(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】線香用携帯型香炉
(51)【国際特許分類】
A47G 35/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A47G35/00 A
(21)【出願番号】P 2023199768
(22)【出願日】2023-11-27
【審査請求日】2023-11-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503100496
【氏名又は名称】株式会社阪本
(74)【代理人】
【識別番号】100186288
【氏名又は名称】原田 英信
(72)【発明者】
【氏名】阪本 琢磨
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-112986(JP,U)
【文献】登録実用新案第3236985(JP,U)
【文献】特開2006-223778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼する線香を収納可能な線香用携帯型香炉であって、
燃焼後の線香を横向きに配置して燃焼可能な香炉部と、
燃焼前の線香を横向きに収納可能な収納部と、
消火用支持部材又は連続燃焼用支持部材と、を有し、
前記香炉部と前記収納部は前記香炉部から順に、不燃性繊維シート、金属部材及び壁部材の順番で仕切られて構成され、
前記不燃性繊維シートと、前記
消火用支持部材又は前記連続燃焼用支持部材とで線香を挟み込
んで香炉に支持固定
することにより、線香の燃焼状態において、前記香炉の傾きでは外れず、
安全に線香の消火又は連続燃焼を可能とする香炉。
【請求項2】
さらに、前記支持部材は前記香炉に対して移動可能に構成される、請求項1に記載の香炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線香用携帯型香炉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外出先でも線香が使用できる携帯型香炉は様々な形態のものが存在する。例えば電気を利用して着火するものや、携帯しながら、また車の中で使用できるものもある。さらに線香を切断するなどして燃焼時間の調整が行われている。
また、線香の収納ケースと香炉を一体化することで見た目もすっきりしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の携帯型香炉について、例えば使用時の線香が縦置きのものは灰が飛散して周辺を汚したり、風の影響を受けて意図せず途中で火が消えてしまったりすることがある。また、電気を使用するものは電源が確保できる場所でしか使用できなかったり、電池があると重量が重くなったりして携帯に適さない。また、携帯しながら、或は車の中などで使用すると線香が揺れて香炉から抜け出してしまう恐れがあった。
また、線香の収納ケースと香炉を一体化したものもあるが、例えば
図20の(1)は使用時に線香が縦置きであり飛散する灰を受け止める皿が別途必要になる。
図20の(2)は線香の収納ケースがガラス瓶なのでデザイン性に優れているものの、香炉として使用すると焦げや煤がケースについて汚れが目立ってしまう。
このように焦げや煤がケースに付かないように
図21の(1)で示すような不燃性繊維シートを付属したものがあるが、実際に使用すると(
図21の(2)参照)、不燃性繊維シートの下となるケース底には、焦げや煤が付着してしまう(
図21の(3)参照)。
さらには不燃性繊維シートの隙間から炎、熱及び煙がケース底等に直接伝わるので防災上好ましくない。
また、線香を切断して燃焼時間の調整をする場合、手間がかかる上、線香が無駄になっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための発明は、使用時にも線香を収納可能な線香用携帯型香炉であって、使用する線香を横向きに配置して燃焼可能な香炉部と、使用しない線香を横向きに収納可能な収納部と、を有し、前記香炉部と前記収納部は前記香炉部から順に、不燃性繊維シート、金属部材及び壁部材の順番で仕切られて構成されている。
