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特許7470679インライン流体特徴付けシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】インライン流体特徴付けシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/487 20060101AFI20240411BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240411BHJP
   G01N 33/72 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G01N33/487
G01N33/483 C
G01N33/72 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021517568
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019053395
(87)【国際公開番号】W WO2020069278
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】62/737,730
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516307404
【氏名又は名称】ガウス サージカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gauss Surgical,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】クマール,マヤンク
(72)【発明者】
【氏名】リン,ケン-ツァイ
(72)【発明者】
【氏名】サティッシュ,シッダース
(72)【発明者】
【氏名】ホスフォード,アンドリュー ティー.
【審査官】西浦 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-512576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0335779(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0166683(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0254418(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0120306(US,A1)
【文献】特表2016-511656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0184433(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0009800(US,A1)
【文献】特開昭63-026538(JP,A)
【文献】国際公開第2004/100788(WO,A1)
【文献】特開平02-190767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体内容物が流れる導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスするステップであって、該流体内容物が患者体液を含む、ステップと、
前記導管に沿った第1の位置で検出された光を示す第1の光信号と、前記導管に沿った第2の位置で検出された光を示す第2の光信号とを比較することによって、前記導管を流れる前記流体内容物の体積流量推定するステップと、
前記導管を流れる前記流体内容物中の前記患者体液の流体成分の濃度を推定するステップと、
1つまたは複数のプロセッサにより、前記流体内容物の推定された体積流量および前記流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、前記導管を通って流れる前記患者体液特徴付けるステップと
を備えてなり、
推定された前記体積流量および前記推定濃度の各々は、前記導管に結合された前記センサ配列からの前記センサデータに基づくものであることを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記患者体液が血液であり、前記流体成分がヘモグロビンであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
前記導管を通って流れる前記患者体液特徴付けるステップが、前記導管を流れる血液の量を定量化することを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記流体内容物の組成を推定することが、前記導管を流れる前記流体内容物の分光分析を実行することを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記流体内容物中の流体成分の濃度を推定することが、前記流体内容物が流れている前記導管のマルチスペクトル画像に基づくものであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記導管を通る流体内容物の流れが、連続的な流れの第1の領域と、非連続的な流れの第2の領域とを含み、
前記センサデータが、連続的な流れの前記第1の領域に基づく超音波センサからの第1の出力と、非連続的な流れの前記第2の領域に基づく光学センサからの第2の出力とを含み、かつ、
前記流体内容物の流れを定量化することが、前記超音波センサからの第1の出力と、前記光学センサからの第2の出力とに基づいて、流量を推定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記流体内容物の流れを定量化することが、基準センサデータによって表される基準の流れのトレーニングセットに基づいて候補の流れを定量化するようにトレーニングされた学習機械に前記センサデータを入力することを含み、トレーニングされた前記学習機械が、入力されたセンサデータに基づいて、前記流体内容物の定量化された流れを出力することを特徴とする方法。
【請求項8】
患者体液を含む流体内容物を運ぶように構成された導管に結合構成によって結合可能なセンサ配列であって、前記流体内容物に基づいてセンサデータを生成するように構成された少なくとも1つのセンサを含むセンサ配列と、
動作を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えてなり、
前記動作が、
前記患者体液を含む前記流体内容物が流れる前記導管に前記結合構成によって結合された前記センサ配列からの前記センサデータにアクセスすることと、
前記導管に沿った第1の位置で検出された光を示す第1の光信号と、前記導管に沿った第2の位置で検出された光を示す第2の光信号とを比較することによって、前記導管を流れる前記流体内容物の体積流量推定することと、
前記導管を流れる前記流体内容物中の前記患者体液の流体成分の濃度を推定することと、
前記流体内容物の推定された体積流量および前記流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、前記導管を通って流れる前記患者体液特徴付けることであって、推定された前記体積流量および前記推定濃度の各々は、前記導管に結合された前記センサ配列からのセンサデータに基づくものである、特徴付けることと
を含むことを特徴とする、システム。
【請求項9】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記流体内容物を運ぶように構成された前記導管が、前記流体内容物を運ぶように構成された少なくとも1つの他の導管セグメントと列をなして結合可能な導管インサートを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1つのセンサが、前記導管の周囲の複数の周方向位置に配置された複数の光学センサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1つのセンサが、前記導管の周りに螺旋状に配置された複数の光学センサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1つのセンサが、前記流体内容物のカラーイメージングを実行するように構成された光学センサのアレイを含むことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される動作がさらに、前記導管を通って流れる患者体液特徴付けることに基づいて、ディスプレイにアラートを表示させることを含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記導管を通る前記流体内容物の流れは、連続的な流れの第1の領域と、非連続的な流れの第2の領域とを含み、
前記センサデータが、連続的な流れの前記第1の領域に基づく超音波センサからの第1の出力と、非連続的な流れの前記第2の領域に基づく光学センサからの第2の出力とを含み、
前記流体内容物の流れを定量化することが、前記超音波センサからの第1の出力と、前記光学センサからの第2の出力とに基づいて、流量を推定することを含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される動作として、前記流体内容物の流れを定量化することが、基準センサデータによって表される基準の流れのトレーニングセットに基づいて候補の流れを定量化するようにトレーニングされた学習機械に前記センサデータを入力することを含み、トレーニングされた前記学習機械が、入力されたセンサデータに基づいて、前記流体内容物の定量化された流れを出力することを特徴とするシステム。
【請求項16】
導管に結合されたセンサ配列からセンサデータにアクセスするステップであって、該センサ配列は、前記導管を通って流れる流体内容物を通る発光ダイオードから送信される光を検出するように構成された光学センサのアレイを含み、該流体内容物は患者体液を含むものである、ステップと、
前記センサデータの第1の光信号と前記センサデータの第2の光信号とを比較することによって、前記導管を通って流れる前記流体内容物の体積流量を推定するステップであって、該第1の光信号は、前記導管に沿った第1の位置で前記光学センサの第1のものによって検出された光を示し、該第2の光信号は、前記導管に沿った第2の位置で前記光学センサの第2のものによって検出された光を示すものである、ステップと、
前記導管を通って流れる前記流体内容物中の前記患者体液の流体成分の濃度を推定するステップと
を含んでなり、
1つまたは複数のプロセッサにより、前記流体内容物の推定した前記体積流量と前記流体内容物中の流体成分の推定濃度とに基づいて、前記導管を通って流れる前記患者体液特徴付け、前記体積流量の推定および前記推定濃度の各々は、前記導管に結合された前記光学センサのアレイからの前記センサデータに基づくことを特徴とする方法。
【請求項17】
結合構成によって導管に結合可能なセンサ配列であって、前記導管を通って流れる患者体液を含む流体内容物を通る発光ダイオードから送信される光を検出するように構成された光学センサのアレイを含み、前記導管を通る前記流体内容物に基づくセンサデータを生成するように構成されたセンサ配列と、
動作を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を含んでなり、
前記動作は、
前記センサ配列から前記センサデータにアクセスする動作と、
前記センサデータの第1の光信号を前記センサデータの第2の光信号と比較することによって、前記導管を通る流体内容物の体積流量を推定する動作であって、前記第1の光信号は、前記導管に沿った第1の位置で前記光学センサの第1のものによって検出された光を示し、前記第2の光信号は、前記導管に沿った第2の位置で光学センサの第2のものによって検出された光を示すものである、動作と、
前記導管を流れる前記流体内容物中の前記患者体液の流体成分の濃度を推定する動作と
を含み、
前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記流体内容物の推定した体積流量と前記流体内容物中の流体成分の推定濃度とに基づいて、前記導管を通って流れる前記患者体液特徴付け、前記体積流量の推定および前記推定濃度の各々は、前記導管に結合された光学センサのアレイからのセンサデータに基づくことを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、概して、血液の喪失または獲得の推定を含む流体の推移の特徴付けを容易にする専用機械の技術分野に関連し、それには、そのような専用機械のソフトウェア構成されたコンピュータ化された態様およびその態様の改善が含まれ、さらに本主題は、そのような専用機械を改良する技術に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2018年9月27日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR IN-LINE FLUID CHARACTERIZATION」という名称の米国仮特許出願第62/737,730号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は引用により全体が本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
外科手術中など、患者の体液の推移(例えば、体液の喪失、体液の処理、または体液の獲得)の不正確な推定は、患者の健康を危険に曝し、医療資源を不必要に消費する可能性がある。例えば、体液が血液の場合、患者の失血量を過大評価すると、輸血グレードの血液を不必要に消費することになり、患者に不必要な臨床リスクが生じたり、他の患者に必要な輸血グレードの血液が不足したりするなどの弊害が生じる可能性がある。別の例として、患者の失血量の過小評価は、蘇生および輸血の遅延、感染症のリスクの増加、組織死、或いは大量出血の場合などには患者の死亡に繋がる可能性がある。同様の影響は、(輸血などによる)血液増加の過小評価および過大評価によっても生じる可能性がある。また、(例えば、透析装置を介して)処理された血液の過小評価または過大評価は、そのような処理を不必要に長引かせたり、そのような処理から得られる恩恵を減少させたりする可能性がある。
【0004】
さらに、体液の推移(例えば、体液の喪失、体液の処理、または体液の獲得)の不正確な推定は、病院、診療所および他の医療機関の高い運営費および高い手術費の大きな要因となり得る。特に、患者の失血量を過大評価することで生じる「不必要な」輸血は、医療機関の運営費の増加に繋がる。さらに、患者の失血量を過小評価に起因する輸血の遅れは、回避可能な患者の感染症や再入院により毎年何十億ドルを伴うものとなっている。このため、患者の体液の推移を推定するか、または他の方法で特徴付けるための、より正確なシステムおよび方法が望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
いくつかの例示的な実施形態は、例示であって、添付の図面に限定されるものではない。
図1図1は、いくつかの例示的な実施形態に係るインライン流体特徴付けシステムを示す概略図である。
図2図2Aは、いくつかの例示的な実施形態に係るセンサ配列のためのハウジングの斜視図である。図2Bおよび図2Cは、いくつかの例示的な実施形態に係る、図2Aに示すハウジングの断面図である。
図3図3Aは、いくつかの例示的な実施形態に係る導管セグメントインサートを示す概略図である。図3Bは、いくつかの例示的な実施形態に係る、図3Aに示す導管セグメントインサートに結合されたセンサ配列を示す概略図である。
図4図4Aは、いくつかの例示的な実施形態に係る導管のピンチ機構を例示する概略図である。図4Bは、いくつかの例示的な実施形態に係る導管の別のピンチ機構を例示する概略図である。
図5図5は、いくつかの例示的な実施形態に係る交互のピンチ機構を有する分岐した導管を示す概略図である。
図6図6Aは、いくつかの例示的な実施形態に係る超音波流量センサを示す概略図である。図6Bは、いくつかの例示的な実施形態に係る別の超音波流量センサを示す概略図である。
図7図7Aは、いくつかの例示的な実施形態に係る光学流量センサを示す概略図である。図7Bは、いくつかの例示的な実施形態に係る、図7Aに示す光学流量センサ配列における検出器の信号波形を示す一組のグラフである。
図8図8Aは、いくつかの例示的な実施形態に係る光学流量センサ配列を示す概略図である。図8Bは、いくつかの例示的な実施形態に係る、図8Aに示す光学流量センサ配列の断面図である。図8Cは、いくつかの例示的な実施形態に係る、図8Bに示す光学流量センサ配列における検出器の信号強度を示すグラフである。
図9図9は、いくつかの例示的な実施形態に係る別の光学流量センサ配列の断面図である。
図10図10は、いくつかの例示的な実施形態に係る熱質量流量センサを示す概略図である。
図11図11は、いくつかの例示的な実施形態に係るマルチスペクトルイメージング配列を示す概略図である。
図12図12は、いくつかの例示的な実施形態に係る、導管を流れる流体内容物を特徴付ける方法を実行する際のシステムの動作を示すフローチャートである。
図13図13は、いくつかの例示的な実施形態に係る、流体内容物のモーショントラッキングを示す図である。
図14図14は、いくつかの例示的な実施形態に係る、導管を通って流れる流体内容物を特徴付ける際の論理的動作を示すフローチャートである。
図15図15は、いくつかの例示的な実施形態に係る、流体内容物の光学的質量推定を示す図である。
図16図16は、いくつかの例示的な実施形態に係る、粒子散乱に基づく体液成分濃度の推定を示す図である。
図17図17は、いくつかの例示的な実施形態に係る、様々なタイプのセンサからの結果の数学的マージを示すグラフである。
