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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】シート状素材の接合方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B29C65/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019124196
(22)【出願日】2019-07-03
(65)【公開番号】P2021008093
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】白石 典久
(72)【発明者】
【氏名】飯島 隆彰
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-047066(JP,A)
【文献】特開平10-071685(JP,A)
【文献】特開昭59-066474(JP,A)
【文献】特開昭54-076635(JP,A)
【文献】特開平06-344448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
A41H 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性を有する接着性芯地を挟んだ熱可塑性を有さない二枚のシート状素材を超音波によって溶断する溶断工程と、
溶断端部を前記接着性芯地によって接ぎ合わされた二枚の前記シート状素材を開き、二枚の当該シート状素材を前記溶断端部で跨ぐように前記接着性芯地の反対側に補強テープを溶着する溶着工程と、
前記溶着工程の後に、前記補強テープが溶着された二枚の前記シート状素材から前記接着性芯地を除去する除去工程とを備えることを特徴とするシート状素材の接合方法。
【請求項2】
前記溶着工程において、開かれた二枚の前記シート状素材に対して、両面側から加熱し、前記接着性芯地側は当該接着性芯地の溶融温度よりも低温で加熱することを特徴とする請求項1に記載のシート状素材の接合方法。
【請求項3】
前記溶断工程において、
前記シート状素材又は前記接着性芯地の厚さ又は材料に応じて、前記溶断を行う工具の接触圧力、超音波振動周波数又は当該工具と前記シート状素材の相対的な送り速度を変更調節することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状素材の接合方法。
【請求項4】
前記除去工程は、前記接着性芯地を溶かす液体の洗浄により当該接着性芯地を除去することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシート状素材の接合方法。
【請求項5】
前記接着性芯地は水溶性であり、前記液体は水であることを特徴とする請求項4に記載のシート状素材の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無縫製のシート状素材の接合方法及び接合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
布地等のシート状素材を接ぎ合わせる接合方法として、従来は、超音波溶断装置を利用する方法が挙げられる。この接合方法は、熱可塑性樹脂からなる二枚のシート状素材を重ね合わせて超音波溶断装置で切断を行うと、二枚のシート状素材の切断端部が熱溶着されることを利用している。
しかしながら、この接合方法では、接合の対象が熱可塑性樹脂に限られてしまう。このため、熱可塑性樹脂ではない二枚のシート状素材の接合を行うために、これらのシート状素材に接着性芯地を挟み込んで超音波溶断装置で溶断を行い、接着性芯地が溶けてシート状素材に染み込むことでこれらを仮止めし、接着性芯地の溶けていない部分を除去してから二枚のシート状素材に跨がる補強テープを溶着させる接合方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5244052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の接合方法では、二枚のシート状素材に接着性芯地を挟み込んで溶断により仮止めし、接着性芯地の溶けていない部分を除去してから補強テープを溶着しているので、補強テープ溶着前に素材が分離したり、大きく隙間が生じてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、安定的に接合を行うことが可能な接合方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、シート状素材の接合方法において、
