(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】回転シャフト機構及び折畳み式端末装置
(51)【国際特許分類】
F16C 11/04 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
F16C11/04 F
(21)【出願番号】P 2022556504
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(86)【国際出願番号】 CN2020108502
(87)【国際公開番号】W WO2021184654
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】202010202791.1
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リアオ,チャンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョォン,ディン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ヤンミン
【審査官】中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインブラケット及び
複数の回転アセンブリを含む回転シャフト機構であって、各回転アセンブリが、前記メインブラケットに対して回転して折畳み状態と展開状態との間で切り替えることができ、前記メインブラケットに対して前記回転アセンブリによって実行される最大回転ストロークを制限するように構成された制限構造が前記メインブラケットと前記回転アセンブリとの間にさらに配置され、
前記メインブラケット及び任意の回転アセンブリによって形成される協働構造において、第1の回転中心及び第2の回転中心が前記メインブラケットに形成され、各回転アセンブリが、回転部材、中間フレーム、及び摺動部材を含み、第3の回転中心が前記中間フレームに形成され、前記第1の回転中心、前記第2の回転中心、及び前記第3の回転中心の軸線は互いに平行であり、
前記回転部材は、第1の接続部分と、第2の接続部分と、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との間に接続された本体部分とを含み、前記第1の接続部分は、前記第1の回転中心の周りに回転可能に前記メインブラケットに接続することができ、前記第2の接続部分は、前記第3の回転中心の周りに回転可能に前記中間フレームに接続することができ、
前記摺動部材の一端が
、前記メインブラケットに
対して回転可能に接続され、この接続部において、前記摺動部材の前記一端が前記メインブラケットの前記第2の回転中心の周りに回転することができ、前記摺動部材の他端が、前記中間フレームと摺動可能に協働され、それによって、前記中間フレームは、前記摺動部材の延長方向に沿って前記第2の回転中心から遠ざかる又は前記第2の回転中心に近づき、
前記回転アセンブリが前記メインブラケットに対して前記展開状態にあるときに、前記メインブラケットの座面及び前記中間フレームの座面が同一平面に位置
しており、
前記第2の回転中心が、前記中間フレームの前記座面から離れる側に位置する、
回転シャフト機構。
【請求項2】
前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分はいずれも円弧構造であり、前記第1の接続部分の凹面及び前記第2の接続部分の凹面はいずれも、前記中間フレームの前記座面が位置する側を向いており、
第1の円弧摺動スロットが前記メインブラケットに形成され、前記第1の接続部分は、前記第1の円弧摺動スロット内に延びて該第1の円弧摺動スロットと摺動可能に協働し、
第2の円弧摺動スロットが前記中間フレームに形成され、前記第2の接続部分は、前記第2の円弧摺動スロット内に延びて該第2の円弧摺動スロットと摺動可能に協働し、
前記中間フレームが前記メインブラケットに対して回転する過程で、前記第1の接続部分は前記メインブラケットの前記座面から突出せず、前記第2の接続部分は前記中間フレームの前記座面から突出しない、請求項1記載の回転シャフト機構。
【請求項3】
第1の画面支持部材が前記本体部分にさらに配置され、前記第1の画面支持部材は、外部構造体を支持するように構成されており、
前記回転アセンブリが前記メインブラケットに対して前記展開状態にあるときに、前記第1の画面支持部材の座面、前記メインブラケットの前記座面、及び前記中間フレームの前記座面は同一平面に位置する、請求項1又は2に記載の回転シャフト機構。
【請求項4】
第2の画面支持部材を、前記第1の画面支持部材と前記メインブラケットとの間に移動可能に配置することができ、前記回転アセンブリが前記メインブラケットに対して前記展開状態にあるときに、前記第2の画面支持部材の座面、前記第1の画面支持部材の前記座面、前記メインブラケットの前記座面、及び前記中間フレームの前記座面は、同一平面に位置する、及び/又は
第3の画面支持部材を、前記第1の画面支持部材と前記中間フレームとの間に移動可能に配置することができ、前記回転アセンブリが前記メインブラケットに対して前記展開状態にあるときに、前記第3の画面支持部材の座面、前記第1の画面支持部材の前記座面、前記メインブラケットの前記座面、及び前記中間フレームの前記座面は、同一平面に位置する、請求項3に記載の回転シャフト機構。
【請求項5】
前記第1の画面支持部材及び前記メインブラケットは協働して重ね合わせ面を形成し、前記第2の画面支持部材は、前記重ね合わせ面と重なり合って、前記第2の画面支持部材を前記第1の画面支持部材と前記メインブラケットとの間で制限し、
前記第1の画面支持部材及び前記中間フレームは協働して重ね合わせ面を形成し、前記第
3の画面支持部材は、前記重ね合わせ面と重なり合って、前記第
3の画面支持部材を前記第1の画面支持部材と前記中間フレームとの間に制限する、請求項4に記載の回転シャフト機構。
【請求項6】
前記制限構造は、前記メインブラケットに形成された第1の制限面と、前記中間フレームに形成された第2の制限面とを含み、
前記回転アセンブリが前記メインブラケットに対して前記折畳み状態にあるときに、前記第1の制限面は、前記第2の制限面と接触して干渉する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回転シャフト機構。
