(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】コネクタ要素およびそのようなコネクタ要素を基板に接合する方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/08 20060101AFI20240411BHJP
B29C 65/56 20060101ALI20240411BHJP
F16B 5/08 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B29C65/08
B29C65/56
F16B5/08 B
(21)【出願番号】P 2023519873
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2022068256
(87)【国際公開番号】W WO2023275353
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-06-20
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517426993
【氏名又は名称】マルチマテリアル-ウェルディング・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】MULTIMATERIAL-WELDING AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エビー, シリル
(72)【発明者】
【氏名】オードリアス, ステファーヌ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-159157(JP,A)
【文献】特表2020-511339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ要素(1;101;102;103;104)と基板を一緒に押圧し、一緒に押圧されているときに前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)と前記基板を互いに対して機械的に励振させることによって前記基板に接合されるコネクタ要素(1;101;102;103;104)であって、
遠位面(23)を有するベース部分(2;201;202;203;204)と、
前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記遠位面(23)から遠位方向に延びる複数の突起(3;301;302;303;304)であって、
前記突起(3;301;302;303;304)は、前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)が前記基板に対して押圧され、機械的に励振されるときに液化するように構成された熱可塑性材料を含む、複数の突起(3;301;302;303;304)とを備え、
前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)が前記基板に対して押圧され、機械的に励振されるときに液化するように構成された熱可塑性材料を含むリンク部材(4;401;402;403;404)を特徴とし、
各リンク部材(4;401;402;403;404)は、前記複数の突起(3;301;302;303;304)のうち、隣接する2つの突起(3;301;302;303;304)を接続する、コネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項2】
前記リンク部材(4;401;402;403;404)は膜状形状である、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項3】
各前記突起(3;301;302;303;304)は、実質的に同一の突起長(31)を有し、前記リンク部材(4;401;402;403;404)の各々は、前記突起(3;301;302;303;304)の前記突起長(31)の少なくとも1/4に沿って
、前記突起(3;301;302;303;304)の前記突起長(31)の少なくとも1/3に沿って
、前記突起(3;301;302;303;304)の前記突起長(31)の少なくとも1/2に沿って、または前記突起(3;301;302;303;304)の前記突起長(31)の少なくとも2/3に沿って
、少なくとも2つの隣接する突起(3;301;302;303;304)を接続する、請求項1または2に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項4】
前記リンク部材(4;401;402;403;404)は、前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記遠位面(23)から突出している、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項5】
前記ベース部分(2;201;202;203;204)は、外周を有し、前記突起(3;301;302;303;304)は、前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記外周に沿って配置されている、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項6】
前記ベース部分(2;201;202;203;204)は、前記遠位面(23)を有するディスク区域を備える、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項7】
前記突起(3;301;302;303;304)の各々は、前記突起(3;301;302;303;304)に沿って遠位方向に延びる溝(7)を備える、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項8】
前記溝(7)は
、全突起長(31)に沿って延びている、請求項7に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項9】
前記突起(3;301;302;303;304)の各々は、遠位穿刺端部(9)を有する、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項10】
前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記遠位面(23)から遠位方向に延びる中心ドーム部分(10;1001)を備え、前記中心ドーム部分(10;1001)は、前記突起(3;301;302;303;304)によって取り囲まれている、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項11】
前記中心ドーム部分(10;1001)は、遠位方向に延びる歯(11;1101)を有する、請求項10に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項12】
前記歯(11;1101)の各々は、前記歯(11;1101)に沿って遠位方向に延びる溝(12)を備える、請求項11に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項13】
前記歯(11;1101)の各々は、遠位穿刺端部(13)を有する、請求項11または12に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項14】
