(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】車載始動電源
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
(21)【出願番号】P 2022140431
(22)【出願日】2022-09-05
(62)【分割の表示】P 2021515257の分割
【原出願日】2018-08-30
【審査請求日】2022-09-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520460937
【氏名又は名称】深▲せん▼市華思旭科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CARKU TECHNOLOGY CO.,LIMITED
【住所又は居所原語表記】Room 103,Building A,Qixing Creative Squaure,Gaofeng Community,Dalang Street,Longhua District Shenzhen,Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】雷 雲
(72)【発明者】
【氏名】張 智鋒
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-115979(JP,A)
【文献】登録実用新案第3195927(JP,U)
【文献】国際公開第2014/030348(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3182855(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0233934(US,A1)
【文献】特開2015-203323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを含む車両に取り外し可能に設置された車載始動電源であって、
電気エネルギーを貯蔵するために用いられるエネルギー貯蔵モジュールと、
前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記車両の前記エンジンを駆動させるための始動装置に電気的に接続された第一出力インターフェースと、
前記エネルギー貯蔵モジュール及び様々な電気機器にそれぞれ電気的に接続された複数の第二出力インターフェースと、
前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一出力インターフェースとの間に電気的に接続された変換モジュールと、を含み、
前記エネルギー貯蔵モジュールは、前記第一出力インターフェースを介して前記始動装置に瞬時大電流を出力して、前記始動装置を始動させるために用いられ、
前記エネルギー貯蔵モジュールは、前記複数の第二出力インターフェースを介して対応する電気機器に対応する動作電圧を出力するために用いられ、
前記変換モジュールは、前記始動装置によって前記車両を始動するように、始動信号を受信すると、前記エネルギー貯蔵モジュールから出力される電気エネルギーを瞬時大電流に変換し且つ前記第一出力インターフェースを介して前記始動装置に出力するために用いられ、前記始動信号は、前記車両の車両キーが「スタート」ギアにあるときに生成され
る、
ことを特徴とする車載始動電源。
【請求項2】
前記複数の第二出力インターフェースは、220VのACインターフェース、110VのACインターフェース、USBインターフェース及びDCインターフェースのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【請求項3】
前記車載始動電源は、ライトユニット及びスイッチユニットをさらに含み、
前記ライトユニットは、前記エネルギー貯蔵モジュールに電気的に接続されて、前記エネルギー貯蔵モジュールの電力供給を受け取って発光するために用いられ、
前記スイッチユニットは、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記ライトユニットとの間に電気的に接続されて、ユーザの操作に応じて、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記ライトユニットとの間の電気的接続を確立するか又は切断するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【請求項4】
前記スイッチユニットは、キースイッチ、トグルスイッチ又はタッチスイッチの中のいずれか1つを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の車載始動電源。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、リチウム電池パック、鉛酸電池パック、スーパーキャパシタ又はそれらの任意の組合を含む、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の車載始動電源。
【請求項6】
前記車載始動電源は、過電流検出回路及び制御ユニットをさらに含み、
前記過電流検出回路は、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記複数の第二出力インターフェースとの間に電気的に接続されて、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記複数の第二出力インターフェースを介して出力する電流値を検出するために用いられ、