【請求項7】
前記制限構造は、前記メインブラケットと前記中間フレームとの間に配置することができる制限部材をさらに含み、
前記回転アセンブリが前記メインブラケットに対して前記展開状態にあるときに、前記制限部材は前記メインブラケット及び前記回転アセンブリと接触して干渉する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回転シャフト機構。
【請求項8】
フレキシブル画面と、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の回転シャフト機構とを含む折畳み式端末装置であって、
前記フレキシブル画面は、前記メインブラケットの前記座面及び前記中間フレームの前記座面が位置する側に配置される、
折畳み式端末装置。
【請求項9】
前記回転シャフト機構が少なくとも2つの回転アセンブリを含み、該回転アセンブリが第1の回転グループ及び第2の回転グループに分けられるときに、
前記第1の回転グループ内の全ての回転アセンブリの回転動作は同期的であり、前記第2の回転グループ内の全ての回転アセンブリの回転動作は同期的であり、
各回転アセンブリが前記メインブラケットに対して展開されると、前記フレキシブル画面は平らな展開状態になる、請求項
8に記載の折畳み式端末装置。
【請求項10】
第1の本体及び第2の本体をさらに含み、
前記第1の回転グループの中間フレームが前記第1の本体に接続され、前記第2の回転グループの中間フレームが前記第2の本体に接続され、前記第1の本体及び前記第2の本体は前記フレキシブル画面を支えるように構成される、請求項
9に記載の折畳み式端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、端末装置の分野に関し、特に、回転シャフト機構及び折畳み式端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、フレキシブル画面技術は次第に成熟してきている。これにより、フレキシブル画面を用いた端末装置の表示モードが大きく変化している。折畳み式携帯電話の例では、折畳み式携帯電話のフレキシブル画面は、使用モードを切り替える様々な使用シナリオに基づいて柔軟に変化することができる。これは、現在の携帯電話メーカーの研究の方向性でもある。
【0003】
折畳み式携帯電話等の端末装置の場合に、フレキシブル画面はその構造体の一部に過ぎず、回転シャフト機構が、端末装置全体の折畳みを実現するためにさらに必要である。現在、折畳み式端末装置のフレキシブル画面には、主に摺動画面方式及び固定画面方式の2つの開発方向がある。具体的には、摺動画面方式とは、折畳み工程において、フレキシブル画面が回転シャフト機構の動きに伴って構造部材上を摺動する方式を指す。フレキシブル画面を展開すると、構造部材の構造が十分に安定せず、特定の引張り力がフレキシブル画面に及ぼされる。また、フレキシブル画面を折り畳むと、摺動又は圧迫の問題が発生する場合がある。固定画面方式とは、フレキシブル画面が装置の構造部材に対して固定される方式を指す。回転シャフト機構は、装置の折畳み過程でフレキシブル画面とともに変化する。また、回転シャフト機構は複雑であり、逆折り防止機能が弱く、フレキシブル画面を損傷する傾向がある。
【0004】
従って、折畳み及び展開時にフレキシブル画面と協働するように構成された現在の回転シャフト機構は全て構造的に不安定であるという問題を有し、折畳み及び展開プロセスにおいてフレキシブル画面を損傷する危険性がある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、回転シャフト機構及び折畳み式端末装置を提供する。回転シャフト機構は、折畳み式端末装置におけるフレキシブル画面の良好な支持効果を達成することができ、フレキシブル画面の故障リスクを低減することができる。
【0006】
第1の態様によれば、本願は回転シャフト機構を提供する。回転シャフト機構は、折畳み式端末装置に適用することができる。折畳み式端末装置は、折畳み式携帯電話又は折畳み式タブレットコンピュータであってもよい。回転シャフト機構は、メインブラケット及び少なくとも1つの回転アセンブリを含む。メインブラケットは、構造体全体を支え、支持する。各回転アセンブリは、メインブラケットに対して回転して、メインブラケットに対する回転アセンブリの折畳み又は展開効果を達成することができる。メインブラケットに対して回転アセンブリによって実行される回転最大ストロークを制限するように構成された制限構造が、メインブラケットと回転アセンブリとの間にさらに配置される。メインブラケット及び任意の回転アセンブリによって形成される協働構造において、第1の回転中心及び第2の回転中心がメインブラケットに形成される。各回転アセンブリは、回転部材、摺動部材、及び中間フレームを含む。第3の回転中心が中間フレームに形成される。第1の回転中心、第2の回転中心、及び第3の回転中心の軸線は互いに平行である。回転部材は、第1の接続部分、第2の接続部分、及び第1の接続部分と第2の接続部分との間に接続された本体部分を含む。第1の接続部分は、第1の回転中心の周りに回転可能にメインブラケットに接続される。従って、回転部材は、メインブラケットに対して第1の回転中心の周りに回転可能である。第2の接続部分は、第3の回転中心の周りに回転可能に中間フレームに接続することができる。従って、中間フレームは、回転部材に対して第3の回転中心の周りに回転することができる。摺動部材の一端が、第2の回転中心の周りに回転可能にメインブラケットに接続され、具体的には、摺動部材は、メインブラケットの第2の回転中心にヒンジ結合され得る。また、摺動部材の他端が、中間フレームと摺動可能に協働し、それによって、中間フレームは、摺動部材の延長方向に沿って第2の回転中心から遠ざかる又は第2の回転中心に近づく。このとき、回転部材は、メインブラケットに対して第1の回転中心の周りに回転することができる。中間フレームは、回転部材に対して第3の回転中心の周りに回転することができる。摺動部材の一端がメインブラケットに対して第2の回転中心の周りに回転することができ、摺動部材の他端が中間フレームに対して摺動することができる。従って、回転シャフト機構全体が1つの自由度のみに制限されるため、中間フレームは最終的にメインブラケットに対して回転して、折畳み及び展開の効果を実現することができる。回転アセンブリがメインブラケットに対して展開状態にあるときに、メインブラケットの座面及び中間フレームの座面は同一平面に位置する。回転シャフト機構全体の構造が、簡素であり、空き位置が少なく、安定性が比較的高い。回転シャフト機構が折畳み式端末装置に適用されるときに、メインブラケットの座面及び中間フレームの座面は、折畳み式端末装置のフレキシブル画面を支えるように構成される。これにより、フレキシブル画面の良好な支持効果を達成することができる。また、第1の回転中心及び第3の回転中心の位置が適切に配置されていれば、折畳み式端末装置のフレキシブル画面は、折畳み及び展開の過程で回転シャフト機構に対して摺動せず、それにより、フレキシブル画面の故障のリスクを低減する。
