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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】自動駐車装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240411BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20240411BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20240411BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20240411BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/04
B60W40/02
B60R99/00 340
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020056252
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021154843
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】陶山 羊三
【審査官】竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-203359(JP,A)
【文献】特開2019-214292(JP,A)
【文献】特開2019-127112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の駐車区域内への車両の駐車のために前記車両の自動前進、自動後退、及び自動停止を実施可能とする駐車制御を実行可能とするように構成される駐車制御部を備え、
前記駐車制御部が、前記駐車制御に適用するために前記車両のルートを算出するルート算出を実行可能とするように構成され、
前記駐車制御部が、前記自動前進及び自動後退のうち一方である一方側進行を実施しているときに、前記車両に対して前記一方側進行側に存在する追加障害物を認識する追加障害物認識を実行可能とするように構成される、自動駐車装置であって、
前記追加障害物は、前記ルート算出時に前記車両の周辺に存在しない障害物、または前記ルート算出時に前記車両の周辺に存在しているが、前記一方側進行を実施するための一方側進行区画又は前記車両に接近する挙動を示していない障害物であり、
前記駐車制御部が、前記駐車制御に適用されるルートを前記ルート算出により算出される第1算出ルートに設定している状態で、前記追加障害物認識により認識された追加障害物が前記第1算出ルートにて前記一方側進行を実施するための一方側進行区画内に滞在する滞在時間を算出する滞在時間算出を実行可能とするように構成され、
前記駐車制御部が、前記滞在時間算出により算出される前記滞在時間の算出値が所定の滞在時間閾値以上であるときに、前記駐車制御に適用されるルートを前記第1算出ルートから、前記ルート算出により再算出される第2算出ルートに変更するルート再設定を実行可能とするように構成され、
前記第2算出ルートが、前記一方側進行の開始時点又は途中時点から、前記自動前進及び自動後退のうち他方である他方側進行に切り換えるための切り返し地点を含んでいる、自動駐車装置。
【請求項2】
前記駐車制御は、前記車両の前後方向を前記駐車区域の前後方向に対応させた状態で前記車両を前記駐車区域内に駐車させるように実行され、
前記駐車制御部が、前記第2算出ルートにて、前記切り返し地点における前記車両の前後方向及び前記駐車区域の前後方向間の挟角に基づく切り返し前角度と、前記切り返し地点の次の切り返し地点又は駐車完了地点における前記車両の前後方向及び前記駐車区域の前後方向間の挟角に基づく切り返し後角度とを算出する角度算出を実行可能とするように構成され、
前記駐車制御部が、前記角度算出により算出される前記切り返し前及び切り返し後角度の算出値の絶対値間における角度差を算出する角度差算出を実行可能に構成され、
前記ルート再設定は、前記切り返し後角度の算出値の絶対値が前記切り返し前角度の算出値の絶対値よりも小さく、かつ前記角度差算出により算出される前記角度差の算出値の絶対値が所定の角度差閾値よりも大きいときに、実行されるようになっている、請求項1に記載の自動駐車装置。
【請求項3】
前記駐車制御部は、前記追加障害物認識により認識された追加障害物との接触を回避すべく前記車両を待機させるように前記自動停止を実施する追加障害物回避制御を実行可能とするように構成され、
前記駐車制御部は、前記滞在時間の算出値に基づいて、前記追加障害物回避制御にて前記自動停止を実施する待機時間を算出する待機時間算出を実行可能とするように構成され、
前記ルート再設定は、前記滞在時間の算出値が所定の滞在時間閾値未満である場合には、前記待機時間算出により算出される前記待機時間の算出値が所定の待機時間閾値以上であるときに、実行されるようになっている、請求項1又は2に記載の自動駐車装置。
【請求項4】
前記ルート再設定は、前記第2算出ルートに含まれる前記切り返し地点の数が1つであるときに、実行されるようになっている、請求項1に記載の自動駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の駐車区域内に車両を駐車するために車両を自動運転可能とする自動駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両を特定の駐車区域内に駐車するように車両を自動運転可能とするための自動駐車装置の普及が進んでいる。自動駐車装置においては、車両がその周囲の障害物と接触することを回避するために様々な自動駐車技術が採用されている。
【0003】
自動駐車技術の一例としては、車両が、ドライバに対して目標駐車区画への駐車操作の支援を行う駐車支援装置と、車両の周囲に物体(追加の障害物)が存在するかを監視する周囲状況監視システムとを備え、駐車支援装置の作動中に周囲状況監視システムからの障害物検出信号を検出したときに、駐車支援装置が移動中の車両を停止させるための指示を行い、さらに、この停車後の所定時間内に周囲状況監視システムからの障害物検出信号が消失したときに、駐車支援装置が車両を移動させるように駐車操作の支援を続行する、自動駐車技術が挙げられる。(例えば、特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-203359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記自動駐車技術の一例においては、車両の周囲に追加の障害物が存在している時間が長くなると、車両の停止から移動再開までの待機時間が増加する。このような待機時間の増加は、駐車開始から駐車完了までの所要時間を増加させるおそれがある。
【0006】
