(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】画像情報認識装置、画像情報記憶媒体構築方法、画像情報認識方法、そのためのコンピュータプログラム、及び保健情報管理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 40/00 20180101AFI20240412BHJP
G06V 30/12 20220101ALI20240412BHJP
【FI】
G16H40/00
G06V30/12 B
(21)【出願番号】P 2021167768
(22)【出願日】2021-10-13
【審査請求日】2021-11-14
(31)【優先権主張番号】P 2020173628
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021050878
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】308038613
【氏名又は名称】公立大学法人和歌山県立医科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】506422962
【氏名又は名称】株式会社ユニオンシンク
(74)【代理人】
【識別番号】100199680
【氏名又は名称】米田 匡良
(72)【発明者】
【氏名】北野 尚美
(72)【発明者】
【氏名】玉置 壽一
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-128904(JP,A)
【文献】特開2002-169887(JP,A)
【文献】特開2003-108919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06V 30/00-30/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学校保健情報と母子保健情報とを管理する保健情報管理方法であって、
サーバ装置と、乳幼児及び妊婦の保健情報を記憶する母子保健情報管理装置とがネットワークを介して接続され、
健康診断票は、被験者の小学校1年生~6年生までの診断結果及び中学校1年生~3年生までの診断結果が記入されるための項目を含み、
健康診断票には、学年毎に、文字が記入される項目である文字記入項目と、複数の対象のいずれかを択一的に選択させるために、選択すべき対象にマークを付させるための単一選択項目とが予め設けられており、
前記保健情報管理方法は、
前記サーバ装置が、健康診断票の学年毎の各項目に対して、
当該項目が文字記入項目である場合は、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力する文字認識ステップ、及び、
当該項目が単一選択項目である場合は、当該項目のいずれの対象にマークが付されているかを認識し、当該認識の結果と認識率とを出力するマーク認識ステップを含み、
前記保健情報管理方法はさらに、
前記サーバ装置が、前記文字認識ステップ及び前記マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、表示態様を変化させて表示装置に表示する結果表示ステップと、
前記サーバ装置が、前記結果表示ステップにおいて当該表示装置に表示される各項目の認識結果を、ユーザによる操作によって変更する変更ステップと、
前記サーバ装置が、前記文字認識ステップ及び前記マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果と、当該項目に対して前記変更ステップにおいて変更される結果とを、学校保健情報として記憶装置に記憶する保健情報記憶ステップと、
前記母子保健情報管理装置が、乳幼児及び妊婦の健康診断の結果である母子保健情報を記憶装置に記憶する母子保健情報記憶ステップとを含み、
前記保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報の被験者と、前記母子保健情報記憶ステップにおいて記憶される母子保健情報の乳幼児とは、同一人物であることがあり、
前記保健情報管理方法はさらに、
前記サーバ装置が、ネットワークを介して、前記母子保健情報記憶ステップにおいて記憶される母子保健情報を前記母子保健情報管理装置から取得して、前記サーバ装置の記憶装置に記憶する保健情報記憶ステップと、
前記サーバ装置が、前記保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報の被験者と、前記母子保健情報記憶ステップにおいて記憶される母子保健情報の乳幼児のうち、当該被験者と同一人物である乳幼児とを関連付けて、前記サーバ装置の記憶装置に記憶する関連情報記憶ステップとを含み、
携帯端末装置が、ネットワークを介して前記サーバ装置に接続され、
前記保健情報管理方法はさらに、
前記サーバ装置が、前記保健情報記憶ステップにおいて記憶される、ある被験者の学校保健情報と、前記関連情報記憶ステップにおいて当該被験者に関連付けられて記憶される乳幼児の母子保健情報とを、前記携帯端末装置に送信する送信ステップと、
前記携帯端末装置が、前記送信ステップにおいて送信される母子保健情報及び学校保健情報を取得して、前記携帯端末装置の利用者に提示するステップとを含む、保健情報管理方法。
【請求項2】
前記サーバ装置が、前記母子保健情報記憶ステップで記憶される母子保健情報のうちで、異常なし以外の所見がなされている情報を、利用者に通知する通知ステップをさらに含む、請求項
1に記載の保健情報管理方法。
【請求項3】
前記母子保健情報管理装置は、利用者によって持ち運びが可能な携帯端末装置である、請求項
1に記載の保健情報管理方法。
【請求項4】
前記保健情報管理方法はさらに、前記サーバ装置が、前記保健情報記憶ステップにおいて前記サーバ装置の記憶装置に記憶される母子保健情報から、特定地域に在住する妊婦及び乳幼児に関する母子保健情報を抽出して、前記母子保健情報管理装置に送信するステップを含む、請求項
3に記載の保健情報管理方法。
【請求項5】
前記携帯端末装置はモバイル型の端末装置である、請求項
3に記載の保健情報管理方法。
【請求項6】
前記サーバ装置と、利用者によって持ち運びが可能な携帯端末装置が、前記ネットワークを介して接続され、
前記携帯端末装置が、学校保健情報を前記携帯端末装置の記憶装置に記憶する学校保健情報記憶ステップと、
前記サーバ装置が、学校保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報を前記携帯端末装置から取得して、前記サーバ装置の記憶装置に記憶するステップをさらに含む、請求項
1に記載の保健情報管理方法。
【請求項7】
前記サーバ装置と、小学校及び中学校に設置される校務支援システムとが、前記ネットワークを介して接続され、
前記校務支援システムが、学校保健情報を前記校務支援システムの記憶装置に記憶する学校保健情報記憶ステップと、
前記サーバ装置が、前記学校保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報を前記校務支援システムから取得して、前記サーバ装置の記憶装置に記憶するステップをさらに含む、請求項
1に記載の保健情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像情報認識装置に関し、特に、小学校及び中学校で取り扱われる健康診断票に記載されたデータを、OCR(Optical Character Recognition)等の処理で認識することによって、健康診断票に記載されているデータを学校保健情報として正確に記憶して管理するための画像情報認識装置、画像情報記憶媒体構築方法、画像情報認識方法、及びそのためのコンピュータプログラムに関する。また、本発明は、学校保健情報と、当該学校保健情報に関連する母子保健情報とを一元的に管理する保健情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、帳票に記載された文字を認識するために、OCR機能を有する文字認識装置が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、小学校及び中学校での健康診断の結果を記入するための健康診断票に関して、そのような健康診断票に記載されたデータをOCR等の処理で認識することによって、健康診断票に記載されているデータを、学校保健情報として正確に記憶して管理するための画像情報認識装置、画像情報記憶媒体構築方法、画像情報認識方法、及びそのためのコンピュータプログラムを提供することである。
【0004】
また、本発明の目的は、そのような学校保健情報と、当該学校保健情報の被験者に関連する母子保健情報とを一元的に管理するための、保健情報管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面にかかる画像情報認識装置は、健康診断票の画像データに含まれる文字及びマークを認識する画像情報認識装置である。健康診断票は、被験者の小学校1年生~6年生までの診断結果及び中学校1年生~3年生までの診断結果が記入されるための項目を含む。健康診断票には、学年毎に、文字が記入される項目である文字記入項目と、複数の対象のいずれかを択一的に選択させるために、選択すべき対象にマークを付させるための単一選択項目とが予め設けられている。健康診断票の当該文字記入項目は、長方形状の枠と、当該枠の一方長辺から他方長辺に向けて小数点及び各桁の数を区切るための線とが表示されており、当該枠内に数値を記入させるための数字記入項目を含む。健康診断票の当該文字記入項目はさらに、歯の位置を示す文字と当該文字の各々の近傍に位置する枠とが表示されており、当該枠内に歯の状態を示す文字を記入させるための歯式記入項目とを含む。健康診断票は長方形状である。健康診断票の当該単一選択項目は、健康診断票の短辺方向と平行な方向に、複数の文字が並べて表示されており、複数の文字のいずれかを択一的に選択させるための文字選択項目を含む。当該画像情報認識装置は、健康診断票の学年毎の各項目に対して、当該項目が文字記入項目である場合は、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力するための文字認識手段、及び、当該項目が単一選択項目である場合は、当該項目のいずれの対象にマークが付されているかを認識し、当該認識の結果と認識率とを出力するためのマーク認識手段を含む。当該画像情報認識装置はさらに、当該文字認識手段及び当該マーク認識手段によって出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、表示態様を変化させて表示装置に表示するための結果表示手段と、当該結果表示手段によって当該表示装置に表示される各項目の認識結果を、ユーザによる操作によって変更するための変更手段と、当該文字認識手段及び当該マーク認識手段によって出力される各項目の認識結果と、当該項目に対して当該変更手段によって変更される結果とを、記憶装置に記憶するための記憶手段とを含む。当該文字認識手段は、数字記入項目に記入されている数値を認識し、かつ、歯式記入項目に記入されている、歯の状態を示す文字を認識して、認識結果と認識率とを出力する。当該マーク認識手段は、文字選択項目においていずれの文字にマークが付されているかを認識して、認識の結果と認識率とを出力する。
【0006】
好ましくは、当該記憶手段は、複数の被験者に対して、学年毎の健康診断結果を記憶装置に継続的に追加して記憶する。
【0007】
より好ましくは、当該結果表示手段は、当該文字認識手段及び当該マーク認識手段によって出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、色彩を変化させて表示装置に表示する。
【0008】
さらに好ましくは、当該結果表示手段は、文字記入項目及び単一選択項目の認識結果を一覧にして表示装置に表示し、各項目の認識結果を、当該項目の認識率に応じて、表示態様を変化させて表示する。
【0009】
さらに好ましくは、当該画像情報認識装置はさらに、健康診断票の学年毎の各項目に対して、画像データ内において、診断結果が記入される領域を記憶するための領域記憶手段を含む。当該文字認識手段は、健康診断票の文字記入項目に対して、当該領域記憶手段によって記憶されている当該項目の領域に対して、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力する。当該マーク認識手段は、健康診断票の単一選択項目に対して、当該領域記憶手段によって記憶されている当該項目の領域で、いずれの対象にマークが付されているかを認識し、認識結果と認識率とを出力する。
【0010】
本発明の第2の局面にかかる画像情報記憶媒体構築方法は、健康診断票に記載される診断結果を記憶する、記憶媒体を構築する。当該画像情報記憶媒体構築方法は、画像情報認識装置が、健康診断票の学年毎の各項目に対して、当該項目が文字記入項目である場合は、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力する文字認識ステップ、及び、当該項目が単一選択項目である場合は、当該項目のいずれの対象にマークが付されているかを認識し、当該認識の結果と認識率とを出力するマーク認識ステップを含む。当該画像情報記憶媒体構築方法はさらに、当該画像情報認識装置が、当該文字認識ステップ及び当該マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、表示態様を変化させて表示装置に表示する結果表示ステップと、当該画像情報認識装置が、当該結果表示ステップにおいて当該表示装置に表示される各項目の認識結果を、ユーザによる操作によって変更する変更ステップと、当該画像情報認識装置が、当該文字認識ステップ及び当該マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果と、当該項目に対して当該変更ステップにおいて変更される結果とを、記憶媒体に記憶する記憶ステップとを含む。当該文字認識ステップにおいては、当該画像情報認識装置は、当該数字記入項目に記入されている数値を認識し、かつ、歯式記入項目に記入されている、歯の状態を示す文字を認識して、認識結果と認識率とを出力する。当該マーク認識ステップにおいては、当該画像情報認識装置は、文字選択項目においていずれの文字にマークが付されているかを認識して、認識の結果と認識率とを出力する。
【0011】
本発明の第3の局面にかかる画像情報認識プログラムは、健康診断票の画像データに含まれる文字及びマークを認識する画像情報認識装置として、コンピュータにより実行される。当該画像情報認識プログラムは、当該コンピュータを、健康診断票の学年毎の各項目に対して、当該項目が文字記入項目である場合は、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力するための文字認識手段、及び、当該項目が単一選択項目である場合は、当該項目のいずれの対象にマークが付されているかを認識し、当該認識の結果と認識率とを出力するためのマーク認識手段として機能させる。当該画像情報認識プログラムは、当該コンピュータをさらに、当該文字認識手段及び当該マーク認識手段によって出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、表示態様を変化させて表示装置に表示するための結果表示手段と、当該結果表示手段によって当該表示装置に表示される各項目の認識結果を、ユーザによる操作によって変更するための変更手段と、当該文字認識手段及び当該マーク認識手段によって出力される各項目の認識結果と、当該項目に対して当該変更手段によって変更される結果とを、記憶装置に記憶するための記憶手段として機能させる。当該文字認識手段は、数字記入項目に記入されている数値を認識し、かつ、歯式記入項目に記入されている、歯の状態を示す文字を認識して、認識結果と認識率とを出力する。当該マーク認識手段は、文字選択項目においていずれの文字にマークが付されているかを認識して、認識の結果と認識率とを出力する。
【0012】
本発明の第4の局面にかかる画像情報認識方法は、画像情報認識装置が、健康診断票の画像データに含まれる文字及びマークを認識する方法である。当該画像情報認識方法は、当該画像情報認識装置が、健康診断票の学年毎の各項目に対して、当該項目が文字記入項目である場合は、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力する文字認識ステップ、及び、当該項目が単一選択項目である場合は、当該項目のいずれの対象にマークが付されているかを認識し、当該認識の結果と認識率とを出力するマーク認識ステップを含む。当該画像情報認識方法はさらに、当該画像情報認識装置が、当該文字認識ステップ及び当該マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、表示態様を変化させて表示装置に表示する結果表示ステップと、当該画像情報認識装置が、当該結果表示ステップにおいて当該表示装置に表示される各項目の認識結果を、ユーザによる操作によって変更する変更ステップと、当該文字認識ステップ及び当該マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果と、当該項目に対して当該変更ステップにおいて変更される結果とを、記憶装置に記憶する記憶ステップとを含む。当該文字認識ステップにおいては、当該画像情報認識装置は、数字記入項目に記入されている数字を認識し、かつ、歯式記入項目に記入されている、歯の状態を示す文字を認識して、認識結果と認識率とを出力する。当該マーク認識ステップにおいては、当該画像情報認識装置は、文字選択項目において、いずれかの文字にマークが付されているかを認識して、認識の結果と認識率とを出力する。
【0013】