【0007】
可能な実施態様では、回転部材は、接続された2つの円弧構造を用いて実現される。具体的には、回転部材の第1の接続部分及び第2の接続部分はいずれも円弧構造であり、第1の接続部分の凹面及び第2の接続部分の凹面はいずれも中間フレームの座面が位置する側に面している。第1の接続部分及び第2の接続部分の位置は、左右対称であることに相当する(もちろん、必ずしも対称的に同じ構造であるとは限らない)。第1の接続部分に対応する円の中心が第1の回転中心と一致し、第2の接続部分に対応する円の中心が第3の回転中心と一致する。第1の円弧摺動スロットがメインブラケットに形成され、第1の接続部分は、第1の円弧摺動スロット内に延びて、第1の円弧摺動スロットと摺動可能に協働する。第1の接続部分が第1の円弧摺動溝に沿って摺動するときに、回転部材は、メインブラケットに対して第1の回転中心の周りに回転するものに相当する。第2の円弧摺動スロットが中間フレームに形成され、第2の接続部分は、第2の円弧摺動スロット内に延びて、第2の円弧摺動スロットと摺動可能に協働する。第2の接続部分が第2の円弧摺動溝に沿って摺動するときに、中間フレームは、回転部材に対して第3の回転中心の周りに回転するものに相当する。中間フレームがメインブラケットに対して回転する過程で、第1の接続部分はメインブラケットの座面から突出せず、第2の接続部分は中間フレームの座面から突出しないので、回転部材は、回転シャフト機構が折畳み状態にあるときに、回転シャフト機構の外部構造に影響を与えない。回転シャフト機構は、折畳み式端末装置により簡便に適用することができる。
【0008】
上述したように、回転シャフト機構は、フレキシブル画面の折畳み及び展開を実現するために、折畳み式端末装置に適用され得る。従って、可能な実施態様では、第1の画面支持部材が回転部材にさらに配置され、フレキシブル画面等の外部構造を支持するように構成され得る。回転アセンブリがメインブラケットに対して展開状態にあるときに、第1の画面支持部材の座面、メインブラケットの座面、及び中間フレームの座面は同一平面に位置する。ここで、第1の画面支持部材は、接合、溶接、リベット留め、ねじ接続、又は他の方法によって回転部材に固定され得る。
【0009】
可能な実施態様では、第2の画面支持部材を、第1の画面支持部材とメインブラケットとの間に移動可能に配置してもよく、第3の画面支持部材を、第1の画面支持部材と中間フレームとの間に移動可能に配置してもよい。第2の画面支持部材及び第3の画面支持部材は、外部構造を支持するようにも構成され得る。回転アセンブリがメインブラケットに対して展開状態にあるときに、第3の画面支持部材の座面、第1の画面支持部材の座面、メインブラケットの座面、及び中間フレームの座面は同一平面に位置する。
【0010】
第2の画面支持部材は移動可能である。第2の画面支持部材を第1の画面支持部材とメインブラケットとの間に限定するために、第1の画面支持部材とメインブラケットとを協働させて重ね合わせ面を形成することができ、第2の画面支持部材は重ね合わせ面と重なり合う。同様に、第2の画面支持部材を第1の画面支持部材と中間フレームとの間に配置するために、第1の画面支持部材と中間フレームとを協働させて重ね合わせ面を形成し、第2の画面支持部材は重ね合わせ面と重なり合う。
【0011】
回転シャフト機構の制限構造は、メインブラケットに対して回転アセンブリによって実行される回転の最大ストロークを制限することができる。メインブラケットに対して回転アセンブリを回転させて折畳み状態にするために、可能な実施態様では、回転シャフト機構の制限構造は、メインブラケットに形成された第1の制限面と、中間フレームに形成された第2の制限面とを含むことができる。回転アセンブリがメインブラケットに対して回転して折畳み状態になるときに、第1の制限面は第2の制限面と接触して干渉する。メインブラケットに対して回転アセンブリを回転させて展開状態にするために、可能な実施態様では、制限構造は、メインブラケットと中間フレームとの間に配置され得る制限部材をさらに含む。回転アセンブリがメインブラケットに対して回転して展開状態になるときに、制限部材は、メインブラケット及び回転アセンブリと接触して干渉する。もちろん、制限構造は前述の方法に限定されず、詳細について、ここでは説明しない。
【0012】
第2の態様によれば、本願は、折畳み式端末装置を提供する。折畳み式端末装置は、折畳み式携帯電話、折畳み式タブレットコンピュータ等であってもよい。折畳み式端末装置は、具体的には、フレキシブル画面と、前述の回転シャフト機構のいずれか1つとを含むことができる。フレキシブル画面は、メインブラケットの座面及び中間フレームの座面が位置する側に配置される。回転アセンブリがメインブラケットに対して折り畳まれる又は展開されるときに、それに応じてフレキシブル画面は折り畳まれる、又は展開される。
【0013】
