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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】回転コア・プラズマ圧縮システム
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/02 20060101AFI20240410BHJP
   G21B 1/11 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H05H1/02
G21B1/11 Z
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023541548
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CA2021051824
(87)【国際公開番号】W WO2022155725
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】63/140,358
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523257842
【氏名又は名称】ジェネラル フュージョン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン、イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ブシャール、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ダブリュー.ランドルフ
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-518978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/02
G21B 1/00-3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器壁を有するプラズマ格納容器と、
液体媒体を収容し、前記液体媒体を循環させるとともにキャビティを有する液体ライナを形成するように前記容器の内側で回転可能である環状回転コアであって、環状隙間を画定するように前記容器壁の内面から離間した外面と、プッシャピストンが内部で摺動可能であるプッシャボアをそれぞれが含む複数の爆縮ドライバであって、各プッシャボアは、前記回転コアを通って延在し、前記環状隙間と流体連通する近位端及び前記液体媒体と流体連通する遠位端を有する、複数の爆縮ドライバとを含む、環状回転コアと、
を備える、プラズマ圧縮システムであって、
記回転コアが回転することによって前記キャビティを画定する前記液体ライナを形成し前記環状隙間内の圧力パルスが前記プッシャピストンを動かし、前記液体媒体を内方へ押して前記液体ライナを崩壊させるととともに前記キャビティ内のプラズマを圧縮すプラズマ圧縮システム。
【請求項2】
ドライバピストンが内部で摺動可能であるドライバボアをそれぞれが含む複数の圧縮ドライバであって、各ドライバボアは、前記容器壁の外面に固定的に取り付けられ、前記容器壁における容器壁開口と流体連通する遠位端を有する、複数の圧縮ドライバと、
前記ドライバピストンを前記ドライバボアに沿って移動させるように動作可能な原動機と、
前記環状隙間及び前記ドライバボア内の圧縮流体であって、前記ドライバピストン及び前記プッシャピストンと流体連通する圧縮流体と、
をさらに備え、
前記容器壁開口へ向かう前記ドライバピストンの移動により、前記圧縮流体が圧縮され、前記プッシャピストンを移動させる前記圧力パルスが生成される、請求項1に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項3】
前記プッシャボアは、前記ドライバボアよりも短い長さを有し、前記プッシャピストンは、前記ドライバピストンよりも低い質量を有する、請求項2に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項4】
前記圧縮流体はヘリウムである、請求項2又は請求項3に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項5】
前記複数の圧縮ドライバは、前記回転コアの回転軸に対して略半径方向に延出し、前記容器の外側で複数の層になって配置され、前記複数の層は前記回転軸に対して軸方向に積み重ねられる、請求項2から4までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項6】
各ドライバボアは、前記容器壁開口よりも大きい直径を有し、各圧縮ドライバは、前記容器壁開口と前記ドライバボアの遠位端とを相互接続する環状面表面をさらに有し、それによって、前記圧縮流体の圧縮が、前記環状面表面に対して内向きの圧力をかけ、これにより前記容器にかかる外向きの圧力を打ち消す、請求項2から5までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項7】
前記ドライバピストンは、前記環状面表面に対して平行な環状レッジと、前記環状レッジに対して垂直であるとともに前記環状レッジに隣接した環状リムとを含み、そのため、前記ドライバピストンが前記容器壁開口にある場合、前記環状リム、前記環状面表面及び前記環状レッジによって圧縮流体チャネルが形成される、請求項6に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項8】
前記原動機は、加圧ドライバ流体を収容するアキュムレータと、前記アキュムレータを各ドライバピストンに流体結合するドライバ流体弁とを含む、請求項2から7までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項9】
前記ドライバ流体弁は、前記ドライバ流体によって前記ドライバピストンにかけられる圧力を調整するように調整可能である、請求項8に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項10】
前記ドライバ流体又は前記圧縮流体を前記ドライバボアから排出する少なくとも1つの排出ポートを前記ドライバボア内にさらに備え、前記排出ポートは、前記ドライバ流体又は前記圧縮流体によって前記ドライバピストンに印加される圧力を調整するように調整可能であることで前記ドライバピストンの加速プロファイルを制御する排出弁を含む、請求項8又は9に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項11】
前記原動機は、電磁源と、前記ドライバボアにおける電磁コイルと、各ドライバピストンにおける導電性要素とを含む、請求項2に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項12】
前記電磁コイルは、前記ドライバボアの長さに沿って延び、前記電磁源は、前記ドライバボアの前記長さに沿って磁界を調整することで前記ドライバピストンの加速プロファイルを制御するように動作可能である、請求項11に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項13】
前記原動機は、機械的ばねを含む、請求項2から10までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項14】