前記中心ドーム部分(10;1001)は、前記ベース部分(2;201;202;203;204)の近位側(5)に開放する空洞(8)を有する、請求項10に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項15】
前記中心ドーム部分(10;1001)は、前記空洞(8)が前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)を前記基板に接合するのに耐えるように構成されている、請求項14に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項16】
前記ドーム部分(10;1001)の側壁は、前記突起(3;301;302;303;304)の厚さより大きな厚さを有する、請求項14または15に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項17】
前記突起(3;301;302;303;304)は、前記中心ドーム(10;1001)
の歯(11;1101)の遠位方向の長さを越えて遠位方向に突出している、請求項10に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項18】
前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記遠位面(23)は、平坦な区域(14)を有する、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項19】
前記平坦な区域(14)は、前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記遠位面(23)の主要な部分である、請求項18に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項20】
前記ベース部分(2;201;202;203;204)に、近位結合構造が備わっている、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項21】
前記突起(3;301;302;303;304)の断面は遠位方向に縮小する、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項22】
前記突起(3;301;302;303;304)の少なくとも一部は、前記ベース部分(2;201;202;203;2043;301;302;303;304)の外周縁部(21;2101;2102)の近くに配置されている、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項23】
前記突起(3;301;302;303;304)の前記少なくとも一部の各々は、前記ベース部分(2;201;202;203;204)の前記外周縁部(21;2101;2102)に関連付けられた外側(16;1601;1602)を有し、前記突起(3;301;302;303;304)の前記少なくとも一部の前記外側は傾斜している、請求項22に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項24】
前記ベース部分(2;201;202;203;204)は、近位フランジ部分(1702)と、遠位円筒形部分(1802)とを有する、請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項25】
前記フランジ部分(1702)と前記円筒形部分(1802)とを接続するリブ(1902)を備える、請求項24に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項26】
前記リブ(1902)は、前記フランジ部分(1702)の遠位端から前記円筒形部分(1802)の外側面まで延びている、請求項25に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)。
【請求項27】
請求項1に記載のコネクタ要素(1;101;102;103;104)を、近位面を有する圧縮可能な基板に接合する方法であって、
前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)の前記突起(3;301;302;303;304)が前記基板の前記近位面に向かって延びるように、前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)を前記基板に配置することと、
前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)の前記突起(3;301;302;303;304)が前記基板に貫入するように、かつ前記突起(3;301;302;303;304)の熱可塑性材料および前記リンク部材(4;401;402;403;404)の熱可塑性材料の少なくとも一部が液化するように、押圧力および機械的励振を適用することと、
前記突起(3;301;302;303;304)の前記熱可塑性材料および前記リンク部材(4;401;402;403;404)の前記熱可塑性材料が再固化するように前記機械的励振を停止することと
を含む、方法。
【請求項28】
前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)に前記押圧力を適用することは、前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)が配置される前記基板の一部において前記基板を圧縮する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記コネクタ要素(1;101;102;103;104)に前記押圧力を適用する際、前記コネクタ要素が配置される前記基板の前記一部における前記基板の密度は、前記突起が前記基板に貫入し、前記突起(3;301;302;303;304)の前記熱可塑性材料および前記リンク部材(4;401;402;403;404)の前記熱可塑性材料が液化することを可能にするのに十分に高くなるまで増大される、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記突起(3;301;302;303;304)の前記熱可塑性材料および前記リンク部材(4;401;402;403;404)の前記熱可塑性材料が再固化した後、前記押圧力の適用を停止することを含む、請求項27または28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルによるコネクタ要素と、そのようなコネクタ要素を圧縮可能基板内に接合するための方法とに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、コネクタ要素と基板を一緒に押圧し、一緒に押圧されているときにコネクタ要素と基板を互いに対して機械的に励振させることによって基板に接合されるコネクタ要素に関し、コネクタ要素は、遠位面を有するベース部分と、ベース部分の遠位面から遠位方向に延びる複数の突起とを備え、複数の突起は、コネクタ要素が基板に対して押圧され、機械的に励振されるときに液化するように構成された熱可塑性材料を含む。さらに、本発明はそのようなコネクタ要素を接合するための方法に関する。そのようなコネクタ要素および方法は、様々な産業の機械工学の分野において、例えば、建設産業および自動車産業において、ならびに圧縮可能軽量材料などの広い範囲の異なる基板材料のために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
