(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】機器保持装置及び機器保持システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240411BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20240411BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G06F1/16 312K
G06F1/18 E
H05K5/02 B
(21)【出願番号】P 2020122331
(22)【出願日】2020-07-16
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 秀章
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-085261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0024607(US,A1)
【文献】特開2008-233986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16 - 1/18
H05K 5/00 - 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にディスプレイを備えるポータブル電子機器を保持する機器保持装置であって、
前記ポータブル電子機器がその一つの側面を下方にした状態で前記ポータブル電子機器を保持する本体と、該本体に回動可能に取り付けられた回動ブロックとを備え、
前記本体は、前記ポータブル電子機器が該本体に保持されたときに、前記ポータブル電子機器の前記側面に設けられた機器コネクタに接続される本体コネクタを備え、
前記回動ブロックは、前記本体コネクタを介して入力されたデータに基づく映像データを外部の映像表示機器に出力するための映像出力用の外部コネクタを一つの側面に備えると共に、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体の第1側面側を向いた第1回動位置と、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体の前記第1側面側とは反対側の第2側面側を向いた第2回動位置との間で回動可能である、機器保持装置。
【請求項2】
前記回動ブロックは、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面の反対側の側面に、前記ポータブル電子機器における操作入力に用いられる操作入力機器を接続可能な外部コネクタを備える、請求項1に記載の機器保持装置。
【請求項3】
前記回動ブロックは、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面の反対側の側面に、USBコネクタを備える、請求項1又は2に記載の機器保持装置。
【請求項4】
前記本体は、前記回動ブロックに対して横方向両側に配置された一対の横側壁を備え、
各横側壁は前記回動ブロックの外部コネクタに接続されたケーブルを通すための側壁開口を備える、請求項2又は3に記載の機器保持装置。
【請求項5】
前記一対の横側壁の前記側壁開口は、該一対の横側壁の中央に対して略対称的な形状を有する、請求項4に記載の機器保持装置。
【請求項6】
前記回動ブロックは、該回動ブロックが前記第1回動位置及び前記第2回動位置のいずれの回動位置にあっても前記側壁開口のそれぞれと該側壁開口に対向する前記回動ブロックの側面との距離が略等しくなるように配置される、請求項4又は5に記載の機器保持装置。
【請求項7】
前記回動ブロックは略直方体状に形成され、前記回動ブロックの側面は前記
略直方体の側面に相当し、前記外部コネクタは前記回動ブロックの互いに反対側の二つの側面のみに設けられ、前記回動ブロックは複数の側面のうち前記外部コネクタを備えていない側面のうち少なくとも一つに通気開口を備える、請求項2~6のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項8】
前記回動ブロックは、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面に、電源用の外部コネクタ及びUSBコネクタを更に備え、前記USBコネクタは前記映像出力用の外部コネクタを備える側面に設けられた三つの外部コネクタのうちの端に配置される、請求項1~7のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項9】
前記回動ブロックは、前記第1回動位置と前記第2回動位置との間で略180°に亘って回動可能であり、前記第1回動位置と前記第2回動位置との間で回動するときに前記映像出力用の外部コネクタが前記本体の上方向を向くように形成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項10】
前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの一方に前記回動ブロックの回動軸線から偏心して第1突起が設けられ、
前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの他方に前記第1突起が内部で摺動する弧状溝又は弧状開口が設けられ、該弧状溝又は該弧状開口は前記回動軸線を中心に周方向に略180°に亘って延びる、請求項1~9のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項11】
前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの一方に前記回動ブロックの回動軸線から偏心して第2突起が設けられ、
前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの他方に前記回動ブロックが前記第1回動位置又は前記第2回動位置にあるときに前記第2突起が嵌合する嵌合溝又は嵌合開口が設けられ、
前記第2突起又は第2突起が設けられた前記回動ブロック若しくは前記本体は、前記第2突起が前記嵌合溝又は前記嵌合開口に嵌合した状態で前記回動ブロックに回動方向の力が加わったときに前記嵌合溝又は前記嵌合開口から抜け出ることができるように弾性的に形成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項12】
前記本体は前記本体コネクタ及び前記回動ブロックの外部コネクタに接続される配線を更に備え、
前記本体及び前記回動ブロックは、互いに対向する面にそれぞれ第1挿通開口及び第2挿通開口を備え、
前記配線が前記第1挿通開口及び前記第2挿通開口を通る、請求項1~11のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項13】
前記本体コネクタ及び前記回動ブロックの外部コネクタに接続される平板状の配線を更に備え、
前記配線は、前記回動ブロックが前記第1回動位置にあるときには略90°捩れるように折り返され、前記回動ブロックが前記第2回動位置にあるときには前記回動ブロックが前記第1回動位置にあるときとは反対方向に略90°捩れるように折り返される、請求項1~11のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項14】
前記配線は、前記回動ブロック内において前記回動ブロックの回動軸線から偏心した位置において前記回動軸線に向かって延びるように配置され、且つ前記本体内において前記回動軸線から偏心した位置において前記回動軸線に向かって延びるように配置される、請求項12又は13に記載の機器保持装置。
【請求項15】
前記配線は前記回動ブロック内に配置された基板に接続され、該基板は前記回動ブロック内において前記本体側とは反対側に配置される、請求項12~14のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項16】
前記本体は前記回動ブロックと当接する当接壁と、ブロック支持部とを備え、
前記回動ブロックは円形の開口を備え、
前記ブロック支持部は、前記当接壁から前記回動ブロックに向かって延びる円筒部と該円筒部の端部から外周方向に突出するフランジ部とを備え、
前記回動ブロックは、前記フランジ部と前記円筒部と前記当接壁とによって画定される溝に前記円形の開口周りの縁部が嵌合し、前記溝内を前記縁部が摺動することによって前記回動ブロックが前記本体に対して回動するように形成される、請求項1~15のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項17】
前記本体は前記回動ブロックと当接すると共に前記ポータブル電子機器が前記本体に保持されたときに前記回動ブロックと前記ポータブル電子機器との間に位置する当接壁を備え、
前記当接壁は、前記回動ブロックの横方向両側にそれぞれ通気開口を備える、請求項1~15のいずれか1項に記載の機器保持装置。
【請求項18】
前面にディスプレイを備えるポータブル電子機器と、該ポータブル電子機器を保持する機器保持装置とを備える、機器保持システムであって、
前記機器保持装置は、前記ポータブル電子機器がその一つの側面を下方にした状態で前記ポータブル電子機器を保持する本体と、該本体に回動可能に取り付けられた回動ブロックとを備え、
前記本体は、前記ポータブル電子機器が該本体に保持されたときに、前記ポータブル電子機器の前記側面に設けられた機器コネクタに接続される本体コネクタを備え、
前記回動ブロックは、前記本体コネクタを介して入力されたデータに基づく映像データを外部の映像表示機器に出力するための映像出力用の外部コネクタを一つの側面に備えると共に、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体に保持されたポータブル電子機器の第1横側面側を向いた第1回動位置と、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体に保持されたポータブル電子機器の前記第1横側面側とは反対側の第2横側面側を向いた第2回動位置との間で回動可能である、機器保持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器保持装置及び機器保持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイを備えるポータブル電子機器を保持する機器保持装置(クレードル)が知られている(例えば、特許文献1)。例えば、特許文献1に記載された機器保持装置は、ポータブル電子機器に接続するためのコネクタと、テレビ受像器に接続するためのコネクタとを備え、ポータブル電子機器から受信した画像データ又は映像データをテレビ受像器に送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、テレビ受像器などの映像表示機器に接続するためのコネクタが機器保持装置の外周の特定の位置に固定されていると、このコネクタに接続されるケーブルの取り回しが煩雑になる可能性がある。例えば、機器保持装置の配置スペースが映像表示機器の右側にある場合、機器保持装置の右側面にコネクタが配置されていると、機器保持装置の右側面に接続されたケーブルを機器保持装置の左側の映像表示機器に接続することになり、ケーブルの取り回しが煩雑になる。
