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特許7470778医療現場での磁気刺激療法を有効にするためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】医療現場での磁気刺激療法を有効にするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/40 20060101AFI20240411BHJP
   A61B 90/90 20160101ALI20240411BHJP
   A61N 2/02 20060101ALN20240411BHJP
【FI】
A61N1/40
A61B90/90
A61N2/02 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022507850
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020045323
(87)【国際公開番号】W WO2021026415
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】16/535,851
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522050712
【氏名又は名称】リアライズ メドテック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】リール,マーク イー.
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0128737(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0231243(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200387(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0034822(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0368366(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0262287(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0100333(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0113042(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0125312(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B、A61N
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮的磁気刺激を行って対象者を処置するためのシステムであって、
第1のサブシステムであって、
第1のコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つの第1のメモリと、
少なくとも1つの第1のプロセッサと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサと通信し、電気パルスを発生させるように構成された第1の刺激装置と、
前記第1の刺激装置と通信し、第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成された第1の磁気コイルと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサと通信し、前記第1の磁気コイルによって前記第1の対象者に送り出された前記磁気刺激に関係づけられるユーザ入力を受け取るように構成された第1のユーザインターフェースと、を含み、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサは、前記少なくとも1つの第1のメモリにアクセスし、前記第1のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1の対象者に対応付けられる第1の対象者データを決定することであって、前記第1の対象者データは前記第1の対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む、前記決定することと、
前記第1のユーザインターフェースからのユーザ入力の1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて、第1の刺激パラメータデータを決定することであって、前記第1の刺激パラメータデータは、前記第1の対象者に対する前記第1の刺激装置または前記第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第1のパラメータを含む、前記決定することと、
前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶することと、
を行うように構成される、前記第1のサブシステムと、
前記第1のサブシステムと通信する第2のサブシステムであって、
第2のコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つの第2のメモリと、
少なくとも1つの第2のプロセッサと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、電気パルスを発生させるように構成された第2の刺激装置と、
前記第1の対象者の頭部と嵌合するように構成されたヘッドピースであって、
前記ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子と、
前記第2の刺激装置と通信し、前記第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成された第2の磁気コイルであって、前記ヘッドピースの本体の固定場所に確実なロッキング手段によって装着される前記第2の磁気コイルと、を含む前記ヘッドピースと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、前記第1の対象者及び前記ヘッドピースの画像を取り込むように構成された画像記録デバイスと、を含み、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサは、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとを受け取ることと、
前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ることであって、前記第1の画像データは前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第1の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ることであって、前記第2の画像データは前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の刺激パラメータデータが前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
前記第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
を行うように構成される、前記第2のサブシステムと、
を含む、前記システム。
【請求項2】
前記1つ以上の第1のパラメータは、(i)前記第2の刺激装置が発生させるべき電気パルスの大きさ及びタイミングシーケンス、(ii)前記第2の磁気コイルが送り出すべき磁気刺激の大きさ、(iii)前記第1の対象者の標的解剖学的構造に対する前記ヘッドピースの位置のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることを行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1のサブシステムまたはリモートサーバから1つ以上のネットワークを介して前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データを受け取ることであって、前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データは暗号化される、前記受け取ることと、
前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データを互いに関連させて前記データ記憶装置に記憶することと、
前記データ記憶装置から、前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データを受け取ることと、
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置に1つ以上のネットワークを介して刺激履歴データを送ることであって、前記刺激履歴データは暗号化され、前記第1の対象者に施される1つ以上の刺激セッションに対応付けられる1つ以上の評価基準を含む、前記送ることと、
前記第1のサブシステム、前記リモートサーバ、または前記ユーザ装置から前記1つ以上のネットワークを介して第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、前記第2の刺激パラメータデータは暗号化され、前記第1の対象者に対する前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、前記受け取ることと、
前記第2の刺激パラメータデータは前記第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、
前記第2の刺激パラメータデータを、前記第1の対象者データと前記第1の画像データとに関連させて前記データ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のサブシステムはさらにオーディオ記録デバイスを含み、前記オーディオ記録デバイスは、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、前記第1の対象者のオーディオ記録を取り込むように構成され、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第1のオーディオデータを受け取ることであって、前記第1のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第1のオーディオ記録に対応する、前記受け取ることと、
前記オーディオ記録デバイスから第2のオーディオデータを受け取ることであって、前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第2のオーディオ記録に対応する、前記受け取ることと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、前記第1のオーディオデータ、前記第2のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の刺激パラメータデータが前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のサブシステムはさらにオーディオ記録デバイスを含み、前記オーディオ記録デバイスは、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、前記第1の対象者のオーディオ記録を取り込むように構成され、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第1のオーディオデータを受け取ることであって、前記第1のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第1のオーディオ記録に対応する、前記受け取ることと、
前記第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、
前記オーディオ記録デバイスから第2のオーディオデータを受け取ることであって、前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第2のオーディオ記録に対応し、前記第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる第1のコマンドを示す、前記受け取ることと、
前記第1のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者に対応付けられるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置に前記第2の動作状態を取らせることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の第2の画像は前記1つ以上のヘッドピース識別子の少なくとも一部を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記1つ以上のヘッドピース識別子の前記少なくとも一部に少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられると決定することを行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のヘッドピース識別子は、(i)バーコード、(ii)無線周波数識別タグ、(iii)構造パターンのうちの少なくとも1つを含む暗号化された識別子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の第1のパラメータは、前記第1の対象者の標的解剖学的構造に対する前記ヘッドピースの所定の位置を含み、前記第2の磁気コイルの前記固定場所は、前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記ヘッドピースの前記所定の位置に対応し、
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第1のインジケータおよび第2のインジケータを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、処置セッションの前または処置セッションの間に1回以上、前記ヘッドピースは前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置にあると決定すること、
前記ヘッドピースは前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置にあるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のインジケータを起動させること、
前記画像記録デバイスから第3の画像データを受け取ることであって、前記第3の画像データは、前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第3の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置にないと決定することと、
前記ヘッドピースが前記所定の位置にないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のインジケータを起動させることであって、前記第2のインジケータは、前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置に向かう、前記第1の対象者の頭部に対する前記ヘッドピースの動きを示す、前記起動させることと、
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記画像記録デバイスは前記ヘッドピースの前記本体に装着される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のサブシステムはさらに、光を反射するように構成されたミラーを含み、前記1つ以上の第2の画像は、前記ミラーに反射された前記第1の対象者の前記少なくとも一部と前記ヘッドピースの前記少なくとも一部とを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第2のユーザインターフェースを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、
前記第1の対象者の前記第2のユーザインターフェースとのやり取りの表示を受け取ることであって、前記やり取りの表示は前記第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる、前記受け取ることと、
前記やり取りの表示に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置に前記第2の動作状態を取らせることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のサブシステムは持ち運び可能で、前記第1のサブシステムに対する遠隔地で用いるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のサブシステムはさらに、前記第2のサブシステムの少なくとも一部が消毒されているかまたは消毒済み状態にあることを示すように構成された消毒インジケータを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第3の画像データを受け取ることであって、前記第3の画像データは前記消毒インジケータの少なくとも一部の1つ以上の第3の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあると決定することと、
前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2のサブシステムはさらに、前記第2のサブシステムの少なくとも一部が消毒されているかまたは消毒済み状態にあることを検出するための手段を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
消毒データを受け取ることであって、前記消毒データは、前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部の消毒状態に関係づけられる1つ以上の消毒パラメータを示す、前記受け取ることと、
前記消毒データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあると決定することと、
前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2のサブシステムに記憶された現在の対象者データを受け取ることであって、前記現在の対象者データは、前記第1の対象者に対応付けられる1つ以上の現在の対象者識別子を含む、前記受け取ることと、
前記第1の対象者データ及び前記現在の対象者データに少なくとも部分的に基づいて、前記現在の対象者データが不正変更されていないと決定することと、
前記現在の対象者データが不正変更されていないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2のサブシステムに記憶された現在の刺激パラメータデータを受け取ることであって、前記現在の刺激パラメータデータは、前記第1の対象者に対する前記第1の刺激装置または前記第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の現在のパラメータを含む、前記受け取ることと、
前記第1の刺激パラメータデータと前記現在の刺激パラメータデータとに少なくとも部分的に基づいて、前記現在の刺激パラメータデータが不正変更されていないと決定することと、
前記現在の刺激パラメータデータが不正変更されていないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
機能データを受け取ることであって、前記機能データは、前記第2のサブシステムの機能に対応付けられる1つ以上の機能パラメータを含む、前記受け取ることと、
前記機能データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムが所定の仕様内で機能することができると決定することと、
前記第2のサブシステムが前記所定の仕様内で機能することができるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
ソフトウェアデータを受け取ることであって、前記ソフトウェアデータは、前記第2のサブシステムが用いるソフトウェアに対する変化または変化を加えようとする試みを示す、前記受け取ることと、
前記ソフトウェアデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ソフトウェアは未承認の方法でハッキングも変更もされていないと決定することと、
前記ソフトウェアは未承認の方法でハッキングも変更もされていないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第16/535,851号(2019年8月8日に出願)、発明の名称「Systems and Methods for Enabling Point of Care Magnetic Stimulation Therapy」に対する優先権及びその利益を主張する。なおこの文献の開示内容は、その全体において参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0002】
本発明は全般的に、磁気刺激に関し、より詳細には、医療現場での経頭蓋磁気刺激療法を有効にするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の病理学に対応付けられる解剖学的標的に磁気刺激を適用することによって、種々の病状が処置され得る。たとえば、磁気または誘導刺激を用いて変動磁界を発生させる場合があり、これを送って患者の標的解剖学的構造中に電流を誘起することができる。ニューロン、筋肉、及び組織細胞は、電気信号を伝えて電気刺激に応答することができる生物学的回路の形態である。標的解剖学的構造に変動磁界が適用されると、電界が誘起されて生体構造の伝導性部分に電流が流れる。電流の流れによって生体組織が刺激されて、組織内のニューロンの脱分極が起こる。その結果、パルス周波数及び標的組織の興奮性などの要因に応じて、ニューロンは活性化するかまたは活性が下がる。さらに、電流の流れによって、刺激されたニューロンに対応付けられる筋肉が収縮する。最終的に、誘起電流を用いて標的解剖学的構造中での所望の化学反応が模擬され得る。
【0004】
標的解剖学的構造を刺激するための他の医療処置とは対照的に、磁気刺激は非侵襲的な方法で施され得る。たとえば、経皮的磁気刺激を行う際、磁界は患者の皮膚を通過して患者の身体内に電流を誘起し、標的解剖学的構造を刺激し得る。このような磁気刺激には、身体の種々の部分(筋肉、脊椎、及び脳など)を処置する際に有益な治療生物学的効果があり得る。経頭蓋磁気刺激(TMS)は非侵襲性形態の脳刺激であり、変動磁界を用いて、脳の標的部位での神経組織中に電磁誘導によって電流を発生させる。TMS治療では磁気コイルに接続された刺激装置を用いる。磁気コイルが患者の頭部の周りで脳の標的部位に対応する位置に位置決めされ、刺激装置が磁気コイルに電気パルスを送り出して変動磁界を誘起する。磁界によって脳の標的部位内に電流が誘起されて、対応する神経組織が刺激される。場合によっては、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)によって脳刺激を実現する場合があり、皮質標的の意図した変調効果を有効にする繰り返し率で適用される電磁パルスの繰り返しを用いる。rTMSを用いて種々の神経または精神障害が処置され得る。たとえば、大うつ病性障害(MDD)、双極性障害、不安、強迫性障害、痛み(線維筋痛など)、心的外傷後ストレス障害、自閉スペクトラム障害、及び中毒などである。rTMSが通常、このような障害を処置するために用いられ得るのは、薬物などの標準的な処置が効果的でないかまたは望ましくない副作用があるために患者による認容性が良好でないときである。
【0005】