図18図18は、いくつかの例示的な実施形態に係る、機械可読媒体から命令を読み取り、本明細書で記載のうちの任意の方法のうちの1または複数を実行することができる機械のコンポーネントを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示的な方法(例えば、手順またはアルゴリズム)は、導管内を流れる流体(例えば、医療処置を受けている患者からの体液であって、体液成分として血液を含むことができる体液)の推移を特徴付けることを容易にし、例示的なシステム(例えば、専用ソフトウェアによって構成された専用機械)は、導管内を流れる流体の特徴付けを容易にするように構成されている。実施例は、単に可能性のある態様の代表例に過ぎない。特に明示しない限り、構造(例えば、モジュールなどの構造的なコンポーネント)は任意であり、組み合わせたり、分割したりすることができ、(例えば、手順、アルゴリズム、または他の機能における)動作は、順序が異なるか、または組み合わせたり、分割したりすることができる。以下の説明では、説明のために、様々な例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、本主題がそれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。
【0007】
概して、患者体液の推移を特徴付ける例示的な方法は、患者体液を含む流体内容物が流れる導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスするステップと、導管を通る流体内容物の流れを定量化するステップと、流体内容物中の患者体液の流体成分の濃度を推定するステップと、定量化された流れおよび流体成分の濃度に基づいて、導管を通る患者体液の推移を特徴付けるステップとを含む。例えば、いくつかの態様では、患者体液の推移(passage)を特徴付けることが、導管を流れる患者体液の量を定量化することを含む。流量、流体成分の濃度、またはその両方は、導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータ(例えば、サンプリングデータ)に基づいて決定(例えば、推定)されるものであってもよい。いくつかの態様では、特徴付けられる患者体液が血液であり、濃度が推定される流体成分が、ヘモグロビンである。いくつかの態様では、本方法が、流体内容物の流れを定量化しながら、患者体液の流体成分の濃度を推定しながら、またはその両方を行いながら、導管を通る流体内容物の流れを減少させるステップを含む。
【0008】
導管を通る流体内容物の流れを定量化する様々な適切な方法がある。いくつかの態様では、流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の流量を推定することを含む。例えば、流量を推定することは、超音波ドップラー流量計を使用して、導管内に超音波を放出し、流体内容物から反射される超音波の周波数シフトを分析することを含むことができる。別の例として、流量を推定することは、飛行時間型超音波流量計を使用して、導管内に超音波を放出し、流体内容物を透過した超音波の飛行時間を分析することを含むことができる。別の例では、流量を推定することが、第1の光信号と第2の光信号を比較することを含み、第1の光信号が、導管に沿った第1の位置で検出された光に対応し、第2の光信号が、導管に沿った第2の位置で検出された光に対応する。第1および第2の光信号の比較は、導管内の流体内容物の流量を推定するために使用することができる。いくつかの態様では、流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の熱質量流量を推定することを含む。例えば、流体内容物の熱質量流量を推定することは、流体内容物の流れに既知の量の熱を導入し、付随する温度変化を測定すること(例えば、流体内容物内でプローブを一定の温度に維持し、その際に消費されるエネルギーを測定すること)を含むことができる。別の例として、流体内容物の熱質量流量を推定することは、流体内容物の流れに既知の量の熱を導入し、下流のある地点での流体内容物の温度変化を測定することを含むことができる。
【0009】
さらに、流体内容物中の流体成分の濃度を推定する様々な適切な方法がある。例えば、流体成分の濃度を推定することは、導管のマルチスペクトル画像を分析することを含むことができる。別の例として、流体成分の濃度を推定することは、機械学習アルゴリズムを導管のカラー画像に適用することを含むことができる。さらに、いくつかの態様では、本方法が、流体内容物の組成を決定するために分光分析を実行することを含むことができる。
【0010】
概して、導管を通る患者体液の推移を特徴付ける例示的なシステムは、患者体液を含む流体内容物を運ぶように構成された導管と、導管に結合可能なセンサ配列であって、流体内容物に基づいてセンサデータを生成するように構成された少なくとも1のセンサを含むセンサ配列と、動作を実行するように構成された1または複数のプロセッサとを含み、上記動作が、センサデータにアクセスすること、導管を通る流体内容物の流れを定量化すること、流体内容物中の患者体液の流体成分の濃度を推定すること、並びに、定量化した流れおよび流体成分の濃度に基づいて、導管を通る患者体液の推移を特徴付けることを含む。
【0011】
センサ配列は、導管に結合するように構成された任意の適切なフォームファクタを含むことができる。例えば、いくつかの態様では、センサ配列が、導管の少なくとも一部を覆うように構成されたハウジングを含むことができ、導管上にクランプするか、または導管上をスライドするように構成することができる。例えば、ハウジングは、導管にクランプするように構成されたジョーを含むことができる。別の例として、システムは、導管と列をなして結合可能な導管インサートをさらに含むことができる。
【0012】
センサ配列は、流れを定量化するため、流体成分の濃度を測定するため、またはその両方のための1または複数の適切なセンサの任意の組合せを含むことができる。例えば、センサ配列は、超音波流量センサ、熱質量流量センサ、またはそれらの任意の適切な組合せを含むことができる。いくつかの態様では、センサ配列が、流体内容物を透過した光を検出するように構成された少なくとも1の光学センサを含む。例えば、センサ配列は、導管に沿った複数の軸方向の位置、導管の周りの複数の周方向の位置、またはそれらの任意の適切な組合せに配置された複数の光学センサを含むことができる。いくつかの態様では、センサ配列が、1または複数の光学センサ、熱センサ、超音波センサ、またはそれらの任意の適切な組合せを含む。さらに、そのようなセンサは、流体成分の濃度の推定を容易にするために、マルチスペクトルまたは分光イメージング、カラーイメージング、またはその両方を実行するように構成された1または複数の光学センサアレイを含むことができる。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、システムが、
患者の体液を含む流体内容物を搬送するように構成された導管と、
導管に結合されたセンサ配列であって、流体内容物に基づいてセンサデータを生成するように構成された少なくとも1のセンサを含むセンサ配列と、
1または複数のプロセッサであって、
患者体液を含む流体内容物が流れている導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスすることと、
導管を流れる流体内容物の流れを定量化することと、
導管を流れる流体内容物中の患者体液の流体成分の濃度を推定することと、
流体内容物の定量化した流れおよび流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、導管を通る患者体液の推移を特徴付けることとを含む動作を実行するように構成され、流れの定量化または濃度の推定の少なくとも一方が、導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータに基づくものである、1または複数のプロセッサとを備える。
【0014】
特定の例示的な実施形態では、方法が、患者体液を含む流体内容物が流れる導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスするステップと、
導管を流れる流体内容物の流れを定量化するステップと、
導管を流れる流体内容物中の患者体液の流体成分の濃度を推定するステップと、
1または複数のプロセッサによって、流体内容物の定量化した流れおよび流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、導管を通る患者体液の推移を特徴付けるステップであって、流れの定量化または濃度の推定の少なくとも一方が、導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータに基づく、ステップとを含む。
【0015】
様々な例示的な実施形態において、機械可読媒体が、
機械の1または複数のプロセッサによって実行されるときに、機械に動作を行わせる命令を含み、
前記動作が、
患者体液を含む流体内容物が流れる導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスすること、
導管を流れる流体内容物の流れを定量化すること、
導管を流れる流体内容物中の流体成分の濃度を推定すること、および、
流体内容物の定量化した流れおよび流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、導管を通る患者体液の推移を特徴付けることを含み、流れの定量化および濃度の推定のうちの少なくとも一方が、導管に接続されたセンサ配列からのセンサデータに基づくものである。
【0016】
概して、本明細書に記載の方法およびシステムは、導管を流れる(例えば、他の流体内容物の中で)患者体液の推移を特徴付けるように動作可能である。このような患者体液の推移は、患者による患者体液の喪失(例えば、導管が、手術中に失われた収集された血液を運ぶ場合)、患者による患者体液の獲得(例えば、導管が、患者に輸血される血液を運ぶ場合)、患者体液の処理(例えば、導管が、透析装置を介して処理される血液を運ぶ場合)、またはそれらの任意の適切な組合せを含む。明確かつ簡潔にするために、本明細書に記載の多くの例示的な実施例は、患者体液(例えば、血液)が患者によって失われる状況に焦点を当てている。しかしながら、本明細書に記載の方法およびシステムは、患者内への移動、患者からの移動、両方(例えば、患者体液を処理する際)、またはどちらでもない場合(例えば、ある容器から別の容器への移動)を含む、任意の患者の体液(例えば、尿または羊水)の任意の移動を特徴付けるために一般的に適用可能である。
【0017】
例えば、本明細書に記載の方法およびシステムは、医療処置(例えば、陣痛および分娩、外科的処置など)の間に患者によって失われる流体(例えば、体液)を特徴付けるために使用することができる。例えば、本方法およびシステムは、医療処置中に患者によって失われる流体成分(例えば、血液)の量を追跡するか、または他の方法で推定するために使用することができ、推定値は、処置中、処置の終了時、またはその両方において実質的にリアルタイムで更新および表示することができる。それら方法およびシステムは、病院または診療所の環境(例えば、手術室)、軍事環境(例えば、戦場)、または他の適切な医療処置環境を含む、様々な環境で使用することができる。この情報は、患者の医療行為を改善するために使用することができる。例えば、外科手術中、外科手術後、またはその両方でこの情報を受け取る医療従事者(例えば、看護師や外科医)は、患者の状態に関するこの精度の向上した情報に基づいて、患者の治療のための適切な決定を行う(例えば、患者に輸血を行うか否かを決定し、輸血する血液の量を決定する)ことができる。例えば、患者の体液減少や患者の状態に関するより正確な情報を得ることで、医療従事者は輸血の遅れを良好に回避し、患者の転帰を改善することができる。さらに、医療従事者は、輸血可能な血液の在庫を不必要に枯渇させ、運営コストおよび医療費を増加させ、患者の健康リスクを増加させる、不必要な輸血を回避することができる。
【0018】
収集した患者体液の量の推定値は、処置中に患者が失った患者体液の量の現在までの合計または全体的な推定値に集約され得る。そのような推定値は、いくつかの例示的な実施形態では、バッチで収集した流体の推定値、時間の経過とともに累積的に収集した流体の推定値、またはその両方と組み合わせることができる。例えば、流体の総量、患者体液喪失の総流量、またはその両方を、処置中の任意の特定の時点、処置後、またはその両方で推定することができる。
【0019】
いくつかの態様では、対象となる患者の体液(例えば、血液)について、複数の供給源からの患者体液の推定量を集約して、患者体液の総喪失の推定値を生成する。例えば、患者が失った体外の流体は、キャニスタまたは他の流体レセプタクルなどの容器に集められる(例えば、後述するように、吸引ワンドで集められる)ようにしてもよい。追加的または代替的には、患者が失った流体は、手術用スポンジ(例えば、開腹手術用スポンジ)、手術用ドレッシング、手術用ガーゼ、手術用タオル、吸収パッド(例えば、チャックスパッド)、吸収ドレープ、膣パック、他の布地、他の吸収アイテム、またはそれらの任意の適切な組合せなど、手術用布地または他の吸収アイテムで収集されるものであってもよい。布地または吸収性アイテムは、追跡目的、衛生目的などのために、バッグ(例えば、スポンジカウントバッグ)に入れるようにしてもよい。さらに、失われた流体の収集は、専用の容器で行うようにしてもよい。例えば、陣痛や分娩の処置の際に、血液、羊水、尿などを収集するために、少なくとも1のポケットを備えたドレープ(例えば、三角形のポケットを備えた採血用Vドレープ)を患者の下に配置するようにしてもよい。いくつかの態様では、外科用布地やキャニスタなどのアイテムに収集された流体の量が、流体を含むときに測定されたアイテムの重量(例えば、質量を示す)に基づいて推定される。いくつかの態様では、外科用布地またはキャニスタなどのアイテムに収集された流体の量が、米国特許第8,792,693号、米国特許第8,983,167号、米国特許第9,824,441号、米国特許第9,773,320号、米国特許出願公開2016/0335779号、米国特許出願公開第2017/0186160号、米国特許出願公開第2018/0199827号に記載された方法またはシステムのうちの1または複数を使用して推定される。それら文献の各々は、その全体が引用により本明細書に援用されるものとする。
【0020】
例えば、本明細書に記載のインライン流体特徴付けシステムおよび方法は、導管内の流体内容物の特徴付けを容易にする。例えば、医療処置中、患者の体液は、レセプタクル内に収集され、導管内に通され、その後、密封廃棄物管理システムなどの別のレセプタクル内に導かれる。図1に示すように、流体回収デバイス102(例えば、吸引ワンド)または患者体液の他の供給源が、手術サイト、キャニスタ、手術用布地、または特徴付けられる又は他の方法で評価される流体を含む他の流体供給源から患者体液を収集する。収集した患者体液は、チューブを介して導管120内に通されるようにしてもよく、レセプタクル130(例えば、キャニスタまたは密封廃棄物管理システム)に流れ続けるようにしてもよい。言い換えれば、導管120は、流体回収装置102(または他の流体源)およびレセプタクル130と流体連通するように配置することができる。いくつかの態様では、導管120、流体回収デバイス102、またはその両方が、流体を回収するために流体回収デバイス102に吸引を提供するように構成された真空源140(例えば、レセプタクル130の真空ポンプ)と流体連通するようにしてもよい。
【0021】
いくつかの態様では、本明細書に記載のインライン流体特徴付けシステムが、大規模な装置の追加または変更なしに、患者体液を収集する廃棄物管理システムを備えた既存のセットアップに統合することができる。例えば、図1に概略的に示すように、患者が失う患者体液喪失を特徴付けるためのシステム100は、導管120に結合可能なセンサ配列110を含む。センサ配列110は、インライン流体特徴付けを可能にし、導管120内の流体の1または複数の特性を特徴付けるための1または複数のセンサまたは他の測定デバイス(例えば、様々な測定モダリティを使用)を含む。センサ配列110に含まれる様々な種類のセンサは、後でさらに詳細に述べることとする。システム100は、後述するように、センサデータに少なくとも部分的に基づいて患者体液喪失を特徴付けるように構成された少なくとも1のプロセッサをさらに含むことができる。センサデータ、センサデータの分析結果、またはその両方は、後述するように、例えば、伝送システム112(例えば、無線伝送システム)によって、任意の適切な外部デバイスに伝達されるようにしてもよい。
【0022】
本明細書に記載のシステムおよび方法とは異なり、導管内の流体成分濃度を分析するための様々な既存システムは、それらの分析を実行するために予め規定された一連の条件に依存している。例えば、一定または制御された体積流量での層流のような単純化された流れの条件は、一部の既存システムを制約する場合がある。対照的に、本明細書に記載の方法およびシステムは、導管内の様々なタイプの流れを分析する。そのような流れには、層流、乱流、速度または流量が変化する流れ、断続的な流れ、および混合流体内容物(例えば、患者の血液、患者の尿、生理食塩水および空気の混合物)の流れが含まれ、それらはすべて、医療処置中に流体回収デバイス(例えば、流体回収デバイス102)を介して流体が回収される際に、予測できない方法で発生する可能性がある。さらに、本明細書に記載の方法およびシステムのいくつかの態様は、導管内の流体内容物の選択された流体成分について、対象となるパラメータを分離する。インライン流体特徴付け方法およびシステムは、例えば、予測できない流れの条件下であっても、また生理食塩水や空気などの他の流体と混合している状態であっても、患者の体液が回収されて導管(例えば、導管120)を通過する間に、患者の体液喪失(例えば、血液喪失)を具体的に定量化することができる。
【0023】
例示的なセンサ配列
一般に、図1に示すように、システム100は、導管120内の流体内容物のインライン特徴付けを可能にするために、導管120に結合するように構成されたセンサ配列110を含む。センサ配列110は、少なくとも1のセンサを含み、このセンサは、導管を通る流体内容物の流れを定量化するか、患者の体液中の流体成分の濃度を推定するか、またはその両方を行うように構成されている。流体内容物は、少なくとも1の患者体液(例えば、血液または尿)、場合によっては1または複数の他の流体(例えば、生理食塩水または空気)、またはそれらの組合せを含む。センサ配列は、センサコンポーネント(例えば、1または複数のセンサ、対応するセンサ電子機器、データ送信機、プロセッサなど)を支持するハウジング内に少なくとも部分的に配置されている。