【0006】
また、さらに前記不燃性繊維シートとで線香を挟み込むことで線香を支持する支持部材を有し、前記支持部材は使用状態において、前記香炉の傾きでは外れず、かつ、線香の消火作用又は連続燃焼作用を有する。
【0007】
また、さらに前記支持部材は前記香炉に対して移動可能に構成される。
【0008】
上記課題を解決するための発明は、線香用携帯型香炉であって、線香が横向きに配置される不燃性繊維シートと、前記不燃性繊維シートとで線香を挟み込むことで線香を支持する支持部材と、を有し、前記支持部材は使用状態において、前記香炉の傾きでは外れず、かつ、線香の消火作用又は連続燃焼作用を有する。
また、さらに前記支持部材は前記香炉に対して移動可能に構成される。
【発明の効果】
【0009】
線香収納部が香炉内にあるため無駄が省かれ、低コストで消費者の財布や環境にも優しく、持ち運びし易い。
また、支持部材により傾けても線香が外れることがないので、動きながらの使用もできる。
さらに、支持部材が移動できるので、容易に燃焼時間を調整することができ、タイマー代わりにも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の第1の実施形態を説明する概略図(香炉を上からみたもの)。
【
図3】第1の実施形態における香炉及び収納部の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図4】本発明の第2の実施形態を説明する概略図(香炉を上からみたもの)。
【
図5】第2の実施形態における支持部材の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図6】第2の実施形態で支持部材を香炉に設置した様子を示す図。
【
図7】第2の実施形態で複数の線香を連続的に燃焼させる際の説明図(香炉を上からみたもの)。
【
図8】第2の実施形態で2本の線香を連続的に燃焼させる際の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)
【
図9】第2の実施形態で4本の線香を連続的に燃焼させる際の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)
【
図10】本発明の第3の実施の形態を説明する概略図(香炉を上からみたもの)。
【
図11】第3の実施形態における支持部材の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図12】第3の実施形態で支持部材を香炉に設置した様子を示す図。
【
図13】第3の実施形態で支持部材を香炉に設置する際の説明図。
【
図14】第3の実施形態で2本の線香を連続的に燃焼させる際の説明図(香炉を上からみたもの)。
【
図15】第3の実施形態で2本の線香を連続的に燃焼させる際の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)
【
図16】本発明の第4の実施の形態を説明する概略図(香炉を上からみたもの)及び支持部材の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図17】本発明の第5の実施の形態を説明する概略図(香炉を上からみたもの)及び支持部材の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図18】第5の実施形態における支持部材、香炉及び収納部の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図19】第5の実施形態における支持部材の説明図(香炉の横(長手)方向からみたもの)。
【
図21】従来の不燃性繊維シートを使用した香炉の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
ただし、以下の各実施形態に限定されるものではなく、任意の組み合わせでも良い。
また、各実施形態に係る図に対する各参照符号は、原則として同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略するが、参照符号の増大による説明の煩雑化を避けるため、図面ごとに独立して用いている場合がある。ゆえに、他の図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の図面とは必ずしも共通の構成ではない場合がある。
