(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】薬剤分包ユニット
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
(21)【出願番号】P 2023036288
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2021171357の分割
【原出願日】2017-10-06
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2017063781
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】辻 秀憲
(72)【発明者】
【氏名】八田 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】三輪 研人
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-282339(JP,A)
【文献】国際公開第2010/058568(WO,A1)
【文献】特開2006-051178(JP,A)
【文献】特開2018-164724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤容器が設置される個別設置部を複数有する薬棚装置と、分包装置および表示装置を有する薬剤分包ユニットであって、
処方に関するデータに基づいて、指定期間に使用される可能性が高い錠剤を特定する処理を実行可能であり、
推奨容器提示画面を前記表示装置に表示可能であり、当該推奨容器提示画面は、前記個別設置部それぞれの前記錠剤容器の設置状況を示す第1表示部を少なくとも含むものであり、
前記第1表示部では、前記薬棚装置における前記個別設置部を模式的に示し、且つ、前記錠剤容器が設置されていない前記個別設置部又は前記処理で特定された錠剤ではない錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部の少なくともいずれかを強調表示する、薬剤分包ユニット。
【請求項2】
前記推奨容器提示画面は、前記処理で特定した錠剤に関する情報を表示する第2表示部をさらに含むものであり、且つ、前記第1表示部と前記第2表示部を目視可能に表示する画面である、請求項1に記載の薬剤分包ユニット。
【請求項3】
前記第2表示部では、前記個別設置部に設置されていない錠剤に関する情報を強調表示する、請求項2に記載の薬剤分包ユニット。
【請求項4】
前記個別設置部を複数有する容器取付部を備え、前記第2表示部は、前記容器取付部によって保持可能な前記錠剤容器の数と同数の錠剤に関する情報を表示する、請求項2又は3に記載の薬剤分包ユニット。
【請求項5】
前記第1表示部では、前記第2表示部に情報が表示された錠剤であって、将来的に不足されることが予測される錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部を強調表示する、請求項2乃至4のいずれかに記載の薬剤分包ユニット。
【請求項6】
前記処理で特定した錠剤に関する情報は、前記処理で特定した錠剤が含まれる分包動作が実施される回数を示す情報を含む、請求項2乃至5のいずれかに記載の薬剤分包ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤を収納した錠剤容器が設置され、薬剤を包装したり仕分ける装置に錠剤を供給する薬棚装置と分包装置を備えた薬剤分包ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤や散薬等の薬剤を1服用分ずつ包装する薬剤包装装置と組み合わされて使用される薬棚装置が知られている。この種の薬棚装置は、錠剤を収納した錠剤容器を複数保持可能であり、錠剤容器から排出された錠剤を薬剤包装装置に供給する。
例えば、このような薬棚装置として、特許文献1に開示された薬棚装置(錠剤カセット棚)が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された錠剤カセット棚は、薬剤包装装置の一部を形成するものであり、薬剤を包装する部分と一体に形成されている。そして、この錠剤カセット棚は、錠剤を収納した錠剤カセット(薬剤容器)を複数載置(取り付け)可能であり、薬剤を包装する部分に対して錠剤カセット内の錠剤を供給可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、薬剤包装装置を運用する薬局では、多数の来客が訪れることもあり、より分包動作の高速化が求められている。
しかしながら、従来の薬棚装置は、より素早く錠剤の供給動作を実施するという観点から、改良の余地があった。すなわち、薬剤包装のための動作及びそれに関する動作を効率よく実施可能とするという観点から改良の余地があった。さらに、錠剤容器の入れ替え作業を容易化するという観点からも改良の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、使用者による錠剤容器の入れ替え作業を容易化することが可能な薬剤分包ユニットの提供を課題とする。
なお、本発明に関連する発明は、動作のさらなる高速化が可能な薬棚装置の提供を課題とする。また、本発明に関連する発明は、薬棚装置と分包装置を備えた薬剤分包ユニットの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、錠剤容器が設置される個別設置部を複数有する薬棚装置と、分包装置および表示装置を有する薬剤分包ユニットであって、処方に関するデータに基づいて、指定期間に使用される可能性が高い錠剤を特定する処理を実行可能であり、推奨容器提示画面を前記表示装置に表示可能であり、当該推奨容器提示画面は、前記個別設置部それぞれの前記錠剤容器の設置状況を示す第1表示部を少なくとも含むものであり、前記第1表示部では、前記薬棚装置における前記個別設置部を模式的に示し、且つ、前記錠剤容器が設置されていない前記個別設置部又は前記処理で特定された錠剤ではない錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部の少なくともいずれかを強調表示する、薬剤分包ユニットである。
上記した様相は、前記推奨容器提示画面は、前記処理で特定した錠剤に関する情報を表示する第2表示部をさらに含むものであり、且つ、前記第1表示部と前記第2表示部を目視可能に表示する画面である、ことが好ましい。
上記した様相は、前記第2表示部では、前記個別設置部に設置されていない錠剤に関する情報を強調表示する、ことが好ましい。
上記した様相は、前記個別設置部を複数有する容器取付部を備え、前記第2表示部は、前記容器取付部によって保持可能な前記錠剤容器の数と同数の錠剤に関する情報を表示する、ことが好ましい。
上記した様相は、前記第1表示部では、前記第2表示部に情報が表示された錠剤であって、将来的に不足されることが予測される錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部を強調表示する、ことが好ましい。
上記した様相は、前記処理で特定した錠剤に関する情報は、前記処理で特定した錠剤が含まれる分包動作が実施される回数を示す情報を含む、ことが好ましい。
本発明の他の様相は、錠剤容器が設置される個別設置部を複数有する薬棚装置と、分包装置および表示装置を有する薬剤分包ユニットであって、未分包データに含まれる分包動作の対象となる錠剤を特定する処理を実行可能であり、推奨容器提示画面を前記表示装置に表示可能であり、当該推奨容器提示画面は、前記個別設置部それぞれの前記錠剤容器の設置状況を示す第1表示部を少なくとも含むものであり、前記第1表示部では、前記薬棚装置における前記個別設置部を模式的に示し、且つ、前記錠剤容器が設置されていない前記個別設置部又は前記処理で特定された錠剤ではない錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部の少なくともいずれかを強調表示する、薬剤分包ユニットである。
本発明に関連する発明の他の様相は、錠剤容器が設置される個別設置部を複数有する薬棚装置と、分包装置および表示装置を有する薬剤分包ユニットであって、想定日と指定期間とに基づいて、前記指定期間内に使用される可能性が高い錠剤を特定する使用錠剤予測動作を実行可能であり、前記想定日は、前記分包装置により分包動作を過去に実施したデータから特定された日であって、患者に対して錠剤が処方されることが予測される日であり、且つ、投与開始日と投与日数に関する情報に基づいて算出された日であり、前記指定期間は、予め入力により設定される又は自動で設定される期間であり、前記使用錠剤予測動作で特定した錠剤の薬剤名を少なくとも含む情報を前記表示装置に表示する、薬剤分包ユニットである。
上記した様相は、前記使用錠剤予測動作は、さらに前記分包装置により分包動作が未実施であるデータに基づいて使用される錠剤を特定する動作を実行可能であり、前記設置状況表示部では、前記錠剤容器が設置されていない前記個別設置部又は前記使用錠剤予測動作で特定された錠剤ではない錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部の少なくともいずれかを強調表示する、ことが好ましい。
上記した様相は、前記予定錠剤表示部は、前記情報をリスト表示し、前記個別設置部に設置されていない錠剤の薬剤名を少なくとも含む情報を強調表示する、ことが好ましい。
