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特許7470886地図情報提供システム、地図情報提供方法及び地図情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】地図情報提供システム、地図情報提供方法及び地図情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
G09B29/00 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024514482
(86)(22)【出願日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 JP2024000740
【審査請求日】2024-03-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506042645
【氏名又は名称】株式会社ウフル
(72)【発明者】
【氏名】池尻 洋一
(72)【発明者】
【氏名】田中 正宏
(72)【発明者】
【氏名】北村 太一
(72)【発明者】
【氏名】樋口 友太
(72)【発明者】
【氏名】中村 舜
(72)【発明者】
【氏名】大橋 修
(72)【発明者】
【氏名】大竹 安祐子
(72)【発明者】
【氏名】沖山 怜
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-066835(JP,A)
【文献】国際公開第2010/055577(WO,A1)
【文献】米国特許第6904361(US,B1)
【文献】ウフル、豊中市へ「応急給水ポータル」提供 大阪府内初 住民に向けて断水発生時の給水情報をリアルタイム,uhuru[online],2023年05月29日,[検索日 2024.02.09], インターネット:<URL:https://uhuru.co.jp/news/press-releases/20230529/>,第3、6-8段落、「応急給水ポータル 左・中央:住民向け画面イメージ 右:職員向け管理画面」の欄、「
【文献】応急給水ポータルサイトについて,豊中市上下水道局[online],2023年08月15日,[検索日 2024.02.09], インターネット:<URL:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jogesuido/okyakusama_joho/bousai/oukyuukyuusui.html>,第3-4段落及び「アイコン(凡例)」の欄
【文献】「Yahoo!防災速報」アプリ、ユーザー同士で災害状況を共有し、危険をいち早く確認できる機能「災害マップ」,Yahoo ! JAPAN[online],2020年03月10日,[検索日 2024.02.09], インターネット:<URL:https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2020/03/10a/>,「「災害マップ」の主な機能について」の欄
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの端末の表示部に表示される地図に含まれるオブジェクトの表示を制御する地図情報提供システムであって、
前記オブジェクトを生成する権限を有する管理者の情報を記憶する管理者情報記憶部と、
前記管理者の情報を用いて、前記オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可する生成許可部と、
前記オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を記憶する作業者情報記憶部と、
前記作業者の情報を用いて、前記作業者の端末に対して、前記オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、
前記作業者の端末に入力された前記ステータス情報を用いて、前記地図における前記オブジェクトの表示を決定する表示決定部と、
前記表示決定部により決定された表示の前記オブジェクトを含む地図をユーザーの端末に表示させる表示制御部と、を備える地図情報提供システム。
【請求項2】
前記ステータス情報は、予め登録された複数の候補から選択される情報を含み、
前記入力許可部は、前記ステータス情報を複数の候補から選択させる画像を前記作業者の端末に表示させ、
前記表示決定部は、前記作業者の端末において複数の候補から選択されることで入力された前記ステータス情報を用いて、前記地図における前記オブジェクトの表示を決定する、
請求項1に記載の地図情報提供システム。
【請求項3】
前記ステータス情報は、予め登録された複数の候補から選択される情報を含み、
前記オブジェクトの複数の表示形態を示す表示形態情報を記憶する表示形態記憶部と、
前記複数の候補から選択される情報と、前記複数の表示形態のいずれかとを対応付ける対応情報を記憶する対応情報記憶部と、を備え、
前記表示決定部は、前記作業者の端末において前記複数の候補から選択された情報と前記対応情報によって対応付けられる表示形態を、前記オブジェクトの表示として決定する、
請求項1又は請求項2に記載の地図情報提供システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、
第1の前記管理者により作成される第1の前記オブジェクトを含む第1の地図をユーザーの端末に表示させ、
前記第1の管理者と異なる第2の前記管理者により作成される第2の前記オブジェクトを含み前記第1の地図と異なる第2の地図をユーザーの端末に表示させ、
前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとを含む第3の地図をユーザーの端末に表示させる、
請求項1に記載の地図情報提供システム。
【請求項5】
前記生成許可部は、
前記第1の管理者の端末に対して、前記第2のオブジェクトの前記オブジェクト情報を変更する入力を制限し、
前記第2の管理者の端末に対して、前記第1のオブジェクトの前記オブジェクト情報を変更する入力を制限する、
請求項4に記載の地図情報提供システム。
【請求項6】
前記オブジェクト情報は、前記オブジェクトの位置の情報及び前記ステータス情報を含む、
請求項1に記載の地図情報提供システム。
【請求項7】
前記オブジェクトの位置の情報は、前記オブジェクトに対応する実空間上の地点の位置情報と、前記オブジェクトに対応する実空間上の地点と地点とを結ぶ線の情報と、前記オブジェクトに対応する実空間上の地点と地点とを結ぶ線により囲まれるエリアの情報との少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の地図情報提供システム。
【請求項8】
ユーザーの端末から投稿を受け付ける投稿受付部と、
前記投稿をユーザーの端末に表示させる許可の入力を受け付ける投稿許可受付部と、を備える
請求項1に記載の地図情報提供システム。
【請求項9】
ユーザーの端末の表示部に表示される地図に含まれるオブジェクトの表示を制御する地図情報提供方法であって、
コンピュータが、
前記オブジェクトを生成する権限を有する管理者の情報を記憶することと、
前記管理者の情報を用いて、前記オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可することと、
前記オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を記憶することと、
前記作業者の情報を用いて、前記作業者の端末に対して、前記オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可することと、
前記作業者の端末に入力された前記ステータス情報を用いて、前記地図における前記オブジェクトの表示を決定することと、
決定された表示の前記オブジェクトを含む地図をユーザーの端末に表示させることと、を実行する地図情報提供方法。
【請求項10】
ユーザーの端末の表示部に表示される地図に含まれるオブジェクトの表示を制御する地図情報提供プログラムであって、
コンピュータに、
前記オブジェクトを生成する権限を有する管理者の情報を記憶することと、
前記管理者の情報を用いて、前記オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可することと、
前記オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を記憶することと、
前記作業者の情報を用いて、前記作業者の端末に対して、前記オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可することと、
前記作業者の端末に入力された前記ステータス情報を用いて、前記地図における前記オブジェクトの表示を決定することと、
決定された表示の前記オブジェクトを含む地図をユーザーの端末に表示させることと、を実行させる地図情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報提供システム、地図情報提供方法及び地図情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設や災害などの各種情報を地図とともに端末に表示する技術が知られている。例えば、下記特許文献1の特許第4711577号明細書には、地図画像上に施設のシンボルが表示され、シンボルをクリックすると施設に関する詳細情報が表示されることが記載されている。下記特許文献2の特許第6084190号明細書には、迅速かつ直感的に災害情報などを送信することを目的とした報知システムが記載されている。ユーザーに提供される情報は、現在の状況とのずれが少ないことが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4711577号明細書
【文献】特許第6084190号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様に従えば、ユーザーの端末の表示部に表示される地図に含まれるオブジェクトの表示を制御する地図情報提供システムであって、オブジェクトを生成する権限を有する管理者の情報を記憶する管理者情報記憶部と、管理者の情報を用いて、オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可する生成許可部と、オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を記憶する作業者情報記憶部と、作業者の情報を用いて、作業者の端末に対して、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、作業者の端末に入力されたステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部により決定された表示のオブジェクトを含む地図をユーザーの端末に表示させる表示制御部と、を備える地図情報提供システムが提供される。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、作業者の端末に入力されたステータス情報によりオブジェクトの表示が自動で決定されるので、現状とのずれが少ない情報をユーザーに提供できる。本発明は、例えば、各種施設の利用可否などの情報をリアルタイムで提供することができ、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことの達成に貢献する。本発明は、例えば、災害に関する情報をリアルタイムで提供することができ、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」ことの達成に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。
図2】実施形態に係る地図情報提供システムが提供するUI画像を示す図である。
図3】実施形態に係るタイプ管理のUI画像を示す図である。
図4】実施形態に係るオブジェクト管理のUI画像を示す図である。
図5】実施形態に係るオブジェクト作成のUI画像を示す図である。
図6】実施形態に係るステータス管理のUI画像を示す図である。
図7】実施形態に係るオブジェクトの表示を決定する処理を示す図である。
図8】実施形態に係るユーザー管理のUI画像を示す図である。
図9】実施形態に係る投稿管理のUI画像を示す図である。
図10】実施形態に係る地図情報提供方法を示す図である。
図11】実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。
図12】実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。
図13】実施形態に係るユーザー管理のUI画像を示す図である。
図14】実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。
図15】実施形態に係るコンピューターを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。地図情報提供システム1は、地図を端末に表示するサービス(適宜、地図表示サービスという)を提供する。地図表示サービスは、例えば、事故や災害に伴う断水時に給水所及びその状態を知らせることに利用される。
【0008】
図1のサービス管理者Q1は、例えば水道局の担当者である。サービス管理者Q1は、例えば、端末2によって地図表示サービスにログインし、地図上のオブジェクトとして給水所を登録する。ステータス管理者Q2は、例えば、実際の給水所において、住民に対して給水などの活動を行う作業者、活動者、現地担当者等である。ステータス管理者Q2は、例えば、給水所で活動しながら給水所の状態を把握する。ステータス管理者Q2は、例えば、携帯型の端末3を所持し、給水所の状態として給水所の混雑度や水の残量などを端末3に入力する。
【0009】