前記制御ユニットは、前記過電流検出回路に電気的に接続されて、前記エネルギー貯蔵モジュールから出力される電流値が予め設定された閾値を超えるか否かを判断し、前記エネルギー貯蔵モジュールから出力される電流値が予め設定された閾値よりも大きいと判断された場合、前記エネルギー貯蔵モジュールを制御して対応する第二出力インターフェースに電流を出力することを停止するために用いられる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の車載始動電源。
【請求項7】
前記車載始動電源は、状態検出回路、制御ユニット及び表示装置をさらに含み、
前記状態検出回路は、前記エネルギー貯蔵モジュールに接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの関連する電気パラメータをリアルタイムで検出するために用いられ、
前記制御ユニットは、前記状態検出回路及び前記表示装置にそれぞれ接続され、前記関連する電気的パラメータを前記表示装置に表示することを制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【請求項8】
前記車載始動電源は、前記制御ユニットに電気的に接続されたプロンプト装置をさらに含み、
前記制御ユニットは、さらに、前記関連する電気的パラメータに基づいて、前記エネルギー貯蔵モジュールの状態が異常であるか否かを判断し、前記エネルギー貯蔵モジュールが異常な状態にあると判定された場合、前記プロンプト装置を制御してプロンプトメッセージを送信するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の車載始動電源。
【請求項9】
前記車載始動電源は、記憶モジュールと、前記記憶モジュールに接続されたオーディオ再生モジュールと、をさらに含み、
前記記憶モジュールは、オーディオファイルを記憶するために用いられ、
前記オーディオ再生モジュールは、前記オーディオファイルを再生するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【請求項10】
前記オーディオ再生モジュールは、データ解析ユニットと、前記データ解析ユニットに電気的に接続されたスピーカユニットと、を含み、
前記データ解析ユニットは、前記記憶モジュールに記憶されたオーディオファイルを電気信号に解析し、前記スピーカユニットを駆動して再生するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の車載始動電源。
【請求項11】
前記車載始動電源は、通信モジュールをさらに含み、
前記通信モジュールは外部電子装置と通信するために用いられ、従って前記記憶モジュールに記憶されたオーディオファイルを前記外部電子装置によって再生する、
ことを特徴とする請求項9に記載の車載始動電源。
【請求項12】
前記車載始動電源は、ラジオモジュールをさらに含み、
前記ラジオモジュールは、無線受信ユニットと、前記無線受信ユニットに接続された検出ユニットと、を含み、
前記無線受信ユニットは、特定の周波数の無線電波を受信するために用いられ、
前記検出ユニットは、対応するオーディオ信号を復元し且つ前記オーディオ再生モジュールを介して前記オーディオ信号を再生するように、前記無線電波を復調するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の車載始動電源。
【請求項13】
前記車載始動電源は、少なくとも1つの充電インターフェースをさらに含み、
前記エネルギー貯蔵モジュールは、前記少なくとも1つの充電インターフェースを介して外部電源の充電を受ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【請求項14】
前記少なくとも1つの充電インターフェースは、少なくともDC充電インターフェース、AC充電インターフェース及び太陽エネルギー充電インターフェースの中の一つを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の車載始動電源。
【請求項15】
前記車載始動電源は、位置決めモジュール及び通信モジュールをさらに含み、
前記位置決めモジュールは、前記車両の位置を獲得し、且つ前記通信モジュールを介してその位置を送信するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【請求項16】
前記位置決めモジュールはGPS位置決めモジュール又は北斗位置決めモジュールである、
ことを特徴とする請求項15に記載の車載始動電源。
【請求項17】
前記車載始動電源は通信モジュールをさらに含み、前記通信モジュールは外部電子装置と通信するために用いられ、前記車載始動電源は前記通信モジュールによって前記外部電子装置から送信する制御コマンドを受信し、前記制御コマンドに基づいて対応する機能を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載始動電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用電源の技術分野に関し、特に、車載始動電源に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな内燃機車両は、人々の日常の交通及び輸送手段となっている。例えば、乗用
