(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/34 20140101AFI20240412BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20240412BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240412BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240412BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20240412BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20240412BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/00 M
B23K26/21 Z
B33Y30/00
B22F3/105
B22F10/25
(21)【出願番号】P 2021577882
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2019081509
(87)【国際公開番号】W WO2021001054
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-07-25
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521566900
【氏名又は名称】ディレクテッドメタル スリーディー エセエレ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ホッペ
(72)【発明者】
【氏名】レザー モレイラ オソリオ
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0318929(US,A1)
【文献】特開2014-034034(JP,A)
【文献】特開2018-047485(JP,A)
【文献】米国特許第09821399(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/00
B23K 26/21
B33Y 30/00
B22F 3/105
B22F 10/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに統合されたハウジング内の中央堆積ノズル(130)を介して、中心軸ワイヤ供給ガイドチューブから焦点(120)に、金属ワイヤ(195)を送ることが可能な
ワイヤ引っ張りシステム(190)と、
加工表面における前記焦点(120)にレーザ光ビーム(115)を送るための複数の挿入可能レーザアセンブリを備える複数の軸外レーザ光源(105)であって、
精密な調整が可能であり且つ精密に向けられた焦点に高有効パワーを送ることが可能である固定ロック機構(140)を備え、背面反射を検出するとともに各前記レーザ光源(105)の瞬間的な動作停止を可能にするフォトセンサを介して実現される背面反射保護部(185)を備える複数の軸外レーザ光源(105)と、
前記焦点(120)にシールドガスを送ることが可能なシールドガスデリバリーシステム(170)と、
冷却システムと、を備え、
付加製造、レーザクラッディング、及び非自生レーザ溶接のうちの1つ以上を実行することが可能である、
レーザ装置。
【請求項2】
前記統合ワイヤ引っ張りシステム(190)は自動供給圧力制御を備える、請求項1に記載の
レーザ装置。
【請求項3】
前記
レーザ装置は、前記焦点(120)に粉末供給材料を供給するための同軸粉末供給チャネルをさらに備え、
前記
レーザ装置は、金属ワイヤと金属粉末を同時に用いる付加製造を実行するようさらに構成されている、請求項1又は2に記載の
レーザ装置。
【請求項4】
前記複数の挿入可能レーザアセンブリは、
前記ハウジング内部の複数の
固体ダイオードレーザ(175)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の
レーザ装置。
【請求項5】
前記ハウジング内部の前記複数の
固体ダイオードレーザ(175)は、1つの同じレーザアセンブリ内に複数のダイオードレーザを収容してレーザパワーを増大させることを容易にすることが可能である、請求項4に記載の
レーザ装置。
【請求項6】
前記ハウジング内部の前記複数の
固体ダイオードレーザ(175)は、各々、それぞれのレーザアセンブリに適合され、前記それぞれのレーザアセンブリの位置合わせを補助するためにビームを照準することが可能である、請求項4又は5に記載の
レーザ装置。
【請求項7】
前記複数の軸外レーザ光源(105)は、ファイバ結合固体ダイオードレーザ、
並びに/又は
前記ハウジングの内部若しくは外部
のファイバ結合ダイオード励起固体レーザ、
並びに/又は
前記ハウジング内部
の無ファイバ固体ダイオードレーザを備える、請求項4~6のいずれか一項に記載の
レーザ装置。
【請求項8】
前記
レーザ装置は、金属ワイヤと金属粉末を独立して若しくは同時に用いる付加製造、レーザクラッディング、自生及び非自生レーザ溶接、レーザ切断、レーザテクスチャリング、並びに/又は、レーザ研磨を実行することが可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載の
レーザ装置。
【請求項9】
前記複数のレーザ光源(105)は、赤外スペクトル光のレーザ光又は可視スペクトル光のレーザ光又は紫外線スペクトル光のレーザ光を放射する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の
レーザ装置。
【請求項10】
シールドガスを加工表面上に拡散させるための着脱可能シールドガス(170)カウリングをさらに備える、請求項1~
9のいずれか一項に記載の
レーザ装置。
【請求項11】
ワイヤ供給チャネルをさらに備え、