【0012】
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態(
図1~
図3参照)に係る線香用携帯型香炉について説明する。
図1の(1)は不燃性繊維シート3を香炉部60から取り出して側面方向からみたものであり、不燃性繊維シート3に金属箔7が張り付いている。
線香を焚く際には、
図1の(2)で示すように、このような不燃性繊維シート3の金属箔7が張り付いた側を香炉部60の底側(香炉台8側)に配置して使用する。
図1の(3)は線香を焚いた後に不燃性繊維シート3及び金属箔7を取り外した様子であるが、金属箔が無い従来の場合(
図21の(3)参照)と異なり、香炉ケース9及び香炉台8には焦げや煤等の付着が無い。
なお、第1の実施の形態は香炉台8及び香炉ケース9は壁部材として厚紙で構成されているが、壁部材としては、特に断熱材から構成されていることが望ましい。断熱材としては熱を通し難くする作用があればよく、例えば、厚紙、プラスチック、樹脂、ゴム、木材、紙等で構成されていれば本願発明の壁部材になり得る。
また、第1の実施の形態では本願発明の金属部材は金属箔であるが、金属からなる面状の部材であれば、他の形態(例えば、金属シート、金属フィルム等)で構成されていても本願発明の金属部材になり得る。
【0013】
次に
図2のaは線香用携帯型香炉1を上からみたものであり、香炉台8の線香6が横向きに置かれる場所には不燃性繊維シート3が配置されている。
図2のbは香炉のカバー(蓋)10であり、カバーを開けた状態(カバーの裏側)が示されている。この
図2及び
図3で示されているようにカバー10の香炉台8に対抗する面には、香炉台8と同様に不燃性繊維シート3が設けられ、例えば不燃性繊維シートの厚みを変えるなどすることで、カバーをした際、線香は香炉台とカバーそれぞれの不燃性繊維シート3に挟まれる構成とすることもできる。このことで、カバーをしても線香の燃焼は消火されず燃焼し続けさせることも可能である。
なお、香炉使用時は通常カバーをしないのでカバーに設けられている不燃性繊維シート3は無くても構わない。
また、第1の実施の形態の香炉のカバー10と香炉ケース9とは、カバーした状態(蓋をした状態)では香炉ケースの側面がカバーの側面の内側に入るように形成されている。
すなわち、香炉ケースの上から香炉のカバーをかぶせる、いわゆる「かぶせ箱」の形態となっている。
【0014】
第1の実施の形態は
図3の(1)で示されるようにカバー10、燃焼する線香が横向きに配置される不燃性繊維シート3、金属箔7、壁部材(厚紙等)で形成された香炉台8及び壁部材(厚紙等)で形成された香炉ケース9が、この順番に層状に配置されることで構成される。
これらを組み合わせて香炉60を形成したものを
図3の(2)で示すが、ここで示されているように香炉部60と収納部61は、香炉部60側から不燃性繊維シート3、金属箔7及び壁部材8の順番で仕切られて構成されており、この収納部61には線香、マッチ、ライター、後述する支持部材等様々なものが収納できる。
なお、香炉部60と収納部61の仕切りの構成は上記部材の順番であればよく、他の部材を有して構成されていても本願発明の仕切りの構成になり得る。
例えば、香炉側60側から不燃性繊維シート、金属箔、不燃性繊維シート及び壁部材の順番で仕切られて構成されていても本願発明の仕切りの構成となり得る。
【0015】
また、第1の実施の形態において、不燃性繊維シートの厚さは2.0mm、仕切りの全体の厚さは3.0mmであるが、不燃性繊維シートの厚さが1.0mm以上、仕切りの全体の厚さが1.5mm以上であれば、本願発明の構成になり得る。
【0016】
また、上記のようにしっかりと仕切られているので、
図3の(3)で示すように使用時であっても炎、煙や熱などの影響を殆ど受けずに安全に収納できる。
したがって、線香に関する様々な部材等を香炉に設けられた収納部61に収納でき、他の部材(皿、線香立て等)を別途所持することは不要になる。
【0017】
