IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オークマ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-加工結果評価装置 図1
  • 特許-加工結果評価装置 図2
  • 特許-加工結果評価装置 図3
  • 特許-加工結果評価装置 図4
  • 特許-加工結果評価装置 図5
  • 特許-加工結果評価装置 図6
  • 特許-加工結果評価装置 図7
  • 特許-加工結果評価装置 図8
  • 特許-加工結果評価装置 図9
  • 特許-加工結果評価装置 図10
  • 特許-加工結果評価装置 図11
  • 特許-加工結果評価装置 図12
  • 特許-加工結果評価装置 図13
  • 特許-加工結果評価装置 図14
  • 特許-加工結果評価装置 図15
  • 特許-加工結果評価装置 図16
  • 特許-加工結果評価装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】加工結果評価装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4068 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
G05B19/4068
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020041244
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021144341
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆宏
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-237843(JP,A)
【文献】特開2006-263904(JP,A)
【文献】特開2006-068901(JP,A)
【文献】特開2004-021954(JP,A)
【文献】特開2004-021953(JP,A)
【文献】特開2001-255920(JP,A)
【文献】特開2000-353006(JP,A)
【文献】特開2000-084794(JP,A)
【文献】特開平08-252713(JP,A)
【文献】特開平07-195253(JP,A)
【文献】特許第5985087(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0133264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18-19/416
B23Q 15/00-15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小なピックフィードを挟んで近接する加工パスを切削工具が移動して被削材を切削する動作を繰り返すことによって切削加工を行う数値制御工作機械に用いられ、前記切削工具により切削される切削位置の軌跡をグラフィック表示する加工結果評価装置であって、
順次軌跡表示される対象位置について、前記対象位置が存在する加工パスよりも先に切削加工された先行パス上で前記対象位置に近い先行近傍位置と、前記対象位置が存在する加工パスよりも後に切削加工された後行パス上で前記対象位置に近い後行近傍位置と、を探索する近傍位置探索部と、
切削加工中に所定時間ごとに、前記数値制御工作機械が有する複数の送り軸について採取したログデータから前記対象位置、前記先行近傍位置及び前記後行近傍位置のそれぞれの評価データを決定する評価データ決定部と、
前記先行近傍位置の評価データと前記後行近傍位置の評価データとの平均である基準値を算出する基準値算出部と、
前記基準値と前記対象位置の評価データとの差分値である対象位置差分値を算出する差分値算出部と、
前記対象位置差分値をベクトルとして大きさ及び方向を前記対象位置に合成して表示する表示部と、を備えること、を特徴とする加工結果評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加工結果評価装置であって、
前記近傍位置探索部は、切削加工方法が、隣接する加工パスの前記切削工具の送り方向が略同じ方向となる一方向加工の場合、前記対象位置が存在する加工パスに隣接する加工パス上に前記先行近傍位置と前記後行近傍位置とを探索すること、を特徴とする加工結果評価装置。
【請求項3】
請求項1に記載の加工結果評価装置であって、
前記近傍位置探索部は、切削加工方法が、隣接する加工パスの前記切削工具の送り方向が略逆の方向となる往復加工の場合、前記対象位置が存在する加工パスと前記切削工具の送り方向が略同じ方向となる最近隣の加工パス上に前記先行近傍位置と前記後行近傍位置とを探索すること、を特徴とする加工結果評価装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の加工結果評価装置であって、
前記数値制御工作機械は、直線軸3軸及び回転軸2軸を備える5軸加工機であって、
前記評価データ決定部は、前記対象位置、前記先行近傍位置及び前記後行近傍位置のそれぞれの評価データを直線軸3軸及び回転軸2軸の5軸の座標から3次元座標に変換する対象位置算出部、先行近傍位置算出部及び後行近傍位置算出部を備え、
前記差分値算出部は、3次元座標として前記対象位置差分値を算出し、
前記表示部は、前記対象位置差分値を3次元のベクトルとして前記対象位置に合成して表示すること、を特徴とする加工結果評価装置。
【請求項5】
請求項4に記載の加工結果評価装置であって、
前記基準値算出部は、前記先行近傍位置の評価データの3次元座標と前記後行近傍位置の評価データの3次元座標との平均である前記基準値を算出する第1基準値算出部と、前記先行近傍位置の評価データの直線軸3軸の座標と前記後行近傍位置の評価データの直線軸3軸の座標との平均である直線軸基準値を算出する第2基準値算出部と、を備え、
前記差分値算出部は、前記基準値と前記対象位置の評価データの3次元座標との差分値である前記対象位置差分値を算出する第1差分値算出部と、前記直線軸基準値と前記対象位置の評価データの直線軸3軸の座標との差分値である直線軸差分値を算出する第2差分値算出部と、前記対象位置差分値と前記直線軸差分値との差分値である回転軸差分値を算出する第3差分値算出部と、を備え、
前記表示部は、前記直線軸差分値と前記回転軸差分値とをそれぞれベクトルとして大きさ及び方向を前記対象位置に合成して表示すること、を特徴とする加工結果評価装置。
【請求項6】
請求項5に記載の加工結果評価装置であって、
前記第3差分値算出部は、前記直線軸差分値と前記回転軸差分値との大きさを比較して、比較結果を前記表示部に送り、
前記表示部は、前記比較結果に基づき、前記直線軸差分値及び前記回転軸差分値のいずれの方が大きいか識別可能に表示すること、を特徴とする加工結果評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
