(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 5/18 20180101AFI20240412BHJP
F25C 1/00 20060101ALI20240412BHJP
F25C 5/182 20180101ALI20240412BHJP
F25C 5/20 20180101ALI20240412BHJP
F25C 1/147 20180101ALI20240412BHJP
【FI】
F25C5/18 311
F25C1/00 C
F25C5/182
F25C5/20 302Z
F25C1/147 H
F25C1/147 L
F25C1/147 J
(21)【出願番号】P 2020024462
(22)【出願日】2020-02-17
【審査請求日】2022-08-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 将嗣
(72)【発明者】
【氏名】河野 俊明
(72)【発明者】
【氏名】森沢 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】片柳 英幸
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-270963(JP,A)
【文献】登録実用新案第3204920(JP,U)
【文献】特開2018-054158(JP,A)
【文献】特開2014-009833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/00 ー 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を貯留する貯氷部と、
容器が着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部に前記容器が取り付けられた場合に、前記貯氷部に貯留された前記氷を前記容器内に放出する放出部と、
液体を外部に排出可能な載置部と、
前記容器内に水を吐出するように配置される吐水部と、
前記容器が前記取付部に取り付けられたと判定した場合に、前記吐水部より前記容器内への水の吐出を開始し、前記放出部の開閉を行った後、前記水の吐出を停止する制御部と、
を備え、
前記取付部には、内部の液体を排出する排出部を備えた前記容器が、前記放出部と前記載置部との間に着脱可能に取り付けられる、
製氷機。
【請求項2】
前記吐水部によって吐出される水の温度を検出する温度センサと、
前記制御部は、前記温度センサによって検出された温度に基づいて、前記放出部の開時間および閉時間を調節する、
請求項
1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記吐水部から吐出される水の温度を上昇させる加温装置と、
をさらに備える、請求項
1に記載の製氷機。
【請求項4】
前記制御部は、前記温度センサによって検出された温度に基づいて、前記吐水部から吐出される水の温度を上昇させる加温装置のON/OFF制御を実行させる、
請求項
2に記載の製氷機。
【請求項5】
前記制御部は、前記吐水部から吐出される水の設定温度の制御を実行させる、
請求項
1に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製造された氷片が貯留されるホッパを備える製氷機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した製氷機においては、ホッパ内の氷を処分する場合、作業者がバケツ等の容器を用意して、氷をホッパから放出させて容器に入れた後、シンク等まで運んで廃棄する作業を行っている。この作業は、作業者が実際に動かなければ進まない作業である。一方で、省人化の要請がある。
【0005】
本開示は、省人化を図ることができる製氷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示における製氷機は、氷を貯留する貯氷部と、容器が着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部に前記容器が取り付けられた場合に、前記貯氷部に貯留された前記氷を前記容器内に放出する放出部と、液体を外部に排出可能な載置部と、前記容器内に水を吐出するように配置される吐水部と、前記容器が前記取付部に取り付けられたと判定した場合に、前記吐水部より前記容器内への水の吐出を開始し、前記放出部の開閉を行った後、前記水の吐出を停止する制御部と、を備え、前記取付部には、内部の液体を排出する排出部を備えた前記容器が、前記放出部と前記載置部との間に着脱可能に取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の製氷機によれば、省人化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る製氷機の外観斜視図である。
