(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】鋳造中にコンベヤを制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B22D 11/16 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
B22D11/16 D
(21)【出願番号】P 2022565862
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 US2021032156
(87)【国際公開番号】W WO2021231681
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100163902
【氏名又は名称】市川 奈月
(72)【発明者】
【氏名】マッカラム,ジョン ロバート バスター
(72)【発明者】
【氏名】ティンジー,ジョン エス
(72)【発明者】
【氏名】ベッツ,ウィリアム エム
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110560651(CN,A)
【文献】特表2007-513771(JP,A)
【文献】特開平01-254362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一運搬装置、及び前記第一運搬装置を駆動するように構成される第一モータを備えるマスタコンベヤと、
第二運搬装置、及び前記第二運搬装置を駆動するように構成される第二モータを備えるスレーブコンベヤと、
前記マスタコンベヤと前記スレーブコンベヤとの間の切断装置であって、前記マスタコンベヤ及び前記スレーブコンベヤによって運搬される金属製品を選択的に切断するように構成される、前記切断装置と、
制御システムであって、
前記切断装置から下流側にあり、前記金属製品の区間が下流方向に移動するときに、前記金属製品の前記区間の端部を検知するように構成されるセンサ、及び
前記センサと通信可能に結合されるコントローラであって、前記センサから前記検知された端部に基づいて前記第一モータまたは前記第二モータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される前記コントローラ、
を備える、前記制御システムと、
を含
み、
前記センサは、前記金属製品の切断区間の下流側端部及び上流側端部を検知するように構成され、前記切断区間は前記切断区間から直上流側にある前記金属製品の非切断区間と不連続であり、
前記コントローラは、
前記スレーブコンベヤを前記マスタコンベヤと同期させ、
前記センサから前記上流側端部及び前記下流側端部を受信し、
前記検知された上流側端部及び前記検知された下流側端部に基づいて、前記金属製品の前記切断区間の実際の製品の長さを決定し、
前記実際の製品の長さを、前記金属製品の前記切断区間の所定の製品の長さと比較し、
前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように、前記第一モータの速度を決定し、
前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように、前記決定された速度で動作するように前記第一モータを制御する
金属鋳造システム。
【請求項2】
前記金属鋳造システムは、連続鋳造システムである、請求項1に記載の金属鋳造システム。
【請求項3】
前記切断装置はソーを含む、請求項1または2に記載の金属鋳造システム。
【請求項4】
前記センサは、前記金属製品の切断区間の上流側端部と、前記切断区間から直上流側にあり、前記切断区間と不連続である前記金属製品の非切断区間の下流側端部とを検知することによってギャップを検知するように構成され、
前記切断区間は、前記ギャップによって前記非切断区間から離隔され、
前記コントローラは、
前記切断区間の前記上流側端部及び前記非切断区間の前記下流側端部を前記センサから受信し、
前記切断区間の前記検知された上流側端部及び前記非切断区間の前記検知された下流側端部に基づいて、前記ギャップの実際のギャップの長さを決定し、
前記実際のギャップの長さを所定のギャップの長さと比較し、
前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように、前記第二モータの速度を決定し、
前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように、前記決定された速度で動作するように前記第二モータを制御する、
ように構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の金属鋳造システム。
【請求項5】
前記マスタコンベヤ及び前記スレーブコンベヤから上流側にある鋳型をさらに含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の金属鋳造システム。
【請求項6】
前記第一運搬装置及び前記第二運搬装置は、エンドレスベルトまたはローラのうちの少なくとも1つをそれぞれ含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の金属鋳造システム。
【請求項7】
前記センサは非接触センサである、
請求項1から6のいずれか1項に記載の金属鋳造システム。
【請求項8】
前記非接触センサは、レーザセンサまたは光センサのうちの少なくとも1つを含む、
請求項7に記載の金属鋳造システム。
【請求項9】
金属鋳造システム用のコンベヤシステムであって、
第一エンドレスベルトを駆動するように構成される第一モータを備えるマスタコンベヤと、
第二エンドレスベルトを駆動するように構成される第二モータを備えるスレーブコンベヤと、
制御システムであって、
金属製品の区間が下流方向に移動するときに、前記第一エンドレスベルトまたは前記第二エンドレスベルトのうちの少なくとも1つによって運搬される前記金属製品の前記区間の端部を検知するように構成されるセンサ、及び
前記センサと通信可能に結合されるコントローラであって、前記センサから前記検知された端部に基づいて前記第一モータまたは前記第二モータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される前記コントローラ、
を備える、前記制御システムと、
を含
み、
前記センサは、前記金属製品の端部を検知するように構成され、前記コントローラは、前記金属製品の切断区間の端部と、前記切断区間から直上流側にあり、前記切断区間と不連続である前記金属製品の非切断区間の端部とを含む前記端部に基づいて前記第二モータを制御する
コンベヤシステム。
【請求項10】
前記センサは、前記金属製品の
端部を検知するように構成され、前記コントローラは、前記スレーブコンベヤを前記マスタコンベヤと同期させ、前記金属製品の切断区間の下流側端部、及び前記切断区間の上流側端部を含む前記
端部に基づいて前記第一モータを制御するように構成される、
請求項9に記載のコンベヤシステム。
【請求項11】
前記センサは、レーザセンサまたは光センサのうちの少なくとも1つを含む、
請求項9または10に記載のコンベヤシステム。
【請求項12】
運搬システムを制御する方法であって、前記運搬システムはマスタコンベヤと、前記マスタコンベヤから分離されるスレーブコンベヤとを含み、
前記方法は、
