(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】コーヒー豆を焙煎するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A23N 12/08 20060101AFI20240411BHJP
A47J 31/42 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A23N12/08 A
A47J31/42
(21)【出願番号】P 2021532446
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2019086214
(87)【国際公開番号】W WO2020127668
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-06
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ, フラヴィアン, フローラン
(72)【発明者】
【氏名】チェカロリ, ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ビグラー, ニコラス
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-105185(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0314923(US,A1)
【文献】国際公開第2006/034203(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 12/06-12/12
A47J 31/00-31/60
A23F 5/04-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を焙煎するための装置であって、
コーヒー豆を収容する容器(1)と、
前記容器内に収容されたコーヒー豆を加熱するための加熱デバイス(12)と、
前記加熱デバイスを制御するように動作可能である制御システム(180)であり、連続する別個の時刻t
1、t
2、...においてそれぞれ与えられる温度T
@t1、T
@t2、...を提供する焙煎レシピ(R)を適用するように構成された、制御システムと、
を備え、
前記容器内に導入されたコーヒー豆の
任意のカスタマイズされた量mに関して、
前記制御システムが、前記容器内に導入されたコーヒー豆の前記
カスタマイズされた量mを少なくとも取得するように構成されており、
前記制御システムが、異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)と、前記予め定められた量M
i、M
i+1、...と、にアクセスするように構成されており、
異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)に基づいて、かつ前記容器内に導入されたコーヒー豆の前記
カスタマイズされた量mに基づいて、前記制御システムが、前記容器内に導入された前記
カスタマイズされた量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定するように構成されている、コーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項2】
前記制御システムが、前記少なくとも1つ
のシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)のうちの1つ又は2つのレシピから、前記容器内に導入された前記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定するように構成されており、前記1つ又は2つのレシピのそれぞれが1つの予め定められた量の豆の焙煎に適合され、前記豆の予め定められた量が前
記量mとの間に量の最小差を有する、請求項1に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項3】
前記制御システムが、前記少なくとも1つ
のシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)のレシピのうちの1つを選択することによって、前記容器内に導入された前記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定するように構成されており、
前記選択が、予め定められた量(M
i)の豆の焙煎に適合された前記焙煎レシピ(R
i)を識別することを含み、前記豆の予め定められた量が前
記量mとの間に量の最小差を有する、請求項1又は2に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項4】
前記制御システムが、前記容器内に導入された前記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を、
前記少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピにおいて、前記量mが間に含まれ
る2つの連続する予め定められた量M
i及びM
i+1の焙煎にそれぞれ適合され
た2つ
の焙煎レシピR
i及びR
i+1を識別し、
連続する別個の時刻t
1、t
2、...においてそれぞれ与えられる温度T
Mi@t1、T
Mi@t2、...及びT
Mi+1@t1、T
Mi+1@t2、...を提供する前記2つ
の焙煎レシピR
i及びR
i+1から、前記連続する別個の時刻t
1、t
2、...のそれぞれにおいて前
記量mの豆に与えられる温度T
m@t1、T
m@t2、...を以下のとおり求める、
T
m@tz=T
Mi@tz+[(T
Mi+1@tz-T
Mi@tz)
・C
・(m-M
i)/(M
i+1-M
i)]
ここでC≦1、
ことによって決定するように構成されている、請求項1又は2に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項5】
Cが1に等しい、請求項4に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項6】
前記制御システムが、前記容器内に導入された前記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を、
前記少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピにおいて、前記量mが間に含まれ
る2つの連続する予め定められた量M
i及びM
i+1の焙煎にそれぞれ適合され
た2つ
の焙煎レシピR
i及びR
i+1を識別し、
連続する別個の時刻t1、t2、...においてそれぞれ与えられる温度T
Mi@t1、T
Mi@t2、...及びT
Mi+1@t1、T
Mi+1@t2、...をそれぞれ提供する前記2つ
の焙煎レシピR
i及びR
i+1から、前記連続する別個の時刻t
1、t
2、...のそれぞれにおいて前
記量mの豆に与えられる温度T
m@t1、T
m@t2、...を以下のとおり求める、
mがM
iにより近い場合、T
m@tz=T
Mi@tz+[(T
Mi+1@tz-T
Mi@tz)
・C
・(m-M
i)/(M
i+1-M
i)]
mがM
i+1により近い場合、T
m@tz=T
Mi+1@tz-[(T
Mi+1@tz-T
Mi@tz)
・C
・(M
i+1-m)/(M
i+1-M
i)]
ここでC≦1、
ことによって決定するように構成されている、請求項1又は2に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項7】
Cが1に等しい、請求項6に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項8】
前記制御システム(180)が、
前記容器(1)内に導入されたコーヒー豆の種類N
yを取得し、
前記取得された種類N
yに基づいて、異なる連続する予め定められた量(M
i、M
1+1、...)の前記種類N
yの豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yi、R
yi+1、...)と、前記予め定められた量M
i、M
1+1、...と、任意選択で前記コーヒー豆の種類N
yに特有の係数Cyと、にアクセスし、
前記種類N
yの豆の焙煎に適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yi、R
yi+1、...)と、前記予め定められた量M
i、M
1+1、...と、任意選択で前記係数Cyと、に基づいて、前記容器内に導入された前記量mの種類N
yのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置。
【請求項9】
前記制御システム(180)が、
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリスト内の前記焙煎された豆の更なる使用u
xを取得し、
前記取得された特定の更なる使用u
xに基づいて、前記特定の更なる使用u
xのために異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xi、R
xi+1、...)と、任意選択でコーヒー豆の前記使用u
xに固有の係数C
xと、にアクセスし、
前記豆の更なる使用u
xに適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xi、R
xi+1、...)と、任意選択で前記係数C
xと、に基づいて、前
記量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記制御システム(180)が、
容器内に導入されたコーヒー豆
の種類N
y及び前記更なる使用u
xを取得し、
かつ
前記取得された種類N
y及び前記更なる使用u
xに基づいて、種類N
yの焙煎された豆の前記特定の更なる使用u
xのために異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yxi、R
yxi+1、...)にアクセスし、
前記
豆の前記更なる使用u
xに適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xyi、R
xyi+1、...)に基づいて、前
記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
量が重量である、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、前記容器に導入された豆の量mを測定するように構成された測定デバイス(4)を備え、前記容器に導入された豆の量mを取得する工程において、前記コーヒー豆の前記量mが前記測定デバイスによって自動的に測定される、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記測定デバイス(4)が、