【
図5】
図1に示す製氷機の構成を示す概要図である。
【
図6】
図5に示す制御装置が実行するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の製氷機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、製氷機1の外観斜視図である。なお、本明細書においては説明の便宜上、
図1における上側および下側をそれぞれ製氷機1の上方および下方とし、同じく左上側および右下側をそれぞれ製氷機1の左方および右方とし、同じく左下側および右上側をそれぞれ製氷機1の前方および後方として説明する。
【0010】
製氷機1は、押ボタン式のアイスディスペンサである。製氷機1は、
図1乃至
図3に示すように、直方体状に形成されたハウジング1aの前側部に、載置部1b、放出部1c、押ボタン1d、取付部1e、および、容器検出センサ1fが配置されている。
【0011】
載置部1bは、ハウジング1aの前側部に形成された窪み部1a1の底面に、使用者が氷を入れるコップ等を置くことができるように設けられている。載置部1bは、ハウジング1aの内部に排水可能な、すのこ状に形成されている。載置部1bの直下には、後述するドレインパン40が配置されている(
図3)。載置部1bから内部に排出された水は、ドレインパン40によって受け止められて外部に排出される。
【0012】
放出部1cは、製氷機1の内部で製造された氷を、載置部1bに向けて放出するものである。放出部1cは、ハウジング1a内における載置部1bの直上にて、左右方向において中央部に配置されている。放出部1cの詳細は後述する。
【0013】
押ボタン1dは、使用者によって押圧可能に設けられている。押ボタン1dが押圧されることにより、氷が放出部1cから所定量放出される。
【0014】
取付部1eは、容器2が着脱可能に取り付けられるものである。取付部1eは、放出部1cと載置部1bとの間にて容器2を取り付ける。取付部1eは、後述する容器2の鍔部2aと嵌合するように、左右に対となるように形成されている。取付部1eは、窪み部1a1の後端面1a2から、前方に向けて前後方向に沿って、断面L字状に突出するように形成されている。
【0015】
容器2は、取付部1eに取り付けられた状態にて、放出部1cに向けて開口する直方体状に形成されている。容器2は、
図2乃至
図4に示すように、鍔部2aおよびドレイン部2bを備えている。
【0016】
鍔部2aは、容器2の上端にて全周に亘って形成されている。また、鍔部2aの後側部には、磁石2c(例えば永久磁石)が取り付けられている(
図3)。
【0017】
ドレイン部2bは、容器2内の液体を下方に排出するものである。ドレイン部2bは、具体的には、容器2の底部における右端部にて筒状に形成されている。ドレイン部2bは、容器2が取付部1eに取り付けられた状態にて、載置部1bの直上に、かつ、左右方向において放出部1cから離れた位置に配置されている。
【0018】
容器2を取付部1eに取り付ける場合、作業者は、容器2の位置を、取付部1eの前方にて鍔部2aが取付部1eに嵌まる位置に合わせ、容器2を後方に向けて移動させる。鍔部2aの後端が窪み部1a1の後端面1a2に当たることで、容器2の取付が完了する。容器2が取付部1eに取り付けられた状態にて、放出部1cから氷が放出された場合、その氷が容器2内に貯留される(詳細は後述する)。
【0019】
容器検出センサ1fは、取付部1eに容器2が取り付けられたことを検出するセンサである。容器検出センサ1fは、磁気スイッチである。容器検出センサ1fは、ハウジング1aの内側において、取付部1eに容器2が取り付けられた場合に容器2に配置された磁石2cに対向する上側の位置に配置されている。磁石2cに対向する後側の位置に配置された場合、容器2が取付部1eに完全に取り付けられる前(容器2の挿入が不十分な場合)でも誤検出をする可能性が高いためである。容器検出センサ1fは、取付部1eに容器2が取り付けられた場合に磁石2cの磁気に応じて、後述する制御装置60にオン信号を出力する。
【0020】
製氷機1は、
図5に示すように、冷媒サイクル部10、製氷部20、水を貯留する貯水タンク30、ドレインパン40および制御装置60を備えている。ドレインパン40は、「排出部」の一例である。