前記運搬システムによって下流方向に運搬される金属製品の
端部をセンサで検知することと、
コントローラによって、前記検知された
端部に基づいて、前記
端部の間の実際の長さを決定することと、
前記コントローラによって、前記実際の長さを所定の長さと比較することと、
前記コントローラによって、前記実際の長さが前記所定の長さの所定の公差内であるように、前記マスタコンベヤまたは前記スレーブコンベヤのうちの少なくとも1つのモータの制御速度を決定することと、
前記コントローラによって、前記モータを、前記制御速度で動作させ、前記実際の長さが前記所定の長さの所定の公差内であるように制御することと、
を含む、前記方法。
【請求項13】
前記
端部は、前記金属製品の切断区間の端部と、前記切断区間から直上流側にあり、前記切断区間と不連続である前記金属製品の非切断区間の端部とを含み、
前記実際の長さを決定することは、前記切断区間の前記端部と前記非切断区間の前記端部との間のギャップの実際のギャップの長さを決定することを含み、
前記実際の長さを前記所定の長さと比較することは、前記実際のギャップの長さを所定のギャップの長さと比較することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御速度を決定することは、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さと一致するように前記スレーブコンベヤの前記モータの前記制御速度を決定することを含み、
前記モータを制御することは、前記スレーブコンベヤの前記モータを、前記制御速度で動作させ、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように制御することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記
端部は、前記金属製品の切断区間の下流側端部であって、前記切断区間が前記切断区間から直上流側にある前記金属製品の非切断区間と不連続である、前記下流側端部と、前記切断区間の上流側端部とを含み、
前記実際の長さを決定することは、前記金属製品の前記切断区間の実際の製品の長さを決定することを含み、
前記実際の長さを前記所定の長さと比較することは、前記実際の製品の長さを所定の製品の長さと比較することを含む、
請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記制御速度を決定することは、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように、前記マスタコンベヤの前記モータの前記制御速度を決定することを含み、
前記モータを制御することは、前記マスタコンベヤの前記モータを、前記制御速度で動作させ、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように制御することを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサで前記
端部を検知することは、非接触センサで前記
端部を検知することを含む、
請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記非接触センサで前記
端部を検知することは、レーザセンサまたは光センサで前記
端部を検知することを含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2020年5月14日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING CONVEYORS DURING CASTING」と題された米国仮出願第63/024,664号の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用されている。
【0002】
本出願は、アルミニウム及びアルミニウム合金類を含むがこれらに限定されない金属製品を鋳造するための鋳造システムに関し、特に、コンベヤを備えた鋳造システムに関する。
【背景技術】
【0003】
製造される金属は、垂直式鋳造手順と水平式鋳造手順との両方で製造されることができる。典型的な水平式鋳造手順の間、第一ベルト(または他の運搬手段)が金型から金属製品を引き出し、その金属製品が第一ベルトから下流側にある第二ベルト(または他の運搬手段)に到達するまで金属製品を引き抜き続ける。第二ベルトもまた金属製品を引き寄せ始める。ソーは、金属製品を切断することで、金属製品が連続しなくなるように、第一ベルトと第二ベルトとの間に位置決めされる。金属製品が切断された後、少なくとも部分的に第一ベルト上にある金属製品と、少なくとも部分的に第二ベルト上にある金属製品との間にギャップが形成される。
【0004】
典型的な水平式鋳造手順のセットアップに関してよくある問題は、ベルトの違いにより、ベルトの速度(したがって金属製品の速度)が、第一ベルト及び第二ベルトをそれぞれ駆動する2つのモータの速度と必ずしも一致しないことである。そのため、2つのモータが同期している場合でも、2つのベルトが同期していないことがあるため、鋳造工程に望ましくない影響が与えられる可能性がある。例えば、第二ベルトが第一ベルトよりも遅く移動している場合、第一ベルトから出て移動する金属製品が第二ベルト上の金属製品に突入する可能性があることにより、ギャップが減少する、または閉じるため、金型での鋳造工程に影響が与えられる可能性がある。例えば、工程中、ソーを支持するソーキャリジは、第一ベルトと同期して移動する。第二ベルトが第一ベルトよりも遅く移動している場合、これは切断後に第二ベルト上の金属製品がソーキャリジよりも遅く移動していることを意味するが、これが起こると、ブレードがスピンしている間に、金属製品がソーブレードに接触することがあり、フィードが後退すると、ソーはバックカットする。この速度差が大きすぎる場合、ソーブレード上に金属製品からの望ましくない力が大きくかかる可能性がある。第二ベルトの動作が遅い場合のさらなる欠点は、第二ベルト上の金属製品が実際の鋳造速度に影響を与えるため、最終的に金属製品が不正確な長さになることであり、これは、第一ベルトが第二ベルトより遅く移動している場合にもあてはまる。場合によっては、第二ベルトが第一ベルトよりも速く移動している場合、切断された金属製品間のギャップのサイズが大きくなり得ることにより、そのギャップ内に、ローラクランプが落下する可能性が高くなり、第一ベルト上の金属製品が突入し得るため、鋳造工程が停止する可能性がある。そのため、どちらの条件も鋳造製品に不具合を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本特許が包含する実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、多様な実施形態の高次の概要であり、以下の発明を実施するための形態の項にさらに説明する概念のいくつかを紹介している。この発明の概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、いずれかのまたは全ての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0006】