前記ワイヤ供給チャネルには、ワイヤ供給材料(195)が前記中央堆積ノズル(130)を通ってワイヤ材料ガイドチャネル内に引き込まれるときに前記ワイヤ供給材料(195)の先端を自動的に検出するためのワイヤ材料位置センサ(240)が組み込まれている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の
レーザ装置。
【請求項12】
前記ワイヤ材料位置センサ(240)は、光電センサ又は容量センサ又はホール効果電気センサを備え、
前記光電センサ又は前記容量センサ又は前記ホール効果電気センサは、
前記ワイヤ供給材料が前記ワイヤ材料ガイドチャネル(135)を通って引き上げられるときに前記ワイヤ供給材料の先端の正確な位置を検出することによって、前記
レーザ装置の前記中央堆積ノズル(130)の先端から加工表面までの精密な距離を自動的に制御することが可能であり、且つ、
前記ワイヤを前記
焦点(120)までの精密な距離に正確に挿入するために前記統合ワイヤ引っ張りシステムの自動供給圧力制御を計算することが可能である、請求項1
1に記載の
レーザ装置。
【請求項13】
前記ワイヤ供給チャネルの周囲に
配された円錐状ノズル(215)
を介して粉末が同軸で送られるか、あるいは、前記ワイヤ供給チャネルを周方向に囲むように配置された個別の平行粉末ジェットを提供する複数の独立した軸外粉末ノズル(200)で粉末が同軸で送られる、請求項
11又は12に記載の
レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、レーザベースの付加製造(AM)、レーザクラッディング、レーザ溶接、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨法を用いるレーザベースの製造の分野に関する。レーザAM、レーザクラッディング及びレーザ溶接(非自生モード)プロセスは直接金属堆積(DMD)プロセスを使用し、このプロセスは、分散型レーザ光源を利用して加工表面上に複数のレーザビームを集光させ、この加工表面上においてレーザの焦点が金属供給材料(ワイヤ及び/又は粉末)と交差してコンピュータ制御下で基板上に金属層構造が形成される。レーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨プロセスは、分散型レーザ光源を利用して加工表面上に複数のレーザビームを集光させ、この加工表面上において(複数の)レーザの焦点が金属基板と交差して、コンピュータ制御下で加工表面の(自生)溶接、切断、テクスチャリング又は研磨を可能にする。
【背景技術】
【0002】
1978年にBreinanとKearによってlayer-by-layerレーザエネルギー源堆積法を用いる三次元金属部品の作製が初めて報告された。1982年には、米国特許第4,323,756号がBrownらに付与され、当該特許明細書において、バルク急冷凝固金属粒子であるバルクの製造方法を、特にディスク及びナイフエッジエアシールを含む特定のガスタービンエンジン部品の製造に適用したことが記載されている。このような三次元レーザ支援金属堆積プロセスは、直接金属堆積(DMD)と呼ばれる付加製造(AM)の分野を含む。
【0003】
近年、世界中の様々なグループが金属部品の製造のための様々なタイプの積層造形技術に取り組んでいる。
【0004】
最近の革新には、レーザを多軸コンピュータ数値制御(CNC)機械に組み込んでDMDノズルを介して金属供給材料上にビームを集光させて三次元部品を製造することが含まれる。コンピュータ支援設計(CAD)及びコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアがDMDプロセスと統合されてノズルが駆動されることで精密な三次元部品レンダリングが製造される。以前のアプローチでは、用いられるノズルの中心を通ってレーザビームが入射し、金属供給材料が同軸又は側方供給機構を介してノズルを通って投入される。2010年に米国特許第7,765,022号明細書においてダイオードレーザ光源を用いてこの構成を利用するアプローチが紹介された。ダイオードレーザ光源を使用することにより、DMDプロセスを精密に制御するためのパワー調整に対する応答時間が改善されることによる利点がもたらされる。米国特許第7,765,022号では、中央ダイオードレーザシステムが光学モニタ及び側方に取り付けられた粉末/ワイヤ/テープデリバリシステムと組み合わされている。このアプローチでは、ワイヤ又は粉末供給材料のいずれかが使用されるが、同じDMD装置内でワイヤ又は粉末供給材料を使用する能力は与えられていない。同じDMD装置内の中心軸をワイヤ又は粉末供給材料が通ることを容易にすることと、ダイオードレーザファイバ又はダイオード励起固体レーザファイバからなる軸外アレイの使用と、を組み合わせて供給材料を溶融させることは、相互参照される関連出願の参照を除いては、提示されていない。
【0005】
中国特許出願公開第109338359号明細書には、複数の金属粉末ストリームを精密にマッチングさせるための高速レーザクラッディングヘッドにおいて高速レーザコーティングヘッドを用いることが記載されており、これによって複数の金属粉末ストリームと複数のレーザビームとがマッチングされることで、ヘッド内の金属粉末の使用率が可能な限り高くなり且つジャムがないように構成されている。コーティングヘッドは、カラム固定ベース、移行接続スリーブ及び粉末供給ヘッドを備える。
【0006】
この装置には、以下を含む一連の制限がある。
- この装置は外部レーザを含み、エネルギーが光ファイバによってヘッドに伝送されるので、エネルギーの損失や、動作中の熱、機械的相互作用及びレーザ放射の反射によるファイバ破損及びファイバコネクタ損傷の可能性が生じる。
- 記載されたシステムは、粉末クラッディングオペレーションにのみ適用され、付加製造、ワイヤ若しくは粉末クラッディング、レーザ溶接、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨には適用できない。
- 記載されたシステムは、粉末クラッディングオペレーションにのみ適用され、付加製造、ワイヤ若しくは粉末クラッディング、レーザ溶接、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨には適用できない。