数値制御工作機械で切削加工したワーク(被削材)の加工不良の要因を分析するために、切削加工に係わる評価データを切削工具により切削される切削位置の軌跡表示に合成して表示する加工結果評価装置に関する。特に、プレス用金型や射出成形用金型といった型加工の加工不良の要因を分析するのに適した加工結果評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削加工を行う数値制御工作機械による加工に、プレス用金型や射出成形用金型を削り出す型加工がある。一般的に型加工では、微小なピックフィードを挟んで、近接する加工パス(path)上を切削工具が移動して切削する動作を繰り返し、ワーク素材に型を削りだしていく。繰り返されるピックフィードの移動距離は、どのピックフィードでも0.3mm程度の微小な設定で加工される。
【0003】
数値制御工作機械で加工したワークに加工不良が見つかった場合、その要因を分析して改善する。あるいは、加工前に加工プログラムを評価して、加工不良につながりそうな箇所を修正することで加工不良を未然に防ぐこともある。
【0004】
要因分析や加工プログラム評価をするために、加工プログラムに指令された切削工具により切削される切削位置の軌跡のグラフィック表示上に評価データを合成表示する加工結果評価装置がある。評価データとしては、加工プログラムに指令された形状である軌跡データや、加工中の所定時間ごとに数値制御装置から採取した送り軸の検出位置やトルク指令などのデータなどがあり、要因分析や評価の目的に応じて1つあるいは複数の種類のデータが評価データとして選ばれる。
【0005】
上記のような加工結果評価装置として、特許文献1には、加工プログラムの指令点の近傍の曲率半径を求め、切削工具の軌跡の表示上に曲率半径の大きさを合成表示する技術が開示されている。そして、特許文献2には、加工プログラムの軌跡表示に際して、加工プログラムを補間して得た送り速度の大きさに応じた表示属性で軌跡を表示する技術が開示されている。また、特許文献3には、5軸加工における評価データとして、XYZの直線軸3軸のみの加工指令から内積を求め、更に回転軸を含めた全5軸の加工指令からも内積を求め、2つの内積値を対称位置に表示することにより、直進軸に対する回転軸の変化の度合いを把握し易くする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-330512号公報
【文献】特開2008-9637号公報
【文献】特開2015-32229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような型加工において、加工したワークに加工不良が生じるのは、ピックフィードを挟んで隣接する加工パスの近傍位置間での数値制御工作機械の挙動に差がある場合が多いことを、本出願人は見いだした。
【0008】
そこで、本発明は、切削加工中に採取した数値制御工作機械の状態を示す評価データを参照し、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る加工結果評価装置は、微小なピックフィードを挟んで近接する加工パスを切削工具が移動して被削材を切削する動作を繰り返すことによって切削加工を行う数値制御工作機械に用いられ、前記切削工具により切削される切削位置の軌跡をグラフィック表示する加工結果評価装置であって、順次軌跡表示される対象位置について、前記対象位置が存在する加工パスよりも先に切削加工された先行パス上で前記対象位置に近い先行近傍位置と、前記対象位置が存在する加工パスよりも後に切削加工された後行パス上で前記対象位置に近い後行近傍位置と、を探索する近傍位置探索部と、切削加工中に所定時間ごとに、前記数値制御工作機械が有する複数の送り軸について採取したログデータから前記対象位置、前記先行近傍位置及び前記後行近傍位置のそれぞれの評価データを決定する評価データ決定部と、前記先行近傍位置の評価データと前記後行近傍位置の評価データとの平均である基準値を算出する基準値算出部と、前記基準値と前記対象位置の評価データとの差分値である対象位置差分値を算出する差分値算出部と、前記対象位置差分値をベクトルとして大きさ及び方向を前記対象位置に合成して表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように切削加工中に採取した数値制御工作機械の状態を示す評価データを参照し、対象位置差分値をベクトルとして大きさ及び方向を対象位置に合成して表示部に表示することによって、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することができる。また、このようにピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示するため、数値制御工作機械で加工したワーク(被削材)の加工不良が生じた個所に対応する部分で、変化が大きい評価データを特定できる。そして、特定した評価データ変化の方向を、ワークの加工不良の様子と照らし合わせることで、加工不良の要因となっていそうな評価データを絞り込むことができる。そのため、数値制御工作機械で切削加工した加工結果の評価を効率的に行うことができる。
【0011】
本発明の加工結果評価装置の一態様において、前記近傍位置探索部は、切削加工方法が、隣接する加工パスの前記切削工具の送り方向が略同じ方向となる一方向加工の場合、前記対象位置が存在する加工パスに隣接する加工パス上に前記先行近傍位置と前記後行近傍位置とを探索してもよい。
【0012】
この態様によれば、切削加工方法が一方向加工の場合、隣接する加工パス上に先行近傍位置と後行近傍位置とを探索して差分値を算出することによって、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することができる。
【0013】
本発明の加工結果評価装置の一態様において、前記近傍位置探索部は、切削加工方法が、隣接する加工パスの前記切削工具の送り方向が略逆の方向となる往復加工の場合、前記対象位置が存在する加工パスと前記切削工具の送り方向が略同じ方向となる最近隣の加工パス上に前記先行近傍位置と前記後行近傍位置とを探索してもよい。
【0014】
切削加工方法が往復加工の場合、隣接する加工パスの切削工具の送り方向が略逆となるため、隣接する加工パスで正負が反対となる評価データが生じるところ、この態様によれば、対象位置が存在する加工パスと切削工具の送り方向が略同じ方向となる最近隣の加工パス上に先行近傍位置と後行近傍位置とを探索して、正負が揃った2つの評価データから基準値を算出して差分値を算出するため、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することができる。
【0015】
本発明の加工結果評価装置の一態様において、前記数値制御工作機械は、直線軸3軸及び回転軸2軸を備える5軸加工機であって、前記評価データ決定部は、前記対象位置、前記先行近傍位置及び前記後行近傍位置のそれぞれの評価データを直線軸3軸及び回転軸2軸の5軸の座標から3次元座標に変換する対象位置算出部、先行近傍位置算出部及び後行近傍位置算出部を備え、前記差分値算出部は、3次元座標として前記対象位置差分値を算出し、前記表示部は、前記対象位置差分値を3次元のベクトルとして前記対象位置に合成して表示してもよい。
【0016】