地図情報提供システム1は、ユーザーQ3の端末4の表示部4Aに表示される地図に含まれるオブジェクトの表示形態を制御する。オブジェクトの表示形態の要素は、例えば、色、明るさ、形、表示の有無、及び点滅の有無の少なくとも1つを含む。地図情報提供システム1は、ステータス管理者Q2の端末3に入力される情報を取得し、この情報を用いて地図上の給水所の表示形態を決定する。地図情報提供システム1は、決定した表示態様の給水所を含む地図を、ユーザーQ3の端末4に表示させる。例えば、地図情報提供システム1は、外部システム5から地理空間情報を含む地図データを取得し、地図データが示す地図にオブジェクトを配置して所定用途の地図を生成する。
【0010】
外部システム5は、例えば地図情報提供システム1の外部のサーバー又はデータベースを含む。地理空間情報は、空間上の特定の地点の位置を示す情報(適宜、地点情報という)と、空間上の特定の領域の位置を示す情報(適宜、エリア情報という)との一方又は双方を含む。以下の説明において適宜、地点又はエリアを場所と称する。以下の説明において、「場所」とは地点でもよいし、エリアでもよい。
【0011】
上記地理空間情報は、地点情報と関連付けられた情報を含んでもよいし、エリア情報と関連付けられた情報を含んでもよい。地理空間情報は、ベースマップのデータでもよい。ベースマップは、例えば、地形、道路、及び行政上の境界の少なくとも1つの情報を含む。外部システム5は、公共機関が運営するものでもよいし、企業又はその他の団体が運営するものでもよく、個人が運営するものでもよい。地図情報提供システム1は、外部システム5の少なくとも機能を備えてもよい。地図情報提供システム1は、地理空間情報を含む地図データを記憶し、外部システム5から地理空間情報を取得しなくてもよい。
【0012】
ユーザーQ3は、端末4に表示される地図を閲覧する閲覧者である。ユーザーQ3は、例えば、サービス管理者Q1が所属する自治体の住民である。以下の説明において適宜、地図表示サービスを利用する任意のユーザーを不特定のユーザーと称す。ユーザーQ3の端末4は、その表示部4Aに地図M1を表示する。地図M1において、給水所は、例えば、住民が給水を受けやすい状態であることを示すアイコンR1で示される。住民は、利用予定の給水所が給水を受けやすい状態にあることをリアルタイムで知ることができる。住民は、給水所の状態を確認して、給水所へ向かうことができる。
【0013】
ステータス管理者Q2は、実際の給水所が混雑したり、水の残量が少なくなったりすると、その情報を給水所の状態として端末3に入力する。地図情報提供システム1は、ステータス管理者Q2の端末3に入力される情報を用いて、地図上の給水所の表示形態を決定する。ユーザーQ3の端末4は、その表示部4Aに地図M2を表示する。地図M2において、給水所は、例えば、住民が給水を受けにくい状態であることを示すアイコンR2で示される。住民は、利用予定の給水所が給水を受けにくい状態にあることをリアルタイムで知ることができる。住民は、給水所の状態を確認して、給水所への水の補給を待ったり、他の給水所を探したりすることができる。
【0014】
地図表示サービスは、事故や災害などの非常時の他に、平時に利用されてもよい。例えば、ステータス管理者Q2は、実空間上の施設の管理者であって、この施設が利用可能か利用不可かを端末3に入力してもよい。地図情報提供システム1は、ステータス管理者Q2の端末3に入力された情報に基づいて、この施設が開店中であることを示すアイコン又は閉店中であることを示すアイコンを地図上に表示させてもよい。地図表示サービスは、道路が通行可能であるか通行止めであるかを知らせることに利用されてもよい。
【0015】
地図表示サービスは、例えば、Webアプリケーションによって提供される。ユーザーQ3の端末4は、地図表示サービスが提供するサイトへアクセスして、地図を表示する。地図表示サービスが提供するサイトへ遷移させるUniform Resource Locator(適宜、URLと表す)は、例えば、Webサイト上でリンクにより提供される。このURLは、1次元コードや2次元コード(例、QRコード(登録商標))など表示側の端末で読み取り可能なコードにより提供されてもよく、その他の手法で提供されてもよい。
【0016】
地図上のオブジェクトは、実空間における位置が特定できる物体又は領域に相当する。例えば、地図上のオブジェクトは、位置が固定のものであって、実空間上の商業施設、公共施設、住居、建物、避難所、その他の任意の設備、観光地、広場等の任意のエリアの少なくとも1つに相当するものを含む。地図上のオブジェクトは、移動体であってGPSなどにより位置が特定できるものに相当する物体を含んでもよく、バスや救急車などの道路を走行する車両、軌道を走行する鉄道などの車両、航空機(ドローンを含む)、船舶の少なくとも1つに相当する物体を含んでもよい。
【0017】
次に、地図情報提供システム1の各部について説明する。図1に示す地図情報提供システム1は、管理者情報記憶部(例、記憶部11)と、生成許可部12と、作業者情報記憶部(例、記憶部11)と、入力許可部13と、表示決定部14と、表示制御部15と、投稿許可受付部16と、処理部17とを備える。地図情報提供システム1の少なくとも一部は、コンピューターがプログラムに従って処理を実行することにより実現される。
【0018】
記憶部11は、サービス管理者情報D1を記憶する。サービス管理者情報D1は、オブジェクトを生成する権限を有する管理者(例、サービス管理者Q1)の情報を含む。サービス管理者情報D1は、地図情報提供システム1が提供する地図表示サービスをサービス管理者Q1が利用するのに必要な情報を含む。サービス管理者情報D1は、例えば、サービス管理者Q1が地図表示サービスのアカウントにログインする際のユーザー認証に使われる情報を含む。サービス管理者情報D1は、例えば、地図表示サービスのアカウントのID及びパスワードを含む。地図表示サービスにおけるユーザー認証の方法は任意の方法でよい。地図表示サービスにおけるユーザー認証の方法は、ユーザーがID及びパスワードを入力する方法でもよいし、他のサービスの認証を利用する方法(例、シングルサインオン)でもよく、生体認証などその他の方法でもよい。
【0019】
サービス管理者情報D1は、例えば、地図情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、記憶部11に格納される。例えば、サービス管理者Q1は、地図表示サービスの利用をシステム管理者に申し込み、サービス管理者情報D1の少なくとも一部(例、アカウントのID)としてサービス管理者Q1のメールアドレスをシステム管理者へ提供する。システム管理者は、サービス管理者Q1のメールアドレスを含むサービス管理者情報D1を記憶部11に記憶させる。
【0020】
地図情報提供システム1は、ユーザーが地図表示サービスにログインする際に、ユーザーの端末にユーザーインターフェースの画像を表示させる。以下の説明において適宜、ユーザーインターフェースの画像をUI画像という。ユーザーは、ログイン時のUI画像においてログインに必要な情報(適宜、ログイン情報、ログイン認証情報という)を入力する。例えば、地図情報提供システム1は、処理部17によりSSOによりユーザー認証し、ログイン情報は地図表示サービスの利用者のメールアドレスを含む。処理部17は、ログイン情報が入力されることで、地図表示サービスへのログインの要求を受け付ける。処理部17は、ログイン情報を用いてユーザー認証を行う。例えば、処理部17は、ユーザーから入力されたログイン情報が記憶部11に記憶されているログイン情報と整合(例えば、一致)する場合、このユーザーは予め登録されたユーザーであると判定する。
【0021】
図2は、実施形態に係る地図情報提供システムが提供するUI画像を示す図である。UI画像21は、ホーム画面と呼ばれることがある。UI画像21は、例えば、サービス管理者Q1に対して提供される機能をブラウザにより視覚的に表現する。UI画像21には、「タイプ管理」のアイコン22、「オブジェクト管理」のアイコン23、「ステータス管理」のアイコン24、「ユーザー管理」のアイコン25、及び「投稿管理」のアイコン26が配置される。
【0022】
アイコン22からアイコン26には、それぞれ、地図情報提供システム1が提供する機能が割り付けられている。サービス管理者Q1は、アイコン22からアイコン26のいずれかを選択(例、押し下げ)することによって、選択したアイコンに割り付けられた機能を利用できる。アイコン22からアイコン26は、それぞれ、地図情報提供システム1に所定の処理を実行させるコマンドと予め関連付けられる。地図情報提供システム1は、アイコンが選択されたことを検出し、このアイコンと関連付けられたコマンドに対応する処理を実行する。地図情報提供システム1はコンピューターを含み、コンピューターがプログラムに従って処理を実行することによって、各種機能を提供する。
【0023】
地図情報提供システム1は、サービス管理者として認証されたユーザーに対して、タイプ管理の機能を提供する。例えば、処理部17は、ユーザーの端末に入力されたログイン情報をサービス管理者情報D1と照合し、ログインしたユーザーがサービス管理者であるか否かを判定する。例えば、処理部17は、ユーザーにより入力されたログイン情報が記憶部11に記憶されているログイン情報と整合する場合、このユーザーのログインを許可する。処理部17は、ログインを許可したユーザーについて、記憶部11に記憶されているログイン情報にこのユーザーがサービス管理者であることを示す情報(例、フラグ)が含まれる場合、このユーザーがサービス管理者であると判定する。
【0024】
生成許可部12は、地図表示サービスにログインしたユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーの端末にタイプ管理のUI画像を表示させる。図3は、実施形態に係るタイプ管理のUI画像を示す図である。タイプ管理のUI画像31は、例えば、図2に示したUI画像21において、「タイプ管理」のアイコン22がユーザーによって選択されることにより、ユーザーの端末に表示される。
【0025】
タイプ管理のUI画像31は、オブジェクトのタイプのリスト32を含む。リスト32は、登録されているオブジェクトのタイプの一覧に相当する。リスト32は、「名称」の項目と「説明」の項目とを含む。リスト32は、例えばテーブル形式であり、「名称」の情報が配置される列と、「説明」の情報が配置される列とを含む。同じ行に配置される「名称」の情報と「説明」の情報は、対応関係にある。1つの行に配置される情報は、1つのオブジェクトの種類に対応する。
【0026】
「名称」の項目に表示される情報は、オブジェクトの種類を区別(例、特定)する情報を含む。オブジェクトの種類を区別する情報は、例えば、観光地、バス停、バス、避難所、水位観測点、及び給水所を含む。「名称」の項目に表示される情報は、例えばサービス管理者Q1により入力される情報である。「説明」の項目に表示される情報は、オブジェクトの種類に関する注釈を含む。例えば、図3のリスト32における一行目のオブジェクトの種類は、名称が「観光地」であり、その注釈が「観光マップ用のオブジェクト」である。「説明」は、例えばサービス管理者Q1により入力される情報である。オブジェクトの種類を区別する情報は、図3に示す情報に限定されない。オブジェクトの種類を区別する情報は、図3に示す情報(例、「観光地」から「給水所」)の少なくとも一部を含まなくてもよいし、図3に示す情報(例、「観光地」から「給水所」)の少なくとも一部を含んでもよい。
【0027】
タイプ管理のUI画像31は、「名称」の項目の情報及び「説明」の項目の情報のいずれとも異なる情報を含んでもよい。例えば、リスト32は、各種オブジェクトを地図上に表すアイコンの見本に相当する画像(例、サムネイル)を含んでもよい。タイプ管理のUI画像31は、サービス管理者Q1により入力される情報と異なる情報を含んでもよい。例えば、タイプ管理のUI画像31は、システム管理者により登録された情報(例、デフォルトのオブジェクトの種類)を含んでもよい。例えば、タイプ管理のUI画像31は、地図情報提供システム1の外部からインポートされた情報を含んでもよい。
【0028】
タイプ管理の機能は、オブジェクトの種類を新規作成する機能を含む。オブジェクトの種類は、サービス管理者Q1によって任意に定義される。図1に示した生成許可部12は、地図表示サービスにログイン中のユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーに対してオブジェクトの種類を新規作成する機能を提供する。例えば、UI画像31は、「新規作成」のアイコン33を含む。生成許可部12は、例えば、「新規作成」のアイコン33が選択された場合、オブジェクトの名称及び説明の入力を受け付けるUI画像(適宜、タイプ登録画面という)を、ユーザーの端末に表示させる。タイプ登録画面は、例えば、オブジェクトの名称のテキスト入力を受け付けるテキストボックスと、オブジェクトの説明のテキスト入力を受け付けるテキストボックスと、入力を確定させる機能が割り付けられた「決定」のアイコンとを含む。生成許可部12は、「決定」のアイコンが選択された場合、オブジェクトの名称のテキストボックスに入力された情報と、オブジェクトの説明のテキストボックスに入力された情報とを関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0029】
タイプ管理の機能は、オブジェクトの種類を編集する機能と、オブジェクトの種類を削除する機能とを含む。オブジェクトの種類を編集する機能は、オブジェクトの種類を指定して、このオブジェクトの種類に関連付けられた情報の少なくとも一部を変更する機能である。例えば、オブジェクトの種類を編集する機能は、ユーザーが指定したオブジェクトの種類について、その「名称」の項目の情報と「説明」の項目の情報との一方又は双方を変更する機能である。オブジェクトの種類を削除する機能は、指定したオブジェクトの種類を登録されたオブジェクトの種類から除外する機能である。
【0030】
