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特許7470543ワイヤレスオーディオシステム、ワイヤレススピーカ、プログラム、およびワイヤレスオーディオシステムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ワイヤレスオーディオシステム、ワイヤレススピーカ、プログラム、およびワイヤレスオーディオシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240411BHJP
   H04R 1/06 20060101ALI20240411BHJP
   H04R 27/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R1/06 310
H04R27/00 J
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020051857
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021150927
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309039716
【氏名又は名称】株式会社ディーアンドエムホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】羽場崎 学
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-069822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/06
H04R 3/00- 3/14
H04R 27/00-27/04
H04S 1/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワイヤレススピーカと、前記ワイヤレススピーカを制御するコントローラと、を備えたワイヤレスオーディオシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音を集音する集音手段と、
前記集音手段により集音された環境音の音圧推移情報を、自ワイヤレススピーカが出力中の再生データの音圧推移情報とともに、前記コントローラに送信する推移情報送信手段と、
前記コントローラから、スレーブとしてグループに参加する他の前記ワイヤレススピーカの指定を伴うマスタ設定指示を受信した場合に、自ワイヤレススピーカが再生中のオーディオデータに同期して、その再生データを、当該マスタ設定指示で前記スレーブとして指定された他の前記ワイヤレススピーカ各々に送信するマスタモード動作手段と、
前記コントローラから、マスタとしてグループに参加する他の前記ワイヤレススピーカの指定を伴うスレーブ設定指示を受信した場合に、当該スレーブ設定指示で前記マスタとして指定された他の前記ワイヤレススピーカから前記オーディオデータの再生データを受信して出力するスレーブモード動作手段と、を有し、
前記コントローラは、
前記複数のワイヤレススピーカから受信した環境音の音圧推移情報および再生データの音圧推移情報に基づいて、前記ワイヤレススピーカ毎に、他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいか否かを判断する音漏れ判断手段と、
前記複数のワイヤレススピーカのうちのいずれかについて、前記音漏れ判断手段により他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいと判断された場合に、前記複数のワイヤレススピーカでグループを形成するべく、前記複数のワイヤレススピーカのうちの一つを前記マスタに決定し、残りを前記スレーブに決定するマスタ・スレーブ決定手段と、
前記マスタ・スレーブ決定手段により前記マスタに決定された前記ワイヤレススピーカに、前記マスタ・スレーブ決定手段により前記スレーブに決定された前記ワイヤレススピーカの指定を伴う前記マスタ設定指示を送信するとともに、前記スレーブに決定された前記ワイヤレススピーカに、前記マスタに決定された前記ワイヤレススピーカの指定を伴う前記スレーブ設定指示を送信するマスタ・スレーブ設定指示手段と、を有する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記音漏れ判断手段は、
判断対象の前記ワイヤレススピーカから受信した環境音の音圧推移情報から当該ワイヤレススピーカから受信した再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報が、他の前記ワイヤレススピーカから受信した再生データの音圧推移情報に近似しており、かつ、当該残余成分の音圧推移情報のピークレベルが所定レベル以上である場合に、他の前記ワイヤレススピーカの音漏れが大きいと判断する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
前記集音手段により集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍の話者数を特定する話者数特定手段と、
前記話者数特定手段により特定された話者数を前記コントローラに送信する話者数送信手段と、をさらに有し、
前記マスタ・スレーブ決定手段は、
前記複数のワイヤレススピーカのうちのいずれかについて、前記音漏れ判断手段により他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいと判断された場合に、当該複数の前記ワイヤレススピーカ各々から受信した話者数に基づいて前記マスタおよび前記スレーブを決定する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
前記集音手段により集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍にいる話者の顧客層を判定する顧客層判定手段と、
前記顧客層判定手段により判定された顧客層に応じて予め設定されたジャンルの楽曲を選曲する選曲手段と、
前記選曲手段により選曲された楽曲を再生出力する再生手段と、をさらに有する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記顧客層判定手段は、
前記集音手段により集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍にいる話者を特定し、特定した話者各々の性別を判別してその男女比率を話者の顧客層として判定する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれか一項に記載のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
前記集音手段により集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音の音量レベルを監視する音量レベル監視手段と、
前記音量レベル監視手段により監視された音量レベルの、所定時間内における変動幅が所定値以上である場合に、自ワイヤレススピーカの出力音量レベルを下げる音量調整手段と、をさらに有する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のワイヤレスオーディオシステムにおいて前記ワイヤレススピーカとして用いられることを特徴とするワイヤレススピーカ。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のワイヤレスオーディオシステムにおいて前記コントローラとして用いられることを特徴とするコントローラ。
【請求項9】
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータを請求項7に記載のワイヤレススピーカとして機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータを請求項8に記載のコントローラとして機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
複数のワイヤレススピーカと、前記ワイヤレススピーカを制御するコントローラと、を備えたワイヤレスオーディオシステムの制御方法であって、
複数の区切られたスペース各々に前記ワイヤレススピーカを配置し、
前記ワイヤレススピーカは、
自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音を集音し、
集音された自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音の音圧推移情報を、自ワイヤレススピーカが出力中の再生データの音圧推移情報とともに、前記コントローラに送信し、
前記コントローラから、スレーブとしてグループに参加する他の前記ワイヤレススピーカの指定を伴うマスタ設定指示を受信した場合に、自ワイヤレススピーカが再生中のオーディオデータに同期して、その再生データを、当該マスタ設定指示で前記スレーブとして指定された他の前記ワイヤレススピーカ各々に送信し、
前記コントローラから、マスタとしてグループに参加する他の前記ワイヤレススピーカの指定を伴うスレーブ設定指示を受信した場合に、当該スレーブ設定指示で前記マスタとして指定された他の前記ワイヤレススピーカから前記オーディオデータの再生データを受信して出力し、
前記コントローラは、
前記複数のワイヤレススピーカから受信した環境音の音圧推移情報および再生データの音圧推移情報に基づいて、前記ワイヤレススピーカ毎に、他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいか否かを判断し、
前記複数のワイヤレススピーカのうちのいずれかについて、他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいと判断された場合に、前記複数のワイヤレススピーカでグループを形成するべく、前記複数のワイヤレススピーカのうちの一つを前記マスタに決定し、残りを前記スレーブに決定し、