現在、TMSは、病院、医師のオフィス、または診療所などの臨床施設で、訓練を受けた臨床医によって患者に施される。TMS治療を行うための既存のシステムでは、患者の評価と処置を同じTMSシステムを用いて行う必要があり、安全で準拠した処置を確実に行うために、適切に訓練を受けた臨床医の厳重な監督が行われる。MDDまたは同様の神経または精神障害に対して処置を受ける典型的な患者に対する治療の過程では、毎日の処置を3~6週間に渡って繰り返し行う必要がある。このような病気を患っている患者の場合、TMS処置を提供する施設に頻繁に通うことは困難な場合が多い。
【0006】
現在、rTMSが必要なMDDなどの徴候に対して自宅または医療現場での(POC)処置を行うための実用的なTMSシステムは存在しない。持ち運び可能なTMSシステムが提案されているが、このようなシステムは、患者施行のrTMSを安全に送り出すことができる実用的なPOCTMSシステムに対するすべての必要条件を満たすわけではない。片頭痛のPOC処置に対する単一パルスTMSデバイスが開発され、特定の規制当局によって承認されている。しかし、単一パルスTMSデバイスを利用することをMDD及び同様の障害の処置まで拡張することはできない。なぜならば、このような障害に対する処置プロトコルでは、はるかに高いパワーの磁場パルスを繰り返し付与する必要があり、そのため、安全性リスクの管理に対する注意を高め、システム所要電力を大きくする必要があるからである。特定の神経障害のPOC処置に対して他のTMSデバイスが開発されている。ここでは、回転磁石を用いて低レベルの磁場パルスを発生させている。しかし、このような閾値以下のデバイスは、刺激閾値を超えて施されるrTMSと同様にMDD及び同様の障害の処置に対して効果的であるとは実証されていない。要約して言えば、現在の技術では、rTMSが要求される徴候に対して患者施行のPOCTMS処置は有効にはならない。なぜならば、既存のTMSシステムには要求される携帯性または機能が無く、及び/または必要な安全性及び規制上の要件に対処できないからである。
【0007】
したがって、反復経頭蓋磁気刺激が必要な神経または精神障害を患っている患者に対する負担を軽減する医療現場での磁気刺激療法を有効にするためのシステム及び方法の改善が求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明では、経皮的磁気刺激を行って対象者を処置するためのシステム及び方法が提供される。一態様では、経皮的磁気刺激を行って対象者を処置するためのシステムが提供される。一実施形態では、システムは、第1のサブシステムと、第1のサブシステムと通信する第2のサブシステムとを含んでいる。第1のサブシステムは、第1のコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つの第1のメモリ、少なくとも1つの第1のプロセッサ、第1の刺激装置、第1の磁気コイル、及び第1のユーザインターフェースを含んでいる。第1の刺激装置は、少なくとも1つの第1のプロセッサと通信し、電気パルスを発生させるように構成されている。第1の磁気コイルは、第1の刺激装置と通信し、第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成されている。第1のユーザインターフェースは、少なくとも1つの第1のプロセッサと通信し、第1の磁気コイルによって第1の対象者に送り出された磁気刺激に関係するユーザ入力を受け取るように構成されている。少なくとも1つの第1のプロセッサは、少なくとも1つの第1のメモリにアクセスし、第1のコンピュータ実行可能命令を実行して、第1の対象者に対応付けられる第1の対象者データを決定することであって、第1の対象者データには、第1の対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子が含まれる、決定することと、第1のユーザインターフェースからのユーザ入力の1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて、第1の対象者に対する第1の刺激装置または第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第1のパラメータを含む第1の刺激パラメータデータを決定することと、第1の対象者データと第1の刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶することと、を行うように構成されている。第2のサブシステムは、第2のコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つの第2のメモリ、少なくとも1つの第2のプロセッサ、第2の刺激装置、ヘッドピース、及び画像記録デバイスを含んでいる。第2の刺激装置は、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、電気パルスを発生させるように構成されている。ヘッドピースは、第1の対象者の頭部と嵌合するように構成され、ヘッドピースは、ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子と、第2の刺激装置と通信し、第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成された第2の磁気コイルと、を含んでいる。第2の磁気コイルは、ヘッドピースの本体の固定された所定の場所に、承認者のみが解除または変更することができる確実なロッキング手段によって装着されている。画像記録デバイスは、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、第1の対象者及びヘッドピースの画像を取り込むように構成されている。少なくとも1つの第2のプロセッサは、少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、第1の対象者データと第1の刺激パラメータデータとを受け取ることと、第1の対象者データと第1の刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ることであって、第1の画像データは、第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第1の画像に対応する、受け取ることと、画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ることであって、第2の画像データは、第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、受け取ることと、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、第1の刺激パラメータデータは第1の対象者に対応付けられると決定することと、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは第1の対象者に対応付けられると決定することと、を行うように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1のパラメータには、(i)第2の刺激装置が発生させるべき電気パルスの大きさ及びタイミングシーケンス、(ii)第2の磁気コイルが送り出すべき磁気刺激の大きさ、及び(iii)第1の対象者の標的解剖学的構造に対するヘッドピースの位置のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、ヘッドピースが第1の対象者に対応付けられるという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作を可能にするように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、データ記憶装置から第1の対象者データ、第1の刺激パラメータデータ、及び第1の画像データを受け取ることであって、第1の対象者データ、第1の刺激パラメータデータ、及び第1の画像データは暗号化されている、受け取ることを行うように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1のサブシステムまたはリモートサーバから1つ以上のネットワークを介して第1の対象者データ、第1の刺激パラメータデータ、第1の画像データを受け取ることであって、第1の対象者データ、第1の刺激パラメータデータ、第1の画像データは暗号化される、受け取ることと、第1の対象者データ、第1の刺激パラメータデータ、第1の画像データを互いに関連させてデータ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置から1つ以上のネットワークを介して第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、第2の刺激パラメータデータは暗号化され、第1の対象者に対する第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、受け取ることと、第2の刺激パラメータデータは第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、第2の刺激パラメータデータを、第1の対象者データと第1の画像データとに関連させてデータ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置に1つ以上のネットワークを介して刺激履歴データを送ることであって、刺激履歴データは暗号化され、第1の対象者に施される1つ以上の刺激セッションに対応付けられる1つ以上の評価基準を含む、送ることと、第1のサブシステム、リモートサーバ、またはユーザ装置から1つ以上のネットワークを介してから第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、第2の刺激パラメータデータは暗号化され、第1の対象者に対する第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、受け取ることと、第2の刺激パラメータデータは第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、第2の刺激パラメータデータを、第1の対象者データと第1の画像データとに関連させてデータ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、オーディオ記録デバイスを含み、オーディオ記録デバイスは、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、第1の対象者のオーディオ記録を取り込むように構成され、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1のオーディオデータを受け取ることであって、第1のオーディオデータは第1の対象者の1つ以上の第1のオーディオ記録に対応する、受け取ることと、オーディオ記録デバイスから第2のオーディオデータを受け取ることであって、第2のオーディオデータは第1の対象者の1つ以上の第2のオーディオ記録に対応する、受け取ることと、第1の画像データ、第2の画像データ、第1のオーディオデータ、及び第2のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の刺激パラメータデータは第1の対象者に対応付けられると決定することと、を行うように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、オーディオ記録デバイスを含み、オーディオ記録デバイスは、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、第1の対象者のオーディオ記録を取り込むように構成され、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1のオーディオデータを受け取ることであって、第1のオーディオデータは第1の対象者の1つ以上の第1のオーディオ記録に対応する、受け取ることと、第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、オーディオ記録デバイスから第2のオーディオデータを受け取ることであって、第2のオーディオデータは第1の対象者の1つ以上の第2のオーディオ記録に対応し、第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる第1のコマンドを示す、受け取ることと、第1のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、第2のオーディオデータは第1の対象者に対応付けられると決定することと、第2のオーディオデータは第1の対象者に対応付けられるという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置に第2の動作状態を取らせることと、を行うように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、オーディオ記録デバイスから第3のオーディオデータを受け取ることであって、第3のオーディオデータは第2の対象者の1つ以上の第3のオーディオ記録に対応し、第2の刺激装置の第3の動作状態に対応付けられる第2のコマンドを示す、受け取ることと、第1のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、第3のオーディオデータは第1の対象者に対応付けられないと決定することと、第3のオーディオデータは第1の対象者に対応付けられないという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置に第2の動作状態を維持させることと、を行うように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の画像は1つ以上のヘッドピース識別子の少なくとも一部を含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、1つ以上のヘッドピース識別子の少なくとも一部に少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは第1の対象者に対応付けられると決定するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヘッドピース識別子は、(i)バーコード、(ii)無線周波数識別タグ、及び(iii)構造パターンのうちの少なくとも1つを含む暗号化された識別子を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1のパラメータは、第1の対象者の標的解剖学的構造に対するヘッドピースの所定の位置を含み、第2の磁気コイルの固定場所は、第1の対象者の標的解剖学的構造に対するヘッドピースの所定の位置に対応する。
【0021】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、処置セッションの前または処置セッションの間に1回以上、ヘッドピースは第1の対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあると決定することを行うように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第1のインジケータを含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、ヘッドピースは第1の対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあるという決定に少なくとも部分的に基づいて、第1のインジケータを起動させることを行うように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第2のインジケータを含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、画像記録デバイスから第3の画像データを受け取ることであって、第3の画像データは、第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第3の画像に対応する、受け取ることと、第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは第1の対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にないと決定することと、ヘッドピースは所定の位置にないという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2のインジケータを起動させることであって、第2のインジケータは、第1の対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置に向かう、第1の対象者の頭部に対するヘッドピースの動きを示す、起動させることと、を行うように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のインジケータと第2のインジケータとはヘッドピースの本体に装着される。
【0025】
いくつかの実施形態では、画像記録デバイスはヘッドピースの本体に装着される。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、光を反射するように構成されたミラーを含み、1つ以上の第2の画像は、ミラーに反射された第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部とを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、画像記録デバイスから第3の画像データを受け取ることであって、第3の画像データは第1の対象者の少なくとも一部の1つ以上の第3の画像に対応する、受け取ることと、第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、第1の対象者の状態を決定することであって、第1の対象者の状態は、(i)覚醒状態、(ii)睡眠状態、(iii)発作状態のうちの1つを含む、決定することと、第1の対象者の状態に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作を有効または無効にすることと、を行うように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の対象者の状態は睡眠状態を含み、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するアラームを含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1の対象者の状態に少なくとも部分的に基づいて、アラームを起動させることを行うように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の対象者の状態は発作状態を含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第1の対象者の状態に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作を無効にすることと、第1の対象者の状態に少なくとも部分的に基づいて、第1のサブシステム、管理臨床医に対応付けられるユーザ装置、または緊急対応サービスに対応付けられるユーザ装置に緊急メッセージを送ることであって、緊急メッセージは発作状態を示す、送ることと、を行うように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムはさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第2のユーザインターフェースを含み、少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、第1の対象者の第2のユーザインターフェースとのやり取りの表示を受け取ることであって、やり取りの表示は第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる、受け取ることと、やり取りの表示に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置に第2の動作状態を取らせることと、を行うように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、第2のサブシステムは持ち運び可能で、第1のサブシステムに対する遠隔地で用いるように構成される。
【0032】
別の態様では、経皮的磁気刺激を行って対象者を処置するための方法が提供される。一実施形態では、本方法は、第1のサブシステムの少なくとも1つの第1のメモリに結合された少なくとも1つの第1のプロセッサによって、第1の対象者に対応付けられる第1の対象者データを決定することであって、第1の対象者データは、第1の対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む、決定することと、少なくとも1つの第1のプロセッサによって、第1のサブシステムの第1の刺激装置に第1の複数の電気パルスを発生させることと、少なくとも1つの第1のプロセッサによって、第1のサブシステムの第1の磁気コイルに第1の磁気刺激を第1の対象者に送り出させることと、第1のサブシステムの第1のユーザインターフェースからのユーザ入力の1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第1のプロセッサによって、第1の対象者に対する第1の刺激装置または第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第1のパラメータを含む第1の刺激パラメータデータを決定することと、少なくとも1つの第1のプロセッサによって、第1の対象者データと第1の刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶することと、第2のサブシステムの少なくとも1つの第2のメモリに結合された少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第1の対象者データと第1の刺激パラメータデータとを受け取ることと、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第1の対象者データと第1の刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ることであって、第1の画像データは、第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第1の画像に対応し、ヘッドピースは、ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子を含む、受け取ることと、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第2のサブシステムの画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ることであって、第2の画像データは、第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、受け取ることと、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第1の刺激パラメータデータが第1の対象者に対応付けられると決定することと、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、ヘッドピースは第1の対象者に対応付けられると決定することと、ヘッドピースは第1の対象者に対応付けられるという決定に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第2のサブシステムの第2の刺激装置またはヘッドピースの第2の磁気コイルの動作を有効にすることであって、第2の刺激装置は電気パルスを発生させるように構成され、第2の磁気コイルは、ヘッドピースの本体の固定場所に確実なロッキング手段によって装着され、第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成される、有効にすることと、を含んでいる。
