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特許7470924機器管理方法、プログラム及び機器管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】機器管理方法、プログラム及び機器管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240412BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240412BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
G06Q50/10
F21V23/00 113
F21V23/00 115
F21V23/00 140
F21S8/04 440
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020034321
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135974
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 常弘
(72)【発明者】
【氏名】井藤 好克
(72)【発明者】
【氏名】吉村 祐一
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027718(JP,A)
【文献】特開2009-231085(JP,A)
【文献】特開2019-154201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
F21V 23/00
F21S 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器を管理対象とする機器管理方法であって、
対象空間に含まれる複数のセル空間を前記複数の機器と対応付ける第1処理を有し、
前記複数の機器は、前記複数のセル空間のうち前記第1処理で対応付けられるセル空間に関する制御を行うアウトプット機器と、前記複数のセル空間のうち前記第1処理で対応付けられるセル空間に関する空間情報を取得するインプット機器と、のうち少なくとも一方を含み、
前記機器管理方法は、第2処理を更に有し、
前記第2処理では、
前記複数のセル空間のうち2以上のセル空間の集合又は1つのセル空間であるゾーンがアウトプットの対象である場合、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記アウトプット機器を制御するアウトプット処理と、
前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記インプット機器で取得された前記空間情報を、前記ゾーンに関する情報として管理するインプット処理と、のうち少なくとも一方を行い、
前記機器管理方法は、ユーザインタフェースへのユーザの操作に応じて、前記複数のセル空間と前記複数の機器との対応付けを維持したまま、前記複数のセル空間のうちいずれのセル空間が前記ゾーンに含まれるかを登録するゾーン登録処理を更に有する、
機器管理方法。
【請求項2】
前記複数の機器は、所定の機器を含み、
前記第1処理では、前記所定の機器を、前記複数のセル空間のうち少なくとも2つのセル空間と対応付ける、
請求項1に記載の機器管理方法。
【請求項3】
前記複数のセル空間の各々に対する前記複数の機器の各々の寄与度を決定する第3処理を更に有する、
請求項1又は2に記載の機器管理方法。
【請求項4】
前記第2処理では、
前記アウトプット処理において前記寄与度に基づいて前記アウトプット機器を制御することと、
前記インプット処理において前記寄与度と前記インプット機器で取得された前記空間情報とに基づいて前記ゾーンに関する情報を演算することと、のうち少なくとも一方を行う、
請求項3に記載の機器管理方法。
【請求項5】
前記第3処理では、前記寄与度を、前記複数の機器の位置及び向きの少なくとも一方に基づいて決定する、
請求項3又は4に記載の機器管理方法。
【請求項6】
前記第2処理では、前記アウトプット処理と前記インプット処理との両方を行う、
請求項1~5のいずれか一項に記載の機器管理方法。
【請求項7】
前記インプット機器で取得された前記空間情報に基づいて解析を行う解析処理を更に有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の機器管理方法。
【請求項8】
前記アウトプット処理では、前記解析処理の結果に基づいて前記アウトプット機器を制御する、
請求項7に記載の機器管理方法。
【請求項9】
前記複数の機器は、取付部材に取付可能な取付機器を含み、
前記取付部材は、前記複数のセル空間のうち少なくとも1つと対応付けられ、
前記第1処理では、前記取付部材に取り付けられた前記取付機器を、前記複数のセル空間のうち、前記取付部材と対応付けられた前記少なくとも1つのセル空間と対応付ける、
請求項1~8のいずれか一項に記載の機器管理方法。
【請求項10】
前記複数の機器は、取付部材に取付可能な取付機器を含み、
前記第1処理では、前記取付部材の位置情報に基づいて、前記取付部材に取り付けられた前記取付機器を少なくとも1つのセル空間と対応付ける、
請求項1~8のいずれか一項に記載の機器管理方法。
【請求項11】
前記取付部材は、配線ダクトである、
請求項9又は10に記載の機器管理方法。
【請求項12】
前記取付部材には、入力電圧を降圧する降圧回路から所定電圧以下に降圧された電圧が供給され、
前記取付機器には、前記取付部材を介して前記所定電圧以下の電圧が供給される、
請求項9~11のいずれか一項に記載の機器管理方法。
【請求項13】
前記降圧回路は、構造物の天井材よりも上又は前記天井材と同じ高さに配置され、
前記取付機器は、前記取付部材に取り付けられた際に、前記天井材よりも下又は前記天井材と同じ高さに位置する、
請求項12に記載の機器管理方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の機器管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【請求項15】
複数の機器を管理対象とする機器管理システムであって、
対象空間に含まれる複数のセル空間を前記複数の機器と対応付ける対応処理部を有し、
前記複数の機器は、前記複数のセル空間のうち前記対応処理部で対応付けられるセル空間に関する制御を行うアウトプット機器と、前記複数のセル空間のうち前記対応処理部で対応付けられるセル空間に関する空間情報を取得するインプット機器と、のうち少なくとも一方を含み、
前記機器管理システムは、アウトプット処理部及びインプット処理部のうち少なくとも一方を更に有し、
前記アウトプット処理部は、前記複数のセル空間のうち2以上のセル空間の集合又は1つのセル空間であるゾーンがアウトプットの対象である場合、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記アウトプット機器を制御し、
前記インプット処理部は、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記インプット機器で取得された前記空間情報を、前記ゾーンに関する情報として管理し、
前記機器管理システムは、ユーザインタフェースへのユーザの操作に応じて、前記複数のセル空間と前記複数の機器との対応付けを維持したまま、前記複数のセル空間のうちいずれのセル空間が前記ゾーンに含まれるかを登録するゾーン登録部を更に有する、
機器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に機器管理方法、プログラム及び機器管理システムに関し、より詳細には、複数の機器を管理対象とする機器管理方法及び機器管理システム、並びに、この機器管理方法に係るプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の機器を管理対象とする技術の従来例として、特許文献1を例示する。特許文献1に記載の電力系統制御装置は、データ収集部と、デジタルツイン生成部と、を備える。データ収集部は、電力系統に含まれる複数の部分系統(複数の機器)のそれぞれにおける電気的諸量のデータを所定間隔で収集し保持する。デジタルツイン生成部は、データ収集部が保持する電気的諸量のデータを基に、電力系統のシミュレーションモデルを生成し、且つ、電気的諸量の変化を基にモデルを更新する。シミュレーション結果に基づいて、管理者は、系統全体が安定化する対策を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-154201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、利便性を高めることができる機器管理方法、プログラム及び機器管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る機器管理方法は、複数の機器を管理対象とする。前記機器管理方法は、第1処理と、第2処理と、を有する。第1処理は、対象空間に含まれる複数のセル空間を前記複数の機器と対応付ける。前記複数の機器は、アウトプット機器と、インプット機器と、のうち少なくとも一方を含む。前記アウトプット機器は、前記複数のセル空間のうち前記第1処理で対応付けられるセル空間に関する制御を行う。前記インプット機器は、前記複数のセル空間のうち前記第1処理で対応付けられるセル空間に関する空間情報を取得する。前記第2処理では、アウトプット処理と、インプット処理と、のうち少なくとも一方を行う。前記アウトプット処理は、ゾーンがアウトプットの対象である場合、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記アウトプット機器を制御する。前記ゾーンは、前記複数のセル空間のうち2以上のセル空間の集合又は1つのセル空間である。前記インプット処理は、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記インプット機器で取得された前記空間情報を、前記ゾーンに関する情報として管理する。前記機器管理方法は、ユーザインタフェースへのユーザの操作に応じて、前記複数のセル空間と前記複数の機器との対応付けを維持したまま、前記複数のセル空間のうちいずれのセル空間が前記ゾーンに含まれるかを登録するゾーン登録処理を更に有する。
