(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】超音波プローブ用の複合形状を有する音響窓
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A61B8/00
(21)【出願番号】P 2021571949
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2020066223
(87)【国際公開番号】W WO2020249685
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-11
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ワイト マイケル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】キャスウェル ジョン ベンチ
(72)【発明者】
【氏名】クスクナ ディノ フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ジンクス キャスリン テレーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペスジンスキー マイケル ユージーン
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-034808(JP,U)
【文献】国際公開第2018/178369(WO,A1)
【文献】特開2019-141580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0258442(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブであって、
ユーザによって把持されるように構成されるハウジングと、
前記ハウジングに結合され、超音波データを取得するように構成されるトランスデューサアレイと、
前記トランスデューサアレイ上に配置される音響窓であって、前記音響窓は、被検体に接触するように構成される端面を有し、前記端面は、一つ又はそれより多くの湾曲セクション及び一つ又はそれより多くの直線セクションを含む複合形状を有する、音響窓と、
を有
し、
前記音響窓は、前記端面を囲む周辺部を備え、
前記周辺部は、前記端面に隣接する丸みを帯びたエッジを有し、
前記周辺部は、前記丸みを帯びたエッジに隣接する横方向表面を有し、
前記音響窓は、前記横方向表面に隣接する近位端を有し、
前記近位端は、前記ハウジングの遠位端から離間し、
前記横方向表面は、前記ハウジングの遠位端に対して斜めの角度で延在する、
超音波プローブ。
【請求項2】
前記複合形状は、
湾曲セクションと、
前記湾曲セクションの対向する側面に配置される第1の直線セクション及び第2の直線セクションと
を有する、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
湾曲セクションは凸状である、請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記第1の直線セクションと前記第2の直線セクションとは斜めに角度が付けられている、
請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記端面は、第1の寸法と、垂直な第2の寸法とを有し、
前記第2の寸法は前記第1の寸法よりも大きく、
前記湾曲セクション、前記第1の直線セクション、及び前記第2の直線セクションは、前記第2の寸法に沿って長手方向に延在する、請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記音響窓は、超音波ゲルを保持するように構成される一つ又はそれより多くの側溝を有し、前記一つ又はそれより多くの側溝は、前記一つ又はそれより多くの湾曲セクションと前記一つ又はそれより多くの直線セクションとの間の前記端面の複合形状の遷移部を有する、請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記一つ又はそれより多くの側溝は、
前記湾曲セクションと前記第1の直線セクションとの間の前記遷移部を有する第1の側溝と、
前記湾曲セクションと前記第2の直線セクションとの間の前記遷移部を有する第2の側溝と
を有する、請求項6に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記遷移部は凹面である、請求項6に記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記音響窓は、前記第1の直線セクションが第1のリブに対して位置されるように構成され、前記第2の直線セクションが、隣接する第2のリブに対して位置されるように構成され、前記湾曲セクションは前記第1のリブと前記第2のリブとの間の組織に対して位置されるように構成される、請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項10】
前記横方向表面は、前記端面に対して斜めに傾斜する、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項11】
遠位表面であって、前記音響窓の端面は前記遠位表面の全体を形成する、遠位表面と、
側面であって、前記音響窓の周辺部の前記横方向表面が、前記側面の第1の部分を形成し、前記ハウジングが、前記側面の第2の部分を形成する、側面と
を更に有する、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項12】
前記音響窓は、長方形のプロファイルを備える、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項13】
前記トランスデューサアレイは、2次元アレイを有する、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項14】
