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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/04 20060101AFI20240411BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20240411BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
E06B1/04 Z
E06B3/46
E05D15/06 125Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054010
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021155913
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓
(72)【発明者】
【氏名】篠原 佑太
(72)【発明者】
【氏名】山内 龍介
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-177726(JP,U)
【文献】特開2016-191267(JP,A)
【文献】特開2017-115527(JP,A)
【文献】特開2019-31831(JP,A)
【文献】特開2019-31832(JP,A)
【文献】特開2011-21465(JP,A)
【文献】実開昭58-142275(JP,U)
【文献】米国特許第4554770(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦枠を有する枠体と、
前記枠体内をスライド可能な障子であって、上框、下框及び一対の縦框を有する障子と、を備え、
前記一対の縦框のうち戸先側の縦框は、前記縦枠の内部に呑み込まれて配置され、
前記戸先側の縦框の内周側の平面からなる見込み面は、前記縦枠の内周側の平面からなる見込み面よりも、外周側に位置しており、
前記戸先側の縦框は、前記障子の見込方向の一方側及び他方側のいずれの側から見た場合においても前記縦枠に遮蔽され
前記枠体は、上枠を有し、
前記上框は、前記上枠の内部に呑み込まれて配置され、前記上框の内周側の平面からなる見込み面は、前記上枠の内周側の平面からなる見込み面よりも、外周側に位置しており、
前記上框は、前記障子の見込方向の一方側及び他方側のいずれの側から見た場合においても前記上枠に遮蔽される、建具。
【請求項2】
前記上枠の上部には戸車保持部が形成され、前記戸車保持部には、前記上框が接続された吊車が配置される、請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記縦枠の本体部分は、見込方向の一方側及び他方側の少なくとも一方側から見た場合に、建物構造物に遮蔽される請求項1又は2に記載の建具。
【請求項4】
前記枠体は、浴室と脱衣室とを連通する開口部に設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枠体と、枠体内にスライド可能に配置された障子と、を備える建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。障子は、上框、下框及び一対の縦框により構成された框体と、框体内に配置されるガラスと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-191267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術において、障子の上框は、枠体の上枠に呑み込まれて配置されており、枠体の見込方向の両側において上枠に遮蔽されている。そのため、建具の見込方向の一方側及び他方側のいずれから見た場合にも視認されない。一方、障子の戸先側の縦框は、枠体の見込方向の一方側が縦枠に遮蔽されているが、枠体の見込方向の他方側が縦枠に遮蔽されていない。そのため、障子の戸先側の縦框は、見込方向の他方側から見た場合に視認されてしまう。よって、障子の戸先側の縦框が見えてしまうと、意匠性が損なわれる可能性があるため、意匠性を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、枠体と、枠体内にスライド可能に配置された障子を備える建具において、意匠性を向上できる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、縦枠を有する枠体と、前記枠体内をスライド可能な障子であって、上框、下框及び一対の縦框を有する障子と、を備え、前記一対の縦框のうち戸先側の縦框は、前記縦枠の内部に呑み込まれて配置され、前記障子の見込方向の一方側及び他方側のいずれの側から見た場合においても前記縦枠に遮蔽される、建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の建具を浴室側から見た図である。