【0006】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記機器管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0007】
本開示の一態様に係る機器管理システムは、複数の機器を管理対象とする。前記機器管理システムは、対応処理部を有する。前記対応処理部は、対象空間に含まれる複数のセル空間を前記複数の機器と対応付ける。前記複数の機器は、アウトプット機器と、インプット機器と、のうち少なくとも一方を含む。前記アウトプット機器は、前記複数のセル空間のうち前記対応処理部で対応付けられるセル空間に関する制御を行う。前記インプット機器は、前記複数のセル空間のうち前記対応処理部で対応付けられるセル空間に関する空間情報を取得する。前記機器管理システムは、アウトプット処理部及びインプット処理部のうち少なくとも一方を更に有する。前記アウトプット処理部は、ゾーンがアウトプットの対象である場合、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記アウトプット機器を制御する。前記ゾーンは、前記複数のセル空間のうち2以上のセル空間の集合又は1つのセル空間である。前記インプット処理部は、前記ゾーンに含まれる1以上のセル空間に対応付けられた前記インプット機器で取得された前記空間情報を、前記ゾーンに関する情報として管理する。前記機器管理システムは、ユーザインタフェースへのユーザの操作に応じて、前記複数のセル空間と前記複数の機器との対応付けを維持したまま、前記複数のセル空間のうちいずれのセル空間が前記ゾーンに含まれるかを登録するゾーン登録部を更に有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、利便性を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る機器管理方法を表すフローチャートである。
図2図2は、一実施形態に係る機器管理システムを含むブロック図である。
図3図3は、同上の機器管理システムを用いた施設の天井の構成を示す説明図である。
図4図4は、同上の機器管理システムを用いた施設を示す説明図である。
図5図5A図5Bは、同上の機器管理システムの動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、実施形態に係る機器管理方法、プログラム及び機器管理システム1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(1)概要
本実施形態の機器管理方法は、複数の機器30(図2参照)を管理対象とする。図1に示すように、機器管理方法は、第1処理(ステップST2)と、第2処理(ステップST5、ST7)と、を有する。第1処理は、対象空間TS1(図4参照)に含まれる複数のセル空間C1(図4参照)を複数の機器30と対応付ける。複数の機器30は、アウトプット機器32(例えば、照明器具)と、インプット機器31(例えば、照度センサ)と、のうち少なくとも一方を含む。アウトプット機器32は、複数のセル空間C1のうち第1処理で対応付けられるセル空間C1に関する制御を行う。インプット機器31は、複数のセル空間C1のうち第1処理で対応付けられるセル空間C1に関する空間情報を取得する。第2処理では、アウトプット処理と、インプット処理と、のうち少なくとも一方を行う。アウトプット処理は、ゾーンZ1(図4参照)がアウトプットの対象である場合、ゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1に対応付けられたアウトプット機器32を制御する。ゾーンZ1は、複数のセル空間C1のうち2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1である。インプット処理は、ゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1に対応付けられたインプット機器31で取得された空間情報を、ゾーンZ1に関する情報として管理する。
【0012】
「空間情報を、ゾーンZ1に関する情報として管理する」(インプット処理)とは、例えば、空間情報をゾーンZ1と紐付けて記憶部14(図2参照)に記憶させることを含む。
【0013】
機器管理方法について、図1を参照してより詳細に説明する。なお、図1に示すフローチャートは、本実施形態に係る機器管理方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0014】
機器管理方法では、まず、複数のセル空間C1を登録し(ステップST1)、複数の機器30と複数のセル空間C1とを対応付ける(ステップST2)。「複数のセル空間C1を登録する」とは、複数のセル空間C1の各々の範囲を決定し、決定した範囲の情報を記憶部14(図2参照)等に記憶させることである。
【0015】
次に、ユーザの操作等により、ゾーンZ1を登録するための情報の入力がされると(ステップST3:YES)、入力された情報に基づいてゾーンZ1を登録する(ステップST4)。「ゾーンZ1を登録する」とは、複数のセル空間C1のうちゾーンZ1に含まれるセル空間C1を決定し、決定したセル空間C1の情報を記憶部14(図2参照)等に記憶させることである。ここで、複数のゾーンZ1が登録され得る。ゾーンZ1が登録されることで、複数の機器30の各々は、少なくとも1つのゾーンZ1に属する。
【0016】
次に、インプット機器31で取得された空間情報を、インプット機器31が属するゾーンZ1に関する情報として管理する(ステップST5)。
【0017】
また、ユーザの操作等により、いずれかのゾーンZ1がアウトプットの対象として指定され、ゾーンZ1に要求されるコンテンツ(機器30のオンオフ、設定値、並びに、ゾーンZ1の明るさ、空気質及び音響条件等)が指定される(ステップST6:YES)。その後、アウトプットの対象であるゾーンZ1に属するアウトプット機器32を制御する(ステップST7)。
【0018】
機器管理方法は、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0019】
一態様に係るプログラムは、上記の機器管理方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0020】
また、機器管理方法は、機器管理システム1により実現可能である。本実施形態の機器管理システム1は、複数の機器30を管理対象とする。図2に示すように、機器管理システム1は、対応処理部23を有する。対応処理部23は、対象空間TS1に含まれる複数のセル空間C1を複数の機器30と対応付ける。複数の機器30は、アウトプット機器32と、インプット機器31と、のうち少なくとも一方を含む。アウトプット機器32は、複数のセル空間C1のうち対応処理部23で対応付けられるセル空間C1に関する制御を行う。インプット機器31は、複数のセル空間C1のうち対応処理部23で対応付けられるセル空間C1に関する空間情報を取得する。機器管理システム1は、アウトプット処理部27及びインプット処理部25のうち少なくとも一方を更に有する。アウトプット処理部27は、ゾーンZ1がアウトプットの対象である場合、ゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1に対応付けられたアウトプット機器32を制御する。ゾーンZ1は、複数のセル空間C1のうち2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1である。インプット処理部25は、ゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1に対応付けられたインプット機器31で取得された空間情報を、ゾーンZ1に関する情報として管理する。
【0021】
本実施形態の機器管理方法、プログラム及び機器管理システム1の各々によれば、複数の機器30をゾーンZ1ごとに一括して管理できるので、利便性が高まる。
【0022】
(2)用途
機器管理方法(機器管理システム1)は、施設に採用される。施設は、例えば、オフィス、商業施設、工場、学校、病院等の非住宅施設、又は、戸建て住宅及び集合住宅等の住宅施設である。施設は、屋内施設であってもよいし、屋外施設であってもよいし、屋内施設と屋外施設との両方を含んでいてもよい。本実施形態では、代表例として、機器管理方法(機器管理システム1)がオフィスビルに採用される場合を想定して説明する。オフィスビルには、例えば、複数の会社がテナントとして入居している。施設には、複数の機器が設置される。対象空間TS1は、施設に含まれる空間である。
【0023】
機器管理方法(機器管理システム1)は、施設の環境等を管理するために用いられる。より詳細には、機器管理方法(機器管理システム1)は、第2処理において、アウトプット機器32(例えば、照明器具)の制御に係るアウトプット処理と、インプット機器31(例えば、照度センサ)で取得される空間情報の管理に係るインプット処理と、のうち少なくとも一方を実行する。本実施形態の機器管理方法(機器管理システム1)は、第2処理において、アウトプット処理と、インプット処理との両方を行う。アウトプット機器32が制御されることで、施設の環境が調整される。また、アウトプット処理では、インプット機器31で取得された空間情報に基づいてアウトプット機器32が制御される。
【0024】
機器管理システム1は、デジタルツインシステムを構成する。デジタルツインシステムは、フィジカル空間(現実の空間)とサイバー空間(仮想の空間)とを連携する。より詳細には、デジタルツインシステムとは、リアルタイムで取得したフィジカル空間の情報に基づいてサイバー空間を形成し、サイバー空間において解析を行い、解析結果を出力するシステムである。解析結果は、アウトプット機器32によりフィジカル空間に反映され得る。本実施形態では、インプット機器31がフィジカル空間の情報(空間情報)を取得し、機器管理システム1がサイバー空間の形成及び空間情報の解析を行い、解析結果をアウトプット機器32がフィジカル空間に反映させる。
【0025】