- このシステムはレーザ反射保護に対処していない。これにより、システムの寿命が短くなることでレーザによる部品の破壊が生じる可能性がある。
- 発明に用いられるレーザの数は2つ又は3つのレーザである。
- このシステムは、粉末を処理することしかできない。
- このシステムは、プロセスの重要な側面である不活性ガスの分配については記載していない。
- このシステムはマルチビーム粉末ノズルにのみ適用される。
- このシステムは、ヘッド接続に対処していない。
【0007】
これらの制限は国際公開第2011/082582号、中国特許出願公開第107083550号、中国特許出願公開第108637251号及び米国特許出願公開第2017/050268号に等しく適用され得る。
また、先行技術文献として米国特許出願公開第2018/318929号明細書を挙げる。
【発明の概要】
【0008】
レーザパワー、ワイヤ及び粉末堆積、インラインプロセス制御、ワイヤ供給ドライバ/精密制御並びにシールドガスを単一装置を用いて提供するユニークな方法を提供する、コンパクトマルチレーザヘッドにおける金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置が開示される。マルチモードレーザ装置は、幅広いレーザベース金属製造用途のためのコンパクトな解決手段を提供し、これにより、3D金属プリンタ、CNCマシン、レーザセル、レーザセーフエンクロージャ並びにロボット及びガントリシステムにおける使用を含む複数の金属プリンティングプラットフォーム内での実施が容易となる。他の実施形態では、広範囲マルチモード(例えば、一般に、AM/レーザクラッディングなどのシングル又はダブル適用モード)を組み込まず、堆積ヘッドの中心を通って入るレーザが使用され、その際、材料(ワイヤ又は粉末)は同軸に又は側面から入る。
【0009】
マルチモードレーザ装置は、そのコンパクトなサイズとオープンエア又は不活性雰囲気環境下で動作する能力とにより、幅広いシステムで動作可能である。
【0010】
AM、レーザクラッディング及びレーザ溶接(非自生モード)の実施形態では、堆積材料はヘッドの中心軸を通って入り、複数のレーザからのレーザエネルギーは精密な焦点で材料供給物及びワークピースと一致するように角度付けされている。複数のファイバ結合ダイオードレーザ又はファイバ結合ダイオード励起固体レーザ(DPSSL)により高有効レーザパワーが提供される。各レーザについてコンピュータ制御の下で独立して対処することができ、これにより各レーザのパワーを個別に調整することが可能となり、溶融プールの成形が可能となる。この設計の特徴は、ワイヤ及び粉末供給材料を同軸配置で別々のチャネルに配置し、材料供給の精密な監視及び調整をすることである。この設計は、クーラント、シールドガス、粉末流及びワイヤ供給物のための複数の内部チャネルを含む。シールドガスは、調整可能な構成を介して光学部品を保護しビルド面を覆うために送られる。プロセスフィードバック制御によって、堆積を最適化するためのプロセスパラメータの継続的な調整が提供される。コンパクトな導管によって、クーラント、供給材料及びシールドガスを含む供給ラインが囲まれる。
【0011】
単一装置は、供給堆積ヘッドと、複数の軸外レーザビームと、インラインプロセス制御システムと、少なくとも1つの軸外若しくは同軸の粉末供給材料ノズルと、ワイヤ供給材料を距離測定プローブとして使用することができるワイヤ供給ドライバ及び精密制御部と、シールドガス保護部と、からなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】供給物とレーザの結合を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の側面図である。
【
図2】供給物とレーザの結合を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の切り取り側面図である。
【
図3A】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の拡大斜視図であり、複数のレーザ光源から放射される複数のレーザビームを示し、レーザ光源は、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ又は(複数の)外部ファイバ結合ダイオード励起固体レーザ(DPSSL)又は内部ファイバ結合若しくは無ファイバ固体ダイオードレーザ又は固体レーザを含むが、これらに限定されない。複数のレーザは挿入可能レーザアセンブリとして構成され、レーザアセンブリは、レーザ製造プロセスのエネルギー源を備える精密に向けられた焦点に高有効パワーを送るためにロック機構により精密に調整可能かつ固定可能である。
【
図3B】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の拡大斜視図であり、複数のレーザ光源から放射される複数のレーザビームを示し、レーザ光源は、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ又は(複数の)外部ファイバ結合ダイオード励起固体レーザ(DPSSL)又は内部ファイバ結合若しくは無ファイバ固体ダイオードレーザ又は固体レーザを含むが、これらに限定されない。複数のレーザは挿入可能レーザアセンブリとして構成され、レーザアセンブリは、レーザ製造プロセスのエネルギー源を備える精密に向けられた焦点に高有効パワーを送るためにロック機構により精密に調整可能かつ固定可能である。
【
図4A】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態のための外部ファイバ結合挿入可能レーザアセンブリの斜視図であり、レーザファイバ、レーザファイバ結合部、コリメーション及び集光光学系、シールドガス保護部並びに冷却システムの配置を示す。
【
図4B】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態のための外部ファイバ結合挿入可能レーザアセンブリの切り取り図であり、レーザファイバ、レーザファイバ結合部、コリメーション及び集光光学系、シールドガス保護部並びに冷却システムの配置を示す。