コーヒー豆の重量を測定するスケール、又は
予め定められた容積の少なくとも1つの空洞を備えるデバイス、又は
前記容器内のコーヒー豆の体積を測定するレベルセンサ
である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
コーヒー豆を焙煎するためのシステムであって、
請求項1~13のいずれか一項に記載の焙煎装置(1)と、
前記容器内に導入されるコーヒー豆の量を測定するための
測定デバイス(4)と、
を備え、
前記焙煎装置の前記制御システム(180)が、前記容器内に導入され、前記測定
デバイスによって測定されるコーヒー豆の前記量mを取得するように動作可能である、システム。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の装置を使用してコーヒー豆を焙煎し、連続する別個の時刻t
1、t
2、...において与えられる温度T
@t1、T
@t2、...を提供する焙煎レシピを適用する方法であって、
前記容器内に導入されたコーヒー豆の前記量mを取得する工程と、
前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)と、前記予め定められた量M
i、M
i+1、...と、にアクセスする工程と、
前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)と、前記容器内に導入されたコーヒー豆の前
記量mと、に基づき、前記容器内に導入された前
記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
を含む、方法。
【請求項16】
前記容器(1)内に導入されたコーヒー豆の種類N
yを取得する工程と、
前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の種類N
yの豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yi、R
yi+1、...)にアクセスする工程と、
前記種類N
yの豆に適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yi、R
yi+1、...)に基づいて、前記量mの種類N
yのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
を含む、請求項15に記載のコーヒー豆を焙煎する方法。
【請求項17】
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリスト内の、前記容器(1)内に導入された前記焙煎された豆の更なる使用u
xを取得する工程と、
前記更なる使用u
xのために前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xi、R
xi+1、...)にアクセスする工程と、
前記更なる使用u
xに適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xi、R
xi+1、...)に基づいて、前
記量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
を含む、請求項15又は16に記載のコーヒー豆を焙煎する方法。
【請求項18】
請求項1~13のいずれか一項に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置の制御システムの処理ユニットのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが、プログラムコード及び/又はプログラム論理を含み、前記処理ユニット上で実行されるとき、前記プログラムコード及び/又はプログラム論理が、
前記容器内に導入されたコーヒー豆の量mを取得する工程と、
前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)と、前記予め定められた量M
i、M
i+1、...と、にアクセスする工程と、
前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)と、前記容器内に導入されたコーヒー豆の前
記量mと、に基づき、前記容器内に導入された前
記量mのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
をもたらす、コンピュータプログラム。
【請求項19】
プログラムコード及び/又はプログラム論理が、
前記容器(1)内に導入されたコーヒー豆の種類N
yを取得する工程と、
前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の種類N
yの豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yi、R
yi+1、...)にアクセスする工程と、
前記種類N
yの豆に適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
yi、R
yi+1、...)に基づいて、前記量mの種類N
yのコーヒー豆に適用される前記焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
をもたらす、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
プログラムコード及び/又はプログラム論理が、
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリスト内の、前記容器に導入された前記焙煎された豆の更なる使用u
xを取得する工程と、
前記更なる使用u
xのために前記異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xi、R
xi+1、...)にアクセスする工程と、
前記更なる使用u
xに適合された前記
少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
xi、R
xi+1、...)に基づいて、前
記量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
をもたらす、請求項18又は19に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱空気を有する焙煎コーヒー豆に関し、より具体的には、家庭又は店舗及びカフェでの使用に特に適した、様々な量のコーヒー豆の焙煎に関する。
【背景技術】
【0002】
この数十年、家庭又は小型店舗及びコーヒーでの使用のために多数のロースターが開発されてきた。ロースターの大半は、熱風流動床チャンバを実装する流動床技術に基づく。このようなチャンバ内で、加熱された空気は、豆を持ち上げるのに十分な力で、コーヒー豆の下のスクリーン又は多孔板を通って押される。熱は、豆がこの流動床内でタンブリングして、流通するにつれて、豆に伝達される。
【0003】
この技術は、米国特許第3,964,175号(Sivetz)に記載されている工業用ロースターに由来しており、米国特許第4484064号、同第4494314号、同第4631838号、同第4968916号、同第5269072号、同第5564331号などの小型家庭用デバイスに適合されており、今日、これらのロースターの大半は、装置の制御ユニットに記憶された焙煎プロファイルによって自動焙煎プロセスを実行する。
【0004】
家庭用デバイスの焙煎チャンバは通常、各焙煎動作で体系的に充填される少量のコーヒー豆を保持するようにサイズ決めされるが、小型店舗又はコーヒー用デバイスは普通、需要に応じて操作者が多数又は少数の消費者に向けて豆を焙煎することができるように、より大きな規模でサイズ決めされる。例えば、焙煎チャンバは、50g~300gの範囲の量のコーヒー豆の焙煎を可能にするようにサイズ決めすることができる。
【0005】
焙煎パラメータ、実質的には時間及び温度は、焙煎される豆の量が異なると同じではあり得ない。さもなければ、豆の量が標準的な通常の量から大きく異なるとき、焙煎の品質が悪影響を受ける可能性があり、豆が焦げる、所望の程度が達成されないことがある、若しくは、豆が均一に焙煎されない、又は最適な感覚プロファイルを提供しない場合がある。
【0006】
米国特許出願公開第2004/074400号は、焙煎パラメータが、豆の重量及び種類に応じて適合され得る焙煎装置を記載している。具体的には、標準的な焙煎曲線を、ロースター内に導入されたコーヒー豆の重量に基づいて適合させることができる。しかしながら、この標準的な焙煎曲線が何を表すか、及びどのように様々な種類の豆に適合されるかについては説明されていない。
【0007】
米国特許出願公開第2014/0314923号に記載される焙煎装置では、焙煎プロファイルが記憶されており、コントローラが、豆の重量及び種類などの焙煎されるコーヒーに関する情報に基づいて最適な焙煎プロファイルを計算するように動作可能である。しかしながら、この計算の説明は提供されていない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、コーヒー豆の自動焙煎を改良することである。
【0009】
焙煎する豆の量にかかわらず最適な焙煎を可能にする焙煎装置を提供することが有利であろう。
【0010】
装置に導入された豆の量に対応する焙煎プロファイルを自動的に適用する焙煎装置を提供することが有利であろう。
【0011】
本発明の目的は、請求項1に記載のコーヒー豆を焙煎する装置、請求項14に記載のシステム、請求項15に記載の方法、及び請求項18に記載のコンピュータプログラムによって達成される。
【0012】
本発明の第1の態様では、コーヒー豆を焙煎するための装置が提供され、該装置は、
コーヒー豆を収容する容器と、
容器内に収容されたコーヒー豆を加熱するための加熱デバイスと、
加熱デバイスを制御するように動作可能である制御システムであり、連続する別個の時刻t1、t2、...においてそれぞれ与えられる温度T@t1、T@t2、...を提供する焙煎レシピ(R)を適用するように構成されている制御システムと、
を備え、
容器内に導入されたコーヒー豆のカスタマイズされた量mに関して、
制御システムは、容器内に導入されたコーヒー豆の量mを少なくとも取得するように構成されており、
制御システムは、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)と、
上記予め定められた量Mi、Mi+1、...と、
にアクセスするように構成されており、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合されたアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)に基づいて、かつ容器内に導入されたコーヒー豆の取得量mに基づいて、制御システムが、容器内に導入された取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定するように構成されている。
