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特許7470777ウォーターマーキングを用いた動的コンテンツ修正中止の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ウォーターマーキングを用いた動的コンテンツ修正中止の制御
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20240411BHJP
【FI】
H04N21/235
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022506790
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020044762
(87)【国際公開番号】W WO2021026079
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】15/929,212
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/882,220
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521212432
【氏名又は名称】ロク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】スタブロプーロス ジョン エス
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0182973(US,A1)
【文献】特開2011-055206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0035174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに対する動的コンテンツ修正を前記コンテンツ提示装置に中止させるトリガイベントの発生を検出し、ここで、前記トリガイベントを検出することは、前記コンテンツ提示装置に配信されている前記メディアストリームによって表されるチャネルの変更を検出することを含むことと、
前記トリガイベントの発生を検出したことに応答して、前記コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに、前記コンテンツ提示装置に前記動的コンテンツ修正を中止させるものであると前記コンテンツ提示装置によって解釈可能な中止ウォーターマークを符号化することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、前記コンテンツ提示装置が前記動的コンテンツ修正を実行する指令を受け取った時点と、前記コンテンツ提示装置が前記動的コンテンツ修正の適用を開始する時点との間に実行され、前記動的コンテンツ修正を中止することは、前記動的コンテンツ修正をやめることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記コンテンツ提示装置が前記動的コンテンツ修正を適用している間に実行され、前記動的コンテンツ修正を中止することは、前記動的コンテンツ修正を中断することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記動的コンテンツ修正は、動的広告挿入を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記動的コンテンツ修正は、フィンガープリントベースの自動コンテンツ認識に応答するものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トリガイベントは、コンテンツ関連トリガイベントを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トリガイベントを検出することは、前記メディアストリームを前記コンテンツ提示装置に配信することに関与する少なくとも1つのエンティティによって実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記メディアストリームに前記中止ウォーターマークを符号化することは、前記メディアストリームを前記コンテンツ提示装置に配信することに関与する少なくとも1つのエンティティによって実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンテンツ提示装置によって受信されているメディアストリームに符号化された中止ウォーターマークを前記コンテンツ提示装置が検出し、ここで、前記中止ウォーターマークは、前記コンテンツ提示装置に配信されている前記メディアストリームによって表されるチャネルの変更を検出したことに応答して、前記メディアストリームに符号化されることと、
前記メディアストリームに符号化された前記中止ウォーターマークを検出したことに応答して、前記コンテンツ提示装置が前記メディアストリームの動的コンテンツ修正を中止することと、
含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記方法は、前記コンテンツ提示装置が前記動的コンテンツ修正を実行する指令を受け取った時点と、前記コンテンツ提示装置が前記動的コンテンツ修正の適用を開始する時点との間に実行され、前記動的コンテンツ修正を中止することは、前記動的コンテンツ修正をやめることを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記コンテンツ提示装置が前記動的コンテンツ修正を適用している間に実行され、前記動的コンテンツ修正を中止することは、前記動的コンテンツ修正を中断することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記動的コンテンツ修正は、動的広告挿入を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記動的コンテンツ修正は、フィンガープリントベースの自動コンテンツ認識に応答するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記コンテンツ提示装置によって受信されている前記メディアストリームに符号化された前記中止ウォーターマークを検出することは、前記メディアストリーム内でウォーターマークを検出し、前記検出されたウォーターマークが、前記コンテンツ提示装置に前記動的コンテンツ修正を中止させるものであると前記コンテンツ提示装置によって解釈可能な値を符号化していると判定することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ネットワーク通信インターフェイスと、
プロセッシングユニットと、
非一時的データストレージと、
前記非一時的データストレージに記憶されたプログラム命令と、
を備え、前記プログラム命令は、
コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに対する動的コンテンツ修正を前記コンテンツ提示装置に中止させるトリガイベントの発生を検出し、ここで、前記トリガイベントを検出することは、前記コンテンツ提示装置に配信されている前記メディアストリームによって表されるチャネルの変更を検出することを含むことと、
前記トリガイベントの発生を検出したことに応答して、前記コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに、前記コンテンツ提示装置に前記動的コンテンツ修正を中止させるものであると前記コンテンツ提示装置によって解釈可能な中止ウォーターマークを符号化することと、
を含む動作を実行するために前記プロセッシングユニットによって実行可能である、
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記動的コンテンツ修正は、動的広告挿入を含む、
請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/882,220号、及び2020年1月29日に出願された米国特許出願第15/929,212号に対する優先権を主張するものであり、これらの各文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
典型的なコンテンツ提示装置は、ビデオ及び/又はオーディオコンテンツなどのメディアコンテンツを表すアナログ又はデジタルメディアストリームを受信し、ディスプレイ画面及び/又はオーディオスピーカなどのユーザインターフェイス上にメディアコンテンツをレンダリングして提示するように動作する。このような装置の例としては、限定するわけではないが、テレビ、コンピュータモニタ、投影システム、スピーカ及びヘッドフォンなどが挙げられる。
【0003】
多くの場合、このようなコンテンツ提示装置は、メディアコンテンツの数多くの個別のチャネルにアクセスしてこのような所与のチャネルのメディアコンテンツを再生のためにコンテンツ提示装置に選択的に配信できるローカルセットトップボックス又は他の同様の装置又はリモートサーバなどの受信機と通信することができる。
【0004】
一例として、テレビは、高品位マルチメディアインターフェイス(HDMI(登録商標))ケーブル又はその他のインターフェイスによって、一連のケーブルテレビ又は衛星TVチャネルにアクセスできるケーブルTVセットトップボックスと通信可能に接続することができ、セットトップボックスは、特定のチャネルを選択するユーザ入力を受け取り、これに応答して選択されたチャネルに同調し、選択されたチャネルのメディアコンテンツをテレビに出力してユーザにメディアコンテンツを提示するように構成することができる。別の例として、スピーカは、一連のラジオ局にアクセスできるラジオと通信可能に接続することができ、ラジオは、特定のチャネル(局)を選択するユーザ入力を受け取り、これに応答して選択されたチャネルに同調し、選択されたチャネルのメディアコンテンツをスピーカに出力してユーザにメディアコンテンツを提示するように構成することができる。さらに別の例として、ディスプレイ又はスピーカなどのコンテンツ提示装置は、無数のオンラインストリーミングメディアチャネルにアクセスできるコンピュータと通信可能に接続することができ、コンピュータは、特定のチャネルを選択するユーザ入力を受け取り、これに応答して選択されたメディアコンテンツの受信及び出力を開始し、ディスプレイ及び/又はスピーカにメディアコンテンツを提供してユーザに提示するように構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8,359,205号明細書
【文献】米国特許第8,369,972号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0223062号明細書
