(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】部品搭載装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
H05K13/04 M
(21)【出願番号】P 2019186141
(22)【出願日】2019-10-09
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】中西 智昭
(72)【発明者】
【氏名】市川 健一
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/073952(WO,A1)
【文献】特開2008-028275(JP,A)
【文献】特開2011-199095(JP,A)
【文献】特開2010-087043(JP,A)
【文献】特開2007-201433(JP,A)
【文献】実公昭49-015177(JP,Y1)
【文献】特表2002-517104(JP,A)
【文献】特開平10-004296(JP,A)
【文献】特開昭59-161900(JP,A)
【文献】特開2012-216763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のコンベアにより基板の幅方向の両端部を下方から支持して搬送する基板搬送部と、
前記基板搬送部の下方に配置されたテーブルと、
前記テーブルの上面に装着され、前記基板搬送部によって搬入された基板の下方から光を照射する照明ユニットとを備え、
前記照明ユニットは、
前記テーブルに装着されるベースと、
前記ベースの上面に配置された光照射手段と、
前記光照射手段の上方に配置され、前記光照射手段から照射された光を上方に拡散させる光拡散体とを有
し、
前記照明ユニットが備える前記光拡散体は、前記ベースからの高さが異なる第1の光拡散板と第2の光拡散板を含む複数の光拡散板を有する、部品搭載装置。
【請求項2】
前記光拡散体は、下端が前記ベースに保持されて上方に延びた支持部材によって支持されている請求項1に記載の部品搭載装置。
【請求項3】
前記テーブルは、前記基板搬送部により搬送される前記基板の前記幅方向に複数の前記照明ユニットを並べて装着可能である請求項1または2に記載の部品搭載装置。
【請求項4】
前記一対のコンベアは前記基板の前記幅方向の間隔が変更自在であり、前記テーブルに装着される前記照明ユニットの数を前記一対のコンベアの前記間隔に応じて変更可能である請求項1~3のいずれかに記載の部品搭載装置。
【請求項5】
前記複数の光拡散板は、隣り合う前記
光拡散板の端部における前記ベースの下面からの高さがそれぞれ異なる請求項
1に記載の部品搭載装置。
【請求項6】
前記隣り合う前記
光拡散板の端部同士は上下方向にオーバーラップする請求項5の記載の部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のコンベアにより基板の両端部を支持して搬送する基板搬送部を備えた部品搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を搭載する部品搭載装置が知られており、種々の実装基板の製造に用いられている。このような部品搭載装置の中でも、特に、基板に対する部品搭載に高い精度が要求されるものでは、部品供給部から取り出した部品を一旦仮置きステージに仮置きして認識カメラで認識し、その後に部品を改めてピックアップして基板に搭載するようにしている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
このような基板に対する部品の搭載位置に高い精度が要求される部品としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)等のような指向性を有する光を発光する発光部品がある。このような指向性を有する発光部品では、基板上の目標位置からずれた位置に(あるいは姿勢で)LEDを取りつけてしまうと必要な照度が得られなくなるおそれがあるため、部品を基板に搭載する際の基板に対する部品の位置合わせは特に重要なものとなる。
【0004】
上記のように、部品を基板に搭載する際の基板に対する部品の位置合わせを高精度に行うことができる手法として、従来、基板上の部品の搭載位置に厚み方向に貫通した孔(貫通孔)を設けておき、その貫通孔を基板の上方から認識カメラによって認識(撮像)し、その認識した貫通孔を目標として部品を基板に搭載する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、基板に設けた貫通孔を基板の上方から認識カメラによって認識した場合、その貫通孔の内部は暗くなるため、基板の表面が暗色である場合には貫通孔の輪郭を把握しにくいという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、基板に設けられた貫通孔を高いコントラストで明瞭に認識でき、貫通孔を基準にして部品を基板に搭載する部品搭載作業を高精度で行うことができる部品搭載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品搭載装置は、一対のコンベアにより基板の幅方向の両端部を下方から支持して搬送する基板搬送部と、前記基板搬送部の下方に配置されたテーブルと、前記テーブルの上面に装着され、前記基板搬送部によって搬入された基板の下方から光を照射する照明ユニットとを備え、前記照明ユニットは、前記テーブルに装着されるベースと、前記ベースの上面に配置された光照射手段と、前記光照射手段の上方に配置され、前記光照射手段から照射された光を上方に拡散させる光拡散体とを有し、前記照明ユニットが備える前記光拡散体は、前記ベースからの高さが異なる第1の光拡散板と第2の光拡散板を含む複数の光拡散板を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板に設けられた貫通孔を高いコントラストで明瞭に認識でき、貫通孔を基準にして部品を基板に搭載する部品搭載作業を高精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1における部品搭載装置の平面図
【
図2】本発明の実施の形態1における部品搭載装置の基板搬送部を搭載ヘッドとともに示す斜視図
【
