(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】分離システム
(51)【国際特許分類】
B04B 5/12 20060101AFI20240412BHJP
B01D 45/14 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
B04B5/12
B01D45/14
(21)【出願番号】P 2021522696
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2020016662
(87)【国際公開番号】W WO2020241104
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2019103344
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】横手 静
(72)【発明者】
【氏名】横内 保行
(72)【発明者】
【氏名】高木 翔太
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 修
(72)【発明者】
【氏名】岡田 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】宇野 拓
(72)【発明者】
【氏名】森崎 昌彦
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-097480(JP,A)
【文献】特開2017-192924(JP,A)
【文献】実公昭35-020080(JP,Y1)
【文献】米国特許第2453593(US,A)
【文献】実開昭61-033650(JP,U)
【文献】米国特許第1876002(US,A)
【文献】特開昭48-091669(JP,A)
【文献】特開2018-187550(JP,A)
【文献】特開2018-138295(JP,A)
【文献】国際公開第2016/092847(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 3/00、5/12、9/00
B01D 45/12-14
B01D 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端に気体の流入口を有し、第2端に気体の流出口を有し、前記第1端と前記第2端との間において軸方向に交差する方向に貫通している排出孔を有する筒体と、
前記筒体の内側に配置されており、前記筒体の前記軸方向に沿った回転中心軸を中心として回転可能な回転体と、を備え、
前記回転体は、前記回転体の回転時に前記筒体内に旋回する気流を発生させる羽根を有し、
前記筒体が前記軸方向において前記回転体よりも長く、
前記筒体の内側において前記軸方向における前記回転体と前記流出口との間に位置しており、内側空間が前記筒体の内側空間につながっている円筒状の内筒部を更に備え
、
前記筒体の外側に配置されており、前記筒体を収容している筐体を更に備え、
前記内筒部の外側において前記筐体に接続されており、内側空間が前記筐体と前記筒体との間の空間につながっている排気ダクトを更に備える、
分離システム。
【請求項2】
前記内筒部と前記筒体との間に形成され
ており前記排出孔とつながっている空間を有する、
請求項
1に記載の分離システム。
【請求項3】
前記内筒部の内側に空洞がある、
請求項
1、2のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項4】
前記筒体は、前記排出孔を複数有し、
前記複数の排出孔は、前記筒体の周方向において並んでいる、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項5】
前記内筒部は、前記軸方向において前記流出口に近づくにつれて内径及び外径が大きくなっている拡径部を含む、
請求項1~
4のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項6】
前記回転体は、前記羽根の基端がつながっている回転体本体を有し、
前記内筒部は、前記回転体側の上流端と前記流出口側の下流端とを有し、
前記上流端は、前記軸方向から見て前記羽根の先端縁と前記回転体本体との間に位置している、
請求項
5に記載の分離システム。
【請求項7】
前記筒体は、前記軸方向において前記流出口に近づくにつれて内径及び外径が小さくなっている縮径部を含む、
請求項1~
6のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項8】
前記回転体、前記筒体及び前記内筒部のうち少なくとも部が撥水性又は導電性を有する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項9】
前記回転体を回転させるモータを更に備える、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項10】
前記モータは、前記軸方向において前記回転体から見て前記流入口側に配置されている、請求項
9に記載の分離システム。
【請求項11】
前記筒体の前記内側空間につながっている流路を遮断可能なシャッター部を更に備える、請求項1~
10のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項12】
前記筒体の前記内側空間を通過する風量を制御するためのファンを更に備える、
請求項1~
11のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項13】
前記筒体の内側に配置されており、前記軸方向において前記筒体よりも短い内筒部
を備え、
前記筒体の前記流入口から流入して旋回している気流を前記内筒部の内側を通る第1の気流と前記内筒部の外側を通る第2の気流とに分けて、前記第2の気流を前記排出孔から排出させる、
請求項1に記載の分離システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離システムに関する。本発明は、より詳細には、気体に含まれている固体を気体から分離する分離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータと、枠体と、複数の仕切板(羽根)と、複数の流路と、回転板と、を備え、気体から固体を分離する分離装置が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
枠体は、円筒状である。枠体は、ロータを囲んでロータと同軸的に配置されている。複数の仕切板は、ロータと枠体との間の空間に配置されて空間を区分する。複数の流路のそれぞれは、複数の仕切板のうち隣り合う2つの仕切板とロータと枠体とで規定される。回転板は、環状である。回転板は、複数の仕切板に連結されている。複数の仕切板の各々は、ロータに連結されている。複数の流路の各々は、ロータの回転中心軸に沿った方向においてロータの第1端側が上流側であり、かつ、ロータの第2端側が下流側である。分離装置は、複数の流路それぞれの下流側において複数の仕切板よりも回転中心軸側にあり、複数の流路のうち少なくとも1つの流路に連通し回転中心軸に直交する方向に開放されている少なくとも1つの中心出口と、複数の流路それぞれの下流側において回転中心軸に直交する方向で複数の仕切板よりも外側にあり、複数の流路のうち少なくとも1つの流路に連通し、回転中心軸に直交する方向に開放されている外周出口と、を備える。回転板は、複数の流路それぞれの下流側において複数の仕切板及び空間を覆う大きさである。
【0004】
特許文献1に記載された分離装置では、回転板が、回転板の厚さ方向をロータの回転中心軸に沿った方向に揃えるように配置されている。このため、特許文献1に記載された分離装置では、気体から固体を効率良く分離することが可能となるが、圧力損失が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能な分離システムを提供することにある。
【0007】