異なるタイプの材料(例えば、木質材料、プラスチック材料、例えばポリプロピレンなど)で作製された中空コアボード、異なるタイプの材料(例えば、木質材料、プラスチック材料、例えばポリプロピレンなど)、特に発泡材料、例えば発泡ポリプロピレンまたは発泡ポリウレタン、金属発泡体、および異なるタイプの熱可塑性プラスチック材料または他のプラスチック材料で作製されたサンドイッチ材料などの軽量材料であって、炭素繊維および/またはガラス繊維ならびに繊維材料および織物材料で強化された、または強化されていない材料内でのコネクタの接合は、一般に、自動車産業、航空機産業および建設産業などにおいてさらに関連するようになりつつある。従来の方法、接着剤による接着、ねじ込み、くぎ打ち、リベット締めなどは、製造速度、品質および部品の重さに関連して難題をもたらす。接着剤による接着は、接着剤は乾燥させる必要があることから極めて時間がかかり、接合の品質を制御するのが困難である。基板材料の密度によっては、ねじ、爪およびリベットなどの古典的な機械コネクタの接合は、基板材料を損傷させ、極めて低い接合強度につながる可能性がある。
【0004】
WO2018/172385A1では、2つの物体を一緒に接合する方法が開示されており、そこでは第1の物体は、遠位方向に突出する複数の先端を備える熱可塑性材料で作製されたコネクタであり、第2の物体は低密度の領域を有する。接合プロセス中、第1の物体の熱可塑性材料は、超音波の適用によって液化され、第1の物体は、低密度の領域において圧縮強度を変えるために、第2の物体に対して押圧され、このことは、第1の物体の熱可塑性材料の液化を促進する。
【0005】
先端または突起を備える物体を液化することによって物体を一緒にそのように接合することに関連して、他方の物体への十分な貫入を達成しつつ、同時に先端において十分な頑強さを実現することは難題であり得る。とりわけ、同等の高圧が関与する場合、先端は、十分に堅固であるために一方では比較的厚く、または比較的大きく設計されるべきであり、他方では、他の物体に貫入することを可能にするために比較的薄くまたは細く設計されるべきである。
【発明の概要】
【0006】
よって、接合プロセス中に安定性を提供し、接合プロセス中に突起がつぶれるのを阻止することによって接合結果を高めることを実現するコネクタ要素に対する要望がある。
【0007】
本発明によると、この要望は、独立請求項1の特徴によって定義されるように、コネクタ要素によって、および独立請求項27の特徴によって定義されるように、近位面を有する圧縮可能基板にそのようなコネクタ要素を接合する方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
一態様において、本発明は、コネクタ要素と基板を一緒に押圧し、一緒に押圧されているときにコネクタ要素と基板を互いに対して機械的に励振させることによって基板に接合されるコネクタ要素である。基板は、とりわけ、熱可塑性材料、およびより具体的には発泡プラスチック材料などの軽量材料であり得る。例えば、基板は、発泡ポリプロピレン(EPP)、発泡ポリエチレン(PE)、発泡ポリ塩化ビニル(PVC)、発泡ポリスチレン(EPS)、押出法ポリスチレン(XPS)、発泡ポリ乳酸(PLA)または他のPE、PVCもしくはPLA含有発泡体で作製するあるいはこれらを含むことができる。基板の別の例は、PP、PE、PVC、PLA、押出法ポリプロピレン(XPP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、またはとりわけ先に列挙した熱可塑性材料の混合物などの熱可塑性材料で少なくとも部分的に作製された中空コアボードまたはサンドイッチ材料である。
【0009】
コネクタ要素は、遠位面を有するベース部分と、ベース部分の遠位面から遠位方向に延びる複数の突起とを備える。突起は、コネクタ要素が基板に対して押圧され、機械的に励振されるときに液化するように構成された熱可塑性材料を含む。さらに、コネクタ要素は、コネクタ要素が基板に対して押圧され、機械的に励振されるときに液化するように構成された熱可塑性材料を含むリンク部材を備える。各リンク部材は、突起の少なくとも2つの隣接する突起を接続する。
【0010】
本発明の文脈における用語「コネクタ要素」は、基板に対して接続可能な構造体に関する。それは、工具を介して基板に対して押圧され、コネクタ要素が基板に対して押圧されるときに同じまたは異なる工具、あるいは追加の工具によって機械的に励振され、それにより、押し込み嵌合接続および/または一体式接合、例えば溶接などを介して基板に接合するために部分的に液化されることが可能なコネクタであり得る。コネクタ要素は、基板材料を強化するために、または物体を基板に接続するために、基板に接合されてよい。基板の強化の場合、コネクタ要素は、コネクタ要素に装着される、締結される、または接合されるべき異なる接続要素を提供してよい。これらの接続要素は、チャネルまたはねじ設置のための穴などの雌接続要素であってよい。コネクタ要素は、ねじ接続を増強することができる。物体を基板に接続する場合、コネクタ要素は、それぞれの物体を包囲することによって、または物体を突き刺すことによって、または別のプロセスステップにおいて物体に溶接されることによって、第2の物体を基板に装着する、締結する、または接合するのに使用され得る。コネクタ要素は、例えば、クリッピングなど、物体を設置するために雄接続構造が備わっていてよい。
【0011】
コネクタ要素のベース部分は、ディスク状形状の円筒形であり得る。それは、回転対称ならびに回転非対称の断面などを有することができる。例えば、断面は、円形、正方形、矩形、多角形、三角形であり得、または幾何学形状に定義されない場合もあり、これは個々に成形された断面を意味する。コネクタ要素はまた円錐形態である場合もある。
【0012】
本発明の実施形態によるベース部分は、ある軸、すなわち近位-遠位軸、に沿って配置された近位面および遠位面を形成する近位側および遠位側を備える。
【0013】
用語「遠位」は、コネクタ要素の意図される用途または使用における基板に向く方向に関する。それは、狭い意味での方向ならびに相対的位置に対する方向に関する場合もある。例えば、ベース部分の遠位面は、基板に接合される間、基板に向けて配向されたベース部分の区域である。同様に、用語「近位」は、遠位と反対の方向または相対的な位置に関する。
【0014】
実施形態では、遠位面の目的は、基板内に、または基板に対して、または基板上に接合されることであるのに対して、近位面の目的は、接続の雌部品または雄部品などの接続要素を提供すること、あるいはコネクタ要素と基板を一緒に押圧し、それらを機械的に励振させる工具のための、装着面または近位結合構造として機能することのいずれかであり得る。ベース部分は、突起または遠位方向に突出するいかなる他の構造も備わっていない平坦な部分を有してよい。実施形態では、コネクタ要素が据えられる工具は、ソノトロードである。他の実施形態では、工具は、自動スクリュードライバまたはレンチ(自動式の)であってもよい。一実施形態では、ベース部分は、熱可塑性材料から成る、または熱可塑性材料を少なくとも含む。
【0015】
ベース部分の遠位面は、複数の遠位方向に延びる突起を備える。突起は、コネクタ要素が基板に対して押圧され、例えばソノトロードなどの工具によって機械的に励振されるときに液化するように構成された熱可塑性材料を含む。とりわけ強力な接続の場合、突起は、接合プロセスにおいて基板を貫通するように構成される場合もある。これを達成するために、それらは、先端端部、縁部または他の切断端部を備えてもよい。このように、基板内へのコネクタの強力な固着も達成され得る。
【0016】