【文献】米国特許第6,871,180号明細書
【文献】米国特許第5,764,763号明細書
【文献】米国特許第5,574,962号明細書
【文献】米国特許第5,581,800号明細書
【文献】米国特許第5,787,334号明細書
【文献】米国特許第5,450,490号明細書
【発明の概要】
【0006】
コンテンツ提示装置は、メディアストリームを受信してレンダリングする際に、そのメディアストリームがどのチャネルを表すものであるか、従ってコンテンツ提示装置がどのチャネルのメディアコンテンツをレンダリングしているかを示すものを有していないことがある。選択的にチャネルに同調してそのチャネルのメディアストリームをコンテンツ提示装置に提供する受信機、サーバ又はその他の装置はこのような情報を有することができるが、これらの他の装置からメディアコンテンツを受け取るコンテンツ提示装置は、このような情報を有していないことがある。例えば、テレビがケーブルTVセットトップボックスに結合されていて、ユーザがセットトップボックス上で特定のケーブルチャネルを選択した場合、セットトップボックスは、選択されたチャネルをその時点でセットトップボックスがテレビに出力されているメディアコンテンツを受信しているチャネルとして示すものを有することができる。しかしながら、テレビ自体は単にメディアコンテンツを受信してレンダリングするものにすぎず、選択されたチャネルを示すものを有していない場合がある。
【0007】
しかしながら、様々な理由で、コンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルが様々なチャネルのうちのどのチャネルであるかを判定することが有用な場合がある。さらに、チャネル選択装置(例えば、受信機又はリモコン装置)からその装置が同調しているチャネルについてのレポートを受け取ることなく、場合によってはチャネル選択装置の関与を一切伴わずに上記の判定を行うことが有用な場合もある。例えば、コンテンツ提示装置自体、及び/又はコンテンツ提示装置と協働しているネットワークサーバが、コンテンツ提示装置によってレンダリングされているメディアコンテンツの評価に基づいてチャネルを判定することが有用な場合がある。
【0008】
コンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネルが分かっていれば、ネットワークサーバ及び/又は別のエンティティは、数ある可能性の中でも特に、そのチャネルのメディアコンテンツが再生されている範囲を決定して記録し、メディアコンテンツの所定の部分を(置換広告を動的に挿入することなどの)選択的に代替コンテンツに置換し、メディアコンテンツにチャネル固有のコンテンツを重ね合わせてメディアコンテンツと共に提示することなどの、チャネルに連動した1又は2以上の動作を実行することができる。
【0009】
コンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネルを判定する1つの方法は、フィンガープリントベースの自動コンテンツ認識(ACR)を適用することである。フィンガープリントベースのACRでは、メディアコンテンツの様々な既知の各チャネル(例えば、コンテンツ提示装置にメディアコンテンツを供給するセットトップボックスのサブスクリプションプラン内の各チャネル)をそれぞれ表すデジタル基準フィンガープリントを含み、基準フィンガープリントが表すそれぞれのチャネルに基準フィンガープリントをマッピングする基準データをエンティティに提供することができる。さらに、コンテンツ提示装置によって現在レンダリングされているメディアコンテンツを表すデジタルクエリフィンガープリントをエンティティに提供し、エンティティが一致を発見するためにクエリフィンガープリントを基準フィンガープリントと比較することもできる。クエリフィンガープリントが特定のチャネルにマッピングされた基準フィンガープリントに一致すると判明すると、エンティティは、コンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルがその特定のチャネルであると判定することができる。
【0010】
フィンガープリントベースのACRの実装例では、メディアコンテンツの様々な既知のチャネルをコンテンツ提示装置に配信するように構成されたコンテンツ配信システムが、ACRサーバ(例えば、フィンガープリントマッチングサーバ)に定期的に基準データを提供して、ACRサーバがフィンガープリント分析を実施することを可能にすることができる。具体的には、コンテンツ配信システムは、様々なチャネルの各々についてフレーム毎に又は別様に継続的にタイムスタンプ付き基準フィンガープリントを生成し、基準フィンガープリントと、各基準フィンガープリントが表すチャネルに各基準フィンガープリントをマッピングする情報とを定期的にACRサーバに送信することができる。
【0011】
さらに、コンテンツ提示装置は、メディアコンテンツの所与のチャネルを表すメディアストリームを受信してレンダリングする際に、フレーム毎に又は別様に継続的にメディアコンテンツのタイムスタンプ付きクエリフィンガープリントを生成し、生成されたクエリフィンガープリントを分析のために定期的にACRサーバに送信することもできる。
【0012】
従って、ACRサーバは、継続的に或いは1又は2以上のトリガイベントに応答して、コンテンツ提示装置によって提供されたクエリフィンガープリントとコンテンツ配信システムによって提供された基準フィンガープリントとを比較することができる。そして、ACRサーバは、クエリフィンガープリントと基準データが特定のチャネルにマッピングする基準フィンガープリントとが一致することを十分な確実性で発見すると、そのチャネルがコンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルであると合理的に結論付けることができる。
【0013】
代表的な実装では、コンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネルを判定することが、ターゲット広告置換などの動的コンテンツ修正を容易にするのに役立つこともできる。
【0014】
一例として、コンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネルをACRサーバが判定すると、ACRサーバ又は別のエンティティは、この判定されたチャネルの素性を、そのチャネル上でいつコンテンツ修正機会が発生しようとしているかを検出する基礎として使用することができる。そして、ACRサーバ又は他のエンティティは、これに応答してコンテンツ修正機会の時点でコンテンツ提示装置にコンテンツ修正を実行させることができる。
【0015】
このチャネル固有の動作例は、コンテンツ配信システムがコンテンツ提示装置に送信するためにチャネルのメディアコンテンツを出力した時点から、コンテンツ提示装置がこのメディアコンテンツをレンダリングする時点までに存在する可能性が高い時間遅延を利用することができる。この遅延は、システムの構成によっては5~10秒程度になることもある。
【0016】
この遅延を考慮すると、コンテンツ配信システム、ACRサーバ及び/又は1又は2以上の他のエンティティは、コンテンツ提示装置に向かう途中のチャネル上のコンテンツ修正機会を定める特定のコンテンツの存在を、このコンテンツがコンテンツ提示装置に到着するよりも十分に前に検出することが可能と考えられる。この時、サーバは、この遅延期間中にコンテンツ提示装置との間で比較的素早い帯域外(例えば、インターネットプロトコル(IP)ベースの)通信を行うことによって、検出されたコンテンツが最終的にコンテンツ提示装置に到着した時にコンテンツ提示装置がタイムリーにコンテンツ修正を実行できるように、コンテンツ提示装置が検出されたコンテンツに対してコンテンツ修正を行う準備を整えることができる。
【0017】
コンテンツ修正については、例えばメディアコンテンツの様々な修正可能コンテンツセグメントの各々を表すデジタルフィンガープリントを含む修正可能コンテンツセグメントデータと、セグメントの継続時間、セグメントの識別子及び関連するコンテンツ修正のタイプ(例えば、置換又はオーバーレイ)などの、修正可能コンテンツセグメント毎の関連するメタデータとを予めACRサーバに提供しておくことができる。例えば、コンテンツ管理システムが予めこの情報を生成してACRサーバに提供しておくことができる。
【0018】
ACRサーバは、コンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルを識別し終えると、この識別されたチャネルを表す目下の基準フィンガープリントを、様々な修正可能コンテンツセグメントを表すフィンガープリントと比較することができる。そして、ACRサーバは、識別されたチャネルの基準フィンガープリントが特定の修正可能コンテンツセグメントを表すフィンガープリントに一致することを十分な確実性で発見すると、コンテンツ提示装置に向かう途中のメディアコンテンツがこの修正可能コンテンツセグメントを含んでいると合理的に結論付けることができる。さらに、これによってACRサーバは、識別されたチャネルの基準データから、修正可能コンテンツセグメントがいつチャネル上に存在するかを示すフレームタイムスタンプ又はその他のタイミング情報を決定することができる。
【0019】
ACRサーバ及び/又は別のエンティティは、コンテンツ提示装置に向かう途中のチャネルのメディアコンテンツに修正可能コンテンツセグメントが存在することをこのように検出すると、これに応答してコンテンツ提示装置と帯域外シグナリングを行って、コンテンツ提示装置がこの修正可能コンテンツセグメントに対してコンテンツ修正を実行することを可能にして実行させることができる。
【0020】
例えば、ACRサーバは、コンテンツ提示装置に次回のコンテンツ修正機会に関するタイミング情報を提供することができる。次回のコンテンツ修正機会に関するタイミング情報は、コンテンツ提示装置が受信してレンダリングしているメディアコンテンツのチャネル上に修正可能コンテンツセグメントがいつ存在するかをコンテンツ提示装置に知らせるフレームタイムスタンプ情報又はその他のタイミング情報を含むことができる。例えば、この情報は、チャネル上の修正可能コンテンツセグメントの開始フレームタイムスタンプ、修正可能コンテンツセグメントの継続時間、及び/又はチャネル上の修正可能コンテンツセグメントの終了フレームタイムスタンプを含むことができる。コンテンツ提示装置は、このタイミング情報を使用して、修正可能コンテンツセグメントの時点でコンテンツ修正を実行するように適宜に計画することができる。
【0021】
さらに、ACRサーバは、コンテンツ提示装置が指示された修正可能コンテンツセグメントの時点でコンテンツ修正を実行することを可能にするように、修正可能コンテンツセグメントに関する他の様々な情報をコンテンツ提示装置に提供することができる。例えば、ACRサーバは、セグメントの継続時間、セグメントの識別子及び関連するコンテンツ修正のタイプ(例えば、置換又はオーバーレイ)などの上述したようなメタデータをコンテンツ提示装置に提供することができる。