前記ドライバボアの前記遠位端に電極をさらに備え、前記電極は、電気アークを発生させて前記圧縮流体を加熱するように動作可能である、請求項2から13までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項15】
前記容器は、円筒形、卵形及び球形からなる群から選択される形状を有し、前記回転コアの前記外面は、前記容器壁の前記内面の曲率に適合する曲率を有する、請求項1から14までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項16】
複数の圧縮ドライバであって、それぞれが前記容器壁の外面に固定的に取り付けられ、加圧ガスを蓄えるアキュムレータと、前記アキュムレータ及び前記容器壁における容器壁開口と流体連通する駆動弁とを含む、複数の圧縮ドライバをさらに備え、
前記駆動弁は、加圧ガスを前記アキュムレータから前記環状隙間内へ放出することで、前記プッシャピストンを移動させるとともに前記液体媒体を内方へ押す圧力パルスを生成するように動作可能である、請求項1に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項17】
各圧縮ドライバは、解放タンクと、前記解放タンク及び前記容器壁開口と流体連通する反動弁とをさらに含み、
前記反動弁は、前記加圧ガスが前記環状隙間内へ放出され前記駆動弁が閉じられた後で開くことで前記加圧ガスが前記環状隙間から前記解放タンク内へ流れることを可能にするように動作可能である、請求項16に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項18】
前記駆動弁及び前記反動弁と通信するコントローラをさらに備え、前記コントローラは、プロセッサと、命令が符号化されているコンピュータ可読メモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記コントローラに、前記加圧ガスが前記アキュムレータから前記環状隙間内へ流れる、圧縮ショットの圧縮段階中、前記駆動弁を開かせるとともに前記反動弁を閉じさせ、前記加圧ガスの一部が前記環状隙間から前記アキュムレータ内へ流れる、前記圧縮ショットの反動復帰段階中、前記駆動弁を開いた状態に保つとともに前記反動弁を閉じた状態に保たせ、また、前記加圧ガスの他の一部が前記環状隙間から前記解放タンク内へ流れるエネルギー散逸段階中、前記駆動弁を閉じさせるとともに前記反動弁を開かせる、コンピュータ可読メモリとを有する、請求項17に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項19】
前記アキュムレータ内に位置決めされる1つ又は複数の加熱素子であって、前記圧縮ショット前に前記圧縮流体を加熱するように動作可能な1つ又は複数の加熱素子をさらに備える、請求項18に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項20】
前記アキュムレータ内に位置決めされる1つ又は複数の電極であって、電気アークを発生させて前記圧縮ショット中に前記圧縮流体を加熱するように動作可能な1つ又は複数の電極をさらに備える、請求項18から19までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項21】
前記容器と流体連通し、プラズマを前記キャビティ内へ注入するように動作可能なプラズマ発生器をさらに備える、請求項1から20までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【請求項22】
前記複数の爆縮ドライバは、前記回転コアの回転軸に対して略半径方向に延出し、前記回転軸に対して軸方向に積み重ねられた複数の層になって配置される、請求項1から21までのいずれか一項に記載のプラズマ圧縮システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、プラズマを圧縮するのに使用される回転コア流体圧縮システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において別段に指示しない限り、本セクションにおいて説明される材料は、本出願における特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本セクションに含めることによって先行技術であると認めるものではない。
【0003】
核融合は、2つの原子核を結合するプロセスであり、それにより、反応がエネルギーを放出する。エネルギー放出は、反応物と核融合反応生成物との質量の僅かな差によるものであり、dE=dmcによって決定される。一般的な反応物は、重水素(陽子が1つ及び中性子が1つである水素原子核)及びトリチウム(1つの陽子及び2つの中性子を持つ水素原子核)のプラズマ形態である。これら2つの反応物の核融合により、ヘリウム4原子核、中性子、及び熱として捕捉されたエネルギーが発生する。反応物の核融合を達成するには、反応物の高い温度及び高い圧力(密度)が必要とされる。核融合への特定のアプローチのための融合条件は、圧力がおよそ800メガパスカル及びプラズマ温度が摂氏1.5億度であり得る。
【0004】
プラズマは、ガスに類似した物質の状態であり、イオン化されたガス及び自由電子からなる。反応容器の内部のイオン化された核融合反応物を含むプラズマを用いて核融合反応を開始することができる。例えば、プラズマの核融合に十分な温度及び密度を有する条件を達成するために、プラズマが配置され、閉じ込められ、且つ圧縮される必要がある。プラズマを操作及び圧縮するためのいくつかのアプローチが知られている。一アプローチでは、導電性コイルが反応容器の周囲に位置決めされ、電流により励磁されて磁界をもたらす。この磁界が磁化プラズマと相互作用して、その形状、位置、及び、いくつかのアプローチでは、その圧縮(密度)を操作する。核融合条件を達成するための他のアプローチは、プラズマを圧縮するために強い磁界を用いることを伴い、その間、断熱加熱がプラズマを核融合条件にもたらす。しかしながら、これらのアプローチのいくつかは、核融合生成物が、これまで、これらのプラズマ圧縮システムでは、これらシステムが消費するよりも多くのエネルギーを生成してきていないことを明示している。
【0005】
核融合条件を達成するための別のアプローチは、機械的ピストンなどのより慣例的な手段を使用して水素プラズマを圧縮することである。これらの機械的プラズマ圧縮システムは、プラズマが配置される略円筒形のキャビティを形成することによって核融合エネルギー装置内のプラズマを圧縮する。遠心力が回転シリンダの壁に対して液体金属を移動させ、液体ライナを形成するように、液体金属キャビティ・ライナを回転させることによって、円筒キャビティが形成される。液体金属ライナは、キャビティを半径方向に爆縮させることによって崩壊される。プラズマは、液体金属ライナが崩壊する際に圧縮される。この圧縮中、核融合条件が達成され、核融合反応が起こり、熱副産物が液体金属ライナ内へ放出される。この熱エネルギーは、被加熱液体金属を、従来の熱交換器を通して循環させることによって、核融合エネルギー装置から除去される。この種のプラズマ圧縮システムは、磁化標的核融合(「MTF:Magnetized Target Fusion」)、以下「MTF」として知られており、General Fusion社によって使用されるプラズマ圧縮システムである。
【0006】