UI画像31は、「編集」のアイコン34を含む。UI画像31において、「編集」のアイコン34は、リスト32の各行と並ぶ位置に配置される。ユーザーが「編集」のアイコン34を選択すると、このアイコン34に対してリスト32の行の方向に配置されるオブジェクトの種類が編集の対象として指定される。例えば、名称が「観光地」の行と並ぶアイコン34が押し下げられたことが検出された場合、編集の対象としてオブジェクトの種類の「観光地」が指定される。
【0031】
生成許可部12は、編集の対象であるオブジェクトの種類が指定された場合、タイプ登録画面をユーザーの端末に表示させる。生成許可部12は、「決定」のアイコンが選択された場合、オブジェクトの名称のテキストボックスに入力された情報と、オブジェクトの説明のテキストボックスに入力された情報とを関連付け、記憶部11に記憶されているオブジェクトの種類の情報を更新する。生成許可部12は、タイプ登録画面において「削除」のアイコンが選択された場合、指定されたオブジェクトの種類の情報を記憶部11から削除する。
【0032】
生成許可部12は、タイプ管理のUI画像31の表示が要求された場合、記憶部11に記憶されているオブジェクトの名称の情報及び説明の情報を用いてリスト32を生成する。図1に示した表示制御部15は、生成許可部12が生成したリスト32を含むUI画像31を、ユーザーの端末に表示させる。
【0033】
生成許可部12は、地図表示サービスにログインしたユーザーがタイプ管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、オブジェクトの種類を新規作成する機能と、オブジェクトの種類を編集する機能と、オブジェクトの種類を削除する機能とを提供しない。例えば、生成許可部12は、地図表示サービスにログインしたユーザーがタイプ管理の機能を利用する権限を有さないと判定された場合、「新規作成」のアイコン33と「編集」のアイコン34とを、ユーザーが選択できない状態に設定する。この場合、生成許可部12は、アイコン33及びアイコン34の表示形態を変更し、ポインターによるアイコン33又はアイコン34の指定を無効化してもよい。この場合、生成許可部12は、アイコン33及びアイコン34を非表示の状態に設定してもよい。地図情報提供システム1は、地図表示サービスにログインしたユーザーがタイプ管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、タイプ管理のUI画像31を提供しなくてもよい。
【0034】
地図情報提供システム1は、サービス管理者として認証されたユーザーに対して、オブジェクト管理の機能を提供する。生成許可部12は、地図表示サービスにログインしたユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーの端末にオブジェクト管理のUI画像を表示させる。図4は、実施形態に係るオブジェクト管理のUI画像を示す図である。オブジェクト管理のUI画像35は、例えば、図2に示したUI画像21において、「オブジェクト管理」のアイコン23がユーザーによって選択されることにより、ユーザーの端末に表示される。
【0035】
オブジェクト管理のUI画像35は、オブジェクトのリスト36を含む。リスト36は、登録されているオブジェクトの一覧に相当する。リスト36は、「表示状態」の項目と「タイプ」の項目と、「名称」の項目とを含む。リスト32は、例えばテーブル形式であり、「表示状態」の情報が配置される列と、「タイプ」の情報が配置される列と、「名称」の情報が配置される列とを含む。同じ行に配置される「表示状態」の情報と「タイプ」の情報と「名称」の情報とは、対応関係にある。1つの行に配置される情報は、1つのオブジェクトに対応する。
【0036】
リスト36において「タイプ」の項目に表示される情報は、オブジェクトの種類を区別(例、特定)する情報を含む。「タイプ」の項目に表示される情報は、オブジェクトの種類を区別する情報として登録されている情報から選択される。オブジェクトの種類を区別する情報は、例えば、図3で説明したタイプ管理の機能等により登録される。
【0037】
リスト36において「名称」の項目に表示される情報は、オブジェクトを区別(例、特定)する情報を含む。「名称」の項目に表示される情報は、オブジェクトに相当する実空間上の施設の固有名詞又は通称でもよいし、オブジェクトに相当する実空間上の領域の名称(例えば、地名)でもよい。例えば、地図情報提供システム1には、オブジェクトの種類が複数登録され、1つのオブジェクトの種類に該当するオブジェクトが複数登録される。オブジェクトの「タイプ」はオブジェクトの種類を特定する情報であり、オブジェクトの「名称」は特定のオブジェクトの種類において各オブジェクトを特定する情報である。各オブジェクトは、例えば、オブジェクトの「タイプ」と「名称」との組み合わせによって特定される。例えば、リスト36の1行目のオブジェクトと2行目のオブジェクトは、名称が「白良浜」と同じであるが、タイプが「観光地」、「バス停」と異なることにより区別される。
【0038】
リスト36において「表示状態」の項目に表示される情報は、各オブジェクトを地図上に表示するか否かを示す設定情報である。図1に示した処理部17は、表示状態が「表示」に設定されているオブジェクトを表すアイコンを地図上に配置し、表示状態が「非表示」に設定されているオブジェクトを表すアイコンを地図上に配置しないで、ユーザーの端末に表示される地図のデータを生成する。例えば、図4のリスト36において、1行目のオブジェクトは、その種類が「観光地」であり、名称は「白良浜」であり、表示状態が「表示」に設定されている。2行目のオブジェクトは、その種類が「バス停」であり、名称は「白良浜」であり、状態が「非表示」に設定されている。この場合、処理部17は、「観光地」の「白良浜」を表すアイコンを含み、「バス停」の「白良浜」を表すアイコンを含まない地図のデータを生成する。
【0039】
ユーザーは、リスト36に含めるオブジェクトを、登録されている複数のオブジェクトから抽出させることができる。UI画像35は、オブジェクトの抽出条件が入力される入力窓37と、「検索」のアイコン38を含む。入力窓37は、例えば、抽出条件を示すテキストが入力される領域である。入力窓37に入力される情報は、オブジェクトの種類を特定する情報の少なくとも一部を含んでもよいし、オブジェクトを特定する情報(例、名称)の少なくとも一部を含んでもよい。「検索」のアイコン38には、抽出(例、検索)を実行させるコマンドが割り付けられている。生成許可部12は、アイコン38が押し下げられたことを検出した場合、入力窓37に入力されているテキストを用いて、抽出条件に整合するオブジェクトの情報を記憶部11から抽出する。生成許可部12は、抽出したオブジェクトの情報を記憶部11から読み出し、抽出したオブジェクトの情報を示すリスト36を生成する。
【0040】
UI画像35は、オブジェクトの絞り込みに利用されるアイコン(39a、39b、39c、39d、39e、39f)を含む。アイコン39aからアイコン39fには、それぞれ、オブジェクトの種類が関連付けられている。生成許可部12は、アイコン39aからアイコン39fの少なくとも選択された場合、選択されたアイコンに関連付けられたオブジェクトの種類に該当するオブジェクトを抽出する。生成許可部12は、抽出したオブジェクトの情報を示すリスト36を生成する。
【0041】
オブジェクト管理の機能は、オブジェクトを新規作成する機能を含む。オブジェクトは、サービス管理者Q1によって任意に定義される。生成許可部12は、地図表示サービスにログイン中のユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーに対してオブジェクトを新規作成する機能を提供する。例えば、UI画像35は、「新規作成」のアイコン40を含む。生成許可部12は、「新規作成」のアイコン40が選択された場合、オブジェクトの各種情報の入力を受け付けるUI画像(適宜、オブジェクト登録画面という)を、ユーザーの端末に表示させる。オブジェクトの各種情報は、例えば、オブジェクトの種類を特定する情報と、オブジェクトの名称を示す情報と、オブジェクトの位置を示す情報と、オブジェクトのステータスを示すステータス情報とを含む。
【0042】
オブジェクト登録画面は、例えば、オブジェクトの種類の候補を示すドロップダウンリストと、オブジェクトの名称のテキスト入力を受け付けるテキストボックスと、入力を確定させる機能が割り付けられた「決定」のアイコンとを含む。ドロップダウンリストは、プルダウンと呼ばれることがある。生成許可部12は、ドロップダウンリストが選択された場合、例えば、登録されているオブジェクトの種類のリストを生成する。生成許可部12は、生成したリストをオブジェクト登録画面に表示させる。生成許可部12は、「決定」のアイコンが選択された場合、ドロップダウンリストから選択されたオブジェクトの種類と、オブジェクトの名称のテキストボックスに入力された情報とを関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0043】
図5は、オブジェクトの位置の入力を受け付ける処理を示す図である。図5(A)に示す処理において、生成許可部12は、オブジェクトの候補を示すアイコンを含む画像を用いて、ユーザーからオブジェクトの位置の指定を受け付ける。生成許可部12は、オブジェクトの候補を含む地図の画像45をユーザーの端末に表示させる。図5(A)において、符号46aから46eは、オブジェクトの候補を示すアイコンである。
【0044】
オブジェクトの候補は、例えば、地図においてユーザーが指定する範囲に含まれる施設を含む。オブジェクトの候補の情報は、例えば、地理空間情報に含まれる。オブジェクトの候補の情報は、地点情報と関連付けられた情報を含んでもよいし、エリア情報と関連付けられた情報を含んでもよい。例えば、生成許可部12は、地理空間情報から、ユーザーが指定する範囲に含まれる場所(例、施設)の情報を抽出する。例えば、ユーザーは、端末に表示される地図の中心の緯度及び経度と、地図の縮尺との一方又は双方を変更して、オブジェクトに相当する場所が地図に含まれるように調整する。生成許可部12は、ユーザーによって調整された地図の範囲を指定された範囲として、この範囲からオブジェクトの候補を抽出する。生成許可部12は、抽出した施設のそれぞれを示すアイコンを含む地図の画像45を生成する。生成許可部12は、生成した画像45を含むUI画像をユーザーの端末に表示させる。
【0045】
ユーザーは、画像45においてポインター47を操作して、オブジェクトの候補を示す1つのアイコンを選択できる。生成許可部12は、選択されたアイコンに対応する施設の位置情報(例えば、緯度、経度)を地理空間情報から取得する。生成許可部12は、オブジェクト登録画面において入力されたオブジェクトの種類及び名称と、地理空間情報から取得した位置情報とを関連付けて、1つのオブジェクト情報として記憶部11に記憶させる。
【0046】
図5(B)に示す処理において、生成許可部12は、地図の画像にオブジェクトを示す図形を描画できるUIを提供し、オブジェクトの位置の指定を受け付ける。例えば、生成許可部12は、ユーザーが指定する範囲の地図の画像48を生成する。ユーザーは、画像48上でポインターーを操作することにより、線を指定できる。例えば、ユーザーは、画像48の任意の位置にポインター49aを合わせて始点を指定し、画像48の任意の位置にポインター49bを合わせて終点を指定することで、線50を指定する。生成許可部12は、画像における線50の始点の位置と終点の位置とを取得する。生成許可部12は、画像における線50の始点の位置と終点の位置とを、それぞれ、実空間上の位置情報へ変換することで、線50に相当するオブジェクトの実空間上の位置情報を取得する。生成許可部12は、オブジェクト登録画面において入力されたオブジェクトの種類及び名称と、実空間上の位置情報とを関連付けて、1つのオブジェクト情報として記憶部11に記憶させる。
【0047】
図5(C)に示す処理において、生成許可部12は、地図の画像にオブジェクトを示す図形を描画できるUIを提供し、オブジェクトの位置の指定を受け付ける。例えば、生成許可部12は、ユーザーが指定する範囲の地図の画像51を生成する。ユーザーは、画像51上でポインターを操作することにより、線に囲まれる領域を指定できる。例えば、ユーザーは、画像51上でポインター52を操作して線を描画し、線に囲まれる図形53を指定する。生成許可部12は、画像上の図形53の位置を取得し、図形53の位置を実空間上の位置情報へ変換することで、図形53に相当するオブジェクトの実空間上の位置情報を取得する。生成許可部12は、オブジェクト登録画面において入力されたオブジェクトの種類及び名称と、実空間上の位置情報とを関連付けて、1つのオブジェクト情報として記憶部11に記憶させる。
【0048】
図4の説明に戻り、オブジェクト管理の機能は、オブジェクトの情報を編集する機能と、オブジェクトの情報を削除する機能とを含む。オブジェクトの情報を編集する機能は、オブジェクトを指定して、指定されたオブジェクトの情報(例えば、状態、タイプ、名称、位置)の少なくとも一部を変更する機能である。オブジェクトの情報を削除する機能は、オブジェクトを指定して、そのオブジェクトの情報を登録から除外する機能である。
【0049】
UI画像35は、「編集」のアイコン41を含む。UI画像35において、「編集」のアイコン41は、リスト36の各行と並ぶ位置に配置される。ユーザーが「編集」のアイコン41を選択すると、このアイコン41に対してリスト36の行の方向に配置されるオブジェクトの情報が編集の対象として指定される。例えば、リスト36の横に「編集」のアイコン41が並んでおり、その一番上のアイコン41が押し下げられたことが検出された場合、編集の対象として指定されるオブジェクトは、「表示状態」が「表示」であり、「タイプ」が「観光地」であり、「名称」が「白良浜」であるオブジェクトである。
【0050】
編集の対象が指定された場合、生成許可部12は、オブジェクト登録画面をユーザーの端末に表示させる。生成許可部12は、「決定」のアイコンが選択された場合、ドロップダウンリストから選択されたオブジェクトの種類と、オブジェクトの名称のテキストボックスに入力された情報とを関連付けて、記憶部11に記憶されたオブジェクトの情報を更新する。生成許可部12は、オブジェクト登録画面において「削除」のアイコンが選択された場合、指定されたオブジェクトの情報を記憶部11から削除する。