【0005】
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、機器保持装置に接続されるケーブルの取り回しが煩雑になることが抑制される機器保持装置又は機器保持システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0007】
(1)前面にディスプレイを備えるポータブル電子機器を保持する機器保持装置であって、
前記ポータブル電子機器がその一つの側面を下方にした状態で前記ポータブル電子機器を保持する本体と、該本体に回動可能に取り付けられた回動ブロックとを備え、
前記本体は、前記ポータブル電子機器が該本体に保持されたときに、前記ポータブル電子機器の前記側面に設けられた機器コネクタに接続される本体コネクタを備え、
前記回動ブロックは、前記本体コネクタを介して入力されたデータに基づく映像データを外部の映像表示機器に出力するための映像出力用の外部コネクタを一つの側面に備えると共に、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体の第1側面側を向いた第1回動位置と、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体の前記第1側面側とは反対側の第2側面側を向いた第2回動位置との間で回動可能である、機器保持装置。
(2)前記回動ブロックは、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面の反対側の側面に、前記ポータブル電子機器における操作入力に用いられる操作入力機器を接続可能な外部コネクタを備える、上記(1)に記載の機器保持装置。
(3)前記回動ブロックは、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面の反対側の側面に、USBコネクタを備える、上記(1)又は(2)に記載の機器保持装置。
(4)前記本体は、前記回動ブロックに対して横方向両側に配置された一対の横側壁を備え、
各横側壁は前記回動ブロックの外部コネクタに接続されたケーブルを通すための側壁開口を備える、上記(2)又は(3)に記載の機器保持装置。
(5)前記一対の横側壁の前記側壁開口は、該一対の横側壁の中央に対して略対称的な形状を有する、上記(4)に記載の機器保持装置。
(6)前記回動ブロックは、該回動ブロックが前記第1回動位置及び前記第2回動位置のいずれの回動位置にあっても前記側壁開口のそれぞれと該側壁開口に対向する前記回動ブロックの側面との距離が略等しくなるように配置される、上記(4)又は(5)に記載の機器保持装置。
(7)前記回動ブロックは略直方体状に形成され、前記回動ブロックの側面は前記直方体の側面に相当し、前記外部コネクタは前記回動ブロックの互いに反対側の二つの側面のみに設けられ、前記回動ブロックは複数の側面のうち前記外部コネクタを備えていない側面のうち少なくとも一つに通気開口を備える、上記(2)~(6)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(8)前記回動ブロックは、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面に、電源用の外部コネクタ及びUSBコネクタを更に備え、前記USBコネクタは前記映像出力用の外部コネクタを備える側面に設けられた三つの外部コネクタのうちの端に配置される、上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(9)前記回動ブロックは、前記第1回動位置と前記第2回動位置との間で略180°に亘って回動可能であり、前記第1回動位置と前記第2回動位置との間で回動するときに前記映像出力用の外部コネクタが前記本体の上方向を向くように形成される、上記(1)~(8)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(10)前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの一方に前記回動ブロックの回動軸線から偏心して第1突起が設けられ、
前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの他方に前記第1突起が内部で摺動する弧状溝又は弧状開口が設けられ、該弧状溝又は該弧状開口は前記回動軸線を中心に周方向に略180°に亘って延びる、上記(1)~(9)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(11)前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの一方に前記回動ブロックの回動軸線から偏心して第2突起が設けられ、
前記回動ブロック及び前記本体の互いに対向する面のうちの他方に前記回動ブロックが前記第1回動位置又は前記第2回動位置にあるときに前記第2突起が嵌合する嵌合溝又は嵌合開口が設けられ、
前記第2突起又は第2突起が設けられた前記回動ブロック若しくは前記本体は、前記第2突起が前記嵌合溝又は前記嵌合開口に嵌合した状態で前記回動ブロックに回動方向の力が加わったときに前記嵌合溝又は前記嵌合開口から抜け出ることができるように弾性的に形成される、上記(1)~(10)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(12)前記本体は前記本体コネクタ及び前記回動ブロックの外部コネクタに接続される配線を更に備え、
前記本体及び前記回動ブロックは、互いに対向する面にそれぞれ第1挿通開口及び第2挿通開口を備え、
前記配線が前記第1挿通開口及び前記第2挿通開口を通る、上記(1)~(11)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(13)前記本体コネクタ及び前記回動ブロックの外部コネクタに接続される平板状の配線を更に備え、
前記配線は、前記回動ブロックが前記第1回動位置にあるときには略90°捩れるように折り返され、前記回動ブロックが前記第2回動位置にあるときには前記回動ブロックが前記第1回動位置にあるときとは反対方向に略90°捩れるように折り返される、上記(1)~(11)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(14)前記配線は、前記回動ブロック内において前記回動ブロックの回動軸線から偏心した位置において前記回動軸線に向かって延びるように配置され、且つ前記本体内において前記回動軸線から偏心した位置において前記回動軸線に向かって延びるように配置される、上記(12)又は(13)に記載の機器保持装置。
(15)前記配線は前記回動ブロック内に配置された基板に接続され、該基板は前記回動ブロック内において前記本体側とは反対側に配置される、上記(12)~(14)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(16)前記本体は前記回動ブロックと当接する当接壁と、ブロック支持部とを備え、
前記回動ブロックは円形の開口を備え、
前記ブロック支持部は、前記当接壁から前記回動ブロックに向かって延びる円筒部と該円筒部の端部から外周方向に突出するフランジ部とを備え、
前記回動ブロックは、前記フランジ部と前記円筒部と前記当接壁とによって画定される溝に前記円形の開口周りの縁部が嵌合し、前記溝内を前記縁部が摺動することによって前記回動ブロックが前記本体に対して回動するように形成される、上記(1)~(15)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(17)前記本体は前記回動ブロックと当接すると共に前記ポータブル電子機器が前記本体に保持されたときに前記回動ブロックと前記ポータブル電子機器との間に位置する当接壁を備え、
前記当接壁は、前記回動ブロックの横方向両側にそれぞれ通気開口を備える、上記(1)~(15)のいずれか一つに記載の機器保持装置。
(18)前面にディスプレイを備えるポータブル電子機器と、該ポータブル電子機器を保持する機器保持装置とを備える、機器保持システムであって、
前記機器保持装置は、前記ポータブル電子機器がその一つの側面を下方にした状態で前記ポータブル電子機器を保持する本体と、該本体に回動可能に取り付けられた回動ブロックとを備え、
前記本体は、前記ポータブル電子機器が該本体に保持されたときに、前記ポータブル電子機器の前記側面に設けられた機器コネクタに接続される本体コネクタを備え、
前記回動ブロックは、前記本体コネクタを介して入力されたデータに基づく映像データを外部の映像表示機器に出力するための映像出力用の外部コネクタを一つの側面に備えると共に、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体に保持されたポータブル電子機器の第1横側面側を向いた第1回動位置と、前記映像出力用の外部コネクタを備える側面が前記本体に保持されたポータブル電子機器の前記第1横側面側とは反対側の第2横側面側を向いた第2回動位置との間で回動可能である、機器保持システム。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、機器保持装置に接続されるケーブルの取り回しが煩雑になることが抑制される機器保持装置又は機器保持システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、機器保持装置1及びポータブル電子機器の前面を、斜め上方から見た斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、ポータブル電子機器の前面を斜め上方から見た斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、ポータブル電子機器の後面を斜め下方から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、機器保持装置の後面を斜め上方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4の線VII-VIIに沿って見た機器保持装置の断面側面図である。
【
図8】
図8は、
図6の線IIX-IIXに沿って見た機器保持装置の断面正面図である。
【
図9】
図9は、回動ブロックの当接ハウジングの前方を斜め上方から見た斜視図である。
【
図10】
図10は、回動ブロックを取り外した状態における、本体の背面図である。
【
図11】
図11は、
図7の第2挿通開口付近を拡大した機器保持装置の断面側面図である。