本開示の一態様に係る分離システムは、筒体と、回転体と、を備える。筒体は、第1端に気体の流入口を有し、第2端に気体の流出口を有し、第1端と第2端との間において軸方向に交差する方向に貫通している複数の排出孔を有する。回転体は、筒体の内側に配置されており、筒体の軸方向に沿った回転中心軸を中心として回転可能である。回転体は、回転体の回転時に筒体内に旋回する気流を発生させる羽根を有する。筒体が軸方向において回転体よりも長い。分離システムは、円筒状の内筒部を更に備える。内筒部は、筒体の内側において軸方向における回転体と流出口との間に位置している。内筒部の内側空間が筒体の内側空間につながっている。
【0008】
本開示の別の一態様に係る分離システムは、筒体と、内筒部と、を備える。筒体は、第1端に気体の流入口を有し、第2端に気体の流出口を有し、第1端と第2端との間において軸方向に交差する方向に貫通している排出孔を有する。内筒部は、筒体の内側に配置されており、軸方向において筒体よりも短い。分離システムは、筒体の流入口から流入して旋回している気流を内筒部の内側を通る第1の気流と内筒部の外側を通る第2の気流とに分けて、第2の気流を排出孔から排出させる。
【0009】
本開示の分離システムは、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る分離システムの一部破断した斜視図である。
【
図5】
図5は、同分離システムにおける筒体の斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る分離システムの一部破断した斜視図である。
【
図11】
図11は、同分離システムに関し、筒体の軸方向から見たときの回転体に対する内筒部の上流端の位置と除塵率との関係を示すグラフである。
【
図12】
図12は、実施形態3に係る分離システムの一部破断した斜視図である。
【
図15】
図15は、実施形態4に係る分離システムの右側面図である。
【
図17】
図17は、実施形態5に係る分離システムの一部破断した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る分離システム1について、
図1~
図5に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る分離システム1の一部破断した斜視図である。
図2Aは、同分離システム1の正面図である。
図2Bは、同分離システム1の左側面図である。
図2Cは、同分離システム1の右側面図である。
図3は、同分離システムを示し、
図2CのA-A線断面図である。
図4は、同分離システムを示し、
図2AのB-B線断面図である。
図5は、同分離システムにおける筒体の斜視図である。
【0012】
(1)概要
実施形態1に係る分離システム1は、例えば、送風機能を有する空調設備の上流側に設けられ、空気(気体)中の固体を分離する。空調設備は、例えば、上流側から下流側へ空気を送風する送風装置である。送風装置は、例えば、電動ファンである。空調設備は、送風装置に限らず、例えば、換気装置、エアコンディショナー、給気キャビネットファン、送風装置と熱交換器とを備える空気調和システム等でもよい。空調設備により分離システム1に流す空気の流量は、例えば、100m3/h~300m3/hである。分離システム1に流れる空気の流量は、空調設備を流れる空気の流量と実質的に同じである。
【0013】
分離システム1は、
図1~4に示すように、筒体2と、回転体3と、を備える。筒体2は、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有する。筒体2は、筒体2の軸方向に交差する方向(筒体2の厚み方向)に貫通している排出孔25を有する。排出孔25は、例えば空気に含まれている固体を筒体2の外側に排出するための孔である。排出孔25は、筒体2の内側空間と筒体2の外側空間とをつないでいる。言い換えれば、排出孔25は、筒体2の内外を連通させる。回転体3は、筒体2の内側に配置されている。回転体3は、回転体3の回転時に筒体2内に旋回する気流を発生させる羽根36を有する。分離システム1では、筒体2と回転体3との間に、流入口23から流出口24に向かう流路200が形成されている。
【0014】
分離システム1は、モータ4を更に備える。モータ4は、回転体3を回転させる。ここで、分離システム1は、回転体3とモータ4の回転軸42(
図3を参照)との両方に連結されたシャフト7を更に備える。
【0015】
分離システム1は、円筒状の内筒部5を更に備える。内筒部5は、筒体2の内側において筒体2の軸方向における回転体3と流出口24との間に位置している。内筒部5の内側空間は、筒体2の内側空間につながっている。
【0016】
分離システム1は、筐体6を更に備える。筐体6は、筒体2の外側に配置されており、筒体2を収容している。
【0017】
分離システム1は、排気ダクト9を更に備える。排気ダクト9は、内筒部5の外側において筐体6に接続されている。排気ダクト9の内側空間は、筐体6と筒体2との間の空間につながっている。
【0018】
分離システム1は、上流側から流路200に流入した空気を、回転体3のまわりで螺旋状に回転させながら、流路200の下流側に流すことができる。ここにおける「上流側」は、空気の流れる方向でみたときの上流側(一次側)を意味する。また、「下流側」は、空気の流れる方向でみたときの下流側(二次側)を意味する。
【0019】
空気中の固体としては、例えば、微粒子、塵埃等が挙げられる。微粒子としては、例えば、粒子状物質等が挙げられる。粒子状物質としては、微粒子として直接空気中に放出される一次生成粒子、気体として空気中に放出されたものが空気中で微粒子として生成される二次生成粒子等がある。一次生成粒子としては、例えば、土壌粒子(黄砂等)、粉塵、植物性粒子(花粉等)、動物性粒子(カビの胞子等)、煤等が挙げられる。粒子状物質としては、大きさの分類として、例えば、PM(Particulate Matter)1.0、PM2.5(微小粒子状物質)、PM10、SPM(Suspended Particulate Matter、浮遊粒子状物質)等を挙げられる。PM1.0は、粒子径1.0μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。PM2.5は、粒子径2.5μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。PM10は、粒子径10μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。SPMは、粒子径10μmで100%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子であり、PM6.5-7.0に相当し、PM10よりも少し小さな微粒子である。
【0020】
(2)詳細
上述のように、分離システム1は、筒体2と、回転体3と、内筒部5と、筐体6と、モータ4と、シャフト7と、を備える。
【0021】
筒体2は、円筒状に形成されている。筒体2は、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有する。筒体2の材料は、例えば、ABS樹脂である。
【0022】
上述のように、筒体2は、筒体2の第1端21と第2端22との間において筒体2の軸方向に交差する方向に貫通している排出孔25を有する。筒体2は、複数(図示例では、44個)の排出孔25を有する。複数の排出孔25の各々は、
図5に示すように、実質的に4分の1円弧状である。複数の排出孔25の各々は、筒体2の周方向及び軸方向それぞれに並んでいる。これにより、分離システム1では、筒体2に流入した空気中の固体の大きさ又は筒体2の軸方向における位置に関係なく、筒体2の内周面27付近を通っている固体を、排出孔25から排出することが可能となる。複数の排出孔25は、
図1及び3に示すように、回転体3の外側に位置している第1群(図示例では、32個)の排出孔25と、内筒部5の外側に位置している第2群(図示例では、12個)の排出孔25と、を含む。
【0023】