図3】本発明の実施の形態1における部品搭載装置の仮置きステージを移載ヘッドとともに示す斜視図
【
図4】(a)(b)本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの一部断面斜視図
【
図5】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの側断面図
【
図6】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの部品載置部の(a)斜視図(b)分解斜視図
【
図7】(a)(b)本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの保持体に部品載置部を取り付ける手順を説明する側断面図
【
図8】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージを認識カメラとともに示す側断面図
【
図9】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの側面図
【
図10】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの一部の分解斜視図
【
図11】(a)(b)本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える仮置きステージの光量調整部材の高さによって光の進路が変わる様子を説明する図
【
図12】本発明の実施の形態1における部品搭載装置の基板搬送部の近傍の斜視図
【
図13】本発明の実施の形態1における部品搭載装置の基板搬送部の一部分解斜視図
【
図14】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える照明ユニットの(a)斜視図(b)側面図
【
図15】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える基板搬送部を照明ユニットとともに示す側面図
【
図16】本発明の実施の形態1における部品搭載装置が備える照明ユニットにおける(a)光の進路を説明する図(b)熱の流れを説明する図
【
図17】(a)(b)本発明の実施の形態2における部品搭載装置の仮置きステージが備える光量調整部材の側断面図
【
図18】(a)(b)(c)本発明の実施の形態3における部品搭載装置の仮置きステージが備える光量調整部材の側断面図
【
図19】本発明の実施の形態4における部品搭載装置の仮置きステージが備える部品載置部の(a)斜視図(b)分解斜視図
【
図20】本発明の実施の形態4における部品搭載装置が備える仮置きステージを認識カメラとともに示す側断面図
【
図21】本発明の実施の形態5における部品搭載装置の仮置きステージが備える区画部材の(a)斜視図(b)側断面図
【
図22】(a)(b)(c)本発明の実施の形態5における部品搭載装置の仮置きステージの側断面図
【
図23】(a)(b)(c)本発明の実施の形態6における部品搭載装置が備える仮置きステージにより部品を吸着した状態を示す側断面図
【
図24】(a)(b)(c)本発明の実施の形態7における部品搭載装置が備える照明ユニットの側面図
【
図25】本発明の実施の形態8における部品搭載装置が備える照明ユニットの(a)斜視図(b)側面図
【
図26】本発明の実施の形態8における部品搭載装置が備える照明ユニットを2つ並べてテーブルに装着した状態を示す側面図
【
図27】(a)(b)本発明の実施の形態9における部品搭載装置が備える照明ユニットの斜視図
【
図28】本発明の実施の形態9における部品搭載装置が備える照明ユニットを2つ並べてテーブルに装着した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における部品搭載装置1を示している。部品搭載装置1は、基板KBを厚み方向に貫通して設けられた孔(貫通孔KH。
図2も参照)を目標としてLED等の部品BHを搭載する装置であり、基台11、基板搬送部12、部品供給部13、ヘッド移動機構14、移載ヘッド15、搭載ヘッド16、部品カメラ17、仮置きステージ18、照明ユニット19等を備えている。
【0012】
図1および
図2において、基板搬送部12は、作業者OPから見た左右方向(X軸方向とする)に延びた一対のコンベア12aを有している。一対のコンベア12aは、作業者OPから見た前後方向(Y軸方向とする)に対向して配置されている。基板搬送部12は外部から供給された基板KBを搬入し(
図1中に示す矢印A)、所定の位置に位置決めする。一対のコンベア12aの間隔は幅調整機構12C(
図2)によって、搬入する基板KBの幅方向(Y軸方向)の寸法に応じて自在に変更することができる。
【0013】
図1において、部品供給部13は複数のパーツフィーダ13aから構成されている。複数のパーツフィーダ13aはそれぞれ部品供給口13Kに部品BHを供給する。実施の形態1では、パーツフィーダ13aは例えばテープフィーダから成る。
【0014】
図1において、ヘッド移動機構14は、基台11上をY軸方向に延びた固定ビーム14aと、X軸方向に延びて一端が固定ビーム14aに支持された前側移動ビーム14bと、後側移動ビーム14cを備えている。移載ヘッド15は前側移動ビーム14bに取り付けられており、後側移動ビーム14cは搭載ヘッド16に取り付けられている。
【0015】
ヘッド移動機構14は、固定ビーム14aに対して前側移動ビーム14bをY軸方向に移動させるとともに移載ヘッド15を前側移動ビーム14bに沿って移動させることで、移載ヘッド15を水平面内で移動させる。またヘッド移動機構14は、固定ビーム14aに対して後側移動ビーム14cをY軸方向に移動させるとともに搭載ヘッド16を後側移動ビーム14cに沿って移動させることで、搭載ヘッド16を水平面内で移動させる。
【0016】
図2および
図3において、移載ヘッド15と搭載ヘッド16はそれぞれ、下方に延びた複数のノズル21を備えている。各ノズル21は下端において部品BHを吸着する。実施の形態1では、移載ヘッド15と搭載ヘッド16がそれぞれ8×2(X軸方向に8本、Y軸方向に2本)の配列のノズル21(合計で16本のノズル21)を備えた構成となっているが、移載ヘッド15と搭載ヘッド16のそれぞれにおいて、ノズル21の数や配列等は限定されない。移載ヘッド15はパーツフィーダ13aが部品供給口13Kに供給する部品BHをノズル21により吸着してピックアップし、仮置きステージ18に載置する。搭載ヘッド16は仮置きステージ18に載置された部品BHをノズル21により吸着してピックアップし、基板搬送部12によって位置決めされた基板KB上の所定位置(部品搭載位置)に搭載する。