本発明の文脈における熱可塑性材料は、機械的励振および同時に起こる基板との相互作用によって溶融され得る、流動性を有するようにされ得る、または液化され得る材料または少なくともそのような材料の構成要素であってもよい。例えば、熱可塑性材料は、コネクタ要素が基板に対して押圧され、振動される、回転される、および/または揺動されるときに液化するように構成され得る。このように、圧力および摩擦力が、熱可塑性材料を少なくとも局所的に、または部分的に液化するのに十分な熱を生成する場合がある。よって、コネクタ要素と基板との間の液化相互作用は通常、熱可塑性材料の温度を上げる機械的振動または回転などによるコネクタ要素の機械的励振によって生じた摩擦である。結果として、熱可塑性材料は、柔軟になる、溶解する、または流動性を有するようになる。本発明の実施形態では、本明細書に記載されるプロセスに関する必須条件は、コネクタ要素と基板の圧力への曝露である。この圧力は、接続要素を基板内で、または基板に対して、または基板上に押圧し、基板が、そこに特定の反対の圧力を励振する工具によって確立することができる。実施形態では、基板は、同様に例えば横方向のクランプ留めまたは同様のものを介して、工具によってコネクタ要素に対して押圧される場合もある。摩擦を増大させるために、特定の押圧嵌合のような状態が確立されることが必要である。
【0017】
本発明による方法に適した熱可塑性材料は、室温で、または接合プロセスが実施される温度で固体である。それは、好ましくは、例えば、溶融することによって、臨界温度を超えると固体から液体に、または流動性を有するように変形し、再び臨界温度を下回るまで冷却されると、例えば結晶化によって固体材料に再度変形し、これにより、固体相の粘度が、液体相のものより桁違いに高くなる(少なくとも3桁高くなる)ポリマー相(特に、C、P、SまたはSi鎖ベース)を有する。熱可塑性材料は一般に、架橋接合が、溶融温度範囲まで、または溶融温度範囲を超えるまで温度が上がるとき可逆的に開放するような方式で共有架橋していない、または架橋していないポリマー成分を含んでよい。ポリマー材料は、基本ポリマーの溶融温度範囲よりかなり高い溶融温度範囲を含む、熱可塑性特性を持たない、または熱可塑性特性を有する例えば材料の繊維または粒子などの充填材をさらに有する場合がある。
【0018】
好適な熱可塑性材料の特有の実施形態は、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリアミド、例えば、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6またはポリアミド66、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン、またはポリカーボネートウレタン、ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルエステル-スチロールーアクリロニトリル(ASA)、スチレンーアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエステルまたはこれらのコポリマーまたは混合物である。とりわけ好ましい実施形態では、コネクタ要素によって含まれる熱可塑性材料は、ポリプロピレンまたはポリエチレンまたはポリスチレンまたはポリ塩化ビニルまたはポリ乳酸ベースである。
【0019】
有利には、突起の熱可塑性材料は、リンク部材の熱可塑性材料と同じである。さらに、突起およびリンク部材は、同一の熱可塑性材料から成る場合がある。一実施形態では、ベース部分もまた、熱可塑性材料から成るかまたは熱可塑性材料を少なくとも含む。
【0020】
熱可塑性材料は強化される場合がある。有利には、それは、例えば、繊維強化されたポリプロピレンであり得る。含まれる繊維は、例えば、ガラス繊維または炭素繊維であり得る。有利な一実施形態では、コネクタ要素は、一体式に形成される。それにより、それは、1つの単一の熱可塑性材料から成ることができる。
【0021】
本発明によると、リンク部材を設けることは、接合プロセス中に突起を安定させることを可能にする。とりわけ、リンク部材は、突起が、基板に対して押圧され、機械的に励振されるときに損傷を受けることを阻止することができる。よって、リンク部材は、突起が、比較的滑らかに基板内に貫入することを可能にする。これは、コネクタ要素の基板内への確実な固着を達成することを可能にする。さらに、リンク部材は、突起を比較的薄く設計することを可能にし、これは、突起の基板内へのより効率的な貫入をもたらす結果になり得る。そのような比較的薄いが、いずれにしても安定した突起は、コネクタ要素を比較的柔軟な基板に接合するためにも有益である。
【0022】
さらに、リンク部材は、接合プロセス中のコネクタ要素の案内および改善された位置合わせのために機能してよい。また、リンク部材は、基板材料の一部を通って切断するように機能してもよい。これは、リンク部材の少なくとも一部に、鋭利な縁部などの切断構造が備わっていることによって促進されてよい。
【0023】
リンク部材は、接合プロセス中に液化するように構成された熱可塑性材料を含むため、リンク部材は、再固化後の基板に対するコネクタ要素の接続を高めることができる。とりわけこれは、リンク部材がコネクタ要素に接続面を加えるために達成されてよい。このように、本発明の実施形態では、達成される接続強度を減少させることなく突起の数が削減されてよく、これは、コネクタ要素の重量を減少させることも可能にし得る。比較的小さい直径および同等の長い突起のコネクタ要素は、リンク部材が、突起がバラバラに広がったり、壊れたりするのを阻止するために実現可能である。一般に、突起は、このために、その断面が大きすぎる必要はない。
【0024】
好ましい一実施形態では、リンク部材は、膜状形状である。そのようなリンク部材は、薄い壁として設計され、膜またはリブ膜と呼ばれる場合もある。そのような膜は、比較的小さいまたは比較的薄い妨害しない構造によって突起に十分な安定性を与えることができる。例えばリンク部材は、突起よりも10倍以上薄い場合があり得る。
【0025】
好ましくは、コネクタ要素の突起は、実質的に同一の突起長を有し、リンク部材の各々は、突起の突起長の少なくとも1/4に沿って、好ましくは突起の突起長の少なくとも1/3に沿って、より好ましくは突起の突起長の少なくとも1/2に沿って、または突起の突起長の少なくとも2/3に沿って、少なくとも2つの隣接する突起を接続する。リンク部材のそのような構成は、突起を十分に安定させ、同時に、リンク部材を比較的薄く設計することを可能にする。
【0026】
しかしながら、特有の実施形態では、リンク部材が突起長を超えることは一般に除外されない。これは、種々の理由のためであり、例えば基板材料を切断し、それにより例えば増強された接合のための開放穴の到達可能な面を拡大する、またはコネクタ要素を基板にさらに挿入することを可能にすることによって深い固着/接合を促すなどであり得る。
【0027】
好ましくは、リンク部材は、ベース部分の遠位面から突出する。このように、リンク部材は、ベース部分と一体形として具現化される場合もあり、すなわちリンク部材は、ベース部分の遠位面を越えてその中へと進むことができる。このように、リンク部材は、コネクタ要素がそれに曝される可能性のある同等の高いせん断力に耐えるのに十分に強力であり得る。例えば、そのようなせん断力は、断面がリンク部材の軸方向の長さまたは近位-遠位方向の長さにわたって変化する際に相殺されてよい。例えば、リンク部材の断面は、ベース部分との境界面またはその遠位面においてより大きい場合があり、それが鋭利な縁部または切断縁部を形成し得るまさに遠位端においてより小さくなり得る。また、リンク部材は、遠位面に対して、および/または少なくとも2つの隣接する突起に対して傾斜していてもよい。リンク部材はその幅が、異なる実施形態において異なる形態を有する場合がある。リンク部材の幅は、リンク部材が接続している少なくとも2つの隣接する突起間のリンク部材の幅であってよい。一般に、リンク部材は、突起の位置、傾斜およびサイズに適合されてよい。それぞれの突起との境界面において、リンク部材は、残りの幅に対してより厚くなり得る。リンク部材は、凹面方式または凸面方式で湾曲していてよい。