ある特定の実施形態によれば、金属鋳造システムは、マスタコンベヤを含み、このマスタコンベヤは、第一運搬装置、及び第一運搬装置を駆動するように構成される第一モータを含む。また、金属鋳造システムは、スレーブコンベヤを含み、このスレーブコンベヤは、第二運搬装置、及び第二運搬装置を駆動するように構成される第二モータを含む。切断装置は、マスタコンベヤとスレーブコンベヤとの間に設けられ、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤによって運搬される金属製品を選択的に切断するように構成される。金属鋳造システムは、センサ及びコントローラを有する制御システムを含む。センサは、切断装置から下流側にあり、金属製品の区間が下流方向に移動するときに、金属製品の区間の端部を検知するように構成される。コントローラは、センサと通信可能に結合され、コントローラは、センサから検知された端部に基づいて、第一モータまたは第二モータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、金属鋳造システム用のコンベヤシステムは、マスタコンベヤ、スレーブコンベヤ、及び制御システムを含む。マスタコンベヤは、第一エンドレスベルトを駆動するように構成される第一モータを含み、スレーブコンベヤは、第二エンドレスベルトを駆動するように構成される第二モータを含む。制御システムは、センサ及びコントローラを含む。センサは、金属製品の区間が下流方向に移動するときに、第一エンドレスベルトまたは第二エンドレスベルトのうちの少なくとも1つによって運搬される金属製品の区間の端部を検知するように構成される。コントローラは、センサと通信可能に結合され、コントローラは、センサから検知された端部に基づいて、第一モータまたは第二モータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される。
【0008】
ある特定の実施形態によれば、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを有する運搬システムを制御する方法は、運搬システムによって下流方向に運搬される金属製品の連続した端部をセンサで検知することを含む。この方法は、コントローラによって、検知された連続した端部に基づいて連続した端部間の実際の長さを決定することと、コントローラによって、実際の長さを所定の長さと比較することと、コントローラによって、実際の長さが所定の長さの所定の公差内であるように、マスタコンベヤまたはスレーブコンベヤのうちの少なくとも1つのモータの制御速度を決定することとを含む。この方法は、モータをコントローラによって、制御速度で動作させ、実際の長さが所定の長さの所定の公差内であるように制御することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを有する運搬システムを制御する方法は、少なくとも部分的にマスタコンベヤ上にある金属製品の第一区間と、少なくとも部分的にスレーブコンベヤ上にある金属製品の第二区間との間のギャップのギャップ始端部及びギャップ終端部をセンサで検知することを含み、第二区間はギャップによって第一区間から離隔される。この方法は、センサが検知するギャップ始端部及びギャップ終端部に基づいて実際のギャップの長さをコントローラによって決定することと、コントローラによって実際のギャップの長さを所定のギャップの長さと比較することと、コントローラによって、実際のギャップの長さが所定のギャップの長さの所定の公差内であるようにスレーブコンベヤのモータの速度を決定することとを含む。この方法は、モータをコントローラによって、実際のギャップの長さが所定のギャップの長さの所定の公差内であるように決定された速度に制御することを含む。
【0010】
種々の実施形態によれば、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを有する運搬システムを制御する方法は、金属製品の切断区間の製品始端部及び製品終端部を、切断区間が運搬システムによって運搬されている間にセンサを用いて検知することを含む。この方法は、センサが検知する製品始端部及び製品終端部に基づいて実際の製品の長さをコントローラによって決定することと、コントローラによって、実際の製品の長さを所定の製品の長さと比較することと、コントローラによって、実際の製品の長さが所定の製品の長さの所定の公差内であるようにマスタコンベヤのモータの速度を決定することとを含む。この方法は、モータをコントローラによって、実際の製品の長さが所定の製品の長さの所定の公差内であるように決定された速度に制御することを含む。
【0011】
本明細書に記載されている様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、これらは必ずしも本明細書で明示的に開示することはできないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。すべてのそのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、かつ添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0012】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用は、同様のまたは類似の構成要素を例示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の実施形態による制御システムを備えた水平式鋳造システムを示す。
【
図2】本開示の実施形態による制御システムを備えた水平式鋳造システムの一部分を示す。
【
図3】本開示の実施形態による、ベルト制御システムを備えた水平式鋳造システムのコンベヤを制御する方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施形態による制御システムを備えた水平式鋳造システムのコンベヤを制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性をもって本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許請求された主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、多様なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈されるべきではない。「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。
【0015】
本明細書に説明されるのは、コンベヤシステムのコンベヤを制御するための制御システム、及び制御システムを用いてコンベヤを制御する関連方法である。制御システム及びベルト付きコンベヤシステムを組み込むことができる金属鋳造システムも、本明細書に記載されている。それらのような金属鋳造システムは、連続鋳造システムを含み得るが、これらに限定されない。非限定的な一例では、制御システム及びコンベヤシステムを組み込む金属鋳造システムは、水平式連続鋳造システムである。それらのような金属鋳造システムは、アルミニウムまたはアルミニウム合金類である金属製品を含むがこれらに限定されない様々な金属製品を製造するために利用され得る。コンベヤシステムのコンベヤは、金属製品を運搬するための様々な適切な運搬装置または機構であってもよく、限定されないが、ベルト、ローラ、及び/または他の適切な装置または機構を要望通り含んでもよい。