【0051】
生成許可部12は、地図表示サービスにログインしたユーザーがオブジェクト管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、オブジェクトを新規作成する機能と、オブジェクトの情報を編集する機能と、オブジェクトの情報を削除する機能とを提供しない。例えば、生成許可部12は、地図表示サービスにログインしたユーザーがオブジェクト管理の機能を利用する権限を有さないと判定した場合、「新規作成」のアイコン40と「編集」のアイコン41とを、ユーザーが選択できない状態に設定する。この場合、生成許可部12は、アイコン40及びアイコン41の表示形態を変更し、ポインターによるアイコン40又はアイコン41の指定を無効化してもよい。この場合、生成許可部12は、アイコン40及びアイコン41を非表示の状態に設定してもよい。地図情報提供システム1は、地図表示サービスにログインしたユーザーがオブジェクト管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、オブジェクト管理のUI画像35を提供しなくてもよい。
【0052】
地図情報提供システム1は、ステータス管理者として認証されたユーザーに対して、ステータス管理の機能を提供する。ステータス管理の機能は、指定されたオブジェクトのステータス情報の少なくとも一部を変更する機能を含む。ステータス情報は、例えば、オブジェクトに相当する実空間上の施設の状態として、ユーザーから入力される情報を含む。処理部17は、例えば、ユーザーにより入力されたログイン情報が記憶部11に記憶されているログイン情報と整合する場合、このユーザーのログインを許可する。記憶部11は、ステータス情報を変更する権限を有するステータス管理者の情報を記憶する。以下の説明において適宜、ステータス管理者の情報をステータス管理者情報D2と表す。処理部17は、ユーザーがステータス管理者であることを示す情報がステータス管理者情報D2に含まれる場合、このユーザーがステータス管理者であると判定する。
【0053】
入力許可部13は、地図表示サービスにログインしたユーザーがステータス管理の権限を有すると判定された場合、このユーザーの端末にステータス管理のUI画像を表示させる。図6は、実施形態に係るステータス管理のUI画像を示す図である。ステータス管理のUI画像55は、例えば、図2に示したUI画像21において、「ステータス管理」のアイコン24がユーザーによって選択されることにより、ユーザーの端末に表示される。
【0054】
ステータス管理のUI画像55は、オブジェクトの種類が入力される入力窓56と、オブジェクトの名称が入力される入力窓57と含む。入力窓56は、例えばドロップダウンリストである。例えば、入力許可部13は、入力窓56が選択されたことを検出した場合、登録されているオブジェクトの種類のリストを生成する。入力許可部13は、生成したオブジェクトの種類のリストを、候補の一覧としてUI画像55上に表示させる。入力窓56には、ユーザーによって候補から選択されたオブジェクトの種類が表示される。入力窓57は、例えばドロップダウンリストである。例えば、入力許可部13は、入力窓57が選択されたことを検出した場合、入力窓56に表示されているオブジェクトの種類であって登録されているオブジェクトの名称のリストを生成する。入力許可部13は、生成したオブジェクトの名称のリストを、候補の一覧としてUI画像55上に表示させる。入力窓57には、ユーザーによって候補から選択されたオブジェクトの名称が表示される。
【0055】
ステータス管理のUI画像55は、オブジェクトのステータス情報が表示される領域(58a、58b、58c、58d)を含む。ステータス情報は、例えば、地点情報又はエリア情報と関連付けられた情報を含む。ステータス情報は、例えば、地点情報又はエリア情報と関連付けられた実空間上の施設の状態を示す情報を含む。ステータス情報は、例えば、複数の項目を含む。図6において、領域58a、領域58b、領域58c及び領域58dは、それぞれ、ステータス情報の1つの項目が表示される領域である。ステータス情報の各項目の情報は、属性情報と呼ばれることがある。ステータス情報の少なくとも1つの項目の情報は、例えば、時間的に変化する状態を表す情報を含む。ステータス情報の少なくとも1つの項目の情報は、自然的又は人為的な要因によって変化する状態を表す情報を含む。ステータス情報の項目は、オブジェクトの種類に応じて予め設定される。
【0056】
本実施形態において、ステータス情報は、複数の選択肢から選択される情報で表される。例えば、ステータス情報が表示される各領域には、項目の内容を示すテキストと、状態の選択肢と、選択肢のチェック欄と、いずれのチェック欄が選択されているかを示すマークとが表示される。項目の内容を示すテキストは、オブジェクトの何についての状態であるかを示す情報である。例えば、オブジェクトの状態の1つの項目を表す領域58aにおいて、項目の内容を示すテキストは、「稼働状況を選択してください」である。領域58aのテキストは、オブジェクトの稼働に関する状態を表す項目であることを示す情報である。この項目の状態の選択肢は、「開所」というテキストと、「閉所」というテキストとで表される。「開所」というの隣にはチェック欄59aが配置され、「閉所」というテキストの隣にはチェック欄59bが配置される。チェック欄59aにはマーク60が配置されている。この場合、種類が「給水所」である「白浜第二小学校」というオブジェクトの状態は、「稼働状況」という項目に関して、「開所」であることが示される。
【0057】
ユーザーは、ステータス管理のUI画像55において、各項目の選択肢のいずれかを選択することにより、このオブジェクトの状態を示す情報を更新できる。入力許可部13は、UI画像55におけるユーザーの入力を監視し、ステータス情報が変更されたことを検出する。例えば、入力許可部13は、ステータス情報が表示される領域(例えば、領域58a)において、マーク60が配置されているチェック欄(例えば、チェック欄59a又はチェック欄59b)に変更が加えられたことを検出する。入力許可部13は、ステータス情報が変更されたことを検出した場合、記憶部11(図1参照)に記憶されているオブジェクト情報D3のステータス情報を、UI画像55における変更後のステータス情報へ更新する。
【0058】
入力許可部13は、地図表示サービスにログインしたユーザーがステータス管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、ステータス情報の少なくとも一部を変更する機能を提供しない。例えば、入力許可部13は、地図表示サービスにログインしたユーザーがステータス管理の機能を利用する権限を有さないと判定した場合、ステータス情報の各項目が表示される領域(例えば、領域58a)において、マーク60が配置される選択肢を変更する入力を無効にする。例えば、入力許可部13は、チェック欄59a及びチェック欄59bを非表示とし、マーク60を現在のステータス情報が示す選択肢に対して固定して表示させる。入力許可部13は、ステータス情報の各項目において、現在のステータス情報が示す選択肢を表示させ、それ以外の選択肢及びマーク60を非表示としてもよい。地図情報提供システム1は、地図表示サービスにログインしたユーザーがステータス管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、ステータス管理のUI画像55を提供しなくてもよい。サービス管理者Q1は、ステータス管理の機能を利用する権限を有してもよいし、ステータス管理の機能を利用する権限を有さなくくてもよい。
【0059】
図1に示した表示決定部14は、ステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定する。本実施形態において、ステータス情報は予め登録された複数の候補から選択される情報を含む。例えば、入力許可部13は、図6に示したように、ステータス情報を複数の候補から選択させる画像(例えば、図6のUI画像55)をステータス管理者Q2の端末3に表示させる。表示決定部14は、ステータス管理者Q2の端末3において複数の候補から選択されることで入力されたステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定する。
【0060】
図7は、表示決定部の処理を示す図である。本実施形態において、ステータス情報の複数の項目(図6参照)は、それぞれ、予め登録された複数の候補から選択される情報を含む。ユーザーの端末に表示される地図におけるオブジェクトの表示形態は、ステータス情報の複数の項目における選択肢の組み合わせと予め関連付けられている。表示決定部14は、オブジェクトの表示形態を、ユーザーにより入力されたステータス情報の選択肢の組み合わせに対応する表示形態に決定する。
【0061】
図7において、符号D4は表示形態情報を示す。表示形態情報D4は、オブジェクトの複数の表示形態を示す情報である。図7の表示形態情報D4は、地図上にオブジェクトを示す複数のアイコン(D4a、D4b、D4c、D4d)のデータを含む。複数のアイコン(D4a、D4b、D4c、D4d)は、それぞれ、他のアイコンと表示形態が異なる。アイコンの表示形態の要素は、例えば、色、明るさ、形、表示の有無、及び点滅の有無の少なくとも1つを含む。
【0062】
図7の複数のアイコン(D4a、D4b、D4c、D4d)は、いずれも、オブジェクトの種類が「給水所」であるオブジェクトの表示に用いられる。複数のアイコン(D4a、D4b、D4c、D4d)は、給水の受けやすさを示すレベルが互いに異なる。例えば、アイコンD4aは、給水の受けやすさが最も高いレベルの状態にある給水所を表す。アイコンD4bは、給水の受けやすさがアイコンD4aよりも低いレベルの状態にある給水所を表す。アイコンD4cは、給水の受けやすさがアイコンD4bよりも低いレベルの状態にある給水所を表す。アイコンD4bは、開所であるが給水を受けられない状態にある給水所を表す。
【0063】
図7の符号D5は対応情報を示す。対応情報D5は、ステータス情報の複数の項目について複数の候補から選択される情報の組み合わせと、複数の表示形態のいずれかとを対応付ける情報である。図7の対応情報D5はテーブル形式で表される。この対応情報D5は、ステータス情報の「給水残量」の項目の情報と「混雑度」の項目の情報との組み合わせと、オブジェクトを示す複数のアイコン(D4a、D4b、D4c、D4d)とを対応付ける情報である。「給水残量」の項目の情報は、例えば、図6に示したステータス管理のUI画像55における領域58cにおいて「十分」、「残り僅か」及び「なし」の3つの候補から選択される情報である。「混雑度」の項目の情報は、例えば、図6に示したステータス管理のUI画像55における領域58bにおいて「余裕あり」、「やや混雑」及び「混雑」の3つの候補から選択される情報である。この場合、「給水残量」の項目の情報と「混雑度」の項目の情報との組み合わせは9通りあり、各組合せは、複数のアイコン(D4a、D4b、D4c、D4d)のいずれかと対応付けられる。例えば、「給水残量」の項目の情報が「十分」であり、「混雑度」の項目の情報が「余裕あり」である場合、この組み合わせには表示形態情報D4のアイコンD4aが割り付けられる。
【0064】
オブジェクト情報D3のステータス情報は、例えば、オブジェクトの種類に応じて設定される項目の情報を含む。ステータス情報の項目は、オブジェクトの種類が第1の種類である場合と、オブジェクトの種類が第1の種類と異なる第2の種類である場合とで異なる。例えば、ステータス情報の項目は、オブジェクトの種類が「観光地」である場合と、オブジェクトの種類が「給水所」である場合とで異なる。
【0065】
表示形態情報D4は、例えば、オブジェクトの表示形態に関する複数の候補の情報を含む。オブジェクトの表示形態に関する複数の候補は、オブジェクトの種類ことに設定される。オブジェクトの表示形態の候補は、オブジェクトの種類が第1の種類である場合と、オブジェクトの種類が第1の種類と異なる第2の種類である場合とで異なる。例えば、オブジェクトの表示形態の候補は、オブジェクトの種類が「観光地」である場合と、オブジェクトの種類が「給水所」である場合とで異なる。
【0066】
対応情報D5は、例えば、オブジェクトの種類ごとに設定されるステータス情報の項目から選択される少なくとも1項目の情報の候補と、オブジェクトの種類ことに設定されるオブジェクトの表示形態の候補とを対応付ける。オブジェクトの種類が第1の種類である
オブジェクトに関する対応情報D5は、オブジェクトの種類が第1の種類と異なる第2の種類であるオブジェクトに関する対応情報D5と異なる。例えば、図6において、オブジェクトの種類は「給水所」であり、ステータス情報の項目は、「稼働状況」、「混雑度」、「給水残量」、及び「給水車到着見込み」の4項目である。図6に対応する図7の対応情報D5は、「給水所」のステータス情報の4項目のうち、「給水残量」の候補と「混雑度」の候補との組み合わせと、表示形態とを対応付ける。
【0067】
対応情報D5において、ステータス情報の項目から選択される項目の数は、図7では2であるが、1でもよいし、3以上でもよい。オブジェクト情報D3のステータス情報は、その少なくとも1項目が2種類以上のオブジェクトで共通でもよい。オブジェクトの表示形態の候補は、その少なくとも1つが2種類上の2種類以上のオブジェクトで共通でもよい。オブジェクトの表示形態に関する候補の1つは、ステータス情報の候補の1つと対応付けられてもよいし、ステータス情報の候補の複数と対応付けられてもよい。
【0068】
表示形態情報D4は、例えば、地図情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、予め記憶部11に記憶される。表示形態情報D4は、システム管理者と異なるユーザー(例えば、サービス管理者Q1)によって記憶部11に記憶されてもよい。図1に示した記憶部11は、例えば、表示形態情報D4を記憶する表示形態記憶部を含む。表示形態記憶部は、記憶部11と異なる記憶部の記憶域でもよい。対応情報D5は、例えば、地図情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、予め記憶部11に記憶される。対応情報D5は、システム管理者と異なるユーザー(例えば、サービス管理者Q1)によって記憶部11に記憶されてもよい。図1に示した記憶部11は、例えば、対応情報D5を記憶する表示形態記憶部を含む。表示形態記憶部は、記憶部11と異なる記憶部の記憶域でもよい。