【
図12】
図12は、機器保持装置の後面を斜め上方から見た、
図3と同様な斜視図である。
【
図13】
図13は、機器保持装置の後面を斜め上方から見た、
図3と同様な斜視図である。
【
図14】
図14は、ブロック取付部の当接壁を前方から見た斜視図である。
【
図16】
図16は、回動ブロックの外周形状が本体の外周形状と同一である場合における、機器保持装置の
図3と同様な斜視図である。
【
図17】
図17は、回動ブロックの外周形状が本体の外周形状と同一である場合における、機器保持装置の
図3と同様な斜視図である。
【
図18】
図18は、一つの変形例に係る当接壁の、第1挿通開口近傍における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0011】
図面を参照して、一つの実施形態に係る機器保持システムについて説明する。機器保持システムは、ディスプレイ110が設けられたポータブル電子機器100と、ディスプレイ110が設けられたポータブル電子機器100を保持する機器保持装置1とを備える。
図1は、機器保持装置1及びポータブル電子機器100の前面を、斜め上方から見た斜視図である。
【0012】
図1に示したように、ポータブル電子機器100は略直方体状に形成され、その前面にディスプレイ110を備える。機器保持装置1は、機器保持装置1が載置される載置面(床面や机の上面)に対して鉛直に立った状態でポータブル電子機器100を保持する。しかしながら、機器保持装置1は、載置面に鉛直な方向に対して角度を持った方向に延びるようにポータブル電子機器100を保持してもよい。したがって、機器保持装置1は、ポータブル電子機器100の一つの側面を下方にした状態で保持すれば、如何なる態様でポータブル電子機器100を保持してもよい。
【0013】
本明細書では、ポータブル電子機器100を保持することができるように機器保持装置1を載置面上に載置したときに、載置面に対して垂直であって載置面から機器保持装置1へ向かう方向を機器保持装置1の上方向と称し、載置面に対して垂直であって機器保持装置1から載置面へ向かう方向を機器保持装置1の下方向と称する。また、ポータブル電子機器100を保持したときに、ポータブル電子機器100のディスプレイ110が設けられた面が向く方向及びその反対向きの方向をそれぞれ機器保持装置1の前方向及び後方向と称する。加えて、機器保持装置1を前方から見たときの右手及び左手をそれぞれ機器保持装置1の右側及び左側と称する。
【0014】
また、本明細書では、ポータブル電子機器100のディスプレイ110が設けられた側及びその反対側をそれぞれポータブル電子機器100の前側及び後側と称する。さらに、ポータブル電子機器100の前後方向に対して垂直な方向であって、ポータブル電子機器100が機器保持装置1に載置されたときに機器保持装置1の上方に向かう側及びその反対側をそれぞれポータブル電子機器100の上側及び下側と称する。加えて、ポータブル電子機器100を前方から見たときの右手及び左手をそれぞれポータブル電子機器100の右側及び左側と称する。
【0015】
また、本明細書で用いられる「開口」は、その全周が閉じられた孔、及びその周囲の一部が開いている切り欠きのいずれをも含む。
【0016】
<ポータブル電子機器の構成>
図2A及び
図2Bは、ポータブル電子機器100を概略的に示す斜視図である。
図2Aは、ポータブル電子機器100の前面を斜め上方から見た斜視図であり、
図2Bは、ポータブル電子機器100の後面を斜め下方から見た斜視図である。
【0017】
ポータブル電子機器100は、例えば、ポータブルゲーム機、スマートフォン、タブレットなど、正面にディスプレイを備える持ち運び可能な電子機器である。特に、本実施形態では、ポータブル電子機器100は、ポータブルゲーム機、ゲーミングスマートフォン、ゲーミングタブレットなど、ディスプレイを用いてゲームを実行可能な電子機器である。ポータブル電子機器100は、略直方体形状に形成される筐体101と、その前面に形成されたディスプレイ110とを備える。ディスプレイ110としては、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどが用いられる。
【0018】
ポータブル電子機器100は、筐体101のうち、ディスプレイ110が設けられていない部分に、操作ボタンなどの入力装置を備えてもよい。また、ポータブル電子機器100は、入力装置として、ディスプレイ110の表面上にタッチパネルを備えてもよい。
【0019】
また、ポータブル電子機器100は、コントローラなどの別体の操作入力機器と通信することができるように構成される。したがって、ポータブル電子機器100は、機器保持装置1に保持された状態で、別体の操作入力装置により操作可能である。別体の操作入力装置は、筐体101の側面(特に、右側面及び左側面)に取り付けることができるように形成されてもよく、筐体101の左側面及び右側面(これらをまとめて「横側面」という)には操作入力装置を取り付けるための取付具(例えば、レール)が設けられてもよい。
【0020】
ポータブル電子機器100の筐体101は、
図2Bに示したように、下側の側面に、機器コネクタ103を備える。機器コネクタ103は、後述する機器保持装置1の本体コネクタ24に接続されて、ポータブル電子機器100と機器保持装置1との間でのデータの入出力や、ポータブル電子機器100の充電を行うのに用いられる。したがって、機器コネクタ103は、後述する機器保持装置1の本体コネクタ24に接続させることができるように形成される。機器コネクタ103及び本体コネクタ24は、USB等の一般的な規格に準拠した形態のコネクタであってもよいし、独自の規格に基づいた形態のコネクタであってもよい。機器コネクタ103は、例えば雌型コネクタ(ポート、レセプタクル)であり、ポータブル電子機器100内に設けられたプロセッサ及びメモリなどの電子部品に接続される。
【0021】
また、ポータブル電子機器100は、その後面下方に一対の機器通気開口106を備える。機器通気開口106は、ポータブル電子機器100内に外気を取り入れてポータブル電子機器100内の部品を冷却するために用いられる。各機器通気開口106は、ポータブル電子機器100の左右方向に延びる。特に、本実施形態では、機器通気開口106は、ポータブル電子機器100の左右方向中央を中心として対称的に配置される。なお、機器通気開口106には、ポータブル電子機器100の内部に異物が侵入するのを防止するために、例えばメッシュ状の侵入防止部材が設けられてもよい。
【0022】
<機器保持装置の構成>
次に、
図3を参照して機器保持装置1の構成について説明する。
図3は、機器保持装置1の後面を斜め上方から見た斜視図である。機器保持装置1は、ポータブル電子機器100を保持すると共に、映像ケーブルを介して、テレビ受像器、ビデオモニタ、プロジェクタなどの外部の映像表示機器(特に、設置型の映像表示機器)に映像データを出力するのに用いられる。また、本実施形態に係る機器保持装置1は、機器保持装置1に接続された電源ケーブルを介して、機器保持装置1に保持されたポータブル電子機器100を充電するのに用いられる。
【0023】
図1及び
図3に示したように、機器保持装置1は、ポータブル電子機器100を保持する本体10と、本体10に対して回動可能に取り付けられた回動ブロック60とを備える。本体10及び回動ブロック60は、基板、ケーブル及びコネクタ等の電子部品を除き、プラスチックなどの樹脂、ガラス又は金属などで形成される。
【0024】
≪本体の構成≫
まず、主に
図1及び
図3~
図8を参照して、機器保持装置1の本体10の構成について説明する。
図4は、機器保持装置1の背面図であり、
図5は、機器保持装置1の平面図であり、
図6は、機器保持装置1の右側面図である。
図7は、
図4の線VII-VIIに沿って見た機器保持装置1の断面側面図であり、
図8は、
図5の線IIX-IIXに沿って見た機器保持装置1の断面正面図である。
【0025】
図1及び
図3に示したように、本体10は、ポータブル電子機器100が載置される載置部20と、載置部20の前方に配置された前方ガイド部30と、載置部20の後方に配置された後方ガイド部40と、後方ガイド部40の後方に配置されて回動ブロック60が取り付けられるブロック取付部50とを備える。なお、本体10は、必ずしもこれら構成要素を全て備えている必要はなく、例えば、前方ガイド部30及び後方ガイド部40の少なくとも一方を備えていなくてもよい。
【0026】
載置部20は、機器保持装置1がポータブル電子機器100を保持するときにポータブル電子機器100が載置される、本体10の部分である。載置部20は、その前後方向における幅がポータブル電子機器100の幅よりも僅かに大きくなるように形成される。また、本実施形態では、載置部20の左右方向は、ポータブル電子機器100の左右方向の長さとほぼ等しい長さを備える。
図5及び
図8に示したように、載置部20は、ポータブル電子機器100が載置される載置壁21と、下方ハウジング22とを備える。
【0027】
図5及び
図8に示したように、載置壁21は、左右に延びると共に、その中央にカバー開口21aを備える。カバー開口21a内には本体コネクタ24及びカバー25が配置される。下方ハウジング22は、載置部20の底面及び両側面を画定する。下方ハウジング22は載置壁21の下方に取り付けられ、下方ハウジング22と載置壁21との間には空間が形成される。載置壁21の前端は前方ガイド部30に結合されると共に、載置壁21の後端は後方ガイド部40に結合される。同様に、下方ハウジング22の前端は前方ガイド部30に結合されると共に、下方ハウジング22の後端は後方ガイド部40に結合される。載置壁21は、前方ガイド部30及び後方ガイド部40のいずれか一方又は両方と一体的に形成されてもよいし、これらとは別体として形成されてもよい。同様に、下方ハウジング22は、後方ガイド部40及び前方ガイド部30のいずれか一方又は両方と一体的に形成されてもよいし、これらとは別体として形成されてもよい。
【0028】
また、
図5、
図7及び
図8に示したように、載置部20は、コネクタ用基板23と、コネクタ用基板23に実装された本体コネクタ24と、本体コネクタ24の周りに設けられたカバー25とを備える。コネクタ用基板23は、後述する内部配線82と本体コネクタ24との間でデータの入出力及び電力の伝送を行う。したがって、コネクタ用基板23には内部配線82の一方の端部が接続される。より詳細には、コネクタ用基板23には、内部配線82を接続するための第1入出力コネクタ23aが実装され、内部配線82はこの第1入出力コネクタ23aに接続される。内部配線82の他方の端部は、後述するメイン基板80の第2入出力コネクタ83に接続される。
【0029】