このような実情を鑑みると、自動駐車装置においては、車両の周囲に存在する障害物との接触を効率的に回避することを可能とし、駐車の所要時間の増加を効率的に抑制するのを可能とすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するために、一態様に係る自動駐車装置は、特定の駐車区域内への車両の駐車のために前記車両の自動前進、自動後退、及び自動停止を実施可能とする駐車制御を実行可能とするように構成される駐車制御部を備え、前記駐車制御部が、前記駐車制御に適用するために前記車両のルートを算出するルート算出を実行可能とするように構成され、前記駐車制御部が、前記自動前進及び自動後退のうち一方である一方側進行を実施しているときに、前記車両に対して前記一方側進行側に存在する追加障害物を認識する追加障害物認識を実行可能とするように構成される、自動駐車装置であって、前記追加障害物は、前記ルート算出時に前記車両の周辺に存在しない障害物、または前記ルート算出時に前記車両の周辺に存在しているが、前記一方側進行を実施するための一方側進行区画又は前記車両に接近する挙動を示していない障害物であり、前記駐車制御部が、前記駐車制御に適用されるルートを前記ルート算出により算出される第1算出ルートに設定している状態で、前記追加障害物認識により認識された追加障害物が前記第1算出ルートにて前記一方側進行を実施するための一方側進行区画内に滞在する滞在時間を算出する滞在時間算出を実行可能とするように構成され、前記駐車制御部が、前記滞在時間算出により算出される前記滞在時間の算出値が所定の滞在時間閾値以上であるときに、前記駐車制御に適用されるルートを前記第1算出ルートから、前記ルート算出により再算出される第2算出ルートに変更するルート再設定を実行可能とするように構成され、前記第2算出ルートが、前記一方側進行の開始時点又は途中時点から、前記自動前進及び自動後退のうち他方である他方側進行に切り換えるための切り返し地点を含んでいる。
【発明の効果】
【0008】
一態様に係る自動駐車装置においては、車両の周囲に存在する障害物との接触を効率的に回避することができ、駐車の所要時間の増加を効率的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る自動駐車装置を搭載した車両を概略的に示す側面図である。
図2図2は、一実施形態に係る自動駐車装置を搭載した車両を模式的に示す平面図である。
図3図3は、一実施形態に係る自動駐車装置を含む車両のブロック図である。
図4図4は、一実施形態に係る自動駐車装置に接続された表示装置の表示部における表示状態の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、一実施形態に係る自動駐車装置の駐車制御の第1例を説明するために、第1算出ルートに沿って移動する車両及びその周辺状況を模式的に示す平面図である。
図6図6は、一実施形態に係る自動駐車装置の駐車制御の第1例を説明するために、第2算出ルートに沿って移動する車両及びその周辺状況を模式的に示す平面図である。
図7図7は、一実施形態に係る自動駐車装置の駐車制御の第2例を説明するために、第1算出ルートに沿って移動する車両及びその周辺状況を模式的に示す平面図である。
図8図8は、一実施形態に係る自動駐車装置の駐車制御の第2例を説明するために、第2算出ルートに沿って移動する車両及びその周辺状況を模式的に示す平面図である。
図9図9は、一実施形態に係る自動駐車装置の制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、一実施形態に係る自動駐車装置の制御方法における駐車制御実行の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態に係る自動駐車装置について以下に説明する。なお、本実施形態に係る自動駐車装置を適用する車両は自動車となっている。しかしながら、自動駐車装置は、自動車以外の車両にも適用することができる。また、以下の説明においては、左側は、車両前方を向いた状態での左側を指し、かつ右側は、車両前方を向いた状態での右側を指す。
【0011】
「自動駐車装置及び車両の概略」
図1図8を参照して、本実施形態に係る自動駐車装置10及びそれを搭載する車両1の概略について説明する。なお、図1図2、及び図4図8においては、車両1の前方側を片側矢印Fにより示し、かつ車両1の後方側を片側矢印Bにより示す。また、図1においては、車室2内を視認できるように車両1の幅方向の側面部を一部省略して示す。
【0012】
自動駐車装置10及びそれを搭載する車両1は概略的には次のように構成されている。図3に示すように、車両1は自動駐車装置10を有する。自動駐車装置10は駐車制御部10aを有する。図4図8に示すように、駐車制御部10aは、車両1を特定の駐車区域P内に駐車するためにこの車両1の自動前進、自動後退、及び自動停止を実施可能とする駐車制御を実行可能とする。
【0013】
駐車制御部10aは、駐車制御に適用するために車両1のルートを算出するルート算出を実行可能とする。さらに、駐車制御部10aは、自動前進及び自動後退のうち一方である一方側進行を実施しているときに、車両1に対して一方側進行側に存在する追加障害物Uを認識する追加障害物認識を実行可能とする。駐車制御部10aは、駐車制御に適用されるルートをルート算出により算出される第1算出ルートM1に設定している状態で、追加障害物Uが一方側進行区画内に滞在する滞在時間を算出する滞在時間算出を実行可能とする。追加障害物Uは、追加障害物認識により認識されたものである。一方側進行区画は、車両1が第1算出ルートM1にて一方側進行を実施するために第1算出ルートM1上で車両1に対して一方側進行側に設定される区画である。
【0014】
ここで、追加障害物Uは、次のような第1条件又は第2条件を満たすものとなっている。第1条件は、追加障害物Uが、第1算出ルートM1を得るためのルート算出時に、車両1の周辺に存在していない障害物であることを条件とする。第2条件は、追加障害物Uが、第1算出ルートM1を得るためのルート算出時に、車両1の周辺に存在しているが、第1算出ルートM1、特に、その一方側進行区画又は車両1に接近する挙動を示していない障害物であることを条件とする。例えば、追加障害物Uとしては、歩行者、他車両等が挙げられる。なお、車両1は、他車両とは異なる自車両1と呼ぶこともできる。
【0015】
また、第1算出ルートM1及び後述する第2算出ルートM2を含む算出ルート上には、それぞれ車両1の一方側進行及び他方側進行を実施可能とするための一方側進行区画及び他方側進行区画が設定される。一方側進行区画及び他方側進行区画のそれぞれはまた、車両1が通行可能となるような空間を有するように設定される。
【0016】
駐車制御部10aは、滞在時間算出により算出される滞在時間の算出値Dが所定の滞在時間閾値D1以上であるときに、駐車制御に適用されるルートを第1算出ルートM1から、ルート算出により再算出される第2算出ルートM2に変更するルート再設定を実行可能とする。第2算出ルートM2は、一方側進行の開始時点又は途中時点から、自動前進及び自動後退のうち他方である他方側進行に切り換えるための切り返し地点mr2を含んでいる。なお、詳細は後述するが、kは1以上の整数である。
【0017】
