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特許7470999情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240412BHJP
【FI】
G06Q30/0601 322
G06Q30/0601 340
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021210315
(22)【出願日】2021-12-24
(65)【公開番号】P2023094801
(43)【公開日】2023-07-06
【審査請求日】2024-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517369896
【氏名又は名称】EncodeRing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】角村 嘉信
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6656572(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0047240(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0163344(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0357702(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0168217(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが目視できる表示部を有するユーザ端末に対して、ネットワークを介して接続される情報処理装置において、
前記ユーザが身体の一部に装着できる装身具に関する商品情報を前記ネットワークへ提供する情報提供部と、
前記ユーザが選択した前記装身具の商品情報、及び前記身体の一部を撮影した映像の情報を、前記ネットワークを介して取得する情報取得部と、
前記身体の一部の映像、前記身体の一部に対応する骨格のフレーム及び前記ユーザが選択した前記装身具を含む試着映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部が生成した前記試着映像を前記表示部で表示できるように、前記ネットワークへ提供する試着映像提供部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記身体の一部は上肢であり、
前記装身具は、前記上肢に装着されるリング形状を有し、
前記試着映像は、前記装身具が装着される固定位置を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理装置において、
前記上肢は、前記ユーザの手、及び前記手につながる前腕を含み、
前記映像生成部は、
前記手の指の爪に基づいて前記手の表側部と裏側部とを識別する処理と、
前記表側部及び前記裏側部に対応させて、前記装身具の円周方向の位置を固定して前記試着映像を生成する処理と、
を行う、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の情報処理装置において、
前記装身具は、前記手の指に装着されるリングであり、
前記映像生成部は、前記リングに設けられた装飾部が、前記表側部に対応する位置に表示されるように、前記指に対する前記リングの円周方向の位置を固定して前記試着映像を生成する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項2記載の情報処理装置において、
前記上肢は、前記ユーザの手、及び前記手につながる前腕を含み、
前記装身具は、前記前腕に装着されるブレスレットを含む、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項記載の情報処理装置において、
前記映像生成部は、
前記身体の一部の映像における鉛直方向を識別する処理と、
前記装身具が自重で前記鉛直方向に垂れ下がった状態で前記試着映像を生成する処理と、
を行う、情報処理装置。
【請求項7】
請求項2または3記載の情報処理装置において、
前記上肢は、前記ユーザの手、及び前記手につながる前腕を含み、
前記装身具は、前記前腕に装着される腕時計を含む、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項記載の情報処理装置において、
前記装身具は、透過映像として表示される、情報処理装置。
【請求項9】
ユーザが目視できる表示部を有するユーザ端末に対して、ネットワークを介して接続される情報処理装置が、
前記ユーザが身体の一部に装着できる装身具に関する商品情報を前記ネットワークへ提供する第1ステップと、