例えば、対象空間TS1には複数の部署又は複数の会社が属する。そして、部署ごと又は会社ごとに、ゾーンZ1が指定される。機器管理システム1は、インプット機器31で取得された空間情報を、インプット機器31が属するゾーンZ1と紐付けて記憶する。これにより、施設の管理者等は、ゾーンZ1ごとの環境を把握することができる。また、機器管理システム1は、ゾーンZ1ごとに、ゾーンZ1に属するアウトプット機器32を制御する。これにより、ゾーンZ1ごとに環境を調整することができる。
【0026】
(3)インプット機器及びアウトプット機器
インプット機器31は、機器管理システム1の外部の構成である。インプット機器31が取得する空間情報の一例は、照度、温度、湿度又は空気質等の情報である。空気質とは、塵芥等の汚染物質の濃度、又は、二酸化炭素濃度等である。インプット機器31としては、例えば、センサが用いられる。センサの一例は、環境センサ、人感センサ及び人識別カメラである。環境センサの一例は、照度センサ、温度センサ、湿度センサ及び空気質センサである。
【0027】
アウトプット機器32は、機器管理システム1の外部の構成である。アウトプット機器32の一例は、照明器具、空調機器、空気質機器、映像機器、音響機器、防災機器、アクチュエータ及び緑化機器である。空調機器の一例は、エアーコンディショナ、ヒートパイプ及び換気装置である。空気質機器は、空気質を調整する機器である。空気質機器の一例は、次亜塩素酸若しくは二酸化塩素等の機能性粒子を発生する機能性粒子発生器、帯電微粒子水発生器、イオン発生器及び芳香発生器である。映像機器の一例は、セキュリティカメラ、プロジェクタ及びディスプレイ(サイネージ機器等)である。防災機器の一例は、火災感知器、火災警報器及び地震感知器である。アクチュエータは、例えば、分電盤に備えられ、リレーを操作して電力の供給の有無を切り替える。緑化機器の一例は、植物に光及び気流等を供給する機器である。また、緑化機器は、植物に気流を供給することで、葉の擦れる音を発生させること、及び、植物の香りを所定の空間に供給することができる。また、緑化機器は、植物に光及び気流等を供給することで、植物の視覚的効果を演出することができる。植物による視覚的効果に限らず、視覚的効果を演出する機器が、アウトプット機器32として用いられてもよい。例えば、水流の変化により視覚的効果を演出する機器が、アウトプット機器32として用いられてもよい。
【0028】
本実施形態では、複数の機器30として、複数のインプット機器31及び複数のアウトプット機器32が設けられている。
【0029】
各機器30は、記憶部301と、通信部302と、受電部303と、を備えている。
【0030】
記憶部301は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部301は、機器30の識別情報を記憶する。
【0031】
通信部302は、機器管理システム1と通信するための通信インタフェースを含んでいる。通信部302は、記憶部301に記憶された識別情報を、第1処理(複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける処理)を実行する装置(機器管理システム1)へ出力する。
【0032】
受電部303は、外部から供給される電力を受電する。受電部303は、受電用の端子を含む。
【0033】
複数の機器30のうち少なくとも1つは、取付機器である。つまり、複数の機器30は、少なくとも1つの取付機器を含む。取付機器は、後述の取付部材4に取付可能である。取付機器は、例えば、取付部材4の接続部41に接続可能な接続構造を有している。
【0034】
(4)取付部材
図3に示すように、機器管理システム1の外部の構成として、取付部材4が設けられる。取付部材4には、複数の取付機器(機器30)を着脱可能である。本実施形態の取付部材4は、配線ダクトである。配線ダクトには、配線W1(給電線及び通信線)が通される。配線W1は、例えば、PoE(Power over Ethernet)に対応した配線である。配線W1は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルである。
【0035】
取付部材4は、複数(図3では3つ)の接続部41と、ダクトレール42と、を備えている。本実施形態の接続部41は、引掛シーリングである。各接続部41には、取付機器が機械的に取り付けられる。また、各接続部41は、取付機器の端子を電気的に接続可能な端子を有している。ダクトレール42は、複数の接続部41を支持している。
【0036】
取付部材4は、例えば、天井材50に沿って配置されている。より詳細には、取付部材4は、例えば、天井材50の下面501に沿って配置されている。
【0037】
機器管理システム1の外部の構成として、降圧回路51及びハブ装置52が設けられる。
【0038】
ハブ装置52は、例えば、スイッチングハブ装置である。ハブ装置52は、降圧回路51の出力電力の入力を受け付ける。ハブ装置52は、入力された電力を複数の接続部41の端子へ供給する。また、ハブ装置52は、複数の機器30及び機器管理システム1からの信号の入力を受け付ける。ハブ装置52は、入力された信号を複数の接続部41の端子へ分配する。
【0039】
降圧回路51は、入力電圧を降圧する。降圧回路51は、例えば、インバータ回路等の電力変換回路又は降圧トランスを含む。降圧回路51は、電源53(例えば、商用電源、自家発電機又は蓄電池)からの入力電圧を降圧する。本実施形態では、降圧回路51の出力電圧は、直流電圧である。降圧回路51は、交流電圧を直流電圧に変換した後に、直流電圧を降圧する。取付部材4には、降圧回路51から所定電圧以下に降圧された電圧が供給される。所定電圧は、次の条件を満たすことが好ましい。上記条件は、所定電圧以下の電圧が供給される取付機器(機器30)を取付部材4に取り付ける作業において資格(例えば、電気工事士資格)が不要であるという条件である。所定電圧は、例えば、48[V]の直流電圧である。取付機器には、取付部材4を介して所定電圧以下の電圧が供給される。
【0040】
降圧回路51は、構造物の天井材50よりも上又は天井材50と同じ高さに配置されることが好ましい。取付機器は、取付部材4に取り付けられた際に、天井材50よりも下又は天井材50と同じ高さに位置することが好ましい。天井材50と同じ高さに配置されるとは、例えば、天井材50に埋め込まれた状態を指す。図3では、降圧回路51は、天井材50よりも上に配置され、取付機器(機器30)は、取付部材4に取り付けられた際に、天井材50よりも下に位置する。これにより、降圧回路51で降圧される前の電圧が印加された配線W2(降圧回路51から電源53へ延びる配線)と取付機器とを、天井材50により隔てられる。
【0041】
なお、機器30は、機器30に備えられた一次電池又は二次電池を電源として用いてもよい。
【0042】
(5)ローカルコントローラ
図2に示すように、機器管理システム1の外部の構成として、ローカルコントローラL1が設けられる。本実施形態では、複数のローカルコントローラL1が設けられている。各ローカルコントローラL1は、1又は複数のアウトプット機器32と対応する。各ローカルコントローラL1は、機器管理システム1から送信される指令信号Sig1に基づいて、対応する1又は複数のアウトプット機器32を制御する。各ローカルコントローラL1に送信される指令信号Sig1は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0043】
ローカルコントローラL1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、ローカルコントローラL1の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0044】
(6)端末
端末T1の一例は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット端末又は携帯電話である。端末T1は、機器管理システム1の通信部15と通信するための通信インタフェースを含んでいる。端末T1は、通信部15から受信した情報を記憶する。また、端末T1は、通信部15から受信した情報を解析する。
【0045】
端末T1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、端末T1の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0046】
(7)機器管理システム
機器管理システム1は、処理回路2と、受信部11と、送信部12と、ユーザインタフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を有している。処理回路2と、送信部12と、ユーザインタフェース13と、記憶部14と、通信部15とは、1つの筐体に集約されている。
【0047】
(7-1)受信部
受信部11は、機器30の通信部302と通信するための通信インタフェースを含んでいる。機器管理システム1は、受信部11を複数個備えている(図2では1つのみを図示)。複数の受信部11は、それぞれ異なる筐体に収容されている。施設の複数箇所にそれぞれ受信部11が設けられている。
【0048】
(7-2)送信部
送信部12は、複数のローカルコントローラL1と通信するための通信インタフェースを含んでいる。送信部12は、複数のローカルコントローラL1に指令信号Sig1を送信する。ローカルコントローラL1は、指令信号Sig1に応じて、対応する1又は複数のアウトプット機器32を制御する。
【0049】
(7-3)通信部
通信部15は、端末T1と通信するための通信インタフェースを含んでいる。なお、通信部15の少なくとも一部の構成は、受信部11及び送信部12のうち少なくとも一方と共用されていてもよい。
【0050】
(7-4)ユーザインタフェース
ユーザインタフェース13は、ユーザの操作入力を受け付ける操作部を有している。操作部の一例は、タッチパネル、タッチパネルディスプレイ、操作ボタン、キーボード及びポインティングデバイスである。また、ユーザインタフェース13は、操作部への操作に関する表示をするディスプレイを有していてもよい。ユーザには、施設の管理者と、施設の利用者(例えば、テナントのマネージャ及び従業員)とが含まれる。
【0051】
(7-5)記憶部
