(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61L 27/04 20060101AFI20240410BHJP
A61F 2/32 20060101ALI20240410BHJP
A61F 2/34 20060101ALI20240410BHJP
A61F 2/36 20060101ALI20240410BHJP
A61L 27/56 20060101ALI20240410BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20240410BHJP
B22F 1/05 20220101ALI20240410BHJP
B22F 3/11 20060101ALI20240410BHJP
B22F 10/00 20210101ALI20240410BHJP
B22F 10/38 20210101ALI20240410BHJP
B22F 10/64 20210101ALI20240410BHJP
B22F 10/66 20210101ALI20240410BHJP
B22F 10/68 20210101ALI20240410BHJP
C22C 16/00 20060101ALI20240410BHJP
C22F 1/18 20060101ALI20240410BHJP
C22F 1/00 20060101ALN20240410BHJP
【FI】
A61L27/04
A61F2/32
A61F2/34
A61F2/36
A61L27/56
B22F1/00 R
B22F1/05
B22F3/11 A
B22F10/00
B22F10/38
B22F10/64
B22F10/66
B22F10/68
C22C16/00
C22F1/18 E
C22F1/00 613
C22F1/00 621
C22F1/00 624
C22F1/00 628
C22F1/00 630A
C22F1/00 630D
C22F1/00 630E
C22F1/00 672
C22F1/00 675
C22F1/00 687
C22F1/00 691
C22F1/00 691A
C22F1/00 691B
C22F1/00 692
C22F1/00 692A
C22F1/00 692B
(21)【出願番号】P 2022545925
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2021101277
(87)【国際公開番号】W WO2022088701
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】202011195096.3
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522225594
【氏名又は名称】嘉思特医療器材(天津)股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】劉 念
(72)【発明者】
【氏名】叶 金鐸
(72)【発明者】
【氏名】提 浩強
(72)【発明者】
【氏名】周 紅秀
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106618804(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106236328(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177597(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03698902(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00437079(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 15/00-33/18
B22F 1/00-12/90
C22F 1/00
C22F 1/18
C22C 16/00
A61F 2/32
A61F 2/34
A61F 2/36
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)カップ及びステムの製造:
1-1)ジルコニウム・ニオブ合金粉末を原料として、3Dプリントで一体成形してそれぞれ前記カップの第1の中間生成物及び前記ステムの第1の中間生成物を得、2種類の第1の中間生成物を熱間静水圧加圧装置に入れ、ヘリウムガス又はアルゴンガスの保護雰囲気下にて、温度を1250℃~1400℃に上げ、140MPa~180MPaにて一定温度で1時間~3時間放置しながら常圧まで下げ、200℃以下となるまで炉内で冷却して取り出し、2種類の第2の中間生成物を得るステップ、
1-2)前記2種類の第2の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-80℃~-120℃に下げ、一定温度で5時間~10時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて16時間~36時間置き、温度を室温に調整して2種の第3の中間生成物を得るステップ、
1-3)前記2種類の第3の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-80℃~-120℃に下げ、一定温度で5時間~10時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて16時間~36時間置き、温度を室温に調整して2種類の第4の中間生成物を得るステップ、
1-4)前記2種類の第4の中間生成物を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、2種類の第5の中間生成物を得るステップ、及び、
1-5)前記2種類の第5の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量5質量%~15質量%の常圧ヘリウムガス又はアルゴンガスを導入し、5℃/分~20℃/分で500℃~700℃に加熱し、0.4℃/分~0.9℃/分で温度を400℃~495℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、前記カップ及び前記ステムをそれぞれ得るステップ、
2)ライナー及び骨頭の製造:
2-1)ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、前記ライナー又は前記骨頭の中間生成物をそれぞれ得るステップ(ライナーの中間生成物の内外面の表面粗さはRa≦0.050μmであり、前記骨頭の中間生成物の外面の表面粗さがRa≦0.050μm)、及び
2-2)前記ライナーの中間生成物及び前記骨頭の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量5質量%~15質量%の常圧ヘリウムガス又はアルゴンガスを導入し、5℃/分~20℃/分で500℃~700℃に加熱し、0.4℃/分~0.9℃/分で温度を400℃~495℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、前記ライナー及び前記骨頭をそれぞれ得るステップ