また、コネクタ用基板23には本体コネクタ24が実装される。本体コネクタ24は、ポータブル電子機器100の機器コネクタ103に接続されて、データの入出力やポータブル電子機器100の充電を行うのに用いられる。したがって、本体コネクタ24は、機器コネクタ103に接続させることができるように形成される。このため、本体コネクタ24は、機器コネクタ103と同一の規格に準拠したコネクタである。本体コネクタ24は、例えば雄型コネクタ(プラグ)であり、コネクタ用基板23に対して垂直にコネクタ用基板23から上向きに延びるように配置される。また、本体コネクタ24は、コネクタ用基板23、第1入出力コネクタ23aを介して、内部配線82に接続される。
【0030】
図7及び
図8に示したように、カバー25は、本体コネクタ24の周りを覆うように配置される。カバー25はその中央にコネクタ用開口25aを備え、コネクタ用開口25aはこの中を本体コネクタ24が通ることができるように形成される。カバー25は、上下方向に移動することができ且つポータブル電子機器100が機器保持装置1に保持されていないときに本体コネクタ24を覆うように構成される。
【0031】
本実施形態では、本体コネクタ24は、ポータブル電子機器100が保持される方向(本実施形態では上向き)に向かって延び、横方向に倒れないように下方ハウジング22に取り付けられる。このため、本体コネクタ24は、ポータブル電子機器100の機器コネクタ103が差し込まれたときに、ポータブル電子機器100を保持する。したがって、本実施形態では、本体コネクタ24を有する載置部20によってポータブル電子機器100が保持される。
【0032】
なお、ポータブル電子機器100は、本実施形態では載置部20のみによって保持されているが、載置部20に加えて前方ガイド部30及び後方ガイド部40の少なくともいずれか一方によって保持されてもよい。この場合には、前方ガイド部30及び後方ガイド部40の少なくとも一部によってポータブル電子機器100が転倒しないように支持される。
【0033】
前方ガイド部30は、ポータブル電子機器100が載置部20上に載置されるときにポータブル電子機器100の前面をガイドする、本体10の部分である。前方ガイド部30は、ポータブル電子機器100の前面を保護することにも用いられる。前方ガイド部30は、
図1、
図3及び
図6に示したように、載置部20の前方に結合され、載置部20の上面よりも上方に突出し、平板状に形成される。本実施形態では、前方ガイド部30は、ポータブル電子機器100が本体10に保持されたときに、ポータブル電子機器100の上面と同じ高さ又はこれよりも低い高さまで上方に延びる。この結果、ポータブル電子機器100が本体10に保持されたときに、ポータブル電子機器100のディスプレイ110を少なくとも部分的に覆うことができ、ポータブル電子機器100のディスプレイ110を保護することができる。前方ガイド部30の左右方向の長さは、載置部20の左右方向の長さと同一である。
【0034】
なお、前方ガイド部30は、後方ガイド部40と異なる高さまで上方に延びていてもよい。例えば、前方ガイド部30は、ポータブル電子機器100が本体10に保持されたときに、ディスプレイ110全体が見えるように、低く形成されてもよい。また、本体10がポータブル電子機器100を載置面に鉛直な方向に対して角度を持った方向に延びるように保持する場合には、前方ガイド部30は、保持する角度に合わせて載置面に鉛直な方向よりも前方又は後方に斜めに延びていてもよい。また、前方ガイド部30の左右方向の長さは、載置部20の左右方向の長さよりも長くても短くてもよい。
【0035】
後方ガイド部40は、ポータブル電子機器100が載置部20上に載置されたときにポータブル電子機器100の後面をガイドする、本体10の部分である。後方ガイド部40は、ポータブル電子機器100の後面を保護することにも用いられる。後方ガイド部40は、
図1及び
図6に示したように、載置部20の後方に結合され、載置部20の上面よりも上方に突出し、平板状に形成される。本実施形態では、後方ガイド部40は、前方ガイド部30と同じ高さまで上方に延びる。しかしながら、後方ガイド部40の高さは、前方ガイド部30より低くても高くてもよい。後方ガイド部40の左右方向の長さは、載置部20の左右方向の長さと同一である。
【0036】
また、後方ガイド部40は、
図6に示したように、前方ガイド部30と平行に延びる。したがって、前方ガイド部30の後面と後方ガイド部40の前面との間の間隔は一定になる。この間隔は、載置部20の前後方向における幅に等しく、ポータブル電子機器100の幅よりも僅かに大きい。
【0037】
後方ガイド部40は、
図8に示したように、一対の第1通気開口41を備える。第1通気開口41は、後方ガイド部40を通して空気を流通させて、ポータブル電子機器100を冷却するのに用いられる。第1通気開口41は、ポータブル電子機器100が本体10に保持されたときにポータブル電子機器100の機器通気開口106と少なくとも部分的に対向する位置に配置される。
【0038】
なお、本体10がポータブル電子機器100を載置面に鉛直な方向に対して角度を持った方向に延びるように保持する場合には、後方ガイド部40も、保持する角度に合わせて載置面に垂直な方向よりも前方又は後方に斜めに延びていてもよい。また、後方ガイド部40の左右方向の長さは、載置部20の左右方向の長さよりも長くても短くてもよい。
【0039】
ブロック取付部50は、回動ブロック60が取り付けられる、本体10の部分である。本実施形態では、ブロック取付部50は、
図1及び
図6に示したように、後方ガイド部40の後方に配置される。ブロック取付部50は、
図3に示したように、回動ブロック60に当接する当接壁51と、当接壁51に結合されて回動ブロック60の外周を包囲する側壁52とを備える。
【0040】
当接壁51は、
図7に示したように、後方ガイド部40の後方において後方ガイド部40と平行に延びるように平板状に形成される。また、本実施形態では、
図7に示したように、当接壁51にはその外周に当接壁51から前方に延びる環状のスペーサ51aが設けられる。したがって、本実施形態では、後方ガイド部40と当接壁51との間に空間が形成される。なお、スペーサ51aは後方ガイド部40と当接壁51との間の少なくとも一部に後述する内部配線82が通る空間が形成されれば、如何なる形状で形成されてもよく、また後方ガイド部40に設けられてもよい。また、当接壁51にスペーサ51aは設けられなくてもよく、よって後方ガイド部40と当接壁51との間に空間が形成されなくてもよい。また、当接壁51は、
図7に示したように、一対の第2通気開口54と、第1挿通開口55とを備える。
【0041】
第2通気開口54は、当接壁51を通して空気を流通させて、ポータブル電子機器100を冷却するのに用いられる。第2通気開口54は、
図3及び
図4に示したように、ブロック取付部50に回動ブロック60が取り付けられたときに、回動ブロック60の右側及び左側(横方向両側)にそれぞれ位置するように、当接壁51に設けられる。本実施形態では、第2通気開口54は、回動ブロック60の横方向両側に一つずつ、当接壁51に設けられる。特に、第2通気開口54は、それぞれ後方ガイド部40に設けられた第1通気開口41に対応する位置に設けられる。具体的には、各第2通気開口54は、対応する第1通気開口41と対向する位置に設けられる。特に、本実施形態では、第2通気開口54は、回動ブロック60が後述する第1回動位置及び第2回動位置にあるときには回動ブロック60には塞がれないが、回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置以外の回動中の位置にあるときには回動ブロック60によって部分的に塞がれるような位置に設けられる。これら第1通気開口41及び第2通気開口54により、後方ガイド部40及び当接壁51を通して空気を流通させることができ、よってポータブル電子機器100を冷却することができる。特に、本実施形態では、これら第1通気開口41及び第2通気開口54はポータブル電子機器100が本体10に保持されている状態で後方から見たときに機器通気開口106と重なるように配置されているため、より効率的にポータブル電子機器100を冷却することができる。また、これら第1通気開口41及び第2通気開口54は回動ブロック60の横方向両側それぞれにおいて当接壁51に設けられるため、ポータブル電子機器100を左右方向において全体的に冷却することができる。
【0042】
なお、第2通気開口54は、回動ブロック60が如何なる回動位置にあるときであっても、回動ブロック60によって塞がれることのないような位置に設けられてもよい。これにより、回動ブロック60の回動中や回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置以外の位置に維持された場合であってもポータブル電子機器100の冷却能力を高いものとすることができる。
【0043】
第1挿通開口55は、内部配線82を挿通するために用いられる。本実施形態では、第1挿通開口55は、
図7及び
図10に示したように、当接壁51の中央に設けられた、当接壁51を貫通する円形の開口である。本実施形態では、第1挿通開口55は、回動ブロック60の回動中心となる回動軸線Xの周りに配置され、第1挿通開口55の中心は回動軸線X上に位置する。
【0044】
図3に示したように、側壁52は、当接壁51の外周において当接壁51から後方に所定の長さ延びる。側壁52は、当接壁51の上端から後方に延びる上側壁52aと、当接壁51の下端から後方に延びる下側壁52bと、当接壁51の右端から後方に延びる右側壁52cと、当接壁51の左端から後方に延びる左側壁52dとを備える。上側壁52a及び下側壁52bはそれぞれ回動ブロック60の上方及び下方に配置される。右側壁52c及び左側壁52d(これらをまとめて「横側壁」という)はそれぞれ回動ブロック60の右方及び左方(すなわち、回動ブロック60の横方向両側)に配置される。
【0045】
図3、
図4及び
図6に示したように、右側壁52c及び左側壁52dは、その上下方向中央付近に、回動ブロック60の外部コネクタ81(後述)に接続されたケーブルを通すための側壁開口53を備える。本実施形態では、側壁開口53は、右側壁52c及び左側壁52dの後端から前方に向かって延びており、よって後方に開いている。また、本実施形態では、側壁開口53は、
図6に示したように横方向から見たときに、側壁開口53に回動ブロック60が重なるように配置される。加えて、本実施形態では、側壁開口53は、その上下方向の長さが回動ブロック60の上下方向の長さと同程度又はそれよりも短くなるように形成される。特に、本実施形態では、両横側壁52c、52dに設けられた側壁開口53は、上下方向において両横側壁52c、52dの略同一の位置に配置されると共に略同一の形状を有する。したがって、本実施形態では、一対の横側壁52c、52dの側壁開口53は、一対の横側壁52c、52dの中央(中央平面)に対して略対称的な形状を有する。右側壁52c及び左側壁52dにこのような側壁開口53を有することにより、外部コネクタ81に接続されたケーブルを屈曲させることなく取り回すことができる。本実施形態では、側壁開口53は、後方に開いた切り欠きとして形成されているが、全周が閉じられた孔として形成されてもよい。
【0046】
