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特許7470427グッズ注文支援装置、グッズ注文支援システム、グッズ注文支援方法、及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】グッズ注文支援装置、グッズ注文支援システム、グッズ注文支援方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
H04N1/387 110
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021136777
(22)【出願日】2021-08-25
(65)【公開番号】P2023031346
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】512322151
【氏名又は名称】株式会社ノート
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126538
【弁理士】
【氏名又は名称】嶺 直道
(72)【発明者】
【氏名】平井 慶一郎
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-078679(JP,A)
【文献】特開2020-135508(JP,A)
【文献】特開2000-048213(JP,A)
【文献】特開2013-109691(JP,A)
【文献】特開2005-275788(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0147819(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38 - 1/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援装置であって、
端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第2オフセット量を受信するオフセット量受信部と、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部とを備え、
前記カットパス決定部は、前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記拡張線を縮退することにより縮退線を生成する処理と、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスを決定する、グッズ注文支援装置。
【請求項2】
所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援装置であって、
端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第1オフセット量及び第2オフセット量を受信するオフセット量受信部と、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部とを備え、
前記カットパス決定部は、
前記輪郭を前記第1オフセット量だけ拡張することにより第1拡張線を生成し、前記第1拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第1拡張線を縮退することにより、前記カットパスの第1候補線を決定する第1候補線決定部と、
前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより第2拡張線を生成し、前記第2拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第2拡張線を縮退すること縮退線を生成し、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスの第2候補線を決定する第2候補線決定部と、
前記第1候補線と前記第2候補線とを重ね合わせることにより、前記カットパスを生成するカットパス生成部とを含む、グッズ注文支援装置。
【請求項3】
前記第2オフセット量は前記第1オフセット量よりも小さい、請求項に記載のグッズ注文支援装置。
【請求項4】
所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援システムであって、
端末装置と、グッズ注文支援装置とを備え、
前記グッズ注文支援装置は、
前記端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第2オフセット量を受信するオフセット量受信部と、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部とを含み、
前記カットパス決定部は、前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記拡張線を縮退することにより縮退線を生成する処理と、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスを決定し、
前記端末装置は、
前記グッズ注文支援装置に前記原画像データを送信する原画像データ送信部と、
前記グッズ注文支援装置から前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部が受信した前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータに基づいて、前記印刷画像データ及び前記カットパスを表示するための制御を行う表示制御部とを含む
グッズ注文支援システム。
【請求項5】
所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援システムであって、
端末装置と、グッズ注文支援装置とを備え、
前記グッズ注文支援装置は、
前記端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第1オフセット量及び第2オフセット量を受信するオフセット量受信部と、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部とを含み、
前記カットパス決定部は、
前記輪郭を前記第1オフセット量だけ拡張することにより第1拡張線を生成し、前記第1拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第1拡張線を縮退することにより、前記カットパスの第1候補線を決定する第1候補線決定部と、
前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより第2拡張線を生成し、前記第2拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第2拡張線を縮退すること縮退線を生成し、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスの第2候補線を決定する第2候補線決定部と、
前記第1候補線と前記第2候補線とを重ね合わせることにより、前記カットパスを生成するカットパス生成部とを含み、
前記端末装置は、
前記グッズ注文支援装置に前記原画像データを送信する原画像データ送信部と、
前記グッズ注文支援装置から前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部が受信した前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータに基づいて、前記印刷画像データ及び前記カットパスを表示するための制御を行う表示制御部とを含む
グッズ注文支援システム。
【請求項6】
所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援方法であって、
端末装置から原画像データを受信するステップと、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成するステップと、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第2オフセット量を受信するステップと、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するステップと、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するステップとを含み、
前記カットパスを決定するステップにおいて、前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記拡張線を縮退することにより縮退線を生成する処理と、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスを決定する、グッズ注文支援方法。
【請求項7】
所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援方法であって、
端末装置から原画像データを受信するステップと、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成するステップと、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第1オフセット量及び第2オフセット量を受信するステップと、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するステップと、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するステップとを含み、
前記カットパスを決定するステップにおいて、
前記輪郭を前記第1オフセット量だけ拡張することにより第1拡張線を生成し、前記第1拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第1拡張線を縮退することにより、前記カットパスの第1候補線を決定し、
前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより第2拡張線を生成し、前記第2拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第2拡張線を縮退すること縮退線を生成し、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスの第2候補線を決定し、
前記第1候補線と前記第2候補線とを重ね合わせることにより、前記カットパスを生成する、グッズ注文支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第2オフセット量を受信するオフセット量受信部と
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部として機能させ、
前記カットパス決定部は、前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記拡張線を縮退することにより縮退線を生成する処理と、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスを決定する、コンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、
前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、
前記印刷画像データの輪郭からの拡張距離を規定する第1オフセット量及び第2オフセット量を受信するオフセット量受信部と、
前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、
前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部として機能させ、
前記カットパス決定部は、