【0033】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置に1つ以上のネットワークを介して、刺激履歴データを送ることであって、刺激履歴データは暗号化され、第1の対象者に施される1つ以上の刺激セッションに対応付けられる1つ以上の評価基準を含む、送ることと、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第1のサブシステム、リモートサーバ、またはユーザ装置から1つ以上のネットワークを介して第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、第2の刺激パラメータデータは暗号化され、第1の対象者に対する第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、受け取ることと、第2の刺激パラメータデータは第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、第2の刺激パラメータデータを、第1の対象者データと第1の画像データとに関連させて第2のサブシステムのデータ記憶装置に記憶することと、を含んでいる。
【0034】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第1の対象者の第2のサブシステムの第2のユーザインターフェースとのやり取りの表示を受け取ることであって、やり取りの表示は第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる、受け取ることと、やり取りの表示に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第2のプロセッサによって、第2の刺激装置に第2の動作状態を取らせることと、を含んでいる。
【0035】
本開示のこれら及び他の態様ならびに改善は、以下の詳細な説明とともにいくつかの図面及び添付の特許請求の範囲を考察することによって、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による対象者を処置するために磁気刺激を管理及び実施するための磁気刺激システムのアーキテクチャ例及びプロセスフロー図例を例示する図である。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に対する磁気刺激処方を決定するための処方システムのアーキテクチャ例を概略的に例示する図である。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に対する磁気刺激処方を決定するための処方システムの実施例を例示する図である。
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に磁気刺激を施すための処置システムのアーキテクチャ例を概略的に例示する図である。
図1E】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に磁気刺激を施すための処置システムの実施例を例示する図である。
図1F図1Eの処置システムの一部の実施例を例示する図である。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に対する磁気刺激処方を決定するためのプロセスフロー図例を例示する図である。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に磁気刺激を施すためのプロセスフロー図例を例示する図である。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に対する磁気刺激処方を決定して対象者に磁気刺激を施すためのプロセスフロー図例を例示する図である。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による対象者に対する磁気刺激処方を決定して対象者に磁気刺激を施すためのプロセスフロー図例を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付図面を参照して詳細な説明を述べる。図面は、単に説明の目的上与えており、単に本開示の実施形態例を示すものである。図面は本開示の理解を容易にするために与えており、本開示の広さ、範囲、または適用性を限定するものとみなしてはならない。同じ参照数字を用いた場合、同様だが必ずしも同じまたは同一ではないコンポーネントを示する。異なる参照数字を用いて同様のコンポーネントを識別する場合がある。種々の実施形態において、図面に例示したもの以外の要素またはコンポーネントを用いる場合があり、いくつかの要素及び/またはコンポーネントは種々の実施形態において存在しない場合がある。単数形の専門用語を用いてコンポーネントまたは要素を説明した場合、文脈に応じて、複数のこのようなコンポーネントまたは要素を包含する場合があり、逆もまた同様である。
【0038】
以下の説明では、特定の詳細について述べて、本発明と整合するいくつかの実施形態について説明する。実施形態の十分な理解が得られるように多くの特定の詳細について述べる。しかし、これらの特定の詳細の一部または全部を伴うことなくいくつかの実施形態を実施してもよいことは、当業者には明らかである。本明細書で開示する特定の実施形態は、例示的であって限定ではないことが意図される。当業者であれば、ここでは具体的には説明していないが本開示の範囲及び趣旨内にある他の要素を実現し得る。加えて、不要な繰り返しを避けるために、一実施形態に関連させて図示及び説明した1つ以上の特徴を、特に明記のない限り、またはその1つ以上の特徴によって実施形態が非機能的になる場合を除いて、他の実施形態に組み込むことがある。場合によっては、実施形態の態様を不要に不明瞭にしないように、良く知られた方法、手順、コンポーネント、及び回路については詳細に説明していない。
【0039】
対象者(すなわち、患者)を処置するために磁気刺激を行うためのこのようなシステムを用いるための磁気刺激システム及び方法の実施形態が提供される。本明細書で説明するように、磁気刺激システムは、対象者を処置するために磁気刺激を管理及び実施するように構成される。いくつかの実施形態では、磁気刺激システムは、経頭蓋磁気刺激(TMS)または反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)などの経皮的磁気刺激を管理及び実施するように構成される。本明細書で説明するように、磁気刺激システムによって、rTMSが必要な神経または精神障害を患う対象者に対する負担を軽減する医療現場での(POC)磁気刺激療法が有効になり、有利である。詳細には、磁気刺激システムは、rTMSが必要な徴候に対して対象者が施すPOCTMS処置を有効にするための必要な機能要件、安全要件、及び規制上の要件に対処する。たとえば、本明細書で説明する実施形態によれば、磁気刺激システムは、以下のうちの1つ以上またはすべてに対処し得る。患者にTMSを施すための処置システムの真の携帯性を提供すること、処置システムによって適切な対象者が処置されることを確実に保証すること、処置セッションの時間の間、処置システムの磁気コイルが対象者上で適切に位置決めされ、対象者が最適な姿勢のままであることを確実に保証すること、処置システムが従う処置プロトコルが対象者に対する適切な処方であり、管理臨床医の承認なく変更できないことを確実に保証すること、睡眠、発作、または他の状態の始まりに対して処置セッションの間中、対象者をモニタリングして、性能基準に準拠しないことが起きた場合に適切な応答行為を取ること、及び意図したユーザの技能及び訓練レベルに適合した、臨床医及び対象者用のユーザインターフェースを提供すること。このようにして、磁気刺激システムは、対象者が施すPOCTMS処置に付随する特定の機能的事項、安全事項、及び規制事項に対処する。
【0040】
次に図1Aを参照して、本開示の1つ以上の実施形態による磁気刺激システム100を示す。磁気刺激システム100は、対象者を処置する磁気刺激を管理及び実施するように構成される。磁気刺激システム100は、少なくとも1つの処方システム110(本明細書では「第1のサブシステム」とも言う)と、少なくとも1つの処置システム140(本明細書では「第2のサブシステム」とも言う)とを含み、これらは互いに通信する。図1Aでは単一の処方システム110と単一の処置システム140のみが示されるが、磁気刺激システム100は任意の数の処方システム110及び処置システム140を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、特定の診療場所に対応付けられる単一の処方システム110が、異なる対象者に対応付けられる複数の処置システム140と通信できてもよい。いくつかの実施形態では、特定の対象者に対応付けられる単一の処置システム140が、異なる診療場所に対応付けられる複数の処方システム110と通信できてもよい。処方システム110は、対象者に対する磁気刺激処方を決定して本明細書で説明するさらなる機能を実施する際に用いるように構成される。処置システム140は、対象者に磁気刺激を施して本明細書で説明するさらなる機能を実施する際に用いるように構成される。処置システム140は持ち運び可能であり、処方システム110に対する遠隔地で用いるように構成される。処方システム110を病院、医師のオフィス、または診療所などの臨床施設で、訓練を受けた臨床医が用いてもよい。これに対し、処置システム140は、臨床施設において対象者に対してセットアップ及びカスタマイズしてもよく、その後に、対象者の自宅、または処方システム110から遠隔にある他の都合の良い場所であって、最小限の臨床訓練のみを受けた対象者または補助者が施す治療のための場所に搬送してもよい。処方システム110(処置システム140ではない)を用いて対象者を評価し、対象者の磁気刺激処方を決定するため、処置システム140はこのような機能にとって必要な複雑なコンポーネント及びソフトウェアを含む必要はない。したがって、処置システム140は、磁気刺激を施して本明細書で説明するさらなる機能を実施するために必要なコンポーネント及びソフトウェアのみを含むコンパクトで持ち運び可能なシステムとして提供してもよい。また処置システム140は、処置システム140の携帯性をさらに高めるために電力効率の良いトポロジを用い得る。処置システム140(処方システム110ではない)を用いてrTMS治療などの磁気刺激療法を施すため、処方システム110はこのような機能にとって必要なコンポーネント及びソフトウェアを含む必要はない。したがって、処方システム110は、TMS治療に必要なものよりも小さい単一のパルス刺激装置のみを含んでいてもよく、TMS治療を施すことができなくてもよい。
【0041】
図1Aに示すように、処方システム110及び処置システム140は1つ以上のネットワーク(複数可)102を介して互いに通信する。このようにして、処方システム110と処置システム140とは互いとの間で、ならびにネットワーク(複数可)102に接続された他のシステム、デバイス、及び/またはサーバとの間で、データを送りデータを受け取ってもよい。ネットワーク(複数可)102は、限定することなく、以下を含んでもよい。いずれか1つ以上の異なるタイプの通信ネットワーク、たとえば、ケーブルネットワーク、パブリックネットワーク(たとえば、インターネット)、プライベートネットワーク(たとえば、フレームリレーネットワーク)、無線ネットワーク、セルラーネットワーク、電話網(たとえば、公衆交換電話網)、または任意の他の好適な個人または公共のパケット交換または回線交換網など。さらに、ネットワーク(複数可)102には、任意の好適な通信範囲が対応付けられていてもよく、以下が含まれていてもよい。たとえば、グローバルネットワーク(たとえば、インターネット)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、またはパーソナルエリアネットワーク(PAN)。加えて、ネットワーク(複数可)102は、任意の好適なタイプの媒体を介してネットワークトラフィックを送信するための通信リンク及び付随するネットワーキング装置(たとえば、リンク層スイッチ、ルータなど)を含んでもよい。媒体としては、限定することなく、以下が挙げられる。同軸ケーブル、ツイストペアワイヤ(たとえば、ツイストペア銅ワイヤ)、光ファイバ、ハイブリッドファイバー同軸(HFC)媒体、マイクロ波媒体、無線周波数通信媒体、衛星通信媒体、またはそれらの任意の組み合わせ。
【0042】
図1Aの例において、磁気刺激システム100は、処方システム110及び処置システム140とネットワーク(複数可)102を介して通信する1つ以上のデータサーバ(複数可)104も含んでいる。データサーバ(複数可)104は、磁気刺激の管理及び実施に関係する種々のタイプのデータを記憶するように構成される。データとしては、限定することなく、以下が挙げられる。磁気刺激システム100によって処置される1人以上の対象者に対する対象者データ、刺激パラメータデータ、刺激履歴データ、セキュリティデータ、画像データ、オーディオデータ、医療記録データ、支払い請求データなど。後述するように、処方システム110及び処置システム140は、データサーバ(複数可)104との間でネットワーク(複数可)102を介してデータを送りデータを受け取ってもよい。データサーバ(複数可)104は、データを記憶するための従来の方法で構成してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、磁気刺激システム100はまた、処方システム110、処置システム140、及びデータサーバ(複数可)104とネットワーク(複数可)102を介して通信する1つ以上のユーザ装置を含んでいる。たとえば、図1Aに示すように、磁気刺激システム100は、1つ以上の管理臨床医ユーザ装置(複数可)106及び1つ以上の緊急対応ユーザ装置(複数可)108を含んでいる。各管理臨床医ユーザ装置106は、1人以上の対象者に対する磁気刺激処置を管理する臨床医に対応付けられる。後述するように、管理臨床医ユーザ装置106を臨床医が用いて、処方システム110、処置システム140、及びデータサーバ(複数可)104との間でネットワーク(複数可)102を介してデータを送りデータを受け取ってもよい。たとえば、管理臨床医ユーザ装置106を用いて、対象者に対する刺激履歴データを受け取り、対象者に対する刺激パラメータデータを変更してもよい。このようにして、管理臨床医はユーザ装置106を用いて、対象者の磁気刺激処置を遠隔にモニタリングし、対象者に対する処置プロトコルとの準拠を決定し、処置プロトコルを変更し、潜在的な有害事象をモニタリングし、有害事象に対する適切な対応を決定し、処置システム140の動作を無効にしてもよい等である。各緊急対応ユーザ装置108は緊急対応サービスに対応付けられる。後述するように、緊急対応ユーザ装置108を緊急対応サービスが用いて、処置システム140との間でネットワーク(複数可)102を介してデータを送りデータを受け取ってもよい。たとえば、緊急対応ユーザ装置108を用いて、有害事象(たとえば、対象者が発作状態にある)を示す緊急メッセージを処置システム140から受け取り、緊急対応要員が処置システム140の場所に送り出されることを示す応答メッセージを送ってもよい。このようにして、緊急対応サービスはユーザ装置108を、有害事象の発生を遠隔に決定し、有害事象に対する適切な対応を開始する等のために用い得る。管理臨床医ユーザ装置106と緊急対応ユーザ装置108とは、任意のタイプの電子装置(たとえば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなど)であってもよく、これをユーザが用いて、磁気刺激システム100の他のシステム、デバイス、及び/またはサーバと通信する。
【0044】
図1Bに処方システム110のアーキテクチャ例を例示する。図示したように、処方システム110は、1つ以上のプロセッサ(複数可)111、1つ以上のメモリ装置(複数可)112(本明細書では「メモリ」とも言う)、1つ以上の入出力(I/O)インターフェース(複数可)113、1つ以上のネットワークインターフェース(複数可)114、1つ以上の刺激装置(複数可)115、1つ以上の磁気コイル(複数可)116、1つ以上の画像記録デバイス(複数可)117、1つ以上のオーディオ記録デバイス(複数可)118、及びデータ記憶装置120を含んでいる。処方システム110は、処方システム110の種々のコンポーネントと機能的に結合する1つ以上のバス(複数可)も含んでいる。バス(複数可)としては、処方システム110の種々のコンポーネント間での情報(たとえば、データ(たとえば、コンピュータ実行可能コード)、シグナリングなど)の交換を有効にするシステムバス、メモリバス、アドレスバス、またはメッセージバスのうちの少なくとも1つを挙げてもよい。
【0045】
処方システム110のメモリ112としては以下を挙げてもよい。揮発性メモリ(電力が供給されたときにその状態を維持するメモリ)、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/または不揮発性メモリ(電力が供給されないときであってもその状態を維持するメモリ)、たとえば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、強誘電体RAM(FRAM)など。データ記憶装置120としては、取り外し可能記憶装置及び/または取り外し不可能記憶装置(たとえば、限定することなく、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置、及び/またはテープ記憶装置)を挙げてもよい。データ記憶装置120は、コンピュータ実行可能命令及び他のデータの不揮発性記憶装置をもたらしてもよい。メモリ112及びデータ記憶装置120(取り外し可能及び/または取り外し不可能)は、コンピュータ可読記憶媒体(CRSM)の例である(その用語が本明細書で用いられる場合)。
【0046】
プロセッサ(複数可)111は、メモリ112にアクセスして、そこにロードされたコンピュータ実行可能命令を実行するように構成される。たとえば、プロセッサ(複数可)111は、処方システム110の種々のプログラムモジュール、アプリケーション、エンジンなどのコンピュータ実行可能命令を実行して、本開示の実施形態により行われるべき種々の動作を起こすかまたは容易にするように構成してもよい。プロセッサ(複数可)111は、データを入力として受け入れ、記憶したコンピュータ実行可能命令により入力データを処理し、出力データを生成することができる任意の好適な処理ユニットを含んでいてもよい。
【0047】
I/Oインターフェース(複数可)113は、処方システム110が1つ以上のI/Oデバイスから入力情報を受け取ること、ならびに処方システム110から1つ以上のI/Oデバイスへ情報を出力することを容易にする。I/Oデバイスとしては以下の種々のコンポーネントのうちのいずれかを挙げてもよい。たとえば、タッチ表面またはタッチスクリーンを有するディスプレイまたはディスプレイスクリーン、音を発生させるためのオーディオ出力デバイス、たとえばスピーカ、オーディオ記録または取り込み装置、たとえばマイクロフォン、画像及び/またはビデオ録画または取り込み装置、たとえばカメラ、触覚ユニットなど。またI/Oインターフェース(複数可)113としては以下を挙げてもよい。外部周辺デバイス接続のためのインターフェース、たとえばユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイヤーワイヤー、サンダーボルト、イーサネットポート、または他の接続プロトコルであって、ネットワーク(複数可)102に接続し得るもの。またI/Oインターフェース(複数可)113としては以下を挙げてもよい。アンテナ(複数可)の1つ以上に対する接続部であって、ネットワーク(複数可)102に、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(たとえばWi-Fi)ラジオ、ブルートゥース、及び/または無線ネットワークラジオ、たとえば無線通信ネットワーク(たとえば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、ワイマックスネットワーク、3Gネットワークなど)と通信可能なラジオを介して、接続する接続部。ネットワークインターフェース(複数可)114は、種々の他のシステム、プラットフォーム、ネットワーク、デバイスなどのうちのいずれかと通信する。ネットワークインターフェース(複数可)114は、たとえば、1つ以上の無線ルータ、1つ以上のホストサーバ、1つ以上のウェブサーバなどとのネットワーク(複数可)102を介した通信を有効にし得る。
【0048】
刺激装置(複数可)115は、経皮的磁気刺激、経頭蓋磁気刺激、反復経頭蓋磁気刺激などの磁気刺激に適した電気パルスを発生させるように構成される。刺激装置(複数可)115は、従来の方法で構成された任意のタイプのパルス発生器であってもよい。磁気コイル(複数可)116は、経皮的磁気刺激、経頭蓋磁気刺激、反復経頭蓋磁気刺激などの磁気刺激を対象者に送り出すように構成される。磁気コイル(複数可)116は、従来の方法で構成された任意のタイプの好適なコイルであってもよい。画像記録デバイス(複数可)117は、画像を取り込んで、取り込んだ画像に対応する画像データを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、画像記録デバイス(複数可)117はまた、ビデオを取り込んで、取り込んだビデオに対応するビデオデータを生成するように構成される。画像記録デバイス(複数可)117は、画像及び/またはビデオを取り込むための任意のタイプの好適なデバイス(たとえば、カメラ)であってもよい。オーディオ記録デバイス(複数可)118は、オーディオ記録を取り込んで、取り込んだオーディオ記録に対応するオーディオデータを生成するように構成される。オーディオ記録デバイス(複数可)118は、オーディオ記録を取り込むための任意のタイプの好適なデバイス(たとえば、マイクロフォン)であってもよい。
【0049】
図1Bに示すように、データ記憶装置120には以下が記憶される。1つ以上のオペレーティングシステム(O/S)121、1つ以上のデータベース管理システム(DBMS)122、及び1つ以上のプログラムモジュール(複数可)、アプリケーション、エンジン、コンピュータ実行可能コード、スクリプトなど、たとえば、1つ以上の通信モジュール(複数可)123、1つ以上の刺激モジュール(複数可)124、1つ以上の対象者データ決定モジュール(複数可)125、1つ以上の刺激パラメータ決定モジュール(複数可)126、及び1つ以上のセキュリティデータ決定モジュール(複数可)127など。これらのモジュールの一部または全部はサブモジュールであるかまたはサブモジュールを含んでいてもよい。当然のことながら、データ記憶装置120に記憶される図1Bに示すプログラムモジュールは単に例示的であって網羅的ではなく、また何らかの特定のモジュールによってサポートされると説明した処理を代替的に、複数のモジュールにわたって分散させてもよいしまたは異なるモジュールによって行ってもよい。データ記憶装置120に記憶されると図示したコンポーネントのうちのいずれかが、ソフトウェア、ファームウェア、及び/またはハードウェアの任意の組み合わせを含んでいてもよい。ソフトウェア及び/またはファームウェアは、プロセッサ(複数可)111のうちの1つ以上が実行するようにメモリ112内にロードされ得るコンピュータ実行可能コード、命令などを含んでいてもよい。データ記憶装置120に記憶されると図示したコンポーネントのうちのいずれかが、本明細書で名前を挙げた対応するコンポーネントに関連して説明した機能をサポートしてもよい。O/S121は、データ記憶装置120からメモリ112内へロードしてもよく、また処方システム110上で実行されるソフトウェアと処方システム110のハードウェア資源との間のインターフェースをもたらしてもよい。DBMS122は、メモリ112内にロードしてもよく、またメモリ112に記憶されたデータ及び/またはデータ記憶装置120に記憶されたデータにアクセスし、これを取り出し、記憶し、及び/または操作するための機能をサポートしてもよい。
【0050】