図2】建具の縦断面を示す図である。
図3】建具の横断面を示す図である。
図4】下枠の周辺の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物に配置された開口部に納められた建具におけるガラスパネルの面方向を意味する。見付方向において、横方向を左右方向という。「見込方向」とは、上記ガラスパネルの厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。本実施形態においては、パネルの一例としてガラスパネルを用いた場合について説明する。パネルはガラスパネルに限定されない。パネルとしては、ガラスパネルの他に、例えば、樹脂パネル、アルミ樹脂複合板(アルポリック(登録商標)等)などが挙げられる。
【0009】
図1図3に示すように、一実施形態の建具1は、建物としてのユニットバス(図示省略)に形成される開口部に設けられる。建具1は、いわゆる引き違い窓であり、図1に示すように、枠体2と、枠体2内に開閉可能に嵌め込まれた内障子3(障子)及び外障子4(障子)と、浴室の換気構造7と、を備える。本実施形態においては、引き違い窓において、浴室側に配置される障子を内障子3といい、脱衣室側に配置される障子を外障子4という。建具1は、内障子3及び外障子4により枠体2内の開口部分を開閉可能である。本実施形態においては、浴室側に配置される障子を内障子3(浴室側から見て右側)とし、脱衣室側に配置される障子を外障子4(同左側)としたが、これに限定されない。浴室側に配置される障子を内障子3(同左側)とし、脱衣室側に配置される障子を外障子4(同右側)としてもよい。
【0010】
枠体2は、建物としてのユニットバス(図示省略)に形成される開口部に設けられる。ユニットバスの内側には防水パン121及び浴槽(図示省略)等が設けられる浴室空間が形成される。ユニットバスの開口部は、浴室と脱衣室とを連通する。
【0011】
枠体2は、図1~3に示すように、上枠21、下枠22及び左右の縦枠23,24により矩形に枠組みされている。上枠21は、枠体2の上部において左右方向に延びる長尺状に形成される。下枠22は、枠体2の下部において左右方向に延びる長尺状に形成される。左右の縦枠23,24は、上枠21及び下枠22の左右方向の両端部において上下方向に延びる。
【0012】
上枠21は、図2に示すように、上枠21の上端に設けられ見込方向に延びる中空状の上端中空部211と、上端中空部211の下方に配置される上枠浴室側呑み込み部212及び上枠脱衣室側呑み込み部213と、中空状の上枠浴室側延在中空部214と、板状の上枠脱衣室側延在板部215と、を有する。上端中空部211、上枠浴室側呑み込み部212、上枠脱衣室側呑み込み部213及び上枠浴室側延在中空部214は、上枠21の本体部分であり、上枠脱衣室側延在板部215は、上枠21における建物構造物への取付枠部分である。
【0013】
上枠浴室側呑み込み部212及び上枠脱衣室側呑み込み部213は、見込方向に隣り合って並んで配置され、いずれも下方に向けて開放する枠状に形成される。上枠浴室側呑み込み部212は浴室側に配置され、上枠脱衣室側呑み込み部213は脱衣室側に配置される。上枠浴室側呑み込み部212には、内障子3の上框31が呑み込まれて配置される。上枠脱衣室側呑み込み部213には、外障子4の上框41が呑み込まれて配置される。
【0014】
上枠浴室側呑み込み部212の上部には、内障子側戸車保持部212aが形成される。内障子側戸車保持部212aには、内障子3の上框31が接続された吊車37が、左右方向に移動可能に配置される。上枠脱衣室側呑み込み部213の上部には、外障子側戸車保持部213aが形成される。外障子側戸車保持部213aには、外障子4の上框41に接続された吊車47が、左右方向に移動可能に配置される。
【0015】
上枠浴室側延在中空部214は、上枠浴室側呑み込み部212の浴室側の下端部において浴室側に突出して形成される。上枠浴室側延在中空部214は、浴室側天井パネル111よりも下方側に配置される。上枠脱衣室側延在板部215は、上枠21における建物構造物への取付枠部分であり、上枠脱衣室側呑み込み部213の脱衣室側の下端部から脱衣室側に延びる。上枠脱衣室側延在板部215は、脱衣室側天井パネル112よりも下方側に配置される。上枠浴室側延在中空部214の下面と、上枠脱衣室側延在板部215の下面とは、ほぼ同じ高さに位置する。なお、上枠脱衣室側延在板部215及び脱衣室側天井パネル112の上下方向の位置は、これに限定されない。上枠脱衣室側延在板部215及び脱衣室側天井パネル112の上下方向の位置は、天井部分の納まりによっては、本実施形態の位置よりも上方に位置してもよいし、下方に位置してもよい。
【0016】
上枠21の上枠浴室側延在中空部214は、図2に示すように、浴室側において、浴室側天井パネル111よりも下方側に配置される。上枠21の浴室側天井パネル111よりも上方側の部分は、浴室側から見た場合に、浴室側天井パネル111に遮蔽されている。
【0017】