を含む酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムの製造方法であって、
前記酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムは、ステム(1)と、骨頭(2)と、ライナー(3)と、カップ(4)とを備え;
前記ステムは、球形ヘッド(11)と、ネック部(12)と、レグ部(13)とを備え、前記レグ部(13)はレグ部近位端(14)と、レグ部遠位端(14)とを備え、前記レグ部近位端の外面にステム骨梁(16)が設けられ、前記ステム骨梁(16)は外側上部領域(1101)、下部領域(1102)、内側上部領域(191)、及び内側下部領域(192)に分割され、前記外側上部領域(1101)及び前記内側下部領域(192)に設けられた骨梁は第1種の骨梁(112)、前記内側上部領域(191)に設けられた骨梁は第2種の骨梁(113)、前記下部領域(1102)に設けられた骨梁は第3種の骨梁(114)であり;前記第1種の骨梁(112)の気孔径及び気孔率は、順次に前記第2種の骨梁(113)及び前記第3種の骨梁(114)より小さく;
前記カップの前記第1の中間生成物、前記第2の中間生成物、前記第3の中間生成物、前記第4の中間生成物、前記第5の中間生成物は、前記カップの構造と同じであり;
前記ステムの前記第1の中間生成物、前記第2の中間生成物、前記第3の中間生成物、前記第4の中間生成物、前記第5の中間生成物は、前記ステムの構造と同じであり;
前記カップの構造は、半球状の本体(49)を備え、前記半球状の本体の中央にめねじ付き第1の丸穴(41)が設けられ、
前記半球状の本体の外面にカップ骨梁(43)が設けられ、前記カップ骨梁(43)は分割して設けられ、第1の領域分割線(46)と第2の領域分割線(45)は交差し、交点が前記めねじ付き第1の丸穴(41)の中心を通り、第3の領域分割線(44)が円形を呈し、前記半球状の本体の縁の近くに位置し;前記第1の領域分割線、前記第2の領域分割線、及び前記第3の領域分割線は、前記半球状の本体の外面を第1の上部領域(471)、第1の下部領域(472)、第2の上部領域(473)、第2の下部領域(474)、第3の上部領域(475)、第3の下部領域(476)、第4の上部領域(477)、及び第4の下部領域(478)に分割し、前記第1の上部領域、前記第2の上部領域、前記第3の上部領域、及び前記第4の上部領域の面積は等しく;前記半球状の本体の一側にめねじ付き第2の丸穴42が設けられ、前記めねじ付き第2の丸穴(42)の数は3で、うちの2つが前記第1の上部領域(471)及び前記第3の上部領域(475)内の各々設けられ、残りの1つが前記第1の上部領域(471)と前記第3の上部領域(475)の境界部に設けられ;
前記第3の上部領域及び前記第4の上部領域に第4種の骨梁(481)が設けられ、
前記第3の下部領域及び前記第4の下部領域に第5種の骨梁(482)が設けられ、
前記第1の上部領域に第6種の骨梁(483)が設けられ、
前記第1の下部領域に第7種の骨梁(484)が設けられ、
前記第2の上部領域に第8種の骨梁4(485)が設けられ、
前記第2の下部領域に第9種の骨梁(486)が設けられ;
前記第4種の骨梁の気孔径及び気孔率は、順次に前記第5種の骨梁、前記第6種の骨梁、前記第7種の骨梁、前記第8種の骨梁、前記第9種の骨梁より小さい、
ことを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
ジルコニウム・ニオブ合金粉末の化学組成は、質量%で、Zr:85.6%~96.5%、Nb:1.0%~12.5%を含有し、残部が不可避不純物であり;前記ジルコニウム・ニオブ合金粉末の粒子径は、45~150μmであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品の化学組成は、質量%で、Zr:85.6%~96.5%、Nb:1.0%~12.5%を含有し、残部が不可避不純物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1種の骨梁(112)の気孔径は、700μm~770μmで、気孔率が65%~75%であり;
前記第2種の骨梁(113)の気孔径は、780μm~850μmで、気孔率が76%~80%であり;
前記第3種の骨梁(114)の気孔径は、860μm~950μmで、気孔率が81%~85%であり;
前記第1種の骨梁、前記第2種の骨梁及び前記第3種の骨梁は、1.2mm~1.5mmの範囲の同じ厚さを有し;
前記第4種の骨梁(481)の気孔径は、700μm~740μmで、気孔率が65%~70%であり;
前記第5種の骨梁(482)の気孔径は、750μm~770μmで、気孔率が71%~75%であり;
前記第6種の骨梁(483)の気孔径は、780μm~810μmで、気孔率が76%~78%であり;
前記第7種の骨梁(484)の気孔径は、820μm~850μmで、気孔率が79%~80%であり;
前記第8種の骨梁(485)の気孔径は、860μm~900μmで、気孔率が81%~83%であり;
前記第9種の骨梁(486)の気孔径は、910μm~950μmで、気孔率が84%~85%であり;
前記第4種の骨梁、前記第5種の骨梁、前記第6種の骨梁、前記第7種の骨梁、前記第8種の骨梁、及び前記第9種の骨梁は、1.2mm~1.5mmの範囲の同じ厚さを有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工関節の技術分野に関し、特に、酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人工股関節置換術は、大腿骨頭壊死、発育性股関節形成不全、変形性股関節症、関節リウマチなどの末期疾患の治療に最も重要かつ効果的な手術の一つであり、人口の高齢化に伴い、このような患者が年々増加している。
【0003】
現在、臨床使用されている人工股関節プロテーゼには、骨セメント固定プロテーゼ及び骨セメントレス固定プロテーゼが含まれる。骨セメントレスプロテーゼは、骨の内方成長特性が優れているため、ますます幅広く使用されている。
【0004】
骨セメントレス固定人工股関節のオッセオインテグレーション界面は、通常次の2つの方法が用いられ、第1種はステムの表面にヒドロキシアパタイトコーティング又はチタンコーティングをスプレーする方法で、第2種が骨梁のような多孔質構造が表面にプリントされたスリーブで、ステムとスリーブを組み付ける方法である。ただし、第1種の方法の表面コーティングに脱落リスクがあるため、使用効果に影響を与える。第2種の方法のスリーブは、ステムとの組み立て構造であるため、臨床研究によると、ステムの構造設計でスリーブと組み合わせるため、構造設計でのステムのネック部に断面が突然変化するという問題があり、当該位置に著しく応力集中という問題があった。臨床において組立ステムが直面する主なリスクには、ステムのネック部に著しい応力集中があり、かつステムとスリーブの嵌合不良が発生しやすいというリスクが含まれる。上述のリスクの存在は、股関節プロテーゼシステム全体の故障につながる可能性がある。
【0005】