【0013】
焙煎装置は、焙煎プロセス中にコーヒー豆を収容するための容器を備える。容器内で、コーヒー豆は加熱され、かつ好ましくは混合されて豆全体の加熱を均質化する。
【0014】
混合は、熱風の流動床を用いて、又は攪拌ブレードを用いて機械的に、又は回転ドラムの回転を通じて達成することができる。
【0015】
好ましくは、容器は、熱風流動床チャンバである。このような容器内で、加熱された空気は、豆を持ち上げるのに十分な力で、コーヒー豆の下のスクリーン又は多孔板を通って押される。熱は、豆がこの流動床内でタンブリングして、流通するにつれて、豆に伝達される。
【0016】
あるいは、容器は、加熱された環境においてコーヒー豆がタンブリングされるドラムチャンバであってもよい。ドラムチャンバは、水平回転ドラムから成ることができる、又はドラムチャンバは、加熱された環境でコーヒー豆をタンブリングさせるための撹拌ブレードを備えることができる。
【0017】
焙煎装置は、容器内に収容されたコーヒー豆を加熱するためのデバイスを備える。
【0018】
好ましくは、加熱デバイスは、熱風流を生成するように構成され、熱風流は、コーヒー豆を加熱するために容器内に収容されたコーヒー豆に向けられる。通常、加熱デバイスは、少なくとも空気ドライバと、空気ドライバによって生成される空気流を加熱するためのヒータとを備える。
【0019】
熱源としては、好ましくは、装置は電気ヒータを備える。この電気ヒータは、通常、電気抵抗である。電気式ヒータは、焙煎中に生成される空気汚染物質が、コーヒー豆自体の加熱から生成される汚染物質であり、加熱源が天然ガス、プロパン、液化石油ガス(LPG)、又は木材であっても使用するガスバーナであるときに発生するガスの燃焼から生成されるものではないという利点を有する。
【0020】
装置は、ヒータを制御するように動作可能であり、焙煎レシピを適用するように構成されている制御システムを備える。この焙煎レシピ(R)は、焙煎プロセスの連続する別個の時刻t1、t2、...においてそれぞれ与えられる温度T@t1、T@t2、...を提供する。この焙煎レシートは、通常、温度対時間プロファイルとして表される。
【0021】
通常、この制御は、容器に配置された少なくとも1つの温度センサの測定値に基づいてフィードバックループ制御で実行される。
【0022】
制御は、加熱デバイス、一般的にはヒータ及び/又は空気ドライバに適用される。
【0023】
量mのコーヒー豆が容器内に導入されると、制御システムは、容器内に導入されたコーヒー豆の量mを少なくとも取得するように構成される。
【0024】
この量は、容器内に存在するコーヒー豆の重量又は代替的に体積若しくはレベルであり得る。好ましくは、量は重量である。
【0025】
カスタマイズされた量mのコーヒー豆が容器内に導入されると、装置の制御システムは、この特定量mのコーヒー豆に適合された焙煎レシピRを決定するように構成される。
【0026】
制御システムは、任意の量の豆、具体的には、焙煎レシピが以前に決定されていない、又は焙煎レシピが制御システムによってアクセス可能でない、量の豆の焙煎を可能にする。
【0027】
本装置では、このような新たな量の場合、装置の制御システムが、カスタマイズされた量に適合された焙煎プロファイルを決定するように構成されている。
【0028】
装置の制御システムは、異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)にアクセスするように構成されており、つまり1シリーズにおいて、全ての焙煎レシピは同じ豆の焙煎に適合されており、レシピ間の唯一の差は上記豆の重量である。これらの異なる予め定められた量は、装置内で焙煎することができる最小量と最大量との間の様々な量を含むように設定することができる。好ましくは、2つの異なる連続する予め定められた量の差は、上記最小量から最大量まで同じである。
【0029】
加えて、装置の制御システムは、シリーズの各焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)に関連付けられた予め定められた量(Mi、Mi+1、...)にアクセスするように構成されている。好ましくは、量(Mi、Mi+1、...)は、重量である。
【0030】
異なる予め定められた量の豆の焙煎に適合された異なる焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)が、通常、実験によって定義される。これらのレシピのそれぞれは、1つの予め定められた量の豆の焙煎に対応し、予め定められた量の豆の全てが同一種類である。一般に、焙煎レシピは、アラビカコーヒー豆のような一般的な種類のコーヒー豆で定義されるが、好ましい実施形態では、様々なシリーズの焙煎レシピが、様々な種類のコーヒー豆について定義され、制御システムは、以下で更に説明するように、容器内に導入された豆の種類を考慮に入れることができ、この特定の種類の豆に関連付けられた焙煎レシピのシリーズにアクセスすることができる。
【0031】
容器内に導入されたコーヒー豆の取得量mに基づいて、かつシリーズの焙煎レシピ及びそれに関連付けられた予め定められた量に基づいて、制御システムは、容器内に導入された取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定するように構成されている。
【0032】
有利なことに、本発明の目的が達成されるのは、異なる予め定められた量の豆に関して定義された異なるレシピのシリーズへのアクセスが、既存のレシピに基づく新しいレシピの決定を可能にするためである。結果として、容器内に導入された豆の量に関わらず、正しい焙煎動作を保証する新たなレシピを決定することができる。
【0033】
好ましくは、制御システムは、少なくとも1つのアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)のうちの1つ又は2つのレシピから、容器内に導入された上記量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定するように構成されており、
上記1つ又は2つのレシピのそれぞれは1つの予め定められた量の豆の焙煎に適合され、上記豆の予め定められた量(1つのレシピから決定する場合)又は複数の予め定められた量(2つのレシピから決定する場合)は、量(1つのレシピから決定する場合)又は複数の量(2レシピからの判定の場合)が取得量mとの間に最小差を有する。
【0034】
したがって、新たなレシピは、新しいカスタマイズされた豆の量に最も近い予め定められた量を有する、1つの既存のレシピ又は既存の2つのレシピから計算される。
【0035】
取得量mと既存のレシピのアクセス可能な連続する予め定められた量Mi、Mi+1、...とから、制御システムは、
カスタマイズされた取得量mとの間の最小量差を有する予め定められた量(Mi)の豆の焙煎に適合された焙煎レシピ(Ri)、又は
カスタマイズされた取得量mを囲む、連続する予め定められた量(Mi、Mi+1)の豆の焙煎に適合された2つの焙煎レシピ(Ri、Ri+1)、
のいずれかから、量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定するように構成されている。
【0036】
第1の実施形態では、制御システムは、少なくとも1つのアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、・・・)のうちの1つを選択することによって、容器内に導入された上記量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定するように構成されており、上記選択は、予め定められた量(Mi)の豆の焙煎に適合された焙煎レシピ(Ri)を識別することから成り、上記豆の予め定められた量は、カスタマイズされた取得量mとの間に最小差を有する。
【0037】
第2の実施形態では、制御システムは、容器内に導入された量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を、
上記少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピにおいて、量mが間に含まれる2つの連続する予め定められた量Mi及びMi+1の豆の焙煎に適合された2つの焙煎レシピRi及びRi+1を識別し、
連続する別個の時刻t1、t2、...においてそれぞれ与えられる温度TMi@t1、TMi@t2、...及びTMi+1@t1、TMi+1@t2、...をそれぞれ提供する2つの識別された焙煎レシピRi及びRi+1から、上記連続する別個の時刻t1、t2、...、のそれぞれにおいて取得量mの豆に与えられる温度Tmを以下のとおり求める、
Tm@tz=TMi@z+[(TMi+1@tz-TMi@tz).C.(m-Mi)/(Mi+1-Mi)]
ここでC≦1
ことによって決定するように構成されている。
【0038】
この第2の実施形態は、特定の焙煎プロファイルが特定の量ごとに決定されるため、第1の実施形態と比較して、量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)のより正確な決定をもたらす。
【0039】
この第2の実施形態の一態様では、Cは1に等しい。
【0040】
第3の実施形態では、制御システムは、容器内に導入された量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を、
上記少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピにおいて、量mが間に含まれる2つの連続する予め定められた量Mi及びMi+1の豆の焙煎に適合された2つの焙煎レシピRi及びRi+1を識別し、
連続する別個の時刻t1、t2、...においてそれぞれ与えられる温度TMi@t1、TMi@t2、...及びTMi+1@t1、TMi+1@t2、...をそれぞれ提供する2つの識別された焙煎レシピRi及びRi+1から、上記連続する別個の時刻t1、t2、...、のそれぞれにおいて取得量mの豆に与えられる温度Tmを以下のとおり求める、
mがMiにより近い場合、Tm@tz=TMi@tz+[(TMi+1@tz-TMi@tz).C.(m-Mi)/(Mi+1-Mi)]
MがMi+1により近い場合、Tm@tz=TMi+1@tz-[(TMi+1@tz-TMi@tz)C.(Mi+1-m)/(Mi+1-Mi)]
ここでC≦1
ことによって決定するように構成されている。
【0041】
この第3の実施形態は、第2の実施形態と比較して、量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)のより正確な決定をもたらす。
【0042】
この第3の実施形態の一態様では、Cは1に等しい。
【0043】
好ましくは、制御システムは、
容器内に導入されたコーヒー豆の種類Nyを取得し、
取得された種類Nyに基づいて、異なる連続する予め定められた量(Mi、M1+1、...)の上記種類Nyの豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ryi、Ryi+1、...)と、上記予め定められた量Mi、M1+1、...と、任意選択で前記コーヒー豆の種類Nyに特有の係数Cyと、にアクセスし、
