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特許7470525コンクリートの鉛直打継目用型枠資材及びこれを用いた鉛直打継目用型枠
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】コンクリートの鉛直打継目用型枠資材及びこれを用いた鉛直打継目用型枠
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20240411BHJP
   E04G 9/10 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
E04G21/02 103A
E04G9/10 101B
E04G9/10 101A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020026353
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2020139389
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2019032895
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】浅野 均
(72)【発明者】
【氏名】田中 徹
(72)【発明者】
【氏名】大橋 英紀
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-182322(JP,A)
【文献】特開平05-086726(JP,A)
【文献】特開2018-087475(JP,A)
【文献】特開平11-247443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/02
E04G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製のシート材に、エンボス加工によってシート材の一方面側に突出する多数の凸状突起が規則的配列で形成されたコンクリートの鉛直打継目用型枠資材であって、
前記凸状突起は、頂面と壁面とからなる円錐台形状を成し、千鳥格子配列で配置されており、
前記凸状突起の前記頂面及び壁面の両方に細孔が形成されるとともに、前記シート材の基面に対して細孔を形成しないようにし、前記細孔は、前記壁面に対して平面視で十字方向に各列毎に複数個形成されており、前記シート材の他方面側に不織布が貼設され
コンクリートから生じた気泡やブリージング水が前記凸状突起の前記細孔から前記凸状突起の内部空間に流出し、その後、前記不織布内部に吸収されるか前記不織布の繊維空間を通じて外部に排出されるようになっていることを特徴とするコンクリートの鉛直打継目用型枠資材。
【請求項2】
請求項1記載のコンクリートの鉛直打継目用型枠資材の不織布面を、型枠板のコンクリート打設面側に貼設したことを特徴とするコンクリートの鉛直打継目用型枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種コンクリート構造物の構築において、コンクリート打設工程で鉛直打継目が発生する場合に使用される鉛直打継目用型枠資材及びこれを用いた鉛直打継目用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種のコンクリート構造物の構築においては、コンクリートの打設工程時に、施工上、新旧コンクリートの鉛直打継目が発生する場合がある。このコンクリートの鉛直打継目では、新旧コンクリートの一体化を図るための処理が行われる。例えば、硬化した旧コンクリートの鉛直打継目の表面をワイヤーブラシで削ったり、チッピング等により表面を粗面とし、打継目に十分に吸水させた後、新コンクリートを打設して新旧コンクリートを密着させるようにする方法や、旧コンクリートの打継型枠の内面に凝固遅延材を塗布してコンクリートを打設し、脱型後に打継目に高圧水を噴射して旧コンクリート中のセメント粒子の未水和部分を洗い流すことにより旧コンクリートの骨材を露出させた後、新コンクリートを打設する方法などが行われていた。
【0003】
しかしながら、これらの方法は、基本的に手作業によるため、多くの労力と手間と時間を要していた。そこで近年は、凸状突起を多数形成された合成樹脂製のシート材を型枠の内面に貼設してコンクリートを打設し、硬化した旧コンクリートの鉛直打継目に複数の凹凸を形成し機械的な噛み合わせによって新旧コンクリートの一体化を図るようにする方法が提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1では、エンボス加工により独立した凸状突起を多数形成する合成樹脂製のシート材であって、作用するコンクリート側圧に対して凸形状を維持することが可能な材質からなる硬化した旧コンクリートの鉛直打継目に凹部を形成するために使用するコンクリート鉛直打継目用の型枠資材がされている。
【0005】