【0022】
これに応答して、コンテンツ提示装置は、この情報を使用して、次回の修正可能コンテンツセグメントに対して実行すべきコンテンツ修正の詳細を取得するようにコンテンツ管理システム及び/又は別のエンティティと協働することができる。例えば、コンテンツ提示装置は、修正可能コンテンツセグメントの識別子及び修正可能コンテンツセグメントに関する他の関連メタデータをコンテンツ管理システムに提供する要求をコンテンツ管理システムに送信することができる。これに応答して、コンテンツ管理システムは、コンテンツ修正を容易にする情報をコンテンツ提示装置に提供することができる。
【0023】
コンテンツ管理システムは、コンテンツ提示装置が修正可能コンテンツセグメントの代わりに又は修正可能コンテンツセグメント上に重なったオーバーレイとしてレンダリングすべき補助コンテンツを決定する基礎として様々な情報を使用することができる。例えば、コンテンツ管理システムは、適切な補助コンテンツを決定する基礎として、コンテンツ提示装置に関するユーザデモグラフィック、位置及び/又はその他の情報を使用することができる。
【0024】
さらに、コンテンツ管理システムは、決定された補助コンテンツの記憶場所を確認し、この記憶場所を示すものをコンテンツ提示装置に提供することができる。例えば、コンテンツ管理システムは、補助コンテンツ配信システムに問い合わせを行って、コンテンツ提示装置がネットワークサーバ又はコンテンツ提示装置のローカルデータストレージから補助コンテンツを取得できるようにするユニフォームリソースロケータ(URL)又はその他のアドレスを決定することができる。そして、コンテンツ管理システムは、このアドレス及び/又はコンテンツ提示装置が補助コンテンツを取得できるようにする他の情報をコンテンツ提示装置に提供することができ、或いはコンテンツ管理システム自体がコンテンツ提示装置に補助コンテンツを提供することができる。
【0025】
従って、コンテンツ提示装置は、この情報を使用して補助コンテンツを取得するとともに、コンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネル上の修正可能コンテンツセグメントの時点で補助コンテンツを(例えば、置換又はオーバーレイとして)提示するように計画することができる。
【0026】
これまでに説明したコンテンツ修正プロセスは、様々な目的で実施することができる。限定ではないが、例えばコンテンツ修正プロセスは、コンテンツ提示装置が一般的に適用可能な広告(例えば、全国放送広告)を場所、ユーザデモグラフィック及び/又はコンテンツ提示装置に固有の他の情報に基づいて選択できる置換広告に置き換える動的広告挿入(DAI)を容易にするために実施することができる。
【0027】
DAIでは、コンテンツ放送局、配信業者又は広告置換サービスなどのエンティティが、「置換可能広告」とみなされる特定の広告の再生を「置換広告」とみなされる異なる広告に差し替えることを容易にする契約を広告主との間で締結することができる。この結果、コンテンツ管理サーバ又はその他のエンティティは、様々な置換可能広告の各々について置換可能広告のコピーを受け取り、置換可能広告を表すデジタルフィンガープリント及び置換可能広告に関する関連データをACRサーバに提供することができる。例えば、コンテンツ管理サーバは、各置換可能広告について、置換可能広告のデジタルフィンガープリントをフレーム毎などに生成し、生成された置換可能広告のフィンガープリントと、置換可能広告の一意の識別子、置換可能広告の継続時間及び広告が置換予定であると示すものなどの上述したメタデータとをACRサーバに送信することができる。(さらに、ACRサーバに提供されるデータは、特定の識別子及び関連するフィンガープリントを有する特定の広告が1又は2以上のチャネルの各々にいつ提示される予定であるかを示すトラフィックスケジュールを含むこともできる。)
【0028】
ACRサーバは、コンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルを識別し終えると、これに応答して、この識別されたチャネルを表す基準フィンガープリントを、様々な置換可能広告を表すフィンガープリントと比較することができる。そして、ACRサーバは、識別されたチャネルの基準フィンガープリントが特定の置換可能広告を表すフィンガープリントと一致することを十分な確実性で発見すると、コンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルが置換可能広告を含んでおり、具体的にはコンテンツ提示装置に向かう途中のメディアコンテンツがこの置換可能広告を含んでいると合理的に結論付けることができる。
【0029】
この結論に応答して、ACRサーバ及び/又は別のエンティティは、コンテンツ提示装置との間でシグナリングを行って、コンテンツ提示装置が置換可能広告の代わりに置換広告を提示する準備を整えることができる。上記の説明によれば、例えばACRサーバ又は他のエンティティは、帯域外シグナリングを通じて、(i)コンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネル上でいつ置換可能広告が発生するかを示すフレームタイムスタンプ又はその他の情報と、(ii)置換可能広告の一意の識別子及び継続時間と、(iii)少なくとも置換可能広告が発生する時点までの及びこの時点を通じたチャネルのフレームを表す基準フィンガープリントと、をコンテンツ提示装置に提供する1又は2以上のメッセージをコンテンツ提示装置に送信することができる。
【0030】
コンテンツ提示装置は、置換可能広告の識別子及び継続時間が与えられると、コンテンツ管理システムとの間で帯域外シグナリングを行って、コンテンツ提示装置が置換可能広告の代わりにレンダリングすべき置換可能広告を確認することができる。この場合、コンテンツ提示装置は、コンテンツ管理システムが適切な置換広告を選択する基礎として使用できるユーザ識別、人口統計、場所及び/又はその他の情報をコンテンツ管理システムに提供することができる。さらに、コンテンツ管理システムは、コンテンツ提示装置によって示される又は置換可能広告の広告識別子などにマッピングされる置換可能広告の継続時間を使用して、置換可能広告と同じ継続時間の置換広告を選択することができる。
【0031】
その後、コンテンツ管理システムは、補助コンテンツ配信システムと協働して、コンテンツ提示装置が置換可能広告を取得できるURL又は他のアドレス又は場所を決定し、これに応じてコンテンツ提示装置に通知することができる。この結果、コンテンツ提示装置は置換広告を取得し、上述したようにコンテンツ提示装置がレンダリングしているチャネル上の置換可能広告の代わりにこれをレンダリングするように計画することができる。
【0032】
これらの又はその他の動的コンテンツ修正プロセスで生じる恐れがある技術的課題は、コンテンツ提示装置がコンテンツ修正を適用する決定が行われた時点でコンテンツ修正の中止を正当化するイベントが発生し得る点である。例えば、コンテンツ提示装置が受信しているメディアストリームにニュース速報又は緊急アラートなどの緊急コンテンツが発生した場合、コンテンツ提示装置は、緊急コンテンツを提示できるようにそのメディアストリームのコンテンツの修正を回避又は中断することが最適な場合がある。別の例として、コンテンツ提示装置が受信しているメディアストリームによって表されるチャネルが変更された場合(例えば、ユーザがチャネルを変更した場合)には、決定されたコンテンツ修正機会がもはやメディアストリームに含まれていない可能性があるので、同様にコンテンツ提示はメディアストリームのコンテンツの修正を回避又は中断することが最適な場合がある。
【0033】
次に、このようなイベントの発生時に問題となるのは、計画中又は進行中の動的コンテンツ修正をコンテンツ提示装置に中止させる方法である。
【0034】
本開示は、動的コンテンツ修正の中止を容易にする機構としてウォーターマーキングの使用を提供する。本開示によれば、コンテンツ提示装置に計画中又は進行中の動的コンテンツ修正を中止させることを正当化するイベントが発生した場合、コンテンツ提示装置に向かう途中のメディアストリームに特別な中止ウォーターマークが符号化される。すると、コンテンツ提示装置は、受信中のメディアストリームに中止ウォーターマークが存在することを検出し、動的コンテンツ修正を中止することによって、検出された中止ウォーターマークに応答する。
【0035】
一例として、コンテンツ提示装置に向かう途中のメディアストリームに緊急アラートが発生した場合、そのメディアストリームを提供することに関与しているエンティティは、メディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することができる。
【0036】
例えば、メディアストリームに緊急アラートを挿入するエンティティは、同様にメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することができる。或いは、別のエンティティは、緊急アラートを示す1又は2以上の所定のトーン(例えば、緊急アラートシステム(EAS)トーン)又はその他のオーディオ信号の存在についてメディアストリームをモニタすることなどによってメディアストリームに緊急アラートが存在することを検出又は認識し、これに応答して、場合によっては検出されたオーディオ信号と同期又は近接してメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化し又は符号化させることができる。コンテンツ提示装置は、メディアストリームの受信中に符号化された中止ウォーターマークを検出することができ、これに応答して未修正の緊急アラートの提示を可能にするように動的コンテンツ修正を中止することができる。
【0037】
別の例として、コンテンツ提示装置にメディアストリームを提供することに関与しているエンティティは、そのメディアストリームによって表されるチャネルがいつ変更されたかを検出又は認識し、これに応答してメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することができる。
【0038】
メディアストリームによって表されるチャネルがいつ変更されたかを検出又は認識するエンティティは、チャネル選択に気付いている及び/又は関与しているいずれかのエンティティとすることができる。例えば、このエンティティは、数ある可能性の中でも特に、コンテンツ提示装置にサービスを提供するセットトップボックス、又はコンテンツ提示装置にサービスを提供する受信機に選択されたチャネルをストリーミングする(仮想多チャネルビデオ番組配信業者(仮想MVPD)などの)ストリーミングコンテンツサービスプロバイダとすることができる。このようなエンティティは、メディアストリームによって表されるチャネルの変更時にメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することができる。また、コンテンツ提示装置は、メディアストリームの受信中に中止ウォーターマークを検出し、これに応答して新たなチャネルの提示を可能にするように動的コンテンツ修正を中止することもできる。
