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特許7470249エレクトロニクス製品のための分岐鎖状アミノ酸界面活性剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】エレクトロニクス製品のための分岐鎖状アミノ酸界面活性剤
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/308 20060101AFI20240410BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240410BHJP
   C09K 23/18 20220101ALI20240410BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20240410BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20240410BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20240410BHJP
   C07C 229/12 20060101ALI20240410BHJP
   C07C 309/14 20060101ALI20240410BHJP
   C07C 291/04 20060101ALI20240410BHJP
   C07C 309/30 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H01L21/308 G
H01L21/304 647B
H01L21/304 647A
C09K23/18
C11D1/62
C11D3/43
C11D3/04
C07C229/12
C07C309/14
C07C291/04
C07C309/30
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023502604
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2021041342
(87)【国際公開番号】W WO2022015677
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】63/051,187
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517213094
【氏名又は名称】アドバンシックス・レジンズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ADVANSIX RESINS & CHEMICALS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】アシルバサム,エドワード
【審査官】山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-227304(JP,A)
【文献】特表2008-547050(JP,A)
【文献】国際公開第2019/110371(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0010426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/308
H01L 21/304
C09K 23/18
C11D 1/62
C11D 3/43
C11D 3/04
C07C 229/12
C07C 309/14
C07C 291/04
C07C 309/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレテクスチャリング剤のための製剤であって、
以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【化1】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、
は、C~C12アルキルであり、
は、C~C10アルキルであり、
末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
所望に応じて存在してよい対イオンが、前記化合物に付随していてもよく、存在する場合、前記対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及び
1又は複数の溶媒、
を含む、製剤。
【請求項2】
1又は複数の酸をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
1又は複数の塩基をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
1又は複数のキレート剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
前記界面活性剤が、
以下の式:
【化2】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド、
以下の式:
【化3】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
以下の式:
【化4】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、
以下の式:
【化5】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、
以下の式:
【化6】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド、
以下の式:
【化7】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、及び
以下の式:
【化8】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
プレテクスチャリング剤のための製剤であって、
以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【化9】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、
は、C~C12アルキルであり、
は、C~C10アルキルであり、
末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
所望に応じて存在してよい対イオンが、前記化合物に付随していてもよく、存在する場合、前記対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及び
1又は複数の消泡剤、
を含む、製剤。
【請求項7】
1又は複数の酸をさらに含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項8】
1又は複数の塩基をさらに含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項9】
1又は複数のキレート剤をさらに含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項10】
1又は複数の溶媒をさらに含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項11】
前記界面活性剤が、
以下の式:
【化10】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド、
以下の式:
【化11】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
以下の式:
【化12】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、
以下の式:
【化13】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、
以下の式:
【化14】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド、
以下の式:
【化15】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、及び
以下の式:
【化16】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項12】
エッチング液のための製剤であって、
以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【化17】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、
は、C~C12アルキルであり、
は、C~C10アルキルであり、
末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
所望に応じて存在してよい対イオンが、前記化合物に付随していてもよく、存在する場合、前記対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及び
フッ化水素酸(HF)、
を含む、製剤。
【請求項13】
1又は複数の酸化剤をさらに含む、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
1又は複数の錯化剤をさらに含む、請求項12に記載の製剤。
【請求項15】
前記界面活性剤が、
以下の式:
【化18】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド、
以下の式:
【化19】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
以下の式:
【化20】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、
以下の式:
【化21】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、
以下の式:
【化22】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド、
以下の式:
【化23】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、及び
以下の式:
【化24】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の製剤。
【請求項16】
フォトレジスト剥離製剤のための製剤であって、
以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【化25】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、
は、C~C12アルキルであり、
は、C~C10アルキルであり、
末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、前記C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、
所望に応じて存在してよい対イオンが、前記化合物に付随していてもよく、存在する場合、前記対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及び
アルカノールアミン、
を含む、製剤。
【請求項17】
スルホキシドをさらに含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
スルホンをさらに含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項19】
グリコールエーテルをさらに含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項20】
前記界面活性剤が、
以下の式:
【化26】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド、
以下の式:
【化27】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
以下の式:
【化28】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、
以下の式:
【化29】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、
以下の式:
【化30】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド、
以下の式:
【化31】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、及び
以下の式:
【化32】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される2020年7月13日に出願された仮特許出願第63/051,187号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、エレクトロニクスにおける使用のための分岐鎖状界面活性剤に関する。より詳細には、本開示は、エッチング及びフォトレジストコーティングの除去による回路基板の製造における分岐鎖状界面活性剤に関する。そのような界面活性剤は、表面活性特性を有するアミノ酸の誘導体を含み得る。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤(表面活性特性を有する分子)は、回路基板の製造において、洗浄剤、エッチング液、及びフォトレジスト剥離液中に広く用いられている。界面活性剤は、乳化剤、湿潤剤、発泡剤、分散剤、及び/又は広がり性を改善する剤として含まれ得る。
【0004】