この態様によれば、5軸加工において、対象位置、先行近傍位置及び後行近傍位置のそれぞれの評価データを直線軸3軸及び回転軸2軸の5軸の座標から3次元座標に変換して、3次元座標として対象位置差分値を算出し、対象位置差分値を3次元のベクトルとして対象位置に合成して表示部に表示することによって、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示することができる。
【0017】
本発明の加工結果評価装置の一態様において、前記基準値算出部は、前記先行近傍位置の評価データの3次元座標と前記後行近傍位置の評価データの3次元座標との平均である前記基準値を算出する第1基準値算出部と、前記先行近傍位置の評価データの直線軸3軸の座標と前記後行近傍位置の評価データの直線軸3軸の座標との平均である直線軸基準値を算出する第2基準値算出部と、を備え、前記差分値算出部は、前記基準値と前記対象位置の評価データの3次元座標との差分値である前記対象位置差分値を算出する第1差分値算出部と、前記直線軸基準値と前記対象位置の評価データの直線軸3軸の座標との差分値である直線軸差分値を算出する第2差分値算出部と、前記対象位置差分値と前記直線軸差分値との差分値である回転軸差分値を算出する第3差分値算出部と、を備え、前記表示部は、前記直線軸差分値と前記回転軸差分値とをそれぞれベクトルとして大きさ及び方向を前記対象位置に合成して表示してもよい。
【0018】
この態様によれば、直線軸差分値と回転軸差分値とをそれぞれベクトルとして大きさ及び方向を対象位置に合成して表示部に表示することによって、5軸加工において、ピックフィード方向に近い位置の評価データの直線軸3軸の成分の変化と回転軸2軸の成分の変化を、それぞれの変化の方向まで含めて別々に表示することができる。
【0019】
本発明の加工結果評価装置の一態様において、前記第3差分値算出部は、前記直線軸差分値と前記回転軸差分値との大きさを比較して、比較結果を前記表示部に送り、前記表示部は、前記比較結果に基づき、前記直線軸差分値及び前記回転軸差分値のいずれの方が大きいか識別可能に表示してもよい。
【0020】
この態様によれば、加工結果評価装置の表示部に直線軸差分値及び回転軸差分値のいずれの方が大きいか識別可能に表示されるため、5軸加工において、評価データについて対象位置差分値が生じる原因として、直線軸3軸の成分の方が大きいのか、回転軸2軸の成分の方が大きいのかが識別可能になる。そして、5軸加工での直線軸に対する回転軸の変化の度合いを直感的に把握し易くなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、切削加工中に採取した数値制御工作機械の状態を示す評価データを参照し、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の形態の加工結果評価装置の構成を示すブロック図である。
図2】第1の形態の加工結果評価装置の近傍位置探索部の作用の例示である。
図3】第1の形態の加工結果評価装置の評価データ決定部の作用の例示である。
図4】第1の形態の加工結果評価装置の基準値算出部の作用の例示である。
図5】第1の形態の加工結果評価装置の差分値算出部の作用の例示である。
図6】第1の形態の加工結果評価装置の表示部の表示例である。
図7】第2の形態の評価データ決定部の作用の前半を説明する例示である。
図8】第2の形態の評価データ決定部の作用の後半を説明する例示である。
図9】第3の形態の加工結果評価装置の近傍位置探索部の作用の例示である。
図10】第4の形態の加工結果評価装置の構成を示すブロック図である。
図11】第4の形態の加工結果評価装置の近傍位置探索部の作用の例示である。
図12図11に示す対象位置、先行近傍位置及び後行近傍位置をYZ断面に射影した図である。
図13図12に示す対象位置について基準値及び対象位置差分値を示した図である。
図14】第4の形態の加工結果評価装置の直進軸基準値算出部による直進軸基準値の算出方法と直進軸差分値算出部による直進軸差分値の算出方法を説明する図である。
図15図12に示す対象位置について第4の形態の加工結果評価装置の表示部が対称位置差分値及び直進軸差分値を表示した状態を示す図である。
図16図12に示す対象位置について第4の形態の加工結果評価装置の表示部が対称位置差分値、直進軸差分値及び回転軸差分値を表示した状態を示す図である。
図17】第4の形態の加工結果評価装置の表示部の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、第1の形態から第4の形態までの加工結果評価装置を記載する。いずれの実施形態の加工結果評価装置も、微小なピックフィードを挟んで近接する加工パスを切削工具が移動して被削材を切削する動作を繰り返すことによって切削加工を行う数値制御工作機械に用いられ、切削工具により切削される切削位置の軌跡をグラフィック表示する加工結果評価装置である。
【0024】
型加工の切削加工方法の1つに一方向加工がある。一方向加工とは、隣接する加工パスの切削工具の送り方向が略同じである加工方法である。第1の形態及び第2の形態には、この一方向加工が行われる実施形態の加工結果評価装置を記載する。
【0025】
型加工の別な切削加工方法に往復加工がある。往復するように切削していく方法であり、一方向加工とは異なり、隣接する加工パスの切削工具の送り方向が略逆となる。第3の形態には、この往復加工が行われる実施形態の加工結果評価装置を記載する。
【0026】
以上の第1の形態から第3の形態までは直線軸3軸を備える3軸加工機の加工評価装置であるところ、第4の形態は直線軸3軸及び回転軸2軸を備える5軸加工機の加工評価装置である。
【0027】
<第1の形態>
図1は第1の形態の加工結果評価装置10の構成を示すブロック図である。図2から図6までは、第1の形態において、加工結果評価装置10が、ある型加工の例に作用する過程を説明する図である。図1から図6までを参照しながら、第1の形態の加工結果評価装置10について説明する。
【0028】
図1に示すログデータ保持部1は、指令位置PとピックマークMと数値制御工作機械の状態を示すログデータを保持する。これらのデータは、切削加工中に所定の周期で採取したものである。このデータ採取は加工結果評価装置10とは別の装置(図示せず)で実施してもよい。
【0029】
指令位置Pは、数値制御装置が加工プログラムの送り指令に従って送りの軌跡を所定の周期毎に補間し、送り軸の制御装置に指令する位置である。指令位置Pは、X軸、Y軸、Z軸の3軸分の値から成るので、ベクトルデータである。軸を区別する場合は位置指令を示すPの直後にx,y,zの添え字を付けて表記するものとする。
【0030】
ピックマークMは、数値制御装置の加工プログラムの送り指令がピックフィードであった場合にマークされるデータである。このマークにより加工パスが区切られることになるので、後述する近傍位置探索部3が隣接する加工パスを識別するために参照される。
【0031】
数値制御工作機械の状態を示すログデータには、例えば切削工具の送り軸の制御装置がその制御に使用している検出位置やトルク指令値などがある。送り軸の制御装置のデータを採取する場合は、データを採取する所定の周期は数ミリ秒程度である。型加工を行う数値制御工作機械はX軸、Y軸、Z軸の3つの送り軸を有するので、送り軸の制御装置から採取するデータ、例えば検出位置は各軸を抱き合わせてベクトルとみなすことができる。
【0032】