液体ライナ内にキャビティを形成するとともに液体ライナを爆縮させるシステムは、従来技術で知られているように、円筒形状の液体ライナを半径方向に爆縮させることによって崩壊される略円筒形のキャビティを形成する。そのような従来技術の爆縮型液体ライナ・システムの一実例は、1970年代に米国海軍研究所において開発されたLINUSシステムである。LINUSシステムでは、回転する円筒形の液体金属ライナが自由ピストンによって半径方向に駆動される。これらピストンは、高圧ガスによって軸方向に駆動され、回転する液体ライナの自由表面の半径方向運動を引き起こす。液体金属の初期回転は、液体媒体が収容される円筒容器を回転させることによって提供される。円筒容器及びピストンを含むシステム全体がその長手方向軸の周りに回転するため、円筒キャビティが回転軸に沿って回転軸と同軸に形成される。商業規模でのパワーを生成するのに十分に大きいものである仮定的なLINUSシステムでは、このシステムの回転質量は、非常に大きな求心的構造力をつくり出す。
【0007】
そのような従来技術システムの別の実例は、2009年にGeneral Fusion社によって開発されたLabergeらによる米国特許第10,002,680(B2)号(2018年6月)である。このシステムでは、回転する液体材料ライナが、圧力容器内の渦キャビティをつくり出し、ライナの爆縮及びキャビティ内のプラズマの圧縮が、圧力容器の周りに半径方向に位置決めされたアンビルを打つ移動可能なピストンによって生成された音響圧力波によって駆動される。これらのピストンは、圧力容器の外壁に固定的に取り付けられたボア内に移動する。
【0008】
そのような従来技術システムの別の実例は、2017年にGeneral Fusion社によって開発されたZimmermanらによる米国特許第10,798,808(B2)号(2020年10月)である。このシステムでは、液体媒体中に浸漬されたロータが、液体媒体を循環して、プラズマを含む渦キャビティを囲む液体ライナをつくり出し、液体ライナが次いで、圧力容器の外側に半径方向に位置決めされているとともに圧力容器に固定的に取り付けられた圧縮ドライバによって崩壊される。この設計では、液体媒体は、液体媒体がロータと回転しない圧力容器との間の隙間にわたるように圧縮ドライバを部分的に満たす。環状隙間内の流体は液体である。ロータが液体ライナを循環すると、隙間内の液体媒体が、流体結合に起因して大きいせん断力を受け、トルクを相殺するとともにロータを駆動するためのさらなるエネルギーを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第10,002,680(B2)号
【文献】米国特許第10,798,808(B2)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって液体ライナを爆縮させるとともにプラズマを圧縮する既存のシステムに対する改善を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、容器壁を有するプラズマ格納容器と、容器の内側の環状回転コアと、容器壁の外面に固定的に取り付けられた複数の圧縮ドライバとを備える、プラズマ圧縮システムが提供される。環状回転コアは、液体媒体を収容し、液体媒体を循環させるとともにキャビティを有する液体ライナを形成するように容器の内側で回転可能である。回転コアは、環状隙間を画定するように容器壁の内面から離間した外面と、プッシャピストンが内部で摺動可能であるプッシャボアをそれぞれが含む複数の爆縮ドライバとを含む。環状隙間内の流体はガスである。各プッシャボアは、回転コアを通って延在し、環状隙間と流体連通する近位端及び液体媒体と流体連通する遠位端を有する。
【0012】
一態様では、複数の圧縮ドライバはそれぞれ、容器壁の外面に固定的に取り付けられ、加圧ガスを蓄えるアキュムレータと、アキュムレータ及び容器壁における容器壁開口と流体連通する駆動弁とを含むことができる。回転コアが回転すると、駆動弁は、加圧ガスをアキュムレータから環状隙間内へ放出することで、プッシャピストンを移動させるとともに液体媒体を内方へ押す圧力パルスを生成して液体ライナを崩壊させるとともにキャビティ内のプラズマを圧縮するように動作可能とすることができる。
【0013】
別の態様では、複数の圧縮ドライバはそれぞれ、ドライバピストンが内部で摺動可能であるドライバボアを含むことができ、各ドライバボアは、容器壁の外面に固定的に取り付けられ、容器壁における開口と流体連通する遠位端を有することができる。この態様では、プラズマ圧縮システムはまた、ドライバピストンをドライバボアに沿って移動させるように動作可能な原動機と、環状隙間及びドライバボア内のヘリウムなどの圧縮流体であって、ドライバピストン及びプッシャピストンと流体連通する圧縮流体とを備える。容器壁開口へ向かうドライバピストンの移動により、圧縮流体が圧縮され、プッシャピストンを移動させる圧力パルスが生成され、そのため、回転コアが回転し、液体媒体がプッシャボアを満たすと、プッシャピストンは、液体媒体を内方へ押して液体ライナを崩壊させるとともにキャビティ内のプラズマを圧縮するように動作可能である。
【0014】
プラズマ圧縮システムは、容器と流体連通し、プラズマをキャビティ内へ注入するように動作可能なプラズマ発生器をさらに備えることができる。
【0015】
容器は、円筒形、卵形及び球形からなる群から選択される形状を有することができ、回転コアの外面は、容器壁の内面の曲率に適合する曲率を有することができる。プッシャボアは、ドライバボアよりも短い長さを有することができ、プッシャピストンは、ドライバピストンよりも低い質量を有することができる。複数の圧縮ドライバは、回転コアの回転軸に対して略半径方向に延出することができ、容器の外側で複数の垂直に積み重ねられた層になって配置されることができる。さらに、複数の爆縮ドライバは、回転コアの回転軸に対して略半径方向に延出することができ、回転コアにおいて複数の垂直に積み重ねられた層になって配置されることができる。
【0016】
アキュムレータ及び駆動弁を有する圧縮ドライバに関して、解放タンクと、解放タンク及び容器壁開口と流体連通する反動弁とをさらに含み得る。反動弁は、加圧ガスが環状隙間内へ放出され駆動弁が閉じられた後で開くことで加圧ガスが環状隙間から解放タンク内へ流れることを可能にするように動作可能である。プラズマ圧縮システムは、駆動弁及び反動弁と通信するコントローラをさらに備えることができ、コントローラは、プロセッサと、命令が符号化されているコンピュータ可読メモリであって、命令は、プロセッサによって実行されると、コントローラに、加圧ガスがアキュムレータから環状隙間内へ流れる、圧縮ショットの圧縮段階中、駆動弁を開かせるとともに反動弁を閉じさせ、加圧ガスの一部が環状隙間からアキュムレータ内へ流れる、圧縮ショットの反動復帰段階中、駆動弁を開いた状態に保つとともに反動弁を閉じた状態に保たせ、また、加圧ガスの他の一部が環状隙間から解放タンク内へ流れるエネルギー散逸段階中、駆動弁を閉じさせるとともに反動弁を開かせる、コンピュータ可読メモリとを有する。代替的に、コントローラの代わりに、同じ機能を提供する機械的アセンブリを用いることができる。
【0017】
ドライバピストンとともにドライバボアを有する圧縮ドライバに関して、各ドライバボアは、容器壁開口よりも大きい直径を有し、各圧縮ドライバは、容器壁開口とドライバボアの遠位端とを相互接続する環状面表面をさらに有することができ、それによって、圧縮流体の圧縮が、環状面表面に対して内向きの圧力をかけ、これにより容器にかかる外向きの圧力を打ち消す。ドライバピストンは、環状面表面に対して平行な環状レッジと、環状レッジに対して垂直であるとともに環状レッジに隣接した環状リムとを含むことができ、そのため、ドライバピストンが容器壁開口にある場合、環状リム、環状面表面及び環状レッジによって圧縮流体チャネルが形成される。