なお、本発明における不燃性繊維シートとは、グラスウール、セラミックファイバー、耐熱ファイバー、ガラス繊維、石綿繊維等の不燃性材料の板状部分である。
また、本発明において、線香を横向きに置く(配置する)とは、線香が配置される面が線香の燃焼方向と実質的に平行となるように線香を置く(配置する)ことをいう。
なお、本発明の金属箔とは、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン合金、ニッケル合金など金属の箔をいう。
【0018】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態に係る線香用携帯型香炉について説明する。
図4のaは線香用携帯型香炉1を上からみたものであり、香炉台2の線香6が横向きに置かれる場所には不燃性繊維シート3が配置されている。
図4のbは香炉のカバー(蓋)10であり、カバーを開けた状態(カバーの裏側)が示されている。ここで示されているようにカバー10の香炉台2と対抗する面には、香炉台2と同様に不燃性繊維シート3が設けられ、例えば不燃性繊維シートの厚みを変えるなどすることで、カバーをした際、線香は香炉台とカバーそれぞれの不燃性繊維シート3に挟まれる構成とすることもできる。このことで、カバーをしても線香の燃焼は消火されず燃焼し続けさせることも可能である。
なお、香炉使用時は通常カバーをしないのでカバーに設けられている不燃性繊維シート3は無くても構わない。
また、第2の実施の形態では収納部は必須の構成ではなく、その場合には香炉台2は壁部材で形成されていなくても構わない。
【0019】
ここで支持部材には、消
火用支持部材4及び連続燃焼用支持部材5がある。
図5は支持部材を香炉の横(長手)方向からみたものであり、cは消火用支持部材で、dは連続燃焼用支持部材である。
【0020】
ここで支持部材には、消
火用支持部材4及び連続燃焼用支持部材5がある。
図5は支持部材を香炉の横(長手)方向からみたものであり、cは消火用支持部材で、dは連続燃焼用支持部材である。
【0021】
消火用支持部材4は線香が接触する箇所として消
火部材39(例えば金属等)が用いられることにより線香の燃焼箇所が到達するとそれを消火する作用がある。
線香を消
火用支持部材4に対して移動させたり、消火用支持部材4を線香に対して移動させたりすることで消火位置を設定し燃焼時間を調整することができる。
例えば、
図4のaでは線香6はSの位置で着火し、燃焼した後、消火用支持部材4が配置された11d―12dの位置Pで消火される。
ここで消火用支持部材4を、11e-12eの位置に移動させると燃焼時間を短くさせることができ、11c-12c又は11b-12bの位置に移動させると燃焼時間を長くさせることができる。
【0022】
また、連続燃焼用支持部材5は例えば消火用支持部材4の線香6と接触する箇所の消火部材(例えば金属等)を不燃性繊維シート等で囲ったもので、線香の燃焼箇所が到達してもそれを消火せずに燃焼し続ける線香を支持する。
なお、連続燃焼用支持部材5は、線香の燃焼箇所が到達してもそれを消火せずに燃焼させ続け、かつ、線香を支持する形態であれば他の形態であってもよい。
【0023】
図6は支持部材により線香が支持(固定)されている様子を示す図である。
なお、
図6は支持部材として連続燃焼用支持部材を示しているが、消火用支持部材でも線香を支持(固定)する様子は同じなので説明を省略する。
このように支持部材はその両端が香炉台2に設けられた穴によってしっかりと固定されているので、香炉が傾いても線香がずれ落ちることはない。
ここで、
図6で示されるように香炉台2の上面に不燃性繊維シート等が配置されており、
図6のeはこれらが平面的に形成され、
図6のfは香炉の横(長手)方向に延びるVの字状に窪みが形成されている。
図6のfのように形成されていると、不燃性繊維シートに接触する線香36の面積が多くなり、線香の保持能力が向上する。また、支持部材の足部41の長さを短く(支持部材を低く配置)することができるので、香炉全体の高さを低く構成することも可能となる。
【0024】
図7のgは2本の線香の端部を短く切った線香44で接続させ支持部材で支持したものである。この様子を香炉の横(長手)方向(11a―12aを通る断面)からみたものが