前記マスタに決定された前記ワイヤレススピーカに、前記スレーブに決定された前記ワイヤレススピーカの指定を伴う前記マスタ設定指示を送信するとともに、前記スレーブに決定された前記ワイヤレススピーカに、前記マスタに決定された前記ワイヤレススピーカの指定を伴う前記スレーブ設定指示を送信する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステムの制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載のワイヤレスオーディオシステムの制御方法であって、
前記ワイヤレススピーカは、
自ワイヤレススピーカの配置位置において集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍にいる話者の顧客層を判定し、
判定された顧客層に応じて予め設定されたジャンルの楽曲を選曲し、
選曲された楽曲を再生出力する
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステムの制御方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載のワイヤレスオーディオシステムの制御方法であって、
前記ワイヤレススピーカは、
自ワイヤレススピーカの配置位置において集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音の音量レベルを監視し、
監視された音量レベルの、所定時間内における変動幅が所定値以上である場合に、自ワイヤレススピーカの出力音量レベルを下げる
ことを特徴とするワイヤレスオーディオシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレススピーカに関し、特に、二台以上のワイヤレススピーカでグループを形成して、グループ内で同じオーディオデータを同期再生可能なワイヤレスオーディオシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二台以上のワイヤレススピーカでグループを形成し、グループ内で同じオーディオデータを同期再生することができるワイヤレスオーディオシステムが開示されている。
【0003】
このワイヤレスオーディオシステムでは、同じグループに属する複数のワイヤレススピーカがアービトレーションを実施して、これらのワイヤレススピーカのなかから一台のワイヤレススピーカを選出する。選出されたワイヤレススピーカは、マスタ(グループリーダ)となって、メディアサーバ等からオーディオデータをダウンロードして再生し出力するとともに、その再生データを、同じグループに属する他のワイヤレススピーカ(スレーブ)に送信して、これらのスピーカからも出力させる。これにより、同じグループに属する複数のワイヤレススピーカから同じ楽曲を同期出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7987294号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のワイヤレスオーディオシステムによれば、複数のブースを備えたデパートやショッピングモール、複数の個室を備えたレストラン等、複数の区切られたスペースで構成された施設において、各スペースにワイヤレススピーカを配置すれば、ワイヤレススピーカをグルーピングすることにより複数のスペースで同じ楽曲を同期再生することができるし、ワイヤレススピーカをグルーピングせずにスペース毎に異なる楽曲を再生することもできる。しかしながら、例えば隣接するスペース間で異なる楽曲が再生されている場合、隣接するスペース間の音漏れにより、一方のスペースにおいて、ワイヤレススピーカから出力中の楽曲と他方のスペースから漏れてくる異なる楽曲とが混在し、顧客に不快な思いをさせる可能性がある。
【0006】
また、デパート、ショッピングモール等の各ブースの販売員は、ターゲットとする顧客層に合わせて、自身が担当するブースに配置されたワイヤレススピーカで再生する楽曲を予め選曲することができる。しかし、想定外の顧客層の顧客が来訪した場合には、急遽、選曲をやり直す必要性が生じることもある。同様に、レストラン等の店員は、予約客の顧客層に合わせて、この予約客に割り当てた個室に配置されているワイヤレススピーカで再生する楽曲を予め選曲することができる。しかし、予約客のメンバー構成に変更があった場合には、急遽、選曲をやり直す必要性が生じることもある。このため、デパート、ショッピングモール等の販売員、レストラン等の店員といった、ワイヤレスオーディオシステムの操作者の選曲作業が煩雑となる可能性がある。
【0007】
また、デパート、ショッピングモール等のブースにおいて販売員が接客中の場合、このブースに配置されたワイヤレススピーカから出力される楽曲の音量が大きいと、接客の邪魔になることがある。このため、ワイヤレススピーカの出力音量レベルを下げる必要性が生じることがある。同様に、レストラン等の個室において顧客が会話中の場合も、このブースに配置されたワイヤレススピーカから出力される楽曲の音量が大きいと、会話の邪魔になることがある。このため、ワイヤレススピーカの出力音量レベルを下げる必要性が生じることがある。
【0008】
このため、デパート、ショッピングモール等の販売員、レストラン等の店員といった、ワイヤレスオーディオシステムの操作者の音量調整作業が煩雑となる可能性がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、二台以上のワイヤレススピーカを有するワイヤレスオーディオシステムにおける操作者の利便性を向上させることにある。
【0010】
具体的には、本発明の第1の目的は、他のワイヤレススピーカの音漏れが気にならないように、ワイヤレススピーカのグループを自動形成することにある。また、本発明の第2の目的は、顧客のいるスペースに配置されたワイヤレススピーカで再生する楽曲を、顧客に応じて自動選曲することにある。また、本発明の第3の目的は、顧客のいるスペースに配置されたワイヤレススピーカの出力音量レベルを、状況に応じて自動調整することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様において、ワイヤレススピーカは、自ワイヤレススピーカが内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカに接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音を集音する。そして、集音した環境音の音圧推移情報を、自ワイヤレススピーカが出力中の再生データの音圧推移情報とともに、コントローラに送信する。一方、コントローラは、複数のワイヤレススピーカ各々について、これらのワイヤレススピーカから受信した環境音の音圧推移情報および再生データの音圧推移情報に基づいて、他のワイヤレススピーカからの音漏れが大きいか否かを判断する。例えば、あるワイヤレススピーカについて、集音した環境音の音圧推移情報から再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報が、他のワイヤレススピーカの再生データの音圧推移情報に近似しており、かつ、この残余成分の音圧推移情報のピークレベルが所定レベル以上である場合に、この他のワイヤレススピーカからの音漏れが大きいと判断する。そして、コントローラは、これらワイヤレススピーカでグループを形成することにより、これらのワイヤレススピーカ間で同じオーディオデータを同期再生させる。
【0012】
ここで、複数のワイヤレススピーカが、それぞれ、集音した環境音から自ワイヤレススピーカの配置位置近傍の話者数を特定して、特定した話者数をコントローラに送信し、コントローラが、特定した話者数の最も多いワイヤレススピーカをマスタに決定することにより、これら複数のワイヤレススピーカ間で同じ楽曲を同期再生してもよい。
【0013】
例えば、本発明の第1の態様は、
複数のワイヤレススピーカと、前記ワイヤレススピーカを制御するコントローラと、を備えたワイヤレスオーディオシステムであって
前記ワイヤレススピーカは、
自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音を集音する集音手段と、
前記集音手段により集音された環境音の音圧推移情報を、自ワイヤレススピーカが出力中の再生データの音圧推移情報とともに、前記コントローラに送信する推移情報送信手段と、
前記コントローラから、スレーブとしてグループに参加する他の前記ワイヤレススピーカの指定を伴うマスタ設定指示を受信した場合に、自ワイヤレススピーカが再生中のオーディオデータに同期して、その再生データを、当該マスタ設定指示で前記スレーブとして指定された他の前記ワイヤレススピーカ各々に送信するマスタモード動作手段と、
前記コントローラから、マスタとしてグループに参加する他の前記ワイヤレススピーカの指定を伴うスレーブ設定指示を受信した場合に、当該スレーブ設定指示で前記マスタとして指定された他の前記ワイヤレススピーカから前記オーディオデータの再生データを受信して出力するスレーブモード動作手段と、を有し、
前記コントローラは、
前記複数のワイヤレススピーカから受信した環境音の音圧推移情報および再生データの音圧推移情報に基づいて、前記ワイヤレススピーカ毎に、他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいか否かを判断する音漏れ判断手段と、
前記複数のワイヤレススピーカのうちのいずれかについて、前記音漏れ判断手段により他の前記ワイヤレススピーカからの音漏れが大きいと判断された場合に、前記複数のワイヤレススピーカでグループを形成するべく、前記複数のワイヤレススピーカのうちの一つを前記マスタに決定し、残りを前記スレーブに決定するマスタ・スレーブ決定手段と、
前記マスタ・スレーブ決定手段により前記マスタに決定された前記ワイヤレススピーカに、前記マスタ・スレーブ決定手段により前記スレーブに決定された前記ワイヤレススピーカの指定を伴う前記マスタ設定指示を送信するとともに、前記スレーブに決定された前記ワイヤレススピーカに、前記マスタに決定された前記ワイヤレススピーカの指定を伴う前記スレーブ設定指示を送信するマスタ・スレーブ設定指示手段と、を有する。
【0014】
また、本発明の第2の態様において、ワイヤレススピーカは、自ワイヤレススピーカが内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカに接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音を集音する。そして、集音した環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍にいる話者の顧客層を判定し、判定した顧客層に応じて予め定められたジャンルの楽曲を自動選曲して再生出力する。