【0018】
ドライバピストンとともにドライバボアを有する圧縮ドライバに関して、原動機は、加圧ドライバ流体を収容するアキュムレータと、アキュムレータを各ドライバピストンに流体結合するドライバ流体弁とを含むことができる。ドライバ流体弁は、ドライバ流体によってドライバピストンにかけられる圧力を調整するように調整可能とすることができる。代替的に、原動機は、電磁源と、ドライバボアにおける電磁コイルと、各ドライバピストンにおける導電性要素とを含むことができる。電磁源は、ドライバボアの長さに沿って磁界を調整することでドライバピストンの加速プロファイルを制御するように動作することができる。代替的に、原動機は機械的ばねを含むことができる。プラズマ圧縮システムは、ドライバ流体又は圧縮流体をドライバボアから排出する少なくとも1つの排出ポートをドライバボア内にさらに備えることができる。排出ポートは、ドライバ流体又は圧縮流体によってドライバピストンに印加される圧力を調整するように調整可能であることでドライバピストンの加速プロファイルを制御する排出弁を含む。プラズマ圧縮システムは、ドライバボアの遠位端に電極をさらに備えることができ、電極は、電気アークを発生させて圧縮流体を加熱するように動作可能である。
【0019】
上記で説明された態様及び実施例に加え、さらなる態様及び実施例が図面の参照及び以下の詳細な説明の検討によって明らかとなる。
【0020】
図面を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用される場合がある。図面は、本明細書において説明される例示的な実施例を示すために提供されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、様々な要素の形状及び角度が縮尺通りに描かれておらず、これら要素のいくつかは、図面の見やすさを高めるように任意に拡大及び配置される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例による、プラズマ格納容器に固定的に取り付けられた複数の圧縮ドライバと、容器内で回転可能であるとともに複数の爆縮ドライバを含む回転コアとを備えるプラズマ圧縮システムの側面断面図である。
図2A】1つの圧縮ドライバの種々の実施例のうちの1つの側面断面図であり、ドライバピストン及びドライバボアを含む、第1の実施例による圧縮ドライバと、複数の爆縮ドライバであって、各爆縮ドライバがプッシャピストン及びプッシャボアを含む複数の爆縮ドライバとを示す。
図2B】1つの圧縮ドライバの種々の実施例のうちの1つの側面断面図であり、駆動弁と流体連通するアキュムレータと、反動弁と流体連通する解放タンクとを含む、第2の実施例による圧縮ドライバを示す。
図3】プロトタイプの実施例による、容器に取り付けられたいくつかの圧縮ドライバの写真である。
図4】容器における圧縮ドライバの配向及び回転コア内の爆縮ドライバの配向を示す、第1の実施例による圧縮ドライバを有するプラズマ圧縮システムの部分断面平面図である。
図5A】第1の実施例による1つの圧縮ドライバと、或る時間期間にわたる動作における複数の爆縮ドライバとの側面断面図であり、原動力によりトリガされる前の開始位置にドライバピストンがある圧縮ドライバを示す。
図5B】第1の実施例による1つの圧縮ドライバと、或る時間期間にわたる動作における複数の爆縮ドライバとの側面断面図であり、ドライバボア内における総移動範囲のおよそ三分の一のところにあるドライバピストンを示す。
図5C】第1の実施例による1つの圧縮ドライバと、或る時間期間にわたる動作における複数の爆縮ドライバとの側面断面図であり、ドライバピストンがプッシャピストンに近づく際の、プッシャピストンが加速される直前のドライバピストンを示す。
図5D】第1の実施例による1つの圧縮ドライバと、或る時間期間にわたる動作における複数の爆縮ドライバとの側面断面図であり、プッシャピストンがプッシャボアに沿って加速されつつドライバボアの遠位端にあるドライバピストンを示す。
図5E】第1の実施例による1つの圧縮ドライバと、或る時間期間にわたる動作における複数の爆縮ドライバとの側面断面図であり、プッシャボア内の移動限界にあるプッシャピストンを示す。
図6A】圧縮ショット時における第2の実施例による1つの圧縮ドライバの一部の側面断面図であり、ショット前段階にある、圧縮ドライバの弁状態を示す。
図6B】圧縮ショット時における第2の実施例による1つの圧縮ドライバの一部の側面断面図であり、圧縮段階にある弁状態を示す。
図6C】圧縮ショット時における第2の実施例による1つの圧縮ドライバの一部の側面断面図であり、反動復帰段階にある弁状態を示す。
図6D】圧縮ショット時における第2の実施例による1つの圧縮ドライバの一部の側面断面図であり、エネルギー散逸段階にある弁状態を示す。
図7A】容器壁に近接した圧縮ドライバ及び複数のプッシャピストンの第1の実施例のドライバピストンの部分断面斜視図である。
図7B】容器壁に近接した圧縮ドライバ及び複数のプッシャピストンの第2の実施例の複数のアキュムレータ及び駆動弁の部分断面斜視図である。
図8】一実施例によるプッシャピストンの部分断面斜視図である。
図9A】圧縮動作中のドライバピストン、プッシャピストン、及びライナ・インタフェースの経時的な位置軌跡のグラフ図である。
図9B】圧縮動作中の、液体ライナの裏側でのドライバボア及びプッシャボアにおける経時的な圧力パルスのグラフ図である。
図10A】外壁に複数のポートが形成されているプラズマ格納容器と、容器のポートに連結された圧縮ドライバと、回転コアとを示すプラズマ圧縮システムの種々の実施例のうちの1つの部分断面斜視図であり、圧縮ドライバの第1の実施例を示す。
図10B】外壁に複数のポートが形成されているプラズマ格納容器と、容器のポートに連結された圧縮ドライバと、回転コアとを示すプラズマ圧縮システムの種々の実施例のうちの1つの部分断面斜視図であり、圧縮ドライバの第2の実施例を示す。
図11A】ドライバピストンが容器壁の内面に位置決めされている、複数の圧縮ドライバがポートに連結された容器を示す、プラズマ圧縮システムのプロトタイプの実施例の一部の写真である。
図11B】複数のポート層を含む容器壁の内面を示す、プロトタイプの実施例の写真である。
図12】プッシャボアを示す、プロトタイプの実施例の回転コアの写真である。
図13】プッシャボア内のプッシャピストンを示す、プロトタイプの実施例の回転コアの写真である。
図14】部分的に組み立てられた状態にある、つまりプッシャボアが回転コアに部分的に挿入されている、プロトタイプの実施例の回転コアの一部の写真である。
図15A】回転する液体ライナ及びキャビティが圧縮システムによって崩壊されるところを示す、動作時のプロトタイプの実施例の時系列の写真のうちの1つである。
図15B】回転する液体ライナ及びキャビティが圧縮システムによって崩壊されるところを示す、動作時のプロトタイプの実施例の時系列の写真のうちの1つである。
図15C】回転する液体ライナ及びキャビティが圧縮システムによって崩壊されるところを示す、動作時のプロトタイプの実施例の時系列の写真のうちの1つである。
図15D】回転する液体ライナ及びキャビティが圧縮システムによって崩壊されるところを示す、動作時のプロトタイプの実施例の時系列の写真のうちの1つである。