熱可塑性を有する接着性芯地を挟んだ熱可塑性を有さない二枚のシート状素材を超音波によって溶断する溶断工程と、
溶断端部を前記接着性芯地によって接ぎ合わされた二枚の前記シート状素材を開き、二枚の当該シート状素材を前記溶断端部で跨ぐように前記接着性芯地の反対側に補強テープを溶着する溶着工程と、
前記溶着工程の後に、前記補強テープが溶着された二枚の前記シート状素材から前記接着性芯地を除去する除去工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のシート状素材の接合方法において、
前記溶着工程において、開かれた二枚の前記シート状素材に対して、両面側から加熱し、前記接着性芯地側は当該接着性芯地の溶融温度よりも低温で加熱することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のシート状素材の接合方法において、
前記溶断工程において、
前記シート状素材又は前記接着性芯地の厚さ又は材料に応じて、前記溶断を行う工具の接触圧力、超音波振動周波数又は当該工具と前記シート状素材の相対的な送り速度を変更調節することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のシート状素材の接合方法において、
前記除去工程は、前記接着性芯地を溶かす液体の洗浄により当該接着性芯地を除去することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のシート状素材の接合方法において、
前記接着性芯地は水溶性であり、前記液体は水であることを特徴とする。
【0011】
発明は、シート状素材の接合システムにおいて、
熱可塑性を有する接着性芯地を挟んだ熱可塑性を有さない二枚のシート状素材を超音波によって溶断する溶断装置と、
前記接着性芯地によって接ぎ合わされた溶断端部を軸として開かれた二枚の前記シート状素材を、前記溶断端部で跨ぐように前記接着性芯地の反対側に補強テープを溶着する溶着装置とを備える構成としてもよい。
【0012】
発明は、上記シート状素材の接合システムにおいて、
前記溶着装置は、開かれた二枚の前記シート状素材に対して、前記補強テープ側を加熱する第一加熱部と、前記接着性芯地側を加熱する第二加熱部を備え、
前記第二加熱部は、前記第一加熱部よりも低温で加熱する構成としてもよい。
【0013】
発明は、上記シート状素材の接合システムにおいて、
前記溶断装置は、
前記溶断を行う工具の接触圧力、超音波振動周波数又は当該工具と前記シート状素材の相対的な送り速度を変更調節可能とする構成としてもよい。
【0014】
発明は、上記シート状素材の接合システムにおいて、
前記補強テープが溶着された二枚の前記シート状素材から前記接着性芯地を除去する除去装置を備える構成としてもよい。
【0015】
発明は、上記シート状素材の接合システムにおいて、
前記除去装置は、前記接着性芯地を溶かす液体の洗浄により当該接着性芯地を除去する構成としてもよい。
【0016】
発明は、上記シート状素材の接合システムにおいて、
前記接着性芯地は水溶性であり、前記液体は水としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、溶断工程と溶着工程と除去工程とにより二枚のシート状素材を接合しているので、シート状素材が熱可塑性を有さない素材である場合でも、縫製によることなく、縫い目のない接合を良好に行うことが可能となる。
また、補強テープが溶着された後に、二枚のシート状素材から接着性芯地を除去するので、接着性芯地による仮止めの強度を維持したまま接合作業を行うことができ、二枚のシート状素材の隙間の発生や接合不良の抑制を図り、良好な接合を行うことが可能となる。
また、接合システムが溶断工程を実施する溶断装置と、溶着工程を実施する溶着装置とを備える構成の場合には、上記接合作業を容易且つ効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1(A)~図1(C)はシート状素材の接合方法を工程順に示した説明図である。
図2図2(A)~図2(D)は図1(C)に続くシート状素材の接合方法を工程順に示した説明図である。
図3】溶断装置の概略的な構成を示す側面図である。
図4】溶断装置の溶断箇所の周辺の斜視図である。
図5】溶断装置の溶断箇所の周辺の正面図である。
図6】溶断装置の制御系を示すブロック図である。
図7】溶着装置の概略的な構成を示す斜視図である。
図8】溶着装置の溶着箇所の周辺の斜視図である。
図9】溶着装置の制御系を示すブロック図である。
図10】除去装置の概略的な構成を示す側面図である。
図11】他の除去装置の概略的な構成を示す側面図である。