【
図5A】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態のための内部ファイバ結合又は無ファイバ挿入可能レーザアセンブリの斜視図であり、(複数の)内部固体ダイオードレーザ、コリメーション及び集光光学系、シールドガス保護部、背面反射保護部、統合照準ビーム並びに冷却システムの配置を示す。
【
図5B】金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態のための内部ファイバ結合又は無ファイバ挿入可能レーザアセンブリの切り取り図であり、(複数の)内部固体ダイオードレーザ、コリメーション及び集光光学系、シールドガス保護部、背面反射保護部、統合照準ビーム並びに冷却システムの配置を示す。
【
図6】統合ワイヤ供給(引っ張り)システムを特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図である。
【
図7】装置の下面を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の底面図であり、ワイヤ供給材料オリフィス、粉末供給材料ノズル、粉末供給材料ノズルオリフィス、プロセスガスオリフィス及びレーザビームを備えた中央堆積ノズルを示す。
【
図8】円錐状ノズルによる分配、又はワイヤ供給チャネルを周方向に囲むように配置された個々の平行粉末ジェットを提供する複数の独立した軸外粉末ノズルのいずれかで、粉末を同軸で送る2つの方法を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置のための一実施形態の底面図である。
【
図9A】着脱可能シールドガス拡散器と併用されるプロセスの加工表面へのプロセスガス分配及び供給チャネルを特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図である。
【
図9B】着脱可能シールドガス拡散器と併用されるプロセスの加工表面へのプロセスガス分配及び供給チャネルを特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の切り取り図である。
【
図10A】供給導管内に収容される流入供給ラインに対するレーザ装置の迅速な切断及び迅速な再接続を容易にするヘッド供給ネック結合部を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置のための一実施形態の斜視図である。供給ラインは、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ又は外部ファイバ結合DPSSLのためのレーザファイバの配索/管理部に加えて、電気的接続部、水冷却接続部、プロセスガス接続部、ワイヤ材料ガイドチャネル接続部及び粉末供給接続部を含む。
【
図10B】供給導管内に収容される流入供給ラインに対するレーザ装置の迅速な切断及び迅速な再接続を容易にするヘッド供給ネック結合部を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の実施形態の切り取り図である。供給ラインは、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ又は外部ファイバ結合DPSSLのためのレーザファイバの配索/管理部に加えて、電気的接続部、水冷却接続部、プロセスガス接続部、ワイヤ材料ガイドチャネル接続部及び粉末供給接続部を含む。
【
図10C】供給導管内に収容される流入供給ラインに対するレーザ装置の迅速な切断及び迅速な再接続を容易にするヘッド供給ネック結合部を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の実施形態の拡大図である。供給ラインは、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ又は外部ファイバ結合DPSSLのためのレーザファイバの配索/管理部に加えて、電気的接続部、水冷却接続部、プロセスガス接続部、ワイヤ材料ガイドチャネル接続部及び粉末供給接続部を含む。
【
図11】ワイヤ供給材料がノズル内に引き込まれるときにワイヤ供給材料の先端を自動的に検出するワイヤ材料位置センサを特徴とし、ワイヤ供給材料を距離測定プローブとして使用することによってノズルから加工表面までの距離の自動精密制御を可能にする、金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の切り取り斜視図である。
【
図12A】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いて(独立して又は同時に)金属ワイヤ及び金属粉末を使用するAM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のための方法を示す。
【
図12B】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いて(独立して又は同時に)金属ワイヤ及び金属粉末を使用するAM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のための方法を示す。
【
図12C】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いて(独立して又は同時に)金属ワイヤ及び金属粉末を使用するAM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のための方法を示す。
【
図12D】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いて(独立して又は同時に)金属ワイヤ及び金属粉末を使用するAM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のための方法を示す。
【
図13A】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いるレーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨のための方法を示す。
【
図13B】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いるレーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨のための方法を示す。
【
図13C】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いるレーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨のための方法を示す。
【
図13D】複数の軸外レーザビームを有する単一装置を用いるレーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨のための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、供給物とレーザの結合を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の側面図である。
図1には、外部ファイバ結合ダイオードレーザ、外部ファイバ結合ダイオード励起固体レーザ(DPSSL)、又は内部ファイバ結合若しくは無ファイバ固体ダイオードレーザを含むがこれらに限定されない軸外レーザ光源(105)と、軸外レーザビーム開口部(110)と、軸外レーザ光ビーム(115)と、ワイヤ材料供給物(125)と、ワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120)と、が示されている。
【0014】
図1に示すように、ワイヤ供給材料(125)は、ワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120)にて複数の軸外レーザファイバ源と組み合わされることによって金属堆積に使用される。一部の実施形態では、ワイヤ供給物供給チャネルは、堆積ヘッドを介してシールドガスを供給することができる。
図1において、考え得る金属粉末の並行又は同時の供給及び提供は示されていない。堆積供給原料は、ワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120)に向かう材料供給物として出現する。
【0015】
図2は、供給物とレーザの結合を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の切り取り側面図である。
図2は、切り取り図であることに加えて、
図1からの追加の特徴を示している。
図2には、中心軸ワイヤ材料ガイドチャネル(135)及び中央堆積ノズル(130)が示されている。
【0016】
図3A及び
図3Bは、金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図及び拡大図であり、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ、又は外部ファイバ結合ダイオード励起固体レーザ(DPSSL)、又は内部ファイバ結合若しくは無ファイバ固体ダイオードレーザを含むがこれらに限定されない複数のレーザ光源(105)から放射される複数のレーザビーム(115)を示す。
【0017】
複数のレーザは挿入可能レーザアセンブリ(140)として構成されており、挿入可能レーザアセンブリ(140)は、レーザ製造プロセスのエネルギー源を備える精密に向けられた焦点(120)に高有効パワーを送るためにロック機構(140)を用いて精密に調整可能かつ固定可能である。また、
図3A及び
図3Bには、マルチモードレーザ装置(145)及び中央堆積ノズル(130)のための取り付け構造も示されている。
【0018】
(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ、又は外部ファイバ結合ダイオード励起固体レーザ(DPSSL)、又は内部ファイバ結合若しくは無ファイバ固体ダイオードレーザを含むがこれらに限定されない複数のレーザ光源(105)から放射される複数の軸外レーザビーム(115)は、
図12に関し記載される複数の軸外レーザビームを用いる金属ワイヤ及び金属粉末を(独立して又は同時に)使用するAM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のためのレーザ製造プロセスと、
図13に関し記載される複数の軸外レーザビームを用いるレーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨レーザ製造プロセスと、のためのエネルギー源を備える精密に向けられた焦点(120)にレーザエネルギーを提供する。
【0019】
複数の軸外レーザ光源(105)は、レーザビーム(115)をレーザ製造プロセスの焦点(120)に送る。ロック機構(140)により精密に調整可能かつ固定可能な挿入可能レーザアセンブリの設計により、軸外レーザ光源(105)を精密に位置合わせして、レーザビーム(115)をレーザ製造プロセスの焦点(120)に確実に集光させることができる。
【0020】
一部の実施形態では、マルチモードレーザ装置の設計により、レーザビーム(115)の傾斜の角度を鉛直(vertical)から変化させることができ、これにより、レーザビームの焦点(120)で生成される溶融ゾーンのエネルギーの効率性のためのプロセス最適化や、レーザ光源(105)を損傷し得る鏡面反射(背面反射又は別のレーザレンズ/ファイバアセンブリへの反射のいずれか)の可能性を最小限に抑えるなどの他の考慮事項に対する最適化が容易となる。一部の実施形態では、複数の軸外レーザビーム(115)は、鉛直から1度~30度傾斜している。一部の実施形態では、複数の軸外レーザビーム(115)は、鉛直から30度~60度傾斜している。
【0021】
マルチモードレーザ装置(145)の取り付け構造により、レーザ装置をプリントエンクロージャ、ロボットシステム、ガントリシステム、コンピュータ数値制御システム又は別の機械内に固定することが可能となる。
【0022】
図4A及び