通信モジュール(複数可)123は、プロセッサ(複数可)111のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、リモートサーバと通信すること、遠隔のデータストアと通信すること、他の電子装置と通信すること、情報及び命令を送るかまたは受け取ること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コードなどを含んでいる。刺激モジュール(複数可)124は、プロセッサ(複数可)111のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、刺激装置(複数可)115に電気パルスを発生させること、磁気コイル(複数可)116に磁気刺激を対象者に送り出させること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。対象者データ決定モジュール(複数可)125は、プロセッサ(複数可)111のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、ユーザインターフェースからユーザ入力の表示を受け取ること、このような表示に少なくとも部分的に基づいて対象者データを決定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。刺激パラメータ決定モジュール(複数可)126は、プロセッサ(複数可)111のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、ユーザインターフェースからユーザ入力の表示を受け取ること、このような表示に少なくとも部分的に基づいて刺激パラメータデータを決定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。セキュリティデータ決定モジュール(複数可)127は、プロセッサ(複数可)111のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、画像記録デバイス(複数可)117から画像データを受け取ること、オーディオ記録デバイス(複数可)118からオーディオデータを受け取ること、画像データ及び/またはオーディオデータに少なくとも部分的に基づいてセキュリティデータを決定する等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。
【0051】
図1Cに処方システム110の実施例を例示する。図示するように、処方システム110は、エレクトロニクスユニット128、支持アーム129、電源ケーブル130、ネットワークケーブル131、ユーザインターフェース132、及び椅子133を含んでいる。エレクトロニクスユニット128は、以下のうちの1つ以上またはすべてを含んでいてもよい。前述したプロセッサ(複数可)111、メモリ装置(複数可)112、I/Oインターフェース(複数可)113、ネットワークインターフェース(複数可)114、刺激装置(複数可)115、画像記録デバイス(複数可)117、オーディオ記録デバイス(複数可)118、及びデータ記憶装置120。たとえば、このようなコンポーネントをエレクトロニクスユニット128のハウジング内に含めてもよいし、またはその上に装着してもよい。図示するように、磁気コイル(複数可)116は支持アーム129に装着される。支持アーム129は、処方システム110の使用中に臨床医Cが磁気コイル(複数可)116を対象者Sの頭部の周りに動かすことができるように構成された関節アームであってもよい。電源ケーブル130はエレクトロニクスユニット128から延びて、電源(たとえば、主電源)から処方システム110の種々のコンポーネントへの電源の伝達を容易にする。ネットワークケーブル131はエレクトロニクスユニット128から延びて、処方システム110とネットワーク(複数可)102との間の通信を容易にする。椅子133は、磁気刺激を行うための最適な姿勢に対象者Sを位置決めするように構成される。
【0052】
図1Dに処置システム140のアーキテクチャ例を例示する。図示するように、処置システム140は以下を含んでいる。1つ以上のプロセッサ(複数可)141、1つ以上のメモリ装置(複数可)142(本明細書では「メモリ」とも言う)、1つ以上の入出力(I/O)インターフェース(複数可)143、1つ以上のネットワークインターフェース(複数可)144、1つ以上の刺激装置(複数可)145、1つ以上の磁気コイル(複数可)146、1つ以上の画像記録デバイス(複数可)147、1つ以上のオーディオ記録デバイス(複数可)148、1つ以上のインジケータ(複数可)149、及びデータ記憶装置150。また処置システム140は、処置システム140の種々のコンポーネントを機能的に結合する1つ以上のバス(複数可)を含んでいる。バス(複数可)は、処置システム140の種々のコンポーネント間での情報(たとえば、データ(コンピュータ実行可能コードを含む)、シグナリングなど)の交換を有効にするシステムバス、メモリバス、アドレスバス、またはメッセージバスのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。プロセッサ(複数可)141、メモリ装置(複数可)142、I/Oインターフェース(複数可)143、ネットワークインターフェース(複数可)144、刺激装置(複数可)145、磁気コイル(複数可)146、画像記録デバイス(複数可)147、オーディオ記録デバイス(複数可)148、及びデータ記憶装置150は、処方システム110の対応するコンポーネントに対して前述と同様の仕方で構成してもよい。インジケータ(複数可)149は、後述するように、処置システム140の1つ以上のコンポーネントの1つ以上の状態の表示(たとえば、視覚、可聴、触覚など)を与えるように構成される。
【0053】
図1Dに示すように、データ記憶装置150には、1つ以上のオペレーティングシステム(O/S)151、1つ以上のデータベース管理システム(DBMS)152、及び1つ以上のプログラムモジュール(複数可)、アプリケーション、エンジン、コンピュータ実行可能コード、スクリプトなど、たとえば、1つ以上の通信モジュール(複数可)153、1つ以上の刺激モジュール(複数可)154、1つ以上の対象者検証モジュール(複数可)155、1つ以上の刺激パラメータ検証モジュール(複数可)156、1つ以上のヘッドピース検証モジュール(複数可)157、1つ以上のヘッドピース位置決め検証モジュール(複数可)158、及び1つ以上の刺激履歴生成モジュール(複数可)159などが記憶される。これらのモジュールの一部または全部はサブモジュールであるかまたはサブモジュールを含んでいてもよい。当然のことながら、データ記憶装置150に記憶される図1Dに示すプログラムモジュールは単に例示的であって網羅的ではなく、また何らかの特定のモジュールによってサポートされると説明した処理を代替的に、複数のモジュールにわたって分散させてもよいしまたは異なるモジュールによって行ってもよい。データ記憶装置150に記憶されると図示したコンポーネントのうちのいずれかが、ソフトウェア、ファームウェア、及び/またはハードウェアの任意の組み合わせを含んでいてもよい。ソフトウェア及び/またはファームウェアは、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上が実行するようにメモリ142内にロードされ得るコンピュータ実行可能コード、命令などを含んでいてもよい。データ記憶装置150に記憶されると図示したコンポーネントのうちのいずれかが、本明細書で名前を挙げた対応するコンポーネントに関連して説明した機能をサポートしてもよい。O/S151は、データ記憶装置150からメモリ142内へロードしてもよく、また処置システム140上で実行されるソフトウェアと処置システム140のハードウェア資源との間のインターフェースをもたらしてもよい。DBMS152は、メモリ142内にロードしてもよく、またメモリ142に記憶されたデータ及び/またはデータ記憶装置150に記憶されたデータにアクセスし、これを取り出し、記憶し、及び/または操作するための機能をサポートしてもよい。
【0054】
通信モジュール(複数可)153は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、リモートサーバと通信すること、遠隔のデータストアと通信すること、他の電子装置と通信すること、情報及び命令を送るかまたは受け取ること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。刺激モジュール(複数可)154は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、刺激装置(複数可)145に電気パルスを発生させること、磁気コイル(複数可)146に磁気刺激を対象者に送り出させること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。
【0055】
対象者検証モジュール(複数可)145は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、対象者データ(対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子等)を受け取ること、刺激パラメータデータ(対象者に対する刺激装置(複数可)145または磁気コイル(複数可)146の動作に対応付けられる1つ以上のパラメータ等)を受け取ること、セキュリティデータ(対象者に対応付けられる画像データ及び/またはオーディオデータ等)を受け取ること、セキュリティデータに少なくとも部分的に基づいて対象者データに対応付けられる対象者の身元を決定すること、セキュリティデータに少なくとも部分的に基づいて対象者が刺激パラメータデータに対応するかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。
【0056】
刺激パラメータ検証モジュール(複数可)156は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、対象者に対する刺激パラメータデータを受け取ること、刺激パラメータデータが対象者に対して妥当であるかどうかを判定すること、刺激パラメータデータを対象者に対して更新すべきかどうかを判定すること、新しい対象者に対する刺激パラメータデータが、対象者に対する既存の刺激パラメータデータの一部または全部に取って代わるかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。
【0057】
ヘッドピース検証モジュール(複数可)157は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、対象者の少なくとも一部と処置システム140のヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上の第1の参考画像に対応する第1の参考画像データを受け取ること、画像記録デバイス(複数可)147から第2の画像データを受け取ることであって、第2の画像データは対象者の少なくとも一部とヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、受け取ること、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいてヘッドピース161が対象者に対応するかどうか(すなわち、対象者が、ヘッドピース161に対応付けられる意図した対象者であるかどうか)を判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。
【0058】
ヘッドピース位置決め検証モジュール(複数可)158は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、対象者の少なくとも一部とヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上の第1の参考画像に対応する第1の参考画像データを受け取ること、画像記録デバイス(複数可)147から第2の画像データを受け取ることであって、第2の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、受け取ることと、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピース161が対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置に位置決めされているかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいる。
【0059】
図1E及び1Fに処置システム140の実施例を例示する。図示するように、処置システム140は、互いに通信するエレクトロニクスユニット160とヘッドピース161とを含んでいる。エレクトロニクスユニット160は、前述したプロセッサ(複数可)141、メモリ装置(複数可)142、I/Oインターフェース(複数可)143、ネットワークインターフェース(複数可)144、刺激装置(複数可)145、及びデータ記憶装置150のうちの1つ以上を含んでいてもよい。たとえば、このようなコンポーネントをエレクトロニクスユニット160のハウジング内に含めてもよいし、またはその上に装着してもよい。
【0060】
図示するように、ヘッドピース161は、磁気コイル(複数可)146、本体162、支持メカニズム163、確実なロッキング手段164、及び1つ以上のヘッドピース識別子(複数可)165を含んでいる。ヘッドピース161は、対象者Sの頭部と嵌合して、対象者Sの標的解剖学的構造に対する所定の位置に位置決めされるように構成される。前述したように、所定の位置は対象者Sに対する刺激パラメータデータのパラメータであってもよい。本体162は、磁気コイル(複数可)146が適切に位置決めされて標的解剖学的構造を刺激するように、対象者Sの頭部の周りに位置決めされるように構成される。本体162は、図示するように、対象者Sの頭部の周りに位置決めするためのヘルメット状構造として形成してもよいが、本体162の他の形状及び構成も用いてもよい。本体162は、ヘッドピース161のその他のコンポーネントをサポートするための構造体ももたらす。いくつかの実施形態では、図示するように、画像記録デバイス(複数可)147とオーディオ記録デバイス(複数可)148とは本体162に装着される。他の実施形態では、画像記録デバイス(複数可)147とオーディオ記録デバイス(複数可)148とはヘッドピース161から別個であってもよい。支持メカニズム163は、ヘッドピース161を対象者Sの頭部に対して固定して、たとえば、ヘッドピース161を所定の位置に維持するように構成される。確実なロッキング手段164は、磁気コイル(複数可)146を本体162に対する固定場所に取り付けるように構成される。本体162に対する磁気コイル(複数可)146の固定場所は、対象者Sの標的解剖学的構造に対するヘッドピース161の所定の位置に対応する。このようにして、ヘッドピース161が所定の位置に位置決めされたとき、磁気コイル(複数可)146が適切に位置決めされて、それにより誘起された磁界が標的解剖学的構造に向けられる。いくつかの実施形態では、図示するように、確実なロッキング手段164はブラケットと1つ以上の留め具とを含んでいてもよいが、磁気コイル(複数可)146を固定場所に確実にロックするための他のタイプの手段を用いてもよい(たとえば、1つ以上の粘着剤、接着剤、機械的結合、ストラップ、クランプなど)。確実なロッキング手段164は、磁気コイル(複数可)146の固定場所が未承認者(対象者Sを含む)には変更できないように構成される。磁気コイル(複数可)146は、対象者Sに対するヘッドピース161の初期セットアップ中に承認者によって固定場所に装着され、確実なロッキング手段164は、セットアップ後に磁気コイル(複数可)146が本体162に対して動くことを防ぐ。たとえば、確実なロッキング手段164は、磁気コイル(複数可)146をアンロックしてそれが動けるようにするための一意のキーまたは取り外しツールを必要としてもよい。
【0061】
ヘッドピース識別子(複数可)165は、ヘッドピース161に対応付けられる1つ以上の識別子を含み、ヘッドピース161を一意に識別できるように構成される。たとえば、ヘッドピース識別子(複数可)165には、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、構造パターン、または他のタイプの一意の識別子のうちの1つ以上が含まれていてもよい。ヘッドピース識別子(複数可)165には1つ以上の暗号化された識別子が含まれていてもよい。後述するように、ヘッドピース識別子(複数可)165は、画像記録デバイス(複数可)147が取り込んだ画像内に含まれていてもよい。このようにして、ヘッドピース識別子(複数可)165を含む画像を用いて、ヘッドピース161がヘッドピース161を着用する人に対応付けられるかどうか(すなわち、ヘッドピース161を着用する人が意図した対象者Sであるかどうか)を判定してもよい。さらに、ヘッドピース識別子(複数可)165と対象者Sの頭部とを含む画像を用いて、ヘッドピース161が処置に対して適切に位置決めされているかどうか(すなわち、ヘッドピース161が対象者Sの頭部に対して所定の位置に位置決めされているかどうか)を判定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140のインジケータ149のうちの1つ以上が、ヘッドピース161の一部として提供される。図1Fの例では、ヘッドピース161は、本体162に装着された第1のインジケータ166と複数の第2のインジケータ167とを含んでいる。第1のインジケータ166は、ヘッドピース161が所定の位置にあることを示すように構成され、一方で、第2のインジケータ167は、ヘッドピース161が所定の位置にないことを示し、対象者Sの頭部に対するヘッドピース161の所定の位置への所望の動きを示すように構成される。いくつかの実施形態では、インジケータ166、167は発光ダイオード(LED)などのライトを含んでいてもよいが、他のタイプの視覚インジケータを用いてもよい。いくつかの実施形態では、ヘッドピース161は電子ディスプレイを含んでいてもよく、インジケータ166、167は電子ディスプレイに選択的に設けられる。ヘッドピース161を対象者Sの頭部上で位置決めする間、第2のインジケータ167のうちの1つ以上を起動させて、ヘッドピース161が所定の位置にないことを示してもよく、また所定の位置に到達するための対象者Sの頭部に対するヘッドピース161の動きの所望の方向(たとえば、上、下、右、または左)を示してもよい。ヘッドピース161が適切に位置決めされたら、第1のインジケータ166を起動して、ヘッドピース161が所定の位置にあることを対象者Sに通知してもよい。いくつかの実施形態では、ヘッドピース161が所定の位置にあるかどうか及び/または対象者Sの頭部に対するヘッドピース161の所定の位置への所望の動きを示すために、ヘッドピース161は、視覚インジケータの代わりにまたはそれに加えて非視覚インジケータ(たとえば、可聴または触覚インジケータ)を含んでいてもよい。
【0062】
図1Eに示すように、処置システム140は、光を反射するように構成されたミラー172も含んでいる。処置システム140の使用中に、ミラー172は対象者Sの前方に位置決めされ、対象者Sの顔及びヘッドピース161の反射が対象者Sに見えるような好適な距離にある。このようにして、対象者Sは、ヘッドピース161(そのインジケータ166、167を含む)の反射を見て、ヘッドピース161を所定の位置に自分で位置決めすることができる。図示するように、インジケータ166、167の反射が対象者Sに見えるように、インジケータ166、167を本体162の正面に沿って位置決めしてもよい。ミラー172が、対象者Sに対して適切に位置決めされると、画像記録デバイス(複数可)147は、ミラー172が反射した対象者Sの顔及びヘッドピース161の画像を取り込むことができる。図示するように、対象者Sの顔及びヘッドピース161の反射が対象者Sに見えるときに、ヘッドピース161及び対象者Sの顔の反射が画像記録デバイス(複数可)147に見えるように、画像記録デバイス(複数可)147を本体162の正面に沿って位置決めしてもよい。このようにして、対象者Sは、画像記録デバイス(複数可)147またはヘッドピース161を、ミラー172に対して自分で位置合わせすることができる。また、図示するように、ヘッドピース161が対象者Sに対応付けられるかどうかを判定するときに用いるヘッドピース識別子(複数可)165が、画像記録デバイス(複数可)147に取り込まれたヘッドピース161及び対象者Sの顔の画像に含まれるように、ヘッドピース識別子(複数可)165を本体162の正面に沿って位置決めしてもよい。当然のことながら、処置システム140のいくつかの実施形態では、たとえば、画像記録デバイス(複数可)147及び/またはインジケータ166、167がヘッドピース161の本体162に装着されていないときに、ミラー172を省略してもよい。
【0063】
図1Eの例では、処置システム140はまた、1本以上の電源ケーブル(複数可)168と、エレクトロニクスユニット160とヘッドピース161との間を延びる1本以上の通信ケーブル(複数可)169とを含んでいる。電源ケーブル(複数可)168は、ヘッドピース161の種々のコンポーネントを動作させるためにエレクトロニクスユニット160からヘッドピース161へ電力を与える。電源ケーブル(複数可)168はまた、刺激装置(複数可)が発生させた電気パルスを磁気コイル(複数可)146へ伝達する。通信ケーブル(複数可)169は、エレクトロニクスユニット160とヘッドピース161との間の通信(処置システム140の動作中の制御信号の交換)をもたらす。図示するように、処置システム140はまた、エレクトロニクスユニット170から延びるネットワークケーブル170を含み、処置システム140とネットワーク(複数可)102との間の通信を容易にするように構成される。当然のことながら、他の実施形態では、ヘッドピース161、エレクトロニクスユニット160、及び/またはネットワーク(複数可)102間の通信の無線手段を用いてもよい。
【0064】
処置システム140の使用中に、対象者Sは処置システム140の動作を、ユーザインターフェース171を介して制御してもよい。いくつかの実施形態では、図示するように、ユーザインターフェース171をエレクトロニクスユニット160の一部として設けてもよいが、他の構成を用いてもよい。ユーザインターフェース171は、対象者Sが選択できるように複数の選択可能な要素(たとえば、ボタン、スイッチなど)を含んでいてもよい。たとえば、ユーザインターフェース171は、処置セッションの間に処置システム140が与える磁気刺激を制御する電源ボタン、スタートボタン、停止ボタン、一時停止ボタンなどを含んでいてもよい。対象者Sはまた、オーディオ記録デバイス(複数可)148を介して処置システム140の動作を制御してもよい。たとえば、オーディオ記録デバイス(複数可)148は、口頭コマンド(たとえば、スタート、ストップ、ポーズなど)を含む対象者Sのオーディオ記録を取り込んでもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、意図した対象者Sによる口頭コマンドのみに応答して、他の人による口頭コマンドには応答しなくてもよい。たとえば、処置システム140は、対象者Sに対する第1の参照オーディオ記録を用いて、オーディオ記録デバイス(複数可)148が取り込んだ第2のオーディオ記録が対象者Sに対応付けられるかどうかを判定してもよい。処置システム140は、処置セッションの間に対象者Sが処置システム140の動作を制御できるように構成されるが、処置システム140を代替的に、対象者Sのように最小限の臨床訓練のみを受けている補助者が操作してもよい。
【0065】