本発明に関連する発明の一つの様相は、錠剤容器が設置される個別設置部を複数有する薬棚装置と、分包装置および表示装置を有する薬剤分包ユニットであって、前記分包装置により分包動作を過去に実施したデータから特定される想定日と指定期間とに基づいて、前記指定期間に使用される錠剤を特定する使用錠剤予測動作を実行可能であり、前記使用錠剤予測動作で特定した錠剤に関する情報を前記表示装置に表示する、薬剤分包ユニットである。
上記した様相は、推奨容器提示画面を前記表示装置に表示可能であり、当該推奨容器提示画面は、前記個別設置部それぞれの前記錠剤容器の設置状況を示す設置状況表示部と、前記情報を表示する予定錠剤表示部とを少なくとも含むものであり、前記設置状況表示部では、前記薬棚装置における前記個別設置部を模式的に示し、且つ、前記使用錠剤予測動作で特定された錠剤ではない錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部を強調表示することが好ましい。
本発明に関連する発明の他の様相は、錠剤容器が設置される個別設置部を複数有する薬棚装置と、分包装置および表示装置を有する薬剤分包ユニットであって、前記分包装置により分包動作が未実施であるデータに基づいて、使用される錠剤を特定する使用錠剤予測動作を実行可能であり、推奨容器提示画面を前記表示装置に表示可能であり、当該推奨容器提示画面は、前記個別設置部それぞれの前記錠剤容器の設置状況を示す設置状況表示部を少なくとも含むものであり、前記設置状況表示部では、前記薬棚装置における前記個別設置部を模式的に示し、且つ、前記錠剤容器が設置されていない前記個別設置部又は前記使用錠剤予測動作で特定された錠剤ではない錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されている前記個別設置部の少なくともいずれかを強調表示する、薬剤分包ユニットである。
上記した様相は、前記推奨容器提示画面は、前記使用錠剤予測動作で特定した錠剤に関する情報を表示する予定錠剤表示部をさらに含むものであり、且つ、前記設置状況表示部と前記予定錠剤表示部を目視可能に表示する画面であることがより好ましい。
上記したより好ましい様相は、前記予定錠剤表示部では、前記個別設置部に設置されていない錠剤に関する情報を強調表示することがさらに好ましい。
また、本発明に関連する発明の他の一つの様相は、錠剤を所望の個数ずつ排出し、他の機器に供給する薬棚装置であって、複数の錠剤容器を取り付けられる容器取付部と、複数の錠剤供給経路と、前記錠剤供給経路を経て供給された錠剤を受け止める受止部と、前記受止部で受け止めた錠剤を押して移動させる錠剤押出片部とを備え、前記錠剤供給経路は、前記錠剤容器から供給された錠剤を前記受止部に供給する経路を形成するものであり、処方に関するデータに基づいて、前記受止部に供給する錠剤を収容した前記錠剤容器を特定する容器特定動作を実施し、特定した前記錠剤容器に対応する前記錠剤供給経路に応じて、前記錠剤押出片部の待機位置を変更するものであり、錠剤を所定位置まで搬送する錠剤搬送装置を有し、前記錠剤搬送装置は、一次搬送部を備え、前記一次搬送部は、薬棚装置側から前記他の機器側へ向かう方向と交わる方向へ錠剤を搬送する部分であり、且つ、前記受止部と、前記錠剤押出片部を有しており、前記一次搬送部は、搬送方向に前記錠剤押出片部を移動させ、前記錠剤押出片部によって錠剤を押し動かして搬送するものであり、前記錠剤供給経路のそれぞれは、前記受止部の異なる位置に錠剤を供給するものであり、前記錠剤押出片部の待機位置は、前記錠剤押出片部の移動方向の上流側の基準待機位置と、当該基準待機位置よりも下流側に位置する変更待機位置を含むことを特徴とする薬棚装置である。
また、関連する他の様相は、薬剤を所望の個数ずつ排出し、他の機器に供給する薬棚装置であって、複数の錠剤容器を取り付けられる容器取付部と、錠剤を所定位置まで搬送する錠剤搬送装置と、複数の錠剤供給経路を有し、前記錠剤供給経路は、対応する前記錠剤容器から供給された錠剤を前記錠剤搬送装置に供給する経路を形成するものであり、前記錠剤搬送装置は、錠剤を押して移動させる錠剤押出片部を備え、供給する錠剤を収容した前記錠剤容器を処方に関するデータに基づいて特定する容器特定動作を実施し、特定した前記錠剤容器に対応する前記錠剤供給経路に応じて、前記錠剤押出片部の待機位置を変更することを特徴とする薬棚装置である。
【0008】
なお、ここでいう「錠剤」とは、薬剤を一定の形状に圧縮したものの他、カプセル剤等の粒状に形成した固形剤全般を含むものとし、以下の記載も同様とする。
本様相によると、錠剤押出片部の待機位置を定位置とする場合に比べ、薬剤包装装置に錠剤を供給する動作を高速化できるので、好ましい。
【0009】
上記した様相は、錠剤を所定位置まで搬送する錠剤搬送装置を有し、前記錠剤搬送装置は、一次搬送部を備え、前記一次搬送部は、薬棚装置側から前記他の機器側へ向かう方向と交わる方向へ錠剤を搬送する部分であり、且つ、前記受止部と、前記錠剤押出片部を有しており、前記一次搬送部は、搬送方向に前記錠剤押出片部を移動させ、前記錠剤押出片部によって錠剤を押し動かして搬送するものであり、前記錠剤供給経路のそれぞれは、前記受止部の異なる位置に錠剤を供給するものであり、前記錠剤押出片部の待機位置は、前記錠剤押出片部の移動方向の上流側の基準待機位置と、当該基準待機位置よりも下流側に位置する変更待機位置を含むことが好ましい。
言い換えると、前記錠剤搬送装置は、一次搬送部を備え、前記一次搬送部は、薬棚装置側から前記他の機器側へ向かう方向と交わる方向へ錠剤を搬送する部分であり、且つ、供給された錠剤を受け止める受止部と、前記錠剤押出片部を有しており、前記一次搬送部は、搬送方向に前記錠剤押出片部を移動させ、前記錠剤押出片部によって錠剤を押し動かして搬送するものであり、前記錠剤供給経路のそれぞれは、前記受止部の異なる位置に錠剤を供給するものであり、前記錠剤押出片部の待機位置は、前記錠剤押出片部の移動方向の上流側の基準待機位置と、当該基準待機位置よりも下流側に位置する変更待機位置を含むことが好ましい。
【0010】
また、上記した様相は、前記錠剤搬送装置は、前記一次搬送部と二次搬送部を備え、且つ、それぞれの前記錠剤容器から供給された錠剤を所定位置まで搬送するものであり、前記一次搬送部は、薬棚装置側から前記他の機器側へ向かう方向と交わる方向へ錠剤を搬送する部分であり、前記二次搬送部は、薬棚装置側から前記他の機器側へ向かう方向へ錠剤を搬送するものであって、錠剤を前記一次搬送部で搬送した後に前記二次搬送部で搬送する動作と、錠剤を前記一次搬送部で搬送せずに前記二次搬送部で搬送する動作のそれぞれが可能であることが好ましい。
【0011】
この好ましい様相によると、数多くの錠剤容器が設置される場合でも、錠剤の供給動作の高速化を図ることができる。
すなわち、従来技術の薬棚装置では、数多くの錠剤容器を設置するために錠剤容器を設置する部分を大きくすると、広い範囲の様々な場所に錠剤容器が配されることとなり、錠剤を所定の位置まで搬送するのに時間が掛かってしまうという問題がある。
これに対して様相によると、複数の搬送経路があり、一次搬送部をショートカットして搬送することもできるので、搬送に要する時間が短い。
【0012】
また、上記した様相は、前記他の機器は、薬剤を収容する収容凹部が形成されたトレーに対し、薬剤を供給する装置であることが好ましい。
【0013】
本発明に関連する発明の他の様相は、分包装置と、上記した薬棚装置を備えた薬剤分包ユニットであって、各種情報を表示するための表示装置を有し、前記容器取付部は、個別に前記錠剤容器が設置される個別設置部を複数有し、処方に関するデータに基づいて、指定期間に使用される可能性が高い錠剤及び当該錠剤を収納する前記錠剤容器を特定する使用錠剤予測動作を実行可能であり、前記表示装置は、推奨容器提示画面を表示可能であり、当該推奨容器提示画面は、前記容器取付部における前記錠剤容器の設置状況を示す設置状況表示部を少なくとも含むものであり、前記設置状況表示部では、前記容器取付部を模式的に示し、且つ、前記使用錠剤予測動作で特定された錠剤を収納する前記錠剤容器が設置されていない前記個別設置部が強調表示されることを特徴とする薬剤分包ユニットである。
【0014】
この様相によると、分包動作を実施する前に、使用する可能性の高い錠剤容器を予め容器取付部に保管させておく(取り付けておく)ことが可能となり、その作業(取り付け作業)の容易化を図ることができる。そして、使用頻度の高い錠剤が収納された錠剤容器から優先的に容器取付部に保管させることで、分包動作で使用する錠剤の大多数を自動で薬剤包装装置に供給することが可能となり、錠剤を手動で薬剤包装装置に供給する作業の回数を減らすことができる。結果、分包動作の高速化を図ることができる。
【0015】
この様相は、前記推奨容器提示画面は、前記使用錠剤予測動作で特定した錠剤をリスト表示する予定錠剤表示部をさらに含むものであり、且つ、前記設置状況表示部と前記予定錠剤表示部を同時に目視可能に表示する画面であり、前記予定錠剤表示部では、前記容器取付部に設置された前記錠剤容器に収容されていない錠剤が強調表示されることがさらに好ましい。
【0016】
また、この様相は、前記分包装置は、薬剤を収容する収容凹部が形成されたトレーに対し、薬剤を供給する装置であることが好ましい。