図16】核融合エネルギー装置に連結されたプラズマ圧縮システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1図16を参照すると、本明細書において説明される実施例は、プラズマ格納容器3と、容器3の内側で回転可能であるとともに複数の爆縮ドライバ5を有する環状回転コア2と、容器3の外側に固定的に取り付けられた複数の圧縮ドライバ4、40とを備えるプラズマ圧縮システム1に関する。プラズマ格納容器3は、複数のポート12を有する外壁を有し、回転コア2は、環状隙間10(図2図4を参照)を画定するように容器外壁3の内面から離間した外面と、内部容積を画定する内面とを有する。例示の実施例における容器3及び回転コア2は円筒形であるが、容器3及び回転コア2は、代替的な実施例による種々の幾何学形状を有することができる。例えば、容器3は、球形又は卵形(図示せず)とすることができ、回転コア2は、直線(円筒形)状であるか又は容器3の内壁の曲率に適合する湾曲を有する湾曲状である外面と、直線(円筒形)状又は湾曲状とすることができる内面(図示せず)とを有することができる。別の実例では、容器3の内壁は、変化する半径方向直径の円形段(図示せず)を有することができ、回転コア2は、容器の内壁にある段に適合する半径方向直径を有する段付きの外面を有することができる。回転コア2は、単体の円筒形ユニットからなっていてもよく、又は、代替的な実施例では、回転コア2を形成するように一緒に接合される複数の成形セクション(図示せず)からなっていてもよい。回転コア2の構成又はそのセクションは、回転コア2内のトポロジー及び応力負荷を最適化する内部ウェブ構造をつくり出すために、従来の金属成形及びミルライト技術(millright technique)を使用してもよく、又は金属印刷技術を使用してもよい。
【0023】
容器3の構成は、単一シリンダであってもよく、又は、代替的な実施例では、容器3は、直線(円筒形)状であるか又は容器3の内壁の曲率に適合する湾曲を有する湾曲状である外面と、直線(円筒形)状又は湾曲状とすることができる内面(図示せず)とを有する一連の積み重ねられたリング(図示せず)から組み立てられてもよい。組み立てられたリングは、従来技術において知られている手段によって、例えば、積み重ねられたリング接触面を溶接することによって、又は、ボルトなどの、積み重ねられたリング組立体に軸張力をかけるための他の手段の使用によって接合されてもよい。
【0024】
回転コア2は、キャビティ28を囲む液体ライナ27をつくり出すように回転コア2によって循環することができる液体媒体を収容する(図15A及び図15Bを参照)。プラズマは、キャビティ28内へ注入することができ、圧縮ドライバ4、40は、圧縮流体を圧縮するとともに環状隙間10にわたって圧力パルスを送るように動作可能であることで、爆縮ドライバ5が液体媒体を内方へ押して、液体ライナ27を崩壊させ、プラズマを圧縮する。液体媒体は、リチウムなどの液体金属とすることができ、圧縮流体は、ヘリウムなどの軽ガスとすることができる。
【0025】
一実施例によれば、特に図2A図4図5A図5E図7A及び図10Aを参照すると、圧縮ドライバ4がそれぞれ、ドライバボア13と、圧縮流体を圧縮するためにドライバボア内で摺動可能なドライバピストン15とを含む。ドライバボア13は容器壁3の外面に固定的に取り付けられたドライバボア壁14を有し、容器壁3における対応するポート12と流体連通する遠位端を有する。爆縮ドライバ5はそれぞれ、プッシャピストン6が内部で摺動可能であるプッシャボア9を含む。プッシャボア9は、回転コア2を通って延在し、環状隙間10と流体連通する近位端7と、液体媒体と流体連通する遠位端8とを有する。圧縮流体は、環状隙間10を満たし、ドライバピストン15及びプッシャピストン6と流体連通する。
【0026】
回転コア2が例えば電気駆動モータ、蒸気タービン又は他の形態の回転ドライブによって回転すると、液体媒体が求心力によりプッシャボア9を満たし、キャビティ28を画定する液体ライナ27が形成される。プラズマ発生器29(図16を参照)がこのキャビティ内にプラズマを注入する。液体媒体は、回転コア2内に完全に収容される(すなわち、容器壁3に接触しない)ため、最小限の乱流又はキャビティの表面摂動による固体回転状態にある。圧縮動作において、原動機を作動させ、この原動機がドライバピストン15を容器壁3におけるポート12へ押すことで、環状隙間10内の圧縮流体を圧縮し、圧力パルスを生成する。これがプッシャピストン6に圧力をかけ、そのため、プッシャピストン6が液体媒体を内方へ押して、液体ライナ27を崩壊し、プラズマを圧縮する。圧縮流体のせん断層が、環状隙間10内に形成され、このせん断層は軽ガスであるため、回転コア2を駆動するのに必要とされるパワーは、液体媒体中に浸漬されたロータを使用する設計に比して著しく低く、液体媒体のせん断層をつくり出す。
【0027】
各爆縮ドライバ5は、質量がドライバピストン15の質量よりも低いプッシャピストン6と、長さがドライバボア13の長さよりも短いプッシャボア9とを有する。したがって、圧縮ドライバ4は、定常構造における、より長くより低いパワーの機械的入力を、回転コア2内の爆縮ドライバ5における、より短くより高いパワーの機械的出力に変換する。これは、General Fusion社によって開発されたプラズマ圧縮システムにおけるような、高い圧力の短いパルスを必要とする用途において有用である。
【0028】
特に図1及び図2Aを参照すると、プラズマ圧縮システム1は、複数の圧縮ドライバ4及び爆縮ドライバ5を備え、これらはともに、爆縮軌跡を調整する能力を有する液体ライナ27を爆縮させることができる。この実施例における原動機は、弁16によってドライバボア13の近位端に接続されたアキュムレータ17を含み、弁は、開かれて高圧ガス(「ドライバ流体」)を放出して、ドライバピストン15を移動させ、ドライバピストン15の前においてドライバボア13内の圧縮流体を圧縮することができる。この用途のため、圧縮流体は、圧縮することができるとともに一実施態様ではガスとすることができる任意の流体を意味することができる。別の実施態様では、圧縮流体は、ピストン15とピストン6との間でのドライバボア13内の圧縮流体が圧縮可能である限り、ガスと液体媒体との混合物とすることができる。例示の実施例では、各圧縮ドライバ4がそれ自体のアキュムレータ17を含むが、代替的な実施例では、複数の圧縮ドライバ4が単一のアキュムレータを共有することができ、例えば、圧縮ドライバ4の各層について1つのアキュムレータを設けることができる(図示せず)か、又は、圧縮ドライバ4のすべてについて単一のアキュムレータを設けることができる(図示せず)。
【0029】
代替的な実施例では、原動機は電磁源を含むことができるか、又は原動機は機械的ばねを含むことができる。電磁コイル(図示せず)は、ドライバボア13に巻き付けることができ、ドライバピストン15をドライバボア13に沿って駆動するように制御することができる。
【0030】
圧縮動作の前に、ドライバピストン15及びプッシャピストン6は初期位置(図5Aを参照)にある。初期位置において、圧縮流体は、ドライバピストン15の前におけるドライバボア13及び環状隙間10を満たし、プッシャピストン6と流体連通し、ピストン15及びピストン6の初期位置におけるピストン15とピストン6との間の圧縮流体の圧力は、アキュムレータ17におけるドライバ流体圧力よりも著しく低い。例えば、一実施態様では、圧縮流体の圧力は、約0.5MPaとすることができるが、アキュムレータ17のドライバ流体の圧力よりも著しく低い限り、0.5MPaよりも少ない又は多いものとすることができる。