回転シャフト機構に回転アセンブリが1つしかない場合に、フレキシブル画面は、メインブラケットに対して回転アセンブリの展開状態と折畳み状態との間でしか切り替えることができず、折畳み角度が制限される。従って、少なくとも2つの回転アセンブリを有する回転シャフト機構が提案される。各回転アセンブリは、メインブラケットに対して回転することができる。少なくとも2つの回転アセンブリは、メインブラケットと協働して、複数の折畳み方法を実施することができる。少なくとも2つの回転アセンブリは、第1の回転グループ及び第2の回転グループの2つのグループに分けられる。第1の回転グループ内の全ての回転アセンブリの回転動作は同期している。第2の回転グループ内の全ての回転アセンブリの回転動作は同期している。2つの回転グループを制御することにより、第1の回転グループ内の回転アセンブリは、第2の回転グループ内の回転アセンブリに対して回転し、折り畳むことができる。これは、回転シャフト機構全体の構造から見ると、メインブラケットに対する回転アセンブリの折畳み状態と展開状態とを実現することと等価であり、回転シャフト機構を折畳み式端末装置に適用することで、折畳み式端末装置は、より大きな折畳み範囲を有する。一般に、折畳み式端末装置は、平らな展開状態と折畳み状態とを有する。従って、回転シャフト機構内の各回転アセンブリがメインブラケットに対して展開されるときに、フレキシブル画面は平らな展開状態になる。
【0014】
可能な実施態様では、第1の回転グループ内の回転アセンブリと第2の回転グループ内の回転アセンブリとは、1対1の対応関係で対称的に配置されるため、回転シャフト機構の安定性をさらに向上させることができる。
【0015】
折畳み式端末装置におけるフレキシブル画面の面積は、回転シャフト機構におけるメインブラケットの座面及び中間フレームの座面より大きくなり得る。フレキシブル画面に良好な支持を与えるために、折畳み式端末装置は、第1の本体及び第2の本体をさらに含むことができる。第1の回転グループの中間フレームは第1の本体に接続され、第2の回転グループの中間フレームは第2の本体に接続され、第1の本体及び第2の本体はフレキシブル画面を支持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願による折畳み式端末装置の展開状態の概略図である。
【
図2】本願による折畳み式端末装置の展開状態の分解図である。
【
図3】本願による折畳み式端末装置の折畳み状態の概略図である。
【
図4】本願による折畳み式端末装置の折畳み状態の分解図である。
【
図5】本願による回転シャフト機構の構造の概略図である。
【
図8】本願による回転シャフト機構におけるメインブラケットと中間フレームとの間の摺動部材の協働構造の概略図である。
【
図10】本願による回転シャフト機構が展開状態にある場合の制限構造
の概略図である。
【
図11】本願による回転シャフト機構が折畳み状態にある場合の制限構造
の概略図である。
【
図12】本願による回転シャフト機構の構造原理の概略図である。
【
図13】本願による、回転シャフト機構とフレキシブル画面との間の協働によって展開状態を実現する原理の概略図である。
【
図14】本願による、回転シャフト機構とフレキシブル画面との間の協働によって屈曲状態を実現する原理の概略図である。
【
図15】本願による、回転シャフト機構とフレキシブル画面との間の協働によって実現される展開状態の概略図である。
【
図16】本願による、回転シャフト機構とフレキシブル画面との間の協働によって実現される屈曲状態の概略図である。
【
図17】本願による、回転シャフト機構による回転中心の調整原理を示す概略図である。
【
図18】本願による回転シャフト機構の展開状態の上面図である。
【
図27】
図26に示される構造の折畳み状態の概略図である。 参照符号: 1:メインブラケット; 11:第1の円弧摺動スロット; 12:円弧摺動レール; 2:回転アセンブリ; 21:回転部材; 211:第1の接続部分; 212:第2の接続部分; 213:本体部分; 22:中間フレーム; 221:第2の円弧摺動スロット; 222:摺動スロット; 223:摺動ピン; 23:摺動部材; 31:第1の制限面;32:第2の制限面; 41:第1の画面支持部材; 42:第2の画面支持部材; 43:第3の画面支持部材; 10:回転シャフト機構; 20:第1の本体; 30:第2の本体; 40:フレキシブル画面;100:折畳み式端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
折り畳み可能なフレキシブル画面は、折畳み式携帯電話等の端末装置において益々一般的になっている。しかしながら、現在、フレキシブル画面の折畳み及び展開を補助する回転シャフト機構は、いずれも構造が不安定である。フレキシブル画面を折り畳む及び展開する過程で、フレキシブル画面が損傷する場合がある。これに基づき、本願の実施形態は、回転シャフト機構と、回転シャフト機構が設けられた折畳み式端末装置とを提供する。回転シャフト機構は、より安定した接続構造を有しており、フレキシブル画面の展開及び折畳みを安定してサポートすることができる。本願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、添付の図面を参照して、本願の実施形態で提供する回転シャフト機構及び折畳み式端末装置について詳細に説明する。
【0018】
図1及び
図2はそれぞれ、本願の実施形態による折畳み式端末装置100の構造の概略図である。ここで、折畳み式端末装置100は、折畳み式携帯電話又は折畳み式タブレットコンピュータであってもよい。これは、本明細書では限定されない。
図1は、展開状態の折畳み式端末装置100の構造の概略図である。折畳み式端末装置100は、第1の本体20、第2の本体30、フレキシブル画面40、及び回転シャフト機構10を含むことができる。第1の本体20及び第2の本体30は、同一平面に位置するものに相当する。フレキシブル画面40の一端が第1の本体20に固定され、フレキシブル画面40の他端が第2の本体30に固定される。回転シャフト機構10の一端が第1の本体20に接続され、その他端が第2の本体30に接続される。さらに、回転シャフト機構10は、フレキシブル画面40に支持をさらに与えることができる。折畳み式端末装置100の構造の理解を容易にするために、
図2に示される折畳み式端末装置100の展開状態の分解図をさらに参照されたい。この時点で、回転シャフト機構10は展開状態にある。回転シャフト機構10が折り畳まれるときに、第1の本体20は第2の本体30に対して回転駆動され、フレキシブル画面40は折り畳まれるように駆動され、それによって、折畳み式端末装置100を折り畳むことができる。折畳み式端末装置100の折畳み状態については、
図3及び
図4を参照されたい。
図3は、折畳み状態における折畳み式端末装置100の構造の概略図である。第1の本体20は、