回転体3は、筒体2の内側で筒体2と同軸的に配置されている。「筒体2と同軸的に配置されている」とは、回転体3が、回転体3の回転中心軸A3(
図3を参照)を筒体2の中心軸A2(
図3を参照)に揃えるように配置されていることを意味する。回転体3は、
図2C、
図3及び
図4に示すように、複数の羽根36と、回転体本体(ハブ)30と、を有する。回転体本体30には、複数の羽根36の基端361がつながっている。回転体本体30は、円柱状である。回転体本体30の材料は、例えば、ポリカーボネート樹脂である。
【0024】
回転体3の回転中心軸A3に沿った方向において、回転体3の長さは、筒体2の長さよりも短い。
【0025】
回転体本体30は、
図3に示すように、流入口23側の第1端31と、流出口24側の第2端32と、を有する。回転体本体30の第1端31は、筒体2の軸方向(筒体2の中心軸A2に沿った方向)において、流入口23の近くに配置されている。また、回転体本体30の第2端32は、筒体2の軸方向において、流出口24の近くに配置されている。
【0026】
筒体2と回転体本体30との間には、複数(ここでは、23枚)の羽根36が配置されている。複数の羽根36の各々は、基端361と、先端362と、を有する。複数の羽根36の基端361は、回転体本体30につながっている。複数の羽根36の各々は、回転体本体30の第1端31から第2端32に亘って形成されている。複数の羽根36の材料は、例えば、ポリカーボネート樹脂である。回転体3では、回転体本体30の材料と複数の羽根36の材料とが同じであるが、異なってもよい。
【0027】
複数の羽根36の各々は、平板状である。複数の羽根36の各々は、回転体本体30の外周面37と筒体2の内周面27との間の空間(流路200)において回転体3の回転中心軸A3と平行に配置されている。複数の羽根36の各々は、
図3及び
図4に示すように、羽根36の先端362と筒体2の内周面27との間に隙間が形成されるように配置されている。言い換えれば、分離システム1は、複数の羽根36の各々と筒体2の内周面27との間に隙間がある。
【0028】
複数の羽根36の各々は、回転体本体30の周方向に沿う方向に交差するように配置されている。複数の羽根36は、回転体本体30の周方向において等角度間隔で離れて配置されている。ここでいう「等角度間隔」とは、厳密に同じ角度間隔である場合だけに限らず、例えば、所定の誤差範囲内の誤差を含む角度間隔であってもよい。
【0029】
分離システム1では、筒体2の軸方向において流出口24側から見て、
図4に示すように、複数の羽根36の各々が、回転体本体30の一径方向に対して回転体3の回転方向R1に所定角度(例えば、45度)だけ傾いている。所定角度は、45度に限らず、例えば、10度~80度の範囲内の角度であればよい。
【0030】
回転体3は、シャフト7を介してモータ4の回転軸42と連結されている。より詳細には、分離システム1では、回転体3がシャフト7に連結され、シャフト7がモータ4の回転軸42と連結されている。これにより、回転体3は、モータ4の回転軸42及びシャフト7と一緒に回転することができる。分離システム1では、回転軸42とシャフト7とが、一直線上に並ぶように配置されている。
【0031】
モータ4は、回転体3を回転体3の回転中心軸A3のまわりで回転させる。回転体3の回転数は、例えば、1500rpm(revolutions per minute)~3000rpmである。モータ4は、例えば、直流モータである。モータ4は、例えば、外部の駆動回路により駆動される。
【0032】
モータ4は、
図3に示すように、モータ本体41と、モータ本体41から一部が突出している上述の回転軸42と、を備える。回転軸42は、円柱状である。モータ4は、回転体3の上流側に配置されている。
【0033】
シャフト7は、棒状であり、筒体2の流入口23と流出口24とのうち流入口23側に位置する第1端71と、流出口24側に位置する第2端72と、を有する。シャフト7の材料は、例えば、ステンレス鋼である。シャフト7は、その軸線が回転体3の回転中心軸A3と一致するように配置される。分離システム1では、シャフト7の第1端71が、回転体本体30内に位置し、シャフト7の第2端72が筒体2の流出口24側に位置している。分離システム1は、シャフト7を回転自在に支持する軸受8を備えている。軸受8がシャフト7の第2端72を回転自在に支持する。
【0034】
分離システム1は、第1カバー11と、第2カバー12と、を更に備える。第1カバー11は、筒体2の上流側に配置されている。第2カバー12は、筒体2の下流側に配置されている。分離システム1では、筒体2及び筐体6が、第1カバー11と第2カバー12とにより保持されている。筐体6は、円筒状であり、第1端61と、第2端62と、を有する。筐体6は、筒体2と同軸的に配置されている。「筒体2と同軸的に配置されている」とは、筐体6が、円筒状の筐体6の中心軸を筒体2の中心軸A2(
図3参照)に揃えるように配置されていることを意味する。
【0035】
分離システム1では、モータ4が、第1カバー11に着脱可能に取り付けられている。モータ4は、第1カバー11に対して例えば複数のねじによって固定されている。分離システム1では、軸受8が、第2カバー12に固定されている。
【0036】
第1カバー11には、
図3に示すように、筒体2の第1端21を位置決めしている円環状の溝114と、筐体6の第1端61を位置決めしている円環状の溝115と、が形成されている。第2カバー12には、
図3に示すように、筒体2の第2端22を位置決めしている円環状の溝124と、筐体6の第2端62を位置決めしている円環状の溝125と、が形成されている。
【0037】
筒体2の軸方向から見て、第1カバー11の外周形状は、例えば、正方形状である(
図2Bを参照)。第1カバー11は、第1フレーム部111と、第1取付部112と、4つの第1梁部113と、を有する。第1フレーム部111の外周形状は、第1カバー11の外周形状と同じある。第1フレーム部111の内周形状は、円形状である。第1フレーム部111の内径は、回転体本体30の外径よりも大きく、筒体2の内径よりも小さい。第1取付部112は、円盤状であって、第1フレーム部111の内側に配置されている。第1取付部112には、モータ4が取り付けられている。4つの第1梁部113は、第1フレーム部111と第1取付部112とをつないでいる。4つの第1梁部113は、第1取付部112の周方向において等間隔で離れて配置されている。第1カバー11の材料は、例えば、アルミニウムである。
【0038】
筒体2の軸方向から見て、第2カバー12の外周形状は、正方形状である(
図2Cを参照)。第2カバー12は、第2フレーム部121と、第2取付部122と、4つの第2梁部123と、を有する。第2フレーム部121の外周形状は、第2カバー12の外周形状と同じである。第2フレーム部121の内周形状は、円形状である。第2フレーム部121の内径は、筒体2の内径よりも小さく、内筒部5の内径と同じであり、回転体本体30の外径よりも大きい。第2取付部122は、円盤状であって、第2フレーム部121の内側に配置されている。第2取付部122には、軸受8が取り付けられている。軸受8は、転がり軸受であり、第2取付部122の凹部に圧入されることで第2取付部122に取り付けられている。4つの第2梁部123は、第2フレーム部121と第2取付部122とをつないでいる。4つの第2梁部123は、第2取付部122の周方向において等間隔で離れて配置されている。第2カバー12の材料は、例えば、アルミニウムである。
【0039】
第1カバー11の第1フレーム部111と第2カバー12の第2フレーム部121とは、例えば筐体6を囲むように配置される複数本の棒状の連結部材を介して連結されている。
【0040】
内筒部5は、筒体2の内側において、筒体2の軸方向における回転体3と流出口24との間に位置している。内筒部5は、回転体3側の上流端51と流出口24側の下流端52とを有する。内筒部5は、例えば、第2カバー12に固定されている。より詳細には、内筒部5では、例えば、内筒部5の下流端52が第2カバー12の4つの第2梁部123に固定されている。