【0031】
プッシャボア9は、回転コア2が回転すると液体媒体で満たされ、そのため、液体媒体が、回転コア2の回転に起因する求心力により、プッシャピストン6の内面に押し当たる。別の実施例では、ガス、機械的手段、又は磁界もまた、プッシャピストン6に圧力をかけて、プッシャピストンがプッシャボア9に沿って(所定の/所望の時間まで)不慮に加速することを防ぐことができる。例えばレッジ(図示せず)などの保持手段を、プッシャボア9の開端8に/開端8の近くに設けて、プッシャピストン6がプッシャボア9から移動することを防ぐことができる。さらに、プッシャボア9内の液体媒体からかけられる圧力によりプッシャピストン6が環状隙間10に押し込まれることを防ぐために、さらなる保持手段を近位端(図示せず)に設けることができる。
【0032】
ドライバピストン15及びプッシャピストン6は、液体媒体及び/又はドライバ流体及び/又は圧縮流体と反応しない、任意の適切な材料、例えば、ステンレス鋼又はチタン合金又は任意の他の適切な材料などから作製することができる。この実施例では、ドライバボア13及びドライバピストン15のそれぞれの直径は、プッシャボア9及びプッシャピストン6のそれぞれの直径よりも大きいが、各プッシャボア9(プッシャピストン6)の直径は、代替的な実施例では各ドライバボア13(ドライバピストン15)の直径と同じ又はその直径よりも大きいものとすることができる。
【0033】
弁16は、任意の種類の制御可能な高速弁とすることができる。例えば、弁16は、ガス駆動式弁又は電磁弁又は任意の他の適切な高速作用弁とすることができる。弁サイズ及びドライバ流体圧力は、ドライバピストン15を目標時間期間内でドライバボア13に沿って加速させるのに十分な流量を可能にするように選択することができる。
【0034】
動作時、ドライバピストン15の加速プロファイルは、ドライバピストン15の背後のドライバボア13内のドライバ流体の圧力を制御することによって制御することができる。ドライバピストン15の加速プロファイルは、ドライバピストン15の背後の圧力(アキュムレータ17の圧力)を調整することによって調整することができる。例えば、ドライバピストン15にかかるドライバ流体圧力は、アキュムレータ17からのドライバ流体の流れを制御するために弁16の開きサイズ又は持続時間を調整することによって、及び/又は、ドライバピストン15の背後のドライバボア13内のポート18を介してドライバボア13からドライバ流体を排出することによって調整することができ、これらポート18は、ドライバ流体弁16と同様の制御可能な弁(図示せず)を有する。アキュムレータ17からのドライバ流体の流れを制御するために弁16の開きサイズ又は持続時間を調整する手段は、空気圧弁制御手段又は電磁弁制御手段によって達成され得る。ドライバピストン15の加速プロファイルはまた、ドライバピストン15の前(下流)の圧縮流体の圧力を制御することによって制御することができる。圧縮ドライバ4の壁における、ドライバピストン15と容器壁3との間のポート18(図2Aを参照)は、圧縮流体を注入又は排出するように制御することができる。さらに、ドライバピストン15の速度を下げて容器3との衝突を防ぐために、ドライバボア13の近位端近くにさらなる圧縮可能な流体を注入することができる。ドライバボア13の長さは、ドライバピストン15の軌跡がドライバ流体の圧力及び/又は圧縮流体の圧力を変えることによって調整することができるように十分に長く設計することができる。ドライバピストン15の位置又はドライバ流体弁16の開き持続時間を測定するとともに測定した信号をコントローラ(図示せず)に提供するために複数のセンサ(図示せず)を設けることができる。別の実施態様では、ドライバボア13の遠位端において、圧縮ドライバピストン15と回転コア2との間に位置決めされた2つの電極19にわたって発生する電気アークによる、圧縮流体のアーク加熱が、圧縮ドライバピストン15及びプッシャピストン6の軌跡を調整するのに用いられ得る。
【0035】
代替的な実施例では、電極コイルは、ドライバ流体弁16の開き持続時間を制御することができることで、高圧流体がドライバボア13に入る程度を制御し、ドライバピストン15の加速を制御するように動作することができる。代替的に、ドライバピストンの加速プロファイルは直接、電磁制御することができる。ドライバボア壁14に巻き付けられる電磁コイルを原動機が含む実施例では、ドライバピストンにおける電磁石導電性要素と、電磁コイルに接続された電磁源とが、ドライバピストンの加速を制御するように動作することができる。
【0036】
特に図4を参照すると、圧縮ドライバ4は、容器壁3の外面に半径方向に位置決めされ、プッシャボア9内のプッシャピストン6からなる爆縮ドライバが、回転コア2内に半径方向に延出している。圧縮ドライバピストン15は、回転コア2へ向けてのドライバボア13内でのドライバピストン15の内方移動に沿って中ほどに示されている。代替的な実施例では、圧縮ドライバ4及び爆縮ドライバは、圧縮ドライバ4が回転コア2の回転軸に対して垂直に(すなわち直角に)位置決めされ、また、爆縮ドライバ5が回転コア2の回転軸に対して垂直に位置決めされる限り、容器3及び回転コア2に対して非半径方向に位置決めすることができる。
【0037】
図5A図5B図5C図5D、及び図5Eを特に参照すると、圧縮動作は、各ドライバピストン15を容器壁ポート12へ向けて急速に移動させることで環状隙間10内の圧縮流体を圧縮するとともにプッシャピストン6に対して圧力パルスを生成し、プッシャピストン6が次いで、プッシャボア9内で内方へ移動し、液体媒体を内方へ押して回転コア2に通して容器3に入れることを伴う。圧縮動作の4つの基本的な段階が示されており、段階1は、圧縮ドライバがトリガされる前の初期(始動)段階である。この段階では、アキュムレータ17は十分に充填され、弁16は閉じられ、ピストン15、6はそれらの初期位置(図5A)にある。
【0038】
段階2(図5B及び図5C)では、ドライバ弁16が開かれ、アキュムレータ17内のドライバ流体がドライバ弁16を通過し、ドライバピストン15の背後のドライバボア13に入ることで、ドライバピストン15をドライバボア13に沿って回転コア2へ向けて加速させる。段階2の間、アキュムレータ17内の流体の高い圧力として蓄積された潜在的なエネルギーがドライバピストン15の移動の際に運動エネルギーに変換され、ドライバボア13内に収容された圧縮流体の圧力が上昇する。段階3(図5D、15ms)では、ドライバピストン15が回転コア2に近づき、環状隙間10内の圧縮可能な流体圧力が、ドライバピストン15の運動エネルギーを吸収すると急に上昇し、そのため、圧縮流体圧力がプッシャボア9内の液体媒体の圧力を超えることでプッシャピストン6を適所に保持する。段階4(図5E、19ms)では、プッシャピストン6が急速に加速することで、液体媒体をプッシャボア9及び回転コア2から押し出す。
【0039】
図7Aを参照すると、ドライバボア13の遠位端及び容器壁ポート12に環状面表面11が設けられている。圧縮動作時、圧縮流体は環状面表面11に内向きの力をかけ、換言すると、環状面表面11は、容器3に内向きの力をかけ、圧力バランス用リップとして働き、そのため、ドライバピストン15によって生成される圧力パルスが、プッシャボア16内の液体媒体に押し当たるプッシャピストンによって生成される圧力パルスを相殺又は低減し、したがって、圧縮ドライバ4によって容器3に与えられる応力を低減する(最小限にする)。さらに、ドライバピストン15は、ドライバピストン15が容器壁3に達すると環状面表面11と協働して環状チャネルを画定するように設計された遠位端20を有し、圧縮流体が高度に圧縮される。環状チャネル内の圧縮流体の高い圧力は、ドライバピストン15の速度を下げるとともに環状面表面41及び容器壁3との衝突を防ぐのに役立つ。