さらに、自動駐車装置10は概略的には次のように構成することができる。図4図8に示すように、駐車制御は、車両1の前後方向を駐車区域Pの前後方向に対応させた状態で車両1を駐車区域P内に駐車させるように実行される。駐車制御部10aは、第2算出ルートM2にて、切り返し地点mr2における車両1の前後方向及び駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づく切り返し前角度と、切り返し地点mr2の次の切り返し地点mr2k+1又は駐車完了地点における車両1の前後方向及び駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づく切り返し後角度とを算出する角度算出を実行可能とする。
【0018】
特に、切り返し前角度は、追加障害物Uの手前の切り返し地点mr2における車両1の前後方向及び駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づいて定めることができる。なお、切り返し後角度は、切り返し地点mr2の後に少なくとも1回の切り返しが行われる場合には、切り返し地点mr2の次の切り返し地点mr2k+1における車両1の前後方向及び駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づいて定めることができる。切り返し後角度は、切り返し地点mr2の後に切り返しが行われずに駐車完了となる場合には、駐車完了地点における車両1の前後方向及び駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づいて定めることができる。
【0019】
図6を参照すると、切り返し前角度及び切り返し後角度は、より具体的には次のように定義される。切り返し前及び切り返し後角度のそれぞれは、車両1の前後方向の先頭から車両1の前後方向に離れるように延びる車両軸線L1と、駐車区域Pの前後方向に延びる駐車軸線L2との間にて定義される。なお、車両1の前後方向の先頭は、駐車区域Pへの進入時に駐車区域Pの前後方向の奥側を向く車両1の後方部分1a又は前方部分1bである。さらに、切り返し前及び切り返し後角度のそれぞれは、車両及び駐車軸線L1,L2の交点Oを基準として駐車区域Pの前後方向の奥側に定義される。
【0020】
切り返し前及び切り返し後角度のそれぞれは、車両軸線L1が交点Oを中心として駐車軸線L2に対して反時計回りに振れた場合に正の値となる。切り返し前及び切り返し後角度のそれぞれは、車両軸線L1が交点Oを中心として駐車軸線L2に対して時計回りに振れた場合に負の値となる。そして、切り返し前及び切り返し後角度のそれぞれは、車両軸線L1が駐車軸線L2と略一致する場合に、約0(ゼロ)度となる。
【0021】
駐車制御部10aは、角度算出により算出される切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|及び切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|間における角度差を算出する角度差算出を実行可能とする。ルート再設定は、切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さく、かつ角度差算出により算出される角度差の算出値γの絶対値|γ|が所定の角度差閾値γ1よりも大きいときに実行される。なお、角度差閾値γ1は0度以上である。さらに、角度差閾値γ1は正の値とすることができる。
【0022】
図4図8に示すように、駐車制御部10aは、追加障害物認識により認識された追加障害物Uとの接触を回避すべく車両1を待機させるように自動停止を実施する追加障害物回避制御を実行可能とする。駐車制御部10aは、滞在時間の算出値Dに基づいて、追加障害物回避制御にて自動停止を実施する待機時間を算出する待機時間算出を実行可能とする。なお、追加障害物Uが一方側進行区画内に滞在していても、車両1が一方側進行を継続する状態が存在し得るので、待機時間は、滞在時間とは異なる基準により定義されるものである。
【0023】
ルート再設定は、滞在時間の算出値Dが所定の滞在時間閾値D1以上でない場合、すなわち、滞在時間の算出値Dが所定の滞在時間閾値D1未満である場合、待機時間算出により算出される待機時間の算出値Eが所定の待機時間閾値E1以上であるときも同様に実行される。ルート再設定は、第2算出ルートM2に含まれる切り返し地点mr2の数が1つであるときに実行される。
【0024】
「車両の詳細」
本実施形態に係る自動駐車装置10を搭載する車両1は、詳細には次のように構成することができる。図1及び図3に示すように、車両1は表示装置11を有する。図3に示すように、表示装置11は自動駐車装置10と電気的に接続される。図4に示すように、表示装置11は、車両1の状態を表示可能とする。表示装置11は液晶ディスプレイであるとよい。しかしながら、表示装置は液晶ディスプレイに限定されない。例えば、表示装置は、有機ELディスプレイ等とすることもできる。
【0025】
図1及び図3に示すように、表示装置11は、画像を表示可能とする表示部11aを有する。図1に示すように、表示部11aは、車両1の車室2内に配置される。表示部11aは、運転者に視認可能となるように、車室2内にて運転席を含む前列シート3に対して車両前方にて配置される。表示部11aは、車室2内にて前列シート3に対して車両前方に位置するインストルメントパネル4に配置されるとよい。
【0026】
図1図3に示すように、車両1は、種々の情報を運転者に報知する報知装置12を有する。報知装置12は、視覚、聴覚等を通じて種々の情報を運転者に報知する。例えば、報知装置12は、モニタ、スピーカ、ランプ、メータ、ブザー等を有するように構成できる。特に、報知装置12は上記表示装置11を含む。しかしながら、報知装置は、上記表示装置を含まないように構成することもできる。
【0027】
車両1は、この車両1の周辺に位置する追加障害物U、後述する基本障害物R等の物体を検出可能とする周辺検出装置13を有する。周辺検出装置13は、レーザ光、超音波等の送受信や撮像画像の画像認識によって、車両1の周辺に存在する物体の識別、位置や速度の推定を行う。
【0028】
このような周辺検出装置13は、少なくとも1つのソナーセンサ13a,13bを有することができる。周辺検出装置13は、複数のソナーセンサ13a,13bを有することができる。さらに図1及び図2に示すように、周辺検出装置13は、車両1の後方部分1aに配置される少なくとも1つの後方ソナーセンサ13aと、車両1の前方部分1bに配置される少なくとも1つの前方ソナーセンサ13bと有することができる。しかしながら、周辺検出装置は、ソナーセンサの代わりに又はソナーセンサに加えて、赤外線ライダ、ミリ波レーダ等を有することもできる。
【0029】
図1及び図3に示すように、車両1は、運転者による車両1への操作入力を受け付ける操作入力装置14を有する。操作入力装置14は、タッチセンサ、スイッチ、マイク、アクセルペダル、ステアリングホイール、ブレーキペダル等を有するように構成できる。
【0030】
このような操作入力装置14は、駐車制御を実行する駐車制御オン状態と、駐車制御を実行しない駐車制御オフ状態とを切り換える入力を可能とする駐車制御入力部14aを有する。車両1は、このような駐車制御入力部14aと上記表示装置11の表示部11aとを一体に構成したタッチパネル15を有することもできる。
【0031】
