大きさは、残餌FRの大きさよりも小さい。すなわち、複数の孔は、残餌FRが孔を通らないように形成される。たとえば、シート部14は、ネットである。
【0031】
回収部3は、生簀100を抜け、収集部2によって集められた残餌FRを回収する。回収部3は、収集部2に着脱可能である。回収部3は、本体部20と、取付板21(挿入部)と、上蓋部22(蓋部)と、下蓋部23と、逆流防止弁24と、固定部25とを備える。
【0032】
本体部20は、円筒状に形成される。本体部20には、第1開口部20aと、第2開口部とが形成される。第1開口部20aは、本体部20の上端に形成される。第2開口部は、本体部20の下端に形成される。本体部20には、収集部2によって集められた残餌FRが入る。
【0033】
取付板21は、本体部20の上端に設けられる。取付板21は、本体部20の上端の周縁から、本体部20の径方向の外側に広がるように設けられる。取付板21の外形は、矩形状である。取付板21は、挿入溝5に挿入可能である。回収部3は、取付板21が、挿入溝5に挿入されることで、収集部2に取り付けられる。
【0034】
上蓋部22は、取付板21に取付部材27を介して、取付板21に回動可能に取り付けられる。取付部材27は、上蓋部22の端部と、取付板21の端部とを接続するように構成される。取付部材27は、たとえば、蝶番である。
【0035】
上蓋部22は、取付板21に対して回動することで、本体部20の第1開口部20aを閉塞可能である。上蓋部22は、板状である。上蓋部22は、矩形状である。上蓋部22が第1開口部20aを閉塞する状態は、第1開口部20aが閉じられた閉じ状態である。
【0036】
上蓋部22が第1開口部20aを閉塞しない状態、たとえば、閉じ状態から、上蓋部22が本体部20の外周壁と向かい合うように回動した状態は、第1開口部20aが閉じられていない開き状態である。
【0037】
下蓋部23は、本体部20の下端に取り付けられる。下蓋部23は、本体部20に着脱可能である。たとえば、下蓋部23の内周壁、および、本体部20の下方の外周壁には、互いに噛み合うネジ部が形成される。下蓋部23が本体部20に取り付けられることで、本体部20の第2開口部が閉塞される。下蓋部23には、フック23aが設けられる。フック23aは、回収部3が収集部2から外された状態で水中を搬送される際に、たとえば、アクアリフターなどの浮き部材がかけられる。
【0038】
逆流防止弁24は、第1開口部20aに設けられる。逆流防止弁24は、本体部20に回収された残餌FRが、第1開口部20aから収集部2側へ出ることを抑制するように構成される。逆流防止弁24は、複数の弁体24aを備える。弁体24aは、リング状の枠体24bから、第1開口部20aの中心に向けて突出するように形成される。弁体24aの幅は、第1開口部20aの中心側となるにつれて細くなる。たとえば、弁体24aは、三角形に形成される。複数の弁体24aは、第1開口部20aの周方向に沿って並んで設けられる。弁体24aの先端は、枠体24bよりも下方に湾曲する。逆流防止弁24は、弾性部材によって構成される。たとえば、逆流防止弁24は、ゴム、シリコンなどの樹脂によって構成される。
【0039】
固定部25は、第1開口部20aが上蓋部22によって閉塞された場合に、第1開口部20aの閉塞状態(閉じ状態)を保持する。固定部25は、第1開口部20aを上蓋部22によって閉塞する閉じ状態で、上蓋部22と取付板21とを固定するロック機構である。
【0040】
固定部25は、面ファスナー25a、25bである。一方の面ファスナー25aは、取付板21の上面に取り付けられる。他方の面ファスナー25bは、上蓋部22に取り付けられる。
【0041】
なお、固定部25は、面ファスナー25a、25bに限られることはない。固定部25は、上蓋部22、および、取付板21のいずれか一方に設けられる爪部と、上蓋部22、および、取付板21の他方に設けられる係合部であってもよい。爪部が、係合部に係合することで、第1開口部20aが上蓋部22によって閉塞された状態に保持される。
【0042】