前記ユーザが選択した前記装身具の商品情報、及び前記身体の一部を撮影した映像の情報を、前記ネットワークを介して取得する第2ステップと、
前記身体の一部の映像、前記身体の一部に対応する骨格のフレーム及び前記ユーザが選択した前記装身具を含む試着映像を生成する第3ステップと、
前記第3ステップで生成された前記試着映像を前記表示部で表示できるように、前記ネットワークへ提供する第4ステップと、
を実行する、情報処理方法。
【請求項10】
ユーザが目視できる表示部を有するユーザ端末に対して、ネットワークを介して接続される情報処理装置に、
前記ユーザが身体の一部に装着できる装身具に関する商品情報を前記ネットワークへ提供する第1処理と、
前記ユーザが選択した前記装身具の商品情報、及び前記ユーザの身体の一部を撮影した映像の情報を、前記ネットワークを介してを取得する第2処理と、
前記身体の一部の映像、前記身体の一部に対応する骨格のフレーム及び前記ユーザが選択した前記装身具を含む試着映像を生成する第3処理と、
前記第3処理で生成された前記試着映像を前記表示部で表示できるように、前記ネットワークへ提供する第4処理と、
を実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、身体の一部及び装身具を含む映像を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
身体の一部及び装身具を含む映像を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する情報処理装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、商品の閲覧、試着、購入などの各種サービスを提供する商品サーバと、商品サーバにネットワークを介して接続されるユーザ端末と、が記載されている。商品サーバは、例えばリング(指輪)などの商品の値段やサイズなどの商品に関する情報である商品情報と、商品の3次元画像データとを保存する。ユーザは、ユーザ端末は、商品サーバから商品に関する情報を取得して、Webブラウザ上で試着サービスを実行できる。
【0003】
ユーザ端末には、Webページが表示され、商品サイト上で商品「リング」が選択され、かつ、商品ページ上で「試着」ボタンが選択されると、表示中の商品「リング」の3次元画像データを画像データから取得して、3次元画像データを用いて試着を行うための試着ページが表示される。したがって、恋人同士で婚約リングを検討する際に、ユーザ端末を用いて、商品サーバが提供する試着サービスを利用することにより、様々なブランドの婚約リングの試着をリビングで繰り返すことができ、ユーザが店舗に行く前に、リングの購入対象を絞り込むこともできる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6656572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1に記載されている情報処理装置では、身体の一部の骨格を考慮した装身具の装着位置を確認できない、という課題を認識した。
【0006】
本開示の目的は、身体の一部の骨格を考慮した装身具の装着位置を確認する映像を、ネットワークに提供することのできる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、ユーザが目視できる表示部を有するユーザ端末に対して、ネットワークを介して接続される情報処理装置において、前記ユーザが身体の一部に装着できる装身具に関する商品情報を前記ネットワークへ提供する情報提供部と、前記ユーザが選択した前記装身具の商品情報、及び前記ユーザの身体の一部を撮影した映像の情報を、前記ネットワークを介して取得する情報取得部と、前記身体の一部の映像、前記身体の一部に対応する骨格のフレーム及び前記ユーザが選択した前記装身具を含む試着映像を生成する映像生成部と、前記映像生成部が生成した前記試着映像を前記表示部で表示できるように、前記ネットワークへ提供する試着映像提供部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザの身体の一部の映像、骨格のフレーム及び装身具を含む試着映像がネットワークへ提供される。したがって、ユーザは、ユーザ端末をネットワークに接続して表示部に試着映像を表示させ、身体の一部の骨格を考慮した装身具の装着位置を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の情報処理システムの概念図である。
図2】情報処理システムで行われる処理例を示すフローチャートである。
図3】(A),(B),(C)は、ユーザ端末の表示部の遷移を示す模式図である。
図4】商品サーバで生成され、かつ、ユーザ端末の表示部に表示される映像情報の一例を示す模式図ある。