上枠21の取付枠部分である上枠脱衣室側延在板部215は、脱衣室側において、脱衣室側天井パネル112よりも僅かに下方側に配置される。上枠21の脱衣室側天井パネル112よりも上方側の部分は、脱衣室側から見た場合に、脱衣室側天井パネル112により遮蔽されている。
【0018】
これにより、浴室側から見た場合に、上枠21の上枠浴室側延在中空部214は視認される。脱衣室側から見た場合に、上枠21の本体部分(上端中空部211、上枠浴室側呑み込み部212、上呑み込み部213及び上枠浴室側延在中空部214)は視認されずに、上枠21の取付枠部分(上枠脱衣室側延在板部215)は視認される。
【0019】
下枠22は、図2に示すように、下枠本体5と、下枠スロープ部材6(下枠カバー部材)と、を有する。下枠本体5及び下枠スロープ部材6は、いずれも、左右方向に延びる長尺状に形成されると共に、見込方向に延びる。
【0020】
下枠本体5は、見込方向において、浴室内の防水パン121と脱衣室内の脱衣室側床材122を跨ぐように延びる。下枠本体5は、上面が段差状に形成される。下枠本体5は、下枠本体5の下端に設けられ見込方向に延びる中空状の下端中空部51と、下端中空部51の浴室側の端部の上面から浴室側に延びる浴室側延在部52と、下端中空部51の脱衣室側の端部から上方に延びる段差部53と、段差部53の上端から脱衣室側に延びる脱衣室側延在部54と、段差部53の上端から浴室側に突出する突出片55と、を有する。下端中空部51、浴室側延在部52及び段差部53は、下枠本体5の本体部分であり、脱衣室側延在部54は、下枠本体5における建物構造物への取付枠部分である。浴室側延在部52の浴室側の端部は、浴室の防水パン121の上面に配置される。脱衣室側延在部54の脱衣室側の端部は、脱衣室側床材122の上面に配置される。なお、下枠本体5は、見込方向において、浴室内の防水パン121と脱衣室内の脱衣室側床材122とを跨がなくてもよい。
【0021】
下枠スロープ部材6は、見込方向に延びる板状に形成される。下枠スロープ部材6は、下枠本体5との間に換気通路71を構成する隙間Sを形成して、下枠本体5の上方側に配置される。下枠スロープ部材6は、見込方向において、下枠本体5の段差部53の上端から浴室側に離れて配置される。
【0022】
下枠スロープ部材6は、図4に示すように、複数の台座221,222により支持される。複数の台座221,222は、下枠本体5と下枠スロープ部材6との間に配置される。下枠スロープ部材6は、図2に示すように、ガイド凹部61と、スロープ延在部62と、スロープ傾斜部63と、を有する。ガイド凹部61、スロープ延在部62及びスロープ傾斜部63は、脱衣室側から浴室側に向けてこの順に配置される。
【0023】
ガイド凹部61は、図2に示すように、上方側が凹んだ枠状に形成される。ガイド凹部61は、内障子3及び外障子4の下方に配置される。ガイド凹部61には、内障子3の下端突起3a及び外障子4の下端突起4aが配置される。ガイド凹部61は、スライド移動可能な内障子3及び外障子4の下端をガイドする。
【0024】
スロープ延在部62は、ガイド凹部61の浴室側の端部から浴室側に水平に所定長さ延びる。スロープ傾斜部63は、スロープ延在部62の浴室側の端部から浴室側に下り傾斜で所定長さ延びる。
【0025】
下枠22の下枠スロープ部材6は、図2に示すように、浴室側において、防水パン121よりも上方側に配置される。下枠22の防水パン121よりも下方側の部分は、浴室側から見た場合に、防水パン121に遮蔽されている。
【0026】
下枠22の取付枠部分である脱衣室側延在部54は、脱衣室側において、脱衣室側床材122よりも僅かに上方側に配置される。下枠22の脱衣室側床材122よりも下方側の部分は、脱衣室側から見た場合に、脱衣室側天井パネル112により遮蔽されている。
【0027】
これにより、浴室側から見た場合に、下枠22の下枠スロープ部材6は視認される。脱衣室側から見た場合に、下枠22の下枠本体5の本体部分(下端中空部51、浴室側延在部52及び段差部53)は視認されずに、下枠22の下枠本体5の取付枠部分(脱衣室側延在部54)は視認される。
【0028】
下枠22には、浴室の換気構造7が設けられている。浴室の換気構造7は、下枠22における下枠本体5と下枠スロープ部材6との間の隙間Sを換気通路71として構成し、換気通路71を通して、浴室を換気する。浴室の換気構造7において、浴室側から脱衣室側への水の流入を抑制するために、換気通路71には、回動軸722を中心に回動可能な第1羽根板721と、回動軸732を中心に回動可能な第2羽根板731とが配置される。
【0029】
図3に示すように、左右の縦枠23,24のうち、一方の縦枠23(本実施形態においては、図3における右側の縦枠23、図1における左側の縦枠23)は、見込方向に延びるように形成される。縦枠23は、浴室側中空部231と、中間中空部232と、縦枠呑み込み凹部233と、脱衣室側中空部234と、縦枠脱衣室側延在板部235と、を有する。浴室側中空部231、中間中空部232、縦枠呑み込み凹部233、脱衣室側中空部234及び縦枠脱衣室側延在板部235は、浴室側から脱衣室側に向かってこの順に配置される。浴室側中空部231、中間中空部232、縦枠呑み込み凹部233及び脱衣室側中空部234は、縦枠23の本体部分であり、縦枠脱衣室側延在板部235は、縦枠23における建物構造物への取付枠部分である。