【0017】
図1において、部品カメラ17は、基台11上の基板搬送部12と部品供給部13との間の領域に設けられている。部品カメラ17は撮像光軸を上方に向けており、搭載ヘッド16が仮置きステージ18からピックアップした部品BHを下方から撮像する。
【0018】
図1において、搭載ヘッド16には認識カメラ22が設けられている。認識カメラ22は撮像光軸を下方に向けており、搭載ヘッド16と一体となって移動する。認識カメラ22は、仮置きステージ18に仮置きされた部品BHを搭載ヘッド16によってピックアップする際にはその前にその部品BHを上方から撮像し、搭載ヘッド16によってピックアップした部品BHを基板KBに搭載する際にはその前にその部品BHの部品搭載位置に設けられた貫通孔KHを上方から撮像する。このとき照明ユニット19は基板KBの下方から光を照射して基板KBを下面から照明し、認識カメラ22によって貫通孔KHを明瞭に撮像(認識)できるようにする。
【0019】
実施の形態1における部品搭載装置1は、仮置きステージ18と照明ユニット19について特徴があり、以下、これら仮置きステージ18と照明ユニット19について説明する。
【0020】
先ず、仮置きステージ18について説明する。
図1において、仮置きステージ18は基台11上の部品カメラ17に隣接する位置に設けられている。
図3に示すように、仮置きステージ18は、箱状のチャンバ31と、チャンバ31の下方に位置する光源台32とが上下方向(Z軸方向とする)に延びた複数の脚部33によって支持された構成となっている。チャンバ31と光源台32との間にはXZ面内に広がった形状の側壁34が設置されている。
【0021】
図3、
図4(a),(b)および
図5において、チャンバ31は、光拡散シート41(光拡散部材)、区画部材42および保持体43を備えている。光拡散シート41の上面は部品BHが載置される部品載置面となっている。光拡散シート41は、
図6(a),(b)に示すように厚さが薄い(例えば厚さTHが1~2mm程度)のシート状の部材から成り、光透過性および光拡散性を有するとともに通気性を有する材料、例えば、光拡散性を有する樹脂製の多孔質材料から構成されている。ここで、光拡散シート41が厚の薄いシート状に形成されているのは、光拡散シート41の厚み方向の光の透過性を良好にするためと、通気性を確保して部品BHの保持力を確保するためである。
【0022】
図6(a),(b)において、区画部材42は板状の部材から成る。区画部材42は光拡散シート41の下面側に接触して設けられており、光拡散シート41を下方から支持して平板形状に保持する。このため区画部材42の厚みは光拡散シート41よりも大きく(例えば3mm程度)、曲げ変形しにくい剛性を有している。
【0023】
図5および
図6(b)において、区画部材42は厚み方向に貫通した複数の領域形成孔42Hを有している。区画部材42は、光拡散シート41に接触した状態で、光拡散シート41を複数の領域に区画する。区画部材42の領域形成孔42Hによって形成された複数の領域のそれぞれは、光拡散シート41上における部品BHごとの載置領域となり、移載ヘッド15によって各載置領域に部品BHがひとつずつ載置(仮置き)される。このように光拡散シート41と光拡散シート41に接触された区画部材42は、仮置きステージ18において部品BHが載置される部品載置部50を構成している。光拡散シート41は光の透過性を有する材料から構成されており、区画部材42は複数の領域形成孔42Hを有していることから、部品載置部50全体としてもその厚み方向に光の透過性を有するものとなっている。
【0024】
図6(a),(b)において、区画部材42は、ここでは、移載ヘッド15および搭載ヘッド16のノズル21の数および配置に応じ、8×2の配列(合計で16個)の領域形成孔42Hを備えた構成となっている。但し、これは一例であり、必ずしも移載ヘッド15や搭載ヘッド16のノズルの数および配置に応じて領域形成孔42Hが設けられていなければならないわけではない。
【0025】
図5および
図7(a),(b)において、保持体43は、上方に開口した上方開口部51と下方に開口した下方開口部52を有しており、下面には光透過部材53を備えている。光透過部材53はガラスや透明の樹脂材料等から成る板状の部材であり、下方開口部52を閉止するように設けられている(
図4(a),(b)も参照)。
【0026】
図7(a)において、保持体43の上方開口部51からやや下方に位置した部分には、上方開口部51の内方に向けて張り出した張出縁43Fが設けられている。この張出縁43Fに部品載置部50の周辺部を載置させることで、部品載置部50を上方開口部51に取り付けることができる(
図7(a)→(b))。
【0027】
図4(a),(b)、
図5および
図7(a),(b)において、保持体43の上部には固定片54と可動片55が取り付けられている。固定片54と可動片55は上方開口部51を挟んで横方向(Y軸方向)に対向して配置されており、それぞれ螺子部材56によって保持体43の上面に取り付けられている。
【0028】
図3および
図4(a),(b)において、可動片55にはY軸方向に延びた2つの長孔57が設けられており、可動片55はこれら2つの長孔57を介して螺子部材56によって取り付けられている。このため可動片55は2つの螺子部材56に対して2つの長孔57を相対的にスライドさせることで、保持体43に対してY軸方向に移動させることができる(
図4(a),(b)および
図7(a),(b))。
【0029】
可動片55は固定片54から最も遠ざけた位置である開放位置(
図4(b)および
図7(a))と、固定片54に最も近づけた位置である閉止位置(
図4(a)および
図7(b))との間で移動させることができる。固定片54の端部(可動片55と対向する側の端部)は上方開口部51内に張り出した状態となっている。可動片55の端部(固定片54と対向する側の端部)は、可動片55が開放位置に位置した状態では上方開口部51内に張り出さないが(
図4(b)および
図7(a))、可動片55が閉止位置に位置した状態では上方開口部51内に張り出すようになっている(
図4(a)および