図5】(A)は、ブレスレットを前腕に装着した試着映像の模式図、(B)は、腕時計を前腕に装着した試着情報の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本開示の実施形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の内容に限定されない。
【0011】
(概要)
図1のように、本開示の情報処理システム10では、商品サーバ11とユーザ端末12とがネットワーク13を介して通信可能に接続される。商品サーバ11は、装身具を販売するための仮想店舗をネットワーク13上に提供する。ユーザ端末12は、仮想店舗にアクセスして、装身具を身体の一部に装着する試着映像を入手できる。具体的には、ユーザ端末12から、ユーザの身体の一部を撮影した映像情報をリアルタイムで商品サーバ11へ送信する。商品サーバ11は、映像情報を処理して試着映像を生成し、試着映像は、商品サーバ11からネットワーク13へ提供される。ユーザは、ユーザ端末12を利用してネットワーク13にアクセスし、試着情報を取得できる。
【0012】
(商品サーバ)
商品サーバ11は、商品販売者により管理及び運営されるコンピュータであり、商品サーバ11は、ネットワーク13上に提供するウェブサイトにおいて、仮想店舗を構築する。商品サーバ11は、仮想店舗を介して、ユーザ端末12から装身具の注文を受けること、加工済みの装身具の展示及び販売すること、等を行う。商品サーバ11は、制御部14、記憶部15、通信部16を有する。制御部14は、入力ポート、出力ポート及び演算処理回路を備えており、制御部14は、情報提供部17、情報取得部18、映像生成部19、決済処理部21、ユーザ情報処理部22等を構築する。
【0013】
情報提供部17は、ユーザ端末12から閲覧可能な商品情報を仮想店舗に提供する機能と、映像生成部19で生成された試着映像をネットワーク13へ提供する機能と、を有する。商品情報は、商品としてのリング(指輪)の種類、リングのサイズ及びデザイン、宝石の有無等を目視で確認できる映像の他、リングに使用される素材の種類、仕上げ加工の種類、リングのサイズ、リングの価格、リング毎に付された識別記号(商品番号)等を含む。情報取得部18は、ユーザ端末12からネットワーク13を介して送られる指定情報及び試着情報を取得し、かつ、情報を処理する。指定情報は、リングを装着する指を指定する情報、及びリングを装着する指の位置を指定する情報を含む。
【0014】
試着情報は、リングの試着に際してユーザが指定する情報であり、リングの種類、リングのデザイン及びサイズ、リングの素材、リングの仕上げ加工の種類等の情報を含む。映像生成部19は、ユーザ端末から送られてくる手の映像情報、指定情報及び試着情報に基づいて、商品サーバ11からネットワーク13へ提供する試着映像を生成する機能を有する。試着映像は、ユーザ端末12からリアルタイムで送られる手の映像において、手の指に3次元のリングモデルを装着した映像である。決済処理部21は、ユーザ端末12からリングの購入注文があった場合に、その決済処理を行う。ユーザ情報処理部22は、ユーザ端末12から送られてくるユーザ情報を処理する。ユーザ情報は、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、ユーザID、パスワード、決済情報等の情報を含む。決済情報は、現金払いとクレジットカード払いとの区別、クレジットカード番号等の情報を含む。
【0015】
記憶部15は、商品情報、指定情報、試着情報、映像情報、ユーザ情報等を記憶する機能を有する。また、記憶部15には、情報提供部17、情報取得部18、映像生成部19、決済処理部21、ユーザ情報処理部22等で行われる各種の処理、判断、制御等に用いられるプログラム、データ、画像、映像等が記憶されている。記憶部15には、例えば、試着映像を生成するため、リングの既製品の映像データ、及びユーザ端末12から送られてくるオリジナルのリングの映像データが記憶されている。この映像データは、3次元画像であり、リングの実物を撮影して得られた映像データ、仮想空間上で作成した映像データを含む。通信部16は、制御部14に通信可能に接続され、かつ、ネットワーク13に通信可能に接続される。ネットワーク13は、無線通信または有線通信の少なくとも一方により構築されている。
【0016】
(ユーザ端末)
ユーザがユーザ端末12を操作し、かつ、ネットワーク13を介して仮想店舗にアクセスすることができる。ユーザ端末12は、ネットワーク13を介して商品情報を取得すること、ネットワーク13へ指定情報を送信すること、ネットワーク13を介して試着映像を取得すること、ネットワーク13へリングの変更依頼を出すこと、ネットワーク13へリングの購入注文を送信すること、等を行う機能を有する。ユーザ端末12は、固定型パーソナルコンピュータ、可搬型パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、スマートフォン等のうちの何れでもよい。図1においては、便宜上、単数のユーザ端末12がネットワーク13に接続されているが、複数のユーザ端末12がネットワーク13に接続できる。