本発明に関連する発明のさらに他の様相は、錠剤を収容する錠剤容器から前記錠剤を所望の個数ずつ排出し、他の機器に供給する薬棚装置であって、複数の錠剤供給経路と、前記錠剤供給経路を経て供給された錠剤を受け止める受止部と、前記受止部で受け止めた錠剤を押して移動させる錠剤押出片部とを備え、前記錠剤供給経路は、前記錠剤容器から供給された錠剤を前記受止部に供給する経路を形成するものであり、前記錠剤押出片部の移動方向で最も上流側に位置する前記錠剤供給経路から供給される錠剤の落下位置よりも上流側の位置を基準の位置としたとき、処方に関するデータに基づいて、前記受止部に供給する錠剤を収容した前記錠剤容器を特定する容器特定動作を実施し、容器特定動作の結果に基づき、前記基準の位置よりも下流側の位置を前記錠剤押出片部の待機位置とすることを特徴とする薬棚装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、使用者による錠剤容器の入れ替え作業を容易化することが可能な薬剤分包ユニットの提供が可能となる。
また、本発明に関連する発明によると、薬剤を所定の位置まで搬送する際の動作のさらなる高速化が可能な薬棚装置、並びに薬剤分包ユニットの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態にかかる薬棚付包装装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の薬棚付包装装置を示す斜視図であり、薬剤包装装置を模式的且つ透過して示す。
【
図3】
図2の錠剤カセット棚から薬剤包装装置に錠剤を供給する際、カセット棚の内部で錠剤が移動する様子を模式的に示す概念図である。
【
図5】
図4の片側錠剤受止部の内部機構を示す斜視図である。
【
図6】
図4の片側錠剤受止部の内部で回動板部が回動する様子を示す説明図であり、(a)は回動板部によって錠剤導入空間の下方側が閉塞された状態を示し、(b)は錠剤導入空間の下方側が開放された状態を示す。
【
図7】横搬送部を示す斜視図であり、上側前方に位置する壁状部分の一部を省略して示す。
【
図9】
図4の落下経路形成部の内部構造及びその周辺を示す説明図であり、落下経路形成部の前方側に位置する壁状部分を省略して示す図であって、(a)、(b)はそれぞれ異なる方向からみた様子を示す。
【
図10】錠剤押出部の内部構造の要部を示す断面図である。
【
図11】錠剤押出部で錠剤を搬送する様子を示す説明図であり、(a)は、錠剤搬送装置が第1待機姿勢をとる様子を示し、(b)は(a)の状態から錠剤搬送装置全体が錠剤搬出口部側へ移動した様子を示し、(c)は(b)の状態から搬送体部のみが錠剤搬出口部側へ移動した様子を示す。
【
図12】裏側からみた
図2の錠剤カセット棚の上側部分を一部透過させつつ模式的に示す説明図であり、(a)、(b)は、それぞれ錠剤押出片部が異なる位置で待機している様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した例であり、本発明がこれらの例に限定されるものではない。また、前後、上下、左右の方向は、特に断りのない限り、
図1の姿勢を基準に説明する。
【0020】
本実施形態の薬棚付包装装置1(薬剤分包ユニット)は、
図1で示されるように、薬剤包装装置2(分包装置、他の機器)と、錠剤カセット棚350(薬棚装置)を備えている。そして、これら薬剤包装装置2と錠剤カセット棚350を一体に取り付けることで形成されている。
【0021】
薬剤包装装置2は、分包部5と、図示しないモニタ(表示装置であり、以下、操作表示部とも称す)を備えたものとなっている。
この薬剤包装装置2は、処方された毎服用分の錠剤を所謂ブリスターパック形式のトレー(たとえば、7行4列により升目状に区画された収納凹部を有するトレー)に分包するものである。すなわち、薬剤包装装置2は、トレーに形成された升目状に配される収納凹部のそれぞれに対して一服用分ずつの錠剤を仕分けて供給し、トレーの開放面に蓋シート(蓋部)を張り付けることで、錠剤を包装する装置である。
【0022】
薬剤包装装置2は、錠剤カセット棚350から供給される錠剤を自動的に包装する自動分包動作が可能である。さらに、錠剤カセット棚350に保管された錠剤容器360(詳しくは後述する)に収納されていない錠剤を補助的に手動で供給し(所謂手撒きによる分包)、その後にトレーに包装する手動分包動作が可能である。
なお、上記した蓋シートを張り付ける動作は、作業者が手動で実施してもよい。
【0023】
分包部5は、内部への押し込みと収納された状態からの引き出しが可能な引出部5aを有している。そして、この分包部5から錠剤を封入したトレーの取り出しが可能となっている。
【0024】
操作表示部は、所謂タッチパネルであり、液晶パネル等の表示装置と、タッチパッド等の位置入力装置を組み合わせて形成されたものである。
【0025】
ここで、薬棚付包装装置1は、薬剤包装装置2と錠剤カセット棚350との双方又は一方に基板等の制御装置(図示しない)が内蔵されている。
そして、外部のデバイス(携帯電話、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型PC、他の調剤用機器)と内蔵される制御装置とを互いに通信網を介してデータ(信号)を送受信可能な状態とすることで、薬剤提供業務支援システムを構築可能となっている。
なお、上記した制御装置と、上記デバイスの携帯電話、PC、タブレット型PC等は、CPU等の演算処理装置で構成される演算手段、メモリやハードディスク等の記憶媒体で構成される情報記憶手段を備えた構造となっている。さらに、データ(信号)を外部と送受信するためのインターフェース回路等によって構成される信号送受信手段を備えた構造となっている。
【0026】
このことから、例えば、外部のPCで処方に関するデータを入力した際、薬棚付包装装置1で使用するための処方に関するデータ(以下、単に処方データと称する)を作成し、この処方データに基づいて薬棚付包装装置1の各種動作(詳しくは、後述する)を実行させることが可能となっている。
【0027】
この処方データは、薬剤師等の薬棚付包装装置1の使用者が処方に関するデータを薬棚付包装装置1に直接入力して作成されてもよい。
【0028】
また、この処方データには、薬剤を提供される患者に関する情報、処方された薬剤を特定する情報、薬剤を提供した日付に関する情報、服用日数に関する情報、服用時期に関する情報が含まれていてもよい。またこれらの情報を関連付けて形成される情報であってもよい。
さらに、上記した患者に関する情報には、患者ID、漢字や仮名文字で表される患者名、生年月日、住所、電話番号等のデータが含まれていてもよい。
また、上記した処方された薬剤を特定する情報には、薬剤ID、薬剤名、収納される錠剤容器360を特定する情報(カセットNоや容器ID等)、投与開始日(調剤日)、投与日数、投与量(使用量)、提供された包数等のデータが含まれていてもよい。また、薬剤の提供元を特定するためのデータ(機関名、施設名、部門名等であり、例えば、医療機関名、診療科名等)が含まれていてもよい。
さらに、その処方に基づいて、すでに薬棚付包装装置1で分包動作を実施したか否かを特定する情報が含まれていてもよい。
そして、上記した服用時期に関する情報は、提供された薬剤を朝、昼、夜のいずれに服用するかを特定する情報である。
【0029】
なお、薬棚付包装装置1や外部のデバイスの記憶手段には、容器取付部361に保持可能なそれぞれの錠剤容器360の在庫量(錠剤の収容量)に関する情報を記憶してもよい。すなわち、分包動作が実施される毎に処方データに基づいて在庫量を算出し、記憶させてもよい。
【0030】
錠剤カセット棚350は、
図2で示されるように、複数の錠剤容器360を保持する容器取付部361と、容器取付部361の下方側に位置する錠剤供給装置362(錠剤搬送装置)を備えた構造となっている。
本実施形態の錠剤カセット棚350では、異なる種類(2種)の錠剤容器360を保持している。
錠剤容器360は、錠剤を収容する収容部と、図示しないロータを備えており、収容された錠剤を1つずつ錠剤落下経路660(詳しくは後述する、
図12参照)に排出可能となっている。
薬棚付包装装置1では、錠剤供給装置362の手前側の一部が、薬剤包装装置2の背面側に形成される連結口部(図示しない)に挿通された状態となる。さらに、錠剤供給装置362の錠剤押出経路484(詳しくは後述する)の前端側が、薬剤包装装置2の内部に配された状態となる。すなわち、錠剤押出経路484から排出された錠剤が薬剤包装装置2に供給されることとなる。
【0031】
そして、錠剤カセット棚350から薬剤包装装置2に錠剤を供給する際、錠剤容器360から落下した錠剤が、下方側に位置する錠剤供給装置362に導入される。そして、錠剤供給装置362の内部で錠剤押出経路484まで運ばれた後、錠剤押出経路484から押し出されることとなる。
【0032】
詳細に説明すると、
図3で示されるように、錠剤供給装置362は、大別して、上側に位置する錠剤受止部365(導入部)と、その下方側に位置する左右2つの横搬送部366(一次搬送部)及び落下経路形成部367(経路形成部)を備えた構成となっている。そして、落下経路形成部367の下方側には、錠剤押出部368(二次搬送部)がある。
ここで、薬剤包装装置2に錠剤を供給する際、錠剤容器360の内部に収容されていた錠剤が錠剤落下経路660に排出され、錠剤落下経路660から錠剤受止部365に落下する。そして、錠剤を錠剤受止部365の内部で一時的に留まらせた後、錠剤受止部365から錠剤が下方に落下する。すなわち、錠剤受止部365は、ダンパ状の部分(後述する回動板部384)を有しており、この部分が回動することで、上方から落下してきた錠剤を受け止め貯留する状態と、下方へ錠剤を落下させる状態の切り替えが可能となっている。
このとき、錠剤は、錠剤受止部365の内部での収納位置(錠剤落下経路660から落下する際の落下位置)に応じて、横搬送部366又は落下経路形成部367に導入される。このとき、横搬送部366に導入された錠剤は水平方向に搬送され(押し動かされ)、落下経路形成部367に到る。そして、落下経路形成部367を通過した錠剤が錠剤押出部368に導入され、錠剤押出部368で奥側から手前側(錠剤カセット棚350側から薬剤包装装置2側)へ押し出し搬送される。