【0021】
冷媒サイクル部10は、冷凍サイクルによって貯水タンク30から供給される水を冷却して、氷を製造するものである。冷媒サイクル部10は、圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13、および、冷却器14(蒸発器)、並びに、製氷時に圧縮機11が駆動することにより、この順に冷媒が循環する冷媒配管15を備え、冷凍サイクルを構成するものである。冷却器14は、製氷部20の一部を構成する。
【0022】
製氷部20は、氷を製造するものである。製氷部20は、冷却円筒21、冷却器14、オーガ22、駆動装置23、ホッパ24、シャッタ25、および、シュータ26を備えている。ホッパ24は、「貯氷部」の一例である。
【0023】
冷却円筒21は、ステンレスによって円筒状に形成されている。冷却円筒21の外周には、製氷時に冷媒が流れる管状の冷却器14が巻き付けられている。冷却円筒21の内側には、オーガ22(回転刃)が冷却円筒21と同軸に、かつ、冷却円筒21に対して相対的に回転可能に配置されている。
【0024】
オーガ22の下端部は、下部軸受22aによって回転可能に支持されている。一方、オーガ22の上端部は、上部軸受22bによって回転可能に支持されている。駆動装置23は、オーガ22を回転させるものである。
【0025】
ホッパ24は、冷却円筒21から導出された氷を貯留するものである。ホッパ24は、中空の箱状に形成されている。ホッパ24の底面には、冷却円筒21の上端が接続されている。また、ホッパ24の底部において、上部軸受22bが保持されている。この上部軸受22bには、冷却円筒21の内側とホッパ24の内側とを接続し、通過する氷を圧縮する通路(不図示)が設けられている。また、ホッパ24には、ホッパ24に貯留された氷を放出する放出口24aが形成されている。
【0026】
冷却円筒21の内側に貯水タンク30に貯留された水が供給されて、冷却器14によって冷却されることにより、冷却円筒21の内周面に氷が生成される。この氷が、回転駆動するオーガ22によって削り取られるとともに、下方から上方に向けて移送される。さらに、この氷が上部軸受22bの通路を通過するときに圧縮されることにより、氷片が生成される。この氷片がホッパ24内に導出されて貯留される。
【0027】
シャッタ25は、ホッパ24の放出口24aを開閉するものである。シャッタ25によって放出口24aが開状態となったとき(
図3)、ホッパ24に貯留された氷が放出口24aから放出される。シャッタ25によって放出口24aが閉状態となったとき(
図5)、ホッパ24に貯留された氷の放出が規制される。シャッタ25は、シャッタ駆動部25aによって駆動される。
【0028】
シャッタ駆動部25aは、シャッタ25を変位させるものである。シャッタ駆動部25aは、ソレノイド25a1およびリンク機構によって構成されるリンク機構部25a2を備えている。ソレノイド25a1が非通電状態である場合、シャッタ25が放出口24aを閉状態にする。一方、ソレノイド25a1が上方に移動することによりリンク機構部25a2が動作して、シャッタ25が変位することで放出口24aを開状態にする。
【0029】
シュータ26は、載置部1bに向けて開口する筒状に形成され、放出口24aから放出された氷を下方に案内して放出するものである。シュータ26は、容器2が取り付けられた場合に容器2内に向けて開口するように配置されている。また、放出口24aの下端部には、放出された氷をシュータ26に案内する落下ガイド24bが配置されている。落下ガイド24bは、放出口24aの下端から前下方に向けて延びる板状に形成されている(
図3)。
【0030】
上述した放出口24a、落下ガイド24b、シャッタ25、シャッタ駆動部25a、および、シュータ26によって、放出部1cが構成される。放出部1cは、取付部1eに容器2が取り付けられた場合に、ホッパ24に貯留された氷を容器2内に放出する(詳細は後述する)。
【0031】
貯水タンク30は、給水部31、タンク部32、および、フロートスイッチ33を備えている。給水部31とタンク部32とは一体的に形成されている。
【0032】
給水部31は、タンク部32に水を供給するものである。給水部31は、タンク部32の上側にて、中空の箱状に形成されている。給水部31の上壁には、第1配管51の第1端が接続されている。第1配管51の第2端は、給水栓51aを介して、水道管(不図示)が接続されている。第1配管51には、ノーマルクローズ型の第1電磁弁51bが配置されている。
【0033】