評価データには、要因分析や評価の目的に応じて1つあるいは複数の種類が選ばれる。加工不良の要因分析に有用な評価データは、送り軸の制御装置がその制御に使用しているデータであり、代表的なものに、制御位置、検出位置、位置偏差、制御速度、検出速度、速度偏差、制御トルク、モータの検出電流量などがある。この他にも数値制御装置内で制御のために導出する加工パスの曲率や工具補正値といった各種補正値、あるいは数値制御工作機械内各所のセンサから得られる温度分布を示すデータなど、評価に有用なものには色々な種類のデータがある。
【0033】
第1の形態の加工結果評価装置10では、加工結果評価装置10の使用者は、例えば、評価データEとして位置偏差の1種類を選択することができる。評価データEとして位置偏差の1種類を選択した場合の加工結果評価装置10について、以下に記載する。
【0034】
切削加工が終わって加工結果の評価をするために加工結果評価装置10を動作させ始める時点で、ログデータ保持部1には以下に示すような並びでデータが保持されている。ここで数字の添え字は並びの順番を表し、i番目はiの記号を添え字としている。以降、レコードの並びを表す添え字の番号はレコード番号と記す。
【0035】
先頭のレコード : P0,M0,E0
1番目のレコード : P1,M1,E1
2番目のレコード : P2,M2,E2
: : : :
i番目のレコード : Pi,Mi,Ei
: : : :
最後のレコード : Pn,Mn,En
【0036】
評価データEが複数ある場合は、次の段落に示すようにデータが並ぶ。(ここでは評価データをEia,Eib,Eic,・・・として区別している。)
【0037】
i番目のレコード : Pi,Mi,Eia,Eib,Eic,・・・・・
【0038】
以降は前述したように、評価データEは位置偏差のみで説明する。位置偏差もベクトルデータである。
【0039】
図1に示す対象位置順次読み出し部2は、ログデータ保持部1内の0からnまでの全てのレコードについて、指令位置Pを順に1つずつ読み出す。いま読み出す対象のレコード番号をi、読み出した指令位置Pを対象位置Piと記す。対象位置順次読み出し部2は、対象位置Piをグラフィック表示部7に渡し、レコード番号iを近傍位置探索部3に渡す。以降に記載する各部では、グラフィック表示部7で対象位置Piに合成するデータを作成するためにこのレコード番号iの、すなわち対象位置Piに対して処理が行われる。
【0040】
近傍位置探索部3は、対象位置順次読み出し部2から受け取ったレコード番号iの対象位置Piが存在する加工パスに隣接する加工パス上に、以下に示す先行近傍位置Pia及び後行近傍位置Pibを探索する。なお、対象位置Piが存在する加工パスを加工パスjとする。
【0041】
先行近傍位置Piaは、対象位置Piが存在する加工パスjより先に加工されて加工パスjに隣接する加工パスj-1上で、対象位置Piに最も近い指令位置である。
【0042】
後行近傍位置Pibは、対象位置Piが存在する加工パスjより後に加工されて加工パスjに隣接する加工パスj+1上で、対象位置Piに最も近い指令位置である。
【0043】
先行近傍位置Piaの探索の手順としては、まずログデータ保持部1を参照し対象位置Piよりレコード番号が減少する方向のピックマークMを探索して対象位置Piが存在する加工パスjより先に切削加工されて加工パスjに隣接する先行パスとして加工パスj-1を特定する。そして加工パスj-1上で対象位置Piに最も近い指令位置を探索し、先行近傍位置Piaとする。
【0044】
後行近傍位置Pibの探索の手順としては、まずログデータ保持部1を参照し対象位置Piよりレコード番号が増加する方向のピックマークMを探索して対象位置Piが存在する加工パスjより後に切削加工されて加工パスjに隣接する後行パスとして加工パスj+1を特定する。そして加工パスj+1上で対象位置Piに最も近い指令位置を探索し、後行近傍位置Pibとする。
【0045】
図2は黒い菱形印◆で示したある対象位置Piについて、近傍位置探索部3が探索した加工パスj-1上の先行近傍位置Piaと加工パスj+1上の後行近傍位置Pib(ともに黒丸印●)を例示したものである。白丸印○はこれら以外の指令位置(ただしPi周辺の位置のみ例示)を示している。実線は加工パスを表す。
【0046】
その後、近傍位置探索部3は、対象位置Piのレコード番号iと、探索して得た先行近傍位置Piaのレコード番号iaと後行近傍位置Pibのレコード番号ibを、評価データ決定部4に送る。
【0047】
評価データ決定部4は、近傍位置探索部3から受け取った3種類のレコード番号i、ia、ibの評価データEi、Eia、Eibをログデータ保持部1から読み出す。図2と同じ対象位置Piの例におけるこれらの評価データの例を図3に示す。
【0048】
その後、評価データ決定部4は、ログデータ保持部1から読み出した先行近傍位置Piaの評価データEiaと後行近傍位置Pibの評価データEibとを基準値算出部5に送る評価データとして決定し、評価データEiaと評価データEibとを基準値算出部5に送る。また、評価データ決定部4は、ログデータ保持部1から読み出した対象位置Piの評価データEiを差分値算出部6に送る評価データとして決定し、評価データEiを差分値算出部6に送る。
【0049】
基準値算出部5は、評価データ決定部4から受け取った2つの評価データEia、Eibの平均を取って基準値Ciを算出する。評価データがベクトルであればベクトル平均を取る。平均は以下の式1で算出する。
【0050】
Ci = ( Eia + Eib ) / 2 ・・・ (式1)
【0051】
図3と同じ評価データEia及び評価データEibの例で求めた基準値Ciを図4に示す。図4では基準値Ciを式1に準じて図示する都合上、評価データEia、評価データEib及び基準値Ciの各ベクトルの始点は同一の仮想点から始まるように描いてある。
【0052】
その後、基準値算出部5は、算出した基準値Ciを差分値算出部6に送る。差分値算出部6は、評価データ決定部4から受け取った対象位置Piの評価データEiから、基準値算出部5から受け取った基準値Ciを減算することで、対象位置差分値Diを算出する(式2)。あるいは、被減算の値と減算する値を入れ替えてもよい(式3)。
【0053】
Di = Ei - Ci ・・・(式2)
【0054】
Di = Ci - Ei ・・・(式3)
【0055】
図3に示す対象位置Piの評価データEiと図4に示す基準値Ciとの例に基づき、差分値算出部6が式2に準じて算出した対象位置差分値Diを図5に示す。図5では小さいDiを見やすく図示する都合上、基準値Ci、評価データEi及び対象位置差分値Diの各ベクトルの始点は同一の仮想点から始めて4倍の大きさに拡大して描いてある。
【0056】
その後、差分値算出部6は算出した対象位置差分値Diをグラフィック表示部7に出力する。
【0057】
グラフィック表示部7は、図6に示すように、差分値算出部6から受け取った対象位置Piの対象位置差分値Diを、対象位置順次読み出し部2から受け取った対象位置Piを始点にベクトル表示する。表示の際には、対象位置Piをレコード順につなげた加工パスを合成して表示してもよい。また、グラフィック表示部7は、オペレータの指示により表示の拡大縮小や回転、視点変更を公知の技術を使って実施することができる。これらの機能を使えば、対象位置差分値Diの様子が見やすくなる。図6は、加工パスを合成した対象位置Piを始点に対象位置差分値Diを4倍に拡大して見やすく表示した表示例である。