すなわち、錠剤供給装置362は、錠剤の移動経路(搬送経路)を複数有しており、内部で錠剤を定位置まで移動させる際、適切な経路で移動させることができる。
以下、錠剤供給装置362について詳細に説明する。
【0033】
錠剤供給装置362は、横に延びた形状の錠剤受止部365(導入部)と、同じく横に延びた形状の横搬送部366(一次搬送部)と、縦に延びた形状の錠剤押出部368(二次搬送部)が縦に積み重ねられた3段積み構造となっている(
図4参照)。
最上段の錠剤受止部365は、上方から落下してきた錠剤を受け止めるための部分であり、錠剤供給装置362の全体において、錠剤の導入部として機能する部分である。
この錠剤受止部365は、左右方向(錠剤カセット棚350の幅方向)における一端側に位置する片側錠剤受止部365aと、他端側に位置する他方側錠剤受止部365bを備えている。
【0034】
片側錠剤受止部365aは、
図4で示されるように、左右方向に延びる略直方体状の部分であり、3つの錠剤導入空間370(収納空間)が形成されたものとなっている。
詳細には、3つの錠剤導入空間370a,370b,370cが間隔を空けて並列するように設けられており、これらの間に連結部材配置部371と、仕切部材372とが位置している。つまり、3つの錠剤導入空間370は、左右方向に延びる空間を連結部材配置部371と仕切部材372で分断し、複数の空間としたものである。
連結部材配置部371は、各種部材を配置する空間となっている。仕切部材372は、上側に位置する平板状の天板部と、左右方向の両端にそれぞれ位置する2つの立板状部を一体に形成した部材である。
3つの錠剤導入空間370は、いずれも上下のそれぞれで外部と連通する空間であり、上側に錠剤の導入口となる開口面を有している。そして、
図5に示す回動板部384(可動受止部材)が回動することで、下方側が閉塞された状態と、下方側が外部に開放された状態とを切り替え可能となっている。
【0035】
片側錠剤受止部365a(
図4参照)は、その内部に配される部材として、
図5で示されるように、モータ378と、動力伝達部379と、回転揺動変換部380を備えた構造となっている。さらに、
図5で示されるように、第1シャフト381と、軸継手部材382と、第2シャフト383と、2つの回動板部384と、回転規制機構385を備えた構造となっている。
片側錠剤受止部365aでは、モータ378が稼働し、モータ378の軸が軸回り(周方向)の一方側に回転し続けると、回動板部384が揺動する構造となっている。つまり、モータ378を逆回転させることなく、回動板部384を揺動させることが可能な構造となっている。
このことから、片側錠剤受止部365aでは、
図6で示されるように、回動板部384によって錠剤導入空間370の下方側を閉塞した錠剤受止姿勢(
図6(a)参照)と、錠剤排出姿勢(
図6(b)参照)との間での切り替えが可能となっている。なお、錠剤排出姿勢では、錠剤導入空間370の下方側がさらに下方側の空間と連通した状態となる。
つまり、錠剤導入空間370の下方側に位置し、外部と連なる部分が、外部へ錠剤を排出するための排出口部となる。
【0036】
片側錠剤受止部365aは、錠剤受止姿勢で待機し、錠剤容器360(
図2等参照)から落下してくる錠剤を受け止める。そして、錠剤導入空間370の内部に錠剤が配置された状態で錠剤排出姿勢へ移行することにより、錠剤をさらに下方側(横搬送部366や落下経路形成部367、
図4参照)へ供給する。言い換えると、錠剤導入空間370の内部に錠剤を一時的に貯留した後、下方側へ供給する。
ここで、回動板部384は、
図6(a)で示されるように、錠剤受止姿勢時において、水平面に対して傾斜し、前方側へ向かって下り勾配となる傾斜面となる部分を有している。そして、この部分が錠剤の排出口となる部分の上方に位置した状態となっており、片側錠剤受止部365aに供給された錠剤を受け止める部分となっている。すなわち、この回動板部384の上に落下した錠剤は、そのまま傾斜面上を滑り落ちていき、下方側に集められた状態となる。
3つの錠剤導入空間370のうち、所定の2つの錠剤導入空間370a,370bに導入された錠剤は、中間段にある横搬送部366の一方へ供給され、横方向に押し移動されて落下経路形成部367に供給されて最下段の錠剤押出部368(二次搬送部)に導入される。
他の一の錠剤導入空間370cに導入された錠剤は、中間段の横搬送部366を経ずに直接、落下経路形成部367に落下し最下段の錠剤押出部368(二次搬送部)に導入される。
他方側錠剤受止部365bは、片側錠剤受止部365aと基本的な構造が同一であるため、詳細な説明を省略する。なお、この他方側錠剤受止部365bに導入された錠剤は、もう一方の横搬送部366へ供給されることとなる。
【0037】
続いて、中間段の横搬送部366について説明する。中間段には直線状に2基の横搬送部366が配されている。
二つの横搬送部366は同一構造であるから、一方についてのみ説明する。横搬送部366は、
図7で示されるように、薬剤受止溝部410(受止部)と、車輪走行部411と、ガイド配置部412と、下側箱部413とを備えた構造となっている。
より具体的には、図面手前から順に車輪走行部411、薬剤受止溝部410、ガイド配置部412が並列しており、これらが一体的に形成されている。そして、これらの下方側となる位置に下側箱部413が配されている。
【0038】
薬剤受止溝部410は、上記した錠剤受止部365から落下した錠剤が導入される部分であり、下方側に窪んだ溝状の部分であって、断面形状が略四角形状で左右方向に延びる空間を形成している。
そして、薬剤受止溝部410の長手方向の一端側に位置する端部(
図7の手前側の端部)には、内外を連通する開口部分である錠剤排出口部418が形成されている。この錠剤排出口部418が形成される端部は、錠剤供給装置362の左右方向における中心側に位置する端部(
図4等参照)である。中間段には直線状に2基の横搬送部366が配されており、錠剤排出口部418は2基の横搬送部366の対向部にある。
【0039】
薬剤受止溝部410内には
図7で示されるように、錠剤押出片部438が配されている。錠剤押出片部438は、薬剤受止溝部410の内部に配され、薬剤受止溝部410の長手方向に沿って移動する。
錠剤押出片部438を移動させる機構は、
図8のようであり、レール部材453と摺動子454によって構成される直線ガイド部材452と、モータ445によって走行するベルト機構446及び車輪部451を備えている。
錠剤押出片部438は、直線ガイド部材452の摺動子454に接続されており、直線方向にのみ自由度を有する。また錠剤押出片部438は、ベルト機構446のベルトに他部材を介して間接的に接続されており、ベルトの走行に応じて薬剤受止溝部410内を直線移動する。車輪部451は、錠剤押出片部438の荷重を支持するものである。
【0040】
このことから、錠剤押出片部438を薬剤受止溝部410の内部で移動させることで、錠剤の押し出しが可能となっている。
すなわち、錠剤押出片部438を薬剤受止溝部410の長手方向の一端側であり、錠剤排出口部418から離れた位置の端部側で待機させ、上記した錠剤受止部365から薬剤受止溝部410の内側空間に錠剤を供給する(落下させる)。
その後、錠剤押出片部438を錠剤排出口部418の近傍まで薬剤受止溝部410の長手方向に沿って移動させ、錠剤が錠剤排出口部418から外部に押し出される。
【0041】
落下経路形成部367は、
図4、
図9で示されるように、一の錠剤導入空間370cの下方側に位置する部分である。この落下経路形成部367は、縦孔状であり、内部に第1落下規制板460(規制部材)と、第2落下規制板461(規制部材、
図9参照)とが配されている。
【0042】
第1落下規制板460は、
図9で示されるように、対となる2つの規制板片460a,460bによって形成されている。
2つの規制板片460a,460bは、それぞれの上面が、左右方向の中心側に向かうにつれて下り勾配となる傾斜面となっている。そして、その傾斜面の下端部同士の間の下方側に、錠剤押出部368の錠剤導入口480aが位置している。つまり、2つの規制板片460a,460bの一部同士が最も近接する部分では、2つの規制板片460a,460bの間に上方側と下方側を連通する空隙が形成され、この空隙の下方側に錠剤導入口480aが位置している。
第2落下規制板461の形状も第1落下規制板460と略同様の形状である。
【0043】
錠剤導入口480aはその上側に隣接する空間が、落下経路形成部367の2つの立板状部分と、2つの規制板片461a,規制板片461bによって囲まれた状態となっている。
最下段の錠剤押出部368は、
図10で示されるように、導入口形成部470と、押出経路形成部473を備えている。そして、
図10で示されるように、押出経路形成部473の内部に供給された錠剤を搬送するための錠剤搬送装置474を備えたものとなっている。
【0044】
導入口形成部470は、
図10で示されるように、押出経路形成部473の上側に取り付けられる部材であり、内部を上下方向に貫通する第1錠剤供給用孔480が形成されている。この第1錠剤供給用孔480の上側に位置する開口部分は、錠剤押出部368に対して錠剤が供給される際の導入口(錠剤導入口480a)となる部分である。
押出経路形成部473は、内部に前後方向に延びる空間である錠剤押出経路484が形成されている。
この錠剤押出経路484は、前端側に内外を連通する開口部分である錠剤搬出口部484aを有している。
押出経路形成部473には錠剤搬送装置474が内蔵されている。
