(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ブロックオブジェクトの設計図を生成する方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2668 20110101AFI20240411BHJP
H04N 21/2743 20110101ALI20240411BHJP
A63H 33/04 20060101ALI20240411BHJP
G09B 19/22 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H04N21/2668
H04N21/2743
A63H33/04 Z
G09B19/22
(21)【出願番号】P 2023129649
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-09-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522020232
【氏名又は名称】株式会社G-ant
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【氏名又は名称】影山 剛士
(72)【発明者】
【氏名】平川 彰悟
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-043130(JP,A)
【文献】特開2003-005818(JP,A)
【文献】特開2002-259500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
A63H 33/04
G09B 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトの組み立て方法を配信する配信者の配信者端末及び前記ブロックオブジェクトを組み立てるユーザのユーザ端末と、ネットワークを介して接続されるサーバ端末の処理部によって実行される、前記ブロックオブジェクトの組み立て動画をリアルタイム配信する方法であって、
前記サーバ端末の処理部は、
前記配信者端末から、前記ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報にアクセスする要求を受け付け、
前記配信者端末に、前記設計図情報を送信し、少なくとも、前記配信者端末に前記設計図情報を表示させ、
前記配信者端末から、前記ブロックオブジェクトを組み立てるための動画を配信する要求を受け付け、
前記配信者による動画配信処理を実行する、方法。
【請求項2】
前記設計図情報を前記動画において画面共有する処理を実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配信者端末から、前記設計図情報を更新する要求を受け付け、前記更新する要求に基づいて、前記設計図情報を更新する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ端末から、前記動画配信へのアクセス要求を受け付け、前記動画を配信する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックオブジェクトを推奨する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、レゴブリックのようなブロックパーツを使って動物、建物、乗り物等のブロックオブジェクトモデルを組み立てる玩具が普及している。
【0003】
例えば、特許文献1において、ブロックオブジェクトを構成するブロックパーツの設計を効率化させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術によって、ブロックパーツの設計の効率化及び可視化を実現することは可能なものの、ユーザ視点に立って、ブロックオブジェクトを組み立てるイメージを可視化する方法を実現する方法は開示されていない。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザがブロックパーツを使ってブロックオブジェクトを組み立てやすくする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトブロックオブジェクトの組み立て方法を配信する配信者の配信者端末及び前記ブロックオブジェクトを組み立てるユーザのユーザ端末と、ネットワークを介して接続されるサーバ端末の処理部によって実行される、前記ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法であって、前記サーバ端末の処理部は、前記配信者端末から、前記ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報にアクセスする要求を受け付け、前記配信者端末に、前記設計図情報を送信し、前記配信者端末から、前記ブロックオブジェクトを組み立てるための動画を配信する要求を受け付け、前記配信者による動画配信を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがブロックパーツを使ってブロックオブジェクトを組み立てやすくする方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトを推奨する方法を提供するシステムを示すブロック構成図である。
【
図2】
図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】
図1のセンサ装置300を示す機能ブロック構成図である。
【
図5】サーバ100に格納されるオブジェクトモデル情報の一例を示す図である。
【
図6】サーバ100に格納されるブロックパーツ情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法の詳細を示すフローチャートの一例である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法の詳細を示すフローチャートの他の一例である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される、動画配信画面の一例である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される、動画配信画面の他の一例である。