【0058】
以上が対象位置順次読み出し部2が読み出した1つの指令位置Piについての説明である。前述の対象位置順次読み出し部2で述べたように、これらの処理をログデータ保持部1内の0~nまでの全てのレコードについて行うので、各指令位置Piの位置に対象位置差分値Diのベクトルが表示される(全体の図示は割愛する)。
【0059】
本実施形態の加工結果評価装置10では、このように切削加工中に採取した数値制御工作機械の状態を示す評価データを参照し、対象位置差分値をベクトルとして大きさ及び方向を対象位置に合成してグラフィック表示部7に表示することによって、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置10を提供することができる。また、このようにピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示するため、数値制御工作機械で加工したワーク(被削材)の加工不良が生じた個所に対応する部分で、変化が大きい評価データを特定できる。そして、特定した評価データ変化の方向を、ワークの加工不良の様子と照らし合わせることで、加工不良の要因となっていそうな評価データを絞り込むことができる。そのため、数値制御工作機械で切削加工した加工結果の評価を効率的に行うことができる。
【0060】
例えば、形状が加工パス毎に単調に変化していて、切削加工のための制御もうまくいっているなら、各指令位置Pの評価データの対象位置差分値はほとんどゼロとなる。何かしらの問題があると、本実施形態の加工結果評価装置10によれば、その部分の対象位置差分値は他と比べて大きく表示される。実際に加工したワークがあれば、加工目の悪い箇所と軌跡表示の何らかの対象位置差分値の大きな箇所との対応がつけやすい。更に、本実施形態で示したように位置偏差はベクトルなので対象位置差分値の方向も表示され、3次元形状であるワークの悪い箇所との対応が一層つけやすくなる。
【0061】
また、第1の形態では評価データは位置偏差のみで説明したが、例えば加工目の悪い箇所に加速度データの対象位置差分値が大きく表示されていれば、加工目の悪い要因は加速度であると推測できる。曲率データの対象位置差分値を同じ箇所に表示させて変化が確認できれば、加工プログラムのその箇所の指令点に問題があると絞り込める。
【0062】
加工目の悪い箇所に加速度データの差分データが小さくても、同じ箇所に位置偏差の対象位置差分値を表示させて変化が確認できれば、検出器がらみの問題であると推測できる。この場合、機械的にそこの滑りが悪い可能性が高いというように要因が絞り込める。
【0063】
このように本実施形態の加工結果評価装置10では、加工目の悪い要因の分析がし易くなり、要因分析のための試行錯誤により生じる時間を減らすことができる。
【0064】
<第2の形態>
次に、第2の形態の加工結果評価装置を図1図7及び図8を参照しながら説明する。第2の形態の加工結果評価装置も、第1の形態の加工結果評価装置10と同様に図1に示す構成を有する。第2の形態の加工結果評価装置は、第1の形態の加工結果評価装置10と比較すると、評価データ決定部4による評価データEia及びEibの決定方法のみが異なり、その他は第1の形態の加工結果評価装置10と全く同じである。そのため、評価データ決定部4による評価データEia及びEibの決定方法を以下に記載し、その他の記載は省略する。
【0065】
図7は黒い菱形印◆で示したある対象位置Piについて、近傍位置探索部3が探索した加工パスj-1上の先行近傍位置P'iaと加工パスj+1上の後行近傍位置P'ib(ともに黒丸印●)を例示したものである。実線は加工パスを表す。
【0066】
近傍位置探索部3は、対象位置Piのレコード番号iと、探索して得た先行近傍位置P'iaのレコード番号iaと後行近傍位置P'ibのレコード番号ibを、評価データ決定部4に送る。
【0067】
評価データ決定部4は、近傍位置探索部3から受け取った3つのレコード番号のi、ia、ibに基づき、以下に示すステップ1からステップ4までのように評価データEia及びEibを決定する。
【0068】
(ステップ1)図7に示すように、先行近傍位置P'iaが存在する加工パスj-1上に、対象位置Piとの距離が最短となる位置Pia(図7の二重丸印◎)を求める。そして、先行近傍位置P'iaが存在する加工パスj-1上に、対象位置Piとの距離が2番目に短い指令位置Pia'(図7の白丸印○)を求める。
【0069】
(ステップ2)位置Piaを含む線分P'ia-Pia'における、位置Piaの内分比raを算出する。
【0070】
(ステップ3)先行近傍位置P'iaの評価データE'iaと指令位置Pia'の評価データEia'をログデータ保持部1から読み出す。
【0071】
(ステップ4)図8に示すように、評価データE'iaと評価データEia'と内分比raとから、先行近傍位置P'iaに対応する評価データEiaを算定する。
【0072】
以上のステップ1からステップ4までは評価データEiaを決定するものであるが、Eibについても同様に決定する。
【0073】
評価データ決定部4は、このように決定した評価データEia及び評価データEibをそれぞれ、先行近傍位置Piaの評価データEia、後行近傍位置Pibの評価データEibとして、基準値算出部5に送る。また、評価データ決定部4は、ログデータ保持部1から読み出した対象位置Piの評価データEiを差分値算出部6に送る。
【0074】
本実施形態の加工結果評価装置では、第1の形態の加工結果評価装置10と同様に、隣接する加工パス上に先行近傍位置と後行近傍位置とを探索して対象位置差分値を算出することによって、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することができる。そのため、本実施形態の加工結果評価装置は、第1の形態の加工結果評価装置10と同様の効果を奏する。
【0075】
<第3の形態>
次に、第3の形態の加工結果評価装置を図1及び図9を参照しながら説明する。第3の形態の加工結果評価装置も、第1の形態の加工結果評価装置10と同様に図1に示す構成を有する。
【0076】
切削加工方法が往復加工の場合、隣接する加工パスの切削工具の送り方向が略逆となるため、隣接する加工パスで正負が反対になる評価データが生じる。例えば、第1の形態で評価データの例として記載した位置偏差とか、制御速度や検出速度などである。第1の形態の加工結果評価装置10では、加工パス毎に差分ベクトルの方向が変わってしまう。そのため、第3の形態の加工結果評価装置は、第1の形態の加工結果評価装置10と比較すると、近傍位置探索部3による近傍位置の決定方法が異なる。なお、第3の形態の加工結果評価装置は、近傍位置探索部3による近傍位置の決定方法以外は第1の形態の加工結果評価装置10と同じである。そのため、近傍位置探索部3による近傍位置の決定方法を以下に記載し、その他の記載は省略する。
【0077】
近傍位置探索部3は、対象位置順次読み出し部2から受け取ったレコード番号iの対象位置Piについて、以下に示す先行近傍位置Pia及び後行近傍位置Pibを探索する。なお、対象位置Piが存在する加工パスを加工パスjとする。
【0078】