【0017】
ユーザ端末12は、操作部23、表示部24、カメラ25、記憶部26、制御部27及び通信部28を有する。操作部23は、ユーザがユーザ端末12の操作、情報入力、作動、機能、制御等を選択、変更、切り替えるため等に操作される。ユーザ端末12が固定型パーソナルコンピュータ、または、可搬型パーソナルコンピュータの何れかであると、操作部23は、キーボード、マウス等を含む。表示部24は、利用者が目視可能な構成を有し、表示部24は、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマディスプレイ等の何れでもよい。液晶ディスプレイは、タッチパネルであってもよい。タッチパネルは、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式の何れでもよい。なお、ユーザ端末12が、ディスプレイを有するスマートフォンまたはタブレット端末である場合、ディスプレイは、操作部23を兼ねる。
【0018】
さらに、表示部24は、固定型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等に接続されたされたVR(virtual reality)ゴーグルであってもよい。カメラ25は、ユーザの手を撮影し、かつ、映像を信号化して出力する。記憶部26は、ユーザ端末12で行われる処理、判断、制御等に用いられるプログラム、データ等の情報が記憶されている。
【0019】
さらに、鉛直方向検出部83は、カメラ25の撮影される映像及び画像等の鉛直方向、つまり、重力の作用方向を検出及び認識できる。鉛直方向検出部83は、一例として、重力加速度センサにより構成できる。ユーザ端末12が、スマートフォンまたはタブレット端末のように、ユーザが手で持ち上げることができるものであると、ユーザ端末12を構成するケーシングの内部、または、本体の内部に、鉛直方向検出部83として重力加速度センサが設けられる。ユーザ端末12が固定型パーソナルコンピュータであると、固定型コンピュータの本体部またはケーシングに対してカメラ25が移動できるように接続され、鉛直方向検出部83として重力加速度センサが、カメラ25に設けられる。さらに、鉛直方向検出部83は、カメラ25で撮影される映像及び画像等に対し、操作部23の操作によって鉛直方向を設定する演算処理を行う処理回路であってもよい。
【0020】
制御部27は、入力ポート、出力ポート及び演算処理回路等を有する。ここで、制御部27は、カメラ25で撮影された映像、鉛直方向検出部83の信号、記憶部26に記憶されている情報に基づいて、カメラ25で撮影された映像の鉛直方向を認識できる。制御部27は、カメラ25で撮影された映像を処理して記憶部26に記憶する処理、カメラ25で撮影された映像を通信部28を介してネットワーク13へ送る処理、を行う。
【0021】
また、制御部27は、操作部23を操作して入力される情報、指示、選択等の操作内容を処理して記憶部26へ記憶させる機能を有する。さらに、制御部27は、ネットワーク13を介して通信部28へ入力される商品情報及び試着映像を、記憶部26に記憶させる。また、制御部27は、ネットワーク13を介して通信部28へ入力される商品情報及び試着映像を、表示部24で表示させる。通信部28は、制御部27に通信可能に接続され、かつ、ネットワーク13に通信可能に接続される。
【0022】
(制御例)
次に、情報処理システム10で行われる操作、処理、制御等の一例を、図2のフローチャートを参照して説明する。ステップS10において、商品サーバ11は、ネットワーク13上の仮想店舗で商品情報を提供する。ステップS11において、ユーザがユーザ端末12を操作して仮想店舗にアクセスし、かつ、商品情報(リング情報)を取得する操作を行う。また、ステップS11において、ユーザがユーザ端末12を操作してユーザ情報を入力し、かつ、ユーザ情報をネットワーク13へ送る操作を行うこともできる。
【0023】
ステップS12において、商品サーバ11は、ユーザ端末12から商品情報を取得する要求を受けて、商品情報をネットワーク13へ提供する。また、商品サーバ11は、ネットワーク13を介してユーザ情報を取得すると、ユーザ情報を記憶部15に記憶すること、即ち、ユーザ登録の処理をおこなう。ステップS13において、ユーザ端末12は、図3(A)のように、表示部24で商品情報画面50を表示させる。商品情報画面50には、商品情報、つまり、複数のリングR1,R2,R3,R4の画像(映像)、識別番号を含む選択ボタン85等が表示される。リングR1,R2,R3,R4の何れかには、装飾、例えば、宝石80、彫刻81等が施されている。
【0024】
