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特許7470972マグネット内蔵の脚部を有する商品陳列具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】マグネット内蔵の脚部を有する商品陳列具
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A47F5/00 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020081049
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2021175446
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 陽介
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-16631(JP,A)
【文献】登録実用新案第3120729(JP,U)
【文献】登録実用新案第3152338(JP,U)
【文献】登録実用新案第3120835(JP,U)
【文献】実開昭56-58261(JP,U)
【文献】中国実用新案第210144332(CN,U)
【文献】特開2003-38311(JP,A)
【文献】実公平2-37402(JP,Y2)
【文献】特開平10-99172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/00-13/08
A47B53/00
A47B57/00
A47B63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列面を有する陳列本体部と、
該陳列本体部の後部において、上端軸支により、回動自在に支持されるマグネット内蔵の脚部と、を有し、
該脚部は、鉛直姿勢において、該軸支の軸芯が延びる方向と同じ方向の鉛直面である第1面と、該第1面と厚み寸法、離れて対峙する第2面と、該第1面と該第2面の下端を接続する底面を含む第3面を有し、
マグネット面は、該第1面~該第3面、該第2面と該第3面又は該第1面と該第3面であることを特徴とする商品陳列具。
【請求項2】
該軸支の軸芯が延びる方向が、左右方向であり、該脚部は前後方向に回動することを特徴とする請求項1記載の商品陳列具。
【請求項3】
該軸支の軸芯が延びる方向が、前後方向であり、該脚部は左右方向に回動することを特徴とする請求項1記載の商品陳列具。
【請求項4】
該軸支の軸芯が延びる方向が、平面視で斜め方向であり、該脚部は平面視で前後斜め方向に回動することを特徴とする請求項1記載の商品陳列具。
【請求項5】
該脚部は、該第1面~該第3面、該第1面と交差する一対の側面及び該第3面と対峙する上面を有する略直方体の脚本体部と、
該脚本体部の該上部に付設される第1軸孔を備える第1軸支部と、を有し、
該第1軸支部は、該陳列本体部の裏面に付設される第2軸支部と、回動自在に軸支可能であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の商品陳列具。
【請求項6】
該脚部は、該第2面が下側となる第1水平位置から該第1面が下側となる第2水平位置まで、180度回動自在であり、該回動範囲内の任意の角度で固定可能であることを特徴とする請求項5に記載の商品陳列具。
【請求項7】
該脚部は、該第1面又は該第2面が下側となる第2水平位置又は第1水平位置から鉛直姿勢位置まで、90度回動自在であり、該回動範囲内の任意の角度で固定可能であることを特徴とする請求項5に記載の商品陳列具。
【請求項8】
該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が鉛直姿勢において、該第1陳列面の裏側最下部と該脚部の第3面が、設置台に接し、該第3面はマグネットによる固定であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の商品陳列具。
【請求項9】
該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が該第2面が下側となる第1水平位置において、該第2陳列面の裏側最下部と該脚部の第2面が、設置台に接し、該第2面はマグネットによる固定であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の商品陳列具。
【請求項10】
該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が該第1面が下側となる第2水平位置において、該第2陳列面の裏側最下部と該脚部の第1面が、設置台に接し、該第1面はマグネットによる固定であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の商品陳列具。
【請求項11】
該脚部はL字断面形状であり、該L字の外角を形成する該第1面又は該第2面、及び該第3面がマグネット面であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の商品陳列具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2面のマグネット面を有する脚部を備え、設置高さを変更できる商品陳列具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパー等の冷ケースの上面には、薬味入りチューブを入れた小さな箱物等の商品を陳列する比較的小さな2段又は3段の陳列面を備える商品陳列具を設置することが知られている。