また、下記特許文献2では、エンボス加工により凹凸を形成する合成樹脂製のシート材を打継型枠の堰板に貼設してコンクリートを打設し、硬化した旧コンクリートの鉛直打継目に凹凸部を形成するコンクリート鉛直打継目用の型枠資材において、前記シート材は、格子状に連続する四角錐台が前記凹凸を形成するものであり、隣接する前記四角錘台の凹部同士は直線で接しており、前記四角錐台の頂部平面側を前記堰板に貼設してコンクリートを打設し、硬化した旧コンクリートの鉛直打継目に四角錘台形状の凸部と格子状の凹部を形成するコンクリート鉛直打継目用の型枠資材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-182322号公報
【文献】特開2018-87475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した鉛直打継目用型枠資材では、コンクリート打設に伴って生じる気泡やブリージング水の排出が問題となる。そのため前記特許文献1では、前記凸状突起の傾角θを70~75°とする円錐台形状とすることによりコンクリート打設時に生じる気泡が移動し易いようにしている。また、前記特許文献2では、隣接する四角円錐台凹部同士が線上で接するようにし、平坦部を有しない形状とすることにより、気泡やブリージング水が溜まり難く外部に速やかに排出されるようにしている。
【0008】
しかしながら、これらの鉛直打継目用型枠資材の場合、気泡やブリージング水の排出経路が明確に形成されているわけではなく、打設したコンクリートによって排出経路が阻害される状態にあるため、やはり気泡やブリージング水の排出が不十分であるなどの問題があった。
【0009】
そこで本発明の主たる課題は、コンクリート打設時に確実に気泡やブリージング水を排出できるようにしたコンクリートの鉛直打継目用型枠資材及びこれを用いた鉛直打継目用型枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、合成樹脂製のシート材に、エンボス加工によってシート材の一方面側に突出する多数の凸状突起が規則的配列で形成されたコンクリートの鉛直打継目用型枠資材であって、
前記凸状突起は、頂面と壁面とからなる円錐台形状を成し、千鳥格子配列で配置されており、
前記凸状突起の前記頂面及び壁面の両方に細孔が形成されるとともに、前記シート材の基面に対して細孔を形成しないようにし、前記細孔は、前記壁面に対して平面視で十字方向に各列毎に複数個形成されており、前記シート材の他方面側に不織布が貼設され
コンクリートから生じた気泡やブリージング水が前記凸状突起の前記細孔から前記凸状突起の内部空間に流出し、その後、前記不織布内部に吸収されるか前記不織布の繊維空間を通じて外部に排出されるようになっていることを特徴とするコンクリートの鉛直打継目用型枠資材が提供される。
【0011】
上記請求項1記載の発明では、合成樹脂製のシート材に形成された凸状突起に対して、細孔が形成されるとともに、前記シート材の他方面側に不織布が貼設された構造としている。従って、この鉛直打継目用型枠資材の不織布面を、型枠板のコンクリート打設面側に貼設した状態でコンクリートを打設すると、コンクリートから生じた気泡やブリージング水が前記細孔から凸状突起の内部空間に流出し、その後、不織布内部に吸収されるか不織布の繊維空間を通じて外部に排出されるようになる。このように、コンクリートから生じた気泡やブリージング水の排水経路が明確に形成されていることにより確実に気泡やブリージング水を排出できるようになる。
【0012】
また、上記請求項記載の発明は、前記凸状突起の規則的配列を具体的に示したものである。前記凸状突起は千鳥格子配列で配置されていることが望ましい。
【0013】
また、上記請求項記載の発明は、前記凸状突起の形状を具体的に示したものである。前記凸状突起は、円錐台形状とするのが望ましい。
【0014】
また、上記請求項記載の発明は、前記凸状突起における細孔の形成態様について具体的に示したものである。気泡やブリージング水の排出効率を考慮して、前記細孔は、前記凸状突起の頂面及び壁面の両方に形成されていることが望ましい。
【0015】
請求項に係る本発明として、請求項1記載のコンクリートの鉛直打継目用型枠資材の不織布面を、型枠板のコンクリート打設面側に貼設したことを特徴とするコンクリートの鉛直打継目用型枠が提供される。
【0016】
上記請求項記載の発明は、前記コンクリートの鉛直打継目用型枠資材を使用した鉛直目地用型枠である。コンクリートの鉛直打継目用型枠資材の不織布面を、型枠板のコンクリート打設面側に貼設することにより両者は組み合わされる。
【発明の効果】
【0017】
以上詳説のとおり本発明によれば、コンクリート打設時に確実に気泡やブリージング水を排出できるようにしたコンクリートの鉛直打継目用型枠資材及びこれを用いた鉛直打継目用型枠を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】コンクリートの鉛直打継目用型枠資材1の要部正面図である。
図2】その縦断面図(図1のII-II線矢視図)である。
図3】凸状突起3の拡大断面図である。