【0039】
これらの又はその他の実装では、コンテンツ提示装置が、動的コンテンツ修正の計画を開始した時点(例えば、動的コンテンツ修正を実行するための最初の指令を受け取った時点)と、動的コンテンツ修正の実行を終了する時点との間のいずれかの時点でメディアストリーム内の中止ウォーターマークを検出することができる。そして、コンテンツ提示装置は、計画中のコンテンツ修正を実行しないこと又は発生中のコンテンツ修正を中断することなどによって動的コンテンツ修正を中止することにより、検出された中止ウォーターマークに応答することができる。
【0040】
上述した動的コンテンツ修正プロセス例を考慮すると、例えばコンテンツ提示装置は、(i)コンテンツ提示装置が次回のコンテンツ修正機会に関するタイミング情報及び/又はその他の情報をACRサーバから受け取った時点と、(ii)次回のコンテンツ修正機会が開始される予定の時点と、の間で中止ウォーターマークを検出することができる。この場合、コンテンツ提示装置は、コンテンツ修正を開始する計画を中止し、従ってコンテンツ修正を開始しないことによって、検出された中止ウォーターマークに応答することができる。例えば、コンテンツ提示装置は、コンテンツ修正の開始前にコンテンツ提示装置が計画プロセスのどこに存在するかに応じて、実行すべきコンテンツ修正の詳細を取得するためにコンテンツ管理システム及び/又は他のエンティティと協働すること、及び/又は置換コンテンツ又はオーバーレイコンテンツなどの補助コンテンツを取得することなどのさらなる動作をやめることができる。
【0041】
或いは、コンテンツ提示装置は、コンテンツ提示装置が代替コンテンツ又はオーバーレイコンテンツをレンダリングしている間などの、コンテンツ提示装置がコンテンツ修正を現在レンダリングしている間に中止ウォーターマークを検出することもできる。この場合、コンテンツ提示装置は、コンテンツ修正を中断し、従ってコンテンツ修正を完了することなく基本的なメディアストリームのレンダリングに戻ることによって、検出された中止ウォーターマークに応答することができる。
【0042】
ある実装例では、中止ウォーターマークを、動的コンテンツ修正の中止をトリガするものであるとコンテンツ提示装置によって解釈可能な所定のデータ値又は所定のフォーマットの値を符号化したウォーターマークとすることができる。コンテンツ提示装置は、メディアストリームを受信してレンダリングしている時に、この特定のデータ値を符号化したウォーターマークの存在についてメディアストリームをモニタすることができる。コンテンツ提示装置は、ACRサーバなどから次回のコンテンツ修正機会に関連するシグナリングを受け取った時点などの、動的コンテンツ修正の計画を開始した時点で、この中止ウォーターマークの存在についてモニタリングを開始することができる。コンテンツ提示装置は、動的コンテンツ修正の中止をトリガするものであるとコンテンツ提示装置によって解釈可能な値を符号化したウォーターマークをメディアストリーム内で検出すると、これに応答して動的コンテンツ修正を中止することができる。
【0043】
必要に応じて添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより、当業者にはこれらの及びその他の態様、利点及び代替例が明らかになるであろう。さらに、本概要の説明及び後述する説明は、本発明を限定ではなく一例として示すものにすぎないと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】様々な開示する原理を適用できるシステム例の簡略ブロック図である。
図2】様々な開示する原理を適用できるシステム例の別の簡略ブロック図である。
図3】実装例に関与できるコンポーネントを示す簡略ブロック図である。
図4】本開示に従って実行できる方法を示すフローチャートである。
図5】本開示に従って実行できる方法を示す別のフローチャートである。
図6】本開示に従って動作可能なシステム例の簡略ブロック図である。
図7】本開示に従って動作可能なコンテンツ提示装置例の簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図面を参照すると、図1は、開示する様々な原理を適用できるシステム例の簡略ブロック図である。しかしながら、本明細書で説明するこの及びその他の構成及びプロセスは他の様々な形態を取ることもできると理解されるであろう。例えば、要素及び動作は、並べ替え、分散させ、置換し、組み合わせ、省略し、追加し、又は別様に修正することができる。さらに、本明細書において1又は2以上のエンティティによって実行されるものとして説明する機能は、これらのエンティティが実行することも、及び/又はこれらのエンティティの代わりにプログラム命令を実行する1又は2以上のプロセッシングユニットなどがハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを通じて実行することもできると理解されるであろう。
【0046】
図1に示すように、このシステム例は、1又は2以上のメディアコンテンツソース100(例えば、放送局、ウェブサーバなど)と、1又は2以上のメディアコンテンツ配信業者102(例えば、ケーブルプロバイダ、衛星プロバイダ、無線放送プロバイダ、ウェブアグリゲータなどの多チャネル配信業者)と、1又は2以上のメディアコンテンツ受信機104(例えば、ケーブル受信機、衛星受信機、無線放送受信機、コンピュータ又はその他のストリーミングメディア受信機など)と、1又は2以上のクライアント又はコンテンツ提示装置106(例えば、テレビ又は他のディスプレイ装置、スピーカ又は他のオーディオ出力装置など)とを含む。
【0047】
実際には、例えばメディアコンテンツソース100は、ABC、NBC、CBS、FOX、HBO及びCNNなどの全国放送局とすることができ、メディアコンテンツ配信業者102は、場合によっては特定の指定マーケットエリア(DMA)のための地方系列会社及び/又はその他の地方コンテンツ配信業者とすることができ、受信機104及びコンテンツ提示装置18は、家庭又は事業所などの顧客構内に存在することができる。
【0048】
この又はその他の構成では、コンテンツソース100は、顧客構内の受信機104に配信できるようにメディアコンテンツをコンテンツ配信業者102に配信することができ、コンテンツ配信業者は、メディアコンテンツをコンテンツの特定のチャネル(例えば、特定の周波数、特定のストリーミングメディアセッション、又はその他の規定のチャネル)として受信機104に配信することができる。その後、各受信機は、選択されたチャネルに同調し、又は選択されたチャネルの受信を別様に開始し、選択されたチャネルのメディアコンテンツを表すメディアストリームをコンテンツ提示装置106に出力することによって、ユーザ入力、或いは1又は2以上の他のトリガに応答することができる。そして、コンテンツ提示装置106は、メディアコンテンツを受信してレンダリングする(例えば、コンテンツを表示又は別様に提示する)ことができる。
【0049】
一例として、コンテンツ提示装置は、HDMI(登録商標)ケーブルによってケーブルTVセットトップボックスに結合できる、顧客構内に存在するテレビとすることができ、セットトップボックスは、全国及び/又は地域放送局によって提供される様々なテレビチャネルを配信するケーブルTVヘッドエンドにローカル配信ネットワークを介して結合することができる。この構成では、テレビはHDMI(登録商標)を介してセットトップボックスから定期的にメディアストリームを受信することができ、セットトップボックスはユーザ入力に応答してヘッドエンドからの特定のチャネルに同調することができ、従ってテレビに到着するメディアストリームはユーザが選択したチャネルを表すようになる。
【0050】
或いは、別の例として、顧客構内に存在するテレビは、コンテンツの様々なチャネルを配信する仮想MVPDなどのストリーミングメディアサーバとネットワーク通信することができる、APPLE TV、ROKU、AMAZON FIRE又はCHROMECAST装置などのストリーミングメディア受信機、或いはコンピュータ又はその他の装置とHDMI(登録商標)ケーブルによって接続することもできる。この構成では、テレビは、HDMI(登録商標)を介してストリーミングメディア受信機からメディアストリームを定期的に受信することができ、ストリーミングメディア受信機は、ストリーミングメディアサーバと協働して、ユーザが選択した特定のチャネルをストリーミングメディア受信機に配信することをストリーミングメディアサーバに行わせ、ストリーミングメディア受信機は、そのメディアストリーム内でテレビに出力することができる。従ってこの場合も、テレビに到着するメディアストリームは、同様にユーザが選択したチャネルを表すことになる。
【0051】
上述したように、この構成又はその他の構成では、コンテンツ提示装置が、このメディアストリームを受信してレンダリングする際に、メディアストリームによって表されるチャネルを示すものを有していないことがある。むしろ、コンテンツ提示装置は、単純に受信機からメディアストリームを受信してメディアストリームのコンテンツをレンダリングするように構成することができる。しかしながら、本開示によれば、コンテンツ提示装置はネットワークサーバと通信することができ、ネットワークサーバと協働してチャネルの識別を容易にし、従って有用なチャネル固有の動作を行うことを容易にすることができる。
【0052】
図2に、本開示の特徴の一部を実装できるシステム例をより具体的に示す。
【0053】
図2には、その上部に、コンテンツ配信システム204によって提供されるコンテンツのチャネル202を受け取る代表的なコンテンツ提示装置200を示す。一例として、コンテンツ提示装置200は、図1に示すようなコンテンツ提示装置例100とすることができ、コンテンツ配信システム204は、図1に示すような代表的なメディアコンテンツソース100、メディアコンテンツ配信業者102、及び/又は受信機104を含むことができる。
【0054】
従って、コンテンツ提示装置200は、メディアストリーム内のコンテンツのチャネル202をコンテンツ配信システム204から直接的又は間接的に受信してレンダリングすることができる。このチャネルは、リニア放送フィード及び/又はストリーミングメディアチャネルとすることができ、コンテンツ提示装置は、以下に限定するわけではないが、ケーブル、衛星、地上波無線放送、ブロードバンドストリーミング、或いは現在知られている又は後で開発されるその他のものなどのさまざまな配信チャネルのいずれかを通じてチャネルを受信することができる。
【0055】