記憶部14は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(ElectricallyErasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部14は、機器管理システム1で取り扱われる情報を記憶する。
【0052】
(7-6)処理回路
処理回路2は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理回路2の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0053】
処理回路2は、セル登録部21と、ゾーン登録部22と、対応処理部23と、寄与度決定部24と、インプット処理部25と、解析部26と、アウトプット処理部27と、を有している。なお、これらは、処理回路2によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0054】
(7-7)セル登録部
施設に含まれる空間の位置及び範囲を示す情報は、記憶部14に記憶されている。上記情報は、例えば、BIM(Building Information Modeling)として記憶部14に記憶されている。施設の管理者等のユーザは、ユーザインタフェース13又は端末T1から上記情報を出力し、記憶部14に記憶させることができる。
【0055】
上記情報に基づいて、セル登録部21は、図4に示すように、対象空間TS1(施設に含まれる空間)に含まれる複数(図4では10個)のセル空間C1を登録する。例えば、セル登録部21は、施設のある部屋を対象空間TS1とし、対象空間TS1を区画することにより、複数のセル空間C1を決定(定義)する。セル登録部21は、複数のセル空間C1の各々の範囲(又は境界)を示す情報を、記憶部14に記憶させる。
【0056】
図4では、対象空間TS1がX軸方向に5等分され、かつ、Y軸方向に2等分されることで、10個のセル空間C1が定義されている。ここで、X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、Z軸(上向きの軸)と直交する方向である。
【0057】
以下では、10個のセル空間C1をそれぞれ区別して、セル空間C10~C19と称することがある。セル空間C10~C14は、X軸の正の向きにこの順で並んでいる。セル空間C15~C19は、X軸の正の向きにこの順で並んでいる。セル空間C10~C14は、セル空間C15~C19に対してY軸の正の側に位置している。
【0058】
セル登録部21は、例えば、予め決められたアルゴリズムに基づいて、複数のセル空間C1を決定する。具体例としては、セル登録部21は、各セル空間C1が占める面積(XY平面上の面積)が所定範囲(例えば、10m~20m)となるように、複数のセル空間C1を決定する。
【0059】
あるいは、セル登録部21は、ユーザインタフェース13への操作に応じて、複数のセル空間C1を決定する。例えば、ユーザは、ユーザインタフェース13に各セル空間C1の条件を入力し、セル登録部21は、各セル空間C1が入力された条件を満たすように、複数のセル空間C1を決定する。条件の一例は、各セル空間C1のX軸方向の長さの範囲、各セル空間C1のY軸方向の長さの範囲、及び、各セル空間C1の面積の範囲である。若しくは、ユーザは、ユーザインタフェース13に複数のセル空間C1の境界線の情報を入力し、セル登録部21は、複数のセル空間C1の境界線が入力された情報と一致するように複数のセル空間C1を決定する。
【0060】
(7-8)ゾーン登録部
ゾーン登録部22は、複数のセル空間C1のうち、2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1を、ゾーンZ1として登録する。ゾーン登録部22は、例えば、図4に示すように、セル空間C10~C12及びC15~C17の集合を、ゾーンZ1として登録する。
【0061】
なお、図4ではゾーンZ1に含まれる複数のセル空間C1が互いにつながっている。言い換えると、図4ではゾーンZ1に含まれる複数のセル空間C1のうち任意の1つに着目したとき、このセル空間C1は別の任意のセル空間C1と、直接又は1以上のセル空間C1を介してつながっている。ただし、ゾーンZ1が互いに離れた複数の空間から構成されてもよい。言い換えると、ゾーンZ1に含まれる複数のセル空間C1のうちある2以上のセル空間C1が、直接つながっておらず、かつ、1以上のセル空間C1を介してつながっていなくてもよい。
【0062】
ゾーン登録部22は、複数のゾーンZ1を登録可能である。あるゾーンZ1が、このゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1の一部又は全部を、別のゾーンZ1と共有していてもよい。
【0063】
あるいは、複数のゾーンZ1の各々が他のゾーンZ1との間でセル空間C1を共有していなくてもよい。言い換えると、任意のゾーンZ1に着目したとき、このゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1のいずれも、別のゾーンZ1に含まれていなくてもよい。
【0064】
機器管理方法は、ゾーン登録処理を更に有する。ゾーン登録処理は、複数のセル空間C1のうち、2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1を、ゾーンZ1として記憶する処理である。ゾーン登録処理では、ゾーン登録部22は、ユーザインタフェース13への操作に応じて、1又は複数のゾーンZ1を登録する。より詳細には、ゾーン登録処理では、ゾーン登録部22は、複数のセル空間C1のうちユーザインタフェース13を用いて選択された2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1を、ゾーンZ1として記憶部14に記憶させる。すなわち、ユーザは、ユーザインタフェース13を操作することで1以上のセル空間C1を選択する。さらに、ユーザは、ゾーンZ1の識別情報(名称等)を入力する。ゾーン登録部22は、選択された1以上のセル空間C1を含み、かつ、入力された識別情報と紐付けられたゾーンZ1を登録する。すなわち、ゾーン登録部22は、ゾーンZ1に含まれるセル空間C1の識別情報と、ゾーンZ1の識別情報とを、記憶部14に記憶させる。なお、ゾーンZ1の識別情報は、ユーザの操作によらずに自動で生成されてもよい。
【0065】
なお、ゾーン登録部22は、予め決められたアルゴリズムに基づいて1又は複数のゾーンZ1を決定してもよい。例えば、ゾーン登録部22は、各ゾーンZ1に含まれる複数のセル空間C1の個数が所定範囲(例えば、5~10個)となり、かつ、各ゾーンZ1に含まれる複数のセル空間C1が互いにつながるように、1又は複数のゾーンZ1を決定してもよい。
【0066】
(7-9)対応処理部
(7-9-1)基本的な処理
対応処理部23は、複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける。より詳細には、対応処理部23は、機器30の位置等に基づいて、機器30に対応する1又は複数のセル空間C1を決定する。
【0067】
対応処理部23は、機器30の位置を特定する。機器30の位置を特定する手法の具体例については、後述する。対応処理部23は、特定した位置に基づいて決定される効果範囲と重なるセル空間C1を、機器30と対応付ける。このようにして、対応処理部23は、複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける。対応処理部23は、複数の機器30と複数のセル空間C1との対応関係を機器管理システム1の記憶部14に記憶させる。また、対応処理部23は、複数の機器30の各々の記憶部301に記憶された識別情報を、機器30に紐付けた状態で、機器管理システム1の記憶部14に記憶させる。
【0068】
機器30の種類及び向き等によって、機器30の効果範囲は異なり得る。図4では、アウトプット機器32の効果範囲をアウトプット機器32から延びる矢印で示している。図4では、アウトプット機器32は照明器具であって、効果範囲は、例えば、照明器具の照射光による照度が所定値以上となる範囲である。左上の照明器具32Aの効果範囲は、セル空間C10~C12である。よって、照明器具32Aは、セル空間C10~C12と対応付けられる。また、インプット機器31が照度センサである場合に、効果範囲は、例えば、照度センサの感度が所定値以上となる範囲である。なお、図4では、アウトプット機器32の効果範囲がX軸に沿ってのみ広がりを有しているが、アウトプット機器32の特性等に応じて、アウトプット機器32の効果範囲が任意の方向に広がりを有していてもよい。インプット機器31の効果範囲も同様に、インプット機器31の特性等に応じて、任意の方向に広がりを有していてもよい。
【0069】
効果範囲を特定するための情報(例えば、機器30の種類、向き及び特性に関する情報)は、ユーザがユーザインタフェース13を操作することにより入力されてもよいし、該当する情報を機器30が機器管理システム1へ出力してもよい。また、該当する情報は、一例として、一次元コード(バーコード等)又は二次元コード(QRコード(登録商標)等)の形式で機器30に付され、機器管理システム1により読み取られてもよい。また、機器30の種類及び向き等の情報は、カメラにより撮像された機器30の画像を解析することで特定されてもよい。
【0070】
図4では、各アウトプット機器32は、対応処理部23により3つまたは4つのセル空間C1と対応付けられる。すなわち、複数の機器30は、所定の機器(アウトプット機器32)を含み、第1処理(複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける処理)では、対応処理部23は、所定の機器を、複数のセル空間C1のうち少なくとも2つのセル空間C1と対応付ける。機器30の種類、特性及び位置等に応じて、機器30が1つのセル空間C1に対応付けられるか、2以上のセル空間C1に対応付けられるかが異なり得る。
【0071】
また、対応処理部23は、特定した機器30の位置を対象空間TS1の3次元データ内にマッピングする。3次元データは、BIM(Building Information Modeling)の一部のデータとして、記憶部14に記憶されている。