前記輪郭を前記第1オフセット量だけ拡張することにより第1拡張線を生成し、前記第1拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第1拡張線を縮退することにより、前記カットパスの第1候補線を決定する第1候補線決定部と、
前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより第2拡張線を生成し、前記第2拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第2拡張線を縮退すること縮退線を生成し、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスの第2候補線を決定する第2候補線決定部と、
前記第1候補線と前記第2候補線とを重ね合わせることにより、前記カットパスを生成するカットパス生成部とを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グッズ注文支援装置、グッズ注文支援システム、グッズ注文支援方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル樹脂などの材質の基板上に画像を印刷し、画像の印刷領域の周囲に余白を設けて基板をカットすることにより、キーホルダーなどのグッズを製作することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3214718号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、依頼者であるユーザからメーカーへのグッズ製作の注文は、画像データをメーカーに渡すことにより行われる。しかしながら、ユーザは、グッズの仕上がり具合を事前に確認することができず、グッズの完成品やサンプルが納品された時点でしか、仕上がり具合を確認することができない。
【0005】
また、画像データの他、基板の切断線であるカットパスを含めた入稿データを作成するのは一般のユーザには困難であるため、グッズ注文の敷居が高くなっている。さらに、入稿データの修正のためにユーザとメーカー間のやり取りに手間がかかっていた。
【0006】
特に、手作業でカットパスを決定する場合には、画像データを欠損するカットパスを決定する場合がある。また、画像データの周囲に任意の点を設定して曲線近似することによりカットパスを決定する場合であっても、点数が少ない場合には、画像データを欠損するカットパスを決定する場合がある。また、いずれの方法により作成されたカットパスにおいても、カットパスを構成する曲線のなす角が急峻な場合には、レーザ加工機の性能によっては基板をカットすることができない場合がある。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、適切なカットパスを決定することのできるグッズ注文支援装置、グッズ注文支援システム、端末装置、グッズ注文支援方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一実施態様に係るグッズ注文支援装置は、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援装置であって、端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部とを備え、前記カットパス決定部は、前記印刷画像データの輪郭を拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記輪郭に基づいて前記拡張線を縮退する処理とを実行することにより、前記カットパスを決定する。
【0009】
この構成によると、端末装置から受信した原画像データに基づいて、印刷画像データ及びカットパスが作成され、印刷画像データ及びカットパスを示すデータが端末装置に送信される。このため、端末装置は、これらのデータを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置のユーザは、事前に原画像データに対してとのようなカットパスが設定されるかを知ることができる。これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。特に、輪郭の拡張線を輪郭に基づいて縮退する処理を実行することによりカットパスを決定している。輪郭を拡張してから縮退することにより、複雑な輪郭を単純化することができるため、カットパスを構成する曲線のなす角が急峻となるのを防止することができる。また、輪郭に基づいて拡張線を縮退していることより、輪郭の外側にカットパスを設定することができる。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0010】
好ましくは、前記グッズ注文支援装置は、さらに、前記輪郭からの拡張距離を規定する第1オフセット量を受信するオフセット量受信部を備え、前記カットパス決定部は、前記輪郭を前記第1オフセット量だけ拡張することにより前記拡張線を生成する処理と、前記拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記拡張線を縮退する処理とを実行することにより、前記カットパスを決定する。
【0011】
この構成によると、第1オフセット量に応じて輪郭が拡張される。このため、第1オフセット量が大きいほど輪郭を単純化したカットパスを決定することができる。また、拡張線の一部が輪郭に到達した段階で縮退が停止され、カットパスが決定される。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0012】
また、前記グッズ注文支援装置は、さらに、前記輪郭からの拡張距離を規定する第2オフセット量を受信するオフセット量受信部を備え、前記カットパス決定部は、前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより前記拡張線を生成する処理と、前記拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記拡張線を縮退すること縮退線を生成する処理と、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスを決定する。
【0013】
この構成によると、第2オフセット量に応じて輪郭が拡張される。このため、第2オフセット量が大きいほど輪郭を単純化したカットパスを決定することができる。また、拡張線の一部が輪郭に到達した段階で縮退が停止され、所定の距離だけ再拡張され、カットパスが決定される。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0014】
また、前記グッズ注文支援装置は、さらに、前記輪郭からの拡張距離を規定する第1オフセット量及び第2オフセット量を受信するオフセット量受信部を備え、前記カットパス決定部は、前記輪郭を前記第1オフセット量だけ拡張することにより第1拡張線を生成し、前記第1拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第1拡張線を縮退することにより、前記カットパスの第1候補線を決定する第1候補線決定部と、前記輪郭を前記第2オフセット量だけ拡張することにより第2拡張線を生成し、前記第2拡張線の一部が前記輪郭に到達するまで前記第2拡張線を縮退すること縮退線を生成し、前記縮退線を所定の距離だけ再拡張することにより、前記カットパスの第2候補線を決定する第2候補線決定部と、前記第1候補線と前記第2候補線とを重ね合わせることにより、前記カットパスを生成するカットパス生成部とを含んでもよい。
【0015】
この構成によると、第1候補線及び第2候補線は、それぞれ、輪郭を単純化したものであり、輪郭の外側に設定される。また、第1候補線は、輪郭の凸方(convex hull)よりもさらに内側に凹んだ形状を有する。この凹み度合いは第1オフセット量で調整することができる。一方、第2候補線は、縮退線を所定の距離だけ再拡張したものであり、第2オフセット量により輪郭の突出度合いを調整することができる。カットパスは、第1オフセット量で凸方からの凹み度合いを調整された第1候補線と、第2オフセット量で輪郭からの突出度合いが調整された第2候補線を重ね合わせることにより生成されるため、輪郭を単純化されるとともに、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。また、第1オフセット量及び第2オフセット量により上記した凹み度合いと突出度合いを独立に調整可能であり、ユーザの好みに応じたカットパスを決定することができる。
【0016】
また、前記第2オフセット量は前記第1オフセット量よりも小さくてもよい。
【0017】
第1オフセット量と第2オフセット量とが同じ場合には、第2候補線は第1候補線を所定の距離だけ再拡張したものになるため、第2候補線とカットパスとが等しくなってしまう。これに対して、第2オフセット量を第1オフセット量よりも小さく設定することにより、輪郭の凸方よりも凹んだ部分においては第1候補線がカットパスとされ、それ以外の部分においては第2候補線がカットパスとされやすくなり、2つの候補線を合成したカットパスを生成することができる。
【0018】
本開示の他の実施態様に係るグッズ注文支援システムは、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援システムであって、端末装置と、グッズ注文支援装置とを備え、前記グッズ注文支援装置は、端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部とを含み、前記カットパス決定部は、前記印刷画像データの輪郭を拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記輪郭に基づいて前記拡張線を縮退する処理とを実行することにより、前記カットパスを決定し、前記端末装置は、前記グッズ注文支援装置に前記原画像データを送信する原画像データ送信部と、前記グッズ注文支援装置から前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部が受信した前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータに基づいて、前記印刷画像データ及び前記カットパスを表示するための制御を行う表示制御部とを含む。
【0019】
この構成によると、端末装置が送信した原画像データに基づいて、グッズ注文支援装置が印刷画像データ及びカットパスを作成し、印刷画像データ及びカットパスを示すデータが端末装置に送信される。このため、端末装置は、これらのデータを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置のユーザは、事前に原画像データに対してとのようなカットパスが設定されるかを知ることができる。これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。特に、輪郭の拡張線を輪郭に基づいて縮退する処理を実行することによりカットパスを決定している。輪郭を拡張してから縮退することにより、複雑な輪郭を単純化することができるため、カットパスを構成する曲線のなす角が急峻となるのを防止することができる。また、輪郭に基づいて拡張線を縮退していることより、輪郭の外側にカットパスを設定することができる。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0020】
本開示の他の実施態様に係るグッズ注文支援方法は、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援方法であって、端末装置から原画像データを受信するステップと、前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成するステップと、前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するステップと、前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するステップとを含み、前記カットパスを決定するステップにおいて、前記印刷画像データの輪郭を拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記輪郭に基づいて前記拡張線を縮退する処理とを実行することにより、前記カットパスを決定する。