【0041】
分離システム1では、内筒部5の内径は、筒体2の軸方向における位置によらず一定である。内筒部5の内径は、筒体2の内径よりも小さく、回転体本体30の外径よりも大きい。したがって、内筒部5の内側空間は、筒体2の内側空間につながっている。内筒部5の材料は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂である。
【0042】
分離システム1は、内筒部5と筒体2との間に形成されており排出孔25とつながっている空間S1(
図3を参照)を有する。分離システム1では、空間S1は、内筒部5と筒体2と第2カバー12とで囲まれている。分離システム1では、空間S1が、固体の滞在する溜まり部としての機能も有する。また、分離システム1では、内筒部5の内側に空洞10がある。ここにおいて、分離システム1では、モータ4が筒体2の上流側に配置されているので、内筒部5の内側には、内筒部5の内側にモータ4を配置する場合と比べて、より大きな空洞10が形成されている。分離システム1では、シャフト7のうち内筒部5の内側に位置している部分と内筒部5との間に別部材が介在せず、空洞10のみが形成されている。
【0043】
筐体6は、筒体2の外側に配置されており、筒体2を収容している。筐体6は、円筒状である。筐体6の内径は、筒体2の軸方向における位置によらず一定である。筐体6の内径は、筒体2の外径よりも大きい。筐体6の材料は、例えば、ABS樹脂である。
【0044】
排気ダクト9は、内筒部5の外側において筐体6に接続されている。排気ダクト9の内側空間は、筐体6と筒体2との間の空間につながっている。ここにおいて、筐体6は、筐体6の軸方向の第1端61と第2端62との間に排気孔65(
図4を参照)を有する。排気ダクト9は、例えば、筐体6の外周面66において排気孔65の周縁に接続されている。排気ダクト9は、筒体2の排出孔25から筐体6内に排出された気体に含まれる固体を筐体6の外部へ排出するためのダクトである。
【0045】
排気ダクト9は、筒体2の軸方向から見て、
図4に示すように、筐体6の外周面66から外周面66の一接線方向に沿った方向に延びている。ここにおいて、一接線方向は、回転体3の回転方向R1に沿った方向である。分離システム1では、排気ダクト9の延びている方向から見て、筐体6の排気孔65と筒体2の少なくとも1つの排出孔25の少なくとも一部とが重複している。
【0046】
(3)分離システムの動作
以下、分離システム1の動作例について説明する。
【0047】
分離システム1では、シャフト7に連結されている回転体3の回転方向R1が、モータ4の回転軸42の回転方向と同じとなる。回転体3の回転方向R1は、例えば、筒体2の流出口24側から見て、時計回り方向である。回転体3の回転角速度は、モータ4の回転軸42の回転角速度と同じである。
【0048】
分離システム1では、羽根36を有する回転体3が回転することで、筒体2の内側空間(流路200)に流入した空気に対して、回転中心軸A3のまわりの回転方向の力を与えることが可能となる。分離システム1では、羽根36を有する回転体3が回転することにより、筒体2の内側空間を流れる空気の速度ベクトルが、回転中心軸A3に平行な方向の速度成分と、回転中心軸A3のまわりの回転方向の速度成分と、を有することになる。要するに、分離システム1では、羽根36を有する回転体3が回転することにより、筒体2内に旋回する気流を発生させる。旋回する気流は、3次元の螺旋状に回転する気流である。
【0049】
分離システム1では、外部の空気が第1フレーム部111の内側の空間を通して筒体2の流入口23に流入する。第1フレーム部111の内側の空間は、第1カバー11の第1フレーム部111と第1取付部112と4つの第1梁部113のうち隣り合う2つの第1梁部113と、で囲まれた空間を含む。筒体2に流入した空気に含まれていた固体は、筒体2の内側空間(流路200)において螺旋状に回転するときに回転体3の回転中心軸A3から筒体2の内周面27に向かう方向の遠心力を受ける。遠心力を受けた固体は、筒体2の内周面27へ向かい、筒体2の内周面27付近を内周面27に沿って螺旋状に回転する。空気中の固体の一部が、筒体2の内側空間を通過する途中で排出孔25から排出される。
【0050】
分離システム1では、筒体2の内側において旋回している気流(旋回流)が発生する。このため、筒体2の流入口23から筒体2内に流入した空気中の固体(塵等)の一部が、排出孔25を通して排出され、固体(塵等)が分離(除去)された空気(清浄化された空気)の一部が、筒体2の流出口24から流出する。ここにおいて、分離システム1は、内筒部5を備えているので、
図3に示すように筒体2の内側において旋回している気流F0が内筒部5の内側を通る第1の気流F1と内筒部5の外側を通る第2の気流F2とに分けられる。第2の気流F2は、内筒部5の外側において筒体2の排出孔25から排出される。分離システム1では、筒体2内において回転体3の下流側に内筒部5が存在するので、回転体3のまわりを旋回していて排出孔25から排出されなかった固体が内筒部5の外側に導かれ易くなる。
【0051】
分離システム1の分離特性に関しては、回転体3の回転速度が速くなるにつれて分離効率が高くなる傾向にある。また、分離システム1の分離特性に関しては、分粒径が大きくなるにつれて分離効率が高くなる傾向にある。分離システム1では、例えば、規定粒径以上の微粒子を分離するように回転体3の回転速度が設定されているのが好ましい。規定粒径の微粒子としては、例えば、空気動力学的粒子径が、0.3μm~10μmの粒子を想定している。「空気動力学的粒子径」とは、空気動力学的挙動が、比重1.0の球形粒子と等価になるような粒子の直径を意味する。空気動力学的粒子径は、粒子の沈降速度から求められる粒径である。分離システム1で分離されずに空気中に残る固体としては、例えば、分離システム1で分離することを想定している微粒子よりも粒径の小さな微粒子(言い換えれば、分離システム1で分離することを想定している微粒子の質量よりも小さな質量の微粒子)を挙げることができる。
【0052】
(4)利点
実施形態1に係る分離システム1は、筒体2と、回転体3と、を備える。筒体2は、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有し、第1端21と第2端22との間において軸方向に交差する方向に貫通している排出孔25を有する。回転体3は、筒体2の内側に配置されており、筒体2の軸方向に沿った回転中心軸A3を中心として回転可能である。回転体3は、回転体3の回転時に筒体2内に旋回する気流F0を発生させる。筒体2が軸方向において回転体3よりも長い。分離システム1は、円筒状の内筒部5を更に備える。内筒部5は、筒体2の内側において筒体2の軸方向における回転体3と流出口24との間に位置している。内筒部5の内側空間が筒体2の内側空間につながっている。
【0053】
以上の構成により、実施形態1に係る分離システム1は、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。実施形態1に係る分離システム1は、圧力損失を抑制できる。これにより、モータ4の負荷を低減でき、低消費電力化を図れる。実施形態1に係る分離システム1では、筒体2と回転体3との間の空間から内筒部5と筒体2との間の空間S1に侵入した固体を空間S1に滞在させることも可能となる。実施形態1に係る分離システム1は、分離性能を向上できる。このため、内筒部5を備えていない場合と比べて、回転体3の小型化(回転中心軸A3に沿った方向に回転体3の長さの縮小化と、回転体3の外径の短径化との少なくとも一方)を図ることも可能となる。なお、回転体3の外径の短径化は、例えば、回転体3の円柱状の回転体本体30の外径を小さくすることで実現できる。
【0054】
また、実施形態1に係る分離システム1は、筐体6を更に備えている。これにより、筒体2の排出孔25から排出された固体が飛散するのを防止することができる。
【0055】