前記ハウジングは、遠位部分と近位部分とを有し、前記遠位部分は、前記近位部分を把持するときにユーザの手が位置される棚部を定義する球根状の形状を有する、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項15】
前記ハウジングは第1の材料を有し、
前記音響窓はより柔らかい第2の材料を有する、
請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項16】
システムであって、
ユーザによって把持されるように構成されるハウジングと、
前記ハウジングに結合され、超音波データを得るように構成されるトランスデューサアレイと、
前記トランスデューサアレイの上に配置される音響窓であって、前記音響窓は、被検体に接触するように構成される端面を有し、前記端面は、一つ又はそれより多くの湾曲セクション及び一つ又はそれより多くの直線セクションを含む複合形状を有する、音響窓と
を有する、超音波プローブと、
前記超音波プローブと通信し、前記超音波データに基づいて超音波画像を生成するように構成されるコンピュータと
を有し、
前記音響窓は、前記端面を囲む周辺部を備え、
前記周辺部は、前記端面に隣接する丸みを帯びたエッジを有し、
前記周辺部は、前記丸みを帯びたエッジに隣接する横方向表面を有し、
前記音響窓は、前記横方向表面に隣接する近位端を有し、
前記近位端は、前記ハウジングの遠位端から離間し、
前記横方向表面は、前記ハウジングの遠位端に対して斜めの角度で延在する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に超音波プローブに関し、特に、音響ウィンドウのサイズを有利に最大化し、超音波プローブのフットプリントを最小化する複合形状を有する音響ウィンドウに関する。背景 超音波プローブは、その非侵襲的な性質及び増加し続ける分解能のため、現代の日常診療において必須の診断ツールとなっている。超音波スキャンの間、超音波検査技師は患者の内側に明確な音響経路を必要とし、明確な、妨害されない画像を生成する。超音波画像診断における1つの大きな障害は、画像を妨げる患者の骨である。これは、心臓スキャン中の肋骨に特に当てはまる。心臓の明確な、妨害されない画像を得るために、超音波検査者は、肋骨空間の間にトランスデューサを配置しなければならない。このような明瞭で妨害されない画像を生成することは、肋骨間の隙間が小さい小児患者にとっては困難である。超音波検査技師がプローブと肋骨との間の薄い組織に追加の圧力を加える可能性があるので、画像を探索することも患者にとって不快である可能性がある。超音波プローブのハンドル部分は、典型的には硬質プラスチックで作られる。従来の超音波プローブは患者の肋骨に入り込む硬いプラスチック製のノーズを有し、これは、患者、特に、より高齢及び/又はより薄い患者に不快感を引き起こす。患者の不快感は、超音波検査技師が患者を傷つけることなく必要な画像を得ようとするため、スキャン時間を長くすることにつながることが多い。
【背景技術】
【0002】
本開示は、複合形状を有する音響窓を有する改善される超音波プローブを提供する。特に、撮像中に患者に接触する音響窓の連続表面は、湾曲セクションの両側に2つの直線セクションを有する湾曲セクションを有する。2つの真っ直ぐな部分は例えば患者の肋骨に対して配置されるスタビライザとして働き、その結果、中心の湾曲セクションは肋骨間の空間に配置される。これは、超音波プローブが例えば患者の心臓のより高品質の画像をより容易に取得することを有利に可能にする。湾曲セクションと直線セクションとの間の遷移は、撮像プロシージャ中に音響窓と患者の皮膚との間に超音波ゲルを捕捉する側溝を形成する。より多くの超音波ゲルの存在は画像品質を改善し、ユーザが超音波ゲルを再適用する必要がない可能性が低いため、撮像プロシージャを高速化する。また、湾曲部は従来の装置と比較して、曲率半径がより小さく、これは、音響残響を有利に低減し、超音波画質を改善する。音響窓は、患者に接触する超音波プローブの端部全体を形成する。これは、超音波プローブのハウジングに使用されるより硬い材料と比較して、音響窓がより柔らかい材料で形成されるため、患者にとってより快適である。これはまた、患者に接触する超音波プローブの端部における硬質プラスチックの設置面積又は量を減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フットプリントを最小限にすることにより、ユーザは、超音波プローブを患者の皮膚上に配置して、患者の体内の所望の解剖学的構造を撮像することがより迅速かつ容易になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な実施形態によれば、超音波プローブが提供される。超音波プローブはユーザによって把持されるように構成されるハウジングと、前記ハウジングに連結され、超音波データを取得するように構成されるトランスデューサアレイと、前記トランスデューサアレイの上に配置される音響窓とを含み、前記音響窓は被検体に接触するように構成される端面を含み、前記端面は、一つ又はそれより多くの湾曲セクション及び一つ又はそれより多くの直線セクションを含む複合形状を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、複合形状が湾曲セクションと、湾曲セクションの両側に配置される第1の直線セクション及び第2の直線セクションとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、湾曲セクションは凸状である。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の直線セクション及び第2の直線セクションが斜めに角度が付けられている。
【0008】
いくつかの実施態様において、端面は第1の寸法と、垂直な第2の寸法とを含み、第2の寸法は第1の寸法よりも大きく、湾曲セクション、第1の直線セクション、及び第2の直線セクションは第2の寸法に沿って長手方向に延在する。
【0009】
いくつかの実施形態では音響窓が超音波ゲルを保持するように構成される一つ又はそれより多くの側溝を備え、一つ又はそれより多くの側溝は一つ又はそれより多くの湾曲セクションと一つ又はそれより多くの直線条との間の端面の複合形状の遷移部を備える。