図1に示される状態から第2の本体30に対して180°だけ回転したことに相当する。このようにして、第1の本体20と第2の本体30とが相対的に平行になり、フレキシブル画面40が折り曲げられ、折畳み式端末装置100は折り畳まれる。これに対応して、
図4に示される折畳み状態の折畳み式端末装置100の分解図を参照すると、回転シャフト機構10が構造的に変形し、第1の本体20が第2の本体30に対して回転駆動され、最終的に折畳み式端末装置100を折り畳むことができることが明確に分かり得る。
【0019】
折畳み式端末装置100において、回転シャフト機構10は重要な役割を果たす。本願のこの実施形態で提供される回転シャフト機構10の構造については、
図5を参照されたい。回転シャフト機構10は、メインブラケット1、及び少なくとも1つの回転アセンブリ2を含むことができる。ここで、回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して回転して、展開状態と折畳み状態との間で切り替えることができる。
図5は展開状態を示す。回転アセンブリ2は、回転部材21、中間フレーム22、及び摺動部材23を含む。
図5に示される構造は、回転シャフト機構10の簡略化した構造であることが理解できる。回転シャフト機構10内の構造によって形成される協働構造については、
図5のA-A断面の構造の概略図(
図6に示す)、及び
図5のB-B断面の構造の概略図(
図7に示す)を参照されたい。少なくとも2つの回転アセンブリ2が、折畳み式端末装置100の回転シャフト機構10に配置されることが理解できる。ここでは、1つの回転アセンブリ2のみが回転シャフト機構10に配置される例を用いて説明する。
【0020】
図6に示される回転シャフト機構10の断面構造を参照すると、第1の回転中心O1がメインブラケット1に形成される。第1の回転中心O1と第3の回転中心O3との両方が仮想構造体として表示されることが理解できる。回転部材21は、第1の接続部分211、第2の接続部分212、及び本体部分213を含む。本体部分213は、第1の接続部分211と第2の接続部分212との間に接続される。具体的には、第1の接続部分211及び第2の接続部分212はいずれも円弧構造として示されており、第1の接続部分211の凹面及び第2の接続部分212の凹面はいずれも中間フレーム22の座面(bearing surface)qが位置する側に面している。第1の接続部分211及び第2の接続部分212の位置は、左右対称であることと等価である(もちろん、構造体は必ずしも対称的に同じ構造であるとは限らない)。第1の接続部分211に対応する円の中心は第1の回転中心O1と一致し、第2の接続部分212に対応する円の中心は第3の回転中心O3と一致する。これに対応して、第1の円弧摺動スロット11がメインブラケット1に形成され、第1の接続部分211は、第1の円弧摺動スロット11内に延びて第1の円弧摺動スロット11と摺動可能に協働し、それによって、回転部材21の一端がメインブラケット1にヒンジ結合される。第1の接続部分211が第1の円弧摺動スロット11に沿って摺動するときに、回転部材21は、メインブラケット1に対して第1の回転中心O1の周りに回転することに相当する。第2の円弧摺動スロット221が中間フレーム22に形成され、第2の接続部分212は、第2の円弧摺動スロット221内に延びて第2の円弧摺動スロット221と摺動可能に協働し、それによって、回転部材21の他端が中間フレーム22にヒンジ結合される。第2の接続部分212が第2の円弧摺動スロット221に沿って摺動するときに、中間フレーム22は、回転部材21に対して第3の回転中心O3の周りに回転する。
図6に示される構造では、メインブラケット1の座面pと中間フレーム22の座面qとは同一平面に位置する。
【0021】
摺動部材23については、
図7に示される回転シャフト機構10の断面構造を参照されたい。第2の回転中心O2がメインブラケット1に形成される。他の構造体がメインブラケット1にヒンジ結合される場合に、そのヒンジ点が第
2の回転中心O2と一致していれば、構造体は、メインブラケット1に対して第
2の回転中心O2の周りに回転することができる。摺動部材23の一端がメインブラケット1にヒンジ結合されており、摺動部材23とメインブラケットとの間のヒンジ点が第2の回転中心O2である。従って、摺動部材23は、メインブラケット1に対して第2の回転中心O2の周りに回転することができる。摺動部材23の他端が、中間フレーム22と摺動可能に協働する。詳細については、
図7を参照されたい。摺動スロット222が中間フレーム22に形成され、摺動部材23はロッド形状の構造を有するので、摺動部材23は摺動スロット222と摺動可能に協働することができる。ここで、摺動部材23は、メインブラケット1と中間フレーム22との間の接続構造に対して向きを変えることができることが理解できる。具体的には、同じ技術的効果を達成するために、摺動部材23の一端が中間フレーム22にヒンジ結合され、摺動部材23の他端がメインブラケット1と摺動可能に協働する。加えて、中間フレーム22とメインブラケット
1との間の摺動部材23の協働方法は、別の構造を用いてさらに実施することができる。
図8に示されるように、可能な協働方法では、摺動ピン223が中間フレーム22に形成され、円弧摺動レール12がメインブラケット1に形成される。さらに、
図9は、
図8のG-G断面を示す。回転アセンブリ2がメインブラケット1に対して回転するときに、摺動ピン223は、円弧摺動レール12内を摺動でき、メインブラケット1と中間フレーム22との間に拘束を形成できることが理解できる。ここで、第1の回転中心O1、第2の回転中心O2、第3の回転中心O3の軸線は互いに平行である。
図6及び
図7から、回転アセンブリ2がメインブラケット1に対して展開状態にあるときに、第2の回転中心O2は、第1の回転中心O1及び第3の回転中心O1の軸線が位置する平面に関するものであり且つ中間フレーム22の座面から離れる側に位置することが分かり得る。これにより、回転アセンブリ2が展開状態からメインブラケット1に対して回転し続けることによる「逆折り」を防止することができる。従って、回転シャフト機構10全体として、逆折り防止能力が比較的高く、安定性が高い。
【0022】
回転アセンブリ2がメインブラケット1に対して回転するときに、回転シャフト機構10の折畳み及び展開との間の最大角度を制限する制限構造が配置される。具体的には、回転アセンブリ2をメインブラケット1に対して回転させて折畳み状態にするために、
