(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】NFTの保有者にカメラアプリケーションを提供するための装置、方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240410BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023202278
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2023131714の分割
【原出願日】2023-08-11
【審査請求日】2023-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】721007489
【氏名又は名称】株式会社あるやうむ
(74)【代理人】
【識別番号】110003605
【氏名又は名称】弁理士法人六本木通り特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畠中 博晶
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-096201(JP,A)
【文献】特開2022-191980(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0318233(US,A1)
【文献】米国特許第11367060(US,B1)
【文献】特許第7432676(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00ー99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のNFTの保有者にカメラアプリケーションを提供するための方法であって、前記保有者のモバイル端末が、
前記カメラアプリケーションに前記保有者が選択したソフトウェアウォレットを接続するステップと、
前記ソフトウェアウォレットの接続後、前記ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワークから、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数の格納場所を受信するステップと、
前記1又は複数の格納場所から、前記1又は複数の画像を取得するステップと、
前記1又は複数の画像の少なくともいずれかを前記カメラアプリケーション上で表示するステップと、
前記保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能にするステップとを含む。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記モバイル端末は、スマートフォンである。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記ブロックチェーンネットワークは、EVM互換性のあるネットワークである。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記1又は複数の画像は、行事又は観光名所を表す画像を含む。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記表示は、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの所定の条件を満たすものに紐づけられた画像を前記カメラアプリケーション上で表示することを含む。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記1又は複数の格納場所はそれぞれ、各画像のハッシュ値を含む分散型ストレージ上のURLである。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記カメラフレームとして用いる画像を、前記撮影が可能な画面から変更可能である。
【請求項8】
1又は複数のNFTの保有者のモバイル端末に、前記保有者にカメラアプリケーションを提供するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記カメラアプリケーションに前記保有者が選択したソフトウェアウォレットを接続するステップと、
前記ソフトウェアウォレットの接続後、前記ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワークから、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数の格納場所を受信するステップと、
前記1又は複数の格納場所から、前記1又は複数の画像を取得するステップと、
前記1又は複数の画像の少なくともいずれかを前記カメラアプリケーション上で表示するステップと、
前記保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能にするステップとを含む。
【請求項9】
1又は複数のNFTの保有者にカメラアプリケーションを提供するためのモバイル端末であって、
前記カメラアプリケーションに前記保有者が選択したソフトウェアウォレットを接続し、
前記ソフトウェアウォレットの接続後、前記ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワークから、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数の格納場所を受信して、前記1又は複数の格納場所から、前記1又は複数の画像を取得し、
前記1又は複数の画像の少なくともいずれかを前記カメラアプリケーション上で表示して、前記保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NFTの保有者にカメラアプリケーションを提供するための装置、方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