図1図3に示すように、車両1は、この車両1の周辺領域を撮像可能に構成される撮像装置16を有する。さらに具体的には、周辺検出装置13が撮像装置16を含む。撮像装置16は、それぞれ車両1の後方領域、前方領域、左側方領域、及び右側方領域を含む周辺領域を撮像可能に構成される複数の撮像部16a,16b,16c,16dを有する。各撮像部16a~16dはカメラとすることができる。しかしながら、撮像部はカメラに限定されない。
【0032】
例えば、撮像装置16は、車両1の後方、前方、左側方、及び右側方領域をそれぞれ撮像可能に構成される後方、前方、左側方、及び右側方撮像部16a,16b,16c,16dを有することができる。図1及び図2に示すように、後方及び前方撮像部16a,16bはそれぞれ車両1の後方及び前方部分1a,1bに配置される。後方撮像部16aは後方部分1aの後端部に配置され、かつ前方撮像部16bは、前方部分1bの前端部に配置される。図2に示すように、左側方撮像部16cは車両1の左側サイドミラー5に配置され、かつ右側方撮像部16dは車両1の右側サイドミラー6に配置される。しかしながら、撮像部の配置はこれらに限定されない。
【0033】
図3に示すように、車両1は、この車両1を走行させるための駆動力を発生可能とする駆動装置であるエンジン17を有する。しかしながら、駆動装置は、エンジンに限定されない。例えば、駆動装置は、モータ等とすることもできる。
【0034】
車両1は、この車両1を制動するための制動力を発生可能とするブレーキ装置18を有する。ブレーキ装置18は、運転者によりブレーキペダル(図示せず)に入力された踏み込み量に応じて車輪(図示せず)に機械的な制動力を働かせることができる。さらに、ブレーキ装置18は、自動駐車装置10の制御によって制動力を働かせることができる。
【0035】
車両1は、この車両1を操舵可能とするステアリング装置19を有する。ステアリング装置19は、運転者によりステアリングホイール(図示せず)に入力された操舵角に応じて車両1を操舵できる。さらに、ステアリング装置19は、自動駐車装置10の制御によって車両1を操舵できる。
【0036】
車両1は、車両1を前進駆動させるためのDレンジと、車両1を後退駆動させるためのRレンジと、車両1を停止させるためのPレンジとの間における切換を可能とするシフト装置20を有する。車両1は、シフト装置20がDレンジに設定された状態で自動前進し、シフト装置20がRレンジに設定された状態で自動後退し、かつシフト装置20がPレンジに設定された状態で自動停止する。
【0037】
車両1は、車速センサ21と、加速度センサ22と、アクセル開度センサ23と、ブレーキセンサ24と、操舵角センサ25とをさらに有する。車速センサ21は、車両1の走行速度を検出する。加速度センサ22は、車両1の加速度を検出する。アクセル開度センサ23は、アクセルペダル(図示せず)に入力された踏み込み量、すなわち、アクセル開度を検出する。ブレーキセンサ24は、ブレーキペダル(図示せず)に入力された踏み込み量を検出する。操舵角センサ25は、ステアリングホイール(図示せず)に入力された操舵角を検出する。
【0038】
「表示装置の詳細」
図4を参照すると、表示装置11は、詳細には次のように構成することができる。表示装置11の表示部11aは、略四角形状、特に、略長方形状になっている。しかしながら、表示部はこれらに限定されない。例えば、表示部は、略等方形状、車両幅方向又は車両上下方向に延びる細長形状等に形成することができる。
【0039】
表示部11aは、撮像装置16により撮像された画像に基づいた静止画、動画等の第1情報を表示可能に構成される。このような表示部11aについて、図4は、一例として、車両1が曲がりながら後退するように駐車制御されている状況にある車両1の後方領域を後方撮像部16aにより撮像した画像に基づいた情報を表示部11aに示している。なお、図4においては、表示部11a上における車両1の進行方向、すなわち、後退方向を片側矢印Bにより示し、かつ表示部11a上における車両幅方向を両側矢印Wにより示す。
【0040】
「自動駐車装置の詳細」
自動駐車装置10は、詳細には次のように構成することができる。自動駐車装置10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、入力インターフェース、出力インターフェース等の電子部品と、かかる電子部品を配置した電気回路とを含むように構成される。ROMには、種々の制御定数、種々のマップ等と一緒に、自動駐車装置10の機能を発揮するためのプログラムが記憶されている。そのため、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行するときに、自動駐車装置10の機能を発揮することができる。しかしながら、自動駐車装置はこれに限定されない。
【0041】
図3に示すように、自動駐車装置10は、表示装置11と、報知装置12と、周辺検出装置13と、操作入力装置14と、撮像装置16と、エンジン17と、ブレーキ装置18と、ステアリング装置19と、シフト装置20と、車速センサ21と、加速度センサ22と、アクセル開度センサ23と、ブレーキセンサ24と、操舵角センサ25と電気的に接続される。また、自動駐車装置10は、表示装置11の表示部11aと操作入力装置14の駐車制御入力部14aとを一体に構成したタッチパネル15と電気的に接続することもできる。
【0042】
図4図8に示すように、自動駐車装置10の駐車制御部10aにより実行される駐車制御においては、上述のような自動前進、自動後退、及び自動停止に加えて、自動操舵及び自動車速変更を実施できる。自動操舵は、ルート算出により算出された第1算出ルートM1、第2算出ルートM2等の算出ルートに沿って車両1を移動可能とするように自動的に操舵する。
【0043】
なお、ルート算出によって、第1及び第2算出ルートM1,M2以外の他の算出ルートを得ることもできる。さらに、自動操舵が、このような他の算出ルートに沿って車両1を移動可能とするように自動的に操舵することもできる。以下において、単に「算出ルート」と呼ぶ場合、この「算出ルート」は、第1及び第2算出ルートM1,M2と、他の算出ルートとを含むものとする。
【0044】
また、ルート算出によって得られる第1及び第2算出ルートM1,M2について、第2算出ルートM2が第1算出ルートM1の後に得られる算出ルートである。特に、第2算出ルートM2は、第1算出ルートM1を得たルート算出の次に実行されたルート算出によって得ることができる。しかしながら、第2算出ルートは、第1算出ルートを得たルート算出の後に実行された複数のルート算出によりそれぞれ得られた複数の算出ルートから選択されたものとすることもできる。
【0045】
駐車制御部10aは、算出ルートに沿って車両1を移動可能とする車速を算出する車速算出を実行可能とする。駐車制御においては、かかる車速算出により算出された車速の算出値に基づいて車両1の車速を変更する自動車速変更を実施できる。なお、ルート算出及び車速算出は、駐車制御の実行中に繰り返し実施される。
【0046】