【0021】
この構成によると、端末装置から受信した原画像データに基づいて、印刷画像データ及びカットパスが作成され、印刷画像データ及びカットパスを示すデータが端末装置に送信される。このため、端末装置は、これらのデータを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置のユーザは、事前に原画像データに対してとのようなカットパスが設定されるかを知ることができる。これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。特に、輪郭の拡張線を輪郭に基づいて縮退する処理を実行することによりカットパスを決定している。輪郭を拡張してから縮退することにより、複雑な輪郭を単純化することができるため、カットパスを構成する曲線のなす角が急峻となるのを防止することができる。また、輪郭に基づいて拡張線を縮退していることより、輪郭の外側にカットパスを設定することができる。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0022】
本開示の他の実施態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するグッズ注文支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、端末装置から原画像データを受信する原画像データ受信部と、前記基板上の領域に対応したテンプレート領域上に前記原画像データを重ね合わせることにより、前記基板に印刷される印刷画像データを作成する印刷画像データ作成部と、前記印刷画像データに基づいて、前記基板のカットパスを決定するカットパス決定部と、前記印刷画像データ及び前記カットパスを示すデータを前記端末装置に送信するデータ送信部として機能させ、前記カットパス決定部は、前記印刷画像データの輪郭を拡張することにより拡張線を生成する処理と、前記輪郭に基づいて前記拡張線を縮退する処理とを実行することにより、前記カットパスを決定する。
【0023】
この構成によると、端末装置から受信した原画像データに基づいて、印刷画像データ及びカットパスが作成され、印刷画像データ及びカットパスを示すデータが端末装置に送信される。このため、端末装置は、これらのデータを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置のユーザは、事前に原画像データに対してとのようなカットパスが設定されるかを知ることができる。これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。特に、輪郭の拡張線を輪郭に基づいて縮退する処理を実行することによりカットパスを決定している。輪郭を拡張してから縮退することにより、複雑な輪郭を単純化することができるため、カットパスを構成する曲線のなす角が急峻となるのを防止することができる。また、輪郭に基づいて拡張線を縮退していることより、輪郭の外側にカットパスを設定することができる。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0024】
なお、上記したコンピュータプログラムを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。また、本開示は、グッズ注文支援装置、グッズ注文支援システムまたは端末装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現することもできる。
【発明の効果】
【0025】
本開示によると、適切なカットパスを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の実施の形態に係るグッズ注文支援システムの構成を示す図である。
図2】グッズ注文支援装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】印刷画像データの一例を示す図である。
図4図3に示した印刷画像データの輪郭の一例を示す図である。
図5】カットパスの第1候補線の決定処理を説明するための図である。
図6】カットパスの第2候補線の決定処理を説明するための図である。
図7】オフセット量と候補線との関係を示す図である。
図8】は、カットパスの生成処理を説明するための図である。
図9】カットパスの生成処理を説明するための他の図である。
図10】カットパスの生成処理を説明するための他の図である。
図11】カットパスの生成処理を説明するための他の図である。
図12】カットパスの生成処理を説明するための他の図である。
図13】カットパスの生成処理を説明するための他の図である。
図14】端末装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図15】グッズ注文支援システムが実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図16A】印刷画像データ作成処理(図15のS3)の詳細を示すシーケンス図である。
図16B】印刷画像データ作成処理(図15のS3)の詳細を示すシーケンス図である。
図17】レイアウト画面の一例を示す図である。
図18】カットパス決定処理(図16AのS308)の詳細なフローチャートの一例を示す図である。
図19】拡大縮小処理(図16AのS312)の詳細なフローチャートの一例を示す図である。
図20】原画像データ移動処理(図16AのS314)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
図21】回転処理(図16BのS316)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
図22】ホール移動処理(図16BのS318)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
図23】ホール移動処理におけるレイアウト画面の一例を示す図である。
図24A】カットパス調整処理(図16BのS320)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
図24B】カットパス調整処理(図16BのS320)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
図25】カットパス調整処理におけるレイアウト画面の一例を示す図である。
図26】ホワイト印刷領域決定処理(図15のS5)の詳細を示すシーケンス図である。
図27】ホワイト印刷領域設定画面の一例を示す図である。
図28】裏面印刷画像データ作成処理(図15のS7)の詳細を示すシーケンス図である。
図29】裏面印刷画面の一例を示す図である。
図30】グッズ発注処理(図15のS9)の詳細を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0028】
[1.システムの全体構成]
図1は、本開示の実施の形態に係るグッズ注文支援システムの構成を示す図である。
【0029】
グッズ注文支援システム10は、所定の基板上に画像が印刷されたグッズの注文を支援するために、基板上への印刷画像データ及び基板のカットパスを端末装置に送信するシステムである。所定の基板とは、例えば、透過性を有するアクリル板である。グッズとは、例えば、キーリングが装着可能なキーホルダー、穴にストラップを装着可能なアクセサリー雑貨、イヤリングなどの装飾品、裏面に安全ピンを取り付け可能なバッジ、アクリル板スタンドなどの小物雑貨、マスコットグッズ、などである。なお、グッズの種類は限定されるものではなく、基板上に画像が印刷され、基板をカットすることにより製作されるものであれば、本開示が適用可能である。ここで、カットパスとは、レーザ加工機などによる基板の切断線を示す。
【0030】
グッズ注文支援システム10は、インターネット20を介して相互に接続された、グッズ注文支援装置100と、端末装置200とを備える。
【0031】
グッズ注文支援装置100は、例えば、グッズを製作するメーカーなどに設置されたサーバ装置である。
【0032】
端末装置200は、グッズの製作を依頼するユーザが使用する装置であり、例えば、パーソナルコンピュータや、スマートフォン又はタブレット端末などの携帯情報端末などである。
【0033】
端末装置200は、ユーザの操作に従い、グッズ注文支援装置100に対して、グッズに印刷される原画像データを送信する。また、端末装置200は、原画像データの大きさや基板のカットパスを調整するための情報をグッズ注文支援装置100に対して送信する。
【0034】
グッズ注文支援装置100は、端末装置200から送信された原画像データおよび各種情報に基づいて、基板上に印刷される画像のデータである印刷画像データを作成するとともに、基板のカットパスを決定する。グッズ注文支援装置100は、これらのデータを端末装置200に送信する。
【0035】
端末装置200は、グッズ注文支援装置100から送信された印刷画像データ及びカットパスのデータをディスプレイ等の表示画面に表示する。
【0036】
これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。
【0037】
[2.グッズ注文支援装置100の構成]
図2は、グッズ注文支援装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0038】
グッズ注文支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)などを備える一般的なコンピュータにより構成される。
【0039】
グッズ注文支援装置100は、通信I/F(インタフェース)部102と、原画像データ受信部104と、印刷画像データ作成部106と、カットパス決定部108と、データ送信部109と、拡張度データ受信部110と、しきい値受信部112と、縮尺率データ受信部116と、移動量データ受信部118と、オフセット量受信部119と、回転量データ受信部120と、孔位置データ受信部122と、印刷品質評価部124と、ホワイト印刷領域決定部126と、裏面画像データ取得部128と、裏面印刷画像データ作成部130と、テキストデータ受信部132と、指示受信部134と、受注部136と、記憶装置138とを備える。
【0040】
処理部104~136は、RAM等に記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
【0041】
通信I/F部102は、グッズ注文支援装置100をインターネットに接続するための通信インタフェースであり、例えば、有線LAN用または無線LAN用のLANアダプタなどにより構成される。
【0042】
原画像データ受信部104は、通信I/F部102を介して、端末装置200から送信された原画像データを受信する。
【0043】
印刷画像データ作成部106は、基板上の領域に対応したテンプレート領域上に原画像データを重ね合わせることにより、基板に印刷される印刷画像データを作成する。例えば、テンプレート領域として所定サイズの四角形が予め設定されている場合には、印刷画像データ作成部106は、四角形の中心と原画像データの中心とが一致するように、テンプレート領域上に原画像データを重ね合わせる。なお、印刷画像データの作成方法はこれには限定されない。例えば、印刷画像データ作成部106は、四角形の左上隅座標と原画像データの左上隅座標とが一致するように、テンプレート領域上に原画像データを重ね合わせることにより、印刷画像データを作成してもよい。
【0044】
なお、印刷画像データ作成部106は、印刷画像データの解像度が所定の解像度しきい値よりも小さい場合には、印刷画像データを高解像度化する処理を行ってもよい。
【0045】
カットパス決定部108は、印刷画像データに基づいて、基板のカットパスを決定する。