ある実装例では、チャネルのメディアコンテンツが、コンテンツ提示装置がレンダリングしてユーザに提示するように構成されたメディアコンテンツの一連のデジタルフレームを定めることができる。メディアコンテンツソース、メディアコンテンツ配信業者及び/又はその他のエンティティは、このトランスポートストリームにカプセル化された一連のフレームを、コンテンツのチャネルを受信するように現在設定されている受信機によって受信されるように放送し、ストリーミングし、又は別様に提供することができ、受信機は、トランスポートストリームから一連のフレームを抽出し、この一連のフレームをコンテンツ提示装置によって受信されレンダリングようにメディアストリームとして出力することができる。
【0056】
図2にさらに示すように、コンテンツ提示装置200は、インターネットなどのパケット交換型ネットワークすることができる通信ネットワーク206と相互接続される。例えば、コンテンツ提示装置200は、ネットワーク206上のIPアドレスを有する顧客構内のローカルエリアネットワーク(LAN)上の割り当てられたインターネットプロトコル(IP)アドレスを有するノードとして存在することができる。従って、コンテンツ提示装置200は、コンテンツ配信システム204によって提供されたコンテンツのチャネル202を表すメディアストリームを受信してレンダリングしている間に、ネットワーク206を介して様々なエンティティとデータ通信を行うことができる。
【0057】
ネットワーク206を介して(例えば、ネットワーク上の規定のIPアドレスにおいて)アクセス可能であるように示すのは、上述したようにフィンガープリントベースのACR処理を行うように動作できるACRサーバ208である。このネットワーク構成では、コンテンツ提示装置200がネットワーク206を介してACRサーバ206とIP通信を行って、コンテンツ提示装置200がレンダリングしているチャネル202のメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントをACRサーバ208に提供することができる。そして、ACRサーバは、コンテンツ提示装置200がレンダリングしているチャネル202を判定するために、これらのクエリフィンガープリントを様々な既知のチャネルの基準フィンガープリントと比較することができる。
【0058】
上述したように、ACRサーバ208には、コンテンツ提示装置200がアクセスできる様々なチャネルの各々をそれぞれ表す基準フィンガープリントを含む基準データ210を提供することができる。上述したように、例えばコンテンツ配信システム204は、このような様々なチャネルの各々について継続的にこの基準データを生成してACRサーバに提供することができる。例えば、コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信システムが出力するメディアコンテンツの各チャネルについて、現在知られている又は後で開発されるいずれかのデジタルフィンガープリンティングプロセスを使用してメディアコンテンツのフレームのタイムスタンプ付きデジタル基準フィンガープリントをフレーム毎に又は別様に継続的に生成し、タイムスタンプ付きデジタル基準フィンガープリントと、関連するチャネルを識別するデータとをACRサーバに提供することができる。
【0059】
限定するわけではないが、ビデオコンテンツに関するデジタルフィンガープリンティングプロセス例はビデオフレーム毎に適用することができ、光度及び/又はその他のビデオ特性の表現を確立することを伴うことができる。例えば、フィンガープリント生成器は、所与のビデオフレームについてフレームをプログラム的にグリッドに分割し、グリッドセル毎にフレームの光度を測定し、各ビット又は一連のビットがそれぞれのグリッドセルの光度又はいくつかの規定のグリッドセルペアの光度間の加重差などを表すビット列を生成することができる。さらに、フィンガープリント生成器は、このプロセスを継続的に適用して、一定期間にわたってデジタルフィンガープリントを一連のフィンガープリントとして(例えば、フィンガープリントストリームとして)生成することができる。例えば、フィンガープリント生成器は、定期的に又は別の規定に基づいて各フレーム、各キーフレームにこのプロセスを適用し、各フレームのビット列がデジタルフィンガープリントを定め、及び/又は指定されたハッシュ、組み合わせ又は一連のこのようなビット列又はその他の代表値がスライディングウィンドウベースでデジタルフィンガープリントを定めることができる。同様に他のデジタルフィンガープリンティングプロセスを使用することもできる。
【0060】
ACRサーバ208は、この生成された基準フィンガープリントを含む基準データ及び関連データを受け取ると、容易に検索してアクセスするのに適したリレーショナルデータベースに又は他の形態で基準データを保存することができる。
【0061】
ある実装例では、コンテンツ提示装置200が、コンテンツ提示装置200が現在レンダリングしているチャネル202のメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントを生成するように構成されたフィンガープリント生成器212(例えば、コンテンツ提示装置200のプロセッサによって実行可能なプログラム命令)を備えることができる。フィンガープリント生成器212は、メディアコンテンツがコンテンツ提示装置200に到着する時、及び/又はコンテンツ提示装置200による提示のために処理される時に、チャネルのメディアコンテンツのコピーを入力として受け取るように構成できるとともに、クエリフィンガープリントと基準フィンガープリントとの比較を容易にするために、基準フィンガープリントを生成するために使用されるものと同じデジタルフィンガープリンティングプロセスを使用してフレーム毎に又は別様に継続的にメディアコンテンツのクエリフィンガープリントを生成するように構成することができる。
【0062】
さらに、コンテンツ提示装置200は、フィンガープリントベースのACR及び関連するチャネル固有の動作を容易にするために、その生成されたクエリフィンガープリントを分析のためにネットワーク206を介してACRサーバ208に送信するように構成することができる。一例として、コンテンツ提示装置200は、コンテンツ提示装置200によってレンダリングされているチャネルの最新の一連のフレームを表すクエリフィンガープリントを定期的に又は適宜にサーバに送信するように構成することができる。例えば、コンテンツ提示装置200は、最新の生成されたクエリフィンガープリントを1又は2以上のタイムスタンプ及び/又は他の関連データと共に伝えるメッセージを生成し、このメッセージを分析のためにACRサーバ208のIPに送信することができる。
【0063】
上述したように、ACRサーバ208は、コンテンツ提示装置200によってレンダリングされているチャネル202のメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントが与えられ、様々な既知のチャネルの各々をそれぞれ表す基準フィンガープリントを含む基準データが与えられると、フィンガープリントベースのACR処理を行うことができる。とりわけ、上述したように、ACRサーバは、一致を発見するためにクエリフィンガープリントを基準フィンガープリントと比較することができる。
【0064】
ACRサーバ208は、所与のクエリフィンガープリントを所与の基準フィンガープリントと比較するために、フィンガープリントの対応する部分を互いに比較して、これらの部分が正確に一致するかどうか、又は規定の許容範囲内に収まるかどうかを判定することができる。例えば、ACRサーバ208は、フィンガープリント間の最大偏差を計算し、最大偏差が所定の許容範囲内に収まるかどうかを判定することができる。さらに、フィンガープリントは、2進数である場合にはブール判定であること又は(フィンガープリント内のそれぞれのビット位置間のミスマッチ計算として)ハミング距離の計算を含むことができ、10進値又は10進ベクトル(例えば、ビデオフレーム領域毎のグレー値)などのより複雑な値である場合には値又はベクトル間の距離の判定を伴うことができる。他にも数多くの例が可能である。
【0065】
ACRサーバ208は、クエリフィンガープリントが特定のチャネルの基準フィンガープリントに一致することを十分な確実性で発見すると、このチャネルがコンテンツ提示装置200によってレンダリングされているチャネルであると結論付けることができる。
【0066】
そして、さらに上述したように、ACRサーバ208は、このコンテンツ提示装置によってレンダリングされているチャネルの識別に基づいて1又は2以上の有用なチャネル固有の動作を行い、又は行わせることができる。
【0067】
この目的のために、例えばACRサーバ208は、これに応答してコンテンツ提示装置が受信しているチャネル内で置換可能広告などの修正可能コンテンツセグメントを検出する処理を行い、これに応答してコンテンツ提示装置がこの修正可能コンテンツセグメントに対してコンテンツ修正(例えば、DAI)を行う準備を整えてこれを行わせることができる。
【0068】
上述したように、例えばコンテンツ管理システム216は、様々な修正可能コンテンツセグメント(例えば、置換可能広告)の各々のフィンガープリントを含む修正可能コンテンツセグメントデータ218と、例えば各修正可能コンテンツセグメントの識別子を含む関連するメタデータとを予めACRサーバ208に提供しておくことができる。従って、ACRサーバ208は、コンテンツ提示装置200によってレンダリングされているチャネルを識別し終えると、これに応答して、一致を発見するために、この識別されたチャネルの基準フィンガープリントと様々な修正可能コンテンツセグメントのフィンガープリントとの比較を開始することができる。そして、ACRサーバ208は、識別されたチャネルの基準フィンガープリントが特定の修正可能コンテンツセグメントのフィンガープリントに一致することを十分な確実性で発見すると、この修正可能コンテンツセグメントに対してコンテンツ提示装置200がコンテンツ修正を実行することを可能にして準備するシグナリングを行うことができる。
【0069】
例えば、ACRサーバは、コンテンツ提示装置200が補助コンテンツを取得できるようにするために、例えばタイミング情報及びその他のコンテンツ修正情報を含む、次回の修正可能コンテンツ機会に関する上述したような様々なデータをコンテンツ提示装置200に提供することができる。
【0070】
次に、上述したように、コンテンツ提示装置200は、補助コンテンツ(例えば、置換広告)を確認して取得するために、コンテンツ管理システム216と、場合によっては補助コンテンツ配信システム220との間でネットワーク206を介してシグナリングを行うことができる。そして、コンテンツ提示装置は、修正可能コンテンツセグメントに対してコンテンツ修正を実行することができる。
【0071】