【0015】
ここで、集音した環境音から話者各々の性別を判別して、これらの話者の男女比率を話者の顧客層として判定してもよい。あるいは、集音した環境音から話者各々の年齢層を判別して、これらの話者の年齢層比率を話者の顧客層として判定してもよい。
【0016】
例えば、本発明の第2の態様は、
上述した本発明の第1の態様のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
前記集音手段により集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍にいる話者の顧客層を判定する顧客層判定手段と、
前記顧客層判定手段により判定された顧客層に応じて予め設定されたジャンルの楽曲を選曲する選曲手段と、
前記選曲手段により選曲された楽曲を再生出力する再生手段と、をさらに有する。
【0017】
また、本発明の第3の態様において、ワイヤレススピーカは、自ワイヤレススピーカが内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカに接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカの設置位置における環境音を集音する。そして、集音した環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音の音量レベルの変動幅が所定値以上である場合、自ワイヤレススピーカの設置位置近傍において、顧客を接客中あるいは顧客が会話中と判断し、自ワイヤレススピーカの出力音量レベルを所定レベルに下げる。
【0018】
例えば、本発明の第3の態様は、
上述した本発明の第1の態様のワイヤレスオーディオシステムであって、
前記ワイヤレススピーカは、
前記集音手段により集音された環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音の音量レベルを監視する音量レベル監視手段と、
前記音量レベル監視手段により監視された音量レベルの、所定時間内における変動幅が所定値以上である場合に、自ワイヤレススピーカの出力音量レベルを所定レベルに下げる音量調整手段と、をさらに有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の態様によれば、ワイヤレススピーカが設置されているスペースに、他のスペースに設置されているワイヤレススピーカの音漏れがする場合、これらのワイヤレススピーカを含む複数のワイヤレススピーカをグループ化して、これらのワイヤレススピーカ間で同じオーディオデータを同期再生するので、他のワイヤレススピーカの音漏れにより顧客に不快な思いをさせないで済む。
【0020】
また、本発明の第2の態様において、ワイヤレススピーカは、自ワイヤレススピーカの配置位置における環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音に基づいて、自ワイヤレススピーカの配置位置近傍にいる話者の顧客層を判定し、判定した顧客層に応じて予め定められたジャンルの楽曲を自動選曲して再生出力するので、操作者は、顧客層に合わせて選曲作業を行わなくて済む。
【0021】
また、本発明の第3の態様において、ワイヤレススピーカは、自ワイヤレススピーカの設置位置における環境音から自ワイヤレススピーカが出力中の再生データを除いた音の音量レベルの変動幅が所定値以上である場合、自ワイヤレススピーカの設置位置近傍において、顧客を接客中あるいは顧客が会話中と判断し、自ワイヤレススピーカの出力音量レベルを所定レベルに下げるので、操作者は、状況に合わせて音量調整作業を行わなくて済む。
【0022】
このように、本発明によれば、二台以上のワイヤレススピーカを有するワイヤレスオーディオシステムの操作者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの概略構成図である。
図2図2は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける音漏れ対策動作の一例を示すシーケンス図である。
図3図3は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける音漏れ対策動作の一例を示すシーケンス図であり、図2の続きである。
図4図4は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける自動選曲動作の一例を示すシーケンス図である。
図5図5は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける自動音量調整動作の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、ワイヤレススピーカ1の概略機能構成図である。
図7図7は、ワイヤレススピーカ1の動作を説明するためのフロー図である。
図8図8は、図7に示す音漏れ対策処理S205を説明するためのフロー図である。
図9図9は、図7に示す自動選曲処理S206を説明するためのフロー図である。
図10図10は、図7に示す自動音量調整処理S207を説明するためのフロー図である。
図11図11は、コントローラ2の概略機能構成図である。
図12図12は、コントローラ2の動作を説明するためのフロー図である。
図13図13は、図12に示す再生指示送信処理S302を説明するためのフロー図である。
図14図14は、図12に示す音漏れ対策指示送信処理S303を説明するためのフロー図である。
図15図15は、図14に示す音漏れ監視処理S3033を説明するためのフロー図である。
図16図16は、図12に示す音量調整指示送信処理S304を説明するためのフロー図である。
図17図17は、図12に示す自動選曲指示送信処理S305を説明するためのフロー図である。
図18図18は、図12に示す自動音量調整指示送信処理S306を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの概略構成図である。ここでは、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムが、複数の区切られたブースA~Dで構成されたデパート、ショッピングモール等の施設に導入された場合を例にとり説明する。
【0026】
図示するように、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムは、ブースA~Dに配置された複数のワイヤレススピーカ1-1~1-4(以下、単にワイヤレススピーカ1とも呼ぶ)と、アクセスポイント3を介してワイヤレススピーカ1に無線接続されたコントローラ2と、を備えている。
【0027】
各ブースA~Dには、顧客7に対応するための販売員6が配置されている。ここでは、2つのブースA、Bは、壁等の仕切りを介して互いに隣接し、2つのブースC、Dは、通路によって他のブースから隔離されているが、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムが適用される施設内のブース数およびブースレイアウトは任意である。例えば、すべてのブースがいずれかのブースに隣接していてもよいし、3つ以上のブースが互いに隣接していてもよい。
【0028】
ワイヤレススピーカ1は、通常モード、マスタモード、およびスレーブモードのいずれかで動作する。通常モードでは、アクセスポイント3およびWAN、LAN等のネットワーク4を介してメディアサーバ5からオーディオデータをダウンロードして再生・出力する。また、マスタモードでは、アクセスポイント3およびネットワーク4を介して、メディアサーバ5からオーディオデータをダウンロードして再生・出力するとともに、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属する他のワイヤレススピーカ1各々にその再生データを送信する。そして、スレーブモードでは、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するマスタのワイヤレススピーカ1から再生データを受信し、マスタに同期してこれを出力する。
【0029】
コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1に対して、再生指示を含む各種操作およびマスタ・スレーブの設定等を遠隔で実施する。
【0030】
図2および図3は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける音漏れ対策動作の一例を示すシーケンス図である。
【0031】
ここで、互いに隣接するブースA、Bにそれぞれ配置されたワイヤレススピーカ1-1、1-2は、当初、通常モードに設定されているものとする。
【0032】
まず、コントローラ2は、操作者(販売員6等)からワイヤレススピーカ1-1および楽曲の指定を伴う再生操作を受け付けると(S100)、操作者により指定された楽曲の指定を伴う再生指示をワイヤレススピーカ1-1に送信する(S101)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1-1は、再生指示で指定された楽曲の指定を伴うDL(ダウンロード)要求をメディアサーバ5に送信して(S102)、指定された楽曲のオーディオデータをメディアサーバ5から取得する(S103)。そして、ワイヤレススピーカ1-1は、メディアサーバ5から取得した楽曲のオーディオデータを再生して出力する(S104)。
【0033】
同様に、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-2および楽曲の指定を伴う再生操作を操作者から受け付けると(S105)、操作者により指定された楽曲の指定を伴う再生指示をワイヤレススピーカ1-2に送信する(S106)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1-2は、再生指示で指定された楽曲の指定を伴うDL要求をメディアサーバ5に送信して(S107)、指定された楽曲のオーディオデータをメディアサーバ5から取得する(S108)。そして、ワイヤレススピーカ1-2は、メディアサーバ5から取得した楽曲のオーディオデータを再生して出力する(S109)。