NFT (Non-Fungible Token) は、デジタルコンテンツに希少性を与える手段として、アート、ゲームなどの分野で活用が図られるとともに、希少性が技術的に保証されることを活かして、会員権、入場券など、保有者の権利を証明する手段としてもさまざまなサービスで活用が試みられている。一例として、出願人は、ふるさと納税の返礼品として地方自治体にゆかりのあるデジタルアートが紐づけられたNFTを採用し、保有者に特典を提供可能とすることによって地方創生の推進につなげるサービスを提供している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、NFTの活用は進んでいるものの、保有者がNFTを保有することの利点を実感する機会はまだ限られている。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、NFTの保有者に当該NFTを保有することで得られる新たな体験を与えるための装置、方法又はそのためのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、1又は複数のNFTの保有者にカメラアプリケーションを提供するための方法であって、前記保有者のモバイル端末が、前記カメラアプリケーションのためのプログラムを受信するステップと、前記カメラアプリケーションに対して、前記保有者が選択したソフトウェアウォレットを接続するステップと、前記ソフトウェアウォレットの接続後、前記ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスであって、前記保有者が選択した公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワークから、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数の格納場所を受信するステップと、前記1又は複数の格納場所から、前記1又は複数の画像を取得するステップと、前記1又は複数の画像の少なくともいずれかを前記カメラアプリケーション上で表示するステップと、前記保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能にするステップとを含む。
【0006】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の方法であって、前記モバイル端末は、スマートフォンである。
【0007】
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の方法であって、前記ブロックチェーンネットワークは、EVM互換性のあるネットワークである。
【0008】
また、本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様の方法であって、前記1又は複数のNFTは、前記カメラアプリケーションのためのコントラクトアドレスを用いて発行されたものである。
【0009】
また、本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様の方法であって、前記ソフトウェアウォレットは、前記保有者が選択したウォレットである。
【0010】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様の方法であって、前記公開アドレスは、前記保有者が選択したアドレスである。
【0011】
また、本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様の方法であって、前記プログラムは、前記モバイル端末が、第1の装置から受信するモジュールである。
【0012】
また、本発明の第8の態様は、第7の態様の方法であって、前記ソフトウェアウォレットの前記接続は、前記第1の装置とは異なる第2の装置に、前記カメラアプリケーションに対して前記ソフトウェアウォレットを接続することの要求を送信して行われる。
【0013】
また、本発明の第9の態様は、第1から第8のいずれかの態様の方法であって、前記1又は複数の画像は、行事又は観光名所を表す画像を含む。
【0014】
また、本発明の第10の態様は、第1から第9のいずれかの態様の方法であって、前記表示は、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの所定の条件を満たすものに紐づけられた画像を前記カメラアプリケーション上で表示することを含む。
【0015】
また、本発明の第11の態様は、第1から第10のいずれかの態様の方法であって、前記1又は複数の格納場所はそれぞれ、各画像のハッシュ値を含む分散型ストレージ上のURLである。
【0016】
また、本発明の第12の態様は、第1から第11のいずれかの態様の方法であって、前記カメラフレームとして用いる画像を、前記撮影が可能な画面から変更可能である。
【0017】
また、本発明の第13の態様は、第1から第12のいずれかの態様の方法であって、前記表示は、前記保有者の過去の選択に基づく並び替えを含む。
【0018】
また、本発明の第14の態様は、1又は複数のNFTの保有者のモバイル端末に、前記保有者にカメラアプリケーションを提供するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、前記カメラアプリケーションのためのプログラムを受信するステップと、前記カメラアプリケーションに対して、前記保有者が選択したソフトウェアウォレットを接続するステップと、前記ソフトウェアウォレットの接続後、前記ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスであって、前記保有者が選択した公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワークから、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数の格納場所を受信するステップと、前記1又は複数の格納場所から、前記1又は複数の画像を取得するステップと、前記1又は複数の画像の少なくともいずれかを前記カメラアプリケーション上で表示するステップと、前記保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能にするステップとを含む。
【0019】