【0028】
好ましくは、ベース部分は、外周を有し、突起は、ベース部分の外周に沿って配置される。この文脈において、外周は、ベース部分の半径方向外側面を意味してよい。ディスク状形状のベース部分の実施形態では、外周は、ベース部分の縁部を含んでよい。そのような縁部は、半径方向または外向きに延びる面であってよい。円筒形状のベース部分の実施形態では、外周は、マントル領域を含むことができる。外周に沿って配置された突起は、突起が遠位面において外周に近接して位置することを意味することができる。例えば、突起は、円形または直線平行にあってよく、縁部またはマントルに近い場合がある。
【0029】
このように、ベース部分は、基板に対してその縁部でまたはその縁部の近くで接合することができる。これにより、同等の高いトルク抵抗接続を達成することができる。また、接合面はコネクタ要素の半径方向の最も外側の縁部/外周に沿って最大であるため、コネクタ要素と基板との間の幅広で堅固な接続を達成することができる。
【0030】
好ましくは、コネクタ要素のベース部分は、遠位面を有するディスク区域を備える。詳細には、ベース部分全体は、ディスク形状であってよい、またはより具体的には、円形ディスクの形状を有することができる。そのような実施形態では、突起は、ベース部分の外周に沿って円形に配置されてよい。ベース部分が円形形状を持たない実施形態では、突起は、ベース部分の断面の幾何学形態で配置される、例えば、ベースプレートの矩形の断面は、ベース部分の矩形の外周に沿った突起の配置につながる。
【0031】
好ましくは突起の各々は、突起に沿って遠位方向に延びる溝を備える。突起内のそのような溝は、突起の溶融または液化を促進してよい。詳細には、コネクタ要素が基板に対する接合中に機械的振動または揺動に曝されたとき、溝は、コネクタ要素の材料がより素早く液化するように追加の摩擦面を提供し得る。さらに、溝は、機械的振動または揺動のエネルギーを誘導するエネルギー導波器として作用してもよい。そのような方式では、機械的エネルギーは、突起の材料を機械的励振の下で迅速に液化させるために特有の領域に集積する。溝は、突起のその部分に配置され、その部分が、接合プロセス中に基板材料と接触させられる。コネクタ要素のベース部分の外周に沿って配置された突起には、本明細書に記載されるように溝が備わっていてよい。
【0032】
これにより、溝は好ましくは、基本的に、全突起長に沿って延びている。そのような構成は、溝を、機械的エネルギーを誘導する意味においてとりわけ効果的にする可能性がある。溝は、ベース部分の外周においてベース部分の中に到達してよい、すなわち、コネクタ要素のマントル領域の一部に沿って軸方向に、または近位-遠位方向に伸びてよい。いくつかの実施形態において、溝が備わっていない突起の何らかの部分を有することが有益である場合もあり、例えば軸方向または近位-遠位方向への突起長の遠位の3分の1、または軸方向または近位-遠位方向への突起長の5から20%のみ(突起の近位端と遠位端との間に配置された軸方向または近位-遠位方向への突起長の遠位区域または近位区域または中央区域における)などである。典型的には、有利な効果を達成するために軸方向または近位-遠位方向への突起長の50%が溝を備えている。
【0033】
遠位方向に延びる溝が突起の一部のみに存在しており、それらの各々にあるのではないコネクタ要素の実施形態は、除外されない。また、いくつかの実施形態において、コネクタ要素のベース部分の外周に沿って配置されていない突起に溝を設けることも有利であり得る。
【0034】
好ましくは突起の各々は、遠位の穿刺端部を有する。そのような穿刺端部は、先端、切断縁部などとして形成することができる。詳細には、穿刺端部は、コネクタ要素が基板に対して押圧される際、基板を穿刺するように構成することができる。このように、基板内への突起の確実な固着を達成することができる。さらなる目的は、エネルギーの誘導であってよく、すなわちエネルギー導波器として作用してもよい。穿刺端部は、関与する基板のタイプにとりわけ適するように構成することができる。
【0035】
好ましくは、コネクタ要素は、ベース部分の遠位面から遠位方向に延びる中心ドーム部分を備え、中心ドーム部分は、突起によって取り囲まれる。いくつかの実施形態において、とりわけベース部分の断面に応じて、中心ドーム部分は、幾何学的な意味において中心に位置合わせされる必要はない。むしろ、それは、突起に対して中心にあり得る、すなわち突起によって取り囲まれている。
【0036】
中心ドーム部分は、コネクタ要素の突起の残りより軸方向に長くてもよい。中心ドーム部分の設計に応じて、軸方向に長くなることによって、それは、接合プロセスの最初の段階において案内手段として機能してよい。しかしながらいくつかの実施形態において、中心ドーム部分は、軸方向により短い場合もあり、または突起と同じ軸方向の長さを有する場合もある。
【0037】
中心ドーム部分は好ましくは、遠位方向に延びる歯を有する。そのような歯は、基板に対して押圧されるとき、基板内へのドーム部分の貫入を助けることができる。歯は、歯に沿って遠位方向に延びる溝を各々備えてよい。歯の溝はまた、基本的に歯の全長に沿って延びていてもよい。溝の目的は、材料の量の削減および結果として重量の削減ならびに溝間のエネルギー導波器の形成である。また、溝は、エネルギーを誘導することに寄与してもよく、例えば溝を構築していない領域は、エネルギー導波器として作用し得る突出部を形成する。
【0038】
歯の各々は好ましくは遠位の穿刺端部を有する。そのような穿刺端部は、先端、切断縁部などとして具現化されてよい。穿刺端部が備わっていることによって、歯は、基板に効果的に貫入することができる。
【0039】
中心ドーム部分は好ましくは、ベース部分の近位側に開放する空洞を有する。ベース部分の近位側から到達可能なそのような空洞は、セットされたコネクタ要素の機能を提供することができる。例えば、そのような空洞は、ねじ山付きチャネルであり得る、または第2のステップでは、セルフタッピングねじによるねじ山が備わっている場合もある。このように、コネクタ要素が設定され基板に接合された後、コネクタ要素を介してねじを基板に接続することができる。詳細には、熱可塑性材料に切り込むための切断ねじ山を有するセルフタッピングねじを使用することができる。いくつかの実施形態において、空洞は、その遠位端において、例えば遠位の穿刺端部を備えた、または遠位の穿刺端部を備えていない歯によって閉鎖される、または塞がれる。これは、液化した材料が、接合プロセス中に空洞を満たす、または空洞を損傷することを阻止するためである。空洞はまた、例えばクランプ留めまたはスナップ接続などの雌部品であってもよい。
【0040】
中心ドーム部分は好ましくは、空洞がコネクタ要素を基板に接合するのに耐えるように構成される。これは、突起の厚さより大きな厚さを有する中心ドーム部分の側壁を設けることによって達成されてよい。この効果を達成する別の方法は、歯および溝を、接合プロセス中に一程度の安定性を与えることで、中心ドーム部分が、コネクタ要素が接合プロセス中に曝される機械的励振の作用によってつぶれることがないように設計することである。一例は、接合プロセス中に最初に液化する半径方向の突出部である。
【0041】
好ましくは、ベース部分の遠位面は、平坦な区域を有する。詳細には、平坦な区域は、任意の突起および最終的には歯または同様の構造を持たないことによって具現化することができる。そのような平坦な区域は、基板を効率的に圧縮することを可能にする基板の近位面に当接することができる。それに加えて、平坦な区域は、接合プロセスにおいて停止面として機能することができる。平坦な区域は一般に、平坦な平面であるが、それは、溝または他の構造を備える場合もあり、あるいはそれはわずかに凹凸のある形状である場合もある。
