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▶ ハーバー・バイオメド・(シャンハイ)・カンパニー・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】抗CD73抗体およびその適用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20240412BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240412BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240412BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240412BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240412BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240412BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240412BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240412BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240412BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240412BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240412BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20240412BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240412BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240412BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240412BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240412BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/46
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61P35/00
A61K35/12
A61K35/76
A61K31/7088
A61P35/02
A61P43/00 111
C12P21/08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022510988
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2020110340
(87)【国際公開番号】W WO2021032173
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/101837
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520223321
【氏名又は名称】ハーバー・バイオメド・(シャンハイ)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HARBOUR BIOMED (SHANGHAI) CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【弁理士】
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】シー,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ガン,シン
(72)【発明者】
【氏名】シャン,チェンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ロン,イーピン
(72)【発明者】
【氏名】ホァ,ユン
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534648(JP,A)
【文献】特表2017-537620(JP,A)
【文献】特表2018-501197(JP,A)
【文献】国際公開第2018/137598(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/237157(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/068907(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/215535(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/187512(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/131950(WO,A1)
【文献】Bertrand ALLARD et al.,“Targeting CD73 Enhancesthe Antitumor Activity of Anti-PD-1 and Anti-CTLA-4 mAbs”,Clinical Cancer Research,2013年10月14日,Vol. 19, No. 20,p.5626-5635,DOI:10.1158/1078-0432.CCR-13-0545
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
A61K
A61P
C12N
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)配列番号96の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号111の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(2)配列番号104の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号111の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(3)配列番号105の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号111の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(4)配列番号106の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号111の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(5)配列番号107の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号111の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(6)配列番号104の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号115の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(7)配列番号105の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号115の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(8)配列番号106の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号115の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(9)配列番号107の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号115の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(10)配列番号96の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号115の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(11)配列番号95の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号110の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(12)配列番号99の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号110の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域
(13)配列番号101の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号110の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(14)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号110の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(15)配列番号103の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号110の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(16)配列番号95の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号114の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(17)配列番号100の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号114の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(18)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号114の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(19)配列番号103の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号114の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(20)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号118の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(21)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号119の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(22)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号120の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(23)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号121の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;または