【0072】
ユーザは、機器30の新設、撤去及び位置変更を行うごとに、機器管理システム1に、機器30の位置を特定する処理を実行させる。ユーザは、機器30の位置情報を入力する必要はない。機器30の位置を特定する処理が自動で行われることで、機器30の新設、撤去及び位置変更に伴って機器30の情報を更新する手間を低減させることができる。なお、機器30の位置を特定する処理は、所定時間ごとに行われてもよい。
【0073】
機器30に関する情報(例えば、機器30の種類及び位置情報)は、管理用サーバに送信されることが好ましい。あるいは、機器管理システム1が管理用サーバにより実現されることが好ましい。管理用サーバは、施設の管理者により管理される。管理者は、機器30に関する情報を取得することができる。例えば、管理者は、施設のどの位置に、どのような機器30が設置されているかを把握することができる。
【0074】
(7-9-2)ビーコン信号を用いた位置検出
以下、機器30の位置を検出(特定)する手段の一例を説明する。
【0075】
対応処理部23は、記憶部14に記憶された値である第1距離を取得する。第1距離は、対象空間TS1のある点(仮想参照点)と受信部11との間の距離である。仮想参照点は、複数個定められている。1つの仮想参照点に着目すると、この仮想参照点と、複数の受信部11の各々との間の距離として、複数の第1距離(以下、「第1距離セット」と称す)が定められている。つまり、複数の仮想参照点に一対一で対応する複数の第1距離セットが定められている。
【0076】
対応処理部23は、ビーコン信号を用いて、機器30の位置を特定する。すなわち、機器30の通信部302は、ビーコン信号を出力する。受信部11は施設の複数箇所に設けられている。施設の複数箇所のそれぞれで、受信部11はビーコン信号を受信する。対応処理部23は、受信部11で受信されたビーコン信号の信号強度を、受信部11と機器30との間の距離の推定値である第2距離に変換する。複数の受信部11の各々に対応して、複数の第2距離(以下、「第2距離セット」と称す)が算出される。つまり、1つの第2距離セットが算出される。
【0077】
対応処理部23は、第1距離セットと第2距離セットとの類似度を計算する。第1距離セットは、複数の仮想参照点に一対一で対応して複数定められているため、対応処理部23は、複数の仮想参照点に一対一で対応する複数の類似度を計算する。対応処理部23は、複数の類似度のうち少なくとも1つの類似度を抽出する。対応処理部23は、例えば、複数の類似度のうち値の大きさが上位N番(Nは類似度の個数よりも小さい自然数)以内である類似度を抽出する。
【0078】
対応処理部23は、抽出したN個の類似度を用いて、N個の類似度に対応するN個の仮想参照点の座標に重み付けを行う。つまり、対応処理部23は、各仮想参照点の重み付けを、対応する類似度が高いほど大きくする。対応処理部23は、重み付け後のN個の仮想参照点の座標を加重平均することで得られる座標を、対象空間TS1における機器30の位置として特定する。
【0079】
なお、複数の第2距離に基づいて、最小二乗誤差の三辺測量アルゴリズム等を利用して、機器30の位置を検出してもよい。
【0080】
(7-9-3)取付部材を用いた位置検出
以下、取付部材4に取り付けられた機器30(取付機器)の位置を検出する手段の一例を説明する。
【0081】
各取付部材4の位置の情報は、処理回路2に提供される。例えば、各取付部材4の位置の情報は、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。なお、各取付部材4の位置は、取付部材4と複数の受信部11との間で通信を行うことによって、「(7-9-2)ビーコン信号を用いた位置検出」と同様にビーコン信号を用いて検出されてもよい。ここで言う取付部材4の位置は、取付部材4のある基準点の位置である。
【0082】
対応処理部23は、取付部材4の位置と、取付部材4に取り付けられた取付機器の位置とが一致するとして処理する。
【0083】
別の一例として、対応処理部23は、複数の接続部41のうち取付機器が接続された接続部41を特定し、これに基づいて取付機器の位置を特定する。例えば、各接続部41の位置の情報が処理回路2に提供され、対応処理部23は、接続部41の位置と接続部41に取り付けられた取付機器の位置とが一致するとして処理する。例えば、各接続部41の位置の情報は、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。取付機器が接続された接続部41を特定するために、例えば、降圧回路51及びハブ装置52により、以下のような機能が実現される。すなわち、取付機器が接続された接続部41を特定するために、例えば、取付部材4から取付機器への供給電圧の大きさ、単位時間あたりに上記供給電圧を一時的に停止する回数(停止回数)、又は、取付部材4から取付機器へ送信されるデータが、接続部41ごとに異なっている。
【0084】
取付部材4から取付機器への供給電圧の大きさが接続部41ごとに異なる場合を想定する。取付機器の受電部303は、接続部41からの供給電圧の大きさを測定する。通信部302は、供給電圧の測定値を機器管理システム1へ送信する。処理回路2には、接続部41の電圧と取付部材4の上記基準点に対する接続部41の相対位置との対応関係を示すデータである第1対応データ(例えば、データテーブル)が提供される。第1対応データは、例えば、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。対応処理部23は、供給電圧の測定値と第1対応データとを参照することで、取付機器の位置を特定する。
【0085】
次に、単位時間あたりに接続部41からの供給電圧を一時的に停止する回数(停止回数)が接続部41ごとに異なる場合を想定する。取付機器の受電部303は、停止回数を測定する。通信部302は、停止回数の測定値を機器管理システム1へ送信する。処理回路2には、停止回数と取付部材4の上記基準点に対する接続部41の相対位置との対応関係を示すデータである第2対応データ(例えば、データテーブル)が提供される。第2対応データは、例えば、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。対応処理部23は、停止回数と第2対応データとを参照することで、取付機器の位置を特定する。
【0086】
次に、取付部材4から取付機器へ送信されるデータが接続部41ごとに異なる場合を想定する。上記データは、例えば、イーサネットフレーム内のデータ(イーサフレーム値)である。通信部302は、イーサフレーム値を機器管理システム1へ送信する。処理回路2には、イーサフレーム値と取付部材4の上記基準点に対する接続部41の相対位置との対応関係を示すデータである第3対応データ(例えば、データテーブル)が提供される。第3対応データは、例えば、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。対応処理部23は、イーサフレーム値と第3対応データとを参照することで、取付機器の位置を特定する。
【0087】
このように、取付部材4の位置情報に基づいて、取付機器の位置が特定される。対応処理部23は、取付機器の位置に応じて、取付機器を少なくとも1つのセル空間C1と対応付ける。つまり、第1処理(複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける処理)では、対応処理部23は、取付部材4の位置情報に基づいて、取付部材4に取り付けられた取付機器を少なくとも1つのセル空間C1と対応付ける。
【0088】
なお、取付部材4は、複数のセル空間C1のうち少なくとも1つと対応付けられていてもよい。この対応付けは、予め決められて、記憶部14に記憶されていればよい。第1処理(複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける処理)では、対応処理部23は、取付部材4に取り付けられた取付機器を、複数のセル空間C1のうち、取付部材4と対応付けられた少なくとも1つのセル空間C1と対応付けてもよい。
【0089】
また、接続部41ごとに、セル空間C1が対応付けられていてもよい。つまり、ある接続部41に対応するセル空間C1と、別の接続部41に対応するセル空間C1とが異なっていてもよい。対応処理部23は、接続部41に取り付けられた取付機器を、複数のセル空間C1のうち、接続部41と対応付けられた少なくとも1つのセル空間C1と対応付けてもよい。
【0090】
(7-9-4)マルチパス信号を用いた位置検出
次に、マルチパス信号を用いて機器30の位置を検出する手段の一例を説明する。
【0091】
機器管理システム1は、複数の位置信号発生器及び複数の受信器を備える。各位置信号発生器及び各機器30は、識別パルス信号を送信する。各受信器は、識別パルス信号を受信する。各位置信号発生器及び各受信器の位置の情報は、処理回路2に提供される。各位置信号発生器及び各受信器の位置の情報は、例えば、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。
【0092】
各位置信号発生器及び各機器30が送信する識別パルス信号は、対象空間TS1内の壁、天井、床等で反射し得るため、マルチパス信号に該当する。対応処理部23は、各位置信号発生器から送信され受信器で受信された識別パルス信号と、各機器30から送信され受信器で受信された識別パルス信号とを比較し、比較結果に基づいて各機器30の位置を特定する。
【0093】
各機器30から送信され受信器で受信された識別パルス信号を、時系列で反転させ、受信器の位置から送信することで、逆のマルチパスを通って信号が収束し、機器30にインパルス信号を送信することができる。機器30において識別パルス信号の送信とインパルス信号の受信とを繰り返すことで、機器30の位置検出の精度を上げることができる。
【0094】
なお、マルチパス信号を用いて、取付部材4の位置を検出してもよい。
【0095】
(7-9-5)画像センシングによる位置検出
次に、画像センシングにより機器30の位置を検出する手段の一例を説明する。
【0096】