前述したように、処置システム140は、特定の対象者の磁気刺激処方によりその対象者がPOC磁気刺激療法を有効にするように構成してもよい。対象者の処置過程が完了した後で、処置システム140を別の対象者の処方によりその対象者が以後に用いるように再構成してもよい。感染症及び伝染病の現在の認識を考慮して、処置システム140は、異なる対象者が用いる間に処置システム140を適切に消毒することを確実にするためのある特徴及び機能を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140のエレクトロニクスユニット160、ヘッドピース161、ならびに任意のアクセサリ及びパッケージングは、多くの消毒方法と適合してもよい(たとえば、エチレンオキシド、アルコールミストまたはワイプ、石鹸洗浄及び洗い流し、ならびにプラズマまたはオゾン技術)。このようにして、対象者がPOC治療用の処置システム140を得る前に、訓練を受けた専門家により設備分配場所において以上の方法のうちの1つ以上により処置システム140を消毒してもよい。いくつかの実施形態では、用いる消毒方法は、処置システム140によって知らずに移される可能性がある有害なウィルス(たとえば、SARSCoV-2)及び細菌(たとえば、MRSA)に対象者がさらされることを実質的になくすことに効果的であり得る。いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140の1つ以上のコンポーネントが消毒されたことを示すように構成された1つ以上の消毒インジケータ186、187を含んでいてもよい。たとえば、エレクトロニクスユニット160は、そのハウジングに装着された第1の消毒インジケータ186を含んでいてもよく、ヘッドピース161は、その本体162に装着された第2の消毒インジケータ187を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、消毒インジケータ186、187は可視インジケータであってもよい。たとえば、消毒剤にさらされると色が変化する日付入りの化学的ストリップを、消毒インジケータ186、187として用いてもよい。他の実施形態では、画像記録デバイス147を用いてまたはUV光によって照明されたときに見える消毒日付入りの紫外線スタンプを、消毒インジケータ186、187として用いてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140を最初に対象者に支給するときに、処置システム140のエレクトロニクスユニット160、ヘッドピース161、及び任意のアクセサリを、不正開封防止シールなどの不正開封防止特徴を有するパッケージング(たとえば、1つ以上のシールされたプラスチックバッグ)で提供してもよい。このようにして、不正開封防止特徴の状態が、処置システム140のコンポーネントが消毒後に汚染されていないことを示し得る。いくつかの実施形態では、処置システム140の消毒が完了した電子記録を磁気刺激システム100内で作成及び記憶してもよい。たとえば、1つ以上の消毒方法の完了及び処置システム140の消毒の日付を示す消毒データを、データサーバ(複数可)104及び/または処置システム140において作成及び記憶してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、対象者が最初に使用する前に処置システム140が消毒されていると判定するための1つ以上の消毒検証モジュール(複数可)190を含んでいてもよい。消毒検証モジュール(複数可)190は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、処置システム140またはそのコンポーネント(すなわちエレクトロニクスユニット160、ヘッドピース161、またはアクセサリ)に対する第1の消毒データを受け取ること、処置システム140またはそのコンポーネントに対する第2の消毒データを受け取ること、第1の消毒データ及び/または第2の消毒データに少なくとも部分的に基づいて、処置システム140またはそのコンポーネントが消毒されているかどうかまたは現時点で消毒済み状態であるかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の消毒データは、処置システム140またはコンポーネントが設備分配場所において消毒されたかまたは消毒されていないかの表示を含んでいてもよい。第1の消毒データを、データサーバ(複数可)104、処置システム140のデータ記憶装置150、または磁気刺激システム100の別のデバイスもしくはシステムから受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、第2の消毒データは、処置システム140またはコンポーネントが現時点で消毒済み状態であるかまたは消毒済み状態でないかの表示を含んでいてもよい。第2の消毒データは、処置システム140の画像記録デバイス147、消毒ステータスまたは消毒状態を検出するための1つ以上の検出手段188(たとえば、処置システム140の1つ以上のセンサ、または磁気刺激システム100の別のデバイスもしくはシステム)から受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、第2の消毒データは、処置システム140の1つ以上の消毒インジケータ(たとえば、可視インジケータ、UVスタンプ、不正開封防止シールなど)の1つ以上の画像(画像記録デバイス147または別のデバイスを用いて取得され得る)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第2の消毒データは、処置システム140のエレクトロニクスユニット160、ヘッドピース161、またはアクセサリもしくはパッケージングの消毒状態に関係する1つ以上の消毒パラメータ(処置システム140の検出手段188または別のデバイスであって関連する消毒パラメータを検出するように構成されたものを用いて取得され得る)を示してもよい。たとえば、処置システム140の検出手段188は、処置システム140のコンポーネントを含むシールされたパッケージング内の酸素レベルの変化を検出するためのセンサを含んでいてもよい(たとえば、コンポーネントは、消毒されるときに窒素環境内でシールされ得て、パッケージングのシールが破られるときに周囲酸素にさらされ得る)。それに加えてまたはその代わりに、処置システム140の検出手段188は、処置システム140のコンポーネント上またはコンポーネントを含むシールされたパッケージング内の病原菌の存在を検出するためのセンサを含んでいてもよい。別の例として、処置システム140の検出手段188は、処置システム140のコンポーネント上またはコンポーネントを含むシールされたパッケージング内の消毒剤の存在(または損失または不在)を検出するためのセンサを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140またはそのコンポーネントが消毒されているかまたは現時点で消毒済み状態にあるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にし得る。言い換えれば、処置システム140は、磁気刺激療法に対する処置システム140の使用を有効にする前に消毒チェックを行い得る。
【0067】
また処置システム140は、処置システム140のコンポーネント及び/または処置システム140が用いるデータもしくはソフトウェアが不正変更されていない、損傷を受けていない、または他の方法で損なわれてもいないことを確実にするある特徴及び機能を含んでいてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、処置システム140は、磁気コイル146がヘッドピース161の本体162に対する所定の位置にあると決定するための1つ以上のコイル位置決め検証モジュール(複数可)191を含んでいてもよい。コイル位置決め検証モジュール(複数可)191は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、処置システム140に対するコイル位置決めデータを受け取ること、コイル位置決めデータに少なくとも部分的に基づいて、磁気コイル146が現時点で本体162に対する所定の位置にあるかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、コイル位置決めデータは、磁気コイル146が現時点で本体162に対する所定の位置にあるかまたはないかの表示を含んでいてもよい。コイル位置決めデータを、処置システム140の画像記録デバイス147、本体162に対する磁気コイル146の位置を検出するための1つ以上の検出手段188、たとえば処置システム140の1つ以上のセンサ、または磁気刺激システム100の別のデバイスまたはシステムから受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、コイル位置決めデータは、ヘッドピース161の磁気コイル146及び本体162の1つ以上の画像を含んでいてもよい。このような画像を、磁気コイル146が本体162に対する所定の位置にあると分かっている1つ以上の参考画像と比較してもよいし、またはこのような画像を他の方法で分析して磁気コイル146の位置決めを検証してもよい。いくつかの実施形態では、確実なロッキング手段164には、不正開封防止特徴、たとえば不正開封防止シールが含まれていてもよく、また画像には不正開封防止特徴が含まれていてもよい。このようにして、画像を分析して、不正開封防止特徴が変更されているかどうか(たとえば、不正開封防止シールが破られているかどうか)を判定してもよい。いくつかの実施形態では、コイル位置決めデータは、本体162に対する磁気コイル146の位置に関係する1つ以上の位置決めパラメータを示してもよい。位置決めパラメータは、処置システム140の検出手段188または別のデバイスであって、関連する位置決めパラメータを検出するように構成されたものを用いて取得され得る。たとえば、処置システム140の検出手段188は、本体162に対する磁気コイル146の位置の変化を検出するためのセンサを含んでいてもよい。それに加えてまたはその代わりに、処置システム140の検出手段188は、不正開封防止特徴が壊されているかまたは他の方法で変更されているか否かを検出するためのセンサを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、磁気コイル146がヘッドピース161の本体162に対する所定の位置にあるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。言い換えれば、処置システム140は、磁気刺激療法に対する処置システム140の利用を有効にする前に、コイル位置決めチェックを行ってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140が用いるデータが不正変更されていることもまたは他の方法で変更されていることもないと決定するための1つ以上のデータ検証モジュール(複数可)192を含んでいてもよい。データ検証モジュールは、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、処置システム140または対象者に対する第1のデータを受け取ること、処置システム140または対象者に対する第2のデータを受け取ること、第1のデータ及び第2のデータに少なくとも部分的に基づいて、第2のデータが不正変更されているかまたは他の方法で変更されているかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータは、処置システム140または処置システム140によって処置すべき対象者に対して正しいと分かっている参照データであってもよく、また第2のデータは、現時点で処置システム140に記憶されているデータであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータはデータサーバ104からまたは処置システム140のデータ記憶装置150から受け取ってもよく、また第2のデータはデータ記憶装置150から受け取ってもよい。たとえば、第1のデータを処置システム140から遠隔で記憶してもよく(処置システム140が遠隔地から第1のデータを受け取る前に)、また第2のデータを処置システム140に局所的に記憶してもよい。第2のデータを第1のデータと比較して、第2のデータが不正変更されているかいないかまたは他の方法で変更されているかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータ及び第2のデータには、処置すべき対象者に対する対象者データ、対象者に対する刺激パラメータデータ、対象者に対する刺激履歴データ、対象者に対するセキュリティデータ、または他のタイプのデータであって、対象者または処置システム140に対応付けられるものうちの1つ以上が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、第2のデータが不正変更されていることもまたは他の方法で変更されていることもないという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。言い換えれば、処置システム140は、磁気刺激療法に対する処置システム140の利用を有効にする前に、データ不正変更チェックを行ってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140またはその1つ以上のコンポーネントが所定の仕様内で機能することができる(すなわち、コンポーネント及び/または処置システム140全体が、磁気刺激に対する所定の仕様内の機能を抑制もしくは危うくするかまたは処置システム140の安全性もしくは有効性に悪影響を与える仕方で損傷を受けてもいないしまたは他の方法で変更されてもいない)と決定するための1つ以上の機能検証モジュール(複数可)193を含んでいてもよい。機能検証モジュール(複数可)193は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、処置システム140またはその1つ以上のコンポーネントに対する機能データを受け取ること、機能データに少なくとも部分的に基づいて、処置システム140またはその1つ以上のコンポーネントが所定の仕様内で機能することができるかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、機能データは、処置システム140またはその1つ以上のコンポーネントの機能に関係する1つ以上の機能パラメータを示してもよい。機能パラメータは、機能パラメータを検出するための1つ以上の検出手段188、たとえば処置システム140の1つ以上のセンサまたは別のデバイスであって、関連する機能パラメータを検出するように構成されたものを用いて取得してもよい。たとえば、処置システム140の検出手段188は、関連する機能パラメータを検出するための1つ以上の障害検出特徴または許容範囲検出特徴(1つ以上のセンサを含んでいてもよい)を含んでいてもよい。このような特徴は、刺激装置145が適切に電気パルスを発生させることができるかどうか、磁気コイル146が磁気刺激を適切に送り出すことができるかどうか等を検出するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140またはその1つ以上のコンポーネントが所定の仕様内で機能することができるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。言い換えれば、処置システム140は、磁気刺激療法に対する処置システム140の利用を有効にする前に、機能チェックを行ってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140が用いるソフトウェアが未承認の方法でハッキングされてもいないしまたは他の方法で変更されてもいないと決定するための、1つ以上のソフトウェア検証モジュール(複数可)194を含んでいてもよい。ソフトウェア検証モジュール(複数可)194は、プロセッサ(複数可)141のうちの1つ以上による実行に応じて、機能(限定することなく、処置システム140に対するソフトウェアデータを受け取ること、ソフトウェアデータに少なくとも部分的に基づいて、処置システム140が用いるソフトウェアがハッキングされているかまたは他の方法で変更されているかどうかを判定すること等を含む)を行うコンピュータ実行可能命令、コード等を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ソフトウェアデータは、処置システム140が用いるソフトウェアに対する変化または変化を加えようとする試みを示してもよく、またこのような変化または変化を加えようとする試みを分析して、それらが承認されているかまたは未承認であるかを判定してもよい。このようにして、処置システム140が用いるソフトウェアに対する未承認の変化または変化を加えようとする試みは、ソフトウェアがハッキングされていることを示してもよい。いくつかの実施形態では、ソフトウェア検証モジュール(複数可)194は、機能(たとえばコード比較、チェックサム比較、画像マッピング、侵入検出及びフラッギング、暗号化された改訂管理など)を行って、処置システム140が用いるソフトウェアが未承認の方法でハッキングされているかまたは他の方法で変更されているかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140が用いるソフトウェアが、未承認の方法でハッキングされてもいないしまたは他の方法で変更されてもいないという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。言い換えれば、処置システム140は、磁気刺激療法に対する処置システム140の利用を有効にする前に、ソフトウェアチェックを行ってもよい。
【0071】
医療現場での磁気刺激療法を有効にするために、磁気刺激システム100は1つ以上のプロセスフローを実行してもよい。患者を処置するために磁気刺激を管理及び実施するための例示的なプロセスフロー180を図1Aに示す。
【0072】
プロセスフロー180のブロック181において、処方システム110は対象者に対する刺激パラメータデータを決定してもよい。刺激パラメータデータを、処方システム110を操作する訓練を受けた臨床医が与えるユーザ入力の1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて決定してもよい。刺激パラメータデータは、対象者に対する刺激装置115または磁気コイル116の動作に対応付けられる複数のパラメータを含んでいてもよい。たとえば、パラメータは、刺激装置115が発生させる電気パルスの大きさ及びタイミングシーケンス、磁気コイル116が送り出す磁気刺激の大きさ、対象者の標的解剖学的構造に対する磁気コイル116の位置、及び他のパラメータであって、対象者の障害を処置するための処置プロトコル(すなわち、対象者の磁気刺激処方)を規定するものを含んでもよい。処方システム110を用いることは、対象者のモータ閾値レベル及びモータ閾値場所を従来の方法で決定することから始まってもよい。臨床医はユーザインターフェース132とやり取りして、刺激装置115に磁気パルスを発生させ、磁気コイル116に対象者の脳に磁気刺激を送り出させてもよい。臨床医は、磁気コイル116を対象者の頭部上に動かして対象者の脳内の特定の筋肉場所を分けてもよく、また磁気刺激の電力レベルを変えて対象者のモータ閾値レベル及びモータ閾値場所を決定してもよい。臨床医は次に、対象者のモータ閾値レベルに基づいて対象者の処置電力レベルを決定してもよい。対象者の脳の標的解剖学的構造を、処置すべき障害に基づいて(たとえば、特定の障害とこのような障害に対して低活動性または過活動性であると分かっている人間の脳の領域との間の関係に対応する1つ以上のアルゴリズムを用いて)決定してもよく、また標的解剖学的構造に磁気刺激を向けるために、標的解剖学的構造に対する磁気コイル116の所望の位置を決定してもよい。また処方システム110は対象者に対する対象者データを決定してもよい。対象者データは、対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含んでもよい。対象者識別子は、たとえば、対象者の名前、対象者に対する識別番号、または他の情報であって、対象者を一意に識別するために単独でまたは組み合わせて用いてもよいものを含んでもよい。ある場合には、処方システム110は、ユーザインターフェース132から受け取ったユーザ入力の1つ以上の表示に基づいて対象者データを決定してもよい。処方システム110は、対象者データと刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶してもよい。このようにして、対象者データと刺激パラメータデータとの間の対応付けを磁気刺激システム100が用いて、対象者に対する刺激パラメータデータにより対象者の処置が施されることを確実にしてもよい。対象者データと刺激パラメータデータとを処方システム110に局所的に記憶してもよい。また対象者データと刺激パラメータデータとをデータサーバ104及び/または処置システム140に提供して記憶してもよい。対象者データと刺激パラメータデータとを暗号化されたフォーマットで記憶及び伝達して、未処理データに対する未承認アクセスを抑制してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、処方システム110を用いて、対象者に対するセキュリティデータを生成するかまたは他の方法で決定してもよい。セキュリティデータは、画像データ、オーディオデータ、及び/または他のタイプのデータであって、対象者の身元を決定または検証するために磁気刺激システム100が用いてもよいものを含んでもよい。たとえば、処方システム110の画像記録デバイス117を用いて、対象者の1つ以上の画像を取り込んでもよく、また1つ以上の画像に対応する画像データを生成してもよい。それに加えてまたはその代わりに、処方システム110のオーディオ記録デバイス118を用いて、対象者の1つ以上のオーディオ記録を取り込でもよく、また1つ以上のオーディオ記録に対応するオーディオデータを生成してもよい。いくつかの実施形態では、処方システム110は、他のタイプのセキュリティデータ、たとえば網膜署名データまたは指紋データを生成するための他のデバイスを含んでいてもよい。これらは、対象者の身元を決定または検証するために用いてもよい。いくつかの実施形態では、セキュリティデータを、処方システム110とは別個の別のシステムによって生成して、処方システム110、データサーバ104、及び/または処置システム140に提供してもよい。いくつかの実施形態では、セキュリティデータを、対象者に対する処置システム140の初期セットアップ及びカスタマイゼーションの間に処置システム140が生成して、そして処方システム110及び/またはデータサーバ104に提供してもよい。本明細書で説明するように、セキュリティデータを処置システム140が用いて、処置システム140に対する刺激パラメータデータが、処置システム140の利用を試みている対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、対象者が処置システム140に対する意図した対象者であるかどうか)、ヘッドピース161が、ヘッドピース161の利用を試みている対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、対象者がヘッドピース161に対する意図した対象者であるかどうか)、及び/または処置システム140が受け取った口頭コマンドが対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、口頭コマンドを作ったのが意図した対象者だったのかまたは別の人だったのか)を判定してもよい。
【0074】
対象者に対する刺激パラメータデータを、処方システム110を用いて決定した後で、処置システム140を対象者に対してセットアップ及びカスタマイズしてもよい。処置システム140のこのようなセットアップ及びカスタマイゼーションを設備診療所で行ってもよい。設備診療所は、処方システム110と同じ診療場所または異なる場所にあってもよい。処置システム140のヘッドピース161を意図した対象者に対して構成してもよい。たとえば、磁気コイル146をヘッドピース161の本体162に対して位置決めしてもよく、確実なロッキング手段164を用いて、磁気コイル146を本体162に対する固定場所に取り付けてもよい。固定場所は、対象者の標的解剖学的構造に対するヘッドピース161の所定の位置に対応する。このようにして、ヘッドピース161が標的解剖学的構造に対する所定の位置にあるとき、磁気コイル146は標的解剖学的構造を刺激するように適切に位置決めされる。また対象者に対するヘッドピース161のカスタマイゼーションは、ヘッドピース識別子165の形成または取り付けを含んでもよい。ヘッドピース識別子165はヘッドピース161及び対象者に対応付けられる。
【0075】