図12】さらに他の除去装置の概略的な構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態であるシート状素材としての衣料素材の接合方法について図1乃至図10に基づいて詳細に説明する。図1(A)~図2(D)は衣料素材の接合方法を工程順に示した説明図である。
この接合方法では、衣料素材として、熱可塑性を有する素材も接合することができるが、熱可塑性を有さない素材、例えば、天然繊維全般、天然繊維の含有率が高い素材(例えば50%を超える)、耐熱性繊維、難燃性繊維、皮革、人工皮革等のように、超音波加工では熱溶着できない素材も接合することができる。
【0020】
上記接合方法は、熱可塑性を有する接着性芯地Wを挟んだ二枚の衣料素材Cを超音波によって溶断する溶断工程(図1(A)~図1(C))と、溶断端部C1を接着性芯地Wによって接ぎ合わされた二枚の衣料素材Cを開き、二枚の当該衣料素材Cを溶断端部C1で跨ぐように接着性芯地の反対側に補強テープTを溶着する溶着工程(図2(A)~図2(B))と、補強テープTの溶着後に二枚の衣料素材Cの溶断端部C1から接着性芯地Wを除去する除去工程(図2(C)又は図2(D))とを有する。
また、上記接合方法は、溶断工程を実行する溶断装置20と、溶着工程を実行する溶着装置30とを備える接合システムにより実施される。
以下、接合方法の各工程について詳細に説明する。
【0021】
[溶断工程]
溶断工程では、まず、図1(A)に示すように、二枚の衣料素材Cを重ね合わせると共に、互いに接合させる位置に、衣料素材Cの間に接着性芯地Wを介挿する。
接着性芯地Wは、熱により溶解し易い熱可塑性樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン(AS)、ポリメチルメタアクリル、ポリビニールアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、或いは、これらの樹脂成分を一部に含む化合物やこれら樹脂成分に添加物を加えた成分、その他の熱可塑性材料等からなるシート状又はテープ状の部材である。
接着性芯地Wは、二枚の衣料素材Cの間に広く介挿させてもよいが、溶断を行う部位のみに介在するように幅の狭いテープ状として介挿させてもよい。
【0022】
そして、図1(B)に示すように、接着性芯地Wが介挿された二枚の衣料素材Cに対して、超音波振動を用いる溶断装置20により溶断を行う。ここでは、対象物を超音波振動と加圧力によって切断すると共に切断端部(溶断端部ともいう)を同時的に溶融させて接合する。
この場合、二枚の衣料素材C及び接着性芯地Wが切断され、図1(C)に示すように、接着性芯地Wのみが溶融して接着剤のように機能して二枚の衣料素材Cの溶断端部C1を接合する。即ち、例えば、衣料素材Cが繊維質であれば、溶融した接着性芯地Wが繊維の隙間にまで入り込んで接合する。また、衣料素材Cが非繊維質である場合には、溶融した接着性芯地Wの粘着性、接着性により接合する。
なお、溶断は、後述する溶断装置20の送り方向に沿った直線状に又は緩やかな曲線状に行われる。
【0023】
ここで溶断装置20について説明する。図3は溶断装置20の概略的な構成を示す側面図、図4は溶断箇所の周辺の斜視図、図5は溶断箇所の周辺の正面図、図6は溶断装置20の制御系を示すブロック図である。
これらの図に示すように、溶断装置20は、下側から重ねられた二枚の衣料素材C及び接着性芯地W(以下、重合状態の衣料素材Cという)を一定方向に送る一対の下ローラ21と、一対の下ローラ21の間で共に回転を行う円形メス22と、一対の下ローラ21と協働して重合状態の衣料素材Cを一定方向に送る一対の上ローラ23と、衣料素材Cに対して超音波振動を加える超音波振動発生器24と、超音波振動発生器24の昇降機構25と、溶断装置20の各部の制御を行う制御装置26を備えている。
【0024】
超音波振動発生器24は、超音波振動の周波数に応じたパルス電圧を生じる発振器244と、発振器244からのパルス電圧の印加を受けて超音波振動周波数の機械的振動発生する振動子241と、振動子241からの超音波振動を増幅させるコーン242と、さらに超音波振動を増幅させるホーン243とを備えている。
【0025】
発振器244は、例えば、16~40kHzの高周波のパルス電圧を振動子241に印加する。発振器244は、電源回路244aを介して制御装置26に接続されており、発振周波数を任意に制御することが可能である。
振動子241は、ピエゾ素子を用いたいわゆるボルト締めランジュバン型振動子である。
コーン242は、先端部が下方に向けられており、当該先端部に向かって振幅を増幅する。