【0046】
以下、カットパスの決定方法について詳細に説明する。
図3は、印刷画像データの一例を示す図である。
カットパス決定部108は、印刷画像データの輪郭を決定する。図4は、図3に示した印刷画像データの輪郭300の一例を示す図である。
【0047】
一例として、カットパス決定部108は、印刷画像データの輪郭300を以下のようにして決定する。ここで、印刷画像データの生成のもととなった原画像データは、画素ごとに該画素の透明度を示す透明度情報を含むものとする。例えば、原画像データがPNG(Portable Network Graphics)形式のデータである場合には、透過度を指定するアルファチャネルが透明度情報に相当する。カットパス決定部108は、所定の二値化しきい値に基づいて、原画像データの各画素の透明度を二値化することにより、二値化画像データを作成する。カットパス決定部108は、テンプレート領域上に重ねあわされた原画像データの二値化画像データの輪郭を、印刷画像データの輪郭300と決定する。
【0048】
次に、カットパス決定部108は、カットパスの第1候補線を決定する。図5は、カットパスの第1候補線の決定処理を説明するための図である。図5の(a)は、図4に示したのと同じ印刷画像データの輪郭300を示す。
【0049】
カットパス決定部108は、印刷画像データの輪郭300を第1オフセット量だけ拡張することにより第1拡張線を生成する。ここで、第1オフセット量とは、輪郭300からの距離を示す値であり、ユーザにより設定される。図5の(b)は、第1オフセット量を変化させた場合の第1拡張線の一例を示す図である。第1拡張線301A、第1拡張線301B、第1拡張線301C、第1拡張線301Dの順に第1オフセット量が小さい。つまり、第1拡張線301Aは、第1オフセット量が最も小さい場合(第1オフセット量が0の場合)の第1拡張線を示しており、図5の(a)に示した輪郭300と同じ線である。第1オフセット量を大きくするほど第1拡張線は外側に広がっていく。
【0050】
ここで、輪郭300の拡張は以下のようにして行われる。つまり、カットパス決定部108は、輪郭300の線幅を第1オフセット量に比例させて変更する。例えば、線幅を第1オフセット量の2倍とする。カットパス決定部108は、線幅変更後の輪郭の外周をトレースすることにより、第1拡張線を決定する。別言すれば、カットパス決定部108は、半径が第1オフセット量の円を設定し、円の中心が輪郭300上にある状態を維持したまま、円を輪郭300に沿って1周分走査した場合にトレースされる外周を第1拡張線と決定する。
【0051】
次に、カットパス決定部108は、第1拡張線の一部が輪郭300に到達するまで第1拡張線を縮退することにより、カットパスの第1候補線を生成する。図5の(c)は、第1拡張線301Dを縮退させることにより得られる第1候補線302を示す。図5の(d)は、輪郭300と第1候補線302との関係を示す。第1候補線302は、輪郭300を単純化したものであり、輪郭300の外側に設定される。また、第1候補線302は、輪郭の凸方(convex hull)よりもさらに内側に凹んだ形状を有する。この凹み度合いは第1オフセット量で調整することができる。
【0052】
ここで、第1拡張線301Dの縮退は以下のようにして行われる。つまり、カットパス決定部108は、第1拡張線301Dの一部が輪郭300に到達するまで第1拡張線301Dの線幅を大きくする。カットパス決定部108は、輪郭300に到達した時点の線幅変更後の第1拡張線301Dの内周をトレースすることにより、第1候補線302を決定する。別言すれば、カットパス決定部108は、第1拡張線301D上の任意の点から輪郭300までの最短距離を半径の円を設定し、円の中心が第1拡張線301D上にある状態を維持したまま、円を第1拡張線301Dに沿って1周分走査する。カットパス決定部108は、走査した円の内周を第1候補線302として決定する。
【0053】
また、カットパス決定部108は、カットパスの第2候補線を決定する。図6は、カットパスの第2候補線の決定処理を説明するための図である。図6の(a)は、図4に示したのと同じ印刷画像データの輪郭300を示す。
【0054】
カットパス決定部108は、印刷画像データの輪郭300を第2オフセット量だけ拡張することにより第2拡張線を生成する。ここで、第2オフセット量とは、輪郭300からの距離を示す値であり、ユーザにより設定される。なお、第2オフセット量は第1オフセット量よりも小さい値となるように設定されるものとする。
【0055】
図6の(b)は、第2オフセット量を変化させた場合の第2拡張線の一例を示す図である。第2拡張線303A、第2拡張線303B、第2拡張線303C、第2拡張線303Dの順に第2オフセット量が小さい。つまり、第2拡張線303Aは、第2オフセット量が最も小さい場合(第2オフセット量が0の場合)の第2拡張線を示しており、図6の(a)に示した輪郭300と同じ線である。第2オフセット量を大きくするほど第2拡張線は外側に広がっていく。輪郭300の拡張は、第1オフセット量に基づく輪郭300の拡張と同様に行われる。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0056】
次に、カットパス決定部108は、第2拡張線の一部が輪郭300に到達するまで第2拡張線を縮退することにより、縮退線を生成する。図6の(c)は、第2拡張線303Dを縮退することにより得られる縮退線304を示す。ここで、第2拡張線303Dの縮退は、第1拡張線301Dの縮退と同様に行われる。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0057】
次に、カットパス決定部108は、縮退線304をあらかじめ定められた所定距離(例えば、輪郭300の縦幅の3%)だけ再拡張することにより、カットパスの第2候補線を決定する。図6の(d)は、縮退線304を所定の距離だけ拡張することにより得られる第2候補線305を示す。縮退線304の拡張は、図5の(b)に示した第1オフセット量に基づく輪郭300の拡張と同様に行われる。
【0058】
なお、線の拡張又は縮退は、上記した方法に限定されるものではない。例えば、カットパス決定部108は、縮退線304から所定の距離だけ離れた位置に所定の間隔で制御点を設定し、設定した制御点をベジェ曲線により補間することで、ベジェ曲線を第2候補線305として決定してもよい。
【0059】
図7は、オフセット量と候補線との関係を示す図である。図7の(a)は、第1オフセット量と第1候補線との関係を示す図であり、図4に示した輪郭300に基づいて、第1オフセット量を変化させた場合の第1候補線を示している。図7の(a)に示されるように、第1オフセット量が大きいほど、第1候補線が単純化(平滑化)される。図7の(b)は、第2オフセット量と第2候補線との関係を示す図であり、図4に示した輪郭300に基づいて、第2オフセット量を変化させた場合の第2候補線を示している。図7の(b)に示されるように、第2オフセット量が大きいほど第1候補線が単純化される。
【0060】
カットパス決定部108は、第1候補線302と、第2候補線305とを重ね合わせることにより、カットパスを生成する。図8は、カットパスの生成処理を説明するための図である。
【0061】
カットパス決定部108は、輪郭300の位置を揃えた状態で第1候補線302と第2候補線305とを重ね合わせ、第1候補線302及び第2候補線305の外周をトレースした線をカットパス306として決定する。
【0062】
図9図11は、カットパス306の生成処理を説明するための他の図である。各図に示すように、カットパス決定部108は、第1候補線302と第2候補線305とを重ね合わせ、第1候補線302及び第2候補線305の外周をトレースした線をカットパス306として決定する。
【0063】
図12は、カットパス306の生成処理を説明するための他の図である。図12の(a)は、印刷画像データの一例を示し、例えば、互いに離隔して配置された5つの文字を示す。図12の(b)は、印刷画像データに基づいて決定された第1候補線302及び第2候補線305の一例を示す。印刷画像データでは文字が離間して配置されていたが、第1候補線302及び第2候補線305は、これらの文字を囲うように、それぞれ1つの線として決定される。図12の(c)を参照して、カットパス決定部108は、第1候補線302と第2候補線305とを重ね合わせ、第1候補線302及び第2候補線305の外周をトレースした線をカットパス306として決定する。
【0064】
図13は、カットパス306の生成処理を説明するための他の図である。図13の(a)は、印刷画像データの一例を示し、例えば、互いに離隔して配置されたマークと文字列とを示す。図13の(b)は、第1候補線302の一例を示す。ここでは、マークと文字列とを囲うように第1候補線302が決定される。図13の(c)は、第2候補線305の一例を示す。ここでは、マーク及び文字列をそれぞれ囲う2つの第2候補線305が決定される。ただし、第1オフセット量次第では第1候補線302が2つに分離する場合もあるし、第2オフセット量次第では第2候補線305が1つに統合される場合もある。図13の(d)を参照して、カットパス決定部108は、第1候補線302と第2候補線305とを重ね合わせ、第1候補線302及び第2候補線305の外周をトレースした線をカットパス306として決定する。
【0065】
なお、カットパス決定部108は、後述する拡張度データ受信部110が受信した拡張度データに基づいて、生成したカットパス306を、さらに拡張することにより、カットパス306を更新してもよい。カットパス306の拡張は、図5の(b)に示した第1オフセット量に基づく輪郭300の拡張と同様に行われる。
【0066】
再び図2を参照して、データ送信部109は、印刷画像データ作成部106が作成した印刷画像データと、カットパス決定部108が決定したカットパスを示すデータとを、通信I/F部102を介して端末装置200に送信する。
【0067】
拡張度データ受信部110は、通信I/F部102を介して、端末装置200から、カットパス306を拡張する距離を規定する拡張度データを受信する。カットパス決定部108は、拡張度データ受信部110が受信した拡張度データに基づいて、カットパス306を拡張し、カットパス306を更新することができる。
【0068】
しきい値受信部112は、通信I/F部102を介して、端末装置200から原画像データの各画素を二値化するためのしきい値を受信する。カットパス決定部108は、しきい値受信部112が受信したしきい値に基づいて原画像データの透明度の二値化することにより、上述した二値化画像データを作成し、二値化画像データに基づいて印刷画像データの輪郭を決定する。
【0069】
縮尺率データ受信部116は、通信I/F部102を介して、端末装置200から原画像データの縮尺率データを受信する。印刷画像データ作成部106は、縮尺率データ受信部116が受信した縮尺率データに基づいて、テンプレート領域上で原画像データを拡大または縮小する。例えば、縮尺率データ受信部116が縮尺率1.2倍を示す縮尺率データを受信した場合には、印刷画像データ作成部106は、原画像データを1.2倍に拡大することにより印刷画像データを更新する。
【0070】
移動量データ受信部118は、通信I/F部102を介して、端末装置200から原画像データの移動量データを受信する。印刷画像データ作成部106は、移動量データ受信部118が受信した移動量データに基づいて、テンプレート領域上で原画像データを移動させることにより印刷画像データを更新する。移動量データは、例えば、原画像データの移動量として、X方向の画素数とY方向の画素数とを含む。
【0071】
回転量データ受信部120は、通信I/F部102を介して、端末装置200から原画像データの回転量データを受信する。印刷画像データ作成部106は、回転量データ受信部120が受信した回転量データに基づいて、原画像データをテンプレート領域上で回転させる。例えば、回転量データ受信部120が原画像データの回転角30°を示す回転量データを受信した場合には、印刷画像データ作成部106は、原画像データを、テンプレート領域の中心を回転中心として30°回転させ、印刷画像データを作成する。これにより、印刷画像データ作成部106は、印刷画像データを更新する。