【0003】
従来、このような商品陳列具としては、例えば、図26及び図27に示すような冷ケースの上面に設置される3段の商品陳列具100が知られている。この3段の商品陳列具100の裏面の後部には、折り畳み自在の板状の脚部110が設置されている。脚部110を立てた設置状態において、3段の商品陳列面101、102、103は略水平状態となる(図27)。一方、脚部110を折り畳んだ高さが低い場合、商品陳列具100の2段目の底板109が、冷ケースの上面に設置され、前方の第1陳列面部101が、冷ケースの前方へ垂れるように設置される(図26)。このように、商品陳列具100は、2通りの高さ調整が可能である。なお、商品陳列具100において、第2陳列面102及び第3陳列面103には、商品仕切り板が嵌る係止溝104が左右方向に多数形成されている。また、第3陳列面103の後部には、商品転落防止板が嵌る左右方向に延びる前後2つの係止溝105が形成されている。
【0004】
また、意匠登録番号1568035及び意匠登録番号1568036には、階段状の2段又は3段階の陳列面を有する商品陳列台において、後段の陳列台に、固定用マグネットを収容可能な凹部を形成し、該凹部内に固定用マグネットを収納し、スーパー等で使用される商品陳列棚面や冷ケースの上面等の金属板に、マグネットで固定する商品陳列台が開示されている。すなわち、この商品陳列台は、設置台の前方の角部に設置され、前段の陳列台は、設置台に当接せず、設置台から前方へ突出する形で設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-38311
【文献】意匠登録番号1568035
【文献】意匠登録番号1568036
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マグネットを使用しない高さ調整が可能な商品陳列具は、設置面へ単に置いただけであり、少しの外力でズレやすく、設置安定性が悪いという問題がある。一方、固定用マグネットを使用した商品陳列具は、磁着固定は一面であり、陳列面の高さ変更はできず、陳列の演出という点では、物足りないものであった。
【0007】
従って、本発明の目的は、形状が異なる種々の設置台への強い固定設置が可能であり、陳列面高さを変更でき、陳列の演出を高めることができる商品陳列具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、商品陳列面を有する陳列本体部と、該陳列本体部の後部において、上端軸支により、回動自在に支持されるマグネット内蔵の脚部と、を有し、該脚部は、鉛直姿勢において、該軸支の軸芯が延びる方向と同じ方向の鉛直面である第1面と、該第1面と厚み寸法、離れて対峙する第2面と、該第1面と該第2面の下端を接続する底面を含む第3面を有し、マグネット面は、該第1面~該第3面、該第2面と該第3面又は該第1面と該第3面であることを特徴とする商品陳列具を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該軸支の軸芯が延びる方向が、左右方向であり、該脚部は前後方向に回動することを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該軸支の軸芯が延びる方向が、前後方向であり、該脚部は左右方向に回動することを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、該軸支の軸芯が延びる方向が、平面視で斜め方向であり、該脚部は平面視で前後斜め方向に回動することを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該脚部は、該第1面~該第3面、該第1面と交差する一対の側面及び該第3面と対峙する上面を有する略直方体の脚本体部と、該脚本体部の該上部に付設される第1軸孔を備える第1軸支部と、を有し、該第1軸支部は、該陳列本体部の裏面に付設される第2軸支部と、回動自在に軸支可能であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該脚部は、該第2面が下側となる第1水平位置から該第1面が下側となる第2水平位置まで、180度回動自在であり、該回動範囲内の任意の角度で固定可能であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該脚部は、該第1面又は該第2面が下側となる第2水平位置又は第1水平位置から鉛直姿勢位置まで、90度回動自在であり、該回動範囲内の任意の角度で固定可能であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が鉛直姿勢において、該第1陳列面の裏側最下部と該脚部の第3面が、設置台に接し、該第3面はマグネットによる固定であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が該第2面が下側となる第1水平位置において、該第2陳列面の裏側最下部と該脚部の第2面が、設置台に接し、該第2面はマグネットによる固定であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が該第1面が下側となる第2水平位置において、該第2陳列面の裏側最下部と該脚部の第1面が、設置台に接し、該第1面はマグネットによる固定であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、該脚部はL字断面形状であり、該L字の外角を形成する該第1面又は該第2面、及び該第3面がマグネット面であることを特徴とする前記商品陳列具を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、種々の高さや傾斜の有無等、形状が異なる種々の設置台への強い固定設置が可能であり、陳列面高さを変更でき、陳列の演出を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施の形態における商品陳列具の斜視図である。