【0024】
センサデータは、センサ配列110内またはその近傍に配置された1または複数のプロセッサによって、ローカルに記憶され、ローカルに分析され、またはその両方であってもよい。図1に示すように、センサデータは、分析のためにコンピューティングデバイス150(例えば、リモートコンピューティングデバイス)と通信するように構成された送信システム112(例えば、無線または有線の送信機)を介して送信されるようにしてもよい。コンピューティングデバイス150の例は、図18に関してさらに後述する。例えば、患者の体液喪失は、後述するように、導管120内の患者の体液の定量化された流れおよび患者の体液中の流体成分(例えば、血液)の濃度に少なくとも部分的に基づいて、特徴付けることができる。
【0025】
例示的なハウジング
センサ配列110は、センサ配列110の少なくとも一部のコンポーネントおよびそれに付随する電子機器を支持するハウジング内に少なくとも部分的に配置することができる。また、ハウジングは、センサ配列110を、導管120、1または複数の他の導管または導管枝、またはそれらの任意の適切な組合せに結合することができる。代替的には、センサ配列110のセンサおよび他のコンポーネントの少なくとも一部は、(例えば、単一の共通ハウジングの外側で)導管120に別々に結合され、例えば、導管120に個別に結合されるようにしてもよい。このため、いくつかの態様では、例えば、ハウジング、個々のコンポーネント、またはそれらの任意の適切な組合せ(例えば、グループ化されたコンポーネントの1または複数のグループ)が、(例えば、任意の特定のタイプまたはブランドの導管に結合されることに依存することなく)広範囲の導管タイプに結合できるという意味で、センサ配列110が調整可能またはユニバーサルであってもよい。
【0026】
いくつかの態様では、ハウジングが、導管120上に固定するように構成されている。例えば、図2Aに示すように、センサ配列210のためのハウジング220は、少なくとも第1のジョー222および第2のジョー224を含むことができ、それらが一緒になって導管120上にクランプするように構成されている。各ジョー222または224は、例えば、図2Bおよび図2Cにおいて導管250として示される、導管120のセグメントを受け入れるような形状およびサイズの少なくとも1の導管台座226を含むことができる。例えば、円形の断面を有する導管(例えば、導管250)を受け入れるために、各ジョー222または224は、半円形の導管台座(例えば、導管台座226)を含むことができる。導管台座226は、センサ配列210内の1または複数のセンサ230および他のコンポーネントに対して導管250を位置決めするように構成する(例えば、形作る)ことができる。図2Aに示すように、1または複数の導管台座226は、一方または両方のジョー222、224の側壁の切欠きによって規定されるものであってもよい。代替的には、各導管台座226は、ハウジング220が導管250をクランプしたときに、導管台座226がハウジングの長さに沿って延びるルーメンを集合的に形成するように、ハウジング220の長さに沿って延びる細長い半円形の凹面を含むことができる。センサ(例えば、以下に詳述するようなセンサ配列)は、そのような導管台座表面に沿って配置することができる。
【0027】
図2Bおよび図2Cの断面図に示すように、第1および第2のジョー222、224は、ハウジングが導管(例えば、導管250)の周りで開き(図2B)、閉じる(図2C)ことを可能にする少なくとも1のジョイント228によって結合されるようにしてもよい。ジョイント228は、例えば、ヒンジまたは他のピンジョイントを含むことができる。ジョー222、224は、ハウジング220の長さ方向に沿って延びる1つのジョイント(例えば、ジョイント228)を含むようにしても、或いはハウジング220の長さ方向に沿って分散配置された複数のそのようなジョイントを含むようにしてもよい。いくつかの態様では、ジョイント228は、閉じた状態または開いた状態で付勢されるように、ねじりバネなどでバネ荷重されるものであってもよい。追加的または代替的には、ジョイント228は、ジョーを予め設定された離散的な角度のセットの中の任意の角度に位置決めするように付勢する1または複数のデテントを含むことができる。図2Bおよび図2Cは、第1および第2のジョー222、224が実質的に同一または対称である(例えば、それぞれがハウジング220の半分を形成する)ことを例示しているが、ハウジング220は、互いに対して任意の適切なサイズのジョーを含み得る(例えば、より深いメインジョーがより浅い蓋状のジョーに結合される)ことを理解されたい。さらに、ハウジング220は、3、4、または他の適切な数のジョーを含むことができる。他の態様では、ハウジング220が、導管250の周りに巻き付くように構成される(例えば、導管250に横方向に係合するC字形状の断面を有する)ものであってもよい。
【0028】
ハウジング220は、ハウジング220を閉じた位置に固定するように構成された1または複数の固定要素229をさらに含むことができる。固定要素229は、例えば、ラッチ、係合スナップ機構、磁石などを含むことができる。いくつかの態様では、ハウジング220は、実質的に液密な態様、気密な態様、またはその両方で、ハウジング220内に導管250のセグメントを完全に封入するために、(例えば、導管台座226の周囲、ジョー222、224間の境界面の周囲などに)ガスケット材料などの1または複数のシーリング要素を含むことができる。さらに、いくつかの態様では、周囲の光がハウジング220内のセンサの読み取りを妨害する可能性があるため、そのような周囲の光がハウジング220内に入射するのを防ぐのを補助するために、ハウジング220、シーリング要素、またはその両方が、不透明であってもよい(例えば、不透明な材料で作られていてもよい)。
【0029】
ハウジング220は、予め設定された直径を有する導管(例えば、導管250)に結合するようにサイズ設定することができる。例えば、ハウジング220は、約4mm~約20mmの間の直径を有する導管、または任意の適切なサイズの導管を受け入れるか、または他の方法で結合するように構成することができる。他の態様では、ハウジング220が、様々な直径を有する導管に確実に結合するように調整可能であってもよい。例えば、導管の周りに緩い結合を生じることなく、様々な導管の直径に対応するために、導管台座226の1または複数は、ハウジング220がより大きな直径の導管を受け入れて適合することができるように、体積を増やしてより小さな直径の導管を受け入れて適合することができるように、またはその両方に適合することができるように、圧縮できる変形可能な表面を含むことができる。例えば、変形可能な表面は、パッド、他の変形可能な材料、膨張可能な表面などを含むことができる。いくつかの態様では、リーフシャッタと同様の機構などを用いて、導管台座226のサイズを調整可能とすることができる。
【0030】
図3Aおよび図3Bは、1または複数の他の導管セグメントに結合可能な導管セグメント(例えば、再利用可能なまたは使い捨ての導管インサート)を有するセンサ配列310の別の態様を示してる。図3Aに示すように、システム100は、他の導管部分360a、360bの間に直列に挿入することができる導管セグメント350を含むことができる。導管セグメント350は、内部容積を含み、この内部容積を、入口側端部で導管部分360aと流体連通し、出口側端部で導管部分360bと流体連通するように配置することができる。例えば、導管セグメント350は、コネクタ352、354を介して他の導管部分360a、360bと直列に結合されるようにしてもよく、それらコネクタは、例えば、チュービングスリーブコネクタ、ねじ式コネクタまたは任意の適切なコネクタであってもよい。図3Bに示すように、センサを有するハウジング320を導管セグメント350の上に配置するようにしてもよい。ハウジング320は、ルーメンまたは他の導管受入面を含むことができる。例えば、ハウジング320は、複数のジョー(例えば、図2A図2Cに関して上述したジョー222、224と同様のもの)を含むか、または、導管セグメント350の周りに巻き付くC字形状の断面を有することができる。いくつかの態様において、導管セグメント350は、使い捨てで、単回使用を意図しており、一方、ハウジング320は、再利用可能である。しかしながら、他の態様では、導管セグメント350は、複数回の再使用を目的として設計することができ、ハウジング320は、1回の使用または限られた回数の使用後に使い捨てとすることができ、あるいはそれらの任意の適切な組合せであってもよい。
【0031】
いくつかの態様では、ハウジング320は、完全にまたは部分的に囲まれた導管(例えば、導管セグメント350)を通る流体内容物の流れを一時的に減少させる(例えば、流れを一時停止または一時的に遅くする)ためのピンチ機構を含み、それによりセンサ測定を行うためある程度安定した状態の流れを瞬時に達成することができる。ピンチ機構は、導管に沿った1または複数の軸方向位置で導管を完全にまたは部分的に閉鎖するように構成することができる。例えば、図4Aに示すように、ピンチ機構は、導管450を挟んで対向するピンチャ要素420を含むことができ、導管450を通る流れを減少または停止させるために互いに向かって移動するように作動させることができる。別の例として、図4Bに示すように、ピンチ機構は、カム430を含むことができ、そのうちの少なくとも1つが変化する半径を有し、その結果、カム430の回転によってカム430が導管450を通る流れを減少または停止させるようになっている。いくつかの態様では、流れの減少または停止が、カム430の連続的な回転を伴う循環的(例えば、周期的)なものである。代替的には、ピンチ機構が、静止面(例えば、平面)に対向する1つのピンチャ要素420のみ、または1つのカム430のみを含むようにしてもよい。ハウジングは、いくつかの態様では、2以上のピンチ機構を含むようにしてもよい。例えば、図5に示すように、導管550が2つの導管枝550a、550bに分岐される(例えば、後で下流において再結合される)ものであってもよく、2つのピンチ機構510a、510bが導管枝550a、550bにそれぞれ結合されるようにしてもよい。1つのピンチ機構がその対応する導管枝における流れを減少させるために作動されるとき、ピンチ機構の上流に位置するセンサのセットが測定を実行することができる。ピンチ機構510a、510bを交互に作動させることにより、システム100は、全体の体積流量を実質的に制限することなく、または患者体液の上流の吸引を実質的に妨げることなく、導管550内の流体内容物の測定を実行することができる。いくつかの態様では、導管(例えば、導管550)を2以上の導管枝に分割することが、上述した挿入される導管セグメント350などの導管セグメントを用いて達成されるものであってもよい。上述した配置は何れも、ハウジング内に実質的に含まれるものであってもよい。
【0032】
ハウジングの他の態様は、任意の適切な方法で導管に結合することができる。例えば、上述したように導管(例えば、導管120、250、450または550)にクランプすることに加えて、ハウジングは、スリーブのように導管上をスライドするか、または導管の周りに(例えば、螺旋状に)巻き付けるように構成されるものであってもよい。さらに、上述したように、いくつかの態様では、使い捨ての導管セグメントと再利用可能なハウジングユニットとを一緒に結合し、他の導管部分と直列になるように挿入することができる。
【0033】
例示的なセンサ
センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)は、流れを定量化する(例えば、流れの速度、流れの質量流量、流れの体積流量、またはそれらの任意の適切な組合せを推定する)、流体成分濃度を推定する、またはその両方を行うように構成された1または複数のセンサを含むことができる。一般に、1または複数のセンサは、導管(例えば、導管120、250、450または550)の外面上またはその近傍に配置することができる。後述するように、いくつかの態様では、センサは、導管を流れる流れの速度を定量化するように構成することができる。他の態様では、後述するように、センサは、導管を流れる流体内容物の質量を定量化するように構成することができる。さらに、流体内容物の体積測定値は、定量化された流れの測定値から導出するようにしてもよい。例えば、導管を通る体積流量は、流量(例えば、流速)から導出するようにしてもよい。導管のプロファイル全体が流体内容物で満たされている状況では、体積流量は、定量化された流速に導管の断面積を乗じたものとなる。別の例として、導管を流れる流体内容物の体積は、流体内容物の測定された質量から求めるようにしてもよい。流体内容物が均一である状況では、流体内容物の体積は、定量化された流体内容物の質量を、流体内容物の既知の密度で割ったものとなる。定量化された流量および流体内容物の組成に関連する他の情報(例えば、以下にさらに詳細に説明するように、分光分析による情報)に基づいて、他の体積測定値を導出することができる。いくつかの態様では、1または複数の体積測定値を使用して、導管を通過する患者の体液を具体的に定量化し、これを使用して患者の全体的な体液喪失の定量化を補助することができる。
【0034】
例示的な超音波フローセンサ
いくつかの態様では、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、1または複数の超音波流量センサを含む。例えば、図6Aに示すように、センサ配列は、流体内容物が流れている導管650に隣接または近接して配置された少なくとも1の超音波ドップラー流量計620を含むことができる。超音波ドップラー流量計620は、超音波のビームを導管650内に放出するように構成された送信機(Tx)と、導管650内の流体内容物によって反射される超音波を検出するように構成された受信機(Rx)とを含むトランスデューサを含むことができる。反射された超音波の周波数シフトを分析して、送信機、流体内容物および受信機の間の相対的な動きを測定することができる。送信機および受信機が導管650に対して固定されている状態で、測定された相対運動は、導管650内の流体内容物の流量に相関し得る。
【0035】
一般に、流量は、以下の式1に基づいて推定することができる。
ここで、V=流量、c=流体内容物中の音の速度、f=送信周波数、f=受信周波数、Φ=送信超音波ビームと流体の流れ方向との間の相対角度である。流体内容物中の音の速度など、これらのパラメータの一部は、導管650内の流体内容物の組成(例えば、流体成分)に依存する。このため、いくつかの態様では、音の速度のcの様々な値を式1で使用することができる。例えば、導管650内の流体内容物の組成は、様々な流体成分(例えば、血液、生理食塩水、空気など)の相対量が求められるように、別々に(例えば、後述するような分光分析によって)測定するようにしてもよい。式1で使用するcの代表値は、流体成分の組成に基づいて生成することができる。例えば、cの代表値は、導管650内の様々な流体成分についてのcの加重平均値であってもよい。別の例として、cの代表値は、異なる種類の流体、様々な流体成分の異なる組成(例えば、混合物)、またはそれらの任意の適切な組合せについての速度のルックアップテーブルに基づいて、決定するようにしてもよい。他の態様では、cの固定された代表値(例えば、流体内容物の予想されるすべての流体成分についての音の速度の平均値)を式1で使用するようにしてもよい。
【0036】
別の態様では、図6Bに示すように、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、1または複数の飛行時間(ToF)超音波流量計を含む。例えば、ToF流量計は、導管650の反対側に配置された上流側トランスデューサ630および下流側トランスデューサ640を含む2つのトランスデューサを含むことができる。上流トランスデューサ630は、下流側トランスデューサ640内の受信機に向けて(例えば、ほぼ流れの方向に)超音波のビームを放出するように構成された送信機を含むことができる。一方、下流側トランスデューサ640は、上流側トランスデューサ630内の受信機に向けて(例えば、ほぼ流れの方向と反対の方向に)超音波の第2のビームを放出するように構成された送信機を含むことができる。他の態様では、上流側および下流側のトランスデューサは、導管650の同じ側に位置するが、導管650の反対側にある音響的に反射性(例えば、音響反射性)の表面に向けて超音波を向ける。流れの方向に沿って伝播する超音波と逆に伝播する超音波との移動時間の差を分析して、導管650内の流体内容物の流量を測定することができる。
【0037】
一般的に、超音波ビームの音波経路に沿った流量(流れ方向の流量の近似値であってもよい)は、以下の式2に基づいて推定することができる。
ここで、V=流量、L=上流側と下流側のトランスデューサ間の距離、tup=上流方向の通過時間、tdown=下流方向の通過時間、Φ=送信された超音波ビームと流体の流れ方向との間の相対的な角度である。
【0038】
いくつかの態様では、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、複数種類の超音波流量計を含む。例えば、センサ配列は、少なくとも1の超音波ドップラー流量計(例えば、図6Aに関して上述した流量計と同様のもの)と、少なくとも1のToF流量計(例えば、図6Bに関して上述した流量計と同様のもの)とを含むことができる。両種類の超音波流量計を組み合わせることで、例えば、流量を測定できる条件の範囲を拡大することができる。一般に、超音波ドップラー流量計は、導管650内を流れる流体内容物中の粒子または他の明確な特徴(例えば、血球、気泡、流体自体の全体的な乱流、またはそれらの任意の適切な組合せ)を反射する超音波を検出および分析することができる。特定の条件(例えば、粒子を欠く生理食塩水の純粋な層流)では、超音波ドップラー流量計は、精度の低い測定値を提供する可能性がある。一方、ToF流量計は、粒子を含まない層流中の透過超音波を検出して分析することができる。このため、ドップラー流量計とToF流量計を組み合わせることで、乱流と層流の両方、粒子のある流体とない流体の流れなど、より広い範囲の運転条件で正確な流量測定が可能になる。