【
図11】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される、動画配信画面のさらに他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法を提供するシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトブロックオブジェクトの組み立て方法を配信する配信者の配信者端末200Aと、ブロックオブジェクトを組み立てるユーザのユーザ端末200Bと、配信者端末200Aに接続するセンサ装置300と、配信者端末200A及びユーザ端末200Bとネットワークを介して接続し、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報を格納し、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信するサーバ端末100と、で構成される。ここで、システム1の構成として、動画配信を実行するサーバは、サーバ端末100とは別に動画配信端末を設けてもよい。また、配信者端末200A、ユーザ端末200Bは、単数として説明するが、複数の配信者、ユーザの各々に対応する端末を別途備えてもよい。
【0012】
ここで、複数のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトの例として、本実施形態において、キャラクタに扮した配信者による、いわゆるVtuberによる動画配信を想定しており、キャラクタをモチーフにしたオブジェクトを例として説明するが、他に、他のキャラクタ、人、ロボット、乗り物、食べ物及び建物等が挙げられ、一つの例に限定されない。
【0013】
サーバ端末100、配信者端末200A及びユーザ端末200Bは各々、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0014】
サーバ端末100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0015】
配信者端末200A、ユーザ端末200Bは、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0016】
また、センサ装置300は、例えば、配信者端末200Aを操作するマウスのような装置であり、ブロックパーツを載置可能な土台及び土台の座標情報を生成可能な加速度センサ等のセンサを備え、配信者端末200AとBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により接続し、ペアリングされる。ここで、センサ装置300に替えて、ブロックパーツに加速度センサを貼付等により取り付けることとしてもよい、
【0017】
図2は、
図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0018】
通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0019】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、オブジェクトモデルに関連する情報等を格納する、オブジェクトモデル情報格納部121、及びオブジェクトモデルを基に生成されたブロックパーツ情報等を格納する、ブロックパーツ情報格納部122を有する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0020】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、配信者端末200A、ユーザ端末200Bからの指示等の情報を受け付ける情報受付部131、オブジェクトモデルに関連する各種情報を参照し、処理する、オブジェクトモデル情報処理部132、ブロックパーツに関連する各種情報を参照し、処理するブロックパーツ情報処理部133、ブロックオブジェクトに関連する設計図情報をユーザ端末に出力させるよう送信する処理及びブロックオブジェクトの組み立て動画を配信するための処理を行う出力処理部134、及び、配信者端末200A及びユーザ端末200Bから受信したブロックパーツに関連する座標情報を解析する、座標分析部135を有する。この情報受付部131、オブジェクトモデル情報処理部132、ブロックパーツ情報処理部133、出力処理部134、及び座標分析部135は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0021】
情報受付部131は、サーバ端末100が提供し、配信者端末200A及びユーザ端末200Bにおいて、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、配信者またはユーザが、(テキストを入力したり、アイコンを押下する等して)所定の要求を行ったとき、ユーザ端末200から情報を受け付け、または、センサ装置300で生成された、ブロックパーツの座標情報を、配信者端末200A及び通信部110を介して受付ける。
【0022】
オブジェクトモデル処理部132は、オブジェクトモデルに関連する情報をオブジェクトモデル情報格納部121に格納したり、格納されたオブジェクトモデル情報を参照する処理を行う。
【0023】
ブロックパーツ情報処理部133は、ブロックパーツに関連する情報をブロックパーツ情報格納部122に格納したり、格納されたブロックパーツ情報を参照する処理を行う。
【0024】
出力処理部134は、配信者端末200Aまたはユーザ端末200Bにブロックオブジェクトに関連する設計図情報等を表示させるため、配信者端末200Aまたはユーザ端末200Bに対し必要な情報を送信する処理を行い、また、ユーザ端末200Bに対し、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信するために必要な処理を実行する。この際、出力処理部134は、記憶部120に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザインターフェースの所定の領域に配置することで、ユーザ端末200のインターフェースに表示されるために必要な画面情報を生成することができる。この画面情報生成処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0025】