図8である。
このように設置することで、2本の線香を連続して燃焼させることが可能になる。
この場合、線香の燃焼は下側から上側の方向に行うのが望ましい。
ここでは、最初に燃焼する線香36Aが次に燃焼する線香44の下に設置され、さらにその後に燃焼する線香36Bは橋渡しをする短く切った線香44の上側に設置される。
【0025】
また、
図7のhは4本の線香の端部を接触するように支持部材を設置したものである。この様子を香炉の横(長手)方向(11a―12aを通る断面)からみたものが
図9である。
このように設置することで、4本の線香を連続して燃焼させることが可能になる。
いずれにしても支持部材はその両端が香炉台2に設けられた穴によってしっかりと固定されているので、連続燃焼部材38と不燃性繊維シート3とで線香を挟み込むことができるため、香炉が傾いたり、振動が生じても線香は不動である。また、複数の線香を連続的に燃焼させることもできる。
【0026】
なお、本発明において、「香炉が傾く(香炉の傾き)」とは、香炉の通常使用時(線香が横向きに配置される香炉台の面が地球の重力方向に対して垂直となる状況での使用時)から一番傾いている方向における傾きが少なくとも45度以内の傾きのことをいうが、45度を超えて180度(香炉を逆さまにした状態)以内の傾きのことをいう場合もある。
【0027】
線香用携帯型香炉1では長手方向に不燃性シート3が配置され、この不燃性シート3と支持部材4及び/又は支持部材5で線香を挟み込むことで香炉が傾いたり、振動があったりしても線香がゆれたり、香炉から出てしまうことがない。
なお、支持部材は香炉台2に設けられた支持部材接続部11(11a―11f)及び12(12a―12f)により香炉台2に固定される。
ここで支持部材には、第2の実施の形態と同様に消
火用支持部材4及び連続燃焼用支持部材5がある。
図11は支持部材を香炉の横(長手)方向からみたものであり、Cは消火用支持部材で、Dは連続燃焼用支持部材である。
【0028】
線香用携帯型香炉1では長手方向に不燃性シート3が配置され、この不燃性シート3と支持部材4及び/又は支持部材5で線香を挟み込むことで香炉が傾いたり、振動があったりしても線香がゆれたり、香炉から出てしまうことがない。
なお、支持部材は香炉台2に設けられた支持部材接続部11(11a―11f)及び12(12a―12f)により香炉台2に固定される。
ここで支持部材には、第2の実施の形態と同様に消
火用支持部材4及び連続燃焼用支持部材5がある。
図11は支持部材を香炉の横(長手)方向からみたものであり、Cは消火用支持部材で、Dは連続燃焼用支持部材である。
【0029】
消火用支持部材4は線香が接触する箇所として消
火部材39(例えば金属等)が用いられることにより線香の燃焼箇所が到達するとそれを消火する作用がある。
特に消火用支持部材4はそれを移動させることで消火位置を設定し燃焼時間を調整することができる。
例えば、
図10のAでは線香6はSの位置で着火し、燃焼した後、消火用支持部材4が配置された11d―12dの位置Pで消火される。
ここで消火用支持部材4を、11e-12eの位置に移動させると燃焼時間を短くさせることができ、11c-12c又は11b-12bの位置に移動させると燃焼時間を長くさせることができる。
【0030】
また、連続燃焼用支持部材5は例えば消火用支持部材4の線香6と接触する消火部材(例えば金属等)を不燃性繊維シート等で囲ったもので、線香の燃焼箇所が到達してもそれを消火せずに燃焼し続ける線香を支持する。
【0031】
図12は支持部材により線香が支持(固定)されている様子を示す図である。
なお、
図12は支持部材として連続燃焼用支持部材を示しているが、消火用支持部材でも線香を支持(固定)する様子は同じなので説明を省略する。
図12は支持部材により線香が固定されている様子を示す図である。
このように支持部材はその両端を引っ掛け部材によってしっかりと固定されているので、香炉が傾いても線香がずれ落ちることがない。香炉を逆さにしても線香はずれ落ちることがない。
また、香炉台2の厚みを薄くすることができるので、香炉を小さくしたり、軽くすることが可能となる。
【0032】
図13は支持部材に接続された輪34を引っ掛け部材に掛ける様子を示すものである。