残餌回収装置1の収集部2は、開閉可能である。具体的には、支柱部13が回動されることで、支柱部13、および、シート部14が回動し、収集部2は、開閉する。すなわち、シート部14が開閉する。支柱部13が、本体部20の中心軸方向に回動されることで、収集部2は、図6に示すように閉じ状態となる。図6は、収集部2が閉じた状態を示す図である。収集部2が閉じ状態となることで、搬送が容易となる。たとえば、収集部2が閉じられることで、水中における残餌回収装置1(収集部2)の搬送が容易となる。従って、たとえば、作業者(ダイバー)は、生簀100に残餌回収装置1を取り付ける際の取り付け作業を容易に行うことができる。また、残餌回収装置1を陸上で搬送する場合にも、作業者(搬送者)は、搬送作業を容易に行うことができる。
【0043】
生簀100に残餌回収装置1が取り付けられる場合、収集部2の閉じ状態から、支柱部13が回動されることで、図2に示すように、収集部2が開かれる。収集部2が開かれた状態で、各支柱部13が、生簀100に取り付けられることで、残餌回収装置1が、生簀100に取り付けられる。
【0044】
生簀100に残餌回収装置1が取り付けられた状態で、餌Fが生簀100に投下された場合、残餌FRは、生簀100を抜けて、収集部2に入る。収集部2に入った残餌FRは、シート部14によって集められる。シート部14によって集められた残餌FRは、支持板10の孔10aを通り、回収部3の本体部20に形成された第1開口部20aに向けて落ちる。
【0045】
第1開口部20aまで落ちた残餌FRは、自重などによって逆流防止弁24の弁体24aを押し下げて、回収部3の本体部20に入る。本体部20内に入った残餌FRは、逆流防止弁24によって本体部20から、収集部2に出ることが抑制される。たとえば、潮流によって海水が本体部20内に流入した場合であっても、残餌FRは、逆流防止弁24によって本体部20から出ることが抑制される。
【0046】
残餌回収装置1は、図7において矢印で示すように、回収部3の取付板21が、収集部2の挿入溝5にスライドされることで、回収部3が収集部2に着脱される。図7は、回収部3が収集部2に着脱される状態を示す図である。生簀100に収集部2が取り付けられた状態で、回収部3は、収集部2に着脱可能である。そのため、回収部3が収集部2から外され、回収部3のみが搬送されることで、残餌FRの回収量の調査が可能となる。
【0047】
残餌FRの量が調査される場合、収集部2から外された回収部3は、上蓋部22によって第1開口部20aが閉塞される。上蓋部22は、固定部25によって取付板21に固定された状態で搬送される。そのため、回収部3が搬送される際に、回収部3内の残餌FRが、回収部3の外に流出することが抑制される。
【0048】
搬送された回収部3は、下蓋部23が本体部20から外されることで、容易に回収部3から残餌FRを取り出し可能となる。
【0049】
残餌回収装置1は、収集部2と、回収部3とを備える。収集部2は、水中に設けられる生簀100の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる。回収部3は、生簀100を抜け、かつ、収集部2によって集められた残餌FRを回収する。回収部3は、収集部2に着脱可能である。回収部3には、収集部2から残餌FRが入る第1開口部20aが形成される。回収部3は、逆流防止弁24を備える。逆流防止弁24は、回収された残餌FRが第1開口部20aから収集部2へ出ることを抑制する。
【0050】
これにより、残餌回収装置1は、回収部3によって回収した残餌FRが、回収部3から流出することを抑制することができる。そのため、残餌回収装置1は、残餌FRの回収性を向上させることができる。また、残餌FRの回収性が向上されるため、残餌FRに応じて、投下される餌が好適に調整可能となる。残餌回収装置1は、無駄な餌が投下されることを抑制できる。
【0051】
回収部3は、本体部20と、上蓋部22とを備える。本体部20には、第1開口部20aが形成される。上蓋部22は、第1開口部20aを閉塞可能である。
【0052】
これにより、回収部3が、収集部2から外されて搬送される場合、回収部3は、残餌FRが、回収部3から流出することを抑制することができる。残餌回収装置1は、残餌FRの回収性を向上させることができる。
【0053】
回収部3は、固定部25を備える。固定部25は、上蓋部22によって第1開口部20aが閉塞された場合に、第1開口部20aの閉塞状態を保持する。
【0054】