上記種類Nyの豆の焙煎に適合された上記アクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ryi、Ryi+1、...)と、上記予め定められた量Mi、M1+1、...と、任意選択で上記係数Cyと、に基づいて、容器内に導入された上記量mの種類Nyのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成されている。
【0044】
上記の実施形態は、装置内に導入されたコーヒー豆の量及び種類に応じて焙煎プロファイルを適用するように焙煎装置を制御することを可能にして、量及び種類にかかわらず、豆が正確に焙煎されるように保証する。
【0045】
通常、豆の種類は、豆を焙煎するプロセスに直接影響を及ぼす、豆の少なくとも1つの特徴に関連する。
【0046】
コーヒー豆の種類は、以下のような特定の特徴に関連し得る。
【0047】
豆の原産地(アラビカ、ロブスタ、...)又は異なる原産地の豆の特定の混合物又はブレンド。混合物は、特定の豆の選択によって、及び/又はこれらの異なる特定の豆の比によって定義することができる。
【0048】
豆の前焙煎レベル。焙煎されるコーヒー豆は、生豆であってもよく、又は生コーヒー豆を加熱し、最初のクラックの終了前に加熱プロセスを停止することによって得られる部分的な前焙煎豆であってもよい。これらの部分的な前焙煎豆は、焙煎装置で行われる後続の最終焙煎に直接影響を及ぼす様々なレベルで前焙煎され得る。
【0049】
豆の水分、
豆のサイズ
豆の種類は、原産地などの豆の性質や前焙煎のレベルを明確に指してもよく、又は識別番号、SKU数、若しくは商標などの参照符であってもよい。
【0050】
豆の種類Nyは、以下のように様々な方法で取得することができる。
【0051】
ユーザからその場合、装置のユーザインターフェースは、豆の種類のリストを表示し、ユーザを促して、容器内に導入する種類をユーザに選択させることができる。あるいは、このリストは、装置の制御システムと通信するように構成されたモバイルデバイスのインターフェースを通じて表示することができる。
又は
コード、例えば、豆パッケージに設けられたコードからその場合、装置はコードリーダを備えることができ、制御システムは、操作者が容器内に導入している豆の(例えば、豆パッケージ上に設けられる)コードを自身でスキャンするよう促すように構成することができる。
【0052】
コーヒー豆の種類Nyが取得されるこの実施形態では、装置の制御システムは、様々なシリーズの焙煎レシピにアクセスすることができる。1つのシリーズは、豆の種類によって別のシリーズと異なる。1つのシリーズでは、全ての焙煎レシピが、同一種類の豆の焙煎に関連する。
【0053】
様々なシリーズでは、制御システムが連続する予め定められた量Mi、Mi+1、...にアクセスするように構成されており、これらの量は同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0054】
また、コーヒー豆の種類Nyが取得されるこの実施形態では、装置の制御システムは、
コーヒー豆の種類Nyに特有の係数Cyへアクセスし、
上記連続する別個の時刻t1、t2のそれぞれにおいて量mの豆に与えられる温度Tm@t1、Tm@t2、...を決定する上記式と上記固有の係数Cyとを適用することによって、容器内に導入された量mの種類Nyのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成することができる。
【0055】
別の実施形態では、制御システムは、
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリスト内の焙煎された豆の更なる使用uxを取得し、
取得された特定の更なる使用uxに基づいて、特定の更なる使用uxのための異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Rxi、Rxi+1、...)と、任意選択でコーヒー豆の上記使用uxに固有の係数Cxと、にアクセスし、
豆の更なる使用uxに適合された上記アクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Rxi、Rxi+1、...)と、任意選択で上記係数Cxと、に基づいて、上記量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成することができる。
【0056】
焙煎された豆の更なる使用は、焙煎装置によっていったん焙煎された後のコーヒー豆に適用されるコーヒー抽出プロセスに関する。このユーザが所望する更なる使用は、例えば、エスプレッソの調製、ドリップフィルタリングによるコーヒーの調製、フレンチプレスによるコーヒーの調製、低温淹出コーヒーの調製であり得る。これらの抽出されたコーヒーのうちの1つにミルクやクリームなどを混合することによってホワイトカップを調製したいと望む事実も考慮に入れることができる。
【0057】
利点は、得られる焙煎コーヒー豆の感覚プロファイルをこの後続の調製に適合させるように、特定量mのコーヒー豆を焙煎できることである。
【0058】
焙煎豆の更なる使用uxが取得されるこの実施形態では、装置の制御システムは、様々なシリーズの焙煎レシピにアクセスする。1つのシリーズは、豆の更なる使用によって別のシリーズと異なる。1つのシリーズでは、焙煎レシピは全て、同一の更なる使用のための豆の焙煎に関連するが、2つのシリーズは、各シリーズで焙煎される豆で予定される更なる使用によって異なる。
【0059】
様々なシリーズでは、制御システムが連続する予め定められた量Mi、Mi+1、...にアクセスするように構成されており、これらの量は同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0060】
また、コーヒー豆の更なる使用uxが取得されるこの実施形態では、装置の制御システムは、
コーヒー豆の上記更なる使用に特有の係数Cxへのアクセスし、
上記連続する別個の時刻t1、t2のそれぞれにおいて量mの豆に与えられる温度Tm@t1、Tm@t2、...を決定する上記式と上記特有の係数Cxとを適用することによって、容器内に導入された量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成することができる。
【0061】
上記と同様に、制御システムは、
容器内に導入されたコーヒー豆の種類Ny及び更なる使用uxを取得し、
かつ
取得された種類Ny及び更なる使用uxに基づいて、種類Nyの焙煎された豆の特定の更なる使用uxのために異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の焙煎の豆に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ryxi、Ryxi+1、...)にアクセスし、
上記豆Nyの更なる使用uxに適合された上記アクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Rxyi、Rxyi+1、...)に基づいて、上記取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する、
ように構成することができる。
【0062】
一実施形態によれば、容器に導入されたコーヒー豆の量mは、ユーザによって提供され得る。ユーザは、装置のユーザインターフェースを通じて、あるいは装置の制御システムと通信するように構成されたモバイルデバイスのインターフェースを通じて、この量を提供することができる。
【0063】
一態様によれば、容器に導入されたコーヒー豆の量mは、ユーザから取得することができる。その場合、装置は、ユーザが容器内に導入している豆の量をユーザ自身が入力することを可能にするユーザインターフェースを備えることができる。あるいは、この量は、装置の制御システムと通信するように構成されたモバイルデバイスのインターフェースを通じて入力することができ、これは、制御システムが外部モバイルデバイスと通信するための通信インターフェースを備えることができることを意味する。
【0064】
一実施形態では、装置の容器は透明であってもよく、容器の壁は、操作者によって読み取り可能なレベルインジケータを有することができる。
【0065】
したがって、操作者は、透明容器に豆を導入すると、レベルインジケータを見て導入量を読み取ることができる。次いで、この情報は、例えばユーザインターフェースを通じて、装置の制御システム内の入力として入力され得る。
【0066】
別の態様では、容器に導入されたコーヒー豆の量mは、豆の量mを測定するように構成されており、装置の制御システムに接続された測定デバイスから取得することができる。その場合、豆の量の測定値は、装置の制御システムに自動的に提供され得る。
【0067】
一実施形態によれば、装置は、容器に導入された豆の量mを測定するように構成された測定デバイスを含むことができ、コントローラにコーヒー豆の量mを提供する工程では、コーヒー豆の量は、測定デバイスによって自動的に測定され、装置の制御システムに提供することができる。
【0068】
測定デバイスは、
コーヒー豆の重量を測定するスケール、又は
予め定められた容積の少なくとも1つの空洞を備えるデバイス、又は
容器内のコーヒー豆の体積を測定するレベルセンサ、
とすることができる。
【0069】
好ましくは、この量は重量であり、測定装置は重量スケールである。
【0070】
予め定められた容積の少なくとも1つの空洞を備える装置では、ユーザが予め定められた容積の空洞を選択し、この空洞を豆で完全に満たすことができる結果、規定量の豆が測定される。焙煎装置の制御システムには、正確な量の豆が提供される。特定の一実施形態では、焙煎装置は、小、中、及び大容量の容器など、様々な体積のコーヒー豆を収容するための1セットの異なる容器を備えることができる。その実施形態では、制御システムは、どの容器(小、中、大)が焙煎装置内に配置されているかを認識することによって、容器内のコーヒー豆の量を取得するように構成することができる。
【0071】
測定デバイスは、容器内のコーヒー豆の体積を測定するレベルセンサであり得る。容器は、充填動作中に焙煎装置から取り外すことができ、いったん容器が焙煎装置内に戻して配置されると、レベルセンサが豆のレベルを測定することができる。プロセス制御は、上記の測定レベルから豆の体積を推定するように構成される。
【0072】
測定されるのが豆の体積である場合、豆の種類の識別に基づいて豆の密度を得ることができ、それに応じて、正確な重量を推定することができる。
【0073】
別の実施形態によれば、装置は、
1セットの異なる容器であって、各容器が特定量のコーヒー豆を保持するように構成されている容器と、
容器認識デバイスと、
を備えることができ、
容器に導入された豆の量mを取得する工程において、コーヒー豆の上記量が、容器を認識することによって自動的に提供される。
【0074】
別の実施形態によれば、装置は、