錠剤搬送装置474は、
図10で示されるように、上側受台部490と、その下方側に位置する搬送体部491を備えた構造となっている。搬送体部491は図示しない駆動装置によって、錠剤押出経路484内を直線移動する。
上側受台部490は、図示しない係合部によって搬送体部491と係合し、一定の位置までは搬送体部491に追従して直線移動するが、一定の位置から先は両者の係合がとけ、上側受台部490はその位置に止まり、搬送体部491だけが走行する。
そして、上側受台部490は、図示しない動力源に常時前側へ押圧された構造となっており、搬送体部491は、図示しない駆動装置(搬送体動力部)と連結された状態となっている。
【0045】
上側受台部490には、前方側に上下方向に貫通する貫通孔である錠剤落下孔510が形成されている。
搬送体部491は、錠剤を搬送するための部分であり、
図10で示されるように、その一部に、天面から底面までを貫通する収納用孔520が形成されている。
【0046】
続いて、本実施形態の錠剤押出部368による、錠剤搬送動作について説明する。
錠剤押出部368は、1服用分の錠剤を搬送する第1搬送動作と、1服用分ずつ供給される複数包分の錠剤をその都度搬送していく第2搬送動作が実行可能となっている。
第1搬送動作では、錠剤搬送装置474は、
図11(a)で示されるように、上側受台部490と搬送体部491とが共に後方側に位置する第1待機姿勢で待機する。なお、この第1待機姿勢では、第1錠剤供給用孔480、錠剤落下孔510、収納用孔520が一連の連通孔を形成する。
【0047】
錠剤搬送装置474が第1待機姿勢をとる状態で、錠剤導入口480aに錠剤が導入されると、連通孔の内部を錠剤が落下していき、収納用孔520の内部であって錠剤押出経路484の底板部分の上側となる位置に錠剤が配される。
そして、第1待機姿勢において、錠剤が収納位置に収納された状態から、図示しないモータを稼働させることにより、搬送体部491を前方へ移動させる。このとき、上側受台部490は、搬送体部491の移動に伴って上側受台部490もまた前方へ移動する。
【0048】
上側受台部490、搬送体部491が接触した状態を維持しつつ前方へ移動していくと、上側受台部490が、移動可能範囲内において最も前側に位置した状態となる(
図11(b)等参照)。そして、この後、搬送体部491のみがさらに前方側へ移動し、搬送体部491が上側受台部490から前方側へ離れた状態となる。
そして、搬送体部491が前方側へ移動していくと、搬送体部491の前側部分が錠剤搬出口部484aよりもさらに前方へ位置した状態となる(
図11(c)参照)。このとき、収納用孔520の下側開口の全域が、押出経路形成部473の底板部分よりも前方側に位置した状態となる。このことから、収納用孔520の内側に位置する錠剤が下方側へ落下し、錠剤押出部368から薬剤包装装置2に錠剤が供給される。
【0049】
続いて、第2搬送動作について説明するが、上述の第1搬送動作と同様の部分については、重複する詳細な説明を省略する。
第2搬送動作においても、錠剤搬送装置474が第1待機姿勢で待機し、最初に供給される1包目の錠剤が収納用孔520の内側に収納された後、搬送を開始する。そして、上記と同様の手順で搬送していき、
図11(b)で示されるように、上側受台部490が最も前方まで移動した状態となる。
【0050】
そして、上記と同様に、上側受台部490の前方への移動が停止し、搬送体部491のみが前方へ移動していくが、このとき、第2搬送動作では、続いて搬送する2包目の錠剤(図示を省略する)が錠剤導入口480aに供給されることとなる。
具体的に説明すると、搬送体部491は、上記と同様に前方側へ移動していき、先行して供給された1包目の錠剤を前方側へ搬送する。すなわち、搬送体部491の前側部分が錠剤搬出口部484aよりもさらに前方へ位置した状態となる(
図11(c)参照)まで移動し、薬剤包装装置2に1包目の錠剤を供給する。
この後、搬送体部491を後方側へと移動させていき、上側受台部490に前方側から接触させることで、再び搬送体部491と上側受台部490が接触した状態となる(
図11(b)参照)。
【0051】
搬送体部491が1包目の錠剤を運搬する一方、錠剤導入口480aに供給された2包目の錠剤は、上側受台部490の一部である受板部500の後方側部分の上に落下することとなる。すなわち、搬送体部491の単独搬送動作(搬送体部491のみを前方へ移動させ、再び上側受台部490と接触するまでの動作)の実施中に、2包目の錠剤が供給されることとなる。
そして、搬送体部491が上側受台部490と再び接触した後、さらに後方側へ移動することで、搬送体部491に後方側に押圧された上側受台部490もまた、後方側へ移動する。すなわち、搬送体部491と上側受台部490が接触した状態を維持しつつ後方側へと移動していく。
【0052】
このことにより、受板部500もまた後方側へ移動していくので、錠剤搬送装置474が第1待機姿勢をとるまでの間に、受板部500の上に供給された2包目の錠剤が下方側へと落下する。
すなわち、第1錠剤供給用孔480の内部下端側であって受板部500の上に供給された2包目の錠剤は、受板部500が後方側へと移動することで、錠剤落下孔510の上側開口部分に導入される。そして、第1錠剤供給用孔480から下方側へと落下する。
そして、上記と同様の手順により、第1待機姿勢において収納用孔520の内側に収納された2包目の錠剤を搬送する。なお、3包目以降の錠剤が供給される場合、すなわち、後続の錠剤が供給される場合についても、同様の手順で順次搬送していく。
【0053】
なお、上記したように、片側錠剤受止部365aに供給された錠剤は、横搬送部366、落下経路形成部367を経て錠剤押出部368に供給される場合と、横搬送部366を通過せずに落下経路形成部367を経て錠剤押出部368に供給される場合がある。すなわち、錠剤の導入位置に応じて異なる搬送経路を経て錠剤押出部368へ供給されることとなる。
このことから、錠剤押出部368で搬送動作を実施する際、処方データの内容によっては、横搬送部366を通過しない錠剤が錠剤押出部368に供給された後、横搬送部366を通過する錠剤が錠剤押出部368に供給されるまで待機し、搬送動作を実施する。
これに対し、全ての錠剤が横搬送部366を通過しない場合、錠剤押出部368に錠剤が供給された後、このような待機動作を実施せず、搬送動作を実施する。
【0054】
ところで、錠剤押出部368では、上記したように、収納用孔520の内部に錠剤が配された状態で、錠剤搬送装置474を直線移動させ、錠剤を搬送する(
図10参照)。
ここで、錠剤搬送装置474を前方(
図10の右側)へ移動させ、錠剤を薬剤包装装置2側へ搬送する際、錠剤搬送装置474を高速で移動させた後、低速で移動させることが好ましい。すなわち、錠剤搬送装置474を規定位置で確実に停止させるため、移動開始から所定時間経過した錠剤搬送装置474の速度(所定距離だけ移動した錠剤搬送装置474の速度)を移動開始時よりも低速とすることが好ましい。
【0055】
さらには、錠剤搬送装置474を駆動させる駆動装置(モータ等)に対し、一時的に停止信号を発信することが好ましい。
具体的に説明すると、錠剤搬送装置474を前方側へ移動させる際、移動中に駆動装置を一旦停止させる動作を実施する。このとき、錠剤搬送装置474は慣性によりそのまま移動するので、錠剤搬送装置474が完全に停止するまでに駆動装置をより低出力(錠剤搬送装置474がより低速で移動するように)で再度駆動させる動作を実施する。このことにより、錠剤搬送装置474の移動中に駆動装置の出力を単に低下させる動作を実施させる場合と比べ、錠剤搬送装置474をより早く減速状態へ至らせることが可能となる。
【0056】
ここで、本実施形態の薬棚付包装装置1は、特徴的な動作として、錠剤容器360の内部から供給された錠剤が横搬送部366で搬送される場合に、横搬送部366の錠剤押出片部438の待機位置を適宜変更する動作が可能となっている。
まず、この動作の説明に先立って、錠剤押出片部438を基準待機位置(詳しくは後述する)で待機させる動作について説明する。
【0057】
ここで、容器取付部361の上側部分では、
図2で示されるように、錠剤容器360が行列状に並べられて収納されている。詳細には、6つの錠剤容器360が上下方向に並んで形成される錠剤容器360の列が11列形成されており、この錠剤容器360の列が左右方向に並んで配置されている。
【0058】
そして、容器取付部361の裏面側には、
図12で示されるように、それぞれの錠剤容器360の列に対応する11の錠剤落下経路660(錠剤供給経路)が形成されている。すなわち、錠剤容器360の列の列数と同数の錠剤落下経路660が形成されている。
それぞれの錠剤落下経路660は、周壁に囲まれて上下方向に延びる空間を形成しており、それぞれ異なる錠剤容器360の列に対応している。そして、対応する錠剤容器360の列に属する1以上の錠剤容器360から供給される錠剤が落下するための経路を形成している。
【0059】
詳細に説明すると、例えば、最も右側に位置する錠剤容器360の列は(
図2参照)、最も右側(
図12では最も左側)に位置する錠剤落下経路660kに対応している。そして、この最も右側の列に属する錠剤容器360から供給される錠剤は、いずれの錠剤容器360から供給された場合でも、最も右側に位置する錠剤落下経路660kを経て錠剤供給装置362に供給される。同様に、右から2番目に位置する錠剤容器360の列は、右から2番に位置する錠剤落下経路660jに対応するといった具合に、それぞれ順次1対1に対応している。
【0060】