先行近傍位置Piaは、対象位置Piが存在する加工パスjより先に切削加工されて加工パスjと切削工具の送り方向が同じ方向となる最近隣の加工パスj-2上で、対象位置Piに最も近い指令位置である。
【0079】
後行近傍位置Pibは、対象位置Piが存在する加工パスjより後に切削加工されて加工パスjと切削工具の送り方向が同じ方向となる最近隣の加工パスj+2上で、対象位置Piに最も近い指令位置である。
【0080】
先行近傍位置Piaの探索の手順としては、まずログデータ保持部1を参照し対象位置Piよりレコード番号が減少する方向のピックマークMを2つ探索して対象位置Piが存在する加工パスjより先に切削加工されて加工パスjの2つ隣の先行パスとして加工パスj-2を特定する。そして加工パスj-2上で対象位置Piに最も近い指令位置を探索し、先行近傍位置Piaとする。
【0081】
後行近傍位置Pibの探索の手順としては、まずログデータ保持部1を参照し対象位置Piよりレコード番号が増加する方向のピックマークMを2つ探索して対象位置Piが存在する加工パスjより後に切削加工されて加工パスjの2つ隣の後行パスとして加工パスj+2を特定する。そして加工パスj+2上で対象位置Piに最も近い指令位置を探索し、後行近傍位置Pibとする。
【0082】
図9は黒い菱形印◆で示したある対象位置Piについて、近傍位置探索部3が探索した加工パスj-2上の先行近傍位置Piaと加工パスj+2上の後行近傍位置Pib(ともに黒丸印●)を例示したものである。白丸印○はこれら以外の指令位置(ただしPi周辺の位置のみ例示)を示している。実線は加工パスを表す。
【0083】
その後、近傍位置探索部3は、対象位置Piのレコード番号iと、探索して得た先行近傍位置Piaのレコード番号iaと後行近傍位置Pibのレコード番号ibを、評価データ決定部4に送る。
【0084】
対象位置Piが存在する加工パスの2つ隣の加工パスの形状は、対象位置Piが存在する加工パスに隣接する加工パスの形状より対象位置Piが存在する加工パスの形状との違いが大きくなるが、前述したようにピックフィードは0.3mm程度と微小なので、2つ隣の加工パスを参照する本実施形態の加工結果評価装置であっても実用上の支障はない。
【0085】
切削加工方法が往復加工の場合、隣接する加工パスの切削工具の送り方向が略逆となるため、隣接する加工パスで正負が反対となる評価データが生じるところ、本実施形態の加工結果評価装置によれば、対象位置が存在する加工パスと切削工具の送り方向が略同じ方向となる最近隣の加工パス上に先行近傍位置と後行近傍位置とを探索して、正負が揃った2つの評価データから基準値を算出して対象位置差分値を算出するため、ピックフィード方向に近い位置の評価データの変化を、その変化の方向まで含めて表示する加工結果評価装置を提供することができる。そのため、本実施形態の加工結果評価装置は、第1の形態の加工結果評価装置10と同様の効果を奏する。
【0086】
<第4の形態>
次に、第4の形態の加工結果評価装置20について図10図17を参照しながら説明する。第4の形態の加工結果評価装置20は、3軸加工機に用いられる第1の形態の加工結果評価装置10とは異なり、直線軸3軸及び回転軸2軸を備える5軸加工機に用いられる。
【0087】
第4の形態の加工結果評価装置20は、図10に示す構成を有する。つまり、加工結果評価装置20は、ログデータ保持部1、対象位置順次読み出し部2、近傍位置探索部3、評価データ決定部4、基準値算出部5、差分値算出部6及びグラフィック表示部7を備える。そして、評価データ決定部4は、対象位置データ取得部411、対象位置算出部412、先行近傍位置データ取得部421、先行近傍位置算出部422、後行近傍位置データ取得部431及び後行近傍位置算出部432を備える。基準値算出部5は、第1基準値算出部51及び第2基準値算出部52を備える。差分値算出部6は、第1差分値算出部61、第2差分値算出部62及び第3差分値算出部63を備える。
【0088】
図10に示すログデータ保持部1は、第1の形態の加工結果評価装置10と同様に、位置PとピックマークMと数値制御工作機械の状態を示すログデータとを保持する。これらのデータは、切削加工中に所定の周期で採取したものである。位置Pについては、第1の形態の加工結果評価装置10では指令位置として説明したが、本実施形態の加工結果評価装置20は5軸加工機に用いられるので、グラフィック表示部7に表示される切削工具により切削される切削位置の軌跡上の3次元の位置は切削点(後述)となる。本実施形態では、Pを表示位置とする。
【0089】
本実施形態では指令位置はP'とする。指令位置P'は、数値制御装置が加工プログラムの指令に従って被削材を切削する切削位置の軌跡を所定の周期毎に補間し、切削工具の制御装置に指令する5軸分の位置データである。5軸分の位置データとは、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の直線軸3軸の位置データ(工具制御点と呼ぶ)と、切削工具の傾き角指令値である回転軸2軸の位置データである。
【0090】
加工結果評価装置20が用いられる数値制御工作機械では、CAM(computer aided manufacturing)により、被削材を切削加工する位置である切削点から工具制御点へ変換して加工プログラムが作成される。このとき加味されるのが切削工具の傾き角である。切削工具の長さは工具制御点と切削点との距離に合致する。逆に、指令位置P'の5軸分の位置データと切削工具の長さから、切削点(すなわち表示位置P)の3次元座標を算出することもでき、5軸加工機の制御にて普通に行われている。この周知の変換関数をここではFとする(式4)。
【0091】
p = F(p') ・・・(式4)
【0092】
式4におけるpは3次元座標の位置データ(加工結果評価装置20では表示位置Pに相当)であり、p'は5軸分の位置データ(加工結果評価装置20では表示位置P'に相当)である。
【0093】
ピックマークMは、第1の形態の加工結果評価装置10と同様に、数値制御装置の加工プログラムの送り指令がピックフィードであった場合にマークされるデータである。このマークにより加工パスが区切られることになるので、後述する近傍位置探索部3が隣接する加工パスを識別するために参照される。
【0094】
数値制御工作機械の状態を示すログデータには、例えば、切削工具の制御装置がその制御で使用している検出位置や検出速度、検出加速度などがある。数値制御工作機械は、直線軸3軸及び回転軸2軸の5軸を有するため、切削工具の制御装置から採取する評価データは5軸分のデータからなる。本実施形態の加工結果評価装置20では、加工結果評価装置20の使用者は、評価データ決定部4がログデータ保持部1から読み出す評価データとして、例えば検出位置を選択することができる。評価データ決定部4がログデータ保持部1から読み出す評価データとして、検出位置を選択した場合の加工結果評価装置20について、以下に記載する。
【0095】
グラフィック表示部7に表示される表示位置Pは、直線軸3軸の位置データとしてログデータ保持部1に記録されている。図10に示す対象位置順次読み出し部2は、表示位置Pを順に1つずつ読み出す。いま読み出す対象のレコード番号をi、読み出した指令位置Pを対象位置Piと記す。以降に記載する各部では、グラフィック表示部7で対象位置Piに合成するデータを作成するためにレコード番号iの、すなわち対象位置Piに対して処理が行われる。近傍位置探索部3は、レコード番号iの対象位置Piが存在する加工パスに隣接する加工パス上に、以下に示す先行近傍位置Pia及び後行近傍位置Pibを探索する。なお、対象位置Piが存在する加工パスを加工パスjとする。