本発明の第5の局面にかかる保健情報管理方法は、学校保健情報と母子保健情報とを管理する方法である。当該保健情報管理方法においては、サーバ装置と、乳幼児及び妊婦の保健情報を記憶する母子保健情報管理装置とがネットワークを介して接続される。当該保健情報管理方法は、当該サーバ装置が、健康診断票の学年毎の各項目に対して、当該項目が文字記入項目である場合は、文字認識処理を実行し、認識結果と認識率とを出力する文字認識ステップ、及び、当該項目が単一選択項目である場合は、当該項目のいずれの対象にマークが付されているかを認識し、当該認識の結果と認識率とを出力するマーク認識ステップを含む。当該保健情報管理方法はさらに、当該サーバ装置が、当該文字認識ステップ及び当該マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果を、当該項目の認識率の値に応じて、表示態様を変化させて表示装置に表示する結果表示ステップと、当該サーバ装置が、当該結果表示ステップにおいて当該表示装置に表示される各項目の認識結果を、ユーザによる操作によって変更する変更ステップと、当該サーバ装置が、当該文字認識ステップ及び当該マーク認識ステップにおいて出力される各項目の認識結果と、当該項目に対して当該変更ステップにおいて変更される結果とを、学校保健情報として記憶装置に記憶する保健情報記憶ステップと、当該母子保健情報管理装置が、乳幼児及び妊婦の健康診断の結果である母子保健情報を記憶装置に記憶する母子保健情報記憶ステップとを含む。当該保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報の被験者と、当該母子保健情報記憶ステップにおいて記憶される母子保健情報の乳幼児とは、同一人物であることがある。当該保健情報管理方法はさらに、当該サーバ装置が、ネットワークを介して、当該母子保健情報記憶ステップにおいて記憶される母子保健情報を当該母子保健情報管理装置から取得して、当該サーバ装置の記憶装置に記憶する保健情報記憶ステップと、当該サーバ装置が、当該保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報の被験者と、当該母子保健情報記憶ステップにおいて記憶される母子保健情報の乳幼児のうち、当該被験者と同一人物である乳幼児とを関連付けて、当該サーバ装置の記憶装置に記憶する関連情報記憶ステップとを含む。携帯端末装置は、ネットワークを介して当該サーバ装置に接続される。当該保健情報管理方法はさらに、当該サーバ装置が、当該保健情報記憶ステップにおいて記憶される、ある被験者の学校保健情報と、当該関連情報記憶ステップにおいて当該被験者に関連付けられて記憶される乳幼児の母子保健情報とを、当該携帯端末装置に送信する送信ステップと、当該携帯端末装置が、当該送信ステップにおいて送信される母子保健情報及び学校保健情報を取得して、当該携帯端末装置の利用者に提示するステップとを含む。
【0014】
好ましくは、当該保健情報管理方法は、当該サーバ装置が、当該母子保健情報記憶ステップで記憶される母子保健情報のうちで、異常なし以外の所見がなされている情報を、利用者に通知する通知ステップをさらに含む。
【0016】
さらに好ましくは、当該母子保健情報管理装置は、利用者によって持ち運びが可能な携帯端末装置である。
【0017】
さらに好ましくは、当該保健情報管理方法はさらに、当該サーバ装置が、当該保健情報記憶ステップにおいて当該サーバ装置の記憶装置に記憶される母子保健情報から、特定地域に在住する妊婦及び乳幼児に関する母子保健情報を抽出して、当該母子保健情報管理装置に送信するステップを含む。
【0018】
さらに好ましくは、当該携帯端末装置はモバイル型の端末装置である。
【0019】
さらに好ましくは、当該保健情報管理方法はさらに、当該サーバ装置と、利用者によって持ち運びが可能な携帯端末装置が、当該ネットワークを介して接続される。当該携帯端末装置が、学校保健情報を当該携帯端末装置の記憶装置に記憶する学校保健情報記憶ステップと、当該サーバ装置が、学校保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報を当該携帯端末装置から取得して、当該サーバ装置の記憶装置に記憶するステップを含む。
【0020】
さらに好ましくは、当該サーバ装置と、小学校及び中学校に設置される校務支援システムとが、当該ネットワークを介して接続される。当該保健情報管理方法はさらに、当該校務支援システムが、学校保健情報を当該校務支援システムの記憶装置に記憶する学校保健情報記憶ステップと、当該サーバ装置が、当該学校保健情報記憶ステップにおいて記憶される学校保健情報を当該校務支援システムから取得して、当該サーバ装置の記憶装置に記憶するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の実施の形態にかかるシステム10の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態にかかるサーバ装置12の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態にかかる端末装置14の構成を示す図である。
【
図4】
図2に示す帳票識別情報テーブル40の構成を示す図である。
【
図5】
図2に示す項目領域定義テーブル42の構成を示す図である。
【
図6】
図2に示す項目データテーブル44の構成を示す図である。
【
図7】
図2に示す項目サブデータテーブル46の構成を示す図である。
【
図8】端末装置14の制御装置54によって実行されるコンピュータプログラムの、制御構造を示すフローチャートである。
【
図9】
図8に示すステップ220の詳細なフローを示す図である。
【
図10】
図8に示すステップ210の詳細なフローを示す図である。
【
図11】
図8に示すステップ212の詳細なフローを示す図である。
【
図12】
図8に示すステップ214の詳細なフローを示す図である。
【
図13】
図12に示すステップ354の詳細なフローを示す図である。
【
図14】ファイルパスの入力及び学校種別の選択をする画面を示す図である。
【
図15】帳票の画像及びOCR等処理の結果を表示する画面を示す図である。
【
図20】本発明の第2の実施の形態にかかるシステム700の構成を示す図である。
【
図21】本発明の第2の実施の形態にかかるサーバ装置702の構成を示す図である。
【
図22】本発明の第2の実施の形態にかかるサーバ装置708の構成を示す図である。
【
図23】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯端末装置706の構成を示す図である。
【
図26】乳幼児基本情報テーブル800の構成を示す図である。
【
図27】3~4ヶ月健診情報テーブル802の構成を示す図である。
【
図28】1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の構成を示す図である。
【
図29】3歳時健診情報テーブル806の構成を示す図である。
【
図30】妊婦に関する保健情報についてのテーブルの構成を、示す図である。
【
図31】被験者基本情報テーブル820の構成を示す図である。
【
図32】サーバ装置708の制御装置32によって実行されるコンピュータプログラムの、制御構造を示すフローチャートである。
【
図33】サーバ装置708の制御装置32によって実行されるコンピュータプログラムの、制御構造を示すフローチャートである。
【
図34】サーバ装置708の制御装置32によって実行されるコンピュータプログラムの、制御構造を示すフローチャートである。
【
図35】携帯端末装置706の制御装置778によって実行されるコンピュータプログラムの、制御構造を示すフローチャートである。
【
図36】本発明の第3の実施の形態にかかるシステム954の構成を示す図である。
【
図37】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置950の構成を示す図である。
【
図38】サーバ装置708の制御装置32によって実行されるコンピュータプログラムの、制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
(健康診断票)
【0023】
図16及び
図17は、本発明において取扱われる健康診断票を示す図である。
図16を参照して、健康診断票20は、A4サイズの長方形状の帳票であり、小学生及び中学生のための健康診断の結果を記入するための帳票である。以下、健康診断を受ける者のことを「被験者」と記載する。健康診断票20は、具体的には氏名、身長、体重及び視力などのような一般的な診断結果が、1人分の被験者について記入されるための帳票である。健康診断票20のようなA4サイズの長方形状の帳票に関しては、以後、短辺の方向を水平方向と記載し、長辺の方向を垂直方向と記載する。
【0024】
健康診断票20には、学年毎に、児童又は生徒の学級及び番号を記載するための3行×10列の表24が配置されている。表24には、1行目の2列目~10列目までに、それぞれ小学校の学年を示す1~6の数字、及び中学校の学年を示す1~3の数字が印刷されている。表24には、2行目の2列目~10列目に、小学校及び中学校での学年の各々での学級を、それぞれ記載するための欄があり、3行目の2列目~10列目に、小学校及び中学校での学年の各々での、学級内において児童又は生徒を識別するための番号を、それぞれ記載するための欄がある。
【0025】
健康診断票20には、表24より下の箇所に、「児童生徒健康診断票(一般)」という見出しが表示されている。
【0026】
健康診断票20には、氏名、身長、体重及び視力などのように、一般的な診断結果を記入するための表26が配置されている。表26には、1行目に、氏名、性別、及び生年月日を記入するための欄がある。性別の欄には、予め「男」及び「女」の文字が表示されており、いずれか一方の文字に○印のマークが手書きで記載されるものとする。表26の2行目には、学校の名称が記載されるための3つの欄がある。表26の3行目には、被験者の年齢を記載するための欄があり、左側から順番に6~14の数字が、それぞれ記入されるものとする。表26の4行目には、被験者の各年齢に応じて、健康診断を実施した年度を記入する欄がある。表26の5行目及び6行目には、被験者の各年齢に応じて、健康診断を実施したときの身長及び体重をそれぞれ記入するための欄がある。身長及び体重を記入する欄に関しては、四角形の枠の中心部分に点が表示されており、当該点は、小数点を表す。表26の9行目及び10行目には、被験者の各年齢に応じて、健康診断を実施したときの右目の視力及び左目の視力をそれぞれ記入するための欄がある。視力を記入する欄に関しては、四角形の枠の右側に括弧が表示されており、括弧の左側には裸眼での視力が記入されるものとし、括弧の内部には、矯正での視力が記入されるものとする。
【0027】
表26の7行目、8行目及び10行目以降においては、
図16に記載したように、一般的な診断結果を記入するための欄がある。
【0028】
表26の「栄養状態」、「脊柱・胸部・四肢」の状態、及び「眼の疾病及び異常」の状態~「その他の疾病及び異常」の状態までに関しては、何も記入する事項がない場合は、記入すべき欄の四角形の枠の各々に対して、当該枠の右上の頂点から左下の頂点にかけて斜線が記入されるものとする。
【0029】
図17を参照して、健康診断票22は、健康診断票20と同様にして、A4サイズの長方形状の帳票である。健康診断票22は、被験者の歯及び口腔の診断結果について記入するための帳票である。健康診断票22の上部には、「児童生徒健康診断票(歯・口腔)」という見出しが印刷されている。健康診断票22の当該見出しより下の箇所には、氏名及び性別並びに歯及び口腔の状態を記入するための表28が印刷されている。
【0030】
表28には、1行目に、氏名、性別、及び生年月日を記入するための欄がある。性別の欄の記入の仕方は、健康診断票20の表26における性別の欄と、同様である。表28の2行目には、年齢、年度、顎関節等からなる、各項目の見出しが表示されている。
【0031】
表28の3行目以降の1列目には、年齢を記入するための欄が設けられており、上から順番に、6~14の数字がそれぞれ記入されるものとする。表28の3行目以降の2列目には、健康診断を受けた年度を記入するための欄が設けられている。
【0032】
表28の3行目以降の3列目~6列目には、被験者の各年齢での「顎関節」の状態、「歯列・咬合」の状態、「歯垢の状態」及び「歯肉の状態」を記入するための欄が、それぞれ設けられている。各年齢でのそれら4つの状態の欄には、0~2までの整数のいずれか1つが選択されるものとする。「顎関節」に関しては、表28の3行目以降の3列目において、各年齢で、0~2までの整数が縦書きで表示されており、各年齢において、該当する数字の箇所に〇印のマークが手書きで記入されるものとする。「歯列・咬合」の状態、「歯垢の状態」及び「歯肉の状態」の記入方式についても、「顎関節」の記入方式と同様である。
【0033】
表28の「歯肉の状態」の欄と「現在歯数」の欄との間には、各年齢での「歯式」を記入するための欄が設けられている。「歯式」の欄には、各年齢において、8~1及び1~8までの数字が左側から右側にかけて1行で印刷され、その下の行に、E~A及びA~Eまでのアルファベットが左側から右側にかけて1列で表示されたものが2行にわたって印刷され、さらにその下の行には、8~1及び1~8までの数字が左側から右側にかけて1行で印刷されている。それら数字及びアルファベットの各々は四角形の枠で覆われている。それら四角形の枠内には、「-」、「/」、バックスラッシュのマーク、「C」、〇印のマーク、△印のマーク、×印のマーク、及び「CO」の文字のいずれかが、数字及びアルファベットからなる文字上に重ねて、記入されるものとする。
【0034】
なお、「歯式」等の医療用語並びに「歯式」の記入欄に記入される文字及びマークの意味に関しては、本発明の本質的事項ではないため、説明は省略するものとする。
【0035】
表28の「歯式」より右側の列には、年齢ごとに、「現在歯数」~「喪失歯数」が数字で記入されるための欄が、設けられている。
【0036】
表28の「喪失歯数」より右側の列には、
図17に記載された通りの、記入欄が設けられている。
(画像の位置)
【0037】
本発明において、健康診断票20は、スキャナ等によって画像の電子データとして読取られる。以下、そのような画像の電子データのことを、単に「画像データ」と記載することがある。
図16を参照して、健康診断票20の画像内での、ある点での位置は、健康診断票20の左上の頂点を基点として定められるものとし、左側の長辺からの水平方向での距離と上側の短辺からの垂直方向での距離との2つの距離で定められるものとする。左側の長辺からの水平方向での距離のことを、水平座標と呼び、上側の短辺からの垂直方向での距離を垂直座標と記載する。以下、水平座標と垂直座標との組合せを、単に、「座標」と記載することがある。
【0038】
健康診断票22の画像内の、ある点の位置の定め方に関しても、健康診断票20と同様であるものとする。
(画像データ内の文字の認識)
【0039】
本発明においては、健康診断票20及び健康診断票22の画像データに表示されている文字は、OCRによって認識される。また、画像データに表示されている〇印等のマークは、OMR(Optical Mark Recognition)によって認識される。
【0040】
以下、OCR及びOMRの総称を、「OCR等」と記載することにする。
【0041】
本発明においては、OCR処理を実行するときは、予め、OCR処理を施すための、画像データ内の領域を定めるものとする。具体的には、画像データ内において、予め長方形の領域を定める。以下、そのような長方形の領域を、「処理対象領域」と呼ぶ。処理対象領域の短辺及び長辺の一方は、画像データの短辺及び長辺の一方と平行であり、処理対象領域の短辺及び長辺の他方は、画像データの短辺及び長辺の他方と平行であるものとする。
【0042】
本発明においては、OCR処理を実行するときは、健康診断票の各項目について、処理対象領域を定め、各項目の処理対象領域に対してOCR処理を実行して、各項目の文字を認識していくものとする。
【0043】
処理対象領域は、左上の頂点の座標、右上の頂点の座標、左下の頂点の座標及び右下の頂点の座標からなる4つの座標があれば、定義できる。
【0044】
ここで、右上の頂点の水平座標から左上の頂点の水平座標を引いた値、及び、右下の頂点の水平座標から左下の頂点の水平座標を引いた値を「幅」と呼ぶことにする。また、右下の頂点の垂直座標から右上の頂点の垂直座標を引いた値、及び、左下の頂点の垂直座標から左上の頂点の垂直座標を引いた値を「高さ」と呼ぶことにする。
【0045】
このように定義すると、ある点の座標と、当該点からの幅及び高さとが予め与えられれば、処理対象領域は定義される。なぜなら、当該点の水平座標に幅を足した値と当該点の垂直座標との組合せは、処理対象領域の右上の座標となり、当該点の水平座標と当該点の垂直座標に高さを足した値との組合せは、処理対象領域の左下の座標となり、当該点の水平座標に幅を足した値と当該点の垂直座標に高さを足した値との組合せは、処理対象領域の右下の座標となるからである。
【0046】
そのため、本発明の実施の形態においては、ある点の水平座標及び垂直座標、並びに幅及び高さを予め与えることによって、健康診断票の各項目の処理対象領域を定めるものとする。以下、処理対象領域の基点となる水平座標及び垂直座標を、それぞれ「始点水平座標」及び「始点垂直座標」と記載する。
(ネットワーク環境)
【0047】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるシステム10の構成を示す図である。
図1を参照して、システム10は、ネットワーク18に接続され、帳票の画像を電子データとして読取るスキャナ16と、ネットワーク18に接続され、ネットワーク18を介してスキャナ16から帳票の画像の電子データを受信し、ネットワーク18に接続される端末装置の要求に応じて、データの送受信を行なうサーバ装置12と、ネットワーク18に接続され、ネットワーク18に接続されるサーバ装置12とデータの送受信をするための通信機能を備える端末装置14A及び14Bとを含む。
【0048】
端末装置14A及び端末装置14Bは、実質的には同一の機能を有したものであり、以後、端末装置14A及び端末装置14Bを、単に端末装置14と記載することとする。
【0049】
複数の被験者が健康診断を受けることによって、被験者1人につき、健康診断票20と健康診断票22とからなる2枚の健康診断票セットに、診断の結果が記入されるものとする。複数の被験者の健康診断票セットを管理する者を、以下、「管理者」と記載するものとする。
【0050】
スキャナ16は、管理者による指示によって、複数の健康診断票セットの画像を電子データとして読取るものとする。具体的には、スキャナ16は、管理者からの指示によって、被験者1人分の健康診断票20及び健康診断票22からなる2つの帳票の画像を読取り、健康診断票20の画像を1ページ目に配置し、健康診断票22の画像を2ページ目に配置した1つのPDF(Portable Document Format)ファイルを生成する。スキャナ16は、管理者からの指示によって、複数の健康診断票セットの各々について、PDFファイルを生成し、生成したPDFファイルを、ネットワーク18を介してサーバ装置12に送信する。
(サーバ装置12の機能的構成)
【0051】
図2は、サーバ装置12の機能的構成を示すブロック図である。
図2を参照して、サーバ装置12は、サーバ装置12の制御中枢を司る、実質的にコンピュータからなる制御装置32と、何れもBusライン38を介して制御装置32に接続された、ネットワーク18を介して他の端末との間でデータの通信を行なうための通信装置36、及び、種々の情報を記憶するための記憶装置30とを含む。
【0052】