第1電磁弁51bが通電されることにより開状態になった場合、水道管の水が第1配管51を介して給水部31内に供給される。第1電磁弁51bの通電状態は、制御装置60によって制御される。
【0034】
また、給水部31の右側部には、給水部31の内外を連通させる開口部31aが形成されている。また、給水部31の右側部には、開口部31aと連通する第2配管52の第1端が接続されている。第2配管52の第2端は、後述する第5配管55に接続されている。また、給水部31の底壁には、給水部31内に供給された水をタンク部32に導出する導出部31bが形成されている。
【0035】
タンク部32は、給水部31から供給された水を貯留するものである。タンク部32は中空の箱状に形成され、第1貯留部32aおよび第2貯留部32bが、後述する第1堰部32a1によって仕切られて左右方向に並べて形成されている。
【0036】
第1貯留部32aは、給水部31の下側に配置され、給水部31から導出された水を貯留するものである。第1貯留部32a側の上壁に、給水部31の導出部31bが配置されている。第1貯留部32aと第2貯留部32bとの間の側壁には、第1堰部32a1が形成されている。第1貯留部32aの水位が第1堰部32a1の高さより高くなった場合、第1貯留部32aに貯留された水が第1堰部32a1を乗り越えて第2貯留部32bに導出される。
【0037】
第2貯留部32bは、第1貯留部32aから導出された水を貯留するものである。第2貯留部32bの底壁には、第3配管53の第1端が接続されている。第3配管53の第2端は、貯水タンク30および冷却器14よりも下方にて冷却円筒21に接続されている。
【0038】
また、冷却円筒21には、第4配管54の第1端が、第3配管53の第2端と対向する位置に接続されている。第4配管54の第2端は、ドレインパン40に向けて開口する。第4配管54には、ノーマルクローズ型の第2電磁弁54aが配置されている。
【0039】
第2電磁弁54aが通電されることにより開状態になった場合、第2貯留部32bに貯められた水が、第3配管53、冷却円筒21および第4配管54を介して、ドレインパン40に排出される。一方、第2電磁弁54aが閉状態である場合、第3配管53を介して第2貯留部32bと冷却円筒21とが接続されているため、第2貯留部32bの水位と、冷却円筒21の水位とが同じとなる。第2電磁弁54aの通電状態は、制御装置60によって制御される。
【0040】
また、第2貯留部32bには、第2堰部32b1および排水部32b2が設けられている。第2堰部32b1の高さは、第1堰部32a1の高さより低く形成されている。排水部32b2は、第2堰部32b1の高さにて上方に向けて開口する開口部である。排水部32b2には、第5配管55の第1端が接続されている。第5配管55の第2端は、ドレインパン40に向けて開口する。
【0041】
第2貯留部32bの水位が、第2堰部32b1の高さよりも高くなった場合、第2貯留部32bに貯められた水が第2堰部32b1を乗り越えて排水部32b2から流出する。排水部32b2から流出した水は、第5配管55を介して、ドレインパン40に導出される。
【0042】
また、第5配管55には、第6配管56の第1端が接続されている。第6配管56の第2端は、ホッパ24の底部に接続されている。ホッパ24に貯められた氷が溶けることにより生じた水は、第6配管56および第5配管55を介してドレインパン40に導出される。
【0043】
フロートスイッチ33は、タンク部32の水位を検出するものである。フロートスイッチ33によって検出された水位(以下、検出水位と記載する。)は、制御装置60に出力される。検出水位が第2堰部32b1の高さより低い、予め定められた水位である第1水位以下である場合、制御装置60は、第1電磁弁51bに通電する。これにより、第1電磁弁51bが開状態になるため、給水部31を介してタンク部32に水が供給される。
【0044】
第2貯留部32bに水が供給されることによって、検出水位が、予め定められた水位である第2水位以上となった場合、制御装置60は、第1電磁弁51bを非通電にする。これにより、第1電磁弁51bが閉状態となるため、給水部31への給水が停止する。第2水位は、第1水位より高く、かつ第2堰部32b1の高さより低い水位に設定されている。製氷時においては、第2貯留部32bの水位が第1水位と第2水位との間となるように制御される。
【0045】
また、第1配管51には、分岐管51cの第1端が接続されている。分岐管51cは、第1配管51と吐水部51dとを接続するものである。分岐管51cには、ノーマルクローズ型の第3電磁弁51c1が配置されている。第3電磁弁51c1が通電されることにより開状態になった場合、水道管の水が給水栓51a、第1配管51および分岐管51cを介して吐水部51dに供給される。第3電磁弁51c1の通電状態は、制御装置60によって制御される。