【0039】
例示的な光学流量センサ
さらに他の態様では、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、導管(例えば、導管120、250、450、550または650)内の流体内容物の流量を測定するように構成された1または複数の光学センサを含む。例えば、図7Aに示すように、センサ配列は、導管750のほぼ反対側に位置するエミッタアレイ710および検出器アレイ720を含むことができる。エミッタアレイ710は、一連の光エミッタ(例えば、LED)を含み、検出器アレイ720は、一連の光検出器(例えば、CMOSセンサ)を含み、対向する光エミッタおよび光検出器が、一連のエミッタ-検出器のペアを形成することができる。各光エミッタは、その対応する光検出器に向けて光を放出するように構成され、放出された光が導管750内の流体内容物を通って伝達されるようになっている。いくつかの態様では、少なくともいくつかの光エミッタが、対象となる物質(例えば、血液またはヘモグロビン)の吸収特性に基づいて、予め設定された波長の光を放出するように構成される。例えば、少なくともいくつかの光エミッタは、約532nmの波長を有する光を放出するように構成され、放出された光が導管750内の流体内容物中のヘモグロビンによる吸収が最大となるように最適化されている。追加的または代替的には、いくつかの態様において、少なくともいくつかの光エミッタが、広範囲の波長(例えば、広いスペクトルを有する白色光)を放出するように構成される。
【0040】
光検出器によって出力される信号強度は、光検出器とその対応する光エミッタとの間の導管750を通過する流体内容物の様々な流体成分を区別するために使用することができる。図7Aに示す例では、患者の体液(例えば、血液)の3つのボーラスB1、B2、B3が、光エミッタとその対応する光検出器との間(例えば、エミッタLED1と対応する検出器PD1との間)で導管750を流れる様子が描かれている。ボーラスB1、B2、B3には、空気が散在している。図7Bに示すように、PD1からの信号の強度Iは、ボーラスおよび散在する空気が導管750を通過する際に、時間(t)とともに変化する。具体的には、患者体液が放出された光を吸収するため、低い信号強度は、患者体液(例えば、ボーラスB1、B2、B3)の通過に対応し、高い信号強度は、空気の通過に対応する。このため、1または複数の光検出器が出力する信号強度に基づいて、血液などの患者体液と空気とを区別することができる。さらに、いくつかの態様では、流体によって光の吸収量が異なるため、空気以外の流体(例えば、血液、生理食塩水、尿など)を、1または複数の光検出器からの信号強度に基づいて識別することができる。
【0041】
図7Aに示すように、エミッタ-検出器のペアの少なくともいくつかは、導管750に沿って軸方向に間隔を空けて配置されている。例えば、第2のエミッタ-検出器のペアは、第1のエミッタ-検出器のペアの下流側に配置することができる。具体的には、第1のエミッタ-検出器のペアは、第1の光エミッタLED1によって放出された光を検出するように構成された第1の光検出器PD1に対向する第1の光エミッタLED1を含むことができる。同様に、第2のエミッタ-検出器のペアは、第2の光エミッタLED2によって放出された光を検出するように構成された第2の光検出器PD2に対向する第2の光エミッタLED2を含むことができる。第2のエミッタ-検出器のペアは、第1のエミッタ-検出器のペアの下流側に配置されているため、第1の光検出器PD1が流体内容物のあるセグメントを検出した後に、第2の光検出器PD2が同じセグメントを検出する。第1の光検出器PD1および第2の光検出器PD2の信号における患者体液検出イベント間のこの時間的オフセットは、式3によって第1および第2のエミッタ-検出器のペア間の推定流速に相関させることができる。
ここで、V=流速、L=第1のエミッタ-検出器のペアと第2のエミッタ-検出器のペアとの間の距離、Δt=第1および第2の光検出器(例えば、光検出器PD1、PD2)の患者体液検出イベント間の時間的オフセットである。このため、光検出器PD1、PD2間の相互相関を利用して、流速を測定することができる。いくつかの態様では、第3、第4、またはそれ以上の軸方向に間隔を空けたエミッタ-検出器のペアの追加は、(例えば、エミッタ-検出器のペアの様々なセットの相互相関を平均化することにより)正確性または精度を補足または追加するために、(例えば、時間オフセットにおける変動または冗長性をチェックすることにより)流速測定値を検証するために、またはその両方のために使用することができる。その後、例えば、流速Vと導管内の流体の断面積Aとを乗算することによって、体積流量を推定することができる。
【0042】
図7Aに破線で示すように、放出された光は、特定の媒体を透過する際に屈折を受けることがある。この屈折を考慮し、かつ検出器への入射位置がその放出位置と正反対ではない屈折光を検出できるようにするために、エミッタ-検出器のペアの光検出器は、屈折光を捕捉するのに十分な幅、長さ、またはその両方を有する検出領域を有することができる。例えば、光検出器の少なくとも一部は、2次元(例えば、長方形)の領域に当たる光を検出するように構成されたエリアセンサであるか、またはエリアセンサとして機能することができ、或いは1次元(例えば、線形)の領域に当たる光を検出するように構成されたラインセンサであってもよい。追加的には、いくつかの態様において、流体内容物の分光学的特性(例えば、以下に説明するような分光分析によって決定される)を使用して、ルックアップテーブルまたは分光学的特性の重み付けされた値に基づく方程式などによって、流体内容物の屈折性を定量化することができる。上記式3におけるLが流体の屈折性によって影響を受ける可能性がある場合、流体内容物の屈折性を表す屈折値を用いて、導管750を通過する流体の様々な組成を考慮してLの値を動的に調整することができる。さらに、いくつかの態様では、異なる流体が通常異なる屈折率を有することから、出射位置に対する検出光の入射位置に基づいて、流体の種類(例えば、血液、生理食塩水、尿、空気など)を識別することができる。
【0043】
いくつかの態様では、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、導管(例えば、導管120、250、450、550、650または750)の周囲の複数の周方向位置に配置されたエミッタ-検出器のペアを含む。例えば、図8Aに示すように、第1および第2のエミッタ-検出器のペアがほぼ同じ軸方向位置に配置されているが、第1のエミッタ-検出器のペア(LED11、PD11)は、第2のエミッタ-検出器のペア(LED12、PD12)から周方向にオフセットされている。いくつかの態様では、ほぼ同じ軸方向位置に配置されたエミッタ-検出器のペア間の干渉を低減するために、その軸方向位置における各エミッタ-検出器のペアが、別個の対応する波長で動作するようにしてもよい。例えば、光エミッタLED11は、第1の波長のみで光を放出するように構成され、その対応する光検出器PD11は、第1の波長の光のみを検出するように構成されるものであってもよい。同様に、光エミッタLED12は、第1の波長とは異なる第2の波長で光を放出するように構成され、光検出器PD12は、第2の波長の光のみを検出するように構成されるものであってもよい。
【0044】
いくつかの態様では、軸方向に整列したエミッタ-検出器のペア間の干渉は、追加的または代替的には、光エミッタと光検出器を交互に配置することによって低減することができる。例えば、図9に示すように、3つのエミッタ-検出器のペア(LED11、PD11)、(LED12、PD12)、(LED13、PD13)のセットが交互に配置されるようにしてもよい(例えば、互いに直接隣接する2つの光エミッタはなく、互いに直接隣接する2つの光検出器もない)。このため、第1のエミッタ-検出器のペアの光検出器PD11は、例えば、第2および第3のエミッタ-検出器のペアのそれぞれ光エミッタLED12または光エミッタLED13の何れかの光を受ける可能性は低い。よって、各光検出器は、その対応する光エミッタから放出された光のみを実質的に受信することになる。
【0045】
図8Bは、第1および第2のエミッタ-検出器のペアの軸方向位置で撮影された、図8Aに示すセンサ配列の断面を示している。周方向に分散配置されたエミッタ-検出器のペアは、導管850の断面積が空気以外の流体で完全に満たされていない場合に、流量の測定を可能にすることができる。例えば、図8Bに示すように、導管850は、患者の体液(例えば、血液)のボーラスBで部分的に満たされている。この例では、ボーラスBは、第1の光エミッタLED11とその対応する第1の光検出器PD11との間の距離全体を横断しておらず、第1の光検出器PD11からの信号は、ボーラスBの存在を確実に示すのに十分ではない可能性がある。このため、第1の光検出器PD11を有する第1のエミッタ-検出器のペアは、図7Aおよび図7Bに関して上述したような信頼性の高い流量測定を容易にするのに十分ではない場合がある。しかしながら、図8Bに示すように、ボーラスBは、第2の光エミッタLED12とその対応する第2の光検出器PD12との間の距離全体を横断するため、第2の光検出器PD12からの信号を(例えば、単独で、または下流側のエミッタ-検出器のペア(LED21、PD21)および(LED22、PD22)のうちの少なくとも一方からの出力とともに)流量測定に使用することができる。このため、そのような周方向に配置されたエミッタ-検出器のペアは、導管850が部分的にしか満たされていない(例えば、半分満たされている)場合でも、流量の測定を可能にすることができる。なお、導管内の空気以外の流体の存在に対する感度を高めるために、3以上(例えば、3、4、5または任意の適切な数)のエミッタ-検出器のペアを導管850の周りに周方向に配置できることを理解されたい。
【0046】
さらに、いくつかの態様では、周方向に配置された光検出器は、導管850上のそれらの共有の軸方向の位置で、流体の分布、流体の量、またはその両方を通知することができる。例えば、図8Bに示すように、ボーラスBは、第1の光エミッタLED11からの光の吸収は少なく、第2の光エミッタLED12からの光の吸収は多いため、第1の光検出器PD11からの信号強度は、第2の光検出器PD12からの信号強度よりも高い。このため、第1の光検出器PD11と第2の光検出器PD12の相対的な信号強度は、第1の光検出器PD11と第2の光検出器PD12の軸方向の位置における患者体液の分布と量を示すことができる。例えば、直交するように配置された2つのエミッタ-検出器のペアは、導管が半分満たされているか、または完全に満たされているかを検出することができる。測定される流体を含む導管850の断面積において分解能をより高めるために、より多くのエミッタ-検出器のペアを、導管850の周囲に周方向に(例えば、導管850上の同じ軸方向位置に)配置するようにしてもよい。
【0047】
上述したように、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)は、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750または850)に沿った複数の軸方向の位置、導管の周りの複数の周方向の位置、またはその両方に配置された光エミッタ-検出器のペアを含むことができる。例えば、図8Aに示すように、複数のエミッタ-検出器のペアのうちの少なくともいくつかは、軸方向に間隔を空けて配置された一連のリングに配置されるようにしてもよい。別の例として、複数のエミッタ-検出器のペアのうちの少なくともいくつかは、導管の周りに螺旋状に配置されるようにしてもよい。螺旋状に配置することで、例えば、隣接するエミッタ-検出器のペア間の光学的干渉の回避を補助することができる。
【0048】
例示的な熱質量流量センサ
いくつかの態様では、図10に示すように、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、導管1050を通って流れる流体内容物の質量を定量化するように構成された熱質量流量センサ1010を含む。例えば、流体内容物の熱質量流量を推定することは、流体内容物の流れに既知の量の熱を導入して、流体内容物の関連する(例えば、対応する)温度変化を測定することを含むことができる。これは、例えば、プローブを一定の温度に維持して、その際に消費されるエネルギーを測定することによって行うことができる。別の例として、流体内容物の熱質量流量を推定することは、流体内容物の流れに既知の量の熱を導入して、下流のある地点で流体内容物の温度変化を測定することを含むことができる。
【0049】
例えば、図10に示すように、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)は、第1の温度センサTS1と、第1の温度センサTS1の下流に位置する第2の温度センサTS2とを少なくとも含むことができる。第1の温度センサTS1および第2の温度センサTS2は、例えば、微小電気機械システム(MEMS)に基づくものとすることができる。加熱コイルまたは他の適切な加熱素子などの1または複数の熱源1012は、第1の温度センサTS1と第2の温度センサTS2間の導管1050の流体内容物に(例えば、導管1050の壁を介して)既知の量の熱エネルギーを導入することができる。導管1050内の流体内容物の加熱の結果としての第1および第2の温度センサTS1、TS2による温度測定値の差は、一般に式4に従って、質量流量の測定値に相関させることができる。
ここで、m=質量流量、K=導管定数、C=導管1050の流体内容物の比熱、T=第2の温度センサTS2による温度測定値、T=第1の温度センサTS1による温度測定値である。Kの値は、既知であるか、導管1050の特性(例えば、チューブの材料、チューブの壁厚、チューブの直径など)に基づいて調べられるか、または、例えば、以前の実験データに基づいて求められるものであってもよい。Kの値は、(例えば、ユーザによって)手動で入力されるか、またはコンピュータ可読記憶媒体に記録されて、そこから受信されるか、または導管1050上のラベルまたは別の適切な参照コードの光学式文字認識などによりシステム100によって自動的に認識されるか、またはそれらの任意の適切な組合せであってもよい。いくつかの態様では、Kの値が、光学的または電気的な抵抗センサから導き出され、センサの出力を使用して(例えば、ルックアップテーブル、方程式などを介して)Kの値を求めることができる。T値を求めるための複数の方法を、組み合わせることができ(例えば、平均化することができ)、或いは冗長性の目的で使用することができる。導管1050の流体内容物の比熱は、導管1050を通過する既知の流体を代表するものとして知られているか又は想定される一定の値であってもよい。しかしながら、いくつかの態様では、Cの値が、他の要因に応じて変化するものであってもよい。例えば、Cの値は、(例えば、各流体成分のそれぞれの比熱値を重量平均することによって)流体内容物の組成に依存し得るものであり、これは、例えば、後述するように、分光分析を用いて決定することができる。流体内容物の組成が決定されると、ルックアップテーブル、ヒューリスティックに導出された方程式、その他の適切なツール、またはそれらの任意の適切な組合せを使用して、式4のCの適切な値を決定することができる。
【0050】
いくつかの態様では、1または複数の熱源1012(例えば、加熱コイルまたは他の加熱素子)を、導管1050の外面上または外面に隣接して配置することができる。例えば、導管1050がハウジング内に受け入れられるときに、導管1050が自己整列して加熱素子に接触するように、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)のハウジング(例えば、ハウジング220)に加熱素子を取り付けることができる。他の態様では、導管1050内の流体内容物をより直接的に加熱するように、1または複数の加熱素子を導管1050の材料に一体化するようにしてもよい。
【0051】
図10には、2つの温度センサ(例えば、第1および第2の温度センサTS1およびTS2)が描かれているが、熱質量流量を測定するために、3、4、5またはそれ以上の温度センサを含むことができることを理解されたい。例えば、(例えば、1または複数の加熱素子を有する)温度センサのアレイは、複数の軸方向の位置、複数の周方向の位置(例えば、一連のリングに、螺旋状に)、またはその両方に配置されるものであってもよい。上述した光学流量センサの配置と同様に、熱質量流量センサの軸方向および周方向の配置の組合せは、熱質量流量の結果の平均化、熱質量流量の結果の検証、またはその両方を可能にすることができる。さらに、そのように組み合わせた配置は、より多様な充填条件下で(例えば、導管1050が部分的に満たされているか、または完全に満たされている場合に)熱質量流量測定を提供することができる。
【0052】
いくつかの態様では、上述した光学流量センサ配列の何れかと熱質量流量センサ配列の何れかとを組み合わせて、より広範囲の条件での流量の定量化を可能にすることができる。例えば、光学流量センサは、流れが断続的である(例えば、空気に挟まれた液体のボーラスを含む)場合に、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850または1050)内の流れをより正確に定量化(例えば、流量を推定)することができ、一方、熱質量流量センサは、流れが連続的である場合に、より正確に流れを定量化(例えば、熱質量流量を推定)することができる。このため、光学流量センサと熱質量流量センサを一緒に使用することで、導管内のより広範囲な流量条件下(例えば、断続的な流れと連続的な流れの両方)で、導管内の流れを正確に定量化することができ、その結果、流れの状態が予測できなくとも、システム100がより安定したものとなる。さらに、いくつかの態様では、システム100が患者の体液喪失を正確に定量化するために、予め設定された特性を有する(例えば、層流で動く)ように流体内容物を前処理する必要がない。
【0053】