図4Bは、金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態のための外部ファイバ結合挿入可能レーザアセンブリの斜視図及び切り取り図であり、レーザファイバ(150)、レーザファイバ結合部(155)、コリメーション及び集光光学系(160)、レーザビーム開口部(110)、シールドガス保護部(170)並びに冷却システム(165)の配置を示す。各レーザビーム開口部(110)は、そのそれぞれのレーザビーム(115)を囲むとともに、レーザ光源(105)を損傷し得る鏡面反射(背面反射又は別のレーザレンズ/ファイバアセンブリへの反射のいずれか)の可能性を最小限に抑えるためにその出口ポイントに設けられた精密に製造された開口部を有するように設計される。保護シールドガスは、シールドガス保護チャネル(170)を介して送られ、これにより、微粒子、塵又は煙がレーザビーム開口部(110)に入りコリメーション及び集光光学系(160)を損傷する可能性を低減する。また、シールドガス保護チャネル(170)を通って送られる保護シールドガスは、レーザ製造プロセスの焦点(120)に不活性ガスを送ることも容易にし、このことは、AM、レーザクラッディング、レーザ溶接、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨プロセスにおいて、熱影響ゾーンにおける酸化を低減するために望ましい。
【0023】
マルチモードレーザ装置の本体は、挿入可能レーザアセンブリの構造及び支持を提供する。レーザ光源(105)の軸外構成により、マルチモードレーザ装置に単一又は複数のレーザビーム(115)を組み込むことが可能となる。ベース構成では、3つの軸外レーザ光源(105)が用いられ、各レーザ光源(105)間で120度の回転対称性があるが、他の軸外構成も可能であり一部の実施形態で使用することができる。この設計は軸外レーザキテクチャからの恩恵を受けるものであり、何故なら、
図7及び
図8について図示及び記載するように、追加のレーザ光源(105)を周方向に組み込むことによって並びに粉末及びワイヤ材料の供給物を軸上に配置することを可能にすることによって、レーザパワーの拡大縮小が可能になるからである。
【0024】
一部の構成では、異なる波長及びパワーのレーザを使用することができる。一部の実施形態では、複数のレーザ光源(105)は、およそ700nmから1mmの間の波長の赤外スペクトル光のレーザ光を放射する。一部の実施形態では、複数のレーザ光源は、およそ400nmから700nmの間の波長の可視スペクトル光のレーザ光を放射する。一部の実施形態では、複数のレーザ光源は、およそ180nmから400nmの間の波長の紫外スペクトル光のレーザ光を放射する。レーザ製造プロセスで使用される供給材料に適した他の波長を使用してもよい。
【0025】
図5A及び
図5Bは、金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態のための内部ファイバ結合又は無ファイバ挿入可能レーザアセンブリの斜視図及び切り取り図であり、(複数の)内部固体ダイオードレーザ(175)、コリメーション及び集光光学系(160)、シールドガス保護部(170)、背面反射保護部(185)、統合照準ビーム(180)並びに冷却システム(165)の配置を示す。コリメーション及び集光光学系(160)、背面反射保護部(185)、並びに統合照準ビーム(180)の実際の配置は、他の実施形態において、追加のレーザパワーが必要となる場合があるレーザ製造用途に関連する制約に応じて様々であってもよく、追加の保護機能部(185)は、背面反射を受光及び検出するとともにそれぞれのレーザアセンブリの迅速な瞬間的な動作停止を可能にするフォトセンサを介して達成される。
【0026】
図5A及び
図5Bに示す設計は柔軟性を有し、これにより、各内部ファイバ結合又は無ファイバ挿入可能レーザアセンブリ内に単一又は複数の内部固体ダイオードレーザ(175)を組み込むことが可能となり、結果として、各レーザアセンブリ内に追加の固体ダイオードレーザ(175)を組み込むことでプロセスに送られる最大レーザパワーを増大することが可能になる。単一の内部固体ダイオードレーザ(175)よりも高いパワー構成を特徴とする実施形態の場合には、コリメーション及び集光光学系(160)、背面反射保護部(185)、並びに統合照準ビーム(180)の配置を調整してもよいが、基本的なアーキテクチャ及び概念は
図5A及び
図5Bに示すものと同じままである。マルチモードレーザ装置の本体は、挿入可能レーザアセンブリの構造及び支持を提供する。レーザ光源(105)の軸外構成により、マルチモードレーザ装置に単一又は複数のレーザビーム(115)を組み込むことが可能となる。ベース構成では、3つの軸外レーザ光源(105)が用いられ、各レーザ光源(105)間で120度の回転対称性があるが、他の軸外構成も可能であり一部の実施形態で使用することができる。この設計は軸外レーザアーキテクチャからの恩恵を受けるものであり、何故なら、
図7及び
図8について図示及び記載するように、追加のレーザ光源(105)を周方向に組み込むことによって、並びに粉末及びワイヤ材料の供給物を軸上に配置することを可能にすることによって、レーザパワーの拡大縮小が可能となるからである。
【0027】
一部の構成では、異なる波長及びパワーのレーザを使用することができる。一部の実施形態では、複数のレーザ光源(105)は、およそ700nmから1mmの間の波長の赤外スペクトル光のレーザ光を放射する。一部の実施形態では、複数のレーザ光源は、およそ400nmから700nmの間の波長の可視スペクトル光のレーザ光を放射する。一部の実施形態では、複数のレーザ光源は、およそ180nmから400nmの間の波長の紫外スペクトル光のレーザ光を放射する。レーザ製造プロセスで使用される供給材料に適した他の波長を使用してもよい。
【0028】
図6は、統合ワイヤ供給(引っ張り)システム(190)を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図である。また
図6には、関連するワイヤ材料ガイドチャネル(135)が示されている。一部の実施形態では、統合ワイヤ供給(引っ張り)システム(190)は、レーザ装置(145、