【0010】
いくつかの実施態様において、前記一つ又はそれより多くの側溝は、前記湾曲セクションと前記第1の直線セクションとの間の遷移を含む第1の側溝と、前記湾曲セクションと前記第2の直線セクションとの間の遷移を含む第2の側溝とを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、遷移部は凹面である。
【0012】
いくつかの実施形態では、音響窓が第1の直線セクションが第1のリブに対して位置決めされるように構成され、第2の直線セクションが隣接する第2のリブに対して位置決めされるように構成され、湾曲セクションが第1のリブと第2のリブとの間の組織に対して位置決めされるように構成されるように、構造的に配置される。
【0013】
いくつかの実施態様において、音響窓は、端面を囲む周辺部を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、周辺部が端面に隣接する丸みを帯びたエッジを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、周辺部が丸みを帯びたエッジに隣接する側面を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、側面が端面に対して斜めに傾斜している。
【0017】
いくつかの実施形態では、超音波プローブが音響窓の端面が遠位表面の全体を形成する遠位表面と、音響窓の周辺部の側面が側面の第1の部分を形成し、ハウジングが側面の第2の部分を形成する側面とをさらに備える。
【0018】
いくつかの実施態様において、音響窓は、長方形の輪郭を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイが2次元アレイを含む。
【0020】
いくつかの実施形態ではハウジングが遠位部分と近位部分とを含み、遠位部分は近位部分を把持するときにユーザの手が当接して配置される棚を定義する球根状の形状を含む。いくつかの実施形態ではハウジングが第1の材料を含み、音響窓はより柔らかい第2の材料を含む。
【0021】
例示的な実施形態によれば、システムが提供される。システムはユーザによって把持されるように構成されるハウジングと、ハウジングに結合され、超音波データを取得するように構成されるトランスデューサアレイと、トランスデューサアレイの上に配置される音響ウィンドウとを備え、音響ウィンドウは被検体に接触するように構成される端面を備え、端面は一つ又はそれより多くの湾曲セクション及び一つ又はそれより多くの直線セクションを含む複合形状を備え、超音波プローブと通信し、超音波データに基づいて超音波画像を生成するように構成されるコンピュータとを備える、超音波プローブを含む。本開示のさらなる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるのであろう。本開示の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の態様による、コンソール及び超音波プローブを含む超音波画像システムの概略図である。
【
図2】本開示の態様による超音波プローブの概略斜視図である。
【
図3】本開示の態様による、超音波プローブの音響ウィンドウの図形的上面図である。
【
図4】本開示の態様による、音響窓及びハウジングの遠位部分を含む、超音波プローブの遠位端部の図形的側面図である。
【
図5】
図4の超音波プローブの概略的な断面側面図である。
【
図6】本開示の態様による、音響窓及びハウジングの遠位部分を含む超音波プローブの遠位端の、
図4に対して90°回転された概略側面図である。
【
図7】本開示の態様による、
図6の超音波プローブの図形的断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、ここで、図面に示される実施形態を参照し、それを説明するために特定の言語を使用する。それにもかかわらず、本開示の範囲への限定は意図されないことが理解される。記載されるデバイスに対する任意の変更及びさらなる修正、ならびに本開示の原理の任意のさらなるアプリケーションは本開示が関係する当業者に通常想起されるように、本開示内に完全に企図され、含まれる。特に、一実施形態に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせることができることが十分に企図される。しかしながら、簡潔さのために、これらの組み合わせの多数の反復は、別々に説明されない。
【0024】
図1は、本開示の態様による超音波画像システム100の概略斜視図である。超音波画像システム100は、コンソール102及び超音波プローブ108を含む。超音波撮像システム100は解剖学的構造の超音波画像を取得し、表示するために使用されてもよい。いくつかの状況では、システム100が追加の要素を含むことができ、及び/又は
図1に示す要素のうちの1つ又は複数なしで実装することができる。超音波プローブ108は被検体の体内の解剖学的構造を視覚化するために、被検体の解剖学的構造上又はその近くに配置されるように、サイズ及び形状が決められ、構造的に配置され、及び/又は他の方法で構成される。被検体は、ヒト患者又は動物であってもよい。超音波プローブ108は、被検体の身体に配置することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、超音波プローブ108が被検体の身体に近接及び/又は接触して配置される。例えば、超音波プローブ108は、被検体の身体上に直接配置されてもよく、及び/又は被検体の身体に隣接して配置されてもよい。超音波画像に示される解剖学的構造のビューは、超音波プローブ108の位置及び向きに依存する。解剖学的構造の超音波データを得るために、超音波プローブ108はトランスデューサアレイ112が超音波を放射し、解剖学的構造の所望の部分から超音波エコーを受信するように、医師、超音波検査技師、及び/又は他の医療従事者などのユーザによって適切に位置決めされ、配向され得る。超音波プローブ108は携帯可能であり、医療環境での使用に適している。
【0026】