座標分析部135は、センサ装置300または配信者端末200Aから取得した、ブロックパーツに関する座標情報を解析し、配信者端末200Aにブロックオブジェクトに関連する設計図情報等を表示させるに際して、表示上のブロックオブジェクトの傾きを決定する処理を行う。
【0026】
図3は、
図1の配信者端末200Aを示す機能ブロック構成図である。配信者端末200Aは、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0027】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。また、通信部210は、近距離無線通信等を介してセンサ装置300と通信を行うための通信インターフェースを備えることもできる。
【0028】
表示操作部220は、配信者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、配信者端末200Aがパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、配信者端末200Aがスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である配信者端末200Aにより実行される。
【0029】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0030】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0031】
なお、ユーザ端末200Bについても、配信者端末200Aと実質同じ構成とすることができ、説明を省略する。
【0032】
図4は、
図1のセンサ装置300を示す機能ブロック構成図である。センサ装置300は、通信部310と、加速度センサ320と、入力部330と、制御部340とを備える。
【0033】
通信部310は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。また、通信部210は、近距離無線通信等を介してユーザ端末200と通信を行うための通信インターフェースを備えることもできる。
【0034】
加速度センサ320は、ユーザがセンサ装置300に備えられる(図示しない)、ブロックパーツを載置する土台の、センサ装置300が置かれた平面に対するX軸、Y軸、Z軸方向の傾きを測定し、座標情報を生成する。なお、センサとして、加速度センサに限らず、角速度センサ等、土台の平面に対する傾きを検知可能な、他のセンサを用いることもできる。
【0035】
入力部330は、ユーザ端末200に表示される画面に対する操作を実行するための指示を入力するためのインターフェースであり、例えば、物理的なボタンや液晶画面に表示されるボタンであってもよい。
【0036】
制御部340は、(図示しない)記憶部に記憶されているプログラムを実行することにより、センサ装置300の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0037】
図5は、サーバ100に格納されるオブジェクトモデル情報の一例を示す図である。
【0038】
図5に示すオブジェクトモデル情報1000は、サーバ端末100に関連するサービス運営者または配信者端末200A及び/またはユーザ端末200Bに関連する配信者及び/またはユーザが生成したオブジェクトモデルに関連する情報等を格納する。
図4において、説明の便宜上、一オブジェクトモデル(オブジェクトID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のオブジェクトモデルの情報を格納することができる。オブジェクトモデルに関連する各種データとして、オブジェクトモデルの3Dモデルデータ、オブジェクトモデルの断面データ、また、オブジェクトモデルを組み立てるために必要な、一または複数種のブロックパーツ及び個数に関連するデータ、断面の層(レイヤー)毎に配置されるブロックパーツに関連する設計図情報等の情報を含むことができる。ここで、3Dモデルデータは、2Dモデルデータを所定の処理により3Dモデルに変換されたものとして格納することもできる。
【0039】
図6は、サーバ100に格納されるブロックパーツ情報の一例を示す図である。
【0040】
図6に示すブロックパーツ情報2000は、ブロックパーツの形状、サイズ、色及び重さに関連する情報等を格納する。
図6において、説明の便宜上、一ブロックパーツ(ID「20001」で識別されるブロックパーツ)の例を示すが、複数のブロックパーツに関連する情報を格納することができる。ブロックパーツに関連する各種データとして、例えば、ブロックオブジェクトを組み立てる部品に相当するブロックパーツに関連する(ブロックパーツの形状、サイズ、色等からなる)データを含むことができる。ここで、複数種のブロックパーツの各々は固有の色と関連づけられることができるが、これに限らない。
【0041】
図7は、本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法の詳細を示すフローチャートの一例である。
【0042】
ここで、本システム1を利用するために、配信者は、配信者端末200Aとセンサ装置300とを近距離無線通信等によりペアリングを行い、ユーザの手持ちのブロックパーツをセンサ装置300の(図示しない)土台に載置する。ここで、土台は、ブロックパーツを載置した際に嵌合できるよう、ブロックパーツを載置する面に突起部が備えられていてもよい。また、上述の通り、センサ装置300に替えて、加速度センサをブロックパーツに取り付けてもよい。
【0043】
事前の処理として、配信者は、配信者端末200Aのウェブブラウザまたは(アプリケーションをインストールする場合は)アプリケーション等を利用してサーバ端末100にアクセスする。ウェブサイトまたはアプリケーション等を介してユーザインターフェース上に所定の画面が表示される。所定の画面に表示される指示に従い、配信者は、商品として購入した、ブロックパーツが収納されたパッケージに印字されたQRコード(登録商標)等の二次元コードを、配信者端末200Aに内蔵されたカメラを起動して撮像すると、配信者端末200Aのユーザインターフェースに、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報にアクセスするためのウェブサイトのリンク情報(URL)が表示される。配信者は、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報にアクセスするため、上記リンク情報を選択操作する。