車、バス、商品を輸送するトラックなどである。これらの車両の始動は始動電源によって
実現され、始動電源はエンジンを駆動して、エンジンを作動させる。しかしながら、既存
の始動電源の機能は比較的に単一であり、車両の始動にしか使用できず、車両を始動する
ことを必要としない場合、始動電源はアイドル状態になり、始動電源の利用率が低い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、車両を始動することができるばかりではなく、様々な電気機器に
電力を供給することもできる車載始動電源を開示し、車載始動電源の機能は多様化であり
、利用率を向上させる。
【0004】
本発明の実施形態は、車両に取り外し可能に設置された車載始動電源を開示する。車載
始動電源は、電気エネルギーを貯蔵するために用いられるエネルギー貯蔵モジュールと、
エネルギー貯蔵モジュール及び車両の始動装置に電気的に接続された第一出力インターフ
ェースと、エネルギー蓄積モジュール及び様々な電気機器にそれぞれ電気的に接続された
複数の第二出力インターフェースと、を含む。エネルギー貯蔵モジュールは、第一出力イ
ンターフェースを介して始動装置に瞬時大電流を出力して、始動装置を始動させるために
用いられる。エネルギー蓄積モジュールは、複数の第二出力インターフェースを介して対
応する電気機器に対応する動作電圧を出力するために用いられる。
【0005】
本発明の車載始動電源は、車両に取り外し可能に設置されるので、第一出力インターフ
ェースを介して車両を始動させるばかりではなく、複数の第二出力インターフェースを介
して様々な電気機器に電力を供給することもでき、車載始動電源の機能は多様化であり、
利用率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下、本発明の実施形態の技術方案をより明確に説明するために、本発明の実施形態の
説明に使用される図面について簡単に説明する。明らかに、以下説明される図面は、本発
明の一部の実施形態だけのものであり、当業者であれば、これらの図面から創造的な努力
なしに他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、本発明の第一実施形態に係わる車載始動電源の構造を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第二実施形態に係わる車載始動電源の構造を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の第三実施形態に係わる車載始動電源の構造を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の第四実施形態に係わる車載始動電源の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の実施形態の添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術的手
段を、明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の一部の実施
形態だけのものであり、全ての実施形態ではない。本明細書に説明される実施形態から創
造的な努力なしに当業者が得ることができるすべての別の実施形態は、本発明の範囲に入
るものとする。
【0008】
本発明の実施形態及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形式の「1つの」、「前
記」、及び「該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、多数形式を含むこともでき
る。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連される列挙
されたアイテムの任意又は全ての可能な組合せを含むことを指すことを理解されるべきで
ある。
【0009】
別の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の
技術分野の当業者が一般に理解する意味と同じである。本発明の明細書で使用される用語
は、特定の実施形態を説明するために用いられ、本発明を限定することを意図するもので
はない。
【0010】
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に係わる車載始動電源100の構造を示す
概略図である。車載始動電源100は、車両900に着脱可能に設置され、車両900の
始動装置200に電気的に接続されて、車両900を始動させる。始動装置200は、モ
ーターであることができる。始動する時、車載始動電源100はモーターを駆動してモー
ターを作動させた後、モーターによってエンジンを駆動してエンジン作動させて、車両9
00の始動を完了する。
【0011】
図1に示されたように、車載始動電源100は、電気エネルギーを貯蔵するために用い
られるエネルギー貯蔵モジュール10と、第一出力インターフェース20と、複数の第二
出力インターフェース30と、を含む。第一出力インターフェース20は、エネルギー貯
蔵モジュール10及び車両900の始動装置200に電気的に接続される。エネルギー貯