機器30には、識別記号が付されている。識別記号は、例えば、QRコード(登録商標)である。識別記号は、例えば、近赤外線塗料で描かれている。また、対象空間TS1又はその周囲の空間には、カメラが設置される。カメラの位置及び向きの情報は、処理回路2に提供される。カメラの位置及び向きの情報は、例えば、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。カメラは、機器30に付された識別記号を撮像し、撮像画像を生成する。対応処理部23は、撮像画像中での識別記号の大きさ及び識別記号の変形度合から、機器30の位置を特定する。
【0097】
また、対応処理部23は、撮像画像中での識別記号の向きを解析することで、機器30の向きを特定してもよい。
【0098】
なお、画像センシングにより、取付部材4の位置を検出してもよい。
【0099】
(7-9-6)近距離無線通信による位置検出
次に、NFC(Near field communication:近距離無線通信)により機器30の位置を検出する手段の一例を説明する。
【0100】
機器管理システム1は、複数のNFC認証機器を備える。各NFC認証機器は、NFCにより機器30と通信する。各NFC認証機器の位置の情報は、処理回路2に提供される。各NFC認証機器の位置の情報は、例えば、機器管理システム1の記憶部14に記憶されており、処理回路2に提供される。あるNFC認証機器が機器30と通信した場合、対応処理部23は、このNFC認証機器の位置と機器30の位置とが一致するとして処理する。
【0101】
なお、近距離無線通信により、取付部材4の位置を検出してもよい。
【0102】
(7-10)寄与度決定部
機器管理方法は、第3処理を更に有する。第3処理は、寄与度決定部24によりなされる。第3処理では、寄与度決定部24は、複数のセル空間C1の各々に対する複数の機器30の各々の寄与度を決定する。
【0103】
また、第3処理では、寄与度決定部24は、複数の機器30の各々の寄与度を、複数の機器30の位置及び向きの少なくとも一方に基づいて決定する。
【0104】
図4では、アウトプット機器32は、照明器具である。照明器具の照射光の照度は、照明器具からの距離の2乗に反比例する。よって、寄与度決定部24は、照明器具とセル空間C1との間の距離が長いほど照明器具の寄与度を小さくする。例えば、セル空間C10、C11、C12に対する照明器具32Aの寄与度は、順に14、11、9であり、残りのセル空間C1に対する照明器具32Aの寄与度は0である。また、例えば、図4のセル空間C11に対する左上の照明器具32Aの寄与度は11であり、右上の照明器具32Bの寄与度は9であり、残りの照明器具32C、32Dの寄与度は0である。
【0105】
また、図4では、インプット機器31は、照度センサである。照度センサの検知範囲は、非等方的である。照度センサの向きを、照度センサから照度センサの検知範囲の中心に向かう向きと定義する。例えば、図4において、セル空間C12に配置された照度センサ31Aの向きが下向き(Z軸の負の向き)である場合を想定する。この場合に、セル空間C11、C12、C13に対する照度センサ31Aの寄与度は、例えば、順に10、13、10であり、残りのセル空間C1に対する照度センサ31Aの寄与度は0である。
【0106】
また、例えば、図4において、照度センサ31Aの向きが斜め下向き(Z軸の負の成分とX軸の正の成分とを含む向き)である場合を想定する。この場合に、セル空間C12、C13、C14に対する照度センサ31Aの寄与度は、例えば、順に10、13、7であり、残りのセル空間C1に対する照度センサ31Aの寄与度は0である。
【0107】
なお、寄与度決定部24が寄与度を決定するために参照する機器30の位置に関して、最小単位はセル空間C1であるとして説明したが、最小単位は、より小さい単位であってもよい。例えば、最小単位は、セル空間C1内の座標の単位であってもよい。
【0108】
(7-11)インプット処理部
上述の通り、ゾーン登録部22は、複数のセル空間C1のうち、2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1を、ゾーンZ1として登録する。対応処理部23は、複数の機器30を複数のセル空間C1と対応付ける。
【0109】
つまり、ゾーンZ1には、1以上のセル空間C1(第1セル空間)が含まれ、機器30は、1以上のセル空間C1(第2セル空間)と対応付けられる。第1セル空間とは、ゾーンZ1に含まれるとして登録されたセル空間C1を意味する。第2セル空間とは、機器30が対応付けられたセル空間C1を意味する。第1セル空間と第2セル空間とが部分的に又は全て重複する場合、インプット処理部25は、機器30がゾーンZ1に属すると判定する。例えば、図4に示すようにゾーンZ1がセル空間C10~C12、C15~C17により構成される場合、インプット処理部25は、照明器具32A~32DのいずれもゾーンZ1に属すると判定する。別の一例として、ゾーンZ1がセル空間C13、C14、C18、C19により構成される場合、アウトプット処理部27は、照明器具32B、32DがゾーンZ1に属すると判定する。
【0110】
そして、インプット処理部25は、インプット機器31で取得された空間情報を、インプット機器31が属するゾーンZ1に関する情報として管理する。言い換えると、インプット処理部25は、複数の機器30のうち、ゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1に対応付けられたインプット機器31で取得された空間情報を、ゾーンZ1に関する情報として管理する。
【0111】
「空間情報を、ゾーンZ1に関する情報として管理する」(インプット処理)とは、空間情報とゾーンZ1とを紐付ける情報に基づいて解析等の処理を行うことを含む。また、「空間情報を、ゾーンZ1に関する情報として管理する」とは、空間情報をゾーンZ1と紐付けて、機器管理システム1の外部装置(端末T1)に出力すること、及び、記憶部14に記憶させることを含む。端末T1は、例えば、空間情報とゾーンZ1とを紐付ける情報に基づいて解析等の処理を行う。また、端末T1は、例えば、空間情報をゾーンZ1と紐付けて記憶する。空間情報とゾーンZ1との紐付けは、例えば、空間情報にゾーンZ1の識別情報を付することでなされる。
【0112】
本実施形態では、インプット処理部25は、空間情報をゾーンZ1と紐付けて記憶部14に記憶させることを少なくとも行う。
【0113】
(7-12)解析部
機器管理方法は、インプット機器31で取得された空間情報に基づいて解析を行う解析処理を更に有する。解析処理は、解析部26によりなされる。本実施形態では、解析処理がインプット処理の一部の処理であるとして説明する。
【0114】
解析処理は、例えば、ゾーンZ1単位でなされる。つまり、解析処理は、空間情報とゾーンZ1とを紐付ける情報に基づいてなされる。解析処理により求められる情報の一例は、各ゾーンZ1の照度、温度、湿度、空気質、及び、各ゾーンZ1内におけるこれらの分布である。
【0115】
また、解析処理は、寄与度決定部24で決定された寄与度に基づいて行われる。つまり、インプット処理においては、寄与度とインプット機器31で取得された空間情報とに基づいてゾーンZ1に関する情報が演算される。
【0116】
より詳細には、解析部26は、寄与度に応じて、空間情報に重み付けをする。インプット機器31の寄与度が大きいほど、解析部26は、インプット機器31で取得された空間情報の重みを大きくする。インプット機器31は複数設けられているため、複数の空間情報が取得される。解析部26は、例えば、重み付け後の複数の空間情報を足し合わせることで、ゾーンZ1に関する情報を生成する。
【0117】
(7-13)アウトプット処理部
上述の通り、ゾーンZ1には、1以上のセル空間C1(第1セル空間)が含まれ、機器30は、1以上のセル空間C1(第2セル空間)と対応付けられる。上述の通り、第1セル空間と第2セル空間とが部分的に又は全て重複する場合、インプット処理部25は、機器30がゾーンZ1に属すると判定する。
【0118】
アウトプット処理部27は、次のようなアウトプット処理をする。アウトプット処理部27は、あるゾーンZ1がアウトプットの対象である場合、このゾーンZ1に属するアウトプット機器32(制御対象)を制御する。言い換えると、アウトプット処理部27は、あるゾーンZ1がアウトプットの対象である場合、複数の機器30のうち、このゾーンZ1に含まれる1以上のセル空間C1に対応付けられたアウトプット機器32を制御する。
【0119】
ゾーンZ1がアウトプットの対象であるか否かの情報は、ユーザの操作によりユーザインタフェース13に入力される。なお、ゾーンZ1がアウトプットの対象であるか否かの情報は、ユーザの操作によらずに自動で生成されてもよい。
【0120】
アウトプット処理部27は、ユーザインタフェース13に対するユーザの操作に応じてアウトプット機器32を制御する。ユーザの操作により、アウトプット機器32の制御に係るコンテンツを指定することが可能である。アウトプット機器32の制御に係るコンテンツの一例は、機器30のオンオフ、設定値、並びに、ゾーンZ1の明るさ、空気質及び音響条件である。音響条件とは、例えば、提供される音楽の音量及び選曲等に関する条件である。ユーザは、例えば、予め登録された複数のコンテンツの中から1以上のコンテンツを指定することができる。
【0121】
なお、アウトプット機器32の制御に係るコンテンツは、ユーザの操作によらずに自動で決定されてもよい。例えば、アウトプット処理部27は、日付及び時間帯の少なくとも一方に関する情報に基づいて、アウトプット機器32の制御に係るコンテンツを決定してもよい。
【0122】
アウトプット処理は、アウトプット機器32の動作を開始又は停止させる処理と、アウトプット機器32の動作状態を調整する処理と、を含む。例えば、アウトプット機器32が照明器具である場合、アウトプット処理は、照明器具を点灯又は消灯させる処理と、照明器具の明るさを増加又は低下させる処理と、を含む。
【0123】
アウトプット処理部27は、送信部12に指令信号Sig1を送信させる。指令信号Sig1は、複数のローカルコントローラL1に入力される。指令信号Sig1は、制御対象に該当するアウトプット機器32の識別情報を含む。ローカルコントローラL1は、指令信号Sig1に応じて、対応する1又は複数のアウトプット機器32を制御する。なお、アウトプット処理部27は、ローカルコントローラL1を介さずにアウトプット機器32を制御してもよい。
【0124】