なお、左右方向で両端にそれぞれ位置する錠剤落下経路660b,660jには、内部を落下する錠剤の移動方向を規制する落下規制部662が設けられている。
この落下規制部662は、傾斜した姿勢で取り付けられる板状の部材であり、その上面は、左右方向における端部側から中央側に向かうにつれて下り勾配となる傾斜面となっている。そして、落下規制部662は、上面の上端側の部分が左右方向における端部よりの位置に配されている。つまり、落下規制部662は、錠剤落下経路660b,660jの内部空間又は下方に位置する空間(
図12では下方に位置する空間)であり、錠剤が落下する空間を斜め方向に横切るように延びている。
このことから、錠剤落下経路660b,660jを落下した錠剤が落下規制部662の上に落下すると、その移動方向が変更され、より左右方向の中心よりの位置に落下することとなる。
【0061】
そして、中央に位置する錠剤落下経路660fを経て錠剤供給装置362に導入された錠剤は、落下経路形成部367を経て錠剤押出部368(
図12では図示しない)に供給される。
対して、中央の錠剤落下経路660fよりも左右方向における一方側に位置する複数の錠剤落下経路660(錠剤落下経路660a乃至錠剤落下経路660e)のいずれかを経て錠剤供給装置362に導入された錠剤は、一方の横搬送部366に導入される。
さらに、中央の錠剤落下経路660fよりも左右方向における他方側に位置する複数の錠剤落下経路660(錠剤落下経路660g乃至錠剤落下経路660k)のいずれかを経て錠剤供給装置362に導入された錠剤は、他方の横搬送部366に導入される。
【0062】
ここで、横搬送部366では、上記したように、薬剤受止溝部410のいずれかの位置に錠剤が落下した後、錠剤押出片部438を左右方向の端部側から中央側へ移動させ、左右方向で異なる位置に落下するそれぞれの錠剤を押し動かす(
図7参照)。すなわち、それぞれの錠剤を落下経路形成部367側へ押圧することで、錠剤を搬送する。
【0063】
この動作を実施する際、錠剤押出片部438は、最も左右方向の端部側に位置する錠剤落下経路660(錠剤落下経路660a又は錠剤落下経路660k)から供給される錠剤の落下位置よりも、さらに左右方向における端部側に離れた位置で待機する。
具体的に説明すると、左右方向の一方端側(
図12における右側)に位置する横搬送部366では、最も左右方向の一方端側に位置する錠剤落下経路660aから供給される錠剤の落下位置よりも、さらに左右方向の一方端側の位置を基準待機位置としている。
そして、錠剤押出片部438が基準待機位置で待機した状態で錠剤を落下させた後、錠剤押出片部438を左右方向の中央側に移動させ、錠剤を押圧する動作が可能となっている。
なお、左右方向の他方端側(
図12における左側)に位置する横搬送部366については、基本的な構造が一方端側に位置する横搬送部366と同様であるため、重複する詳細な説明を省略する。
【0064】
さらに、本実施形態の薬棚付包装装置1(錠剤カセット棚350)では、処方データに基づいて稼働させることで、錠剤押出片部438を基準待機位置とは異なる位置で待機させ、その後に錠剤を押圧する動作が可能となっている。
【0065】
具体的に説明すると、本実施形態の薬棚付包装装置1では、薬剤包装装置2に錠剤を供給する動作が開始されると、供給する錠剤が収納された錠剤容器360を特定する容器特定動作を実施する。
すなわち、処方データと、それぞれの錠剤容器360に取り付けられたRFIDタグに記憶されたデータに基づいて、行列状に並列配置される複数の錠剤容器360から供給する錠剤が収納された錠剤容器360を特定する。さらに、この供給する錠剤が収納される錠剤容器360が、容器取付部361のどの位置に配置されているかを特定する。
【0066】
なお、本実施形態では、それぞれの錠剤容器360に取り付けられたRFIDタグに、収容する薬品を特定するための情報(薬品名、種別等)が記憶されている。そして、薬棚付包装装置1の制御装置がこのRFIDタグの情報を参照することで、容器取付部361に収納されたそれぞれの錠剤容器360にいずれの錠剤が収納されているかを識別可能となっている。
ここで、このRFIDに記憶された情報は、容器特定動作の開始前に制御装置が参照し、制御装置の記憶手段に記憶してもよい。この場合、処方データと制御装置に記憶されたデータに基づいて容器特定動作を実施してもよい。また、処方データを作成する際、RFIDに記憶された情報を参照し、処方された錠剤(錠剤名等)とこの錠剤が収納される錠剤容器360を特定する情報とを関連付け、これらの双方を含む処方データを作成してもよい。この場合、処方データのみを参照して容器特定動作を実施してもよい。
【0067】
さらに容器特定動作の結果に基づいて、錠剤供給装置362に対して錠剤を供給する際に使用する錠剤落下経路660が特定され、さらに横搬送部366を使用するか否かが特定される。すなわち、横搬送部366を使用するか否か、使用するのであれば、どの横搬送部366を使用するかが特定される。つまり、2つの横搬送部366の双方を使用するのか、いずれか一方であればどちらの横搬送部366を使用するかが特定される。
【0068】
さらに、横搬送部366が使用される場合、使用対象となる横搬送部366に錠剤を供給する錠剤落下経路660のうち、最も左右方向における端部側に位置する錠剤落下経路660もまた特定される。言い換えると、錠剤押出片部438の移動方向において最も上流側に位置する錠剤落下経路660が特定される。
具体的に説明すると、例えば、
図12の右側に位置する横搬送部366では、右端側が錠剤押出片部438の押し出し動作における移動方向で上流側であり、左端側が下流側となる。すなわち、最も上流側に位置する錠剤落下経路660aが、左右方向で最も端部側に位置する錠剤落下経路660となる。
反対に、
図12の左側に位置するもう一方の横搬送部366では、左端側が錠剤押出片部438の移動方向で上流側であり、右端側が下流側となる。すなわち、最も上流側に位置する錠剤落下経路660kが、左右方向で最も端部側に位置する錠剤落下経路660となる。つまり、落下経路形成部367を挟んだ両側で、錠剤押出片部438の押し出し動作における移動方向が逆向きとなり、錠剤が押し出される落下経路形成部367側が移動方向の下流側となる。
【0069】
そして、上記の特定結果に基づいて錠剤押出片部438の待機位置を決定する待機位置決定動作が実施される。
例えば、
図12(a)のように、左右方向で最も端部側に位置する錠剤落下経路660aから横搬送部366に錠剤を供給するのであれば、基準待機位置が錠剤押出片部438の待機位置となる。
【0070】
これに対して、
図12(b)のように、左右方向で最も端部側に位置する錠剤落下経路660aから錠剤を供給せず、より左右方向の中央側に離れた錠剤落下経路660c,660eから錠剤を供給する場合、錠剤押出片部438の待機位置を変更する。
すなわち、横搬送部366に供給する錠剤を通過させる錠剤落下経路660のうち、最も左右方向における端部側(錠剤押出片部438の移動方向で上流側)に位置する錠剤落下経路660cが特定される。そして、特定された錠剤落下経路660cよりも左右方向における端部側であり、基準待機位置よりも左右方向における中央側となる位置が錠剤押出片部438の待機位置(変更待機位置)となる。
すなわち、左右方向で最も端部側に位置する錠剤落下経路660aから錠剤が供給されるか否かを判別し、判別の結果に基づいて錠剤押出片部438の待機位置を決定する動作を実施する。そして、錠剤押出片部438を決定した待機位置で待機させた後、錠剤を押し動かす動作を実施する。
【0071】
ここで、上記の待機位置を決定する動作では、変更待機位置を複数設定してもよい。
例えば、変更待機位置は、錠剤落下経路660b乃至錠剤落下経路660eのそれぞれよりもやや左右方向における端部側となる位置としてもよい。この場合、横搬送部366に供給する錠剤を通過させる錠剤落下経路660のうちで最も左右方向における端部側に位置するものを最上流側流路としたとき、最上流側流路よりも左右方向でやや端部側となる位置を変更待機位置とする。すなわち、左右方向で最も中央側に位置する錠剤落下経路660eが最上流側流路であるときは、この錠剤落下経路660eよりも左右方向でやや端部側となる変更待機位置とする。同様に、左右方向で中央側から2番目に位置する錠剤落下経路660dが最上流側流路であるとき、この錠剤落下経路660dよりも左右方向でやや端部側が変更待機位置となり、3番目以降についても同様となる。
【0072】
これに対し、変更待機位置は1つのみ設定してもよい。
例えば、変更待機位置は、特定の錠剤落下経路660cよりも左右方向における端部側となる位置としてもよい。この場合、上記の最上流側流路が特定の錠剤落下経路660cである場合と、特定の錠剤落下経路660cよりも左右方向で中央側に位置する錠剤落下経路660(錠剤落下経路660d,660e)である場合は、錠剤押出片部438が変更待機位置で待機する。対して、最上流側流路が錠剤落下経路660cよりも左右方向で端部側に位置する錠剤落下経路660(錠剤落下経路660a,660b)である場合は、錠剤押出片部438が基準待機位置で待機する。
【0073】
このように、変更待機位置は、一つのみ設定してもよく複数設定してもよい。すなわち、基準待機位置と、基準待機位置から最も左右方向における端部側に位置する変更待機位置までの間に錠剤が落下する場合、錠剤押出片部438を基準待機位置で待機させればよい。また、特定の変更待機位置よりも下流側に錠剤が落下する場合、錠剤の落下位置の上流側に位置する変更待機位置のうち、最も下流側に位置する変更待機位置で錠剤押出片部438を待機させればよい。