図7(b))。
【0030】
保持体43の上方開口部51に部品載置部50を取り付けるときは、部品載置部50を斜めの姿勢にしてその一端側を固定片54の端部の下方に挿入し(
図7(a))、そのうえで部品載置部50を水平姿勢にする(
図7(b))。そして、可動片55を閉止位置の側に移動させる(
図7(b)。図中に示す矢印P)。この状態では、部品載置部50は上方開口部51から脱落することがなく、保持体43に固定された状態となる。一方、保持体43から部品載置部50を取り外すときには、可動片55を開放位置の側に移動させたうえで、上方開口部51を部品載置部50から取り出す。このように実施の形態1において、部品載置部50は(すなわち光拡散シート41と区画部材42それぞれは)、保持体43に対して着脱自在となっている。このように本実施の形態において、区画部材42と光拡散シート41は積層され、光拡散シート41とともに保持体43の上部に保持されるようになっている。
【0031】
上記のように保持体43に部品載置部50が取り付けられた(保持体43により部品載置部50が保持された)状態では、チャンバ31の内部には中空の内部空間31Pが形成される(
図5および
図7(b))。チャンバ31の内部空間31Pは、部品載置部50の光拡散シート41および区画部材42を介して光拡散シート41の上面側と連通した状態となっている。
【0032】
図3において、チャンバ31には吸引部61が接続されている。吸引部61は、保持体43の側部にチャンバ31の内部空間31Pに連通して設けられた吸引管路62、吸引管路62を通じて内部空間31P内の空気を吸引する真空源63および吸引管路62に介装された制御バルブ64を備えて構成されている。
【0033】
吸引部61では、真空源63が空気を吸引している状態で制御バルブ64を作動させて吸引管路62を閉止状態から開放状態にすると、吸引管路62はチャンバ31内(内部空間31P内)の空気を吸引する。このためチャンバ31内は負圧となり、光拡散シート41の上面側の空気が通気性のある光拡散シート41を通じて(光拡散シート41を構成する多孔質材の細孔を通じて)チャンバ31内に吸引される(
図8。図中において空気の流れを符号「Air」で示す)。これにより光拡散シート41の上面に吸着力が発生し、光拡散シート41の上面側に部品BHが載置されているときには、その部品BHが光拡散シート41の上面に吸着保持される。
【0034】
このように実施の形態1において、吸引部61は、光拡散部材である光拡散シート41および区画部材42を通じてチャンバ31内の空気を吸引することで光拡散シート41に載置された部品BHを光拡散シート41の上面に吸着させる構成となっている。
【0035】
図3、
図9および
図10において、仮置きステージ18は更に、光源部としてのステージ光源71、光量調整部材72および反射部73を有している。ステージ光源71は光源台32の上面の、光拡散シート41の下方の位置に設けられている。ステージ光源71はここではLEDライトから成っているが、LEDライトに限定されるわけではない。ステージ光源71はひとつの光源から成っていてもよいし、複数の光源から成っていてもよい。
【0036】
図3および
図9において、光量調整部材72は、ステージ光源71と光拡散シート41との間に設けられている。より詳細には、ステージ光源71から光拡散シート41に向かって(すなわち上方に)照射される光の輝度分布の中央(ここではステージ光源71の直上)とステージ光源71とを結ぶ線上(すなわちステージ光源71を通る鉛直線上)に配置されている。
【0037】
図3および
図10において、光量調整部材72は光拡散シート41が延びる方向とほぼ直交する水平方向(Y軸方向)に延びた板状の形状を有している。光量調整部材72の一端側には上方に屈曲した上方屈曲部72Vが形成されており(
図10)、この上方屈曲部72Vが2つの固定螺子74によって側壁34に取り付けられることで、側壁34に固定されている。このように実施の形態1では、光量調整部材72は片持ち姿勢でステージ光源71の上方に配置されている。
【0038】
図3、
図9、
図10および
図11(a),(b)において、反射部73は、少なくとも、ステージ光源71をX軸方向(光拡散シート41の延びる方向)に挟む領域を有するように設けられている。反射部73は、
図9および
図11(a),(b)に示すように、光量調整部材72の下面で下方に反射された光を光量調整部材72の外側から上方に向けて(すなわち光拡散シート41に向けて)反射する。
【0039】
図3、
図9および
図10において、光量調整部材72におけるステージ光源71の上方の位置には、ステージ光源71から照射された光の一部を上方に透過させる光透過孔72Hが設けられている。実施の形態1では、光透過孔72Hは光量調整部材72を厚み方向に貫通した孔となっている。ステージ光源71から照射された光はその一部のみが光透過孔72Hから光量調整部材72の上面側に透過するので、光量調整部材72によって、ステージ光源71から光拡散シート41に直接到達する光の光量が調整される。
【0040】
図3および
図9に示すように、実施の形態1では、光透過孔72HはY軸方向に2つ並んで設けられているが、これは一例であり、光透過孔72Hの数および配置は任意である。このように光透過孔72Hの数および配置を変えることで、光透過孔72Hを透過する透過光TLの光量を調整することができる。また、光透過孔72Hの内径を変えることによっても透過光TLの光量を調整することができる。
【0041】
図9および
図11(a),(b)に示すように、ステージ光源71から照射された光の他の一部(ステージ光源71から光量調整部材72へ到達した光のうち光透過孔72Hから光量調整部材72の上面側に透過しなかった光)は、光量調整部材72の下面において下方に向けて反射されて反射光HLとなる。そして、その反射光HLは更に、反射部73において上方に反射され、光量調整部材72の光透過孔72Hを透過した透過光TLと、光量調整部材72で反射されて更に反射部73で反射された反射光HLは、チャンバ31の光透過部材53を透過した後、部品載置部50に下方から入射する(
図9)。
【0042】
図10において、光量調整部材72の上方屈曲部72VのX軸方向の両端部にはZ軸方向に延びた2つの長孔部(距離調整用長孔75)が設けられており、2つの固定螺子74はこれら2つの距離調整用長孔75(