アウトプット処理部27は、寄与度決定部24で決定された寄与度に基づいてアウトプット機器32を制御する。つまり、アウトプット処理においては、アウトプット処理部27は、寄与度に基づいてアウトプット機器32を制御する。例えば、複数のインプット機器31が人感センサを含む場合に、アウトプット処理部27は、人感センサの検知結果を寄与度により重み付けして判定用パラメータを生成し、判定用パラメータに基づいてアウトプット機器32を制御してもよい。
【0125】
また、寄与度に基づいて解析部26で解析処理がなされ、アウトプット処理部27は、解析処理の結果に基づいてアウトプット機器32を制御する。アウトプット処理部27は、例えば、ゾーンZ1のある物理量(例えば、照度)が、ユーザにより設定された設定値に収束するように、フィードバック制御をする。
【0126】
図4では、各照明器具32A~32Dは、矢印が延びている範囲内のセル空間C1に対応付けられている。照明器具32Aは、セル空間C10~C12に対応付けられている。照明器具32Bは、セル空間C11~C14に対応付けられている。照明器具32Cは、セル空間C15~C17に対応付けられている。照明器具32Dは、セル空間C16~C19に対応付けられている。
【0127】
アウトプットの対象であるゾーンZ1がセル空間C10~C12、C15~C17により構成される場合、アウトプット処理部27は、照明器具32A~32Dを制御する。アウトプットの対象であるゾーンZ1がセル空間C13、C14、C18、C19により構成される場合、アウトプット処理部27は、照明器具32B、32Dを制御する。
【0128】
(8)制御の一例
図5A図5Bに、複数のインプット機器31、複数のアウトプット機器32、複数のセル空間C1及び複数のゾーンZ1の関係の一例を模式的に示す。図5A図5Bは、同じ空間(対象空間TS1)を示しており、図5Aでは複数のアウトプット機器32の図示を省略し、図5Bでは複数のインプット機器31の図示を省略している。図5A図5Bでは、対象空間TS1が6つのセル空間C21~C26に区画され、セル空間C21、C22はゾーンZ11を構成し、セル空間C23はゾーンZ12を構成し、セル空間C24~C26はゾーンZ13を構成する。各インプット機器31及び各アウトプット機器32から延びる矢印300は、各インプット機器31及び各アウトプット機器32の効果範囲を表す。例えば、複数のインプット機器31のうち照度センサ31Aの効果範囲は、セル空間C21、C22である。上述の通り、対応処理部23は、機器30の効果範囲と重なるセル空間C1を、機器30と対応付ける。
【0129】
図5Aに示すように、照度センサ31Aは、セル空間C21、C22と対応付けられており、セル空間C21、C22はそれぞれ、ゾーンZ11に属する。よって、照度センサ31Aの検出値は、ゾーンZ11の空間情報として取得される。
【0130】
照度センサ31Bは、セル空間C22、C23と対応付けられており、セル空間C22はゾーンZ11に属し、セル空間C23はゾーンZ12に属する。よって、照度センサ31Bの検出値は、ゾーンZ11、Z12の空間情報として取得される。照度センサ31C、31Dについての説明は省略する。
【0131】
図5Bに示すように、ゾーンZ11は、セル空間C21、C22により構成され、セル空間C21、C22には、照明器具32A、32Bが対応付けられている。よって、ゾーンZ11がアウトプットの対象である場合に、アウトプット機器32(照明器具)を制御するための指令信号Sig1に基づいて、照明器具32A、32Bが制御される。
【0132】
ゾーンZ12は、セル空間C23により構成され、セル空間C23には、照明器具32Bが対応付けられている。よって、ゾーンZ12がアウトプットの対象である場合に、アウトプット機器32(照明器具)を制御するための指令信号Sig1に基づいて、照明器具32Bが制御される。
【0133】
ゾーンZ13は、セル空間C24~C26により構成され、セル空間C24には照明器具32Bが対応付けられており、セル空間C25、C26には照明器具32Cが対応付けられている。よって、ゾーンZ13がアウトプットの対象である場合に、アウトプット機器32(照明器具)を制御するための指令信号Sig1に基づいて、照明器具32B、32Cが制御される。
【0134】
(9)利点
本実施形態の機器管理方法及び機器管理システム1の各々によれば、複数の機器30をゾーンZ1ごとに一括して管理できるので、利便性が高まる。例えば、対象空間TS1に属する部署ごと又は会社ごとに、ゾーンZ1が指定される。機器管理システム1は、ゾーンZ1ごとに、ゾーンZ1に属するアウトプット機器32を制御する。これにより、ゾーンZ1ごとに環境を調整することができる。また、ゾーンZ1ごとに、ゾーンZ1に関連する空間情報がインプット機器31から取得され、空間情報に応じて、アウトプット機器32を制御することができる。また、複数の機器30の設定を機器30ごとにする場合と比較して、設定の手間を低減できる。
【0135】
また、各機器30は、セル空間C1と対応付けられる。よって、ゾーンZ1の範囲が変更された場合でも、各機器30と新たなゾーンZ1との対応を1つ1つ決め直す処理を行うことなく、各機器30と新たなゾーンZ1とを対応付けることができる。このように、機器管理方法及び機器管理システム1の各々によれば、ゾーンZ1の変更に要する手間を低減できる。
【0136】
また、オフィス又は店舗等の施設においてテナントが入れ替わる場合、及び、施設内のレイアウトが変更される場合等には、機器30の新設、撤去及び位置変更が行われ得る。機器30の位置を特定する処理が自動で行われることで、機器30の新設、撤去及び位置変更に伴って機器30の情報を更新する手間を低減させることができる。なお、機器30の位置以外の情報(例えば、機器30の種類及び特性に関する情報)は、ユーザがユーザインタフェース13を操作することにより入力されてもよいし、該当する情報を機器30が機器管理システム1へ出力してもよい。また、該当する情報は、一次元コード又は二次元コード等の形式で機器30に付され、機器管理システム1により読み取られてもよい。
【0137】
また、ある空間に配置され、あるゾーンZ1に属する複数の機器30を、他の空間に移動させた場合に、複数の機器30の位置情報を更新することは必須ではない。つまり、ゾーンZ1に複数の機器30が属するという情報が維持される限り、複数の機器30の移動後も、移動前と同様に、ゾーンZ1に属する複数の機器30を一括して制御できる。このように、複数の機器30の位置情報を更新する手間を低減できる。
【0138】
(変形例)
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0139】
インプット機器31は、センサに限定されない。インプット機器31は、例えば、空間情報を含む信号を受信する通信機器であってもよいし、空間情報を演算する処理を行う情報処理装置であってもよい。
【0140】
機器管理システム1は、インプット機器31で取得された空間情報を、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)又はMR(Mixed Reality)等に反映してもよい。
【0141】
実施形態の機器管理システム1は、インプット機器31、ローカルコントローラL1及び端末T1と通信する。ここで、通信方式は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)に準拠した通信であってもよい。
【0142】
ゾーンZ1は、複数の部屋の各々のセル空間C1を含んでいてもよい。
【0143】
複数のセル空間C1のうち少なくとも2つが、Z軸方向に並んでいてもよい。
【0144】
機器30は、機器30に対応する2以上のセル空間C1の集合又は1つのセル空間C1の外部に配置されていてもよい。
【0145】
対応処理部23は、各機器30に対応するセル空間C1の個数を1つとしてもよい。
【0146】
対応処理部23は、各機器30を、機器30が存在するセル空間C1に対応付けてもよい。ある機器30が2以上のセル空間C1に跨って存在するときは、2以上のセル空間C1のうち1つに対応付けてもよいし、2以上のセル空間C1に対応付けてもよい。
【0147】
取付部材4は、ダクトに限定されない。例えば、取付部材4は、ダクトレール42を備えていなくてもよく、コンセント又は引掛シーリング等からなる接続部41を少なくとも備えた構造であってもよい。また、接続部41が取付機器の端子を電気的に接続可能な端子を有していることは必須ではなく、接続部41は、取付機器を機械的に取付可能な構造を少なくとも有していればよい。
【0148】
各機器30に対して、POEにより給電することに代えて、USB-Power Deliveryにより給電してもよい。
【0149】
実施形態では、各機器30の絶対位置が検出されるとして説明したが、ある位置に対する各機器30の相対位置が検出されてもよい。
【0150】
あるいは、複数の機器30間の接続関係及び親子関係が、複数の機器30の位置情報として検出されてもよい。これにより、複数の機器30を移動させる場合であっても、複数の機器30間の接続関係及び親子関係が変わらない場合には、複数の機器30の位置情報を改めて登録し直す必要がなく、移動前の位置情報を継続して利用することができる。
【0151】
アウトプット処理で扱うセル空間C1と、インプット処理で扱うセル空間C1とが一致することは、必須ではなく、異なっていてもよい。
【0152】
アウトプット処理で扱うゾーンZ1と、インプット処理で扱うゾーンZ1とが一致することは、必須ではなく、異なっていてもよい。
【0153】
機器管理システム1は、機器30、取付部材4、ローカルコントローラL1及び端末T1のうち少なくとも1つを備えていてもよい。
【0154】
本開示における機器管理システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における機器管理システム1としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(UltraLarge Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0155】