(24)配列番号102の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域、および配列番号122の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域
含む、CD73に結合する単離抗原結合タンパク質。
【請求項2】
(1)それぞれ配列番号7、18および35に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号55、66および78に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(2)それぞれ配列番号7、23および38に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号55、66および78に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(3)それぞれ配列番号7、23および39に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号55、66および78に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(4)それぞれ配列番号7、24および38に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号55、66および78に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(5)それぞれ配列番号7、24および39に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号55、66および78に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(6)それぞれ配列番号6、17および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および77に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(7)それぞれ配列番号6、21および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および77に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(8)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および77に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(9)それぞれ配列番号6、17および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および81に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(10)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および81に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(11)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および84に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(12)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および85に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(13)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および86に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;
(14)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および87に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域;または
(15)それぞれ配列番号6、22および34に示すアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3領域;および配列番号54、65および88に示すアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3領域
含む、請求項1に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項3】
重鎖可変領域VHおよび軽鎖可変領域VLを含み、
(1)該VHは配列番号96に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含む;
(2)該VHは配列番号104に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含む;
(3)該VHは配列番号105に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含む;
(4)該VHは配列番号106に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含む;
(5)該VHは配列番号107に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含む;
(6)該VHは配列番号104に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含む;
(7)該VHは配列番号105に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含む;
(8)該VHは配列番号106に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含む;
(9)該VHは配列番号107に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含む;
(10)該VHは配列番号96に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含む;
(11)該VHは配列番号95に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含む;
(12)該VHは配列番号99に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含む
(13)該VHは配列番号101に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含む;
(14)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含む;
(15)該VHは配列番号103に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含む;
(16)該VHは配列番号95に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含む;
(17)該VHは配列番号100に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含む;
(18)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含む;
(19)該VHは配列番号103に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含む;
(20)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号118に示すアミノ酸配列を含む;
(21)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号119に示すアミノ酸配列を含む;
(22)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号120に示すアミノ酸配列を含む;
(23)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号121に示すアミノ酸配列を含む;または
(24)該VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み、かつ該VLは配列番号122に示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項4】
a. ヒトCD73およびカニクイザルCD73両方に同等の結合親和性で結合できる;
b. CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害できる;
c. CD73内在化を媒介することができる;
d. T細胞増殖を促進できる;
e. 血清において、少なくとも15日間、比較的安定な濃度を有する;および
f. 腫瘍増殖および/または腫瘍細胞増殖を阻害できる
性質の1種類以上を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項5】
該抗原結合タンパク質が抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項6】
該抗原結合フラグメントがFab、Fab’、F(ab)、Fvフラグメント、F(ab’)、scFv、di-scFvおよび/またはdAbを含む、請求項5に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項7】
該抗体がモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体から選択される、請求項5または6に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項8】
該抗体が重鎖HCおよび軽鎖LCを含み、