図10を参照すると、制限構造は、メインブラケット1に形成された第1の制限面31と、回転アセンブリ2に形成された第2の制限面32とを含むことができる。
図10に示される構造において、回転アセンブリ2及びメインブラケット1は、展開状態にあることに相当する。第1の制限面31と第2の制限面32とは、互いに垂直な状態にあることに相当する。回転アセンブリ2がメインブラケット1に対して回転して折畳み状態になるときに、中間フレーム22及びメインブラケット1の状態が
図11に示され、第1の制限面31は第2の制限面32と接触して干渉し、中間フレーム22がメインブラケット1に対して回転し続けるのを防止する。ここで、回転アセンブリ2のメインブラケット1に対する最大回転角は90°として規定することができる。具体的には、中間フレーム22は、
図10に示される展開状態(これは、中間フレーム22とメインブラケット1との狭角が180°であることに相当する)から90°だけ回転して、
図11に示される折畳み状態なる(これは、中間フレーム22とメインブラケット1との間の狭角が90°であることに相当する)。なお、
図10及び
図11は、実施可能な構造を1つだけ示していることに留意されたい。もちろん、回転シャフト機構10のメインブラケット1と中間フレーム22との間の構造をさらに別の形態で示してもよい。詳細については、ここでは説明しない。
【0023】
回転アセンブリ2をメインブラケット1に対して回転させて展開状態にするために、可能な実施態様では、制限構造は、メインブラケット1と中間フレーム22との間に配置され得る制限部材をさらに含む。回転アセンブリ2がメインブラケット1に対して回転して展開状態になるときに、制限部材は、メインブラケット1及び回転アセンブリ2(例えば、中間フレーム22)と接触及び干渉する。ここでの制限部材は、別個の構造体であってもよく、回転アセンブリ2の一部、メインブラケット1の一部、又は回転シャフト機構10の別の構造体であってもよい。制限構造は、以下の例を用いて説明するため、ここでは示していない。
【0024】
さらに、
図10及び
図11にそれぞれ示される回転シャフト機構10の展開状態及び折畳み状態を参照すると、中間フレーム22がメインブラケット1に対して
図10に示される状態から
図11に示される状態へと回転する過程において、回転部材21の第1の接続部分211は、第1の円弧摺動スロット11に沿って時計回りに摺動する。これは、回転部材21が第1の回転中心O1の周りに時計回りに回転することに相当する。回転部材21の第2の接続部分212は、第2の円弧摺動スロット221に沿って反時計回りに摺動する。これは、中間フレーム22が第3の回転中心O3の周りに時計回りに回転することに相当する。中間フレーム22がメインブラケット1に対して最大ストロークまで(すなわち、
図11に示される状態)回転するときに、第1の接続部分211はメインブラケット1の表面から突出せず、第2の接続部分212は、中間フレーム22の表面から突出しておらず、それによって、回転シャフト機構10が折畳み状態にあるときに、回転部材21は、回転シャフト機構10の外部構造に影響を及ぼさず、回転シャフト機構10は、折畳み式端末装置100により簡便に適用することができる。
【0025】
図5~
図11に示される回転シャフト機構10の構造を参照すると、回転部材21はメインブラケット1に対して第1の回転中心O1の周りに回転することができ、中間フレーム22は回転部材21に対して第3の回転中心O
3の周りに回転することができ、摺動部材23の一端がメインブラケット1に対して第2の回転中心O
2の周りに回転することができ、摺動部材23の他端が中間フレーム22に対して摺動することができることが分かり得る。従って、回転シャフト機構10全体は1つの自由度のみに制限され、回転シャフト機構10全体の構造を
図12に示される構造に簡略化することができ、それによって、中間フレーム22は最終的にメインブラケット1に対して回転し、折畳み効果を実現することができる。全体の構造が簡素で空き位置が少なく、安定性が比較的高い。例えば、回転シャフト機構10を
図1に示される折畳み式端末装置100に適用すると、フレキシブル画面40には、安定した支持が提供され得る。
【0026】
また、例えば、回転シャフト機構10を
図1に示される折畳み式端末装置100に適用するときに、回転シャフト機構10の中間フレーム22がメインブラケット1に対して回転する状態は、
図13及び
図14に示される構造を例として用いて説明することができる。
図13では、メインブラケット1及び中間フレーム22は展開状態に相当し、フレキシブル画面40はメインブラケット1及び中間フレーム22に取り付けられる。中間フレーム22がメイン
ブラケット1に対して回転する仮想回転中心Oがセットされ(もちろん、実際の回転シャフト機構10では、メインブラケット1と中間フレーム22との間の接続関係はより複雑であり、ここで、メインブラケット1に対する中間フレームの基本的な「回転」動作のみが説明のための例として使用され、ここでの仮想回転中心Oは、中間フレーム22がメインブラケット1に対して単純に回転する仮想回転中心に相当する)、回転中心Oからフレキシブル画面40までの距離がLである。中間フレーム22がメインブラケット1に対して仮想回転中心Oの周りに時計回りに回転するときに、フレキシブル画面40は中間フレーム22とともに屈曲する。
図13及び
図14を参照すると、中間フレーム22がメインブラケット1に対して回転する過程で、Lが0未満である(仮想回転中心Oがフレキシブル画面40より上にある)場合に、フレキシブル画面40が圧迫される。又は、Lが0より大きい(
図13又は
図14に示される状態のように、仮想回転中心Oがフレキシブル画面40の下にある)場合に、フレキシブル画面40は伸張される。また、Lのサイズが大きいほど、フレキシブル画面40が長く伸張されることを示す。従って、Lのサイズは、実際の適用要件に基づいて適切に調整され、それによって、フレキシブル画面40の展開長さ(展開状態が
図15に示される)は、その折り畳み長さ(折畳み状態が
図16に示される)と略等しくなる。すなわち、フレキシブル画面40の折畳み及び展開は、圧迫又は伸張の問題に直面せず、それにより、フレキシブル画面40の故障リスクを低減する。
【0027】