【0016】
制御システムは、センサ及びセンサに通信可能に結合されるコントローラだけでなく、マスタコンベヤを駆動する第一モータ及び/またはスレーブコンベヤを駆動する第二モータを含み得る。センサは、金属製品の区間が下流方向に移動するときに、金属製品の区間の端部を検知することができ、コントローラは、センサから検知された端部に基づいて、マスタコンベヤの第一モータ及び/またはスレーブコンベヤの第二モータを選択的に制御することができる。非限定的な一例として、運搬システムを制御する方法は、運搬システムによって下流方向に運搬される金属製品の連続した端部をセンサで検知することを含むことができる。この方法は、コントローラによって、検知された連続した端部に基づいて連続した端部間の実際の長さを決定することと、コントローラによって、実際の長さを所定の長さと比較することと、コントローラによって、実際の長さが所定の長さの所定の公差内であるように第一モータの制御速度を決定することとを含み得る。ある特定の実施形態では、所定の公差内であることは、実際の長さを所定の長さと一致させることを含み得る。この方法は、モータをコントローラによって、制御速度で動作させ、実際の長さが所定の長さの所定の公差内であるように制御することをさらに含み得る。
【0017】
本明細書に記載の制御システムは、金属製品の切断区間と、切断区間から上流側の金属製品の区間との間のギャップの長さを維持する、及び/またはそれらの長さにおける差異を最小にするように、コンベヤシステムのマスタベルト及びスレーブベルトの同期を改善することができる。また、本明細書に記載の制御システムは、金属製品の切断区間の長さを維持する、及び/またはそれらの長さにおける差異を最小にするように、コンベヤシステムのマスタベルト及びスレーブベルトの同期を改善することができる。制御システムは、マスタベルト及びスレーブベルトを同期させることにより、本来であれば第一ベルトと第二ベルトとの間の差異により発生する可能性のある、金属製品及び/または鋳造システムの構成要素への損傷の可能性を最小にすることもできる。ある特定の態様では、制御システムは、鋳造工程中のコンベヤシステムの調整及び制御を可能にする。
【0018】
図1は、様々な実施形態による、制御システム102を備えた金属鋳造システム100の一例を示す。場合によっては、金属鋳造システム100は、鋳型104、第一コンベヤ108及び第二コンベヤ110を備えたコンベヤシステム106、ならびに切断装置112を含む連続鋳造システムである。
図1に示され、以下に説明される特定の金属鋳造システム100は、参照目的でのみ提供されており、特定の構成要素及び/または構成要素の配置は、本開示を限定するものと見なされるべきではない。
【0019】
いくつかの例では、第一コンベヤ108は、鋳型104から下流側で、かつ鋳型104の吐出口に隣接して位置決めされてもよい。第一コンベヤ108は、第一ベルト116と、第一ベルト116を駆動する第一モータ126とを含む。場合によっては、第一ベルト116はエンドレスベルトである。第一ベルト116は、ゴムを含むがこれに限定されない様々な適切な材料で構成されることができる。以下でより詳細に説明されるように、連続鋳造工程中に、連続した金属製品(
図1には示されていない)は、鋳型104を出て、第一ベルト116上に支持されてもよい。金属製品を第一ベルト116に対して保持するために、クランプ118または他の適切な装置が任意選択で含まれることができる。
【0020】
切断装置112は、第一コンベヤ108から下流側にあり、ソー114または他の適切な切断装置を含むことができる。切断装置112のソー114は、金属製品の切断区間を形成する切断動作中に、金属製品に選択的に接触して切開することができる。
【0021】
第二コンベヤ110は、第一コンベヤ108から下流側で、かつ切断装置112から下流側にある。第一コンベヤ108と同様に、第二コンベヤ110は、第二ベルト120と、第二ベルト120を駆動する第二モータ128とを含む。ある特定の例では、第二ベルト120はエンドレスベルトであってもよく、ゴムを含むがこれに限定されない様々な適切な材料で構成されてもよい。以下でより詳細に説明されるように、様々な態様では、第二ベルト120は、切断動作後に金属製品の切断区間を支持することができ、そのうえ切断動作前に金属製品を少なくとも部分的に支持することができる。
【0022】
第一コンベヤ108及び第二コンベヤ110はベルトと共に示されているが、他の例では、第一コンベヤ108及び/または第二コンベヤ110は、金属製品を運搬するための様々な他の適切な装置または機構を含むことができる。非限定的な一例として、第一コンベヤ108及び/または第二コンベヤ110は、1つ以上のローラを含むことができる。
【0023】
制御システム102は、コントローラ122及び少なくとも1つのセンサ124を含む。単一センサ124が示されているが、要望通り任意の数のセンサ124が利用されることができる。いくつかの例では、センサ124は切断装置112から下流側にある。センサ124が要望通り第二コンベヤ110に対して様々な位置に設けられることができるので、第二コンベヤ110に対するセンサ124の特定の位置決めは、限定するものとみなされるべきではない。
【0024】
センサ124は、センサ124によって、金属製品が下流方向に移動するときに、金属製品の区間の端部を検知することができる。他の例では、センサ124は、金属製品上のマークまたは他のインジケータを含むがこれらに限定されない、金属製品上の他の特徴または特性を検知することができる。したがって、以下の説明は金属製品の「端部」を検知するセンサ124を参照するが、センサ124が下記の工程を制御するために金属製品上のマーク、インジケータなどを追加的、または代替的に検知することができることを理解されたい。
【0025】
センサ124は、金属製品の区間の端部を検知するための様々な適切な装置であってもよく、接触センサまたは非接触センサを含んでもよい。場合によっては、センサ124は非接触センサであり、これは、センサ124が金属製品に物理的に接触することなく端部を検知することを意味する。いくつかの非限定的な例では、センサ124は、レーザセンサまたは光センサであってもよい。センサ124によって検知可能な金属製品の区間の端部は、切断区間から直上流側にある金属製品の非切断区間及び/または上流側区間と不連続である金属製品の切断区間の下流側端部、切断区間の上流側端部、及び/または切断区間の上流側端部に近接する非切断区間及び/または上流側区間の下流側端部を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「上流側」端部は、金属製品の区間が鋳型104から離れるにつれて鋳型104に最も近い金属製品の区間の端部を指し、「下流側」端部は、上流側端部とは反対にあり、金属製品の区間が鋳型104から離れるにつれて鋳型104から最も遠い金属製品の区間の端部である。様々な態様では、センサ124は、センサ124の感知領域から金属製品の存否を検知することによって、金属製品の区間の端部を検知することができる。場合によっては、センサ124は、以下でより詳細に説明される、コントローラ122がコンベヤシステム106の特定のモータを制御することができるように、金属製品の区間の特定の連続した端部または端部対を検知するように構成される。
【0026】