例示的なカラー画像流量センサ
さらに他の態様では、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、流れを定量化し、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850または1050)内の流体内容物の組成または成分濃度を推定し、またはその両方を行うように構成された1または複数の画像センサを含む。例えば、光学画像センサ(例えば、CCD、CMOSなど)は、(例えば、他の適切な光学成分とともに)ピクセルの赤、緑、青(RGB)の色成分を有するカラー光学デジタル画像をキャプチャすることができる。例えば、画像センサは、適切な対応する光学系、フィルタ(例えば、ベイヤーパターンフィルタなどのカラーフィルタアレイ)、またはそれらの任意の適切な組合せと対になった単一の画像センサであってもよい。別の例として、センサ配列は、白色光を別々のカラーチャンネルに分割するための少なくとも1のプリズムまたは回折面などの適切な対応する光学系と対になった複数の画像センサを含むことができ、カラーチャンネルの各々が、それぞれの画像センサによって(例えば、カラーチャンネルに対応する適切な光学フィルタを用いて)検出される。しかしながら、センサ配列は、導管およびその流体内容物の画像を生成することができるように、任意の適切な画像センサおよび他の光学部品を含むことができる。
【0054】
導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850または1050)内の層流、乱流および空気などの様々な種類の流れを区別するために、機械学習アルゴリズム(例えば、ニューラルネットワークまたは他の適切なアルゴリズム)を画像データに適用することができる。例えば、そのような機械学習アルゴリズムに従って構成された機械は、実験的に得られたトレーニングデータを用いて、流れを分類するようにトレーニングすることができる。その後、トレーニングを受けた(例えば、トレーニングデータを機械学習アルゴリズムに入力することによってトレーニングを受けた)機械への入力として、導管の流体内容物の画像を提供することができる。いくつかの態様では、トレーニングを受けた機械は、色成分値(例えば、RGB、CYMKまたは他の適切な色空間)を分析して、空気、層流、乱流などである可能性が高い導管の領域を判定することができる。流体内容物の画像内の特徴を識別することにより、トレーニングを受けた機械は、追加的または代替的に、導管内の流れの態様(例えば、流量)を定量化することができる。流体のカラー画像を分析することによって導管内の流体を特徴付ける他の例示的な方法は、引用により援用された米国特許出願公開第2016/0335779号に記載されている。
【0055】
追加的または代替的には、色成分情報が、流体内容物の組成と相関し得る。例えば、流体内容物の流体成分の濃度は、引用により援用された米国特許第8,792,693号に記載された方法を用いて、色成分ピクセル値から導き出すことができる。いくつかの態様では、同じ1または複数のカラー画像センサを使用して、(例えば、上述したように)流体内容物の流れを定量化し、流体内容物の組成の一態様を推定することができる。いくつかの態様では、機械学習アルゴリズム(例えば、ニューラルネットワークまたは他の適切なアルゴリズム)を画像データに適用して、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850または1050)内の流体内容物の構成流体成分を識別することができる。例えば、そのような機械学習アルゴリズムに従って構成された機械は、実験的に得られたトレーニングデータを用いてトレーニングすることができる。その後、トレーニングを受けた(例えば、トレーニングデータを機械学習アルゴリズムに入力することによってトレーニングを受けた)機械への入力として導管の流体内容物の画像を提供することができる。いくつかの態様では、トレーニングを受けた機械は、色成分値(例えば、RGB、CYMK、他の適切な色空間)を分析して、(例えば、血液に相関するピクセルの赤色チャネルの強度を有する)様々な流体成分に相関する色関連のピクセル値を導き出すことができる。流体内容物の画像内の特徴を識別することにより、トレーニングを受けた機械は、導管内の流体タイプの相対的な量、流体成分の相対的な濃度などに関する情報を識別することができる。
【0056】
例示的なマルチスペクトル画像センサ
いくつかの態様では、センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)が、流体内容物の1または複数の流体成分の濃度、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850または1050)内の流体内容物の他の組成、またはその両方を推定するように構成された1または複数のセンサをさらに含む。例えば、図11に示すように、センサ配列は、ある範囲の波長の光を放出するように構成されたマルチスペクトルエミッタアレイLEDと、導管1150内の流体内容物によって反射されるある波長の範囲の光を検出するように構成されたマルチスペクトル検出器アレイPDとを含むマルチスペクトル画像化装置1110を含むことができる。例えば、LEDまたは他の適切な光エミッタを含むことができるマルチスペクトルエミッタアレイLEDは、一般に可視スペクトル、近赤外スペクトル、またはその両方の光を放出する(例えば、一般に400nm~900nmの波長を有する光を放出する)ように構成することができる。マルチスペクトルエミッタアレイLEDは、複数のLEDを含むことができ、その各々が、波長の範囲のサブセット(例えば、400nm~450nm、450nm~500nmなど)の光を放出し、それにより、エミッタアレイLEDが適切なマルチスペクトル範囲を集合的に放出するようになっている。マルチスペクトル検出器アレイPDは、CMOSセンサまたは他の適切な画像センサを含むことができ、一般に可視スペクトル、赤外スペクトルまたはその両方の光を検出するように構成することができる。例えば、マルチスペクトル検出器アレイPDは、複数のCMOSセンサを含むことができ、各センサが、対応するフィルタを有し、それにより各CMOSセンサが、フィルタによって許容される波長の光のみを検出するようになっている。例示的な実施形態では、マルチスペクトル画像化装置1110は、約10個~約100個のLED(例えば、エミッタアレイLED内)と、約10個~約100個のCMOSセンサ(例えば、検出器アレイPD内)とを含む。各LEDは、それぞれの離散的な範囲の光を放出することができ、同じ範囲の光を検出する対応するCMOSセンサを有することができる。
【0057】
流体内容物の組成の様々な態様は、分光分析においてマルチスペクトル画像化装置1110からの検出器信号を分析することによって測定することができる。具体的には、異なる種類の物質が異なる波長の光を吸収または反射するため、マルチスペクトル検出器アレイPDによって測定されたスペクトルパターンを分析して、流体内容物の組成を特徴付けることができる。いくつかの態様では、検出器アレイPDからの信号を分析することによって、存在する流体タイプ(例えば、血液、尿、生理食塩水など)の相対的な量(例えば、濃度)を測定することができる。例えば、血液は、一般に、約530nmに吸収スペクトルピークを有する。このため、530nmの光を検出するマルチスペクトル検出器アレイPD内のセンサからの信号は、導管1150内の血液の量と相関し得る。別の例として、尿は、一般に、約430nmの吸収スペクトルピークを有することから、430nmで光を検出するマルチスペクトル検出器アレイPD内のセンサからの信号は、導管1150内にある尿の量に相関し得る。いくつかの態様では、マルチスペクトル検出器アレイPDからの信号を分光分析により処理して、流体内容物中の他の流体成分のうちのある流体成分(例えば、ヘモグロビン)の濃度を求めることができる。さらに、いくつかの態様では、同じセンサ信号を分光分析により処理して、溶血のレベルを測定し、それにより溶血に対する全血の量の測定値を得ることができる。
【0058】
複数の流体成分を有する導管1150内の流体の場合、合計n個の流体成分(n=1、2、3、...)の各々についての非散乱吸光度を合計して、例えば式5に従って、様々な波長でマルチスペクトル画像化装置1110によって直接測定される合計吸光度ΣAを提供することができる。
ここで、ε(λ)は吸収率(多くの物質について知られている)、cは濃度(測定される)、dは導管1150内の各流体成分における光路長である。n以上の波長の光での全吸光度を測定することにより、システム100は、例えば式6に従って、導管1150内の流体内容物の構成流体成分の各々の濃度を求めることができる。
したがって、上記式6を行列形式にして、その行列に対して数学的な演算を実行することで(例えば、最小二乗推定値を求めることで)、すべての流体成分の濃度を推定することができる。
【0059】
センサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)の他の態様は、上述したセンサ(例えば、超音波、光学、熱、カラー画像およびマルチスペクトル画像)の任意の適切な組合せを含み、それを、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850、1050または1150)を通る流体内容物の流れの定量化、流体内容物の組成の推定(例えば、流体成分濃度の推定)、またはその両方に使用することができる。例えば、複数のセンサからのデータの分析は、精度を向上させるために、平均化または融合アルゴリズムで組み合わせることができる。さらに、複数のセンサを使用することで、例えば、1つのセンサが故障しても、システム100が動作不能にならないように、冗長性を確保することができる。別の例として、いくつかの例で上述したように、複数の測定モダリティは、より広い範囲の流れ条件(例えば、乱流または層流、連続または断続、混合流体タイプなど)にわたって、測定の感度、信頼性またはその両方を向上させることができる。さらに、いくつかの態様では、単一のセンサ配列(例えば、カラー画像センサ配列)が、上述したように、流れの定量化と、1または複数の流体成分の濃度の推定の両方を可能にする十分なデータを提供することができる。
【0060】
例示的なプロセッサおよび例示的なメモリ要素
一般に、システム100は、1または複数のプロセッサが命令を実行するときに、1または複数のプロセッサが本明細書に記載の方法の態様を実行するように、メモリに格納されている命令を実行するように構成された1または複数のプロセッサを含むことができる。例えば、1または複数のプロセッサは、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850、1050または1150)を通る流体内容物の流れを定量化し、患者の体液中の流体成分の濃度を推定し、定量化した流れおよび流体成分の濃度に少なくとも部分的に基づいて患者の体液喪失を特徴付け、またはそれらの任意の適切な組合せを実行するように構成されている。データ分析の他の態様は、1または複数のプロセッサによって追加的に実行することができる。
【0061】
例示的な態様では、システム100は、上述したセンサ測定値に少なくとも部分的に基づいて、収集されて導管を通過した患者の血液の量を推定する。例えば、測定期間中に導管を通過したヘモグロビンの質量は、測定期間中に測定された導管内のヘモグロビンの濃度に、導管を通過した血液の体積流量を乗じることによって推定することができる。血液の体積流量は、全体の流量(例えば、上述した1または複数のセンサによって定量化されたもの)と、導管内の他の流体タイプと比較した血液の相対量(例えば、上述した分光分析または光学分析で測定されたもの)とに基づいて求めることができる。ヘモグロビンの濃度は、上述したように、分光分析または光学分析で測定することができる。さらに、推定されるヘモグロビン質量喪失を、血清から導出される既知の患者ヘモグロビン値で割ることにより、患者の失血を推定することができる。測定期間中の推定患者失血量は、現在の患者失血量合計として複数の測定期間にわたって集計したり、上述したように手術用布地などの他の流体収集源に基づく他の推定値と集計したり、またはその両方を行うことができる。そのような患者の失血量の測定値は、以下でさらに詳しく説明するように、ディスプレイまたはオーディオデバイスなどを介してユーザに提示することができる。いくつかの態様では、推定ヘモグロビン質量自体が、患者の体液喪失を特徴付ける測定基準であってもよい。さらに、いくつかの態様では、本明細書に記載の方法の何れかを適用して、導管を通る他の体液(例えば、尿、羊水、髄液、胆汁)の濃度および流量を求めることができる。測定値は、現在の流体喪失合計として複数の測定期間にわたって集計されるか、上述したように他の流体収集源に基づく他の推定値と集計されるか、またはその両方であってもよい。
【0062】
図1に示すように、1または複数のプロセッサ154は、例えば、センサ配列110に対してリモートコンピューティングデバイスであるコンピューティングデバイス150に配置されるものであってもよい。1または複数のプロセッサ154の例は、図18に関連して以下でさらに説明する。コンピューティングデバイス150は、ハンドヘルドまたはモバイルデバイス(例えば、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルスマートフォンなど)であるか、またはそれらを含むことができる。上述した命令は、例えば、アプリケーション、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウェブサイト、通信サービス、通信インターフェース、ハードウェア要素、ファームウェア要素、ソフトウェア要素、リストバンド、スマートフォンまたはそれらの任意の適切な組合せと統合されたコンピュータ実行可能コンポーネントによって実行され得る。いくつかの例示的な実施形態では、命令が、クラウドベースのコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、グリッドコンピュータシステムまたは他の適切なコンピュータシステムなど、(例えば、手術室内のまたは手術室外のリモートにある)コンピューティングデバイス150とは別の1または複数のプロセッサによって少なくとも部分的に実行されるものであってもよい。
【0063】
命令は、コンピューティングデバイス150のメモリ152、またはRAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(例えば、CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ若しくは任意の適切なストレージデバイスなどの他のコンピュータ可読媒体に格納することができる。メモリ152の例は、図18に関連して以下でさらに説明する。追加的または代替的には、1または複数のプロセッサが、ローカル分析のために、センサ配列100の中または近傍に配置されるものであってもよい。
【0064】
さらに、センサデータ、センサ配列110でローカルプロセッサによって実行される任意の分析の結果、またはその両方が、図1に示すコンピューティングデバイス150などのリモートコンピューティングデバイスと有線または無線接続で(例えば、WiFi、Bluetooth、Zigbee、Airdropなどを介して)伝送することができる。いくつかの態様では、そのようなデータのキューまたはバックログを格納するために、上述したものと同様の1または複数のローカルメモリコンポーネントが、センサ配列110に含まれるようにしてもよい。このキューまたはバックログは、例えば、コンピューティングデバイス150へのデータ転送が中断されるか、または他の方法で失敗した場合に、データの喪失を回避するために、格納されたデータのバッファを提供することができる。
【0065】
例示的なユーザインタラクティブコンポーネント
いくつかの態様では、図1に示すように、システム100は、データ、ユーザへのデータの分析(例えば、患者の体液喪失の推定)、または両方を表示するように構成された1または複数のディスプレイ148をさらに含むことができる。ディスプレイ148は、(例えば、上述した1または複数のプロセッサ154と同じコンピューティングデバイス150の一部としての)ハンドヘルドデバイスまたはモバイルデバイス上のスクリーン、コンピュータモニタ、テレビスクリーン、プロジェクタスクリーンまたは他の適切なディスプレイを含むことができる。いくつかの態様では、ディスプレイ148がユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース)を表示するように構成され、このユーザインターフェースが、ユーザが情報(例えば、血清から導出される患者のヘモグロビン値、または導管のブランド、材料、サイズ、壁の厚さなどの導管の情報であって、システム100を特定の導管タイプに対して較正するために使用することができる情報)を入力すること、表示オプション(例えば、フォント、色、言語など)を選択すること、コンテンツ(例えば、患者情報、流体関連情報、アラートなど)を表示すること、またはそれらの任意の適切な組合せを可能にする。そのような態様では、ディスプレイ148が、ユーザ対話型であり、皮膚、スタイラスまたは他のユーザの接触に応答する抵抗性または容量性のタッチスクリーンを含むことができる。他の態様では、ディスプレイ148が、マウス、キーボードまたは他の適切な入力デバイスによって制御されるカーソルを介したユーザ対話型であってもよい。
【0066】
いくつかの態様では、システム100が、追加的または代替的に、情報(例えば、流体に関連する情報、アラートなど)をユーザに伝達するように構成されたオーディオシステム156を含むことができる。例えば、ディスプレイ148、オーディオシステム156、またはその両方は、流体喪失の傾向の推定量が閾値を満たした際に、アラートまたはアラームを提供することができ、これは、その応答として患者に輸血を提供するなど、特定の行動を促すのに有用となる場合がある。
【0067】