いくつかの例では、超音波プローブ108が超音波画像デバイス、診断撮像デバイス、外部撮像デバイス、経胸腔心エコー検査(TTE)プローブ、及び/又はそれらの組み合わせとして参照され得る。
【0027】
超音波プローブ108は、構造的に配置され、サイズ決めされ、成形され、及び/又は他の方法でユーザが手持ち式に把持するように構成されるハウジング110を含む。ハウジング110は、場合によってはハンドルとして参照することができる。場合によっては、ハウジング110の近位部分107をハンドルと呼ぶことができる。ハウジング110は電子回路116及びトランスデューサアレイ112などの撮像装置108の様々な構成要素を取り囲み、保護する。様々なコンポーネントを固定するためのスペースフレームのような内部構造は、ハウジング110内に配置されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ハウジング110が製造中に互いに接合される2つ以上の部分を含む。ハウジング110は、プラスチック、ポリマー、複合材料、又はそれらの組み合わせを含む任意の適切な材料から形成することができる。例えば、ハウジング110は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルホン(PSU)、及び/又はポリブチレンテレフタレート(PBT)から形成することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハウジング110の材料がガラス繊維を含むことができる。ハウジング110及び/又は超音波プローブ108は、近位端117で終端する近位部分107と、遠位端115で終端する遠位部分105とを含む。場合によっては、超音波プローブ108が近位部分107及び遠位部分105を有するものとして説明することができる。トランスデューサアレイ112を含む超音波プローブ108の画像アセンブリは、遠位部分105に配置される。超音波プローブ108の撮像アセンブリの全部又は一部は、遠位端115を画定することができる。トランスデューサアレイ112は、ハウジング110に直接又は間接的に結合することができる。超音波プローブ108のオペレータは解剖学的構造が弾性的に圧縮されるように、超音波プローブ108の遠位端115を患者の身体に接触させることができる。例えば、トランスデューサアレイ112を含む撮像アセンブリは、被検体の身体上に直接又は身体に隣接して配置することができる。
【0030】
いくつかの例では、遠位部分105は、トランスデューサアレイ112が被検体の身体に隣接するように、被検体の身体と直接接触して配置される。超音波プローブ108は、患者の任意の適切な解剖学的構造に関連する超音波撮像データを取得するように構成される。例えば、限定されるわけではないが、超音波プローブ108は、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺;管;腸管;脳、硬膜嚢、脊髄及び末梢神経を含む神経系構造;尿路;ならびに血管、血液、チャンバー又は心臓の他の部分、及び/又は身体の他のシステム内の弁を含む任意の数の解剖学的位置及び組織タイプを検査するために使用され得る。解剖学的構造は、心臓血管系、末梢血管系、神経血管系、腎臓血管系、及び/又は体内の任意の他の適切な管腔を含む、患者の血管系の動脈又は静脈などの血管であってもよい。自然構造に加えて、超音波プローブ108は、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、及び他のデバイスなどであるがこれらに限定されない人工構造を検査するために使用されてもよい。トランスデューサアレイ112は超音波信号を放射し、放射される超音波信号に対応する超音波エコー信号を受信するように構成される。エコー信号は、被検体の身体を有する解剖学的構造からの超音波信号の反射である。超音波エコー信号は、超音波プローブ108内及び/又はコンソール102内の電子回路116によって処理され、超音波画像を生成してもよい。
【0031】
トランスデューサアレイ112は超音波プローブ108の撮像アセンブリの一部であり、トランスデューサアレイ112の送信側に音響窓/レンズ及び整合材料を含み、トランスデューサアレイ112の裏面に音響裏打ち材料を含む。音響窓及び整合材料はトランスデューサアレイ112の送信側から所望の方向(例えば、患者の身体への外向き)への超音波エネルギーの伝播を容易にする音響特性を有する。バッキング材料はトランスデューサアレイ112の背面から望ましくない方向(例えば、内側、患者の身体から離れる方向)への超音波エネルギーの伝播を妨げるか、又は制限する音響特性を有する。
【0032】
トランスデューサアレイ112は、任意の数のトランスデューサ素子を含んでもよい。例えば、アレイは1個の音響素子と10000個の音響素子との間に、2個の音響素子、4個の音響素子、15個の音響素子、64個の音響素子、128個の音響素子、500個の音響素子、812個の音響素子、3000個の音響素子、9000個の音響素子、及び/又は、より大きくても小さくてもよい。トランスデューサアレイ112のトランスデューサ素子は線形アレイ、平面アレイ、湾曲アレイ、湾曲アレイ、円周アレイ、環状アレイ、フェーズドアレイ、マトリクスアレイ、一次元(1D)アレイ、1.x次元アレイ(例えば、1.5Dアレイ)、又は二次元(2D)アレイなどの任意の適切な構成で配置されてもよい。トランスデューサ素子のアレイ(例えば、一つ又はそれより多くの行、一つ又はそれより多くの列、及び/又は一つ又はそれより多くの向き)は、均一に又は独立して制御され、活性化され得る。
【0033】