上述したように、本開示は、動的コンテンツ修正の中止を容易にするウォーターマーキングを使用する機構を提供する。この機構は、様々な動的コンテンツ修正シナリオのいずれかに適用することができる。限定するわけではないが、例えばこの機構は、DAIなどを含む上述した動的コンテンツ修正プロセスに関連して適用することができる。
【0072】
図3は、実装例に関与できるコンポーネントを示す簡略ブロック図である。具体的には、図3には、コンテンツ提示装置300、コンテンツ配信エンティティ304及びACRサーバ308を示す。
【0073】
ここでは、コンテンツ提示装置300及びACRサーバ308を上述したコンテンツ提示装置200及びACRサーバ208の例とすることができる。例えば、コンテンツ提示装置300は、顧客構内に配置されたテレビとすることができ、ACRサーバ308は、上述したようにフィンガープリント照合、コンテンツ識別及び動的コンテンツ修正のトリガを実行するように構成されたネットワークサーバとすることができ、コンテンツ提示装置300及びACRサーバ308は、インターネットなどのネットワーク306を介して互いに通信することができる。
【0074】
また、コンテンツ配信エンティティ304は、コンテンツのチャネル302を表すメディアストリームをコンテンツ提示装置300に直接的又は間接的に配信するいずれかのエンティティとすることができる。例えば、コンテンツ配信エンティティ304は、メディアストリームのソース、及び/又はメディアストリームがコンテンツ提示装置300に向かう途中で通過する通信経路内に存在するエンティティとすることができる。
【0075】
限定するわけではないが、例えばコンテンツ配信エンティティ304は、コンテンツ提示装置300とローカルに接続されたセットトップボックス又はその他の受信機とすることができる。上述したように、このようなエンティティは、ユーザが選択したコンテンツのチャネルをヘッドエンド又は仮想MVPDなどのコンテンツ配信業者から選択的に受け取って、このコンテンツのチャネルを表すメディアストリームをコンテンツ提示装置300に配信するように構成することができる。また、別の例として、コンテンツ配信エンティティ304は、上述したようにコンテンツ提示装置300にサービスを提供する受信機に配信するためにコンテンツのチャネルを表すメディアストリームを提供できるメディアコンテンツソース又はメディアコンテンツ配信業者とすることもできる。他の例も同様に可能である。
【0076】
図3では、コンテンツ配信エンティティ304とACRサーバ308との間に、これらのコンポーネントが上述したように互いに通信できることを表す破線を示す。
【0077】
さらに図3に示すように、コンテンツ配信エンティティ304は中止ウォーターマークエンコーダ310を含むことができ、コンテンツ提示装置300は中止ウォーターマークデコーダ312を含むことができる。これらの各コンポーネントは、データストレージに記憶されてプロセッシングユニットが実行できるソフトウェアを含むことができ、及び/又は他の形態を取ることもできる。
【0078】
動作中、中止ウォーターマークエンコーダ310は、コンテンツ提示装置300に配信されている(例えば、現在配信されている、又は配信される予定の)メディアストリームに中止ウォーターマークを符号化するように機能することができる。そして、中止ウォーターマークデコーダ312は、コンテンツ提示装置300が受信しているメディアストリームから中止ウォーターマークを復号するように機能することができる。
【0079】
当業で周知のように、ウォーターマーキングは、メディアコンテンツの受信者がメディアコンテンツから情報を復号して抽出することを可能にしながらメディアコンテンツが提示されるユーザには知覚できない形でメディアコンテンツに恒久的に情報を埋め込み又は別様に符号化するものである。これは、基本的なメディアコンテンツ自体に情報を符号化することなくこのような情報をパケットヘッダなどに挿入することとは対照的である。ウォーターマーキングは、メディアコンテンツを恒久的に変更することができ、除去することが不可能である。
【0080】
具体的には、メディアコンテンツのウォーターマーキングは、関連情報にマッピングできるコードをメディアコンテンツに符号化し、又は場合によっては関連情報をより直接的にメディアコンテンツに符号化することを伴うことができる。ある実装例では、ウォーターマークコードが約24ビットであり、例えばメディアコンテンツの形態に応じてメディアコンテンツのオーディオ成分及び/又はメディアコンテンツのビデオ成分にウォーターマーキングを行うことができる。
【0081】
既存のオーディオウォーターマーキング技術としては、以下に限定するわけではないが、好適に構成されたウォーターマーク検出アルゴリズムによって検出できるが聴覚からは隠される形でオーディオ信号にオーディオエネルギーを挿入し、又はオーディオ信号の1又は2以上の特性を別様に調整する(例えば、人間による検出からウォーターマークを隠すのに十分なオーディオ特性及び/又は符号化方法)、ステノグラフィック(stenographic)又は心理音響的符号化(psychoacoustic encoding)として知られているものが挙げられる。
【0082】
オーディオウォーターマーキング及び対応するウォーターマーク検出法の例は、米国特許第8,359,205号(名称:「オーディオウォーターマーキング、並びにウォーターマーク検出及び抽出を実行する方法及び装置(Methods and Apparatus to Perform Audio Watermarking and Watermark Detection and Extraction)」、2013年1月22日取得)、米国特許第8,369,972号(名称:「オーディオウォーターマーキング検出及び抽出を実行する方法及び装置(Methods and Apparatus to Perform Audio Watermarking Detection and Extraction)」、2013年2月5日取得)、米国特許出願公開第2010/0223062号(名称:「オーディオウォーターマーキング、並びにウォーターマーク検出及び抽出を実行する方法及び装置(Methods and Apparatus to Perform Audio Watermarking and Watermark Detection and Extraction)」、2010年9月2日公開)、米国特許第6,871,180号(名称:「オーディオ信号における情報の復号(Decoding of information in Audio Signals)」、2005年3月22日取得)、米国特許第5,764,763号(名称:「オーディオ信号へのコードの包含及び復号のための方法及び装置(Apparatus and Methods for including Codes in Audio Signals and Decoding)」、1998年6月9日取得)、米国特許第5,574,962号(名称:「音響信号を含む番組を自動的に識別する方法及び装置(Method and Apparatus for Automatically identifying a Program including a Sound Signal)」、1996年11月12日取得)、米国特許第5,581,800号(名称:「音響信号を含む番組を自動的に識別する方法及び装置(Method and Apparatus for Automatically identifying a Program including a Sound Signal)」、1996年12月3日取得)、米国特許第5,787,334号(名称:「音響信号を含む番組を自動的に識別する方法及び装置(Method and Apparatus for Automatically identifying a Program including a Sound Signal)」、1998年7月28日取得)、並びに米国特許第5,450,490号(名称:「オーディオ信号へのコードの包含及び復号のための方法及び装置(Apparatus and Methods for including Codes in Audio Signals and Decoding)」、1995年9月12日取得)に記載されており、これらの文献は全てその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0083】
一方で、既存のビデオウォーターマーキング技術は、好適に構成されたウォーターマーク検出アルゴリズムによって検出できるが人間の視覚的検出からは隠される形でメディアコンテンツのビデオ成分にコードを埋め込むものである。
【0084】
ビデオウォーターマーキング技術の例としては、ピクセルの反転、最下位ビットへのウォーターマークの埋め込み、及びビデオへの疑似ランダムノイズパターンの追加などの様々な空間領域技術、並びにSVD領域ウォーターマーキング、離散フーリエ変換ウォーターマーキング、離散コサイン変換ウォーターマーキング、離散ウェーブレット変換ウォーターマーキング、主成分分析ウォーターマーキングなどの様々な周波数領域技術が挙げられる。他の例も同様に可能である。
【0085】
上記の説明によれば、コンテンツ提示装置300が動的コンテンツ修正を計画している時、又は動的コンテンツ修正を現在適用している時に、コンテンツ提示装置300に動的コンテンツ修正を中止させることを正当化するトリガイベントが発生することがある。このトリガイベントの発生に応答して、コンテンツ配信エンティティ304は、中止ウォーターマークエンコーダ310を使用して、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに(例えば、オーディオ及び/又はビデオベースの)中止ウォーターマークを符号化することができる。コンテンツ提示装置300は、メディアストリームを受信している時に、中止ウォーターマークデコーダ312を使用してメディアストリームから中止ウォーターマークを検出して読み取り、動的コンテンツ修正を中止することによって中止ウォーターマークの検出に応答することができる。
【0086】
ある実装例では、動的コンテンツ修正の中止のためのトリガイベントを、場合によってはコンテンツ提示装置が受信しているメディアストリームによって表されるチャネルのメディアコンテンツに関連するイベントであるコンテンツ関連イベントとすることができる。限定するわけではないが、上述したようなイベントの例としては、(i)チャネル上におけるニュース速報又は緊急アラートなどの緊急コンテンツの存在又は発生、或いは(ii)チャネルの変更を挙げることができる。或いは、このイベントは、必ずしもコンテンツに関連しない他の形態をとることもできる。
【0087】
様々なエンティティは、トリガイベントの発生を検出して、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化させることをコンテンツ配信エンティティ304に行わせることができる。さらに、エンティティは、トリガイベントの発生を直接検出することも、或いはトリガイベントの発生に対応するシグナリングを受け取ることによってトリガイベントの発生を検出することもできる。