【0044】
ステップS101の処理として、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、通信部110を介して、配信者端末200Aから、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報にアクセスする要求を受け付ける。このアクセス要求には、ブロックオブジェクトを識別するIDを含むことができる。
【0045】
次に、ステップS102の処理として、サーバ端末100の制御部130のオブジェクトモデル情報処理部132は、上記アクセス要求に応じて、記憶部120のオブジェクトモデル情報格納部121に格納された設計図情報を参照し、ブロックオブジェクトを識別するIDに対応した設計図情報を特定すると、制御部130の出力処理部134は、配信者端末200Aに対し、設計図情報を送信する。
【0046】
続いて、ステップS103の処理として、配信者は、ブロックオブジェクトを組み立てる動画を配信するため、必要な情報を配信者端末200Aのユーザインターフェースを介して入力すると、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、通信部110を介して、配信者端末200Aから、動画配信要求を受け付ける。上記必要な情報としては、配信者名、組み立て対象とするブロックオブジェクトの名称、(リアルタイム配信の場合は)配信日、(既に生成及び付与されている場合は)配信URL等の情報を含むことができる。
【0047】
続いて、ステップS104の処理として、サーバ端末100の制御部130の出力処理部134は、上記要求に応じて、ブロックオブジェクトを組み立てる動画をユーザに配信するための処理を行う。当該処理として、出力処理部134は、配信者による配信がリアルタイム配信による場合は、上記受け付けた情報に基づいて、配信者名、組み立て対象とするブロックオブジェクトの名称、配信日、配信URL等の配信情報を、上記設計図情報とともに、オブジェクトモデル情報格納部121のオブジェクトモデル情報1000として格納し、ユーザ端末200Bを介して、同ブロックオブジェクトを組み立てる要求を受け付けたユーザに対し、配信情報を送信する処理を行う。ここで、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報が表示されるウェブサイトに、配信情報を表示させることもできる。
【0048】
また、出力処理部134は、上記配信情報とともに、配信者による配信が録画配信による場合は、配信者が予め撮影及び録画した、ブロックオブジェクトを組み立てる動画の録画ファイルを、設計図情報が表示されるウェブサイトまたは動画配信用ウェブサイトにアップロードする処理を行うこともできる。
【0049】
以上の処理により、ユーザは、愛聴しているVtuber等のキャラクタのブロックオブジェクトを組み立てるための商品を購入し、商品パッケージに印字されたQRコード(登録商標)にアクセスすることで、キャラクタを組み立てるための設計図情報を参照し、かつ、Vtuberによる組み立て動画配信を視聴しながら、キャラクタのブロックオブジェクトを組み立てることができる。
【0050】
図8は、本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法の詳細を示すフローチャートの他の一例である。本例においては、配信者が実際に動画配信を行う際の処理を説明する。動画配信について、サーバ端末100は、上記設定した配信情報において指定された配信日に、ユーザ端末200Bから動画配信要求を受け付けると、動画配信用アプリケーションを介して、配信者による、ブロックオブジェクトの組み立てを実演する動画を配信する。
【0051】
配信者は、ブロックオブジェクトの組み立て方法を説明するための補助として、配信者端末200Aにおいて起動された動画配信用のアプリケーションにおいて、ブロックオブジェクトの設計図を画面共有する要求する機能を選択する。ステップS201の処理として、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、通信部110を介して、配信者端末200Aから、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報を画面共有する要求を受け付ける。
【0052】
続いて、ステップS202の処理として、サーバ端末100の制御部130のオブジェクトモデル情報処理部132は、上記共有要求に応じて、記憶部120のオブジェクトモデル情報格納部121に格納された設計図情報を参照し、ブロックオブジェクトを識別するIDに対応した設計図情報を特定する。ここで、設計図情報を特定するために、配信者が画面共有要求に際して、ブロックオブジェクトの名称または識別用IDを入力することで、オブジェクトモデル情報処理部132は、対応する設計図情報を参照し、特定することもできるが、上記ステップS102の処理において、配信者が、設計図情報に既にアクセスしており、設計図情報が、配信者端末200Aに表示されている場合は、配信者は、動画配信用アプリケーションにおいて、画面共有機能を選択し、設計図情報が表示されたウィンドウ画面または配信者端末200Aの全画面を選択することで、画面情報として設計図情報を特定することもできる。
【0053】
続いて、ステップS203の処理として、サーバ端末100の制御部130の出力処理部134は、上記特定した設計図情報を、動画配信用アプリケーションの画面共有用画面を介して、ユーザ端末200Bに対して送信する。これにより、配信者は、ユーザ端末200に対して、ブロックオブジェクトを組み立てながら、設計図情報を共有することができる。
【0054】