骨梁カップの設計及び応用に関して、現在、多くの国内医療機器会社が製造した骨梁カップは、均質な骨梁設計方法が用いられ、結果、カップと骨盤の接触圧の分布が不均一の影響を受け、骨盤上の圧縮ひずみ分布も不均一になり、カップの上部近くの骨盤のごく一部の領域だけが骨の成長条件を満たし、カップと接触している大部分の骨組織は骨の成長条件を満たしておらず、臨床的には、骨が成長しない又は圧縮ひずみの過大或いは過小による骨吸収を引き起こしやすいという主な問題が存在していた。
【0006】
現在、ステム外面の骨梁構造の多くは、均一な分布方法を用い、臨床データによると、均質な骨梁構造を用いたステムは、ステムの上部外側、下部内側及び下部外側における骨組織の骨の内方成長特性は理想的ではない。更なる研究によると、上部外側及び下部内側での骨の内方成長特性が理想的ではない主な原因は、ステムと骨組織の接触圧力が小さく、ステムの上部外側及び下部内側と結合する骨組織の圧縮ひずみ値が小さい傾向にあり、1000微ひずみより低く、骨組織の成長条件を満たさず、同時に下部外側領域でのステムと骨組織の接触圧力が大きすぎ、ステムと結合する骨組織の圧縮ひずみ値が大きい傾向にあり、3000微ひずみより高く、骨組織の成長条件も満たさない。したがって、プリントされたステム全体は、均質な骨梁が用いられることで、ステムのコーティング脱落問題及び組立ステムの連結不良問題を克服できるが、骨梁構造上の骨組織の均一な内方成長を確保することができない。
【0007】
骨頭及びライナーの製造に関し、現在、骨頭とライナーの組付け方法は、主にチタン合金球状ヘッドと高架橋ポリエチレンライナー及びセラミック球状ヘッドとセラミックライナーである。チタン合金球状ヘッドと高架橋ライナーの組み付けには、高架橋ポリエチレンの摩耗によって形成された破片が骨溶解を引き起こしやすいという問題がある。また、セラミック球状ヘッドとセラミックライナーの衝撃に耐える能力は低く、衝撃によるセラミックの脱落でプロテーゼが故障する原因になる。
【0008】
ジルコニウム・ニオブ合金は、優れた耐食性、機械的性質、及び優れた生体適合性を備え、医療機器の分野で徐々に応用されている。ジルコニウム・ニオブ合金は、N、C、Oなどの元素と反応して、表面に硬い酸化物層を形成でき、優れた耐摩耗性及び低い摩耗率を備えているため、柔軟な材料の摩耗を低減でき、すなわち関節表面・界面の耐摩耗性に優れている。かつ酸化物層は、金属イオンの放出を減らすことができ、優れた生体適合性を持ち、すなわちオッセオインテグレーション界面との生体適合性に優れている。摩耗率の低い関節面と骨の内方成長の特性に優れたオッセオインテグレーション界面(骨梁)との有機的な組み合わせるにより、プロテーゼは両方の界面の利点を同時に実現させることができる。
【0009】
アディティブマニュファクチャリングテクノロジーとしての3Dプリント技術は、製造プロセスに向けた製品設計コンセプトを打ち破り、パフォーマンスに向けた製品設計コンセプトを実現し、すなわち複雑な部品の一体成形の難しさを解決するだけでなく、機械加工による原材料及びエネルギーの無駄を減少する。しかし3Dプリント製品の実体部分は、微細構造の不均一性、内部欠陥、機械的性質の低下などの問題が発生しやすく、骨梁部分の構造内の粉末は十分に溶融結合できず、機械的性質は劣る。したがって、機械的性質に優れ、両方の界面の利点を同時に実現し、酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムを製造することは重要な意味を持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来技術における上述の問題点の克服を意図しており、酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムを提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の技術的手段は、次の通りである。
【0013】
1)カップ及びステムの製造:
1-1)ジルコニウム・ニオブ合金粉末を原料として、3Dプリントで一体成形してそれぞれカップの第1の中間生成物及びステムの第1の中間生成物を得、2種類の第1の中間生成物を熱間静水圧加圧装置に入れ、ヘリウムガス又はアルゴンガスの保護雰囲気下にて、温度を1250℃~1400℃に上げ、140MPa~180MPaにて一定温度で1時間~3時間放置しながら常圧まで下げ、200℃以下となるまで炉内で冷却して取り出し、2種類の第2の中間生成物を得るステップ、
1-2)2種類の第2の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-80℃~-120℃に下げ、一定温度で5時間~10時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて16時間~36時間置き、温度を室温に調整して2種の第3の中間生成物を得るステップ、
1-3)2種類の第3の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-80℃~-120℃に下げ、一定温度で5時間~10時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて16時間~36時間置き、温度を室温に調整して2種類の第4の中間生成物を得るステップ、
1-4)2種類の第4の中間生成物を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、2種類の第5の中間生成物を得るステップ、及び、
1-5)2種類の第5の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量5質量%~15質量%の常圧ヘリウムガス又はアルゴンガスを導入し、5℃/分~20℃/分で500℃~700℃に加熱し、0.4℃/分~0.9℃/分で温度を400℃~495℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、カップ及びステムをそれぞれ得るステップ、
2)ライナー及び骨頭の製造:
2-1)ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、ライナー又は骨頭の中間生成物をそれぞれ得るステップ(ライナーの中間生成物の内外面の表面粗さはRa≦0.050μmであり、骨頭の中間生成物の外面の表面粗さがRa≦0.050μm)、及び
2-2)ライナーの中間生成物及び骨頭の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量5質量%~15質量%の常圧ヘリウムガス又はアルゴンガスを導入し、5℃/分~20℃/分で500℃~700℃に加熱し、0.4℃/分~0.9℃/分で温度を400℃~495℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、ライナー及び骨頭をそれぞれ得るステップ
を含む酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム的製造方法であって、
カップの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、カップの構造と同じであり;