【0046】
吐水部51dは、シュータ26の下端部に配置されている。吐水部51dは、載置部1bに向けて水を吐出するものである。容器2が取付部1eに取り付けられた場合、吐水部51dは、容器2内に水を吐出するように配置されている。吐水部51dは、「水供給部」の一例である。
【0047】
ドレインパン40は、排水を受け止めて、外部に排出するものである。
【0048】
制御装置60は、製氷機1を統括制御するものである。制御装置60は、氷排出制御を実行する。氷排出制御は、容器2が取付部1eに取り付けられた場合に、放出部1cがホッパ24内の氷を自動で排出して、氷が処分される制御である。
【0049】
次に、制御装置60が実行する氷排出制御について
図6のフローチャートを用いて、放出口24aおよび第3電磁弁51c1が閉状態であるときから説明する。
【0050】
はじめに、制御装置60は、S10にて容器2が取付部1eに取り付けられたか否かを判定する。容器2が取付部1eに取り付けられていない場合、磁石2cが容器検出センサ1fに近づいていないため、容器検出センサ1fからオン信号が出力されない。この場合、制御装置60は、S10にてNOと判定し、S10を繰り返し実行する。
【0051】
容器2が取付部1eに取り付けられて、磁石2cが容器検出センサ1fに近づいた場合、容器検出センサ1fからオン信号が出力される。この場合、制御装置60は、S10にてYESと判定し、S11にて容器2内へ水の放出を開始する。
【0052】
制御装置60は、具体的には、第3電磁弁51c1を開状態にする。これにより、吐水部51dから水が容器2内に放出される。容器2内に放出された水は、容器2の底面の中央部に当たった後、底面を流れてドレイン部2bから排出される。ドレイン部2bから排出された排水は、ドレインパン40に受け止められて、外部に排出される。
【0053】
続けて、制御装置60は、ステップS12にて、放出口24aを第1所定時間、開状態にする。第1所定時間は、放出口24aから放出される氷の量が、例えば容器2の容量のおよそ1/4に相当する量となる時間である。
【0054】
制御装置60は、具体的には、シャッタ駆動部25aによってシャッタ25を変位させ、放出口24aの開状態を第1所定時間維持する。これにより、放出口24aから落下ガイド24bおよびシュータ26を介して、容器2の容量のおよそ1/4の量の氷が容器2内に放出される。
【0055】
さらに、制御装置60は、S13にて、放出口24aを第2所定時間、閉状態にする。第2所定時間は、例えば、容器2内の氷の大部分が、吐水部51dから吐出された水に溶かされる時間である。
【0056】
制御装置60は、具体的には、シャッタ駆動部25aによってシャッタ25を変位させ、放出口24aの閉状態を第2所定時間維持する。これにより、容器2内へ氷が放出されない状態にて、容器2内の氷の大部分が溶かされる。
【0057】
容器2内の氷が溶けることにより生じた水は、吐水部51dから放出された水とともに、ドレイン部2bから排水として排出され、ドレインパン40に受け止められて外部に排出される。
【0058】
続けて、制御装置60は、S14にて、放出口24aの開閉を所定回数繰り返したか否かを判定する。所定回数は、季節または外気温等によって予め定められた所定の回数であり、ホッパ24内の氷の大部分を溶かすために必要な放出口24aの開閉回数である。所定回数は、季節または外気温、容器2の容量、及び、ホッパ24の容量等によって予め定められる。
【0059】
放出口24aの開閉が所定回数繰り返されていない場合、制御装置60は、S14にて、NOと判定し、S12およびS13を再び実行する。このように、放出口24aを開閉するようにシャッタ25の変位を繰り返すことで、ホッパ24内の氷が、所定量ずつ容器2の中に放出され、その都度、吐水部51dから吐出された水によって、容器2内の氷が溶かされる。
【0060】
放出口24aの開閉が所定回数繰り返された場合、制御装置60は、S14にてYESと判定する。この場合、放出口24aの開閉が所定回数繰り返されることにより、ホッパ24内の氷の大部分が容器2に放出され、容器2内の氷の大部分が溶かされて排出されている。
【0061】
続けて、制御装置60は、S15にて、水の放出を停止する。制御装置60は、具体的には、第3電磁弁51c1を閉状態にする。このように、制御装置60は、氷排出制御において、氷の放出を断続的に行う。
【0062】