プロセスフロー180のブロック182において、処置システム140は対象者に対する刺激パラメータデータ及び第1の画像データを受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、対象者に対する処置システム140のセットアップ及びカスタマイゼーションの間に、刺激パラメータデータ及び第1の画像データを処置システム140が受け取ってそこに記憶してもよい。また処置システム140のセットアップの間に、対象者データを刺激パラメータデータ及び第1の画像データに関連させて処置システム140が受け取ってそこに記憶してもよい。第1の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上の第1の画像に対応してもよい。たとえば、1つ以上の第1の画像は、対象者の顔の少なくとも一部と、ヘッドピース識別子165を含むヘッドピース161の少なくとも前方部とを含んでもよい。ヘッドピース161が対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にある間に、1つ以上の第1の画像を取り込んでもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140の画像記録デバイス147が1つ以上の第1の画像を取り込んでもよい。いくつかの実施形態では、処方システム110の画像記録デバイス117が1つ以上の第1の画像を取り込んでもよく、また第1の画像データを処置システム140に提供してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の画像を処方システム110及び処置システム140以外のシステムが取り込んでもよく、第1の画像データを処置システム140に提供してもよい。またいくつかの実施形態では、第1の画像データをデータサーバ104に提供してそこに記憶してもよい。本明細書で説明するように、第1の画像データを処置システム140が用いて、ヘッドピース161が、ヘッドピース161の利用を試みている対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、対象者がヘッドピース161に対する意図した対象者であるかどうか)、及び/またはヘッドピース161が対象者の頭部上で適切に位置決めされているかどうか(すなわち、ヘッドピース161が対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあるかどうか)を判定してもよい。このようにして、第1の画像データを、このような決定を行うための参照データとして処置システム140が用いてもよい。処置システム140を対象者に対して構成した後で、対象者は処置システム140を処方システム110に対する遠隔地まで運んで用いてもよい。たとえば、処置システム140を対象者の自宅または医療現場での利用に便利な他の場所に運んでもよい。
【0076】
プロセスフロー180のブロック183において、処置システム140は対象者に対する第2の画像データを受け取ってもよい。第2の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応してもよい。磁気刺激処置セッションを始める前に、1つ以上の第2の画像を取り込んでもよい。処置システム140の画像記録デバイス147が1つ以上の第2の画像を取り込んでもよい。前述したように、処置システム140の使用中、対象者が椅子に座ってミラー172の方を向く間に、対象者はヘッドピース161を対象者の頭部上で位置決めしてもよく、画像記録デバイス147はミラー172を用いて1つ以上の第2の画像を取り込んでもよい。1つ以上の第2の画像は、対象者の顔の少なくとも一部とヘッドピース識別子165を含むヘッドピース161の少なくとも前方部とを含んでもよい。本明細書で説明するように、第2の画像データを処置システム140が用いて、処置システム140に対する刺激パラメータデータが、処置システム140の利用を試みている対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、対象者が処置システム140に対する意図した対象者であるかどうか)、ヘッドピース161が、ヘッドピース161の利用を試みている対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、対象者がヘッドピース161に対する意図した対象者であるかどうか)、及び/またはヘッドピース161が対象者の頭部上で適切に位置決めされているかどうか(すなわち、ヘッドピース161が対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあるかどうか)を判定してもよい。またいくつかの実施形態では、第2の画像データをデータサーバ104及び/または処方システム110に提供してそこに記憶してもよい。
【0077】
プロセスフロー180のブロック184において、処置システム140は第1の画像データ及び第2の画像データを用いて、刺激パラメータデータが対象者に対応すると決定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は第1の画像データと第2の画像データとを比較して、刺激パラメータデータが対象者に対応すると決定してもよい。たとえば、処置システム140は、1つ以上の顔認識アルゴリズムを用いて第1の画像データと第2の画像データとを比較し、対象者が刺激パラメータデータに対応付けられる意図した対象者かどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の顔認識アルゴリズムは1つ以上の第1の画像を用いて、意図した対象者の1つ以上の顔の特徴を決定してもよく、そして1つ以上の顔の特徴が1つ以上の第2の画像内に存在するかどうかを判定してもよい。第1の画像データ及び第2の画像データを分析して、刺激パラメータデータが対象者に対応するかどうかを判定するために、種々のアプローチを用いてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、刺激パラメータデータが対象者に対応するという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。
【0078】
プロセスフロー180のブロック185において、処置システム140は第2の画像データを用いてヘッドピース161が対象者に対応すると決定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140はヘッドピース識別子165と1つ以上の第2の画像内の対象者の顔とを用いて、ヘッドピース161が対象者に対応すると決定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は1つ以上のオブジェクト及び顔認識アルゴリズムを用いて、対象者が、ヘッドピース161に対応付けられる意図した対象者であるかどうかを判定してもよい。第2の画像データを分析してヘッドピース161が対象者に対応するかどうかを判定するために、種々のアプローチを用いてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、ヘッドピース161が対象者に対応するという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、処置システム140は第1の画像データ及び第2の画像データを用いて、ヘッドピース161が対象者の頭部上で適切に位置決めされているかどうか(すなわち、ヘッドピース161が対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあるかどうか)を判定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は第1の画像データと第2の画像データとを比較して、ヘッドピース161が所定の位置にあるかどうかを決定してもよい。たとえば、処置システム140は、1つ以上のオブジェクト及び顔認識アルゴリズムを用いて第1の画像データと第2の画像データとを比較して、ヘッドピース161が所定の位置にあるかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のオブジェクト及び顔認識アルゴリズムが1つ以上の第1の画像を用いて、1つ以上の第1の画像内での対象者の1つ以上の顔の特徴に対するヘッドピース161の位置を決定してもよく、そして、1つ以上の第2の画像内で対象者の1つ以上の顔の特徴に対してヘッドピース161が同様に位置決めされているかどうかを判定してもよい。第1の画像データ及び第2の画像データを分析してヘッドピース161が所定の位置にあるかどうかを判定するために、種々のアプローチを用いてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、ヘッドピース161が所定の位置にあるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。前述したように、処置システム140は、ヘッドピース161が所定の位置にあるという決定に少なくとも部分的に基づいて、第1のインジケータ166を起動させてもよく、その結果、対象者にヘッドピース161が所定の位置にあることを通知してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140はヘッドピース161が所定の位置にないことを決定してもよい。前述したように、処置システム140は、ヘッドピース161が所定の位置にないという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2のインジケータ167のうちの1つ以上を起動させてもよく、その結果、対象者にヘッドピース161が所定の位置にないことを通知して、所定の位置に到達するための対象者の頭部に対するヘッドピース161の動きの所望の方向(たとえば、上、下、右、または左)を示してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置セッションを始める前にヘッドピース161が所定の位置にあるかどうかを決定してもよく、また処置セッションの全体にわたって(すなわち、磁気刺激が対象者に施されている間)ヘッドピース161の位置決めをモニタリングしてもよい。言い換えれば、処置システム140は、処置セッションの全体にわたってヘッドピース161が所定の位置に留まることを確実にしてもよい。たとえば、処置システム140は、処置セッションの間に画像記録デバイス147が取り込んだ対象者の少なくとも一部とヘッドピース161の少なくとも一部との1つ以上のさらなる画像に対応するさらなる画像データを定期的に受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は第1の画像データ及びさらなる画像データを用いて、処置セッションの間にヘッドピース161が所定の位置にないこと(すなわち、処置セッションの間にヘッドピース161が所定の位置から離れたこと)を決定してもよい。そのような場合には、処置システム140は、ヘッドピース161が所定の位置にないという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を一時停止または停止させてもよい。さらに、処置システム140は、ヘッドピース161が所定の位置にないという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2のインジケータ167のうちの1つ以上を起動させてもよく、その結果、対象者にヘッドピース161が所定の位置にないことを通知して、所定の位置に到達するための対象者の頭部に対するヘッドピース161の動きの所望の方向(たとえば、上、下、右、または左)を示してもよい。処置システム140は、ヘッドピース161が所定の位置にあるという以後の決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を再開させてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置セッションの全体にわたって(すなわち、磁気刺激が対象者に施されている間)、対象者の状態(たとえば、覚醒状態、睡眠状態、発作状態など)をモニタリングしてもよい。言い換えれば、処置システム140は、処置セッションの全体にわたって対象者が所望の状態(たとえば、覚醒状態)に留まることを確実にしてもよく、また処置セッションの間に望ましくない状態(たとえば、睡眠状態、発作状態など)が始まった場合にはそれに応じて応答してもよい。たとえば、処置システム140は、処置セッションの間に画像記録デバイス147が取り込んだ対象者の少なくとも一部の1つ以上のさらなる画像に対応するさらなる画像データを定期的に受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、さらなる画像データは、処置セッションの間にヘッドピース161が所定の位置にあるかどうかを判定するために画像処置システム140が用いる同じデータであってもよい。処置システム140は、さらなる画像データに少なくとも部分的に基づいて対象者の状態を決定するために、1つ以上の顔認識アルゴリズムを用いてもよい。さらなる画像データを分析して対象者の状態を決定するために、種々のアプローチを用いてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、さらなる画像データが覚醒状態(すなわち、対象者が覚醒している)を示していると決定してもよい。そのような場合には、処置システム140は、対象者の状態が覚醒状態であるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び磁気コイル146の動作を維持させてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、さらなる画像データが睡眠状態(すなわち、対象者が眠っているかまたは眠りに落ちている)を示していると決定してもよい。そのような場合には、処置システム140は、対象者の状態が睡眠状態であるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を一時停止または停止させてもよい。さらに、処置システム140は、対象者の状態が睡眠状態であるという決定に少なくとも部分的に基づいて、処置システム140の1つ以上のアラーム(たとえば視覚、可聴、または触覚アラーム)を起動させてもよく、その結果、対象者の覚醒を促してもよい。処置システム140は、対象者の状態が覚醒状態であるという以後の決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を再開させてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、さらなる画像データが発作状態(すなわち、対象者が発作を起こしている)を示していると決定してもよい。そのような場合には、処置システム140は、対象者の状態が発作状態であるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を無効にするかまたは停止させてもよい。さらに、処置システム140は、発作状態を示す緊急メッセージを、処方システム110、管理臨床医ユーザ装置106、及び/または緊急対応ユーザ装置108に送ってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、1つ以上の刺激条件が満たされているという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。たとえば、処置システム140は、以下の刺激条件の1つ以上(任意の組み合わせ)またはすべてが満たされているという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145及び/または磁気コイル146の動作を有効にしてもよい。(i)刺激パラメータデータが対象者に対応付けられている、(ii)ヘッドピース161が対象者に対応付けられている、(iii)ヘッドピース161が所定の位置にある、及び(iv)対象者の状態が覚醒状態である。
【0084】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、対象者(または対象者を助ける補助者)のユーザインターフェース171とのやり取りの1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145の動作状態(たとえば、オフ、オン、一時停止など)を変えてもよい。処置システム140は、対象者のユーザインターフェース171とのやり取りの表示を受け取ってもよい。やり取りの表示は、刺激装置145の現在の動作状態とは異なる動作状態に対応付けられる。たとえば、処置システム140は、刺激装置145に第1の動作状態(たとえば、オン状態)を取らせてもよく、その後に、異なる第2の動作状態(たとえば、オフ状態)に対応付けられるやり取りの表示を受け取ってもよい。そのような場合には、処置システム140は、やり取りの表示に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145に第2の動作状態を取らせてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、口頭コマンド(たとえば、スタート、ストップ、ポーズなど)を含む対象者のオーディオ記録に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145の動作状態(たとえば、オフ、オン、一時停止など)を変えてもよい。処置システム140は、対象者の1つ以上のオーディオ記録に対応するオーディオデータを受け取ってもよい。1つ以上のオーディオ記録は、刺激装置145の現在の動作状態とは異なる動作状態に対応付けられるコマンドを示す。たとえば、処置システム140は、刺激装置145に第1の動作状態(たとえば、オン状態)を取らせてもよく、その後に、オーディオ記録デバイス148が取り込んだ対象者の1つ以上のオーディオ記録に対応するオーディオデータを受け取ってもよい。1つ以上のオーディオ記録は、異なる第2の動作状態(たとえば、オフ状態)に対応付けられるコマンドを示す。そのような場合には、処置システム140は、受け取ったオーディオデータが対象者に対応付けられるかどうか(すなわち、オーディオ記録が意図した対象者のものであるかどうか)を判定してもよい。たとえば、処置システム140は、受け取ったオーディオデータを対象者に対する参照オーディオデータと比較して、受け取ったオーディオデータが対象者に対応付けられるかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、受け取ったオーディオデータが対象者に対応付けられると決定してもよく、また受け取ったオーディオデータが対象者に対応付けられるという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145に第2の動作状態を取らせてもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、受け取ったオーディオデータは対象者に対応付けられない(すなわち、オーディオ記録は、意図した対象者以外の人のものである)と決定してもよく、また受け取ったオーディオデータは対象者に対応付けられないという決定に少なくとも部分的に基づいて、刺激装置145に第1の動作状態を維持させてもよい。このようにして、処置システム140は、意図した対象者による口頭コマンドにのみ応答して、他の人による口頭コマンドには応答しなくてもよい。
【0086】
磁気刺激処置セッションの間、処置システム140は、刺激装置145に複数の電気パルスを発生させてもよく、磁気コイル146に磁気刺激を対象者に送り出させてもよい。処置システム140は、刺激パラメータデータにより刺激装置145に複数の電気パルスを発生させてもよく、また刺激パラメータデータにより磁気コイル146に磁気刺激を対象者に送り出させてもよい。いくつかの実施形態では、磁気刺激は経皮的磁気刺激であってもよい。いくつかの実施形態では、磁気刺激は経頭蓋磁気刺激であってもよい。いくつかの実施形態では、磁気刺激は反復経頭蓋磁気刺激であってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、対象者に施される1つ以上の刺激セッションに対応付けられる1つ以上の評価基準を含む刺激履歴データを生成してもよい。たとえば、処置システム140は、刺激セッションの完了または部分的完了の後で刺激履歴データを生成してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、処方システム110、データサーバ104、及び/または管理臨床医ユーザ装置106に、刺激履歴データを送ってもよいし、または他の方法で刺激履歴データが送られるようにしてもよい。このようにして、刺激履歴データを、管理臨床医または他の承認者が調べ、対象者に対する刺激パラメータデータへの任意の変更を行うべきかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、刺激履歴データを暗号化されたフォーマットで伝達して、未承認者が未処理データにアクセスすることを妨げてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、処置システム140は、処置システム140が受け取った最初の刺激パラメータデータと少なくとも部分的には異なる新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。言い換えれば、処置システム140は、対象者に対する刺激パラメータデータへの変更または更新を受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は、管理臨床医ユーザ装置106から新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。たとえば、処置システム140は、刺激履歴データをまたは刺激パラメータデータ更新のリクエストを管理臨床医ユーザ装置106に送った後で、管理臨床医ユーザ装置106から新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は処方システム110から新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。たとえば、処置システム140は、刺激履歴データをまたは刺激パラメータデータ更新のリクエストを処方システム110に送った後で、処方システム110から新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140はデータサーバ104から新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。たとえば、処置システム140は、刺激履歴データをまたは刺激パラメータデータ更新のリクエストをデータサーバ104に送った後で、データサーバ104から新しい刺激パラメータデータを受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、新しい刺激パラメータデータを暗号化されたフォーマットで伝達して、未承認者が未処理データにアクセスすることを妨げてもよい。処置システム140は、たとえば、新しい刺激パラメータデータと最初の刺激パラメータデータとに対応付けられる対応するタイムスタンプまたはステータスインジケータを比較することによって、新しい刺激パラメータデータが最初の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定してもよい。いくつかの実施形態では、処置システム140は新しい刺激パラメータデータを、対象者データ及び第1の画像データに関連させて処置システム140に局所的に記憶してもよい。
【0089】
処置システム140を用いて、対象者に対する処置プロトコルが要求する多くの磁気刺激処置セッションを行ってもよい。当然のことながら、いくつかの実施形態では、プロセスフロー180のブロック181及び182に関して前述した動作を、対象者に対して1回行ってもよく、一方で、プロセスフロー180のブロック183、184、及び185に関して前述した動作を各処置セッションに対して行ってもよい。処置プロトコルが完了した後で、処置システム140を対象者が返却して、異なる対象者の利用に備えて再構成してもよい。
【0090】
図2を参照して、対象者に対する刺激パラメータデータを決定するための例示的なプロセスフロー200を示す。図2では、ある動作を別個に行うと例示するが、動作の一部または全部を同時にまたは部分的に同時に行ってもよい。プロセスフロー200の動作を、前述した処方システムによって実行してもよい。
【0091】
プロセスフロー200のブロック202において、対象者に対応付けられる対象者データを決定する。対象者データは対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む。たとえば、処方システムに記憶された対象者データ決定モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者に対応付けられる対象者データを決定してもよい。
【0092】
プロセスフロー200のブロック204において、刺激装置に複数の電気パルスを発生させる。たとえば、処方システムに記憶された刺激モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、刺激装置に複数の電気パルスを発生させてもよい。