【0069】
地図情報提供システム1は、地図の表示の要求を取得した場合、表示決定部14によってオブジェクトの表示形態を決定する。例えば、表示決定部14は、表示対象のオブジェクトについて、記憶部11に記憶されているオブジェクト情報D3を対応情報D5と照合して、このオブジェクトの表示形態を決定する。例えば、表示決定部14は、表示対象のオブジェクトの種類に応じた対応情報D5を特定する。表示決定部14は、表示対象の各オブジェクトについて、ステータス情報のうち対応情報D5に定義された項目の情報を抽出する。表示決定部14は、表示対象の各オブジェクトのステータス情報から抽出した項目の情報について、対応情報D5により対応付けられた表示形態の候補を特定し、特定した候補を表示形態として決定する。例えば、図6のUI画像55に示されるオブジェクトは、種類が「給水所」であり、表示決定部14は、「給水所」に応じた対応情報D5を記憶部11から取得する。表示決定部14は、「給水所」に応じた対応情報D5に定義されたステータス情報の項目として「給水残量」と「混雑度」を特定する。図6のUI画像55において、ステータス情報の「混雑度」として「やや混雑」が選択され、ステータス情報の「給水残量」として「残り僅か」が選択されている。表示決定部14は、図7に示す対応情報D5において、「給水残量」が「残り僅か」であり、「混雑度」が「やや混雑」である場合の表示形態として、表示形態情報D4のアイコンD4cを決定する。
【0070】
図1のステータス管理者Q2は、例えば、地図上のオブジェクトに対応する実空間上の施設で活動する。ステータス管理者Q2は、活動を通じて施設の状態を把握する。地図情報提供システム1において、ステータス管理者Q2は、ステータス管理の機能を利用できるユーザーとして登録されており、端末3を利用してステータス情報(図6参照)を入力する。地図情報提供システム1は、端末3に入力されたステータス情報を取得し、記憶部11に記憶されているステータス情報を更新する。地図情報提供システム1は、ユーザーQ3の端末4から地図の表示(例、新規表示、表示更新)の要求があった場合、記憶部11に記憶されている最新のステータス情報を用いて、表示決定部14により表示形態を決定し、表示制御部15によりユーザーQ3の端末4に地図を表示する。例えば、端末4に表示される地図において、オブジェクトは、最新のステータス情報が反映された表示形態で示され、ユーザーQ3はオブジェクトの最新の状態を把握できる。
【0071】
地図情報提供システム1は、ユーザー管理者として認証されたユーザーに対して、ユーザー管理の機能を提供する。本実施形態において、サービス管理者はユーザー管理者の権限を有する。例えば、処理部17は、地図表示サービスにログインしたユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーの端末にユーザー管理のUI画像を表示させる。図8は、実施形態に係るユーザー管理のUI画像を示す図である。ユーザー管理のUI画像61は、例えば、図2に示したUI画像21において、「ユーザー管理」のアイコン25がユーザーによって選択されることにより、ユーザーの端末に表示される。
【0072】
ユーザー管理のUI画像61は、登録されているユーザーのリスト62を含む。リスト62は、「状態」の項目と、「名称」の項目と、「メールアドレス」の項目と、「ユーザーグループ」の項目とを含む。リスト62は、例えばテーブル形式であり、各項目の情報は列方向に配置される。1つの行に配置される各項目の情報は、1人のユーザーに関する情報である。
【0073】
「名称」の項目に表示される情報は、地図表示サービスにおいて使用されるユーザーの名称である。「名称」の項目に表示される情報は、例えばサービス管理者Q1により入力される情報である。「メールアドレス」の項目に表示される情報は、ユーザーが地図表示サービスにログインする際の認証に使われる情報である。「ユーザーグループ」の項目に表示される情報は、ユーザーの権限パターンの名称である。
【0074】
「ユーザーグループ」が「サービス管理者」であるユーザーは、「サービス管理者」という名称の権限パターンにおいて権限を有すると定義された機能を利用できる。例えば、「ユーザーグループ」の「サービス管理者」という情報は、タイプ管理の機能、オブジェクト管理の機能、ステータス管理の機能、ユーザー管理の機能及び投稿管理の機能を利用する権限を有するユーザーであることを示す。例えば、リスト62において「名称」が「Yoichi」であるユーザーは「ユーザーグループ」が「サービス管理者」であり、「Yoichi」としてログインしたユーザーは上述の機能を利用できる。例えば、図1のサービス管理者情報D1は、「ユーザーグループ」が「サービス管理者」であるユーザーを特定する情報を含む。
【0075】
「ユーザーグループ」が「ステータス管理者」であるユーザーは、「ステータス管理者」という名称の権限パターンにおいて権限を有すると定義された機能を利用できる。例えば、「ユーザーグループ」の「ステータス管理者」という情報は、ステータス管理の機能を利用する権限を有し、タイプ管理の機能、オブジェクト管理の機能、ユーザー管理の機能及び投稿管理の機能を利用する権限を有さないユーザーであることを示す。例えば、リスト62において「名称」が「Taro」であるユーザーは「ユーザーグループ」が「ステータス管理者」であり、「Taro」としてログインしたユーザーはステータス管理の機能を利用できる。例えば、図1のステータス管理者情報D2は、「ユーザーグループ」が「ステータス管理者」であるユーザーを特定する情報を含む。
【0076】
「状態」の項目に表示される情報は、ユーザーの権限を制限するか否かを示す情報である。「状態」の項目に表示される「有効」という情報は、このユーザーについて「ユーザーグループ」により示される権限パターンにおける各権限に利用制限がないことを表す。「状態」の項目に表示される「無効」という情報は、このユーザーについて「ユーザーグループ」により示される権限パターンにおける権限の少なくとも一部に利用制限があることを表す。
【0077】
ユーザーは、リスト62に含めるオブジェクトを、登録されている複数のユーザーから抽出させることができる。UI画像61は、ユーザーの抽出条件が入力される入力窓64と、「検索」のアイコン65を含む。入力窓64は、例えば、抽出条件を示すテキストが入力される領域である。入力窓64に入力される情報は、権限パターンを特定する情報の少なくとも一部を含んでもよいし、ユーザーを特定する情報の少なくとも一部を含んでもよい。「検索」のアイコン63には、抽出(例、検索)を実行させるコマンドが割り付けられている。処理部17は、アイコン63が押し下げられたことを検出した場合、入力窓3に入力されているテキストを用いて、抽出条件に整合するユーザーの情報を記憶部11から抽出する。処理部17は、抽出したユーザーの情報を記憶部11から読み出し、抽出したユーザーの情報を示すリスト62を生成する。UI画像35は、リスト62に表示するユーザーの絞り込みに利用されるアイコン65を含む。アイコン65は、権限パターンの候補を示すドロップダウンリストを含む。処理部17は、アイコン65が押し下げられたと判定された場合、登録されている「ユーザーグループ」の一覧を生成する。処理部17は、生成した「ユーザーグループ」の一覧をUI画像61に配置する。処理部17は、「ユーザーグループ」の一覧から選択された「ユーザーグループ」に該当するユーザーのリストを作成し、作成したリストをリスト62として更新する。
【0078】
ユーザー管理の機能は、ユーザーを登録する機能を含む。処理部17は、地図表示サービスにログイン中のユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーに対してユーザーを登録する機能を提供する。例えば、UI画像61は、「ユーザー登録」のアイコン66を含む。処理部17は、「ユーザー登録」のアイコン66が選択された場合、ユーザーの各種情報の入力を受け付けるUI画像(適宜、ユーザー登録画面という)を、ユーザーの端末に表示させる。ユーザーの各種情報は、例えば、地図表示サービスにおいて使用されるユーザーの名称(例、リスト62の「名称」)と、ユーザーの認証に使われる情報(例、リスト62の「メールアドレス」)と、ユーザーの権限を示す情報(例、リスト62の「ユーザーグループ」)と、ユーザーの権限に関する制限を示す情報(例、リスト62の「状態」とを含む。ユーザー登録画面は、例えば、ユーザーの各種情報が入力されるテキストボックスと、入力を確定させる機能が割り付けられた「決定」のアイコンとを含む。処理部17は、「決定」のアイコンが選択された場合、テキストボックスに入力されているユーザーの各種情報を一組にして、記憶部11に記憶させる。
【0079】
ユーザー管理の機能は、ユーザーの情報を編集する機能と、ユーザーの登録を抹消する機能とを含む。ユーザーの情報を編集する機能は、ユーザーを指定して、このユーザーの各種情報の少なくとも一部を変更する機能である。ユーザーの登録を抹消する機能は、ユーザーを指定して、このユーザーを登録されているユーザーから除外する機能である。
【0080】
UI画像61は、「編集」のアイコン67を含む。UI画像61において、「編集」のアイコン67は、リスト62の各行と並ぶ位置に配置される。ユーザーが「編集」のアイコン67を選択すると、このアイコン67に対してリスト62の行の方向に配置されるユーザーの情報が編集の対象として指定される。例えば、名称が「Yoichi」の行と並ぶアイコン67が押し下げられたことが検出された場合、編集の対象として名称が「Yoichi」であるユーザーが指定される。編集の対象が指定された場合、処理部17は、ユーザー登録画面をユーザーの端末に表示させる。処理部17は、「決定」のアイコンが選択された場合、記憶部11に記憶されているユーザーの各種情報を、テキストボックスに入力されたユーザーの各種情報に更新する。処理部17は、ユーザー登録画面において「削除」のアイコンが選択された場合、指定されたユーザーの各種情報を記憶部11から削除する。
【0081】
地図情報提供システム1は、地図表示サービスの利用者に投稿機能を提供する。地図表示サービスの利用者は、地図情報提供システム1がユーザーの端末に表示させる地図の閲覧者を含む。地図表示サービスの利用者は、例えば不特定のユーザーを含む。例えば、不特定のユーザーは、地図表示サービスにログインしなくても地図情報提供システム1が提供する特定の機能を利用できる。特定の機能は、例えば、オブジェクトを含む地図の表示機能及び投稿機能である。投稿機能は、地図上の場所(例、地点又はエリア)を指定して、指定した場所に関する情報を投稿する機能である。
【0082】
地図情報提供システム1は、投稿管理者として認証されたユーザーに対して、投稿管理の機能を提供する。投稿管理の機能は、例えば、不特定のユーザーから投稿された情報を、他のユーザーに公開するか否かを設定する機能を含む。本実施形態において、サービス管理者はユーザー管理者の権限を有する。例えば、投稿許可受付部16は、地図表示サービスにログインしたユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーの端末に投稿管理のUI画像を表示させる。
【0083】
図9は、本実施形態における投稿に関する機能を示す図である。図9(A)は、実施形態に係る投稿機能のUI画像を示す図である。UI画像71は、場所を示すアイコン72、及び情報窓73を含む。地図情報提供システム1は、地図上に場所の候補を示した画像(例えば、図5(A)の画像45)をユーザーの端末に表示させる。ユーザーは、端末に表示された場所の候補から投稿対象の場所を選択することで、投稿対象の場所を指定する。投稿対象の場所を指定する手法は、任意であり、例えば図5(B)や図5(C)で説明した手法でもよい。
【0084】
地図情報提供システム1は、選択された場所に対応するオブジェクトの属性情報(例、場所の名称、位置、状態)を含む情報窓73を、ユーザーの端末に表示させる。情報窓73は、入力窓74、入力窓75及び「投稿」のアイコンを含む。入力窓74は、例えば、投稿のタイトルがテキスト入力される領域である。入力窓75は、例えば、投稿の内容がテキスト入力される領域である。ユーザーは、入力窓74及び入力窓75にテキスト入力し、「投稿」のアイコンを選択することにより、情報を投稿できる。地図情報提供システム1は、「投稿」のアイコンが選択されたことを検出した場合、入力窓74に入力された情報及び入力窓75に入力された情報を取得する。地図情報提供システム1は、ユーザーの端末から取得した情報と、アイコン75に相当するオブジェクトの情報と、「投稿」のアイコンが選択された時刻(例、タイムスタンプ)とを対応付けて記憶部11に記憶させる。
【0085】
図9(B)は、実施形態に係る投稿管理機能のUI画像を示す図である。投稿管理のUI画像75は、例えば、図2に示したUI画像21において、「投稿管理」のアイコン26がユーザーによって選択されることにより、ユーザーの端末に表示される。投稿管理のUI画像75は、投稿のリスト76と、アイコン77とを含む。
【0086】
リスト76は、記憶部11に記憶された投稿の一覧に相当する。リスト76は、「状態」の項目と、「タイトル」の項目と、「投稿内容」の項目と、「投稿日時」の項目とを含む。リスト76は、例えばテーブル形式であり、1つの項目の情報が配置される列を含む。1つの行に配置される情報は、1つの投稿に相当する。1つの行に配置される「状態」の項目の情報と、「状態」の項目の情報と、「タイトル」の項目の情報と、「投稿内容」の項目の情報と、「投稿日時」の項目の情報とは互いに対応関係にある。
【0087】