なお、ブロック取付部50は、ブロック取付部50の後部を覆う蓋を備えてもよい。この場合、例えば、蓋の上端部(又は下端部)が上側壁52a(又は下側壁52b)に複数箇所においてヒンジによって連結され、よって蓋は上下方向に開閉される。或いは、蓋の右端部(又は左端部)が右側壁52c(又は左側壁52d)に複数箇所においてヒンジによって連結され、よって蓋は左右方向に開閉される。このような蓋を設けることにより、可動部である回動ブロック60に外部から力が偶然加わってしまうことが防止され、また、本体10の後側の外観をすっきりさせることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、本体10は、大きく分けると、
図1、
図3及び
図7に示したように、第1部材11、第2部材12、第3部材13及び第4部材14の4つの部材から構成される。
図7に示したように、第1部材11は、二つの部材11a、11bから形成されると共に、前方ガイド部30を構成する。第2部材12は載置部20の載置壁21を構成する。また、第3部材13は、載置部20の下方ハウジング22、後方ガイド部40及びブロック取付部50の側壁52の一部を構成する。また、第4部材14は、ブロック取付部50の当接壁51及びブロック取付部50の側壁52の一部を構成する。特に、本実施形態では、第3部材13の後部が開いた箱状に形成されると共に、第4部材14はこの第3部材13の後部に入れ子式に収容されるように開いた箱状に形成される。
【0048】
また、本実施形態では、載置部20の下方ハウジング22の横側面、前方ガイド部30の横側面、後方ガイド部40の横側面及びブロック取付部50の横側壁52c、52dによって、本体10の二つの横側面が画定される。また、前方ガイド部30の前面によって本体10の前側面が画定され、ブロック取付部50の後面によって本体10の後側面が画定される。本明細書では、これら本体10の横側面、前側面及び後側面をまとめて、本体側面と称する。加えて、本実施形態では、載置部20の下方ハウジング22の底面、前方ガイド部30の底面、後方ガイド部40の底面及びブロック取付部50の下側壁52bによって、本体10の底面が画定される。
【0049】
≪回動ブロックの構成≫
次に、主に
図3、
図6、
図7及び
図9を参照して、機器保持装置1の回動ブロック60の構成について説明する。
図9は、回動ブロック60の当接ハウジング70の前方を斜め上方から見た斜視図である。
【0050】
図3に示したように、回動ブロック60は、本体10に対して回動軸線Xの回りで回動可能に取り付けられると共に、その側面に後述する複数の外部コネクタ81が設けられたブロックである。本実施形態では、回動軸線Xは、前後方向に(すなわち、載置面に対して水平な方向に)延び、したがって回動ブロック60のいずれかの側面が上方向を向くるが、例えばブロック取付部50の当接壁51が載置面に対して傾いているような場合にはこの傾きに合わせて前後方向とは異なる方向に延びる。したがって、回動軸線Xは、載置面の垂線に対して角度を持った方向に延びるといえる。
【0051】
本実施形態では、
図3に示したように、回動ブロック60は直方体状に形成される。特に、本実施形態では、回動ブロック60は、回動ブロック60の回動軸線X方向(本実施形態では前後方向)に対して垂直な断面が略正方形になるように形成される。したがって、回動ブロック60は、当接壁51と当接する前面61及び前面とは反対側に設けられた後面62(直方体の底面に相当)と、これら前面と後面との間の四つのブロック側面63a~63d(直方体の側面に相当)とを備える。第1ブロック側面63aと第2ブロック側面63bとは互いに反対向きの側面であり、第3ブロック側面63c及び第4ブロック側面63dは第1ブロック側面63a及び第2ブロック側面63bに対して垂直であって互いに反対向きの側面である。
【0052】
ただし、回動ブロック60は、必ずしもこのような形状に形成される必要はなく、例えば、直方体以外の角柱状など、他の形状で形成されてもよい。本実施形態では、回動ブロック60は、前後方向から見たときに、回動ブロック60の回動状態によらずに常に、本体10内に収まるように(すなわち、回動ブロック60の外形が本体10の外形よりも小さくなるように)形成される。
【0053】
また、本実施形態では、回動ブロック60は、
図3に示したように、その回動軸線Xが、本体10の上下方向の中央及び左右方向の中央を延びるように本体10に取り付けられる。ただし、回動ブロック60はその回動軸線Xが本体10の上下方向の中央とは異なる位置及び/又は本体10の左右方向の中央とは異なる位置を延びるように本体に取り付けられてもよい。
【0054】
図3及び
図7に示したように、回動ブロック60は、本体10の当接壁51に当接する当接ハウジング70と、当接ハウジング70内に収容されたメイン基板80と、当接ハウジング70の後部を覆う蓋部材90とを備える。
【0055】
図9に示したように、当接ハウジング70は、本体10の当接壁51に当接して、当接壁51に対して回動する、回動ブロック60の部分である。本実施形態では、当接ハウジング70は、回動ブロック60の前面を画定する前方壁71と、回動ブロック60の側面を画定する側壁72とを備える。
【0056】
図9に示したように、側壁72は、前方壁71の外周から後方に延びる。本実施形態では、
図6及び
図7に示したように、当接ハウジング70の側壁72は、前後方向の幅(すなわち、前方壁71に対して垂直な方向の幅)が、ブロック取付部50の側壁52の当接壁51から後端までの幅よりも大きくなるように形成される。したがって、本実施形態では、回動ブロック60の後端は、機器保持装置1の後端(すなわち、ブロック取付部50の側壁52の後端)よりも後方に突出する。
【0057】
なお、側壁72は、前後方向の幅が、ブロック取付部50の側壁52の当接壁51から後端までの幅よりも小さくなるように形成されてもよい。この場合、ブロック取付部50がブロック取付部50の後部を覆う蓋を備えるときには、当接ハウジング70の側壁72の前後方向の幅はこの蓋が閉じられても蓋と回動ブロック60とが干渉しないような大きさに設定される。したがって、この場合、機器保持装置1の後端は、回動ブロック60の後面よりも後方に突出する。この結果、機器保持装置1が倒れても、可動部である回動ブロック60に外部から力が加わってしまうことが防止される。
【0058】
図9に示したように、当接ハウジング70の側壁72は、互いに対向する一対の第1側壁72a及び第2側壁72bと、第1側壁72a及び第2側壁72bに対して垂直であって互いに対向する一対の第3側壁72c及び第4側壁72dとを備える。当接ハウジング70の第1側壁72aから第4側壁72dは、それぞれ回動ブロック60の第1ブロック側面63aから第4ブロック側面63dを画定する。
【0059】
図9に示したように、第1側壁72a及び第2側壁72bはそれぞれ複数のコネクタ用開口73を備える。各コネクタ用開口73は、メイン基板80に設けられた対応する外部コネクタ81の形状に合わせた形状を有する。
図6に示したように、各コネクタ用開口73は、本体10の側壁52の後端よりも前方に位置する。また、
図9に示したように、コネクタ用開口73を備えていない第3側壁72c及び第4側壁72dのうちの少なくとも一方には、回動ブロック60内に空気を導入するための通気開口74が設けられる。本実施形態では、第3側壁72c及び第4側壁72dの両方に、前方壁71と平行に延びる複数の通気開口74が設けられる。したがって、本実施形態では、外部コネクタ81は回動ブロック60の互いに反対側の二つの側面(第1ブロック側面63a及び第2ブロック側面63b)のみに設けられ、回動ブロック60は外部コネクタ81を備えていない二つの側面に通気開口74を備える。この結果、回動ブロック60内には相対する二つの側面から空気が流入するため、回動ブロック60内を効率的に冷却することができる。
【0060】
なお、回動ブロック60が本実施形態以外の形状(例えば直方体以外の角柱状)に形成されても、コネクタ用開口73(すなわち、後述する外部コネクタ81)は、回動ブロック60の一つの側面及びこの側面とは反対側の側面に設けられる。加えて、通気開口74は、コネクタ用開口73を備えていない側面、すなわち外部コネクタ81を備えていない側面に設けられるのが好ましい。
【0061】
前方壁71は、本体10の当接壁51に当接する。
図9に示したように、前方壁71は、板状に形成されると共に、中央に第2挿通開口75を備える。第2挿通開口75は、内部配線82を挿通するために用いられる。本実施形態では、第2挿通開口75は前方壁71の中央に設けられた、前方壁71を貫通する円形の開口である。したがって、本実施形態では、第2挿通開口75は回動軸線Xの周りに配置され、第2挿通開口75の中心は回動軸線X上に位置する。換言すると、第2挿通開口75は、コネクタ用開口73が設けられた一対の第1側壁72aと第2側壁72bとの間の中央に配置される。本実施形態では、第2挿通開口75は、当接壁51の第1挿通開口55よりも僅かに大きく形成される。
【0062】
また、
図9に示したように、本実施形態では、当接ハウジング70は、第2挿通開口75の中心を通る平面で分けられた、二つの半体70a、70bから構成される。具体的には、当接ハウジング70は、第1側壁72a及び第2側壁72bに平行な平面に沿って二つの半体70a、70bに分割される。本実施形態では、第1半体70aは第1側壁72aを備え、第2半体70bは第2側壁72bを備える。これら第1半体70a及び第2半体70bは、ネジなどの締結具等により互いに対して固定されて、当接ハウジング70を構成する。
【0063】
図15Aに示したように、メイン基板80には、内部配線82が接続される第2入出力コネクタ83が実装されると共に、複数の外部コネクタ81が実装される。メイン基板80は、内部配線82と外部コネクタ81との間でデータの入出力及び電力の伝送を行う。また、メイン基板80では、データを入出力する際に、データについて任意の処理を行ってもよい。
【0064】
メイン基板80は、当接ハウジング70内に収容される。本実施形態では、メイン基板80は、前方壁71から離間して前方壁71に平行に配置される。特に、本実施形態では、メイン基板80は、前方壁71よりも蓋部材90に近接して、すなわち側壁72の前端よりも後端に近接して配置される。
【0065】
内部配線82は、機器保持装置1の内部において、メイン基板80とコネクタ用基板23との間でデータの入出力や、電力の伝送を行う。
図7及び
図15Aに示したように、内部配線82の一方の端部に設けられた第1配線コネクタ82aはメイン基板80の第2入出力コネクタ83に接続され、よってメイン基板80を介して外部コネクタ81に接続されることになる。また、
図7に示したように、内部配線82の他方の端部に設けられた第2配線コネクタ82bはコネクタ用基板23の第1入出力コネクタ23aに接続され、よってコネクタ用基板23を介して本体コネクタ24に接続されることになる。本実施形態では、内部配線82は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)やFFC(Flexible Flat Cable)などの平板状の配線である。