コントローラ122は、センサ124及び第一ベルトドライブ及び/または第二ベルトドライブと通信可能に結合される。以下でより詳細に論じられるように、コントローラ122は、センサ124によって検知された端部に基づいて第一モータ及び/または第二モータ128を選択的に制御することができる。
【0027】
コントローラ122は、汎用処理ユニット、コンベヤ制御分析及び/または金属鋳造用途専用に設計されるプロセッサ、無線通信専用に設計されるプロセッサ(Cypress Semiconductorからのプログラマブルシステムオンチップなど)、または他の適切なプロセッサのうちの1つ以上を含む場合がある。メモリは、コントローラ122と共に提供されることができるが、他の例では必要ではない。含まれる場合、メモリは長期ストレージメモリ及び/または短期作業メモリを含み得、メモリはプロセッサ命令の作業セットを格納するためにコントローラ122によって使用され得る(すなわち、プロセッサはメモリにデータを書き込むことができる)。いくつかの態様では、メモリは、ディスクベースのストレージデバイス、及び/またはメモリディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、遠隔接続された記憶媒体、仮想ディスクドライブなどを含むがこれらに限定されない、いくつかの他のタイプの記憶媒体のうちの1つを含むことができる。通信回路/ユニット、任意選択のディスプレイ、任意選択のスピーカ、及び/または電力貯蔵設備を含むが、これらに限定されない多様な他の特徴も、コントローラ122に含まれ得る。いくつかの態様では、コントローラ122の構成要素のいくつかまたはすべては、同じエンクロージャの中など、単一のパッケージまたはセンサセットにともに含まれ得る。追加の態様または代替の態様では、構成要素のいくつかは、エンクロージャにともに含まれ得、他の構成要素は別個であり得る(すなわち、コントローラ122は分散システムであり得る)。コントローラ122の他の構成要素は要望通り利用されることができる。
【0028】
様々な態様では、コントローラ122は、コントローラ122がセンサ124からデータ信号を受信するようにセンサ124とデータを通信する。様々な態様では、センサ124からのデータ信号は、センサ124によって検知される金属製品の区間の端部を含む。例えば、様々な場合に、センサ124からのデータ信号は、切断区間の下流側端部、切断区間の上流側端部、及び/または非切断及び/または上流側区間の下流側端部の検知のインジケーションを含む。コントローラ122は、センサ124からのデータを分析し得、検知された端部に応じて、第一コンベヤ108の第一モータ126を制御し得る、及び/または第二コンベヤ110の第二モータ128を制御し得る。
【0029】
運搬工程中、コンベヤの1つ(例えば、第一コンベヤ108)は「マスタ」コンベヤであり、もう1つのコンベヤ(例えば、第二コンベヤ110)は「スレーブ」コンベヤである。コンベヤがマスタコンベヤかスレーブコンベヤかいずれかであることができることが理解されよう。コントローラ122は、スレーブコンベヤがマスタコンベヤと同期するようにモータを制御する。
【0030】
非限定的な一例として、制御システム102を利用して、スレーブコンベヤをマスタコンベヤと同期させ、金属製品の隣接する区間の間のギャップを制御することができる。それらのような例では、コントローラ122は、切断区間の上流側端部が検知されているというインジケーションに続いて、非切断及び/または上流側区間の下流側端部が検知されているというインジケーションをセンサ124から受信することができる。このセンサデータに基づいて、コントローラ122は、金属製品の切断区間と非切断及び/または上流側区間との間のギャップの実際の長さを決定することができる。非限定的な一例として、コントローラ122は、切断区間の上流側端部の検知と非切断及び/または上流側区間の下流側端部の検知との間の持続時間に基づいてギャップの実際の長さを決定することができる。コントローラ122は、ギャップの実際の長さをギャップの所望の長さと比較することができる。場合によっては、後続の処理中に切断された金属製品の区間の間の最適な間隔のために、ギャップの所望の長さなど、所望の長さを事前に決定することができる。他の例では、所望の長さは、制御システム102によって前もって測定されたギャップの長さであり得る(すなわち、システムは、ギャップの長さがピース間で一貫していないかどうかを決定し得、一貫していないことに従って調整し得る)。ギャップの実際の長さとギャップの所望の長さとの間の比較に基づいて、コントローラ122は、マスタコンベヤの速度と同期するように、そして実際の長さが所望の長さの所定の公差内である(及び/または所望の長さと実質的に同じである)ように、スレーブコンベヤのモータの制御速度を決定することができる。コントローラ122は、スレーブコンベヤのモータを、その制御速度で動作させ、ギャップの実際の長さがギャップの所望の長さの所定の公差内であるように制御することができる。
【0031】
別の非限定的な例として、制御システム102を利用して、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを同期させ、金属製品の切断区間の長さを制御することができる。場合によっては、コントローラ122は、前述されるように、ギャップを検知し、スレーブコンベヤの速度がマスタコンベヤの速度の所定の公差内(及び/またはマスタコンベヤの速度と実質的に同じ)であるように、そしてギャップが所望の長さを有するようにスレーブコンベヤのモータを制御することによって、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを同期させることができる。様々な例では、切断区間の長さを制御するために、コントローラ122は、切断区間の下流側端部が検知されているというインジケーションに続いて、切断区間の上流側端部が検知されているというインジケーションをセンサ124から受信することができる。このセンサデータに基づいて、コントローラ122は、金属製品の切断区間の実際の長さを決定することができる。非限定的な一例として、コントローラ122は、切断区間の下流側端部の検知と切断区間の上流側端部の検知との間の持続時間に基づいて切断区間の実際の長さを決定することができる。別の非限定的な例として、コントローラ122は、インジケータが移動する距離に基づいて切断区間の実際の長さを決定することができる。コントローラ122は、切断区間の実際の長さを切断区間の所望の長さと比較することができる。場合によっては、顧客の要求に応じて、金属製品の切断区間の所望の長さなど、所望の長さが事前に決定されてもよい。切断区間の実際の長さと切断区間の所望の長さとの間の比較に基づいて、コントローラ122は、実際の長さが所望の長さの所定の公差内(または所望の長さと実質的に同じ)であるようにマスタコンベヤの制御速度を決定することができる。コントローラ122は、マスタコンベヤのモータを、その制御速度で動作させ、切断区間の実際の長さが切断区間の所望の長さの所定の公差内であるように制御することができる。様々な態様では、スレーブコンベヤがマスタコントローラと同期するので、マスタコンベヤを制御速度で動作させるように制御することで、また、スレーブコンベヤを制御速度で動作させるように制御する。
【0032】