【0034】
つぎに、コントローラ2は、互いに隣接するブースA、Bにそれぞれ配置されたワイヤレススピーカ1-1、1-2の指定を伴う音漏れ対策操作を操作者から受け付けたものとする(S110)。コントローラ2は、それぞれのワイヤレススピーカ1-1、1-2に音漏れ対策指示を送信する(S111、S112)。
【0035】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-1、1-2は、自ワイヤレススピーカ1が内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカ1に接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA、Bにおける環境音を集音して、その音圧推移情報の計測を開始するとともに、自ワイヤレススピーカ1が出力中である再生データの音圧推移情報の計測を開始する(S113、S114)。そして、ワイヤレススピーカ1-1、1-2は、逐次、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA、Bにおける環境音の音圧推移情報および自ワイヤレススピーカ1が出力中の再生データの音圧推移情報をコントローラ2に送信する(S115、S116)。
【0036】
これを受けて、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-1から受信した環境音の音圧推移情報および再生データの音圧推移情報と、ワイヤレススピーカ1-2から受信した再生データの音圧推移情報と、に基づいて、ワイヤレススピーカ1-1が配置されたブースAにおいて、ブースBからのワイヤレススピーカ1-2の音漏れの程度(大きいか否か)を判断する。同様に、ワイヤレススピーカ1-2から受信した環境音の音圧推移情報および再生データの音圧推移情報と、ワイヤレススピーカ1-1から受信した再生データの音圧推移情報と、に基づいて、ワイヤレススピーカ1-2が配置されたブースBにおいて、ブースAからのワイヤレススピーカ1-1の音漏れの程度(大きいか否か)を判断する。なお、音漏れ判断の詳細は後述する。
【0037】
ここで、ワイヤレススピーカ1-1が配置されたブースAおよびワイヤレススピーカ1-2が配置されたブースBの少なくとも一方において、他方のブースからの音漏れが大きいと判断されたものとする(S117)。この場合、コントローラ2は、両ワイヤレススピーカ1-1、1-2に話者数検出指示を送信する(S118、S119)。
【0038】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-1は、自ワイヤレススピーカ1-1が内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカ1-1に接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカ1-1が配置されたブースAで集音した環境音と、自ワイヤレススピーカ1-1が出力中の再生データと、に基づいて、ブースAにいる話者(顧客7および販売員6)を特定し、その話者数をコントローラ2に送信する(S120)。なお、話者特定の詳細は後述する。ここでは、話者数「4人」がワイヤレススピーカ1-1からコントローラ2に送信されたものとする。
【0039】
同様に、ワイヤレススピーカ1-2は、自ワイヤレススピーカ1-2が内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカ1-2に接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカ1-2が配置されたブースBで集音した環境音と、自ワイヤレススピーカ1-2が出力中の再生データと、に基づいて、ブースBにいる話者を特定し、その話者数をコントローラ2に送信する(S121)。ここでは、話者数「2人」がワイヤレススピーカ1-2からコントローラ2に送信されたものとする。
【0040】
つぎに、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-1、1-2をグループ化するとともに、ワイヤレススピーカ1-1、1-2から受信した話者数に基づいてマスタおよびスレーブを決定する(S122)。ここでは、最も多い話者数「4人」を送信したワイヤレススピーカ1-1をマスタに決定し、ワイヤレススピーカ1-2をスレーブに決定している。
【0041】
それから、コントローラ2は、マスタに決定されたワイヤレススピーカ1-1に、スレーブに決定されたワイヤレススピーカ1-2の指定を伴うマスタ設定指示を送信するとともに(S123)、スレーブに決定されたワイヤレススピーカ1-2に、マスタに決定されたワイヤレススピーカ1-1の指定を伴うスレーブ設定指示を送信する(S124)。
【0042】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-1は、動作モードを通常モードからマスタモードに移行する(S125)。そして、メディアサーバ5から取得した楽曲のオーディオデータを再生して出力するとともに、その再生データを、マスタ設定指示で指定されているワイヤレススピーカ1-2に送信する(S127)。
【0043】
一方、ワイヤレススピーカ1-2は、動作モードを通常モードからスレーブモードに移行する(S126)。そして、スレーブ設定指示で指定されているワイヤレススピーカ1-1から再生データを受信して出力する(S128)。これにより、同じグループに属するワイヤレススピーカ1-1、1-2間において、同じ楽曲のオーディオデータが同期して再生出力される。
【0044】
図4は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける自動選曲動作の一例を示すシーケンス図である。
【0045】
ここで、ブースCに配置されたワイヤレススピーカ1-3は、通常モードに設定されているものとする。
【0046】
まず、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-3の指定を伴う自動選曲操作を操作者から受け付けると(S140)、ワイヤレススピーカ1-3に自動選曲指示を送信する(S141)。
【0047】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-3は、自ワイヤレススピーカ1-3が内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカ1-3に接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカ1-3が配置されたブースCの環境音を集音する(S142)。それから、ワイヤレススピーカ1-3は、自ワイヤレススピーカ1-3が配置されたブースCから集音した環境音から、自ワイヤレススピーカ1-3が出力中である再生データを除いた残余成分の音に基づいて、ブースCにいる話者を特定する(S143)。
【0048】
つぎに、ワイヤレススピーカ1-3は、特定した話者各々の音声パターンに基づいて、例えば話者各々の性別を判定し、ブースCにいる話者の男女比率をブースCの顧客層として判定する(S144)。それから、ワイヤレススピーカ1-3は、顧客層毎に予め登録されている楽曲のジャンルのなかから、ブースCの顧客層に対応するジャンルを決定する(S145)。そして、ワイヤレススピーカ1-3は、決定したジャンルの指定を含むDL要求をメディアサーバ5に送信する(S146)。
【0049】
これを受けて、メディアサーバ5は、DL要求で指定されているジャンルに属する楽曲をランダムに選曲し(S147)、選曲した楽曲のオーディオデータをワイヤレススピーカ1-3に送信する(S148)。
【0050】
そして、ワイヤレススピーカ1-3は、メディアサーバ5から受信した楽曲のオーディオデータを再生して出力する(S149)。これにより、ワイヤレススピーカ1-3は、このワイヤレススピーカ1-3が配置されているブースCの顧客層にあった楽曲を再生出力する。
【0051】
図5は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおける自動音量調整動作の一例を示すシーケンス図である。
【0052】
ここで、ブースDに配置されたワイヤレススピーカ1-4は、通常モードに設定されているものとする。
【0053】
まず、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-4および楽曲の指定を伴う再生操作を操作者から受け付けると(S160)、ワイヤレススピーカ1-4に、操作者により指定された楽曲の指定を伴う再生指示を送信する(S161)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1-4は、再生指示で指定された楽曲の指定を伴うDL要求をメディアサーバ5に送信して(S162)、指定された楽曲のオーディオデータをメディアサーバ5から取得する(S163)。そして、ワイヤレススピーカ1-4は、メディアサーバ5から取得した楽曲のオーディオデータを再生して出力する(S164)。
【0054】
つぎに、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-4の指定を伴う自動音量調整操作を操作者から受け付けたものとする(S165)。コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1-4に自動音量調整指示を送信する(S166)。
【0055】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1-4は、自ワイヤレススピーカ1-4が内蔵するマイク、あるいは自ワイヤレススピーカ1-4に接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカ1-4が配置されたブースDの環境音の集音を開始する(S167)。そして、集音した環境音から、自ワイヤレススピーカ1-4が出力中である再生データを除いた残余成分の音の音量レベルの監視を開始する(S168)。
【0056】
ここで、残余成分の音の音量レベルが所定の基準値以上となったことを検出したものとする。(S169)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1-4は、自ワイヤレススピーカ1-4の出力音量レベルを所定値だけ低下させる(S170)。