【0040】
より詳細には、ドライバピストン15は、遠位端20と容器壁ポート12の直径に対応する直径とを有する、円筒形の第1のセクションと、近位端21とドライバボア13の直径に対応する直径とを有する、円筒形の第2のセクションとを含み、2つのセクションは、環状レッジによって接続されている。第1のセクションの環状リムと環状レッジとが環状面表面11とともに、前述した環状チャネルを形成する。当業者は、ドライバピストン15が代替的な実施例では他の形状を有することができることを理解するであろう。強度及び剛性を維持しつつ重量をさらに低減させるために、ドライバピストン15の周囲の内側に複数のガセット22が形成される。
【0041】
図8を参照すると、プッシャピストン6はこの実施例では、平らな又は湾曲した外(近位)壁23と、内(遠位)壁25と、側壁24とを有する。内壁25は液体ライナ27に面し、側壁24はプッシャボア9と相互に接する。外壁23は環状隙間10に面する。プッシャピストン6は、側壁24において形成された複数のガセット26をさらに備えることができる。ガセット26は、プッシャピストン6の剛性を高めるように構成されている。一実施態様では、側壁24は、ガセット26がプッシャボア9内に収容された流体と接触しないようにガセット26を囲む中実プレートとすることができる。当業者は、代わりに所望の剛性(及び軽さ)を提供することができる材料を使用し得る代替的な実施例において、又は、種々のより剛性な特徴を追加することによって、ガセット26は省くことができることを理解するであろう。プッシャピストン6は、側壁24の周囲に、又は外壁23に位置決めされた複数のシール・シート(図示せず)をさらに備えることができる。
【0042】
図9Aは、例示的な圧縮動作にわたるドライバ・ピストン(曲線801)、プッシャ・ピストン(曲線802)及びライナ内部インタフェース(曲線803)の経時的な位置軌跡をグラフで示す。図Bは、この圧縮動作中のアキュムレータ(曲線804)、ドライバ・ボア(曲線805)、プッシャ・ボア(曲線806)、及び液体ライナの裏側(外面)(曲線807)における圧力パルスを示す。圧縮ドライバ4は、液体ライナを爆縮させて、液体ライナ内に形成される約1.5mの半径を有するキャビティを崩壊させるのに使用される。グラフに見てとることができるように、ドライバ・ピストン(曲線801)がプッシャ・ピストンの近くにある場合にのみ、プッシャ・ピストン及び液体ライナ(それぞれの曲線802及び803を参照)が加速する。プッシャ・ピストンが加速すると、ドライバ・ボアの終了及びプッシャ・ボア(曲線805)の開始におけるピーク圧力、並びに、容器の壁におけるピーク圧力(曲線806)が同時に生じる。
【0043】
図10Aは、9つの圧縮ドライバ層、容器3及び回転部材2を示す、プラズマ圧縮システム1の切り欠き図を示す。容器3は、内部に圧縮ドライバ4が取り付けられている複数のポート12を含む。
【0044】
ここで図2B図6A図6D図7B及び図10Bを参照すると、代替的な実施例によれば、プラズマ圧縮システム1は、圧力パルスを環状隙間10内へ送達するためにドライブ・ピストンの代わりに加圧ガスを使用する圧縮ドライバ40を備える。これらの図に示すような圧縮ドライバ40は、容器壁3の外面に一端が固定的に取り付けられた概ね円筒形の弁ハウジング42を有し、容器壁開口3と流体連通する駆動弁44と、アキュムレータ46とを含む。アキュムレータ46は、高度に加圧された圧縮流体を収容する圧力容器である。アキュムレータ46内の圧縮可能な流体の初期圧力及び中間圧力、並びに駆動弁44を通る圧縮可能な流体の解放タイミングが、液体ライナの同期された成形崩壊を達成することに寄与する。一実施例では、圧縮流体の圧力は、圧縮流体を加熱するためにアキュムレータ46内に配置された加熱要素53を使用することによって、圧縮ショット前に微調整することができる。別の実施態様では、圧縮流体の圧力は、アキュムレータ46内に位置決めされた2つの電極19にわたって発生する電気アークによって圧縮流体を加熱することによって、圧縮ショット中に微調整することができる。圧縮流体は、圧縮することができる任意の流体とすることができ、一実施態様では、ヘリウムなどのガスとすることができる。別の実施態様では、圧縮流体は、ガスと飽和(乾)蒸気との混合物とすることができる。
【0045】
駆動弁44は、米国特許第8,336,849号に開示されている種類のような円錐座遮断弁とすることができるが、当業者は、他の適切な弁設計も用いることができることを理解するであろう。駆動弁44は、プロセッサと、駆動弁44を開いて圧縮動作の際に環状隙間内へアキュムレータガスを放出するようにコントローラのプロセッサによって実行可能な命令が符号化されているコンピュータ可読メモリを有するコントローラと通信する。
【0046】
圧力パルスが爆縮ドライバ5を作動させた後で環状隙間10から圧縮流体を受け取るために、圧力解放タンク48が設けられる。圧力解放タンク48は、圧縮流体戻り導管50によって容器壁開口3に流体結合され、圧縮流体戻り導管50は、容器壁開口3とアキュムレータ圧力容器46との間に長さ方向に延在する環状通路と、アキュムレータ圧力容器46の外側に沿って長さ方向に圧力解放タンク48の遠位端における開口に延出する複数のマニホールドとを含む。反動弁52が圧縮流体戻り導管50の遠位端に容器壁開口3の近くで位置付けられ、コントローラと通信し、コントローラは、反動弁52を開いて解放タンク48が圧縮動作の終了時に圧縮流体を受け取ることを可能にするようにプログラムされている。
【0047】
図6A図6Dを参照すると、コントローラが、圧縮ショットの4つの段階にわたって駆動弁44及び反動弁52の開閉を制御する。図6Aに示すように、ショット前段階時、駆動弁44及び反動弁52が両方とも閉じられ、アキュムレータ圧力容器46が高圧圧縮流体で満たされる。図6Bに示すように、圧縮段階時、コントローラが駆動弁44を開き、矢印によって示すように、アキュムレータガスが環状隙間10内へ直接放出される。これにより、環状隙間10内に圧力の急速なパルスが生成され、プッシャピストン6を加速させる原動力がもたらされ、次いでプッシャピストン6が液体ライナを崩壊させ、プラズマ・ターゲットを圧縮する。図6Cに示すように、反動復帰段階時、コントローラは、駆動弁44を開いた状態に保つとともに反動弁52を閉じた状態に保ち、液体ライナがはね返り、矢印によって示すように、圧縮流体の一部が逆流してアキュムレータ圧力容器46に入る。図6Dに示すように、エネルギー散逸段階時、コントローラが駆動弁44を閉じるとともに反動弁52を開き、圧縮流体の残りが環状隙間10から流れ、反動弁52を通過して、圧縮流体戻り導管50を通り、解放タンク48に入る。このプロセスは、環状隙間10内の圧力を減少させ、プラズマ圧縮システムの残りの部分が次の圧力ショットのためにリセットすることを可能にするレベルに戻し、回転コア及びプッシャボアに戻る液体ライナのはね返りによって戻されるエネルギーの一部を再捕捉するのに役立つ。圧力が等しくなると、コントローラは、反動弁52を閉じてリセット状態のシステムを維持し、次の圧縮ショットのための準備を開始する。
【0048】
代替的に(図示せず)、圧縮ショットの4つの段階時の弁の開閉は、コントローラの代わりに機械的システムによって行うことができる。機械的システムは、ばね作動ポペットなどの、当該技術において知られている機械的タイミングデバイスを含む。