【0042】
平坦な区域は好ましくは、ベース部分の遠位面の主要な部分である。リンク部材を含む突起、および存在するならば中心ドーム部分は、ベース部分の遠位面のわずかな部分しか覆わない。このように、比較的柔軟な基板が関与する場合にとりわけ有益であり得る基板の効果的な圧縮を達成することができる。
【0043】
好ましくは、ベース部分に、近位結合構造が備わっている。そのような結合構造は、工具、例えばソノトロードの対応する構造と相互作用してよい。例えば、結合構造は、結合の雄部品または雌部品として具現化することができる。結合構造を利用して、コネクタ要素は、工具によって効率的に保持され得る、または作動され得る。
【0044】
好ましくは突起の断面は、遠位方向に縮小する。突起の断面は、全ての突起に関して同一であってよい、または変動してもよい。そのような断面の縮小は、突起が基板に効率的に貫入するように突起を先細にすることを可能にし得る。
【0045】
好ましくは、突起は、ベース本体の外周縁部の近くに配置される。外周縁部は、ベース部分のマントル領域と基本的に等しくてよい。そのような配置は、ベース部分をその縁部で、またはその縁部付近で基板に接合することを可能にする。このように、接合面がコネクタ要素の半径方向の最も外側の縁部/外周に沿って最大であるため、コネクタ要素と基板との間の幅広で堅固な接合を達成することができる。詳細には、比較的大きなベース部分を有する実施形態では、そのような配置は有益であり得る。
【0046】
これにより、突起の少なくとも一部は好ましくは、ベース本体の外周縁部に関連付けられた外側を有し、突起の少なくとも一部の外側は好ましくは傾斜している。ベース部分が基本的に円形のディスク形状である場合、外側は典型的には突起の半径方向端部側または端部面である。突起の半径方向外側は、ベース部分のマントル領域の軸方向の継続部であってよい。
【0047】
好ましくは、ベース部分は、近位フランジ部分と、遠位円筒形部分とを有する。近位フランジ部分は典型的には、遠位円筒形部分より大きな断面である。断面の形状は、変動してもよく、例えば近位フランジ部分は、円形であり、円筒形部分は矩形断面を有する、または近位フランジ部分および円筒形部分が共に矩形断面またはさらには他の断面を有する。そのようなフランジ部分は、同等の大きな近位側を提供することを可能にする。フランジ部分は、接合プロセス中の停止面として作用してもよい。
【0048】
近位フランジ部分と円筒形部分との間の接続は、連続してよく、すなわち近位フランジ部分の断面は、それが円筒形部分と同じ直径になるまで、遠位方向に縮小する。これはまた、近位フランジ部分および円筒形部分の断面の形状が異なる実施形態でも可能である。これは、コネクタ要素を滑らかな方法で基板に挿入し基板に接合することを可能にし得る。
【0049】
さらに、ベース部分は好ましくは、フランジ部分と円筒形部分とを接続するリブを備える。そのようなリブは、フランジ部分を円筒形部分に対して安定させることができる。これにより、リブは好ましくは、フランジ部分の遠位端から円筒形部分の外側面まで延びている。近位フランジ部分の遠位面に配置されたリブはまた、フランジ部分の、基板材料の近位面への、または近位面内への適切な接合を実現するために、エネルギー導波器として作用してもよい。
【0050】
別の態様では、本発明は、上記に記載するコネクタ要素を、近位面を有する圧縮可能な基板に接合する方法である。方法はまた、接合プロセスと呼ばれる場合もある。
【0051】
方法は、(i)コネクタ要素の突起が基板の近位面に向かって延びるようにコネクタ要素を基板に配置するステップと、(ii)コネクタ要素の突起が基板に貫入するように、かつ突起の熱可塑性材料およびリンク部材の熱可塑性材料の少なくとも一部が液化するように、押圧力および機械的励振を適用するステップと、(iii)突起の熱可塑性材料およびリンク部材の熱可塑性材料が再固化するように機械的励振を停止するステップとを含む。
【0052】
押圧力および機械的励振をコネクタ要素および/または基板に適用することができる。押圧および機械的励振は、少なくとも1つの工具によって有利に加えられる。本発明の好ましい一実施形態では、少なくとも1つの工具は、押圧力および機械的励振をコネクタ要素および/または圧縮可能な基板に適用するソノトロードである。一代替形態として、押圧力は、ソノトロードの隣に配置された、または基板材料の下(遠位方向)に配置された、ソノトロードに向かって近位方向に押圧する別の工具によって加えられてもよい。
【0053】
好ましい一実施形態における機械的励振は、2から200kHzの好ましい周波数を有する機械的振動または揺動である。さらにより好ましくは、超音波振動は、10から100kHzまたは20から40kHzの間の周波数を有する。振動エネルギーは、アクティブ面の平方ミリメートル当たり0.2から20Wであってよい。振動工具またはソノトロードは、例えば、その接触面が、主に工具軸の方向で(長手方向の振動)、および1から100μm、好ましくは50から80μm当たりの振幅で揺動するように設計される。そのような好ましい振動は、例えば超音波溶接から知られる超音波デバイスによって生成されてよい。
【0054】
有利な一構成では、基板は保持され、コネクタ要素は、基板に対して押圧され機械的に励振される。機械的励振は、上記で言及したように、とりわけ揺動または振動を含むことができる。これにより、揺動または振動は、突起に沿って提供されてよく、または突起に対してある角度で提供されてもよい。突起の熱可塑性材料およびリンク部材の熱可塑性材料の少なくとも一部は、5%またはさらには5%未満または5%を超える場合もある。コネクタ要素の実施形態に応じてリンク部材は、押圧力および機械的励振を適用する方法ステップにおいて基板に貫入してよい。
【0055】
本発明の文脈において、用語「圧縮可能基板」は、圧力の適用によって、その圧縮強度を変えることが可能な基板を指す。圧縮強度は、ある領域によって、その領域が変位される前に生成される平方ミリメートル当たりの最大の力を指し、これは、この文脈では、圧縮可能基板が圧縮され、圧縮強度が増大される前を意味する。圧縮強度は、例えば応力歪み実験において測定されるように、応力に対応してよい。
【0056】
圧縮可能基板材料は好ましくは、EPP、EPS、XPS、XPP、PA、PET、PPE、PE発泡体、PVC発泡体、PLA発泡体、およびこれらの材料のいずれかのポリマー混合の発泡体などの泡状材料である。本発明による方法に適したコネクタ要素の熱可塑性材料は、圧縮可能基板の材料と適合可能(溶接可能)である必要がある。例えば、EPPを含む基板は、PPベース材料を含むコネクタ要素と最適に機能し、EPSを含む基板は、ポリスチレンベース材料を含むコネクタ要素と最適に機能し、XPSを含む基板は、ポリスチレンベース材料を含むコネクタ要素と最適に機能し、基板として作用するPE発泡体は、PEベース材料を含むコネクタ要素と最適に機能し、基板として作用するPVC発泡体は、ポリ塩化ビニルベース材料を含むコネクタ要素と最適に機能し、基板として作用するPLA発泡体は、ポリ乳酸ベース材料を含むコネクタ要素と最適に機能する。
【0057】
好ましい実施形態では、コネクタ要素は、コネクタ要素が配置される基板の一部において基板を圧縮する。そのような圧縮は、機械的励振によって熱可塑性材料を液化するのに必要とされる臨界密度および/または臨界圧縮強度を生成することを可能にする。
【0058】
好ましくは、コネクタ要素に押圧力を適用する際、コネクタ要素が配置される基板の一部における基板の密度は、突起が基板に貫入し、突起の熱可塑性材料およびリンク部材の熱可塑性材料が液化することを可能にするのに十分に高くなるまで増大される。