「タイトル」の項目に表示される情報は、投稿内容のテーマを示すことが意図された情報である。「投稿内容」の項目に表示される情報は、投稿者が伝えたいことの本体に相当する情報である。「投稿日時」に項目に表示される情報は、投稿が実行された時刻を示す情報である。「状態」は、各投稿の状態を示す情報である。例えば、「状態」の項目が「公開」である場合、地図表示サービスを利用する任意のユーザーがこの投稿を閲覧できる状態にあることを示す。「状態」の項目が「非公開」である場合、この投稿を閲覧できる権限を有するユーザー以外のユーザーがこの投稿を閲覧できない状態にあることを示す。「状態」の項目が「審査中」である場合、「状態」が「公開」と「非公開」のいずれであるか決定されていない状態にあることを示す。
【0088】
アイコン77は、投稿のフィルタリングに利用される。アイコン77には、リスト76に含める投稿の条件を指定する機能が割り付けられている。例えば、アイコン77は、ドロップダウンリストを含み、リストに含める条件として投稿の「状態」を指定する入力を受け付ける。処理部17は、アイコン77が選択された場合、投稿の状態として予め登録された選択肢のリスト(例、「公開」、「非公開」、「審査中」)をユーザーの端末に表示させる。処理部17は、ユーザーによって指定された条件に整合する投稿を記憶部11から抽出し、リスト76を生成する。投稿のフィルタリングの条件は、「状態」でなくてもよく、例えば投稿に含まれる文字の条件でもよいし、投稿日時の条件でもよい。
【0089】
投稿管理の機能は、投稿の状態(例えば、変更)を設定する機能を含む。例えば、投稿許可受付部16は、投稿管理の権限を有するユーザーの端末から、投稿を指定する入力及びこの投稿の状態を指定する入力を受け付ける。例えば、サービス管理者Q1は、端末2に表示された投稿管理のUI画像75におけるリスト76から、指定する投稿を端末2を利用して選択する。投稿許可受付部16は、投稿を指定する入力が端末2に入力された場合、この投稿の状態の入力を受け付ける情報窓を端末2に表示させ、この情報窓に入力された情報を端末2から取得する。投稿許可受付部16は、記憶部11に記憶されている投稿の状態を示す情報を、指定された投稿の状態として端末2から取得した情報へ更新する。例えば、地図情報提供システム1は、不特定のユーザーの端末によって新規の投稿が登録された場合、この登録の状態を「審査中」に設定する。投稿管理の権限を有するユーザーは、状態が「審査中」の投稿を、投稿管理のUI画像75におけるリスト76に表示させる。投稿管理の権限を有するユーザーは、状態が「審査中」の投稿の内容を確認し、この投稿の状態を「公開」又は「非公開」に変更する。
【0090】
地図情報提供システム1は、オブジェクトに関連付けられた投稿が記憶部11に記憶されている場合、不特定のユーザーの端末から投稿の表示が要求されたことに応じて、この投稿をこのユーザーの端末に表示させる。例えば、地図情報提供システム1は、ユーザーの端末に表示された地図のオブジェクトが選択され、このオブジェクトに関連付けられた投稿として状態が「公開」の情報がある場合、このオブジェクトの属性情報を表示する情報窓に「投稿の表示」というアイコンを配置する。地図情報提供システム1は、「投稿の表示」のアイコンが選択されたことが検出され場合、このオブジェクトに関連付けられた投稿の情報を記憶部11から読み出し、不特性のユーザーの端末に表示させる。
【0091】
投稿許可受付部16は、地図表示サービスにログインしたユーザーが投稿管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、投稿管理の機能を提供しない。例えば、投稿許可受付部16は、地図表示サービスにログインしたユーザーが投稿管理の機能を利用する権限を有さないと判定された場合、投稿の状態を変更するUIをこのユーザーの端末に対して提供しない。地図情報提供システム1は、地図表示サービスにログインしたユーザーが投稿管理の機能を利用する権限を有さない場合、このユーザーに対して、投稿管理のUI画像75を提供しなくてもよい。
【0092】
次に、上述の地図情報提供システム1の構成及び動作に基づき、実施形態に係る地図情報提供方法について説明する。図10は、実施形態に係る地図情報提供方法を示す図である。ステップS1において、地図情報提供システム1は、サービス管理者の情報を記憶部11に記憶する。例えば、システム管理者は、地図表示サービスの申込者が指定するユーザーの情報を、サービス管理者の情報として地図情報提供システム1に登録する。
【0093】
ステップS2において、地図情報提供システム1は、サービス管理者Q1の端末2からオブジェクト情報を受け付ける(図2から図5参照)。例えば、生成許可部12は、サービス管理者Q1として認証されたユーザーの端末2に対して、図4に示したオブジェクト管理のUI画像35を提供し、オブジェクト情報を受け付ける。ステップS3において、地図情報提供システム1は、サービス管理者Q1の端末2から入力されたオブジェクトの情報を記憶部11に記憶させる。
【0094】
ステップS4において、地図情報提供システム1は、サービス管理者Q1の端末2からステータス管理者Q2の情報を受け付ける。例えば、処理部17は、地図表示サービスにログインしたユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーの端末にユーザー管理のUI画像を表示させる(図8参照)。サービス管理者Q1は端末2を利用して、地図表示サービスのユーザーを指定し、指定したユーザーがサービス管理者であることを示す情報を入力する。例えば、サービス管理者Q1は、ユーザー管理のUI画像61において、サービス管理者Q1に指定するユーザーに対応する「編集」のアイコン67を選択し、このユーザーの権限パターン(例、「ユーザーグループ))を「ステータス管理者」へ変更する。ステップS5において、地図情報提供システム1はステータス管理者の情報を記憶する。例えば、処理部17は、ステップS4においてサービス管理者Q1の端末2から入力された情報を、サービス管理者情報D2として記憶部11に記憶させる。
【0095】
ステップS6において、地図情報提供システム1は、ステータス管理者の端末かステータス情報を受け付ける。例えば、地図情報提供システム1は、記憶部11に記憶されたサービス管理者情報D2に定められたユーザーを、サービス管理者として認証する。入力許可部13は、地図表示サービスにログインしたユーザーがステータス管理の権限を有すると判定された場合、このユーザーの端末にステータス管理のUI画像55(図6参照)を表示させる。ステータス管理者Q2は、UI画像55を利用して、ステータス情報を端末2に入力する。ステップS7において、入力許可部13は、端末2に入力されたステータス情報を用いて、記憶部11に記憶されているオブジェクト情報D3のステータス情報を更新する。
【0096】
地図情報提供システム1は、例えば不特定のユーザーの端末から地図の表示を要求された場合に、表示決定部14によりオブジェクトの表示形態を決定する。例えば、表示決定部14は、記憶部11に記憶されているオブジェクト情報D3のステータス情報を、図7に示した表示形態情報D4及び対応情報D5と照合して、オブジェクトの表示形態を決定する。処理部17は、表示決定部14が決定した表示形態のオブジェクトを、外部システム5から取得した地図データを用いて生成される地図上に配置し、オブジェクトを含む地図を生成する。表示制御部15は、処理部17が生成した地図をユーザーQ3の端末4に表示させる。
【0097】
上述のような実施形態に係る地図情報提供システム1は、オブジェクトのステータス情報の入力を入力許可部により許可し、ステータス情報を用いて地図におけるオブジェクトの表示を表示決定部により決定し、表示決定部により決定された表示のオブジェクトを含む地図を表示制御部によってユーザーの端末に表示させる。その際、入力許可部は、オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を用いてステータス情報の入力を許可するので現状とのずれが少ないステータス情報が入力され、このステータス情報を用いて表示決定部が自動でオブジェクトの表示を決定するので、現状と時間的なずれが少ない表示でオブジェクトが表示される。このように、地図情報提供システム1は、現状とのずれが少ない情報をユーザーに提供できる。
【0098】
本実施形態において、ステータス情報は、予め登録された複数の候補から選択される情報を含む。入力許可部は、ステータス情報を複数の候補から選択させる画像を作業者の端末に表示させる。表示決定部は、作業者の端末において複数の候補から選択されることで入力されたステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定する。この場合、ステータス情報が複数の候補から選択されてオブジェクトの表示が決定されるので、例えばステータス情報がテキスト形式で入力される場合と比較して、処理の負荷が軽減され、またオブジェクトの表示形態が一定のルールで自動的に決定され、現状と表示との時間的なずれが低減される。なお、ステータス情報は、複数の候補から選択されなくてもよく、例えばテキスト形式や画像形式の情報として入力されてもよい。地図情報提供システム1は、例えば、テキスト形式又は画像形式で入力される情報をAIにより処理してオブジェクトに相当する場所の状態を判別し、判別された状態を表すステータス情報によりオブジェクトの表示を決定してもよい。
【0099】
本実施形態において、ステータス情報は、予め登録された複数の候補から選択される情報を含む。地図情報提供システムは、オブジェクトの複数の表示形態を示す表示形態情報を記憶する表示形態記憶部と、複数の候補から選択される情報と、複数の表示形態のいずれかとを対応付ける対応情報を記憶する対応情報記憶部と、を備える。表示決定部は、作業者の端末において複数の候補から選択された情報と対応情報によって対応付けられる表示形態を、オブジェクトの表示として決定する。この場合、複数の候補から選択される情報と、複数の表示形態のいずれかとが予め対応付けられているので、処理の負荷が軽減され、現状と表示との時間的なずれが低減される。なお、オブジェクトの表示形態は、複数の候補から選択される情報と対応付けられていなくてもよい。例えば、ステータス情報の少なくとも一部は数値として入力され、地図情報提供システム1は、ステータス情報から算出される階調値により、オブジェクトの表示形態を決定してもよい。例えば、オブジェクトが給水所に相当し、ステータス情報として給水所にて給水を待つ人の数が入力されてもよく、地図情報提供システム1は、給水を待つ人の数から混雑度を示す階調値を決定し、この階調値を用いてオブジェクトの表示形態を決定してもよい。
【0100】
実施形態に係る地図情報表示システムは、端末の表示部に表示される地図に含まれるオブジェクトの表示を制御する地図情報提供システムであって、地図情報提供システムが提供するサービスにユーザーがログインする際に使われるログイン情報と、ログイン情報によって特定されるユーザーの第1権限の有無及び第2権限の有無を示す権限情報を記憶する記憶部と、第1権限を有することが権限情報に示される第1のユーザーの端末に、オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可する生成許可部と、第2権限を有することが権限情報に示される第2のユーザーの端末に、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、第2のユーザーの端末から入力されたステータス情報を用いて、オブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部によって表示が決定されたオブジェクトを含む地図を不特定のユーザーの端末に表示させる表示制御部と、を備えてもよい。
【0101】
実施形態に係る地図情報表示システムは、端末の表示部に表示される地図に含まれるオブジェクトの表示を制御する地図情報提供システムであって、地図情報提供システムが提供するサービスにユーザーがログインする際に使われるログイン情報と、ログイン情報によって特定されるユーザーの第1権限の有無及び第2権限の有無を示す権限情報を記憶する記憶部と、第1権限を有すると認証された第1のユーザーの端末に、オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可する生成許可部と、第2権限を有すると認証された第2のユーザーの端末に、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、第2のユーザーの端末から入力されたステータス情報を用いて、オブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部によって表示が決定されたオブジェクトを含む地図を不特定のユーザーの端末に表示させる表示制御部と、を備える
【0102】
上記第1権限は、例えば、図4に示したオブジェクト管理の機能を利用する権限である。第1権限の有無を示す権限情報は、例えば図1のサービス管理者情報D1に相当する。上記第2権限は、例えば、図6に示したステータス管理の機能を利用する権限である。第2権限の有無を示す権限情報は、例えば図1のステータス管理者情報D2に相当する。
【0103】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。図11は、実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
【0104】
本実施形態に係る地図情報提供システム1は、限定管理者Q4の端末6と限定管理者Q6の端末8とのぞれぞれから、オブジェクト情報D3の登録を受け付ける。限定管理者Q4は、例えば自治体の水道局の担当者であり、図3で説明したオブジェクトの種類が「給水所」のオブジェクトのオブジェクト情報を、端末6によって地図情報提供システム1へ提供する。限定管理者Q6は、例えば自治体の観光課の担当者であり、図3で説明したオブジェクトの種類が「観光地」のオブジェクトのオブジェクト情報を、端末8によって地図情報提供システム1へ提供する。
【0105】