【0057】
つぎに、ワイヤレススピーカ1の詳細を説明する。
【0058】
図6は、ワイヤレススピーカ1の概略機能構成図である。
【0059】
この図に示すワイヤレススピーカ1の機能構成は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置と、無線LANアダプタ等の無線通信装置と、スピーカ、マイク等の入出力装置と、を備えたコンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0060】
図示するように、ワイヤレススピーカ1は、無線インターフェース部100と、オーディオデータ取得部101と、再生データ受信部102と、オーディオ再生部103と、音量調整部104と、スピーカ部105と、再生データ送信部106と、集音部107と、音圧推移情報生成部108と、話者特定部109と、顧客層判定部110と、ジャンル選択部111と、音量レベル監視部112と、コントローラ通信部113と、主制御部114と、を備えている。
【0061】
無線インターフェース部100は、アクセスポイント3に接続するためのインターフェースである。
【0062】
オーディオデータ取得部101は、無線インターフェース部100を介してメディアサーバ5から楽曲のオーディオデータを取得する。
【0063】
再生データ受信部102は、自ワイヤレススピーカ1がスレーブモードで動作している場合に、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するマスタのワイヤレススピーカ1から再生データを受信する。
【0064】
オーディオ再生部103は、オーディオデータ取得部101により取得されたオーディオデータを再生して、その再生データを音量調整部104に出力する。また、オーディオ再生部103は、再生データ受信部102により受信された再生データをパススルーして音量調整部104に出力する。
【0065】
音量調整部104は、主制御部114あるいは音量レベル監視部112の指示に従い、オーディオ再生部103より受け取った再生データの出力音量レベルを調整する。
【0066】
スピーカ部105は、音量調整部104により音量レベルが調整された再生データを音声出力する。
【0067】
再生データ送信部106は、自ワイヤレススピーカ1がマスタモードで動作している場合に、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するスレーブのワイヤレススピーカ1に、オーディオ再生部103により再生されたオーディオデータの再生データを送信する。
【0068】
集音部107は、図示していない内蔵マイクあるいは自ワイヤレススピーカ1に接続されたマイクを介して、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dの環境音を集音する。
【0069】
音圧推移情報生成部108は、集音部107により集音される環境音の音圧推移情報を生成する。また、音圧推移情報生成部108は、音量調整部104からスピーカ部105に出力される再生データの音圧推移情報を生成する。
【0070】
話者特定部109は、音圧推移情報生成部108により生成された環境音の音圧推移情報から再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報に基づいて、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにいる話者を特定する。具体的には、入力音を、近似する特徴を持つ音声帯域毎にまとめて話者の音声パターンを特定する話者特徴クラスタリング(例えば特開平10-198393号公報)を利用して、残余成分の音圧推移情報から、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにいる話者の音声パターンを特定する。
【0071】
顧客層判定部110は、話者特定部109により特定された話者各々の性別を判定して、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにいる話者の男女比率をその顧客層として判定する。なお、話者の性別判定は、予め用意された男女別の音声パターンモデルと話者の音声パターンを比較し、どちらのモデルに話者の音声パターンが近似しているかを調べることにより実施する(例えば特開2001-56699号公報)。
【0072】
ジャンル選択部111は、顧客層(男女比率)毎に楽曲のジャンルを紐付けて記憶しており、顧客層判定部110により判定された顧客層に紐付けられたジャンルを選択する。
【0073】
音量レベル監視部112は、音圧推移情報生成部108により生成された環境音および再生データの音圧推移情報に基づいて、環境音から再生データを除いた音の音量レベルを監視する。そして、所定時間内における音量レベルの変動幅が所定の基準値以上となった場合に、音量調整部104に出力音量レベルの低下を指示する。
【0074】
コントローラ通信部113は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2と通信する。
【0075】
そして、主制御部114は、ワイヤレススピーカ1の各部100~113を統括的に制御する。また、主制御部114は、自ワイヤレススピーカ1を通常モードで動作させる通常モード動作部115と、自ワイヤレススピーカ1をマスタモードで動作させるマスタモード動作部116と、自ワイヤレススピーカ1をスレーブモードで動作させるスレーブモード動作部117と、を有している。
【0076】
図7は、ワイヤレススピーカ1の動作を説明するためのフロー図である。
【0077】
コントローラ通信部113は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から各種指示を受け付けるのを監視しており、コントローラ2からの各種指示を受け付けるごとに(S200でYES)、受け付けた指示を主制御部114に通知する。主制御部114は、コントローラ通信部113から通知を受け付けると、以下に示すように、通知された指示に応じた割り込み処理を実行する。
【0078】
主制御部114は、コントローラ通信部113から通知された指示が、楽曲の指定を伴う再生指示である場合(S201で「再生指示」)、この再生指示を通常モード動作部115に渡す。これを受けて、通常モード動作部115は、自ワイヤレススピーカ1の動作モードを通常モードに設定し、再生指示で指定されている楽曲のオーディオデータの取得をオーディオデータ取得部101に指示する。
【0079】
これを受けて、オーディオデータ取得部101は、無線インターフェース部100を介してメディアサーバ5に、通常モード動作部115よりオーディオデータの取得を指示された楽曲の指定を伴うDL要求を送信して、この楽曲のオーディオデータをメディアサーバ5から取得する(S202)。それから、オーディオデータ取得部101は、このオーディオデータをオーディオ再生部103に渡す。オーディオ再生部103は、オーディオデータ取得部101から受け取ったオーディオデータを再生し、その再生データを、音量調整部104を介してスピーカ部105から出力する(S203)。
【0080】
また、主制御部114は、コントローラ通信部113から通知された指示が音量調整指示である場合(S201で「音量調整指示」)、この音量調整指示に従って音量調整部104の出力音量レベルを調整する(S204)。
【0081】
また、主制御部114は、コントローラ通信部113から通知された指示が音漏れ対策指示である場合には(S201で「音漏れ対策指示」)、自ワイヤレススピーカ1が楽曲再生中でなければただちにS200に復帰し、自ワイヤレススピーカ1が楽曲再生中であれば後述の音漏れ対策処理を実施する(S205)。
【0082】
また、コントローラ通信部113から通知された指示が自動選曲指示である場合には(S201で「自動選曲指示」)、後述の自動選曲処理を実施する(S206)。
【0083】
また、コントローラ通信部113から通知された指示が自動音量調整指示である場合には(S201で「自動音量調整指示」)、自ワイヤレススピーカ1が楽曲再生中でなければただちにS200に復帰し、自ワイヤレススピーカ1が楽曲再生中であれば後述の自動音量調整処理を実施する(S207)。
【0084】
図8は、図7に示す音漏れ対策処理S205を説明するためのフロー図である。
【0085】
まず、主制御部114は、集音部107に環境音の集音を指示するとともに、音圧推移情報生成部108に音圧推移情報の生成を指示する。これを受けて、集音部107は、自ワイヤレススピーカ1が配置されているブースA~Dの環境音の集音を開始する(S2050)。また、音圧推移情報生成部108は、集音部107により集音された環境音の音圧推移情報の生成を開始するとともに、音量調整部104からスピーカ部105に出力される再生データの音圧推移情報の生成を開始する。そして、環境音および再生データの音圧推移情報を主制御部114に逐次出力する。これを受けて、主制御部114は、コントローラ通信部113を介してコントローラ2に、音圧推移情報生成部108から逐次送られてくる環境音および再生データの音圧推移情報の送信を開始する(S2051)。
【0086】
つぎに、コントローラ通信部113は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から話者数検出指示を受け付けると(S2052でYES)、受け付けた話者数検出指示を主制御部114に通知する。この通知に応じて、主制御部114は、話者特定部109に話者数検出を指示する。これを受けて、話者特定部109は、集音部107により集音された環境音に基づいて、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにいる話者の音声パターンを特定し、その話者数を主制御部114に通知する。そして、主制御部114は、コントローラ通信部113を介してコントローラ2に、話者特定部109から通知された話者数を送信する(S2054)。
【0087】
つぎに、コントローラ通信部113は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から設定指示を受け付けると(S2055でYES)、受け付けた設定指示を主制御部114に通知する。
【0088】