【0059】
好ましくは、方法は、突起の熱可塑性材料およびリンク部材の熱可塑性材料が再固化した後で初めて、押圧力の適用を停止するステップを含む。このことは、熱可塑性材料の再固化後で初めて、達成された接合は、圧縮可能材料に対する圧力の解放から生じる、圧縮可能材料の弾性戻り作用を克服することができるため、重要であり得る。この目的は、ほぼ同一平面の接続、すなわちコネクタ要素の近位面が基板材料の近位面と同一平面になることを達成することであり得るため、コネクタ要素は、接合プロセスの後に近位方向に押し込まれないことが重要である。
【0060】
接合プロセスは、自動化された方式で実行され得る。
【0061】
本発明によるコネクタ要素および本発明による方法は、例示の実施形態を介して、かつ添付の図面を参照して、以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明によるコネクタ要素の第1の実施形態の近位側の斜視図である。
【
図2】
図1のコネクタ要素の遠位側の斜視図である。
【
図4】本発明によるコネクタ要素の第2の実施形態の遠位側の斜視図である。
【
図5】本発明によるコネクタ要素の第3の実施形態の遠位側の斜視図である。
【
図6】本発明によるコネクタ要素の第4の実施形態の図である。
【
図7】本発明によるコネクタ要素の第5の実施形態の図である。
【
図8】本発明による方法の一実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
実施形態の以下の記載ならびに本発明の上記の記載では、用語「近位」および「遠位」は、方向および位置を指すのに使用され、すなわち「近位」は、操作者または機械が機械的振動を適用する接合の側であり、それに対して遠位は、反対側である。つまり、遠位は、基板に接合されるときに基板に向けられるコネクタ要素の方向および側に関する。さらに、いくつかの実施形態において、例えば突起またはリンク部材は軸方向に位置合わせされないが、ベース部分に対して傾斜しているため、軸方向と近位-遠位方向とには違いが生じる。
【0064】
以下の記載において、特定の用語は、簡便にする理由で使用されており、本発明を限定することは意図されていない。用語「右」、「左」、「上方」、「下方」、「下」および「上」は、図面における方向を指す。技術用語は、明らかに言及される用語ならびにその派生語および同様の意味を有する用語を含む。また、空間相対用語、「真下」、「下」、「下方」、「上」、「上方」、「近位」、「遠位」などは、図面に例示されるように1つの要素のまたは特徴の別の要素または特徴に対する関係性を記述するのに使用されてよい。これらの空間相対用語は、図面に示される位置および配向に加えて使用中または動作中のデバイスの異なる位置および配向を包含することが意図されている。例えば、図面内のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下」または「真下」と記載される要素はこの場合、他の要素または特徴の「上」または「~を越えて」となる。よって、例示の用語「下」は、上と下の両方の位置および配向を包含することができる。デバイスはそれ以外で配向された場合(90度回転される、または他の配向で)、本明細書で使用される空間相対記述語は、これに従って解釈される。同様に、種々軸に沿った、かつ軸の周りの移動の記述語は、種々の特殊なデバイスの位置および配向を含む。
【0065】
図1から
図3は、熱可塑性材料で作製された本発明によるコネクタ要素1の第1の例示の実施形態を示す。
図1に見ることができるように、コネクタ要素1は、ベース部分2と、複数の突起3と、複数のリンク部材4とを有する。各2つの隣接する突起3の間に、各2つの隣接する突起3がリンク部材4の1つによって相互に接続されるようにリンク部材4の1つが配置される。
【0066】
ベース部分2は、基本的にディスク形状であり、その外周を形成する半径方向縁部21と、平坦な近位面22とを有する。中心には、ベース部分2の近位面22内に具現化された空洞8の開口がある。ベース部分2の断面は円形である
【0067】
突起3には、その半径方向外側面16に軸方向の溝7が備わっている。描かれる第1の実施形態では、溝7の長さは、基本的に全突起長31(
図3参照)に一致する。溝7は、ベース部分2の遠位部分の中へと延びるが、突起3の遠位端9には完全に到達していない。突起3の外側面16は、ベース部分2の外周縁部21に関連付けられ、
図3に最適に見ることができるようにわずかに軸方向に傾斜している。各自のちょうど遠位端9において、突起には穿刺先端が備わっている。
【0068】
リンク部材4は、関連付けられた突出部3の間にまたがる膜として具現化される。
図3に見ることができるように、リンク部材4は、ベース部分2の遠位面23から遠位方向に延びる。これにより、リンク部材は、突起長31のおよそ2/3に沿って関連付けられた2つの突起3を接続する。突起3の外側16は傾斜しているが、リンク部材は、ベース部分2の遠位面6に対して垂直に位置合わせされる。さらにリンク部材4は、その遠位端において丸められる。その幅に沿って、リンク部材は変動する、すなわち突起により近い部分は、中央にある部分よりも厚い。中央にある部分は、膜状の形状である。これは、突起3の最大の安定化を保証するためである。
【0069】
ベース部分2の近位側5の中心に、中心ドーム部分10の空洞8開口が配置される。中心ドーム部分10は、より詳細に
図2に示される。
【0070】
図2では、コネクタ要素1が下からまたは遠位の視野から示される。突起3は、ベース部分2の外周または縁部21に沿って配置される、すなわちベース部分2の最も外側の半径方向領域に配置される。これにより、突起3は、円形の形態で直線に沿って位置決めされる。ベース部分2の遠位面23の中心に中心ドーム部分10が形成される。中心ドーム部分10は、突起3によって取り囲まれる。ドーム部分10と突起3との間に、ベース部分2の遠位面23の平坦な部分を見ることができる。描かれる実施形態における平坦な部分は、平坦ではないが、例えば射出成形、フライス加工などの製造結果である何らかの軽微な凹凸を示す。
【0071】
中心ドーム部分10は、遠位方向に延び、軸方向の溝12を有する6つの歯11を有する。そのまさに遠位端において、歯11には、遠位穿刺端部13が備わっている。
図3に見ることができるように、中心ドーム部分10は、ベース部分2の近位面22に向かって開放する空洞8を提供する。中心ドーム部分10は、突起3より軸方向に長く、歯11は、突起3より大きな断面を有する。このように、中心ドーム部分10は、空洞8が接合プロセス中に破壊される、または傷つけられるのを阻止することを可能にする、突起3よりわずかに高い堅固さを有する。
【0072】
図3に最適に見ることができるように、突起3の外側面16は、コネクタ要素1の軸に対して傾斜している。ベース部分2の外周縁部21は、傾斜しておらず、軸方向に延びている。空洞8は、ベース部分2の近位面22内の開口を通って到達可能なねじのくぼみを提供する。
【0073】
以下のさらなる実施形態の記載について、以下が適用される。図面および種々の態様の記載および例示の実施形態における繰り返しを避けるために、多くの特徴は、多くの態様および実施形態について共通であることを理解すべきである。記載または図面からの1つの態様の省略は、その態様が、その態様を組み込む実施形態に欠けていることを示唆するものではない。代わりに、その態様は、明確さのため、および冗長な説明を回避するために省略されてよい。図面を明確にするために、図面が、記載の直接関連付けられた部分に説明されていない参照符号を含む場合、このときそれは、これより前の、または以下の記載のセクションを参照されたい。さらに、明晰さの理由で、図面中で部品の全ての特徴に参照符号が付いていない場合、同じ部品を示す他の図面を参照されたい。2つ以上の図面中の同様の数字は、同じまたは同様の要素を表している。