弾性体32が伸びることで輪34を引っ掛け部材の首部35に引っ掛けることができ、そうすることによって確実に線香を香炉に支持(固定)することができる。
【0033】
図14、15は2本の線香の端部を接触するように支持部材を設置したものである。
このように設置することで、2本の線香を連続して燃焼させることが可能になる。
連続燃焼用支持部材5は両端部が弾性体32を経由して引っ掛け部材31に接続しているので、不燃性繊維シート3の方向に圧力が生じている。これにより連続燃焼部材38と不燃性繊維シート3とで線香を挟み込むことができるため、香炉が傾いたり、振動が生じても線香は不動である。また、複数の線香を連続的に燃焼させることもできる。
【0034】
〔第4の実施の形態〕
図16のGは第4の実施の形態を示す概略図で、線香用携帯型香炉1を上からみたものである。
図16のHは香炉の長手方向から見た図であり、弾性体32の先には磁石51が接続され、香炉台2は鉄等磁石に吸い寄せられる金属などから構成されているので磁力によって固定させることができる。
また、香炉台2の厚みを薄くすることができるので、香炉を小さくしたり、軽くすることが可能となる。
また、このように磁石による固定なので、香炉台に穴を開けたり、加工等する必要がない。
図16の11’(11’a~11’f)及び12’(12’a~12’f)のように印(マーク)を付けることによって燃焼時間を把握する目印とすることができる。
【0035】
なお、
図16のHは支持部材として連続燃焼用支持部材を示しているが、消火用支持部材でも同様である。
このように支持部材はその両端を磁力によってしっかりと固定されているので、香炉が傾いても線香がずれ落ちることがない。
また、このような固定方法により線香の配置面と略水平方向の揺れに対してだけでなく、全方向に対して支持部材は香炉にしっかりと固定されるので線香を十分に保持することができる。
また、支持部材や支持部材接続部などに磁石を用いたりすることでさらに強固(例えば香炉を逆さにしても十分)に支持させることができる。
なお、製造コストを下げる等の為に、支持部材全体を磁石にしても良く、或いは、香炉台2の表面を磁石(例えば磁石シート等)とし、支持部材を磁石に吸い寄せられる金属材料等としても良い。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態を示す
図17のIは線香用携帯型香炉1を上からみたものである。他の実施の形態と同様に不図示の香炉のカバー(蓋)があるが同様の構成(特に第1の実施の形態参照)なので説明を省略する。
【0036】
また、
図17のIで示されるように線香用携帯型香炉1では長手方向に不燃性繊維シート3が配置され、この不燃性繊維シート3と支持部材4及び/又は支持部材5で線香を挟み込むことで香炉が傾いたり、振動があったりしても線香がゆれたり、香炉から出てしまうことがない。
なお、支持部材は香炉ケース9に設けられた支持部材接続マーク11’(11’a~11’f)及び12’(12’a~12’f)のように印(マーク)を付けることによって燃焼時間を把握する目印とすることができる。
ここで支持部材には、第2~4の実施の形態と同様に消
火用支持部材4及び連続燃焼用支持部材5がある。
図19は支持部材を香炉の横(長手)方向からみたものであり、Kは消火用支持部材4で、Lは連続燃焼用支持部材5である。
【0037】
また、
図17のIで示されるように線香用携帯型香炉1では長手方向に不燃性繊維シート3が配置され、この不燃性繊維シート3と支持部材4及び/又は支持部材5で線香を挟み込むことで香炉が傾いたり、振動があったりしても線香がゆれたり、香炉から出てしまうことがない。
なお、支持部材は香炉ケース9に設けられた支持部材接続マーク11’(11’a~11’f)及び12’(12’a~12’f)のように印(マーク)を付けることによって燃焼時間を把握する目印とすることができる。
ここで支持部材には、第2~4の実施の形態と同様に消
火用支持部材4及び連続燃焼用支持部材5がある。
図19は支持部材を香炉の横(長手)方向からみたものであり、Kは消火用支持部材4で、Lは連続燃焼用支持部材5である。
【0038】