ステムの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、ステムの構造と同じであり;
前記酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムは、ステム1と、骨頭2と、ライナー3と、カップ4とを備え;
前記ステムは、球形ヘッド11と、ネック部12と、レグ部13とを備え、前記レグ部13はレグ部近位端14と、レグ部遠位端15とを備え、前記レグ部近位端の外面にステム骨梁16が設けられ、ステム骨梁16は外側上部領域1101、下部領域1102、内側上部領域191、及び内側下部領域192に分割され、外側上部領域1101及び内側下部領域192に設けられた骨梁は第1種の骨梁112、内側上部領域191に設けられた骨梁は第2種の骨梁113、下部領域1102に設けられた骨梁は第3種の骨梁114であり;前記第1種の骨梁112の気孔径及び気孔率は、順次に第2種の骨梁113及び第3種の骨梁114より小さく;
前記カップの構造は、半球状の本体49を備え、前記半球状の本体の中央にめねじ付き第1の丸穴41が設けられ、半球状の本体の外面にカップ骨梁43が設けられ、前記カップ骨梁43は分割して設けられ、第1の領域分割線46と第2の領域分割線45は交差し、交点がめねじ付き第1の丸穴41の中心を通り、第3の領域分割線44が円形を呈し、半球状の本体の縁の近くに位置し;第1の領域分割線、第2の領域分割線、及び第3の領域分割線は、半球状の本体の外面を第1の上部領域471、第1の下部領域472、第2の上部領域473、第2の下部領域474、第3の上部領域475、第3の下部領域476、第4の上部領域477、及び第4の下部領域478に分割し、第1の上部領域、第2の上部領域、第3の上部領域、及び第4の上部領域の面積は等しく;前記半球状の本体の一側にめねじ付き第2の丸穴42が設けられ、前記めねじ付き第2の丸穴42の数は3で、うちの2つが第1の上部領域471及び第3の上部領域475内の各々設けられ、残りの1つが第1の上部領域471と第3の上部領域475の境界部に設けられ;
第3の上部領域及び第4の上部領域に第4種の骨梁481が設けられ、第3の下部領域及び第4の下部領域に第5種の骨梁482が設けられ、第1の上部領域に第6種の骨梁483が設けられ、第1の下部領域に第7種の骨梁484が設けられ、第2の上部領域に第8種の骨梁485が設けられ、第2の下部領域に第9種の骨梁486が設けられ;第4種の骨梁の気孔径及び気孔率は、順次に第5種の骨梁、第6種の骨梁、第7種の骨梁、第8種の骨梁、第9種の骨梁より小さい。
【0014】
ジルコニウム・ニオブ合金粉末の化学組成は、質量%で、Zr:85.6%~96.5%、Nb:1.0%~12.5%を含有し、残部が不可避不純物であり;ジルコニウム・ニオブ合金粉末の粒子径は、45~150μmである。
【0015】
前記ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品の化学組成は、質量%で、Zr:85.6%~96.5%、Nb:1.0%~12.5%を含有し、残部が不可避不純物である。
【0016】
ステップ1-2)及びステップ1-3)の温度調整は、温度を-120℃~-80℃に上げ、一定温度で3時間~5時間保持し、次に温度を-40℃~-20℃に上げ、一定温度で3時間~5時間保持し、さらに温度を4℃~8℃に上げ、一定温度で1時間~3時間保持した後、温度を上げる。
【0017】
前記第1種の骨梁112の気孔径は、700μm~770μmで、気孔率が65%~75%であり;第2種の骨梁113の気孔径は、780μm~850μmで、気孔率が76%~80%であり;第3種の骨梁114の気孔径は、860μm~950μmで、気孔率が81%~85%であり;前記第1種の骨梁、第2種の骨梁及び第3種の骨梁は、1.2mm~1.5mmの範囲の同じ厚さを有し;
前記第4種の骨梁481の気孔径は、700μm~740μmで、気孔率が65%~70%であり;前記第5種の骨梁482の気孔径は、750μm~770μmで、気孔率が71%~75%であり;前記第6種の骨梁483の気孔径は、780μm~810μmで、気孔率が76%~78%であり;前記第7種の骨梁484の気孔径は、820μm ~850μmで、気孔率が79%~80%であり;前記第8種の骨梁485の気孔径は、860μm~900μmで、気孔率が81%~83%であり;前記第9種の骨梁486の気孔径は、910μm~950μmで、気孔率が84%~85%であり;前記第4種の骨梁、第5種の骨梁、第6種の骨梁、第7種の骨梁、第8種の骨梁、及び第9種の骨梁は、1.2mm~1.5mmの範囲の同じ厚さを有する。
【0018】
上記方法で製造された酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の領域分割骨梁の股関節プロテーゼシステムである。
【発明の効果】
【0019】
従来技術と比較して、本発明は、次の有利な効果を有する。
【0020】
本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステム及びカップは、採3Dプリントで一体成形し、従来の機械加工では複雑な構造を作製できないこと及びスリーブとステムのボディ部との接続や嵌合不良という難題を解決し、かつ骨梁と実体との結合強度が高く、脱落し難くなり、プロテーゼの寿命を延ばす。
【0021】
本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステムは、均質な骨梁が発生する可能性のある骨梁の外側及び内側の下部領域における大腿骨の圧縮ひずみ値が小さすぎるか大きすぎることによる骨吸収等の問題を解決し、大腿骨組織の大部分の圧縮ひずみ値を1000~3000の範囲の微小ひずみにさせ、骨成長の理論に沿っており、骨梁領域での骨の均一な内方成長を確保する。
【0022】
本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのカップは、領域分割骨梁方法を用い、骨の成長のため適切な環境を提供する。有限要素解析の結果によると、骨組織の有限要素モデルにおける骨成長条件を満たす領域は40%に達し、カップとホストボーンのオッセオインテグレーションを実現できる。
【0023】
本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムの一体化により、オッセオインテグレーション界面の優れた生体適合性、骨の内方成長性及び摩擦界面の超耐摩耗性、低摩耗率を実現する。骨頭及びライナーの表面が酸化されてセラミック表面を形成し、摩擦界面の超耐摩耗性と低摩耗率を実現し;ステム及びカップは、オッセオインテグレーション界面の優れた骨の内方成長性及び生体適合性を実現する。
【0024】
本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムは、アーチファクトが低く、核磁気共鳴への干渉がほぼなく、核磁気共鳴画像検査を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムの構造分解図である。
【
図11】比較例1のステムひずみ分布のクラウドマップである。
【
図12】実施例1のステムひずみ分布のクラウドマップである。
【
図13】比較例1のカップひずみ分布のクラウドマップである。