主制御部114は、コントローラ通信部113から通知された設定指示が、スレーブの指定を伴うマスタ設定指示である場合(S2056で「マスタ設定指示」)、このマスタ設定指示をマスタモード動作部116に渡す。これを受けて、マスタモード動作部116は、自ワイヤレススピーカ1の動作モードをマスタモードに設定し、マスタモードでの動作をオーディオ再生部103に指示するとともに、マスタ設定指示でスレーブに指定されているワイヤレススピーカ1のアドレス情報を再生データ送信部106に通知する。
【0089】
これを受けて、オーディオ再生部103は、再生中のオーディオデータについて、その再生データを音量調整部104および再生データ送信部106に渡す(S2057)。そして、音量調整部104は、オーディオ再生部103から受け取った再生データの出力音量レベルを調整し、それから再生データをスピーカ部105から出力する。一方、再生データ送信部106は、オーディオ再生部103から受け取った再生データを、主制御部114より通知されたアドレス情報により特定される、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するスレーブのワイヤレススピーカ1に無線インターフェース部100を介して送信する(S2058)。
【0090】
また、主制御部114は、コントローラ通信部113から通知された設定指示が、マスタの指定を伴うスレーブ設定指示である場合(S2056で「スレーブ設定指示」)、このスレーブ設定指示をスレーブモード動作部117に渡す。これを受けて、スレーブモード動作部117は、自ワイヤレススピーカ1の動作モードをスレーブモードに設定し、スレーブモードでの動作をオーディオ再生部103に指示するとともに、スレーブ設定指示でマスタに指定されているワイヤレススピーカ1のアドレス情報を再生データ受信部102に通知する。
【0091】
これを受けて、再生データ受信部102は、無線インターフェース部100を介して、自ワイヤレススピーカ1と同じグループに属するマスタのワイヤレススピーカ1から再生データを受信し、これをオーディオ再生部103に渡す。そして、オーディオ再生部103は、再生データ受信部102から受け取った再生データを音量調整部104にパススルーし、音量調整部104は、この再生データの出力音量レベルを調整して、それから再生データをスピーカ部105から出力する(S2059)。
【0092】
図9は、図7に示す自動選曲処理S206を説明するためのフロー図である。
【0093】
まず、主制御部114は、集音部107に環境音の集音を指示し、かつ、音圧推移情報生成部108に音圧推移情報の生成を指示するとともに話者特定部109に話者特定を指示する。これを受けて、集音部107は、自ワイヤレススピーカ1が配置されているブースA~Dの環境音を集音する(S2060)。また、音圧推移情報生成部108は、集音部107により集音された環境音の音圧推移情報を生成するとともに、音量調整部104からスピーカ部105に出力される再生データの音圧推移情報を生成する(S2061)。それから、話者特定部109は、音圧推移情報生成部108により生成された環境音の音圧推移情報から再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報に基づいて、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにいる話者各々の音声パターンを特定し、特定した話者各々の音声パターンを顧客層判定部110に通知する(S2062)。
【0094】
つぎに、顧客層判定部110は、話者特定部109から受け取った話者各々の音声パターンに基づいて、例えば話者各々の性別を判定する。そして、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにいる話者の男女比率をそのブースA~Dの顧客層として判定し、その判定結果をジャンル選択部111に通知する(S2063)。
【0095】
つぎに、ジャンル選択部111は、顧客層判定部110から顧客層の通知を受け付けると、この顧客層に紐付けられて予め登録されているジャンルを選択し(S2064)、選択したジャンルを主制御部114に通知する。主制御部114は、ジャンル選択部111から通知されたジャンルを通常モード動作部115に渡す。これを受けて、通常モード動作部115は、自ワイヤレススピーカ1の動作モードを通常モードに設定し、ジャンル選択部111から通知されたジャンルをオーディオデータ取得部101に通知する。
【0096】
つぎに、オーディオデータ取得部101は、無線インターフェース部100を介してメディアサーバ5に、通常モード動作部115から通知されたジャンルの指定を伴うDL要求を送信して、このジャンルに属する楽曲のオーディオデータをメディアサーバ5から取得する(S2065)。それから、オーディオデータ取得部101は、取得したオーディオデータをオーディオ再生部103に渡す。
【0097】
つぎに、オーディオ再生部103は、オーディオデータ取得部101から受け取ったオーディオデータを再生し、その再生データを、音量調整部104を介してスピーカ部105から出力する(S2066)。
【0098】
その後、オーディオ再生部103によるオーディオデータの再生が終了すると(S2067でYES)、それまでに、コントローラ通信部113が無線インターフェース部100を介してコントローラ2から自動選曲終了指示を受け付けていないならば(S2068でNO)、S2060に戻り、一方、自動選曲終了指示を受け付けているならば(S2068でYES)、自動選曲処理を終了して、S200へ戻る。
【0099】
図10は、図7に示す自動音量調整処理S207を説明するためのフロー図である。
【0100】
まず、主制御部114は、集音部107、音圧推移情報生成部108、および音量レベル監視部112に、それぞれ、環境音の集音、音圧推移情報の生成、および音量レベルの監視を指示する。これを受けて、集音部107は、自ワイヤレススピーカ1が配置されているブースA~Dの環境音の集音を開始する(S2070)。また、音圧推移情報生成部108は、集音部107により集音された環境音の音圧推移情報の生成を開始するとともに、音量調整部104からスピーカ部105に出力される再生データの音圧推移情報の生成を開始する(S2071)。そして、環境音および再生データの音圧推移情報を音量レベル監視部112に逐次出力する。これを受けて、音量レベル監視部112は、音圧推移情報生成部108により生成された環境音および再生データの音圧推移情報に基づいて、環境音の音圧推移情報から再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報が示す音量レベルの監視を開始する(S2072)。
【0101】
音量レベル監視部112は、残余成分の音圧推移情報が示す音量レベルの、所定時間内における変動幅が所定の基準値以上となったならば(S2073でYES)、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにおいて接客が開始された、あるいは顧客7が会話を開始したと判断し、音量調整部104に出力音量レベルの低下を指示する。これを受けて、音量調整部104は、オーディオ再生部103から受け取った再生データの、スピーカ部105からの出力音量レベルを所定値だけ低下させる(S2074)。
【0102】
また、音量レベル監視部112は、音量調整部104の出力音量レベルを所定値だけ低下させた状態において、残余成分の音圧推移情報が示す音量レベルの、所定時間内における変動幅が所定の基準値未満となったならば(S2075でYES)、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにおいて接客が終了した、あるいは顧客7が談話を終了したと判断し、音量調整部104に出力音量レベルの復旧を指示する。これを受けて、音量調整部104は、オーディオ再生部103から受け取った再生データのスピーカ部105からの出力音量レベルを所定値だけ上昇させて元の状態に普及する(S2076)。
【0103】
また、コントローラ通信部113は、無線インターフェース部100を介してコントローラ2から自動音量調整終了指示を受け付けると(S2077でYES)、自動音量調整処理を終了して、S201に戻る。
【0104】
つぎに、コントローラ2の詳細を説明する。
【0105】
図11は、コントローラ2の概略機能構成図である。
【0106】
この図に示すコントローラ2の機能構成は、例えば、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、無線LANアダプタ等の無線通信装置と、タッチパネル、ディスプレイ、ポインティングデバイス等の入出力装置と、を備えたスマートホン、タブレットPC等の携帯型コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0107】
図示するように、コントローラ2は、無線インターフェース部200と、マンマシンインターフェース部201と、ワイヤレススピーカ探索部202と、楽曲情報取得部203と、音漏れ判断部204と、マスタ・スレーブ決定部205と、マスタ・スレーブ設定指示部206と、主制御部207と、を備えている。
【0108】
無線インターフェース部200は、アクセスポイント3に接続するためのインターフェースである。
【0109】
マンマシンインターフェース部201は、ユーザに情報を表示したり、ユーザから各種操作を受け付けたりするためのインターフェースである。
【0110】
ワイヤレススピーカ探索部202は、アクセスポイント3を介してネットワーク4に接続されているワイヤレススピーカ1を探索する。
【0111】
楽曲情報取得部203は、メディアサーバ5がワイヤレススピーカ1に提供可能なオーディオデータの楽曲情報をメディアサーバ5から取得する。
【0112】
音漏れ判断部204は、グループを形成した場合に同じグループに属するワイヤレススピーカ1各々から送られてくる環境音および再生データの音圧推移情報に基づいて、これらのワイヤレススピーカ1のうちのいずれかが配置されたブースA~Dにおいて、他のブースA~Dからの音漏れが大きいか否かを判断する。
【0113】