図2図1の商品陳列具を後ろ側から見た斜視図である。
図3図1の商品陳列具を裏側から見た斜視図である。
図4図1の商品陳列具を裏側から見た他の斜視図である。
図5】脚部が鉛直姿勢である商品陳列具の設置状態における右側面図である。
図6】脚部が鉛直姿勢である商品陳列具の他の設置状態における右側面図である。
図7】脚部が前方横倒しの商品陳列具の設置状態における右側面図である。
図8】脚部が斜め前方倒しの商品陳列具の設置状態における右側面図である。
図9図1の商品陳列具の脚部の斜視図である。
図10図9の脚部を反対側から見た斜視図である。
図11図1の商品陳列具の脚部の内部構造を示す図である。
図12図11のX-X線に沿って見た図である。
図13図11のY-Y線に沿って見た図である。
図14】本発明の第2の実施の形態の商品陳列具において、脚部が後方横倒しの設置状態における右側面図である。
図15図14の商品陳列具の脚部の斜視図である。
図16図14の脚部を反対側から見た斜視図である。
図17図14の商品陳列具の脚部の内部構造を示す図である。
図18図17のX-X線に沿って見た図である。
図19】本発明の第3の実施の形態の商品陳列具において、脚部が鉛直姿勢の設置状態における右側面図である。
図20】本発明の第3の実施の形態の商品陳列具において、脚部が前方横倒しの設置状態における右側面図である。
図21】本発明の第4の実施の形態の商品陳列具において、脚部が鉛直姿勢の設置状態における右側面図である。
図22】本発明の第4の実施の形態の商品陳列具において、脚部が前方横倒しの設置状態における右側面図である。
図23】本発明の第5の実施の形態における商品陳列具の裏側から見た斜視図である。
図24図23の商品陳列具において、脚部が鉛直姿勢の設置状態における右側面図である。
図25図23の商品陳列具において、脚部が内側横倒しの設置状態における右側面図である。
図26】従来の商品陳列具であり、脚部が収納状態における斜視図である。
図27】従来の商品陳列具であり、脚部が起立状態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書において、前後方向及び左右方向は、商品陳列具を正面(脚部から遠い側)から見た方向を言う。本発明の商品陳列具は、商品陳列面を有する陳列本体部を有する。商品陳列面としては、特に制限されず、階段状の多段陳列面、前方傾斜又は後方傾斜の傾斜状陳列面、傾斜状陳列面を含む複合陳列面等が挙げられる。また、商品陳列面には、商品仕切り板が係止する係止溝や係止スリットが形成されていてもよい。また、商品陳列面には、前方又は後方への商品の転落を防止する商品転落防止板が設置されていてもよい。また、商品陳列面には、隣接する商品陳列具を連結する係止片及び係止溝が形成されていてもよい。
【0022】
本発明の商品陳列具において、商品陳列面の裏側は、脚部とは別で、脚部と共に、設置面に設置する当接部が形成されていることが好ましい。このような当接部としては、商品陳列面の裏面構造物の一部であり、例えば、商品陳列面を構成する陳列板の裏面、商品陳列面の両端に形成される左右側板の下端面又は角部、商品陳列面に強度を付与するリブ部材の下端面や角部が挙げられる。本発明の商品陳列具は、棚板面などの設置台に、脚部のみでマグネット固定する方法と、脚部のマグネット固定と商品陳列面の裏面構造物の一部との共働で固定支持する方法が挙げられ、この中、脚部のマグネット固定と商品陳列面の裏面構造物の一部との共働で固定支持する方法が、安定な固定支持が得られる点で好ましい。
【0023】
本発明の商品陳列具において、脚部は、陳列本体部の後部において、上端軸支により、回動自在に支持されるものである。上端軸支における文言「上端」は、単なる端の他、上端近傍も含む。すなわち、脚部は、略上端位置において、軸支により下部が振り子のように回動するものであればよい。脚部は、マグネット内蔵の脚本体部と、該脚本体部の上部に付設される第1軸孔を備える第1軸支部を有するものが挙げられる。この場合、第1軸支部の第1軸孔と、陳列本体部の第2軸支部の第2軸孔とは、軸芯が一致するように嵌合し、軸ネジやボルトが通されて、接続される。本発明において、脚部と陳列本体部との接続は、回動自在であり、且つ回動範囲に途中の任意の角度で固定が維持されるものが好ましい。これにより、脚部は、鉛直姿勢や水平姿勢に限定されず、任意の角度で固定されるため、種々の設置形状を有する設置台への設置が可能となる。このような固定方法としては、第1軸支部及び第2軸支部の材質を硬質性樹脂を使用し、ボルト締めする方法、第1軸支部及び第2軸支部の材質を硬質性樹脂を使用し、第1軸支部及び第2軸支部に形成された凹凸部の互いの係止により固定する方法等の公知の方法が挙げられる。
【0024】
本発明の脚部において、上端軸支の軸芯が延びる方向は、平面視において、左右方向、前後方向、斜め前後方向のいずれであってもよい。上端軸支の軸芯が延びる方向が、平面視において、左右方向の場合、脚部は前後方向に回動し、上端軸支の軸芯が延びる方向が、平面視において、前後方向の場合、脚部は左右方向に回動し、上端軸支の軸芯が延びる方向が、平面視において、斜め方向の場合、脚部は前後斜め方向に回動する。
【0025】