以上の理論に基づき、本願の実施形態で提供する回転シャフト機構10では、メインブラケット1と回転部材21との間の第1の回転中心O1、及び回転部材21と中間フレーム22との間の第3の回転中心O3を、
図17に示されるX-Y方向を参照して調整することができる。すなわち、仮想回転中心Oの位置を調整することができ、それによって、Lを調整し、最終的にフレキシブル画面40は、展開長さが折り畳み長さと略同じになる条件を満たすことができ、それによりフレキシブル画面40が伸張又は圧迫されるのを防止することができる。なお、メインブラケット1と摺動部材23との間の第2の回転中心O2は、拘束を行うだけであり、中間フレーム22がメインブラケット1に対して回転する仮想回転中心Oには影響を与えない。
【0028】
図1及び
図3に示される折畳み式端末装置100を参照すると、折畳み式端末装置100の第1の本体20及び第2の本体30は、180°だけの折畳み及び展開を実現することができる。
図18は、折畳み式端末装置100に適用される回転シャフト機構10の展開状態を示す上面図である。回転シャフト機構10は、メインブラケット1と、複数の回転アセンブリ2とを含む(メインブラケット1は、
図18では画角の制限によって示されていない)。回転アセンブリ2は、第1の回転グループ(
図18の左半分の構造)及び第2の回転グループ(図
18の右半分の構造)に分けられる。メインブラケット1は、第1の回転グループと第2の回転グループとの間に配置されることが理解できる。
【0029】
図19に示される拡大図は、
図18のボックス内のJ部分の構造を拡大して得られたものである。第1の回転グループ内の各回転アセンブリ2の中間フレーム22は一体構造を有し、第1の回転グループ内の全ての回転アセンブリ2の回転動作は同期しているので、第1の回転グループ内の中間フレーム22は、メインブラケット1に対して回転して、90°の折畳みを実現することができる。第2の回転グループ内の各回転アセンブリ2の中間フレーム22も一体構造を有し、第
2の回転グループ内の全ての回転アセンブリ2の回転動作が同期しているので、第2の回転グループ内の中間フレーム22はメインブラケット1に対して回転して、90°の折畳みを実現することができる。折畳み式端末装置100の第1の本体20は、第1の回転グループの中間フレーム22(すなわち、
図19の左側の中間フレーム22)に接続され、第2の本体30は、第2の回転グループの中間フレーム22(すなわち、
図19の右側の中間フレーム22)に接続される。これにより、折畳み式端末装置100の第1の本体20が第2の本体30に対して180°だけ展開され及び折り畳まれるという効果を実現することができ、それにより、フレキシブル画面40の折畳み及び展開をさらに実現することができる。
【0030】
さらに
図19を参照して、
図18の回転シャフト機構10の構造を詳細に説明するために、スクリーンショットが、
図18のC-Cが位置する平面に沿ってJ部分で取り込まれて、
図20に示され且つ回転シャフト機構10に関するものであるC-C断面の構造の概略図を得る。
【0031】
図20を参照すると、2つの回転アセンブリ2がメインブラケット1の左側及び右側にそれぞれ配置される(回転アセンブリ2の回転部材21及び中間フレーム22のみが
図20に示され、摺動部材23は示していない)。2つの回転アセンブリ2は、
図20の断面に直交する方向に沿って交互に配置される(staggered:千鳥状に)(もちろん、2つの回転アセンブリ2は、代替的に、対称に分布してもよい)。従って、
図20には、2つの回転アセンブリ2に対して異なる部分構造が示される。
図20において、第1の画面支持部材41が回転部材21に配置され、フレキシブル画面40を支持するように構成される。ここで、第1の支持部材41は、接合、溶接、リベット留め、ねじ接続、又は他の方法によって回転部材に固定され得る。フレキシブル画面40をより安定して確実に支持するために、第2の画面支持部材42を、第1の画面支持部材41とメインブラケット1との間にさらに移動可能に配置することができ、第3の画面支持部材43を、第1の画面支持部材41と中間フレーム22との間にさらに移動可能に配置することができる。もちろん、ここでは、第2の画面支持部材42のみを、第1の画面支持部材41とメインブラケット1との間に配置してもよく、又は第3の画面支持部材43のみを、第1の画面支持部材41とメインブラケット1との間に配置してもよい。あるいはまた、第2の画面支持部材42を、第1の画面支持部材41とメインブラケット1との間に配置してもよく、第3の画面支持部材43を、第1の画面支持部材41と中間フレーム22との間に配置してもよい。
図20に示されるように、第2の画面支持部材42は、第1の画面支持部材41とメインブラケット1との間に配置され、第3の画面支持部材43は、第1の画面支持部材41と中間フレーム22との間に配置される。
【0032】
第2の画面支持部材42は移動可能である。第2の画面支持部材42を第1の画面支持部材41とメインブラケット1との間に制限するために、
図20のL部分に関するものであり且つ
図21に示される拡大図を参照すると、第1の画面支持部材41及びメインブラケット1を協働させて重ね合わせ面dを形成し、第2の画面支持部材42は重ね合わせ面dに重なり合う。同様に、第1の画面支持部材41と中間フレーム22との間に配置された第2の画面支持部材42についても、第1の画面支持部材41及び中間フレーム22を協働させて重ね合わせ面dを形成し、第2の画面支持部材42は重ね合わせ面dに重なり合う。
図21では、第1の画面支持部材41と第2の画面支持部材42との間の協働が一例として使用される。第1の画面支持部材41は、固定(captive:係止)フックFの方式で上記重ね合わせ面dを形成し、第2の画面支持部材42は、固定フックの構造に適合し得る構造を用いて、第1の画面支持部材41と協働することができ、それによって、第1の画面支持部材41の固定フックFが第2の画面支持部材42を制限することができる。もちろん、第2の画面支持部材42及びメインブラケット1によって形成される協働構造は、
図21に示される状態と同様であり、第3の画面支持部材43と第1の画面支持部材41及び中間フレーム22のそれぞれとの間の協働も