【0030】
浴室側中空部231は、見込方向の浴室側に配置される。浴室側中空部231は、見込方向に延びる中空状に形成される。中間中空部232は、浴室側中空部231の脱衣室側の端部から脱衣室側に延びる中空状に形成される。
【0031】
縦枠呑み込み凹部233は、中間中空部232の脱衣室側に形成される。縦枠呑み込み凹部233は、左右方向の内側に向けて開放する枠状に形成される。縦枠呑み込み凹部233には、外障子4の戸先框44が呑み込まれて配置される。
【0032】
脱衣室側中空部234は、縦枠呑み込み凹部233の脱衣室側の端部から脱衣室側に延びる中空状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部235は、脱衣室側中空部234における枠体2の左右方向の内側の端部において脱衣室側の端部から脱衣室側に延在する板状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部235は、脱衣室側中空部234における枠体2の左右方向の内側の端部から延在しなくてもよく、脱衣室側中空部234における枠体2の左右方向の途中から延在してもよい。
【0033】
本実施形態においては、浴室側中空部231、中間中空部232及び脱衣室側中空部234を中空状に形成したが、これに限定されず、ソリッド形状に形成してもよい。
【0034】
図3に示すように、左右の縦枠23,24のうち、他方の縦枠24(本実施形態においては、図3における左側の縦枠24、図1における右側の縦枠24)は、見込方向に延びるように形成される。縦枠24は、浴室側中空部241と、縦枠呑み込み凹部243と、脱衣室側中空部244と、縦枠脱衣室側延在板部245と、を有する。浴室側中空部241、縦枠呑み込み凹部243、脱衣室側中空部244及び縦枠脱衣室側延在板部245は、浴室側から脱衣室側に向かってこの順に配置される。浴室側中空部241、縦枠呑み込み凹部243及び脱衣室側中空部244は、縦枠24の本体部分であり、縦枠脱衣室側延在板部245は、縦枠24における建物構造物への取付枠部分である。
【0035】
浴室側中空部241は、見込方向の浴室側に配置される。浴室側中空部241は、見込方向に延びる中空状に形成される。縦枠呑み込み凹部243は、浴室側中空部241の脱衣室側に形成される。縦枠呑み込み凹部243は、左右方向の内側に向けて開放する枠状に形成される。縦枠呑み込み凹部243には、内障子3の戸先框34が呑み込まれて配置される。
【0036】
脱衣室側中空部244は、縦枠呑み込み凹部243の脱衣室側の端部から脱衣室側に延びる中空状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部245は、脱衣室側中空部244における左右方向の内側の端部において脱衣室側の端部から脱衣室側に延在する板状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部245は、脱衣室側中空部244における枠体2の左右方向の内側の端部から延在しなくてもよく、脱衣室側中空部244における枠体2の左右方向の途中から延在してもよい。
【0037】
本実施形態においては、浴室側中空部241及び脱衣室側中空部244を中空状に形成したが、これに限定されず、ソリッド形状に形成してもよい。
【0038】
左右の縦枠23,24それぞれの浴室側中空部231,241の左右方向の外側の面は、中空状のスチールフレーム236,246に固定される。スチールフレーム236,246の浴室側の面には、浴室側壁パネル131,132が配置される。浴室側壁パネル131,132は、スチールフレーム236,246の浴室側の面から浴室側に延びる。
【0039】
本実施形態においては、浴室側中空部231,241を、例えば、頭部が曲面状のなべネジにより、スチールフレーム236,246にネジ固定している。しかし、これに限定されず、浴室側中空部231,241を、意匠性を考慮して、例えば、頭部が平面状の皿ネジにより、スチールフレーム236,246にネジ固定してもよい。
【0040】
本実施形態においては、中空状のスチールフレーム236,246を中空状に形成したが、これに限定されず、ソリッド形状に形成してもよい。
【0041】
左右の縦枠23,24それぞれの縦枠脱衣室側延在板部235,245の左右方向の外側には、造作パネル141が固定される。造作パネル141は、脱衣室側中空部234,244の脱衣室側の面から、脱衣室側に所定長さ延びる。造作パネル141の脱衣室側の端部の左右方向の外側の面には、石膏ボードなどの脱衣室側壁材142が接続される。脱衣室側壁材142は、造作パネル141の左右方向の外側の面から外側に延びる。
【0042】