本実施形態によれば、製氷機1は、氷を貯留するホッパ24と、容器2が着脱可能に取り付けられる取付部1eと、取付部1eに容器2が取り付けられた場合に、ホッパ24に貯留された氷を容器2内に放出する放出部1cと、を備えている。
【0063】
これによれば、容器2が取付部1eに取り付けられた場合、ホッパ24内に貯留された氷がシュータ26から容器2内に自動で放出される。よって、作業者による作業を少なくすることができるため、省人化を図ることができる。
【0064】
また、製氷機1は、容器2から排出される排水を受け止めて、外部に排出するドレインパン40をさらに備えている。
【0065】
これによれば、容器2が取付部1eに取り付けられた状態にて、容器2にて氷が溶けて生じた水を、ドレインパン40を介して外部に排出することができる。よって、作業者は、容器2を取付部1eに取り付けたまま、氷を処分することができる。したがって、作業者による作業をさらに少なくすることができる。
【0066】
また、放出部1cは、氷を断続的に放出する。
【0067】
これによれば、氷が放出されていない間に、容器2内で氷が溶けて生じた水を、ドレインパン40を介して外部に排出することができる。よって、氷が連続的に放出される場合に比べて、容器2の容量を小さくすることができる。
【0068】
また、製氷機1は、放出部1cが氷を放出している間に、水を容器2内に供給する吐水部51dをさらに備えている。
【0069】
これによれば、吐水部51dから供給された水によって、容器2内に貯留された氷を早期に溶かすことができるため、氷の処分の短時間化を図ることができる。
【0070】
以上、一つまたは複数の態様に係る製氷機について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0071】
上述した実施形態では、氷排出制御において、吐水部51dから水が吐出されているが、これに代えて、吐水部51dから水が吐出されないようにしてもよい。
【0072】
上述した実施形態では、氷排出制御において、放出口24aからホッパ24内の氷が断続的に放出されているが、これに代えて、氷を連続的に放出してもよい。
【0073】
上述した実施形態では、製氷機は、磁石2cおよび容器検出センサ1fを備えているが、磁石2cおよび容器検出センサ1fを備えなくてもよい。この場合、作業者が取付部1eに容器2を取り付けた後に所定のボタン(不図示)を押圧することにより、氷排出制御が実行される。
【0074】
また、上述した実施形態において、製氷機1は、吐水部51dから吐出される水の温度を検出する温度センサ170をさらに備えるようにしてもよい。温度センサ170は、例えば第1配管51に配置される(
図5)。この場合、制御装置60は、温度センサ170によって検出される温度(以下、検出温度と記載する。)に基づいて、放出部1cが氷を放出する時間を調節する。検出温度が高くなるにしたがって、容器2内に吐出される水によって氷が溶ける時間が短くなる。このため、制御装置60は、検出温度が高くなるにしたがって、例えば放出口24aが閉じられる第2所定時間を短くすることで、放出時間を短くするように調節する。この場合、制御装置60は、「調節部」の一例である。
【0075】
上述した実施形態において、製氷機1は、吐水部51dから吐出される水の温度を上昇させて氷を溶かす時間を短縮するために、ヒータなどの加温装置をさらに備えるようにしてもよい。加温装置は、例えば第1配管51から吐水部51dまでの分岐管51cに沿って設けられていてもよく、分岐管51cの途中に設けられていてもよい。また、この場合、温度センサおよび制御装置60を組み合わせて用いることで加温装置のON/OFF制御や設定温度の制御などを実行させることができる。
【0076】
また、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、取付部1eや容器2の形状や温度センサ170の位置、各所定時間や放出時間の長さ、および、放出部1cの構成を変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、製氷機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 製氷機
1a ハウジング
1b 載置部
1c 放出部
1e 取付部
1f 容器検出センサ
2 容器
24 ホッパ(貯氷部)
24a 放出口
24b 落下ガイド
25 シャッタ
25a シャッタ駆動部
26 シュータ
30 貯水タンク
40 ドレインパン
51 第1配管
51c 分岐管
51c1 第3電磁弁
51d 吐水部
60 制御装置(調節部)
170 温度センサ