本明細書の説明は、説明の目的で、本発明の主題の完全な理解を提供するために具体的な名称を使用している。しかしながら、本主題を実施するために、特定の詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。このため、本主題の特定の例示的な実施形態(例えば、変形例または態様)の記述は、説明のみを目的としている。それらは、上記の教示に鑑みて多くの修正および変形が可能であるため、網羅的であること、または主題を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本明細書に記載の例示的な実施形態は、関係する技術革新とその実用的な応用を説明しており、それにより当業者は、企図される特定の用途に適した様々な変更を加えて、本主題およびその様々な例示的な実施形態を利用することができる。
【0068】
例示的なシステムモジュール
図12は、いくつかの例示的な実施形態に係る、導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850、1050または1150)を通って流れる流体内容物を特徴付ける方法1200を実行する際のシステム100の動作を示すフローチャートである。そのような例示的な実施形態では、導管を流れる流体内容物の画像(例えば、ビデオ画像)が、光学センサ(例えば、カメラ)によってキャプチャされ、光学的質量流量アルゴリズム1210に入力される。このアルゴリズムは、流体モーショントラッキングに続いて流体質量推定器を含むものとして示されている。光学的質量流量アルゴリズム1210の出力は、光学的質量流量較正操作1220によって処理され、その結果として得られる出力は、センサ組合せ操作1240に提供される。
【0069】
別の経路では、流体内容物の画像が、層流を非層流から区別するように構成されたビデオ分類器1230への入力としても提供される。また、ビデオ分類器1230の出力は、センサ組合せ操作1240に供給される。さらに、ビデオ分類器1230の出力は、光学的ヘモグロビン濃度検出器1250への入力として機能することができ、その出力はセンサ組合せ操作1240に供給される。
【0070】
さらに、超音波センサからのセンサデータが、アクセスされて、超音波較正操作1215への入力として提供され、その結果としての出力が光学ヘモグロビン濃度検出器1250への入力として供給される。上述したように、光学ヘモグロビン濃度検出器1250からの出力は、センサ組合せ操作1240に提供される。
【0071】
このため、センサ組合せ操作1240は、その入力を組み合わせて、導管を通って流れる流体内容物に含まれる患者体液(例えば、血液)の流体成分(例えば、ヘモグロビン)の濃度を得ることができる。さらに、複数のタイプのセンサデータ(例えば、ビデオデータおよび超音波データ)に基づく組み合わされた入力により、センサ組合せ操作1240は、導管内の流体内容物の多種多様な流れ条件下で正確な結果を出力する。そのような条件の例には、連続的な流れの領域、非連続的な流れの領域(例えば、断続的な流れまたは他の不規則な流れ)、層流の領域、乱流の領域、およびそれらの任意の適切な組合せが含まれる。
【0072】
図13は、いくつかの例示的な実施形態に係る、流体内容物のモーショントラッキングを示す図である。図13に示すように、流体内容物が導管を通過すると、吸収による光の減衰により、導管に沿って配置された1または複数の光学センサで追跡可能な光学的特徴が得られ、それにより、移動する流体の動きをピクセル/秒で測定することができる。
【0073】
したがって、システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150、またはそれらの任意の適切な組合せの中に)特徴抽出モジュールを含むことができ、このモジュールは、光学センサまたは光学測定モダリティからのデジタル信号を入力としてアクセスして、アルゴリズム分析のために流体の1または複数の顕著な特徴を示すデジタル信号のセットを返すように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、またはそのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0074】
特徴抽出モジュールは、動く流体における顕著な特徴を抽出する。抽出可能な特徴には、(i)移動する流体ヘッド、(ii)移動する流体テール、(iii)移動する気泡、(iv)他の移動するパターンまたは勾配、および(v)移動の他の空間的または時間的な手掛かり(例えば、移動に関連するテクスチャ、空間的変化に対する時間的変化、ぼやけなど)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
いくつかの態様では、特徴抽出モジュールが、時系列で連続する2つの光学センサデータからの差分を演算することにより、2次元(2D)空間における特徴を抽出する。抽出した2D差分特徴は、コンピュータビジョンアルゴリズムまたは他の機械学習アルゴリズム(例えば、深層学習アルゴリズム)を用いて、サブカテゴリにさらに分類される。
【0076】
いくつかの態様では、特徴抽出モジュールが、差分特徴の抽出および分類を実行する前に、2Dデジタルデータを1Dデジタルデータに再配置することにより、1次元(1D)空間における特徴を抽出する。
【0077】
いくつかの態様では、特徴抽出モジュールが、複数のソースからの複数のデジタルデータを処理することによって、多次元空間における特徴を抽出する。3次元(3D)特徴などの多次元特徴は、コンピュータビジョンアルゴリズムまたは機械学習アルゴリズムの他の態様によって抽出および分類される。
【0078】
いくつかの態様では、特徴抽出モジュールが、深層学習モデルを使用して、光学センサ出力からの特徴を分類してセグメント化する。
【0079】
図14は、いくつかの例示的な実施形態に係る、導管を流れる流体内容物を特徴付ける際に論理操作を行う方法を示すフローチャートである。この方法は、システム100によって実行される一例として説明されているが、この方法は、他のハードウェア構成によって実行することもできる。システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)流体変位推定モジュールを含むことができ、このモジュールが、抽出された特徴にアクセスして、ある時点から別の時点までの流体の変位を演算するように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0080】
いくつかの態様では、流体変位推定モジュールが、数学的方法を利用して、異なるタイムスタンプからの個々の抽出された特徴の変位を計算する。相互相関または他の同様の数学的方法を使用して、ピクセル/秒で所与の特徴のシフトを計算する。
【0081】
いくつかの態様では、流体変位推定モジュールが、深層学習モデルを展開して、1または複数の光学センサから流体変位を推定する。
【0082】
また、システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)流体運動モデルモジュールも含むことができ、このモジュールが、流体の流れの層流または連続的なパッチの間など、流体の流れのセッションの間に、追跡するための強い特徴がない場合に、流体内容物の流れを推定するように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0083】
流体運動モデルモジュールは、数学的計算のための明確な特徴が皆無かそれに近い層流セッションなどにおいて、流体変位モジュールが信頼できる結果を出力しなかった場合に、流体内容物の動きを補間する。流体運動モデルモジュールは、過去の流体の特徴、未来の流体の特徴(例えば、予測される流体の特徴)またはその両方から、流体の変位を推定する。
【0084】
いくつかの態様では、流体運動モデルモジュールが、相互相関強度、特徴サイズおよび流体占有率に限定されるものではないが、これらを含む内部パラメータによって制御される。図14に示すように、流体運動モデルモジュールは、複数の論理ブロック(例えば、ブロック1、ブロック2、ブロック3、ブロック4、ブロック5およびブロック6、またはそれらの任意の適切なサブセット)を実行して、流体変位推定モジュールからの推定の信頼性を判定するとともに、過去および将来の(例えば、予測される)イベントで流体変位を再推定する。
【0085】
ブロック1では、いくつかの例示的な実施形態によれば、明確な流体ヘッドが存在するか否かを判定する判定1410(例えば、第1の判定)が行われる。存在する場合、流体チャンクの始まりが流体ヘッドによって示される。そうでなければ、流体ヘッドが存在せず、流体運動モデルがブロック2に移行する。
【0086】
ブロック2では、いくつかの例示的な実施形態によれば、明確な流体テールが存在するか否かを判定する判定1420(例えば、第2の判定)が行われる。存在する場合、流体チャンクの終わりが、流体テールによって示される。そうでなければ、流体ヘッドまたは流体テールが存在せず、流体運動モデルがブロック3に移行する。
【0087】
ブロック3では、いくつかの例示的な実施形態によれば、明確な相関結果が存在するか否かを判定する判定1430(例えば、第3の判定)が行われる。存在する場合、流体運動モデルがブロック4に移行する。そうでない場合、すなわち、流体ヘッドまたは流体テールが存在せず、明確な相関結果が存在しない場合には、層流と流れ無しとを区別するために、流体タイプの分類が行われる。
【0088】
ブロック4では、いくつかの例示的な実施形態によれば、明確な相関結果が受け入れられるか否かを判定する判定1440(例えば、第4の判定)が行われる。受け入れられる場合、流体変位が相関結果によって示される。そうでなければ、流体運動モデルがブロック5に移行する。
【0089】
ブロック5では、いくつかの例示的な実施形態によれば、コーナーケース(例えば、珍しい状態、誤りのある状態、または他の特別に例外的な状態)が存在するか否かを判定する判定1450(例えば、第5の判定)が行われる。存在する場合、流体の変位が、隣接する画像(例えば、導管内の流体内容物を描写する一連のビデオ画像における次のビデオ画像または前のビデオ画像)によって示される。そうでなければ、流体運動モデルがブロック6に移行する。
【0090】
ブロック6では、いくつかの例示的な実施形態によれば、流体内容物の極端なスローモーション(例えば、検出の閾値を下回る見かけ上の変位を伴う)が存在するか否かを判定する判定1460(例えば、第6の判定)が行われる。極端なスローモーションが存在する場合、流体の変位は、流体運動モデルによって流れが無い(例えば、画像から画像への変位がゼロ、または画像から画像への変位が閾値未満)として扱われる。そうでなければ、流体の変位が、現在の画像よりも識別可能な見かけの変位を示す可能性が高い隣接する画像(例えば、導管内の流体内容物を描写する一連のビデオ画像における次のビデオ画像または前のビデオ画像)によって示される。
【0091】
図15は、いくつかの例示的な実施形態に係る、流体内容物の光学的質量推定を説明する図である。
【0092】
システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)光学的質量推定モジュールを含むことができ、このモジュールが、光学センサ(例えば、CMOSまたはCCD)およびLEDを有するセンサ配列(例えば、センサ配列110、210または310)と対になって、流体内容物が導管(例えば、導管120、250、450、550、650、750、850、1050または1150)を通過するときに流体内容物中の測定物質を分析するように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。測定物質は、流体内容物の流体成分であり、流体成分は、均質な流体または不均質な流体であってもよく、或いは他の流体特性を有するものであってもよい。
【0093】
光学的質量推定モジュールの組立は、通常、導管セグメント(例えば、導管セグメント350)の一端に、様々な強度、波長、向きまたはそれらの任意の適切な組合せを有する1または複数のLEDまたは他の光源を配置し、導管セグメントの他端に、同じまたは異なる構成を有する1または複数の光検出器または他の光学センサを配置することを含むことができる。光学的質量推定モジュールは、最初に吸光度または透過率を測定し、次に物理的原理を利用して(例えば、ランベルトベールの法則を適用して、透過率を考慮して測定物質の濃度を推定することにより)対象物質を分析することができる。
【0094】
いくつかの態様では、光源と光学センサの複数のペアが利用される。導管セグメント(例えば、導管セグメント350)の方を向く各光学センサに対して、光源が、導管セグメントの反対側に180度に配置される。光学的質量推定モジュールは、差分セグメントとも呼ばれる導管セグメントの関心領域に入った流体内容物によって吸収される光の量を推定する。光学的質量推定モジュールは、モーショントラッキングアルゴリズムを使用して差分セグメントの長さを測定し、差分セグメントにおける平均吸光度を定量化し、ランベルトベールの法則に基づく数学的導出を適用する。
ここで、Aは、求める吸光度、δV=πdδpは差分体積、δpは差分セグメント長である。システム100は、ランベルトベールの法則を用いて、吸光度を測定物質の吸収率a(λ)×経路長d×流体中の測定物質の濃度cで表す。
【0095】
その後、光学的質量推定モジュールは、計算された吸光度を差分セグメントの長さ(ピクセル単位)に乗算して、任意の単位(a.u.)でフレームごとの光学的質量推定値を得る。また、光学的質量推定モジュールは、フレームごとの光学的質量推定値を積分して、任意の単位(a.u.)で経時的な光学的質量推定値を得る。
【0096】
いくつかの態様では、光学的質量推定モジュールは、LEDまたは他の光源、光学センサおよび導管タイプの1または複数の組合せを用いて、測定物質の光学的質量も推定する。
【0097】
図16は、いくつかの例示的な実施形態に係る、粒子散乱に基づく流体成分濃度の推定を示す図である。
【0098】
システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)流体散乱推定モジュールを含むことができ、このモジュールが、散乱パラメータの変動を引き起こす様々な溶血レベルでの血液中のヘモグロビン濃度の推定の一部として実行される、散乱粒子の存在を判定するように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0099】
流体散乱推定モジュールは、特殊な不均一照明アセンブリを利用して、流体内容物の散乱パラメータと吸収パラメータの曖昧さを取り除く。
【0100】
いくつかの態様では、不均一な照明は、(i)LEDまたは他の光源をある距離に離して配置すること、(ii)構造化されたLEDまたは他の光源を使用すること、または(iii)構造化された格子に均一な光を通すことによってカスタム構造化された光源を作ることによって達成される。不均一な照明は、光学センサで見たときに、明るいパッチと暗いパッチを作り出すことができる。流体散乱推定モジュールは、(例えば、コンピュータビジョンアルゴリズムや、深層学習アルゴリズムなどの他の機械学習アルゴリズムと組み合わせて)明るいパッチと暗いパッチとの間の信号差を分析して流体内容物の散乱パラメータを推定する。
【0101】
いくつかの態様では、様々なタイプの導管を使用して、照明の構造上の違いを作り出す。
【0102】
システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)光学的質量較正モジュールを含むことができ、このモジュールが、光学センサからの測定値を測定物質の濃度または質量に変換するように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0103】
光学センサ(例えば、ビデオセンサ)からの測定値は任意の単位であり、得られた情報は、流体内容物の流体成分の濃度または流体成分の質量など、流体内容物の明確な特性を得るために変換される。
【0104】
いくつかの態様では、光学的質量較正モジュールは、トレーニングを受けた数学モデルによって、光学的質量を測定物質(例えば、血液などの対象となる流体成分)の質量に変換する。学習機械は、任意のグランドトゥルースの測定値(例えば、重量計を使用)に対して光学的質量の差分を較正することにより、数学的モデルでトレーニングされる。各測定物質について、学習機械は、様々な濃度の組合せを有する1または複数のデータセットによってトレーニングされる。
【0105】
いくつかの態様では、光学的質量較正モジュールは、トレーニングを受けた数学的モデルによって、光学的質量を測定物質(例えば、対象の流体成分)の濃度に変換する。数学モデルは、機械学習によって(例えば、深層学習アルゴリズムを用いて)トレーニングすることができる。
【0106】
システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)流体タイプ分類モジュールを含むことができ、このモジュールが、所与の時間枠内で流体内容物を分類する(例えば、流体内容物の流体タイプを判定する)ように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0107】
流体タイプ分類モジュールは、センサ配列または他の測定モダリティの出力に基づいて、様々な特性を有する様々な流体内容物を自動的に分類する。分類は、補足的なアルゴリズムロジックを用いて、任意の所与の時間枠で実行することができる。
【0108】
いくつかの態様では、流体タイプ分類モジュールが、光学センサからの層流および非層流を分類する。
【0109】
図17は、いくつかの例示的な実施形態に係る、様々なタイプのセンサからの結果の数学的マージを示すグラフである。
【0110】
システム100は、(例えば、センサ配列110、コンピューティングデバイス150またはそれらの任意の適切な組合せの中に)センサマージモジュールを含むことができ、このモジュールが、(例えば、異なる測定モダリティを有する)異なるセンサ間の測定物質の測定を組み合わせるように構成されたアルゴリズムモジュールであるか、そのようなアルゴリズムモジュールを含む。
【0111】
様々な特性を有する様々なセンサの利点を最大化するために、数学的マージ関数を使用して、様々なタイプのセンサに重要度の重みを付与する。数学的マージ関数は、流体内容物の特性および状態から導き出される。