図3も参照)を貫通して側壁34に設けられた固定用螺子孔72Tに螺入されている。このため2つの固定螺子74を緩めたうえで光量調整部材72を上下させ、再度2つの固定螺子74を締めることで、光量調整部材72の光源台32からの高さ、すなわちステージ光源71からの高さを調整することができる。このように実施の形態1において、距離調整用長孔75と固定螺子74は、光量調整部材72のステージ光源71からの距離(Z軸方向距離)を調整する距離調整部76となっている(
図3および
図10)。
【0043】
図11(a),(b)は、光量調整部材72のステージ光源71からの距離Hによって、光量調整部材72の光透過孔72Hを透過した透過光TLおよび光量調整部材72で反射された反射光HLのそれぞれの進路が変わる様子を示している。
図11(a),(b)に示すように、光量調整部材72のステージ光源71からの高さHが高いほど(H1<H2)、光量調整部材72で反射された光はステージ光源71から離れた位置まで届く。このため、光拡散シート41の端部(光拡散シート41の延びる方向、すなわちX軸方向の端部)まで光を到達させ易くなる。
【0044】
このように、実施の形態1では、仮置きステージ18が備える光源部であるステージ光源71、ステージ光源71から照射された光の一部を透過させるとともに、他の一部の光を反射する光量調整部材72、光量調整部材72で反射された光を反射する反射部73、光量調整部材72を透過した光(透過光TL)および反射部73で反射された光(反射光HL)を拡散してステージ光源71とは反対側の領域を照明する光拡散シート41から成る部分は、仮置きステージ18における照明装置を構成している。この照明装置は、ステージ光源71から照射された光の一部を透過させた透過光TLとステージ光源71の外側に広がるように反射させた反射光HLとを光拡散シート41で拡散してステージ光源71とは反対側(ここでは上側)の領域を照明する機能を有する。
【0045】
次に、照明ユニット19について説明する。
図12は照明ユニット19を基板搬送部12とともに示している。
図12に示すように、基板搬送部12の下方には昇降シリンダ12Dによって昇降自在なテーブル12Tが設けられており(
図2も参照)、照明ユニット19はテーブル12Tの上面に装着されている(
図13)。
【0046】
図13および
図14(a),(b)において、照明ユニット19は、ベース81、光照射手段としてのユニット光源82および光拡散体としての光拡散板83を有して構成されている。ユニット光源82はベース81の上面に配置されており、ベース81はテーブル12Tに着脱自在に装着されている。光拡散板83は光透過性を有するとともに光拡散性を有する材料、例えば、光拡散性を有する樹脂製の多孔質材料から構成されている。光拡散板83は、下端がベース81に保持されて上方に延びる4つの支持部材84によって支持されている。
【0047】
図13において、テーブル12Tの上面には、2つ一組のユニット固定突起12K(図中、一点鎖線で囲んだ2つのユニット固定突起12Kの組)がY軸方向に並んで複数配置されている。各ユニット固定突起12Kはテーブル12Tの上面から上方に突出して延びた形状を有している。一方、各照明ユニット19のベース81には、その対角位置に、2つ一組のユニット取付け孔85が設けられている(
図14(a))。照明ユニット19のベース81をテーブル12T上に取り付ける場合には、ベース81に設けられた2つ一組のユニット取付け孔85に、テーブル12T上に設けられた複数の2つ一組のユニット固定突起12Kの中から選択したひとつ(一組のユニット固定突起12K)が嵌入するようにする。
【0048】
このように実施の形態1において、テーブル12Tは、基板搬送部12により搬送される基板KBの幅方向(Y軸方向)に複数の照明ユニット19を並べて装着可能な構成となっている。
【0049】
図15に示すように、ユニット光源82から照射された光は光拡散板83において拡散されて光拡散板83を上方に透過する。このため、基板搬送部12によって搬入されて位置決めされた基板KBの下面が均一に照明され、基板KBを上方から見た場合、基板KBに設けられた各貫通孔KHの内部が明るく光って見える。
【0050】
図14(a),(b)および
図15に示すように、実施の形態1では、照明ユニット19が備える光拡散板83は、ひとつの主板83A(第1の光拡散板)とひとつの副板83B(第2の光拡散板)から構成されている。主板83Aは4つの支持部材84によって前後左右の四隅が支持されており、ベース81の直上に位置している。副板83Bは、4つの支持部材84のうちY軸方向の一方側(ここでは前側)に位置する2つの支持部材84によって支持されており、主板83Aの側方(ここでは前側)に張り出して位置している。
【0051】
図14(b)および
図15に示すように、副板83Bのベース81の下面からの高さは主板83Aのベース81の下面からの高さと異なっている。このため2つの照明ユニット19をテーブル12Tの上に並べて配置した場合には、
図16(a),(b)(
図15中に示す領域ARの拡大図)に示すように、一方の照明ユニット19の主板83Aと他方の照明ユニット19の副板83Bとをその一部において上下方向に(平面視において)オーバーラップさせることができる。
【0052】
このように、一方の照明ユニット19の主板83Aと他方の照明ユニット19の副板83Bとが上下方向にオーバーラップしている場合、
図16(a)に示すように、2つの照明ユニット19それぞれのユニット光源82から照射された光は2つの照明ユニット19が備える2つの主板83Aの間から洩れることがない。よって、2つの照明ユニット19の光拡散板83の上方領域(すなわち基板KBの下面)には全体にわたって均一な光が照射される。なお、ここでは副板83Bは主板83Aよりも低くなっている例を示したが、副板83Bが主板83Aよりも高くなっているのであってもよい。
【0053】
また、
図16(a)に示すように、ユニット光源82から照射されて主板83Aの下面で反射された光の一部は、更に、副板83Bの上面で反射してその上方に進む。このため、ユニット光源82から離れた位置に位置している副板83Bからも上方に向けて(すなわち基板KBの下面に向けて)光が照射されることとなり、光量が低くなりがちな副板83Bの上方領域の光量を適切に保つことができる。
【0054】
また、