トランスデューサアレイ112は、患者の解剖学的構造の一次元、二次元、及び/又は三次元画像を得るように構成することができる。超音波トランスデューサ素子は、圧電/圧電抵抗素子、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)素子、容量マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)素子、及び/又は任意の他の適切なタイプの超音波トランスデューサ素子であってもよい。トランスデューサアレイ112は電子回路116と通信している(例えば、電気的に結合されている)。電子回路116は超音波画像データを得るため、及び/又は得られた超音波画像データを処理するために、トランスデューサアレイ112を制御するための、集積回路(IC)を含む任意の適切な受動電子コンポーネント又は能動電子コンポーネントとすることができる。例えば、電子回路116は、一つ又はそれより多くのトランスデューサ制御ロジックダイを含むことができる。電子回路116は、一つ又はそれより多くの特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ICのうちの1つ以上がマイクロビーム形成器(μBF)、取得コントローラ、トランシーバ、電力回路、マルチプレクサ回路(MUX)などを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、電子回路116がプロセッサ、メモリ、ジャイロスコープ、及び/又は加速度計を含むことができる。電子回路116は、超音波プローブ108内に配置され、ハウジング110によって囲まれる。超音波プローブ108はコンソール102と超音波プローブ108の一つ又はそれより多くの構成要素(例えば、トランスデューサアレイ112及び/又は電子回路116)との間の信号通信を提供するためのケーブル114を含む。ケーブル114は、コンソール102と超音波プローブ108との間で電気信号を伝えるように構成される複数の導電体120を含む。例えば、トランスデューサアレイ112によって得られた撮像データを表す電気信号は、超音波プローブ108から導電体120を介してコンソール102に伝送され得る。制御信号及び/又は電力は、コンソール102から導電体120を介して超音波プローブ108に送信することができる。ケーブル114及び/又は導電体120は、独自の接続、イーサネット(登録商標)接続、任意のバージョンのユニバーサルシリアルバス(USB)接続、又は任意のバージョンのミニUSBなど、任意のタイプの有線接続を提供することができる。また、ケーブル114は、導電体120を囲む導管118を含むことができる。導管118は、外部素子への直接の露出を防止することによって、導電体120を保護する。ケーブル114の遠位部分109は、超音波プローブ108のハウジング110の近位部分107に連結される。コネクタ124は、ケーブル114の近位部分113に配置される。コネクタ124は、コンソール102と取り外し可能に結合するように構成される。超音波プローブ108とコンソール102との間の信号通信は、コネクタ124がコンソール102のレセプタクル103内に受信されると確立される。その点に関して、超音波プローブ108は、コンソール102に電気的及び/又は機械的に結合することができる。コンソール102は、場合によってはコンピュータ又はコンピューティング装置として参照することができる。コンソール102は、ユーザインターフェース104及びディスプレイ106を含む。コンソール102は超音波プローブ108によって取得される超音波撮像データを処理して超音波画像を生成し、ディスプレイ106上に超音波画像を出力するように構成される。ユーザは、超音波プローブ108による超音波撮像データの取得、及び/又はユーザインターフェース104で入力を提供することによる超音波画像のディスプレイの様々な態様を制御することができる。撮像装置108及びディスプレイ106は、コンソール102に直接的又は間接的に通信可能に結合されてもよい。コンソール102及び/又は超音波プローブ108によって、一つ又はそれより多くの画像処理ステップを完了することができる。コンソール102及び/又は超音波プローブ108は、メモリと通信する一つ又はそれより多くのプロセッサを含むことができる。
【0036】
プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、又は本明細書で説明する動作を実行するように構成されるそれらの任意の組合せとすることができる。ある実施形態では、メモリはランダムアクセスメモリである。他の実施形態では、メモリがキャッシュメモリ(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フィールドプログラマブルゲートアレイ読出し専用メモリ(PROM)、消去可能フィールドプログラマブルゲートアレイ読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能フィールドプログラマブルゲートアレイ読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ装置、ハードディスクドライブ、揮発性及び不揮発性メモリの他の形態、又は異なる種類のメモリの組み合わせである。ある実施形態では、メモリが一時的でないコンピュータ可読媒体を含んでもよい。メモリは命令を記憶することができる。命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本明細書に記載する動作を実行させる命令を含み得る。
【0037】
コンソール102は
図1に示す実施形態では可動カートであるが、コンソール102は一体化されるプロセッサ、メモリ、及びディスプレイを有するモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、又は携帯情報端末(PDA))とすることができることを理解される。例えば、モバイル装置のタッチスクリーンは、ユーザインターフェース104及びディスプレイ106であり得る。
【0038】
図2は、本開示の態様による超音波撮像プローブ108の概略斜視図である。超音波プローブ108の動作中、ユーザは、ハウジング110の近位部分107の周辺部に片手を位置する。ハウジング110の近位部分107は、その側面に形成される投影210を含むことができる。