説明されるようにマスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを制御することにより、制御システム102は、切断区間が上流側区間からどの程度迅速に離れるか(したがってギャップの長さ/サイズ、及び/またはその区間の長さ)を制御することができる。
【0033】
上述の工程は、鋳造工程中(例えば、金属製品の各新しい切断区間が切断装置で形成される前または後)、要望通り繰り返されることができる。さらに、鋳造工程中、制御システム102のみを利用して切断区間の長さを制御してもよく、制御システム102のみを利用して鋳造工程中にギャップの長さを制御してもよく、または制御システム102を利用して切断区間の長さとギャップの長さとの両方を制御してもよい。
【0034】
図2は、鋳造システム100と実質的に同様であり、そのうえ制御システム102を含む、鋳造システム200の一部を示す。鋳造システム100と同様に、鋳造システム200は、第一コンベヤ208及び第二コンベヤ210を有するコンベヤシステム206を含む。第一コンベヤ208は第一ベルト216及び第一モータ226を含み、第二コンベヤ210は第二ベルト220及び第二モータ228を含む。鋳造システム100と同様に、1つのコンベヤ(例えば、第一コンベヤ208)はマスタコンベヤであり得、もう1つのコンベヤ(例えば、第二コンベヤ210)はスレーブコンベヤであり得る。他の例では、第一コンベヤ208及び/または第二コンベヤ210は、1つ以上のローラを含むがこれらに限定されない、ベルト以外の金属製品を運搬するための機構または装置を含むことができる。
【0035】
鋳造システム100と同様に、鋳造システムは、第一コンベヤ208と第二コンベヤ210との間にソー214を備えた切断装置212を含む。
図2に示されるように、金属製品230は、第一ベルト216上で支持され得、第二コンベヤ210に向けて下流方向(矢印236によって表される)に移動し得る。鋳造動作中、切断装置212のソー214は、金属製品230の切断区間232が金属製品230の上流側区間234(切断されていなくてもよい、及び/またはまだ連続していてもよい)から分離されるように、金属製品230を選択的に切断することができる。
図2に示されるように、切断区間232は下流側端部240及び上流側端部242を含み、上流側区間234は下流側端部244を含む。
【0036】
図2に示されるように、制御システム102のセンサ124は、切断装置212から下流側にあり、鋳造工程中に端部240、242、244のタイプのうちの1つ以上を検知する感知領域(破線238によって表される)を有する。前述のように、制御システム102を利用して切断区間232の長さ246及び/またはギャップ250の長さ248を制御することができる例では、コントローラ122は、下流側端部240、上流側端部242、及び/または下流側端部244のセンサ124による検知に基づいて、マスタコンベヤのモータ(例えば、第一コンベヤ208がマスタコンベヤであるとき、第一モータ226)、及び/またはスレーブコンベヤのモータ(例えば、第二コンベヤ210がスレーブコンベヤであるとき、第二モータ228)を制御することができる。
【0037】
図3は、コンベヤシステム106またはコンベヤシステム206などのコンベヤシステムを制御システム102で制御して、金属製品の隣接した区間の間に所望のギャップを設ける工程300の非限定的な一例を示す。
【0038】
ブロック302では、コントローラは、コンベヤシステムが鋳造工程中に、及び/またはそれ以外の場合に要望通りに利用されているかどうかを決定する。様々な態様では、コンベヤシステムが利用されなくなるときに工程は終了する。
【0039】
ブロック304では、コントローラは、金属製品の隣接した区間の間のギャップの実際の長さ(またはサイズ)を決定する。場合によっては、ブロック304の前に、方法は、センサによって、切断区間の上流側端部及び非切断区間の下流側端部を検知することを含み得る。様々な態様では、ブロック304は、コントローラによって、切断区間の上流側端部が検知されているというインジケーションに続いて、非切断及び/または上流側区間の下流側端部が検知されているというインジケーションを受信することを含むことができる。また、ブロック304は、センサからのデータに基づいて、金属製品の切断区間と非切断及び/または上流側区間との間のギャップの実際の長さを決定することを含み得る。いくつかの例では、ブロック304は、切断区間の上流側端部の検知と非切断及び/または上流側区間の下流側端部の検知との間の持続時間に基づいてギャップの実際の長さを決定することを含み得る。
【0040】
ブロック306では、コントローラは、ギャップの実際の長さをギャップの所望の長さと比較し、ブロック308では、コントローラは、ギャップの実際の長さがギャップの所望の長さの所定の公差内である、またはギャップの所望の長さと実質的に同じであるかどうかを決定する。実際の長さが所望の長さと実質的に同じである場合、工程はブロック302に戻ることができる。
【0041】
ブロック310では、ギャップの実際の長さがブロック308に基づいたギャップの所望の長さと実質的に同じでない場合、コントローラは、ギャップの実際の長さがギャップの所望の長さの所定の公差内であるように、スレーブコンベヤのスレーブモータの制御速度を決定し得る。
【0042】
ブロック312では、コントローラは、スレーブコンベヤのスレーブモータを、制御速度で動作させ、ギャップの実際の長さがギャップの所望の長さの所定の公差内であるように制御する。様々な態様では、スレーブモータを制御速度で動作させるように制御すると、スレーブコンベヤがマスタコンベヤと同期する。ブロック312から、工程はブロック302に戻る。
【0043】
図4は、コンベヤシステム106またはコンベヤシステム206などのコンベヤシステムを制御システム102で制御して、金属製品の切断区間の所望の長さを設ける工程400の非限定的な一例を示す。
【0044】
ブロック402では、コントローラは、コンベヤシステムが鋳造工程中に、及び/またはそれ以外の場合に要望通りに利用されているかどうかを決定する。様々な態様では、コンベヤシステムが利用されなくなるときに工程は終了する。様々な例では、ブロック402の後で、かつブロック404の前に、方法は、
図3を参照して説明されるように、金属製品の隣接した区間の間に所望のギャップを設けるように、マスタコンベヤ及びスレーブコンベヤを制御することを含み得る。ある特定の場合には、ブロック404の前に、スレーブコンベヤはマスタコンベヤと同期する。
【0045】
ブロック404では、コントローラは、金属製品の切断区間の実際の長さを決定する。場合によっては、ブロック404の前に、方法は、センサによって、切断区間の下流側端部及び切断区間の上流側端部を検知することを含み得る。様々な態様では、ブロック404は、コントローラによって、切断区間の下流側端部が検知されているというインジケーションに続いて、切断区間の上流側端部が検知されているというインジケーションを受信することを含むことができる。また、ブロック404は、センサからのデータに基づいて切断区間の実際の長さを決定することを含み得る。いくつかの例では、ブロック404は、切断区間の下流側端部の検知と切断の上流側端部の検知との間の持続時間に基づいて切断区間の実際の長さを決定することを含み得る。
【0046】