【
図14】実施例1のカップひずみ分布のクラウドマップである。
【
図15】比較例2のステムの実体部分の金属組織学的微細構造画像である。
【
図16】製造方法におけるステップ1-4)及びステップ1-5)を実施しない実施例1のステムの実体部分の金属組織学的微細構造画像である。
【
図18】製造方法におけるステップ1-4)及びステップ1-5)を実施しない実施例1のステム骨梁SEM画像である。
【
図19】実施例1のステムの酸化物層及びマトリックスの横断面SEM画像である。
【
図20】実施例1のステムの酸化物層表面のXRD曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下には、添付の図面及び実施例を参照しつつ本発明をさらに説明する。
【0027】
(実施例1)
1)カップ及びステムの製造:
1-1)ジルコニウム・ニオブ合金粉末を原料として、3Dプリントで一体成形してそれぞれカップの第1の中間生成物及びステムの第1の中間生成物を得、2種類の第1の中間生成物を熱間静水圧加圧装置に入れ、ヘリウムガスの保護雰囲気下にて、温度を1250℃に上げ、180MPaにて一定温度で3時間放置しながら常圧まで下げ、200℃以下となるまで炉内で冷却して取り出し、2種類の第2の中間生成物を得るステップ、
1-2)2種類の第2の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-80℃に下げ、一定温度で10時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて16時間置き、温度を室温に調整して2種の第3の中間生成物を得るステップ、
1-3)2種類の第3の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-80℃に下げ、一定温度で10時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて16時間置き、温度を室温に調整して2種類の第4の中間生成物を得るステップ、
1-4)2種類の第4の中間生成物を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、2種類の第5の中間生成物を得るステップ、及び、
1-5)2種類の第5の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量5質量%の常圧ヘリウムガスを導入し、5℃/分で500℃に加熱し、0.4℃/分で温度を400℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、カップ及びステムをそれぞれ得るステップ、
2)ライナー及び骨頭の製造:
2-1)ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、ライナー又は骨頭の中間生成物をそれぞれ得るステップ(ライナーの中間生成物の内外面の表面粗さはRa=0.012μmであり、骨頭の中間生成物の外面の表面粗さがRa=0.012μm)、及び
2-2)ライナーの中間生成物及び骨頭の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量5質量%~15質量%の常圧ヘリウムガスを導入し、5℃/分で500℃に加熱し、0.4℃/分で温度を400℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、ライナー及び骨頭をそれぞれ得るステップ
を含む酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム的製造方法であって、
カップの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、カップの構造と同じであり;
ステムの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、ステムの構造と同じであり;
前記酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム(
図1)は、ステム1と、骨頭2(
図9)と、ライナー3(
図10)と、カップ4とを備え;
前記ステム(
図2~
図4)は、球形ヘッド11と、ネック部12と、レグ部13とを備え、前記レグ部13はレグ部近位端14と、レグ部遠位端15とを備え、前記レグ部近位端の外面にステム骨梁16が設けられ、ステム骨梁16は外側上部領域1101、下部領域1102、内側上部領域191、及び内側下部領域192に分割され、外側上部領域1101及び内側下部領域192に設けられた骨梁は第1種の骨梁112、内側上部領域191に設けられた骨梁は第2種の骨梁113、下部領域1102に設けられた骨梁は第3種の骨梁114であり;
前記カップの構造(
図5~
図8)は、半球状の本体49を備え、前記半球状の本体の中央にめねじ付き第1の丸穴41が設けられ、半球状の本体の外面にカップ骨梁43が設けられ、前記カップ骨梁43は分割して設けられ、第1の領域分割線46と第2の領域分割線45は交差し、交点がめねじ付き第1の丸穴41の中心を通り、第3の領域分割線44が円形を呈し、半球状の本体の縁の近くに位置し;第1の領域分割線、第2の領域分割線、及び第3の領域分割線は、半球状の本体の外面を第1の上部領域471、第1の下部領域472、第2の上部領域473、第2の下部領域474、第3の上部領域475、第3の下部領域476、第4の上部領域477、及び第4の下部領域478に分割し、第1の上部領域、第2の上部領域、第3の上部領域、及び第4の上部領域の面積は等しく;前記半球状の本体の一側にめねじ付き第2の丸穴42が設けられ、前記めねじ付き第2の丸穴42の数は3で、うちの2つが第1の上部領域471及び第3の上部領域475内の各々設けられ、残りの1つが第1の上部領域471と第3の上部領域475の境界部に設けられ;
第3の上部領域及び第4の上部領域に第4種の骨梁481が設けられ、第3の下部領域及び第4の下部領域に第5種の骨梁482が設けられ、第1の上部領域に第6種の骨梁483が設けられ、第1の下部領域に第7種の骨梁484が設けられ、第2の上部領域に第8種の骨梁485が設けられ、第2の下部領域に第9種の骨梁486が設けられ;
前記ジルコニウム・ニオブ合金粉末の化学組成は、質量%で、Zr:85.6%、Nb:12.5%を含有し、残部が不可避不純物であり;ジルコニウム・ニオブ合金粉末の粒子径は、45~150μmである。
【0028】
前記ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品の化学組成は、質量%で、Zr:85.6%、Nb:12.5%を含有し、残部が不可避不純物である。
【0029】
ステップ1-2)及びステップ1-3)の温度調整は、温度を-120℃に上げ、一定温度で5時間保持し、次に温度を-40℃に上げ、一定温度で5時間保持し、さらに温度を4℃に上げ、一定温度で3時間保持した後、温度を上げる。
【0030】
前記第1種の骨梁112の気孔径は、700μmで、気孔率が65%であり;第2種の骨梁113の気孔径は、780μmで、気孔率が76%であり;第3種の骨梁114の気孔径は、860μmで、気孔率が81%であり;前記第1種の骨梁、第2種の骨梁及び第3種の骨梁は、1.2mmの同じ厚さを有し;