制御装置32は、CPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)とを含み、サーバ装置12全体を制御する。ROMには、サーバ装置12の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータが記憶されている。制御装置12内部のCPUは、ROMからプログラムをRAM上に読出して、RAMの一部を作業領域としてプログラムを実行する。即ち、CPUは、ROMに格納されているプログラムにしたがってサーバ装置12を構成する各部の制御を行ない、サーバ装置12の各機能を実現する。
【0053】
通信装置36は、インターネット18に有線又は無線で接続され、サーバ装置12がインターネット18を介して外部装置であるスキャナ16及び端末装置14と通信するためのインターフェイスであり、例えば、NIC(Network Interface Card)である。
【0054】
記憶装置30は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。
【0055】
サーバ装置12は、端末装置14その他の外部装置に対して、Webページを提供するHTTP(Hypertext Transfer Protocol)サービスを実行可能である。
(端末装置14の構成)
【0056】
図3は、端末装置14の機能的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、端末装置14は、コンピュータ装置であって、端末装置14の制御中枢を司る、実質的にコンピュータからなる制御装置54と、いずれもBusライン50を介して制御装置54に接続され、サーバ装置12との間でデータの通信を行なう通信装置58と、マウス及びキーボード等からなり、ユーザによりマウスクリック等の操作がなされたり、キーボードでキー入力されたりしたことを示す信号を制御装置54に送信する入力装置60と、プログラムの結果をユーザに表示するためのディスプレイからなる表示装置52と、制御装置54が端末装置14の制御に使用する種々の情報を記憶する記憶装置56とを含む。
(サーバ装置12の記憶装置30の構成)
【0057】
記憶装置30は、ネットワーク18を介して、スキャナ16から送信されたPDFファイルを記憶する帳票画像記憶部48と、健康診断票20及び健康診断票22に関する各種情報を記憶する帳票識別情報テーブル40、項目領域定義テーブル42、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46とを含む。
【0058】
帳票識別情報テーブル40は、ある画像データが、健康診断票20及び健康診断票22のいずれに該当するかを識別するための情報を、格納するテーブルである。
【0059】
健康診断票20の見出しは「児童生徒健康診断票(一般)」であり、健康診断票22の見出しは「児童生徒健康診断票(歯・口腔)」である。健康診断票20及び健康診断票22のいずれに該当するかをコンピュータに識別させるには、見出しの部分を覆う範囲で処理対象領域を定めて、当該処理対象領域でOCR処理を実行し、認識された文字列がどちらの見出しに一致するかを判別させればよい。そのため、帳票識別情報テーブル40には、健康診断票20及び健康診断票22の各々に対して、当該健康診断票の見出しを覆う範囲での処理対象領域と、見出しの文字列とが記憶されるものとする。
【0060】
また、帳票識別情報テーブル40は、システム10のユーザによって小学生及び中学生のいずれかが選択されたことによって、健康診断票20及び健康診断票22の処理対象領域の各位置を指定するための情報を格納するテーブルでもある。
【0061】
具体的には、ユーザによって小学生が選択されれば、健康診断票20においては、氏名、性別、生年月日及び学校名称以外の項目に関しては、6歳~11歳までの診断結果だけを読取ればよいことになる。ユーザによって中学生が選択されれば、健康診断票20においては、氏名、性別、生年月日及び学校名称以外の項目に関しては、12歳~14歳までの診断結果だけを読取ればよいことになる。健康診断票22に関しても同様である。そのため、帳票識別情報テーブル40においては、小学生及び中学生のいずれが選択されたかに応じて、健康診断票のどの箇所に対して処理対象領域を定めるべきかを識別するための情報が記憶される。
【0062】
図4は、帳票識別情報テーブル40の構成を示す図である。
図4を参照して、帳票識別情報テーブル40は、健康診断票20及び健康診断票22のいずれであるかを示す診断票種別と、小学生及び中学生のいずれであるかを示す学校種別との1つの組合せに対して、1つのレコードが割当てられる。診断票種別は2種類あり、学校種別は2種類あるので、診断票種別と学校種別との組合せは4通りある。帳票識別情報テーブル40には、それらの4通りの組合せの分のレコードのみがあるものとする。帳票識別情報テーブル40の各レコードは、診断票種別と学校種別との組合せを識別するために一意に付される4桁の数字からなる帳票IDフィールドと、当該レコードの診断票種別に相当する健康診断票の、見出しの文字列を記憶するための帳票名称フィールドと、当該レコードの診断票種別のための処理対象領域のうちの、始点水平座標及び始点垂直領域並びに幅及び高さをそれぞれ記憶する始点水平座標フィールド及び始点垂直座標フィールド並びに幅フィールド及び高さフィールドと、当該レコードの学校種別を記憶するための学校種別フィールドとを含む。
【0063】
本実施の形態において、始点水平座標及び始点垂直座標並びに幅及び高さの単位は、mmであるものとする。
【0064】
帳票識別情報テーブル40において、帳票名称フィールド及び学校種別フィールドの組合せが、「児童生徒健康診断票(一般)」及び「小学校」、「児童生徒健康診断票(歯・口腔)」及び「小学校」、「児童生徒健康診断票(一般)」及び「中学校」、並びに「児童生徒健康診断票(歯・口腔)」及び「中学校」であるときは、帳票IDフィールドは、それぞれ「0001」、「0002」、「0003」及び「0004」であるものとする。
【0065】
項目領域定義テーブル42は、帳票IDの値に応じて、健康診断票内でOCR等処理を実行すべき項目の、処理対象領域等の情報を記憶している。
図5は、項目領域定義テーブル42の構成を示す図である。
図5を参照して、項目領域定義テーブル42は、帳票IDと健康診断票内で読取るべき項目との1つの組合せに対して、1つのレコードが割当てられる。項目領域定義テーブル42の各レコードは、帳票IDを記憶するための帳票IDフィールドと、帳票IDに応じてOCR等の処理が実行されるべき項目を識別するための、数を記憶するための項目IDと、当該レコードに対応する項目の処理対象領域のうちの始点水平座標及び始点垂直座標並びに幅及び高さをそれぞれ記憶する始点水平座標フィールド及び始点垂直座標フィールド並びに幅フィールド及び高さフィールドと、当該レコードに対応する項目に対して、OCR処理及びOMR処理のいずれを実行すべきかを指定するための、文字列を記憶するための読取形式フィールドとを含む。
【0066】
読取形式フィールドにおいては、OCR処理を実行する場合は「文字認識」の文字列が記憶され、OMR処理を実行する場合は「単一選択」の文字列が記憶される。OMR処理がなされるのは、健康診断票20の性別、及び健康診断票22の顎関節等の項目である。性別の項目に関しては、「男」及び「女」のいずれか1つを選択するために、いずれか一方の文字の上に〇印が付される。顎関節等の項目に関しては、0~2からなる整数のいずれか1つを選択するために、いずれか一方の数字に〇印が付される。そのため、読取形式フィールドにおいては、OMR処理を実行したい場合は「単一選択」が記憶されることとなっている。
【0067】
項目領域定義テーブル42の各レコードはさらに、当該レコードの読取形式フィールドが「単一選択」であった場合に、選択されるべき対象の数を記憶するための選択個数フィールドを含む。
【0068】
項目領域定義テーブル42においては、性別の項目の場合は、「男」及び「女」の2つの対象のうちのいずれかを選択することになるので、この場合は、選択個数フィールドの値は2である。同様にして、健康診断票22の顎関節等の場合においては、選択個数フィールドの値は3である。
【0069】
項目領域定義テーブル42においては、帳票IDフィールが、ある1つの帳票ID(例えば「0001」である。)と一致するレコードを抽出すると、抽出されたレコードでは、項目IDフィールドの値の重複はないものとする。
【0070】
項目領域定義テーブル42から、帳票IDフィールドが「0001」であるレコードを抽出したとき、健康診断票20のうちの氏名、性別、生年月日、学校の名称、並びに、6歳~11歳までの健康診断の結果の全項目についてのレコードが抽出され、それら項目について項目ID、処理対象領域、読取形式、及び選択個数の値が、予め記憶されているものとする。帳票IDフィールドが、「0002」~「0004」であった場合も、同様であるものとする。
【0071】
本実施の形態においては、コンピュータによって健康診断票の各項目に対してOCR等の処理がなされた後、システム10のユーザは、当該処理の結果を変更することができるものとする。変更された結果は、サーバ装置12の記憶装置30に記憶されるものとする。
【0072】
項目データテーブル44は、OCR等処理による認識結果、及び、ユーザによって変更された結果を記憶するためのテーブルである。
【0073】
項目データテーブル44のより詳細な説明に先だち、本実施の形態においては、帳票画像記憶部48に記憶されている複数のPDFファイルの各々に対して、当該PDFファイルを識別するための番号が重複なく付されるものとする。以後、そのような、PDFファイルを識別するための番号を、「文書ID」と呼ぶことにする。
【0074】
図6は、項目データテーブル44の構成を示す図である。
図6を参照して、項目データテーブル44は、文書ID、帳票ID及び項目IDの3つのIDからなる1つの組合せに対して、1つのレコードが割当てられる。項目データテーブル44の各レコードは、当該レコードに割当てられる文書IDを記憶するための文書IDフィールドと、当該レコードが項目データテーブル44に追加された日付を記憶するための登録日付フィールドと、当該レコードに割当てられる帳票ID及び項目IDをそれぞれ記憶するための帳票IDフィールド及び項目IDフィールドと、当該レコードに対応する項目の処理対象領域のうちの始点水平座標及び始点垂直座標並びに幅及び高さをそれぞれ記憶する始点水平座標フィールド及び始点垂直座標フィールド並びに幅フィールド及び高さフィールドと、当該レコードに割当てられる帳票ID及び項目IDに対応する項目において、OCR等処理を実行したときの認識率を記憶するための認識率フィールドとを含む。
【0075】
ここで、認識率とは、OCR等処理を実行したときの、認識の精度を表す指標である。一般的には、OCR等処理においては、コンピュータの記憶装置内で、候補となる多くの複数の文字(以下、「候補文字」と呼ぶ。)が予め登録されている。OCR等処理で、画像内の処理対象領域内に表示されている文字が、どの文字に該当するかを判別するときは、領域内の文字が、いずれの候補文字のパターンに類似しているかを調べ、最も似通っている候補文字を、認識結果として出力する。その場合、候補文字にどれだけ似通っているかを数字で表したものが、認識率と呼ばれてる。本実施の形態においては、認識率は0~100までの範囲の数であるものとし、認識率が100に近いほど、候補文字によく似ており、認識結果の精度が高いと言える。逆に、認識率が0に近いほど、領域内の文字は、どの候補文字に該当するか判別することが困難であり、認識結果の精度は低いと言える。
【0076】
認識率については、本発明の本質的事項ではないため、認識率の算出方法の詳細な説明は、ここでは省略する。
【0077】
再び
図6を参照して、項目データテーブル44はさらに、当該レコードに対応する帳票の項目でOCR等処理による、認識の結果を記憶するための読込時結果フィールドと、当該レコードに対応する帳票の項目に対して、ユーザによって変更された文字列を記憶するための確定結果フィールドとを含む。
【0078】
健康診断票20の性別、及び健康診断票22の顎関節等の項目のように、1つの項目の中に、選択すべき対象が複数ある場合には、項目データテーブル44のレコードの読込時結果フィールドには、選択された対象の文字が入力されるものとする。
【0079】
例えば、項目が性別である場合には、項目データテーブル44のレコードの読込時結果フィールドには、「男」及び「女」のいずれかが記憶され、項目が顎関節等である場合には、項目データテーブル44のレコードの読込時結果フィールドには、「0」~「2」のいずれかが記憶されるものとする。
【0080】
本実施の形態において、健康診断票20の性別、及び健康診断票22の顎関節等の項目のように、1つの項目の中に、選択すべき対象が複数ある場合には、1つの項目につき、各対象には1以上の互いに異なる整数が割当てられるものとする。そのようにして割当てられる数を、「項目連番」と呼ぶことにする。
【0081】
例えば、項目が性別である場合には、「男」及び「女」の対象については、項目連番としてそれぞれ1及び2が割当てられ、項目が顎関節等である場合には、「0」~「2」までの対象については、項目連番として、それぞれ1~3までの数が割当てられるものとする。
【0082】
性別、「顎関節」、「歯列・咬合」、「歯垢の状態」及び「歯肉の状態」以外の、OCR処理をする項目に関しては、選択すべき対象はないが、OCR処理をする項目に対しては、対象は1つだけであるものとして、項目連番は1と定めることとする。
【0083】
項目サブデータテーブル46は、各項目の項目連番に関する情報を記憶するためのテーブルである。
図7は、項目サブデータテーブル46の構成を示す図である。
図7を参照して、項目サブデータテーブル46は、文書ID、帳票ID、項目ID及び項目連番の1つの組合せに対して、1つのレコードが割当てられる。項目サブデータテーブル46の各レコードは、当該レコードに対応する文書IDを記憶するための文書IDフィールドと、当該レコードが追加された日付を記憶するための登録日付フィールドと、当該レコードに対応する帳票ID、項目ID及び項目連番をそれぞれ記憶するための帳票IDフィールド、項目IDフィールド及び項目連番フィールドと、当該レコードの帳票ID、項目ID及び項目連番に対応する対象に対して、OCR等処理の認識結果を記憶するための読込時結果フィールドと、当該レコードの帳票ID、項目ID及び項目連番に対応する対象に対して、ユーザによって変更された結果を記憶するための確定結果フィールドとを含む。
【0084】
OCR処理がなされる項目に関しては、項目サブデータテーブル46の読込時結果フィールド及び確定結果フィールドの値は、空白であるものとする。OMR処理がなされる項目に関しては、OMR処理により〇印が付されたと判断された対象のレコードのみに対して、項目サブデータテーブル46の読込時結果フィールドには当該対象の文字が入力され、それ以外の対象のレコードの読込時結果フィールドは空白となる。
【0085】
例えば、項目が性別である場合には、「女」のほうに〇印が付されていれば、項目連番が2であるレコードの読込時結果フィールドには「女」の文字が入力され、項目連番が1であるレコードの読込時結果フィールドには空白が入力される。
(端末装置14の記憶装置56の構成)
【0086】
記憶装置56は、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に記憶すべき情報を記憶するための記憶領域である項目毎編集情報領域62と、1ページ分の健康診断票の画像データを記憶するための記憶領域である処理画像領域64と、処理画像領域64に記憶されている画像ページに対応する帳票IDを、記憶するための領域である処理対象帳票ID領域66とを含む。
(ソフトウェア構成)
【0087】
図8は、端末装置14のプログラム構成をフローチャート形式で示す図である。これらのプログラムは、端末装置14の記憶装置56に記憶されており、端末装置14の制御装置54によって実行される。
【0088】
図8を参照して、このプログラムは、端末装置14のアプリケーションプログラムであり、端末装置14のユーザに起動指示されることにより、サーバ装置12の帳票画像記憶部48に記憶されているPDFファイルのいずれかをユーザに選択させるための画面を、表示装置52のディスプレイに表示するステップ200を含む。
【0089】
図14(A)及び(B)は、ステップ200において表示される画面の例を示す図である。
図14(A)を参照して、表示装置52のディスプレイには、アプリケーションウィンドウ500が表示される。アプリケーションウィンドウ500には、サーバ装置12内におけるPDFファイルのパスを入力するためのテキストボックス502と、「小学生」及び「中学生」のいずれか一方をユーザに選択させるためのリストボックス504と、OCR等処理の開始をユーザに指示させるためのボタン506とが、配置されている。
【0090】
図14(B)を参照して、マウスポインタがリストボックス504の位置にある状態で、ユーザがマウスクリックした場合、「小学生」及び「中学生」の文字列が並んで記載された四角形の枠が出現する。その四角形の枠が現れた状態で、いずれかの文字列がマウスクリックされることによって、ユーザは、学校種別を選択することができる。
【0091】
再び
図8を参照して、このプログラムはさらに、ステップ200の後、ボタン506がマウスクリックされるまで待機するステップ202と、ステップ202において、ボタン506がマウスクリックされた場合(YESの場合)に、テキストボックス502に入力されたパスでPDFファイルが存在するか否かの信号をサーバ装置12から受信し、ファイルが存在するという信号であるか否かを判定して、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ204とを含む。
【0092】
このプログラムはさらに、ステップ204において、ファイルが存在するという信号ではないと判定された場合に(NOの場合)、その旨を示すエラーメッセージを表示装置52のディスプレイに表示して、プログラムの制御をステップ202に戻すステップ208を含む。
【0093】
このプログラムはさらに、ステップ204において、ファイルが存在するという信号であると判定された場合に(YESの場合)、サーバ装置12からPDFファイルを受信し、当該PDFファイルの1ページ目の画像データを処理画像領域64に記憶するステップ206と、ステップ206のあと、処理画像領域64に記憶されている画像データが「0001」~「0004」のいずれの帳票IDに該当するかを判定する帳票識別処理を実行して、当該画像データに該当する帳票IDを処理対象帳票ID領域66に記憶するステップ220と、ステップ220の後、項目領域定義テーブル42から、処理対象帳票ID領域66の帳票IDに合致するレコードを取得して、取得したレコードにしたがって、画像データに対してOCR等処理を実行するステップ210と、ステップ210の後、OCR等処理の認識結果を表示装置52のディスプレイに表示するステップ212とを含む。ステップ220、ステップ210及びステップ212の処理の詳細については、後述する。