【0066】
第2入出力コネクタ83は、内部配線82をメイン基板80に接続するためのコネクタである。本実施形態では、第2入出力コネクタ83は、前方壁71と対面するメイン基板80の表面上に配置される。第2入出力コネクタ83は、
図15Aから分かるように、回動軸線Xから偏心して配置される。また、第2入出力コネクタ83は、内部配線82が第2入出力コネクタ83に接続されると内部配線82が前方壁71側のメイン基板80の表面に沿って回動軸線Xに向かって延びるように形成される。
【0067】
なお、第2入出力コネクタ83は、蓋部材90と対面するメイン基板80の表面上に配置されてもよい。この場合、第2入出力コネクタ83は、例えば、内部配線82が第2入出力コネクタ83に接続されると内部配線82が蓋部材90側のメイン基板80の表面に沿って回動軸線Xから離れる方向に延びるように形成される。そして、内部配線82は、蓋部材90側のメイン基板80の表面上からメイン基板80の側方で180°曲げられて前方壁71側のメイン基板80の表面上で回動軸線Xに向かって延びることになる。したがって、この場合にも、内部配線82は、回動軸線Xから偏心した位置において、前方壁71と対面するメイン基板80の表面に沿って回動軸線Xに向かって延びる。
【0068】
外部コネクタ81は、機器保持装置1を外部の機器や電源に接続するためのコネクタである。したがって、外部コネクタ81には、外部の機器や電源に接続されたケーブルのコネクタが接続される。本実施形態では、これら外部コネクタ81は、雌型コネクタとして形成される。
図3に示したように、外部コネクタ81は、その入口が回動ブロック60の第1ブロック側面63a及び第2ブロック側面63bを形成するように配置される。本実施形態では、三つの外部コネクタ81が、第1ブロック側面63aに面するように、当接ハウジング70の第1側壁72aのコネクタ用開口73に対応した位置に配置される。また、二つの外部コネクタ81が、第2ブロック側面63bに面するように、第2側壁72bのコネクタ用開口73に対応した位置に配置される。
【0069】
本実施形態では、
図3に示したように、第1ブロック側面63aには、電源用の外部コネクタ81a、映像出力用の外部コネクタ81b、及びデータ入出力用の外部コネクタ81cが設けられる。特に、本実施形態では、電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bは第1ブロック側面63aのみに設けられる。一方、
図13に示したように、第2ブロック側面63b側には、データ入出力用の外部コネクタ81d、81eが設けられる。
【0070】
電源用の外部コネクタ81aは、ポータブル電子機器100を充電するための電力を伝送するのに用いられる。電源用の外部コネクタ81aは、電源ケーブル(図示せず)を介して建物の電源コネクタなどに接続される。電源用の外部コネクタ81aとしては、例えば、一般な規格に準拠した雌型コネクタ又は独自の規格に基づいた雌型コネクタが用いられる。
【0071】
映像出力用の外部コネクタ81bは、テレビ受像器、ビデオモニタ、プロジェクタなどの外部の映像表示機器(特に、設置型の映像表示機器)へ映像データを出力する(映像データ及び音声データの両方を出力する場合を含む)のに用いられる。特に、本実施形態では、映像出力用の外部コネクタ81bは、ポータブル電子機器100の本体コネクタ24を介して入力されてコネクタ用基板23、内部配線82及びメイン基板80を介して送られてきたデータに基づいて、映像データを外部の映像表示機器に出力する。したがって、映像出力用の外部コネクタ81bは、転送ケーブルを介して外部の映像表示機器に接続される。映像出力用の外部コネクタ81bとしては、例えば、HDMI(登録商標)、DisplayPort、DVIなどの一般的な規格に準拠した雌型コネクタが用いられる。
【0072】
データ入出力用の外部コネクタ81c~81eは、コントローラやキーボードなど、別体の操作入力機器から操作信号を入出力するのに用いられる。特に、本実施形態では、外部コネクタ81c~81eを介して入力された別体の操作入力機器からの操作信号は、メイン基板80、内部配線82、コネクタ用基板23を介して入出力されて、本体コネクタ24によりポータブル電子機器100に入力される。また、データ入出力用の外部コネクタ81は、別体の操作入力機器へ信号を入出力したり、電力を伝送したりするのに用いられてもよい。したがって、データ入出力用の外部コネクタ81c~81eは、入出力ケーブルを介して別体の操作入力機器に接続される。データ入出力用の外部コネクタ81cとしては、例えばUSB、Thunderboltなどの一般的な規格に準拠した雌型コネクタが用いられる。
【0073】
また、本実施形態では、回動ブロック60の第1ブロック側面63aに電源用の外部コネクタ81a、映像出力用の外部コネクタ81b及びデータ入出力用の外部コネクタ81cを含む3つ以上の外部コネクタ81が設けられており、データ入出力用の外部コネクタ81cがこれら外部コネクタ81a、81b、81cのうちの端に配置される。
【0074】
なお、回動ブロック60が本実施形態以外の形状(例えば直方体以外の角柱状)に形成された場合でも、電源用の外部コネクタ81aと映像出力用の外部コネクタ81bは回動ブロック60の一つの側面に設けられる。また、データ出力用の外部コネクタが、この側面及びこの側面とは反対側の側面の少なくともいずれか一方に設けられる。
【0075】
蓋部材90は、
図4及び
図7に示したように、当接ハウジング70の後側の開口全体を覆うように形成される。蓋部材90は、例えば、ボルトなどの締結具や、固定用のツメなどによって当接ハウジング70に固定される。蓋部材90には、通気用の開口が設けられてもよい。
【0076】
≪回動機構≫
次に、
図7及び
図9~
図13を参照して、回動ブロック60の回動機構について説明する。
図10は、回動ブロック60を取り外した状態における、本体10の背面図であり、
図11は、
図7の第2挿通開口75付近を拡大した機器保持装置1の断面側面図である。また、
図12及び
図13は、機器保持装置1の後面を斜め上方から見た、
図3と同様な斜視図である。
図12は回動ブロック60が
図3に示した状態から45°回動せしめられた状態を示しており、
図13は回動ブロック60が
図3に示した状態から180°回動せしめられた状態を示している。
図14は、ブロック取付部50の当接壁51(特に、第4部材14)を前方から見た斜視図であり、
図14では回動ブロック60が破線で描かれている。
【0077】
回動ブロック60の前方壁71には、
図9に示したように、回動機構として、第2挿通開口75の周りに設けられた第1突起76及び一対の第2突起77が設けられる。
【0078】
第1突起76は、前方壁71から前方に向かって突出する。本実施形態では、第1突起76は円柱状に形成される。第1突起76は、当接壁51に設けられた弧状溝57(後述)内に侵入して、弧状溝57内で摺動することができるように形成される。したがって、弧状溝57の幅よりも直径が小さくなるように形成される。また、第1突起76は、第1側壁72aと第2側壁72bとの間の中央に設けられる。
【0079】
一対の第2突起77も、前方壁71から前方に向かって突出する。本実施形態では、第2突起77も円柱状に形成される。ただし、本実施形態では、第2突起77は、第1突起76よりも低く形成される。第2突起77は、回動ブロック60が所定の回動位置にあるときに、当接壁51に設けられた嵌合溝58(後述)に嵌合するように形成される。したがって、第2突起77は、嵌合溝58と相補的な形状に形成される。一対の第2突起77は、回動ブロック60の回動軸線Xを中心として、互いに対して対称に配置される。各第2突起77の周りには、
図9に示したように、一対の平行な直線状の貫通スロット78が形成される。このように貫通スロット78が設けられることにより、第2突起77の位置が前後方向に変化するように第2突起77の周りの前方壁71の部分が弾性的に変形し易くなる。この結果、第2突起77は、第2突起77が嵌合溝58に嵌合した状態で回動ブロック60に回動方向の力が加わったときに嵌合溝58から抜け出ることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、回動ブロック60の前方壁71は、貫通スロット78が設けられることによって第2突起77が嵌合溝58から抜け出ることができるように弾性的に形成されている。しかしながら、他の方法によって第2突起77が嵌合溝58から抜け出ることができるようにされてもよい。具体的には、例えば、第2突起77を弾性的な部材で形成してもよい。
【0081】
また、ブロック取付部50の当接壁51には、
図7、
図10及び
図11に示したように、回動機構として、ブロック支持部56、弧状溝57及び嵌合溝58が設けられる。
【0082】
ブロック支持部56は、回動ブロック60を回動可能に支持するのに用いられる。
図7及び
図10に示したように、ブロック支持部56は、当接壁51に結合されると共に、当接壁51から回動ブロック60に向かって延びる円筒部56aと、円筒部56aの端部に結合されたフランジ部56bとを備える。
【0083】
図7及び
図11に示したように、円筒部56aは、当接壁51の後面の中央において、第2挿通開口75の周りに配置される。また、円筒部56aはその軸線が回動軸線Xと同軸になるように配置される。本実施形態では、円筒部56aは、その内径が第1挿通開口55の半径に等しく、且つ第1挿通開口55と同軸になるように形成される。加えて、円筒部56aは、その外径が前方壁71の第2挿通開口75(
図9)よりも僅かに小さくなるように形成される。さらに、円筒部56aは、その前後方向の長さが、回動ブロック60の前方壁71の厚さよりも僅かに長くなるように形成される。
【0084】
図7及び
図11に示したように、フランジ部56bは、円筒部56aの端部から外周方向に突出するように円筒部56aの後端に結合される。したがって、フランジ部56bは、円筒部56aと同一の内径を備えると共に、円筒部56aよりも大きく且つ前方壁71の第2挿通開口75の半径よりも大きい外径を備える。
【0085】
図10に示したように、弧状溝57は、回動ブロック60の第1突起76がその内部で摺動する溝である。弧状溝57は、当接壁51の後面に設けられた円弧状の溝であり、ブロック支持部56の周りに回動軸線Xを中心として略180°に亘って延びる。特に、弧状溝57は、第1突起76が回動する際に第1突起76が移動する位置に配置される。したがって、弧状溝57は、回動軸線Xからの距離が、第1突起76から第2挿通開口75の中心までの距離と等しくなるように形成される。特に、本実施形態では、弧状溝57は、第2挿通開口75の上端近傍から第2挿通開口75の下端近傍まで延びる。なお、本実施形態では、当接壁51には当接壁51を貫通していない弧状溝57が設けられているが、弧状溝57の代わりに、当接壁51を貫通している弧状開口が設けられてもよい。
【0086】