ステップS14において、商品情報画面50に表示されるリングR1,R2,R3,R4の何れかに対応する選択ボタン85をユーザが操作すると、図3(B)のように、表示部24に入力画面51が表示される。そして、ユーザがユーザ端末12を操作して、リングの素材の種類、宝石の有無、仕上げ加工の種類、サイズ及びデザイン、価格等を指定する。入力画面51に、操作ボタンとして、戻る60、試着61、購入62が設けられている。戻る60が操作されると、表示部24に商品情報画面50が表示され、購入62が操作されると、表示部24に決済画面(図示せず)が表示される。
【0025】
試着61が操作されると、図3(C)に示す指定情報画面52が、表示部24に表示される。指定情報画面52には、カメラ25で撮影された上肢53の映像54が表示され、操作ボタンとして指63及び装着位置64が表示される。上肢53は、手53A、及び手53Aにつながる前腕53Bを含む。映像54は、カメラ25で撮影されたリアルタイム映像である。また、ユーザは、指63ボタンを操作して、リングを装着する指を指定し、かつ、装着位置64ボタンを操作して、リングを装着する指の位置を指定する。ステップS15において、ユーザがユーザ端末12を操作することにより、選択した試着情報、上肢53の映像情報及び指定情報を、ユーザ端末12からネットワーク13へ送る。
【0026】
ステップS16において、商品サーバ11は、試着情報、上肢53の映像情報、指定情報をネットワーク13を介して取得し、記憶部15に記憶する。ステップS17において、商品サーバ11は、ネットワーク13を介して取得した試着情報、手の映像情報、及び指定情報を処理して、リングを手の指に装着した仮想オブジェクト、具体的には、「試着映像」を生成する。図4には、商品サーバ11の映像生成部19で生成される試着映像A1の一例が示されている。ユーザ端末12からリアルタイムで送られる上肢110の外観形状が示されている。上肢110は、手29と、手29に手首30を介してつながった前腕91と、を含む。手29は、親指31、人差し指32、中指33、小指45を有する。具体的に説明すると、画像認識処理により、手首30、親指31、人差し指32、中指33、小指45の外観形状が認識され、かつ、親指31の爪35E、人差し指32の爪36E、中指33の爪37E、薬指34の爪38E、小指45の爪39Eが認識される。
【0027】
また、親指31、人差し指32、中指33、小指45のそれぞれの外観形状、及びそれぞれの長さ、爪35E,36E,37E,38E,39Eの位置により、手29が右手か左手かが識別され、かつ、表側部(手の甲)70と裏側部(手のひら)71とが識別される。さらに、骨格認識処理により、骨格に対応するフレーム35,36,37,38,39が認識され、かつ、手首30及び各指31,32,33,34,45の骨格に対応する位置に、フレーム35,36,37,38,39がそれぞれ表示される。親指31に対応するフレーム35には、複数の関節、骨格の先端に対応する位置35A,35B,35C,35Dがそれぞれ示される。人差し指32に対応するフレーム36には、複数の関節及び骨格の先端に対応する位置36A,36B,36C,36Dがそれぞれ示される。
【0028】
中指33に対応するフレーム37には、複数の関節、骨格の先端に対応する位置37A,37B,37C,37Dがそれぞれ示される。薬指34に対応するフレーム38には、複数の関節、骨格の先端に対応する位置38A,38B,38C,38Dが表示され、かつ、関節同士の間にリング40が装着される固定位置40Aがそれぞれ示される。固定位置40Aは、薬指34の基節骨の長さ方向の略中央に相当する。ここで、リング40は、リング形状(環状)であり、リング40の円周方向の所定箇所には、図3(A)を参照して説明した装飾、例えば、宝石80または彫刻81が施されている。このため、リング40を薬指34に装着した状態で、宝石80または彫刻81が、手29の表側部70に対応する位置に表示されるように、リング40の円周方向の位置を薬指34に対して固定して、試着映像A1を生成する。小指45に対応するフレーム39には、複数の関節、骨格の先端に対応する位置39A,39B,39C,39Dがそれぞれ示される。
【0029】
さらに、手首30には、手根骨と、橈骨及び尺骨との接続箇所を示す基準位置30Aが示される。そして、基準位置30Aから、それぞれのフレーム35,36,37,38の端部が接続された状態で示される。商品サーバ11で生成される試着映像A1は、ユーザ端末12から送られる上肢53の映像54を加工処理した3次元映像のリアルタイム映像である。つまり、3次元映像は、X軸、Y軸、Z軸の座標系において生成されている。
【0030】
ステップS18において、商品サーバ11は、生成した試着映像A1をネットワーク13へ提供する。ステップS19において、ユーザ端末12は、ネットワーク13を介して試着映像A1を受け取り、かつ、図4のように表示部24へ試着映像A1を表示させる。
【0031】