本実施形態においては、縦枠脱衣室側延在板部235,245を、例えば、頭部が曲面状のなべネジにより、造作パネル141にネジ固定している。しかし、これに限定されず、縦枠脱衣室側延在板部235,245は、意匠性を考慮して、例えば、頭部が平面状の皿ネジにより、造作パネル141にネジ固定してもよい。
【0043】
左右の縦枠23,24それぞれにおいては、浴室側において、浴室側中空部231,241は、浴室側壁パネル131,132よりも左右方向の内側に配置される。これにより、例えば、左右の縦枠23,24を取り外してメンテナンスを行うことができる。しかし、これに限定されず、左右の縦枠23,24を浴室側から見た場合に、縦枠23,24を遮蔽するように、浴室側壁パネルを配置してもよい。
【0044】
左右の縦枠23,24それぞれにおいては、脱衣室側において、取付枠部分である縦枠脱衣室側延在板部235,245は、造作パネル141よりも僅かに左右方向の内側に配置され、造作パネル141よりも左右方向の外側の部分は、造作パネル141により遮蔽されている。これにより、左右の縦枠23,24は、見込方向の脱衣室側から見た場合に、造作パネル141(建物構造物)に遮蔽されている。
【0045】
よって、浴室側から見た場合に、左右の縦枠23,24の浴室側中空部231,241は視認される。脱衣室側から見た場合に、左右の縦枠23,24の本体部分(浴室側中空部231、中間中空部232、縦枠呑み込み凹部233及び脱衣室側中空部234、浴室側中空部241、縦枠呑み込み凹部243及び脱衣室側中空部244)は視認されずに、左右の縦枠23,24の取付枠部分(縦枠脱衣室側延在板部235,245)は視認される。
【0046】
内障子3及び外障子4は、枠体2内をスライド可能である。内障子3及び外障子4は、いずれも引き戸であり、これらを左右方向にスライドさせることで、枠体2の内側の開口部分を開放又は閉鎖する、いわゆる引き違い窓を構成する。
【0047】
内障子3は、図1図3に示すように、いずれも、細幅で長尺状の上框31、下框32及び召内框33(縦框),戸先框34(縦框)により矩形に枠組みされた框体35と、框体35内に嵌め込まれて固定されたガラスパネル36と、を含んで構成される。上框31(図2参照)及び戸先框34(図3参照)は、上枠21及び縦枠24に呑み込まれて配置されており、図1に示すように、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても遮蔽されている。そのため、上框31及び戸先框34は、建具1を浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても視認されない。
【0048】
外障子4は、いずれも、細幅で長尺状の上框41、下框42及び召外框43(縦框),戸先框44(縦框)により矩形に枠組みされた框体45と、框体45内に嵌め込まれて固定されたガラスパネル46と、を含んで構成される。上框41(図2参照)及び戸先框44(図3参照)は、上枠21及び縦枠23に呑み込まれて配置されており、図1に示すように、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても遮蔽されている。そのため、上框41及び戸先框44は、建具1を浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても視認されない。
【0049】
内障子3及び外障子4は、図2及び図3に示すように、いずれも、上框31,41、下框32,42、召内框33、召外框43及び戸先框34,44は、ガラスパネル36,46の端部が配置される呑み込み溝38,48を有して形成される。呑み込み溝38,48は、ガラスパネル36,46の端面が対向した状態で接着されるガラス対向面39,49を有する。ガラス対向面39,49とガラスパネル36,46の端面とは、接着剤により接着されて固定される。ガラス対向面39,49とガラスパネル36,46の端面とを、接着剤により固定することに限定されない。例えば、ガラス対向面39,49とガラスパネル36,46の端面とを、両面テープ等により固定してもよい。
【0050】
本実施形態においては、図2に示すように、ガラスパネル36,46の上端部は、上框31,41における見込方向の中央に配置された状態で、接着剤により接着されて固定されている。ガラスパネル36の下端部は、下框32の見込方向の中央よりも浴室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル46の下端部は、下框42の見込方向の中央よりも脱衣室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル36,46の下端部の端面は、呑み込み溝38,48のガラス対向面39,49において、接着剤により接着されて固定されている。
【0051】
