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特許7470375流体制御装置及びこれを用いた流体制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】流体制御装置及びこれを用いた流体制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20240411BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G05D7/06 Z
F16K27/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020059757
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021157701
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 恵一
(72)【発明者】
【氏名】日高 敦志
(72)【発明者】
【氏名】徳田 伊知郎
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-122841(JP,A)
【文献】特開2014-114463(JP,A)
【文献】特開2000-18409(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021949(WO,A1)
【文献】特開2006-319190(JP,A)
【文献】特開2009-252147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/06
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体材料を受け入れる液体流入ポートと、
内部に流体通路を有し、少なくとも一面に前記流体通路の開口部を有し、下段層に配置される複数の下段通路ブロックと、
複数の前記下段通路ブロックの上の中段層に配置され、当該下段通路ブロックにより流路が連結される、上流側開閉バルブ、当該上流側開閉バルブの下流に配置される気化器、当該気化器の下流に配置される気体流量制御器、及び当該気体流量制御器の下流に配置される下流側開閉バルブと、
前記下流側開閉バルブからのガスを外部に流出させるガス流出ポートと、
前記気化器の上の上段層に配置され、前記気化器に送り込む前記液体材料の流量を調整する液体流量制御器と、を有し、
前記上流側開閉バルブ、気体流量制御器及び、下流側開閉バルブの流路は、前記下段通路ブロックの前記流体通路と直接に連通している流体制御装置。
【請求項2】
前記気化器は、気化室を有し、
前記液体流量制御器は、予め加熱する液体加熱室で加熱された前記液体材料を受け入れる液体流量制御器流入通路と、前記気化室に前記液体材料を流出する液体流量制御器流出通路を有している請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
下段通路ブロックの上に載置され、前記液体流入ポートと前記上流側開閉バルブとの間、前記上流側開閉バルブと前記液体加熱室との間、前記気化室と前記気体流量制御器との間、前記気体流量制御器と前記下流側開閉バルブとの間及び前記下流側開閉バルブと前記ガス流出ポートとの間の少なくともいずれか1つに、前記中段層に配置され、流体流路を連結するための流体通路が形成された中段流路ブロックが備えられている請求項2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
複数の流体が流れる複数のラインを有する流体制御システムであって、
前記ラインの少なくとも1つには、請求項1~3に記載のいずれか1つの流体制御装置が配置され、
前記流体制御装置の流路の途中または当該流体制御装置の外部に、流体の流路を結合する流体結合通路が形成された流路結合ブロック及び/または流体の流路を分岐する流体分岐通路が形成された流路分岐ブロックが備えられている流体制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体製造装置等に使用される流体制御装置に関し、特に、気化器付き流体制御装置及びこれを用いた流体制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置に使用される流体制御装置においては、半導体製造装置に送り込むガスを液体材料から気化する気化器を含むものが利用されている。この流体製造装置には、気化器に液体材料を送る量を調整するための液体流量制御器等の制御器や半導体製造装置に送る気化したガスの量を調整する気体流量制御器等の制御機器が搭載される。
【0003】
特許文献1に記載の流体制御装置は、液体材料を気化する気化器と、気化器への液体材料の供給量を制御する供給量制御機器と、内部に流路が形成されるとともに、気化器及び供給量制御機器がそれぞれ取り付けられる機器取り付け面を有するマニホールドブロックとを具備し、気化器及び供給量制御機器が、機器取り付け面に取り付けられることにより、流路を介して繋がるように構成された流体制御装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6577860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の流体制御装置では、下段層に機器取り付け面を有するマニホールドブロックが配置され、マニホールドの上に気化器や各種制御機器が搭載されている。