図16(b)に示すように、ユニット光源82から発生した熱は主板83Aと副板83Bとの間の隙間から照明ユニット19の上方に放散される(図中、熱の流れを符号「HE」で示す)。このため、ユニット光源82から発生した熱が照明ユニット19の内側(光拡散板83の下側)の領域に籠るようなことがなく、熱の影響により照明ユニット19の寿命が低下する事態を防ぐことができる。
【0055】
ここでは、基板搬送部12の下方に位置するテーブル12T上に、Y軸方向に2つ並んで設けられた例を示したが、テーブル12T上にY軸方向に並んで配置できる照明ユニット19の数は2つに限られず、基板搬送部12を構成する一対のコンベア12aの間隔(基板KBの幅方向の間隔)に応じて任意に変更できる。実施の形態1では前述したように、テーブル12T上にY軸方向に並んで4組のユニット固定突起12Kが設けられているので、最大で4つの照明ユニット19をテーブル12T上に並べて装着することができる。
【0056】
次に、上記構成を有する実施の形態1における部品搭載装置1の動作を説明する。部品搭載装置1によって、基板搬送部12によって位置決めされた基板KBに部品BHを搭載する場合には、先ず、移載ヘッド15が作動して、部品供給部13を構成する各パーツフィーダ13aがそれぞれの部品供給口13Kに供給する部品BHをピックアップする。ここでは、移載ヘッド15は、16本のノズル21によって16個の部品BHを吸着してピックアップするものとする。
【0057】
移載ヘッド15は、16本のノズル21によって16個の部品BHをピックアップしたら、仮置きステージ18の上方に移動して、ピックアップした16個の部品BHを仮置きステージ18の部品載置部50の上面(光拡散シート41の上面)に載置する。このとき16個の部品BHが、区画部材42の42Hによって領域形成孔42Hによって形成された16個の領域のそれぞれに載置されるようにする。なお、区画部材42が下方のステージ光源71からの光を透過するような部材である場合には、領域形成孔42Hによって形成された領域を複数跨るように部品BHが載置されるようにしてもよい。
【0058】
移載ヘッド15が部品BHを載置する際には、その直前において、吸引部61がチャンバ31内(内部空間31P)の空気を吸引し、チャンバ31内を負圧にする。光拡散シート41は通気性を有しており、区画部材42は複数の領域形成孔42Hを有しているので、チャンバ31内が負圧になると、光拡散シート41の上面には吸着力が発生し、部品BHは各領域内の光拡散シート41の上面において確実に吸着保持される。
【0059】
移載ヘッド15によって部品BHが仮置きステージ18の部品載置部50に載置されたら、搭載ヘッド16が仮置きステージ18の上方に移動し、搭載ヘッド16に備えられた認識カメラ22によって各部品BHを上方から撮像(認識)する。このとき部品載置部50の下方(すなわち光拡散シート41の下方)に配置されたステージ光源71から光が照射されるので、光拡散シート41上の部品BHを上方から見た場合、部品BHの外側は明るい一方で部品BHそのものの領域は暗くなる。このため、部品BHの形状を高いコントラストのシルエットとして明瞭に認識することができ、搭載ヘッド16による部品BHのピックアップの精度を高めることができる。
【0060】
また、このとき、部品載置部50に下方から入射したステージ光源71からの光は光拡散シート41によって拡散され、ムラのない均一な光となって光拡散シート41の上面に載置された各部品BHを下方から照明するので、光拡散シート41上の複数の部品BHのそれぞれは、光拡散シート41上での位置によらず、明瞭に外形を把握することができる。
【0061】
認識カメラ22による仮置きステージ18上の部品BHの認識が終了したら、搭載ヘッド16は、複数(16本)のノズル21によって、仮置きステージ18に載置された複数(16個)の部品BHを吸着してピックアップする。この搭載ヘッド16による部品BHのピックアップが行われる直前まで、光拡散シート41上の各部品BHは光拡散シート41の上面に吸着固定された状態が維持される。このため、仮置きステージ18上に載置された部品BHは認識カメラ22によって認識する前後はもとより、その後の搭載ヘッド16による部品BHのピックアップ時においても、部品BHが仮置きステージ18上で位置ずれを起こすおそれがなく、この面でも搭載ヘッド16による部品BHのピックアップの精度を高めることができる。
【0062】
搭載ヘッド16は、複数のノズル21によって複数の部品BHをピックアップしたら、部品カメラ17の上方に移動し、ピックアップした16個の部品BHのそれぞれを部品カメラ17に撮像させる。部品カメラ17によって各部品BHが撮像され、各部品BHが認識されたら、搭載ヘッド16は基板搬送部12の上方に移動する。そして、基板KBの下方のテーブル12T上に装着された各照明ユニット19のユニット光源82を点灯させて、基板KBを下方から照射する。これにより基板KBに設けられた各貫通孔KHはその内部が明るく照らされる一方、基板KBはその光の陰となるので暗くなり、各貫通孔KHの内縁を高いコントラストで認識することができる。
【0063】
ここで、各照明ユニット19は、前述したように、ユニット光源82から照射された光を光拡散板83において拡散して光拡散板83を上方に透過させるので基板搬送部12によって搬入されて位置決めされた基板KBの下面はムラなく均一に照明される。このため基板KBに設けられた各貫通孔KHは、基板KB上での位置によらず、明瞭に認識することができる。
【0064】
照明ユニット19によって基板KBの下面からの照明を開始したら、搭載ヘッド16は基板KBに設けられた各貫通孔KHの内縁を認識しつつ、その貫通孔KHの位置に対応した部品BHを搭載していく。この際、部品BHの搭載位置の目標となる貫通孔KHの内縁が明瞭に認識されるので、極めて正確な搭載精度で基板KBに部品BHを搭載することができる。基板KBに搭載すべき部品BHを全て搭載したら、基板搬送部12が作動して、基板KBを下流側に搬出する。
【0065】
(実施の形態2)
図17(a),(b)は、実施の形態2における部品搭載装置1の光量調整部材72を示している。実施の形態2における部品搭載装置1は、光量調整部材72以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0066】
実施の形態1では、光量調整部材72の光透過孔72Hは、光量調整部材72の幅方向(X軸方向)にひとつだけ設けられた構成となっていたが、実施の形態2では、光量調整部材72の幅方向に光透過孔72Hが複数設けられている。