図10に示したように、一対の嵌合溝58は、当接壁51の後面に設けられた円形の溝である。一対の嵌合溝58は、ブロック支持部56の周りに、回動軸線Xを中心として互いに対して対称な位置に配置される。換言すると、一対の嵌合溝58は、互いに対して回動軸線Xを中心に180°離間された位置に配置される。本実施形態では、各嵌合溝58は、それぞれ対応する第2突起77と相補的な円柱状に形成され、回動ブロック60が所定の回動位置にあるときに第2突起77が嵌合するように形成される。なお、第2突起77及び嵌合溝58は、嵌合溝58内に第2突起77が嵌合する相補的な形状であれば、円形でなくてもよい。なお、本実施形態では、当接壁51には当接壁51を貫通していない嵌合溝58が設けられているが、嵌合溝58の代わりに、当接壁51を貫通している嵌合開口が設けられてもよい。
【0087】
このように構成されたブロック取付部50及び回動ブロック60では、回動ブロック60は、
図11に示したように、前方壁71の第2挿通開口75周りの円形の縁部が、円筒部56aの周りにおいて、当接壁51と円筒部56aとフランジ部56bとによって画定される溝に嵌合するように配置される。前方壁71の第2挿通開口75周りの円形の縁部が、この溝内を摺動することによって回動ブロック60が本体10に対して回動せしめられる。特に、回動ブロック60は、第2挿通開口75の軸線及び円筒部56aの軸線を回動軸線Xとして本体10に対して回動可能に取り付けられる。
【0088】
また、本実施形態では、当接ハウジング70をブロック取付部50に取り付けるときには、当接ハウジング70の各半体70a、70bの、第2挿通開口75を形成する半円形の縁部をブロック支持部56の溝に嵌め込むように、各半体70a、70bをブロック支持部56周りに配置する。その後、これら半体70a、70b同士を合わせた後にこれら半体70a、70b同士をネジ等の締結具により互いに対して固定する。こうすることによって、当接ハウジング70をブロック取付部50に対して回動可能に取り付けることができ、よって回動ブロック60を本体10に対して回動可能に取り付けることができる。したがって、本実施形態によれば、簡単な機構で回動ブロック60を本体10に対して回動可能に取り付けることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、
図9に示したように回動ブロック60の本体10に対向する面に第1突起76が設けられ、
図10に示したように本体10の回動ブロック60に対向する面に第1突起76が摺動する弧状溝57が設けられる。しかしながら、本体10の回動ブロック60に対向する面に第1突起が設けられ、且つ回動ブロック60の本体10に対向する面にこの第1突起が摺動する弧状溝が設けられてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、
図9に示したように回動ブロック60の本体10に対向する面に第2突起77が設けられ、
図10に示したように本体10の回動ブロック60に対向する面に第2突起77が嵌合する嵌合溝58が設けられる。しかしながら、本体10の回動ブロック60に対向する面に第2突起が設けられ、且つ回動ブロック60の本体10に対向する面にこの第2突起が嵌合する嵌合溝が設けられてもよい。
【0091】
次に、
図3、
図12及び
図13を参照して、回動ブロック60の回動態様について説明する。
図3は、回動ブロック60が第1回動位置にあるときを示している。第1回動位置では、映像出力用の外部コネクタ81bを備えた回動ブロック60の第1ブロック側面63aが、本体10の右側面を向いており、第2ブロック側面63bが本体10の右側面とは反対側の左側面を向いている。
【0092】
また、第1回動位置では、回動ブロック60の第1突起76は弧状溝57に上端に位置する。したがって、第1回動位置では第1突起76は弧状溝57の周方向の端部に位置するため、回動ブロック60を、
図3に示した位置からこれ以上反時計回り(
図3のように後方から見た場合)に回動させることはできず、時計回りにのみ回動させることができる。
【0093】
また、第1回動位置では、回動ブロック60の第2突起77はそれぞれ対応する位置にある嵌合溝58に嵌合している。ただし、上述したように第2突起77は嵌合溝58から抜け出ることができるように形成されている。このため、回動ブロック60に時計回りの大きな力を加えると、第2突起77が嵌合溝58から抜け出し、よって回動ブロック60を回動させることができるようになる。したがって、回動ブロック60は、第1回動位置において、大きな力を加えれば回動させることができる程度にロックされている。
【0094】
本実施形態では、
図12に矢印で示したように回動ブロック60を時計回りに回動させると、電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bが回動ブロック60の上側を通ることになる。ここで、電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bにはそれぞれケーブルが接続された状態で、回動ブロック60が回動される場合がある。機器保持装置1を載置面上に載置した状態で回動ブロック60を回動させると、仮に電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bが回動ブロック60の下側を通った場合、回動中にこれら外部コネクタ81a、81bに接続されたケーブルが載置面に干渉する。これに対して、本実施形態のように、これら外部コネクタ81a、81bが回動ブロック60の上側を通るように回動ブロック60が回動することにより、これら外部コネクタ81a、81bに接続されたケーブルが載置面に干渉することが防止される。
【0095】
その後、第1回動位置から回動ブロック60を時計回りに180°回動させると、回動ブロック60は
図13に示した第2回動位置に到達する。第2回動位置では、映像出力用の外部コネクタ81bを備えた回動ブロック60の第1ブロック側面63aが、本体10の左側面を向いており、第2ブロック側面63bが本体10の右側面を向いている。
【0096】
また、第2回動位置では、回動ブロック60の第1突起76は弧状溝57の下端に位置する。したがって、第2回動位置では第1突起76は弧状溝57の周方向の端部に位置するため、回動ブロック60を、
図13に示した位置からこれ以上時計回りに回動させることはできず、反時計回りにのみ回動させることができる。したがって、本実施形態では、回動ブロック60は、第1回動位置と第2回動位置との間で、弧状溝57の周方向の角度分である略180°に亘って回動することができる。
【0097】
また、第2回動位置でも、回動ブロック60の第2突起77はそれぞれ対応する位置にある嵌合溝58に嵌合している。特に、第2回動位置では、各第2突起77は第1回動位置とは別の嵌合溝58に嵌合している。このように第2突起77が嵌合溝58に嵌合することにより、第2突起の位置を変化させるほどの大きな力を加えない限り、回動ブロック60は第2回動位置に固定される。したがって、回動ブロック60は、第2回動位置においても、大きな力を加えれば回動させることができる程度にロックされている。したがって、本実施形態では、回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置にあるときに第2突起77が嵌合溝58に嵌合し、よって大きな力を加えない限り回動ブロック60は第1回動位置又は第2回動位置に固定される
【0098】
以上より、本実施形態では、回動ブロック60は、映像出力用の外部コネクタ81bを備える側面が、本体10の一つの側面(第1本体側面)側を向いた第1回動位置と、映像出力用の外部コネクタ81bを備える側面が本体10の上記一方の側面とは反対側の側面(第2本体側面)側を向いた第2回動位置との間で回動可能である。見方を変えると、本実施形態では、回動ブロック60は、映像出力用の外部コネクタ81bを備える側面が、本体10に保持されたポータブル電子機器100の一方の横側面(第1横側面)側を向いた第1回動位置と、映像出力用の外部コネクタ81bを備える側面が本体10に保持されたポータブル電子機器100の上記一方の横側面とは反対側の横側面(第2横側面)側を向いた第2回動位置との間で回動可能である。
【0099】
ところで、内部配線82は、
図7に示したように、その一方の端部がコネクタ用基板23の第1入出力コネクタ23aに接続されると共に、この端部から下方ハウジング22に沿って延び、後方ガイド部40と当接壁51との間の空間を上方に向かって延びる。したがって、内部配線82は、本体10内において回動軸線Xから下方に偏心した位置において回動軸線Xに向かって延びるように配置される。そして、
図14に示したように、本体10内で上方に向かって延びてきた内部配線82が、第1挿通開口55及び第2挿通開口75を通って回動ブロック60内に侵入することになる。
【0100】
上述したように、内部配線82は、回動ブロック60内において、回動軸線Xから偏心した位置において回動軸線Xに向かって延びるように、メイン基板80の第2入出力コネクタ83に接続される。したがって、本実施形態では、内部配線82は、
図14に示したように、第1挿通開口55及び第2挿通開口75内において曲がる。
【0101】
図15A~
図15Eは、
図14の第1挿通開口55近傍を拡大した当接壁51の正面図である。
図15Aは回動ブロック60が第1回動位置にあるとき、
図15Eは回動ブロック60が第2回動位置にあるときの内部配線82の様子を示している。また、
図15B、
図15C、
図15Dは、第1回動位置から回動ブロック60が45°ずつ回転した位置にあるときの内部配線82の様子を示している。特に、
図15Cに示した回動位置では、内部配線82は捩れることなく折り返すように曲げられている。
【0102】
図15Aから
図15Eからわかるように、内部配線82は、回動ブロック60が回動すると、第1挿通開口55及び第2挿通開口75内での曲がり方が変わる。しかしながら、内部配線82は、回動軸線X付近を通って第1挿通開口55及び第2挿通開口75内で延びている。また、本実施形態では、
図15Cに示した中間地点となる回動位置(以下、「中間回動位置」という)では、内部配線82は捩れることなく折り返すように曲げられている。この結果、回動ブロック60が中間回動位置から一方側に90°回動した
図15Aに示した第1回動位置では、内部配線82は中間回動位置における折り返しに90°の捩れのみが加わった状態となっており、回動ブロック60が中間回動位置から他方側に90°回動した
図15Eに示した第2回動位置でも、内部配線82は中間回動位置における折り返しに90°の捩れのみが加わった状態となっている。したがって、回動ブロック60が回動しても、内部配線82にはそれほど大きな捩れは生じない。また、本実施形態では、メイン基板80が回動ブロック60内の後方(すなわち、本体10の当接壁51側とは反対側)に配置されていることから、第1挿通開口55近傍には前後方向に或る程度の大きさの空間があるため、内部配線82には急な角度で曲がらず、よって内部配線82に加わる負荷を小さく抑えることができる。
【0103】
<効果>