また、実施形態1に係る分離システム1は、排気ダクト9を更に備える。このため、筒体2の排出孔25から排出された固体が排気ダクト9を通して排出されやすくなる。これにより、分離システム1では、排出孔25から排出された固体を捕獲するためのメッシュフィルタを備えた分離装置と比べて圧力損失を低減できる。
【0056】
また、実施形態1に係る分離システム1は、以下の構成を満たしていれば、筒体2以外の構成は特に限定されない場合もある。
【0057】
実施形態1に係る分離システム1は、筒体2と、内筒部5と、を備える。筒体2は、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有し、第1端21と第2端22との間において軸方向に交差する方向に貫通している排出孔25を有する。内筒部5は、筒体2の内側に配置されており、筒体2の軸方向において筒体2よりも短い。分離システム1は、筒体2の流入口23から流入して旋回している気流F0(
図3を参照)を内筒部5の内側を通る第1の気流F1(
図3を参照)と内筒部5の外側を通る第2の気流F2(
図3を参照)とに分けて、第2の気流F2を排出孔25から排出させる。これにより、分離システム1は、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【0058】
(5)分離システムの適用例
分離システム1は、例えば、施設等に設置する空気浄化システムにおいて、空調設備の上流側に配置されたHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)等のエアフィルタよりも上流側に配置して使用する。
【0059】
本開示でいう「施設」は、例えば、データセンタ、病院、オフィスビル、工場、複合商業施設、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、空港、鉄道駅、ドーム球場、ホテル、住宅等である。その他、「施設」は、例えば、船舶、鉄道車両等の移動体であってもよい。
【0060】
「HEPAフィルタ」とは、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルタである。エアフィルタは、100%の粒子捕集効率を必須の条件とはしない。空気浄化システムは、分離システム1を備えることにより、PM1.0、PM2.5等の微粒子がエアフィルタへ到達するのを抑制することが可能となる。よって、空気浄化システムでは、分離システム1よりも下流側にあるエアフィルタ等の長寿命化を図ることが可能となる。例えば、空気浄化システムでは、エアフィルタに捕集される微粒子等の総質量が増加することによる圧力損失の上昇を抑制することが可能となる。これにより、空気浄化システムでは、エアフィルタの交換頻度を少なくすることが可能となる。空気浄化システムは、エアフィルタと空調設備とが互いに異なる筐体に収納された構成に限らず、空調設備の筐体内にエアフィルタを備えていてもよい。言い換えれば、空調設備が、送風装置に加えてエアフィルタを備えていてもよい。
【0061】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る分離システム1Aについて、
図6~
図9を参照して説明する。
図6は、実施形態2に係る分離システム1Aの一部破断した斜視図である。
図7Aは、同分離システム1Aの正面図である。
図7Bは、同分離システム1Aの左側面図である。
図7Cは、同分離システム1Aの右側面図である。
図8は、同分離システム1Aを示し、
図7CのA-A線断面図である。
図9は、同分離システム1Aを示し、
図7AのB-B線断面図である。実施形態2に係る分離システム1Aに関し、実施形態1に係る分離システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
実施形態2に係る分離システム1Aは、実施形態1に係る分離システム1の内筒部5の代わりに、内筒部5Aを備えている点等で、実施形態1に係る分離システム1と相違する。
【0063】
内筒部5Aは、内筒部5と同様、筒体2の内側において筒体2の軸方向における回転体3と流出口24との間に位置している。内筒部5Aは、回転体3側の上流端51Aと流出口24側の下流端52Aとを有する。
【0064】
内筒部5Aは、内筒部5とは異なる形状の円筒状であり、拡径部53Aを含んでいる。拡径部53Aの内径及び外径は、筒体2の軸方向において筒体2の流出口24に近づくにつれて大きくなっている。内筒部5Aは、筒体2の軸方向において、拡径部53Aの他に一定の内径及び一定の外径の部分を有していてもよい。
【0065】
内筒部5Aの上流端51Aの内径は、回転体本体30の外径よりも大きい。上流端51Aの外径は、筒体2の内径よりも小さい。内筒部5Aの下流端52Aの内径は、上流端51Aの内径よりも大きい。下流端52Aの外径は、上流端51Aの外径よりも大きい。下流端52Aの外径は、筒体2の内径と同じであるが、これに限らず、筒体2の内径よりも小さくてもよい。下流端52Aの内径は、第2フレーム部121の内径と同じである。
【0066】
内筒部5Aの上流端51Aは、筒体2の軸方向から見て羽根36の先端縁と回転体本体30(の外周面37)との間に位置している。
【0067】
実施形態2に係る分離システム1Aは、内筒部5Aを備えている。これにより、実施形態1に係る分離システム1と同様、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【0068】
実施形態2に係る分離システム1Aでは、実施形態1に係る分離システム1と比べて、分離性能が向上する。この理由は、実施形態2に係る分離システム1Aでは、実施形態1に係る分離システム1と比べて、筒体2の径方向における筒体2と内筒部5Aとの距離が筒体2の軸方向において下流側ほど短くなるので、筒体2内の気流に含まれる固体が内筒部5Aの外側において筒体2の排出孔25から排出されやすくなるためであると推考される。
【0069】
図10は、実施形態2に係る分離システム1Aの要部説明図である。
図10は、筒体2の軸方向から見たときの回転体3に対する内筒部5Aの上流端51Aの位置を説明するための図である。
図10には、回転体本体30の外周の位置を0%とし、筒体2の軸方向から見た複数の羽根36の先端縁を通る包絡線の位置を100%としたときに、筒体2の径方向において20%の位置、70%の位置、100%の位置それぞれに位置している上流端51Aを、それぞれ一点鎖線C1、C2及びC3で示してある。
【0070】
図11は、実施形態2に係る分離システムに関し、筒体2の軸方向から見たときの回転体3に対する内筒部5Aの上流端51Aの位置と除塵率との関係を示すグラフである。なお、
図11における除塵率は、規定粒径(例えば、1.0μm)の微粒子の流入口23への流入数と流出口24からの流出数との差分を、流入数で除した値を百分率で表している。
【0071】
図11から、実施形態2に係る分離システム1Aでは、内筒部5Aを設けていない場合と比べて、除塵率の向上を図ることが可能となることが分かる。上流端51Aが筒体2の径方向において20%~90%の位置にあれば、除塵率のより一層の向上を図ることが可能となることが分かる。
【0072】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る分離システム1Bについて、
図12~
図14を参照して説明する。
図12は、実施形態3に係る分離システム1Bの一部破断した斜視図である。
図13は、同分離システム1Bの右側面図である。
図14は、同分離システム1Bを示し、
図13のA-A線断面図である。実施形態3に係る分離システム1Bに関し、実施形態1に係る分離システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
実施形態3に係る分離システム1Bは、実施形態1に係る分離システム1の筒体2の代わりに、筒体2Bを備えている点等で、実施形態1に係る分離システム1と相違する。
【0074】
筒体2Bは、縮径部28を含んでいる。縮径部28は、筒体2Bの軸方向において流出口24に近づくにつれて内径及び外径が小さくなっている。筒体2Bは、縮径部28と、縮径部28よりも上流側の円筒部26(