図3に示すように、ガラスパネル36の左右方向の端部は、召内框33及び戸先框34の見込方向の中央よりも浴室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル36の左右方向の端部の端面は、呑み込み溝38のガラス対向面39において、接着剤により接着されて固定されている。ガラスパネル46の左右方向の端部は、召外框43及び戸先框44の見込方向の中央よりも脱衣室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル46の左右方向の端部の端面は、呑み込み溝48のガラス対向面49において、接着剤により接着されて固定されている。
【0052】
本実施形態においては、ガラスパネル36,46の上端部を、上框31,41における見込方向の中央に配置した。ガラスパネル36,46の下端部及び左右方向の端部を、下框32,42、召内框33、召外框43及び戸先框34,44のいずれかにおいて、見込方向の中央よりも浴室側又は脱衣室側に寄った位置に配置した。しかし、これに限定されない。ガラスパネル36,46の上端部を、上框31,41において、見込方向の中央よりも浴室側又は脱衣室側に配置してもよい。ガラスパネル36,46の下端部及び左右方向の端部を、下框32,42、召内框33、召外框43及び戸先框34,44のいずれかにおいて、見込方向の中央に配置してもよいし、見込方向の中央よりも本実施形態で配置された浴室側又は脱衣室側とは反対側に寄った位置に配置してもよい。
【0053】
以上のように構成される上框31,41は、全部が、図2に示すように、上枠21の内部の呑み込み部212,213に呑み込まれて配置される。上框31,41の全部は、見込方向の浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても、上枠21に遮蔽されており、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見ても視認されない。
【0054】
以上のように構成される戸先框34,44は、全部が、図3に示すように、縦枠の内部の呑み込み凹部233,243に呑み込まれて配置される。戸先框34,44の全部は、見込方向の浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても、縦枠23,24に遮蔽されており、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見ても視認されない。
【0055】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の建具1は、縦枠23,24を有する枠体2と、枠体2内をスライド可能な障子3,4であって、上框31,41、下框32,42及び一対の縦框33,34,43,44を有する障子3,4と、を備え、一対の縦框33,34,43,44のうち戸先框44,戸先框34は、縦枠23,24の内部に呑み込まれて配置され、内障子3及び外障子4の見込方向の一方側及び他方側のいずれの側から見た場合においても縦枠23,24に遮蔽される。これにより、戸先框44,戸先框34は、縦枠23,24に遮蔽されるため、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見ても視認されない。よって、意匠性を向上できる。
【0056】
本実施形態においては、枠体2は、上枠21を有し、上框31,41は、上枠21の内部に呑み込まれて配置され、内障子3及び外障子4の見込方向の一方側及び他方側のいずれの側から見た場合においても上枠21に遮蔽される。これにより、上框31,41は、上枠21に遮蔽されるため、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見ても視認されない。よって、意匠性を向上できる。
【0057】
本実施形態においては、縦枠23,24の本体部分は、脱衣室側ら見た場合に、造作パネル141(建物構造物)に遮蔽される。これにより、脱衣室側から見た場合に、縦枠23,24の本体部分が視認されないため、意匠性を向上できる。
【0058】
本実施形態においては、枠体2は、浴室と脱衣室とを連通する開口部に設けられる。これにより、浴室と脱衣室とを連通する開口部に配置される建具1において、意匠性を向上できる。
【0059】
前記実施形態では、本開示に係る建具について、開口部を開閉する引違いの障子を備える建具として説明した。本開示は、片引きの引戸(障子)や、2枚以上の引戸(障子)を備える建具にも適用可能である。本開示は、開口部に対して弧を描いて開閉する開き戸や、折戸にも適用可能である。本開示は、引き違い窓、縦滑り出し窓、横滑り出し窓等にも適用可能である。浴室と脱衣室とを連通する開口部に設けられた建具にも限定されない。建物の内外を連通する建物開口部に設けられた建具に適用してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 建具、2 枠体、3 内障子(障子)、4 外障子(障子)、23,24 縦枠、31 上框、32 下框、33 召内框(縦框)、34 戸先框(縦框)、41 上框、42 下框、43 召外框(縦框)、44 戸先框(縦框)
図1
図2
図3
図4