コーヒー豆を貯蔵する容器と、
容器にコーヒー豆を投入及び供給するための投入デバイスと、
を備えることができ、
容器に導入された識別された豆の量mを取得する工程において、投入されたコーヒー豆の量を制御システムに自動的に提供することができる。
【0075】
特定の実施形態では、装置は、識別手段を豆パッケージから読み取るように構成された識別デバイスを含むことができ、この識別手段は、パッケージ内の豆の量mを直接的又は間接的に提供する。
【0076】
一態様では、この豆パッケージは、装置の容器に全内容物を供給するように構成することができ、したがって、容器に導入された豆の量が自動的に取得される。
【0077】
別の態様では、パッケージの豆の一部を容器に導入し、上記実施形態のうちの1つにしたがって測定することができる。次いで、パッケージ内に残っている豆の量を自動的に判定することができる。
【0078】
第2の態様では、コーヒー豆を焙煎するためのシステムであって、
上記のような焙煎装置と、
容器内に導入されるコーヒー豆の量を測定するための装置と、
を備え、
焙煎装置の制御システムが、
容器内に導入され、測定装置によって測定されるコーヒー豆の量mを取得するように動作可能である、システムが提供される。
【0079】
通信手段は、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、ケーブル(USB、Serial)、光通信、GSM(登録商標)通信を介した焙煎装置と測定装置との間の通信を可能にすることができる。
【0080】
第3の態様では、上述のような装置を使用してコーヒー豆を焙煎し、連続する別個の時刻t1、t2、...それぞれにおいて与えられる温度T@t1、T@t2、...を提供する焙煎レシピを適用する方法が提供され、この方法は、
容器内に導入されたコーヒー豆の量mを取得する工程と、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)と、上記予め定められた量Mi、Mi+1、...と、にアクセスする工程と、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合されたアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)と、容器内に導入されたコーヒー豆の上記取得量mと、に基づき、容器内に導入された上記取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
を含む。
【0081】
好ましくは、この方法は、
容器内に導入されたコーヒー豆の種類Nyを取得する工程と、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の種類Nyの豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ryi、Ryi+1、...)にアクセスする工程と、
種類Nyの豆に適合されたアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ryi、Ryi+1、...)に基づいて、量mの種類Nyのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
を含む。
【0082】
一実施形態では、この方法は、
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリスト内の、容器内に導入された焙煎された豆の更なる使用uxを取得する工程と、
更なる使用uxのために異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Rxi、Rxi+1、...)にアクセスする工程と、
更なる使用uxに適合されたアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Rxi、Rxi+1、...)に基づいて、取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
を含む。
【0083】
第4の態様では、上述のようなコーヒー豆を焙煎するための装置の制御システムの処理ユニットのコンピュータプログラムが提供され、このコンピュータプログラムは、プログラムコード及び/又はプログラム論理を含み、処理ユニット上で実行されるとき、このプログラムコード及び/又はプログラム論理は、
容器内に導入されたコーヒー豆の量mを取得する工程と、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)と、上記予め定められた量Mi、Mi+1、...と、にアクセスする工程と、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の同一種類の豆の焙煎に適合されたアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ri、Ri+1、...)と、上記容器内に導入されたコーヒー豆の取得量mと、に基づき、容器内に導入された取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
をもたらす。
【0084】
好ましくは、このプログラムコード及び/又はプログラム論理は、
容器内に導入されたコーヒー豆の種類Nyを取得する工程と、
異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の種類Nyの豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Ryi、Ryi+1、...)にアクセスする工程と、
種類Nyの豆に適合された前記アクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Ryi、Ryi+1、...)に基づいて、量mの種類Nyのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
をもたらす。
【0085】
一実施形態では、このプログラムコード及び/又はプログラム論理は、
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリスト内の、容器内に導入された焙煎された豆の更なる使用uxを取得する工程と、
更なる使用uxのために異なる連続する予め定められた量(Mi、Mi+1、...)の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(Rxi、Rxi+1、...)にアクセスする工程と、
更なる使用uxに適合されたアクセス可能なシリーズの焙煎レシピ(Rxi、Rxi+1、...)に基づいて、取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定する工程と、
をもたらす。
【0086】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0087】
本発明の特徴及び利点は、以下の図との関連で、より良好に理解されるであろう。
【
図1】本発明の方法の実行を可能にする一般的な焙煎装置の概略図である。
【
図2】
図1による一般的な装置の制御システムのブロック図である。
【
図3】異なる連続する予め定められた量(M
1、M
2、...)の同一種類の豆の焙煎に適合されたシリーズの焙煎レシピ(R
1、R
2、...)の概略図である。
【
図4】レシピのシリーズからの、カスタマイズされた量mの豆の焙煎レシピRの判定を表す図である。
【
図5】シリーズの焙煎レシピ(R
1、R
2、...)の概略図である。
【
図6】シリーズの焙煎レシピ(R
1、R
2、...)の概略図である。
【
図7a】本発明によるシステムの各種実施形態の概略図である。
【
図7b】本発明によるシステムの各種実施形態の概略図である。
【
図7c】本発明によるシステムの各種実施形態の概略図である。
【
図7d】本発明によるシステムの各種実施形態の概略図である。
【
図8】本発明によるシステムを使用するための方法の概略図である。
【
図9】本発明によるシステムを使用するための方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
焙煎装置
図1は、焙煎装置1の例示的な部分を示す。機能的には、焙煎装置1は、容器11内に導入される熱風流によって、この容器内に保持されたコーヒー豆を焙煎するように動作可能である。第1のレベルでは、装置は、ハウジング15、焙煎ユニット10、及び制御システム180を備える。次に、これらの構成要素を順次説明する。
【0089】
焙煎装置のハウジング
ハウジング15は、前述の構成要素を収容及び支持し、基部151及び本体152を備える。基部151は、支持面と、好ましくは基部と支持面との間に間隙を提供する脚部154を介して当接する。本体152は、それに構成要素を取り付けるためのものである。
【0090】
焙煎装置の焙煎ユニット
焙煎ユニット10は、コーヒー豆を受け入れ、焙煎するように動作可能である。
【0091】
焙煎ユニット10は典型的には、焙煎装置1の第2のレベルでは、容器11と加熱デバイス12とを備え、これらについて順次説明する。
【0092】
容器11は、操作者によって導入されたコーヒー豆を受け入れ、保持するように構成されている。取り外し可能なカバー17は、豆の導入及び除去を可能にする。容器の底部は、空気が通過できるように構成されており、具体的には、豆が載ることができる多孔板14であってもよく、そこを通って空気が上方に流れることができる。
【0093】
チャフコレクタ16は、容器1と流れ連通しており、豆から漸次分離されて、低密度のためにチャフコレクタに吹き飛ばされるチャフを受け入れる。
【0094】
容器11は、ユーザがハウジング15から容器を取り外し、焙煎された豆を取り出すことを可能にするための、ハンドル112を備える。
【0095】
図示した実施形態では、容器1は、少なくとも部分的に透明であり、容器上に設計された上レベル線111b及び下レベル線111aを有する。いったん豆が容器1内に導入されると、ユーザは、これらのレベル111a、111bを参照することによって導入された豆の量を確認することができる。具体的には、操作者は、量が下レベルより低い、上レベルと下レベルの間である、又は上レベルよりも高い、のいずれであるかを確認することができる。
【0096】
図7b~7dに示されるロースターの別の実施形態では、焙煎ユニットは、容器内のスケール又はレベルセンサ(容量性又は光学的)などの、容器1内に導入された豆の量を自動的に検出するデバイスを備えることができる。
【0097】
図示されていないロースターの別の実施形態では、焙煎ユニットは、異なる容器のセットを含むことができ、各容器は、特定量のコーヒー豆を保持するように構成されている。焙煎ユニットは、容器認識デバイスを含むことができる。
【0098】
加熱デバイス12は、空気流ドライバ121及びヒータ122を備える。
【0099】