前記第4種の骨梁481の気孔径は、700μmで、気孔率が65%であり;前記第5種の骨梁482の気孔径は、750μmで、気孔率が71%であり;前記第6種の骨梁483の気孔径は、780μmで、気孔率が76%であり;前記第7種の骨梁484の気孔径は、820μmで、気孔率が79%であり;前記第8種の骨梁485の気孔径は、860μmで、気孔率が81%であり;前記第9種の骨梁486の気孔径は、910μmで、気孔率が84%であり;前記第4種の骨梁、第5種の骨梁、第6種の骨梁、第7種の骨梁、第8種の骨梁、及び第9種の骨梁は、1.2mmの同じ厚さを有する。
【0031】
(実施例2)
1)カップ及びステムの製造:
1-1)ジルコニウム・ニオブ合金粉末を原料として、3Dプリントで一体成形してそれぞれカップの第1の中間生成物及びステムの第1の中間生成物を得、2種類の第1の中間生成物を熱間静水圧加圧装置に入れ、アルゴンガスの保護雰囲気下にて、温度を1325℃に上げ、160MPaにて一定温度で2時間放置しながら常圧まで下げ、200℃以下となるまで炉内で冷却して取り出し、2種類の第2の中間生成物を得るステップ、
1-2)2種類の第2の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-100℃に下げ、一定温度で7時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて24時間置き、温度を室温に調整して2種の第3の中間生成物を得るステップ、
1-3)2種類の第3の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-100℃に下げ、一定温度で7時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて24時間置き、温度を室温に調整して2種類の第4の中間生成物を得るステップ、
1-4)2種類の第4の中間生成物を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、2種類の第5の中間生成物を得るステップ、及び、
1-5)2種類の第5の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量10質量%の常圧アルゴンガスを導入し、15℃/分で600℃に加熱し、0.7℃/分で温度を450℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、カップ及びステムをそれぞれ得るステップ、
2)ライナー及び骨頭の製造:
2-1)ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、ライナー又は骨頭の中間生成物をそれぞれ得るステップ(ライナーの中間生成物の内外面の表面粗さはRa=0.035μmであり、骨頭の中間生成物の外面の表面粗さがRa=0.035μm)、及び
2-2)ライナーの中間生成物及び骨頭の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量10質量%の常圧アルゴンガスを導入し、15℃/分で600℃に加熱し、0.7℃/分で温度を450℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、ライナー及び骨頭をそれぞれ得るステップ
を含む酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム的製造方法であって、
カップの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、カップの構造と同じであり;
ステムの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、ステムの構造と同じであり;
前記酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムは、ステム1と、骨頭2と、ライナー3と、カップ4とを備え;
前記ステムは、球形ヘッド11と、ネック部12と、レグ部13とを備え、前記レグ部13はレグ部近位端14と、レグ部遠位端15とを備え、前記レグ部近位端の外面にステム骨梁16が設けられ、ステム骨梁16は外側上部領域1101、下部領域1102、内側上部領域191、及び内側下部領域192に分割され、外側上部領域1101及び内側下部領域192に設けられた骨梁は第1種の骨梁112、内側上部領域191に設けられた骨梁は第2種の骨梁113、下部領域1102に設けられた骨梁は第3種の骨梁114であり;
前記カップの構造は、半球状の本体49を備え、前記半球状の本体の中央にめねじ付き第1の丸穴41が設けられ、半球状の本体の外面にカップ骨梁43が設けられ、前記カップ骨梁43は分割して設けられ、第1の領域分割線46と第2の領域分割線45は交差し、交点がめねじ付き第1の丸穴41の中心を通り、第3の領域分割線44が円形を呈し、半球状の本体の縁の近くに位置し;第1の領域分割線、第2の領域分割線、及び第3の領域分割線は、半球状の本体の外面を第1の上部領域471、第1の下部領域472、第2の上部領域473、第2の下部領域474、第3の上部領域475、第3の下部領域476、第4の上部領域477、及び第4の下部領域478に分割し、第1の上部領域、第2の上部領域、第3の上部領域、及び第4の上部領域の面積は等しく;前記半球状の本体の一側にめねじ付き第2の丸穴42が設けられ、前記めねじ付き第2の丸穴42の数は3で、うちの2つが第1の上部領域471及び第3の上部領域475内の各々設けられ、残りの1つが第1の上部領域471と第3の上部領域475の境界部に設けられ;
第3の上部領域及び第4の上部領域に第4種の骨梁481が設けられ、第3の下部領域及び第4の下部領域に第5種の骨梁482が設けられ、第1の上部領域に第6種の骨梁483が設けられ、第1の下部領域に第7種の骨梁484が設けられ、第2の上部領域に第8種の骨梁485が設けられ、第2の下部領域に第9種の骨梁486が設けられ;
前記ジルコニウム・ニオブ合金粉末の化学組成は、質量%で、Zr:93.4%、Nb:5.1%を含有し、残部が不可避不純物であり;ジルコニウム・ニオブ合金粉末の粒子径は、45~150μmである。
【0032】
前記ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品の化学組成は、質量%で、Zr:93.4%、Nb:5.1%を含有し、残部が不可避不純物である。
【0033】
ステップ1-2)及びステップ1-3)の温度調整は、温度を-100℃に上げ、一定温度で4時間保持し、次に温度を-30℃~に上げ、一定温度で4時間保持し、さらに温度を6℃に上げ、一定温度で2時間保持した後、温度を上げる。
【0034】
前記第1種の骨梁112の気孔径は、740μmで、気孔率が70%であり;第2種の骨梁113の気孔径は、810μmで、気孔率が78%であり;第3種の骨梁114の気孔径は、900μmで、気孔率が83%であり;前記第1種の骨梁、第2種の骨梁及び第3種の骨梁は、1.3mmの同じ厚さを有し;