界面活性剤は、非イオン性、双性イオン性、カチオン性、又はアニオン性であり得る。原理上は、いかなる界面活性剤のクラス(例:カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性)も適するが、製剤は、2種類以上の界面活性剤クラスからの2つ以上の界面活性剤の組み合わせを含み得ることが可能である。
【0005】
多くの場合、界面活性剤は、相対的に非水溶性の疎水性「尾部」基及び相対的に水溶性の親水性「頭部」基を有する両親媒性分子である。これらの化合物は、2つの液体間、気液間、又は固液間の界面などの界面で吸着し得る。相対的に極性の成分と相対的に非極性の成分を含む系では、疎水性の尾部は、相対的に非極性の成分と選択的に相互作用し、一方親水性の頭部は、相対的に極性の成分と選択的に相互作用する。水と油との間の界面の場合、親水性の頭部基は、選択的に水中へ延び、一方疎水性の尾部は、選択的に油中へ延びる。気水界面に添加されると、親水性の頭部基は、選択的に水中へ延び、一方疎水性の尾部は、選択的に気体中へ延びる。界面活性剤が存在すると、水分子間の分子間相互作用の少なくとも一部が乱され、水分子間の相互作用の少なくとも一部が、水分子の少なくとも一部と界面活性剤との間の一般的にはより弱い相互作用に置き換わる。これは、表面張力を低下させる結果となり、界面を安定化させるようにも働き得る。
【0006】
充分に高い濃度では、界面活性剤は、疎水性の尾部が極性溶媒に曝露することを制限するように作用する凝集体を形成する可能性がある。1つのそのような凝集体は、ミセルである。典型的なミセルでは、分子は球状に配列され、界面活性剤の疎水性の尾部が選択的に球の内側に位置し、界面活性剤の親水性の頭部が選択的にミセルの外側に位置して、頭部がより極性である溶媒と選択的に相互作用する。任意の化合物が表面張力に対して有する効果及びそれがミセルを形成する濃度は、界面活性剤を規定する特徴として有用であり得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、プレテクスチャリング剤(pre-texturing agents)、エッチング液、及びフォトレジスト剥離液に用いるための製剤を提供する。これらの製品は、本明細書で開示する1又は複数種類の界面活性剤のクラスからの1又は複数の界面活性剤を含むように製剤され得る。界面活性剤は、乳化剤、湿潤剤、分散剤、及び/又は広がり性を改善する剤として用いられ得る。
【0008】
本開示は、表面活性特性を有するアミノ酸の誘導体の形態であるプレテクスチャリング剤、エッチング液、及びフォトレジスト剥離液のための界面活性剤を提供する。アミノ酸は、天然若しくは合成アミノ酸であってよい、又はカプロラクタムを例とするラクタムなどの分子の開環反応を介して得られてもよい。アミノ酸は、官能化されて、表面活性特性を有する化合物が形成されてもよい。特徴的なことには、これらの化合物は、低い臨界ミセル濃度(CMC)及び/又は液体の表面張力を低下させる能力を有し得る。
【0009】
本開示は、プレテクスチャリング剤のための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0010】
【化1】
【0011】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;1又は複数の消泡剤、所望に応じて1又は複数の酸、所望に応じて1又は複数の塩基、所望に応じて1又は複数のキレート剤、及び1又は複数の溶媒、を含む。
【0012】
本開示はさらに、エッチング液のための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0013】
【化2】
【0014】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;フッ化水素酸(HF)、1又は複数の溶媒、所望に応じて1又は複数の酸化剤、及び1又は複数の錯化剤、を含む。
【0015】
本開示はさらに、フォトレジスト剥離液のための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0016】
【化3】
【0017】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;アルカノールアミン;スルホキシド又はスルホン化合物;及びグリコールエーテル、を含む。
【0018】
本開示の上述の及び他の特徴、並びにそれらを達成する方法は、以下の実施形態の記述を添付の図面と合わせて参照することによって、より明らかとなり、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、例1Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図2A図2Aは、例2Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図2B図2Bは、例2Cで述べるように、時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、表面張力をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で表す。
図3図3は、例3Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図4A図4Aは、例4Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図4B図4Bは、例4Cで述べるように、時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、表面張力をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で表す。
図5A図5Aは、例5Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図5B図5Bは、例5Cで述べるように、時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、表面張力をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で表す。
図6A図6Aは、例6Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図6B図6Bは、例6Cで述べるように、時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、表面張力をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で表す。
図7A図7Aは、例7Bで述べるように、pH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、表面張力(γ)をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で表す。
図7B図7Bは、例7Cで述べるように、時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、表面張力をミリニュートン毎メートル(mN/m)で表し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
I.定義
本明細書で用いられる場合、「これらの終点を用いたいずれかの範囲内」の句は、文字通り、値が列挙の低い値の方にあるか、又は列挙の高い値の方にあるかにかかわらず、その句の前に列挙された値のいずれか2つからのいずれの範囲が選択されてもよいことを意味する。例えば、値の対は、低い方の値2つ、高い方の値2つ、又は低い方の値及び高い方の値、から選択されてよい。
【0021】
本明細書で用いられる場合、「アルキル」の語は、いずれの飽和炭素鎖をも意味し、直鎖であっても又は分岐鎖であってもよい。
【0022】
本明細書で用いられる場合、「表面活性」の句は、関連する化合物が、それが少なくとも部分的に溶解されている媒体の表面張力及び/又は他の相との界面張力を低下させることができ、したがって、気液界面及び/又は他の界面に少なくとも部分的に吸着し得ることを意味する。「界面活性剤」の用語は、そのような化合物に適用され得る。
【0023】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」の用語は、交換可能に用いられてよく、記載された測定値を含み、その記載された測定値に対して合理的に近いいずれの測定値も含む測定値を意味するために用いられてよい。記載された測定値に対して合理的に近い測定値は、該当する技術分野の当業者によって理解され、容易に確認される合理的に小さい量の分、記載された測定値から逸脱している。そのような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために成される少しの調整に起因すると考えられ得る。該当する技術分野の当業者が、そのような合理的に小さい差異に関する値が容易に確認されるものではないと判断する場合には、「約」及び「およそ」の用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味するものと理解されてよい。
【0024】
本開示は、プレテクスチャリング剤、エッチング液、及びフォトレジスト剥離液の製剤を提供する。
【0025】
II.プレテクスチャリング剤
本開示は、光起電力ウェハの表面のテクスチャリングのための製剤及び方法を提供する。光エネルギーを電気に変換する効率を改善するために、極低反射性シリコン表面が所望される。例えば単結晶シリコンの場合、これは、テクスチャリングと称されるプロセスにおいて、(100)Siウェハの異方性エチングによって表面上にピラミッド構造を形成することで実現される。低反射率を実現するためには、シリコンウェハの表面上において、ピラミッド構造の均一で密な分布が所望される。ピラミッド構造の高さは、10μm未満であり、且つ均一なサイズであることが所望される。ピラミッド構造がより小さく均一であると、やはり効率のロスを防止するためにテクスチャ付与表面上に堆積される不動態化層の良好な被覆が確保される。また、ピラミッド構造がより小さく均一であると、シリコン表面上に印刷される金属接触線がより狭くなり、より多くの光が光-電子変換のためにシリコン表面まで透過可能となることも確保される。
【0026】
本開示のプレテクスチャリング製剤は、本明細書で述べるテクスチャリングプロセスにおいて、シリコンウェハ、基板、又は異なる種類の基板上に堆積されたシリコン膜(基板又はウェハの用語は、本明細書において交換可能に用いられる)を処理するために用いられ得る。本開示のプレテクスチャリング製剤及び/又は方法で処理されたシリコンウェハは、光起電力セルの製造に用いられ得る。本開示のプレテクスチャリング製剤及び/又は方法に掛けられたウェハは、この処理に掛けられていないウェハと比較して、テクスチャリング均一性の改善及び反射率の低減を示し得る。
【0027】
本開示の方法及び/又は製剤で実現され得る追加の有益性としては、以下の1又は複数を含み得る。1)高密度で、平均高さが10μm未満又は8μm未満又は5μm未満又は4μm未満であるピラミッド構造をウェハの表面上に作り出すこと:2)テクスチャ付与表面の反射率の低下;3)ピラミッド構造の形成及び/又は低反射率テクスチャ付与表面の形成に要する時間の短縮;4)テクスチャリングプロセスにおけるイソプロピルアルコール濃度に対するテクスチャリング品質の感受性の低減、及びいくつかの実施形態においては、テクスチャリングが、1若しくは複数のテクスチャリング組成物中にイソプロピルアルコールも、又はテクスチャリングを促進するのに要する他のいかなる添加剤も用いずに実施され得ること;5)本開示のプレテクスチャリング製剤及び/又は方法がテクスチャリングプロセスに用いられる場合、テクスチャリングの品質及びスループットを改善するためのテクスチャリング(エッチング)組成物又はエッチング溶液中への添加剤の必要性が低減又は排除され得ること;6)テクスチャリング工程でエッチングされるシリコンの総量が低減され得ること;7)テクスチャリング組成物(テクスチャリング溶液又はエッチング溶液とも称される)の浴寿命が延長され得ること;8)不動態化層の被覆が改善され得ること;9)ウェハの上面に印刷される金属接触線が狭くなり得ること;並びに10)テクスチャリング前のシリコン表面の濡れ性が高められ得ること。
【0028】
本開示のプレテクスチャリング製剤を用いたプレテクスチャリング、さらには本明細書で述べるテクスチャリングの方法は、既知の方法及び製剤と比較してテクスチャリングの時間を短縮し得る。これは、処理時間を短縮し、したがって、ウェハ処理のスループットを向上させる結果となり得る。さらに、本開示のプレテクスチャリング製剤及び/又は方法が用いられる場合、テクスチャリングプロセスの過程で、経時での変化がほとんどないこと、又は1若しくは複数のテクスチャリング浴中の1若しくは複数のテクスチャリング組成物の濃度に対する感受性をほとんど示さないことが可能であり、そのために、プロセスの堅牢性が改善される結果となり、したがって、プロセスの不具合が発生した場合に、光起電力デバイスの性能を損なうことなく、より長い又はより短いテクスチャリング時間を用いることができる。
【0029】
光起電力単結晶シリコンウェハの加工は、典型的には、いかなる汚染物も除去するために洗浄し、及び典型的には濃アルカリ溶液中で、切断したウェハ(インゴットから切断)のソーダメージを除去する第一の工程、又は複数の工程、続いて、希アルカリ性溶液中でテクスチャリングして、表面の反射率を低減してより多くの光を電気に変換することを可能とすることでウェハの効率を高めるものであるピラミッド構造テクスチャを表面上に生成すること、を含む。多結晶シリコンウェハの場合、加工は、いかなる汚染物質も除去するために洗浄する第一の工程、又は複数の工程、及びそれに直接続いてテクスチャリングを行うこと、を含み得る。出来る限り低い反射率を有することが望ましい。本開示は、ウェハの表面のテクスチャリングを改善するためのプレテクスチャリング製剤及び方法を提供する。本開示は、1若しくは複数の界面活性剤又は溶液中の1若しくは複数の界面活性剤を含むプレテクスチャリング製剤でウェハ表面を処理するための方法を提供する。製剤は、ウェハ表面を修飾して、単結晶シリコンウェハをテクスチャリングする場合に、ピラミッド構造の高い核形成密度をもたらし、その結果、小さいピラミッド構造の所望される均一な分布が得られる。多結晶シリコンウェハの場合、表面修飾は、テクスチャ付与表面の均一性を改善し、その結果、より低い表面反射率をもたらすことができる。