【0094】
図15は、ステップ212において表示装置52のディスプレイに示される画面の一例を示す図である。
図15を参照して、表示装置52のディスプレイには、アプリケーションウィンドウ520が表示される。アプリケーションウィンドウ520には、画像データを表示するための領域522と、OCR等処理の認識結果を表示するための領域524とが、配置されている。
【0095】
領域524には、OCR処理がなされる1つの項目に対して、1行2列のテキストエリアが割当てられれ、OMR処理がなされる項目に関しては、1つの項目連番に対して、1行2列のテキストエリアが割当てられる。
【0096】
領域524内に、すべての項目及び項目連番についてのテキストエリアを表示しきれないときは、領域524内の右端にスクロールバーが設けられ、マウスのドラッグ操作等によってスクロールバーが上下にスライドされることによって、すべてのテキストエリアを表示することが可能であるものとする。
【0097】
1行分のテキストエリアにおいては、1列目には当該項目の名称が表示され、2列目には当該項目の認識結果が表示される。テキストエリアの2列目は、ユーザによってキーボードが操作されることによって、編集可能となっている。
【0098】
OCR処理がなされる項目に関しては、テキストエリアの2列目には、OCR処理により認識された文字列が表示される。
【0099】
OMR処理がなされる項目に関しては、テキストエリアの1列目には、項目の名称と、選択されるべき対象の文字とが表示される。例えば、項目が性別である場合は、テキストエリアの1列目には、「性別_男」及び「性別_女」と表示される。OMR処理がなされる項目に関しては、テキストエリアの2列目には、チェックボックスが表示される。画像内で〇印のマークが付されている対象のチェックボックスがONとして表示され、それ以外の対象のチェックボックスはOFFとして表示される。チェックボックスの状態も、ユーザによりマウスクリック等の操作がなされることによって、変更可能である。チェックボックスがOFFになっている箇所にマウスポインタが移動されて、マウスクリックされると、当該箇所のチェックボックスはONとして表示され、それ以外の対象のチェックボックスはOFFとして表示される。
【0100】
領域520にはさらに、領域524のテキストエリアの2列目がユーザによって編集されているときに、画像データ中のうち、編集されている項目の箇所を拡大して表示するための領域526と、領域524に表示された変更内容を、サーバ装置12の項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に追加する処理の実行を開始するためのボタン528とが、配置されている。
【0101】
再び
図8を参照して、このプログラムはさらに、ステップ212の後、ボタン528がマウスクリックされたことに応答して、領域524で変更された内容を、サーバ装置12の項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に追加する処理を実行するステップ214を含む。ステップ214の処理の詳細については、後述する。
【0102】
このプログラムはさらに、ステップ214の後、サーバ装置12から受信したPDFファイルのうち、ステップ220及びステップ210~ステップ214の処理がなされていないページがないか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ216と、ステップ216において、処理がなされていないページがあると判定された場合に(NOの場合)、次のページの画像を、処理画像領域64に記憶して、プログラムの制御をステップ220に戻すステップ218とを含む。ステップ216において、処理がなされていないページがないと判定された場合(YESの場合)、このプログラムは終了する。
【0103】
図9は、
図8に示すステップ220の詳細なフローを示す図である。
図9を参照して、このルーチンは、変数Iに1を代入するステップ230と、ステップ230の後、サーバ装置12から帳票識別情報テーブル40の全レコードを取得するステップ232と、ステップ232の後、取得したレコードのうちのI行目のレコードで定義されている処理対象領域で、OCR処理を実行するステップ234とを含む。
【0104】
このルーチンはさらに、ステップ234の後、I行目のレコードの認識文字列フィールドの値と、ステップ234での認識結果とが一致しているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ236と、ステップ236において、一致していると判定された場合に(YESの場合)、I行目のレコードの学校種別フィールドの値と、リストボックス504で選択された学校種別とが一致するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ238とを含む。
【0105】
このルーチンはさらに、ステップ236において一致しないと判定された場合か(NOの場合)、又は、ステップ238において一致しないと判定された場合に(NOの場合)、変数Iに1を加算して、プログラムの制御をステップ234に戻すステップ244を含む。
【0106】
このルーチンはさらに、ステップ238において、一致すると判定された場合に(YESの場合)、I行目のレコードの帳票IDフィールドの値を、処理対象帳票ID領域66に記憶して、このルーチンを終了するステップ242を含む。
【0107】
図10は、
図8に示すステップ210の詳細なフローを示す図である。
図10を参照して、このルーチンは、サーバ装置12の項目領域定義テーブル42から、帳票IDフィールドが、処理対象帳票ID領域66に記憶されている帳票IDと一致するレコードを取得するステップ260と、ステップ260の後、ステップ260で取得したレコードの総数を、変数Nに代入するステップ262と、ステップ262の後、記憶装置56において、項目毎編集情報領域62のための記憶領域を確保するステップ264とを含む。
【0108】
以下、ステップ264の具体的な処理の内容について、述べる。
【0109】
ステップ264においては、配列変数DOCID[1]~DOCID[N]、ITEMID[1]~ITEMID[N]、ITEMNAME[1]~ITEMNAME[N]、STARTHORCOORD[1]~STARTHORCOORD[N]、STARTVERCOORD[1]~STARTVERCOORD[N]、WIDTH[1]~WIDTH[N]、HEIGHT[1]~HEIGHT[N]、RATE[1]~RATE[N]、及びNUM[1]~NUM[N]のための記憶領域が、記憶装置56において確保される。また、Aを1~Nまでの値をとる整数とし、Bを1~3までの値をとる整数とすると、ステップ264においては、任意のA及びBについて、2次元配列変数RECRESULT[A,B]、CONFRESULT[A,B]、RECFRAG[A,B]及びCONFFRAG[A,B]のための記憶領域が、記憶装置56において確保される。それらの配列変数にどのような値が代入されるかは、後述する。
【0110】
このルーチンはさらに、ステップ264の後、変数Iに1を代入するステップ266と、ステップ266の後、ステップ260で取得したレコードのうちI行目のレコードの読取形式フィールドの値が「文字認識」であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ268と、ステップ268において「文字認識」であると判定された場合に(YESの場合)、当該I行目のレコードで定義されている処理対象領域で、画像データに対してOCR処理を実行して、認識結果と認識率とを出力するステップ270と、ステップ270の後、I行目のレコードの各フィールドの値とOCR処理の結果とを、項目毎編集情報領域62に記憶するステップ272とを含む、
以下、ステップ272の処理の詳細について、述べる。
【0111】
ステップ272においては、当該I行目のレコードの帳票IDフィールド、項目IDフィールド、項目名称フィールド、始点水平座標フィールド、始点垂直座標フィールド、幅フィールド、及び高さフィールドの値が、配列変数DOCID[I]、ITEMID[I]、ITEMNAME[I]、STARTHORCOORD[I]、STARTVERCOORD[I]、WIDTH[I]、及びHEIGHT[I]にそれぞれ代入される。また、ステップ272においては、NUM[I]に1が代入される。NUM[I]が1である場合は、その項目は、OCR処理すべき項目であることを意味する。さらに、ステップ272においては、ステップ270において出力された認識結果が、2次元配列変数RECRESULT[I,1]及びCONFRESULT[I,1]の両方に代入され、ステップ270において出力された認識率は配列変数RATE[I]に代入される。
【0112】
このルーチンはさらに、ステップ268において「文字認識」ではないと判定された場合に(NOの場合)、当該I行目のレコードで定義されている処理対象領域で、画像データに対してOMR処理を実行して、当該項目に配置されている複数の対象のうち、いずれの対象に〇印のマークが付されているかを認識し、認識結果を項目連番として出力して、認識率を出力するステップ274を含む。
【0113】
ステップ274においては、具体的には、項目が性別であった場合に、画像内で「男」に〇印が付されたていたときは、項目連番として1を出力し、画像内で「女」に〇印が付されていたときは、項目連番として2を出力するものとする。ステップ274においては、項目が「顎関節」であった場合に、画像内で「0」に〇印が付されたていたときは、項目連番として1を出力するものとし、その他のOMR処理すべき項目についても同様とする。
【0114】
このルーチンはさらに、ステップ274の後、当該I行目のレコードの値とステップ274の出力結果とを、項目毎編集情報領域62に記憶するステップ276を含む。
以下、ステップ276の処理の詳細について、述べる。
【0115】
ステップ276においては、当該I行目のレコードの帳票IDフィールド、項目IDフィールド、項目名称フィールド、始点水平座標フィールド、始点垂直座標フィールド、幅フィールド、高さフィールド、及び選択個数フィールドの値が、配列変数DOCID[I]、ITEMID[I]、ITEMNAME[I]、STARTHORCOORD[I]、STARTVERCOORD[I]、WIDTH[I]、HEIGHT[I]、及びNUM[I]にそれぞれ代入される。また、ステップ276においては、ステップ274において出力された項目連番の数をCとすると、RECFRAG[I,C]に1が代入され、RECFRAG[I,1]~RECFRAG[I,3]のうち、RECFRAG[I,C]以外の変数には0を代入する。RECFRAG[I,B]が1である場合は、その項目のうち、項目連番がBの対象に対して、〇印のマークが付されていることを意味する。さらに、ステップ276においては、ステップ274において出力された項目連番の数をCとすると、CONFFRAG[I,C]に1が代入され、CONFFRAG[I,1]~、CONFFRAG[I,3]のうち、CONFFRAG[I,C]以外の変数には0を代入する。RECRESULT[I,1]~RECRESULT[I,3]には、当該項目のうち、選択される対象の文字がぞれぞれ代入されるものとする。例えば、項目が性別であれば、RECRESULT[I,1]及びRECRESULT[I,2]には、それぞれ「男」及び「女」が代入され、項目が顎関節等であれば、RECRESULT[I,1]及びRECRESULT[I,2]には、それぞれ「0」~「2」が代入される。さらに、ステップ276においては、ステップ274において出力される認識率は、RATE[I]に代入される。
【0116】
このルーチンはさらに、ステップ272又はステップ276の後、変数Iが変数N以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ278と、ステップ278において、変数Iが変数N以上ではないと判定された場合に(NOの場合)、変数Iに1を加算して、プログラムの制御をステップ268に戻すステップ280とを含む。ステップ278において、変数Iが変数N以上であると判定された場合(YESの場合)、このルーチンは終了する。
【0117】
図11は、
図8に示すステップ212の詳細なフローを示す図である。
図11を参照して、このルーチンは、表示装置52のディスプレイからアプリケーションウィンドウ500を消去して、アプリケーションウィンドウ520を表示し、処理画像領域64の画像を領域522に表示するステップ300と、ステップ300の後、処理画像領域64の画像のうち、STARTHORCOORD[1]、STARTVERCOORD[1]、WIDTH[1]及びHEIGHT[1]で定義される処理対象領域のあたりの拡大画像を領域526に表示するステップ302と、ステップ302の後、変数Iに1を代入するステップ304と、ステップ304の後、NUM[I]が1より大きいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ306とを含む。NUM[I]が1である場合は、その項目は、OCR処理すべき項目であることを意味し、NUM[I]が1より大きい場合は、その項目は、OMR処理すべき項目であり、選択すべき対象が複数あるということを意味する。
【0118】
このルーチンはさらに、ステップ306において、NUM[I]が1より大きいと判定された場合に(YESの場合)、変数Jに1を代入するステップ310と、ステップ310の後、領域524の上から順番に、1列目及び2列目のテキストエリアに、ITEMNAME[I]とアンダーバーの記号とRECRESULT[I,J]とを結合させた文字列、及びチェックボックスを表示するステップ312とを含む。
【0119】
ステップ312においては、具体的には、RECFRAG[I,J]の値が0であれば、チェックボックスをOFFにしたものを2列目のテキストエリアに表示し、RECFRAG[I,J]の値が1であれば、チェックボックスをONにしたものを2列目のテキストエリアに表示する。
【0120】
当該テキストエリアには、変数I及び変数Jの値が、属性情報として保存されるものとする。ステップ312において生成されたチェックボックスが、ユーザによる操作によってON及びOFFのいずれかに変更された場合は、変数I及び変数Jの値は、それぞれ「第1の指数」及び「第2の指数」として、記憶装置56に記憶されるものとする。
【0121】
このルーチンはさらに、ステップ312の後、NUM[I]が変数J以下であるか否かを判定し、判定結果に応じて、制御の流れを分岐させるステップ314と、ステップ314において、NUM[I]が変数J以下ではないと判定された場合に(NOの場合)、変数Jに1を加算して、このルーチンの制御をステップ312に戻すステップ316とを含む。
【0122】
このルーチンはさらに、ステップ306において、NUM[I]が1より大きくないと判定された場合に(NOの場合)、領域524の上から順番に、テキストエリアの1列目及び2列目に、それぞれITEMNAME[I]及びRECRESULT[I,1]の値を表示するステップ308と、ステップ308の後の場合か、又は、ステップ314においてNUM[I]が変数J以下であると判定された場合に(YESの場合)、RATE[I]の値に応じて、当該テキストエリアの色彩を変更するステップ318とを含む。
【0123】
ステップ318においては、RATE[I]が20以下の場合は、テキストエリアの背景色を赤色で表示し、RATE[I]が20より大きく、かつ、RATE[I]が40以下である場合は、テキストエリアの背景色を橙色で表示し、RATE[I]が40より大きく、かつ、RATE[I]が60以下である場合は、テキストエリアの背景色を桃色で表示し、RATE[I]が60より大きく、かつ、RATE[I]が80以下である場合は、テキストエリアの背景色を黄色で表示し、RATE[I]が80より大きい場合は、テキストエリアの背景色を白色で表示する。
【0124】
このルーチンはさらに、ステップ318の後、変数Iの値が変数Nの値以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ320と、ステップ320において、変数Iの値が変数Nの値以上ではないと判定された場合に(NOの場合)、変数Iに1を加算して、このルーチンの制御をステップ306に戻すステップ322とを含む。ステップ320において、変数Iの値が変数Nの値以上であると判定された場合(YESの場合)、このルーチンは終了する。
【0125】
図12は、
図8に示すステップ214の詳細なフローを示す図である。
図12を参照して、このルーチンは、アプリケーションウィンドウ520のボタン528が、ユーザ操作によってマウスクリックされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ340と、ステップ340において、ボタン528がマウスクリックされていないと判定された場合に(NOの場合)、領域524のテキストエリアのいずれかの2列目が、ユーザ操作によって編集されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ342とを含む。ステップ342において、テキストエリアの2列目のいずれかもが編集されていないと判定された場合は(NOの場合)、このルーチンの制御はステップ340に戻る。
【0126】
ステップ340において、項目が編集されたとは、OCR処理がなされる項目に関しては、文字列が編集されたことを意味し、OMR処理がなされる項目に関しては、領域524のテキストエリアにおいて、当該項目に属する複数の対象のいずれか1つのチェックボックスがONになり、それ以外の対象のチェックボックスがOFFになることを意味する。
【0127】
このルーチンはさらに、ステップ342において、テキストエリアの2列目のいずれかが編集されたと判定された場合に(YESの場合)、記憶装置56に記憶されている「第1の指数」の値を変数Iに代入し、STARTHORCOORD[I]、STARTVERCOORD[I]、WIDTH[I]及びHEIGHT[I]で定義される処理対象領域の周辺を拡大した拡大画像を領域526に表示するステップ344と、ステップ344の後、NUM[I]が1であるか否かを判定するステップ346と、ステップ346において、NUM[I]が1であると判定された場合(YESの場合)、編集された後の文字列をCONFRESULT[I,1]に代入して、このルーチンの制御をステップ340に戻すステップ348とを含む。
【0128】
このルーチンはさらに、ステップ346において、NUM[I]が1ではないと判定された場合に(NOの場合)、記憶装置56に記憶されている「第2の指数」の値を変数Jに代入するステップ350と、ステップ350の後、CONFFRAG[I,J]に1を代入し、CONFFRAG[I,1]~CONFFRAG[I,3]のうち、CONFFRAG[I,J]以外の変数に0を代入して、このルーチンの制御をステップ340に戻すステップ352とを含む。