【0006】
半導体製造装置は、一般にシリコンウェハ上に各種のプロセスガスを流して反応させるための処理炉が設けられ、各種のプロセスガスは、流体制御装置が複数組み合わされた流体制御システム内で混合、分離、混合比調整、流量調整等がなされて処理炉に流し込まれる。
【0007】
半導体製造における流すプロセスガスの流量等の調整は、場合によっては気化器に送り込む液体流量制御器や気化したガスを下流に流す量を調整する気体流量制御器等自体を入れ替えて変更する必要がある場合がある。
【0008】
このような場合、特許文献1に記載の流体制御装置では、機器取り付け面を有するマニホールドブロック全体を交換する必要があり、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、気化器を備える流体製造装置であって、搭載される各種制御機器の入れ替え等の必要が生じても入れ替えられる機器以外の部材の交換が必要ないか、または部材の交換を最小限に抑えることができる流体制御機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(1)は、液体材料を受け入れる液体流入ポートと、内部に流体通路を有し、少なくとも一面に前記流路の開口部を有し、下段層に配置される複数の下段通路ブロックと、複数の前記下段通路ブロックの上の中段層に配置され、当該下段通路ブロックにより流路が連結される、上流側開閉バルブ、当該上流側開閉バルブの下流に配置される気化器、当該気化器の下流に配置される気体流量制御器、及び当該気体流量制御器の下流に配置される下流側開閉バルブと、前記下流側開閉バルブからのガスを外部に流出させるガス流出ポートと、前記気化器の上の上段層に配置され、前記気化器に送り込む前記液体材料の流量を調整する液体流量制御器と、を有する流体制御装置である。
【0010】
本発明(1)によると、例えば、気化器に送り込む液体材料の流量を調整する液体流量制御器を外形寸法の大きなサイズのものに変更する必要が生じたとしても、下段通路ブロック間の距離を長くするだけで液体流量制御器の入れ替えが可能となる。
【0011】
本発明(2)は、前記気化器が、気化室を有し、前記液体流量制御器は、予め加熱する液体加熱室で加熱された前記液体材料を受け入れる液体流量制御器流入通路と、前記気化室に前記液体材料を流出する液体流量制御器流出通路を有している本発明(1)の流体制御装置である。
【0012】
本発明(2)によると、気化器は、気化室を備え、前記液体流量制御器は、液体加熱室からの加熱された前記液体材料を受け入れる液体流量制御器流入通路と、前記気化室に前記液体材料を流出する液体流量制御器流出通路を有しているので、例えば、液体流量制御器を外形寸法の大きなサイズのものに変更する必要が生じたとしても、下段通路ブロック間の距離を長くすると液体加熱室と気化室との間の距離がその分長くなり、気化器を変更する必要がなくなる。
【0013】
本発明(3)は、下段通路ブロックの上に載置され、前記液体流入ポートと前記上流側開閉バルブとの間、前記上流側開閉バルブと前記液体加熱室との間、前記気化室と前記気体流量制御器との間、前記気体流量制御器と前記下流側開閉バルブとの間及び前記下流側開閉バルブと前記ガス流出ポートとの間の少なくともいずれか1つに、前記中段層に配置され、流体流路を連結するための流体通路が形成された中段流路ブロックが備えられている本発明(1)または(2)の流体制御装置である。
【0014】
本発明(3)によると、下段通路ブロックの上に載置され、前記液体流入ポートと前記上流側開閉バルブとの間、前記上流側開閉バルブと前記液体加熱室との間、前記気化室と前記気体流量制御器との間、前記気体流量制御器と前記下流側開閉バルブとの間及び前記下流側開閉バルブと前記ガス流出ポートとの間の少なくともいずれか1つに、前記中段層に配置され、流体流路を連結するための流体通路が形成された中段流路ブロックが備えられているので、同形状の中段流路ブロックによりシンプルな構造とすることができる。
【0015】
本発明(4)は、複数の流体が流れる複数のラインを有する流体制御システムであって、前記ラインの少なくとも1つには、本発明(1)~(3)のいずれか1つの流体制御装置が配置され、前記流体制御装置の流路の途中または当該流体制御装置の外部に、流体の流路を結合する流体結合通路が形成された流路結合ブロック及び/または流体の流路を分岐する流体分岐通路が形成された流路分岐ブロックが備えられている流体制御システムである。
【0016】
本発明(4)によると、複数の流体が流れる複数のラインを有する流体制御システムであって、前記ラインの少なくとも1つには、本発明(1)~(3)のいずれかの流体制御装置が配置され、前記流体制御装置の流路の途中または当該流体制御装置の外部に、流体の流路を結合する流体結合通路が形成された流路結合ブロック及び/または流体の流路を分岐する流体分岐通路が形成された流路分岐ブロックが備えられているので、気化器を内蔵する複雑な流体制御システムであっても、流路結合ブロックや流路分岐ブロックを使うことによってシステマティックに流体制御システムを構築することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、気化器を備える流体製造装置であって、搭載される各種制御機器の入れ替え等の必要が生じても入れ替えられる機器以外の部材の交換が必要ないか、または部材の交換を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1に係る流体制御装置を示す。