蔵モジュール10は、第一出力インターフェース20を介して始動装置200に瞬時大電
流を出力して、始動装置200を始動させるために用いられる。複数の第二出力インター
フェース30は、エネルギー蓄積モジュール10及び様々な電気機器(図示せず)にそれ
ぞれ電気的に接続される。エネルギー蓄積モジュール10は、複数の第二出力インターフ
ェース30を介して対応する電気機器に対応する動作電圧を出力するために用いられる。
例えば、エネルギー蓄積モジュール10は、複数の第二出力インターフェース30を介し
て携帯電話などの電子装置を充電することにより、ユーザーに利便性を提供し、ユーザー
体験を向上させる。複数の第二出力インターフェース30は、集積回路基板に設置される
ことができる。
【0012】
本実施形態において、複数の第二出力インターフェース30は、220VのACインタ
ーフェース、110VのACインターフェース、USBインターフェース及びDCインタ
ーフェースのうちの少なくとも1つを含む。具体的には、USBインターフェースは、U
SB-Aインターフェース、USB-Bインターフェース(micro USBインター
フェース)、USB-Cインターフェース(Type-cインターフェース)などを含む
が、これらに限定されない。なお、USBインターフェースの具体的な仕様は、実際の用
途に応じて設定することができ、ここでは特に限定しない。
【0013】
再び
図2を参照すると、車載始動電源100は、エネルギー蓄積モジュール10と第一
出力インターフェース20との間に電気的に接続された変換モジュール40をさらに含む
。始動装置200によって車両900を始動するように、変換モジュール40は、始動信
号を受信すると、エネルギー貯蔵モジュール10から出力される電気エネルギーをに瞬時
大電流に変換し且つ第一出力インターフェース20を介して始動装置200に出力するた
めに用いられる。本実施形態において、始動信号は、車両900の車両キーが特定のギア
位置にあるときに生成される。例えば、車両900の車両キーが「スタート」ギアにある
とき、車両900は始動信号を生成する。他の実施形態において、始動信号は、また、ユ
ーザの操作命令に基づいて生成され、例えば、ユーザが特定のスイッチを押すと、始動信
号が生成される。
【0014】
具体的には、エネルギー蓄積モジュール10は、電圧出力端を含む。変換モジュール4
0は、電流変換回路41を含む。電流変換回路41は、エネルギー蓄積モジュール10の
電圧出力端と第一出力インターフェース20との間に電気的に接続されて、エネルギー貯
蔵モジュール10から出力される電気エネルギーを瞬時大電流に変換し、且つ第一出力イ
ンターフェース20を介して瞬時大電流を始動装置200に提供するために用いられる。
瞬時大電流は、実際の使用状況に応じて設定することができ、1000A以上に達するこ
とができ、ここでは特に限定しない。
【0015】
いくつかの実施形態では、第一出力インターフェース20は、コネクタ、ワイヤクリッ
プ、ピン、ジャックなどを含むが、これらに限定されず、ここでは特に限定しない。使用
する時、第一出力インターフェース20を始動装置200の接続端に固定的に接続すれば
よい。車載始動電源100を車両900から取り外すことを必要とする場合、第一出力イ
ンターフェース20を始動装置200の接続端から分離すればよい。
【0016】
具体的には、エネルギー貯蔵モジュール10は、鉛酸電池パック、リチウム電池パック
、スーパーキャパシタ、又はそれらの任意の組合などを含むが、これらに限定されず、こ
こでは特に限定しない。エネルギー貯蔵モジュール10によって出力される電気エネルギ
ーを高めるために、エネルギー貯蔵モジュール10に含まれるバッテリーパックは、直列
及び並列に接続されたいくつかの単一セルから構成されることを理解されるべきである。
明らかに、バッテリーパックに含まれる単一セルの数量は、具体的な設計要件によって設
定することができ、ここでは特に限定しない。
【0017】
本発明で開示される車載始動電源100は、車両900に取り外し可能に設置されるの
で、第一出力インターフェース20を介して車両900を始動させるばかりではなく、複
数の第二出力インターフェース30を介して様々な電気機器に電力を供給することもでき
、車載始動電源の機能は多様化であり、利用率を向上させる。
【0018】
再び
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、車載始動電源100は、ライト
ユニット51及びスイッチユニット52をさらに含む。ライトユニット51は、エネルギ
ー蓄積モジュール10に電気的に接続されて、エネルギー蓄積モジュール10の電力供給
を受け取って発光するために用いられる。ライトユニット51は、白熱灯、LED(Li
ght Emitting Diode)等を含むが、これらに限定されない。
【0019】
スイッチユニット52は、エネルギー蓄積モジュール10とライトユニット51との間
に電気的に接続されて、ユーザの操作に応じて、エネルギー蓄積モジュール10とライト
ユニット51との間の電気的接続を確立するか又は切断するために用いられる。スイッチ
ユニット52は、キースイッチ、トグルスイッチ又はタッチスイッチであることができ、
ユーザーは、スイッチユニット52を押し、タッチし、又はトグルして、ライトユニット
51とエネルギー貯蔵モジュール10との間の電気的接続を切断するか又は確立すること
ができる。
【0020】
具体的には、ライトユニット51とエネルギー貯蔵モジュール10との間の電気的接続