本発明の商品陳列具において、脚部は、鉛直姿勢において、該軸支の軸芯方向と同じ方向の鉛直面である第1面と、第1面と厚み分離れて対峙する第2面と、第1面と第2面の下端を接続する底面を含む第3面を有するのであればよく、例えば、前後側面、左右側面、上下側面の6面を有する直方体を脚本体部とするものが挙げられる。すなわち、脚部は、第1面と第2面は平行であり、第1面と第3面は直交している。
【0026】
本発明において、脚部は、第2面が下側となる第1水平位置から第1面が下側となる第2水平位置まで、少なくとも180度回動自在、又は第2面が下側となる第1水平位置から鉛直姿勢位置まで、あるいは第1面が下側となる第2水平位置から鉛直姿勢位置まで、少なくとも90度回動自在とするものが挙げられる。
【0027】
本発明において、脚部はマグネットを内蔵するものである。脚部は、例えば、樹脂製の箱状容器に、板状の磁石と鉄板を入れ、磁石と接する鉄板の一部(端部)が、マグネット面側に露出するように配置すればよい。これにより、脚部のマグネット面側は、磁性を帯びた複数個の鉄板の端部が互いに離れて筋状に露出したものとなる。一方、非マグネット面は、鉄板の露出がなく、樹脂面となるため、磁性のない面となっている。
【0028】
本発明において、脚部におけるマグネット面は、第1面~該第3面、第2面と第3面又は第1面と第3面である。マグネット面が第1面(前側面)、第2面(後側面)及び第3面(底面)で、軸支の軸芯方向が、左右方向の場合、脚部の前方横倒し、後方横倒し及び鉛直姿勢の3通りの位置で、水平の設置面にマグネット固定が可能となる。また、マグネット面が第2面(後側面)及び第3面(底面)で軸支の軸芯方向が、左右方向の場合、脚部の前方横倒し及び鉛直姿勢の2通りの位置で、水平の設置面にマグネット固定が可能となる。また、マグネット面が第1面(前側面)及び第3面(底面)で軸支の軸芯方向が、左右方向の場合、脚部の後方横倒し及び鉛直姿勢の2通りの位置で、水平の設置面にマグネット固定が可能となる。これにより、商品陳列面の高さを変えることが可能となる。また、脚部は、回動範囲内の任意の角度で保持でき、種々の傾斜面に対しても、マグネット固定が可能となる。これにより、水平設置台に設置した場合、商品陳列面の傾斜を変えることが可能となる。なお、前方横倒しとは、脚部の第2面が水平姿勢又は水平姿勢に近い横に寝た状態を言い、後方横倒しとは、脚部の第1面が水平姿勢又は水平姿勢に近い横に寝た状態を言う。
【0029】
また、軸支の軸芯方向が、前後方向の場合、次の通りである。すなわち、マグネット面が第1面(一側面)、第2面(他側面)及び第3面(底面)場合、脚部の2通りの横倒し及び鉛直姿勢の3通りの位置で、水平の設置面にマグネット固定が可能となる。また、マグネット面が第2面(他側面)及び第3面(底面)の場合、脚部の横倒し及び鉛直姿勢の2通りの位置で、水平の設置面にマグネット固定が可能となる。また、マグネット面が第1面(一側面)及び第3面(底面)の場合、脚部の横倒し及び鉛直姿勢の2通りの位置で、水平の設置面にマグネット固定が可能となる。これにより、商品陳列面の高さを変えることが可能となる。軸支の軸芯方向が、前後方向で、脚部が2つの場合、横倒しは同一方向又は対象方向のいずれであってもよいが、2つの脚部のマグネット面が設置台に接する倒した方が好ましい。また、軸支の軸芯方向が、前後斜め方向の場合、軸支の軸芯方向が、前後方向の場合と同様、斜め横倒しと鉛直姿勢において、設置面にマグネット固定が可能となる。
【0030】
本発明の商品陳列具は、冷ケースの上面または商品陳列棚装置の棚板面などの板金面(設置面)に載置することで設置される。本発明の商品陳列具は、脚部のマグネット面と設置面とのマグネット力による固定方法であってもよく、脚部のマグネット力と、商品陳列具の脚部より前方位置で、商品陳列具の裏面の一部と設置面との当接(非マグネット接触)による共働による固定であってもよい。本発明においては、脚部のマグネット力と、商品陳列具と設置面との非マグネット当接を含む2点以上の複数点接触とすることが、強く安定した設置ができる点で好ましい。
【0031】
次に、本発明の第1の実施の形態における商品陳列具を、図1図13を参照して説明する。商品陳列具10は、商品陳列面11Aを有する陳列本体部1と、陳列本体部1の後部において、上端軸支により、前後方向に回動自在に支持されるマグネット内蔵の第1脚部2(2a、2b)と、を有する。
【0032】
商品陳列具10において、商品陳列面11Aは、平面視が四角形で、側面視が階段状の3段の陳列面を有する。前方の第1陳列面11、2段目の第2陳列面12及び3段目の第3陳列面13には、商品仕切り板(不図示)が嵌合する仕切り用溝111が左右方向に多数形成されている。これにより、商品仕切り板を組み込めば、陳列面に載置される商品(不図示)を整然と区画、陳列することができる。また、第1陳列面11、第2陳列面12及び第3陳列面13の前端には、陳列商品の前方への転落を防止する第1商品転落防止板41、42、43が陳列面と一体的に形成されている。また、3つの第1商品転落防止板の中、中間(2番目)42及び後方の商品転落防止板43には、商品仕切り板が嵌る縦溝112が左右方向に多数形成されている。また、第3陳列面13の後端には、陳列商品の後方への転落を防止する第2商品転落防止板44が、陳列面と一体的に形成されている。また、第1陳列面11の一方(右端)の端部には、隣接する他の商品陳列具10を連結する連結係止片91が形成されている。これにより、複数の商品陳列具10の横方向の連結が可能となる。なお、第1陳列面11の他方の端部近傍の商品仕切り板用溝は、連結用係止溝を兼用する。
【0033】