図2図1に示す実施例1の流体制御装置の流体流量制御器を大きなものに変更したときの流体制御装置を示す。
図3】実施例1の流体制御装置に用いられる気体流量制御器の制御フローを示すブロック図である。
図4】実施例1に係る流体制御装置を複数有する流体制御システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1に実施例1の流体制御装置1の正面図(下側)と平面図(上側)を示す。流体制御装置1は、下段層、中段層及び上段層の3層を備えている。処理する液体材料は、図示するように液体状態と気体状態とを模様を変えて示している。
【0021】
中段層に、気化器50と各種制御機器が備えられている。処理する液体材料は、液体流入ポート21から流入し、上流側開閉バルブ30を通過し、液体加熱室51を通過し、気化器50を通過し、気体流量制御装置60を通過し、下流側開閉バルブ70を通過し、その後、ガス流出ポート22から流出する。
【0022】
下段層には、5つの下段通路ブロック10が配置され、下段通路ブロック10にはV字形の流体通路10aが形成され、上面に、流体の流入と流出のための開口部があいている。なお、下段流路ブロック10に形成された流路はV字形の流体通路10a以外に、U字形、コの字形、半円形等であっても良い。下段通路ブロック10によって、中段層の各種機器の流路が連結される。また、中段層のL字形の流路20aが形成された中段流路ブロック20によっても、下段通路ブロック10と中段層の各種機器とが連結されている。中段流路ブロック20は、左に開口しているものと右に開口しているものがあるが、左右対称形となっているので、中段流路ブロック20は、同一ものを使うことができて、流体制御装置1をシンプルな構造とすることができる。なお、液体流入ポート21やガス流出ポート22は中段流路ブロック20に接続されているが、下段流路ブロック10に接続された構造であっても良い。
【0023】
上流側の制御機器として、上流側開閉バルブ30があり、内部に流入通路30aと流出通路30bが形成されている。上部に開閉制御のための駆動エア流出入口31が設けられている。
【0024】
上流側開閉バルブ30の下流に気化器50が設置されている。気化器50は、液体材料を加熱して液体材料を気化する気化室52及び気化したガスをさらに過熱するガス加熱室53に分かれている。中段通路ブロック20と各種制御機器との間には、流体が漏れ出ないようにシール部材25がセットされている。気化器50の周りには、気化室52に供給された液体材料を気化するために加熱するためのヒーターが設置されている(図示無し)。ヒーターは、液体材料に合わせて温度を調整することが可能である。
【0025】
液体加熱室51の流入通路51aから液体材料が流入し、液体加熱室の周りに配置され、液体材料を気化温度よりも低い温度になるよう調整されたヒーター(図示無し)で液体材料を加熱され、流出通路51bから上段層の液体流量制御器40の流入通路40aに流れ込む。液体流量制御器40で気化するための液体材料の量を調整し、調整された液体材料は、流出通路40bを通って気化室52の流入通路52aに流れ込む。流れ込んだ液体材料は、気化室52周りに配置されたヒーターで加熱気化され、気化されたガスは、流出通路52bからガス加熱室53の流入通路53aに流れ込み、さらに過熱されて流出通路53bから下流に向けて流れる。液体流量制御器40の上部には、制御するための駆動エア流出入口41が備えられている。なお、気化室52で十分な加熱を行うことが出来るのなら、ガス加熱室53を省略しても良い。
【0026】
気化器50で気化されたガスは、その後、気体流量制御器60の流入通路60aを通って気体流量制御器60の中に入り、半導体制動装置等に送り込まれなければならないガス量を制御して流出通路60b及びオリフィス62を通過してさらに下流に流れる。オリフィス62は、流れるガスの流量を制御する構成の一部として配置されている。
【0027】
その後、ガスは、下流側開閉バルブ70の流入通路70aを通り、開閉制御され、流出通路70bから流れ出て、ガス流出ポート22より、半導体製造装置等の処理炉等に向けて流れる。下流側開閉バルブ70の上部には、制御するための駆動エア流出入口71が備えられている。なお、気化器50で気化したガスが再液化することが無いように、気体流量制御器60や下流側開閉バルブ70等、気化したガスが流れる流路にもヒーターが設置されている(図示無し)。
【0028】
図1に示す流体制御装置1の液体流量制御器40をさらに大きな液体流量制御器40’に変えたい場合がある。その場合は、液体加熱室51と気化室52の間の空隙Lを図2に示すような空隙L’になるように間隔をあけるだけで対応することができる。同様に、気化量を増加させるため、気化器52の大きさを変えたい場合も、下段通路ブロック10を少し移動させることで対応することが出来る。
【0029】