図2の図示される実施形態では、プローブ108の片側の投影210が示されている。プローブ108の反対側に別の投影210を設けることができることを理解される。投影210は、ハウジング110の隣接部分から外側に延在する投影である。この点に関して、遠位部分105及び/又は近位部分107は、概して滑らかな外面を有することができる。投影210は、ユーザがハウジング110上でより良好なグリップを有することを可能にする、滑らかな外面における構造的変動である。一般に、ハウジング110は、リッジ、溝、投影、テクスチャリング、及び整形を含む、ユーザのグリップを改善する任意の適切な構造的変動を含むことができる。ハウジング110の遠位部分105は、より狭い近位部分107とのインターフェースで球根状の形状203を有することができる。球根状部分203(例えば、球根状部分の基部、より狭い近位部分107とのインターフェース)はユーザが近位部分107を把持したときに、ユーザの手が当接して配置される棚部を画定する。いくつかの例では、リッジが超音波プローブ108を撮像のための所望の位置及び/又は向きに配置しながら、ユーザが押すためのてこ作用を提供する。投影210及び/又は球状形状203は超音波プローブ108の人間工学を有利に改善し、超音波プローブ108をユーザが確実に保持するためにより快適にすることができる。遠位部分105は、球根状部分203からハウジング110の遠位端205まで先細になっている。
【0039】
いくつかの例では、ハウジング110の遠位部分105が超音波プローブ108のノーズピース又はノーズとして参照され得る。超音波プローブ108の遠位端115は、トランスデューサアレイ112(
図1)の上に配置される音響窓202を含む。音響窓202は、いくつかの例ではレンズとして参照され得る。音響窓202は、超音波プローブ108の撮像アセンブリの一部を形成する。この点に関して、音響窓202は、トランスデューサアレイ112に機械的及び/又は音響的に結合することができる。例えば、音響窓202はトランスデューサアレイ112の送信側と直接的又は間接的に(例えば、接着剤を介して)接触することができる。
【0040】
本明細書で説明するように、音響窓202は、超音波プローブ108の有用性、画質、及び患者の快適性を有利に改善する複合形状を有する。音響窓202は、ハウジング110の遠位部分105に隣接して、及び/又は近接して配置される。音響窓202は、撮像中に音響窓202が被検体の皮膚に接触したときに患者に接触する最遠位端表面207を含む。端面207は超音波プローブ108の遠位面(例えば、最外面及び最遠位面)の全体を形成することができる。音響窓202は、端面207を囲む周辺部209を含むことができる。周辺部209は、超音波プローブ108の側面の遠位部分を形成する。その点に関し、超音波プローブ108の遠位端部115において、音響窓202(ハウジング110ではなく)は、端面及び側面の両方を画定する。超音波プローブの側面のより近位の部分は、ハウジング110の外面によって形成される。超音波プローブ108は、有利にはより小さいノーズフットプリントを含む。この点に関して、従来、ハンドルがプローブの最遠位端の少なくとも一部を形成するので、プローブはより大きなフットプリントを有する。すなわち、従来の装置では、遠方のほぼ端部のハンドルにある程度のスペースが必要であったため、より大きな設置面積が必要であった。超音波プローブ108の遠位ほぼ端部207からハウジング110の遠位部分105を除去し、代わりに超音波プローブ108の遠位ほぼ端部207に音響窓202のみを有することによって、ノーズフットプリントのサイズが有利に低減される。超音波プローブ108の設置面積が小さいため、音響窓202は超音波検査技師によって患者の肋骨の間により容易に位置決めすることができ、これは肋間空間においてより高品質の画像を有利に提供する。肋骨空間におけるより良好な位置決めはまた、有利には、患者の肋骨によって引き起こされるような超音波画像における画像化アーチファクトの可能性を減少させる。より小さいノーズフットプリントはまた、ユーザが所望の位置及び/又は向きで音響ウィンドウ202を位置決めすることがより容易であるため、超音波プローブ108による診断画像を達成する際の効率を有利に向上させる。音響窓202は、ハウジング110を形成する材料よりも柔らかい及び/又は弾性のある材料で形成することができる。この点に関して、音響窓202は、プラスチック、ポリマー、複合材料、又はそれらの組み合わせなどの、任意の適切な音響的に好ましい材料で形成することができる。より柔らかい音響窓202は超音波プローブ108の遠位端115における端面及び側面を定義するので、撮像プロシージャは有利にはユーザが解剖学的構造のより明確な視野を得るために患者に対してプローブを角度付け又は押す場合であっても、患者にとってより快適である。対照的に、従来、プローブの表面(例えば、端部及び/又は側面)の一部又は全部に形成されるハンドルの硬質プラスチックは、患者に不快感を引き起こしていた。
【0041】
いくつかの実施態様では、音響窓202がハウジング110の遠位端205から離間している。充填材料208はハウジング110の内部への流体の進入及び/又は生物学的材料の蓄積がないように、音響窓202と遠位端205との間の空間に配置され得る。充填材料208は、接着剤、シリコーン、エポキシ、樹脂、ゴム、他の適切な材料、及び/又はそれらの組み合わせであり得る。例えば、充填材料208は、室温加硫(RTV)シリコーンゴム、接着剤、及び/又はエポキシド基を含有するプレポリマー及びポリマーとすることができる。
図3乃至
図7は、本開示の態様による、ハウジング110の音響窓202及び/又は遠位部分105を含む、超音波プローブ108の遠位端115における一つ又はそれより多くの構成要素を示す。
図3は、音響窓202の概略上面図である。
図4は、超音波プローブ108の遠位端115の概略側面図である。
図5は、
図4に示される超音波プローブ108の遠位端115の概略的な断面側面図である。
図6は、
図4に示す図に対して90°回転した超音波プローブ108の遠位端115の概略側面図である。
図7は、
図6に示される超音波プローブ108の遠位端115の概略的な断面側面図である。患者に接触する音響窓202の最遠位端表面207は、湾曲セクション302と、直線セクション304と、直線セクション306とを含む。湾曲セクション302及び直線セクション304、306は、音響窓202の外側、遠位表面である。直線セクション304、306は、湾曲セクション302の両側に配置されている。直線セクション304、306は、ほぼ平坦であってもよい。