【0074】
図4は、本発明によるコネクタ要素101の第2の実施形態を示す。コネクタ要素101は、円形ディスク形状のベース部分201と、複数の突起301と、各々が2つの隣接する突起301を相互に接続する膜状のリンク部材401とを有する。第2のコネクタ要素101は、第1のコネクタ要素1と同様に具現化されるが、より小さい断面を有し、その結果より少ない突起301を有する。中心ドーム部分1001は、それが取り囲まれる突起301を軸方向に越えるほどには延びていない歯1101を有する。コネクタ要素101が、同一平面の接続地点の結果を伴う滑らかな方法で基板にセットされる/接合されるために、突起301の外側1601ならびにベース部分201の外周縁部2101は、傾斜しており、いわば外側の連続ラインを形成する。
【0075】
図5は、本発明によるコネクタ要素102の第3の実施形態を示す。コネクタ要素102は、ベース部分202と、複数の突起302と、各々が2つの隣接する突起302を相互に接続する膜状のリンク部材402とを有する。第3のコネクタ要素102は、第1のコネクタ要素1と同様に具現化されるが、第2のコネクタ要素101と同様の寸法のより小さい断面を有する。さらに、第3のコネクタ要素102は、第2のコネクタ要素101と同じ数の突起302を有し、第1のコネクタ要素1より少ない突起302を有する。しかしながら第1の実施形態および第2の実施形態のベース部分2、201とは対照的に、ベース部分202は、近位フランジ部分1702と、遠位円筒形部分1802とを有する。2つの部分は、複数のリブ1902によって接続される。リブ1902は、フランジ部分1702の近位端から円筒形部分1802の外側面まで延びている。
【0076】
図6では、本発明によるコネクタ要素103の第4の実施形態が示される。コネクタ要素103は、外周縁部2103を備えた円形ディスク形状のベース部分203と、複数の突起303と、各々が2つの隣接する突起302を相互に接続する膜状のリンク部材403とを有する。第4のコネクタ要素103は、第1のコネクタ要素1と同様に具現化される。しかしながら第1のコネクタ要素1とは対照的に、第4のコネクタ要素103は、ドーム部分を持たず、中心穴803がベース部分203を貫通して延びている。
【0077】
図7は、コネクタ要素104の第5の実施形態を示す。コネクタ要素104は、外周縁部2104を備えたベース部分204と、複数の遠位方向に延びる突起304と、各々が2つの隣接する突起304を相互に接続するリンク部材404とを有する。第5のコネクタ要素104は、第1のコネクタ要素1と同様に具現化される。しかしながら、それは、機能部品2504において、すなわち基板に接合する機能の他に、またはその機能に加えてある機能を有する部品において、同一のさらなるコネクタ要素104と一緒に統合される。機能部品2504は、例えばヒンジまたは強化部品であってよいが、本発明の文脈では、これらの例に限定されない。基本的に、それは、例えば輸送産業(自動車産業、包装産業、航空機産業、航法および航空宇宙産業など)において使用される、基板に接合されるべき任意の機能部品であり得る。コネクタ要素104の機能部品2505へのまたは同様の部品への統合は、接合プロセスを簡素化し、使用される部品の数を削減し、それによってプロセスステップの数を縮小するため有利である。
【0078】
他の実施形態において、第2のコネクタ要素から第4のコネクタ要素101、102、103または同様のコネクタ要素のいずれかは、機能部品2504または同様の機能部品に統合されてよい。
【0079】
図8に示される図には、本発明による方法の一実施形態のステップが示される。第1のステップは、例えば
図1~
図3に関連して記載した固体状態のコネクタ要素1および圧縮可能基板(図面には示されない)を提供することである。
【0080】
第2のステップでは、コネクタ要素1および基板が互いに対して配置される。このステップは、手動で、半自動化されて、または自動化されて実施することができる。コネクタ要素1は、コネクタ要素の突起3が基板の近位面と接触するように配置される。本発明の文脈において、コネクタ要素1の突起3は、必ずしも基板の近位面に触れる必要はないが、圧縮可能基板材料の近傍でそれぞれの方向に位置合わせされるべきである。
【0081】
第3のステップは、押圧力および機械的励振の適用に関する。このステップでは、突起3の熱可塑性材料およびリンク部材4の熱可塑性材料の少なくとも一部が液化されるように、コネクタ要素1の突起3は基板に貫入する、とりわけ基板の近位面に貫入する。押圧力を適用することは、コネクタ要素1が方法の第1のステップにおいて配置されている領域内で基板を圧縮することを含んでよい。そうすることによって、この領域内の基板の密度は、突起が基板に貫入し、突起の熱可塑性材料およびリンク部材の熱可塑性材料を少なくとも部分的に液化するのを可能にするために十分高くなるまで増大される。
【0082】
方法の第4のステップは、突起3ならびにコネクタ要素のリンク部材4の液化した熱可塑性材料が再固化するように機械的励振を停止することを実現し、押圧力も同様に適用するのを停止することができる。
【0083】
この記載および本発明の態様および実施形態を例示する添付の図面は、保護される発明を定義する請求項を制限するように受け取るべきではない。換言すると、本発明は、図面および上述の説明において例示され詳細に記載されているが、そのような例証および記載は、例証または一例としてみなされるべきであり、制限とみなすべきではない。種々の機械的、組成の、構造上の、電気的および動作に関する変更が、この記載および請求項の精神および範囲から逸脱することなく行われてよい。一部の例では、よく知られた回路、構造および技術は、発明を不明瞭にしないために詳細に示されていない。よって、変更および修正は、以下の請求項の範囲および精神の範囲内で当業者によって行われてよいことを理解されたい。詳細には、本発明は、上記および下記に記載された異なる実施形態からの特徴の任意の組合せを有するさらなる実施形態を網羅する。
【0084】
開示はまた、個別に図面に示される全てのさらなる特徴も網羅するが、それらは前述のまたは以下の記載に記載されていない可能性がある。また、図面および記載に記載される実施形態の単一の代替形態ならびにその実施形態の特徴の単一の代替形態は、本発明の主題から、または開示される主題から権利が放棄される場合がある。開示は、請求項または例示の実施形態に定義される特徴から成る主題ならびに前記特徴を備える主題を含む。
【0085】
さらに、請求項において、単語「備える」は、他の要素またはステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は、複数を排除するものではない。単一のユニットまたはステップは、請求項に列挙される複数の特徴の機能を満たしてよい。特定の処置が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、これらの処置の組合せは、利益をもたらすために使用することができないということは示唆していない。属性または値と関連する用語「基本的に」、「およそ」、「おおよそ」などはとりわけ、まさにその属性またはまさにその値もそれぞれ定義する。所与の数理的計算値または範囲の文脈での用語「およそ」は、例えば、所与の値または範囲の20%以内、10%以内、5%以内または2%以内である特定の値または範囲を指す。結合されるまたは接続されるものと記載される構成要素は、電気的または機械的に直接結合されても、あるいは、1つまたは複数の中間構成要素を介して間接的に結合されてもよい。請求項におけるいずれの参照符号も、範囲を限定するように解釈されるべきではない。