また、上記の例では、錠剤落下経路660b,660jに落下規制部662を設けた例について説明したが、これに限らず、他の錠剤落下経路660に落下規制部662を適宜設けてもよい。すなわち、いずれの錠剤落下経路660に落下規制部662を設けてもよく、いずれの錠剤落下経路660を落下規制部662を設けないものとしてもよい。そして、変更待機位置は、落下規制部662の最下端付近よりも上流側となる位置であってもよい。なお、この落下規制部662を設けた位置を基準として、錠剤受止部365を区画してもよい。つまり、上記した連結部材配置部371や仕切部材372が形成される位置は、落下規制部662の鉛直方向上側となる位置から左右方向でずれた位置としてもよい。
【0074】
さらに、上記した待機位置決定動作を伴う錠剤の搬送動作は、処方データの服用時期に関する情報に基づいて実施してもよい。
例えば、所定の患者を対象に処方された薬剤のうち、朝に服用する薬剤と、昼に服用する薬剤と、夜に服用する薬剤を薬棚付包装装置1で順次分包していく動作を実施するとき、それぞれの分包動作で待機位置決定動作を伴う錠剤の搬送動作を実施してもよい。すなわち、錠剤を分包する分包動作を実施する毎に待機位置決定動作を伴う錠剤の搬送動作を実施してもよい。
【0075】
反対に、一の患者に処方された薬剤を分包し、他の患者に処方された薬剤を分包するといった具合に、複数の患者にそれぞれ処方された処方毎に分包動作を実施する場合、一つの処方を対象とした動作で一度のみの待機位置決定動作を実施してもよい。
すなわち、一つの処方を対象とした動作で朝、昼、夜に服用する薬剤をそれぞれ別途分包する場合のように、複数の分包動作を実施する場合、複数の分包動作で分包する全ての錠剤を対象として上記の最上流側流路を特定する動作を実施する。そして、特定した最上流側流路に基づいて錠剤押出片部438の待機位置を決定する。その上で、分包動作を順次実施していくとき、それぞれの動作で押し出し動作前の錠剤押出片部438の待機位置を決定した同一の位置にできる。つまり、複数の分包動作を対象として待機位置決定動作を実施し、予め実施した待機位置決定動作の結果に基づいて複数回の錠剤の搬送動作を実施してもよい。
【0076】
以上のように、本実施形態では、容器特定動作の結果に基づいて基準待機位置と1以上の変更待機位置から選択される待機位置に錠剤押出片部438を待機させる動作が可能となっている。
【0077】
ところで、薬棚付包装装置1は、上記したように、最大66種の錠剤を錠剤容器360から薬剤包装装置2に供給可能なものとなっている。容器取付部361は、複数の個別設置部を有するものであり、それぞれの個別設置部が1つ1つの錠剤容器360を保持させる(保管する)ための部分となっている。すなわち、個別設置部の数は、保持可能な錠剤容器360の数と同数(66個)となっている。
【0078】
ここで、薬棚付包装装置1が運用される薬局等では、患者に提供する錠剤が日毎又は特定の期間毎に大きく異なることがある。このため、薬棚付包装装置1を効率よく運用するという観点から、容器取付部361に保持させる錠剤容器360を適宜変更することが好ましい。
そこで、本実施形態の薬棚付包装装置1では、
図13で示される推奨カセット画面670(推奨容器提示画面)を操作表示部に表示させることで、使用者による錠剤容器360の入れ替え作業を容易化することが可能となっている。
【0079】
推奨カセット画面670は、
図13で示されるように、設置状況表示部675と、予定錠剤表示部676と、対象データ変更部677と、データ調整ボタン678と、リスト表示変更ボタン679と、終了ボタン680とが表示される画面である。すなわち、これらの各部分と各ボタンを同時に目視可能な状態で表示する画面となっている。
【0080】
この推奨カセット画面670では、予め入力により設定される又は自動で設定される指定期間内(詳しくは後述する)に、分包動作の対象となる可能性の高い錠剤を予定錠剤表示部676にリスト表示する。詳細には、それぞれの錠剤につき、錠剤を特定する情報(錠剤名であり、薬品名称)と同錠剤に関する情報(詳しくは後述する)とを関連する1つの情報(一行分のデータ)としてリスト表示する。このとき、予定錠剤表示部676には、容器取付部361に保持可能な錠剤容器360の数と同数(本実施形態では66)の錠剤がリスト表示される。さらに、リスト表示される錠剤のうち、容器取付部361に現在保持されている錠剤容器360に収容されていないものが強調表示されて表示される(例えば、
図13における薬品10)。
なお、本実施形態における強調表示は、背景色を他とは異なる色で表示する表示である。
【0081】
これと同時に、設置状況表示部675には、現在の容器取付部361の状況を模式的に示す図が表示される。この図は、容器取付部361の複数の個別設置部を視覚的に表示する図であり、それぞれの個別設置部の全体における位置関係を示す図である。すなわち、容器取付部361において行列状に配置される個別設置部を示す図であり、それぞれの個別設置部を示す長方形状の枠が行列状に配置される図となっている。また、それぞれの枠内には取り付けられた錠剤容器360を識別するための数字(一意に割り振られる数字)が記載されている。
【0082】
そして、設置状況表示部675に表示される図では、それぞれの個別設置部が特定の条件を満たしたとき、この条件を満たした個別設置部に対応する部分を強調表示する。具体的には、個別設置部が交換可能状態、未取り付け状態、少量状態のいずれかである場合、それぞれ異なる色で強調表示を実施する。
【0083】
それぞれの条件について説明すると、「交換可能状態」であるとは、対象とする個別設置部に対し、予定錠剤表示部676にリスト表示されていない錠剤が収納された錠剤容器360が取り付けられている状態である。
また、「未取り付け状態」であるとは、対象とする個別設置部に対し、錠剤容器360が取り付けられていない状態である。
さらに、「少量状態」であるとは、対象とする個別設置部に対し、予定錠剤表示部676にリスト表示された錠剤を収納した錠剤容器360が取り付けられているものの、将来的に錠剤が不足することが予測される状態である。
具体的には、取り付けられている錠剤容器360に収納された錠剤の在庫量が、上記した指定期間に実施されることが予測される分包動作での使用量を下回っている状態である。
【0084】
以上のことから、使用者は、設置状況表示部675と予定錠剤表示部676とを見比べるだけで、どの錠剤容器360をいずれの個別設置部に取り付ければよいかや、どの錠剤を予め充填すべきかを簡単に把握することができる。
【0085】
ここで、本実施形態の薬棚付包装装置1は、設置状況表示部675と予定錠剤表示部676で上記した表示動作を実施するため、指定期間内に分包動作の対象となる可能性の高い錠剤を特定する使用錠剤予測動作を実施する。
この使用錠剤予測動作につき、各種ボタンの説明を交えつつ、以下で詳細に説明する。
【0086】
使用錠剤予測動作は、大別して、過去に分包実績のあるデータ(以下分包済データとも称する)と、推奨カセット画面670を表示する時点で分包動作が未実施であるデータ(以下未分包データとも称する)を対象として実施可能となっている。すなわち、処方データのうち、分包済データと未分包データのいずれかを対象として実施可能となっている。
そして、対象データ変更部677の各ボタンを操作することで、使用錠剤予測動作で対象とするデータの変更が可能となっている。
【0087】
具体的には、対となる2つのボタンの一方であるDоデータボタン677aを押下することで、分包済データを対象として使用錠剤予測動作が実施される。そして、設置状況表示部675や予定錠剤表示部676で上記した表示動作(以下、比較画面表示動作とも称する)が実施される。
対して、もう一方のボタンである分包モニタボタン677bを押下することで、未分包データを対象として使用錠剤予測動作が実施され、比較画面表示動作が実施される。
【0088】
さらに、使用錠剤予測動作で対象とするデータは、提供元指定ボタン677cを操作して機関等を指定することで、分包済データと未分包データのいずれかに対し、処方の発行元(機関、施設、部門等であり、以下、単に提供元とも称す)を基準とした絞り込みが可能となっている。
【0089】
使用錠剤予測動作では、分包済データを対象とする場合、患者に対して錠剤が処方されることが予測される日(以下、想定日とも称す)を特定する想定日特定動作を予め全患者に対して実施しておき、その後に、指定期間内に想定日が含まれる患者を特定する動作を実施する。そして、特定した患者に紐づくデータに基づき、指定期間内に分包動作の対象となる可能性の高い錠剤を特定する。未分包データを対象とする場合、想定日特定動作は行わず、未分包データに含まれる分包動作の対象となる錠剤を特定する。
【0090】
想定日特定動作では、それぞれの患者に処方された錠剤の投与開始日と、投与日数に関する情報に基づき、処方された錠剤が患者の手元から無くなる日を患者毎に算出しておく。すなわち、投与開始日に投与日数を加算することで、錠剤が患者の手元からなくなる日を算出する。そして、この処方された錠剤が患者の手元から無くなる日と同日又はこの日に所定期間を減算した日(例えば無くなる日の前日)を想定日とする。
【0091】
そして、指定期間に想定日が含まれる患者を抽出し、抽出したそれぞれの患者に対して想定日に提供される錠剤に関するデータを取得する。より詳細には、錠剤の種別、投与量、分包数を取得又は算出する。
なお、分包済データを対象とする場合、それぞれの患者に対して過去に処方された錠剤が想定日に再度提供されるものとする。
このことから、指定期間に分包動作が実施される可能性の高い錠剤が特定される。
【0092】