(1)該HCが配列番号124に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号139に示すアミノ酸配列を含む;
(2)該HCが配列番号132に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号139に示すアミノ酸配列を含む;
(3)該HCが配列番号133に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号139に示すアミノ酸配列を含む;
(4)該HCが配列番号134に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号139に示すアミノ酸配列を含む;
(5)該HCが配列番号135に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号139に示すアミノ酸配列を含む;
(6)該HCが配列番号132に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号143に示すアミノ酸配列を含む;
(7)該HCが配列番号133に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号143に示すアミノ酸配列を含む;
(8)該HCが配列番号134に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号143に示すアミノ酸配列を含む;
(9)該HCが配列番号135に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号143に示すアミノ酸配列を含む;
(10)該HCが配列番号124に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号143に示すアミノ酸配列を含む;
(11)該HCが配列番号123に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号138に示すアミノ酸配列を含む;
(12)該HCが配列番号127に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号138に示すアミノ酸配列を含む
(13)該HCが配列番号129に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号138に示すアミノ酸配列を含む;
(14)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号138に示すアミノ酸配列を含む;
(15)該HCが配列番号131に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号138に示すアミノ酸配列を含む;
(16)該HCが配列番号123に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号142に示すアミノ酸配列を含む;
(17)該HCが配列番号128に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号142に示すアミノ酸配列を含む;
(18)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号142に示すアミノ酸配列を含む;
(19)該HCが配列番号131に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号142に示すアミノ酸配列を含む;
(20)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号146に示すアミノ酸配列を含む;
(21)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号147に示すアミノ酸配列を含む;
(22)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号148に示すアミノ酸配列を含む;
(23)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号149に示すアミノ酸配列を含む;または
(24)該HCが配列番号130に示すアミノ酸配列を含み、かつ該LCが配列番号150に示すアミノ酸配列を含む
求項5に記載の単離抗原結合タンパク質。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の該単離抗原結合タンパク質をコードする、1以上の単離核酸分子。
【請求項10】
請求項9に記載の該1以上の単離核酸分子を含む、1以上のベクター。
【請求項11】
請求項9に記載の該1以上の単離核酸分子、または請求項10に記載の該1以上のベクターを含む、細胞。
【請求項12】
請求項1~8の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質を産生する方法であって、請求項11に記載の細胞を請求項1~8の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質の発現を可能とする条件下で培養することを含む、方法。
【請求項13】
請求項1~8の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質、請求項9に記載の1以上の核酸分子、請求項10に記載の1以上のベクターおよび/または請求項11に記載の細胞および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項14】
腫瘍の予防、軽減および/または治療のための医薬の製造における、請求項1~8の何れか一項に記載の該単離抗原結合タンパク質、請求項9に記載の該1以上の核酸分子、請求項10に記載の該1以上のベクター、請求項11に記載の該細胞および/または請求項13に記載の該医薬組成物の使用
【請求項15】
該腫瘍が、固形腫瘍および/または血液腫瘍を含む、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害するための医薬の製造における、請求項1~8の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質の使用。
【請求項17】
CD73内在化を媒介するための医薬の製造における、請求項1~8の何れか一項に記載の単離抗原結合タンパク質の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
5’-ヌクレオチダーゼとしても知られる分化抗原群73、CD73は、ヒトにおいてNT5E遺伝子によりコードされる酵素である。CD73は、原形質膜の外表面にグリコシルホスファチジルイノシトール結合により結合した2個の同一の70kDサブユニットの二量体からなる。
【0002】
CD73は、細胞外ヌクレオシド一リン酸の、アデノシンなどのヌクレオシドへの脱リン酸化を触媒することが知られている。細胞外アデノシンは癌組織に蓄積し、腫瘍免疫回避の重要な機構を構成する。数ある作用の中で、腫瘍由来アデノシンは、アデニリルシクラーゼ活性化A2A受容体を介して浸潤エフェクターT細胞を大きく阻害する(Ohta, et al., (2006) Proc Natl Acad Sci USA 103:13132-13137)。CD73発現は、白血病、膀胱癌、神経膠腫、神経膠芽腫、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、甲状腺癌、食道癌および乳癌を含む広範な腫瘍細胞で報告されている(Jin et al., Cancer Res 2010; 70:2245-55およびStagg et al., PNAS 2010; 107:1547-52)。
【0003】
CD73は、腫瘍細胞の細胞-細胞および細胞-マトリックス相互作用を制御することが示されているが、CD73発現および活性はまた、T細胞応答の減少とも結びつけられ、薬物耐性と関連づけられている。他の問題は、一般にCD73阻害剤と称される抗体は、CD73のエクト-5’ヌクレオチダーゼ活性の調節によっては作用し得ないことである。ある抗体、7G2(mIgG2アイソタイプ、Life Technologies)は、CD73を阻害することが報告されているが、この抗体はフローサイトメトリーで細胞表面CD73と結合せずまたはせいぜい極めて低い親和性で結合するだけである。CD73に結合する他の抗体であるクローンAD2(マウスIgG1アイソタイプ)は、受容体クラスター形成および細胞内内在化を引き起こすが、酵素活性に対する効果はわずかであることが報告されている。さらに別の薬剤である1E9(マウスIgG3アイソタイプ、Santa Cruz Biotechnology, Inc.)は、酵素阻害と無関係にT細胞シグナル伝達を促進することが報告されている。さらなるmAbである4G4(IgG1アイソタイプ、Novus Biologicals)は、T細胞表面からのCD73シェディングを誘導することが報告されている。1剤のみが、さらなる特徴づけはされていないが、組み換えCD73を使用するアッセイで酵素を遮断する部分的能力を有することが報告されており(Sachsenmeier et al. ((2012) J. Biomed. Screening 17:993-998)、後に、細胞内在化を誘導する抗体として報告された(Rust et al. (2013) Mol. Cancer 12:11)。加えて、さらに一つの複雑にする因子は、文献に記載された抗体が、一般にFcγ受容体により結合され得るマウスアイソタイプであり、何らかの可能性のある遮断効果をFc媒介効果と分離することが困難であることである。Fcγ受容体により結合する抗CD73抗体は、例えばCD73発現腫瘍細胞(およびおそらくCD73発現免疫サプレッサー細胞)の枯渇(例えばADCCによる)を媒介することができおよび/または何らかの真の遮断効果よりむしろ炎症促進性サイトカインの産生を誘導し得る。故に、CD73のターゲティングが興味深いにも関わらず、最も有効な抗CD73抗体の特徴は、未確定のままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CD73のための新規アッセイおよび抗体が、新規治療標的としてのその可能性のために必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、次の性質の1以上を有する単離抗原結合タンパク質を提供する:a. ヒトCD73およびカニクイザルCD73両方に結合できる;b. CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害できる;c. CD73内在化を媒介することができる;d. T細胞増殖を促進できる;e. 血清において、少なくとも15日間、比較的安定な濃度を有する;およびf. 腫瘍増殖および/または腫瘍細胞増殖を阻害できる。さらに、本発明はまた、単離抗原結合タンパク質を産生する方法ならびに腫瘍の予防、軽減および/または治療における単離抗原結合タンパク質の医薬使用も提供する。
【0006】