駐車制御部10aは、周辺検出装置13又は撮像装置16によって基本障害物R及び駐車区域Pを含む周辺情報を取得する周辺情報取得を実行可能とする。駐車制御部10aは、周辺情報取得によって取得された周辺情報から基本障害物Rを認識する基本障害物認識を実行可能とする。さらに、駐車制御部10aは、周辺情報取得によって取得された周辺情報に基づいて、車両1を基本障害物認識により認識された基本障害物Rを避けながら駐車可能とする駐車区域Pを検索する駐車区域検索を実行可能とする。ここで、駐車制御は、運転者が駐車可能なスペースの存在を確認した後に実行されるので、駐車区域検索によって駐車区域Pが発見されることとなる。
【0047】
ここで、基本障害物Rは、算出ルートを得るためのルート算出時及び駐車区域Pを得るための駐車区域検索時に、この算出ルートの領域外及びこの駐車区域P外に位置する障害物である。例えば、このような基本障害物Rとしては、建造物、他車両等が挙げられる。さらに、基本障害物Rは、上記追加障害物認識時に、追加障害物Uとして認識されることもあり得る。例えば、この場合の基本障害物Rとしては、他車両等が挙げられる。
【0048】
駐車制御部10aは、駐車区域検索によって発見された駐車区域Pを目標位置に設定する目標位置設定を実行可能とする。駐車制御部10aは、目標位置設定により設定された目標位置の設定情報に基づいて、上記ルート算出を実行する。駐車制御部10aは、車両1が目標位置である駐車区域Pに位置するか否かを判定する駐車完了判定を実行可能とする。
【0049】
図4に示すように、さらに、駐車制御部10aは、ルート算出により算出された算出ルートを表示装置11の表示部11aに表示させることができる。この場合、算出ルートは、後方若しくは前方撮像部16a,16bにより撮像した画像、又は撮像装置16により撮像した画像から作成された俯瞰図に基づいた情報と一緒に表示することができる。
【0050】
ルート算出により得られる算出ルートは、1つの前進区画のみを含むか、1つの後退区画のみを含むか、又は1つ以上の前進区画と、1つ以上の後退区画と、1つ以上の切り返し地点とを含む。切り返し地点は、連続する前進及び後退区画の間に設定される。一方側進行区画は、連続する前進及び後退区画の一方となり、かつ他方側進行区画は、連続する前進及び後退区画の他方となる。
【0051】
例えば、図5及び図7に示すように、第1算出ルートM1は、1つ以上の前進区画mf1と、1つ以上の後退区画mb1と、1つ以上の切り返し地点mr1とを含むことができる。図6及び図8に示すように、第2算出ルートM2は、1つ以上の前進区画mf2と、1つ以上の後退区画mb2と、1つ以上の切り返し地点mr2とを含むことができる。なお、i、j、kのそれぞれは、1以上の整数である。jは、(i-1)、i、又は(i+1)と等しい値である。kは、(i+j-1)と等しい値である。
【0052】
さらに、第1算出ルートM1の前進区画mf1の数、後退区画mb1の数、及び切り返し地点mr1の数は、それぞれ、第2算出ルートM2の前進区画mf2の数、後退区画mb2の数、及び切り返し地点mr2の数と同じとすることも異ならせることもできる。
【0053】
図4図8に示すように、駐車制御部10aは、ルート算出により得られた算出ルートを、種々の条件に応じて、駐車制御に適用するルート設定を実行可能とする。駐車制御部10aは、ルート設定により設定された算出ルートに沿って車両1を移動させる。この車両1の移動時に、上記自動前進、自動後退、自動停止、自動操舵、及び自動車速変更を実施することができる。
【0054】
上記追加障害物認識においては、周辺情報取得と同様に、周辺検出装置13又は撮像装置16が、追加障害物Uの認識に用いられる。追加障害物認識において、駐車制御部10aは、車両1に対して一方側進行側に位置する追加障害物Uの有無を判定する追加障害物有無判定を実行可能とする。また、追加障害物有無判定において、車両1に対して一方側進行側に位置する追加障害物Uが存在すると判定された場合、追加障害物認識において、追加障害物Uの認識が行われる。
【0055】
駐車制御部10aは、車両1が算出ルートの一方側進行区画を通過するときに追加障害物認識によって認識された追加障害物Uが算出ルートの一方側進行区画内に滞在するか否かを判定する滞在有無判定を実行可能とする。滞在有無判定は、この判定時に追加障害物Uが算出ルートの一方側進行区画内に実際に滞在するか否かの実際の状態に基づいて判定することと、この判定後に追加障害物Uが算出ルートの一方側進行区画内に滞在するか否かを推測した状態に基づいて判定することとを含む。このような駐車制御部10aは、追加障害物Uの移動を予測可能に構成される。
【0056】
駐車制御部10aは、車速減少によって車両1と追加障害物Uとの接触が回避できるか否かを判定する減速回避判定を実行可能とする。駐車制御部10aは、車両1と追加障害物Uとの接触が回避するように、自動車速変更によって車速を減少させる減速回避を実行可能とする。
【0057】
駐車制御部10aは、算出ルートに含まれる切り返し地点の数が1つであるか否かを判定する切り返し数判定を実行可能とする。駐車制御部10aは、算出ルートの他方側進行に関して、切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さいか否かを判定する角度大小判定を実行可能とする。駐車制御部10aは、角度差の算出値γの絶対値|γ|が角度差閾値γ1よりも大きいか否かを判定する角度差判定を実行可能とする。
【0058】
滞在時間算出においては、追加障害物Uの移動の有無、追加障害物Uの移動速度、追加障害物Uの種類等に基づいて、追加障害物Uの滞在時間が算出される。駐車制御部10aは、滞在時間の算出値Dが所定の滞在時間閾値D1以上であるか否かを判定する滞在時間判定を実行可能とする。
【0059】
待機時間算出においては、滞在時間の算出値Dに加えて、車両1及び追加障害物U間の距離、加速性能、減速性能等のような車両1の性能等を考慮して、車両1の待機時間が算出される。駐車制御部10aは、待機時間の算出値Eが所定の待機時間閾値E1以上であるか否かを判定する待機時間判定を実行可能とする。
【0060】
駐車制御部10aは、追加障害物Uとの接触を回避すべく、待機時間の算出値Eの間、車両1を待機させるように自動停止を実施する待機回避を実行可能とする。駐車制御部10aは、追加障害物Uが一方側進行区間を通り抜けた後かつ待機時間の算出値Eの経過後に、車両1の一方側進行を再開する進行再開を実行可能とする。
【0061】
駐車制御部10aは、車両1が目標位置である駐車区域Pに位置するか否かを判定する目標到達判定を実行可能とする。目標到達判定において、車両1が目標位置である駐車区域Pに位置しない場合には、駐車制御部10aは、算出ルートに沿った車両1の移動を継続する。目標到達判定において、車両1が目標位置である駐車区域Pに位置した場合には、駐車制御部10aは、車両1の自動停止を実施し、この自動停止後に、車両1の駐車が完了したものとして駐車制御を終了する。
【0062】
「駐車制御の例示」
図5図8を参照して、駐車制御部10aにより実行される駐車制御の第1例及び第2例について説明する。なお、以下に説明する第1例及び第2例のそれぞれは、あくまでも駐車制御の一例に過ぎず、これらの例は、本発明を限定するものではない。
【0063】