前記第4種の骨梁481の気孔径は、720μmで、気孔率が67%であり;前記第5種の骨梁482の気孔径は、760μmで、気孔率が73%であり;前記第6種の骨梁483の気孔径は、800μmで、気孔率が77%であり;前記第7種の骨梁484の気孔径は、840μmで、気孔率が79.5%であり;前記第8種の骨梁485の気孔径は、880μmで、気孔率が82%であり;前記第9種の骨梁486の気孔径は、930μmで、気孔率が84.5%であり;前記第4種の骨梁、第5種の骨梁、第6種の骨梁、第7種の骨梁、第8種の骨梁、及び第9種の骨梁は、1.3mmの同じ厚さを有する。
【0035】
(実施例3)
1)カップ及びステムの製造:
1-1)ジルコニウム・ニオブ合金粉末を原料として、3Dプリントで一体成形してそれぞれカップの第1の中間生成物及びステムの第1の中間生成物を得、2種類の第1の中間生成物を熱間静水圧加圧装置に入れ、アルゴンガスの保護雰囲気下にて、温度を1400℃に上げ、140MPaにて一定温度で1時間放置しながら常圧まで下げ、200℃以下となるまで炉内で冷却して取り出し、2種類の第2の中間生成物を得るステップ、
1-2)2種類の第2の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-120℃に下げ、一定温度で5時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて36時間置き、温度を室温に調整して2種の第3の中間生成物を得るステップ、
1-3)2種類の第3の中間生成物をプログラム冷却ボックスに入れ、1℃/分の速度で温度を-120℃に下げ、一定温度で5時間放置し、プログラム冷却ボックスから取り出し、液体窒素内に入れて36時間置き、温度を室温に調整して2種類の第4の中間生成物を得るステップ、
1-4)2種類の第4の中間生成物を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、2種類の第5の中間生成物を得るステップ、及び、
1-5)2種類の第5の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量15質量%の常圧アルゴンガスを導入し、20℃/分で700℃に加熱し、0.9℃/分で温度を495℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、カップ及びステムをそれぞれ得るステップ、
2)ライナー及び骨頭の製造:
2-1)ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品を機械加工トリミング、光沢仕上げ、洗浄及び乾燥させ、ライナー又は骨頭の中間生成物をそれぞれ得るステップ(ライナーの中間生成物の内外面の表面粗さはRa=0.050μmであり、骨頭の中間生成物の外面の表面粗さがRa=0.050μm)、及び
2-2)ライナーの中間生成物及び骨頭の中間生成物を管状炉に入れ、酸素含有量15質量%の常圧アルゴンガスを導入し、20℃/分で700℃に加熱し、0.9℃/分で温度を495℃に下げ、200℃以下に自然冷却してから取り出し、ライナー及び骨頭をそれぞれ得るステップ
を含むことを特徴とする、酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステム的製造方法であって、
カップの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、カップの構造と同じであり;
ステムの第1の中間生成物、第2の中間生成物、第3の中間生成物、第4の中間生成物、第5の中間生成物は、ステムの構造と同じであり;
前記酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムは、ステム1と、骨頭2と、ライナー3と、カップ4とを備え;
前記ステムは、球形ヘッド11と、ネック部12と、レグ部13とを備え、前記レグ部13はレグ部近位端14と、レグ部遠位端15とを備え、前記レグ部近位端の外面にステム骨梁16が設けられ、ステム骨梁16は外側上部領域1101、下部領域1102、内側上部領域191、及び内側下部領域192に分割され、外側上部領域1101及び内側下部領域192に設けられた骨梁は第1種の骨梁112、内側上部領域191に設けられた骨梁は第2種の骨梁113、下部領域1102に設けられた骨梁は第3種の骨梁114であり;
前記カップの構造は、半球状の本体49を備え、前記半球状の本体の中央にめねじ付き第1の丸穴41が設けられ、半球状の本体の外面にカップ骨梁43が設けられ、前記カップ骨梁43は分割して設けられ、第1の領域分割線46と第2の領域分割線45は交差し、交点がめねじ付き第1の丸穴41の中心を通り、第3の領域分割線44が円形を呈し、半球状の本体の縁の近くに位置し;第1の領域分割線、第2の領域分割線、及び第3の領域分割線は、半球状の本体の外面を第1の上部領域471、第1の下部領域472、第2の上部領域473、第2の下部領域474、第3の上部領域475、第3の下部領域476、第4の上部領域477、及び第4の下部領域478に分割し、第1の上部領域、第2の上部領域、第3の上部領域、及び第4の上部領域の面積は等しく;前記半球状の本体の一側にめねじ付き第2の丸穴42が設けられ、前記めねじ付き第2の丸穴42の数は3で、うちの2つが第1の上部領域471及び第3の上部領域475内の各々設けられ、残りの1つが第1の上部領域471と第3の上部領域475の境界部に設けられ;
第3の上部領域及び第4の上部領域に第4種の骨梁481が設けられ、第3の下部領域及び第4の下部領域に第5種の骨梁482が設けられ、第1の上部領域に第6種の骨梁483が設けられ、第1の下部領域に第7種の骨梁484が設けられ、第2の上部領域に第8種の骨梁485が設けられ、第2の下部領域に第9種の骨梁486が設けられる。
【0036】
前記ジルコニウム・ニオブ合金粉末の化学組成は、質量%で、Zr:96.5%、Nb:1.0%を含有し、残部が不可避不純物であり;ジルコニウム・ニオブ合金粉末の粒子径は、45~150μmである。
【0037】
前記ジルコニウム・ニオブ合金鍛造品の化学組成は、質量%で、Zr:96.5%、Nb:1.0%を含有し、残部が不可避不純物である。
【0038】
ステップ1-2)及びステップ1-3)の温度調整は、温度を-80℃に上げ、一定温度で3時間保持し、次に温度を-20℃に上げ、一定温度で3時間保持し、さらに温度を8℃に上げ、一定温度で1時間保持した後、温度を上げる。
【0039】
前記第1種の骨梁112の気孔径は、770μmで、気孔率が75%であり;第2種の骨梁113の気孔径は、850μmで、気孔率が80%であり;第3種の骨梁114の気孔径は、950μmで、気孔率が85%であり;前記第1種の骨梁、第2種の骨梁及び第3種の骨梁は、1.5mmの同じ厚さを有し;
前記第4種の骨梁481の気孔径は、740μmで、気孔率が70%であり;前記第5種の骨梁482の気孔径は、770μmで、気孔率が75%であり;前記第6種の骨梁483の気孔径は、810μmで、気孔率が78%であり;前記第7種の骨梁484の気孔径は、850μmで、気孔率が80%であり;前記第8種の骨梁485の気孔径は、900μmで、気孔率が83%であり;前記第9種の骨梁486の気孔径は、950μmで、気孔率が85%であり;前記第4種の骨梁、第5種の骨梁、第6種の骨梁、第7種の骨梁、第8種の骨梁、及び第9種の骨梁は、1.5mmの同じ厚さを有する。