商品陳列具10は、第1陳列面11、第2陳列面12及び第3陳列面13の両端から下方へ同じ高さで延びる左右の枠状の側板30a、30bを有する。従って、枠状の側板30a、30bも3段の段差形状となっている。また、商品陳列具10の裏面構造において、商品仕切り板用溝111に対応する箇所には、商品仕切り板用溝が形成される突起311、321、331が、多数形成されている。このような多数の突起311、321、331は、商品陳列具10の強度を付与する補強リブの機能を奏することになる。また、第3陳列面13の裏面には、第1脚部2a、2bを支持する脚部支持部18a、18bが形成されている。脚部支持部18a、18bは第3陳列面13の裏面から下方に延びる一対の板状の第2脚181a、182a、181b、182bと、一対の第2脚181a、182a、181b、182bの先端で規定され、第3陳列面13の裏面と対峙する第2底面183a、183bとを有する(図4参照)。第2底面183a、183bには、ボルトが通される左右方向に延びるボルト孔が形成された凸状の第2軸支部184a、184bが形成されている。第2底面183a、183bの第2軸支部184a、184bの前部は、略水平状の第2前底面186a、186bであり、第2軸支部184a、184bの後部は、略水平状の第2後底面185a、185bを形成している(図6)。
【0034】
商品陳列具10において、第1脚部2a、2bは、横方向で離れて位置する同じ左右一対(2脚)ものであり、前方の第1面21a、21b、第1面21a、21bと厚み寸法分、離れて対峙する後方の第2面22a、22b、第1面と第2面の下端同士を接続して得られる底面である第3面23a、23b、第1面と交差する一対の側面24a、24b、25a、25b及び底面と対峙する上面26a、26bを有する略直方体の脚本体部21A、21Bと、脚本体部21A、21Bの上部に付設される第1軸孔291a、291bを備える第1軸支部29a、29bと、を有する(図9及び図10)。なお、図9及び図10は、一対の第1脚部2a、2bの中、一方の第1脚部2aのみを示す。商品陳列具10において、マグネットを直方体の脚本体部21A、21Bに収納できるため、上面を除く5面でマグネット面を形成でき都合がよい。但し、本例では、マグネット面は、第2面22a、22bと第3面23a、23bである。また、第1脚部2a、2bにおいて、第1軸支部29a、29bと脚本体部21A、21Bを接続する首部は、第1脚部2a、2bが鉛直姿勢を採る場合、脚部支持部18a、18bの第2後底面185a、185bと当接する第1当接面27a、27bと、第1脚部2a、2bが前方横倒しを採る場合、脚部支持部18a、18bの第2前底面186a、186bと当接又は近接する第2当接面28a、28bを有する(図6図7及び図9)。第2当接面28a、28bは第1当接面27a、27bと直交する面である。また、第1脚部2a、2bの鉛直姿勢において、軸支部の軸芯を通る第1鉛直線と脚本体部21A、21Bの前後方向(厚み方向)の中心を通る第2鉛直線は偏心しており、第2鉛直線は第1鉛直線より後方に位置する。これにより、第1脚部2a、2bは、鉛直姿勢の位置が決まり、水平姿勢の位置が決まる。
【0035】
脚本体部21Aにおける内部構造を図11図13を参照して説明する。一対の脚本体部21A、21Bは、同じであるため、脚本体部21Aを説明し、脚本体部21Bの説明は省略する。脚本体部21Aは、マグネット構造体211が収納される収納スペースを有する樹脂製容器210と、マグネット構造体211とからなる。マグネット構造体211は、マグネットと鉄板のサンドイッチ構造であり、本例では、5つの第1鉄板5a~5eと4つの板状磁石6a~6dとのサンドイッチ構造である。板状磁石6a~6dの長辺及び短辺の長さは、第1鉄板5a~5eの長辺及び短辺の長さよりそれぞれやや小さい。鉄板面が向く方向は、第1脚部2a、2bの回動方向と交差する方向である。また、第1鉄板5a~5eは、長方形断面の2つの長辺の中、一方の長辺側の両端角が切り欠かれた形状としている(図12参照)。マグネット構造体211を樹脂製容器210に収納した状態において、第1脚部2aの第2面22a及び第3面23aには、第1鉄板5a~5eの端部が5つの筋状の頭出しとなるように収納される。これにより、第1脚部2aの第2面22a及び第3面23aは、マグネット面となり、第1脚部2aの第1面21a、左右側面24a、25a、及び上面26aは非マグネット面となる。
【0036】
第1脚部2aは、陳列本体部1に対してボルト締めされる。すなわち、ボルトは、第1脚部2aの第1軸支部29aの第1軸孔291aと陳列本体部1の第2軸支部184aの第2軸孔に通され、ナット締めされる。また、ボルトによる締め付けは、第1脚部2aが、軸芯を回転中心として回動自在に軸支されると共に、任意の回動位置において、第1脚部2aが固定支持可能に締め付けられる。第1脚部2aの脚長さ(高さ)は、鉛直姿勢において、第1脚部2aの第3面(底面)23aと第1陳列面11の側板30aの下端面が設置面Aに設置し、第1陳列面11が水平陳列面となるような長さである。また、第1脚部2aの脚本体部21Aの厚みは、前方横倒しにおいて、第1脚部2aの第2面(後面)と第2陳列面12の側板の下端面が設置面に設置し、第2陳列面12が水平陳列面となるような長さである。
【0037】
次に、商品陳列具10の設置方法について、図5図8を参照して説明する。図5は第1の設置方法であり、水平状の板金面を有する第1設置面A1に、第1脚部2a、2bを鉛直姿勢にした商品陳列具10を載せる設置方法である。この際、第1脚部2a、2bの第3面(マグネット面)23a、23bが第1設置面A1に当接し、陳列本体部1の第1陳列面11の枠状の側板31a、31bが、第1設置面A1の前部に当接している。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、略水平陳列面となっている。図5の設置方法によれば、商品陳列具10は、例えば、冷ケースの上面に、マグネット力と陳列本体部1の裏面の接地点の2箇所で、安定して設置できる。なお、第1設置面A1の前方の接地点は、非板金面であってもよい。