図14を参照)と、を有する。円筒部26は、内径及び外径それぞれが一定である。例えば、円筒部26は、モータ4と回転体3とを囲んでいる部分である。縮径部28は、内筒部5の外側に位置しており、内筒部5を全周に亘って囲んでいる部分である。
【0075】
筒体2Bは、筒体2と同様、複数(図示例では、44個)の排出孔25を有する。複数の排出孔25は、回転体3の外側に位置している第1群(図示例では、32個)の排出孔25と、内筒部5の外側に位置している第2群(図示例では、12個)の排出孔25と、を含む。筒体2Bでは、円筒部26が第1群の排出孔25を有し、縮径部28が第2群の排出孔25を有している。
【0076】
実施形態3に係る分離システム1Bは、内筒部5を備えているので、実施形態1に係る分離システム1と同様、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【0077】
実施形態3に係る分離システム1Bでは、実施形態1に係る分離システム1及び実施形態2に係る分離システム1Aと比べて、分離性能が向上する。この理由は、実施形態3に係る分離システム1Bが筒体2Bの縮径部28を有するので、内筒部5の外側における筒体2Bと筐体6との間の空間の容積を大きくできて、筒体2Bと筐体6との間の空間の圧力を低下でき、筒体2Bの内側の気流に含まれる固体が内筒部5の外側において筒体2Bの排出孔25から排出されやすくなるためであると推考される。
【0078】
(実施形態4)
以下、実施形態4に係る分離システム1Cについて、
図15及び
図16を参照して説明する。
図15は、実施形態4に係る分離システム1Cの右側面図である。
図16は、同分離システム1Cを示し、
図15のA-A線断面図である。実施形態4に係る分離システム1Cに関し、実施形態1に係る分離システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
実施形態4に係る分離システム1Cは、実施形態1に係る分離システム1の筐体6の代わりに、筐体6Cを備えている点等で、実施形態1に係る分離システム1と相違する。
【0080】
筐体6Cは、筐体6とは異なる形状の円筒状であり、拡径部68を含んでいる。
【0081】
拡径部68の内径及び外径は、筒体2の軸方向において筒体2の流出口24に近づくにつれて大きくなっている。
【0082】
筐体6Cは、筒体2の軸方向において、拡径部68と、拡径部68よりも上流側の円筒部67と、を有する。円筒部67の内径及び外径は、それぞれ一定である。拡径部68の内径は、円筒部67側の端で円筒部67の内径と同じであり、円筒部67側とは反対側の端で円筒部67の内径よりも大きい。筒体2の径方向における筒体2と拡径部68との距離は、筒体2の軸方向において筒体2の流出口24に近づくにつれて大きくなっている。
【0083】
円筒部67の内径及び外径は、例えば、実施形態1に係る分離システム1の筐体6の内径及び外径それぞれと同じである。したがって、実施形態4に係る分離システム1Cは、実施形態1に係る分離システム1と比べて、内筒部5の外側における筒体2と筐体6Cとの間の空間の容積を大きくすることができる。
【0084】
分離システム1Cは、内筒部5を備えている。これにより、実施形態1に係る分離システム1と同様、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【0085】
(実施形態5)
以下、実施形態5に係る分離システム1Dについて、
図17~
図19を参照して説明する。
図17は、実施形態5に係る分離システム1Dの一部破断した斜視図である。
図18は、同分離システム1Dの右側面図である。
図19は、同分離システム1Dを示し、
図18のA-A線断面図である。実施形態5に係る分離システム1Dに関し、実施形態1に係る分離システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
分離システム1Dは、シャッタ部15及びファン16を更に備える点等で、実施形態1に係る分離システム1と相違する。
【0087】
分離システム1Dは、第1ダクト13と、第2ダクト14と、を更に備える。第1ダクト13は、筒体2の上流側に配置されている。第2ダクト14は、筒体2の下流側に配置されている。
【0088】
第1ダクト13は、円筒状である。第1ダクト13の内径は、筒体2の軸方向において筒体2からの距離によらず一定である。第1ダクト13の内側空間は、筒体2の上流側において筒体2の内側空間につながっている流路を構成している。
【0089】
第2ダクト14は、筒体2の軸方向において筒体2から離れるにつれて開口面積が徐々に小さくなる角筒状である。第2ダクト14の内側空間は、筒体2の下流側において筒体2の内側空間につながっている流路を構成している。
【0090】
シャッタ部15は、流路を開閉可能なシャッター機構である。シャッタ部15は、例えば、シャッタ本体151と、軸体152と、駆動部153と、を有する。シャッタ本体151は、円板状であり、第1ダクト13内に配置されている。シャッタ本体151の直径は、第1ダクト13の内径と実質的に同じである。軸体152は、シャッタ本体151に連結されている。駆動部153は、軸体152を回転させることによりシャッタ本体151を回転させる。駆動部153は、例えば、モータ等の電気駆動型のアクチュエータを含む。
【0091】
シャッタ部15では、シャッタ本体151が、シャッタ本体151の厚み方向と第1ダクト13の軸方向とが一致する第1位置と、シャッタ本体151の厚み方向と第1ダクト13の径方向とが一致する第2位置と、の間で回転可能となっている。シャッタ部15では、シャッタ本体151の厚み方向が第1ダクト13の軸方向と一致しているときに、筒体2の内側空間につながっている流路を遮断可能である。
【0092】
実施形態1に係る分離システム1では、モータ4の起動直後、モータ4の回転数が所定の回転数に達するまでの間、粉塵等の固体に十分な遠心力が与えられないため、固体に作用する力は、筒体2の径方向外向きの力よりも筒体2の軸方向の力が支配的となる。そのため、筒体2の流入口23から流出口24に向かう主流から固体が分離されずに流出口24から流出してしまうことがある。
【0093】
これに対して、実施形態5に係る分離システム1Dでは、例えば、モータ4の回転数がモータ4の起動後に所定の回転数に達するまでの間、シャッタ部15で流路を遮断しておく。これにより、気体に含まれている固体、及び、筒体2の内周面27等に付着していた固体が流出口24から流出するのを抑制することが可能となる。また、分離システム1Dでは、筒体2に流入する空気の湿度が高い場合等に構造体(施設)の内部空間の湿度の上昇を抑制することが可能となる。
【0094】
ファン16は、例えば、筒体2の内側空間を通過する風量を制御するために設けられる。
【0095】
実施形態1に係る分離システム1は、固体に遠心力を与えることを目的とした構造となっているため、軸方向に空気を送る力が比較的弱いことがある。そこで、構造体の内部空間へ流入する空気量(風量)が必要とされる風量よりも不足することがある。
【0096】
これに対して、実施形態5に係る分離システム1Dは、ファン16を備えているので、所定の風量を発生させることができる。
【0097】
実施形態5に係る分離システム1Dでは、筒体2の流出口24の下流側にファン16が配置されているので、構造体の内部空間へ流入する気体の流量を検知したり、制御したりしやすくなる。さらに、ファン16への粉塵等の付着が抑制される。
【0098】
分離システム1Dは、筒体2の下流側にファン16を配置してあるので、ファン16によって筒体2を通過する気体の流量(風量)を調整することができる。
【0099】
実施形態5に係る分離システム1Dは、内筒部5を備えているので、実施形態1に係る分離システム1と同様、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【0100】