空気流ドライバ121は、容器の底部の方向に空気流を生成するように動作可能である。生成された流れは、豆を加熱し、撹拌して持ち上げるように構成される。その結果、豆が均質に加熱される。具体的には、空気流ドライバは、モータ13によって給電されるファンとすることができる。空気入口153は、ハウジング内に空気を供給するためにハウジングの基部151の内側に設けることができ、この空気流ドライバは、破線矢印によって示されるように空気を容器11の方向に吹き込む。
【0100】
ヒータ122は、空気流ドライバ121によって生成された空気流を加熱するように動作可能である。図示した特定の実施形態では、ヒータは、ファンと多孔板14との間に配置された電気抵抗であるため、空気流は、豆を加熱し持ち上げるために、容器11に入る前に加熱される。
【0101】
ヒータ122及び/又は空気流ドライバ121は、焙煎プロファイルを豆に適用するように動作可能であり、この焙煎プロファイルは、時間に対する温度曲線として定義される。
【0102】
本発明は、熱風の流動床を実装するロースターを用いて説明されているが、本発明は、この特定の種類の焙煎装置に限定されない。ドラムロースター及び他の種類のロースターを使用することができる。
【0103】
焙煎装置10は、通常、情報の表示と入力を可能にするユーザインターフェース20を備える。
【0104】
焙煎装置は、例えば、コーヒー豆のパッケージ上にある、コーヒー豆の種類に関連付けられたコードを読み取るコードリーダを備えることができる。好ましくは、このコードリーダは、操作者がコードリーダの正面にコードを容易に位置決めすることができるように装置に配置される。コードリーダは、装置の前面、例えば、装置のユーザインターフェース20に近接して配置されることが好ましい。したがって、コードによって提供される情報は、脇に配置されたユーザインターフェース20のディスプレイを通じて即座に表示することができる。
【0105】
焙煎装置の制御システム
図1及び
図2を参照して、次に、焙煎ユニットの構成要素を制御してコーヒー豆を焙煎するように動作可能である制御システム180について検討する。制御システム180は、典型的には、焙煎装置の第2のレベルで、ユーザインターフェース20、処理ユニット18、センサ23、電源21、メモリ19、任意選択で遠隔接続用の通信インターフェース24、任意選択でコードリーダ3、任意選択で測定デバイス4、任意選択でデータベース25を含む。
【0106】
ユーザインターフェース20は、ユーザインターフェース信号によってユーザが処理ユニット1とインターフェースすることを可能にするハードウェアを含む。より具体的には、ユーザインターフェースは、ユーザからコマンドを受信し、ユーザインターフェース信号は、このコマンドを入力として処理ユニット18に転送する。コマンドは、例えば、焙煎プロセスを実行するための命令、及び/又は焙煎装置1の動作パラメータを調節するための命令、及び/又は焙煎装置1の電源をオン又はオフするための命令であってもよい。処理ユニット18はまた、焙煎プロセスの一部として、例えば、焙煎プロセスが開始されたことを示す、若しくはプロセスに関連付けられたパラメータが選択されたことを示す、又はプロセス中のパラメータの発生を示す、又はアラームを生成するために、ユーザインターフェース20にフィードバックを出力してもよい。
【0107】
特定の実施形態では、ユーザインタフェースは、以下の目的で使用することができる。
【0108】
手動入力によって容器内に導入されるコーヒー豆の量mを提供する。
【0109】
予め選択されたコーヒー豆のリスト内の識別種の選択などの手動入力によって、又は例えば、コーヒー豆パッケージから読み取られるコーヒーのデジタル基準の入力によって、容器内に導入されるコーヒー豆の識別情報Nyを提供する。
【0110】
予め定められた使用(uα、uβ、...)のリストにおける使用の選択などの手動入力によって、容器に導入され、かつ容器内で焙煎されることになる豆の更なる使用uxを提供する。
【0111】
ユーザインターフェースのハードウェアは、任意の好適なデバイス(複数可)を含んでもよく、例えば、ハードウェアは、ジョイスティックボタン、ノブ若しくは押しボタンなどのボタン、ジョイスティック、LED、グラフィック又は文字LDC、タッチ感知及び/若しくはスクリーンエッジボタンを有するグラフィックスクリーンのうちの1つ以上を含む。ユーザインターフェース20は、1つのユニット又は複数の別個のユニットとして形成することができる。
【0112】
ユーザインターフェースの一部はまた、以下に記載されるように、装置に通信インターフェース24が提供されるとき、モバイルアプリ上にあってもよい。その場合、入力及び出力は、通信インターフェース24を通じてモバイルデバイスに送信することができる。
【0113】
センサ23は、焙煎プロセス及び/又は焙煎装置の状態を監視するために、処理ユニット18に入力信号を提供するように動作可能である。入力信号は、アナログ信号又はデジタル信号とすることができる。センサ23は、典型的には、少なくとも1つの温度センサ231と、任意選択で以下のセンサのうちの1つ以上:容器1に関連付けられたレベルセンサ、空気流量センサ、容器及び/又はチャフココレクタと関連付けられた位置センサ、を備える。
【0114】
装置又はシステムが測定デバイス24を備える場合、このデバイスは、容器11内に導入されたコーヒー豆の量である入力22を提供するように動作可能である。この入力22は、スケールによって測定される豆の重量、又は容器11に関連付けられたレベルセンサによって測定される豆の体積若しくはレベルであってもよい。
【0115】
コードリーダ3は、コーヒー豆パッケージ上のコードを読み取り、測定デバイス4又は容器11内に導入されたコーヒー豆の識別情報である入力を自動的に提供するように設けられ、動作可能であり得る。
【0116】
処理ユニット18は一般的に、メモリと、通常はマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラなどの集積回路として構成された入出力システム構成要素とを備える。処理ユニット18は、例えば、ASICなどの他の適切な集積回路、PAL、CPLD、FPGA、PSoCなどのプログラマブルロジックデバイス、システムオンチップ(SoC)、コントローラなどのアナログ集積回路を備えることができる。そのような装置に関しては、適切である場合、前述のプログラムコードは、プログラムされた論理として、又はプログラムされた論理を追加的に含むものとして見なすことができる。処理ユニット18はまた、上記集積回路のうちの1つ以上を備えることもできる。後者の例は、いくつかの集積回路がモジュール式に互いに通信するように構成されており、例えば、ユーザインターフェース20を制御するためのスレーブ集積回路が、焙煎ユニット10を制御するためのマスタ集積回路と通信するものである。
【0117】
電源21は、上記の制御される構成要素及び処理ユニット18に電気エネルギーを供給するように動作可能である。電源21は、バッテリー又は商用電源を受電し調節するためのユニットなど、様々な手段を含むことができる。電源21は、焙煎装置の電源をオン又はオフにするためにユーザインターフェース20の一部に動作可能に連結されてもよい。
【0118】
処理ユニット18は、一般的に、プログラムコードとしての命令及び任意選択でデータを記憶するためのメモリユニット19を備える。この目的のために、メモリユニットは、通常、例えば、命令としてのプログラムコード及び動作パラメータを記憶するためのEPROM、EEPROM、又はFlashなどの不揮発性メモリと、一時的データを記憶するための揮発性メモリ(RAM)とを備える。メモリユニットは、別個の及び/又は(例えば、半導体のダイ上に)集積されたメモリを備えることができる。プログラマブルロジックデバイスのために、命令をプログラムされた論理として記憶することができる。
【0119】
メモリユニット19に記憶された命令は、コーヒー豆焙煎プログラムを含むものと理想的に考えることができる。
【0120】
制御システム180は、通常は温度プローブ231の信号を使用して加熱デバイス12を制御することによって、即ち、
図1の特定の例示された実施形態では、空気流ドライバ121及び/又はヒータ122を制御することによって、このコーヒー豆焙煎プログラムを適用するように動作可能である。
【0121】
コーヒー豆焙煎プログラムは、コード上に符号化された抽出情報、及び/又はメモリユニット19上にデータとして記憶されていてもよい情報、又は通信インターフェースを遠隔ソースからの情報、及び/又はユーザインターフェース20を介して入力された情報、及び/又はセンサ23の信号である情報などの他の情報を使用して、上記構成要素の制御を行うことができる。
【0122】
具体的には、制御システムは、連続する別個の時刻t1、t2、...、tfinalにおいて与えられる温度T@t1、T@t2、...T@finalを提供する焙煎レシピ(R)を適用するように構成されている。
【0123】
その目的で、処理ユニット18は、以下のように動作可能である。
【0124】
温度センサ231の入力を受信する、
焙煎レシピRに従って入力を処理する、
焙煎レシピRである出力を提供する。より具体的には、出力は、少なくともヒータ122及び空気流ドライバ121の動作を含む。
【0125】
温度センサ231によって測定される温度は、焙煎レシピRを豆に適用するために、ヒータ122の電力及び/又は空気ドライバ121のモータ13の電力をフィードバックループで適合させるのに使用される。
【0126】
ロースターに適用される制御の種類に応じて、ヒータ122には、1つの予め定められた電力を供給することができ、これは温度が一定であることを意味し、その場合、空気ドライバ121のモータ13の電力は、移動中にヒータを通る空気流の接触時間を変化させるために、センサ231で監視される温度に基づいて制御することができる。
【0127】
あるいは、空気ドライバ121のモータ13には、1つの予め定められた電力を供給することができ、これは空気の流量が一定であることを意味し、その場合、ヒータ122の電力は、加熱デバイスを通過する間に加熱する空気の量を増減させるために、センサ231で監視される温度に基づいて制御することができる。
【0128】
最後の代替案としては、ヒータ122及びモータ13の両方を、センサ231による温度の監視に基づいて制御することができる。
【0129】
処理ユニットは、サーバシステム、モバイルデバイス、及び/又は物理的に分離された測定装置2などの別のデバイス及び/又はシステムと焙煎装置1とのデータ通信用の通信インターフェース24を備えることができる。通信インターフェース24は、焙煎プロセス情報、豆の種類、豆の量などのコーヒー豆焙煎プロセスに関する情報を提供及び/又は受信するために使用することができる。通信インターフェース24は、複数のデバイスとの同時データ通信又は様々な媒体を介する通信のために、第1及び第2の通信インターフェースを備えることができる。
【0130】