図4】コンクリートの打設手順(その1)である。
図5】コンクリートの打設手順(その2)である。
図6】コンクリートの打設手順(その3)である。
図7】凸状突起3の規則的配置の他例を示す鉛直打継目用型枠資材1の要部正面図である。
図8】細孔配置の他例を示す鉛直打継目用型枠資材1の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0020】
本発明に係るコンクリートの鉛直打継目用型枠資材1は、図1及び図2に示されるように、合成樹脂製のシート材2に、エンボス加工によってシート材2の一方面側に突出する多数の凸状突起3,3…が規則的配列で形成されたものであって、前記凸状突起3,3…に対して細孔3a、3a…が形成されるとともに、前記シート材2の他方面側に不織布4が貼設されたものである。
【0021】
以下、更に具体的に詳述する。
【0022】
本鉛直打継目用型枠資材1は、合成樹脂製のシート材からなる。このシート材2は、コンクリート打設時にコンクリート圧力に対して、十分な変形抵抗性能及び強度特性を有するような剛度を備え、かつ安価で軽量であることが望まれる。このような素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、塩化ビニル、アクリル樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、ナイロン、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂を用いることができるが、これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が強度特性、安価である点や軽量である点で好適である。また、剛性を高める目的で、フィラーやガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などを内添してもよい。前記フィラーとしては、コスト、取扱い性を考慮して、タルク、炭酸カルシウムなどが好ましい。さらに、フィラーの他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの機能性添加剤を混入してもよい。
【0023】
前記合成樹脂のシート材2に対して、エンボス加工によってシート材2の一方面側に突出する多数の凸状突起3,3…が規則的配列で形成されている。シート材2に前記凸状突起3、3…を形成するには、前記シート材2を所定の温度に加熱した状態で、ロール表面に凹凸が形成されるとともに、これらの凹凸が噛み合うように構成された一対のエンボスロールの間を、前記シート材2を通過させることによってシート材2の一方面側に突出する多数の凸状突起3,3…を形成することができる。
【0024】
前記凸状突起3の形状は、円錐台形状を成しており、頂面3Aと壁面3Bとからなる。形状寸法は、図3に示されるように、頂面3Aの直径φ1は1.5~20mm、基面3Cでの直径φ2は3~30mm、高さhは5~20mm、隣接する凸状突起3との中心間隔Pは15~40mmとするのが望ましい。壁面3Bの傾斜角θは50~90°、好ましくは60~75°とするが好ましい。いずれにしても、前記凸状突起3は、コンクリートを打設した際に、大きく変形しない耐圧変形性能を有すること、そしてコンクリートの打継ぎ面に十分な凹凸面を形成し得ることが重要である。前記シート材2の厚みtは、概ね0.2~2.0mm、好ましくは0.5~1.5mm程度とするのがよい。
【0025】
前記凸状突起3の形成部以外の基面3Cは平坦部となっていることが望ましい。基面3Cが平坦部となっていることにより、後述する不織布4を安定的に貼設することが可能になるとともに、後述する型枠板に対する取付けも安定的に行うことが可能となる。
【0026】
前記凸状突起3に対しては細孔3aが形成される。この細孔3aは、コンクリート打設時に生じた気泡やブリージング水を凸状突起3の内部空間に流出させるための孔である。従って、細孔3aの直径は、空気やブリージング水は通過するけれども、コンクリートは排出され難い程度の径とするのがよい。具体的には、0.1~1.5mm、0.5~1.0mm程度とするのが好ましい。
【0027】
前記凸状突起3に細孔3aを形成するには、エンボス加工を行う際にエンボスロールの凹凸に対して針を設けて起き、エンボス加工と同時に細孔3aを形成する方法や、エンボスロールを通過させる前段で、平面状のシート材2に対して所定位置に多数の針が突設された押圧板を押し付けることによって細孔3aを形成した後、エンボス加工を行う方法などによって形成することができる。
【0028】
前記細孔3aは、各凸状突起3に対して、少なくとも1つ以上の細孔3aが形成されることが望ましいが、必ずしも各凸状突起3のすべてに対して細孔3aが形成される必要はない。しかし、前記細孔3aは、気泡やブリージング水の排出効率を考慮すると、図示されるように、各凸状突起3の頂面3A及び壁面3Bの両方に形成することが望ましい。特に壁面3Bには複数形成することが望ましい。図示例では前記壁面3Bに対して、平面視で十字方向に各列毎に3個形成するようにしている。