ホーン243は、コーン242の先端部に設けられている。ホーン243の先端部も下方に向けられており、当該先端部に向かって振幅を増幅する。ホーン243の先端部は、重合状態の衣料素材Cに当接する工具となっており、当該先端部は、一対の上ローラ23の間に配置されるため、配置が容易となるように平板状に形成されている。また、ホーン243の先端部の端面は、その幅方向が重合状態の衣料素材Cの送り方向に平行であり、後述する円形メス22の先端部に当接可能な配置となっている。
【0026】
一対の下ローラ21は、互いに同心上に配置され、下送りモーター211により回転駆動が行われ、その外周面が衣料素材Cに下から接して規定の方向に送ることができる。
従って、一対の下ローラ21の外周面は、衣料素材Cとの接触時の摩擦係数が大きい材料で形成するか、或いは、摩擦係数が大きくなる構造(ローレット加工等)が施されている。
また、下送りモーター211は、駆動回路211aを介して制御装置26に接続されており、その回転数(送り速度)を任意に制御することが可能である。
【0027】
円形メス22は、一対の下ローラ21の間に配置され、当該下ローラ21とほぼ外径が等しく、その外周部における回転中心線に沿った断面形状が半径方向外側に向かうにつれて幅が狭くなる尖鋭形状となっている。
溶断の際には、円形メス22の尖鋭となる先端部が重合状態の衣料素材Cの下側に接触しながら回転する。また、溶断の際には、重合状態の衣料素材Cを介して円形メス22の先端部の上から超音波振動発生器24のホーン243が当接して超音波振動を加えるので、重合状態の衣料素材Cの切断と溶解とが良好に行われる。
【0028】
一対の上ローラ23は、一対の下ローラ21の上方において、支持アーム231により、一対の下ローラ21と平行な回転軸を中心として回転可能に支持されている。一対の上ローラ23は上送りモーター232により、下ローラ21と送り速度が等しくなるように回転駆動が行われる。
上送りモーター232は、駆動回路232aを介して制御装置26に接続されており、その回転数(送り速度)を任意に制御することが可能である。
【0029】
また、支持アーム231は、回動動作を行うことにより一対の上ローラ23を上下動させることができ、上昇により下ローラ21に対して上ローラ23を離隔させ、下降により下ローラ21に対して上ローラ23を当接させることができる。
従って、上ローラ23を上昇させて下ローラ21と上ローラ23との間に重合状態の衣料素材Cを介挿することができ、上ローラ23を下降させて下ローラ21とで重合状態の衣料素材Cを挟むようにして送りを行うことができる。
なお、上ローラ23と下ローラ21は、共通する一つのモーターからそれぞれ動力伝達機構を介して回転駆動を行う構成としても良い。
【0030】
昇降機構25は、超音波振動発生器24に取り付けられたスライドブロック251と、スライドブロック251を上下方向に滑動可能に支持するスライドレール252と、ボールネジ機構254を介してスライドブロック251を昇降させる昇降モーター253とを備えている。
そして、昇降モーター253の駆動により、スライドブロック251を介して超音波振動発生器24は上昇すると、ホーン243の先端部が円形メス22の先端部から上方に離隔し、下降すると、ホーン243の先端部を円形メス22の先端部に当接させることができる。
昇降モーター253は、駆動回路253aを介して制御装置26に接続されており、動作量(ホーン243の高さ)を任意に制御することが可能である。
スライドブロック251には、ボールネジ機構254の図示しないボールナットがバネ材を介して内蔵されている。これにより、ホーン243の先端部が重合状態の衣料素材Cに接触する位置を基準として、基準位置からの下降量に応じて、重合状態の衣料素材Cに対するホーン243の接触圧力を制御することができる。
【0031】
制御装置26には、接合を行う作業者が、重合状態の衣料素材Cに対するホーン243の接触圧力、超音波振動発生器24の超音波振動周波数及びホーン243と重合状態の衣料素材Cの相対的な送り速度を任意に設定入力するための入力部261がインターフェイス261aを介して接続されている。
【0032】
ホーン243の接触圧力が設定された場合には、制御装置26は、昇降モーター253を接触圧力の設定値に応じた高さとなるように昇降モーター253の動作量を制御する。
また、超音波振動発生器24の超音波振動周波数が設定された場合には、制御装置26は、発振器244が設定値に応じた周波数のパルス電圧を振動子241に印加するように制御する。
また、ホーン243と重合状態の衣料素材Cの相対的な送り速度が設定された場合には、制御装置26は、下送りモーター211と上送りモーター232とが、それぞれ送り速度の設定値に応じた回転数となるように駆動制御を行う。
【0033】