【0072】
孔位置データ受信部122は、通信I/F部102を介して、端末装置200から、基板上に形成される孔の位置データを受信する。孔の位置データは、例えば、テンプレート領域上での孔の中心座標を示す。孔の大きさ及び孔の周囲に同心円状に設けられる基板の領域(以下、「孔周囲領域」という。)の大きさは、あらかじめ設定されているものとする。印刷画像データ作成部106は、孔位置データ受信部122が受信した位置データが示す位置に孔の中心が来るように、テンプレート領域に孔及び孔周囲領域を設定する。また、印刷画像データ作成部106は、カットパスの内部に孔及び孔周囲領域が含まれるようにカットパスを決定する。
【0073】
印刷品質評価部124は、印刷画像データの解像度に基づいて、印刷画像データの基板への印刷品質を評価する。つまり、印刷品質評価部124は、印刷画像データの解像度が低いほど、印刷品質が低いと評価し、解像度が高いほど、印刷品質が高いと評価する。印刷品質評価部124による評価の仕方については後述する。データ送信部109は、印刷品質評価部124による印刷品質の評価結果情報を、通信I/F部102を介して端末装置200に送信する。
【0074】
ホワイト印刷領域決定部126は、所定色印刷領域決定部として機能し、基板に印刷された印刷画像データの面上にさらに印刷されるホワイト面を示すホワイト印刷領域を決定する。例えば、ホワイト印刷領域決定部126は、カットパス決定部108が作成した原画像データの二値化画像データが示す領域をホワイト印刷領域と決定する。データ送信部109は、決定されたホワイト印刷領域を示すデータを、通信I/F部102を介して端末装置200に送信する。
【0075】
なお、ホワイト印刷領域決定部126は、通信I/F部102を介して端末装置200からホワイト印刷領域を示す二値化画像データを受信することにより、ホワイト印刷領域を決定してもよい。
【0076】
なお、印刷画像データの面上に印刷される領域の色はホワイト(白)に限定されるものではなく、他の所定色(例えば、赤)であってもよい。
【0077】
裏面画像データ取得部128は、基板上のホワイトの印刷面上にさらに印刷される裏面画像の画像データである裏面画像データを取得する。具体的には、裏面画像データ取得部128は、原画像データを左右反転させた画像データを作成し、作成した画像データを裏面画像データとして取得する。なお、裏面画像データ取得部128は、通信I/F部102を介して端末装置200から裏面画像データを受信してもよい。
【0078】
裏面印刷画像データ作成部130は、基板上のホワイトの印刷面上に裏面画像データが印刷された裏面印刷画像データを作成する。例えば、裏面印刷画像データ作成部130は、テンプレート領域上で原画像データの中心位置を左右反転させた位置と、裏面画像データの中心位置とが一致するように、テンプレート領域上に裏面画像データを配置することにより、裏面印刷画像データを作成する。データ送信部109は、作成された裏面印刷画像データを、通信I/F部102を介して端末装置200に送信する。
【0079】
テキストデータ受信部132は、基板上のホワイトの印刷面上にさらに印刷されるテキストデータを、通信I/F部102を介して端末装置200から受信する。裏面印刷画像データ作成部130は、テキストデータ受信部132が受信したテキストデータが基板上のホワイトの印刷面上に印刷された裏面印刷画像データを作成する。例えば、裏面印刷画像データ作成部130は、テンプレート領域上で原画像データの中心位置を左右反転させた位置と、テキストデータの中心位置とが一致するように、テンプレート領域上にテキストデータを配置することにより、裏面印刷画像データを作成する。
【0080】
指示受信部134は、通信I/F部102を介して端末装置200から、各種指示を受信する。指示には、現在作成中の印刷画像データ等のデザインの保存指示が含まれる。
【0081】
受注部136は、通信I/F部102を介して、端末装置200より、グッズの注文数を示す個数情報を受信する。受注部136は、受信した個数情報に基づいて、グッズを受注する処理を行う。例えば、端末装置200との間で決済処理を行ったり、製造部門に対して注文内容を電子メールで通知したりする。
【0082】
記憶装置138は、端末装置200との間で送受信するデータなどの各種データを記憶する。
【0083】
[3.端末装置200の構成]
図14は、端末装置200の機能的な構成を示すブロック図である。
【0084】
端末装置200は、CPU、RAM、ROMおよびHDDなどを備える一般的なコンピュータにより構成される。なお、スマートフォンなどの携帯情報端末もこのようなコンピュータを内部に備えている。
【0085】
端末装置200は、入力I/F部201と、通信I/F部202と、原画像データ送信部204と、拡張度データ送信部206と、しきい値送信部208と、縮尺率データ送信部212と、移動量データ送信部214と、回転量データ送信部216と、オフセット量送信部217と、孔位置データ送信部218と、二値化画像データ送信部220と、裏面画像データ送信部222と、テキストデータ送信部224と、指示送信部226と、データ受信部228と、表示制御部230と、発注部232と、記憶装置234とを備える。
【0086】
処理部204~232は、RAM等に記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
【0087】
入力I/F部201は、キーボードまたはタッチパネルなどに接続され、ユーザが入力した情報を受け付ける。
【0088】
通信I/F部202は、端末装置200をインターネットに接続するための通信インタフェースであり、例えば、有線LAN用または無線LAN用のLANアダプタなどにより構成される。
【0089】
原画像データ送信部204は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に原画像データを送信する。
【0090】
拡張度データ送信部206は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100にカットパス生成部108が生成したカットパスの拡張度データを送信する。
【0091】
しきい値送信部208は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に原画像データの各画素を二値化するためのしきい値を送信する。
【0092】
縮尺率データ送信部212は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に原画像データの縮尺率データを送信する。
【0093】
移動量データ送信部214は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に原画像データの移動量データを送信する。
【0094】
回転量データ送信部216は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に原画像データの回転量を送信する。
【0095】
オフセット量送信部217は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100にカットパスの拡張のための第1オフセット量及び第2オフセット量を送信する。
【0096】
孔位置データ送信部218は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に基板上に形成される孔の位置データを送信する。
【0097】
二値化画像データ送信部220は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100にホワイト印刷領域を示す二値化画像データを送信する。
【0098】
裏面画像データ送信部222は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に裏面画像データを送信する。
【0099】
テキストデータ送信部224は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100にテキストデータを送信する。
【0100】
指示送信部226は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に各種指示を送信する。
【0101】
データ受信部228は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100から、印刷画像データ、カットパスを示すデータ、印刷品質の評価結果情報、ホワイト印刷領域を示すデータ、及び裏面印刷画像データなどを受信する。
【0102】
表示制御部230は、データ受信部228が受信した各データを、端末装置200に備えられた表示部の画面または端末装置200に接続された表示部の画面に表示するための制御を行う。表示部は、例えば、ディスプレイ装置である。
【0103】
発注部232は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100に、グッズの注文数を示す個数情報を送信する。また、発注部232は、通信I/F部202を介して、グッズ注文支援装置100との間で決済処理を行う。
【0104】
記憶装置234は、グッズ注文支援装置100との間で送受信するデータなどの各種データを記憶する。
【0105】
[4.グッズ注文支援システム10の処理フロー]
図15は、グッズ注文支援システム10が実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0106】
ユーザは、端末装置200上でグッズ発注のためのアプリケーションソフトウェアなどを起動すると、表示制御部230は、表示部の画面にトップ画面を表示する。
【0107】
トップ画面には、例えば、メニュー「レイアウト」、「ホワイト」、「裏面印刷」、及び「発注」を選択するためのボタンが表示されるものとする。メニュー「レイアウト」は、印刷画像データを作成するための処理メニューである。メニュー「ホワイト」は、ホワイト印刷領域を決定するための処理メニューである。メニュー「裏面印刷」は、裏面印刷画像データを作成するための処理メニューである。メニュー「発注」は、グッズ発注処理を行うための処理メニューである。
【0108】
ユーザがキーボード等を操作してメニュー「レイアウト」を選択すると(S2でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で、後述する印刷画像データ作成処理が実行される(S3)。
【0109】
同様に、ユーザがメニュー「ホワイト」を選択すると(S4でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で、後述するホワイト印刷領域決定処理が実行される(S5)。
【0110】
ユーザがメニュー「裏面印刷」を選択すると(S6でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で、後述する裏面印刷画像データ作成処理が実行される(S7)。
【0111】
ユーザがメニュー「発注」を選択すると(S8でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で、後述するグッズ発注処理が実行される(S9)。
【0112】
[5.印刷画像データ作成処理について]
図16A及び図16Bは、印刷画像データ作成処理(図15のS3)の詳細を示すシーケンス図である。図16Aのシーケンスの続きとして図16Bのシーケンスが処理される。
表示制御部230は、表示部の画面にレイアウト画面を表示する(S301)。
【0113】
図17は、レイアウト画面の一例を示す図である。
ユーザが、ボタン22を押下すると(S302でYES)、表示制御部230は、現在表示されているのと異なるサイズのテンプレート領域21をレイアウト画面に表示する(S303)。テンプレート領域21のサイズは、ユーザが指定するようにしてもよいし、あらかじめ定められたサイズ変更ルールに従い決定されてもよい。