【0088】
一例として、コンテンツ提示装置300に配信されているチャネルに緊急コンテンツを挿入又は別様に提供するエンティティは、チャネル上で緊急コンテンツを提供する行為を行うことによって非明示的にトリガイベントを検出することができる。
【0089】
チャネル上で緊急コンテンツを提供するこのエンティティは、メディアコンテンツソース又は配信業者などのコンテンツ配信エンティティ304自体とすることができ、この場合、コンテンツ配信エンティティ304は、チャネル上で緊急コンテンツを提供する行為を単独で行うことによって非明示的にトリガイベントの発生を検出する。これに応答して、コンテンツ配信エンティティ304は、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することができる。
【0090】
或いは、別のエンティティがチャネル上で緊急コンテンツを提供し、コンテンツ配信エンティティ304との間で関連するシグナリングを行って、これに応答してコンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することをコンテンツ配信エンティティ304に行わせることもできる。この場合、他のエンティティ及び/又はコンテンツ配信エンティティ304は、トリガイベント発生の検出に関与することができる。そして、コンテンツ配信エンティティ304は、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに同様に中止ウォーターマークを符号化することができる。
【0091】
さらに別の方法として、コンテンツ配信エンティティ304、又はコンテンツ提示装置300にメディアストリームが配信されている経路内の別のエンティティは、メディアストリーム内の緊急コンテンツを示す1又は2以上のトーン(例えば、EASトーン)及び/又はその他のオーディオ信号の存在についてメディアストリームをモニタすることによって、メディアストリーム内の緊急コンテンツの存在を検出することもできる。これに応答して、エンティティは、メディアストリームに中止ウォーターマークを符号化し、又は符号化させることができる。
【0092】
さらに別の方法として、ACRサーバ308は、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリーム内の緊急コンテンツの存在を検出することに関与し、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを挿入させる信号をコンテンツ配信エンティティ304に送信することによって、緊急コンテンツの存在を検出したことに応答することもできる。
【0093】
例えば、上述したように修正可能コンテンツセグメントを表すデジタルフィンガープリントをACRサーバ308に提供できるのとほぼ同様に、典型的にはニュース速報又は緊急アラートを導入するメディアコンテンツ(例えば、トーン)などの緊急コンテンツを表すデジタル基準フィンガープリントをACRサーバ308に提供することができる。そして、ACRサーバ308は、コンテンツ提示装置300に向かう途中のコンテンツのチャネルを表すメディアストリーム内にこの導入的な緊急コンテンツがいつ存在するかを判定する基礎としてこれらのデジタルフィンガープリントを使用することができる。
【0094】
この導入的な緊急コンテンツは、コンテンツ提示装置304がレンダリングを行っているとACRサーバ308が判定したチャネルに固有のものなどのチャネル固有のものとすることができる。例えば、ACRサーバ308には、様々な既知のチャネルの各々について、典型的にはそのチャネルに特化してニュース速報又は緊急アラートを導入するメディアコンテンツを表すそれぞれのデジタルフィンガープリントを提供することができる。従って、ACRサーバ308は、コンテンツ提示装置300によってレンダリングされているチャネルを識別し、そのチャネル上で動的コンテンツ修正を開始するシグナリングをコンテンツ提示装置300との間で行うと、そのチャネルに特化した導入的な緊急コンテンツを表す関連するデジタルフィンガープリントを選択し、識別されたチャネルを表す基準デジタルフィンガープリントデータと、識別されたチャネルの導入的な緊急コンテンツを表すデジタルフィンガープリントとの比較を開始することができる。
【0095】
ACRサーバ308は、フィンガープリントの一致を十分な確実性で発見すると、コンテンツ提示装置300に向かう途中のチャネル上に緊急コンテンツが存在すると合理的に結論付けることができる。そして、ACRサーバは、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することをコンテンツ配信エンティティ304に行わせる信号をコンテンツ配信エンティティ304に送信することによって、チャネル上における決定された緊急コンテンツの存在に応答することができる。
【0096】
チャネル上における緊急コンテンツの発生が、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化するためのトリガイベントである場合、コンテンツ配信エンティティ304は、緊急コンテンツがチャネル上に表示される時点の少し前に、メディアストリームに中止ウォーターマークを最適に符号化することができる。これにより、コンテンツ提示装置300に、チャネル上に緊急コンテンツが表示される時点までに中止ウォーターマークを復号し、これに応答して動的コンテンツ修正を中止するための時間を与えることができる。或いは、コンテンツ配信エンティティ304は、緊急コンテンツが提示される時点又はその付近での中止のトリガを容易にするために、中止ウォーターマークを緊急コンテンツ自体に又はチャネル上の関連コンテンツに符号化することなどによって、中止ウォーターマークをチャネル上の緊急コンテンツと一致するように符号化することができる。
【0097】
さらに、コンテンツ提示装置に配信されているチャネル上における緊急コンテンツとは別の特別なコンテンツの存在についても同様の原則を適用することができる。
【0098】
別の例として、コンテンツ提示装置300によってレンダリングされているチャネルをユーザが変更した場合、このチャネル変更に関与するエンティティは、チャネル変更をトリガイベントとして検出して、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することをコンテンツ配信エンティティ304に行わせることができる。
【0099】
この場合も同様に、チャネル変更を検出するエンティティは、例えば仮想MVPDなどのコンテンツ配信エンティティ304自体とすることができ、この場合、これに応答してコンテンツ配信エンティティ304は、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することができる。或いは、チャネル変更を認識している又は別様にチャネル変更に関与している別のエンティティは、チャネル変更を検出し、コンテンツ配信エンティティ304に通知して、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することをコンテンツ配信エンティティ304に行わせることができる。
【0100】
例えば、ユーザが選択したチャネルに同調して、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームにこのチャネルを出力できるセットトップボックスは、チャネルを変更するリモコン入力を受信することなどによって、ユーザがチャネルを変更したことを検出することができる。その後、セットトップボックスは、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することによって、このチャネル変更に応答することができる。
【0101】
同様に、ユーザが選択したコンテンツのチャネルを受信するためにストリーミングメディアサーバとのストリーミングメディアセッションを確立できるストリーミングメディア受信機は、やはりチャネルを変更するリモコン入力を受信することによって、ユーザがいつチャネルを変更したかを検出することができる。そして、ストリーミングメディア受信機は、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することによって同様にこのチャネル変更に応答することができる。
【0102】
或いは、ユーザが選択したコンテンツのチャネルを配信するためにストリーミングメディア受信機とのストリーミングメディアセッションを確立できる仮想MVPD(ストリーミングメディアサーバなど)は、場合によってはチャネルの変更及び/又は置換チャネルストリームの確立を要求するストリーミングメディア受信機からのシグナリングを受信することによって、チャネル変更がいつ発生したかを同様に検出することもできる。その後、仮想MVPDは、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化することによって同様にこのチャネル変更に応答することができる。
【0103】
チャネル変更の発生が、コンテンツ提示装置300に配信されているメディアストリームに中止ウォーターマークを符号化するためのトリガイベントである場合、コンテンツ配信エンティティ304は、例えば最初に中止ウォーターマークを符号化した後でチャネル変更を続行することなどによって、チャネル変更が発生する時点の少し前にメディアストリームに中止ウォーターマークを最適に符号化することができる。これにより、コンテンツ提示装置300に、チャネルが変更される時点までに中止ウォーターマークを復号し、これに応答して動的コンテンツ修正を中止するための時間を与えることができる。
【0104】
上述したように、コンテンツ提示装置300は、動的コンテンツ修正の計画を開始した時点と動的コンテンツ修正の実行を終了する時点との間のいずれかの時点でメディアストリーム内の中止ウォーターマークを検出してこれに応答することができる。
【0105】
実際には、例えばコンテンツ提示装置300は、次回のコンテンツ修正機会にコンテンツ提示装置300に動的コンテンツ修正を計画させるシグナリングを受信すると、これに応答して、到来するメディアストリームを中止ウォーターマークの存在についてモニタし始めることができる。
【0106】
コンテンツ提示装置300は、コンテンツ修正機会の開始前に中止ウォーターマークを検出した場合、これに応答してコンテンツ修正を開始しないことによってコンテンツ修正を完全にやめることができる。
【0107】
或いは、コンテンツ提示装置300は、現在オーバーレイ又は置換コンテンツを提示しているなどのように現在コンテンツ修正を適用している場合に中止ウォーターマークを検出すると、これに応答してコンテンツ修正を中断することができる。例えば、コンテンツ提示装置300は、進行中のオーバーレイ又は置換コンテンツの提示を中断して、メディアストリームの未修正コンテンツの提示に戻すことができる。