図3は、図1に示す流体制御装置1に用いられる気体流量制御器60の制御フローを示すブロック図である。気体流量制御器60として使用している圧力制御式流量制御装置は、図3に示すように、コントロール弁63、駆動部64、オリフィス62、演算制御部61、圧力検出器65、温度検出器66等を備えている。圧力検出器65及び温度検出器66の検出値(P,T)は、増幅・AD変換部61aを通して流量演算部61bへ入力され、オリフィス62を流通するガス流量がQc=KPとして演算される。その後、設定入力部61cからの設定流量値Qsと演算流量値Qcとが比較部61dで比較され、両者の差信号Qyがコントロール弁63の駆動部64へ入力されることにより、差信号Qyが零となる方向にコントロール弁63が開閉される。
【0030】
圧力制御式の気体流量制御器60は、オリフィス62を流通するガス流速が音速以上の所謂臨界状態下の流体流れの場合には、オリフィス40を通過するガス流量QがQ=KP(Kは常数、Pはオリフィス上流側圧力)として演算できることを作動原理とするものであり、流量制御の応答性が極めて早く且つ安定しており、優れた制御応答性と高い制御精度を有するものである。尚、圧力制御式流量制御装置(圧力式流量制御装置とも言う。)そのものは、特開平8-338546号等その他によって公知である。
【0031】
図4は、実施例1に係る流体制御装置を複数有し、複数ラインを有する流体制御システム例を示している。上段の(I)図は、液2種類の液体材料L1とL2が流入して、流路結合ブロック80で混合されて開閉バルブ100を通って、半導体製造装置等の処理炉等に向けて流れる。(I)図中の上側の気体流量制御器60と下側の気体流量制御器60との開閉状態を変えて、液体材料L1が気化したガスG1と液体材料L2が気化したガスG2の割合を変えて半導体製造装置等の処理炉等に送り込むことができる。
【0032】
図4の中段の(II)図では、1種類の液体材料L3が流入して、流路分離ブロック90によって2つの流路に分離して、液体材料L3が気化したガスG3が2本に分かれて流れ出している。このようにすることによって、1本の液体材料L3が流れるラインから、2つの半導体製造装置等の処理炉等に気化したガスG3を送り込むことができる。なお、この場合は、流路分離ブロックは、流体制御装置1の流路の途中に配置されて2つの流路に分岐するようになっている。
【0033】
図4の下段の(III)図では、1種類の液体材料L4が流入して、流路分離ブロック90によって2つの流路に分離して、液体材料L4が気化したガスG4が2本に分かれて流れ出、さらに流路結合ブロック80で1つにまとめられ、開閉バルブ100を通過して半導体製造装置等の処理炉等に送り込まれる。このケースでは、例えば、2つある気体流量制御器60のいずれかを使用し、使用しない他方をバックアップ用として、使用している気体流量制御器60が故障等をした場合に、すぐに使用していない気体流量制御器60に切り替えることによって、生産ラインを止めることなく生産を継続することができる。他のケースでは、流量制御範囲が異なる2つの流量制御器60を複数配置し、それぞれの状況に応じて、一方のみ、もしくは両方の流量制御器60を用いて流量を制御することで、さまざまな流量に対応することが出来る。
【0034】
図4の(I)、(II)、(III)に示す流体制御システム2は、例示に過ぎず、このような流体制御システムを多数複雑に組み合わせることによって、種々多数の用途に応じた流体制御システムを簡便に作り上げることができる。例えば、図4の(I)では液2種類の液体材料としているが、これを3種類以上としても良く、図4の(II)にある分岐数を更に増加しても良く、図4の(I)と(II)とを組み合わせた構造でも良い。また、図4では、流体制御装置1全体を複数配置しているが、これを、気化器52の部分のみを複数配置したり、気化器52の下流部分で分岐し、流量制御器60を複数配置したり、流量制御器60の下流部分で分岐して下流側開閉バルブ70を複数配置する、とすることも可能である。これは、機器毎に下段通路ブロック10で接続する構造としているため、下段通路ブロック10と流路結合ブロック80や流路分離ブロック90とを組合せることによって、さまざまな分岐および合流の構造が可能となり、複雑な接続構造を実施する事を可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように、本発明の流体制御装置は、気化器を備える流体製造装置であって、搭載される各種制御機器の入れ替え等の必要が生じても入れ替えられる機器以外の部材の交換が必要ないか、または部材の交換を最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 流体制御装置
10 下段通路ブロック
10a 流体通路
2 流体制御システム
20 中段通路ブロック
20a 流体通路
21 液体流入ポート
22 ガス流出ポート
25 シール部材
30 上流側開閉バルブ
30a 流入通路
30b 流出通路
31 駆動エア流出入口
40 液体流量制御器
40’ 液体流量制御器
40a 流入通路
40b 流出通路
41 駆動エア流出入口
50 気化器
51 液体加熱室
51a 流入通路
51b 流出通路
52 気化室
52a 流入通路
52b 流出通路
53 ガス加熱室
53a 流入通路
53b 流出通路
60 気体流量制御器
60a 流入通路
60b 流出通路
61 演算制御部
61a 増幅・AD変換部
61b 流量演算部
61c 設定入力部
61d 比較部
62 オリフィス
63 コントロール弁
64 駆動部
65 圧力検出器
66 温度検出器
70 下流側開閉バルブ
70a 流入通路
70b 流出通路
71 駆動エア流出入口
80 流路結合ブロック
90 流路分岐ブロック
100 開閉バルブ
図1
図2
図3
図4