また、機器管理システム1における複数の機能が、1つの装置に集約されていることは機器管理システム1に必須の構成ではなく、機器管理システム1の構成要素は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、ユーザインタフェース13を備えた装置と、処理回路2を備えた装置とがそれぞれ提供されてもよい。さらに、機器管理システム1の少なくとも一部の機能、例えば、解析部26の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。また、第1処理、第2処理、第3処理、ゾーン登録処理及び解析処理は、複数の装置により分散して実行されていてもよい。
【0156】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0157】
第1の態様に係る機器管理方法は、複数の機器(30)を管理対象とする。機器管理方法は、第1処理と、第2処理と、を有する。第1処理は、対象空間(TS1)に含まれる複数のセル空間(C1)を複数の機器(30)と対応付ける。複数の機器(30)は、アウトプット機器(32)と、インプット機器(31)と、のうち少なくとも一方を含む。アウトプット機器(32)は、複数のセル空間(C1)のうち第1処理で対応付けられるセル空間(C1)に関する制御を行う。インプット機器(31)は、複数のセル空間(C1)のうち第1処理で対応付けられるセル空間(C1)に関する空間情報を取得する。第2処理では、アウトプット処理と、インプット処理と、のうち少なくとも一方を行う。アウトプット処理は、ゾーン(Z1)がアウトプットの対象である場合、ゾーン(Z1)に含まれる1以上のセル空間(C1)に対応付けられたアウトプット機器(32)を制御する。ゾーン(Z1)は、複数のセル空間(C1)のうち2以上のセル空間(C1)の集合又は1つのセル空間(C1)である。インプット処理は、ゾーン(Z1)に含まれる1以上のセル空間(C1)に対応付けられたインプット機器(31)で取得された空間情報を、ゾーン(Z1)に関する情報として管理する。
【0158】
上記の構成によれば、複数の機器(30)をゾーン(Z1)ごとに一括して管理できるので、利便性が高まる。
【0159】
また、第2の態様に係る機器管理方法では、第1の態様において、複数の機器(30)は、所定の機器を含む。第1処理では、所定の機器を、複数のセル空間(C1)のうち少なくとも2つのセル空間(C1)と対応付ける。
【0160】
上記の構成によれば、機器(30)とセル空間(C1)とが一対一で対応しなくてもよいので、機器(30)の配置がセル空間(C1)の形状及び配置により制限されることを抑制できる。
【0161】
また、第3の態様に係る機器管理方法は、第1又は2の態様において、第3処理を更に有する。第3処理は、複数のセル空間(C1)の各々に対する複数の機器(30)の各々の寄与度を決定する。
【0162】
上記の構成によれば、寄与度の情報を得ることで、機器(30)を管理しやすくなる。
【0163】
また、第4の態様に係る機器管理方法では、第3の態様において、第2処理では、アウトプット処理において寄与度に基づいてアウトプット機器(32)を制御することと、インプット処理において寄与度とインプット機器(31)で取得された空間情報とに基づいてゾーン(Z1)に関する情報を演算することと、のうち少なくとも一方を行う。
【0164】
上記の構成によれば、寄与度を用いることで、アウトプット機器(32)の制御の精度の向上及び空間情報の処理精度の向上を図ることができる。
【0165】
また、第5の態様に係る機器管理方法では、第3又は4の態様において、第3処理では、寄与度を、複数の機器(30)の位置及び向きの少なくとも一方に基づいて決定する。
【0166】
上記の構成によれば、寄与度の精度の向上を図ることができる。
【0167】
また、第6の態様に係る機器管理方法は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、ゾーン登録処理を更に有する。ゾーン登録処理は、複数のセル空間(C1)のうちユーザインタフェース(13)を用いて選択された2以上のセル空間(C1)の集合又は1つのセル空間(C1)を、ゾーン(Z1)として記憶する。
【0168】
上記の構成によれば、ユーザがゾーン(Z1)を登録できるので、利便性が更に高まる。
【0169】
また、第7の態様に係る機器管理方法では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、第2処理では、アウトプット処理とインプット処理との両方を行う。
【0170】
上記の構成によれば、利便性が高まる。
【0171】
また、第8の態様に係る機器管理方法は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、解析処理を更に有する。解析処理は、インプット機器(31)で取得された空間情報に基づいて解析を行う。
【0172】
上記の構成によれば、解析結果を得ることができる。
【0173】
また、第9の態様に係る機器管理方法では、第8の態様において、アウトプット処理では、解析処理の結果に基づいてアウトプット機器(32)を制御する。
【0174】
上記の構成によれば、より快適な空間を提供できる。
【0175】
また、第10の態様に係る機器管理方法では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、複数の機器(30)は、取付部材(4)に取付可能な取付機器を含む。取付部材(4)は、複数のセル空間(C1)のうち少なくとも1つと対応付けられる。第1処理では、取付部材(4)に取り付けられた取付機器を、複数のセル空間(C1)のうち、取付部材(4)と対応付けられた少なくとも1つのセル空間(C1)と対応付ける。
【0176】
上記の構成によれば、取付機器を取付部材(4)に取り付けた際に、取付機器とセル空間(C1)とを自動で対応付けられる。よって、より利便性の高い機器管理方法を実現できる。
【0177】
また、第11の態様に係る機器管理方法では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、複数の機器(30)は、取付部材(4)に取付可能な取付機器を含む。第1処理では、取付部材(4)の位置情報に基づいて、取付部材(4)に取り付けられた取付機器を少なくとも1つのセル空間(C1)と対応付ける。
【0178】
上記の構成によれば、取付機器を取付部材(4)に取り付けた際に、取付機器とセル空間(C1)とを自動で対応付けられる。よって、より利便性の高い機器管理方法を実現できる。
【0179】
また、第12の態様に係る機器管理方法では、第10又は11の態様において、取付部材(4)は、配線ダクトである。
【0180】
上記の構成によれば、機器(30)に接続される配線(W1)を通すスペースを配線ダクト内に確保できる。
【0181】
また、第13の態様に係る機器管理方法では、第10~12の態様のいずれか1つにおいて、取付部材(4)には、入力電圧を降圧する降圧回路(51)から所定電圧以下に降圧された電圧が供給される。取付機器には、取付部材(4)を介して所定電圧以下の電圧が供給される。
【0182】
上記の構成によれば、取付部材(4)には降圧された電圧が供給されるので、取付部材(4)の取り扱いが容易である。
【0183】
また、第14の態様に係る機器管理方法では、第13の態様において、降圧回路(51)は、構造物の天井材(50)よりも上又は天井材(50)と同じ高さに配置される。取付機器は、取付部材(4)に取り付けられた際に、天井材(50)よりも下又は天井材(50)と同じ高さに位置する。
【0184】
上記の構成によれば、降圧回路(51)で降圧される前の電圧が印加された配線(W2)を、天井材(50)よりも上又は天井材(50)と同じ高さに配置できる。
【0185】
第1の態様以外の構成については、機器管理方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0186】
また、第15の態様に係るプログラムは、第1~14の態様のいずれか1つに係る機器管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0187】
上記の構成によれば、複数の機器(30)をゾーン(Z1)ごとに一括して管理できるので、利便性が高まる。
【0188】
また、第16の態様に係る機器管理システム(1)は、複数の機器(30)を管理対象とする。機器管理システム(1)は、対応処理部(23)を有する。対応処理部(23)は、対象空間(TS1)に含まれる複数のセル空間(C1)を複数の機器(30)と対応付ける。複数の機器(30)は、アウトプット機器(32)と、インプット機器(31)と、のうち少なくとも一方を含む。アウトプット機器(32)は、複数のセル空間(C1)のうち対応処理部(23)で対応付けられるセル空間(C1)に関する制御を行う。インプット機器(31)は、複数のセル空間(C1)のうち対応処理部(23)で対応付けられるセル空間(C1)に関する空間情報を取得する。機器管理システム(1)は、アウトプット処理部(27)及びインプット処理部(25)のうち少なくとも一方を更に有する。アウトプット処理部(27)は、ゾーン(Z1)がアウトプットの対象である場合、ゾーン(Z1)に含まれる1以上のセル空間(C1)に対応付けられたアウトプット機器(32)を制御する。ゾーン(Z1)は、複数のセル空間(C1)のうち2以上のセル空間(C1)の集合又は1つのセル空間(C1)である。インプット処理部(25)は、ゾーン(Z1)に含まれる1以上のセル空間(C1)に対応付けられたインプット機器(31)で取得された空間情報を、ゾーン(Z1)に関する情報として管理する。
【0189】
上記の構成によれば、複数の機器(30)をゾーン(Z1)ごとに一括して管理できるので、利便性が高まる。
【0190】
上記態様に限らず、実施形態に係る機器管理システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、機器管理方法及びプログラムにて具現化可能である。
【符号の説明】
【0191】
1 機器管理システム
4 取付部材
13 ユーザインタフェース
23 対応処理部
25 インプット処理部
27 アウトプット処理部
30 機器
31 インプット機器
32 アウトプット機器
50 天井材
51 降圧回路
C1 セル空間
TS1 対象空間
Z1 ゾーン
図1
図2
図3
図4
図5