図4及び
図5に示すように、直線セクション304、306は例えば、ハウジング110の遠位端205に対して斜めの角度で延在し、これは、水平方向に0°で延在することができる。湾曲セクション302は、凸形状を有することができる。直線セクション304、306は、湾曲セクション302から連続的に延びて、端面207のための複合形状を形成する。端面207の複合形状は、心臓画像に特に有利である。その点に関して、音響窓202は、直線セクション304が1つの肋骨に対して位置決めされ、直線セクション306が隣接する肋骨に対して位置決めされ、湾曲セクション302が2つの隣接する肋骨の間の組織に対して位置決めされるように肋間空間内に位置決めすることができる。直線セクション304、306は、音響窓202及び/又は超音波プローブ108のためのスタビライザとして有利に働く。従来のデバイスは患者の皮膚に接触する単一の形状(例えば、平面形状又は単一の曲率半径を有する曲線形状)のみを含み、これは、超音波検査技師による任意の動きに特に敏感である。直線セクション304、306は患者の肋骨に当接しているので、超音波プローブ108は超音波検査中の揺れが少ない。直線セクション304、306は、超音波撮影者が画像ウインドウを取得した後に超音波プローブ108の位置を保持するのを助ける。これは、患者の検査中の画像の繰り返しを回避することによって、画像ワークフローの効率を有利に改善する。音響窓202及び/又は遠位ほぼ端部表面207は、幾つかの例では少なくとも2次元を参照して説明することができる。2つの寸法は、
図3乃至7のx次元とy次元として特定される。 2つの寸法は互いに垂直である。
【0042】
例示的な実施形態において、湾曲セクション302はy次元に沿った正の曲率のみを有し、x次元(
図6及び
図7)を有さない。正の曲率は、湾曲セクション302のための凸形状を提供することができる。湾曲セクション302及び直線セクション304、306は、x次元に沿ってゼロ湾曲を有する(
図6及び7)。また、直線セクション304、306は、y次元に沿ったゼロ曲率を有する(
図4及び5)。音響窓202は、第3の寸法を参照して説明することもできる。例えば、音響窓202は、z次元の高さを含む。音響窓202は、x次元に沿った中心軸342とy次元に沿った中心軸344とを中心に対称とすることができる(
図3)。音響窓202及び/又は遠位のほぼ端部表面207は
図3のトップダウン図に示すように、ほぼ矩形の輪郭を有することができる。音響窓202及び/又は表面207のほぼ矩形の輪郭は、丸い角を有することができる。音響窓202及び/又は表面207は、x次元ではより長く、y次元ではより短くすることができる。その点に関し、湾曲セクション302及び直線セクション304、306は、より長いx次元に沿って長手方向に延在することができる。音響窓202の長さ334は、22.4mm、24mm、24.5mmなどの値、及び/又はより大きい及びより小さい両方の他の適切な値を含む、約15mmと約30mmとの間、及び/又は約20mmと25mmとの間とすることができる。音響窓202の幅332は、16mm、17.4mm、19mmなどの値、及び/又はより大きい及びより小さい両方の他の適切な値を含む、約10mmと約20mmとの間、及び/又は約15mmと18mmとの間とすることができる。周辺部209は、幅317及び長さ319などの寸法を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、幅317及び/又は長さ319が約1mmと約3mmとの間とすることができる。
図5に示されるように、湾曲セクション302は、曲率半径502を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、曲率半径502が23mm、25mm、27mmなどの値、及び/又はより大きい値及びより小さい値の両方の他の適切な値を含む、約20mmと約30mmとの間とすることができる。湾曲セクション302の曲率半径502は、有利には従来の装置の曲率半径よりも小さいか、又は狭い。この点に関して、湾曲セクション302は、ノーズ上でより平坦な輪郭を有する従来の装置におけるものよりも湾曲しているか、又はより凸状である。よりタイトな曲率半径502は超音波送信中の残響を減少させ、これは有利には超音波画質を改善する。
【0045】
いくつかの実施態様において、湾曲セクション302は、より大きな(より平坦)又はより小さな(湾曲した)曲率半径502を有することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、湾曲セクション502が球面半径を有することができる。例えば、湾曲セクション502はx次元及びy次元の両方において正の湾曲(例えば、凸状)を有することができる。音響ウィンドウ202は、トランスデューサアレイ112が各トランスデューサ素子又はトランスデューサ素子群を個別に制御することができる二次元マトリックスアレイである実施形態において特に有利であり得る。いくつかの例では、マトリックスアレイが線形アレイよりも大きな開口を有する。
【0047】
本開示の態様によれば、音響ウィンドウ202は、プローブ108のノーズフットプリントを、線形アレイプローブのノーズフットプリントよりも小さいか等しいサイズに最小化する。音響ウィンドウ202の一実施形態をマトリクスアレイに関して説明するが、超音波プローブ108は任意の適切なタイプの超音波アレイ112を含むことができることを理解される。例えば、音響ウィンドウ202のための同じ設計を、線形アレイプローブ上で使用することができる。湾曲したノーズ設計は、ユーザが診断画像を得ることができる速度を有利に増加させることによって音響的に役立つ。トランスデューサアレイ112の例示的プロファイルを
図3に示す。トランスデューサアレイ112のプロファイルは、一部の実施形態では矩形であってもよい。トランスデューサアレイ112の領域は、曲線セクション302及び音響窓202の直線セクション304、306と重なる。音響窓202は
図5及び