先ずは、図5及び図6を参照して駐車制御の第1例を説明する。駐車制御の第1例においては、上記一方側進行が自動後退であり、かつ上記他方側進行が自動前進である。図5に示すように、駐車制御に適用する算出ルートが、第1算出ルートM1に設定されている。この第1算出ルートM1は、第1前進区画mf1と、第1及び第2後退区画mb1,mb1と、第1及び第2切り返し地点mr1,mr1とを含む。第1切り返し地点mr1は、第1後退区画mb1と第1前進区画mf1との間に設定される。第2切り返し地点mr1は、第1前進区画mf1と第2後退区画mb1との間に設定される。駐車区画Pは、第2後退区画mb1の終了地点に設定されている。
【0064】
図5は、車両1が片側矢印B1により示すように第1算出ルートM1の第1後退区画mb1にて自動後退を実施している状態を示している。図5に示すように、車両1が、第1算出ルートM1の第1後退区画mb1にて自動後退を実施している状態にて第1切り返し地点mr1に到達すると自動停止を実施し、その後、車両1は、第1前進区画mf1にて自動前進を実施する。次に、車両1は、第2切り返し地点mr1に到達すると自動停止を実施し、その後、車両1は、第2後退区画mb1にて自動後退を実施する。さらに、車両1が駐車区画Pに到達すると自動停止を実施し、車両1の駐車が完了する。
【0065】
ここで、車両1がこのような第1算出ルートM1の第1後退区画mb1にて自動後退を実施しているときに、追加障害物Uである歩行者Uが、車両1の後退側で第1後退区画mb1内に滞在するか、又は片側矢印Cにより示すように車両1の後退側で第1後退区画mbを横切ろうとする。このような歩行者Uが車両1の後退側で第1後退区画mb1内に滞在する滞在時間の算出値Dが滞在時間閾値D1以上であるか、又はこの滞在時間の算出値Dを考慮した車両1の待機時間の算出値Eが待機時間閾値E1以上である場合に、駐車制御に適用される算出ルートが、図5に示した第1算出ルートM1から図6に示した第2算出ルートM2に変更される。
【0066】
図6に示すように、この第2算出ルートM2は、第1前進区画mf2と、第1及び第2後退区画mb2,mb2と、第1及び第2切り返し地点mr2,mr2とを含む。第1切り返し地点mr2は、第1後退区画mb2と第1前進区画mf2との間に設定される。第2切り返し地点mr2は、第1前進区画mf2と第2後退区画mb2との間に設定される。駐車区画Pは、第2後退区画mb2の終了地点に設定されている。
【0067】
第2算出ルートM2において、第1後退区画mb2の終了地点は、歩行者Uに対して車両1の前方側にて歩行者Uと間隔を空けるように設定される。特に、第2算出ルートM2においては、斜線のハッチングを付された除外区間g1(仮想線により示す)が第1算出ルートM1から除外されている。第2算出ルートM2の第1前進区画mf2において、終了角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さくなっている。また、切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|及び切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|間における角度差の算出値γの絶対値|γ|が所定の角度差閾値γ1よりも大きくなっている。
【0068】
図6は、車両1が、片側矢印F1で示すように第1前進区間mf2にて自動前進を実施した後に、第2算出ルートM2の第2切り返し地点mr2にて自動停止を実施している状態を示している。図6に示すように、車両1が、第2算出ルートM2の第1後退区画mb2にて自動後退を実施している状態にて、歩行者Uの手前の第1切り返し地点mr2に到達すると自動停止を実施し、その後、車両1は、第1前進区画mf2にて自動前進を実施する。次に、車両1は、第2切り返し地点mr2に到達すると自動停止を実施し、その後、車両1は、第2後退区画mb2にて自動後退を実施する。さらに、車両1が駐車区画Pに到達すると自動停止を実施し、車両1の駐車が完了する。そのため、第2算出ルートM2に沿って移動する車両1は、歩行者Uとの接触を避けることができる。
【0069】
上記駐車制御の第1例においては、駐車制御が、一方側進行を自動後退とし、かつ他方側進行を自動前進とするように実行される場合を説明した。しかしながら、駐車制御の第1例の変形例として、駐車制御を、一方側進行を自動後退とし、かつ他方側進行を自動前進とするように実行することもできる。
【0070】
図7及び図8を参照して駐車制御の第2例を説明する。駐車制御の第2例においては、上記一方側進行が自動前進であり、かつ上記他方側進行が自動後退である。図7に示すように、駐車制御に適用する算出ルートが、第1算出ルートM1に設定されている。この第1算出ルートM1は、第1前進区画mf1と、第1後退区画mb1と、第1切り返し地点mr1とを含む。第1切り返し地点mr1は、第1後退区画mb1と第1前進区画mf1との間に設定される。駐車区画Pは、第1後退区画mb1の終了地点に設定されている。
【0071】
図7は、車両1が片側矢印F2により示すように第1算出ルートM1の第1前進区画mf1にて自動前進を実施している状態を示している。図7に示すように、車両1が、第1算出ルートM1の第1前進区画mf1にて自動前進を実施している状態にて第1切り返し地点mr1に到達すると自動停止を実施し、その後、車両1は、第1後退区画mb1にて自動後退を実施する。さらに、車両1が駐車区画Pに到達すると自動停止を実施し、車両1の駐車が完了する。
【0072】
ここで、車両1がこのような第1算出ルートM1の第1前進区画mf1にて自動前進を実施しているときに、追加障害物Uである歩行者Uが、車両1の前進側で第1前進区画mf1内に滞在するか、又は片側矢印Cにより示すように車両1の前進側で第1前進区画mf1を横切ろうとする。このような歩行者Uが車両1の前進側で第1前進区画mf1内に滞在する滞在時間の算出値Dが滞在時間閾値D1以上であるか、又はこの滞在時間の算出値Dを考慮した車両1の待機時間の算出値Eが待機時間閾値E1以上である場合に、駐車制御に適用される算出ルートが、図7に示した第1算出ルートM1から図8に示した第2算出ルートM2に変更される。
【0073】
図8に示すように、第2算出ルートM2は、第1前進区画mf2と、第1後退区画mb2と、第1切り返し地点mr2とを含む。第1切り返し地点mr2は、第1後退区画mb2と第1前進区画mf2との間に設定される。駐車区画Pは、第1後退区画mb2の終了地点に設定されている。
【0074】
第2算出ルートM2において、第1前進区画mf2の終了地点は、歩行者Uに対して車両1の後方側にて歩行者Uと間隔を空けるように設定される。特に、第2算出ルートM2においては、斜線のハッチングを付された除外区間g2(仮想線により示す)が第1算出ルートM1から除外されている。第2算出ルートM2の第1後退区画mb2において、切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さくなっている。また、切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|及び切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|間における角度差の算出値γの絶対値|γ|が所定の角度差閾値γ1よりも大きくなっている。第2算出ルートM2における切換し地点の数は1つである。
【0075】