また、本発明の第15の態様は、1又は複数のNFTの保有者にカメラアプリケーションを提供するためのモバイル端末であって、前記カメラアプリケーションのためのプログラムを受信し、前記カメラアプリケーションに対して、前記保有者が選択したソフトウェアウォレットを接続し、前記ソフトウェアウォレットの接続後、前記ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスであって、前記保有者が選択した公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワークから、前記公開アドレスに関連づけられた前記1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数の格納場所を受信して、前記1又は複数の格納場所から、前記1又は複数の画像を取得し、前記1又は複数の画像の少なくともいずれかを前記カメラアプリケーション上で表示して、前記保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能にする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、1又は複数のNFTの保有者が用いるモバイル端末100上で動作するカメラアプリケーションに対してモバイル端末100にインストールされたソフトウェアウォレットを接続し、当該ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスに関連づけられた1又は複数のNFTに紐づけられた1又は複数の画像の中から当該保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能とすることによって、当該保有者にNFTを保有することで得られる新たな体験を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるシステムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかるカメラアプリケーションを提供するための方法の流れを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかるカメラアプリケーションにおけるウォレットの接続画面の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかるカメラアプリケーションにおけるNFTの一覧画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかるカメラアプリケーションにおける撮影画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1に本発明の一実施形態にかかるシステムを示す。NFTの保有者が用いるモバイル端末100は、第1の装置110及び第1の装置110と異なる第2の装置120、ブロックチェーンネットワーク130及びストレージ140とインターネット等のIPネットワークを介して通信する。ブロックチェーンネットワーク130は、複数のノードを含み、モバイル端末100は、いずれかのノードとの間で通信を行う。
【0024】
モバイル端末100は、通信インターフェースなどの通信部101と、プロセッサ、CPU等の処理部102と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部103とを備え、各処理又は各動作を行うためのプログラムを処理部102の少なくとも1つのプロセッサにおいて実行することによって構成することができる。モバイル端末100は、スマートフォン、タブレット等の持ち運び可能で、無線通信によりIPネットワークと接続可能な機器とすることができる。また、当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部103に記憶しておき、処理部102の少なくとも1つのプロセッサにおいて当該プログラムに含まれる命令を実行することができるほか、以下に説明するように第1の装置110からモバイル端末100に送信することもできる。
【0025】
まず、モバイル端末100は、第1の装置110から、カメラアプリケーションのためのモジュールを受信する(S201)。
図3は、当該モジュールをモバイル端末100において実行した際にモバイル端末100で動作するウェブブラウザに表示される画面300の一例である。当該モジュールは、たとえば、JavaScript(登録商標)言語で記述することができる。以下では、ウェブブラウザを用いて供されるカメラアプリケーションの例を説明するが、モバイル端末100にネイティブアプリケーションをインストールしてもよい。この場合は、モバイル端末100は、第1の装置110から、当該ネイティブアプリケーションを事前に受信する。いずれの場合においても、モバイル端末100は、カメラアプリケーションのためのプログラムを第1の装置110から受信すればよい。
【0026】
次に、モバイル端末100は、第1の装置110と異なる第2の装置120に、当該カメラアプリケーションにソフトウェアウォレットを接続することの要求を送信する(S202)。モバイル端末100には、ソフトウェアウォレットがインストールされ、公開アドレスが登録されている必要がある。ソフトウェアウォレットは、ネイティブアプリケーションであっても、ウェブブラウザに対するプラグインであってもよい。
【0027】
たとえば、
図3に示す画面300の例では、モバイル端末100のユーザーが「Walletを接続」と記載されたボタンをクリック又はタップしたことに応じて、接続するウォレットの選択画面をモバイル端末100の表示画面に表示し、ユーザーが選択したウォレットの当該カメラアプリケーションに対する接続をウォレット接続サービスを提供する第2の装置120に要求するようにしてもよい。ここで、ウォレットの「接続」とは、接続先のアプリケーションが、接続されるウォレットで管理される公開アドレス及びそれに関連づけられたデータを閲覧可能とすることを意味する。
【0028】
そして、モバイル端末100は、第2の装置120からの接続に成功した旨の通知を必要に応じて第1の端末110を介して受信する(S203)。ここでは、第2の装置120が提供するウォレット接続サービスを利用する例を説明したところ、カメラアプリケーションに対してモバイル端末100にインストールされたソフトウェアウォレットを接続可能であれば、その他の手法を用いてもよい。また、第2の装置120から接続に成功した旨の通知を行うのではなく、モバイル端末100上で、ソフトウェアウォレットからカメラアプリケーションに対して当該通知がなされてもよく、明示的な通知はなくてもよい。
【0029】