図17(a)は光量調整部材72の幅方向に光透過孔72Hが2つ設けられた例であり、
図17(b)は光量調整部材72の幅方向に光透過孔72Hが3つ設けられた例である。
図17(a),(b)から分るように、光量調整部材72の幅方向に設けられた光透過孔72Hの数が多いほど、光量調整部材72の幅方向、すなわち光拡散シート41の延びる方向(X軸方向)へ光の広がる範囲を大きくすることができる。
【0067】
(実施の形態3)
図18(a),(b),(c)は、実施の形態3における部品搭載装置1の光量調整部材72を示している。実施の形態3における部品搭載装置1は、光量調整部材72以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0068】
図18(a),(b)は、光量調整部材72が実施の形態1のような平板状ではなく、下方に凸となるように屈曲した形状を有する例である。
図18(b)では、
図18(a)の場合よりも屈曲の度合いが大きくなっている。
図18(a),(b)からわかるように、光量調整部材72の屈曲の度合いが大きくすることで、光量調整部材72の幅方向、すなわち光拡散シート41の延びる方向(X軸方向)への反射光HLの広がる範囲を大きくすることができる。
図18(c)は、光量調整部材72が下方に凸となるように湾曲した形状を有する例である。光量調整部材72が下方に湾曲した形状を有する場合においては、湾曲の度合い(曲率)が大きいほど、光量調整部材72の幅方向、すなわち光拡散シート41の延びる方向(X軸方向)への反射光HLの広がる範囲を大きくできる。
【0069】
(実施の形態4)
図19(a),(b)および
図20は、実施の形態4における部品搭載装置1の部品載置部50を示している。実施の形態4における部品搭載装置1は、部品載置部50以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0070】
実施の形態4では、部品載置部50が、光拡散シート41の上面側に区画部材42が重ねられた構成となっている。この場合、部品BHは区画部材42の領域形成孔42Hの上方から光拡散シート41の上面に載置される。部品載置部50がこのような構成を有している場合であっても、実施の形態1の場合、すなわち区画部材42を光拡散シート41の下面側に重ねた場合と同様の効果を得ることができる。但し、この場合は、区画部材42は光拡散シート41を平板形状に保持する機能を果し得ないので、光拡散シート41が自身で平板形状を保持することができるよう、実施の形態1の場合よりも厚みを大きくする等して曲げ変形しにくい剛性を確保する必要がある。
【0071】
実施の形態4では、光拡散シート41と区画部材42の上下の配置が入れ替わっているので、仮置きステージ18における部品載置面の高さが変わる(低くなる)。このため、部品BHの高さに応じ、認識カメラ22からの撮像距離Lが部品BHの高さによらずほぼ一定となるようにすることができる(
図8および
図20)。
【0072】
(実施の形態5)
図21(a),(b)は、実施の形態5における部品搭載装置1の区画部材42を示している。実施の形態5における部品搭載装置1は、区画部材42以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
図21(b)は
図21(a)における矢視V-Vの断面図である。
【0073】
実施の形態5では、
図21(a),(b)に示すように、区画部材42の領域形成孔42Hの厚み方向に沿って延びる内側面42Mがテーパ形状になっている。このため、領域形成孔42Hが下方に広がる区画部材42を光拡散シート41に重ねて保持体43に設置し(
図22(a))、あるいは領域形成孔42Hが上方に広がる区画部材42を光拡散シート41に重ねて保持体43に設置することで、ひとつの区画部材42で2つのサイズの部品BHに対応した空気の吸い込み領域(領域形成孔42Hの平面視領域から部品BHの平面視領域を除いた領域)を形成することができる(
図22(b))。
【0074】
実施の形態5では、部品BHのサイズが比較的小さい場合には、領域形成孔42Hが下方に広がる区画部材42を光拡散シート41に重ねて保持体43に設置するようにし(
図22(a))、部品BHのサイズが比較的大きい場合には、領域形成孔42Hが上方に広がる区画部材42を光拡散シート41に重ねて保持体43に設置するようにする(
図22(b))。これにより部品BHのサイズが変わっても空気の吸い込み領域をほぼ等しくすることができ、空気の吸い込み領域からの空気の吸い込み量(部品BHの周囲からの空気の吸い込み量を)適度な大きさに調節できるので、部品BHのサイズに応じた適切な吸着力が得られる。ここで、例えば、部品BHのサイズが比較的小さい場合に、領域形成孔42Hが上方に広がる区画部材42を光拡散シート41に重ねて保持体43に設置したとすると(
図22(c))、部品BHの周囲からの空気の吸い込み量が過大となってしまう可能性がある。
【0075】
(実施の形態6)
図23(a),(b),(c)は、実施の形態6における部品搭載装置1のチャンバ31を示している。実施の形態6における部品搭載装置1は、チャンバ31以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0076】
実施の形態6では、
図23(a),(b),(c)に示すように、領域形成孔42Hの内径が互いに異なる複数の区画部材42を上下方向(Z軸方向)に重ねることによって、区画部材42について実施の形態5と同様の効果を得ることができる。例えば、
図23(a)に示すように、領域形成孔42Hの内径が互いに異なる3つの区画部材42を領域形成孔42Hが小さい順に上から下へ重ねることで、複数の区画部材42全体として、領域形成孔42Hが下側に広がるようにして、実施の形態5における
図22(a)の区画部材42を備えたチャンバ31と同様の効果を得ることができる。また、
図23(b)に示すように、領域形成孔42Hの内径が互いに異なる3つの区画部材42を領域形成孔42Hが大きい順に上から重ねることで、複数の区画部材42全体として、領域形成孔42Hが上側に広がるようにして、実施の形態5における
図22(b)の区画部材42を備えたチャンバ31と同様の効果を得ることができる。
【0077】