図8は、車両1が、片側矢印B2で示すように第1後退区画mb2にて自動後退を実施した後に、第2算出ルートM2にて駐車区画Pに到達している状態を示している。図8に示すように、車両1が、第2算出ルートM2の第1前進区画mf2にて自動前進を実施している状態にて、歩行者Uの手前の第1切り返し地点mr2に到達すると自動停止を実施し、その後、車両1は、第1後退区画mb2にて自動後退を実施する。さらに、車両1が駐車区画Pに到達すると自動停止を実施し、車両1の駐車が完了する。そのため、第2算出ルートM2に沿って移動する車両1は、歩行者Uとの接触を避けることができる。
【0076】
上記駐車制御の第2例においては、駐車制御が、一方側進行を自動後退とし、かつ他方側進行を自動前進とするように実行される場合を説明した。しかしながら、駐車制御の第2例の変形例として、駐車制御を、一方側進行を自動後退とし、かつ他方側進行を自動前進とするように実行することもできる。
【0077】
「自動駐車装置の制御方法の一例」
図9及び図10を参照して、本実施形態に係る自動駐車装置10の制御方法の一例について以下に説明する。図9に示すように、先ずは、車両1を駐車可能とする駐車区域Pを検索する(駐車区域検索、ステップS1)。具体的には、駐車区域検索においては、周辺検出装置13又は撮像装置16によって他車両、建造物等の基本障害物Rの情報を取得する。次に、基本障害物Rの情報に基づいて、車両1を駐車可能とする駐車区域Pを検索し、かつ駐車区域Pを認識する。
【0078】
次に、駐車制御の実行を開始する(駐車制御開始、ステップS2)。具体的には、駐車制御開始においては、駐車制御の実行を開始するために、例えば、操作入力装置14の駐車制御入力部14aを、駐車制御を実行しない駐車制御オフ状態から、駐車制御を実行する駐車制御オン状態に切り換える。駐車制御オン状態では、駐車区域Pが目標位置に設定される。その後、駐車制御を実行する(駐車制御実行、ステップS3)。駐車制御においては、車両1が目標位置である駐車区域Pに位置するように車両1の駐車が完了するまで、駐車制御のための各種ステップを繰り返すループ制御を実施する。車両1が目標位置である駐車区域Pに位置すると、車両1の駐車が完了する(駐車完了、ステップS4)。
【0079】
さらに図10に示すように、駐車制御実行(駐車制御実行、ステップS3)においては、追加障害物Uに応じて次のような駐車制御が実行される。車両1が目標位置である駐車区域Pに位置するように車両1を駐車すべく、第1算出ルートM1を算出する(ルート算出)。駐車制御に適用されるルートを第1算出ルートM1に設定する(ルート設定)。第1算出ルートM1に沿った車両1の移動を実施する(車両移動、ステップS11)。
【0080】
第1算出ルートM1にて自動前進及び自動後退のうち一方である一方側進行を実施しているときに、車両1に対して一方側進行側に追加障害物Uが存在するか否かを判定する(追加障害物有無判定、ステップS12)。追加障害物Uが存在しない場合(NO)、第1算出ルートM1に沿った車両1の移動を継続する(車両移動、ステップS11)。追加障害物Uが存在する場合(YES)、車両1が第1算出ルートM1の一方側進行区画を通過するときに追加障害物Uが第1算出ルートM1の一方側進行区画内に滞在するか否かを判定する(滞在有無判定、ステップS13)。
【0081】
追加障害物Uが第1算出ルートM1の一方側進行区画内に滞在しない場合(NO)、第1算出ルートM1に沿った車両1の移動を継続する(ステップS11)。追加障害物Uが第1算出ルートM1の一方側進行区画内に滞在する場合(YES)、車速減少によって車両1と追加障害物Uとの接触が回避できるか否かを判定する(減速回避判定、ステップS14)。
【0082】
車速減少によって車両1と追加障害物Uとの接触が回避できる場合(YES)、車両1と追加障害物Uとの接触が回避するように車速を減少させる(減速回避、ステップS15)。車速減少によって車両1と追加障害物Uとの接触が回避できない場合(NO)、車両1が目標位置である駐車区域Pに位置するように車両1を駐車し、かつ車両1が追加障害物Uと接触することを回避するために、第2算出ルートM2を算出する(ルート再算出、ステップS16)。第2算出ルートM2に含まれる切り返し地点mr2の数が1つであるか否かを判定する(切り返し数判定、ステップS17)。
【0083】
第2算出ルートM2に含まれる切り返し地点mr2の数が1つである場合(YES)、駐車制御に適用されるルートを、第1算出ルートM1から第2算出ルートM2に変更する(ルート再設定、ステップS18)。第2算出ルートM2に沿った車両1の移動を実施する(車両移動、ステップS19)。第2算出ルートM2に含まれる切り返し地点mr2の数が2つ以上である場合(NO)、第2算出ルートM2の他方側進行に関して、切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|と切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|とを得る(角度算出)。切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さいか否かを判定する(角度大小判定、ステップS20)。
【0084】
切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さい場合(YES)、切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|と、切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|との間における角度差の算出値γを得る(角度差算出)。角度差の算出値γの絶対値|γ|が角度差閾値γ1よりも大きいか否かを判定する(角度差判定、ステップS21)。
【0085】
角度差の算出値γの絶対値|γ|が角度差閾値γ1よりも大きい場合(YES)、駐車制御に適用されるルートを、第1算出ルートM1から第2算出ルートM2に変更する(ルート再設定、ステップS18)。角度差の算出値γの絶対値|γ|が角度差閾値γ1以下である場合(NO)、追加障害物Uが第1算出ルートM1の一方側進行区画内に滞在する滞在時間を算出する(滞在時間算出)。上記ステップ23の角度大小判定において、切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|以上である場合もまた(NO)、この滞在時間を算出する(滞在時間算出)。滞在時間の算出値Dが滞在時間算出値D1以上であるか否かを判定する(滞在時間判定、ステップS22)。
【0086】
滞在時間の算出値Dが滞在時間算出値D1以上である場合(YES)、駐車制御に適用されるルートを、第1算出ルートM1から第2算出ルートM2に変更する(ルート再設定、ステップS18)。滞在時間の算出値Dが滞在時間算出値D1未満である場合(NO)、滞在時間の算出値Dに基づいて、追加障害物Uとの接触を回避するために車両1の自動停止を実施する待機時間を算出する(待機時間算出)。待機時間の算出値Eが所定の待機時間閾値E1以上であるか否かを判定する(待機時間判定、ステップS23)。
【0087】