接続後、モバイル端末100は、当該ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワーク130から、当該公開アドレスに関連づけられた1又は複数のNFTのうちの少なくともいずれかのメタデータに含まれる1又は複数の画像の1又は複数のURLを受信する(S204~S205)。URLという表現を用いたが、IPネットワーク上の格納場所を示す情報であればよい。ブロックチェーンネットワーク130は、イーサリアム(商標)ブロックチェーンネットワーク又はEVM互換性のあるネットワークとすることができる。
【0030】
具体的には、一例として、カメラアプリケーションが対象とするNFTを発行可能なコントラクトアドレスを当該カメラアプリケーションに記憶しておき、当該コントラクトアドレスを用いて発行されたNFTの数nをweb3.jsのメソッドtokenSupply()によって取得する。NFTを識別するtokenidが0からインクリメントされるようにすれば、0からn-1のtokenidについてメソッドownerOf(tokenid)を呼び出すことで、各NFTがいずれの公開アドレスによって保有されているかを確認することができる。メソッドownerOf(tokenid)の返り値が、当該カメラアプリケーションに接続されたソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスと一致するtokenidによって識別されるNFTを当該公開アドレスに関連づけられたNFTとして特定することができる。そして、そのようにして特定された各NFTについて、メソッドtokenURI(tokenid)を呼び出すことで、当該NFTのメタデータに含まれる画像のURLが分かる。
【0031】
モバイル端末100は、受信した1又は複数のURLにアクセスすることで、それらのURLに格納された画像を取得することができる(S206~S207)。各NFTのメタデータは、一例としてJSON形式のデータであって、画像のURLを含み、さらに当該画像の名前、説明などをさらに含んでもよい。当該URLは、分散型ストレージにおけるコンテンツの識別子を含むURLとすることができる。当該識別子を当該画像のハッシュ値とした場合、NFT発行後に改竄があれば、ハッシュ値が当該識別子と一致しないことから、改竄の有無が検証可能となる。取得される画像の例としては、1又は複数の人物又は建物を含む画像が挙げられる。
【0032】
そして、
図4の一覧画面400に示すように、取得された1又は複数の画像の少なくとも一部がカメラアプリケーション上で表示され(S208)、モバイル端末100のユーザーであるNFTの保有者がいずれかの画像を選択したことに応じて、当該画像をカメラフレームとして映像の撮影が可能となる(S209)。ここで、取得された1又は複数の画像の少なくとも一部の表示は、それらに対応するサムネイル等のプレビューとして表示することを含む。また、当該表示は、当該NFT保有者の好みを反映させるために、当該保有者の過去の選択に基づいて並び替えてから行われてもよい。
図5に示す撮影画面500の例では、写真撮影が可能となっているが、動画の撮影を可能としてもよい。また、カメラフレームとして用いる画像を、撮影が可能な画面から変更可能としてもよい。
【0033】
このように、1又は複数のNFTの保有者が用いるモバイル端末100上で動作するカメラアプリケーションに対してモバイル端末100にインストールされたソフトウェアウォレットを接続し、当該ソフトウェアウォレットで管理される公開アドレスに関連づけられた1又は複数のNFTに紐づけられた1又は複数の画像の中から当該保有者が選択した画像をカメラフレームとして映像の撮影を可能とすることによって、当該画像が紐づけられたNFTの希少性に起因して、当該保有者にNFTを保有することで得られる新たな体験を与えることができる。収集したNFTを写真又は動画の説明という身近な行為と結びつけることによって、NFTを保有することの利点が実感され、NFTに対する関心を高める。
【0034】
カメラアプリケーション上で表示される画像は、公開アドレスに関連づけられた1又は複数のNFTのうちの所定の条件を満たすものに紐づけられた画像としてもよい。たとえば、所定の場所又は日時である場合にのみ選択可能な画像としてカメラアプリケーション上で表示させることで、当該画像に紐づけられたNFTの保有者に与える体験の価値を高めることができる。このような画像の例としては、花火・お祭り等の行事を表す画像、観光名所を表す画像などが挙げられる。また、表示された画像のうち、公開アドレスに関連づけられた1又は複数のNFTのうちの所定の条件を満たすものに紐づけられた画像のみを選択可能としてもよい。
【0035】
なお、上述の実施形態において、「のみに基づいて」、「のみに応じて」、「のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」こと、「aの直後にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0036】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【符号の説明】
【0037】
100 モバイル端末
101 通信部
102 処理部
103 記憶部
110 第1の装置
120 第2の装置
130 ブロックチェーンネットワーク
140 ストレージ
300 接続画面
400 一覧画面
500 撮影画面
【要約】
【課題】NFTを保有することで得られる新たな体験を与えるための方法を提供する。
【解決手段】モバイル端末100は、カメラアプリケーションのためのモジュールを受信する(S201)。次に、モバイル端末100は、ソフトウェアウォレットを接続することの要求を送信する(S202)。接続後、モバイル端末100は、当該ウォレットで管理される公開アドレスが記録されたブロックチェーンネットワーク130から、当該公開アドレスに関連づけられた複数のNFTのメタデータに含まれる画像のURLを受信する(S204~S205)。モバイル端末100は、受信した複数のURLにアクセスすることで、複数の画像を取得し(S206~S207)、それらの少なくとも一部をカメラアプリケーション上で表示する(S208)。当該NFTの保有者がいずれかの画像を選択したことに応じて、当該画像をカメラフレームとして映像の撮影が可能となる(S209)。
【選択図】
図2