そして、この使用錠剤予測動作の結果に基づいて、上記した比較画面表示動作を実施する。すなわち、取得した情報又は取得した情報から算出した値に基づいて、比較画面表示動作を実施する。
なお、比較画面表示動作では、上記した予定錠剤表示部676におけるリスト表示の際、薬品名称(薬剤名)の他、カセットNо、登場回数、使用量、在庫量のそれぞれを表示している。
【0093】
「カセットNо」は、それぞれの錠剤を収納する錠剤容器360に割り振られた、錠剤容器360を一意に特定する番号である。
「登場回数」は、それぞれの錠剤につき、抽出したデータに対して指定期間内に提供される全てを分包したとき、その錠剤が含まれる分包動作が実施される回数である。
「使用量」は、それぞれの錠剤につき、抽出したデータに対して指定期間内に提供される総量である。
「在庫量」は、錠剤容器360に現在収容されているそれぞれの錠剤の量である。
【0094】
このとき、リスト表示変更ボタン679を押下することで、予定錠剤表示部676の表示の切り替えが可能となっている。すなわち、リスト表示変更ボタン679は、押下する毎に通常の表示状態と、強調表示されたものだけを表示する状態とを切り替え可能となっている。
【0095】
さらに、推奨カセット画面670では、データ調整ボタン678を操作することで、上記した指定期間の変更や、使用錠剤予測動作で使用する対象データの調整を実施するための画面を表示させることが可能となっている。
本実施形態では、データ調整ボタン678として、当日対象変更ボタン678aと想定日変更ボタン678bとが表示されている。
【0096】
当日対象変更ボタン678aを押下すると、データ調整用画面700(
図14参照)が表示された状態となる。
データ調整用画面700は、
図14で示されるように、期間表示部701と、データ表示部702と、繰越ボタン703と、日付変更ボタン704と、削除ボタン705と、戻るボタン706が表示される画面である。
【0097】
期間表示部701は、自動で設定された指定期間が表示される部分である。ここで表示される指定期間は、上記した使用錠剤予測動作、比較画面表示動作で使用される指定期間である。
【0098】
データ表示部702は、上記した使用錠剤予測動作で使用する対象データを患者毎にリスト表示する部分である。すなわち、一人の患者を特定する情報(患者名)と、この患者に関する情報(調剤日、想定日等)とを関連する1つの情報(一行分のデータであり、患者単位データとも称す)としてリスト表示する。
なお、このデータ表示部702で表示されるデータは、データ調整ボタン678(
図13参照)の押下時に対象データ変更部677で指定していた条件に該当するデータが対象となる。
【0099】
繰越ボタン703は、データ表示部702の内外にそれぞれ表示されており、データ表示部702では、各患者単位データの一項目として表示されている。
そして、データ表示部702で表示されている繰越ボタン703を押下すると、繰越ボタン703を含む患者単位データの想定日にかかる項目を変更する。なお、データ表示部702で一以上の患者単位データを指定した状態(チェックボックスにチェックが入れた状態)とし、データ表示部702の外部に表示されている繰越ボタン703を押下した場合もまた、同様である。
具体的には、患者単位データに属する想定日の値を、期間表示部701に表示された指定期間の末日後(本実施形態では末日の翌日)となるように自動変更する。
【0100】
日付変更ボタン704は、繰越ボタン703と同様に想定日の値を変更するためのボタンである。
【0101】
削除ボタン705もまた、データ表示部702の内外にそれぞれ表示されている。
このボタンは、患者単位データを削除するためのボタンであり、データ表示部702で表示されている削除ボタン705を押下することで、削除ボタン705を含む患者単位データを削除する。なお、データ表示部702で一以上の患者単位データを指定した状態で、データ表示部702の外部に表示されている削除ボタン705を押下した場合も同様である。
【0102】
戻るボタン706は、データ調整用画面700の表示を終了し、推奨カセット画面670を表示させるボタンである。この戻るボタン706が押下されると、データ調整用画面700での操作が反映され、使用錠剤予測動作、比較画面表示動作が実施される。
【0103】
想定日変更ボタン678b(
図13参照)を押下することで表示される画面は、期間表示部701(
図14参照)に相当する部分で指定期間を手動入力できる点を除いて、データ調整用画面700と同様であるので、詳細な説明を省略する。
なお、データ調整ボタン678は、当日対象変更ボタン678aと想定日変更ボタン678bの二つのボタンに替わって、一つのみのボタンを表示してもよい。この場合、データ調整用画面700の期間表示部701で指定期間の手動入力を可能とした画面を表示させてもよい。このとき、表示される画面では、自動で設定される指定期間が表示された状態で初期表示されるものとし、使用者の操作により指定期間の変更を可能なものとしてもよい。
【0104】
なお、上記した例では、各画面を操作表示部に表示した例を示したが、上記の各画面は、位置入力装置を持たない液晶ディスプレイのような表示装置に表示してもよい。
そして、操作表示部のような所謂タッチパネルに表示する場合、例えば、使用者が指やタッチペン等の操作用器具でボタン部分に触れることで、ボタンを押下する操作が実施される。対して、位置入力装置を持たない液晶ディスプレイのような表示装置に表示する場合には、公知の入力装置(マウス等)の操作に応じて移動するカーソルポインタを共に表示させる構造としてもよい。つまり、カーソルポインタを画面上でボタン部分に合わせた状態とし、入力装置側の所定ボタンを押下することで、ボタンを押下する操作が実施される構造としてもよい。
【0105】
上記した実施形態では、横搬送部366において、錠剤押出片部438によって錠剤を押し動かして搬送する例を示したが、一次搬送部としては、例えば、ローラコンベア、ベルトコンベア等の小型のコンベア装置を備えた構造が考えられる。
また、薬剤受止溝部410に替わって、底部分に排出口側へ向かって傾斜する傾斜面を有する受止部を形成することが考えられる。この場合、この傾斜面を振動させる機構をさらに設け、傾斜面に落下した錠剤を振動により移動させ、搬送する構造が考えられる。
【0106】
また、上記した推奨カセット画面670等の各画面は、外部の表示装置のような表示装置は、上記した薬剤提供業務支援システムを構築したとき、外部機器の表示装置に表示させることが考えられる。
【0107】
すなわち、上記した薬棚付包装装置1は、外部から供給された薬剤を1服用分ずつ包装して排出する薬剤包装装置と、前記薬剤包装装置に錠剤を供給するための薬棚装置を備えた薬剤分包ユニットであって、前記薬棚装置は、複数の錠剤容器を保持可能であり、それぞれの錠剤容器から供給された錠剤を所定位置まで搬送する錠剤搬送装置を有し、錠剤搬送装置は、一次搬送部と、二次搬送部を備え、前記一次搬送部は、前記薬棚装置側から前記薬剤包装装置側へ向かう方向と交わる方向へ錠剤を搬送する部分であり、前記二次搬送部は、前記薬棚装置側から前記薬剤包装装置側へ向かう方向へ錠剤を搬送するものであって、錠剤を前記一次搬送部で搬送した後に前記二次搬送部で搬送する動作と、錠剤を前記一次搬送部で搬送せずに前記二次搬送部で搬送する動作のそれぞれが可能である。
【0108】
そして、前記一次搬送部は、供給された錠剤を受け止める受止部と、錠剤押出片部とを備えており、前記錠剤押出片部は、前記一次搬送部における錠剤の搬送方向に移動可能であり、前記一次搬送部での錠剤の搬送動作は、前記受止部に位置する錠剤を前記錠剤押出片部によって押し動かして搬送する動作である。
【0109】
また、錠剤搬送装置は、前記錠剤容器から供給された錠剤が導入される導入部をさらに有し、前記導入部に錠剤が供給された後、前記導入部の内部に錠剤を一時的に収納し、前記一次搬送部側又は前記二次搬送部側へ錠剤を排出する。
【0110】
そして、前記導入部は、導入された錠剤を一次収納するための収納空間と、可動受止部材を有し、前記収納空間は、前記一次搬送部側又は前記二次搬送部側へ錠剤を排出するための排出口部を備え、さらに、前記導入部は、前記可動受止部材が可動することで、前記可動受止部材によって前記排出口部が閉塞される錠剤受止姿勢と、前記排出口部が外部と連通した状態となる錠剤受止姿勢とを切り替え可能である。
【0111】
また、前記可動受止部材は、前記錠剤受止姿勢時に水平方向に対して傾斜した傾斜面となる部分を有し、前記導入部は、前記傾斜面で導入された錠剤を受け止める。
【0112】
さらに、前記錠剤搬送装置は、経路形成部をさらに有し、前記経路形成部は、前記導入部及び前記一次搬送部の搬送方向下流側であり、前記二次搬送部の搬送方向上流側に設けられ、前記導入部又は前記一次搬送部から供給された錠剤を下方側に位置する前記二次搬送部へ供給するための経路を形成するものであり、前記経路形成部の内部には、錠剤の移動方向を規制する規制部材が形成されている。
【符号の説明】
【0113】
1;薬棚付包装装置(薬剤分包ユニット)、2;薬剤包装装置、350;錠剤カセット棚(薬棚装置)、351;薬棚付包装装置(薬剤分包ユニット)、360;錠剤容器、361;容器取付部、362;錠剤供給装置(錠剤搬送装置)、365;錠剤受止部(導入部)、366;横搬送部(一次搬送部)、367;落下経路形成部(経路形成部)、368;錠剤押出部(二次搬送部)、410;薬剤受止溝部(受止部)、438;錠剤押出片部、460;第1落下規制板(規制部材)、461;第2落下規制板(規制部材)、491;搬送体部、660;錠剤落下経路(錠剤供給経路)、676;設置状況表示部670(第1表示部);推奨カセット画面(推奨容器提示画面)、677;予定錠剤表示部(第2表示部)