【0114】
ユーザが、ボタン24を押下すると(S304でYES)、表示制御部230は原画像データを指定するための画面を表示し、ユーザが原画像データを指定する(S305)。
【0115】
原画像データ送信部204は、指定された原画像データをグッズ注文支援装置100に送信し、原画像データ受信部104が、原画像データを受信する(S306)。
【0116】
印刷画像データ作成部106は、原画像データ受信部104が受信した原画像データに基づいて、テンプレート領域21上に原画像データが印刷された印刷画像データを作成する(S307)。
【0117】
カットパス決定部108は、印刷画像データに基づいて、基板のカットパスを決定する(S308)。カットパス決定処理については後述する。
【0118】
データ送信部109は、作成された印刷画像データと、決定されたカットパスのデータとを端末装置200に送信し、データ受信部228が、これらのデータを受信する(S309)。
【0119】
表示制御部230は、受信したデータに基づいて、レイアウト画面を更新する(S310)。つまり、表示制御部230は、レイアウト画面上に印刷画像データ23と、基板のカットパス25とを表示する(S310)。なお、カットパス25は、孔37Aおよび孔周囲領域37Bを含むように形成される。
【0120】
ユーザによって、メニュー29が選択されている場合には、表示制御部230は、レイアウト画面に、ボタン30~33を表示する。
【0121】
ユーザがボタン30を押下すると(S311でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で原画像データをテンプレート領域21上で拡大または縮小する拡大縮小処理が実行される(S312)。拡大縮小処理の詳細については後述する。
【0122】
ユーザがボタン31を押下すると(S313でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で原画像データをテンプレート領域21上で移動させる原画像データ移動処理が実行される(S314)。原画像データ移動処理の詳細については後述する。
【0123】
ユーザがボタン32を押下すると(S315でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で原画像データをテンプレート領域21上で回転する回転処理が実行される(S316)。回転処理の詳細については後述する。
【0124】
ユーザがボタン33を押下すると(S317でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間で基板上に形成される孔の位置を移動させるホール移動処理が実行される(S318)。ホール移動処理の詳細については後述する。
【0125】
ユーザがメニュー35を選択すると(S319でYES)、端末装置200とグッズ注文支援装置100との間でカットパスを調整するカットパス調整処理が実行される(S320)。カットパス調整処理の詳細については後述する。
【0126】
ユーザがボタン36を選択すると(S321でYES)、指示送信部226がグッズ注文支援装置100にデータの保存指示を送信し、指示受信部134は保存指示を受信する(S322)。
【0127】
印刷画像データ作成部106は、端末装置200から送信された保存指示に基づいて印刷画像データを記憶装置138に保存し、カットパス決定部108は当該保存指示に基づいてカットパスデータを記憶装置138に保存する(S323)。
【0128】
[5-1.カットパス決定処理について]
図18は、カットパス決定処理(図16AのS308)の詳細なフローチャートの一例を示す図である。
【0129】
カットパス決定部108は、原画像データに含まれる透明度情報とあらかじめ定められた所定のしきい値とに基づいて、原画像データの各画素を二値化した二値化画像データを作成する(S341)。例えば、透明度が大きいほどより透過性が高く、透明度が小さいほど透過性が低いものとした場合、カットパス決定部108は、透明度がしきい値よりも小さい画素の画素値を255とし、透明度がしきい値以上の画素の画素値を0とする二値化画像データを作成する。
【0130】
カットパス決定部108は、印刷画像データの輪郭を決定する(S342)。輪郭の決定方法は上述したとおりであり、例えば、カットパス決定部108は、図3に示した印刷画像データを二値化した二値化画像データから、図4に示した輪郭300を決定する。
【0131】
カットパス決定部108は、カットパスの第1候補線を決定する(S343)。第1候補線の決定方法は上述したとおりであり、例えば、カットパス決定部108は、図5の(a)に示した輪郭300と、あらかじめ定められた第1オフセット量とに基づいて、図5の(c)に示した第1候補線302を決定する。
【0132】
カットパス決定部108は、カットパスの第2候補線を決定する(S344)。第2候補線の決定方法は上述したとおりであり、例えば、カットパス決定部108は、図6の(a)に示した輪郭300と、あらかじめ定められた第2オフセット量とに基づいて、図6の(d)に示した第2候補線305を決定する。なお、第2オフセット量は、第1オフセット量よりも小さい値とする。
【0133】
カットパス決定部108は、第1候補線302と、第2候補線305とを重ね合わせることにより、カットパスを生成する(S345)。カットパスの生成方法については上述したとおりであり、例えば、カットパス決定部108は、図8の(a)に示した第1候補線302と、図8の(b)に示した第2候補線305とを重ね合わせることにより、図8の(c)に示したカットパス306を生成する。
【0134】
カットパス決定部108は、拡張度データ受信部110が受信した拡張度データに基づいて、ステップS345で生成されたカットパス306を拡張することにより、カットパス306を更新する(S346)。
【0135】
[5-2.拡大縮小処理について]
図19は、拡大縮小処理(図16AのS312)の詳細なフローチャートの一例を示す図である。
【0136】
図17に示すスライダー34をユーザがマウス等により操作してスライドさせることにより、原画像データの縮尺率を指定すると、縮尺率データ送信部212がその縮尺率を取得する(S351)。なお、スライダー34の右隣に表示されている数値「-27」は、基準となる縮尺率との差を示している。例えば、縮尺率データ送信部212は、基準となる縮尺率(例えば、100(%))に数値「-27」(%)を加算した値(例えば、73(%))を縮尺率として取得する。
【0137】
縮尺率データ送信部212は、取得した縮尺率データをグッズ注文支援装置100に送信し、縮尺率データ受信部116は、縮尺率データを受信する(S352)。
【0138】
印刷画像データ作成部106は、受信した縮尺率データに基づいて、テンプレート領域上で原画像データの拡大または縮小を行うことにより、原画像データおよび印刷画像データを更新する(S353)。
【0139】
カットパス決定部108は、拡大または縮小後の原画像データに基づいてカットパスを決定する(S354)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0140】
印刷品質評価部124は、更新後の印刷画像データの解像度に基づいて、印刷画像データの基板への印刷品質を評価する(S355)。例えば、印刷品質評価部124は、解像度が350dpi以上であれば最高品質と評価し、解像度が300dpi以上350dpi未満であれば高品質と評価する。また、解像度が200dpi以上300dpi未満であれば普通品質と評価し、解像度が200dpi未満であれば低品質と評価する。
【0141】
データ送信部109は、印刷画像データ、カットパスデータ及び評価結果情報を端末装置200に送信し、端末装置200はこれらのデータを受信する(S356)。
【0142】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S357)。これにより、図17に示すレイアウト画面において拡大または縮小された印刷画像データ23が表示される。また、評価結果情報に基づいて評価結果38が表示される。
【0143】
[5-3.原画像データ移動処理について]
図20は、原画像データ移動処理(図16AのS314)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
【0144】
図17を参照して、ユーザが印刷画像データ23をマウス等で選択して画面上で移動させると、移動量データ送信部214がその移動量を取得する(S361)。
【0145】
移動量データ送信部214は、取得した移動量データをグッズ注文支援装置100に送信し、移動量データ受信部118は、移動量データを受信する(S362)。
【0146】
印刷画像データ作成部106は、受信した移動量データに基づいて、テンプレート領域上で原画像データの移動を行うことにより、原画像データおよび印刷画像データを更新する(S363)。
【0147】
カットパス決定部108は、移動後の原画像データに基づいてカットパスを決定する(S364)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、移動前の原画像データについてのカットパスを移動させることによりカットパスを決定してもよい。
【0148】
データ送信部109は、印刷画像データ及びカットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はこれらのデータを受信する(S365)。
【0149】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S366)。これにより、図17に示すレイアウト画面において元の位置から移動された印刷画像データ23が表示される。
【0150】
[5-4.回転処理について]
図21は、回転処理(図16BのS316)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。
【0151】
図17を参照して、ユーザが印刷画像データ23を、例えばマウスの右クリックで選択して画面上で回転させると、回転量データ送信部216がその回転量を取得する(S371)。なお、ユーザは、画面に表示されるスライダー等を操作することにより回転量を入力してもよい。
【0152】
回転量データ送信部216は、取得した回転量データをグッズ注文支援装置100に送信し、回転量データ受信部120は、回転量データを受信する(S372)。
【0153】
印刷画像データ作成部106は、受信した回転量データに基づいて、テンプレート領域上で原画像データの回転を行うことにより、原画像データおよび印刷画像データを更新する(S373)。
【0154】
カットパス決定部108は、回転後の原画像データに基づいてカットパスを決定する(S374)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、回転前の原画像データについてのカットパスを回転させることによりカットパスを決定してもよい。
【0155】
データ送信部109は、印刷画像データ及びカットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はこれらのデータを受信する(S375)。
【0156】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S376)。これにより、図17に示すレイアウト画面において元の位置から回転された印刷画像データ23が表示される。
【0157】
[5-5.ホール移動処理について]
図22は、ホール移動処理(図16BのS318)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。図23は、ホール移動処理におけるレイアウト画面の一例を示す図である。
【0158】
図23に示すスライダー41をユーザがマウス等により操作してスライドさせることにより、孔37Aの横方向の移動量を指定することができる。また、スライダー42をスライドさせることにより、孔37Aの縦方向の移動量を指定することができる。