【0093】
プロセスフロー200のブロック206において、磁気コイルに磁気刺激を対象者に送り出させる。たとえば、処方システムに記憶された刺激モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、磁気コイルに磁気刺激を対象者に送り出させてもよい。
【0094】
プロセスフロー200のブロック208において、刺激パラメータデータを、ユーザインターフェースからの1つ以上のユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて決定する。刺激パラメータデータは、対象者に対する刺激装置または磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上のパラメータを含む。たとえば、処方システムに記憶された刺激パラメータデータ決定モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者に対する刺激パラメータデータを決定してもよい。
【0095】
プロセスフロー200のブロック210において、対象者データと刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶する。たとえば、処方システムに記憶された刺激パラメータデータ決定モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者データと刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶してもよい。
【0096】
図3を参照して、対象者に磁気刺激を施すための例示的なプロセスフロー300を示す。図3では、ある動作を別個に行うと例示するが、動作の一部または全部を同時にまたは部分的に同時に行ってもよい。プロセスフロー300の動作を、前述した処置システムによって実行してもよい。
【0097】
プロセスフロー300のブロック302において、対象者に対応付けられる対象者データを受け取る。対象者データは対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む。たとえば、処置システムに記憶された対象者検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者に対応付けられる対象者データを受け取ってもよい。
【0098】
プロセスフロー300のブロック304において、対象者データに対応付けられる刺激パラメータデータを受け取る。刺激パラメータデータは、対象者に対する刺激装置または磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上のパラメータを含む。たとえば、処置システムに記憶された対象者検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者データに対応付けられる刺激パラメータデータを受け取ってもよい。
【0099】
プロセスフロー300のブロック306において、対象者データと刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取る。第1の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との第1の画像に対応する。たとえば、処置システムに記憶された対象者検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者データと刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ってもよい。ヘッドピースは、ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子と、刺激装置と通信する磁気コイルであって、対象者に磁気刺激を送り出すように構成された磁気コイルと、を含む。第2の磁気コイルが、ヘッドピースの本体の固定場所に確実なロッキング手段によって装着される。
【0100】
プロセスフロー300のブロック308において、第2の画像データを画像記録デバイスから受け取る。第2の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との第2の画像に対応する。たとえば、処置システムに記憶された対象者検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ってもよい。
【0101】
プロセスフロー300のブロック310において、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、刺激パラメータデータは対象者に対応付けられると決定する。たとえば、処置システムに記憶された対象者検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、刺激パラメータデータは対象者に対応付けられると決定してもよい。
【0102】
プロセスフロー300のブロック312において、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者に対応付けられると決定する。たとえば、処置システムに記憶されたヘッドピース検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者に対応付けられると決定してもよい。
【0103】
プロセスフロー300のブロック314において、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあると決定する。たとえば、処置システムに記憶されたヘッドピース位置決め検証モジュールのコンピュータ実行可能命令を実行して、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあると決定してもよい。
【0104】
図4A~4Bを参照して、対象者に対する刺激パラメータデータを決定し、対象者に磁気刺激を施すための例示的なプロセスフロー400を示す。図4では、ある動作を別個に行うと例示するが、動作の一部または全部を同時にまたは部分的に同時に行ってもよい。プロセスフロー400の動作を、前述した磁気刺激システムによって実行してもよい。
【0105】
プロセスフロー400のブロック402において、対象者に対応付けられる対象者データを第1のサブシステムによって決定する。対象者データは対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む。たとえば、第1のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者に対応付けられる対象者データを決定してもよい。
【0106】
プロセスフロー400のブロック404において、第1のサブシステムの第1の刺激装置に複数の第1の電気パルスを発生させる。たとえば、第1のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、第1の刺激装置に複数の第1の電気パルスを発生させてもよい。
【0107】
プロセスフロー400のブロック406において、第1のサブシステムの第1の磁気コイルに第1の磁気刺激を対象者に送り出させる。たとえば、第1のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、第1の磁気コイルに第1の磁気刺激を対象者に送り出させてもよい。
【0108】
プロセスフロー400のブロック408において、刺激パラメータデータを、第1のサブシステムのユーザインターフェースからの1つ以上のユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて決定する。刺激パラメータデータは、対象者に対する第1の刺激装置または第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上のパラメータを含む。たとえば、第1のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、第1のサブシステムのユーザインターフェースからの1つ以上のユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて、刺激パラメータデータを決定してもよい。
【0109】
プロセスフロー400のブロック410において、対象者データと刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶する。たとえば、第1のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者データと刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶してもよい。
【0110】
プロセスフロー400のブロック412において、対象者データと刺激パラメータデータとを第2のサブシステムによって受け取る。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者データと刺激パラメータデータとを受け取ってもよい。
【0111】
プロセスフロー400のブロック414において、対象者データと刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを第2のサブシステムによって受け取る。第1の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との第1の画像に対応する。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、対象者データと刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ってもよい。ヘッドピースは、ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子を含む。
【0112】
プロセスフロー400のブロック416において、第2のサブシステムの画像記録デバイスから第2の画像データを受け取る。第2の画像データは、対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との第2の画像に対応する。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ってもよい。
【0113】
プロセスフロー400のブロック418において、第2のサブシステムによって、かつ、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、刺激パラメータデータは対象者に対応付けられると決定する。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、第1の画像データと第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、刺激パラメータデータは対象者に対応付けられると決定する。
【0114】
プロセスフロー400のブロック420において、第2のサブシステムによって、かつ、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者に対応付けられると決定する。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者に対応付けられると決定してもよい。
【0115】
プロセスフロー400のブロック422において、第2のサブシステムによって、かつ、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあると決定する。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、ヘッドピースは対象者の標的解剖学的構造に対する所定の位置にあると決定してもよい。
【0116】
プロセスフロー400のブロック424において、第2のサブシステムの第2の磁気コイルまたは第2の刺激装置の動作は、ヘッドピースは対象者に対応付けられるという決定に少なくとも部分的に基づいて、有効にされる。たとえば、第2のサブシステムのコンピュータ実行可能命令を実行して、ヘッドピースは対象者に対応付けられるという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の刺激装置または第2の磁気コイルの動作を有効にしてもよい。第2の刺激装置は電気パルスを発生させるように構成される。第2の磁気コイルは、ヘッドピースの固定場所に確実なロッキング手段によって装着され、対象者に磁気刺激を送り出すように構成される。
【0117】
図2~4の例示的な方法、プロセスフロー、及び使用事例において説明及び図示した動作は、本開示の種々の実施形態例において所望される通りに、図示した順番などの任意の好適な順番で実行または実施してもよい。さらに、ある実施形態例では、動作の少なくとも一部を並列に行ってもよい。さらに、ある実施形態例では、図2~4に示したものよりも少ない、多い、またはそれらとは異なる動作を行ってもよい。
【0118】
本開示の特定の実施形態について説明してきたが、当業者であれば分かるように、多くの他の変更及び代替的な実施形態が本開示の範囲内である。たとえば、特定のデバイスまたはコンポーネントに関して説明した機能及び/または処理能力のいずれかを、任意の他のデバイスまたはコンポーネントが行ってもよい。さらに、本開示の実施形態に関して種々の例示的な実施態様及びアーキテクチャについて説明してきたが、当業者であれば分かるように、本明細書で説明した例示的な実施態様及びアーキテクチャに対する他の多くの変更も本開示の範囲内である。
【0119】
本開示のある態様を、実施形態例によるシステム、方法、装置、及び/またはコンピュータプログラム製品のブロック及びフロー図を参照して前述した。当然のことながら、ブロック図及びフロー図の1つ以上のブロックならびにブロック図及びフロー図におけるブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令の実行によって実施され得る。同様に、ブロック図及びフロー図のいくつかのブロックは、いくつかの実施形態により、必ずしも提示した順番で行う必要はない場合があり、または必ずしも行う必要が全くない場合がある。さらに、ある実施形態では、ブロック及び/またはフロー図のブロックに図示したものを超えた追加コンポーネント及び/または動作が存在する場合がある。
【0120】
したがって、ブロック図及びフロー図のブロックは、特定の機能を行うための手段の組み合わせ、特定の機能を行うための要素またはステップの組み合わせ、及び特定の機能を行うためのプログラム命令手段をサポートする。また当然のことながら、ブロック図及びフロー図の各ブロック、ならびにブロック図及びフロー図におけるブロックの組み合わせを、特定の機能、要素、もしくはステップを行う専用のハードウェアベースのコンピュータシステム、または専用のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実施し得る。
【0121】
実施形態を構造的特徴及び/または方法行為に特有の用語で説明してきたが、当然のことながら、本開示は必ずしも説明した具体的な特徴または作用に限定されるものではない。むしろ、具体的な特徴及び作用は、実施形態を実施する例示的な形態として開示している。条件付き言語、たとえば、とりわけ、「できる(can)」、「できる(could)」、「する場合がある(might)」、または「してもよい(may)」は、特に記載のない限り、または用いた文脈内で他の方法で理解されている場合を除いて、全般的に、ある実施形態には、他の実施形態には含まれていないが、ある特徴、要素、及び/またはステップが含まれ得ると伝えることが意図されている。したがって、このような条件付き言語は全般的に、1つ以上の実施形態に対して特徴、要素、及び/もしくはステップが何らかの方法で必要であること、または、何らかの特定の実施形態においてこれらの特徴、要素、及び/もしくはステップが含まれるかもしくは行われるべきであるかどうかを、ユーザ入力もしくはプロンプティングがありもしくはなしで決定するためのロジックが、1つ以上の実施形態に必然的に含まれることを意味することは意図していない。用語「少なくとも部分的に基づいて」と「基づいて」とは同義語であり、本明細書では交換可能に用い得る。
本願発明は、以下の発明を含む。
[発明1]
経皮的磁気刺激を行って対象者を処置するためのシステムであって、
第1のサブシステムであって、
第1のコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つの第1のメモリと、
少なくとも1つの第1のプロセッサと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサと通信し、電気パルスを発生させるように構成された第1の刺激装置と、
前記第1の刺激装置と通信し、第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成された第1の磁気コイルと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサと通信し、前記第1の磁気コイルによって前記第1の対象者に送り出された前記磁気刺激に関係づけられるユーザ入力を受け取るように構成された第1のユーザインターフェースと、を含み、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサは、前記少なくとも1つの第1のメモリにアクセスし、前記第1のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1の対象者に対応付けられる第1の対象者データを決定することであって、前記第1の対象者データは前記第1の対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む、前記決定することと、
前記第1のユーザインターフェースからのユーザ入力の1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて、第1の刺激パラメータデータを決定することであって、前記第1の刺激パラメータデータは、前記第1の対象者に対する前記第1の刺激装置または前記第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第1のパラメータを含む、前記決定することと、
前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶することと、
を行うように構成される、前記第1のサブシステムと、
前記第1のサブシステムと通信する第2のサブシステムであって、
第2のコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つの第2のメモリと、
少なくとも1つの第2のプロセッサと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、電気パルスを発生させるように構成された第2の刺激装置と、
前記第1の対象者の頭部と嵌合するように構成されたヘッドピースであって、
前記ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子と、
前記第2の刺激装置と通信し、前記第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成された第2の磁気コイルであって、前記ヘッドピースの本体の固定場所に確実なロッキング手段によって装着される前記第2の磁気コイルと、を含む前記ヘッドピースと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、前記第1の対象者及び前記ヘッドピースの画像を取り込むように構成された画像記録デバイスと、を含み、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサは、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとを受け取ることと、
前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ることであって、前記第1の画像データは前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第1の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ることであって、前記第2の画像データは前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の刺激パラメータデータが前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
前記第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
を行うように構成される、前記第2のサブシステムと、
を含む、前記システム。
[発明2]
前記1つ以上の第1のパラメータは、(i)前記第2の刺激装置が発生させるべき電気パルスの大きさ及びタイミングシーケンス、(ii)前記第2の磁気コイルが送り出すべき磁気刺激の大きさ、(iii)前記第1の対象者の標的解剖学的構造に対する前記ヘッドピースの位置のうちの少なくとも1つを含む、発明1に記載のシステム。
[発明3]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることを行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明4]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記データ記憶装置から前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データを受け取ることであって、前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データは暗号化される、前記受け取ることを行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明5]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1のサブシステムまたはリモートサーバから1つ以上のネットワークを介して前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データを受け取ることであって、前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データは暗号化される、前記受け取ることと、
前記第1の対象者データ、前記第1の刺激パラメータデータ、前記第1の画像データを互いに関連させて前記データ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明6]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置から1つ以上のネットワークを介して第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、前記第2の刺激パラメータデータは暗号化され、前記第1の対象者に対する前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、前記受け取ることと、
前記第2の刺激パラメータデータは前記第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、
前記第2の刺激パラメータデータを、前記第1の対象者データと前記第1の画像データとに関連させて前記データ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明7]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するデータ記憶装置を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置に1つ以上のネットワークを介して刺激履歴データを送ることであって、前記刺激履歴データは暗号化され、前記第1の対象者に施される1つ以上の刺激セッションに対応付けられる1つ以上の評価基準を含む、前記送ることと、