ブロック406では、コントローラは、切断区間の実際の長さを切断区間の所望の長さと比較し、ブロック408では、コントローラは、切断区間の実際の長さが切断区間の所望の長さの所定の公差内である、または切断区間の所望の長さと実質的に同じであるかどうかを決定する。実際の長さが所望の長さと実質的に同じである場合、工程はブロック402に戻ることができる。
【0047】
ブロック410では、切断区間の実際の長さがブロック408に基づいた切断区間の所望の長さと実質的に同じでない場合、コントローラは、切断区間の実際の長さが切断区間の所望の長さの所定の公差内であるように、マスタコンベヤのマスタモータの制御速度を決定し得る。
【0048】
ブロック412では、コントローラは、マスタモータを、制御速度で動作させ、切断区間の実際の長さが切断区間の所望の長さの所定の公差内であるように制御する。様々な場合には、スレーブコンベヤがマスタコンベヤと前もって同期したため、マスタモータが制御速度で動作するように制御されると、スレーブモータ(したがって、スレーブコンベヤ)が制御速度で動作する。ブロック412から、工程はブロック402に戻る。
【0049】
本明細書に記載された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「例示」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態の集合体が以下に提供される。これらの例示は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの例の例示に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全ての実現可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0050】
例示1.第一運搬装置及び前記第一運搬装置を駆動するように構成される第一モータを備えるマスタコンベヤと、第二運搬装置及び前記第二運搬装置を駆動するように構成される第二モータを備えるスレーブコンベヤと、前記マスタコンベヤと前記スレーブコンベヤとの間の切断装置であって、前記マスタコンベヤ及び前記スレーブコンベヤによって運搬される金属製品を選択的に切断するように構成される、前記切断装置と、制御システムであって、前記切断装置から下流側にあり、前記金属製品の区間の端部を、前記金属製品の前記区間が下流方向に移動するときに検知するように構成されるセンサ、及び前記センサと通信可能に結合されるコントローラであって、前記センサから前記検知された端部に基づいて前記第一モータまたは前記第二モータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される、前記コントローラを備える、前記制御システムとを含む、金属鋳造システム。
【0051】
例示2.前記金属鋳造システムは連続鋳造システムである、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0052】
例示3.前記切断装置はソーを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0053】
例示4.前記センサは非接触センサである、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0054】
例示5.前記非接触センサは、レーザセンサまたは光センサのうちの少なくとも1つを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0055】
例示6.前記センサは、前記金属製品の切断区間から直上流側にある前記金属製品の非切断区間と不連続である前記切断区間の下流側端部及び上流側端部を検知するように構成され、前記コントローラは、前記スレーブコンベヤを前記マスタコンベヤと同期させ、前記センサから前記上流側端部及び前記下流側端部を受信し、前記検知された上流側端部及び前記検知された下流側端部に基づいて前記金属製品の前記切断区間の実際の製品の長さを決定し、前記実際の製品の長さを前記金属製品の前記切断区間の所定の製品の長さと比較し、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように、前記第一モータの速度を決定し、前記第一モータを、前記決定された速度で動作させ、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように制御するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0056】
例示7.前記センサは、前記金属製品の切断区間の上流側端部、及び前記切断区間から直上流側にあり、前記切断区間と不連続である前記金属製品の非切断区間の下流側端部を検知することによってギャップを検知するように構成され、前記切断区間は、前記ギャップによって前記非切断区間から離隔され、前記コントローラは、前記切断区間の前記上流側端部及び前記非切断区間の前記下流側端部を前記センサから受信し、前記切断区間の前記検知された上流側端部及び前記非切断区間の前記検知された下流側端部に基づいて前記ギャップの実際のギャップの長さを決定し、前記実際のギャップの長さを所定のギャップの長さと比較し、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように前記第二モータの速度を決定し、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように前記決定された速度で動作させるように前記第二モータを制御するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0057】
例示8.前記マスタコンベヤ及び前記スレーブコンベヤから上流側にある鋳型をさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0058】
例示9.前記第一運搬装置及び前記第二運搬装置は、エンドレスベルトまたはローラのうちの少なくとも1つをそれぞれ含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の金属鋳造システム。
【0059】
例示10.金属鋳造システム用のコンベヤシステムであって、第一エンドレスベルトを駆動するように構成される第一モータを備えるマスタコンベヤと、第二エンドレスベルトを駆動するように構成される第二モータを備えるスレーブコンベヤと、制御システムであって、前記第一エンドレスベルトまたは前記第二エンドレスベルトのうちの少なくとも1つによって運搬される金属製品の区間の端部を、前記金属製品の前記区間が下流方向に移動するときに検知するように構成されるセンサ、及び前記センサと通信可能に結合されるコントローラであって、前記センサから前記検知された端部に基づいて前記第一モータまたは前記第二モータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される、前記コントローラを備える、前記制御システムと、を含む、前記コンベヤシステム。
【0060】
例示11.前記センサは、前記金属製品の連続した端部を検知するように構成され、前記コントローラは、前記金属製品の切断区間の端部と、前記切断区間から直上流側にあり、前記切断区間と不連続である前記金属製品の非切断区間の端部とを含む前記連続した端部に基づいて前記第二モータを制御するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のコンベヤシステム。