【0038】
図6は第2の設置方法であり、水平状の板金面である第1設置面A1と、第1設置面A1と直交する板金面である縦壁面A2とを備える角部の第2設置面において、第1脚部2a、2bを鉛直姿勢にした商品陳列具10を載せる設置方法である。この際、第1脚部2a、2bの第3面(マグネット面)23a、23bが第1設置面A1に当接し、第2面(マグネット面)22a、22bが縦壁面A2に当接し、陳列本体部1の第1陳列面11の枠状の側板31aが、第1設置面A1の前部に当接している。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、略水平陳列面となっている。図6の設置方法によれば、図5の設置方法に比べて、設置するマグネット面は第2面と第3面の2箇所であり、且つ3点支持となり、より強く安定な設置とすることができる。
【0039】
図7は第3の設置方法であり、冷ケースの上面で且つ前方のコーナー部に設置するものである。冷ケースの上面の板金面である第3設置面A3において、第1脚部2a、2bを前方横倒しにした商品陳列具10を載せる設置方法である。この際、第1脚部2a、2bの第2面(マグネット面)22a、22bが第3設置面A3に当接し、陳列本体部1の第2陳列面12の枠状の側板32a、32bが、第3設置面A3に当接し、第1陳列面11が、冷ケースの前方へ出っ張る設置方法である。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、略水平陳列面となっている。図7の設置方法によれば、商品陳列具10は、冷ケースの上面の前方角部に、マグネット力と陳列本体部1の裏面との2箇所で、安定して設置できる。
【0040】
図8は第4の設置方法であり、水平状の板金面を有する第1設置面A1に、第1脚部2a、2bを前方横倒しの途中状態である斜め倒しとした商品陳列具10を載せる設置方法である。この際、鉛直姿勢から前方へ約75度回動させた第1脚部2a、2bの第2面(マグネット面)22a、22bが第1設置面A1に当接し、陳列本体部1の第1陳列面11の枠状の側板31a、31bの後ろの角部151が、第1設置面A1の前部に当接している。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、後ろ傾斜の階段状の陳列面となっている。図8の設置方法によれば、商品陳列具10は、水平設置面に、マグネット力と陳列本体部1の裏面の角部151との2箇所で、安定して設置できる。なお、第1設置面A1の陳列本体部1の裏面の角部151が当たる部分は、非板金面であってもよい。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態における第2商品陳列具を、図14図18を参照して説明する。第2の実施の形態における第2の商品陳列具10aにおいて、第1の実施の形態における商品陳列具10と同一構成要素には、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、第2の実施の形態の第2の商品陳列具10aにおいて、第1の実施の形態の商品陳列具10と異なる点は、脚部の構造である。
【0042】
すなわち、第2の商品陳列具10aにおいて、第2脚部2A、2Bは同じものであり、第2脚部2Aについて説明し、第2脚部2Bの説明は省略する。第2の商品陳列具の第2脚部2Aにおいて、商品陳列具の第1脚部2aと異なる点は、2つのマグネット面を有する第1脚部2aを、3つのマグネット面を有するものとした点、及び脚本体部における軸支位置である。すなわち、第2脚部2Aにおいて、図18に示すように、第2鉄板7a~7eは、第1鉄板5a~5eより短手方向長さがやや大の長方形断面の鉄板において、長方形断面の2つの長辺側の4つの角71a~74aを切り欠いた形状としたものである。第2鉄板7a~7eを含むマグネット構造体212を樹脂製容器210に収納した状態において、第2脚部2Aの第1面21a、第2面22a及び第3面23aには、鉄板の端部が5つの筋状の頭出し76a、77a、78aとなるように収納される。これにより、第2脚部2Aの第1面21a、第2面22a及び第3面23aは、マグネット面となり、第2脚部2Aの左右側面及び上面は非マグネット面となる。
【0043】
また、第3軸支部29aの軸支中心は、脚本体部21Aの上部であって、且つ脚本体部21Aの厚み方向の中心線上となる位置である。すなわち、第2脚部2Aの鉛直姿勢において、第3軸支部29aの軸芯を通る第1鉛直線と脚本体部の前後方向(厚み方向)の中心を通る第2鉛直線は一致している。また、第3軸支部29aの上半分は、半円断面形状としている。これにより、第2脚部2Aは、前方横倒しの位置から後方横倒しの位置まで、180度の回動が可能となる。
【0044】