【0030】
本開示によって提供されるプレテクスチャリング製剤は、1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤、1又は複数の消泡剤、所望に応じて1又は複数の酸、所望に応じて1又は複数の塩基、所望に応じて1又は複数のキレート剤、及び1又は複数の溶媒、を含み得る。
【0031】
1.界面活性剤
本開示のプレテクスチャリング剤は、界面活性剤系とも称される1又は複数の界面活性剤を含む。1又は複数の界面活性剤の選択は、ウェハ表面を修飾してピラミッド構造の核を形成し、及びウェハの表面を洗浄する能力に依存し得る。
【0032】
本開示のプレテクスチャリング製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤を含み、
【0033】
【化4】
【0034】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい。特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~7のいずれか1つ以上を含み得る。
【0035】
プレテクスチャリング製剤中の界面活性剤系の量は、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以下、約25重量%以下、約30重量%以下の範囲内、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であり得る。
【0036】
2.消泡剤
本開示のプレテクスチャリング製剤は、1又は複数の消泡剤/泡止め剤をさらに含み得る。消泡剤は、限定されるものではないが、シリコーン、有機ホスフェート、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを含有するエチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)ベースの消泡剤、アルコール、ホワイト油、又は植物油から選択されてよく、ワックスは、長鎖脂肪アルコール、脂肪酸セッケン、又はエステルである。一部のシリコーン界面活性剤及び本開示の界面活性剤などのいくつかの剤は、消泡剤と界面活性剤の両方として機能し得る。
【0037】
消泡剤は、プレテクスチャリング製剤中に、約0.0001重量%以上、約0.001重量%以上、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.5重量%以上、又は約1.0重量%以下、約1.5重量%以下、約2.0重量%以下、約3.0重量%以下、約3.5重量%以下、約4.0重量%以下、約4.5重量%以下、約5.0重量%以下の範囲内、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0038】
3.酸
有機酸は、微量金属、有機及び無機残渣の除去を改善するように機能する。有機酸は、限定されるものではないが、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、グルタル酸、アスコルビン酸、ギ酸、酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン、アラニン、シスチン、スルホン酸、スルホン酸の様々な誘導体、又はこれらの混合物を含む広範な酸から選択され得る。これらの酸の塩が用いられてもよい。また、これらの酸/塩の混合物が用いられてもよい。
【0039】
プレテクスチャリング製剤は、無機酸及び/又はそれらの塩をさらに含み得る。無機塩及び/又はそれらの塩は、他の有機酸及び/又はそれらの塩と組み合わせて用いられ得る。適切な無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、スルファミン酸などが挙げられる。また、これらの酸/塩の混合物が用いられてもよい。
【0040】
本開示のプレテクスチャリング組成物は、約0重量%以上、約0.1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、又は約15重量%以下、約20重量%以下、約25重量%以下、約30重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量の酸及び/又はそれらの塩(酸/塩)を含み得る。
【0041】
酸及び塩の組み合わせはまた、溶液を所望されるpHレベルで緩衝するためにも用いられ得る。酸/塩がプレテクスチャリング製剤に添加される場合、それらは、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約3重量%以上、又は約5重量%以下、約7重量%以下、約9重量%以下、約10重量%以下の範囲内、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0042】
4.塩基
本開示のプレテクスチャリング製剤は、1又は複数の塩基をさらに含み得る。適切な塩基としては、限定されるものではないが、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、第四級水酸化アンモニウム、アミン、炭酸グアニジン、及び有機塩基が挙げられる。塩基は、単独で、又は他の塩基と組み合わせて用いられてよい。適切な有機塩基の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシルアミン、エチレングリコール、グリセロール、第一級、第二級、又は第三級脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン及び複素環式アミンなどの有機アミン、アンモニア水、並びに第四級水酸化アンモニウムが挙げられ、ヒドロキシルアミン(NHOH)、N-メチルヒドロキシルアミン、N,N-ジメチルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、ジプロピルアミン、2-エチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N-メチルベンジルアミン、ピロール、ピロリジン、ピロリドン、ピリジン、モルホリン、ピラジン、ピペリジン、N-ヒドロキシエチルピペリジン、オキサゾール、チアゾール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2-ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、(2-ヒドロキシエチル)トリプロピルアンモニウムヒドロキシド、及び(1-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどである。
【0043】
プレテクスチャリング製剤は、約0重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約10重量%以下、約15重量%以下、約20重量%以下の範囲内、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で塩基を含み得る。
【0044】
プレテクスチャリング製剤のpHも、酸及び塩基の濃度を調節することによって制御され得る。pHは、基板の表面への界面活性剤の吸着を制御し、それによってテクスチャリング工程において得られるテクスチャリングの品質を制御するための因子であり得る。
【0045】
5.所望に応じて存在してよいキレート剤
本発明のプレテクスチャリング及び/又はテクスチャリング組成物は、1又は複数のキレート剤をさらに含み得る。キレート剤は、限定されるものではないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(NHEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチルクレントリアミン五酢酸ジエチレントリアミン五酢酸(diethylklenetriaminepentaceticdiethylenetriaminepentaacetic acid)(DPTA)、エタノールジグリシネート、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、リン酸、酒石酸、メチルジホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、エチリデン-ジホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、1-ヒドロキシプロピリデン-1,1-ジホスホン酸、エチルアミノビスメチレンホスホン酸、ドデシルアミノビスメチレンホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ヘキサジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、及び1,2-プロパンジアミンテテタメチレンホスホン酸(1,2-propanediaminetetetamethylenephosphonic acid)、又はアンモニウム塩、有機アミン塩、マロン酸、コハク酸、ジメルカプトコハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、トリカルバリル酸、プロパン-1,1,2,3-テトラカルボン酸、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、ピロメリット酸などのポリカルボン酸、グリコール酸、β-ヒドロキシプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ピルビン酸、ジグリコール酸、サリチル酸、没食子酸などのオキシカルボン酸、カテコール、ピロガロールなどのポリフェノール、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン酸、8-オキシキノリンなどのヘテロ環式化合物、並びにα-ジピリジルアセチルアセトンなどのジケトンから選択され得る。
【0046】
本開示のプレテクスチャリング製剤は、約0重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約7重量%以下、約8重量%以下、約9重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量のキレート剤を含み得る。
【0047】
6.溶媒
プレ製剤は、水、DI水、又は精製水などの水を溶媒として含む水性組成物であってよいが、水の代わりに又は水に加えて、当業者には公知のように、アルコール、グリコール、アセトンなどを含む通常の溶媒を用いることも可能である。プレテクスチャリング製剤は、製剤の総重量に基づいて50重量%超の水を含み得る。
【0048】
7.他の添加剤
界面活性剤を含むプレテクスチャリング組成物はまた、ウェハ表面の洗浄及び/又はテクスチャリング(エッチング)を促進するために、1又は複数の添加剤も含み得る。洗浄添加剤は、例えば、存在する場合、ソーダメージ除去工程の後であっても表面上の残留しているデブリの除去を補助する。所望に応じて、本発明のプレテクスチャリング組成物は、無機若しくは有機酸、塩基、キレート剤、分散剤、及び消泡剤、又はこれらの混合物を含む1又は複数の追加成分を含み得る。酸及び塩基及び他の添加剤は、例えばその洗浄性能を改善するために、プレテクスチャリング組成物に添加され得る。
【0049】
本開示のプレテクスチャリング製剤は、1又は複数の分散剤をさらに含み得る。適切な分散剤としては、本開示の界面活性剤、さらには、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルトリエタノールアミンサルフェート、アクリルアミド-メチル-プロパンスルホネート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド、ポリビニルピロリドン、ココナッツアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、及び2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが挙げられる。
【0050】
分散剤は、プレテクスチャリング製剤中に、約0重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、又は約2.0重量%以下、約2.5重量%以下、約3.0重量%以下、約3.5重量%以下、約4.0重量%以下、約4.5重量%以下、約5.0重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0051】
プレテクスチャリング製剤は、キシリトール、マンノース、グルコースなどの糖又は糖アルコールなど、他の添加剤をさらに含み得る。プレテクスチャリング製剤は、これらの添加剤を、約0重量%以上、約1重量%以上、約10重量%以上、約20重量%以上、又は約30重量%以下、約40重量%以下、約50重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で含有し得る。
【0052】
プレテクスチャリング製剤は、硝酸、過酸化物、及び次亜塩素酸塩などの酸化剤も含み得る。酸化剤は、約0重量%以上、約1重量%以上、約10重量%以上、約20重量%以上、又は約30重量%以下、約40重量%以下、約50重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0053】