これらにより、接合作業を行う作業者は、衣料素材C又は接着性芯地Wの厚さ又は材料に応じて、適正に、ホーン243の接触圧力、超音波振動周波数又はホーン243と重合状態の衣料素材Cの相対的な送り速度を変更調節することができる。
【0034】
なお、衣料素材Cと接着性芯地Wの厚さ及び材料をパラメータとして、これらを特定した場合に適正となるホーン243の接触圧力、超音波振動周波数及びホーン243と重合状態の衣料素材Cの相対的な送り速度のそれぞれの値を定めたテーブルデータを用意し、入力部261から上記パラメータが入力されると、自動的にホーン243の接触圧力、超音波振動周波数及びホーン243と重合状態の衣料素材Cの相対的な送り速度のそれぞれの値を決定して、これらに基づく溶断動作を行うように制御装置26が各部を制御する構成としても良い。
【0035】
[溶着工程]
溶着工程では、まず、図2(A)に示すように、接合された溶断端部C1を中心として一対の衣料素材Cを両側に展開して同一平面上に並べる。溶断が行われた重合状態の衣料素材Cは、衣料素材Cと接着性芯地Wとは面状に接合されず、溶断端部C1に沿って線状に接合されるので、線状の接合部分を軸として一対の衣料素材Cを開いて平面状に展開することができる。このとき、接着性芯地Wは、平面状に展開された一対の衣料素材C(以下、展開状態の衣料素材Cという)の片面側に突出した状態となる。
【0036】
そして、図2(B)に示すように、展開状態の衣料素材Cの接着性芯地Wとは反対側の面に対して、溶着装置30により溶断端部C1で跨ぐように補強テープTの溶着を行う。
補強テープTは、平面状の基材と当該基材の片面側に形成された溶着層とを有する構造である。
溶着層は、接着性芯地Wと同様、熱により溶解し易い熱可塑性樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン(AS)、ポリメチルメタアクリル、ポリビニールアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、或いは、これらの樹脂成分を一部に含む化合物やこれら樹脂成分に添加物を加えた成分、その他の熱可塑性材料等からなる。
但し、補強テープTの溶着層は、接着性芯地Wよりも溶融温度が低く、溶融時に接着性芯地Wとは混ざり合わない材料とすることが好ましい。例えば、接着性芯地Wをポリアミド系樹脂とし、補強テープTの溶着層をポリウレタン系樹脂とする等である。
また、補強テープTの基材は、溶着層よりも機械的強度が高く、溶融温度も高い材料とすることが好ましい。
【0037】
ここで溶着装置30について説明する。図7は溶着装置30の概略的な構成を示す斜視図、図8は溶着箇所の周辺の斜視図、図9は溶着装置30の制御系を示すブロック図である。
これらの図に示すように、溶着装置30は、展開状態の衣料素材Cを一定方向に送る下ベルト31と、下ベルト31を介して展開状態の衣料素材Cを加熱する第二加熱部としての下側ヒーター32と、展開状態の衣料素材Cを下ベルト31と同方向に送る上ベルト33と、上ベルト33を介して展開状態の衣料素材Cを加熱する第一加熱部としての上側ヒーター34と、上ベルト33と送りが行われる展開状態の衣料素材Cとの間に補強テープTを送り込むテープガイド35と、溶着装置30の各部の制御を行う制御装置36とを備えている。
【0038】
下ベルト31は、下搬送モーター311により駆動される図示しない主動ローラと複数の従動ローラ312に張設された無端環状ベルトであり、例えば、フッ素樹脂等の耐熱性及び耐摩耗性に優れる素材で形成されている。
主動ローラ及び複数の従動ローラ312は、支持枠体313により回転可能に支持されている。また、上部に位置する二つの従動ローラ312は、水平に並んで配置され、これらの従動ローラ312間を渡る際に下ベルト31は、展開状態の衣料素材Cに下から接してベルト搬送方向に送ることができる。
また、下搬送モーター311は、駆動回路311aを介して制御装置36に接続されており、その回転数(送り速度)を任意に制御することが可能である。
【0039】
下側ヒーター32は、下ベルト31の内側であって、上部に位置する二つの従動ローラ312の間に配置されており、展開状態の衣料素材Cを、下ベルト31を介して加熱する。
また、下側ヒーター32は、電源回路32aからの通電量に応じて加熱温度を調節可能であり、電源回路32aは制御装置36に接続されている。つまり、制御装置36によって、下側ヒーター32の加熱温度を任意に制御することが可能である。
【0040】
上ベルト33は、上搬送モーター331により駆動される図示しない主動ローラと複数の従動ローラ332に張設された無端環状ベルトであり、例えば、フッ素樹脂等の耐熱性及び耐摩耗性に優れる素材で形成されている。