【0129】
このルーチンはさらに、ステップ340において、ボタン528がマウスクリックされたと判定された場合に(YESの場合)、項目毎編集情報領域62に記憶されているデータを、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に追加して、このルーチンを終了するステップ354を含む。
【0130】
図13は、
図12に示すステップ354の詳細なフローを示す図である。
図13を参照して、このルーチンは、変数Iに1を代入するステップ370と、ステップ370の後、変数Jに1を代入するステップ372と、ステップ372の後、項目データテーブル44のレコードの中で、文書IDフィールドが最大の数を、サーバ装置12から取得するステップ374と、ステップ374の後、ステップ374で取得した最大数に1を加算した数を、変数Xに代入するステップ376と、ステップ376の後、NUM[I]が1より大きいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ378とを含む。
【0131】
このルーチンはさらに、ステップ378において、NUM[I]が1より大きくないと判定された場合に(NOの場合)、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に、レコードを1つずつ追加するステップ380を含む。
【0132】
ステップ380においては、具体的には、文書IDフィールド、登録日付フィールド、帳票IDフィールド、項目IDフィールド、始点水平座標フィールド、始点垂直座標フィールド、幅フィールド、高さフィールド、認識率フィールド、読込時結果フィールド、及び確定結果フィールドの値を、それぞれ、変数Xの値、ステップ380の処理を開始したときの日付、DOCID[I]、ITEMID[I]、STARTHORCOORD[I]、STARTVERCOORD[I]、WIDTH[I]、HEIGHT[I]、RATE[I]、RECRESULT[I,1]及びCONFRESULT[I,1]とした1つのレコードを、項目データテーブル44に追加する。
【0133】
ステップ380においては、その後、文書IDフィールド、登録日付フィールド、帳票IDフィールド、項目IDフィールド、項目連番フィールド、読込時結果フィールド及び確定結果フィールドの値を、それぞれ、変数Xの値、ステップ380の処理の実行を開始したときの日付、DOCID[I]、ITEMID[I]、1、空白、及び空白としたレコードを、項目サブデータテーブル46に追加する。
【0134】
このルーチンはさらに、ステップ378において、NUM[I]が1より大きいと判定された場合に(YESの場合)、変数Jに1を代入するステップ382と、ステップ382の後、項目サブデータテーブル46に、1つのレコードのデータを追加するステップ384とを含む。
以下に、ステップ384の処理の詳細について、述べる。
【0135】
ステップ384においては、先ずは、CONFFRAG[I,J]の値が0であるときは、RECRESULT[I,J]及びCONFRESULT[I,J]に空白文字を代入する。ステップ384においては、その後、文書IDフィールド、登録日付フィールド、帳票IDフィールド、項目IDフィールド、項目連番フィールド、読込時結果フィールド及び確定結果フィールドの値を、それぞれ、変数Xの値、ステップ384の処理の実行を開始したときの日付、DOCID[I]、ITEMID[I]、変数Jの値、RECRESULT[I,J]及びCONFRESULT[I,J]としたレコードを、項目サブデータテーブル46に追加する。
【0136】
このルーチンはさらに、ステップ384の後、CONFFRAG[I,J]が1であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ386と、ステップ386において、CONFFRAG[I,J]が1であると判定された場合に(YESの場合)、項目データテーブル44に、1つのレコードのデータを追加するステップ388とを含む。
【0137】
ステップ388の処理の内容は、ステップ380とほぼ同様であるが、読込時結果フィールド、及び確定結果フィールドの値を、それぞれRECRESULT[I,J]及びCONFRESULT[I,J]とした1つのレコードを、項目データテーブル44に追加する点において、異なる。
【0138】
このルーチンはさらに、ステップ388の後の場合か、又は、ステップ386において、CONFFRAG[I,J]が1でないと判定された場合に(NOの場合)、変数Jに1を加算するステップ390と、ステップ390の後、NUM[I]が変数Jより小さいか否かを判定するステップ392とを含む。ステップ392において、NUM[I]が変数Jより小さくないと判定された場合は(NOの場合)、このルーチンの制御はステップ384に戻る。
【0139】
このルーチンはさらに、ステップ380の後の場合か、又は、ステップ392において、NUM[I]が変数Jより小さいと判定された場合に(YESの場合)、変数Iが変数N以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ394と、ステップ394において、変数Iが変数N以上ではないと判定された場合に(NOの場合)、変数Iに1を加算して、このルーチンの制御をステップ378に戻すステップ396とを含む。ステップ394において、変数Iが変数N以上であると判定された場合は(YESの場合)、このルーチンは終了する。
【0140】
以上により、端末装置14は、健康診断票20及び健康診断票22に記載されたデータをOCR等の処理で認識することによって、健康診断票に記載されているデータをサーバ装置12に正確に記憶して管理させるための画像情報認識装置として機能する。
(動作)
【0141】
図1~
図17を参照して、上記した構成を持つ、本実施の形態に係るシステム10は、以下のように動作する。なお、帳票識別情報テーブル40及び項目領域定義テーブル42には、それぞれ、
図4及び
図5に示すような情報が、予め記憶されているものとする。また、帳票画像記憶部48には、健康診断票の画像データのPDFファイルが、予め記憶されているものとする。
【0142】
ユーザは、端末装置14を操作することによって、
図8に示すフローチャート図によるプログラムの起動指示をする。端末装置14の表示装置52のディスプレイには、
図14(A)に示すアプリケーションウィンドウ500が表示される(
図8に示すステップ200)。ユーザは、アプリケーションウィンドウ500内のテキストボックス502に、サーバ装置12に記憶されているPDFファイルのパスを入力して、「小学生」及び「中学生」のいずれの項目に対してOCR等処理を実行させるかを、リストボックス504で選択する。
【0143】
ユーザが、マウス操作によって、ボタン506をマウスクリックしても(
図8に示すステップ202においてYES)、入力されたパスでのPDFファイルが存在しない場合は(
図8に示すステップ204においてNO)、端末装置14は、その旨のエラーメッセージを表示する(
図8に示すステップ208)。
【0144】
ユーザが、マウス操作によって、ボタン506をマウスクリックし、入力されたパスでPDFファイルが存在する場合は(
図8に示すステップ204においてYES)、端末装置14は、指定されたPDFファイルの1ページ目の画像が、健康診断票20に該当すると認識し、リストボックス504で指定された学校種別に応じて、画像データ内の各項目に対してOCR等処理を実行する(
図8に示すステップ206、ステップ220及びステップ210、
図9に示すステップ230~ステップ244、並びに
図10に示すステップ260~ステップ280)。
【0145】
リストボックス504で「小学生」が選択されている場合は、氏名、性別、生年月日、学校の名称、及び6歳~11歳までの診断結果の各記入項目に対して、OCR等処理が実行される。リストボックス504で「中学生」が選択されている場合は、氏名、性別、生年月日、学校の名称、及び12歳~14歳までの診断結果の各記入項目に対して、OCR等処理が実行される。
【0146】
端末装置14は、OCR等処理を実行した後、アプリケーションウィンドウ520を表示装置52のディスプレイに表示し、OCR等処理の結果を領域524に表示する(
図8に示すステップ212、及び
図11に示すステップ300~ステップ322)。
【0147】
ユーザは、キーボード等の操作によって、領域522に表示された健康診断票の画像及び領域526に表示された拡大画像を参照しながら、領域524内のテキストエリアの、2列目の箇所を変更する。領域524内の2列目のテキストエリア内の内容が変更された場合は、変更された内容を記憶装置56の項目毎編集情報領域62に記憶する(
図12に示すステップ342においてYES、及びステップ344~ステップ352)。
【0148】
ユーザは、ボタン528をマウスクリックすると(
図12に示すステップ340においてYES)、端末装置14は、領域524において変更された内容のデータを、サーバ装置12の項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に追加する(
図12に示すステップ354及び
図13に示すステップ370~396)。
【0149】
端末装置14は、PDFファイルの2ページ目の画像について、ほぼ同様の処理を実行するが、OCR等処理を実行する場合に、健康診断票20ではなく、健康診断票22の画像に対してOCR等処理をする点において異なる(
図8に示すステップ216においてNO、ステップ218、ステップ220、及びステップ210~ステップ214)。OCR等処理がなされる場合、「小学生」が選択されているときは、氏名、性別、生年月日、学校の名称、及び6歳~11歳までの診断結果の各記入項目に対してOCR等処理が実行され、リストボックス504で「中学生」が選択されているときは、氏名、性別、生年月日、学校の名称、及び12歳~14歳までの診断結果の各記入項目に対してOCR等処理が実行される。
【0150】
その後、アプリケーションは終了する。上記の端末装置14の動作により、1人の被験者の分の、健康診断票20及び健康診断票22の診断結果が、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に記憶される。
【0151】
端末装置14は、ユーザにより、上記プログラムの起動指示が繰り返されることによって、多数の被験者の分の、健康診断票20及び健康診断票22の診断結果が、自動的に項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に記憶される。
【0152】
それによって、ユーザは、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46を用いることによって、各被験者の小学校1年生~6年生まで及び中学校1年生~3年生までの健康診断票の診断結果を、時系列に縦断的に管理することが可能である。また、多数の被験者の分の健康診断票の診断結果が、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に記憶されるので、多数の被験者の集団としてのビッグデータの構築が可能となる。
【0153】
ユーザは、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に記憶されているデータに対して、種々の分析を行なう。
【0154】
以上により、本発明の実施の形態にかかるシステム10を用いれば、OCR等処理で健康診断情報を電子データ化できるのみでなく、小学校及び中学校の義務教育9年間に学校現場で発生した健康診断情報を、縦断データ化する処理まで自動化することができる。それによって、現場での健康診断情報の電子化にかかる課題を飛躍的に解決できる。
【0155】
つまり、本発明の実施の形態にかかるシステム10によって、自動的に縦断データ化が可能であるため、教育や保健の現場で特殊な技能を要することなく本発明の目的を達成することができる。
【0156】
このことは、児童及び生徒の、現在及び将来の個別の健康管理に有益であるとともに、健康関連ビックデータ構築における精緻化及び高速化と省力化を同時に実現する。
【0157】
即ち、本発明によって、健康診断情報が発生した現場で、情報の電子化のみならず時系列リンケージによる縦断データ化を簡単な動作で高速で実現する。情報が発生する現場で縦断データ化された個票データをリアルタイムで作成できることは、行政における健康関連ビックデータ構築を飛躍的に促進させ、各自治体においても健康関連ビックデータ構築が可能となり、データヘルス計画を加速させる効果が見込める。
(健康診断票の別の例)
【0158】
健康診断票20の身長及び体重の各記入欄においては、四角枠の中心に、点が予め印刷されている。このような場合、身長及び体重の項目に対してOCR処理を実行すると、四角枠の中心に印刷されている点は、半角の小数点として認識されず、全角の「・」の文字として認識される可能性が高い。そのため、アプリケーションウィンドウ520の領域524において、身長及び体重の認識結果で、全角の「・」として認識された場合は、半角の小数点に変更する必要があるという課題がある。
【0159】
また、健康診断票22において、OMR処理をすべき項目については、記入欄には「0」~「2」の文字が縦書きで表示されている。OMR処理を実行するとき、縦書きで表示された項目については、認識の精度が低くなるという課題がある。
【0160】
さらに、健康診断票22において、歯式の各項目においては、当該項目の四角形の枠内に数字及びアルファベットの文字が予め印刷されており、診断結果を入力するときは、四角形の枠内の文字の上に重ねて、「/」、バックスラッシュ、「C」及び「CO」等の文字がペン等で記載されることとなっている。このような場合にOCR処理を実行したとしても、正しく文字の認識をすることは困難である。
そこで、以下に示す健康診断票が提案される。
【0161】
図18及び
図19は、上記した課題を解決するための健康診断票の一例を示す図である。
図18を参照して、健康診断票600の身長及び体重の記入欄には、四角形の枠の中に垂直方向の区切り線が印刷され、1桁ずつ数字を入力できるようになっており、また、四角形の枠の、下側の線の近くに点が印刷されている。そのように印刷されることによって、予め印刷された点が、半角の小数点として認識される可能性が高くなる。
【0162】
図19を参照して、健康診断票602において、顎関節等のようにOMR処理をすべき項目については、「0」~「2」の数字が横書きで予め印刷されることとしている。このように横書きで印刷することによって、それらの項目について認識率が向上することにつながる。
【0163】
また、健康診断票602において、各年齢での歯式の記入項目に関しては、数字又はアルファベットを囲んでいる四角形の枠の上側か又は下側に、内部が空白の四角形の枠が予め配置されており、それら空白の四角形の枠内に、「/」、バックスラッシュ、「C」及び「CO」等の文字をペン等で記載すれば良いようになっている。そのような配置にすると、文字が重なって表示されることもなく、各記入項目にOCR処理を実行すると、正しく文字を認識できる可能性が高くなる。
【0164】
健康診断票600及び健康診断票602をも利用される場合、健康診断票600及び健康診断票602を識別するための情報を帳票識別情報テーブル40に追加し、各項目の処理対象領域等の情報を項目領域定義テーブル42に追加すればよい。
【0165】
図16~
図19に示す健康診断票に記録される情報は、被験者が小学校及び中学校に通っているときの、健康に関する情報であるため、以後、それらの情報を「学校保健情報」と呼ぶことにする。
[第2の実施の形態]
【0166】
図20は、本発明の第2の実施の形態にかかるシステム700の構成を示す図である。
図20を参照して、システム700は、第1の実施の形態にかかるシステム10とほぼ同様の構成であるが、サーバ装置12に代えて、ネットワーク18に接続され、学校保健情報だけでなく、妊婦及び乳幼児の健康情報を電子データとしてさらに管理するサーバ装置708を含む点において異なる。
【0167】
システム700はさらに、ネットワーク18に接続され、妊婦及び乳幼児の健康情報を電子データとして管理し、それらの情報をネットワーク18を介してサーバ装置708に送信するサーバ装置702A及びサーバ装置702B等と、ネットワーク18に接続され、サーバ装置708で管理されている情報を取得して利用者に提示する携帯端末装置706A及び706B等とを含む点において、第1の実施の形態にかかるシステム10と異なる。
【0168】
携帯端末装置706A及び706B等は、それぞれ利用者710A及び710Bによって保持され、利用者に操作されることによって、利用者に関する健康の情報を利用者に提示する。
【0169】
以後、サーバ装置702A及びサーバ装置702B等を代表して、単にサーバ装置702と呼び、携帯端末装置706A及び706B等を代表して、単に携帯端末装置706と呼ぶ。
【0170】
携帯端末装置706A及び706B等を利用する者は、主として、子供を持つ親であるものとする。
【0171】
以後、妊婦及び乳幼児が健康診断を受診した場合、そのような診断の結果に関する情報を、「母子保健情報」と呼ぶ。
【0172】
サーバ装置702及びサーバ装置708によって管理される妊婦の健康情報は、子供を持つ母親が、妊婦であるときの健康に関する情報である。また、サーバ装置702及びサーバ装置708によって管理される乳幼児の健康情報は、携帯端末装置706の利用者の子供が、乳幼児であるときの健康に関する情報である。サーバ装置708において管理される学校保健情報は、携帯端末装置706の利用者の子供が小学校及び中学校に通学しているときの、健康に関する情報である。
【0173】
小学校及び中学校が公立の学校である場合、それらの学校で実施される健康診断において取得される学校保健情報は、通常は、市町村等の自治体が利用するサーバ装置に記憶される。そのため、本実施の形態においては、サーバ装置702の利用者は、主として、市町村等の自治体であるものとする。
【0174】
妊婦及び乳幼児の健康診断は、主として診療所等の医療機関において行なわれ、母子保健情報は、通常は、医療機関で利用されるサーバ装置に記憶され、管理される。そのため、本実施の形態においては、サーバ装置702の利用者は、主として医療機関であるものとする。
【0175】
図21は、サーバ装置702の機能的構成を示すブロック図である。
図21を参照して、サーバ装置702は、サーバ装置702の制御中枢を司る、実質的にコンピュータからなる制御装置752と、何れもBusライン756を介して制御装置752に接続された、ネットワーク18を介して他の端末との間でデータの通信を行なうための通信装置754、及び、母子保健情報を含む種々の情報を記憶するための記憶装置750とを含む。