実施形態5に係る分離システム1Dでは、ファン16の風量を少なくすることにより、内筒部5の外側に一旦導かれた固体が内筒部5の内側での軸方向の流速アップにより引っ張られるのを抑制可能となる。逆に言えば、分離システム1Dでは、内筒部5の外側の空間S1に一旦導かれた固体が内筒部5の内側の気流F1に引き込まれないようにファン16の風量を調整することにより、分離性能の向上を図れる。分離システム1Dでは、ファン16の風量を少なくしたほうが、筒体2の軸方向の流速を遅くできる。これにより、分離効率を向上させることができる。
【0101】
(実施形態の変形例)
実施形態1~5は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1~5は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0102】
筒体2の排出孔25は、円弧状に限らない。例えば、筒体2の中心軸A2に平行な方向に長いスリット状であってもよいし、中心軸A2に平行な方向に対して傾いた方向に細長いスリット状であってもよい。排出孔25は、円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。排出孔25は、筒体2の第1端21から第2端22に亘って形成されていてもよいし、筒体2の中心軸A2に沿った方向において筒体2の中央部から第2端22に亘って形成されていてもよい。
【0103】
また、筒体2の有する排出孔25の数は、複数に限らず、例えば、1つであってもよい。
【0104】
また、複数の排出孔25のそれぞれの形状は、同じである場合のみに限らず、異なっていてもよい。
【0105】
また、筒体2の材料は、ABS等の合成樹脂に限らず、金属等でもよい。回転体3の材料は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂に限らず、例えば、金属等でもよい。回転体3の材料が金属の場合、回転体3は、導電性を有する。回転体3は、例えば、その材料が合成樹脂の場合、撥水性を有していてもよい。
【0106】
また、内筒部5の下流端52は、筒体2の流出口24の下流側に位置していてもよい。内筒部5は、筒体2の軸方向から見て完全に閉じた円筒に限らず、一部が切れた円筒状であってもよく、例えば、C字状であってもよい。
【0107】
複数の羽根36のそれぞれは、回転体本体30と別部材として形成され回転体本体30に固定されることで回転体本体30に連結されていてもよい。
【0108】
また、複数の羽根36のそれぞれは、回転体本体30からの突出方向における筒体2側の先端362が、回転体3側の基端361よりも、回転体3の回転方向R1において前方に位置していてもよい。
【0109】
また、複数の羽根36の各々は、1つ以上の円弧状等の曲線状の部分を含む形状でもよい。
【0110】
また、複数の羽根36のそれぞれは、回転体本体30の回転中心軸A3のまわりで螺旋状に形成されていてもよい。ここにおいて「螺旋状」とは、回転数が1以上の螺旋形状に限らず、回転数が1の螺旋形状の一部の形状も含む。
【0111】
また、回転体3は、筒体2の中心軸A2に沿った方向において並んでおり、各々が回転体本体30の一部と複数の羽根それぞれの一部とを構成する複数の回転部材を結合することで回転体本体30と複数の羽根36とを有していてもよい。
【0112】
また、分離システム1、1A、1B、1C、1Dは、排気ダクト9を複数備えていてもよい。複数の排気ダクト9は、筐体6の外周方向に並んでいてもよい。複数の排気ダクト9は、筐体6の軸方向において互いに異なる位置にあってもよい。
【0113】
また、モータ4は、筒体2の軸方向において回転体3から見て流入口23側に配置されている場合に限らず、例えば、流出口24側に配置されていてもよい。
【0114】
また、実施形態2~5に係る分離システム1A、1B、1C、1Dは、回転体3を回転させるために筒体2の内側にモータ4を配置してある。しかし、これに限らず、例えば、筒体2の外側にモータ4を配置して、モータ4の回転軸の回転をプーリ及び回転ベルトを介して伝達するようにしてもよい。
【0115】
また、実施形態2~4に係る分離システム1A、1B、1Cのいずれかが、実施形態5に係る分離システム1Dにおけるシャッタ部15及びファン16の少なくとも一方を備えていてもよい。
【0116】
また、シャッタ部15は、筒体2の上流側の流路に限らず、下流側の流路に設けられていてもよい。シャッタ部15は、筒体2内に設けられていてもよい。
【0117】
また、ファン16は、筒体2の流出口24の下流側に限らず、例えば、筒体2の流入口23の上流側に配置されていてもよい。この場合、筒体2に流入する固体に予旋回が与えられるので固体が分離されやすくなる。これにより、除塵効率が向上する。
【0118】
また、ファン16は、筒体2内に設けられていてもよい。
【0119】
また、筒体2の流入口23から筒体2に流入する気体は、空気に限らず、例えば、排気ガス等であってもよい。
【0120】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0121】
第1の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、筒体(2、2B)と、回転体(3)と、を備える。筒体(2、2B)は、第1端(21)に気体の流入口(23)を有し、第2端(22)に気体の流出口(24)を有し、第1端(21)と第2端(22)との間において軸方向に交差する方向に貫通している複数の排出孔(25)を有する。回転体(3)は、筒体(2、2B)の内側に配置されており、筒体(2、2B)の軸方向に沿った回転中心軸(A3)を中心として回転可能である。回転体(3)は、回転体(3)の回転時に筒体(2、2B)内に旋回する気流(F0)を発生させる羽根(36)を有する。筒体(2、2B)が筒体(2、2B)の軸方向において回転体(3)よりも長い。分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、円筒状の内筒部(5、5A)を更に備える。内筒部(5、5A)は、筒体(2、2B)の内側において筒体(2、2B)の軸方向における回転体(3)と流出口(24)との間に位置している。内筒部(5、5A)の内側空間が筒体(2、2B)の内側空間につながっている。
【0122】
第1の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【0123】
第2の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、第1の態様において、筐体(6、6C)を更に備える。筐体(6、6C)は、筒体(2、2B)の外側に配置されており、筒体(2、2B)を収容している。
【0124】
第2の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、筒体(2、2B)の排出孔(25)から排出された固体が飛散するのを防止することができる。
【0125】
第3の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、第2の態様において、排気ダクト(9)を更に備える。排気ダクト(9)は、内筒部(5、5A)の外側において筐体(6、6C)に接続されている。排気ダクト(9)の内側空間が筐体(6、6C)と筒体(2、2B)との間の空間につながっている。
【0126】
第3の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、筒体(2、2B)の排出孔(25)から排出された固体が排気ダクト(9)を通して排出されやすくなる。
【0127】
第4の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、第1~3の態様のいずれか一つにおいて、内筒部(5、5A)と筒体(2、2B)との間に形成されおり排出孔(25)とつながっている空間(S1)を有する。
【0128】
第4の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)では、空間(S1)が、固体の滞在する溜まり部としての機能を有することも可能となる。