ステップS20において、ユーザは、表示部24を目視し、かつ、カメラ25で撮影している自分の上肢53を動かして試着映像A1を検討する。試着映像A1の手29には、薬指34にリング40が装着されている。また、ユーザが、上肢53の回転、手首の曲げ伸ばし、指の伸縮等を行うと、試着映像A1の手29も、3次元映像のX軸、Y軸、Z軸の座標系において動作する。また、上肢110の回転、手首30の曲げ伸ばし、指の曲げ伸ばし、等の動作に追従して、骨格に対応するフレーム35,36,37,38は、各指の関節の位置を支点として動作する。上肢110の回転、手首30の曲げ伸ばし、指の曲げ伸ばしが行われても、リング40は、薬指34の固定位置40Aに装着された状態が維持される。
【0032】
このため、ユーザは、手首30を伸縮させたり、上肢110を回転させたり、各指の曲げ伸ばし等を行いながら、あたかもリング40を薬指34に装着しているかのようなシミュレーションを行うことができる。また、薬指34の骨格に対応するフレーム38及び関節の位置38A,38Bが表示されるため、ユーザは、薬指34の骨格に対するリング40の正しい装着位置を認識できる。さらに、試着映像A1において、ユーザの視点で指とリング40とが重なる箇所では、リング20を表す映像のメッシュが透過映像で表示され、リング40の輪郭のみが表示される。したがって、指の手前にリング40が表示されることを防止でき、実際の装着感に近いものになる。さらに、試着映像A1に表示されるリング40は、図3(A)に示す装飾、例えば、宝石80または彫刻81が、図4で表側部70に対応する位置に表示されるように、リング40の円周方向の位置が、薬指34に対して固定される。したがって、リング40を薬指34に装着する場合の装飾性を疑似体験できる。
【0033】
ステップS21において、ユーザは、試着映像A1のリング40を購入するか、他のリングに変更するかを判断する。ユーザは、ステップS21で他のリングに変更することを選択すると、ステップS22に進む。ユーザは、ステップS21で、そのリング40を購入すると判断すると、ステップS23に進む。
【0034】
ステップS22において、ユーザは、表示部24において、リングを変更する操作を行い、ステップS14へ進む。ステップS23において、ユーザが、ユーザ端末12でリング購入の操作を行うと、表示部24に決済画面が表示される。決済画面では、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、決済方法、リングの受け取り方法を入力し、送信ボタンを操作する。ステップS24において、商品サーバ11は、ユーザ端末12からリングの購入情報、及び決済情報を受信する。商品販売者は、ユーザから購入注文があったリングを作成し、そのリングをユーザに届ける処理を行う。
【0035】
なお、ステップS20において、ユーザ端末12の操作部23を操作して、試着映像A1を一時的に商品サーバ11に保管できるようにしてもよい。この場合、ステップS11でユーザ端末12から再度、ネットワーク13にアクセスした場合に、商品サーバ11がステップS12において、予め保管済の試着映像A1をネットワーク13経由でユーザ端末12へ送ることができる。なお、このような処理を行う場合、ステップS12でユーザ登録がおこなわれていることが前提である。そして、再度、ステップS11でネットワーク13へアクセスして、ユーザID、パスワードを入力することで、商品サーバ11に保管されている試着映像A1を、ステップS13でユーザ端末12が取得することができる。
【0036】
(他の装身具の例)
図5(A)には、図2のステップS17において、商品サーバ11で生成される試着映像A1に、リングに代えてブレスレット90が含まれる例が示されている。手29は手首30を介して前腕91に接続されている。前腕91には、尺骨に対応する骨格のフレーム92、及び橈骨に対応する骨格のフレーム93が、基準位置30Aからそれぞれ延ばされた状態で表示される。試着映像A1では、前腕91には固定位置94が示され、固定位置94を囲むように、リング状のブレスレット90が前腕91に装着されている。ブレスレット90における円周方向の所定箇所には、チャーム95が取り付けられている。
【0037】
図2のステップS19において、試着映像A1が表示部24に表示されると、ユーザは、ステップS20において、カメラ25で撮影される上肢53を動かしながら、試着映像A1を検討できる。また、前腕91の骨格に対応するフレーム92,93、及び基準位置30Aが表示されるため、ユーザは、前腕91の骨格に対するブレスレット90の正しい装着位置を認識できる。さらに、ブレスレット90を表す映像のメッシュが透明化して表示され、ブレスレット90の輪郭のみが表示される。また、商品サーバ11の映像生成部19は、手29の表側部70と裏側部71とを識別できるため、ブレスレット90に装飾が施されている場合、装飾が表側部70に対応して位置するように、ブレスレット90の円周方向の位置を固定して試着映像A1を生成できる。
【0038】