【0108】
次に、図4は、本開示に従って実行できる方法を示すフローチャートである。図4に示すように、方法は、ブロック400において、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに対する動的コンテンツ修正をコンテンツ提示装置に中止させるトリガイベントの発生を検出することを含む。また、方法は、ブロック402において、トリガイベントの発生を検出したことに応答して、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに、コンテンツ提示装置に動的コンテンツ修正を中止させるものであるとコンテンツ提示装置によって解釈可能な中止ウォーターマークを符号化することを含む。
【0109】
上記の説明によれば、この方法は、コンテンツ提示装置が動的コンテンツ修正を実行するための指令(例えば、次回のコンテンツ修正機会に関する情報を提供するシグナリング)を受け取った時点と、コンテンツ提示装置が動的コンテンツ修正の適用を開始する時点との間に実行することができ、この場合、動的コンテンツ修正を中止する行為は動的コンテンツ修正をやめることを伴うことができる。或いは、この方法は、コンテンツ提示装置が動的コンテンツ修正を適用している間に実施することもでき、この場合、動的コンテンツ修正を中止する行為は動的コンテンツ修正を中断することを伴うことができる。
【0110】
さらに上述したように、この方法で問題となっている動的コンテンツ修正はDAIとすることができる。さらに、動的コンテンツ修正は、数ある可能性の中でも特に上述した形でのフィンガープリントベースのACRに応答することができる。
【0111】
さらに、上述したように、コンテンツ提示装置に動的コンテンツ修正を中止させるためのトリガイベントは、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームにおける緊急コンテンツの発生、又はコンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームにおけるチャネル変更の発生などのコンテンツ関連トリガイベントとすることができる。従って、トリガイベントの検出は、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームにおける緊急コンテンツの存在を検出すること、又はコンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームが表すチャネルの変更を検出することを伴うことができる。
【0112】
さらに、上述したように、トリガイベントを検出する行為は、コンテンツ提示装置にメディアストリームを配信することに関与するコンテンツ配信エンティティ、ACRサーバ及び/又は1又は2以上の他のエンティティなどの少なくとも1つのエンティティによって実行することができる。そして、メディアストリームに中止ウォーターマークを符号化する行為は、コンテンツ提示装置にメディアストリームを配信することに関与するコンテンツ配信エンティティ又はそれに代わるものなどの少なくとも1つのエンティティによって同様に実行することができる。
【0113】
図5は、本開示に従って実行できる方法を示す別のフローチャートである。図5に示すように、方法は、ブロック500において、コンテンツ提示装置が、受信中のメディアストリームに符号化された中止ウォーターマークを検出することを含む。次に、方法は、ブロック502において、コンテンツ提示装置が、メディアストリームに符号化された中止ウォーターマークを検出したことに応答してメディアストリームの動的コンテンツ修正を中止することを含む。
【0114】
上記の説明によれば、コンテンツ提示装置が受信しているメディアストリームに符号化された中止ウォーターマークを検出する行為は、メディアストリーム内のウォーターマークを検出し、検出されたウォーターマークが、コンテンツ提示装置に動的コンテンツ修正を中止させるものであるとコンテンツ提示装置によって解釈可能な値を符号化していると判定することを伴うことができる。
【0115】
上述した他の様々な特徴もこの文脈で実装することができ、その逆もまた同様である。
【0116】
次に、図6は、本開示に従って動作可能なシステム例の簡略ブロック図である。このシステムは、上述したようなコンテンツ配信エンティティ及び/又は1又は2以上の他のエンティティを表すことができる。図6に示すように、システム例は、ネットワーク通信インターフェイス600と、プロセッシングユニット602と、非一時的データストレージ604とを含み、これらの一部又は全部は互いに統合することも、或いは図示のようにシステムバス、ネットワーク又はその他の接続機構606によって通信可能に接続することもできる。
【0117】
ネットワーク通信インターフェイス600は、ネットワーク上での通信を容易にする、及び/又は1又は2以上の他のローカル又はリモートエンティティとの直接的な又はネットワークを介した通信に関与する1又は2以上の物理的ネットワーク接続機構を含むことができる。従って、ネットワーク通信インターフェイスは、IP通信及び/又はその他のタイプのネットワーク通信に関与する無線又は有線イーサネットインターフェイス又は他のタイプのネットワークインターフェイスを含むことができる。
【0118】
プロセッシングユニット602は、1又は2以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)及び/又は1又は2以上の専用プロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路)を含むことができる。また、非一時的データストレージ606は、光学、磁気又はフラッシュストレージなどの1又は2以上の揮発性及び/又は不揮発性ストレージコンポーネントを含むことができる。
【0119】
図示のように、システム例のデータストレージ604は、本明細書で説明した様々な動作を実行するためにプロセッシングユニット602が実行できるプログラム命令608を記憶する。例えば、これらの動作は、(i)コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに対する動的コンテンツ修正をコンテンツ提示装置に中止させるトリガイベントの発生を検出すること、及び(ii)トリガイベントの発生を検出したことに応答して、コンテンツ提示装置に配信されているメディアストリームに、コンテンツ提示装置に動的コンテンツ修正を中止させるものであるとコンテンツ提示装置によって解釈可能な中止ウォーターマークを符号化すること、を含むことができる。
【0120】
上述した様々な特徴もこの文脈で実装することができ、その逆もまた同様である。
【0121】
最後に、図7は、本開示に従って動作可能なコンテンツ提示装置例の簡略ブロック図である。上記の説明によれば、このコンテンツ提示装置は様々な形態をとることができる。例えば、コンテンツ提示装置は、テレビ、コンピュータモニタ、又はビデオコンテンツを受信してレンダリングするように動作するその他の装置、及び/又はスピーカ、ヘッドフォン、又はオーディオコンテンツを受信してレンダリングするように動作するその他の装置とすることができる。他にも数多くの例が可能である。
【0122】
図7に示すように、コンテンツ提示装置例は、コンテンツ入力インターフェイス700と、コンテンツ提示インターフェイス702と、ネットワーク通信インターフェイス704と、プロセッシングユニット706と、非一時的データストレージ708とを含み、これらの一部又は全部は互いに統合することも、又は図示のようにシステムバス、ネットワーク又はその他の接続機構710によって通信可能に接続することもできる。
【0123】
コンテンツ入力インターフェイス700は、コンテンツ提示装置によって提示されたメディアコンテンツを受信する物理的通信インターフェイスを含むことができる。従って、メディア入力インターフェイスは、受信機又はその他の装置又はシステムとの通信を確立してアナログ又はデジタル形態のメディアコンテンツを受信する1又は2以上の有線及び/又は無線インターフェイスを含むことができる。例えば、メディア入力インターフェイスは、数あるなかでもとりわけ、DVI、HDMI(登録商標)、VGA、USB、BLUETOOTH(登録商標)、WIFIなどのプロトコルに準拠した1又は2以上のインターフェイスを含むことができる。
【0124】
次に、コンテンツ提示インターフェイス702は、受信したメディアコンテンツの提示を容易にする1又は2以上のコンポーネントを含むことができる。一例として、メディア提示インターフェイスは、ディスプレイ画面及び/又はスピーカなどのユーザインターフェイスと、受信したメディアコンテンツを処理してユーザインターフェイス上におけるコンテンツの提示を容易にする1又は2以上のドライバ又はその他のコンポーネントとを含むことができる。
【0125】
ネットワーク通信インターフェイス704は、ネットワーク上における通信を容易にし、及び/又は1又は2以上の他のローカル又はリモートエンティティとの直接的な又はネットワークを介した通信に関与する物理的ネットワーク接続機構を含むことができる。従って、ネットワーク通信インターフェイスは、IP通信及び/又はその他のタイプのネットワーク通信に関与する無線又は有線イーサネットインターフェイス、或いはその他のタイプのネットワークインターフェイスを含むことができる。
【0126】
次に、プロセッシングユニット706は、1又は2以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)及び/又は1又は2以上の専用プロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路)を含むことができる。そして、非一時的データストレージ708は、光学、磁気又はフラッシュストレージなどの1又は2以上の揮発性及び/又は不揮発性ストレージコンポーネントを含むことができる。さらに、図示のように、データストレージ708は、本明細書で説明した様々な動作を実行するためにプロセッシングユニット606が実行できるプログラム命令712を記憶する。
【0127】
上述した様々な特徴はこの文脈で実施することもでき、その逆もまた同様である。
【0128】
さらに、本開示は、本明細書で説明した様々な動作を実行するためにプロセッシングユニットが実行できるプログラム命令を符号化、記憶又は別様に具現化する非一時的コンピュータ可読媒体も想定する。
【0129】
以上、例示的な実施形態について説明した。しかしながら、当業者であれば、本発明の真の範囲及び趣旨から逸脱することなくこれらの実施形態に変更及び修正を行うことができると理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7