を確立すると、ライトユニット51は発光し、ライトユニット51とエネルギー貯蔵モジ
ュール10との間の電気的接続を切断すると、ライトユニット51は発光を停止するので
、ユーザは、スイッチユニット52を介して車載始動電源ユニット100を発光させるか
否かを制御することができる。車載始動電源100が発光する際、それを照明器具(懐中
電灯など)として使用することができ、ユーザがピクニックのために運転するとき、照明
器具を携帯することを必要としなく、車載始動電源100を車両900から取り外すだけ
でよい。
【0021】
さらに、車載始動電源100の安全性を向上させるために、いくつかの実施形態におい
て、車載始動電源100は、過電流検出回路53及び制御ユニット60をさらに含むこと
ができる。過電流検出回路53は、エネルギー蓄積モジュール10と複数の第二出力イン
ターフェース30との間に電気的に接続されて、制御ユニット60によって制御される。
過電流検出回路53は、エネルギー蓄積モジュール10が複数の第二出力インターフェー
ス30を介して他の電気機器に出力する電流値を検出し、且つ検出した電流値を制御ユニ
ット60に送信するために用いられる。制御ユニット60は、エネルギー貯蔵モジュール
10から出力される電流値が予め設定された閾値を超えるか否かを判断し、エネルギー貯
蔵モジュール10から出力される電流値が予め設定された閾値よりも大きいと判断された
場合、エネルギー貯蔵モジュール10を制御して対応する第二出力インターフェース30
に電流を出力することを停止するために用いられる。例えば、短絡によって引き起こされ
る出力電流が大きすぎる場合、エネルギー蓄積モジュール10を制御して、対応する第二
出力インターフェース30に電流を出力することを停止し、その結果、車載始動電源10
0自体及び他の電気機器を保護することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、車載始動電源100は、状態検出回路54及び表示装置
55をさらに含む。状態検出回路54は、エネルギー貯蔵モジュール10に接続され、エ
ネルギー貯蔵モジュール10の関連する電気パラメータをリアルタイムで検出し、且つ関
連する電気パラメータを制御ユニット60に送信するために用いられる。制御ユニット6
0は、状態検出回路54及び表示装置55にそれぞれ接続され、関連する電気的パラメー
タを表示装置55に表示することを制御するために用いられる。関連する電気的パラメー
タは、エネルギー貯蔵モジュール10の電圧値、残存電力及び内部抵抗などの情報を含む
。表示装置55は、表示画面であることができる。もちろん、表示画面は、液晶表示画面
、有機発光ダイオード表示画面などを含むが、これらに限定されない。
【0023】
本実施形態において、状態検出回路54によってエネルギー貯蔵モジュール10の関連
する電気的パラメータを検出し、且つ関連する電気的パラメータを表示装置55に表示す
ることにより、エネルギー貯蔵モジュール10の性能を直感的に表示することができ、ユ
ーザが車載始動電源100の関連する状況を適時に了解することに便利を提供する。
【0024】
別の実施形態において、車載始動電源100は、制御ユニット60に電気的に接続され
たプロンプト装置56をさらに含む。制御ユニット60は、関連する電気的パラメータに
基づいて、エネルギー貯蔵モジュール10の状態が異常であるか否かを判断し、エネルギ
ー貯蔵モジュール10が異常な状態にあると判定された場合、プロンプト装置56を制御
してプロンプトメッセージを送信して、車載始動電源100を即時に取り替えるか又はメ
ンテナンスするようにユーザに注意を与えることにより、ユーザが故障又は安全上の危険
が存在する車載始動電源100を使用して招く安全事故の発生を回避することができる。
【0025】
異常な状態は、関連する電気的パラメータが予め設定された範囲内にないことを意味す
る。例えば、エネルギー貯蔵モジュール10の電気量が低すぎる。このまま使用し続ける
と、車載始動電源100の寿命に影響を与え、さらに車載始動電源100が損壊する。本
実施形態において、プロンプト装置56は、ブザー又は発光ダイオードなどであることが
でき、警報音又は異なる色の光を発することにより、車載始動電源100が異常状態にあ
ることをユーザに注意を与える。もちろん、他の実施形態において、プロンプト装置56
は省略されてもよく、制御ユニット60は、表示装置55に異常状態情報を表示するよう
に制御する。
【0026】
なお、本発明の実施形態は、対応する機能を実現できるかぎり、上記の実施形態におけ
る過電流検出回路53及び状態検出回路54の具体的な回路構成を限定しない。
【0027】
本実施形態において、制御ユニット60は、シングルチップマイクロコンピュータ、マ
イクロ制御ユニット(MCU)などであることができる。制御ユニット60は、複数の信
号採集ポート及び制御ポートなどを含むことができる。制御ユニット60は、複数の信号
採集ポートを介して過電流検出回路53及び状態検出回路54に電気的に接続されて様々
な信号を獲得して、エネルギー貯蔵モジュール10の状態を検出する。制御ユニット60
は、その制御ポートを介して表示装置55及びプロンプト装置56に電気的に接続されて
、対応する回路又はデバイスに対して対応する制御を実行する。
【0028】
再び
図4を参照すると、車載始動電源100の汎用性を向上させるために、車載始動電
源100は、記憶モジュール70と、記憶モジュール70に接続されたオーディオ再生モ