前記第1のサブシステム、前記リモートサーバ、または前記ユーザ装置から前記1つ以上のネットワークを介して第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、前記第2の刺激パラメータデータは暗号化され、前記第1の対象者に対する前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、前記受け取ることと、
前記第2の刺激パラメータデータは前記第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、
前記第2の刺激パラメータデータを、前記第1の対象者データと前記第1の画像データとに関連させて前記データ記憶装置に記憶することと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明8]
前記第2のサブシステムはさらにオーディオ記録デバイスを含み、前記オーディオ記録デバイスは、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、前記第1の対象者のオーディオ記録を取り込むように構成され、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第1のオーディオデータを受け取ることであって、前記第1のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第1のオーディオ記録に対応する、前記受け取ることと、
前記オーディオ記録デバイスから第2のオーディオデータを受け取ることであって、前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第2のオーディオ記録に対応する、前記受け取ることと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、前記第1のオーディオデータ、前記第2のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の刺激パラメータデータが前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明9]
前記第2のサブシステムはさらにオーディオ記録デバイスを含み、前記オーディオ記録デバイスは、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信し、前記第1の対象者のオーディオ記録を取り込むように構成され、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第1のオーディオデータを受け取ることであって、前記第1のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第1のオーディオ記録に対応する、前記受け取ることと、
前記第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、
前記オーディオ記録デバイスから第2のオーディオデータを受け取ることであって、前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者の1つ以上の第2のオーディオ記録に対応し、前記第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる第1のコマンドを示す、前記受け取ることと、
前記第1のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
前記第2のオーディオデータは前記第1の対象者に対応付けられるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置に前記第2の動作状態を取らせることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明10]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記オーディオ記録デバイスから第3のオーディオデータを受け取ることであって、前記第3のオーディオデータは、第2の対象者の1つ以上の第3のオーディオ記録に対応し、前記第2の刺激装置の第3の動作状態に対応付けられる第2のコマンドを示す、前記受け取ることと、
前記第1のオーディオデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第3のオーディオデータは前記第1の対象者に対応付けられないと決定することと、
前記第3のオーディオデータは前記第1の対象者に対応付けられないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置に前記第2の動作状態を維持させることと、を行うように構成される、発明9に記載のシステム。
[発明11]
前記1つ以上の第2の画像は前記1つ以上のヘッドピース識別子の少なくとも一部を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記1つ以上のヘッドピース識別子の前記少なくとも一部に少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられると決定することを行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明12]
前記1つ以上のヘッドピース識別子は、(i)バーコード、(ii)無線周波数識別タグ、(iii)構造パターンのうちの少なくとも1つを含む暗号化された識別子を含む、発明1に記載のシステム。
[発明13]
前記1つ以上の第1のパラメータは、前記第1の対象者の標的解剖学的構造に対する前記ヘッドピースの所定の位置を含み、前記第2の磁気コイルの前記固定場所は、前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記ヘッドピースの前記所定の位置に対応する、発明1に記載のシステム。
[発明14]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、処置セッションの前または処置セッションの間に1回以上、前記ヘッドピースは前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置にあると決定することを行うように構成される、発明13に記載のシステム。
[発明15]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第1のインジケータを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記ヘッドピースは前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置にあるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のインジケータを起動させることを行うように構成される、発明14に記載のシステム。
[発明16]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第2のインジケータを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記画像記録デバイスから第3の画像データを受け取ることであって、前記第3の画像データは、前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第3の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置にないと決定することと、
前記ヘッドピースが前記所定の位置にないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のインジケータを起動させることであって、前記第2のインジケータは、前記第1の対象者の前記標的解剖学的構造に対する前記所定の位置に向かう、前記第1の対象者の頭部に対する前記ヘッドピースの動きを示す、前記起動させることと、を行うように構成される、発明15に記載のシステム。
[発明17]
前記第1のインジケータと前記第2のインジケータとは前記ヘッドピースの前記本体に装着される、発明16に記載のシステム。
[発明18]
前記画像記録デバイスは前記ヘッドピースの前記本体に装着される、発明1に記載のシステム。
[発明19]
前記第2のサブシステムはさらに、光を反射するように構成されたミラーを含み、前記1つ以上の第2の画像は、前記ミラーに反射された前記第1の対象者の前記少なくとも一部と前記ヘッドピースの前記少なくとも一部とを含む、発明18に記載のシステム。
[発明20]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記画像記録デバイスから第3の画像データを受け取ることであって、前記第3の画像データは前記第1の対象者の少なくとも一部の1つ以上の第3の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の対象者の状態を決定することであって、前記第1の対象者の前記状態は(i)覚醒状態、(ii)睡眠状態、(iii)発作状態のうちの1つを含む、前記決定することと、
前記第1の対象者の前記状態に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効または無効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明21]
前記第1の対象者の前記状態は前記睡眠状態を含み、前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信するアラームを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1の対象者の前記状態に少なくとも部分的に基づいて、前記アラームを起動させることを行うように構成される、発明20に記載のシステム。
[発明22]
前記第1の対象者の前記状態は前記発作状態を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第1の対象者の前記状態に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を無効にすることと、
前記第1の対象者の前記状態に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のサブシステム、管理臨床医に対応付けられるユーザ装置、または緊急対応サービスに対応付けられるユーザ装置に緊急メッセージを送ることであって、前記緊急メッセージは前記発作状態を示す、前記送ることと、を行うように構成される、発明20に記載のシステム。
[発明23]
前記第2のサブシステムはさらに、前記少なくとも1つの第2のプロセッサと通信する第2のユーザインターフェースを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、
前記第1の対象者の前記第2のユーザインターフェースとのやり取りの表示を受け取ることであって、前記やり取りの表示は前記第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる、前記受け取ることと、
前記やり取りの表示に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置に前記第2の動作状態を取らせることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明24]
前記第2のサブシステムは持ち運び可能で、前記第1のサブシステムに対する遠隔地で用いるように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明25]
前記第2のサブシステムはさらに、前記第2のサブシステムの少なくとも一部が消毒されているかまたは消毒済み状態にあることを示すように構成された消毒インジケータを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第3の画像データを受け取ることであって、前記第3の画像データは前記消毒インジケータの少なくとも一部の1つ以上の第3の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあると決定することと、
前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明26]
前記第2のサブシステムはさらに、前記第2のサブシステムの少なくとも一部が消毒されているかまたは消毒済み状態にあることを検出するための手段を含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
消毒データを受け取ることであって、前記消毒データは、前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部の消毒状態に関係づけられる1つ以上の消毒パラメータを示す、前記受け取ることと、
前記消毒データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあると決定することと、
前記第2のサブシステムの前記少なくとも一部が消毒されているかまたは前記消毒済み状態にあるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明27]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
第3の画像データを受け取ることであって、前記第3の画像データは、前記第2の磁気コイルの少なくとも一部と前記本体の少なくとも一部との1つ以上の第3の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記第3の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の磁気コイルが前記本体の前記固定場所に装着されていると決定することと、
前記第2の磁気コイルが前記本体の前記固定場所に装着されているという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明28]
前記第2のサブシステムはさらに、前記本体に対する前記第2の磁気コイルの位置を検出するように構成されたコイル位置決めセンサを含み、前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
コイル位置決めデータを受け取ることであって、前記コイル位置決めデータは、前記本体に対する前記第2の磁気コイルの位置に関係づけられる1つ以上の位置決めパラメータを示す、前記受け取ることと、
前記コイル位置決めデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の磁気コイルが前記本体の前記固定場所に装着されていると決定することと、
前記第2の磁気コイルが前記本体の前記固定場所に装着されているという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明29]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2のサブシステムに記憶された現在の対象者データを受け取ることであって、前記現在の対象者データは、前記第1の対象者に対応付けられる1つ以上の現在の対象者識別子を含む、前記受け取ることと、
前記第1の対象者データ及び前記現在の対象者データに少なくとも部分的に基づいて、前記現在の対象者データが不正変更されていないと決定することと、
前記現在の対象者データが不正変更されていないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明30]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
前記第2のサブシステムに記憶された現在の刺激パラメータデータを受け取ることであって、前記現在の刺激パラメータデータは、前記第1の対象者に対する前記第1の刺激装置または前記第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の現在のパラメータを含む、前記受け取ることと、
前記第1の刺激パラメータデータと前記現在の刺激パラメータデータとに少なくとも部分的に基づいて、前記現在の刺激パラメータデータが不正変更されていないと決定することと、
前記現在の刺激パラメータデータが不正変更されていないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明31]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
機能データを受け取ることであって、前記機能データは、前記第2のサブシステムの機能に対応付けられる1つ以上の機能パラメータを含む、前記受け取ることと、
前記機能データに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムが所定の仕様内で機能することができると決定することと、
前記第2のサブシステムが前記所定の仕様内で機能することができるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明32]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの第2のメモリにアクセスし、前記第2のコンピュータ実行可能命令を実行して、
ソフトウェアデータを受け取ることであって、前記ソフトウェアデータは、前記第2のサブシステムが用いるソフトウェアに対する変化または変化を加えようとする試みを示す、前記受け取ることと、
前記ソフトウェアデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ソフトウェアは未承認の方法でハッキングも変更もされていないと決定することと、
前記ソフトウェアは未承認の方法でハッキングも変更もされていないという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作を有効にすることと、を行うように構成される、発明1に記載のシステム。
[発明33]
経皮的磁気刺激を行って対象者を処置するための方法であって、
第1のサブシステムの少なくとも1つの第1のメモリに結合された少なくとも1つの第1のプロセッサによって、第1の対象者に対応付けられる第1の対象者データを決定することであって、前記第1の対象者データは、前記第1の対象者に対応付けられる1つ以上の対象者識別子を含む、前記決定することと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサによって、前記第1のサブシステムの第1の刺激装置に第1の複数の電気パルスを発生させることと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサによって、前記第1のサブシステムの第1の磁気コイルに第1の磁気刺激を前記第1の対象者に送り出させることと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサによって、かつ、前記第1のサブシステムの第1のユーザインターフェースからのユーザ入力の1つ以上の表示に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の対象者に対する前記第1の刺激装置または前記第1の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第1のパラメータを含む第1の刺激パラメータデータを決定することと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサによって、前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとを互いに関連させて記憶することと、
第2のサブシステムの少なくとも1つの第2のメモリに結合された少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとを受け取ることと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第1の対象者データと前記第1の刺激パラメータデータとに対応付けられる第1の画像データを受け取ることであって、前記第1の画像データは、前記第1の対象者の少なくとも一部とヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第1の画像に対応し、前記ヘッドピースは、前記ヘッドピースに対応付けられる1つ以上のヘッドピース識別子を含む、前記受け取ることと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第2のサブシステムの画像記録デバイスから第2の画像データを受け取ることであって、前記第2の画像データは、前記第1の対象者の少なくとも一部と前記ヘッドピースの少なくとも一部との1つ以上の第2の画像に対応する、前記受け取ることと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、かつ、前記第1の画像データと前記第2の画像データとに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の刺激パラメータデータが前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、かつ、前記第2の画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられると決定することと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、かつ、前記ヘッドピースは前記第1の対象者に対応付けられるという前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のサブシステムの第2の刺激装置または前記ヘッドピースの第2の磁気コイルの動作を有効にすることであって、前記第2の刺激装置は電気パルスを発生させるように構成され、前記第2の磁気コイルは、前記ヘッドピースの本体の固定場所に確実なロッキング手段によって装着され、前記第1の対象者に磁気刺激を送り出すように構成される、前記有効にすることと、
を含む、前記方法。
[発明34]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第1のサブシステム、リモートサーバ、または管理臨床医に対応付けられるユーザ装置に1つ以上のネットワークを介して、刺激履歴データを送ることであって、前記刺激履歴データは暗号化され、前記第1の対象者に施される1つ以上の刺激セッションに対応付けられる1つ以上の評価基準を含む、前記送ることと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第1のサブシステム、前記リモートサーバ、または前記ユーザ装置から前記1つ以上のネットワークを介して第2の刺激パラメータデータを受け取ることであって、前記第2の刺激パラメータデータは暗号化され、前記第1の対象者に対する前記第2の刺激装置または前記第2の磁気コイルの動作に対応付けられる1つ以上の第2のパラメータを含む、前記受け取ることと、
前記第2の刺激パラメータデータは前記第1の刺激パラメータデータの少なくとも一部に取って代わると決定することと、
前記第2の刺激パラメータデータを、前記第1の対象者データと前記第1の画像データとに関連させて前記第2のサブシステムのデータ記憶装置に記憶することと、をさらに含む、発明33に記載の方法。
[発明35]
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第2の刺激装置に第1の動作状態を取らせることと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、前記第1の対象者の前記第2のサブシステムの第2のユーザインターフェースとのやり取りの表示を受け取ることであって、前記やり取りの表示は前記第2の刺激装置の第2の動作状態に対応付けられる、前記受け取ることと、
前記少なくとも1つの第2のプロセッサによって、かつ、前記やり取りの表示に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の刺激装置に前記第2の動作状態を取らせることと、をさらに含む、発明33に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4A
図4B