例えば、互いに隣接するブースA、Bに配置されたワイヤレススピーカ1をメンバーとするグループを形成した場合に同じグループに属するワイヤレススピーカ1各々について、ワイヤレススピーカ1の環境音の音圧推移情報から同じワイヤレススピーカ1の再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報が示す波形と、他のワイヤレススピーカ1の再生データの音圧推移情報が示す波形との特徴量の類似度が所定レベル以上であり、かつ、この残余成分の音圧推移情報のピークレベルが所定値以上である場合に、このワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにおいて、隣接するブースA~Dからの音漏れが大きいと判断する。
【0114】
マスタ・スレーブ決定部205は、同じグループに属するワイヤレススピーカ1各々から送られてきた話者数に基づいて、このグループにおいて、マスタとするワイヤレススピーカ1およびスレーブ(マスタ以外)とするワイヤレススピーカ1を決定する。ここでは、話者数の最も多いワイヤレススピーカ1をマスタに決定し、それ以外のワイヤレススピーカ1をスレーブに決定している。
【0115】
マスタ・スレーブ設定指示部206は、マスタに決定されたワイヤレススピーカ1に、同じグループのスレーブに決定されたワイヤレススピーカ1の指定を伴うマスタ設定指示を送信するとともに、スレーブに決定されたワイヤレススピーカ1に、同じグループのマスタに設定されたワイヤレススピーカ1の指定を伴うスレーブ設定指示を送信する。
【0116】
そして、主制御部207は、コントローラ2の各部200~206を統括的に制御する。
【0117】
図12は、コントローラ2の動作を説明するためのフロー図である。
【0118】
主制御部207は、マンマシンインターフェース部201を介して操作者から各種操作を受け付けるのを監視しており、操作者から操作を受け付けると(S300でYES)、以下に示すように、受け付けた操作の内容に応じた割り込み処理を実行する。
【0119】
受け付けた操作内容が再生操作であるならば(S301で「再生操作」)、後述の再生指示送信処理を実施し(S302)、音漏れ対策操作ならば(S301で「音漏れ対策操作」)、後述の音漏れ対策指示送信処理を実施する(S303)。また、受け付けた操作内容が音量調整操作であるならば(S301で「音量調整操作」)、後述の音量調整指示送信処理を実施し(S304)、自動選曲操作であるならば(S301で「自動選曲操作」)、後述の自動選曲指示送信処理を実施し(S305)、そして、自動音量調整操作であるならば(S301で「自動音量調整操作」)、後述の自動音量調整指示送信処理を実施する(S306)。
【0120】
図13は、図12に示す再生指示送信処理S302を説明するためのフロー図である。
【0121】
まず、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202にワイヤレススピーカ1の探索を指示する。これを受けて、ワイヤレススピーカ探索部202は、無線インターフェース部200を介してネットワーク4に問合せを送信することにより、ネットワーク4に接続されているワイヤレススピーカ1を探索する(S3020)。
【0122】
また、主制御部207は、楽曲情報取得部203に楽曲情報の取得を指示する。これを受けて、楽曲情報取得部203は、無線インターフェース部200を介してメディアサーバ5にアクセスして、メディアサーバ5がワイヤレススピーカ1に提供可能な楽曲情報のリストを取得する(S3021)。
【0123】
つぎに、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202により探索されたワイヤレススピーカ1をマンマシンインターフェース部201に表示して、操作者から再生操作対象のワイヤレススピーカ1の選択を受け付ける(S3022)。
【0124】
また、主制御部207は、楽曲情報取得部203により取得された楽曲情報のリストをマンマシンインターフェース部201に表示して、再生する楽曲の選択を操作者から受け付ける(S3023)。
【0125】
それから、主制御部207は、無線インターフェース部200を介して、再生操作対象のワイヤレススピーカ1に、再生する楽曲の指定を伴う再生指示を送信する(S3024)。
【0126】
図14は、図12に示す音漏れ対策指示送信処理S303を説明するためのフロー図である。
【0127】
まず、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202にワイヤレススピーカ1の探索を指示する。これを受けて、ワイヤレススピーカ探索部202は、無線インターフェース部200を介してネットワーク4に問合せを送信することにより、ネットワーク4に接続されているワイヤレススピーカ1を探索する(S3030)。
【0128】
つぎに、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202により探索されたワイヤレススピーカ1をマンマシンインターフェース部201に表示して、操作者から、音漏れ対策操作対象の2台以上のワイヤレススピーカ1(例えば、互い隣接するブースにそれぞれ配置された2台以上のワイヤレススピーカ1)の選択を受け付ける(S3031)。
【0129】
それから、主制御部207は、無線インターフェース部200を介して音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1各々に音漏れ対策指示を送信して(S3032)、後述の音漏れ監視処理を開始する(S3033)。
【0130】
図15は、図14に示す音漏れ監視処理S3033を説明するためのフロー図である。
【0131】
主制御部207は、無線インターフェース部200を介して、いずれかの音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1(以下、注目スピーカ1と呼ぶ)から環境音および再生データの音圧推移情報を受信すると(S30330でYES)、これらを音漏れ判断部204に渡す。これを受けて、音漏れ判断部204は、注目スピーカ1のブースについて、環境音の音圧推移情報から再生データの音圧推移情報を除いた残余成分の音圧推移情報を算出する(S30331)。
【0132】
つぎに、音漏れ判断部204は、注目スピーカ1が配置されたブースA~Dにおける残余成分の音圧推移情報が示す波形と、注目スピーカ1以外の音漏れ対策操作対象ワイヤレススピーカ1(以下、比較スピーカ1と呼ぶ)から受信済みの再生データの音圧推移情報が示す波形と、を比較する。そして、比較スピーカ1のうち、再生データの音圧推移情報が示す波形と、注目スピーカ1が配置されたブースA~Dにおける残余成分の音圧推移情報が示す波形との特徴量の類似度が所定レベル以上のものがあるならば(S30332でYES)、注目スピーカ1が配置されたブースA~Dにおける残余成分の音圧推移情報が示すピークレベルが所定値以上であるか否かを調べる。そして、注目スピーカ1が配置されたブースA~Dにおける残余成分の音圧推移情報が示すピークレベルが所定値以上であるならば(S30333でYES)、注目スピーカ1が配置されたブースA~Dにおいて、比較スピーカ1が配置されたブースA~Dからの音漏れが大きいと判断し、その判断結果(音漏れ「大」)を主制御部207に通知する。
【0133】
これを受けて、主制御部207は、無線インターフェース部200を介して、音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1各々に話者数検出指示を送信し、これらのワイヤレススピーカ1から話者数を受信する(S30334)。
【0134】
つぎに、主制御部207は、音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1各々から受信した話者数をマスタ・スレーブ決定部205に通知してマスタ・スレーブ決定を指示する。これを受けて、マスタ・スレーブ決定部205は、音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1各々の話者数に基づいて、これらのワイヤレススピーカ1をグループ化した際のマスタおよびスレーブを決定する(S30335)。例えば、話者数が最も多いワイヤレススピーカ1をマスタに決定し、それ以外のワイヤレススピーカ1をスレーブに決定する。そして、決定したマスタおよびスレーブの情報を主制御部207に通知する。
【0135】
これを受けて、主制御部207は、マスタおよびスレーブの情報をマスタ・スレーブ設定指示部206に通知する。マスタ・スレーブ設定指示部206は、主制御部207からマスタおよびスレーブの情報を受け取ると、無線インターフェース部200を介して、マスタに決定されたワイヤレススピーカ1に、スレーブに決定されたワイヤレススピーカ1各々の指定を伴うマスタ設定指示を送信するとともに、スレーブに決定されたワイヤレススピーカ1各々に、マスタに決定されたワイヤレススピーカ1の指定を伴うスレーブ設定指示を送信する(S30336)。
【0136】
図16は、図12に示す音量調整指示送信処理S304を説明するためのフロー図である。
【0137】
まず、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202にワイヤレススピーカ1の探索を指示する。これを受けて、ワイヤレススピーカ探索部202は、無線インターフェース部200を介してネットワーク4に問合せを送信することにより、ネットワーク4に接続されているワイヤレススピーカ1を探索する(S3040)。
【0138】
つぎに、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202により探索されたワイヤレススピーカ1をマンマシンインターフェース部201に表示して、操作者から音量調整操作対象のワイヤレススピーカ1の選択を受け付ける(S3041)。
【0139】
また、主制御部207は、マンマシンインターフェース部201を介して操作者から音量レベル調整量を受け付ける(S3042)。
【0140】
それから、主制御部207は、無線インターフェース部200を介して、音量調整操作対象のワイヤレススピーカ1に、音量レベル調整量の指定を伴う音量調整指示を送信する(S3043)。
【0141】
図17は、図12に示す自動選曲指示送信処理S305を説明するためのフロー図である。
【0142】
まず、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202にワイヤレススピーカ1の探索を指示する。これを受けて、ワイヤレススピーカ探索部202は、無線インターフェース部200を介してネットワーク4に問合せを送信することにより、ネットワーク4に接続されているワイヤレススピーカ1を探索する(S3050)。