【0176】
図22は、サーバ装置708の機能的構成を示すブロック図である。
図22を参照して、サーバ装置708は、第1の実施の形態にかかるサーバ装置12とほぼ同様であるが、記憶装置30に代えて、母子保健情報をさらに含む種々の情報を記憶するための記憶装置760を含む点において、異なる。
【0177】
図23は、携帯端末装置706の機能的構成を示すブロック図である。
図23を参照して、携帯端末装置706は、例えば、電話機能を有するスマートフォン(Smartphone)からなる。携帯端末装置706は、携帯端末装置706の制御中枢を司る、実質的にコンピュータからなる制御装置778を含む。携帯端末装置706はさらに、いずれもBusライン772を介して制御装置778に接続され、サーバ装置708との間でデータの無線通信を行なう通信装置780、制御装置778が携帯端末装置706の制御に使用する種々の情報を記憶する記憶装置774、及びタッチパネルディスプレイ770を含む。
【0178】
制御装置778は、CPUと、プログラム等を記憶するためのROMと、揮発性の記憶装置であるRAMとを含み、携帯端末装置706全体を制御する。ROMには、携帯端末装置706の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータが記憶されている。制御装置778内部のCPUは、ROMからプログラムをRAM上に読出して、RAMの一部を作業領域としてプログラムを実行する。即ち、CPUは、ROMに格納されているプログラムにしたがって携帯端末装置706を構成する各部の制御を行ない、携帯端末装置706の各機能を実現する。
【0179】
携帯端末装置706の制御装置778のCPUは、ブラウザにより、サーバ装置708が提供するWebページにアクセスし、所定データ(例えば、HTML形式データ)を受信し、受信したデータから画面を生成してタッチパネルディスプレイ770に表示する。
【0180】
通信装置780は、図示しないアンテナ、RF(Radio Frequency)部、変調部及び復調部等を含む。
【0181】
記憶装置774は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置である。
【0182】
タッチパネルディスプレイ770は、タッチパネル機能を有しており、利用者が指で画面に触れることでタッチパネルディスプレイ770から携帯端末装置706に対して直接入力を行なうことが可能となっている。
【0183】
タッチパネルディスプレイ770は、Busライン772を介して制御装置778に接続され、制御装置778から与えられる表示データを表示する表示装置782を含む。表示装置782は、 例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイからなる。
【0184】
タッチパネルディスプレイ770はさらに、Busライン772を介して制御装置778に接続され、ユーザの指等が接触又は近接した点である指示点の指示面内での位置座標(タッチパネルディスプレイ770の位置座標)を抽出し、抽出した位置座標に対応した信号を生成して制御装置778に出力するタッチパネル784を含む。
【0185】
制御装置778のCPUは、ブラウザにより、サーバ装置708が提供するWebページにアクセスし、所定データ(例えば、HTML形式データ)を受信し、受信したデータから画面を生成してタッチパネルディスプレイ770に表示する。
(サーバ装置702の記憶装置750の構成)
【0186】
図24は、サーバ装置702の記憶装置750の構成を示す図である。
図24を参照して、記憶装置750は、乳幼児の氏名及び性別等からなる乳幼児の基本情報を記憶するための乳幼児基本情報テーブル800、乳幼児が生後3ヶ月~4ヶ月の間に健康診断を受診したときの健康診断の結果を記憶するための3~4ヶ月健診情報テーブル802、乳幼児が1歳6ヶ月時に健康診断を受診したときの健康診断の結果を記憶するための1歳6ヶ月時健診情報テーブル804、及び、乳幼児が3歳時に健康診断を受診したときの健康診断の結果を記憶するための3歳時健診情報テーブル806を含む。
【0187】
記憶装置750はさらに、妊婦の氏名及び性別等からなる妊婦の基本情報を記憶するための妊婦基本情報テーブル808、妊婦が健康診断を受診したときの結果を記憶するための妊婦健診情報テーブル810、及び妊婦が歯科健診を受診したときの結果を記憶するための妊婦歯科情報テーブル812を含む。
【0188】
サーバ装置702の利用者である医療機関は、乳幼児及び妊婦が当該医療機関で健康診断を受診したときに、乳幼児及び妊婦のデータが乳幼児基本情報テーブル800及び妊婦基本情報テーブル808に記憶されていない場合は、乳幼児及び妊婦の基本情報を、それら2つのテーブルにそれぞれ追加する。また、医療機関は、乳幼児及び妊婦の基本情報に変更が生じたときは、乳幼児基本情報テーブル800及び妊婦基本情報テーブル808のレコードのデータを変更したりすることができる。
【0189】
医療機関は、乳幼児及び妊婦が当該医療機関で健康診断等を受診する度に、診断の結果を、3~4ヶ月健診情報テーブル802、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804、3歳時健診情報テーブル806、妊婦健診情報テーブル810及び妊婦歯科情報テーブル812に追加する。医療機関は、3~4ヶ月健診情報テーブル802、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804、3歳時健診情報テーブル806、妊婦健診情報テーブル810及び妊婦歯科情報テーブル812のレコードのデータを変更したりすることが可能である。
(サーバ装置708の記憶装置760の構成)
【0190】
図25は、サーバ装置708の記憶装置760の構成を示す図である。
図25を参照して、記憶装置760は、第1の実施の形態にかかる記憶装置30とほぼ同様であるが、被験者の氏名、性別、生年月日及び両親の氏名等からなる被験者の基本情報を記憶するための被験者基本情報テーブル820と、サーバ装置702の記憶装置750のテーブルを記憶するための母子健康情報記憶部822とをさらに含む点において、異なる。
【0191】
被験者情報基本情報テーブル820には、被験者の基本情報が記憶されるだけでなく、帳票識別情報テーブル40、項目領域定義テーブル42、項目データテーブル44、及び項目サブデータテーブル46に記憶されている被験者の情報の中に、母子健康情報記憶部822に記憶される乳幼児と同一人物の情報がある場合は、当該被験者と当該乳幼児とを関連付けるための情報が、記憶される。そのような情報の詳細については、後述する。
(記憶装置750の各テーブルの構成)
【0192】
図26は、乳幼児基本情報テーブル800の構成を示す図である。
図26を参照して、乳幼児基本情報テーブル800は、1人の乳幼児に対して1つのレコードが割当てられる。乳幼児基本情報テーブル800の各レコードは、当該乳幼児の氏名、生年月日、性別、父親の氏名、母親の氏名、住所、電話番号及び在胎週数をそれぞれ記憶するための氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド、母氏名フィールド、住所フィールド、電話番号フィールド及び在胎週数フィールドを含む。乳幼児基本情報テーブル800の各レコードはさらに、当該乳幼児の出生時の体重、身長、頭囲及び胸囲をそれぞれ記憶するための出生体重フィールド、出生時身長フィールド、出生時頭囲フィールド及び出生時胸囲フィールドを含む。
【0193】
図27は、3~4ヶ月健診情報テーブル802の構成を示す図である。
図27を参照して、3~4ヶ月健診情報テーブル802は、ある乳幼児が生後3~4ヶ月の間である場合に健康診断を受診したときに、その1日の間に受診した健康診断の結果に対して、1つのレコードが割り当てられる。3~4ヶ月健診情報テーブル802の各レコードは、健康診断を受診した乳幼児の氏名、生年月日、性別、父親の氏名及び母親の氏名をそれぞれ記憶するための氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド及び母氏名フィールドを含む。
【0194】
3~4ヶ月健診情報テーブル802の各レコードはさらに、健康診断を受診した日及びその日における当該乳幼児の月齢をそれぞれ記憶するための健診受信日フィールド及び受診時月齢フィールドと、その日に計測された乳幼児の身長、体重、胸囲及び頭囲をそれぞれ記憶するための身長フィールド、体重フィールド、胸囲フィールド及び頭囲フィールドとを含む。
【0195】
3~4ヶ月健診情報テーブル802の各レコードはさらに、当該乳幼児が健康診断を受診したときの、医師による診察の所見の判定結果及びその結果の詳細についてそれぞれ記憶するための診察所見判定フィールド及び診察所見フィールドを含む。
【0196】
診察所見判定フィールドには、「異常なし」、「既医療」、「要経過観察」、「要精密」及び「要治療」からなる5つの文字列のうちの、いずれか1つが記憶される。診察所見判定フィールドの値が、「異常なし」、「既医療」、「要経過観察」、「要精密」及び「要治療」である場合は、それぞれ「乳幼児の健康状態に異常がないこと」、「異常があったが既に治療済みであること」、「受診後に定期的に検査が必要であること」、「精密検査が必要であること」、及び「治療が必要であること」を示す。
【0197】
診察所見フィールドには、身体的発育状況、精神発達、けいれん、運動機能、神経系及び感覚器系、血液系、皮膚、股関節、開排制限、斜頸、循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿生殖器系、代謝系、先天性の身体的特徴の各項目について、所見があるか及び所見がないかのいずれかの結果が記憶される。
【0198】
図28は、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の構成を示す図である。
図28を参照して、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804は、ある乳幼児が1歳6ヶ月である場合に健康診断を受診したときに、その1日の間に受診した健康診断の結果に対して、1つのレコードが割り当てられる。1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードは、当該乳幼児の氏名、生年月日、性別、父親の氏名及び母親の氏名をそれぞれ記憶するための氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド及び母氏名フィールドを含む。
【0199】
1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードはさらに、健康診断を受診した日及びその日における当該乳幼児の月齢をそれぞれ記憶するための健診受信日フィールド及び受診時月齢フィールドと、その日に計測された乳幼児の身長、体重、胸囲及び頭囲をそれぞれ記憶するための身長フィールド、体重フィールド、胸囲フィールド及び頭囲フィールドとを含む。
【0200】
1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードはさらに、当該乳幼児が健康診断を受診したときの、医師による診察の所見の判定結果及びその結果の詳細についてそれぞれ記憶するための診察所見判定フィールド及び診察所見フィールドを含む。1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードの診察所見判定フィールド及び診察所見フィールドに記憶される値は、3~4ヶ月健診情報テーブル802の各レコードの診察所見判定フィールド及び診察所見フィールドに記憶される値と、それぞれ同じである。
【0201】
サーバ装置702の管理者である医療機関は、1歳6ヶ月の乳幼児及び3歳の乳幼児に対して、歯科健診を実施することがある。
【0202】
1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードはさらに、当該乳幼児が歯科健診を受診したときの、診察の所見の判定結果及びその結果の詳細についてそれぞれ記憶するための歯科所見判定フィールド及び歯科所見フィールドを含む。
【0203】
歯科所見判定フィールドには、「問題なし」、「要指導」、「要経過観察」及び「要治療」からなる4つの文字列のうちの、いずれか1つが記憶される。歯科所見判定フィールドの値が、「問題なし」、「要指導」、「要経過観察」及び「要治療」である場合は、それぞれ、「歯の状態に異常がないこと」、「その後乳幼児及び両親に対して指導が必要であること」、「受診後に定期的に検査が必要であること」、及び「治療が必要であること」を示す。
【0204】
歯科所見フィールドには、「むし歯の状態」、「未処置のむし歯」の本数、及び「処置済のむし歯」の数が記憶される。むし歯の状態として記憶されるデータは、「むし歯なし」、「要注意」及び「むし歯あり」の3つの文字列のうちの、いずれか1つである。歯科所見フィールドにはさらに、「歯肉・粘膜」及び「かみ合わせ」の各項目について、「所見がある」か及び「所見がない」かのいずれかの結果が記憶される。
【0205】
サーバ装置702の管理者である医療機関は、1歳6ヶ月の乳幼児及び3歳の乳幼児に対して通常の健康診断を行なった場合に、ある乳幼児に対して精密検査の受診が必要であると判断したときは、当該乳幼児に精密検査を受診させるための日付を予め設定することがある。以後、そのように予め設定された精密検査の日付を、「精密健診依頼日付」と呼び、乳幼児が実際に精密検査を受診した日付を「精密健診受診日付」と呼ぶことにする。
【0206】
1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードはさらに、精密健診依頼日付及び精密健診受診日付をそれぞれ記憶するための精密健診依頼日付フィールド及び精密健診受診日付フィールと、精密検査の所見について記憶するための精密健診所見フィールドとを含む。
【0207】
精密健診所見フィールドには、「異常なし」、「要経過観察」及び「要医療」からなる3つの文字列のうちの、いずれか1つが記憶される。精密健診所見フィールドの値が、「異常なし」、「要経過観察」及び「要医療」である場合は、それぞれ、「健康状態に異常がないこと」、「受診後に定期的に検査が必要であること」、及び「治療が必要であること」を示す。
【0208】
図29は、3歳時健診情報テーブル806の構成を示す図である。
図29を参照して、3歳時健診情報テーブル806は、ある乳幼児が3歳である場合に健康診断を受診したときに、その1日の間に受診した健康診断の結果に対して、1つのレコードが割り当てられる。3歳時健診情報テーブル806の各レコードは、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードの氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド、母氏名フィールド、健診受信日フィールド、受診時月齢フィールド、身長フィールド、体重フィールド、胸囲フィールド、頭囲フィールド、診察所見判定フィールド及び診察所見フィールドと同様の値を、それぞれ記憶するための氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド、母氏名フィールド、健診受信日フィールド、受診時月齢フィールド、身長フィールド、体重フィールド、胸囲フィールド、頭囲フィールド、診察所見判定フィールド及び診察所見フィールドを含む。
【0209】
サーバ装置702の管理者である医療機関は、3歳の乳幼児に対して、眼科健診及び耳鼻咽喉科健診を実施することがある。
【0210】
3歳時健診情報テーブル806の各レコードはさらに、当該乳幼児が眼科健診を受診したときの、診察の所見の判定結果及びその結果の詳細についてそれぞれ記憶するための眼科所見判定フィールド及び眼科所見フィールドと、当該乳幼児が耳鼻咽喉科健診を受診したときの、診察の所見の判定結果及びその結果の詳細についてそれぞれ記憶するための耳鼻咽喉科所見判定フィールド及び耳鼻咽喉科所見フィールドとを含む。
【0211】
眼科所見判定フィールド及び耳鼻咽喉科所見判定フィールドの各々には、「異常なし」、「既医療」、「要経過観察」及び「要精密検査」からなる4つの文字列のうちの、いずれか1つが記憶される。眼科所見判定フィールド及び耳鼻咽喉科所見判定フィールドの各々の値が、「異常なし」、「既医療」、「要経過観察」及び「要精密検査」である場合は、それぞれ、「歯の状態に異常がないこと」、「既に治療がなされていること」、「受診後に定期的に検査が必要であること」、及び「精密検査が必要であること」を示す。
【0212】
眼科所見フィールドには、「両目の視力」、「右眼の視力」、「左眼の視力」及び「眼位異常」の各項目について、「所見がある」か及び「所見がない」かのいずれかの結果が記憶される。耳鼻咽喉科所見フィールドには、「右の聴力」及び「左の聴力」の各項目について、「所見がある」か及び「所見がない」かのいずれかの結果が記憶される。耳鼻咽喉科所見フィールドにはさらに、難聴に関する所見についても記憶される。
【0213】
3歳時健診情報テーブル806の各レコードはさらに、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804の各レコードの歯科所見判定フィールド、歯科所見フィールド、精密健診依頼日付フィールド、精密健診受診日付フィールド及び精密健診所見フィールドと同様の値を、それぞれ記憶するための歯科所見判定フィールド、歯科所見フィールド、精密健診依頼日付フィールド、精密健診受診日付フィールド及び精密健診所見フィールドを含む。
(妊婦の情報を記憶するためのテーブルの構成)
【0214】
図30(A)は、妊婦基本情報テーブル808の構成を示す図である。
図30(A)を参照して、妊婦基本情報テーブル808は、母親と子供とからなる1つの組合せに対して、1つのレコードが割り当てられる。妊婦基本情報テーブル808の各レコードは、母親の氏名、住所、生年月日、性別、配偶者の氏名、子供の氏名、並びに、その子供を妊娠する直前の体重及び身長を、それぞれ記憶するための氏名フィールド、住所フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、配偶者氏名フィールド、子氏名フィールド、並びに妊娠前体重フィールド及び身長フィールドを含む。
【0215】
図30(B)は、妊婦健診情報テーブル810の構成を示す図である。
図30(B)を参照して、妊婦健診情報テーブル810は、妊婦が健康診断を受診したときに、その1日の間に受診した健康診断の結果に対して、1つのレコードが割り当てられる。妊婦健診情報テーブル810の各レコードは、母親の氏名、住所、生年月日、性別、配偶者の氏名、子供の氏名、及び健康診断を受診した年月日を、それぞれ記憶するための氏名フィールド、住所フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、配偶者氏名フィールド、子氏名フィールド及び診察月日フィールドを含む。