次に、第2の商品陳列具10aの設置方法について、図14を参照して説明する。図14は第5の設置方法であり、冷ケースの上面で且つ前方のコーナー部に設置するものである。冷ケースの上面の板金面である第3設置面A3に、第2脚部2A、2Bを後方横倒しにした第2の商品陳列具10aを載せる。この際、第2脚部2A、2Bの第1面(マグネット面)21cが第3設置面A3に当接し、陳列本体部1の第2陳列面12の枠状の側板32aが、第3設置面A3に当接し、第1陳列面11が、冷ケースの前方へ出っ張る。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、略水平陳列面となっている。図14の設置方法によれば、商品陳列具10aは、冷ケースの上面の前方角部に、マグネット力と陳列本体部1の裏面との2箇所で、安定して設置できる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態における第3商品陳列具10bを、図19図20を参照して説明する。第3の実施の形態における第3の商品陳列具10bにおいて、第1の実施の形態における商品陳列具10と同一構成要素には、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、第3の商品陳列具10bにおいて、第1の実施の形態の商品陳列具10と異なる点は、陳列本体部1及び脚部支持部である。
【0046】
第3の商品陳列具10bの陳列本体部11Bは、板状の陳列本体部11Bを、傾斜状に設置し、1段の陳列面とした点である。陳列本体部11Bの前後には、商品転落防止板が付設されている。また、第3の商品陳列具10bの脚部支持部18aは、第1の実施の形態と同様に、一対の板状の第2脚181a、182aの先端で規定され、傾斜状の陳列面の裏面と対峙する第3底面とを有する。第3底面には、ボルトが通される左右方向に延びるボルト孔が形成された凸状の第3軸支部(不図示)が形成されている。第3底面の第4軸支部の後部は、第2脚部2A、2Bの鉛直姿勢において、略水平状の第3後底面187a、187bを形成し、第3軸支部の前部は、脚部の鉛直姿勢において、前方下り傾斜で、第2脚部2A、2Bの前方横倒しにおいて、略水平状となる第3前底面188a、188bを形成している。これにより、第2脚部2A、2Bの鉛直姿勢において、第2脚部2A、2Bの第4軸支部29Bを除く、第2脚部2A、2Bの首部の上面と、第3後底面187a、187bとが当接し、第2脚部2A、2Bは陳列本体部1を後方で支持することができる。また、図20に示すように、第2脚部2A、2Bの前方横倒しにおいて、第2脚部2A、2Bの第1面21a、21bと、第3前底面188a、188bが当接し、第2脚部2A、2Bは陳列本体部1を後方で支持することができる。なお、第3の商品陳列具10bは、第2脚部2A、2Bと陳列本体部1の裏面の前端部との2点支持となっている。
【0047】
次に、本発明の第4の実施の形態における第4商品陳列具を、図21図22を参照して説明する。第4の実施の形態における第4の商品陳列具10cにおいて、第1の実施の形態における商品陳列具10と同一構成要素には、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、第4の商品陳列具10cにおいて、第1の実施の形態の商品陳列具10と異なる点は、陳列本体部である。
【0048】
第4の商品陳列具10cの陳列本体部11Cは、2段のひな壇状の陳列面とした点である。陳列本体部11Cの前後及び第2陳列面15cの前端には、商品転落防止板が付設されている。また、第4の商品陳列具10cにおいて、脚部2の鉛直姿勢において、脚部2のマグネット面である第3面23aと陳列本体部11Cの第1陳列面14cの側板35aの下端が設置台A1に当接している。また、脚部2の前方横倒しにおいて、陳列本体部11Cの第1陳列面14cは、設置台A1から前方へ突出しており、設置台A1に載るのは、脚部2のみである。すなわち、脚部2の前方横倒しにおいて、陳列本体部11Cは、脚部2のマグネット力により支持されている。
【0049】
次に、本発明の第5の実施の形態における第5商品陳列具を、図23図25を参照して説明する。第5の実施の形態における第5の商品陳列具10dにおいて、第1の実施の形態における商品陳列具10と同一構成要素には、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、第5の商品陳列具10dにおいて、第1の実施の形態の商品陳列具10と異なる点、脚部の設置方向である。
【0050】
第5の商品陳列具10dの第3脚部は2C、2Dは、軸支の軸芯方向が、前後方向に延びるものであり、第3脚部2C、2Dは左右方向に回動する。すなわち、第3脚部2C、2Dを支持する脚部支持部18e、18dは、図1図8に示す脚部支持部18a、18bを水平面に対して90度、回転させ第2面が外向きとなるように固定したものである。
【0051】
次に、第5の商品陳列具10dの設置方法について、図24図25を参照して説明する。図24は、水平状の板金面を有する第1設置面A1に、第3脚部2C、2Dを鉛直姿勢にした商品陳列具10dを載せる設置方法である。この際、第3脚部2C、2Dの第3面(マグネット面)23a、23bが第1設置面A1に当接し、陳列本体部1の第1陳列面11の枠状の側板31a、31bが、第1設置面A1の前部に当接している。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、略水平陳列面となっている。図24の設置方法によれば、商品陳列具10dは、例えば、冷ケースの上面に、マグネット力と陳列本体部1の裏面の接地点の2箇所で、安定して設置できる。
【0052】
図25は、冷ケースの上面で且つ前方のコーナー部に設置するものである。冷ケースの上面の板金面である第3設置面A3において、第3脚部2C、2Dを横方向内側に横倒しにした商品陳列具10dを載せる設置方法である。この際、第3脚部2C、2Dの第2面(マグネット面)22a、22bが第3設置面A3に当接し、陳列本体部1の第2陳列面12の枠状の側板32a、32bが、第3設置面A3に当接し、第1陳列面11が、冷ケースの前方へ出っ張っている。すなわち、一対の第3脚部2C、2Dは共に内側に横倒しされる。この場合、3つの第1陳列面11、第2陳列面12、第3陳列面13は、略水平陳列面となっている。図25の設置方法によれば、商品陳列具10dは、冷ケースの上面の前方角部に、マグネット力と陳列本体部1の裏面との2箇所で、安定して設置できる。