【0129】
第5の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、内筒部(5、5A)の内側に空洞(10)がある。
【0130】
第5の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、圧力損失を抑制可能となる。
【0131】
第6の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)では、第1~5の態様のいずれか一つにおいて、複数の排出孔(25)は、筒体(2、2B)の周方向において並んでいる。
【0132】
第6の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D、)は、分離性能を向上させることが可能となる。
【0133】
第7の態様に係る分離システム(1A)では、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、内筒部(5、5A)は、筒体(2、2B)の軸方向において流出口(24)に近づくにつれて内径及び外径が大きくなっている拡径部(53A)を含む。
【0134】
第7の態様に係る分離システム(1A)は、分離性能を向上させることが可能となる。
【0135】
第8の態様に係る分離システム(1A)では、第7の態様において、回転体(3)は、羽根(36)の基端(361)がつながっている回転体本体(30)を有する。内筒部(5A)は、回転体(3)側の上流端(51A)と流出口(24)側の下流端(52A)とを有する。上流端(51A)は、筒体(2、2B)の軸方向から見て羽根(36)の先端縁と回転体本体(30)との間に位置している。
【0136】
第8の態様に係る分離システム(1A)は、分離性能を向上させることが可能となる。
【0137】
第9の態様に係る分離システム(1B)では、第1~8の態様のいずれか一つにおいて、筒体(2B)は、筒体(2B)の軸方向において流出口(24)に近づくにつれて内径及び外径が小さくなっている縮径部(28)を含む。
【0138】
第9の態様に係る分離システム(1B)は、分離性能を向上させることが可能となる。
【0139】
第10の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)では、第1~9の態様のいずれか一つにおいて、回転体(3)、筒体(2、2B)及び内筒部(5、5A)のうち少なくとも一部が撥水性又は導電性を有する。
【0140】
第10の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、回転体(3)、筒体(2、2B)及び内筒部(5、5A)のうち少なくとも一部が撥水性を有する場合、例えば、環境湿度が高い状況や水分を含んだ粉塵等の固体を含んだ水分を含んだ気体が流入したときに付着するのを抑制することが可能となる。第10の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、回転体(3)、筒体(2、2B)及び内筒部(5、5A)のうち少なくとも一部が導電性を有する場合、固体が静電気により付着するのを抑制することが可能となる。
【0141】
第11の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、第1~10の態様のいずれか一つにおいて、モータ(4)を更に備える。モータ(4)は、回転体(3)を回転させる。
【0142】
第11の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、モータ(4)を別途用意する必要がなくなる。
【0143】
第12の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)では、第11の態様において、モータ(4)は、筒体(2、2B)の軸方向において回転体(3)から見て流入口(23)側に配置されている。
【0144】
第12の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、モータ(4)が流出口(24)側で内筒部(5、5A)の内側に配置されている場合と比べて、圧力損失を低減することができる。また、流速の上昇を抑制できて分離性能の向上を図れる。
【0145】
第13の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、第1~12の態様のいずれか一つにおいて、シャッタ部(15)を更に備える。シャッタ部(15)は、筒体(2、2B)の内側空間につながっている流路を遮断可能である。
【0146】
第13の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、例えば回転体(3)を回転させるモータ(4)の起動直後に気体中の固体が筒体(2、2B)の流出口(24)から流出することを抑制可能となる。
【0147】
第14の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、第1~13の態様のいずれか一つにおいて、ファン(16)を更に備える。ファン(16)は、筒体(2、2B)の内側空間を通過する風量を制御する。
【0148】
第14の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、内筒部(5、5A)の外側に一旦導かれた固体が内筒部(5、5A)の内側での軸方向の流速アップにより引っ張られるのを抑制可能となる。
【0149】
第2~14の態様に係る構成については、分離システム(1、1A、1B、1C、1D)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0150】
第15の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、筒体(2、2B)と、内筒部(5、5A)と、を備える。筒体(2、2B)は、第1端(21)に気体の流入口(23)を有し、第2端(22)に気体の流出口(24)を有し、第1端(21)と第2端(22)との間において軸方向に交差する方向に貫通している排出孔(25)を有する。内筒部(5、5A)は、筒体(2、2B)の内側に配置されており、筒体(2)の軸方向において筒体(2、2B)よりも短い。分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、筒体(2、2B)の流入口(23)から流入して旋回している気流(F0)を内筒部(5、5A)の内側を通る第1の気流(F1)と内筒部(5、5A)の外側を通る第2の気流(F2)とに分けて、第2の気流(F2)を排出孔(25)から排出させる。
【0151】
第15の態様に係る分離システム(1、1A、1B、1C、1D)は、圧力損失を抑制しつつ分離性能の向上を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0152】
1、1A、1B、1C、1D 分離システム
10 空洞
11 第1カバー
12 第2カバー
13 第1ダクト
14 第2ダクト
15 シャッタ部
16 ファン
111 第1フレーム部
112 第1取付部
113 第1梁部
114、115、124、125 溝
121 第2フレーム部
122 第2取付部
123 第2梁部
151 シャッタ本体
152 軸体
153 駆動部
2、2B 筒体
21 第1端
22 第2端
23 流入口
24 流出口
25 排出孔
26 円筒部
27 内周面
28 縮径部
3 回転体
30 回転体本体
31 第1端
32 第2端
36 羽根
361 基端
362 先端
37、66 外周面
4 モータ
41 モータ本体
42 回転軸
5、5A 内筒部
51、51A 上流端
52、52A 下流端
53A、68 拡径部
6、6C 筐体
61 第1端
62 第2端
67 円筒部
71 第1端
72 第2端
8 軸受
A2 中心軸
A3 回転中心軸
F0 気流
F1 第1の気流
F2 第2の気流
R1 回転方向
S1 空間