待機時間の算出値Eが所定の待機時間閾値E1以上である場合(YES)、駐車制御に適用されるルートを、第1算出ルートM1から第2算出ルートM2に変更する(ルート再設定、ステップS18)。待機時間の算出値Eが所定の待機時間閾値E1未満である場合(NO)、追加障害物Uとの接触を回避すべく車両1を待機させるように自動停止を実施する(待機回避、ステップS24)。待機時間の算出値Eの経過後に、車両1の一方側進行を再開する(進行再開、ステップ25)。
【0088】
なお、上記自動駐車装置10の制御方法は一例に過ぎない。そのため、自動駐車装置10の制御方法は、この一例に限定されない。すなわち、上記自動駐車装置10の構成に基づいて種々の制御方法を実施することができる。
【0089】
以上、本実施形態に係る自動駐車装置10は、特定の駐車区域P内への車両1の駐車のために前記車両1の自動前進、自動後退、及び自動停止を実施可能とする駐車制御を実行可能とするように構成される駐車制御部10aを備え、前記駐車制御部10aが、前記駐車制御に適用するために前記車両1のルートを算出するルート算出を実行可能とするように構成され、前記駐車制御部10aが、前記自動前進及び自動後退のうち一方である一方側進行を実施しているときに、前記車両1に対して前記一方側進行側に存在する追加障害物Uを認識する追加障害物認識を実行可能とするように構成される、自動駐車装置10であって、前記駐車制御部10aが、前記駐車制御に適用されるルートを前記ルート算出により算出される第1算出ルートM1に設定している状態で、前記追加障害物認識により認識された追加障害物Uが前記第1算出ルートM1にて前記一方側進行を実施するための一方側進行区画内に滞在する滞在時間を算出する滞在時間算出を実行可能とするように構成され、前記駐車制御部10aが、前記滞在時間算出により算出される前記滞在時間の算出値Dが所定の滞在時間閾値D1以上であるときに、前記駐車制御に適用されるルートを前記第1算出ルートM1から、前記ルート算出により再算出される第2算出ルートM2に変更するルート再設定を実行可能とするように構成され、前記第2算出ルートM2が、前記一方側進行の開始時点又は途中時点から、前記自動前進及び自動後退のうち他方である他方側進行に切り換えるための切り返し地点mr2を含んでいる。
【0090】
このような自動駐車装置10においては、車両1が第1算出ルートM1の一方側進行区域を通過している状態で、追加障害物Uが一方側進行区画内に滞在する滞在時間が長くなる場合には、駐車制御に適用されるルートが、追加障害物Uとは反対側の他方側進行に切り換えるための切り返し地点mr2を含む第2算出ルートM2に変更され、その結果、車両1は、追加障害物Uを避けるように第2算出ルートM2に沿って移動することができる。そのため、追加障害物Uとの接触を回避するために車両を停止させる待機時間を削減することができ、その結果、駐車開始から駐車完了までの所要時間の増加を効率的に抑制することができる。よって、車両1の周囲に存在する追加障害物Uとの接触を効率的に回避することができ、駐車の所要時間の増加を効率的に抑制することができる。
【0091】
本実施形態に係る自動駐車装置10においては、前記駐車制御は、前記車両1の前後方向を前記駐車区域Pの前後方向に対応させた状態で前記車両1を前記駐車区域P内に駐車させるように実行され、前記駐車制御部10aが、前記第2算出ルートM2にて、前記切り返し地点mr2における前記車両1の前後方向及び前記駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づく切り返し前角度と、前記切り返し地点mr2の次の切り返し地点mr2k+1又は駐車完了地点における前記車両1の前後方向及び前記駐車区域Pの前後方向間の挟角に基づく切り返し後角度とを算出する角度算出を実行可能とするように構成され、前記駐車制御部10aが、前記角度算出により算出される前記切り返し前及び切り返し後角度の算出値α,βの絶対値|α|,|β|間における角度差を算出する角度差算出を実行可能に構成され、前記ルート再設定は、前記切り返し後角度の算出値βの絶対値|β|が前記切り返し前角度の算出値αの絶対値|α|よりも小さく、かつ前記角度差算出により算出される前記角度差の算出値γの絶対値|γ|が所定の角度差閾値γ1よりも大きいときに、実行されるようになっている。
【0092】
このような自動駐車装置10においては、駐車区域Pへの車両1の駐車が切り返しによって容易になる場合に、駐車制御に適用される算出ルートを、第1算出ルートM1から切り返し地点mr2を含む第2算出ルートM2に変更するルート再設定が実行されることとなる。そのため、ルート再設定によって、自動駐車を効率的なルートに従って実施することができ、その結果、駐車の所要時間の増加を効率的に抑制することができる。
【0093】
本実施形態に係る自動駐車装置10においては、前記駐車制御部10aは、前記追加障害物認識により認識された追加障害物Uとの接触を回避すべく前記車両1を待機させるように前記自動停止を実施する追加障害物回避制御を実行可能とするように構成され、前記駐車制御部10aは、前記滞在時間の算出値Dに基づいて、前記追加障害物回避制御にて前記自動停止を実施する待機時間を算出する待機時間算出を実行可能とするように構成され、前記ルート再設定は、前記滞在時間の算出値Dが所定の滞在時間閾値D1未満である場合には、前記待機時間算出により算出される前記待機時間の算出値Eが所定の待機時間閾値E1以上であるときに、実行されるようになっている。
【0094】
このような自動駐車装置10においては、車両1を追加障害物Uの手前で確実に停止させることができる。そのため、車両1の周囲に存在する追加障害物Uとの接触を効率的に回避することができる。さらに、追加障害物Uが短時間で存在しなくなり、これによって、車両1の待機時間が短くなる場合には、ルート再設定を実行しないようにでき、その結果、不必要なルート再設定が実行されることを防ぐことができる。
【0095】
本実施形態に係る自動駐車装置10においては、前記ルート再設定は、前記第2算出ルートM2に含まれる前記切り返し地点mr2の数が1つであるときに、実行されるようになっている。このような自動駐車装置10においては、車両1が、1回の切り返しを直ちに実施することによって、速やかに駐車を完了できる場合には、駐車制御に適用される算出ルートを、第1ルートM1から1回の切り返し地点mr2を含む第2ルートM2に直ちに変更できる。そのため、ルート再設定によって、自動駐車を効率的なルートに従って実施することができ、その結果、駐車の所要時間の増加を効率的に抑制することができる。
【0096】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【符号の説明】
【0097】
1…車両
10…自動駐車装置、10a…駐車制御部
P…駐車区域、U…追加障害物、歩行者、M1…第1算出ルート、M2…第2算出ルート、mr2(mr2,mr2)…切り返し地点(第1切り返し地点、第2切り返し地点)、α…切り返し前角度の算出値、|α|…切り返し前角度の算出値の絶対値、β…切り返し後角度の算出値、|β|…切り返し後角度の算出値の絶対値、γ…角度差の算出値、|γ|…角度差の算出値の絶対値、γ1…角度差閾値、D…滞在時間の算出値、D1…滞在時間閾値、E…待機時間の算出値、E1…待機時間閾値
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