【0096】
先行近傍位置Piaは、対象位置Piが存在する加工パスjより先に加工されて加工パスjに隣接する加工パスj-1上で、対象位置Piに最も近い指令位置である。
【0097】
後行近傍位置Pibは、対象位置Piが存在する加工パスjより後に加工されて加工パスjに隣接する加工パスj+1上で、対象位置Piに最も近い指令位置である。
【0098】
先行近傍位置Piaの探索の手順としては、まずログデータ保持部1を参照し対象位置Piよりレコード番号が減少する方向のピックマークMを探索して対象位置Piが存在する加工パスjより先に切削加工されて加工パスjに隣接する先行パスとして加工パスj-1を特定する。そして、加工パスj-1上で対象位置Piに最も近い表示位置を探索し、先行近傍位置Piaとする。
【0099】
後行近傍位置Pibの探索の手順としては、まずログデータ保持部1を参照し対象位置Piよりレコード番号が増加する方向のピックマークMを探索して対象位置Piが存在する加工パスjより後に切削加工されて加工パスjに隣接する後行パスとして加工パスj+1を特定する。そして、加工パスj+1上で対象位置Piに最も近い表示位置を探索し、後行近傍位置Pibとする。
【0100】
図11は黒い菱形印◆で示したある対象位置Piについて、近傍位置探索部3が探索した加工パスj-1上の先行近傍位置Piaと加工パスj+1上の後行近傍位置Pib(ともに黒丸印●)を例示したものである。そして、図11には更に、対象位置Piの直線軸3軸の座標の位置である制御点P'iと、先行近傍位置Piaの直線軸3軸の座標の位置である制御点P'iaと、後行近傍位置Pibの直線軸3軸の座標の位置である制御点P'ibも示している。実線は加工パスを表す。
【0101】
検出位置Eは、直線軸3軸及び回転軸2軸の5軸の座標としてログデータ保持部1に記録されている。対象位置データ取得部411は、対象位置Piの検出位置としてレコード番号iの検出位置Eiの5軸の座標をログデータ保持部1から受け取る。対象位置データ取得部411は、検出位置Eiの5軸の座標を対象位置算出部412に送ると共に、検出位置Eiの5軸の座標のうち直線軸3軸の座標を第2差分値算出部62に送る。
【0102】
対象位置算出部412は、対象位置データ取得部411から受け取った検出位置Eiの5軸の座標を、式4で示した関数Fで3次元座標に変換して、第1差分値算出部61に送る。
【0103】
先行近傍位置データ取得部421は、ログデータ保持部1からレコード番号iaの検出位置Eiaの5軸の座標を得る。先行近傍位置データ取得部421は、検出位置Eiaの5軸の座標を先行近傍位置算出部422に送ると共に、検出位置Eiaの5軸の座標のうち直線軸3軸の座標を第2基準値算出部52に送る。
【0104】
先行近傍位置算出部422は、先行近傍位置データ取得部421から受け取った検出位置Eiaの5軸の座標を、式4で示した関数Fで3次元座標に変換して、先行近傍位置Piaの検出位置の座標として第1基準値算出部51に送る。
【0105】
後行近傍位置データ取得部431は、ログデータ保持部1からレコード番号ibの検出位置Eibの5軸の座標を得る。後行近傍位置データ取得部431は、検出位置Eibの5軸の座標を後行近傍位置算出部432に送ると共に、検出位置Eibの5軸の座標のうち直線軸3軸の座標を制御点P'ibの検出位置の座標として第2基準値算出部52に送る。
【0106】
後行近傍位置算出部432は、後行近傍位置データ取得部431から受け取った検出位置Eibの5軸の座標を、式4で示した関数Fで3次元座標に変換して、後行近傍位置Pibの検出位置の座標として第1基準値算出部51に送る。
【0107】
図11に示す対象位置Piと制御点P'i、先行近傍位置Piaと制御点P'ia、後行近傍位置Pibと制御点P'ibについて、YZ断面に射影した例を図12に示す。図12の中央の切削工具の状態が対象位置Piと制御点P'iとの関係を示している。そして、図12の右側の切削工具の状態が先行近傍位置Piaと制御点P'iaとの関係を示しており、図12の左側の切削工具の状態が後行近傍位置Pibと制御点P'ibとの関係を示している。
【0108】
第1基準値算出部51は、先行近傍位置算出部422で算出した検出位置Eiaの3次元座標と、後行近傍位置算出部432で算出した検出位置Eibの検出位置の3次元座標とのベクトル平均である基準値Ciを算出する。
【0109】
そして、第1差分値算出部61は、第1基準値算出部51で算出した基準値Ciから、対象位置算出部412で算出した検出位置Eiの検出位置の3次元座標との差分値である対象位置差分値Diを算出する。図13に基準値Ci及び対象位置差分値Diを図示する。対象位置差分値Diは3次元座標として算出される。第1差分値算出部61は、対象位置差分値Diをグラフィック表示部7と第3差分値算出部63に送る。そして、グラフィック表示部7は、図13に示すように、対象位置Piを始点に対象位置差分値Diを3次元のベクトルとしてグラフィック表示する。
【0110】
以上のようにして、本実施形態の加工結果評価装置20では、5軸加工において、対象位置Pi、先行近傍位置Pia及び後行近傍位置Pibのそれぞれの評価データ(検出位置)を直線軸3軸及び回転軸2軸の5軸の座標から3次元座標に式4で変換して、対象位置Pi、先行近傍位置Pia及び後行近傍位置Pibの検出位置の3次元座標から対象位置差分値Diを3次元座標として算出し、対象位置差分値Diを3次元のベクトルとして対象位置Piに合成して表示することにより、ピックフィード方向に近い位置の評価データ(検出位置)の変化を、その変化の方向まで含めて表示することができる。これが各対象位置P(すなわち軌跡上の各表示位置)に対してなされるので、実際の加工位置への対応づけとそこでのズレ量を視覚的に把握できる。
【0111】
更に本実施形態の加工結果評価装置20では、5軸加工において、ログデータに採った評価データを元にして、以下に説明する直線軸差分値D'i及び回転軸差分値diをグラフィック表示部7に表示する。以下に説明する直線軸差分値D'i及び回転軸差分値diは、対象位置差分値Diのベクトルが生じる要因として直線軸3軸の成分の方が大きいのか回転軸2軸の成分の方が大きいのか識別可能とするものである。以下の説明でも評価データとして検出位置を例にとる。
【0112】
図10に示す第2基準値算出部52は、先行近傍位置データ取得部421から受け取った検出位置Eiaの直線軸3軸の座標と、後行近傍位置データ取得部431から受け取った検出位置Eibの直線軸3軸の座標とのベクトル平均である直線軸基準値C'iを算出する。
【0113】
そして、第2差分値算出部62は、第2基準値算出部52から受け取った直線軸基準値C'iと、対象位置データ取得部411から受け取った検出位置Eiの直線軸3軸の座標との差分値である直線軸差分値D'iを算出する。図14に直線軸基準値C'iと直線軸差分値D'iを図示する。直線軸差分値D'iは3次元のベクトルである。第2差分値算出部62は、直線軸差分値D'iをグラフィック表示部7と第3差分値算出部63に送る。
【0114】