通信インターフェース24は、ケーブルメディア又はワイヤレスメディア又はそれらの組み合わせのために構成することができ、これらは、例えば、RS-232、USB、I2C、IEEE802.3で定義されたイーサネット(登録商標)などの有線接続、無線LAN(例えば、IEEE802.11)若しくは近距離通信(NFC)のような無線接続、又はGPRS若しくはGSM(登録商標)のようなセルラシステムである。通信インターフェース24は、通信インターフェース信号によって処理ユニット18とインターフェースする。一般的に、通信インターフェースは、通信ハードウェア(例えば、アンテナ)をマスタ処理ユニット18とインターフェースするように制御するための別個の処理ユニット(その例を上記に提示した)を備える。ただし、処理ユニット18との直接シリアル通信のための単純な有線接続のようにあまり複雑でない構成を使用することができる。
【0131】
処理ユニット18は、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、...)の豆の焙煎に適合された異なる焙煎レシピ(R1、R2、...)と、上記の予め定められた量(M1、M2、...)とへのアクセスを可能にする。
【0132】
レシピ及び予め定められた量は、処理ユニット18のメモリ19に記憶することができる。あるいは、これらのデータは遠隔サーバに記憶されてもよく、処理ユニット18は、通信インターフェース24を通じて、直接的に又は遠隔サーバと処理ユニットとの間の接続を確立するモバイルデバイスを通じて間接的に、この遠隔サーバにアクセスすることができる。
【0133】
これらのレシピ及び量は、メモリユニット19に記憶された、又は上述のように遠隔で記憶された、データベース25の一部であってもよい。
【0134】
1つの代替的実施形態では、制御システムに、コード読み取り動作中、焙煎レシピ及びそれらに関連付けられた予め定められた量Mを提供することができ、これらの情報はコード内で符号化され、制御システムによって復号される。
【0135】
図3は、処理ユニットにとってアクセス可能な焙煎レシピの種類を概略的に示す。例示された焙煎レシピR
1、R
2、...R
5それぞれは、対応する特定量の豆M
1、M
2、...M
5にそれぞれ適用される温度プロファイルを時間の関数で提供する。例えば、異なる予め定められた量の豆M
1、M
2、...M
5は、同一種類の豆又は同じ豆のブレンドの別個の重量、例えば、50g、100g、150g、200g、及び250gを有することができる。
【0136】
これらの温度プロファイルは、通常、予め定められた量の豆について最適なプロファイルを定義することによって実験で定義される。
【0137】
通常、1シリーズの焙煎レシピR1、R2、...R5が、特定の種類のコーヒー豆に適合される。コーヒー豆の種類は、以下のような特定の特徴に関連し得る。
【0138】
豆の原産地(アラビカ、ロブスタ、...)又は異なる原産地の豆の特定の混合物混合物は、様々な特定の原産地の豆のブレンドとして、及び様々な特定の原産地の豆の比率によって定義することができる。
【0139】
豆の前焙煎レベル焙煎されるコーヒー豆は、生豆であってもよく、又は生コーヒー豆を加熱し、最初のクラックの終了前に加熱プロセスを停止することによって得られる部分的な前焙煎豆であってもよい。これらの部分的な前焙煎豆は、後続の焙煎に直接影響を及ぼす、異なるレベルで前焙煎され得る。
【0140】
豆の水分
豆のサイズ
図5は、
図3と同様に、異なる3種類の豆(豆1、豆2、豆3)及び予め定められた量(M
1、M
2、...M
5)に適合された、3つの異なるシリーズの焙煎レシピ(R
1;1、R
1;2...R
1;5)、(R
2;1、R
2;2、...R
2;5)、及び(R
3;1、R
3;2、...R
3;5)を示す。
【0141】
特定の実施形態では、1シリーズの焙煎レシピR1、R2、...R5は、焙煎された豆の特定の更なる使用に適合させることができる。焙煎された豆からコーヒー飲料を抽出する方法である、最終焙煎豆の所望の使用に応じて、焙煎コーヒー豆の感覚プロファイルを、この後続の調製に適合させることができる。
【0142】
この更なる使用は、以下のものであり得る。
加圧温水によるエスプレッソコーヒーの調製
フレンチプレスによるコーヒーの調製
ドリップフィルタを用いるコーヒーの調製
低温淹出方法によるコーヒーの調製
抽出されたコーヒーをミルクやクリームなどの白色成分と混合するホワイトカップを調製する最終目的を有するあらゆる抽出であるコーヒーの調製
【0143】
図6は、異なる予め定められた量(M
1、M
2、...M
5)の異なる種類の豆(豆1、豆2、豆3、...)、及び上記豆の異なる更なる使用(豆1-使用1、豆1-使用2、豆1-使用3、...、豆2-使用1、豆2-使用2、豆2-使用3、...、及び豆3-使用1、...)に適合された焙煎レシピのシリーズR1、R2、...R5を示す。
【0144】
これらの温度プロファイルは、通常、予め定められた量Miの特定の種類Nyの豆、及び特定の更なる使用uxのそれぞれの最適プロファイルを定義することによって、実験で定義される。
【0145】
焙煎のために、カスタマイズされた量mのコーヒー豆が容器11内に導入されると、本発明の装置の処理ユニット18は、いくつかの工程を実行するように構成されている。
【0146】
まず、本発明の装置の処理ユニット18は、容器内に導入された豆に関して、上記の種類のコーヒー豆の量mを取得するように構成されている。
【0147】
任意選択で、好ましくは、処理ユニットは、上記コーヒー豆の種類Nyを取得するように構成されている。
【0148】
任意選択で、処理ユニットは、コーヒー豆の更なる使用uxを取得するように構成されている。
【0149】
前述したように、これらの識別情報、量、及び使用に関する情報は、焙煎装置のユーザインターフェース20を通じて提供することができ、ユーザインターフェースの表示は、各種類のコーヒーについての情報を入力するようにユーザを誘導する。
【0150】
あるいは、コーヒー種の識別のために、コードリーダ3によって情報を取得することができ、ユーザは、コードリーダの正面で各種豆のコードをスキャンすることができる、又はスキャンするように教唆される。
【0151】
あるいは、豆の量に関しては、量は、例えば、
図8又は9に示されるように、装置に直接接続された測定デバイス4を使用することによって、又は通信インターフェースを通じて間接的に、測定されて自動的に制御システム180に伝達され得る。
【0152】
次いで、更なるステップでは、焙煎装置の制御システムは、コーヒー豆の焙煎に関する情報、具体的には、異なる連続する予め定められた量(M
i、M
i+1、...)の同一種類のコーヒー豆の焙煎に適合された少なくとも1つのシリーズの焙煎レシピ(R
i、R
i+1、...)と、上記予め定められた量(M
i、M
i+1、...)と、に関する情報にアクセスするように構成されており、焙煎レシピは、連続する別個の時刻t
zにおいてこの量の豆にそれぞれ与えられる温度T
Mi@tzを提供する。例えば、
図3に基づいて、制御システムは、同一種類の予め定められた量M1、M2、M3、M4、M5の焙煎にそれぞれ適合された焙煎レシピのシリーズR1、R2、R3、R4、R5にアクセスするように構成されている。予め定められた量は、連続した量の値を表す。
【0153】
更なるステップでは、制御システムは、容器内に導入されたカスタマイズされた取得量mのコーヒー豆に適用される焙煎レシピ(R)を決定するように構成されている。
【0154】
最も単純な第1の実施形態では、処理ユニット18は、アクセス可能な焙煎レシピのシリーズR1、R2、R3、R4、R5内の1つのレシピを選択するように動作可能である。この選択は、予め定められた量の豆Miの焙煎に適合された焙煎レシピRiを識別することからなり、この予め定められた量の豆Miは、得られる量mと量の最小の差を有する。
【0155】
例示のために、例えば、50g、100g、150g、200g、及び250gなどの異なる予め定められた重量M1、...M5の豆に適用される
図3のレシピのシリーズR1、...R5に基づくと、豆の量mの入力が210gである場合、処理ユニット18は、210と5つの予め定められた量50g、100g、150g、200g、250gとの間の最小差は210gと200gとの差であるため、豆200gの予め定められた量M4に対応する焙煎レシピR4を選択するように動作可能である。
【0156】
第2の実施形態では、処理ユニット18は、
図4に示され、以下で説明されるように、アクセス可能なレシピのシリーズ(R1、R2、R3、R4、R5)から容器内に導入された特定量mのコーヒー豆に適用される特定の焙煎レシピ(R)を計算するように動作可能である。
【0157】
図4は、対応する専用の量M1、M2、...M5、例えば、50g、100g、150g、200g、及び250gの豆にそれぞれ適用される温度プロファイルを、1種類の豆、例えば、純粋アラビカ豆に対して時間の関数で提供する焙煎レシピのシリーズR1、R2、...R5を概略的に示す。
【0158】
焙煎レシピ(R)を判定する第1のステップでは、処理ユニットは、2つの連続する予め定められた量Mi及びMi+1の豆の焙煎に適合された2つの焙煎レシピRi及びRi+1を識別し、ここで、量mは、これらの2つの連続する予め定められた量MiとMi+1との間に含まれる。例えば、取得量mが160gである場合、150g及び200gのコーヒー豆にそれぞれ対応する焙煎レシピR3及びR4が識別される。
【0159】
第2のステップでは、連続する別個の時刻t1、t2、...t6において、連続する別個の時刻t1、t2、...t6のそれぞれで取得量mの豆に与えられる温度Tmは、以下のとおり、焙煎レシピR3及びR4から計算される。
【0160】
Tm@tz=TMi@tz+[(TMi+1@tz-TMi@tz).C.(m-Mi)/(Mi+1-Mi)]
ここでC≦1
具体的には、時刻t1において、与えられる温度Tm@t1は、
TM3@t1+[(TM4@t1-TM3@t1).C.(m-M3)/(M4-M3)]
つまり、例えば、上記の重量を例示すると、
TM3@t1+[(TM4@t1-TM3@t1).C.(160-150)/50]
この計算は、各時刻t2~t6で再現されて、豆の量mについての完全な焙煎レシピRを決定する。
【0161】
これらの連続する別個の時刻は、焙煎装置によって実行されるのに十分な点を最終的な焙煎レシピに提供するように予め定義することができる。例えば、連続する時間は、約20~40秒だけ異なっていてもよい。
【0162】
上記式において、係数Cは、通常、実験的に固定され、ロースターの仕様(電力、容器サイズ、ヒータの種類、...)、豆の種類、及び/又は焙煎された豆の将来の使用に応じて変更することができる。
【0163】
一実施形態では、係数Cは、ロースターの仕様のみに従って設定することができる。
【0164】
別の実施形態では、係数Cは、豆の種類に従って設定することができる。その場合、係数Cは、以下のように設定することができる。
【0165】
概して、例えば、アラビカ又はロブスタといった豆の原産地などの豆の高レベルな定義では、アラビカ豆が焙煎されるときには係数CAを提供し、ロブスタ豆が焙煎されるときは係数CRを提供する。
【0166】
あるいは、より正確には、各種類Nyの豆に対して、2つの一般的な原産地よりも更に正確な基準で特定の種類の豆Nyに適合された係数Cyを参照する。