さらに、ユーザ端末12から商品サーバ11へ送られる上肢53の映像情報には、鉛直方向を示す情報を含まれている。このため、映像生成部19は、ユーザ端末12から送られてくる映像において、鉛直方向を認識できる。そして、ブレスレット90がチェーン等のように撓む構造または形状を有していると、前腕91に装着されたブレスレット90が自重で垂れ下がった状態になるように、映像生成部19が物理演算を設定して試着映像A1を生成する。同様に、チャーム95が、ブレスレット90から自重で垂れ下がった状態で、試着映像A1が生成される。そして、カメラ25で撮影される上肢53の動きに追従して、前腕91及び手首30に対するブレスレット90及びチャーム95の垂れ下がり方向等が変化する。したがって、ユーザは表示部24の試着映像A1を目視することで、前腕91に対しブレスレット90を装着し、かつ、前腕91を動かした場合の装飾性、ブレスレット90及びチャーム95と、衣服の袖との関連性等を疑似体験できる。
【0039】
図5(B)には、図2のステップS17において、商品サーバ11で生成される試着映像A1に、リングに代えて腕時計100が含まれる例が示されている。試着映像A1では、前腕91には固定位置94が示され、固定位置94を囲むように、リング状の腕時計100が前腕91に装着されている。腕時計100は、前腕91に巻かれるベルト部101と、ベルト部101に接続された時刻表示部102と、を有する。
【0040】
図2のステップS19において、試着映像A1が表示部24に表示されると、ユーザは、ステップS20において、カメラ25で撮影される上肢53を動かしながら、試着映像A1を検討できる。また、前腕91の骨格に対応するフレーム92,93、及び基準位置30Aが表示されるため、ユーザは、前腕91の骨格に対する腕時計100の正しい装着位置を認識できる。さらに、腕時計100を表す映像のメッシュが透明化して表示され、腕時計100の輪郭のみが表示される。また、商品サーバ11の映像生成部19は、手29の表側部70と裏側部71とを識別できるため、腕時計100の時刻表示部102が手29の表側部70に対応して位置するように、腕時計100の円周方向の位置を固定して試着映像A1を生成できる。
【0041】
(補足説明)
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。ユーザ端末12は、ユーザ端末の一例であり、表示部24は、表示部の一例である。商品サーバ11は、情報処理装置の一例である。情報提供部17は、商品情報提供部及び試着映像提供部の一例である。上肢110は、ユーザの身体の一部の一例である。手29は、手の一例であり、前腕91は、前腕の一例である。情報取得部18は、情報取得部の一例である。フレーム35,36,37,38,39は、フレームの一例である。リング40、ブレスレット90、腕時計100は、装身具の一例である。試着映像A1は、試着映像の一例である。映像生成部19は、映像生成部の一例である。固定位置40A,94は、固定位置の一例である。表側部70は、手の表側部の一例であり、裏側部71は、手の裏側部の一例である。宝石80及び彫刻81は、装飾部の一例である。
【0042】
図2のステップS10は、第1ステップ及び第1処理の一例である。図2のステップS16は、第2ステップ及び第2処理の一例である。図2のステップS17は、第3ステップ及び第3処理の一例である。図2のステップS18は、第4ステップ及び第4処理の一例である。図2に示すフローチャートは、情報処理方法の一例である。図2に示すフローチャートを実行するために商品サーバ11の記憶部15に記憶されるプログラムが、情報処理プログラムの一例である。
【0043】
本実施形態で説明した情報処理装置は、図面を用いて説明したものに限定されない。例えば身体の一部は、ユーザの足でもよく、装身具は、足に装着するアンクレットを含む。この場合、足の骨格に対応するフレームと、アンクレットの固定位置とが、試着映像に含まれる。情報処理装置で生成される試着映像は、リアルタイムの動画映像の他、静止画像でもよい。静止映像は、2次元映像または3次元映像の何れでもよい。情報処理装置としてのコンピュータは、サーバの他、ワークステーション、スーパーコンピュータ、メインフレーム等を含む。装身具を装着する手の指は、薬指に限らず、親指、人差し指、中指、小指でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本開示の情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムは、ネットワーク上の仮想店舗において、ユーザが装身具を試着する環境で利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
11…商品サーバ、12…ユーザ端末、17…情報提供部、18…情報取得部、19…試着映像、29…手、24…表示部、35,36,37,38,39…フレーム、40…リング、40A,94…固定位置、70…表側部、71…裏側部、80…宝石、81…彫刻、90…ブレスレット、91…前腕、100…腕時計、110…上肢、A1…試着映像
図1
図2
図3
図4
図5