【0112】
いくつかの態様では、センサマージモジュールが、流体タイプ分類モジュールから導出されたマージ関数と、様々な流体条件における様々なセンサに対する精度の重み付けとを用いて、超音波センサと光学センサとの間の測定値を組み合わせる。
【0113】
本明細書に記載のコンポーネント(例えば、モジュール)のうちの任意の1または複数は、ハードウェアのみ(例えば、1または複数のプロセッサ)またはハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実装され得る。例えば、本明細書に記載の任意のコンポーネントは、そのコンポーネントについて本明細書に記載の動作を実行するように構成された1または複数のプロセッサの配置を物理的に含むことができる。別の例として、本明細書に記載の任意のコンポーネントは、そのコンポーネントについて本明細書に記載の動作を実行するように1または複数のプロセッサの配置を構成するソフトウェア、ハードウェア、またはその両方を含むことができる。このため、本明細書に記載の様々なコンポーネントは、様々な時点でプロセッサの様々な配置、または様々な時点でそのようなプロセッサの単一の配置を含みかつ構成することができる。本明細書に記載の各コンポーネント(例えば、モジュール)は、そのコンポーネントについて本明細書に記載の動作を実行するための手段の一例である。さらに、本明細書に記載の任意の2以上のコンポーネントを組み合わせて単一のコンポーネントにすることができ、単一のコンポーネントについて本明細書に記載の機能を複数のコンポーネントに分割することができる。さらに、様々な例示的な実施形態によれば、単一のシステムまたは機械(例えば、単一のデバイス)内に実装されるものとして本明細書に記載されたコンポーネントは、複数のシステムまたは機械(例えば、複数のデバイス)に分散されるようにしてもよい。
【0114】
本明細書に記載のシステムまたは機械(例えば、デバイス)の何れかは、そのシステムまたは機械について本明細書に記載の1または複数の機能を実行するように変更された専用の(専門化した、または非従来および非汎用の)コンピュータであるか、そのような専用のコンピュータを含むか、またはそのような専用のコンピュータに実装される(例えば、専用のアプリケーション、オペレーティングシステム、ファームウェア、ミドルウェアまたは他のソフトウェアプログラムの1または複数のソフトウェアモジュールなどの専用のソフトウェアによって構成またはプログラムされる)ものであってもよい。例えば、本明細書に記載の方法論の何れか1つ以上を実行することができる専用のコンピュータシステムについては、図18に関連して後述するが、そのような専用のコンピュータは、本明細書に記載の方法論の何れか1つ以上を実行するための手段となり得る。そのような専用のコンピュータの技術分野において、本明細書に記載の機能を実行するために本明細書に記載の構造によって特別に変更された(例えば、専用のソフトウェアによって構成された)専用のコンピュータは、本明細書に記載の構造を欠く他の専用のコンピュータ、あるいは本明細書に記載の機能を実行することができない他の専用のコンピュータと比較して、技術的に改善されている。したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法に従って構成された専用の機械は、同様の専用の機械の技術に対する改善を提供する。さらに、本明細書に記載のシステムまたは機械のうちの任意の2以上を組み合わせて単一のシステムまたは機械にすることができ、任意の単一のシステムまたは機械について本明細書に記載の機能を複数のシステムまたは機械の間で細分することができる
【0115】
図18は、いくつかの例示的な実施形態に係る、機械可読媒体1822(例えば、非一時的な機械可読媒体、機械可読記憶媒体、コンピュータ可読記憶媒体、またはそれらの任意の適切な組合せ)から命令1824を読み取り、本明細書に記載の方法論のうちの任意の1つまたは複数を全体的または部分的に実行することができる、機械1800(例えば、コンピューティングデバイス150)のコンポーネントを示すブロック図である。具体的には、図18は、コンピュータシステム(例えば、コンピュータ)の例示的な形態の機械1800を示しており、その中には、機械1800に本明細書に記載の方法論のうちの任意の1つまたは複数を実行させるための命令1824(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリまたは他の実行可能コード)が、全体的または部分的に実行され得る。
【0116】
代替的な実施形態では、機械1800が、スタンドアロンデバイスとして動作するか、または他の機械に通信可能に接続(例えば、ネットワーク化)されるものであってもよい。ネットワーク展開では、機械1800が、サーバ・クライアントネットワーク環境におけるサーバマシンまたはクライアントマシンの能力で動作するか、或いは分散型(例えば、ピアツーピア)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作するものであってもよい。機械1800は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、携帯電話、スマートフォン、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、または、その機械によって取られる動作を指定する命令1824を順次または他の方法で実行することができる任意の機械であってもよい。さらに、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語は、個別にまたは共同で命令1824を実行して、本明細書に記載の方法論のうちの1または複数のすべてまたは一部を行う機械の任意の集合体を含むと解釈されるべきである。
【0117】
機械1800は、プロセッサ1802(例えば、1または複数の中央処理装置(CPU)、1または複数のグラフィックス処理装置(GPU)、1または複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1または複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1または複数の無線周波数集積回路(RFIC)またはそれらの任意の適切な組合せ)、メインメモリ1804およびスタティックメモリ1806を含み、それらがバス1808を介して互いに通信するように構成されている。プロセッサ1802は、命令1824の一部または全部によって一時的または恒久的に構成可能なソリッドステートデジタルマイクロ回路(例えば、電子、光学、またはその両方)を含み、プロセッサ1802が本明細書に記載の方法論のうちの任意の1または複数を全体的または部分的に実行するように構成可能となっている。例えば、プロセッサ1802の1または複数のマイクロ回路のセットは、本明細書に記載の1または複数のモジュール(例えば、ソフトウェアモジュール)を実行するように構成可能であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、プロセッサ1802がマルチコアCPU(例えば、デュアルコアCPU、クアッドコアCPU、8コアCPUまたは128コアCPU)であり、その中で、複数のコアの各々が、本明細書に記載の方法論のうちの任意の1または複数を全体的または部分的に実行することができる別個のプロセッサとして動作する。本明細書に記載の有益な効果は、少なくともプロセッサ1802を有する機械1800によって提供することができるが、それらの同じ有益な効果は、プロセッサを含まない機械が本明細書に記載の方法論のうちの1または複数を実行するように構成されている場合、そのようなプロセッサを含まない別の種類の機械(例えば、純粋な機械システム、純粋な油圧システム、または機械-油圧ハイブリッドシステム)によって提供することもできる。
【0118】
機械1800は、グラフィックディスプレイ1810(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、陰極線管(CRT)またはグラフィックもしくはビデオを表示することができる他の任意のディスプレイ)をさらに含むことができる。また、機械1800は、英数字入力デバイス1812(例えば、キーボードまたはキーパッド)、ポインタ入力デバイス1814(例えば、マウス、タッチパッド、タッチスクリーン、トラックボール、ジョイスティック、スタイラス、モーションセンサ、アイトラッキングデバイス、データグローブ、または他のポインティング機器)、データストレージ1316、オーディオ生成デバイス1318(例えば、サウンドカード、アンプ、スピーカ、ヘッドフォンジャック、またはそれらの任意の適切な組合せ)、およびネットワークインターフェースデバイス1820を含むことができる。
【0119】
データストレージ1316(例えば、データストレージデバイス)は、本明細書に記載の方法論または機能のうちの任意の1または複数を具現化する命令1824が格納されている機械可読媒体1822(例えば、有形で非一時的な機械可読記憶媒体)を含む。また、命令1824は、機械1800によるその実行前または実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ1804内、スタティックメモリ1806内、プロセッサ1802内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)、またはそれらの任意の適切な組合せに常駐することができる。このため、メインメモリ1804、スタティックメモリ1806およびプロセッサ1802は、機械可読媒体(例えば、有形で非一時的な機械可読媒体)と見なすこともできる。命令1824は、ネットワークインターフェイスデバイス1820を介してネットワーク1890で送信または受信することができる。例えば、ネットワークインターフェイスデバイス1820は、任意の1または複数の転送プロトコル(例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP))を使用して命令1824を伝送することができる。
【0120】
いくつかの例示的な実施形態では、機械1800が、ポータブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはウェアラブルデバイス)であり、1または複数の追加の入力コンポーネント1830(例えば、センサまたはゲージ)を有する。このような入力コンポーネント1830の例としては、画像入力コンポーネント(例えば、1または複数のカメラ)、オーディオ入力コンポーネント(例えば、1または複数のマイクロフォン)、方向入力コンポーネント(例えば、コンパス)、位置入力コンポーネント(例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機)、向きコンポーネント(例えば、ジャイロスコープ)、動き検出コンポーネント(例えば、1または複数の加速度計)、高度検出コンポーネント(例えば、高度計)、温度入力コンポーネント(例えば、温度計)およびガス検出コンポーネント(例えば、ガスセンサ)が挙げられる。これらの入力コンポーネント1830のうちの任意の1または複数によって収集された入力データは、本明細書に記載のモジュールの何れかによってアクセス可能であり、使用可能である(例えば、ユーザの好み、適用される規制、またはそれらの任意の適切な組合せに従って実装された、オプトイン同意またはオプトアウト同意などの適切なプライバシ通知および保護を伴う)。
【0121】
本明細書において、「メモリ」という用語は、データを一時的または永続的に保存することができる機械可読媒体を指し、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、バッファメモリ、フラッシュメモリおよびキャッシュメモリを含むとみなされるが、これらに限定されるものではない。機械可読媒体1822は、例示的な実施形態では単一の媒体であることが示されているが、「機械可読媒体」という用語は、命令を格納することができる単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型のデータベース、または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むものとみなされるべきである。また、「機械可読媒体」という用語は、機械1800の1または複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ1802)によって命令1824が実行されたときに、本明細書に記載の方法論のうちの任意の1または複数を機械1800に全体的または部分的に実行させるように、機械1800による実行のための命令1824を運ぶ(例えば、記憶または伝達する)ことができる任意の媒体または複数の媒体の組合せを含むものとみなされる。このため、「機械可読媒体」とは、単一のストレージ装置またはデバイスだけでなく、複数のストレージ装置またはデバイスを含むクラウドベースのストレージシステムまたはストレージネットワークも指している。「機械可読媒体」という用語は、例えば、ソリッドステートメモリチップ、光ディスク、磁気ディスクまたはそれらの任意の適切な組合せの例示的な形態の1または複数の有形で非一時的なデータリポジトリ(例えば、データボリューム)を含むとみなされるが、これらに限定されるものではない。
【0122】
本明細書において、「非一時的な」機械可読媒体は、特に、伝播する信号自体を除外する。様々な例示的な実施形態によれば、機械1800による実行のための命令1824は、キャリア媒体(例えば、機械可読キャリア媒体)を介して伝達することができる。そのようなキャリア媒体の例には、非一時的なキャリア媒体(例えば、ある場所から別の場所に物理的に移動可能なソリッドステートメモリなどの非一時的な機械可読記憶媒体)と、一時的なキャリア媒体(例えば、命令1824を伝達する搬送波または他の伝搬信号)とを含む。
【0123】
本明細書に記載の例示的な方法の様々な動作は、関連する動作を実行するように(例えば、ソフトウェアによって)一時的にまたは恒久的に構成された1または複数のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行することができる。一時的または恒久的に構成されているかどうかにかかわらず、そのようなプロセッサは、本明細書に記載の1または複数の操作または機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成することができる。本明細書において、「プロセッサ実装モジュール」とは、ハードウェアが1または複数のプロセッサを含むハードウェアモジュールを指している。このため、プロセッサはハードウェアの一例であり、かつ本明細書に記載の方法のうちの任意の1または複数の中の少なくとも一部の動作は、1または複数のプロセッサ実装モジュール、ハードウェア実装モジュールまたはそれらの任意の適切な組合せによって実行することができるため、本明細書に記載の動作は、少なくとも部分的にプロセッサ実装、ハードウェア実装、またはその両方であってもよい。
【0124】
さらに、そのような1または複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境で、またはサービスとして(例えば、「サービス型ソフトウェア」(SaaS)の実装内で)、動作を実行することができる。例えば、本明細書に記載の方法のうちの任意の1または複数の中の少なくともいくつかの動作は、(例えば、プロセッサを含む機械の例として)コンピュータのグループによって実行されるものであってもよく、それらの動作が、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、1または複数の適切なインターフェース(例えば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。特定の動作の実行は、単一の機械内にのみ存在するか、または複数の機械にまたがって展開されるかにかかわらず、1または複数のプロセッサに分散されるようにしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1または複数のプロセッサまたはハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ実装モジュール)を、単一の地理的位置(例えば、家庭環境、オフィス環境、またはサーバファーム内)に配置することができる。他の例示的な実施形態では、1または複数のプロセッサまたはハードウェアモジュールを、複数の地理的位置に分散させることができる。
【0125】
本明細書を通じて、複数のインスタンスが、単一のインスタンスとして、記載のコンポーネント、動作または構造を実装する場合がある。1または複数の方法の個々の動作が別個の動作として図示および記載されているが、個々の動作のうちの1または複数が同時に実行されるものであってもよく、動作が図示の順序で実行されることを要求するものではない。例示的な構成において、個別のコンポーネントおよび機能として提示された構造およびその機能は、組み合わせた機能を持つ組み合わせた構造またはコンポーネントとして実装されるものであってもよい。同様に、単一のコンポーネントとして提示された構造および機能は、別個のコンポーネントおよび機能として実装されるものであってもよい。それらのおよび他の変形、修正、追加および改良は、本明細書の主題の範囲内にある。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~30の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
流体内容物が流れる導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスするステップであって、流体内容物が患者体液を含む、ステップと、
前記導管を流れる流体内容物の流れを定量化するステップと、
前記導管を流れる流体内容物中の患者体液の流体成分の濃度を推定するステップと、