本実施形態に係る機器保持装置1では、映像出力用の外部コネクタ81bを備える回動ブロック60の側面が本体10の第1本体側面側を向いた第1回動位置と回動ブロック60のこの側面がポータブル電子機器100の第1本体側面側とは反対側の第2本体側面側を向いた第2回動位置との間で回動可能である。したがって、本実施形態に係る機器保持装置1によれば、映像表示機器に接続されるケーブルを本体10のいずれの本体側面側からも本体10に接続することができる。よって、機器保持装置1に接続されるケーブルの取り回しが煩雑になることが抑制される。
【0104】
また、本実施形態に係る機器保持装置1は、映像出力用の外部コネクタ81bを備える側面の反対側の側面に、操作入力機器を接続可能なデータ入出力用の外部コネクタ81d、81e、例えばUSBコネクタを備える。ここで、データ入出力用の外部コネクタ81d、81eに操作入力機器のコネクタが抜き差しされる頻度は、電源用の外部コネクタ81aや映像出力用の外部コネクタ81bにコネクタが抜き差しされる頻度に比べて一般的に高いと考えられる。このように抜き差しされる頻度の高い外部コネクタを、抜き差しされる頻度の低い外部コネクタの反対側に設けることによって、機器保持装置1に接続されるケーブルの取り回しを最適化することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る機器保持装置1では、回動ブロック60の第1ブロック側面63aに電源用の外部コネクタ81a、映像出力用の外部コネクタ81b及びデータ入出力用の外部コネクタ81cを含む3つ以上の外部コネクタ81が設けられている場合、データ入出力用の外部コネクタ81cがこれらのうちの端に配置される。上述したようにデータ入出力用の外部コネクタ81はコネクタが抜き差しされる頻度が一般的に高いと考えられ、よって複数の外部コネクタ81の端に配置されることにより抜き差しが行い易くなる。
【0106】
加えて、本実施形態に係る機器保持装置1では、両横側壁52c、52dに設けられた側壁開口53は、上下方向において両横側壁52c、52dの略同一の位置に配置されると共に略同一の形状を有する。この結果、回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置のいずれにあっても、各ケーブルのコネクタを同じようにして外部コネクタ81に接続することができる。
【0107】
また、本実施形態に係る機器保持装置1では、回動ブロック60は、その回動軸線Xが、本体10(特に、当接壁51)の上下方向の中央及び左右方向の中央を延びるように本体10に取り付けられる。したがって、回動ブロック60は、回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置のいずれの回動位置にあっても、ブロック取付部50の横側壁52c、52dの側壁開口53それぞれとこられ側壁開口53に対向する回動ブロック60のブロック側面63a、63bとの間の距離が略等しくなるように配置される。このため、回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置のいずれの位置にあっても同じような条件で回動ブロック60の外部コネクタ81に接続されるケーブルを取り回すことができる。なお、回動ブロック60は、その回動軸線Xが本体10(特に、当接壁51)の上下方向の中央よりも下方に位置するように本体10に取り付けられてもよい。
【0108】
<変形例>
例えば、上記実施形態では、回動ブロック60はその外周の大きさが、本体10の外周の大きさよりも小さくなるように形成されている。しかしながら、回動ブロック60は、その外周が本体10の外周と同一形状になるように形成されてもよい。
【0109】
図16及び
図17は、回動ブロック60’の外周形状が本体10の外周形状と同一である場合における、機器保持装置1の
図3と同様な斜視図である。
図17に示したように、ブロック取付部50は、当接壁51から後方に延びる側壁を備えていない。
【0110】
図16及び
図17に示したように、一つの変形例に係る回動ブロック60’は、本体10に対して、本体10の前後方向に延びる回動軸線Xの回りで回動可能に取り付けられる。本実施形態でも、回動ブロック60’の当接ハウジング70は、前方壁71の外周から後方に延びる側壁72を備える。側壁72は、互いに対向する一対の第1側壁72a及び第2側壁72bと、第1側壁72a及び第2側壁72bに対して垂直であって互いに対向する一対の第3側壁72c及び第4側壁72dとを備える。
【0111】
本変形例では、第1側壁72a及び第2側壁72bは、回動ブロック60’が第1回動位置又は第2回動位置にあるときに、本体側面と面一になるように形成される。同様に、第3側壁72c及び第4側壁72dは、回動ブロック60’が第1回動位置又は第2回動位置にあるときに、本体10の上側面及び下側面と面一になるように形成される。また、本変形例でも、第1側壁72a及び第2側壁72bには上記実施形態と同様にそれぞれ複数のコネクタ用開口73が設けられる。
【0112】
また、上記実施形態では、ブロック支持部56の周りで当接ハウジング70の半体70a、70b同士を合わせて互いに対して固定することによって、当接ハウジング70がブロック取付部50に回動可能に取り付けられている。しかしながら、当接ハウジング70は、別の態様でブロック取付部50に回動可能に取り付けられてもよい。例えば、当接ハウジング70は
図18に示したような態様でブロック取付部50に取り付けられてもよい。
【0113】
図18は、一つの変形例に係る当接壁51の、第1挿通開口55近傍における斜視図である。
図18に示したように、当接壁51のブロック支持部56は上述した実施形態と同様に円筒部56aとフランジ部56bとを備える。本実施形態では、円筒部56aとフランジ部56bとは別体として形成される。
【0114】
当接ハウジング70をブロック取付部50に取り付ける際には、まず、当接ハウジング70の第2挿通開口75に円筒部56aが嵌まるように当接ハウジング70を配置する。その後、
図18に示したように、フランジ部56bを複数のネジ59によって円筒部56aに固定する。これによって、当接ハウジング70は、ブロック取付部50に回動可能に取り付けられる。
【0115】
また、内部配線82は、断面が円形のケーブルなど、平板状以外の態様の配線であってもよい。
【0116】
さらに、上記実施形態では、回動ブロックは、本体10の後方に配置されている。しかしながら、回動ブロックは本体10の下方に配置されてもよい。この場合、ポータブル電子機器100が載置される載置部20の下方に回動ブロック60が取り付けられるブロック取付部50が配置されるか、又は一つの部材が載置部20及びブロック取付部50として機能する。また、回動ブロック60は、上下方向に延びる回動軸線回りで回動することになる。
【0117】
上記実施形態では、
図10に示したように、弧状溝57は回動軸線Xを中心に略180°に亘って延び、よって回動ブロック60は略180°に亘って回動することができる。しかしながら、回動ブロック60は、少なくとも第1回動位置及び第2回動位置をとることができれば、180°よりも大きい角度に亘って回動することができてもよい。したがって、例えば、弧状溝57は360°未満且つ180°よりも大きい角度に亘って延びてもよく、これに伴って回動ブロック60は360°未満且つ180°よりも大きい角度に亘って回動可能であってもよい。或いは、第1突起76及び弧状溝57が設けられなくてもよく、この場合、回動ブロック60は回動角度を制限されずに回動可能である。
【0118】
また、上記実施形態では、
図6に示したように、側壁開口53は、横方向から見たときに回動ブロック60と重なるように、横側壁52c、52dに設けられている。しかしながら、側壁開口53は、横方向から見たときに回動ブロック60と重ならない位置に設けられてもよい。また横側壁52c、52dに設けられた側壁開口53に加えて、上側壁52aに、外部コネクタ81に接続されたケーブルを通すための開口が設けられてもよい。この場合、この開口は、上方向から見たときに回動ブロック60と少なくとも部分的に重なるように上側壁52aに設けられてもよいし、上方向から見たときに回動ブロック60と重ならないように上側壁52aに設けられてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、
図3に示したように、ブロック取付部50は側壁52を備えている。しかしながら、ブロック取付部50は側壁52を備えていなくてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、
図9に示したように、第2突起77は対として設けられているが、一つのみが設けられてもよい。この場合であっても、第2突起77は、回動ブロック60が第1回動位置及び第2回動位置にあるときには嵌合溝58に嵌合して、回動ブロック60はロックされる。加えて、上記実施形態では、当接壁51には二つの嵌合溝58が設けられている。しかしながら、第1回動位置及び第2回動位置以外の回動位置において、第2突起77が嵌合溝58に嵌合するように、当接壁51には二つ以上の嵌合溝58が設けられてもよい。この場合、回動ブロック60は、例えば、第1回動位置及び第2回動位置に加えて、第1回動位置及び第2回動位置それぞれに対して90°回動した中間回動位置においてロックされる。上述したように、中間回動位置では、電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bが上向きに位置することから、上側壁52aにも開口が設けられている場合には、ケーブルがこの開口を介してこれら外部コネクタ81a、81bに接続される。
【0121】
さらに、上記実施形態では、電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bは、回動ブロック60の一つの側面のみに設けられている。しかしながら、電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bのうちの少なくともいずれか一方は複数の回動ブロック60の複数の側面に設けられてもよい。具体的には、例えば、上述したように上側壁52aにもケーブルを通すための開口が設けられている場合には、回動ブロック60の隣り合う側面(例えば、第1ブロック側面63aと第3ブロック側面63c、又は第2ブロック側面63bと第3ブロック側面63c)それぞれに電源用の外部コネクタ81a及び映像出力用の外部コネクタ81bのうちの少なくとも一方が設けられてもよい。
【0122】
以上、本開示に係る好適な実施形態及びその変形例について説明したが、本開示はこれら実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0123】
1 機器保持装置
10 本体
20 載置部
30 前方ガイド部
40 後方ガイド部
50 ブロック取付部
60 回動ブロック
70 当接ハウジング
80 メイン基板
90 蓋部材
100 ポータブル電子機器
110 ディスプレイ