第3差分値算出部63は、第1差分値算出部61から受け取った対象位置差分値Diと第2差分値算出部62から受け取った直線軸差分値D'iとの差である回転軸差分値diのベクトルを算出する。そして、第3差分値算出部63は、回転軸差分値diをグラフィック表示部7に送る。
【0115】
更に第3差分値算出部63は、回転軸差分値diのベクトルの大きさ|di|と、第2差分値算出部62から受け取った直線軸差分値D'iのベクトルの大きさ|D'i|とを比較して、比較結果を大きさ情報Liとしてグラフィック表示部7に送る。
【0116】
グラフィック表示部7は、対象位置Piを始点に直線軸差分値D'iのベクトルを表示する。その結果、図15に示すように対象位置差分値Di及び直線軸差分値D'iのベクトルがグラフィック表示される。なお、対象位置差分値Diのベクトルも既出の通り表示される。そして、グラフィック表示部7は、図16に示すように、直線軸差分値D'iのベクトルの終点位置から回転軸差分値diのベクトルをグラフィック表示する。つまり、グラフィック表示部7は、直線軸差分値D'i及び回転軸差分値diをそれぞれベクトルとして大きさ及び方向を対象位置Piに合成して表示する。
【0117】
対象位置差分値Diはピックフィード方向に近い位置の評価データ(検出位置)の変化を示し、直線軸差分値D'iは対象位置差分値Diのうち直線軸3軸の成分の変化を示す。そのため、対象位置差分値Diと直線軸差分値D'iとの差である回転軸差分値diは、対象位置差分値Diのうち回転軸2軸の成分の変化とみなすことができる。したがって、本実施形態では、直線軸差分値D'iと回転軸差分値diとをそれぞれベクトルとして大きさ及び方向を対象位置Piに合成して表示部に表示することによって、5軸加工において、ピックフィード方向に近い位置の評価データ(検出位置)の直線軸3軸の成分の変化と回転軸2軸の成分の変化を、それぞれの変化の方向まで含めて別々に表示することができる。
【0118】
そして、本実施形態では、グラフィック表示部7は、大きさ情報Liに基づき、直線軸差分値D'i及び回転軸差分値diのいずれの方が大きいか識別可能に表示する。例えば、大きさ情報Liが回転軸差分値diよりも直線軸差分値D'iの方が大きいとなっていれば、直線軸差分値D'iのベクトルを赤色で表示し、回転軸差分値diのベクトルを青色で表示する。逆に、大きさ情報Liが直線軸差分値D'iよりも回転軸差分値diの方が大きいとなっていれば、直線軸差分値D'iのベクトルを青色で表示し、回転軸差分値diのベクトルを赤色で表示する。
【0119】
このように赤色と青色で表示する場合、対象位置差分値Diのベクトル、直線軸差分値D'iのベクトル及び回転軸差分値diのベクトルが、例えば図16に示す状態であれば、直線軸差分値D'iのベクトルが赤色で表示され、回転軸差分値diのベクトルが青色で表示される。図11と同じ視点で対象位置Piを表示した図17では、直線軸差分値D'iのベクトルが赤色で表示され、回転軸差分値diのベクトルが青色で表示される。図17図16と視点が違うので、一見、回転軸差分値diのベクトルが直線軸差分値D'iのベクトルよりも大きく見えるが、そうでないことは色によって容易にかつ正確に識別できる。なお、図17は1つの対象位置Piについてのみ対象位置差分値Diのベクトルと直線軸差分値D'iのベクトルと回転軸差分値diのベクトルとを表示したものであり、グラフィック表示部7には、表示される各対象位置について対象位置差分値Diのベクトルと直線軸差分値D'iのベクトルと回転軸差分値diのベクトルとが表示される。
【0120】
このようにグラフィック表示部7が表示するため、切削加工後にグラフィック表示部7を見れば、直線軸差分値D'iが赤色で表示され回転軸差分値diが青色で表示されている場合は、対象位置差分値Diが生じる要因として回転軸2軸の成分よりも直線軸3軸の成分の方が大きいと識別できる。また、直線軸差分値D'iが青色で表示され、回転軸差分値diが赤色で表示されている場合は、対象位置差分値Diが生じる要因として直線軸3軸の成分よりも回転軸2軸の成分の方が大きいと識別できる。
【0121】
以上のようにして、本実施形態の加工結果評価装置20では、5軸加工において、評価データである検出位置について対象位置差分値Diが生じる原因として、直線軸3軸の成分の方が大きいのか、回転軸2軸の成分の方が大きいのかが識別可能になる。そして、このように識別可能になることにより、5軸加工での直線軸に対する回転軸の変化の度合いを直感的に把握し易くなる。
【0122】
なお、本実施形態の加工結果評価装置20は、上例のようにログデータに採った検出位置Eの5軸の座標から対象位置差分値Diと直線軸差分値D'iと回転軸差分値diとを3次元座標として算出してグラフィック表示部7に3次元のベクトルとして表示することができるが、他にも、例えばログデータに採った検出速度Vや検出加速度Aの5軸の座標から対象位置差分値Diと直線軸差分値D'iと回転軸差分値diとを3次元座標として算出してグラフィック表示部7に3次元のベクトルとして表示してもよい。
【0123】
ログデータに採った検出速度Vの5軸の座標から対象位置差分値Diと直線軸差分値D'iと回転軸差分値diとを3次元座標として算出してグラフィック表示部7に3次元のベクトルとして表示した場合は、検出速度Vについて対象位置差分値Diが生じる原因として、直線軸3軸の成分の方が大きいのか、回転軸2軸の成分の方が大きいのかが識別可能になる。そして、検出速度Vについて直線軸に対する回転軸の変化の度合いを視覚的に把握できる。
【0124】
ログデータに採った検出加速度Aの5軸の座標から対象位置差分値Diと直線軸差分値D'iと回転軸差分値diとを3次元座標として算出してグラフィック表示部7に3次元のベクトルとして表示した場合は、検出加速度Aについて対象位置差分値Diが生じる原因として、直線軸3軸の成分の方が大きいのか、回転軸2軸の成分の方が大きいのかが識別可能になる。そして、検出加速度Aについて直線軸に対する回転軸の変化の度合いを直感的に把握し易くなる。
【0125】
<実施形態の補足>
本開示の加工結果評価装置は、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、第4の形態では、直線軸差分値D'i及び回転軸差分値diの大きい方を赤色で表示し小さい方を青色で表示するが、大きい方と小さい方とを識別できれば、識別方法は他の方法であってもよい。例えば、赤と青以外の色を用いてもよいし、線の太さや明るさを変えて表示する方法で識別してもよいし、一方を実線で表示して他方を破線で表示するなどの方法で識別してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 ログデータ保持部、2 対象位置順次読み出し部、3 近傍位置探索部、4 評価データ決定部、5 基準値算出部、6 差分値算出部、7 グラフィック表示部、10、20 加工結果評価装置、51 第1基準値算出部、52 第2基準値算出部、61 第1差分値算出部、62 第2差分値算出部、63 第3差分値算出部、411 対象位置データ取得部、412 対象位置算出部、421 先行近傍位置データ取得部、422 先行近傍位置算出部、431 後行近傍位置データ取得部、432 後行近傍位置算出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17