1または複数のプロセッサにより、流体内容物の定量化された流れおよび流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、前記導管を通る患者体液の推移を特徴付けるステップとを備え、
流量の定量化または濃度の推定のうちの少なくとも一方が、前記導管に結合された前記センサ配列からの前記センサデータに基づくものであることを特徴とする方法。
(請求項2)
請求項1に記載の方法において、
患者体液が血液であり、流体成分がヘモグロビンであることを特徴とする方法。
(請求項3)
請求項1または2に記載の方法において、
患者体液の推移を特徴付けることが、前記導管を流れる血液の量を定量化することを含むことを特徴とする方法。
(請求項4)
請求項1に記載の方法において、
前記導管を流れる流体内容物中の流体成分の濃度を推定することが、流体内容物の組成を測定することを含むことを特徴とする方法。
(請求項5)
請求項4に記載の方法において、
流体内容物の組成を測定することが、前記導管を流れる流体内容物の分光分析を実行することを含むことを特徴とする方法。
(請求項6)
請求項1に記載の方法において、
流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の体積流量を推定することを含むことを特徴とする方法。
(請求項7)
請求項6に記載の方法において、
流体内容物の体積流量を推定することが、前記導管内に出射超音波を放出して、流体内容物から反射される入射超音波の周波数シフトを測定することを含むことを特徴とする方法。
(請求項8)
請求項6に記載の方法において、
流体内容物の体積流量を推定することが、前記導管内に超音波を放出して、流体内容物を透過した超音波の飛行時間を測定することを含むことを特徴とする方法。
(請求項9)
請求項6に記載の方法において、
流体内容物の体積流量を推定することが、第1の光信号と第2の光信号を比較することを含み、前記第1の光信号が、前記導管に沿った第1の位置で検出された光を示し、前記第2の光信号が、前記導管に沿った第2の位置で検出された光を示すことを特徴とする方法。
(請求項10)
請求項1に記載の方法において、
前記流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の質量流量を推定することを含むことを特徴とする方法。
(請求項11)
請求項1に記載の方法において、
流体内容物中の流体成分の濃度を推定することが、流体内容物が流れている前記導管のマルチスペクトル画像に基づくものであることを特徴とする方法。
(請求項12)
請求項1に記載の方法において、
前記導管を通る流体内容物の流れを減少させるステップをさらに含み、流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の減少した流れを定量化することを特徴とする方法。
(請求項13)
請求項1に記載の方法において、
前記導管を通る流体内容物の流れが、連続的な流れの第1の領域と、非連続的な流れの第2の領域とを含み、
前記センサデータが、連続的な流れの前記第1の領域に基づく超音波センサからの第1の出力と、非連続的な流れの前記第2の領域に基づく光学センサからの第2の出力とを含み、かつ、
流体内容物の流れを定量化することが、前記超音波センサからの第1の出力と、前記光学センサからの第2の出力とに基づいて、流量を推定することを含むことを特徴とする方法。
(請求項14)
請求項1に記載の方法において、
流体内容物の流れを定量化することが、基準センサデータによって表される基準の流れのトレーニングセットに基づいて候補の流れを定量化するようにトレーニングされた学習機械に前記センサデータを入力することを含み、トレーニングされた前記学習機械が、入力されたセンサデータに基づいて、流体内容物の定量化された流れを出力することを特徴とする方法。
(請求項15)
患者体液を含む流体内容物を運ぶように構成された導管に結合構成によって結合可能なセンサ配列であって、流体内容物に基づいてセンサデータを生成するように構成された少なくとも1のセンサを含むセンサ配列と、
動作を実行するように構成された1または複数のプロセッサとを備え、前記動作が、
患者体液を含む流体内容物が流れる前記導管に前記結合構成によって結合された前記センサ配列からの前記センサデータにアクセスすること、
前記導管を流れる流体内容物の流れを定量化すること、
前記導管を流れる流体内容物中の患者体液の流体成分の濃度を推定すること、および、
流体内容物の定量化された流れおよび流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、前記導管を通る患者体液の推移を特徴付けることを含み、
流量の定量化または濃度の推定のうちの少なくとも一方が、前記導管に接続された前記センサ配列からのセンサデータに基づくものであることを特徴とするシステム。
(請求項16)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記センサ配列が、前記導管の少なくとも一部を囲むように構成されたハウジングを含むことを特徴とするシステム。
(請求項17)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記結合構成が、前記導管上に固定するように構成されたジョーを含むことを特徴とするシステム。
(請求項18)
請求項15に記載のシステムにおいて、
流体内容物を運ぶように構成された前記導管が、流体内容物を運ぶように構成された少なくとも1の他の導管セグメントと列をなして結合可能な導管インサートを含むことを特徴とするシステム。
(請求項19)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、流体内容物の体積流量を出力するように構成された超音波センサを含むことを特徴とするシステム。
(請求項20)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、流体内容物を透過した光を検出するように構成された光学センサを含むことを特徴とするシステム。
(請求項21)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、前記導管に沿った複数の軸方向位置に配置された複数の光学センサを含むことを特徴とするシステム。
(請求項22)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、前記導管の周囲の複数の周方向位置に配置された複数の光学センサを含むことを特徴とするシステム。
(請求項23)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、前記導管の周りに螺旋状に配置された複数の光学センサを含むことを特徴とするシステム。
(請求項24)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、流体内容物の質量流量を出力するように構成された熱質量流量センサを含むことを特徴とするシステム。
(請求項25)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、流体内容物のマルチスペクトルイメージングを実行するように構成された光学センサのアレイを含むことを特徴とするシステム。
(請求項26)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管に結合された前記センサ配列のうちの少なくとも1のセンサが、流体内容物のカラーイメージングを実行するように構成された光学センサのアレイを含むことを特徴とするシステム。
(請求項27)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記1または複数のプロセッサによって実行される動作がさらに、前記導管を通る患者体液の特徴付けられた推移に基づいて、ディスプレイにアラートを表示させることを含むことを特徴とするシステム。
(請求項28)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記導管を通る流体内容物の流れは、連続的な流れの第1の領域と、非連続的な流れの第2の領域とを含み、
前記センサデータが、連続的な流れの前記第1の領域に基づく超音波センサからの第1の出力と、非連続的な流れの前記第2の領域に基づく光学センサからの第2の出力とを含み、
流体内容物の流れを定量化することが、前記超音波センサからの第1の出力と、前記光学センサからの第2の出力とに基づいて、流量を推定することを含むことを特徴とするシステム。
(請求項29)
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記1または複数のプロセッサによって実行される動作として、流体内容物の流れを定量化することが、基準センサデータによって表される基準の流れのトレーニングセットに基づいて候補の流れを定量化するようにトレーニングされた学習機械に前記センサデータを入力することを含み、トレーニングされた学習機械が、入力されたセンサデータに基づいて、流体内容物の定量化された流れを出力することを特徴とするシステム。
(請求項30)
機械の1または複数のプロセッサによって実行されるときに、前記機械に動作を行わせる命令を含む機械可読記憶媒体であって、
前記動作が、
患者体液を含む流体内容物が流れる導管に結合されたセンサ配列からのセンサデータにアクセスする動作と、
前記導管を流れる流体内容物の流れを定量化する動作と、
前記導管を流れる流体内容物中の流体成分の濃度を推定する動作と、
流体内容物の定量化された流れおよび流体内容物中の流体成分の推定濃度に基づいて、前記導管を通る患者体液の推移を特徴付ける動作とを含み、
流れの定量化または濃度の推定のうちの少なくとも一方が、前記導管に接続された前記センサ配列からの前記センサデータに基づくものであることを特徴とする機械可読記憶媒体。
【0126】
本明細書に記載の主題の一部は、メモリ(例えば、コンピュータメモリまたは他の機械メモリ)内にビットまたはバイナリデジタル信号として格納されたデータに対する操作のアルゴリズムまたはシンボリック表現の観点から提示され得る。このようなアルゴリズムやシンボリック表現は、データ処理技術に精通した当業者が、他の当業者に自身の仕事の内容を伝えるために使用する技術の一例である。本明細書において、「アルゴリズム」とは、所望の結果をもたらす、首尾一貫した一連の操作または同様の処理のことである。これに関連して、アルゴリズムと操作には、物理量の物理的操作が含まれる。一般的に、そのような量は、機械が保存、アクセス、転送、結合、比較または他の方法で操作することができる、電気、磁気、または光学信号の形態をとることができる。主に一般的な慣習の理由から、そのような信号を「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「シンボル」、「文字」、「用語」、「番号」、「数字」などの語を使用して参照するのが、便利である場合がある。しかしながら、それらの語は単なる便利なラベルであり、適切な物理量と関連付けられるべきものである。
【0127】
特に明記しない限り、「アクセス」、「処理」、「検出」、「演算」、「計算」、「判定」、「生成」、「提示」、「表示」などの語を用いた本明細書の記載は、1または複数のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリまたはそれらの適切な組合せ)、レジスタ、または情報を受信、記憶、送信または表示する他の機械コンポーネント内で物理的(例えば、電子的、磁気的または光学的)な量として示されるデータを操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)によって実行可能な動作またはプロセスを指している。さらに、本明細書では、特に明記しない限り、特許文書で一般的に使用されているように、「a」または「an」という用語は、1または複数のインスタンスを含むものとして使用されている。最後に、本明細書において、「または」という接続詞は、特に明記しない限り、非排他的な「または」を指している。
【0128】
以下の列挙された記載は、本明細書に記載の方法、機械可読媒体およびシステム(例えば、機械、デバイスまたは他の装置)の様々な例を説明する。
【0129】
第1の例は、患者による患者体液の喪失を特徴付ける方法であって、
導管を通る、患者体液を含む流体内容物の流量を定量化するステップと、
患者体液中の流体成分の濃度を推定するステップと、
定量化された流量および流体成分の濃度に少なくとも部分的に基づいて、患者体液の喪失を特徴付けるステップとを含み、
流量および流体成分の濃度のうち少なくとも一方が、導管に結合されたセンサ配列からのサンプリングデータに基づくものである、方法を提供する。
【0130】
第2の例は、患者体液が血液であり、流体成分がヘモグロビンである、第1の例に記載の方法を提供する。
【0131】
第3の例は、患者体液の喪失を特徴付けることが、導管を流れる血液の量を定量化することを含む、第1の例または第2の例に記載の方法を提供する。
【0132】
第4の例は、流体内容物の組成を測定するステップをさらに含む、第1乃至第3の例の何れかに記載の方法を提供する。
【0133】
第5の例は、流体内容物の組成を測定することが、分光分析を行うことを含む、第4の例に記載の方法を提供する。
【0134】
第6の例は、流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の流量を推定することを含む、第1乃至第5の例の何れかに記載の方法を提供する。
【0135】
第7の例は、流量を推定することが、超音波を導管内に放出して、流体内容物から反射された超音波の周波数シフトを分析することを含む、第6の例に記載の方法を提供する。
【0136】
第8の例は、流量を推定することが、導管に超音波を放出して、流体内容物を介して伝達される超音波の飛行時間を分析することとを含む、第6の例に記載の方法を提供する。
【0137】
第9の例は、流量を推定することが、第1の光信号と第2の光信号とを比較することを含み、第1の光信号が、導管に沿った第1の位置で検出された光に対応し、第2の光信号が、導管に沿った第2の位置で検出された光に対応する、第6の例に記載の方法を提供する。
【0138】
第10の例は、流体内容物の流れを定量化することが、流体内容物の熱質量流量を推定することを含む、第1乃至第9の例の何れかに記載の方法を提供する。
【0139】
第11の例は、流体成分の濃度を推定することが、導管のマルチスペクトル画像を分析することを含む、第1乃至第10の例の何れかに記載の方法を提供する。
【0140】
第12の例は、流体内容物の流れを定量化しながら、導管を通る流体内容物の流れを減少させることをさらに含む、第1乃至第11の例の何れかに記載の方法を提供する。
【0141】
第13の例は、患者による患者体液の喪失を特徴付けるためのシステムであって、
導管に接続可能なセンサ配列を備え、このセンサ配列が、
導管を通る、患者体液を含む流体内容物の流れを定量化するとともに、患者体液中の流体成分の濃度を推定するように構成された少なくとも1のセンサを含み、流体内容物が患者体液を含む、システムを提供する。
【0142】
第14の例は、センサ配列が、導管の少なくとも一部を覆うように構成されたハウジングを備える、第13の例に記載のシステムを提供する。
【0143】
第15の例は、ハウジングが、導管にクランプするように構成されたジョーを備える、第13または第14の例に記載のシステムを提供する。
【0144】
第16の例は、導管と列をなして結合可能な導管インサートをさらに備える、第13乃至第15の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0145】
第17の例は、少なくとも1のセンサが超音波流量センサを含む、第13乃至第16の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0146】
第18の例は、少なくとも1のセンサが、流体内容物を透過した光を検出するように構成された光学センサを備える、第13乃至第17の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0147】
第19の例は、センサ配列が、導管に沿った複数の軸方向位置に配置された複数の光学センサを備える、第13乃至第18の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0148】
第20の例は、センサ配列が、導管の周りの複数の周方向位置に配置された複数の光学センサを含む、第13乃至第19の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0149】
第21の例は、センサ配列が、導管の周りに螺旋状に配置された複数の光学センサを含む、第13乃至第20の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0150】
第22の例は、少なくとも1のセンサが、熱質量流量センサを含む、第13乃至第21の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0151】
第23の例は、少なくとも1のセンサが、マルチスペクトルイメージングを実行するように構成された光学センサアレイを含む、第13乃至第22の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0152】
第24の例は、少なくとも1のセンサが、カラーイメージングを実行するように構成された光学センサアレイを備える、第13乃至第23の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0153】
第25の例は、定量化された流量および流体成分の濃度に少なくとも部分的に基づいて患者の流体喪失を特徴付けるように構成されたプロセッサをさらに備える、第13乃至第24の例の何れかに記載のシステムを提供する。
【0154】
第26の例は、上述した例の何れか1つで実行される操作(例えば、方法操作)を実行するように機械を制御するための機械可読命令を保持するキャリア媒体を提供する。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18