ジュール80と、をさらに含む。記憶モジュール70は、オーディオファイルを記憶する
ために用いられる。オーディオ再生モジュール80は、オーディオファイルを再生するた
めに用いられる。記憶モジュール70は、ハードディスク、メモリ、インテリジェントメ
モリカード、フラッシュメモリカードなどを含むが、これらに限定されない。
【0029】
具体的には、オーディオ再生モジュール80は、データ解析ユニット81と、データ解
析ユニット81に電気的に接続されたスピーカユニット82と、を含む。データ解析ユニ
ット81は、記憶モジュール70に記憶されたオーディオファイルを電気信号に解析し、
且つスピーカユニット81を駆動して再生するために用いられる。本実施形態において、
スピーカーユニット82はスピーカーであることができる。他の実施形態において、スピ
ーカユニット82は、音声再生機能を有する他の構成要素であることができる。このよう
に、本実施形態で開示される車載始動電源100は、音楽再生機能も有する。
【0030】
いくつかの他の実施形態において、車載始動電源100は、外部電子装置と通信するた
めに用いられる通信モジュール71をさらに含み、従って記憶モジュール70に記憶され
たオーディオファイルを外部電子装置によって再生することができる。通信モジュール7
1は、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fiモジュール、赤外線モジ
ュールなどを含むが、これらに限定されない。好ましくは、通信モジュール71は、エネ
ルギー消費が低く且つデータ伝送速度が速いBLE Bluetooth(登録商標)モ
ジュールである。車載始動電源100は、通信モジュール71を介して外部電子装置(ブ
ルートゥーススピーカーなど)に接続されて、音楽を再生することができ、より良い再生
効果を達成し、ユーザー体験を改善することができる。他のいくつかの実施形態において
、車載始動電源100は、さらに通信モジュール71を介して外部電子装置から送信する
制御コマンドを受信し、制御コマンドに基づいて対応する機能を実行する。ユーザーが車
載始動電源100を制御することを必要とする場合、モバイル端末(携帯電話など)を介
してコマンドを送信することができ、従ってリモートコントロールの目的を達成し、ユー
ザー操作が便利であり、ユーザー体験を改善する。
【0031】
記憶モジュール70は、さらにビデオファイルを記憶するために用いられる。制御ユニ
ット60は、表示装置55を制御してビデオファイルを表示及び再生して、ユーザが見る
ようにする。もちろん、通信モジュール70を介して外部電子装置と通信して、外部電子
装置からビデオファイルを受信し、表示装置55に外部電子装置から受信したビデオファ
イルを再生することもできる。
【0032】
いくつかの実施形態において、車載始動電源100は、ラジオモジュール90をさらに
含む。ラジオモジュール90は、放送オーディオ信号を聞くために用いられる。具体的に
は、ラジオモジュール90は、無線受信ユニット91と、無線受信ユニット91に接続さ
れた検出ユニット92と、を含む。本実施形態において、無線受信ユニット91は、特定
の周波数の無線電波を受信するために用いられる。検出ユニット92は、対応するオーデ
ィオ信号を復元し且つオーディオ再生モジュール80を介してオーディオ信号を再生する
ように、無線電波を復調するために用いられる。本実施形態の車載始動電源100は、ラ
ジオの機能も有する。
【0033】
なお、車載始動電源100は、エネルギー貯蔵モジュール10に電気的に接続された少
なくとも1つの充電インターフェース72をさらに含む。エネルギー貯蔵モジュール10
は、少なくとも1つの充電インターフェース72を介して外部電源の充電を受ける。具体
的には、少なくとも1つの充電インターフェース72は、DC充電インターフェース、A
C充電インターフェース及び太陽エネルギー充電インターフェースを含むが、これらに限
定されない。車載始動電源100は、充電のために、DC電力出力装置、AC電力出力装
置又は太陽エネルギー出力装置に接続されることができる。
【0034】
他の実施形態において、車載始動電源100は、通信モジュール71に接続された位置
決めモジュール73をさらに含む。位置決めモジュール73は、車両900の位置を獲得
し、且つ通信モジュール71を介してその位置を送信するために用いられる。したがって
、車両900に故障が発生したとき(例えば、アンカーが落とされたとき)、車載始動電
源100は、外界と通信し、車両900の位置を送信して、即時に救急を得ることができ
る。外界は、監視センター又はサードパーティのモバイル端末であることができる。
【0035】
本実施形態において、位置決めモジュール73はGPS位置決めモジュールである。他
の実施形態において、位置決めモジュール73は、また、北斗位置決めモジュールである
ことができると理解されるべきである。
【0036】
以上は、本発明の実施形態を詳細に説明した。本明細書では、具体的な例を使用して、
本発明の原理及び実施形態を説明した。上記の実施形態の説明は、ただ本発明の方法及び
コアアイデアの理解を助けるために用いられる。同時に、当業者であれば、本発明のアイ
デアに基づいて、特定の実施形態及び適用範囲を変更することができる。要約すると、本
明細書の内容は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。