これにより、回収部3が、収集部2から外されて搬送される場合、回収部3は、上蓋部22が開くことを抑制することができる。そのため、回収部3は、残餌FRが、回収部3から流出することを抑制することができる。残餌回収装置1は、残餌FRの回収性を向上させることができる。
【0055】
収集部2は、開閉可能である。これにより、残餌回収装置1が搬送される場合、作業者は、収集部2を閉じた状態で搬送することができる。そのため、残餌回収装置1の搬送が容易となる。たとえば、残餌回収装置1を生簀100に取り付ける場合、作業者(ダイバー)は、海中における残餌回収装置1の搬送を容易に行うことできる。そのため、残餌回収装置1は、作業者の取り付け作業における負荷を低減することができる。
【0056】
収集部2は、回動支持部12と、支柱部13と、シート部14とを備える。支柱部13は、回動支持部12に回動可能に設けられる。シート部14は、支柱部13に取り付けられ、支柱部13の回動に応じて開閉する。
【0057】
これにより、収集部2は、支柱部13が回動されることで、開閉を切り替えることができる。そのため、作業者は、収集部2の開閉を容易に行うことができる。
【0058】
収集部2は、取付枠11を備える。取付枠11は、挿入溝5を形成する。回収部3は、取付板21を備える。取付板21は、挿入溝5に挿入可能である。
【0059】
これにより、作業者は、回収部3の取付板21を挿入溝5にスライドさせることで、回収部3を収集部2に着脱することができる。そのため、作業者は、回収部3の着脱作業を容易に行うことができる。
【0060】
変形例に係る残餌回収装置1は、図8に示すように、回収部3を面ファスナー25a、30によって収集部2に取り付けてもよい。図8は、変形例に係る残餌回収装置1における回収部3と、収集部2との取り付け方法を説明する図である。
【0061】
収集部2の支持板10の下面に、面ファスナー30が設けられる。支持板10に設けられる面ファスナー30は、上蓋部22に設けられる面ファスナー25bと同種の面ファスナーである。回収部3の取付板21に設けられた面ファスナー25aは、回収部3が収集部2に取り付けられる場合、支持板10の下面に設けられる面ファスナー30に取り付けられる。回収部3の取付板21に設けられた面ファスナー25aは、第1開口部20aを閉塞する場合、上蓋部22に設けられる面ファスナー25bに取り付けられる。すなわち、回収部3の取付板21に設けられた面ファスナー25aは、回収部3と収集部2との取り付け、および、上蓋部22による第1開口部20aの閉塞に用いられる。
【0062】
これにより、変形例に係る残餌回収装置1は、簡易な構成によって、回収部3を収集部2に取り付けることができる。
【0063】
なお、回収部3は、複数設けられてもよい。複数の回収部3は、上下方向に直交する方向に並べて設けられる。また、収集部2、および、回収部3は、複数設けられてもよい。すなわち、複数の残餌回収装置1が、上下方向に直交する方向に並べて設けられてもよい。
【0064】
また、本発明は、状況によらず、投下される餌を削減できるため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【0065】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 残餌回収装置
2 収集部
3 回収部
5 挿入溝
10 支持板
11 取付枠
12 回動支持部
13 支柱部
14 シート部
20 本体部
21 取付板(挿入部)
22 上蓋部(蓋部)
24 逆流防止弁
24a 弁体
25 固定部
25a 面ファスナー
25b 面ファスナー
30 面ファスナー
100 生簀
【要約】
【課題】残餌の回収性を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る残餌回収装置は、収集部と、回収部とを備える。収集部は、水中に設けられる生簀の下方に取り付けられ、下方となるにつれて狭くなる。回収部は、生簀を抜け、かつ、収集部によって集められた残餌を回収し、収集部に着脱可能である。回収部には、収集部から残餌が入る開口部が形成される。回収部は、逆流防止弁を備える。逆流防止弁は、回収した残餌が開口部から収集部へ出ることを抑制する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8