地図情報提供システム1は、第1の限定管理者が登録したオブジェクト情報を編集又は削除する入力を、第1の限定管理者として認証されたユーザーの端末に許可する。地図情報提供システム1は、第1の限定管理者が登録したオブジェクト情報を編集又は削除する入力を、第1の限定管理者異なるユーザーとして認証されたユーザーの端末に許可しない。例えば、限定管理者Q4(例、水道局の担当者)は、種類が「給水所」のオブジェクトのオブジェクト情報を編集又は削除する権限を有するが、種類が「観光地」のオブジェクト情報を編集又は削除する権限を有しない。限定管理者Q6(例、観光課の担当者)は、種類が「観光地」のオブジェクト情報を編集又は削除する権限を有するが、種類が「給水所」のオブジェクトのオブジェクト情報を編集又は削除する権限を有しない。
【0106】
地図情報提供システム1は、限定管理者Q4の端末6から、ステータス管理者Q5を指定する情報を受け付ける。ステータス管理者Q5は、例えば、給水所で活動する作業者である。ステータス管理者Q5は、限定管理者Q4の端末6から地図情報提供システム1へ提供されたオブジェクト情報(例、給水所の情報)におけるステータス情報を変更できる。地図情報提供システム1は、限定管理者Q6の端末8から、ステータス管理者Q7を指定する情報を受け付ける。ステータス管理者Q7は、例えば、観光地で活動する作業者である。ステータス管理者Q7は、限定管理者Q6の端末8から地図情報提供システム1へ提供されたオブジェクト情報(例、観光地の情報)におけるステータス情報を変更できる。
【0107】
地図情報提供システム1は、第1の限定管理者が登録したオブジェクト情報のステータス情報を変更する入力を、第1の限定管理者により指定された第1のサービス管理者として認証されたユーザーの端末に許可する。地図情報提供システム1は、第1の限定管理者が登録したオブジェクト情報のステータス情報を変更する入力を、第1の限定管理者により指定された第1のサービス管理者と異なるユーザーとして認証されたユーザーの端末に許可しない。例えば、ステータス管理者Q5(例、給水所の作業者)は、種類が「給水所」のオブジェクトのオブジェクト情報におけるステータス情報を変更する権限を有するが、種類が「観光地」のオブジェクト情報におけるステータス情報を変更する権限を有しない。ステータス管理者Q7(例、観光地の作業者)は、種類が「観光地」のオブジェクト情報におけるステータス情報を変更する権限を有するが、種類が「給水所」のオブジェクトのオブジェクト情報におけるステータス情報を変更する権限を有しない。
【0108】
地図情報提供システム1は、ステータス管理者Q5(例、給水所の作業者)の端末7から提供されたステータス情報を用いて、限定管理者Q4の端末6により登録された第1オブジェクト(例、給水所)の表示形態を決定する。地図情報提供システム1は、ステータス管理者Q7(例、観光地の作業者)の端末7から提供されたステータス情報を用いて、限定管理者Q6の端末8により登録された第2オブジェクト(例、観光地)の表示形態を決定する。地図情報提供システム1は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを含む地図を、ユーザーQ3の端末4に表示させる。例えば、ユーザーQ3の端末4に表示される地図M3には、給水所を示すアイコンR1と観光地を示すアイコンR3とが配置される。ステータス管理者Q7が観光地のステータス情報を変更すると、地図情報提供システム1は、観光地のステータス情報を用いて観光地を示すアイコンの表示形態を決定する。地図情報提供システム1は、ユーザーQ3の端末4に表示される地図を更新する。更新後の地図M4には、給水所を示すアイコンR1と観光地を示すアイコンR4とが配置される。アイコンR4は、観光地のステータス情報に基づいて、アイコンR3と異なるアイコンに変更されている。
【0109】
以下、本実施形態に係る地図情報提供システム1の各部について説明する。図12は、実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。地図情報提供システム1は、ユーザー管理者として認証されたユーザーに対して、ユーザー管理の機能を提供する。本実施形態において、サービス管理者はユーザー管理者の権限を有する。例えば、処理部17は、地図表示サービスにログインしたユーザーがサービス管理者であると判定された場合、このユーザーの端末にユーザー管理のUI画像を表示させる。図13は、実施形態に係るユーザー管理のUI画像を示す図である。
【0110】
UI画像61のリスト62に示すように、権限パターンを示す「ユーザーグループ」は、「第1の限定管理者」を含む。地図情報提供システム1は、「ユーザーグループ」が「サービス管理者」であるユーザー(例、サービス管理者Q1)に対し、ユーザーを指定してこのユーザーの「ユーザーグループ」を「第1の限定管理者」に設定する機能を提供する。例えば、処理部17は、ユーザー管理者として認証されたユーザーから、ユーザーを指定してこのユーザーの「ユーザーグループ」を「第1の限定管理者」に設定する入力を受け付ける。例えば、処理部17は、図8で説明したユーザーの情報を編集する機能によって、「ユーザーグループ」を設定する入力を受け付ける。
【0111】
例えば、「Yoichi」としてログインしたユーザーは、自身の端末を操作することにより、名称が「Taro」であるユーザーの「ユーザーグループ」を「第1の限定管理者」に設定する入力を行う。処理部17は、「Yoichi」としてログインしたユーザーの端末へ入力された情報を取得し、名称が「Taro」であるユーザーの情報について、「ユーザーグループ」を「第1の限定管理者」に更新し、図12の記憶部11に記憶させる。記憶部11に記憶された限定管理者情報D6は、地図表示サービスにログインするユーザーが限定管理者であるか否かを示す情報を含む。例えば、限定管理者情報D6は、「ユーザーグループ」が「第1の限定管理者」であるユーザーを特定する情報を含む。
【0112】
図12の生成許可部12は、限定管理者として認証されたユーザーに対して、図4で説明したオブジェクト管理の機能を提供する。生成許可部12は、限定管理者Q4として認証されたユーザーの端末6から、オブジェクト情報の入力を受け付ける。生成許可部12は、限定管理者Q4の端末6に入力された情報に基づいて、第1オブジェクトの情報D3aを記憶部11に記憶させる。第1オブジェクトの情報D3aは、限定管理者Q4の端末6に入力されたオブジェクト情報と、限定管理者Q4の管理者情報とが関連付けられた情報である。この管理者情報は、第1オブジェクトの情報D3aを編集又は削除する権限の帰属を示す情報である。例えば、第1オブジェクトの情報D3aの管理者情報は、第1オブジェクトの情報D3aを生成(例、登録)したユーザーの「ユーザーグループ」を特定する情報(例、図13の「第1の限定管理者」)を含む。生成許可部12は、例えば、「第1の限定管理者」として認証されたユーザーに対して、第1オブジェクトの情報D3aを編集又は削除する入力を許可する。生成許可部12は、例えば、「第1の限定管理者」と異なる「ユーザーグループ」のユーザーとして認証されたユーザーに対して、第1オブジェクトの情報D3aを編集又は削除する入力を許可しない。
【0113】
図13におけるUI画像61のリスト62に示すように、権限パターンを示す「ユーザーグループ」は、「第1のステータス管理者」を含む。「第1のステータス管理者」は、「ユーザーグループ」が「第1の限定管理者」のユーザーにより設定される権限パターンである。地図情報提供システム1は、「ユーザーグループ」が「第1の限定管理者」であるユーザー(例、限定管理者Q4)に対し、ユーザーを指定してこのユーザーの「ユーザーグループ」を「第1のステータス管理者」に設定する機能を提供する。例えば、処理部17は、第1の限定管理者として認証されたユーザーの端末から、ユーザーを指定してこのユーザーの「ユーザーグループ」を「第1のステータス管理者」に設定する入力を受け付ける。例えば、処理部17は、図8で説明したユーザーの情報を編集する機能によって、「ユーザーグループ」を設定する入力を受け付ける。
【0114】
例えば、「Taro」としてログインしたユーザーは、自身の端末を操作することにより、名称が「Jiro」であるユーザーの「ユーザーグループ」を「第1のステータス管理者」に設定する入力を行う。処理部17は、「Taro」としてログインしたユーザーの端末へ入力された情報を取得し、名称が「Jiro」であるユーザーの情報について、「ユーザーグループ」を「第1のステータス管理者」に更新し、図12の記憶部11に記憶させる。記憶部11に記憶されたステータス管理者情報D2は、地図表示サービスにログインするユーザーが、限定管理者に指定されたステータス管理者であるか否かを示す情報を含む。例えば、ステータス管理者情報D2は、「ユーザーグループ」が「第1のステータス管理者」であるユーザーを特定する情報を含む。
【0115】
図12の入力許可部13は、限定管理者に指定されたステータス管理者として認証されたユーザーに対して、この限定管理者により登録されたオブジェクト情報に関するステータス管理の機能を提供する。例えば、入力許可部13は、「第1のステータス管理者」として認証されたユーザーに対して、第1オブジェクトの情報D3aにおけるステータス情報の少なくとも一部を変更する機能を提供する。入力許可部13が提供するステータス管理の機能は、図6で説明した機能と同様である。
【0116】
図13のUI画像61のリスト62において、「名称」が「Hanako」であるユーザーは、「ユーザーグループ」が「第2の限定管理者」である。「第2の限定管理者」は、「第1の限定管理者」と異なる限定管理者の権限パターンである。「名称」が「Hanako」であるユーザーは、例えば図12の限定管理者Q6である。図12の生成許可部12は、限定管理者Q6として認証されたユーザーに対して、図4で説明したオブジェクト管理の機能を提供する。生成許可部12は、限定管理者Q6として認証されたユーザーの端末8から、オブジェクト情報の入力を受け付ける。生成許可部12は、限定管理者Q6の端末8に入力された情報に基づいて、第2オブジェクトの情報D3bを記憶部11に記憶させる。第2オブジェクトの情報D3bは、限定管理者Q6の端末8に入力されたオブジェクト情報と、限定管理者Q6の管理者情報とが関連付けられた情報である。この管理者情報は、第2オブジェクトの情報D3bを編集又は削除する権限の帰属を示す情報である。例えば、第2オブジェクトの情報D3bの管理者情報は、第2オブジェクトの情報D3bを生成(例、登録)したユーザーの「ユーザーグループ」を特定する情報(例、図13の「第2の限定管理者」)を含む。生成許可部12は、例えば、「第2の限定管理者」として認証されたユーザーに対して、第2オブジェクトの情報D3bを編集又は削除する入力を許可する。
【0117】
生成許可部12は、例えば、「第2の限定管理者」と異なる「ユーザーグループ」のユーザーとして認証されたユーザーに対して、第2オブジェクトの情報D3bを編集又は削除する入力を許可しない。例えば、生成許可部12は、「第1の限定管理者」として認証された限定管理者Q4に対して、第2オブジェクトの情報D3bを編集又は削除する入力を許可しない。例えば、生成許可部12は、「第2の限定管理者」として認証された限定管理者Q6に対して、第1オブジェクトの情報D3aを編集又は削除する入力を許可しない。
【0118】
図13のUI画像61のリスト62において、「名称」が「Naoko」であるユーザーは、「ユーザーグループ」が「第2のステータス管理者」である。「第2のステータス管理者」は、「第2の限定管理者」により設定されたステータス管理者の権限パターンである。「名称」が「Naoko」であるユーザーは、例えば、図12のステータス管理者Q7である。図12の入力許可部13は、限定管理者に指定されたステータス管理者として認証されたユーザーに対して、この限定管理者により登録されたオブジェクト情報に関するステータス管理の機能を提供する。例えば、入力許可部13は、「第2のステータス管理者」として認証されたユーザーに対して、第2オブジェクトの情報D3bにおけるステータス情報の少なくとも一部を変更する機能を提供する。入力許可部13が提供するステータス管理の機能は、図6で説明した機能と同様である。
【0119】
入力許可部13は、限定管理者に指定されたステータス管理者と異なるユーザーとして認証されたユーザーに対して、この限定管理者により登録されたオブジェクト情報に関するステータス管理の機能を提供しない。例えば、入力許可部13は、「第1のステータス管理者」として認証されたステータス管理者Q5に対して、第2オブジェクトの情報D3bにおけるステータス情報を変更する入力を許可しない。例えば、生成許可部12は、「第2のステータス管理者」として認証されたステータス管理者Q7に対して、第1オブジェクトの情報D3aにおけるステータス情報を変更する入力を許可しない。
【0120】
上述の本実施形態に係る地図情報提供システム1は、現状とのずれが少ない情報をユーザーに提供できる。地図情報提供システム1は、ステータス管理を複数のステータス管理者に分担させることができる。地図情報提供システム1は、限定管理者が指定したステータス管理者と異なるユーザーとして認証されたユーザーに対して、ステータス管理の機能を提供しないので、例えば担当でないステータス管理者が故意又は過失によるステータス情報の変更が禁止され、現状とのずれが少ない情報をユーザーに提供できる。
【0121】
なお、本実施形態において、地図情報提供システム1は、サービス管理者から限定管理者の指定を受け付けるが、限定管理者はその他の手法で設定されてもよい。例えば、限定管理者は、第1実施形態のサービス管理者に相当してもよい。例えば、限定管理者は、地図表示サービスのシステム管理者にサービス利用を申し込み、このシステム管理者が限定管理者を地図情報提供システム1に登録してもよい。