図7に示すように、遠位端面207と内部表面510との間に厚さを含む。内部表面510は、トランスデューサアレイ112及び/又は電子回路116が配置されているハウジング110内の空間506に隣接している。
【0048】
いくつかの実施形態では、内面510が丸みを帯びた角を有する概ね平坦である。例えば、内面510は、湾曲セクション302及び直線セクション304、306の部分と重なる領域において、x次元及びy次元においてゼロ湾曲を有することができる。内面510の透過側は内面510と直接又は間接的に(例えば、接着剤を使用して)接触させることができる。遠位のほぼ端の表面207の曲率のために、音響窓202の厚さは、y次元(
図5)に沿って変化する。この点に関して、湾曲セクション302は、直線セクション304、306よりも厚い。x次元に沿った任意の所与の軸について、音響窓202の厚さは変化しない。何故ならば、遠位のほぼ端の表面207はx次元に沿ったゼロ曲率を有するからである(
図7)。
図5及び
図7に示されるように、音響窓の近位部分508は、ハウジング110の遠位部分105内に受け入れられる。音響窓202は側溝324、326を含み、これらは湾曲セクション302の反対側に配置されている。側溝324、326は、撮像プロシージャ中に超音波ゲルを保持するような大きさ及び形状にされ、構造的に配置され、及び/又は構成される。側溝324、326は、湾曲セクション302と直線セクション304、306との間の遠位のほぼ端部表面207の形状の遷移である。その点に関し、側溝324は湾曲セクション302と直線セクション304との間の遷移によって形成され、側溝326は湾曲セクション302と直線セクション306との間の遷移によって形成される。溝324、326の各々は、端面207の形状の変化の結果として、ほぼ凹状の半径を有するものとして説明することができる。側溝324、326の間に超音波ゲルを捕捉することは、有利なことに、撮像中に音響窓202と患者の皮膚との間に配置されるゲルの量を増加させる。従来のデバイスは単一の曲率半径を有し、これは、超音波ゲルの捕捉を補助しない。実際、超音波ゲルは、従来の装置によって押し出される可能性がより高い。したがって、超音波検査技師は、従来の撮像プロシージャ中にゲルを再塗布しなければならない。側溝324、326は、超音波ゲルを走査領域内に保持するための壁を提供する。音響窓202と患者の皮膚との間により多くの超音波ゲルを維持することは、超音波ゲルが超音波信号の送信及び受信を容易にするために音響インピーダンス整合されるので、画像品質を有利に改善する。また、超音波検査技師が患者に超音波ゲルを再塗布する必要が少ないため、撮像プロシージャ中のスキャン時間も有利に短縮される。音響窓202の周辺部209は、遠位のほぼ端の表面207を取り囲んでいる。周辺部209は、丸い角を有するほぼ矩形の輪郭(
図3)を有することができる。周辺部209は、最遠位端表面207に隣接する丸みを帯びたエッジ314と、エッジ314に隣接する横方向312とを含むことができる。周辺部209は、端面207から延在して、超音波プローブ108の連続した遠位端面207及び側面を形成する。この点に関して、丸みを帯びたエッジ314及び/又は側表面312は最遠位端表面207とともに、音響窓202の複合形状を形成することができる。例えば、丸みを帯びたエッジは湾曲した部分であってもよく、横方向312は真っ直ぐな部分であってもよい。
図5に示されるように、例えば、エッジ314は、曲率半径504を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、半径504が0.50mm、0.75mmなどの値、及び/又はより大きい値及びより小さい値の両方の他の適切な値を含む、約0.50mmと約1mmとの間とすることができる。
【0050】
いくつかの例では半径504が0.50mm以上であり、これは患者の快適性及び製造可能性のために、少なくとも最小量の曲率を可能にする。最大許容半径は部品(例えば、音響窓202)の所望のフットプリント及び厚さの最適化であり得る。場合によっては部品の厚さ、したがって半径504は超音波プローブ108によって撮像される解剖学的構造などの用途に依存することができる。エッジ314は音響窓202の一部であるため、エッジ314を形成する柔軟材料は硬質プラスチックで形成される従来のデバイスにおけるエッジよりも柔らかい。これは、患者の快適さを有利に改善する。この点に関して、音響窓202は、撮像中に患者の皮膚内に不快に延在する可能性がある、より硬く、より鋭いエッジを回避する。むしろ、エッジ314は、患者の皮膚と接触したときにより穏やかな、より柔らかく、より大きな曲線を提供する。
図4乃至7に示すように。周辺部209の横方向312は例えば、ハウジング110の遠位端205に対して斜めの角度で延在し、これは、水平に0°で延在し得る。
図4乃至7に示すように。音響窓202は、横方向312に隣接する近位エッジ402を含む。近位縁402は、ハウジング110の遠位端205から離間している。
【0051】
いくつかの実施形態では、エッジ402がフィレットエッジとして参照することができる。エッジ402と遠位端205との間の空間404は、充填材料208(
図2)で充填される。音響窓202及び/又はハウジング110のような超音波プローブ108の構成要素は、適切な処理を用いて製造することができる。任意の特定の製造プロセス又は技術への限定は、本開示から意図されるか、又は暗示されるべきではない。当業者であれば、上述の装置、システム、及び方法は、様々な方法で修正することができることを理解するのであろう。したがって、当業者は、本開示によって包含される実施形態が上述の特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するのであろう。その点に関して、例示的な実施形態が示され、説明されてきたが、前述の開示において、広範囲の修正、変化、及び置換が企図される。このような変動は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記になされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示と一致するように広く解釈されることが適切である。