プレテクスチャリング製剤はまた、プレテクスチャリング処理組成物又はテクスチャリングエッチング組成物への曝露に起因する腐食から加工設備の材料を保護するために、腐食防止剤も含み得る。
【0054】
適切な腐食防止剤としては、1,2,4-トリアゾール、アミノトリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾールなどの化合物が挙げられ得る。製剤はまた、化学的に還元性であるアスコルビン酸などの腐食防止剤も含み得る。
【0055】
8.使用方法
本開示のプレテクスチャリング製剤は、単結晶基板(例:Si<100>又はSi<111>)、微結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、歪みシリコン基板、アモルファスシリコン基板、ドープ若しくは未ドープのポリシリコン基板、ガラス、サファイア、又はいずれかの種類のケイ素含有基板であってよいウェハをテクスチャリングする多工程法における少なくとも1つのプレテクスチャリング工程で用いられ得る。基板はまた、金属、ガラス、又はポリマーなどの異なる種類の基板上に堆積されたシリコンの膜であってもよい。テクスチャリング工程の前に行われるプレテクスチャリング工程は、1つの界面活性剤又は2つ以上の界面活性剤の混合物を溶液中に含む本開示の製剤の使用を含む前処理工程である。
【0056】
1又は複数の界面活性剤を含むプレテクスチャリング製剤は、プレテクスチャリング工程及びテクスチャリング工程の後又はその最中に、ウェハの反射率を改善(低下)させるものと考えられる。プレテクスチャリング工程は、界面活性剤を含む本開示のプレテクスチャリング製剤を用い、テクスチャリング工程は、一般的にウェットエッチング液とも称される公知のいずれかのエッチング組成物又はエッチング溶液を用いた標準的ないかなるテクスチャリング又はエッチング工程であってもよい。例えば、テクスチャリング工程は、標準的なテクスチャリング浴中の標準的なテクスチャリング溶液を用い得る。
【0057】
本開示のプレテクスチャリング製剤は、プレテクスチャリング工程で用いられる場合、シリコン表面を洗浄するという追加の有益性を提供し得る。テクスチャリングプロセスの完了後、単結晶シリコンの場合は、高密度で小さいピラミッド構造の形成、多結晶シリコンの場合は、より均一なテクスチャ付与表面の形成を伴ってテクスチャリング品質が向上され、より低い反射率がもたらされる。
【0058】
本開示は、さらに、シリコンウェハを本明細書で開示される1又は複数のプレテクスチャリング製剤で湿潤する工程を含む、シリコンウェハをテクスチャリングする方法、及びシリコンウェハを本明細書に記載されるプレテクスチャリング製剤で湿潤する工程を含む、シリコンウェハをテクスチャリングする方法、シリコンウェハを本明細書に記載されるプレテクスチャリング製剤で湿潤する工程、及び上記ウェハをエッチング組成物で湿潤する工程を含むシリコンウェハをテクスチャリングする方法、を提供する。上述のプレテクスチャリング製剤のいずれが、本開示の方法で用いられてもよい。
【0059】
本開示のテクスチャリングプロセスは、少なくともプレテクスチャリング工程、及び続いてのテクスチャリング工程を含む多工程テクスチャリングプロセスであり得る。多工程テクスチャリングプロセスはまた、1若しくは複数のリンス工程、1若しくは複数の洗浄工程、1若しくは複数の所望に応じて行われるソーダメージ除去工程、及び/又は他の工程も含み得る。ウェハは、ソーダメージ除去工程の前に、テクスチャリング(エッチング)工程の前に、又はソーダメージ除去工程及びテクスチャリング工程の両方の前に、本開示のプレテクスチャリング製剤で湿潤され得る。
【0060】
ウェハは、プレテクスチャリング工程及び/又はテクスチャリング工程の前及び後に、別個のリンス工程でリンスされ得る。湿潤は、室温又は高められた温度で行われてよい。ウェハは、本開示のプレテクスチャリング製剤がウェハに適用される方法に基づいて変動し得る時間にわたって、本開示のプレテクスチャリング製剤で湿潤され得る。
【0061】
III.エッチング液
本開示は、エッチング液の製剤を提供する。半導体産業では、マイクロエレクトロニクスデバイス、シリコンチップ、液晶ディスプレイ、MEMS(マイクロ電気機械システム)、プリント配線板などにおける電子回路及び電子コンポーネントの寸法の縮小並びに密度の増加が急速に進められている。それらの中の集積回路は、層構造又は積層構造とされており、各回路層間の絶縁層の厚さは縮小を続け、フィーチャサイズ(feature sizes)はどんどん小さくなっている。フィーチャサイズが縮小されるに従って、パターンはより小さくなり、デバイスの性能パラメータは、より厳しく、強くなってきた。その結果、これまでは許容可能であった様々な問題が、フィーチャサイズの縮小に起因して、もはや許容することができないものとなってきた、又はますます問題となってきた。
【0062】
高度集積回路の製造において、密度の増加に伴う問題を最小限に抑えるために、及び性能を最適化するために、high-k及びlow-kの両方の絶縁体、並びに組み合わせられたバリア層材料が用いられてきた。
【0063】
タンタル(Ta)及び窒化タンタル(TaN)は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、MEMS(マイクロ電気機械システム)、プリント配線板などに、並びに貴金属、アルミニウム(Al)、及び銅(Cu)配線のグラウンド層やキャップ層として用いられる。半導体デバイスでは、それは、バリア金属、ハードマスク、又はゲート材料として用いられ得る。
【0064】
このような用途のためのデバイスの構築では、Ta及びTaNをエッチングする必要のある場合が多い。Ta及びTaNの様々な種類の使用及びデバイス環境では、これら2つの材料がエッチングされる際に、同時に他の層が接触している又はそうでなければ露出している。このような他の材料(例:金属導電体、誘電体、及びハードマーク(hard marks))の存在下では、Ta及びTaNの高選択性エッチングが、デバイスの歩留まり及び長寿命のために必要とされる。
【0065】
本開示は、半導体デバイス中に存在する金属導電体層、ハードマスク層、及びlow-k誘電体層と比較して選択的にTa及び/又はTaNをエッチングするための、エッチング液用製剤、プロセスを含む。より具体的には、本開示は、銅及びlow-k誘電体層と比較して選択的にTa及び/又はTaNをエッチングするための組成物及びプロセスに関する。
【0066】
本開示のエッチング液製剤は、相対的に高いTa/Cu及び/又はTaN/Cuエッチング選択性を有し得る(すなわち、Cuエッチング速度に対するTaの高いエッチング速度比、及び/又はCuエッチング速度に対するTaNの高いエッチング速度比)。いくつかの実施形態では、エッチング組成物は、約2以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約30以上、約40以上、約50以上、又は約60以下、約70以下、約80以下、約90以下、約100以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内のTa/Cu及び/又はTaN/Cuエッチング選択性を有し得る。
【0067】
本開示のエッチング液製剤は、相対的に高いTa/誘電材料(例:SiO2又はlow-k材料)及び/又はTaN/誘電材料エッチング選択性を有し得る(すなわち、誘電材料エッチング速度に対するTaの高いエッチング速度比、及び/又は誘電材料エッチング速度に対するTaNの高いエッチング速度比)。いくつかの実施形態では、エッチング組成物は、約2以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約30以上、約40以上、約50以上、又は約60以下、約70以下、約80以下、約90以下、約100以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内のTa/誘電材料及び/又はTaN/誘電材料エッチング選択性を有し得る。
【0068】
本開示のエッチング液は、フッ化水素酸(HF)、1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤、1又は複数の溶媒、所望に応じて1又は複数の酸化剤、及び1又は複数の錯化剤を含み得る。
【0069】
1.フッ化水素酸
フッ化水素酸は、エッチングプロセスの過程で、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を促進及び向上させることができるものと考えられる。
【0070】
フッ化水素酸は、エッチング液製剤中に、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、約1.0重量%以上、約1.2重量%以上、約1.4重量%以上、約1.5重量%以上、又は約2.0重量%以下、約2.5重量%以下、約3重量%以下、約3.5重量%以下、約4.0重量%以下、約4.5重量%以下、約5.0重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0071】
2.界面活性剤
本開示のエッチング液製剤は、界面活性剤系とも称される1又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤は、エッチング組成物の均質性を促進し得、溶媒中への成分(例:スルホン酸)の溶解を補助し得る。
【0072】
本開示のエッチング液製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤を含み、
【0073】
【化5】
【0074】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい。
【0075】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~7のいずれか1つ以上を含み得る。
【0076】
界面活性剤は、エッチング液製剤中に、約0.0001重量%以上、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、又は約0.6重量%以下、約0.7重量%以下、約0.8重量%以下、約0.9重量%以下、約1.0重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0077】
3.溶媒
本開示のエッチング液製剤は、1又は複数の溶媒を含み得る。エッチング組成物は、カルボン酸である第一の溶媒を含み得る。第一の溶媒として用いられるカルボン酸は、エッチングプロセスの過程で、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を促進及び向上し得る。
【0078】
適切な第一の溶媒は、式:R-COOHであり、式中、Rは、H又はC~Cアルキルであるカルボン酸を含んでよく、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、及びカプロン酸などである。
【0079】
第一の溶媒は、本開示のエッチング液製剤の主成分であり得る。例えば、第一の溶媒は、エッチング液製剤中に、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、又は約90重量%以下、約95重量%以下、約96重量%以下、約97重量%以下、約98重量%以下、約99重量%以下、約99.9重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0080】
別の選択肢として、本開示のエッチング液製剤は、2つ以上の溶媒を含み得る。例えば、エッチング組成物は、有機溶媒(カルボン酸ではない)及び無機溶媒から成る群より選択される少なくとも1つの第二の溶媒を含み得る。適切な無機溶媒としては、水及び水溶液が挙げられる。水は、脱イオン水及び超純水であってよく、有機汚染物を含有せず、最小抵抗率が約4~約17メガオーム又は少なくとも約17メガオームである水であってよい。
【0081】
少なくとも1つの第二の溶媒(例:水)は、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約7重量%以下、約8重量%以下、約9重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0082】
第二の溶媒は、カルボン酸ではない有機溶媒であり得る。例えば、有機溶媒は、約0以上、約0.1以上、約0.2以上、約0.3以上、約0.5以上、約1.0以上、約1.5以上、約2.0以上、又は約2.5以下、約3.0以下、約3.5以下、約4.0以下、約4.5以下、約5.0以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の分配係数(logP)を有する疎水性有機溶媒であり得る。
【0083】
本明細書で用いられる場合、分配係数のlogPは、n-オクタノールと水との二相系から得られる。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アルコール又はエーテルであり得る。エーテルは、アルキレングリコールエーテル(例:ジアルキレングリコールエーテル、トリアルキレングリコールエーテル、及びテトラアルキレングリコールエーテル)であり得る。そのような有機溶媒の例としては、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、及びジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、疎水性有機溶媒を用いることで、エッチングプロセスの過程においてTa又はTaNの除去を低下させることなくCuの除去を阻害することができるものと考えられる。
【0084】