【0061】
例示12.前記センサは、前記金属製品の連続した端部を検知するように構成され、前記コントローラは、前記スレーブコンベヤを前記マスタコンベヤと同期させ、前記金属製品の切断区間の下流側端部及び前記切断区間の上流側端部を含む前記連続した端部に基づいて前記第一モータを制御するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のコンベヤシステム。
【0062】
例示13.前記センサは、レーザセンサまたは光センサのうちの少なくとも1つを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のコンベヤシステム。
【0063】
例示14.運搬システムを制御する方法であって、前記運搬システムはマスタコンベヤ及び前記マスタコンベヤから分離されるスレーブコンベヤを含み、前記方法は、前記運搬システムによって下流方向に運搬される金属製品の連続した端部をセンサで検知することと、コントローラによって、前記検知された連続した端部に基づいて前記連続した端部間の実際の長さを決定することと、前記コントローラによって、前記実際の長さを所定の長さと比較することと、前記コントローラによって、前記実際の長さが前記所定の長さの所定の公差内であるように前記マスタコンベヤまたは前記スレーブコンベヤのうちの少なくとも1つのモータの制御速度を決定することと、前記コントローラによって、前記モータを、前記制御速度で動作させ、前記実際の長さが前記所定の長さの所定の公差内であるように制御することとを含む、前記方法。
【0064】
例示15.前記連続した端部は、前記金属製品の切断区間の端部、及び前記切断区間から直上流側にあり、前記切断区間と不連続である前記金属製品の非切断区間の端部を含み、前記実際の長さを決定することは、前記切断区間の前記端部と前記非切断区間の前記端部との間のギャップの実際のギャップの長さを決定することを含み、前記実際の長さを前記所定の長さと比較することは、前記実際のギャップの長さを所定のギャップの長さと比較することを含み、前記制御速度を決定することは、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように前記スレーブコンベヤの前記モータの前記制御速度を決定することを含み、前記モータを制御することは、前記スレーブコンベヤの前記モータを、前記制御速度で動作させ、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように制御することを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0065】
例示16.前記連続した端部は、前記金属製品の切断区間から直上流側にある前記金属製品の非切断区間と不連続である前記切断区間の下流側端部、及び前記切断区間の上流側端部を含み、前記実際の長さを決定することは、前記金属製品の前記切断区間の実際の製品の長さを決定することを含み、前記実際の長さを前記所定の長さと比較することは、前記実際の製品の長さを所定の製品の長さと比較することを含み、前記制御速度を決定することは、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように前記マスタコンベヤの前記モータの前記制御速度を決定することを含み、前記モータを制御することは、前記マスタコンベヤの前記モータを、前記制御速度で動作させ、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように制御することを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0066】
例示17.運搬システムを制御する方法であって、前記運搬システムはマスタコンベヤ及び前記マスタコンベヤから分離されるスレーブコンベヤを含み、前記方法は、少なくとも部分的に前記マスタコンベヤ上にある金属製品の第一区間と、少なくとも部分的に前記スレーブコンベヤ上にある前記金属製品の第二区間との間のギャップのギャップ始端部及びギャップ終端部をセンサで検知することであって、前記第二区間は前記ギャップによって前記第一区間から離隔される、前記検知することと、コントローラによって、前記センサによって検知された前記ギャップ始端部及び前記ギャップ終端部に基づいて実際のギャップの長さを決定することと、前記コントローラによって、前記実際のギャップの長さを所定のギャップの長さと比較することと、前記コントローラによって、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように前記スレーブコンベヤのモータの速度を決定することと、前記コントローラによって、前記実際のギャップの長さが前記所定のギャップの長さの所定の公差内であるように前記決定された速度に前記モータを制御することと、
を含む、前記方法。
【0067】
例示18.鋳造システムは、前記運搬システム、及び前記マスタコンベヤと前記スレーブコンベヤとの間のソーを含み、前記ギャップの前記ギャップ始端部及び前記ギャップ終端部を検知することは、前記ソーから下流側にある前記ギャップ始端部及び前記ギャップ終端部を検知することを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0068】
例示19.運搬システムを制御する方法であって、前記運搬システムはマスタコンベヤ及び前記マスタコンベヤから分離されるスレーブコンベヤを含み、前記方法は、金属製品の切断区間の製品始端部及び製品終端部を、前記切断区間が前記運搬システムによって運搬されている間にセンサを用いて検知することと、コントローラによって、前記センサが検知した前記製品始端部及び前記製品終端部に基づいて実際の製品の長さを決定することと、前記コントローラによって、前記実際の製品の長さを所定の製品の長さと比較することと、前記コントローラによって、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように前記マスタコンベヤのモータの速度を決定することと、前記コントローラによって、前記実際の製品の長さが前記所定の製品の長さの所定の公差内であるように前記決定された速度に前記モータを制御することとを含む、前記方法。
【0069】
例示20.鋳造システムは、前記運搬システム、及び前記マスタコンベヤと前記スレーブコンベヤとの間のソーを含み、前記金属製品の前記切断区間の前記製品始端部及び前記製品終端部を検知することは、前記ソーから下流側にある前記製品始端部及び前記製品終端部を検知することを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0070】
上記の態様は、実施態様の単なる可能な例であり、本開示の原理を明確に理解するために単に記述されている。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えることができる。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求は、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された実施形態または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。