【0159】
ユーザが孔37Aの横方向及び縦方向の移動量を指定すると、孔位置データ送信部218がその移動量を取得する(S381)。
【0160】
孔位置データ送信部218は、孔の位置データとして取得した移動量データをグッズ注文支援装置100に送信し、孔位置データ受信部122は、移動量データを受信する(S382)。
【0161】
印刷画像データ作成部106は、受信した移動量データに基づいて、テンプレート領域上で孔及び孔周囲領域の移動を行うことにより、印刷画像データを更新する(S383)。
【0162】
カットパス決定部108は、原画像データ、並びに移動後の孔及び孔周囲領域に基づいてカットパスを決定する(S384)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0163】
データ送信部109は、印刷画像データ及びカットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はこれらのデータを受信する(S385)。
【0164】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S386)。これにより、図23に示すレイアウト画面において元の位置から孔37Aおよび孔周囲領域37Bが移動された印刷画像データ23が表示される。
【0165】
[5-6.カットパス調整処理について]
図24A及び図24Bは、カットパス調整処理(図16BのS320)の詳細なシーケンスの一例を示す図である。図24Aのシーケンスの続きとして図24Bのシーケンスが処理される。
【0166】
図25は、カットパス調整処理におけるレイアウト画面の一例を示す図である。
図25に示すスライダー43をユーザがマウス等により操作してスライドさせることにより、二値化しきい値を変更することができる。また、スライダー45をスライドさせることにより、拡張度を変更することができる。なお、拡張度には、基板カット時のずれやインク剥がれ等によるロスの発生を防ぐために、下限値(例えば、2mm)が設定されているものとする。
【0167】
また、スライダー46をスライドさせることにより、カットパス拡張時の第1オフセット量を変更することができる。また、スライダー47をスライドさせることにより、第2オフセット係数を変更することができる。第2オフセット係数は0以上1以下の範囲の値であり、第1オフセット量に第2オフセット係数を乗算することにより、カットパス拡張時の第2オフセット量が算出される。第2オフセット係数の範囲を0以上1以下としていることより、第2オフセット量は第1オフセット量以下の値となる。
【0168】
図24Aを参照して、ユーザが二値化しきい値を変更すると(S501でYES)、しきい値送信部208が変更後の二値化しきい値を取得する(S502)。
【0169】
しきい値送信部208は、取得した二値化しきい値データをグッズ注文支援装置100に送信し、しきい値受信部112は、二値化しきい値データを受信する(S503)。
【0170】
カットパス決定部108は、受信した二値化しきい値データに基づいてカットパスを決定する(S504)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0171】
データ送信部109は、カットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はカットパスデータを受信する(S505)。
【0172】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したカットパスデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S506)。これにより、図25に示すレイアウト画面において変更後のカットパス25が表示される。
【0173】
ユーザが第1オフセット量を変更すると(S513でYES)、オフセット量送信部217が変更後の第1オフセット量を取得する(S514)。
【0174】
オフセット量送信部217は、取得した第1オフセット量データをグッズ注文支援装置100に送信し、オフセット量受信部119は、第1オフセット量データを受信する(S515)
【0175】
カットパス決定部108は、第1オフセット量データに基づいてカットパスを決定する(S516)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、第1オフセット量データに応じて、第1候補線が変化する。
【0176】
データ送信部109は、カットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はカットパスデータを受信する(S517)。
【0177】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したカットパスデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S518)。これにより、図25に示すレイアウト画面において変更後のカットパス25が表示される。
【0178】
図24Bを参照して、ユーザが第2オフセット係数を変更すると(S519でYES)、オフセット量送信部217が、第1オフセット量に第2オフセット係数を乗算することにより変更後の第2オフセット量を算出する(S520)。
【0179】
オフセット量送信部217は、算出した第2オフセット量データをグッズ注文支援装置100に送信し、オフセット量受信部119は、第2オフセット量データを受信する(S521)
【0180】
カットパス決定部108は、第2オフセット量データに基づいてカットパスを決定する(S522)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、第オフセット量データに応じて、第2候補線が変化する。
【0181】
データ送信部109は、カットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はカットパスデータを受信する(S523)。
【0182】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したカットパスデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S524)。これにより、図25に示すレイアウト画面において変更後のカットパス25が表示される。
【0183】
ユーザが拡張度を変更すると(S525でYES)、拡張度データ送信部206が変更後の拡張度を取得する(S526)。
【0184】
拡張度データ送信部206は、取得した拡張度データをグッズ注文支援装置100に送信し、拡張度データ受信部110は、拡張度データを受信する(S527)。
【0185】
カットパス決定部108は、受信した拡張度データに基づいてカットパスを決定する(S528)。カットパス決定処理は、図18を用いて説明したものと同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、拡張度データに応じて、カットパスが拡張される。
【0186】
データ送信部109は、カットパスデータを端末装置200に送信し、端末装置200はカットパスデータを受信する(S529)。
【0187】
表示制御部230は、グッズ注文支援装置100から受信したカットパスデータに基づいてレイアウト画面を更新する(S530)。これにより、図25に示すレイアウト画面において変更後のカットパス25が表示される。
【0188】
[6.ホワイト印刷領域決定処理について]
図26は、ホワイト印刷領域決定処理(図15のS5)の詳細を示すシーケンス図である。
【0189】
指示送信部226は、グッズ注文支援装置100に対して、ホワイト印刷領域データを要求するための指示を送信し、指示受信部134は、当該指示を受信する(S411)。
【0190】
カットパス決定部108は、受信した指示に従って、原画像データの二値化画像データを作成する(S412)。この処理は、二値化画像データ作成処理(図18のS341)と同様の処理である。
【0191】
ホワイト印刷領域決定部126は、二値化画像データが示す領域をホワイト印刷領域と決定する(S413)。
【0192】
データ送信部109は、決定したホワイト印刷領域データを端末装置200に送信し、データ受信部228は、当該データを受信する(S414)。
【0193】
表示制御部230は、表示部の画面に、受信したホワイト印刷領域データを示すホワイト印刷領域設定画面を表示する(S415)。図27は、ホワイト印刷領域設定画面の一例を示す図である。画面には、ホワイト印刷領域50が表示される。
【0194】
ホワイト印刷領域設定画面において、ユーザがボタン51を押下すると(S416でYES)、表示制御部230は、二値化画像データを指定するための画面を表示し、ユーザは、当該画面において二値化画像データを指定する(S417)。この二値化画像データはユーザが準備したものである。
【0195】
二値化画像データ送信部220は、指定された二値化画像データをグッズ注文支援装置100に送信し、ホワイト印刷領域決定部126は当該データを受信する(S418)。
【0196】
ホワイト印刷領域決定部126は、受信した二値化画像データが示す領域をホワイト印刷領域と決定する(S419)。
【0197】
データ送信部109は、決定したホワイト印刷領域データを端末装置200に送信し、データ受信部228は、当該データを受信する(S420)。
【0198】
表示制御部230は、ホワイト印刷領域設定画面の表示を更新する(S421)。これにより、図27に示した画面において、ホワイト印刷領域50が更新される。
【0199】
ユーザがボタン52を押下すると(S422でYES)、指示送信部226は、グッズ注文支援装置100にデータの保存指示を送信し、指示受信部134は保存指示を受信する(S423)。
【0200】
ホワイト印刷領域決定部126は、端末装置200から送信された保存指示に基づいてホワイト印刷領域データを記憶装置138に保存する(S424)。
【0201】
[7.裏面印刷画像データ作成処理について]
図28は、裏面印刷画像データ作成処理(図15のS7)の詳細を示すシーケンス図である。
表示制御部230は、表示部の画面に裏面印刷画面を表示する(S431)。
【0202】
図29は、裏面印刷画面の一例を示す図である。
裏面印刷画面には、テンプレート領域21と、ボタン62~65とが表示されている。
【0203】
ユーザが、ボタン62を押下すると(S432でYES)、表示制御部230は裏面画像データを指定するための画面を表示し、ユーザが裏面画像データを指定する(S433)。
【0204】
裏面画像データ送信部222は、指定された裏面画像データをグッズ注文支援装置100に送信し、裏面画像データ取得部128が、裏面画像データを受信する(S434)。
【0205】
裏面印刷画像データ作成部130は、裏面画像データ取得部128が受信した裏面画像データに基づいて、テンプレート領域21上に裏面画像データが印刷された裏面印刷画像データを作成する(S435)。例えば、裏面印刷画像データ作成部130は、テンプレート領域21上で原画像データの中心位置を左右反転させた位置と、裏面画像データの中心位置とを一致させて、テンプレート領域21上に裏面画像データを配置することにより、裏面印刷画像データを作成する。
【0206】
データ送信部109は、作成された裏面印刷画像データを端末装置200に送信し、データ受信部228は、裏面印刷画像データを受信する(S436)。
【0207】
表示制御部230は、受信した裏面印刷画像データをテンプレート領域21の位置に表示することにより、裏面印刷画面を更新する(S437)。
【0208】
ユーザがボタン63を押下すると(S438でYES)、指示送信部226は、原画像データを利用して裏面印刷画像データを作成させる指示をグッズ注文支援装置100に送信し、指示受信部134が当該指示を受信する(S439)。
【0209】