少なくとも1つの第二の溶媒(例:有機溶媒)は、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、約2.0重量%以上、約2.5重量%以上、約5.0重量%以上、又は約6.0重量%以下、約8.0重量%以下、約10重量%以下、約15重量%以下、約20重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0085】
4.酸化剤
本開示のエッチング液製剤は、所望に応じて、マイクロエレクトロニクス用途での使用に適するいずれかの酸化剤を含んでよい。酸化剤は、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を促進及び向上し得る。適切な酸化剤としては、限定されるものではないが、酸化性の酸又はその塩(例:硝酸、過マンガン酸、又は過マンガン酸カリウム)、過酸化物(例:過酸化水素、過酸化ジアルキル、過酸化尿素)、過スルホン酸(例:ヘキサフルオロプロパン過スルホン酸、メタン過スルホン酸、トリフルオロメタン過スルホン酸、又はp-トルエン過スルホン酸)及びその塩、オゾン、過炭酸(例:過酢酸)及びその塩、過リン酸及びその塩、過硫酸及びその塩(例:過硫酸アンモニウム又は過硫酸テトラメチルアンモニウム)、過塩素酸及びその塩(例:過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、又は過塩素酸テトラメチルアンモニウム)、並びに過ヨウ素酸及びその塩(例:過ヨウ素酸、過ヨウ素酸アンモニウム、又は過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム)が挙げられる。これらの酸化剤は、単独で又は組み合わせて用いられ得る。
【0086】
5.錯化剤
本開示のエッチング液製剤は、適切ないかなる錯化剤を含んでもよい。錯化剤は、エッチングプロセスの過程で、エッチング組成物に曝露されたCuの除去を阻害しながら、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を促進及び向上させ得る。適切な錯化剤は、ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸から成る群より選択され得る。本明細書で用いられる場合、「ポリカルボン酸」の用語は、2つ以上の(例:2、3、又は4つ)カルボキシル基(COOH)を有する化合物を意味する。適切なポリカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「ヒドロキシカルボン酸」の用語は、少なくとも1つの(例:2、3、又は4つ)ヒドロキシル基(OH)及び少なくとも1つの(例:2、3、又は4つ)カルボキシル基(COOH)を有する化合物を意味する。適切なヒドロキシカルボン酸の例としては、クエン酸及び2-ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリカルボン酸は、ヒドロキシル基を含まない。いくつかの実施形態では、ヒドロキシカルボン酸は、1つだけのヒドロキシル基を含む。
【0087】
錯化剤は、エッチング液製剤中に、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、約2.0重量%以上、約2.5重量%以上、約5.0重量%以上、又は約6.0重量%以下、約6.5重量%以下、約7.0重量%以下、約7.5重量%以下、約8.0重量%以下、約8.5重量%以下、約9.0重量%以下、約9.5重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で含まれ得る。
【0088】
6.他の添加剤
本開示のエッチング液製剤は、少なくとも1つのヘキサフルオロシリケート化合物をさらに含み得る。以下で述べるヘキサフルオロシリケート化合物は、エッチングプロセスの過程で、エッチング組成物に曝露された誘電材料(SiO)の除去を阻害しながら、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を促進及び向上させ得る。適切なヘキサフルオロシリケート化合物としては、ヘキサフルオロケイ酸(HSiF)及びその塩が挙げられる。ヘキサフルオロシリケート化合物の具体例としては、HSiF、NaSiF、KSiF、及び(NHSiFが挙げられる。
【0089】
ヘキサフルオロシリケート化合物は、エッチング液製剤中に、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、約1.0重量%以上、約1.2重量%以上、約1.4重量%以上、約1.5重量%以上、又は約2.0重量%以下、約2.5重量%以下、約3重量%以下、約3.5重量%以下、約4.0重量%以下、約4.5重量%以下、約5.0重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0090】
本開示のエッチング液製剤は、少なくとも1つのスルホン酸をさらに含み得る。スルホン酸は、エッチングプロセスの過程で、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を促進及び向上させ得る。適切なスルホン酸の例としては、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
【0091】
スルホン酸は、エッチング液製剤中に、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、約2.0重量%以上、約2.5重量%以上、約5.0重量%以上、又は約6.0重量%以下、約6.5重量%以下、約7.0重量%以下、約7.5重量%以下、約8.0重量%以下、約8.5重量%以下、約9.0重量%以下、約9.5重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0092】
加えて、本開示のエッチング液製剤は、所望に応じて含まれてよい成分として、pH調節剤、腐食防止剤、追加の界面活性剤、追加の有機溶媒、殺生物剤、及び消泡剤などの追加の添加剤を含有し得る。
【0093】
7.作製方法
本開示のエッチング組成物は、単に成分を一緒に混合することによって調製されてよく、又はキットに入っている2つの組成物をブレンドすることによって調製されてもよい。キット中の第一の組成物は、酸化剤(例:硝酸)の水溶液であり得る。キット中の第二の組成物は、2つの組成物のブレンドによって本開示の所望されるエッチング組成物が得られるように、本開示のエッチング組成物の残りの成分を、所定の比率で濃縮形態で含有し得る。
【0094】
8.使用方法
本開示は、Ta及び/又はTaNを含有する半導体基板(例:Ta及び/又はTaNを含有するフィーチャ)をエッチングする方法を提供する。方法は、Ta及び/又はTaNを含有する半導体基板を本開示のエッチング組成物と接触させて、Ta及び/又はTaNを除去することを含む。方法はさらに、接触工程の後にリンス溶媒によって半導体基板をリンスすること、及び/又はリンス工程の後に半導体基板を乾燥することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、半導体基板にあるCu又は誘電材料(例:SiO)を実質的に除去しない。例えば、方法は、半導体基板にあるCu又は誘電材料を、約5重量%を超えて除去しない(例:約3重量%を超えない、又は約1重量%を超えない)。
【0095】
エッチング方法は、1)Ta及び/又はTaNを含有する半導体基板を提供する工程;2)半導体基板を本明細書で述べるエッチング組成物と接触させる工程;3)1又は複数の適切なリンス溶媒で半導体基板をリンスする工程;及び4)所望に応じて、半導体基板を乾燥する工程(例:リンス溶媒を除去し、半導体基板の完全性を損なわない適切ないずれかの手段によって)、を含み得る。
【0096】
この方法においてエッチングされるべきTa及び/又はTaNを含有する半導体基板は、エッチングプロセスの過程でやはり除去され得る有機残渣及び有機金属残渣を、及び加えて様々な金属酸化物を含有し得る。半導体基板(例:ウェハ)は、典型的には、シリコン、シリコンゲルマニウム、GaAsなどの第III族-第V族化合物、又はこれらのいずれかの組み合わせから構築される。半導体基板は、さらに、相互接続フィーチャ(例:金属線及び誘電材料)などの露出した集積回路構造を含み得る。相互接続フィーチャに用いられる金属及び金属合金としては、限定されるものではないが、アルミニウム、銅との合金化アルミニウム、銅、チタン、タンタル、コバルト、シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、及びタングステンが挙げられる。半導体基板はまた、層間誘電体、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、及び炭素ドープ酸化ケイ素の層も含み得る。
【0097】
半導体基板とエッチング組成物との接触は、適切ないかなる方法で行われてもよく、エッチング組成物を槽に入れて、このエッチング組成物中に半導体基板を浸漬させること及び/若しくは沈めること、エッチング組成物を半導体基板上にスプレーすること、エッチング組成物を半導体基板上に流動させること、又はこれらのいずれかの組み合わせなどである。
【0098】
IV.フォトレジスト剥離液
本開示は、フォトレジスト剥離液の製剤をさらに提供する。液晶パネルの半導体集積回路及びデバイス回路は、非常に微細な構造を有する。微細な回路は、一般に、基板上にコーティングされた絶縁体膜又は導電体金属膜(それぞれ、酸化物膜又はAl合金膜など)上にフォトレジストを均一にコーティングすること、及びフォトレジストを露光、現像して、ある特定のパターンを形成すること、及びパターン化されたフォトレジストをマスクとして用いて金属膜又は絶縁体膜をエッチングし、その後不要なフォトレジストを除去すること、によって製造される。
【0099】
フォトレジスト剥離製剤は、基板からフォトレジストを除去する際に用いられる。一般に、フォトレジスト剥離製剤は、低温及び高温の両方で高い剥離力を有するべきであり、基板上に残渣を残すべきではない。さらに、望ましい剥離液は、金属膜を腐食するべきではなく、同時に、大スケール液晶ディスプレイパネル回路の製造において使用される剥離組成物が大量であることを考慮すると、人間及び環境の両方に対して有害性をほとんど引き起こすべきではない。
【0100】
本開示は、フォトレジストを剥離するための枚葉式処理法及び浸漬法の両方に適するフォトレジスト剥離製剤を、特に、エアナイフプロセスを用いる枚葉式処理法がフォトレジストの剥離に適用される場合であっても基板上に不純物を残さない製剤を提供する。
【0101】
本開示はさらに、基板上にコーティングされた様々な種類の膜に対して良好な剥離力を有し、ベアガラスの洗浄時に不純物粒子が形成することを防止するフォトレジスト剥離組成物を提供する。
【0102】
高い空気圧(エアナイフ)を用いた枚葉式処理のフォトレジスト剥離プロセス及び浸漬プロセスの両方に適するものとするために、フォトレジスト剥離製剤は、良好な剥離力を有し、非腐食性であり、基板上に不純物粒子を形成しないことが不可欠である。
【0103】
基板上のいかなる不純物も有効に防止するために、剥離製剤は、酸化インジウムスズ(ITO)膜、アルミニウム、クロム、窒化ケイ素膜、及びアモルファスシリコン膜などの様々なLCD層によって容易に吸収されるべきである。また、剥離製剤は、LCD層との均一に低い表面張力を示すべきである。さらに、低い揮発性及び粘度を有するべきでもある。加えて、LCD層の表面とその表面上に滴下された剥離製剤との間の接触角は、小さく、一定に維持されるべきである。
【0104】
加えて、剥離製剤が、様々な種類のLCD層に対して均一な物理的特性を示すこと、及び剥離製剤が、LCD製造設備内で粒子の存在を検査した場合に、ベアガラス上での不純物粒子の形成を防止することができることが望ましい。
【0105】
本開示のフォトレジスト剥離製剤は、アルカノールアミン、スルホキシド又はスルホン化合物、グリコールエーテル、及び1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤を含む。
【0106】
1.アルカノールアミン
アルカノールアミンは、フォトレジストを基板から剥離する。適切なアルカノールアミンとしては、モノイソプロパノールアミン及びモノエタノールアミンが挙げられる。
【0107】
アルカノールアミンは、フォトレジスト剥離液製剤中に、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、又は約10重量%以下、又は約11重量%以下、約12重量%以下、約13重量%以下、約14重量%以下、約15重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在する。
【0108】
2.スルホキシド又はスルホン
スルホキシド又はスルホン化合物は、フォトレジストを溶解する溶媒として提供され、それは、剥離組成物とLCD層との間の表面張力を制御する。適切な化合物としては、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホン、又はジメチルスルホンが挙げられる。
【0109】
スルホキシド又はスルホン化合物は、フォトレジスト剥離製剤中に、約35重量%以上、約40重量%以上、又は約45重量%以下、約50重量%以下、約55重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で含まれ得る。
【0110】
3.グリコールエーテル
グリコールエーテルは、上述のスルホキシド又はスルホン化合物と組み合わされて、フォトレジストを溶解し、並びに化合物とLCD層との間の表面張力を制御して、ジメチルスルホキシドとモノエタノールアミンとから成る組成物よりも非常に大きくエアナイフフォトレジスト剥離能力を向上させるように働く。ジメチルスルホキシド単独では、エアナイフフォトレジスト剥離能力を向上させるように働くが、モノエタノールアミンとの組み合わせは、エアナイフフォトレジスト剥離能力を大きく低下させる。しかし、グリコールエーテルを、ジメチルスルホキシドとモノエタノールアミンとから成る複合物に添加することで、複合物のエアナイフフォトレジスト剥離能力及びフォトレジスト剥離力の両方が高められる。