図9に示すように、ユーザ端末200Bに表示される動画配信用アプリケーションの画面1000は、少なくとも、ブロックオブジェクトの組み立てを行う配信者(または配信者が扮するキャラクタ)が表示される、配信者画面表示領域1010と、ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報が表示される、設計図情報表示領域1020で構成される。
【0055】
また、配信者は、配信者端末200Aと近距離無線通信等によりペアリングされたセンサ装置300に回転機構を介して備えられた土台にブロックパーツを載置し、土台を回転させたり、傾けたりしながら、組み立てをブロックオブジェクトの組み立てを行うこともできる。土台を傾けたり、回転させたりすることに応じて、センサ装置300に内蔵された加速度センサ320が、センサ装置300が置かれた、テーブル台等の地面に対する土台の傾きや回転に応じた座標(地面に対するX軸、Y軸、Z軸方向の土台の位置情報)検知し、座標情報を生成する。センサ装置300は、生成された座標情報を、近距離無線通信等を介して、配信者端末200Aに送信し、サーバ端末100は、配信者端末200Aから、ネットワーク及び通信部110を介して、センサ装置300で生成された座標情報を受信すると、サーバ端末100の制御部130の座標分析部135は、受信された座標情報を分析し、配信者端末200Aにブロックオブジェクトの設計図として表示される、設計図情報表示領域1020の3D空間内における、ブロックパーツで構成されるオブジェクトモデルの座標情報に変換する。サーバ端末100の制御部130の出力処理部134は、分析された座標情報を基に、配信者端末200Aに表示させる設計図情報として、設計図情報表示領域1020にオブジェクトモデルの配置することで画面情報を生成することで、出力処理を行う。
【0056】
図10は、設計図情報表示領域1020に表示される、オブジェクトモデルの一例である。配信者は、センサ装置300に載置されたブロックオブジェクトの傾きに応じた設計図情報を、
図10(a)のように、ブロックオブジェクトを正面に見た姿から、
図10(b)のようにブロックオブジェクトを傾けた姿に対応するように、配信者端末200A上で参照しながら、容易にブロックオブジェクトの組み立てを行うことができ、ユーザの側に立っても、配信者がブロックオブジェクトの組み立ての実演を行うなかで、従来静止画でしか参照できなかった設計図情報を、本例のように、配信者の動きに連動した動的な形態で、設計図情報としてのブロックオブジェクトが表示されるため、臨場感を享受しつつ、ブロックオブジェクトの組み立てを容易に行うことができる。また、配信者端末200は、(図示しない)カメラを備えてもよく、この場合、カメラは、ブロックパーツに備えられるARマーカを撮像することで、ブロックパーツの(形状、色等によって決定される)種類等を識別し、対応する設計図情報を画面共有するとともに、拡張現実(AR)空間における座標を決定することができ、これにより、ブロックオブジェクトの傾きを判定し、傾きに応じた設計図情報を共有することもできる。
【0057】
さらに、配信者は、センサ装置300に備えられた入力部330(例えば、マウスのクリックボタンを操作したり、スマートフォン上でタップ操作を行うことで)を操作し、配信者端末200Aに表示された設計図情報において、ブロックオブジェクトを更新要求を行なうことで、サーバ端末100の制御部130のオブジェクトモデル処理部132は、設計図情報を参照し、対応する設計図情報を参照し、出力処理部134は、更新された設計図情報として、配信者端末200Aに表示させる処理を行うこともできる。
【0058】
例えば、
図11に示すように、配信者端末200Aの動画配信用アプリケーションのユーザインターフェース画面において、ブロックオブジェクトの設計図情報が設計図表示領域1020に表示され、配信者は、
図11(a)に表示されるオブジェクトモデルの設計図に倣ってブロックパーツの組み立てを行い、ブロックパーツの組み立て開始(START)から組み立て完了(GOAL)までの設計図情報の表示ガイド用ゲージ1021の設計図情報指示ボタン1022によって任意の地点を指定することで、ブロックオブジェクトの組み立て途中における所望の状態の設計図情報の更新要求を行なうことができ、
図11(b)に示すように、出力処理部134は、要求に応じた設計図情報を出力することができる。設計図情報は、動画配信用アプリケーションを介して、動画配信を視聴するユーザに対して共有されるので、ユーザは、配信者がブロックオブジェクトの組み立て配信を視聴しながら、従来静止画でしか参照できなかった設計図情報を、本例のように、動的に、組み立ての進捗に応じた設計図情報を参照することができ、臨場感を享受しつつ、ブロックオブジェクトの組み立てを容易に行うことができる。
【0059】
以上、発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。例えば、本例においては、配信者が、配信者端末200を介して、所定のブロックオブジェクトの組み立て方法を、設計図情報を共有しながら配信する例を説明したが、本実施形態の本質を逸脱しない範囲であれば、Vtuber等の配信者でなくとも、ユーザ同士で、組み立て方法を共有する例にも適用し得る。
【符号の説明】
【0060】
1 システム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 配信者端末(ユーザ端末)、300 センサ装置、NW ネットワーク
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザがブロックパーツを使ってブロックオブジェクトを組み立てやすくする方法を提供する。
【解決手段】複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトブロックオブジェクトの組み立て方法を配信する配信者の配信者端末及び前記ブロックオブジェクトを組み立てるユーザのユーザ端末と、ネットワークを介して接続されるサーバ端末の処理部によって実行される、前記ブロックオブジェクトの組み立て動画を配信する方法であって、前記サーバ端末の処理部は、前記配信者端末から、前記ブロックオブジェクトを組み立てるための設計図情報にアクセスする要求を受け付け、前記配信者端末に、前記設計図情報を送信し、前記配信者端末から、前記ブロックオブジェクトを組み立てるための動画を配信する要求を受け付け、前記配信者による動画配信を実行する。
【選択図】
図7