図3A)の取り付け構造内に収容される。他の実施形態では、統合ワイヤ供給(引っ張り)システム(190)は、レーザ装置(145、
図3A)の取り付け構造の外側に位置する。
【0029】
自動供給圧力制御を備えた統合ワイヤ引っ張りシステム(190)は、隣接する装置内に配置されたワイヤ供給スプールから堆積ワイヤを引っ張って中央堆積ノズル(130、
図3A)に堆積ワイヤを送るための制御機構として働き、堆積ワイヤはレーザビームの焦点(120)と交差することでAM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のためのレーザ製造プロセスで使用される。ワイヤの供給圧力は、ワイヤ引っ張りシステム(190)のモータのトルクを自動的に測定し、ワイヤ供給速度を調整するとともに安定したワイヤ供給圧力を維持するためにモータ電流を調整することによって、調整される。他の実施形態では、金属堆積プロセスの最適制御を提供するためにレーザビーム(120)のパワーレベルを自動的に変調するために、ワイヤの供給圧力がソフトウェアで使用される。他の実施形態では、レーザビーム(120)のワイヤ供給速度及びパワーレベルは独立して又は同時に調整される。
図7は、装置の下面を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の底面図であり、ワイヤ供給材料(195)を供給するための中央堆積ノズル(130)、粉末供給材料(205)を供給するための粉末供給材料ノズル(200)、プロセスガスオリフィス(210)及びレーザビーム(115)を示す。
【0030】
オプションのノズルカウリング(220、
図9)は、
図7には示されていないが、
図9に示すようにマルチモードレーザ装置の一部の実施形態において設置することができる。ノズルカウリング(220、
図9)は、一部のレーザ製造用途におけるプロセス及びシールドガスの分配を改善することができる。
【0031】
図8は、粉末を同軸で送るための2つの方法を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の底面図である。第1の方法は、同軸円錐状粉末供給材料ノズル(215)で構成され、同軸円錐状粉末供給材料ノズル(215)は、中央堆積ノズル(130)及びワイヤ材料ガイドチャネル(135)を囲み、加工表面におけるワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120、
図1)に粉末の円錐状の分配を同軸で提供する。第2の方法は、中央堆積ノズル(130)の周囲に配置された複数の独立した軸外粉末供給材料ノズル(200)から構成され、加工表面におけるワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120、
図1)に個別の平行粉末ジェットを提供する。
【0032】
図9A及び
図9Bは、着脱可能ノズルカウリング(220)と併用される、プロセスの加工表面へのプロセスガス分配及び供給チャネル(210)を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図及び切り取り図である。着脱可能でありオプションのノズルカウリング(220)は、一部のレーザ製造用途におけるプロセス及びシールドガスの分配を改善することができる。プロセスガスチャネル(210)により、例えばアルゴンのような不活性ガスを、加工表面におけるワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120、
図1)に供給する能力が与えられる。
【0033】
図10A、
図10B及び
図10Cは、ヘッド供給ネック結合部(225)を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図、切り取り図及び拡大図であり、ヘッド供給ネック結合部(225)は、供給導管(230)に収容された流入供給ラインに対するレーザ装置の迅速な切断及び迅速な再接続を容易にする。供給ラインは、(複数の)外部ファイバ結合ダイオードレーザ又は外部ファイバ結合DPSSLのためのレーザファイバ(150)の配索/管理部(235)に加えて、電気的迅速切断/再接続用接続部(245)、水冷却迅速切断/再接続用接続部(165)、プロセスガス迅速切断/再接続用接続部(210)、ワイヤ材料ガイドチャネル迅速切断/再接続用接続部(135)及び粉末供給チャネル迅速切断/再接続用接続部(205)を含む。水冷却ライン取付具(165)は、マルチモードレーザ装置を動作温度に維持するための冷却水の入口及び出口を提供する。クーラントは水などの液体流体であってもよい。
【0034】
また
図10Bには、ワイヤ材料を供給導管(230)から供給ネック接合部(225)を介してマルチモードレーザ装置のワイヤ材料ガイドチャネル(135)内にガイドすることを助けるワイヤ材料ガイドチャネル(135)の円錐形状の特徴部も示されている。
【0035】
一部の実施形態では、これらの円錐形状の特徴部は、プロセスにおいて複数の金属ワイヤが使用される場合のワイヤの通過及び交流も容易にする。
【0036】
図11A及び
図11Bは、ワイヤ材料位置センサ(240)を特徴とする金属製造用途のためのマルチモードレーザ装置の一実施形態の斜視図及び切り取り図であり、ワイヤ材料位置センサ(240)は、ワイヤ供給材料(195)の先端が中央堆積ノズル(130)を通ってワイヤ材料ガイドチャネル(135)内に引き込まれるときに当該先端を自動的に検出する。ワイヤ材料位置センサは、光電センサ、容量センサ又はホール効果電気センサを使用し、これにより、ワイヤ供給材料(195)を距離測定プローブとして使用することによってマルチモードレーザ装置の中央堆積ノズル(130)の先端から加工表面までの精密な距離が自動的に制御される。これは、ワイヤ供給材料(195)の先端がワイヤ材料ガイドチャネル(135)を通って引き上げられるときに当該先端の正確な位置を検出し、次いで、この情報をソフトウェアで使用し、統合ワイヤ引っ張りシステム(190、
図6)の自動供給圧力制御を組み合わせて、ワイヤをレーザ製造プロセスの焦点(120、