主動ローラ及び複数の従動ローラ332は、支持枠体333により回転可能に支持されている。また、下部に位置する二つの従動ローラ332は、水平に並んで配置され、これらの従動ローラ332間を渡る際に上ベルト33は、展開状態の衣料素材Cに上から接してベルト搬送方向に送ることができる。
また、上搬送モーター331は、駆動回路331aを介して制御装置36に接続されており、その回転数(送り速度)を任意に制御することが可能である。
【0041】
上側ヒーター34は、上ベルト33の内側であって、下部に位置する二つの従動ローラ332の間に配置されており、展開状態の衣料素材Cを、上ベルト33を介して加熱する。
また、上側ヒーター34は、電源回路34aからの通電量に応じて加熱温度を調節可能であり、電源回路34aは制御装置36に接続されている。つまり、制御装置36によって、上側ヒーター34の加熱温度を任意に制御することが可能である。
【0042】
テープガイド35は、補強テープTの幅方向における両側端部を支持する構造である。このテープガイド35は、下部に位置する二つの従動ローラ332の内、送り方向上流側に位置する従動ローラ332に対して、さらにその上流側から補強テープTを送り出すように支持枠体313に取り付けられている。
【0043】
また、支持枠体333体が昇降可能に支持されると共に、エアシリンダー334により昇降動作が付与される。
そして、エアシリンダー334の作動により、支持枠体333と上ベルト33が上昇すると、下ベルト31から離隔して、上ベルト33と下ベルト31との間に展開状態の衣料素材Cを介挿することができ、支持枠体333と上ベルト33が下降すると、展開状態の衣料素材Cを介して下ベルト31に当接又は近接し、上ベルト33と下ベルト31との間で展開状態の衣料素材Cを加熱しながら搬送することができる。
エアシリンダー334は、電磁弁335により作動状態を切り替えることができ、当該電磁弁335は、駆動回路335aを介して制御装置36に接続されている。従って、上ベルト33の昇降動作は制御装置36により制御することができる。
【0044】
制御装置36には、接合を行う作業者が、展開状態の衣料素材Cに対する搬送速度、展開状態の衣料素材Cにおける接着性芯地W側の面の加熱温度及び展開状態の衣料素材Cにおける補強テープT側の面の加熱温度を任意に設定入力するための入力部361がインターフェイス361aを介して接続されている。
【0045】
展開状態の衣料素材Cに対する搬送速度が設定された場合には、制御装置36は、下搬送モーター311と上搬送モーター331とが、それぞれ搬送速度の設定値に応じた回転数となるように駆動制御を行う。
展開状態の衣料素材Cにおける接着性芯地W側の面の加熱温度が設定された場合には、制御装置36は、下側ヒーター32が設定された加熱温度で発熱するように電源回路32aの通電量を制御する。
展開状態の衣料素材Cにおける補強テープT側の面の加熱温度が設定された場合には、制御装置36は、上側ヒーター34が設定された加熱温度で発熱するように電源回路34aの通電量を制御する。
【0046】
ここで、溶着装置30による溶着工程では、展開状態の衣料素材Cに対して、補強テープT側を加熱する上側ヒーター34は、溶着層の溶融温度よりも高い温度で加熱するように設定し、接着性芯地W側を加熱する下側ヒーター32は、接着性芯地Wの溶融温度よりも低い温度で加熱するように設定することが好ましい。
また、制御装置36は、接着性芯地W側を加熱する下側ヒーター32よりも補強テープT側を加熱する上側ヒーター34が高い温度で加熱を行うよう制御することが好ましい。
【0047】
[除去工程]
除去工程では、図2(C)に示すように、補強テープTで二枚の衣料素材Cの溶断端部C1から接着性芯地Wを除去する。
この場合、接着性芯地Wは、作業者が手作業で引きはがしてもよい。
また、接合システムに図10に示す除去装置40を加えてもよい。
【0048】
この除去装置40は、補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cを搬送する搬送部と、搬送される一対の衣料素材Cから接着性芯地Wを除去する除去部とを備えている。
搬送部は、一対の衣料素材Cの補強テープT側から搬送する第一ローラとしての搬送ローラ41と、一対の衣料素材Cの接着性芯地W側から搬送する第二ローラとしての剥離ローラ42とを有し、これらが一対の衣料素材Cを挟んだ状態で互いに逆回転して一定方向に搬送を行う。
【0049】
除去部は、上述したように搬送を行うと共に衣料素材Cから接着性芯地Wを剥離させる剥離ローラ42と、剥離ローラ42から接着性芯地Wを掻き落とす掻き取りブレード43とを有する。
剥離ローラ42は、外周面が粘着性を有する素材或いは、凹凸が周方向に繰り返される構造或いは棘付きの構造とし、接着性芯地Wを外周面に付着させて巻き取るように構成されている。