消火用支持部材4は線香が接触する箇所として消火部材39(例えば金属等)が用いられることにより線香の燃焼箇所が到達するとそれを消火する作用がある。
特に消火用支持部材4はそれを移動させることで消火位置を設定し燃焼時間を調整することができる。
また、本実施形態では、足部41と消火部材39は同じ材料からなり、例えば金属のクリップのような棒状部材から構成されている。そのため、先端が細く尖っているので、使用する際に、不燃性繊維シート、金属箔及び断熱材を貫通させる構成であってもよく、また、予め足部41を通す穴が香炉台8に形成され、使用する際に足部41をその穴に通す構成であってもよい。
なお、これら支持部材や香炉台の機能や構成等は他の実施の形態と同様であっても良い。
【0039】
図17のJは支持部材により線香が支持(固定)されている様子を示す図である。
なお、
図17のJは支持部材として連続燃焼用支持部材を示しているが、消火用支持部材でも線香を支持(固定)する様子は同じなので説明を省略する。
このように支持部材はその両端を収納部にまで達する足によってしっかりと固定されているので、香炉が傾いても線香がずれ落ちることがない。
また、このような固定方法により線香の配置面と略水平方向の揺れに対して、支持部材は香炉にしっかりと固定されるので線香を十分に保持することができる。
なお、
図17のJにおいて、2つの足部41の先端の間隔を、両足部に対応する2つの穴の間隔よりも予め、大きくしたり、小さくしたりすることによって、両穴を通した足部41を香炉台によりしっかりと固定させ(そうすることによって全ての方向に対して支持部材は香炉にしっかりと固定されるので)、香炉を逆さまにしても線香がずれ落ちなくすることができる。
また、支持部材の足の先が収納部の底にまで達することなく、収納部内で留まっていて香炉ケースに穴を開けなくて良いので、手等で持ち運ぶ際に支障がなく、外観等にも影響を与えない。
【0040】
1.線香用携帯型香炉
2.香炉台(実施例2~4)
3.不燃性繊維シート
4.消火用支持部材
5.連続燃焼用支持部材
6.線香
7.金属箔
8.香炉台(断熱材(厚紙))(実施例1、5)
9.香炉ケース
10.カバー
11.支持部材接続部(11a~11f)
12.支持部材接続部(12a~12f)
11’.支持部材接続マーク(11’a~11’f)
12’.支持部材接続マーク(12’a~12’f)
31.引っ掛け部材
32.弾性体(ゴム、バネ等)
34.引っ掛け部材に掛ける輪
35.引っ掛け部材の首部
36.線香(燃焼する線香。燃焼している線香)(36A~36D)
37.輪の穴
38.連続燃焼部材
39.消火部材
41.足部
42.香炉に設けられた支持部材接続部
44.橋渡し線香
51.磁石
60.香炉部
61.収納部
【符号の説明】
【0041】
1.線香用携帯型香炉
2.香炉台(実施例2~4)
3.不燃性繊維シート
4.消火用支持部材
5.連続燃焼用支持部材
6.線香
7.金属箔
8.香炉台(断熱材(厚紙))(実施例1、5)
9.香炉ケース
10.カバー
11.支持部材接続部(11a~11f)
12.支持部材接続部(12a~12f)
11’.支持部材接続マーク(11’a~11’f)
12’.支持部材接続マーク(12’a~12’f)
31.引っ掛け部材
32.弾性体(ゴム、バネ等)
34.引っ掛け部材に掛ける輪
35.引っ掛け部材の首部
36.線香(燃焼する線香。燃焼している線香)(36A~36D)
37.輪の穴
38.連続燃焼部材
39.消火部材
41.足部
42.香炉に設けられた支持部材接続部
44.橋渡し線香
51.磁石
60.香炉部
61.収納部
【要約】
【課題】無駄が省かれ、低コストで消費者の財布や環境にも優しく、持ち運びし易く、動きながらの使用もでき、容易に燃焼時間を調整しタイマー代わりにも使用可能な線香用携帯型香炉。
【解決手段】使用する線香を横向きに配置して燃焼可能な香炉部と、使用しない線香を横向きに収納可能な収納部と、を有し、前記香炉部と前記収納部は前記香炉部から順に、不燃性繊維シート、金属部材及び壁部材の順番で仕切られて構成されている。
さらに前記不燃性繊維シートとで線香を挟み込むことで線香を支持する支持部材を有し、前記支持部材は使用状態において、前記香炉の傾きでは外れず、かつ、線香の消火作用又は連続燃焼作用を有する。
【選択図】
図3