図3A)までの精密な距離に正確に挿入することによって、達成される。
【0037】
図12A、
図12B、
図12C及び
図12Dは、複数の軸外レーザビーム(115)を有する単一装置を用いて金属ワイヤ(195)及び金属粉末(205)を独立して又は同時に使用する、AM、レーザクラッディング又はレーザ溶接(非自生モード)のための方法を示す。この実施形態では、金属粉末供給物を、中央堆積ノズル(130、
図8)及びワイヤ材料ガイドチャネル(135、
図8)を取り囲む同軸粉末供給材料ノズル(215、
図8)を介して、あるいは中央堆積ノズル(130、
図8)の周囲に周方向に配置された複数の独立した軸外粉末供給材料ノズル(200、
図8)を介して供給することで、加工表面におけるワイヤ、粉末及びレーザビームのための焦点(120、
図1)に個別の平行粉末ジェットを提供することができる。
【0038】
ステップ305において、マルチモードレーザ装置を手動で正しい加工距離に位置決めする、あるいは、金属ワイヤ材料(195)、ワイヤ材料ガイドチャネル(135、
図11)内に位置するワイヤ材料位置センサ(240、
図11)及び統合ワイヤ引っ張りシステム(190、
図6)の自動供給圧力制御を利用して、マルチモードレーザ装置の加工距離を精密に測定し、必要に応じて、その位置を、それが設置されている3D金属プリンタ、CNC機械、レーザセル、レーザセーフエンクロージャ又はロボット若しくはガントリシステムのソフトウェア及び運動学を利用して、自動的に調整する。
【0039】
ステップ310において、中央堆積ノズル(130)を通る金属ワイヤ(195)の供給、及び/又は、同軸円錐状粉末供給材料ノズル(215)若しくは中央堆積ノズル(130)の周りに周方向に配置された複数の粉末供給材料ノズル(200)のいずれかを通る金属粉末(205)の供給を開始する。
【0040】
ステップ315において、加工表面におけるワイヤ、粉末及びレーザビーム(120)の焦点におけるワイヤ材料供給物(195)及び/又は粉末供給材料(205)の溶融を可能にするために、複数の軸外レーザ光源(105)を起動して、レーザビーム開口部(110)を通してレーザ光ビーム(115)を生成及びガイドする。
【0041】
ステップ320において、金属粉末オリフィス(210)及び/又はシールドガス保護チャネル(170)及び/又は同軸粉末供給材料ノズル(215)を介してシールドガスを同時に供給する。
【0042】
ステップ325において、ワイヤ供給材料(195)及び/又は粉末供給材料(205)を溶融し、金属基板(加工表面)と融合させることによって、連続的に積層された三次元金属構造体を作製する。
【0043】
ステップ330において、統合ワイヤ引っ張りシステム(190、
図6)の自動ワイヤ供給圧力制御を利用して、ワイヤ供給材料(195)の供給速度を精密に制御し及び/又はレーザビーム(120)のパワーレベルを変調して、金属堆積プロセスを制御する。
【0044】
ステップ335において、金属ワイヤ材料(195)、ワイヤ材料位置センサ(240、
図11)及び統合ワイヤ引っ張りシステム(190、
図6)の自動供給圧力制御を利用して、製造された金属構造体のビルド高さを周期的に測定し、ワイヤ、粉末及びレーザビーム(120)のための焦点が常に加工表面に位置合わせされるように補正されることを確実にするために加工距離を自動的に調整する。
【0045】
図13A、
図13B、
図13C及び
図13Dは、複数の軸外レーザビーム(115)を有する単一装置を用いるレーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨のための方法を示す。この実施形態では、金属粉末及び金属ワイヤ原料はプロセスでは使用されず、レーザビーム(115)のみが使用される。しかしながら、金属粉末供給チャネル(同軸ノズル(215、
図8))及び/又は複数の独立した軸外粉末供給材料ノズル(200、
図8)を用いて、酸化の影響からビルド表面を保護するためにシールドガスを供給してもよい。さらに、金属ワイヤ材料(195)が存在してステップ405で説明したように距離測定プローブとして機能する目的で使用されてもよい。
【0046】
ステップ405において、マルチモードレーザ装置を手動で正しい加工距離に位置決めする、あるいは、金属ワイヤ材料(195)、ワイヤ材料ガイドチャネル(135、
図11)内に配置されたワイヤ材料位置センサ(240、
図11)、及び統合ワイヤ引張りシステム(190、
図6)の自動供給圧力制御を利用して、マルチモードレーザ装置の加工距離を精密に測定し、必要に応じて、その位置を、それが設置されている3D金属プリンタ、CNC機械、レーザセル、レーザセーフエンクロージャ又はロボット若しくはガントリシステムのソフトウェア及び運動学を利用して、自動的に調整する。
【0047】
ステップ410において、レーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨を可能にするために、複数の軸外レーザ光源(105)を起動して、レーザビーム開口部(110)を通してレーザ光ビーム(115)を生成及びガイドする。
【0048】
ステップ415において、金属粉末オリフィス(210)及び/又はシールドガス保護チャネル(170)及び/又は同軸粉末供給材料ノズル(215)を介してシールドガスを同時に供給する。
【0049】
ステップ420において、レーザ溶接(自生モード)、レーザ切断、レーザテクスチャリング及びレーザ研磨を実行する。
【0050】
上記の説明及び図面は本開示の実施形態及び教示である。全ての変形は本開示の精神及び範囲内である。本開示は特許請求の範囲を図示又は説明された実施形態のみに限定するものと見なされるべきではない。
【0051】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上記の事項に対し特定の変更を行うことができる。本発明の範囲内で変更が可能である。全ての請求項において列挙される各構造又は要素は全ての同等の構造又は要素をも指す。以下の特許請求の範囲は、本発明が使用され得るどのような形態であっても可能な限り広く本発明を包含することを意図している。