掻き取りブレード43は、剥離ローラ42の全幅に渡って楔状となるブレード先端部が剥離ローラ42の外周面に対して回転方向に対向する向きで突き当てられている。これにより、剥離ローラ42の外周面上に付着した剥離後の接着性芯地Wを掻き取ることが可能である。
【0050】
また、剥離ローラ42に対して、搬送方向上流側には、除去前の接着性芯地Wを加熱する加熱部としての加熱ローラ44を配置しても良い。接着性芯地Wを除去前に加熱することで、衣料素材Cからの剥離を容易とし、剥離ローラ42の外周面への付着性を高めることができる。
また、加熱ローラ44と同様の効果を得るために、加熱ローラ44に替えて、剥離ローラ42内に熱源45を格納しても良い。この場合も、剥離の際に、接着性芯地Wを加熱して、剥離性と剥離ローラ42への付着性を高めることができる。
【0051】
また、除去装置としては、補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cを一定方向に搬送し、接着性芯地Wを加熱して軟化させると共にブラシで掻き取る構成としても良い。
【0052】
また、衣料素材Cの接合において、見た目による品質、風合いや肌触り、吸湿性、専ら天然素材である衣料素材Cのみで衣料に利用したい、少なくとも片面側は天然素材である衣料素材Cのみとしたい等、各種の理由により、熱可塑性材料からなる接着性芯地Wは、衣料素材Cから残らず除去したいという要請がある。
このような要請に対応するために、接着性芯地Wは、熱可塑性を有すると共に水溶性を有する素材で構成し、図2(D)に示すように、除去工程では、液体としての水に接着性芯地Wを溶かして除去しても良い。
【0053】
図11は、水溶性の接着性芯地Wを衣料素材Cから除去する除去装置40Aの概略構成図である。この場合、接合システムに図11に示す除去装置40Aを加えてもよい。
図示のように、除去装置40Aは、補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cを搬送する搬送部としての複数の搬送ローラ41Aと、各搬送ローラ41Aによる搬送経路の途中に設けられた高圧スチームを噴出する高圧洗浄ノズル42Aと、高圧スチームで接着性芯地Wが剥離した部位を洗浄する洗浄手段としてブラシ43Aと、高圧スチームによる水分を除去する温風を吹き付ける乾燥部44Aとを備えている。
これにより、搬送される補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cの接着性芯地Wに対して、高圧スチームの吹き付けを行い、高圧スチームに含まれる水分によって接着性芯地Wを溶かし、その風圧により剥離させて除去することができる。
この除去装置40Aの場合、高圧スチームに含まれる水分が接着性芯地Wを溶かすので、衣料素材Cの繊維に染み込んだ接着性芯地Wについても、溶解し、除去して、接着性芯地Wの残存を回避低減することが可能となる。
なお、高圧洗浄ノズル42Aは、補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cは、接着性芯地W側から高圧スチームを吹き付けても良いが、補強テープT側から吹き付けると、衣料素材Cを透過する高圧スチームにより接着性芯地の剥離をより促すことができる。
また、上記除去装置40Aでは、高圧洗浄ノズル42Aが高圧スチームを噴出する替わりに、高圧で常温水又は温水を吹き出す構成としても良い。
また、図11に示すように、ブラシ43A及び乾燥部44Aに替えて、又は、ブラシ43A及び乾燥部44Aと併用して吸引手段としてのバキュームノズル45Aを備える構成としても良い。バキュームノズル45Aは、ポンプ等の負圧源に接続され、これにより、接着性芯地W或いは衣料素材Cの繊維に染み込んだ接着性芯地Wの残渣を吸い取り、除去することができる。また、バキュームノズル45Aは吸引作用により、衣料素材Cから水分を吸引することも可能である。
【0054】
また、図12に示す除去装置40Bにより、水溶性の接着性芯地Wを衣料素材Cから除去しても良い。
除去装置40Bは、水を満たした水槽41Bと、水槽41B内を補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cを搬送する搬送部としての複数の搬送ローラ42Bとを備えている。
そして、テープTが溶着された一対の衣料素材Cを水槽41B内の水をくぐらせることで接着性芯地Wを溶かして除去する。
なお、この構成の場合も、接着性芯地Wが剥離した部位を洗浄する洗浄手段としてブラシ43Aと、高圧スチームによる水分を除去する温風を吹き付ける乾燥部44Aを設けてもよい。
【0055】
また、接着性芯地Wを溶かして除去することができればよいので、除去装置としては、水を満たした水槽内で、補強テープTが溶着された一対の衣料素材Cを攪拌洗浄するいわゆる洗濯機と同等の構成としても良い。