【0216】
妊婦健診情報テーブル810の各レコードはさらに、当該妊婦のABO血液型、Rh血液型、不規則抗体検査の結果、B型肝炎抗原検査の結果、C型肝炎抗原検査の結果、風疹抗体検査の結果、ヘモグロビンの量、ヘマトクリットの量、血小板の量、HTLV-1抗体検査の結果、子宮頸がん健診の結果、健診時の体重及び妊娠週数を、それぞれ記憶するための、血液型フィールド、Rh血液型フィールド、不規則抗体フィールド、B型肝炎抗原検査フィールド、C型肝炎抗原検査フィールド、風疹抗体フィールド、ヘモグロビンフィールド、ヘマトクリットフィールド、血小板フィールド、HTLV-1抗体検査フィールド、子宮頸がん健診フィールド、健診時体重フィールド及び妊娠週数フィールドを含む。
【0217】
図30(C)は、妊婦歯科情報テーブル812の構成を示す図である。
図30(C)を参照して、妊婦歯科情報テーブル812は、妊婦が歯科
健診を受診したときに、その日の診断の結果に対して、1つのレコードが割り当てられる。妊婦歯科情報テーブル812の各レコードは、母親の氏名、住所、生年月日、性別、配偶者の氏名、子供の氏名、及び歯科健診を受診した年月日を、それぞれ記憶するための氏名フィールド、住所フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、配偶者氏名フィールド、子氏名フィールド及び歯科健診受信日フィールドを含む。
【0218】
妊婦歯科情報テーブル812はさらに、当該妊婦の妊娠週数、治療が必要な虫歯の有無、虫歯の本数、歯石の有無及び歯肉の炎症の有無を、それぞれ記憶するための妊娠週数フィールド、要治療の虫歯有無フィールド、虫歯本数フィールド、歯石フィールド及び歯肉の炎症フィールドを含む。
(被験者基本情報テーブル820の構成)
【0219】
図31は、被験者基本情報テーブル820の構成を示す図である。
図31を参照して、被験者基本情報テーブル820は、子供の氏名、生年月日及び性別と当該子供の両親の氏名と住所とからなる1つの組合せに対して、1つのレコードが割り当てられる。
【0220】
被験者基本情報テーブル820の各レコードは、子供の氏名、生年月日及び性別と当該子供の両親の氏名と住所とからなる1つの組合せを識別するために、サーバ装置708の利用者である自治体によって手動で付される番号を記憶するための識別IDフィールドを含む。被験者基本情報テーブル820の各レコードはさらに、そのような組合せを識別するために、サーバ装置708によって自動的に付される番号を記憶するための研究IDフィールドを含む。被験者基本情報テーブル820の各レコードはさらに、子供の氏名、生年月日、性別、父親の氏名、母親の氏名及び住所を、それぞれ記憶するための氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド、母氏名フィールド及び住所フィールドとを含む。
(母子健康情報記憶部822の構成)
【0221】
記憶装置760の母子健康情報記憶部822は、記憶装置750の乳幼児基本情報テーブル800、3~4ヶ月健診情報テーブル802、1歳6ヶ月時健診情報テーブル804、3歳時健診情報テーブル806、妊婦基本情報テーブル808、妊婦健診情報テーブル810及び妊婦歯科情報テーブル812と、それぞれ同じ構成である乳幼児基本情報テーブル、3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ月時健診情報テーブル、3歳時健診情報テーブル、妊婦基本情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルを含む。
【0222】
記憶装置750の各テーブルのレコードは、定期的に、母子健康情報記憶部822の各テーブルに、それぞれ追加されるものとする。
(ソフトウェア構成)
【0223】
図32は、サーバ装置708で実行される、サーバ装置702の母子健康情報を受信して、母子健康情報と学校保健情報とを関連付けるプログラムの構成を、フローチャート形式で示す図である。このプログラムは、サーバ装置708の制御装置32のROMに記憶されており、制御装置32のCPUによって実行される。
【0224】
図32を参照して、このプログラムは、予め定められた時刻(午前6時)を経過したことに応答して、ネットワーク18を介して、サーバ装置702の記憶装置750のテーブルのレコードを、母子健康情報記憶部822のテーブルにそれぞれ追加するステップ850と、ステップ850の後、母子健康情報記憶部822の各テーブルについて、重複を排除するステップ852と、ステップ852の後、母子健康情報記憶部822の乳幼児基本情報テーブルのすべてのレコードを取得するステップ854とを含む。
【0225】
このプログラムはさらに、ステップ854の後、変数Iに1を代入し、ステップ854において取得したレコードの数を変数Nに代入するステップ856と、ステップ856の後、取得したレコードのうちのI番目のレコードの氏名フィールド、生年月日フィールド、父氏名フィールド及び母氏名フィールドに一致するレコードを、被験者基本情報テーブル820から検索して、一致するレコードが存在するか否かを判定して、制御の流れを分岐させるステップ858とを含む。
【0226】
このプログラムはさらに、ステップ858において、一致するレコードがないと判定されたときに(ステップ858においてNO)、ステップ854において取得したレコードのうちのI番目のレコードに関する情報を、被験者基本情報テーブル820に追加するステップ860を含む。ステップ860においては、具体的には、研究IDフィールドでまだ採番されていない数を自動的に取得する。その後、ステップ860においては、識別IDフィールド及び研究IDフィールド、並びに氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド、母氏名フィールド及び住所フィールドの値を、それぞれ、スペースの文字及び自動的に取得された数、並びに、I番目のレコードの氏名フィールド、生年月日フィールド、性別フィールド、父氏名フィールド、母氏名フィールド及び住所フィールドの値としたレコードを、被験者基本情報テーブル820に追加する。
【0227】
このプログラムはさらに、ステップ860の後か、又は、ステップ858において一致するレコードがあると判定されたときに(ステップ858においてYES)、IがN以上であるか否かを判定し、制御の流れを分岐させるステップ862と、ステップ862において、IがN以上ではないと判定されたときに(ステップ862においてNO)、変数Iに1を加算して、制御の流れをステップ858に戻すステップ864とを含む。このプログラムは、ステップ862においてIがN以上であると判定されたときは(ステップ862においてYES)、終了する。
【0228】
このプログラムによって被験者基本情報テーブル820に新規にレコードが追加されたときは、識別IDフィールドの値はスペースの文字であるが、このプログラムの終了後、当該フィールドの値は、サーバ装置708の利用者によって数字が割当てられ、当該テーブルが更新される。
【0229】
図33は、サーバ装置708で実行されるプログラムであって、異常あり等と診断された被験者の情報を、サーバ装置708の利用者に通知するプログラムの構成を、フローチャート形式で示す図である。
図33を参照して、このプログラムは、予め定められた時刻(午前6時)を経過したことに応答して、母子健康情報記憶部822の3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ月時健診情報テーブル及び3歳児健診情報テーブルにおいて、診察所見で「異常なし」以外と判定されたレコードを抽出するステップ870を含む。
【0230】
このプログラムのステップ870においては、具体的には、3~4ヶ月健診情報テーブルのレコードのうち、診察所見判定フィールドの値が「異常なし」以外であるレコードを抽出し、1歳6ヶ月時健診情報テーブルのレコードのうち、診察所見判定フィールド、歯科所見判定フィールド及び精密健診所見フィールドのいずれかが「異常なし」以外であるレコードを抽出し、3歳時健診情報テーブルのレコードのうち、診察所見判定フィールド、眼科所見判定フィールド、耳鼻咽喉科所見判定フィールド、歯科所見判定フィールド及び精密健診所見フィールドのいずれかが「異常なし」以外であるレコードを抽出する。
【0231】
このプログラムは、ステップ870の後、ステップ870において抽出されたレコードのデータを、サーバ装置708の利用者である自治体の職員のメールアドレスを宛先として、メールで送信し、このプログラムを終了するステップ872を含む。
【0232】
本実施の形態において、サーバ装置708の利用者である自治体は、携帯端末装置706の利用者に対して識別IDフィールドの値を知らせるものとする。携帯端末装置706の利用者は、自身や子供の状態を知りたくなったときは、携帯端末装置706のブラウザに自身の識別ID及び氏名を入力して、タッチパネル784を操作することによって、健康状態を表示するための要求をすることができる。携帯端末装置706は、その要求がなされたときは、健康情報の一覧を表示するWebページを要求するための「状態一覧要求信号」を、サーバ装置708に対して送信する。「状態一覧要求信号」には、入力された識別ID及び氏名が付加されているものとする。サーバ装置708は、その信号を受信したときは、そのようなWebページを作成して、携帯端末装置706に送信する。このように、携帯端末装置706とサーバ装置708とが互いにデータを送受信して、携帯端末装置706の利用者に健康情報の一覧を表示するための機能を、「状態一覧表示機能」と呼ぶことにする。
【0233】
図34は、サーバ装置708で実行される、状態一覧表示機能を実現するプログラムの構成を、フローチャート形式で示す図である。
図34を参照して、このプログラムは、「状態一覧要求信号」を受信するまで待機するステップ890と、ステップ890において「状態一覧要求信号」を受診したときに(ステップ890においてYES)、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46及び母子健康情報記憶部822のテーブルのレコードのうち、「状態一覧要求信号」に付加されている識別ID及び氏名に関連するレコードをすべて取得するステップ892とを含む。
【0234】
ステップ892においては、具体的には、被験者基本情報テーブル820から、識別IDフィールドが、「状態一覧要求信号」に付加されている識別IDと一致するレコードを検索して、取得する。そのように取得されたレコードを「被験者基本情報レコード」と呼ぶことにする。被験者基本情報レコードの氏名フィールドの値と一致するレコードを、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46から取得する。また、被験者基本情報レコードの氏名フィールド、父氏名フィールド及び母氏名フィールドの値と一致するレコードを、母子健康情報記憶部822のテーブルから、すべて取得する。
【0235】
このプログラムはさらに、ステップ892の後、ステップ892で取得したレコードのデータの一覧を表示するWebページを作成して、「状態一覧要求信号」の送信元にWebページを送信し、制御の流れをステップ890に戻すステップ894を含む。
【0236】
図35は、携帯端末装置706で実行される、状態一覧表示機能を実現するプログラムの構成を、フローチャート形式で示す図である。
図35を参照して、このプログラムは、利用者の要求に応じて実行され、ブラウザに、識別ID及び氏名をそれぞれ入力させるためのテキストボックスと、「状態一覧要求信号」の送信を指示するためにクリックされるためのボタンとを表示するステップ900を含む。ステップ900の後、携帯端末装置706の利用者は、テキストボックスに識別ID及び氏名を入力する。
【0237】
このプログラムは、ステップ900の後、ブラウザに表示されたボタンが利用者によってクリックされるまで待機するステップ902と、ステップ902において、ボタンがクリックされたときに(ステップ902においてYES)、テキストボックスに入力された識別IDと氏名とを付加した「状態一覧要求信号」を、サーバ装置708に送信するステップ904と、ステップ904の後、サーバ装置708からWebページを受信するまで待機するステップ906と、ステップ906においてWebページを受信したときに(ステップ906においてYES)、ブラウザにWebページを表示して、このプログラムを終了するステップ908とを含む。
【0238】
以上の構成により、サーバ装置702は、母子保健情報を記憶して管理するための母子保健情報管理装置として機能する。
(動作)
【0239】
図20~
図35を参照して、上記した構成を持つ、第2の実施の形態に係るシステム700は、以下のように動作する。
【0240】
妊婦が各種診断を受診する度に、医療機関は、妊婦基本情報テーブル808、妊婦健診情報テーブル810及び妊婦歯科情報テーブル810にレコードを追加したり、レコードのデータを変更したりする。また、乳幼児が各種診断を受診する度に、医療機関は、乳幼児基本情報テーブル800,3~4ヶ月健診情報テーブル802,1歳6ヶ月時健診情報テーブル804及び3歳時健診情報テーブル806にレコードを追加したり、レコードのデータを変更したりする。
【0241】
サーバ装置708は、予め定められた時刻(午前6時)に、ネットワーク18を介して記憶装置750の各テーブルのレコードを取得して、母子健康情報記憶部822の各テーブルにそれぞれ追加する(
図32に示すステップ850)。サーバ装置708は、その後、母子健康情報記憶部822の各テーブルに対して、レコードの重複を排除する(
図32に示すステップ852)。サーバ装置708は、母子健康情報記憶部822の乳幼児基本情報テーブルのレコードで、被験者基本情報テーブル820に存在しない、子供の氏名、性別及び生年月日並びに父親の氏名及び母親の氏名の組合せがあった場合は、その組合せに対して研究IDを付与して、被験者基本情報テーブル820にその分のレコードを追加する(
図32に示すステップ854からステップ864)。
【0242】
サーバ装置708は、そのように研究IDを付与して、被験者基本情報テーブル820にレコードを追加することによって、サーバ装置708に記憶されている学校保健情報と、母子保健情報とを関連付けることが可能となる。
【0243】
被験者基本情報テーブル820に追加されたレコードで、識別IDがスペースの文字であるレコードがある場合は、サーバ装置708の利用者である自治体は、当該レコードの識別IDフィールドに新規の数字を付与して、被験者基本情報テーブル820を更新する。自治体は、新規の識別IDが付与された被験者に対して、識別IDを通知する。
【0244】
サーバ装置708は、予め定められた時刻(午前6時)に、母子健康情報記憶部822の各テーブルから、所見の判定が「異常なし」以外の結果であるレコードを抽出し、抽出したレコードのデータを、サーバ装置708の利用者である自治体のメールアドレスを宛先として、送信する(
図33に示すステップ870及びステップ872)。
【0245】
市町村等の自治体は、学校保健情報だけでなく母子保健情報をも踏まえて、被験者の健康状態を把握することができるので、効率的かつ効果的な行政事務及び保健指導を行なうことが可能となる。
【0246】
携帯端末装置706の利用者は、自身及び子供の健康状態を知りたいと考えたときは、携帯端末装置706を操作することによって、ブラウザに識別ID及び氏名を入力するための画面を表示する(
図35に示すステップ900)。利用者はブラウザに識別ID及び氏名を入力した後、ブラウザに表示されたボタンをクリックすることによって、健康状態を表示するための要求をする。携帯端末装置706は、学校保健情報及び母子保健情報の一覧を表示するWebページをサーバ装置708から受信し、ブラウザに表示する(
図34に示すステップ890~ステップ894及び
図35に示すステップ902~908)。
【0247】
携帯端末装置706の利用者は、そのWebページを見ることによって、自身及び子供の健康状態を一元的に閲覧することができ、それによって、自らの健康を管理することができる。
[第3の実施の形態]
【0248】
図36は、本発明の第3の実施の形態にかかるシステム954の構成を示す図である。
図36を参照して、システム954は、第2の実施の形態にかかるシステム700とほぼ同様の構成であるが、サーバ装置702に代えて、ネットワーク18に接続され、妊婦及び乳幼児の健康情報を電子データとして管理する携帯端末装置950を含む点と、各々、ネットワーク18に接続され、学校保健情報を電子データとして管理する携帯端末装置956及びサーバ装置951を含む点とにおいて異なる。
【0249】
携帯端末装置950及び携帯端末装置956は、各々、当該装置の利用者によって持ち運びが可能であって、本発明において、そのような機能を有する携帯端末装置を、モバイル型の端末装置(モバイル装置)と呼ぶ。
【0250】
携帯端末装置950の利用者は、主として、妊婦及び乳幼児の健康診断の情報を管理する医療機関であるものとする。携帯端末装置950は、医療機関の施設内で利用されるだけでなく、施設外に持ち出されても利用されることが可能である。
【0251】
携帯端末装置956の利用者は、主として、小学校及び中学校で健康診断を実施し、診断結果を学校保健情報として収集する者(以下、「学校健診実施者」と呼ぶ。)であるものとする。学校健診実施者は、小学校及び中学校で健康診断を実施する場合には、携帯端末装置956を持参し、学校保健情報を携帯端末装置956に入力して記憶させるものとする。
【0252】
サーバ装置951は、主として、小学校及び中学校に設置されるものとする。サーバ装置951が設置されている小学校及び中学校で、健康診断が実施される場合、学校健診実施者は、携帯端末装置956の代わりに、サーバ装置951に学校保健情報を入力して記憶させることができるものとする。
【0253】
携帯端末装置956及びサーバ装置951に入力された学校保健情報は、サーバ装置708に送信されて、サーバ装置708の記憶装置760に記憶されるものとする。
(携帯端末装置950の構成)
【0254】
携帯端末装置950は、例えば10インチ程度の表示画面を持つタブレット型の端末装置(タブレット装置)である。
【0255】
図37は、携帯端末装置950の機能的構成を示すブロック図である。
図37を参照して、携帯端末装置950は、携帯端末装置950の制御中枢を司る、実質的にコンピュータからなる制御装置968を含む。携帯端末装置950はさらに、いずれもBusライン972を介して制御装置968に接続され、サーバ装置708との間でデータの無線通信を行なう通信装置970、制御装置968が携帯端末装置950の制御に使用する種々の情報を記憶する記憶装置964、及びタッチパネルディスプレイ952を含む。