【0143】
つぎに、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202により探索されたワイヤレススピーカ1をマンマシンインターフェース部201に表示して、操作者から自動選曲操作対象のワイヤレススピーカ1の選択を受け付ける(S3051)。
【0144】
それから、主制御部207は、無線インターフェース部200を介して、自動選曲操作対象のワイヤレススピーカ1に自動選曲指示を送信する(S3052)。なお、自動選曲操作対象のワイヤレススピーカ1による自動選曲処理の実行中、主制御部207は、マンマシンインターフェース部201を介して操作者から自動選曲終了操作を受け付けると、無線インターフェース部200を介して、自動選曲操作対象のワイヤレススピーカ1に自動選曲終了指示を送信する。
【0145】
図18は、図12に示す自動音量調整指示送信処理S306を説明するためのフロー図である。
【0146】
まず、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202にワイヤレススピーカ1の探索を指示する。これを受けて、ワイヤレススピーカ探索部202は、無線インターフェース部200を介してネットワーク4に問合せを送信することにより、ネットワーク4に接続されているワイヤレススピーカ1を探索する(S3060)。
【0147】
つぎに、主制御部207は、ワイヤレススピーカ探索部202により探索されたワイヤレススピーカ1をマンマシンインターフェース部201に表示して、操作者から自動音量調整操作対象のワイヤレススピーカ1の選択を受け付ける(S3061)。
【0148】
それから、主制御部207は、無線インターフェース部200を介して、自動音量調整操作対象のワイヤレススピーカ1に自動音量調整指示を送信する(S3062)。なお、自動選曲操作対象のワイヤレススピーカ1による自動音量調整処理の実行中、主制御部207は、マンマシンインターフェース部201を介して操作者から自動音量調整終了操作を受け付けると、無線インターフェース部200を介して、自動音量調整操作対象のワイヤレススピーカ1に自動音量調整終了指示を送信する。
【0149】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0150】
本実施の形態によれば、互いに隣接するブースA、Bにそれぞれ配置されたワイヤレススピーカ1を音漏れ対策操作対象に選択することにより、隣接するブースから大きな音漏れがするブースがある場合、これらの隣接するブースA、Bにそれぞれ配置されたワイヤレススピーカ1をグループ化して、これらのワイヤレススピーカ1間で同じオーディオデータを同期再生する。このため、隣接するブースA、Bからの音漏れにより顧客7に不快な思いをさせないで済む。
【0151】
また、本実施の形態によれば、ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dの環境音からこのワイヤレススピーカ1が出力中の再生データを除いた音に基づいて、このブースA~Dの顧客層(例えば、ブースA~D内の話者の男女比率)を判定し、判定した顧客層に応じて予め定められたジャンルの楽曲を自動選曲する。このため、操作者は、顧客層に合わせて選曲作業を行わなくて済む。
【0152】
また、本実施の形態によれば、ワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dの環境音からこのワイヤレススピーカ1が出力中の再生データを除いた音の音量レベルの変動幅が所定幅以上である場合に、このワイヤレススピーカ1が配置されたブースA~Dにおいて、顧客7を接客中あるいは顧客7が会話中と判断し、このワイヤレススピーカ1の出力音量レベルを下げるので、操作者は、状況に応じて音量調整作業を行わなくて済む。
【0153】
このように、本実施の形態によれば、ワイヤレスオーディオシステムの操作者の利便性を向上させることができる。
【0154】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0155】
例えば、ワイヤレススピーカ1は、自動選曲処理S206(図9参照)において、ワイヤレススピーカ1が配置されたブースの環境音からこのワイヤレススピーカ1が出力中の再生データを除いた音に基づいて、このブースにいる話者各々の性別を判定し、ブースにいる話者の男女比率を顧客層として、この顧客層に対応付けられて予め登録されているジャンルの楽曲をメディアサーバ5から取得している。しかし、本発明はこれに限定されない。ワイヤレススピーカ1が配置されたブースの環境音からこのワイヤレススピーカ1が出力中の再生データを除いた音に基づいて、このブースにいる話者各々の年齢層を判定し、ブースにいる話者の年齢層比率を顧客層として、この顧客層に対応付けられて予め登録されているジャンルの楽曲をメディアサーバ5から取得してもよい。また、複数の話者のそれぞれが属する年齢層が異なり、少なくとも1人の話者が所定の年齢以下(例えば12歳以下)である場合、年齢層比率によらず、ファミリ層に対応付けられて予め登録されているジャンルの楽曲がメディアサーバ5から取得されるようにしてもよい。
【0156】
また、コントローラ2は、音漏れ監視処理S3033(図15参照)において、音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1各々から受信した話者数に基づいて、音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1各々をグループ化した場合のマスタおよびスレーブを決定している。しかし、本発明はこれに限定されない。音漏れ対策操作対象のワイヤレススピーカ1のなかから任意にマスタを決定し、その他をスレーブに決定してもよい。
【0157】
また、音漏れ対策操作対象を、互い隣接するブースに配置されたワイヤレススピーカ1としているが、通路によって隔離されているブースであっても音漏れが生じる場合には、このようなブースも音漏れ操作対象としてもよい。 また、コントローラ2は、1回の操作(例えばコントローラ2のマンマシンインターフェース部201に表示された所定のアイコンの選択操作)で音漏れ対策操作、自動選曲操作、および、自動音量調整操作をまとめて受け付けるようにしてもよい。さらには、コントローラ2に音声認識機能を搭載することにより、コントローラ2に対する操作者の各種操作を音声で受け付けるようにしてもよい。
【0158】
また、ワイヤレススピーカ1に、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースを担当する販売員6の音声パターンモデルを予め登録しておくことで、話者特定により特定されたこのブースにいる話者各々の音声パターンから販売員の音声パターンを特定し、販売員以外の話者各々の音声パターンに基づいて顧客層を判定するようにしてもよい。このようにすることで、顧客層に合わせた自動選曲の精度をより向上させることができる。
【0159】
また、ワイヤレススピーカ1に、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースを担当する販売員6の音声パターンモデルを予め登録しておくことで、話者特定により特定されたこのブースにいる話者各々の音声パターンから販売員の音声パターンを特定し、環境音から再生データの出力音および販売員の音声パターンを除いた音の音量レベルの、所定時間内における変動幅に基づいて、自ワイヤレススピーカ1が配置されたブースにおいて接客が開始されたか否かあるいは顧客7が会話を開始したか否かを判断してもよい。このようにすることで、顧客7の声の大きさに応じてより精度よく出力音量レベルを自動調整することができる。
【0160】
また、ワイヤレススピーカ1に音声認識機能を搭載し、「すみません」、「何をお探しですか」といった、接客の開始を示唆するキーワードを検出した場合に、出力音量レベルを下げるようにしてもよい。
【0161】
また、上記の実施の形態では、マスタに設定されたワイヤレススピーカ1がメディアサーバ5から再生対象楽曲のオーディオデータをダウンロードする場合を例に取り説明した。しかし、再生対象楽曲のオーディオデータの取得方法はこれに限定されない。例えば、マスタに設定されたワイヤレススピーカ1がUSBメモリ、CD-ROM等の記憶媒体から再生対象楽曲のオーディオデータを読み込んでもよい。
【0162】
また、上記の実施の形態では、アクセスポイント3を介してネットワーク4に無線接続されたワイヤレススピーカ1を例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、LANケーブルによりネットワーク4に有線接続されたスピーカにも適用可能である。
【0163】
また、上記の実施の形態では、複数の区切られたブースA~Dで構成されたデパート、ショッピングモール等において、各ブースA~Dにワイヤレススピーカ1を配置した場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、複数の個室を備えたレストラン等、複数の区切られたスペースで構成された施設において、各スペースにワイヤレススピーカ1を配置する場合に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0164】
1、1-1~1-4:ワイヤレススピーカ 2:コントローラ
3:アクセスポイント 4:ネットワーク 5:メディアサーバ
6:販売員 7:顧客 100:無線インターフェース部
101:オーディオデータ取得部 102:再生データ受信部
103:オーディオ再生部 104:音量調整部
105:スピーカ部 106:再生データ送信部
107:集音部 108:音圧推移情報生成部
109:話者特定部 110:顧客層判定部
111:ジャンル選択部 112:音量レベル監視部
113:コントローラ通信部 114:主制御部
115:通常モード動作部 116:マスタモード動作部
117:スレーブモード動作部
200:無線インターフェース部
201:マンマシンインターフェース部
202:ワイヤレススピーカ探索部 203:楽曲情報取得部
204:音漏れ判断部 205:マスタ・スレーブ決定部
206:マスタ・スレーブ設定指示部 207:主制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18