【0056】
[発明の実施形態の技術的効果]
上記実施形態では、接着性芯地Wを挟んだ二枚の衣料素材Cを超音波によって溶断する溶断工程と、二枚の衣料素材Cを開き、これらを跨ぐように接着性芯地Wの反対側に補強テープTを溶着する溶着工程と、接着性芯地Wを除去する除去工程とにより、二枚の衣料素材Cを接合しているので、衣料素材Cが熱可塑性を有さない素材である場合でも、縫製によることなく、縫い目のない接合を良好に行うことが可能となる。
また、補強テープTが溶着された後に、二枚の衣料素材Cから接着性芯地Wを除去するので、接着性芯地Wによる仮止めの強度を維持したまま除去工程までの接合作業を行うことができ、二枚の衣料素材Cの隙間の発生や接合不良の抑制を図り、良好な接合を行うことが可能となる。
また、接合システムは、上記溶断工程を実施する溶断装置20と、溶着工程を実施する溶着装置30とを備えるので、上記接合方法を容易且つ効率的に行うことが可能となる。
【0057】
また、接合方法の溶着工程において、溶着装置30により、開かれた二枚の衣料素材Cに対して、両面側から加熱し、接着性芯地W側は接着性芯地Wの溶融温度よりも低温で加熱するので、接着性芯地Wによる仮止めの強度を維持したままより良好に接合作業を行うことが可能となる。
また、溶着装置30は、二枚の衣料素材Cに対して、補強テープT側の上側ヒーター34よりも、接着性芯地W側の下側ヒーター32の加熱温度を低く設定した場合にも、接着性芯地Wによる仮止めの強度を維持したままより良好に接合作業を行うことが可能となる。
【0058】
また、接合方法の溶断工程において、衣料素材C又は接着性芯地Wの厚さ又は材料に応じて、溶断を行う工具を備えるホーン243の圧力、超音波振動周波数又は当該ホーン243と衣料素材Cの相対的な送り速度を変更調節するので、各種の衣料素材Cや接着性芯地Wに対して適正な溶断を行うことが可能となる。
また、溶断装置20は、入力部261により、溶断を行う工具を備えるホーン243の圧力、超音波振動周波数及び当該ホーン243と衣料素材Cの相対的な送り速度を設定することができ、制御装置26は、設定値に従って溶断装置20を作動させるので、各種の衣料素材Cや接着性芯地Wに対して適正な溶断を行うことが可能となる。
【0059】
また、接合システムは、補強テープTが溶着された衣料素材Cから接着性芯地Wを除去する除去装置40,40A,40Bを備えているので、溶断工程と溶着工程と除去工程からなる一連の作業を容易且つ効率的に行うことが可能となる。
【0060】
また、接合方法の除去工程において、接着性芯地Wを溶かす液体としての水を用いた洗浄により当該接着性芯地Wを除去する場合には、衣料素材Cに染み込んだ接着性芯地Wについても除去が可能となり、より厳格に接着性芯地Wを除去することが可能となる。
また、除去装置40A,40Bは、接着性芯地Wを水の洗浄により除去するので、より厳格な接着性芯地Wの除去を容易に実現することが可能となる。
【0061】
[その他]
上述した実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記接合システムでは、溶断装置20と溶着装置30と除去装置40(又は40A,40B)の間を、衣料素材Cを搬送する搬送装置で連絡してもよい。
また、その場合、溶断装置20と溶着装置30の間では、溶断工程で接着性芯地Wにより溶断端部で仮止めされた二枚の衣料素材Cを溶断端部C1で展開する必要があるが、一方の衣料素材Cを送風やローラで送って展開させる展開装置を介在させてもよい。
さらに、溶断装置20と溶着装置30とは、個別に制御装置26,36を備えているが、これらは通信可能に接続し、動作制御を連絡して連携して行うように構成してもよい。その場合、除去装置40,40A,40Bについても制御装置を有する場合には、その連携に加えてもよい。
また、或いは、溶断装置20と溶着装置30とについて一つの制御装置で統括的に制御しても良い。その場合、除去装置40,40A,40Bについても一つの制御装置で統括的に行われる制御に加えてもよい。
また、接合システムに搬送装置や展開装置を加える場合には、これらも制御装置のと連携に加えるか、或いは一つの制御装置の統括制御下に加えてもよい。
【符号の説明】
【0062】
20 溶断装置
24 超音波振動発生器
26 制御装置
30 溶着装置
32 下側ヒーター(第二加熱部)
34 上側ヒーター(第一加熱部)
36 制御装置
40,40A,40B 除去装置
243 ホーン(工具)
C 衣料素材(シート状素材)
C1 溶断端部
T 補強テープ
W 接着性芯地
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12