図23(c)は、領域形成孔42Hの内径が互いに異なる2つの区画部材42を領域形成孔42Hが大きい順に上から重ねることで、複数の区画部材42全体として、領域形成孔42Hが上側に広がるようにして
図22(b)の区画部材42を備えたチャンバ31と同等の効果が得られるようにしたものであるが、重ねる区画部材42の数が2つであるので、
図22(b)の場合と比べて光拡散シート41の上面、すなわち部品載置面の高さが
図22(b)の場合よりも低くなる。このため、前述した実施の形態4の場合(
図20)のように、部品BHの高さに応じ、認識カメラ22からの撮像距離Lが部品BHの高さによらずほぼ一定となるようにすることができる。
【0078】
(実施の形態7)
図24(a),(b),(c)は、実施の形態7における部品搭載装置1の照明ユニット19を示している。実施の形態7における部品搭載装置1は、照明ユニット19以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0079】
図24(a),(b),(c)に示す例は、いずれも、実施の形態1における主板83Aと副板83Bとがそれぞれの端部において連接して一体となったのと同等の形状を有するものである。
図24(a)は、斜めに延びた主板83Aの一端部に同じ斜め方向に延びた副板83Bの一端部が連接した形状に相当する形状を有している。
図24(b)は、水平な主板83Aの一端部から下方に延出して延びた部分の下端部に水平な副板83Bが連接した形状に相当する形状を有している。
図24(c)は、水平な主板83Aの一端部に斜め方向に延びた副板83Bの一端部が連接した形状と同等の形状を有している。
図24(a),(b),(c)に示すように、これらの照明ユニット19をそれぞれテーブル12T上に複数並べて装着した場合、ひとつの照明ユニット19が有する主板83Aの端部と、その隣に位置する他の照明ユニット19の副板83Bとを上下方向に(平面視において)オーバーラップした状態とすることができるので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0080】
(実施の形態8)
図25(a),(b)は、実施の形態8における部品搭載装置1の照明ユニット19を示している。実施の形態8における部品搭載装置1は、照明ユニット19以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0081】
図25(a),(b)に示す照明ユニット19は、主板83Aと副板83Bのほか、もうひとつの副板(追加副板83C)を備えている。副板83Bと追加副板83Cはそれぞれ主板83Aに対してベース81からの高さが異なっており、副板83Bと追加副板83Cとの間でも高さが異なっている。ここでは、副板83Bは主板83Aよりも高さが高く、追加副板83Cは主板83Aよりも高さが低くなっている。このような構成の照明ユニット19をテーブル12T上に複数並べて装着した場合(
図26)、ひとつの照明ユニット19が有する副板83Bの端部と、その隣に位置する他の照明ユニット19の追加副板83Cとが上下方向に(平面視において)オーバーラップした状態とすることができるので、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0082】
(実施の形態9)
図27(a),(b)は、実施の形態9における部品搭載装置1の照明ユニット19を示している。実施の形態9における部品搭載装置1は、照明ユニット19以外の部分は全て実施の形態1の場合と同じであり、その説明は省略する。
【0083】
図27(a),(b)に示す照明ユニット19は、主板83Aに対して副板83Bが水平方向にスライド自在になっている。詳細には、副板83Bの長手方向(X軸方向)の両端部のそれぞれにY軸方向に延びた長孔から成るスライド孔87が設けられており、各スライド孔87に上方から挿入された固定用螺子88が主板83Aに螺入されている。このため2つの固定用螺子88を緩めたうえで副板83Bを主板83Aに対してスライドさせ、再度2つの固定用螺子88を締めることで、主板83Aに対する副板83Bの張り出し量を自在に調整することができる。
【0084】
このような構成の照明ユニット19をテーブル12T上に複数並べて装着した場合(
図28)、ひとつの照明ユニット19が有する主板83Aの端部と、その隣に位置する他の照明ユニット19の副板83Bとが上下方向に(平面視において)オーバーラップした状態となる。このため実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0085】
以上説明したように、実施の形態1~9における部品搭載装置1では、基板搬送部12の下方に照明ユニット19を備えており、この照明ユニット19によって基板KBを下方から照明することで、基板KBに設けられた貫通孔KHを基板KBの上方から高いコントラストで明瞭に認識することできるようになっている。しかも、照明ユニット19の光源であるユニット光源82から照射された光は光拡散板83によって拡散されて基板KBの下面の全体をムラなく均一に照明するので、基板KBに設けられた貫通孔KHはその基板KB上の位置によらず、明瞭に認識できる。よって実施の形態1~9における部品搭載装置1によれば、基板KBに設けられた貫通孔KHを高いコントラストで明瞭に認識でき、貫通孔KHを基準にして部品BHを基板KBに搭載する部品搭載作業を高精度で行うことができる。
【0086】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、仮置きステージ18に16個の部品BHを載置できるようになっていたが、これは一例であり、その数は特に限定されない。また、上述の実施の形態では、テーブル12Tには4つの照明ユニット19を並べて配置できるようになっていたが、これは一例であり、並べ当て配置できる照明ユニット19の数は特に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
基板に設けられた貫通孔を高いコントラストで明瞭に認識でき、貫通孔を基準にして部品を基板に搭載する部品搭載作業を高精度で行うことができる部品搭載装置を提供する。
【符号の説明】
【0088】
1 部品搭載装置
12 基板搬送部
12a コンベア
12T テーブル
19 照明ユニット
81 ベース
82 ユニット光源(光照射手段)
83 光拡散板(光拡散体)
84 支持部材
KB 基板