【0029】
一方、前記シート材2の他方面側には不織布4が貼設される。この不織布4を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンボンド法、メルトブローン法などは長繊維によって立体網目構造となっているため、強度を有し気泡やブリージング水を排出するための流路を形成し易い点で望ましい。また、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で望ましい。坪量は概ね100~600g/m、好ましくは200~500g/m程度のものを使用することが望ましい。また、素材繊維が合成繊維である場合は、素材自体が疎水性を有している。不織布は疎水性のままで用いてもよいし、繊維を親水化剤によって表面処理を行い親水性を付与したものを用いるようにしてもよい。
【0030】
前記不織布4としては、繊維自体に吸収性を有するエアレイドパルプ不織布を用いることもできる。このエアレイドパルプ不織布は、所定長さのパルプ繊維を解繊して空気の流れに乗せて搬送し、金網又は細孔を有するスクリーンを通過させた後、ワイヤーメッシュ上に落下堆積させるエアレイド法によりウエブを形成し、該ウエブにおける繊維同士の交点をバインダー繊維により熱融着させるか、又はエマルジョンバインダーで繊維交点を結合させて形成されたシート状の不織布である。一般的に紙おしぼりなどとして流通している不織布である。前記エアレイドパルプ不織布を構成する繊維としては、パルプ繊維の他、嵩高で圧縮復元性を高めるために、熱可塑性繊維の短繊維を混入してもよい。熱可塑性繊維としては、例えばポリプロピレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンとαオレフィンとからなる結晶性プロピレン共重合体等のオレフィン類や、ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ジオールとテレフタル酸/イソフタル酸とを共重合した低融点ポリエステル、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類などの各種合成繊維が挙げられる。このエアレイドパルプ不織布はパルプを主体とする不織布であるため、不織布自体に吸収性を有する。従って、ブリージング水を十分に吸収保持することが可能となる。
【0031】
次に、前記鉛直打継目用型枠資材1を用いたコンクリート打継目の処理方法について詳述する。
【0032】
図4に示されるように、先行して構築するコンクリート打設空間の仕切り位置(鉛直打継目)に本発明の鉛直打継目用型枠6が設置される。鉛直打継目用型枠6は、前述したコンクリートの鉛直打継目用型枠資材1の不織布4面を、型枠板5のコンクリート打設面側に貼設した構造の型枠である。鉛直打継目用型枠資材1の固定は、タッカー等を用いて行うようにするのがよい。
【0033】
空間内にコンクリート7を打設すると、同図4に示されるように、コンクリート7から生じた気泡やブリージング水が前記凸状突起3の細孔3a、3a…から凸状突起3の内部空間に流出し、その後、不織布4内部に吸収されるか不織布4の繊維空間を通じて外部に排出されるようになる。
【0034】
その後、コンクリート7の硬化を待って型枠鉛直打継目用型枠6を撤去する。コンクリート7の打継目には、図5に示されるように、凹部7aと凸部7bとが交互に規則的に配置された凹凸面が形成される。
【0035】
コンクリート7(旧コンクリート)に隣接して連続する一体化コンクリート(新コンクリート8)を打設するには、図6に示されるように、旧コンクリート7の打継目から所定の距離だけ離間した位置に鉛直打継目用型枠6を再度設置し、打継目に十分な給水を行った後、新コンクリート8を打設する。旧コンクリート7と新コンクリート8との打継目は、凹凸同士の機械的な噛み合わせによって新旧コンクリートの一体化を図ることが可能になる。
【0036】
〔他の形態例〕
(1)前記形態例では、前記凸状突起3の形状を円錐台形状としたが、角錐台形状としてもよい。
(2)上記形態例では、前記凸状突起3の配列を千鳥格子状に配置したが、図7に示されるように、正格子配列で配置してもよい。また、千鳥格子配列及び正格子配列の組み合わせや、これら配列以外の規則的パターンで配置してもよい。要は前記凸状突起3、3…が均一に所定の密度で点在していることが重要である。
(3)上記形態例では、前記シート材2の基面3Cに対して細孔3aを形成しないようにしたが、図8に示されるように、シート材3の基面3Cにも細孔3a、3a…を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…コンクリートの鉛直打継目用型枠資材、2…シート材、3…凸状突起、3a…細孔、3A…頂面、3B…壁面、3C…基面、4…不織布、5…型枠板、6…鉛直打継目用型枠、7・8…コンクリート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8