【0053】
本発明の「上端軸支」において、軸支(軸支部)の位置より下方が脚部であり、例えば、軸支部が上方部材を介して陳列本体部の裏面に接続する場合、該上方部材は、本発明の脚部ではなく、陳列本体部の一部である。また、本発明の「該第1面と該第2面の下端を接続する底面を含む第3面」は、例えば、箱型の脚本体部以外の、側面視がL字形状の脚本体部を含むものである。すなわち、L字形状の脚部は、該第3面が、該底面と連続し、第1面又は第2面から水平方向のいずれか一方に延びる水平面を更に有するものである。すなわち、該底面と該水平面が該L字の横片に相当する。この場合、L字の外角側の面が、マグネット面となる。L字形状は横反転のL字も含まれる。
【0054】
本発明の商品陳列具は、商品陳列面を有する陳列本体部と、該陳列本体部の後部において、上端軸支により、回動自在に支持されるマグネット内蔵の脚部と、を有し、該脚部は、鉛直姿勢において、該軸支の軸芯の延びる方向と同じ方向の鉛直面である第1面と、該第1面と厚み寸法、離れて対峙する第2面と、該第1面と該第2面の下端を接続する底面を含む第3面を有し、マグネット面は、該第1面~該第3面、該第2面と該第3面又は該第1面と該第3面であるため、種々の高さや傾斜の有無等、形状が異なる種々の設置台への強い固定設置が可能であり、陳列面高さを変更でき、陳列の演出を高めることができる。
【0055】
本発明の商品陳列具は、該軸支の軸芯が延びる方向が、左右方向であり、該脚部は前後方向に回動するため、脚部を傾斜状として、水平設置面に設置すれば、傾斜状の商品陳列面を形成できる。
【0056】
本発明の商品陳列具は、該軸支の軸芯が延びる方向が、前後方向であり、該脚部は左右方向に回動するため、あるいは該軸支の軸芯が延びる方向が、平面視で斜め方向であり、該脚部は平面視で前後斜め方向に回動するため、脚部の設置の選択の余地が広まり、広く商品陳列具に適用可能となる。
【0057】
本発明の商品陳列具は、脚部は、第1面~第3面、該第1面と交差する一対の側面及び第3面と対峙する上面を有する略直方体の脚本体部と、該脚本体部の該上部に付設される第1軸孔を備える第1軸支部と、を有し、該第1軸支部は、該陳列本体部の裏面に付設される第2軸支部と、回動自在に軸支可能であるため、脚部を任意の角度位置で固定できる。また、マグネット面は矩形状であり、強いマグネット力を付与することができる。
【0058】
本発明の商品陳列具は、脚部は、該第2面が下側となる第1水平位置から該第1面が下側となる第2水平位置まで、180度回動自在であり、該回動範囲内の任意の角度で固定可能であるため、脚部の鉛直姿勢状態での高さと脚部の横倒し状態での高さの少なくとも2つの位置での高さを設定できる。
【0059】
本発明の商品陳列具は、脚部は、第1面又は第2面が下側となる第2水平位置又は第1水平位置から鉛直姿勢位置まで、90度回動自在であり、該回動範囲内の任意の角度で固定可能であるため、脚部の鉛直姿勢状態での高さと脚部の横倒し状態での高さの少なくとも2つの位置での高さを設定できる。
【0060】
本発明の商品陳列具は、該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が鉛直姿勢において、該第1陳列面の裏側最下部と該脚部の第3面が、設置台に接し、該第3面はマグネットによる固定であるため、マグネット以外の設置点があり、強く安定した設置が可能となる。
【0061】
本発明の商品陳列具は、陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、脚部が該第2面が下側となる第1水平位置において、第2陳列面の裏側最下部と該脚部の第2面が、設置台に接し、該第2面はマグネットによる固定であるため、マグネット以外の設置点があり、強く安定した設置が可能となる。
【0062】
本発明の商品陳列具は、該陳列本体部は、前方から後方に向けて上りの3段の第1陳列面~第3陳列面を有し、該脚部が該第1面が下側となる第2水平位置において、該第2陳列面の裏側最下部と該脚部の第1面が、設置台に接し、該第1面はマグネットによる固定であるため、マグネット以外の設置点があり、強く安定した設置が可能となる。
【0063】
本発明の商品陳列具は、該脚部はL字断面形状であり、該L字の外角を形成する該第1面又は該第2面、及び該第3面がマグネット面であるため、製作の幅が広がる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、形状が異なる種々の設置台への強く安定した設置が可能であり、陳列面高さを変更でき、陳列の演出を高めることができる。このため、店側にとって、設置場所の選択の自由が大となり、顧客にとって、商品を取り出し易い。
【符号の説明】
【0065】
1 陳列本体部
2、2A~2D、2a、2b、110 脚部
5、5a~5e、 第1鉄板
6、6a~6d マグネット
7、7a~7e 第2鉄板
10、10a、10b、10c、10d、100 商品陳列具
11 第1陳列面
12 第2陳列面
13 第3陳列面
21、21a、21b 第1面
22、22a、22b 第2面
23、23a、23b 第3面
29 第1軸支部
121 第2軸支部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27