【0111】
適切なグリコールエーテル化合物としては、エチルジグリコール、メチルジグリコール、又はブチルジグリコールが挙げられる。
【0112】
グリコールエーテルは、フォトレジスト剥離製剤中に、約35重量%以上、約40重量%以上、又は約45重量%以下、約50重量%以下、約55重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で含まれ得る。
【0113】
4.界面活性剤
1又は複数の界面活性剤が、フォトレジスト剥離液製剤中に含まれ得る。界面活性剤は、ベアガラスのリンス時に、基板上に不純物粒子が生成及び残留することを防止し得る。本開示のフォトレジスト剥離液製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの1若しくは複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤を含み、
【0114】
【化6】
【0115】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい。
【0116】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~7のいずれか1つ以上を含み得る。
【0117】
フォトレジスト剥離液製剤は、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、又は約0.3重量%以下、約0.4重量%以下、約0.5重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で1又は複数の界面活性剤を含み得る。
【0118】
5.他の添加剤
本開示のフォトレジスト剥離液製剤はさらに、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約7重量%以下、約8重量%以下、約9重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含み得る。
【0119】
フォトレジスト剥離液製剤はまた、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、又は約10重量%以下、約11重量%以下、約12重量%以下、約13重量%以下、約14重量%以下、約15重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で、ベンゼンジオールも含み得る。
【0120】
フォトレジスト剥離製剤はまた、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、又は約10重量%以下、約11重量%以下、約12重量%以下、約13重量%以下、約14重量%以下、約15重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で、アルキルスルホン酸も含み得る。
【0121】
V.界面活性剤
本開示は、アミノ酸の誘導体の形態である、エレクトロニクスにおける使用のための界面活性剤を提供する。アミノ酸は、天然若しくは合成であってよい、又はカプロラクタムなどのラクタムの開環反応から得られてもよい。本開示の化合物は、表面活性特性を有することが示されており、例えば界面活性剤及び湿潤剤として用いられ得る。特に、本開示は、式Iの化合物を提供し、
【0122】
【化7】
【0123】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、並びに所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい。
【0124】
本開示によって提供される1つの具体的な化合物(界面活性剤1)は、以下の式を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである。
【0125】
【化8】
【0126】
本開示によって提供される第二の具体的な化合物(界面活性剤2)は、以下の式を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである。
【0127】
【化9】
【0128】
本開示によって提供される第三の具体的な化合物(界面活性剤3)は、以下の式を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである。
【0129】
【化10】
【0130】
本開示によって提供される第四の具体的な化合物(界面活性剤4)は、以下の式を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである。
【0131】
【化11】
【0132】
本開示によって提供される第五の具体的な化合物(界面活性剤5)は、以下の式を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである。
【0133】
【化12】
【0134】
本開示によって提供される第六の具体的な化合物(界面活性剤6)は、以下の式を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである。
【0135】
【化13】
【0136】
本開示によって提供される第七の具体的な化合物(界面活性剤7)は、以下の式を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである。
【0137】
【化14】
【0138】
これらの界面活性剤は、様々な方法によって合成され得る。1つのそのような方法は、ラクタムを開環して、N末端及びC末端を有するアミノ酸を得ることを含む。N末端を、1又は複数のアルキル化剤及び/又は酸と反応させることで、四級アンモニウム塩を得ることができる。別の選択肢として、N末端を、酸化剤と反応させることで、アミンN-オキシドを得ることができる。C末端を、酸の存在下でアルコールと反応させることで、エステルを得ることができる。
【0139】
アミノ酸は、天然若しくは合成であってよい、又はカプロラクタムなどのラクタムの開環反応から誘導されてもよい。開環反応は、酸又はアルカリ触媒反応のいずれかであってよく、酸触媒反応の例を以下のスキーム1に示す。
【0140】
【化15】
【0141】
アミノ酸は、少なくは1個の又は多くは12個の炭素を、N末端とC末端との間に有してよい。アルキル鎖は、分岐鎖又は直鎖であってよい。アルキル鎖には、窒素、酸素、又は硫黄が介在していてもよい。アルキル鎖は、さらに、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよい。N末端窒素は、アシル化又は1若しくは複数のアルキル基でアルキル化されていてもよい。例えば、アミノ酸は、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸又は6-アミノヘキサン酸であってよい。
【0142】
界面活性剤1は、以下のスキーム2に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートのN末端が、炭酸ナトリウムの存在下、ヨウ化メチルでアルキル化される。
【0143】
【化16】
【0144】
界面活性剤2は、以下のスキーム3に示されるように合成され得る。示されるように、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸のC末端が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下で2-ブチルオクタノールで処理されて、対応するエステルである2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが4-メチルベンゼンスルホネート塩として得られる。
【0145】
【化17】
【0146】
界面活性剤3は、以下のスキーム4に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが、1当量の塩酸で処理されて、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが塩化物塩として得られる。
【0147】
【化18】
【0148】
界面活性剤4は、以下のスキーム5に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートのN末端が、還流酢酸エチル中、1,4-ブタンスルトンで処理されて、所望されるスルホネートが得られる。
【0149】
【化19】
【0150】
界面活性剤5は、以下のスキーム6に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートのN末端のN末端が、水中、過酸化水素で処理されて、所望されるN-オキシドが得られる。
【0151】
【化20】
【0152】
界面活性剤6は、以下のスキーム7に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-アミノヘキサノエートのN末端が、1当量の塩酸で処理されて、対応する塩化物塩が得られる。
【0153】
【化21】
【0154】
界面活性剤7は、以下のスキーム8に示されるように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、ベンゼン中、2-ブチルオクタノール及びp-トルエンスルホン酸(PTSA)で処理されて、対応する4-メチルベンゼンスルホネート塩が得られる。
【0155】
【化22】
【0156】
本開示の化合物は、表面活性特性を呈する。これらの特性は、様々な方法によって測定し、表され得る。界面活性剤を表し得る1つの方法は、分子の臨界ミセル濃度(CMC)による。CMCは、ミセルを形成する界面活性剤の濃度として定義され得るものであり、それよりも高い濃度では、追加の界面活性剤はすべてミセルに取り込まれる。
【0157】
界面活性剤濃度が上昇するに従って、表面張力は低下する。表面が界面活性剤分子で完全に覆われると、ミセルが形成し始める。この時点が、CMC、さらには最小表面張力を表している。界面活性剤をさらに添加しても、表面張力にさらに影響を与えることはない。CMCは、したがって、界面活性剤濃度の関数として表面張力の変化を観察することによって測定され得る。この値を測定するためのそのような1つの方法は、ウィルヘルミープレート法である。ウィルヘルミープレートは、通常、ワイヤで天秤に取り付けられた薄いイリジウム-白金プレートであり、空気-液体界面に対して垂直に配置される。天秤を用いて、濡れによってプレートに働く力が測定される。次に、この値を用い、式1に従って表面張力(γ)が算出され:
式1:γ=F/l cosθ
式中、lは、濡れ周長(w及びdをそれぞれプレートの厚さ及び幅とした場合に、2w+2d)に等しく、cosθについては、液体とプレートとの間の接触角は、現存文献値がない場合は0と仮定する。
【0158】
界面活性剤の性能を評価するために用いられる別のパラメータは、動的表面張力である。動的表面張力は、特定の表面又は界面の経過時間に対する表面張力の値である。界面活性剤が添加された液体の場合、これは、平衡値と異なり得る。表面が生成された直後は、表面張力は、純液体の表面張力と等しい。上記で述べたように、界面活性剤は、表面張力を低下させるものであるため、表面張力は、平衡値に到達するまで低下する。平衡に到達するのに要する時間は、界面活性剤の拡散速度及び吸着速度に依存する。
【0159】
動的表面張力を測定する1つの方法は、最大泡圧式張力計によるものである。この装置は、キャピラリーによって液体中に形成された気泡の最大内圧を測定する。測定された値は、気泡形成の開始から最大圧力となるまでの時間である、ある特定の表面経過時間での表面張力に相当する。表面張力の表面経過時間に対する依存性は、気泡が生成される速度を変動させることによって測定することができる。
【0160】
表面活性化合物は、接触角によって測定される固体基材上での湿潤能力によっても評価され得る。液滴が、空気などの第三の媒体中で固体表面と接触する場合、液体、気体、及び固体間で三相線が形成される。三相線で役割を果たしており、液滴の接線である表面張力の単位ベクトルと、表面と、の間の角度が、接触角として表される。接触角(濡れ角としても知られる)は、液体による固体の濡れ性の尺度である。完全濡れの場合、液体は固体上に完全に拡がっており、接触角は0°である。濡れ特性は、典型的には、任意の化合物に対して1~10×CMCの濃度で測定されるが、濃度に依存する特性ではないことから、濡れ特性の測定値は、これよりも高い又は低い濃度で測定されてもよい。
【0161】
1つの方法では、光学接触角ゴニオメーターが、接触角の測定に用いられ得る。この装置は、デジタルカメラ及びソフトウェアを用いて、表面上の液体の静止液滴の輪郭形状を分析することによって接触角を求める。
【0162】
本開示の表面活性化合物に対する考え得る用途としては、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗剤、スポットフリーリンス溶液、床及びカーペットクリーナー、落書き除去用の洗浄剤、作物保護用の湿潤剤、作物保護用の補助剤、並びにエアロゾルスプレーコーティング用の湿潤剤として用いるための製剤が挙げられる。
【0163】
当業者であれば、化合物間の少しの相違が、著しく異なる界面活性剤特性に繋がり得ることから、異なる用途においては、異なる基材と共に異なる化合物が用いられ得ることは理解される。
【0164】
以下の限定されない実施形態は、異なる界面活性剤の異なる特性を示すために提供される。以下の表1では、界面活性剤の略称と、それらの対応する化学構造との関連を示している。
【0165】
【表1-1】
【0166】
【表1-2】
【0167】
7つの化合物の各々は、表面活性剤として有効であり、数ある用途の中でも、湿潤剤又は発泡剤、分散剤、乳化剤、及び洗剤用として有用である。
【0168】