【0049】
例示の実施例では、各圧縮ドライバ40がそれ自体のアキュムレータ46を含むが、代替的な実施例では、複数の圧縮ドライバ40が単一のアキュムレータを共有することができ、例えば、圧縮ドライバ40の各層(図示せず)について1つのアキュムレータを設けることができるか、又は圧縮ドライバ40の全て(図示せず)について単一のアキュムレータを設けることができる。
【0050】
図11Aを参照すると、初期のプロトタイプは単一の圧縮ドライバ層を特徴としており、図11Bに見てとることができるように、その後のプロトタイプは、複数の圧縮ドライバ層を特徴としている。図12は、図11Bに示す多層圧縮ドライバのプロトタイプにおいて使用されるプロトタイプ回転コア2の写真である。運用プラズマ圧縮プロトタイプでは、回転コア2の上部における開口はオリフィスであり、このオリフィスを介して、キャビティ爆縮前にプラズマが真空キャビティ28に注入される。回転コアのこの例は、それぞれがプッシャピストンボア9内に位置決めされたプッシャピストン6の複数の層を示す(図13)。プッシャピストンボア9はスリーブ付きであり、メンテナンスのために取り外すことができる(図14)。
【0051】
図15A図15Dは、回転する液体ライナ27が、本明細書において説明される圧縮ドライバ・システム4を使用してキャビティ28内へ半径方向に圧縮されている、時系列の実験流体圧縮動作を示す。図15Aは、ドライバピストン15及びプッシャピストン6が図5Aに示すようなその初期始動位置にある場合に起こる、圧縮サイクルの開始時の回転する液体ライナ27を示す。プッシャピストン(写真には図示せず)が内方へ進むにつれ、プッシャボア内の液体がキャビティ28の中心に向かって内方へ変位する(図15B及び図15C)。図15Dは、ドライバピストン15及びプッシャピストン6が図5Eに示すようなその終端位置にある場合に起こる、液体ライナ27の崩壊の終わり近くの液体ライナ27を示す。例えばリチウム又は鉛などの液体ライナの使用は、回転部材2の壁及び他の構造構成要素を核融合反応に起因する有害なエネルギー粒子から保護し、回転コア2からの液体ライナの循環は、コア2及び容器3から熱エネルギーを除去する手段としても役立つ。
【0052】
図16は、核融合エネルギー装置30内に構成されるものとしてのプラズマ圧縮システム1の一実例の部分切り欠き図を示す。プラズマ発生器29がプラズマを発生させ、回転部材2による液体ライナ(図示せず)の回転によって形成される真空キャビティ(図示せず)にプラズマを注入する。いくつかの実施態様における液体ライナは、リチウム若しくは鉛などの溶融金属、又は溶融材料の任意の混合物であり得る。プラズマが、回転する液体ライナの真空キャビティ内に適正に配置されると、弁(図示せず)がアキュムレータ17から圧縮ドライバ4へ圧力を解放し、プッシャピストン(図示せず)を内方へ駆動することで、液体ライナの崩壊を開始する。この崩壊がプラズマを核融合条件まで圧縮し、核融合反応が進むにつれ、エネルギーが熱の形態で解放される。
【0053】
本開示の特定の要素、実施例及び用途を示し説明してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、特に前述の教示に鑑み、当業者によって修正を行うことができるため、本開示の範囲はそれに限定されないことが理解されよう。したがって、例えば、本明細書において開示された任意の方法又はプロセスでは、方法/プロセスを構成する作用又は動作は、任意の適切な順序で行われてもよく、必ずしも任意の特定の開示された順序に限定されない。要素及び構成要素は、様々な実施例において、異なって構成又は配置され、組み合わせられ、及び/又は排除され得る。上述した様々な特徴及びプロセスは、互いと関係なく使用されてもよく、又は様々なやり方で組み合わされてもよい。全ての可能な組合せ及び部分的な組合せは、本開示の範囲内に入ることが意図されている。本開示全体を通して「いくつかの実施例」、「一実施例」などへの言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、ステップ、プロセス、又は特性が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本開示全体を通して、「いくつかの実施例では」、「一実施例では」などの語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すとは限らず、同じ又は異なる実施例のうちの1つ又は複数を指す場合がある。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、多様な他の形態で具体化され得、さらに、本明細書において説明された本発明の要旨から逸脱することなく、本明細書において説明された実施例の形態で様々な省略、追加、置き換え、均等物、再構成、及び変更を行うことができる。
【0054】
実施例の様々な態様及び利点を適切な場合に説明してきた。そのような態様又は利点の全てが、任意の特定の実施例に従って必ずしも達成され得るとは限らないことを理解されたい。したがって、例えば、様々な実施例は、本明細書において教示又は示唆され得るような他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示されるような1つの利点又は利点群を達成又は最適化するように実行され得ることが認識されるべきである。
【0055】
本明細書において使用される条件付き言語、例えば、とりわけ、「できる」、「可能性がある」、「かもしれない」、「あり得る、あってもよい」、「例えば」などは、特に別段に述べない限り、又は使用される文脈内で他の状況に理解されない限り、一般に、特定の実施例が特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施例は含まないことを示唆することを意図している。したがって、そのような条件付き言語は一般に、特徴、要素及び/又はステップが1つ又は複数の実施例に何らかの形で必要とされること、或いは、1つ又は複数の実施例が、オペレータ入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素及び/又はステップが任意の特定の実施例に含まれるか又は行われるべきかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆するものではない。単一の特徴又は特徴群は、任意の特定の実施例に必要とされないか又は必須ではない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は同義語であり、包括的に、オープンエンド方式で使用され、さらなる要素、特徴、作用、動作などを排除しない。また、「又は」という用語は、その包括的な意味で(その排他的な意味ではなく)使用され、例えば、要素の列挙したものをつなぐために使用される場合、「又は」という用語は、列挙したものの中の要素の1つ、いくつか、又は全てを意味する。
【0056】
本明細書において説明された実施例の例示的な計算、シミュレーション、結果、グラフ、値、及びパラメータは、例示することを意図しており、開示された実施例を限定することを意図していない。他の実施例は、本明細書において説明された例示的な実例とは異なって構成及び/又は動作することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16