【0040】
(比較例1)
均質な骨梁股関節プロテーゼシステムの構造と実施例1との相違点としては、
ステムの第1種の骨梁、第2種の骨梁、及び第3種の骨梁は、同種の骨梁であり、気孔径は780μm、気孔率は76%、骨梁の厚さは1.2mmである。
【0041】
カップの第4種の骨梁、第5種の骨梁、第6種の骨梁、第7種の骨梁、第8種の骨梁、及び第9種の骨梁は、同種の骨梁で、気孔径は780μm,気孔率は76%,骨梁の厚さは1.2mmである。
【0042】
その他は、実施例1と同じである。
【0043】
(比較例2)
ジルコニウム・ニオブ合金粉末(実施例1と同じ)を原料として、3Dプリントによる一体成形及び機械加工トリミングを経て、実施例1と同じ構造のステム及びカップを得た。
【0044】
≪実験的検証≫
実施例1のステムの有限要素モデルと比較例1のステムの有限要素モデルに対し有限要素解析を実施して、得られた有限要素解析ひずみのクラウドマップは、1000~3000の範囲の微ひずみ(影付き部分)のみを示している。骨組織全体の有限要素モデルにおける実施例1の骨組織の有限要素モデル上の1000~3000の微ひずみ領域の割合は、75%(
図12)で、比較例1(
図11、1000~3000の微ひずみ領域の割合が20%)よりも大きく、本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステムは骨の内方成長に有利であることを示している。
【0045】
実施例1のカップの有限要素モデルと比較例1のカップの有限要素モデルに対し有限要素解析を実施して、得られた有限要素解析ひずみのクラウドマップは、1000~3000の範囲の微ひずみ(影付き部分)のみを示している。骨組織全体の有限要素モデルにおける実施例1の骨組織の有限要素モデル上の1000~3000の微ひずみ領域の割合は、40%(
図14)で、比較例1(
図13、1000~3000の微ひずみ領域の割合が15%)よりも大きく、本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのカップは骨成長に適し、骨の内方成長に有利であることを示している。
【0046】
有限要素解析の結果は、骨組織の有限要素モデルにおける実施例2、3のステムのひずみ分布のクラウドマップは、骨組織の有限要素モデルにおける実施例1のステムのひずみ分布のクラウドマップと似っており、骨組織の有限要素モデルにおける実施例2、3のカップのひずみ分布のクラウドマップは、骨組織の有限要素モデルにおける実施例1のカップのひずみ分布のクラウドマップと似ていることを証明した。
【0047】
倒立顕微鏡(Axio Vert.A1、ドイツのカールツァイス社製)で比較例2のステムの実体部分及び前記製造方法におけるステップ1-4)及びステップ1-5)を実施しない実施例1のステムの実体部分に対し、金属組織学的微細構造を観察し、結果を
図15~
図16に示す。比較例2の金属組織写真では、微細なαマルテンサイトが観察され、組織が比較的微細で、応力集中が発生しやすく、可塑性に劣る。実施例1の金属組織は、バスケット構造と結晶粒微細化を伴うα相を示している。結果は、本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステムの実体部分(酸化物層を除く)が優れた強度及び可塑性を有することを示している。
【0048】
走査型電子顕微鏡(Crossbeam340/550、ドイツのカールツァイス社製)で比較例2のステム骨梁部分及び前記製造方法におけるステップ1-4)及びステップ1-5)を実施しない実施例1のステム骨梁部分を観察や解析した結果を
図17~
図18に示す。比較例2と比較して、実施例1の骨梁構造中のジルコニウム・ニオブ合金粉末は、さらに溶融結合されることで、骨梁の総合特性が向上されたことを示している。
【0049】
電子式万能試験機(UTM5105、中国の深セン三思縦横科技股▲ふん▼有限公司製)で前記製造方法におけるステップ1-4)及びステップ1-5)を実施しない実施例1のステムの実体圧縮試験片(試験片のサイズ:8×8×10mm3)及び比較例2のステムの実体圧縮試験片(試験片のサイズ:8×8×10mm3)に対して圧縮試験を行い、実施例1及び比較例2の実体圧縮試験片はそれぞれ5個で、結果を表1に示す。実施例1の圧縮降伏強度は、546.72MPaで、比較例2(P<0.05)よりも優れ、本発明で得られた酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステムの実体部分は、優れた耐圧縮性を持つことを示している。
【0050】
【0051】
電子式万能試験機(UTM5105、中国の深セン三思縦横科技股▲ふん▼有限公司製)で気孔径780μm、気孔率76%の比較例2のステム骨梁圧縮試験片及び前記製造方法におけるステップ1-4)及びステップ1-5)を実施しない気孔径780μm、気孔率76%の実施例1のステム骨梁圧縮試験片(試験片のサイズ:8×8×10mm3)に対して圧縮試験を行い、比較例2及び実施例1の骨梁圧縮試験片はそれぞれ5個で、結果を表2に示す。実施例1の骨梁降伏強度は、17.94MPaで、比較例2(P<0.05)よりも明らかに高く、本発明で得られた酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステム骨梁部分は、優れた耐圧縮性を持つことを示している。
【0052】
【0053】
走査型電子顕微鏡(Crossbeam340/550、ドイツのカールツァイス社製)で実施例1のステムのジルコニウム・ニオブ合金マトリックス及び酸化物層の横断面を観察した(
図19)。実施例2、実施例3のステムのジルコニウム・ニオブ合金マトリックス及び酸化物層の横断面も観察し、酸化物層の厚さは、それぞれ10.3μm、17.2μm及び20.6μmで、酸化物層とジルコニウム・ニオブ合金マトリックスとの間に酸素リッチ層があり、ジルコニウム・ニオブ合金マトリックスと酸化物層との間の結合力を向上する。
【0054】
XRD(D8DISCOVER,ドイツのBruker社製)で実施例1のステムの酸化物層を解析(
図20)し、酸化物層は単斜晶の二酸化ジルコニウム及び正方晶の二酸化ジルコニウムを含んでいた。
【0055】
微小硬度計(MHVS-1000 PLUS、中国の上海奧龍星迪検測設備有限公司製)で実施例1~3のステムに対して微小硬さ試験を行い、試験荷重は0.05kgで、試験片の荷重時間が20秒で、各試験片から8点取った。実施例1~3で測定された平均硬さ値は1948.6Hv、1923.7Hv、及び1967.2Hvであり、本発明の酸化物層を含むジルコニウム・ニオブ合金の股関節プロテーゼシステムのステムの酸化物層の硬度が高いことを示している。
【0056】
実験により、実施例2、3で製造されたカップとステム及び実施例1で製造されたカップの骨梁部分のジルコニウム・ニオブ合金粉末溶融結合程度、耐圧縮性、実体部分の耐圧縮性、金属組織、酸化物層の結晶構造、厚さ及び硬さは、実施例1で製造されたステムのものと似っており、実施例1、2、及び3で製造された骨頭及びライナーの酸化物層の結晶構造、厚さ及び硬さは、実施例1で製造されたステムのものと似していることを証明した。