界面活性剤1、界面活性剤2、界面活性剤3、界面活性剤6、及び界面活性剤7は、カチオン性である。これらの界面活性剤は、上記で述べた用途、及び表面処理剤などの、パーソナルヘアケア製品などの、いくつかのさらなる特別な用途の両方に有用であり、また、撥水性表面を生成するために用いることもできる。
【0169】
界面活性剤4は、双性イオン性である。これらの界面活性剤は、上記で述べた用途のすべてにおける共界面活性剤として有用である。
【0170】
界面活性剤5は、非イオン性であり、シャンプー、洗剤、硬質表面クリーナー、及び様々な他の表面洗浄製剤に用いることができる。
【実施例
【0171】
核磁気共鳴(NMR)分光法は、Bruker 500MHz分光計で行った。臨界ミセル濃度(CMC)は、ウィルヘルミープレート法により、Pt-Irプレートを備えた張力計(DCAT 11,DataPhysics Instruments GmbH)を用いて23℃で特定した。動的表面張力は、最大泡圧式張力計(Kruss BP100,Kruss GmbH)を用いて23℃で特定した。接触角は、デジタルカメラを備えた光学接触角ゴニオメーター(OCA 15 Pro,DataPhysics GmbH)を用いて特定した。
【0172】
例1a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(2.04mmol、700mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解した。炭酸ナトリウム(2.44mmol、259mg)を添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。ヨウ化メチル(6.12mmol、0.38mL)を添加し、混合物を40℃まで24時間加熱し、その後室温まで冷却した。混合物をろ過し、溶媒を真空除去して、6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドを黄色固体として90%の収率で得た。H NMR(500MHz,DMSO) δ3.93(d,J=5.7Hz,2H),3.29-3.22(m,2H),3.04(s,9H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.73-1.53(m,5H),1.33-1.25(m,18H),0.88-0.85(m,6H)。
【0173】
例1b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例1aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。図1に示される結果のプロットから、10mg/mLという高さの濃度では、CMC値を明確に特定することができず、表面張力は、約27mN/mの値に漸近的に近づいている。図1は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約27mN/m以下である。
【0174】
例2a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸を、ベンゼン中、2-ブチルオクタン-1-オール及びp-トルエンスルホン酸により120℃で12時間処理した。6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートを、白色のワックス状固体として単離し、アセトンから49%の収率で再結晶した。H NMR(500MHz,DMSO) δ7.48(dd,J=8.4,0.6Hz,2H),7.12(dd,J=8.4,0.6Hz,1H),3.93(d,J=5.7Hz,2H),3.02-3.00(m,2H),2.76(d,J=5.0Hz,6H),2.37-2.25(m,6H),1.59-1.53(m,5H),1.25-1.29(m,18H),0.87(td,J=6.8,2.7Hz,6H)。
【0175】
例2b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例2aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.97mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約27mN/m、すなわち、27mN/m±3mN/mである。図2Aは、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。
【0176】
例2c:
動的表面張力の特定
例2aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図2Bは、表面張力対時間のプロットを表し、10~100msの時間間隔で、表面張力が約46mN/mから約30mN/mに急速に低下することを示している。100~8000msの時間間隔では、表面張力は、30mN/mから約27mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0177】
例2d:
濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、例2aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角24.3°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水の接触角119°よりも非常に低く、48.2°であった(表2)。
【0178】
【表2】
【0179】
例3a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを、1当量の塩酸で処理して、6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドを得た。
【0180】
例3b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例3aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約27.47mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力は、約29mN/m、すなわち、29mN/m±3mN/mである。図3は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、27.4mmolという高さの濃度では、CMC値を明確に特定することができず、表面張力は、約29mN/mの値に漸近的に近づいている。
【0181】
例4a:
4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(2.04mmol、700mg)を酢酸エチル(30mL)に溶解した。1,4-ブタンスルトン(3.06mmol、0.31mL)を添加した。混合物を加熱して12時間還流し、続いて溶媒を蒸発させた。得られた白色ワックス状固体をアセトンで洗浄して、4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートを89%の収率で得た。H NMR(500MHz,DMSO) δ3.93(d,J=5.7Hz,2H),3.30-3.28(m,4H),2.97(s,3H),2.49-2.43(m,2H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.96-1.76(m,9H),1.27-1.25(m,18H),0.88-0.85(m,6H)。
【0182】
例4b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例4aからの4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.54mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約32mN/m、すなわち、32mN/m±3mN/mである。図4Aは、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約32mN/m以下である。
【0183】
例4c:
動的表面張力の特定
例4aからの4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図4Bは、表面張力対時間のプロットを表し、10~100msの時間間隔で、表面張力が約66mN/mから約36mN/mに急速に低下することを示している。100~8000msの時間間隔では、表面張力は、36mN/mから約32mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0184】
例4d:
濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、例4aからの4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角44.4°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水の接触角119°よりも非常に低く、62.2°であった(表3)。
【0185】
【表3】
【0186】
例5a:
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを、水中において過酸化水素により70℃で24時間処理して、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドをオイルとして90%の収率で得た。H NMR(500MHz,DMSO) δ3.93(d,J=5.7Hz,2H),3.30-3.28(m,4H),2.97(s,3H),2.49-2.43(m,2H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.96-1.76(m,9H),1.27-1.25(m,18H),0.88-0.85(m,6H)。
【0187】
例5b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例5aからの2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.29mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約28mN/m、すなわち、28mN/m±3mN/mである。図5Aは、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約28mN/m以下である。
【0188】
例5c:
動的表面張力の特定
例5aからの2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図5Bは、表面張力対時間のプロットを表し、10~1000msの時間間隔で、表面張力が約60mN/mから約30mN/mに急速に低下することを示している。1000~8000msの時間間隔では、表面張力は、30mN/mから約28mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0189】
例5d:
濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、例5aからの2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角31.6°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水の接触角119°よりも非常に低く、41.5°であった(表4)。
【0190】
【表4】
【0191】
例6a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを、1当量の塩酸で処理して、6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドを得た。
【0192】
例6b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例6aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.15mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約27mN/m、すなわち、27mN/m±3mN/mである。図6Aは、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。
【0193】
例6c:
動的表面張力の特定
例6aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図6Bは、表面張力対時間のプロットを表し、10~8000msの時間間隔で、表面張力が約69mN/mから約29mN/mにゆっくり低下することを示しており、1000msの表面経過時間で約49mN/mの僅かなプラトーを伴って、CMCでの表面張力の飽和値に近づいている。
【0194】
例6d:
濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、例6aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角25.8°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水の接触角119°よりも非常に低く、48.7°であった(表5)。
【0195】
【表5】
【0196】
例7a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの合成