裏面画像データ取得部128は、指示受信部134が受信した指示に従って、原画像データを左右反転させた画像データを作成し、作成した画像データを裏面画像データとして取得する(S440)。
【0210】
裏面印刷画像データ作成部130は、テンプレート領域21上で原画像データの中心位置を左右反転させた位置と、裏面画像データの中心位置とが一致するように、テンプレート領域21上に裏面画像データを配置することにより、裏面印刷画像データを作成する(S441)。
【0211】
データ送信部109は、作成された裏面印刷画像データを端末装置200に送信し、データ受信部228は、裏面印刷画像データを受信する(S442)。
【0212】
表示制御部230は、受信した裏面印刷画像データをテンプレート領域21の位置に表示することにより、裏面印刷画面を更新する(S443)。
【0213】
ユーザがボタン64を押下すると(S444でYES)、表示制御部230は、テキストデータを入力するための画面を表示し、ユーザがテキストデータを入力する(S445
)。
【0214】
テキストデータ送信部224は、入力されたテキストデータをグッズ注文支援装置100に送信し、テキストデータ受信部132がテキストデータを受信する(S446)。
【0215】
裏面印刷画像データ作成部130は、テンプレート領域21上で原画像データの中心位置を左右反転させた位置と、テキストデータの中心位置とが一致するように、テンプレート領域21上にテキストデータを配置することにより、裏面印刷画像データを作成する(S447)。
【0216】
データ送信部109は、作成された裏面印刷画像データを端末装置200に送信し、データ受信部228は、裏面印刷画像データを受信する(S448)。
【0217】
表示制御部230は、受信した裏面印刷画像データをテンプレート領域21の位置に表示することにより、裏面印刷画面を更新する(S449)。
【0218】
ユーザがボタン65を押下すると(S450でYES)、指示送信部226は、グッズ注文支援装置100にデータの保存指示を送信し、指示受信部134は保存指示を受信する(S451)。
【0219】
裏面印刷画像データ作成部130は、指示受信部134が受信した保存指示に基づいて、裏面印刷画像データを記憶装置138に保存する(S452)。
【0220】
[8.グッズ発注処理について]
図30は、グッズ発注処理(図15のS9)の詳細を示すシーケンス図である。
【0221】
表示制御部230は、表示部の画面にグッズ発注画面を表示する(S461)。グッズ発注画面には、発注するグッズの個数を入力する欄と、発注ボタンとが表示される。
【0222】
ユーザがグッズの個数を入力すると(S462でYES)、発注部232は個数データをグッズ注文支援装置100に送信し、受注部136は個数データを受信する(S463)。
【0223】
ユーザが発注ボタンを押下すると(S464でYES)、発注部232は発注指示をグッズ注文支援装置100に送信し、受注部136は発注指示を受信する(S465)。
【0224】
受注部136は、発注指示に基づいて、製造部門に対して注文内容を通知するなどの受注処理を実行する(S466)。
【0225】
[9.実施の形態の効果]
以上説明したように、本発明の実施の形態によると、端末装置200から受信した原画像データに基づいて、印刷画像データ及びカットパスが作成され、印刷画像データ及びカットパスを示すデータが端末装置200に送信される。このため、端末装置200は、これらのデータを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置200のユーザは、事前に原画像データに対してとのようなカットパスが設定されるかを知ることができる。これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。特に、輪郭の拡張線を輪郭に基づいて縮退する処理を実行することによりカットパスを決定している。輪郭を拡張してから縮退することにより、複雑な輪郭を単純化することができるため、カットパスを構成する曲線のなす角が急峻となるのを防止することができる。また、輪郭に基づいて拡張線を縮退していることより、輪郭の外側にカットパスを設定することができる。このため、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。よって、適切なカットパスを決定することができる。
【0226】
カットパスの第1候補線及び第2候補線は、それぞれ、輪郭を単純化したものであり、輪郭の外側に設定される。また、第1候補線は、輪郭の凸方よりもさらに内側に凹んだ形状を有する。この凹み度合いは第1オフセット量で調整することができる。一方、第2候補線は、縮退線を所定の距離だけ再拡張したものであり、第2オフセット量により輪郭の突出度合いを調整することができる。カットパスは、第1オフセット量で凸方からの凹み度合いを調整された第1候補線と、第2オフセット量で輪郭からの突出度合いが調整された第2候補線を重ね合わせることにより生成されるため、輪郭を単純化されるとともに、カットパスによって原画像データが欠損することが無くなる。また、第1オフセット量及び第2オフセット量により上記した凹み度合いと突出度合いを独立に調整可能であり、ユーザの好みに応じたカットパスを決定することができる。
【0227】
また、第2オフセット量は第1オフセット量よりも小さい。第1オフセット量と第2オフセット量とが同じ場合には、第2候補線は第1候補線を所定の距離だけ再拡張したものになるため、第2候補線とカットパスとが等しくなってしまう。これに対して、第2オフセット量を第1オフセット量よりも小さく設定することにより、輪郭の凸方よりも凹んだ部分においては第1候補線がカットパスとされ、それ以外の部分においては第2候補線がカットパスとされやすくなり、2つの候補線を合成したカットパスを生成することができる。
【0228】
また、端末装置200から拡張度データを指定することにより、拡張度データに基づいてカットパスが拡張される。また、カットパスを示すデータが端末装置200に送信される。このため、ユーザは、印刷画像データ及び拡張度が変更されたカットパスを確認することができる。このように、ユーザは、印刷画像データ及びカットパスを確認しながら、最良の拡張度を指定することができる。よって、グッズ製作の失敗を極力少なくすることができ、低コストかつ短時間でグッズを製作することができる。
【0229】
また、端末装置200からしきい値を指定することにより、しきい値に基づいて二値化画像データが作成され、二値化画像データに基づいて印刷画像データの輪郭が決定される。さらに、決定された輪郭に基づいてカットパスが決定され、決定されたカットパスを示すデータが端末装置200に送信される。このため、ユーザは、印刷画像データ及び印刷画像データの輪郭が変更されたカットパスを確認することができる。このように、ユーザは、印刷画像データ及びカットパスを確認しながら、最良の印刷画像データの輪郭を指定することができる。よって、グッズ製作の失敗を極力少なくすることができ、低コストかつ短時間でグッズを製作することができる。
【0230】
また、端末装置200からしきい値を指定することにより、ホワイト印刷領域が決定され、ホワイト印刷領域を示すデータが端末装置200に送信される。このため、端末装置200は、このデータを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置200のユーザは、ホワイト印刷領域を知ることができる。このように、ユーザは、ホワイト印刷領域を確認しながら、最良のしきい値を指定することができる。よって、グッズ製作の失敗を極力少なくすることができ、低コストかつ短時間でグッズを製作することができる。
【0231】
また、端末装置200から送信される孔の位置データ(孔の移動量データ)に基づいてカットパスが決定される。このため、ユーザは、カットパスを確認しながら、最適な孔の位置を指定することができる。よって、グッズ製作の失敗を極力少なくすることができ、低コストかつ短時間でグッズを製作することができる。
【0232】
また、裏面画像データに基づいて、裏面印刷画像データが作成され、作成された裏面印刷画像データが端末装置200に送信される。このため、端末装置200は、裏面印刷画像データを画面に表示することができる。よって、グッズの依頼者である端末装置200のユーザは、所定色の印刷面上にどのように裏面画像データが印刷されるかを確認することができる。これにより、ユーザは、容易にグッズの入稿データを作成することができ、グッズの完成予定イメージを事前に知ることができる。
【0233】
なお、裏面画像データは、原画像データを左右反転させることで作成される。このため、ユーザが裏面画像データを用意しなくても、原画像データから裏面画像データを生成することができる。
【0234】
また、印刷画像データの解像度が低すぎるような場合には、端末装置200に解像度が不足していることを示す評価結果情報を送信することができ、ユーザは、解像度が不足していることを知ることができる。このような場合に、ユーザは、原画像データを高解像なものに差し替えたり、原画像データの縮尺率が変更可能な場合には縮尺率を変更したりすることにより、解像度が不足しないようにすることができる。よって、グッズ製作の失敗を極力少なくすることができ、低コストかつ短時間でグッズを製作することができる。
【0235】
[10.変形例]
上述の実施の形態では、画像データが印刷される基板を透過性を有するアクリル板としたが、基板は、必ずしも透過性を有していなくてもよい。例えば、基板は、中密度繊維板であってもよい。このように、透過性を有しない基板上には、ホワイト面が印刷され、その上に印刷画像データが印刷される。
【0236】
また、上述の実施の形態では、ホワイトの印刷面上に裏面印刷画像データとしてテキストデータを印刷することとしたが、テキストデータをアクリル板に印刷し、その上から、印刷画像データまたはホワイト面を印刷するようにしてもよい。こうすることにより、表面にテキストデータが印字されたグッズを製作することができる。
【0237】
なお、実際のグッズの製作工程においては、基板上にプライマーと呼ばれる下塗り塗装が行われ、その上に、印刷画像データが印刷される。プライマーの領域は、グッズメーカーにより決定されるのが一般的である。ただし、ホワイト印刷領域と同様に、ユーザが決定するものであってもよい。
【0238】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0239】
本発明は、キーホルダー、アクセサリー雑貨、装飾品などのグッズを発注するシステム等に用いると有益である。
【符号の説明】
【0240】
10 グッズ注文支援システム
20 インターネット
21 テンプレート領域
22、24、30~33、36、51、52、62~65 ボタン
23 印刷画像データ
25 カットパス
29、35 メニュー
34、41~45 スライダー
37A 孔
37B 孔周囲領域
38 評価結果
50 ホワイト印刷領域
100 グッズ注文支援装置
102 通信I/F部
104 原画像データ受信部
106 印刷画像データ作成部
108 カットパス決定部
109 データ送信部
110 拡張度データ受信部
112 しきい値受信部
116 縮尺率データ受信部
118 移動量データ受信部
120 回転量データ受信部
122 孔位置データ受信部
124 印刷品質評価部
126 ホワイト印刷領域決定部
128 裏面画像データ取得部
130 裏面印刷画像データ作成部
132 テキストデータ受信部
134 指示受信部
136 受注部
138 記憶装置
200 端末装置
201 入力I/F部
202 通信I/F部
204 原画像データ送信部
206 拡張度データ送信部
208 しきい値送信部
212 縮尺率データ送信部
214 移動量データ送信部
216 回転量データ送信部
218 孔位置データ送信部
220 二値化画像データ送信部
222 裏面画像データ送信部
224 テキストデータ送信部
226 指示送信部
228 データ受信部
230 表示制御部
232 発注部
234 記憶装置
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