【0167】
これらの場合、制御システムは、容器に導入された豆(アラビカ、ロブスタ、又はNi)の種類を取得し、次いで、その種類の豆に対応する係数CA、CR、又はCiにアクセスするように構成される。
【0168】
好ましくは、係数Cは、ロースターの仕様及び豆の種類に応じて設定される。
【0169】
特定の実施形態では、係数Cは、豆の更なる使用に従って設定することができる。この実施形態では、係数Cは、好ましくは、ロースターの仕様に従っても設定され、かつ加えて、更により好ましくは、豆の種類に応じて設定される。
【0170】
ロースター、又は豆の種類、又は更なる使用に関する情報がない場合、デフォルトで、係数Cは1に等しい。
【0171】
第3の実施形態では、処理ユニット18は、第2の実施形態と同様に、アクセス可能なレシピのシリーズ(R1、R2、R3、R4、R5)から、容器内に導入された特定量mのコーヒー豆に適用される特定の焙煎レシピ(R)を計算するように動作可能である。ただし、焙煎レシピ(R)を決定する第2のステップにおいて、上記連続する別個の時刻t1、t2、...t6のそれぞれにおいて取得量mの豆に与えられる温度Tmは、以下のとおり、焙煎レシピR3及びR4から計算される。
【0172】
mがM3により近い場合、Tm@ti=TM3@ti+[(TM4@ti-TM3@ti).C.(m-M3)/(M4-M3)]
mがM4により近い場合、Tm@ti=TM4@ti-[(TM4@ti-TM3@ti).C.(M4-m)/(M4-M3)]
ここでC≦1
その結果、取得量mが160gである場合、mが150gであるM3により近いことを意味し、t1で与えられる温度は、TM3@t1+[(TM4@t1-TM3@t1).C.(160-150)/50]となる。
【0173】
ただし、取得量mが180gである場合、mは200gであるM4により近く、t1で与えられる温度は、TM4@ti-[(TM4@ti-TM3@ti).C.(200-180)/50]となる。
【0174】
一般に、測定デバイスによって提供される量が、重量ではなく体積である場合、重量は、コーヒー豆の平均密度から間接的に推定することができ、より好ましくは、豆の性質の識別が豆の正確な密度へのアクセスを提供して、容器に導入された豆の重量の計算を可能にする。
【0175】
出力を処理する工程において、処理ユニット18は、温度センサ231からの入力信号をフィードバックとして使用して、通常は閉ループ制御で加熱デバイス12を動作させて、温度対時間プロファイルを、予め定められた焙煎レシピ(R)に対応するコーヒー豆に適用する。
【0176】
処理ユニットが、容器内に導入されたコーヒー豆の種類N
yを取得するように構成されている場合、焙煎装置の制御システムは、異なる種類の豆(豆1、豆2、...)のそれぞれについて、
図5に示されるように、以下の焙煎レシピのシリーズにアクセスするように構成することができる。
【0177】
異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆1のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆1」(R1;1、R1;2、R1;3...)、及び
異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆2のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆2」(R2;1、R2;2、R2;3...)、及び
異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆3のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆3」(R3;1、R3;2、R3;3...)
その場合、上記の第1、第2、又は第3の実施形態は、上記の種類N
yの豆の焙煎に適合された焙煎レシピのシリーズ(R
yi、R
yi+1、...)にアクセスすることによって、容器内に導入されたカスタマイズされた量mの種類N
yの豆の焙煎プロファイルを決定するように実行され得る。例えば、種類豆2の豆が容器に導入され、識別された場合、量mの豆2の焙煎プロファイルを決定する工程は、
図5に示されるように、焙煎プロファイルのシリーズ(R2;1、R2;2、R2;3...)に基づく。
【0178】
本発明は、異なるシリーズの曲線において、予め定められた量Mi、Mi+1、...が全てのシリーズで同じではない実施形態を網羅することが注目される。
【0179】
同様に、処理ユニットが、容器に導入されたコーヒー豆の種類N
yと、操作者が所望する更なる使用u
xとを取得するように構成されている場合、焙煎装置の制御システムは、異なる種類の豆(豆1、豆2、...)及び上記豆の更なる使用(使用1、使用2、...)のそれぞれについて、
図5に示されるように、以下の焙煎レシピのシリーズにアクセスするように構成され得る。
【0180】
更なる使用1のために、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆1のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ(R1;1;1、R1;1;2、R1;1;3...)、及び
更なる使用2のために、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆1のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆1-使用2」(R1;2;1、R1;2;2、R1;2;3...)、及び
更なる使用1のために、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆2のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆2-使用1」(R2;1;1、R2;1;2、R2;1;3...)、及び
更なる使用2のために、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆2のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆2-使用2」(R2;2;1、R2;2;2、R2;2;3...)、及び
更なる使用1のために、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆3のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆3-使用1」(R3;1;1、R3;1;2、R3;1;3...)、及び
更なる使用2のために、異なる連続する予め定められた量(M1、M2、M3、...)の種類豆3のコーヒー豆の焙煎に適合されたシリーズ「豆3-使用2」(R3;2;1、R3;2;2、R3;2;3...)。
【0181】
システム
図7aは、焙煎装置1と、好ましくはスケールである測定デバイス4とのシステム10を示す。焙煎装置は、焙煎動作中に豆を保持するために構成された容器11を備える。測定デバイス2は、コーヒー豆の量を測定し、測定量入力22を、通信インターフェースを通じて焙煎装置の制御システム180に伝達するように構成されている。
【0182】
図7bは、焙煎装置1と、好ましくはスケールである測定デバイス4との、別のシステム10示す。測定デバイス2は、焙煎装置の一部であり、正確には焙煎装置とは別に、焙煎装置と同じフレーム内に一体化される。測定デバイス2は、コーヒー豆の量を測定し、測定された量入力22を焙煎装置の制御システム180に伝達するように構成されている。
【0183】
図7cは、焙煎装置1と、測定デバイス4との別のシステム10を示す。測定デバイス4は、焙煎装置の一部である。一態様では、測定デバイスはスケールとすることができ、焙煎位置で、容器11はスケールに懸垂させることができる。この態様では、容器は、焙煎装置内に完全に係止されて焙煎を行う前に重み付けされる。
【0184】
別の態様では、測定デバイスはレベルセンサとすることができ、焙煎位置で、豆のレベルを測定することができる。計測デバイス2は、計測量を入力22として焙煎装置の制御システム180に伝達するように構成されている。
【0185】
図7dは、焙煎装置1と、測定デバイス4との別のシステム10を示す。測定デバイス4は、焙煎装置の一部であるスケールである。正確には焙煎位置において、容器11がスケール上に置かれる。スケール4は、コーヒー豆を重み付けし、測定された重量を入力22として焙煎装置の制御システム180に伝達するように構成されている。次いで、容器が焙煎装置内に係止され、焙煎を行うことができる。
【0186】
図8は、焙煎装置10と測定装置4が物理的に分離されているシステム100を示す。このシステムでは、コーヒー豆5は、焙煎装置1の容器11内に導入される前に、中間容器6に導入され測定される。
【0187】
このシステムは、例えばドラムロースターの場合など、容器がロースターから取り外し可能でないときに特に有用である。
【0188】
測定デバイス6は、ケーブル(USB、Serial)を通じて焙煎装置に接続され、豆の測定量22を焙煎装置の制御システムに供給することができる。あるいは、接続は、Wi-Fi又はブルートゥースを通じて確立することができる。
【0189】
図9は、
図8のシステムの別の実施形態を提示しており、容器11が焙煎装置から取り外し可能であり、焙煎装置上の焙煎位置に戻して配置される前に、測定デバイス4上の充填及び測定位置に配置され得る。好ましくは、測定装置4は、充填及び測定中に確実に保持されるように、焙煎装置の容器11を保持するために構成された受容領域を備える。例えば、測定デバイスは、容器の底部と一致する境界面を有することができる。好ましくは、測定デバイスは、容器の自重を含まずに自動的に豆の重量を提供するように構成される。
【0190】
本発明の焙煎装置は、一定品質の焙煎を保証しながら、焙煎される豆の量に関する自由度を操作者に提供するという利点を有する。
【0191】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0192】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0193】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0194】
1 ロースター
10 焙煎ユニット
11 容器
111a、111b レベル
112 ハンドル
12 加熱デバイス
121 空気流ドライバ
122 ヒータ
13 モータ
14 多孔板
15 ハウジング
151 基部
152 本体
153 空気入口
154 脚部
16 チャフコレクタ
17 カバー
18 処理ユニット
180 制御システム
19 メモリ
20 ユーザインターフェース
21 電源
22 測定量入力
23 センサ
231 温度センサ
24 通信インターフェース
25 データベース
2 測定デバイス
22 測定量入力
3 コードリーダ
4 測定デバイス
5 コーヒー豆
6 中間容器
100 システム