6-アミノヘキサン酸(38.11mmol、5g)を、Dean Starkトラップを取り付けた100mLの丸底フラスコ中のベンゼン(50mL)に溶解した。p-トルエンスルホン酸一水和物(38.11mmol、7.25g)及び2-ブチルオクタノール(38.11mmol、7.1g、8.5mL)を添加し、混合物を加熱して、Dean Starkトラップに水が分離されなくなるまで、1週間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、生成物を-20℃でアセトンから結晶化して、残留する未反応アルコールを除去した。得られた白色ワックス状固体をろ過して、2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートを82%の収率で得た。H NMR(500MHz,DMSO) δ7.49(d,J=8.0Hz,2H),7.12(dd,J=8.4,0.6Hz,2H),3.93(d,J=5.7Hz,2H),2.79-2.73(m,2H),2.31-2.28(m,5H),1.55-1.50(m,5H),1.31-1.25(m,18H),0.88-0.85(m,6H)。
【0197】
例7b:
臨界ミセル濃度(CMC)の特定
例7aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの臨界ミセル濃度(CMC)を試験した。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約2.12mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約27mN/m、すなわち、27mN/m±3mN/mである。図7Aは、これらの結果のプロットであり、表面張力対を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下であり、約1.0mmol以上の濃度での表面張力は、約28.5mN/m以下である。
【0198】
例7c:
動的表面張力の特定
例7aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図7Bは、表面張力対時間のプロットを表し、10~100msの時間間隔で、表面張力が約46mN/mから約30mN/mに急速に低下することを示している。100~8000msの時間間隔では、表面張力は、30mN/mから約27mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0199】
例7d:
濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、例7aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角14.6°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水の接触角119°よりも非常に低く、49.4°であった(表6)。
【0200】
【表6】
【0201】
例8:
プレテクスチャリング剤のための製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~7のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、プレテクスチャリング剤のための製剤を提供する。製剤の成分を以下の表7に示す。
【0202】
【表7】
【0203】
例9:
エッチング液のための製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~7のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、エッチング液として用いるための製剤を提供する。製剤を以下の表8に示す。
【0204】
【表8】
【0205】
例10:
フォトレジスト剥離液のための製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~7のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、フォトレジスト剥離液として用いるための製剤を提供する。製剤を以下の表9に示す。
【0206】
【表9】
【0207】
態様
態様1は、プレテクスチャリング剤のための製剤であり、それは、以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0208】
【化23】
【0209】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及び1又は複数の溶媒を含む。
【0210】
態様2は、1又は複数の酸をさらに含む、態様1に記載の製剤である。
【0211】
態様3は、1又は複数の塩基をさらに含む、態様1又は態様2のいずれかに記載の製剤である。
【0212】
態様4は、1又は複数のキレート剤をさらに含む、態様1~3のいずれか1つに記載の製剤である。
【0213】
態様5は、界面活性剤が、以下の式:
【0214】
【化24】
【0215】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0216】
態様6は、界面活性剤が、以下の式:
【0217】
【化25】
【0218】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0219】
態様7は、界面活性剤が、以下の式:
【0220】
【化26】
【0221】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0222】
態様8は、以下の式:
【0223】
【化27】
【0224】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0225】
態様9は、界面活性剤が、以下の式:
【0226】
【化28】
【0227】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0228】
態様10は、界面活性剤が、以下の式:
【0229】
【化29】
【0230】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0231】
態様11は、界面活性剤が、以下の式:
【0232】
【化30】
【0233】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0234】
態様12は、プレテクスチャリング剤のための製剤であり、それは、以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0235】
【化31】
【0236】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及び1又は複数の消泡剤を含む。
【0237】
態様13は、1又は複数の酸をさらに含む、態様12に記載の製剤である。
【0238】
態様14は、1又は複数の塩基をさらに含む、態様12又は態様13のいずれかに記載の製剤である。
【0239】
態様15は、1又は複数のキレート剤をさらに含む、態様12~14のいずれか1つに記載の製剤である。
【0240】
態様16は、1又は複数の溶媒をさらに含む、態様12~15のいずれか1つに記載の製剤である。
【0241】
態様17は、界面活性剤が、以下の式:
【0242】
【化32】
【0243】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0244】
態様18は、界面活性剤が、以下の式:
【0245】
【化33】
【0246】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0247】
態様19は、界面活性剤が、以下の式:
【0248】
【化34】
【0249】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0250】
態様20は、界面活性剤が、以下の式:
【0251】
【化35】
【0252】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0253】
態様21は、界面活性剤が、以下の式:
【0254】
【化36】
【0255】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0256】
態様22は、界面活性剤が、以下の式:
【0257】
【化37】
【0258】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0259】
態様23は、界面活性剤が、以下の式:
【0260】
【化38】
【0261】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0262】
態様24は、エッチング液のための製剤であり、それは、以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0263】
【化39】
【0264】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及びフッ化水素酸(HF)を含む。
【0265】
態様25は、1又は複数の酸化剤をさらに含む、態様24に記載の製剤である。
【0266】
態様26は、1又は複数の錯化剤をさらに含む、態様24又は態様25のいずれかに記載の製剤である。
【0267】
態様27は、界面活性剤が、以下の式:
【0268】
【化40】
【0269】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0270】
態様28は、界面活性剤が、以下の式:
【0271】
【化41】
【0272】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0273】
態様29は、界面活性剤が、以下の式:
【0274】
【化42】
【0275】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0276】
態様30は、界面活性剤が、以下の式:
【0277】
【化43】
【0278】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0279】
態様31は、界面活性剤が、以下の式:
【0280】
【化44】
【0281】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0282】
態様32は、界面活性剤が、以下の式:
【0283】
【化45】
【0284】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0285】
態様33は、界面活性剤が、以下の式:
【0286】
【化46】
【0287】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様24~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0288】
態様34は、フォトレジスト剥離製剤のための製剤であり、それは、以下の式の少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0289】
【化47】
【0290】
式中、R及びRは、独立して、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、nは、2~5の整数であり(2及び5を含む)、Rは、C~C12アルキルであり、Rは、C~C10アルキルであり、末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素原子、及びC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニル、又はスルホネートで置換されていてよく、所望に応じて存在してよい対イオンが、この化合物に付随していてよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び4-メチルベンゼンスルホネートから成る群より選択されてよい、界面活性剤;及びアルカノールアミンを含む。
【0291】
態様35は、スルホキシドをさらに含む、態様34に記載の製剤である。
【0292】
態様36は、スルホンをさらに含む、態様34に記載の製剤である。
【0293】
態様37は、グリコールエーテルをさらに含む、態様35~36のいずれか1つに記載の製剤である。
【0294】
態様38は、界面活性剤が、以下の式:
【0295】
【化48】
【0296】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0297】
態様39は、界面活性剤が、以下の式:
【0298】
【化49】
【0299】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0300】
態様40は、界面活性剤が、以下の式:
【0301】
【化50】
【0302】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0303】
態様41は、界面活性剤が、以下の式:
【0304】
【化51】
【0305】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0306】
態様42は、界面活性剤が、以下の式:
【0307】
【化52】
【0308】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0309】
態様43は、界面活性剤が、以下の式:
【0310】
【化53】
【0311】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0312】
態様44は、界面活性剤が、以下の式:
【0313】
【化54】
【0314】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様35~37のいずれか1つに記載の製剤である。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B