図20に示されるものと同様である。詳細については、ここでは再び説明しない。また、メインブラケット1及び第1の画面支持部材41による第2の画面支持部材42及び中間フレーム22に対する制限、そして第1の画面支持部材41による第3の画面支持部材43に対する制限を他の形式でさらに実施してもよい。これは、本願では制限されない。なお、ここで、回転アセンブリ2がメインブラケット1に対して回転するときに、第2の画面支持部材42及び第3の画面支持部材43が、第1の画面支持部材41、メインブラケット1、及び中間フレーム22に対して回転することを考慮して、固定フックFの構造を使用していることに留意されたい。固定フックFによって形成される溝は、第2の画面支持部材42及び第3の画面支持部材43に、回転に
必要な回転スペースマージンを提供することができる。
【0033】
さらに
図20を参照すると、ここでの回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して展開状態にある。ここで、第1の画面支持部材41の座面、第2の画面支持部材42の座面、第3の画面支持部材43の座面、メインブラケット1の座面、及び中間フレーム22の座面が同一平面に位置する。ここで、第1の画面支持部材41、第2の画面支持部材42、及び第3の画面支持部材43は、メインブラケット1と回転アセンブリ2との間に配置された制限部材として機能し得、メインブラケット1に対して回転アセンブリ2によって展開状態にされる最大回転ストロークを制限することができる。
【0034】
図20に示される2つの回転アセンブリ2は、メインブラケット1と面一に保たれる(これは、回転シャフト機構10の展開状態に相当する)。
図20の左側の回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して90°だけ反時計回りに回転し、
図20の右側の回転部材2は、メインブラケット1に対して90°だけ時計回りに回転して、
図22に示される回転シャフト機構10の折畳み状態となる。回転部材21は、メインブラケット1の表面及び中間フレーム22の表面から突出しておらず、回転シャフト機構10全体の外面は比較的面一に保たれる。これにより、フレキシブル画面40に良好な支持効果を与えることができる。
【0035】
スクリーンショットが、
図18のD-Dが位置する平面に沿ってJ部分で取り込まれて、
図23に示され且つ回転シャフト機構10に関するものであるD-D断面の構造の概略図を得る。
図23に示されるメインブラケット1、中間フレーム22、回転部材21、第1の画面支持部材41、第2の画面支持部材42は、
図20に示されるものとは構造が異なる。これは、構造体の断面が、
図18に示される回転シャフト機構10の長さ方向に沿って変化するためである。しかしながら、構造の変更は、構造の機能的実施態様に影響を与えないことが理解できる。
図23は、メインブラケット1、中間フレーム22、回転部材21、第1の画面支持部材41、及び第2の画面支持部材42の間の協働関係を示している。
図23のボックスのK部分を拡大すると、
図24に示す拡大図が得られる。第2の画面支持部材42を支持するために、支持面cが、メインブラケット1、中間フレーム22、及び第1の画面支持部材41に形成されることが分かり得る。
【0036】
図23に示される2つの回転アセンブリ2は、メインブラケット1と面一を保っている(これは、回転シャフト機構10の展開状態に相当する)。
図23の左側の回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して90°だけ反時計回りに回転し、
図23の右側の回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して90°だけ時計回りに回転して、
図25に示される回転シャフト機構10の折畳み状態となる。回転部材21は、メインブラケット1の表面及び中間フレーム22の表面から突出しておらず、回転シャフト機構10全体の外面は比較的面一に保たれる。これにより、フレキシブル画面40に良好な支持効果を与えることができる。
【0037】
スクリーンショットが、
図18のE-Eが位置する面に沿ってJ部分で取り込まれて、
図26に示され且つ回転シャフト機構10に関するものである
E-E断面の構造の概略図を得る。
図26に示される回転シャフト機構10の断面構造は、
図20に示される回転シャフト機構10の断面構造と同様であることが分かり得る。
図26に示される構造は、
図20に示される構造を左右に逆にすることにより得ることができる。
図26に示される2つの回転アセンブリ2は、メインブラケット1と面一に保たれる(これは、回転シャフト機構10の展開状態に相当する)。
図26の左側の回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して90°だけ反時計回りに回転し、
図26の右側の回転アセンブリ2は、メインブラケット1に対して90°だけ時計回りに回転して、
図27に示される回転シャフト機構10の折畳み状態となる。
図27に示される回転シャフト機構10の断面構造は、
図22に示される回転シャフト機構10の断面構造と同様である。
図27に示される構造は、
図22に示される構造を左右に逆にすることにより得ることができる。
【0038】
結論として、本願で提供する回転シャフト機構10の構造は、簡素であり、空き位置が少なく、安定性が比較的高い。回転シャフト機構10が折畳み式端末装置100に適用されると、メインブラケット1の座面及び中間フレーム22の座面は、折畳み式端末装置100のフレキシブル画面40を支えることができる。これにより、フレキシブル画面40に良好な支持効果を与えることができる。また、第1の回転中心O1及び第3の回転中心O3の位置が適切に配置されていれば、折畳み式端末装置100のフレキシブル画面40は、折畳み及び展開プロセスにおいて、回転シャフト機構10に対して摺動せず、それによりフレキシブル画面40の故障リスクを低減する。
【0039】
明らかに、当業者は、本願の範囲から逸脱することなく、本願の実施形態に対して様々な修正及び変形を行うことができる。本願は、これらの修正及び変形が、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等の技術によって規定される保護の範囲内にあるという条件で、それら修正及び変形をカバーすることを意図している。