【0122】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。図14は、実施形態に係る地図情報提供システムを示す図である。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。本実施形態において、表示制御部15は、ユーザーQ3の端末4に第1の地図M5を表示させる。第1の地図M5は、第1の管理者(例、サービス管理者Q1)により作成される第1のオブジェクト(例、アイコンR1)を含む。表示制御部15は、ユーザーQ3の端末4に第2の地図M6を表示させる。第2の地図M6は、第1の管理者(例、サービス管理者Q1)と異なる第2の管理者(例、サービス管理者Q8)により作成される第2のオブジェクト(例、アイコンR3)を含み、第1の地図M5と異なる。表示制御部15は、第1のオブジェクト(例、アイコンR1)と第2のオブジェクト(例、アイコンR3)とを含む第3の地図M7をユーザーQ3の端末4に表示させる。
【0123】
サービス管理者Q1は、例えば自治体の担当者である。サービス管理者Q1は、例えば公共施設に相当するオブジェクトを地図情報提供システム1に登録する。サービス管理者Q2は、例えば企業の担当者である。サービス管理者Q2は、例えば、商業施設に相当するオブジェクトを地図情報提供システム1に登録する。地図情報提供システム1は、例えば、公共施設の情報を含み、商業施設の情報を含まない地図M5をユーザーQ3に提供する。地図情報提供システム1は、例えば、商業施設の情報を含み、公共施設の情報を含まない地図M6をユーザーQ3に提供する。地図M5、地図M6は、例えばWebアプリケーションにより端末4へ提供される。ユーザーQ3は、URLを切り換えることで表示されるを地図M5と地図M6とで切り換えることができる。ユーザーQ3は、公共施設の情報及び商業施設の情報を含む地図を閲覧したいことがありえる。本実施形態の地図情報提供システム1は、異なる管理者により登録された複数のオブジェクト情報を1つの地図に配置して、ユーザーQ3の端末4に表示させる。
【0124】
以下、本実施形態に係る地図情報提供システム1の各部について説明する。記憶部11は、複数のテナント情報(D8、D9)を記憶する。テナント情報D8は、サービス管理者Q1として認証されるユーザーが管理する情報を含む。テナント情報D8は、サービス管理者情報D8a、ステータス管理者情報D8b、及びオブジェクト情報D8cを含む。サービス管理者情報D8a、ステータス管理者情報D8b、及びオブジェクト情報D8cは、それぞれ、図1で説明したサービス管理者情報D1、ステータス管理者情報D2、及びオブジェクト情報D3と同様である。テナント情報D9は、サービス管理者Q8として認証されるユーザーが管理する情報を含む。テナント情報D9は、サービス管理者情報D9a、ステータス管理者情報D9b、及びオブジェクト情報D9cを含む。サービス管理者情報D9a、ステータス管理者情報D9b、及びオブジェクト情報D9cは、それぞれ、図1で説明したサービス管理者情報D1、ステータス管理者情報D2、及びオブジェクト情報D3と同様である。
【0125】
処理部17は、サービス管理者Q1として認証されたユーザーの端末に対して、テナント情報D8を変更する入力を許可し、テナント情報D9を変更する入力を禁止する。処理部17は、サービス管理者Q8として認証されたユーザーの端末に対して、テナント情報D9を変更する入力を許可し、テナント情報D8を変更する入力を禁止する。
【0126】
本実施形態に係る地図情報提供システム1は、同意制御部18と、オブジェクト管理部19とを含む。同意制御部18は、サービス管理者Q8が管理するオブジェクト情報D9cの少なくとも一部を要求する情報(例、コマンド、メッセージ)を、サービス管理者Q1の端末2から受け付ける。例えば、サービス管理者Q1は、不特定のユーザーと同様に地図M6を端末2に表示させることができる。サービス管理者Q1は、例えば、取得を希望するオブジェクト情報が含まれるエリアの情報と、取得を希望するオブジェクト情報のオブジェクトの種類とを端末2に入力する。
【0127】
同意制御部18は、端末2からオブジェクト情報D9cの要求があった場合、オブジェクト情報D9cを含むテナント情報D9のサービス管理者情報D9aを用いて、サービス管理者Q8を特定する。同意制御部18は、地図表示サービスにサービス管理者Q8の端末10に、オブジェクト情報D9cの提供に同意するか否かを選択させるUI画像を表示させる。このUI画像は、例えば、オブジェクト情報D9cの要求があったことを示す情報と、要求者であるサービス管理者Q1に関する情報(例えば、サービス管理者Q1が所属する自治体又は企業の名称)と、オブジェクト情報D9cを提供するか否かを選択させるアイコン(例、「はい」、「いいえ」)とを含む。同意制御部18は、サービス管理者Q8の端末10において、オブジェクト情報D9cの提供に同意することを示す情報の入力があった場合、オブジェクト管理部19にオブジェクト情報D9cに関する処理を実行させる。
【0128】
オブジェクト管理部19は、端末2から提供されたオブジェクト情報の要求に基づき、要求されたオブジェクト情報を特定する。オブジェクト管理部19は、テナント情報D9のオブジェクト情報D9cから、要求されたオブジェクト情報を抽出する。オブジェクト管理部19は、抽出したオブジェクト情報の所在を示す情報を、テナント情報D8のオブジェクト情報D8cに追加する。処理部17は、ユーザーQ3の端末から地図M7の表示する要求があった場合、テナント情報D9におけるオブジェクト情報の所在の情報を用いて、このオブジェクト情報を取得してアイコンR3を含む地図M7のデータを生成する。
【0129】
図15は、実施形態に係るコンピューターを示す図である。このコンピュータ100は、例えば、実施形態に係る情報処理装置及び端末の少なくとも1つとして利用される。コンピュータ100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、バス104と、入力部105と、出力部106と、記憶部107と、通信部108と、ドライブ109と、を備える。CPU101、ROM102及びRAM103は、それぞれ、バス104を介して相互に接続されている。バス104には、入力部105、出力部106、記憶部107、通信部108及びドライブ109が接続されている。
【0130】
CPU101は、Central Processing Unitを含む。ROM102は、Read Only Memoryを含む。RAM103は、Random Access Memoryを含む。CPU101は、ROM102に記録されているプログラム、または、記憶部107からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0131】
入力部105は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、及びタッチパッドの少なくとも1つを含む。入力部105は、ユーザーに操作されることで、各種情報の入力を受け付ける。入力部105は、音声の入力を受け付けるマイク等を含んでもよい。出力部106は、例えば、画像を出力する表示装置(例、ディスプレイ)を含む。出力部106は、音声を出力するスピーカを含んでもよい。入力部105および出力部106は、表示部上に透過型のタッチパッドが重ねられたタッチパネルを含んでもよい。
【0132】
記憶部107は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、及び不揮発性メモリの少なくとも1つを含む。記憶部107は、外部からコンピュータ100に入力される各種データと、コンピュータ100による処理において使用される各種データと、コンピュータ100が生成する各種データとの少なくとも一部を記憶する。通信部108は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0133】
ドライブ109には、リムーバブルメディア110が適宜装着される。リムーバブルメディア110は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体を含む。ドライブ109は、リムーバブルメディア110から情報を読み出す。リムーバブルメディア110から読み出された情報は、記憶部107に記憶される。例えば、ドライブ109は、リムーバブルメディア110に記憶されたプログラムを読み出し、このプログラムは、コンピュータ100にインストールされる。
【0134】
なお、コンピュータ100は、入力部105と出力部106との一方または双方を備えなくてもよい。例えば、出力部106は、コンピュータ100に外付けされる装置であって、コンピュータ100は、出力部106を接続可能なインターフェースを備えてもよい。
【0135】
上述の実施形態において、地図情報提供システムは、例えばコンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、1又は2以上のコンピュータを含む。コンピュータシステムは、クラウドコンピュータを含んでもよい。コンピュータシステムは、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って各種の処理を実行する。このプログラムは、コンピュータシステムに含まれるコンピュータに、オブジェクトを生成する権限を有する管理者の情報を記憶することと、管理者の情報を用いて、オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可することと、オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を記憶することと、作業者の情報を用いて、作業者の端末に対して、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可することと、作業者の端末に入力されたステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定することと、決定された表示のオブジェクトを含む地図をユーザーの端末に表示させることと、を実行させる。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。
【0136】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0137】
実施形態に係る地図情報提供システムは、第2権限を有することが権限情報に示される第2のユーザの端末に、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、第2のユーザーの端末から入力されたステータス情報を用いて、オブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部によって表示が決定されたオブジェクトを含む地図をユーザの端末に表示させる表示制御部と、を備え、ステータス情報は、予め登録された複数の候補から選択される情報を含み、入力許可部は、ステータス情報を複数の候補から選択させる画像を第2のユーザーの端末に表示させ、表示決定部は、作業者の端末において複数の候補から選択されることで入力されたステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定してもよい。
【0138】
実施形態に係る地図情報提供システムは、第2権限を有することが権限情報に示される第2のユーザの端末に、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、第2のユーザーの端末から入力されたステータス情報を用いて、オブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部によって表示が決定されたオブジェクトを含む地図をユーザの端末に表示させる表示制御部と、を備え、ステータス情報は、予め登録された複数の候補から選択される情報を含み、オブジェクトの複数の表示形態を示す表示形態情報を記憶する表示形態記憶部と、複数の候補から選択される情報と、複数の表示形態のいずれかとを対応付ける対応情報を記憶する対応情報記憶部と、を備え、表示決定部は、第2のユーザーの端末において複数の候補から選択された情報と対応情報によって対応付けられる表示形態を、オブジェクトの表示として決定してもよい。
【0139】
実施形態に係る地図情報提供システムは、第2権限を有することが権限情報に示される第2のユーザの端末に、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、第2のユーザーの端末から入力されたステータス情報を用いて、オブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部によって表示が決定されたオブジェクトを含む地図をユーザの端末に表示させる表示制御部と、を備え、表示制御部は、第1の管理者により作成される第1のオブジェクトを含む第1の地図をユーザーの端末に表示させ、第1の管理者と異なる第2の管理者により作成される第2のオブジェクトを含み第1の地図と異なる第2の地図をユーザーの端末に表示させ、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとを含む第3の地図をユーザーの端末に表示させてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1 地図情報提供システム
11 記憶部
12 生成許可部
13 入力許可部
14 表示決定部
15 表示制御部
16 投稿許可受付部
17 処理部
18 同意制御部
19 オブジェクト管理部
【要約】
地図情報提供システムは、オブジェクトを生成する権限を有する管理者の情報を記憶する管理者情報記憶部と、管理者の情報を用いて、オブジェクトの生成に使われるオブジェクト情報の入力を許可する生成許可部と、オブジェクトに相当する実空間上のエリアで作業する作業者の情報を記憶する作業者情報記憶部と、作業者の情報を用いて、作業者の端末に対して、オブジェクトのステータスを示すステータス情報の入力を許可する入力許可部と、作業者の端末に入力されたステータス情報を用いて、地図におけるオブジェクトの表示を決定する表示決定部と、表示決定部により決定された表示のオブジェクトを含む地図をユーザーの端末に表示させる表示制御部と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15