【0256】
通信装置970は、図示しないアンテナ、RF(Radio Frequency)部、変調部及び復調部等を含む。
【0257】
記憶装置964は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置である。
【0258】
タッチパネルディスプレイ952は、タッチパネル機能を有しており、利用者が指で画面に触れることでタッチパネルディスプレイ952から携帯端末装置950に対して直接入力を行なうことが可能となっている。
【0259】
タッチパネルディスプレイ952は、Busライン972を介して制御装置968に接続され、制御装置968から与えられる表示データを表示する表示装置960を含む。表示装置960は、 例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイからなる。
【0260】
タッチパネルディスプレイ952はさらに、Busライン972を介して制御装置968に接続され、ユーザの指等が接触又は近接した点である指示点の指示面内での位置座標(タッチパネルディスプレイ952の位置座標)を抽出し、抽出した位置座標に対応した信号を生成して制御装置968に出力するタッチパネル962を含む。
【0261】
制御装置968のCPUは、ブラウザにより、サーバ装置708が提供するWebページにアクセスし、所定データ(例えば、HTML形式データ)を受信し、受信したデータから画面を生成してタッチパネルディスプレイ952に表示する。
(携帯端末装置956の構成)
【0262】
携帯端末装置956は、携帯端末装置950とほぼ同様の構成であり、携帯端末装置950のタッチパネルディスプレイ952、入力装置966、制御装置968及び通信装置970と、それぞれ同様の構成であるタッチパネルディスプレイ958、入力装置、制御装置及び通信装置を含む。
【0263】
携帯端末装置956はさらに、携帯端末装置956内のBusラインを介して当該装置内の制御装置に接続され、携帯端末装置956の制御に使用する種々の情報、及び学校保健情報を記憶する記憶装置を含む。
(サーバ装置951の構成)
【0264】
サーバ装置951は、第2の実施の形態のサーバ装置708とほぼ同様の構成であり、サーバ装置708の制御装置32及び通信装置36と、それぞれ同様の構成である制御装置及び通信装置を含む。
【0265】
サーバ装置951はさらに、サーバ装置951内のBusラインを介してサーバ装置951内の制御装置に接続され、サーバ装置951の制御に使用する種々の情報、及び学校保健情報を記憶する記憶装置を含む。
(携帯端末装置950の記憶装置964の構成)
【0266】
妊婦及び乳幼児のための健康診断が実施される場合、携帯端末装置950の記憶装置964には、健康診断を実施した者によって、当該健康診断の結果の情報が記憶される。具体的には、記憶装置964は、乳幼児基本情報テーブル800、3~4ヶ月健診情報テーブル802、1歳6ヶ時健診情報テーブル804及び3歳時健診情報テーブル806、並びに妊婦基本情報テーブル808、妊婦健診情報テーブル810及び妊婦歯科情報テーブル812と、それぞれ同様の構成である乳幼児基本情報テーブル、3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ時健診情報テーブル及び3歳時健診情報テーブル、並びに妊婦基本情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルを含む。
【0267】
乳幼児及び妊婦を対象として健康診断が実施された場合に、乳幼児及び妊婦のデータが、記憶装置964の乳幼児基本情報テーブル及び妊婦基本情報テーブルに記憶されていないときは、携帯端末装置950の利用者は、乳幼児及び妊婦の基本情報を、それら2つのテーブルにそれぞれ追加する。また、当該利用者は、乳幼児及び妊婦の基本情報に変更が生じた場合は、携帯端末装置950の乳幼児基本情報テーブル及び妊婦基本情報テーブルのレコードのデータを変更したりすることができる。
【0268】
携帯端末装置950の利用者は、乳幼児及び妊婦を対象とした健康診断が実施される度に、診断の結果を、記憶装置964の3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ月時健診情報テーブル、3歳時健診情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルに追加する。当該利用者は、記憶装置964の、3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ月時健診情報テーブル、3歳時健診情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルのレコードのデータを変更したりすることが可能である。
(携帯端末装置956及びサーバ装置951の記憶装置の構成)
【0269】
携帯端末装置956の記憶装置及びサーバ装置951の記憶装置の各々には、学校保健情報が記憶される。携帯端末装置956の記憶装置及びサーバ装置951の記憶装置の各々は、
図25に示すサーバ装置708における記憶装置760の帳票識別情報テーブル40、項目領域定義テーブル42、項目データテーブル44、項目サブデータテーブル46及び帳票画像記憶部48と、それぞれ同様の構成である帳票識別情報テーブル、項目領域定義テーブル、項目データテーブル、項目サブデータテーブル及び帳票画像記憶部を含む。
【0270】
小学校及び中学校で健康診断が実施された場合、携帯端末装置956及びサーバ装置951の各々は、学校健診実施者による操作によって、当該装置の記憶装置の各テーブルに学校保健情報を記憶させる。その後、携帯端末装置956及びサーバ装置951の各々は、学校健診実施者による操作によって、学校保健情報をサーバ装置708に送信する。サーバ装置708は、携帯端末装置956及びサーバ装置951から学校保健情報を受信した場合、受信した学校保健情報を記憶装置760の項目データテーブル44,項目サブデータテーブル46及び帳票画像テーブル48に追加して記憶する。
(ソフトウェア構成)
【0271】
本実施の形態にかかるサーバ装置708のソフトウェア構成は、第2の実施の形態にかかるサーバ装置708のソフトウェア構成とほぼ同様であるが、
図32に示すプログラムの構成において、ステップ850の代わりに、予め定められた時刻(午前6時)を経過したことに応答して、ネットワーク18を介して、携帯端末装置950の記憶装置964のテーブルのレコードを、母子健康情報記憶部822のテーブルにそれぞれ追加するステップを含む点において異なる。
【0272】
また、本実施の形態にかかるサーバ装置708は、近いうちに健康診断を受診する予定の乳幼児及び妊婦の情報を母子健康情報記憶部822から抽出して、携帯端末装置950に送信する「健診予定者情報送信処理」を実行する。
【0273】
図38(A)は、サーバ装置708によって実行される「健診予定者情報送信処理」のプログラム構成を、フローチャート形式で示す図である。このプログラムは、サーバ装置708の記憶装置760に記憶されており、サーバ装置708の制御装置32によって実行される。
【0274】
図38(A)を参照して、このプログラムは、予め定められた日時(毎月1日の午前6時)を経過したことに応答して、近いうちに健康診断を受診する予定の乳幼児及び妊婦の情報を母子健康情報記憶部822の各テーブルから抽出するステップ980を含む。ステップ980の詳細な処理の内容については、後述する。このプログラムはさらに、ステップ980の後、ステップ980において抽出されたレコードを携帯端末装置950に送信して、このプログラムを終了するステップ982を含む。
【0275】
図38(B)は、
図38(A)に示すステップ980の詳細なフローを示す図である。
図38(B)を参照して、このルーチンは、母子健康情報記憶部822の乳幼児基本情報テーブル及び妊婦基本情報テーブルの各々から、住所フィールドの値が特定の地域に該当するレコードを抽出するステップ990を含む。
【0276】
例えば、健康診断を実施する者が、和歌山県有田郡湯浅町に在住している乳幼児及び妊婦を対象にして、健康診断を実施したいものとする。その場合、ステップ990においては、和歌山県有田郡湯浅町に在住している乳幼児及び妊婦のレコードのみを抽出すればよい。そのため、ステップ990においては、具体的には、各テーブルのレコードの住所フィールドの値に「和歌山県有田郡湯浅町」を含むレコードを抽出するようにする。ステップ990において、どの特定の地域のレコードを抽出するかは、サーバ装置708の管理者によって、予め定められることが可能であるものとする。
【0277】
再び
図38(B)を参照して、このルーチンはさらに、ステップ990のあと、ステップ990において抽出されたレコードからさらに、近いうちに健康診断を受
診する予定の乳幼児及び妊婦のためのレコードを抽出するステップ992を含む。
【0278】
ステップ992において、具体的には、ステップ990において抽出された乳幼児基本情報テーブルのレコードのうち、生年月日フィールドの値と現在の日付との差分が、2ヶ月~3ヶ月の間であるか、又は、1年5ヶ月~1年6ヶ月の間であるか、又は、2年10ヶ月~3年の間であるレコードを抽出する。
【0279】
その差分が2ヶ月~3ヶ月の間である場合は、生後3~4ヶ月の間に受診する健康診断を近いうちに乳幼児が受診することを意味し、その差分が1年5ヶ月~1年6ヶ月の間である場合は、1歳6ヶ月のときに受診する健康診断を近いうちに乳幼児が受診することを意味し、その差分が2年10ヶ月~3年の間である場合は3歳時のときに受診する健康診断を、近いうちに乳幼児が受診することを意味する。
【0280】
ステップ992において、妊婦基本情報テーブルから抽出されたレコードに関しては、具体的には、子氏名フィールドの値が空白であるレコードを抽出する。
【0281】
このルーチンはさらに、ステップ992の後、ステップ992において抽出されたレコードの母親の分のレコードを、母子健康情報記憶部822の妊婦基本情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルからすべて抽出し、かつ、ステップ992において抽出された乳幼児の分のレコードを、3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ時健診情報テーブル及び3歳時健診情報テーブルからすべて抽出して、このルーチンを終了するステップ994を含む。
【0282】
本実施の形態にかかる携帯端末装置950は、
図38(A)に示すステップ980及び982、並びに
図38(B)に示すステップ990~994に示す処理によって、サーバ装置708から送信されたレコードを受信した場合、記憶装置964の乳幼児基本情報テーブル、3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ時健診情報テーブル及び3歳時健診情報テーブル、並びに妊婦基本情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルのレコードをすべて削除する。その後、携帯端末装置950は、サーバ装置708から受信したレコードを、記憶装置964の乳幼児基本情報テーブル、3~4ヶ月健診情報テーブル、1歳6ヶ時健診情報テーブル及び3歳時健診情報テーブル、並びに妊婦基本情報テーブル、妊婦健診情報テーブル及び妊婦歯科情報テーブルにそれぞれ追加する。
【0283】
乳幼児及び妊婦に対して健康診断が実施された場合に、携帯端末装置950は、当該装置の利用者による操作によって、記憶装置964の各テーブルのレコードを更新したり、新規にレコードを追加したりできるものとする。
【0284】
また、携帯端末装置950は、当該装置の利用者による操作によって、記憶装置964の各テーブルのレコードをサーバ装置708に送信するものとし、その後、記憶装置964の各テーブルのレコードをすべて削除するようにしても良い。
【0285】
本実施の形態にかかる携帯端末装置706のソフトウェア構成は、第2の実施の形態にかかる携帯端末装置706のソフトウェア構成と同様である。
(動作)
【0286】
図36~
図38を参照して、本実施の形態にかかるシステム954の動作は、以下のように動作する。携帯端末装置950は、第2の実施の形態にかかるサーバ装置702と同様の動作をする。サーバ装置708は、近いうちに健康診断を受診する予定の乳幼児及び妊婦の情報を、毎月1日に携帯端末装置950に送信する(
図38(A)に示すステップ980及び982並びに
図38(B)に示すステップ990~994)。
【0287】
携帯端末装置950が特定地域の乳幼児及び妊婦に関するレコードを受信した場合、健康診断を実施する者は、携帯端末装置950を持ってその特定地域に移動して、健康診断を実施し、健康診断の結果を、携帯端末装置950の記憶装置964の各テーブルに記憶する。
【0288】
学校健診実施者が、携帯端末装置956を持参して、小学校及び中学校で健康診断を実施した場合、学校保健情報を携帯端末装置956に入力して記憶させる。サーバ装置951が設置されている小学校及び中学校で、学校健診実施者が健康診断を実施した場合、学校保健情報をサーバ装置951に入力して記憶させる。その後、携帯端末装置956及びサーバ装置951の各々は、学校健診実施者による操作によって、学校保健情報をサーバ装置708に送信する。サーバ装置708が、携帯端末装置956及びサーバ装置951から学校保健情報を受信した場合、学校保健情報を記憶装置760の各テーブルに追加して記憶する。
【0289】
第2の実施の形態において、医療機関によって利用されるサーバ装置702には、医療機関の施設内に固定されて設置されるものが含まれる。サーバ装置702が施設内に固定されて設置されるものである場合は、健康診断の実施者は、施設外で健康診断を実施したときに、健康診断の結果を紙に記入し、医療機関の施設内に戻ってきた後に、紙に記入された結果を手動でサーバ装置702の記憶装置750の各テーブルに追加する必要がある。
【0290】
しかし、本実施の形態にかかる携帯端末装置950は、施設外であっても利用できるものであり、また、施設外であってもネットワーク18に接続されサーバ装置708と通信可能である。したがって、健康診断を実施する者が、施設外で健康診断を実施したときは、健康診断の結果を携帯端末装置950の記憶装置964に直接記憶することができ、また、その場で、記憶装置964に記憶されている各テーブルのレコードを、サーバ装置708に送信することができる。
【0291】
以上により、本実施の形態にかかるシステム954を利用すれば、健康診断の実施者が施設外で健康診断を実施したとしても、診断結果を紙に記入したり帰社後にサーバ装置に入力したりする手間を省くことができ、診断結果を携帯端末装置950に一旦入力すれば、即座にサーバ装置708に反映することが可能となる。
【0292】
携帯端末装置956も、携帯端末装置950と同様にして、学校健診実施者にとって、診断結果を紙に記入したり帰社後にサーバ装置に入力したりする手間を省くことができ、診断結果を携帯端末装置956に一旦入力すれば、即座にサーバ装置708に反映することが可能となる。
【0293】
小学校及び中学校に設置されているサーバ装置951と、自治体で利用されるサーバ装置708とが利用されることにより、自治体は、児童及び中学校の生徒の健康情報を、一元的に管理するすることができる。そのように、健康状態を電子データとして一元管理することができれば、学校健診実施者にとって、「手書き」及び「手作業」での業務を軽減することができ、業務の効率化を図れる。特に、小規模の自治体においては、紙での手書き及び手作業での業務が多いため、サーバ装置951及びサーバ装置708とを連携して利用することは、業務の効率化において有効である。そのように、サーバ装置951は、小学校及び中学校での保健に関する事務を支援することができるため、「校務支援システム」と呼ばれる。
[変形例]
【0294】
第1の実施の形態においては、アプリケーションウィンドウ520の領域524において、認識率の値に応じて、テキストエリアの色彩を変更していた。しかし、本発明はそのような実施の形態に限定されず、認識率の値に応じて、テキストエリア内の文字のサイズを変更したり、テキストエリアの垂直方向の長さを変更したり、テキストエリア内の文字を消去したり表示したりする時間の周期を変更したり、文字の線の太さを変更したりしても良い。
【0295】
第1の実施の形態においては、
図13に示すステップ380、ステップ384及びステップ388において、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に対して、1つのレコードを追加する処理を、繰返し実行するようにしていた。しかし、本発明はそのような実施の形態に限定されず、追加すべきレコードの情報を、記憶装置56内の別の記憶領域に追加するようにして、
図14に示すルーチンの最後のほうで、項目データテーブル44及び項目サブデータテーブル46に対して、まとめてレコードを追加する処理を実行するようにしても良い。
【0296】
第2の実施の形態においては、母子保健情報は、記憶装置750の各テーブルに記憶される項目に限定されていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、保健の情報を把握するための項目であればどのようなものでもよい。例えば、妊婦に関する保健情報に関しては、妊娠および分晩歴の項目を追加しても良い。
【0297】
また、乳幼児の保健の情報に関しては、育児環境等の項目を加えても良い。育児環境等とは、例えば、栄養の状態、母乳をのんでいるか否か、離乳が完了しているか否か、並びに、栄養法が母乳、人工乳及び混合のいずれであるか等である。
【0298】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0299】
10,700,954 システム
12,702,708,951 サーバ装置
14 端末装置
16 スキャナ
30,56,750,760,774,964 記憶装置
32,54,752,778,968 制御装置
36,58,754,780,970 通信装置
40 帳票識別情報テーブル
42 項目領域定義テーブル
44 項目データテーブル
46 項目サブデータテーブル
48 帳票画像記憶部
52,782,960 表示装置
60,776,966 入力装置
706,950,956 携帯端末装置
770,952,958 タッチパネルディスプレイ
784,962 タッチパネル
800 乳幼児基本情報テーブル
802 3~4ヶ月健診情報テーブル
804 1歳6ヶ月時健診情報テーブル
806 3歳時健診情報テーブル
808 妊婦基本情報テーブル
810 妊婦健診情報テーブル
812 妊婦歯科情報テーブル
820 被験者基本情報テーブル
822 母子健康情報記憶部