ある態様において、本発明は、次の性質の1以上を有する単離抗原結合タンパク質を提供する:a. 同等な結合親和性でヒトCD73およびカニクイザルCD73両方に結合できる;b. CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害できる;c. CD73内在化を媒介することができる;d. T細胞増殖を促進できる;e. 血清において、少なくとも15日間、比較的安定な濃度を有する;およびf. 腫瘍増殖および/または腫瘍細胞増殖を阻害できる。
【0007】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号168の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3領域の何れか一つを含む。
【0008】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号169の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2および/またはLCDR3領域の何れか一つを含む。
【0009】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は、抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0010】
ある実施態様において、該抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab)2、Fvフラグメント、F(ab’)2、scFv、di-scFvおよび/またはdAbを含む。
【0011】
ある実施態様において、該抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体から選択される。
【0012】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3領域の何れか一つを含む。
【0013】
ある実施態様において、該VHは配列番号96、104、105、106および107の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0014】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号151の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2および/またはLCDR3領域の何れか一つを含む。
【0015】
ある実施態様において、該VLは配列番号111および115の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0016】
ある実施態様において、該HCDR3は配列番号154に示すアミノ酸配列を含む。
【0017】
ある実施態様において、該HCDR3は配列番号35、38および39の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0018】
ある実施態様において、該HCDR2は配列番号153に示すアミノ酸配列を含む。
【0019】
ある実施態様において、該HCDR2は配列番号18、23および24の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0020】
ある実施態様において、該HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含む。
【0021】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は重鎖可変領域VHを含み、該VHは配列番号152に示すアミノ酸配列を含む。
【0022】
ある実施態様において、該VHは配列番号96、104、105、106および107の何れかに示すアミノ酸配列を含む。
【0023】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は抗体重鎖HCを含み、該HCは配列番号124、132、133、134および135の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0024】
ある実施態様において、該LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含む。
【0025】
ある実施態様において、該LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含む。
【0026】
ある実施態様において、該LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含む。
【0027】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は軽鎖可変領域VLを含み、ここで、該VLは配列番号151に示すアミノ酸配列を含む。
【0028】
ある実施態様において、該VLは配列番号111および115の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0029】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は抗体軽鎖LCを含み、該LCは配列番号139および143の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0030】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3領域の何れか一つを含む。
【0031】
ある実施態様において、該VHは配列番号95、99、100、101、102および103の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0032】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号155の軽鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2および/またはLCDR3領域の何れか一つを含む。
【0033】
ある実施態様において、該VLは配列番号110、114、118、119、120、121および122の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0034】
ある実施態様において、該HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含む。
【0035】
ある実施態様において、該HCDR2は配列番号158に示すアミノ酸配列を含む。
【0036】
ある実施態様において、該HCDR2は配列番号17、21および22の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0037】
ある実施態様において、該HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含む。
【0038】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は重鎖可変領域VHを含み、ここで、VHは配列番号156に示すアミノ酸配列を含む。
【0039】
ある実施態様において、該VHは配列番号95、99、100、101、102および103の何れかに示すアミノ酸配列を含む。
【0040】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は抗体重鎖HCを含み、該HCは配列番号123、127、128、129、130および131の何れかに示すアミノ酸配列を含む。
【0041】
ある実施態様において、該LCDR3は配列番号157に示すアミノ酸配列を含む。
【0042】
ある実施態様において、該LCDR3は配列番号77、81、84、85、86、87および88の何れかに示すアミノ酸配列を含む。
【0043】
ある実施態様において、該LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含む。
【0044】
ある実施態様において、該LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含む。
【0045】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は軽鎖可変領域VLを含み、ここで、該VLは配列番号155に示すアミノ酸配列を含む。
【0046】
ある実施態様において、該VLは配列番号110、114、118、119、120、121および122の何れかに示すアミノ酸配列を含む。
【0047】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は抗体軽鎖LCを含み、該LCは配列番号138、142、146、147、148、149および150の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む。
【0048】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3領域の何れか一つを含む。
【0049】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は配列番号116の重鎖可変領域VLからのLCDR1、LCDR2および/またはLCDR3領域の何れか一つを含む。
【0050】
ある実施態様において、該HCDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含む。
【0051】
ある実施態様において、該HCDR2は配列番号25に示すアミノ酸配列を含む。
【0052】
ある実施態様において、該HCDR1は配列番号10に示すアミノ酸配列を含む。
【0053】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は重鎖可変領域VHを含み、該VHは配列番号108に示すアミノ酸配列を含む。
【0054】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は抗体重鎖HCを含み、該HCは配列番号136に示すアミノ酸配列を含む。
【0055】
ある実施態様において、該LCDR3は配列番号82に示すアミノ酸配列を含む。
【0056】
ある実施態様において、該LCDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含む。
【0057】
ある実施態様において、該LCDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含む。
【0058】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は軽鎖可変領域VLを含み、該VLは配列番号116の何れかに示すアミノ酸配列を含む。
【0059】
ある実施態様において、該単離抗原結合タンパク質は抗体軽鎖LCを含み、該LCは配列番号144に示すアミノ酸配列を含む。
【0060】
他の態様において、本発明は、該単離抗原結合タンパク質をコードする1以上の単離核酸分子を提供する。
【0061】
他の態様において、本発明は、該1以上の単離核酸分子を含む1以上のベクターを提供する。
【0062】
他の態様において、本発明は、該1以上の単離核酸分子または該1以上のベクターを含む細胞を提供する。
【0063】
他の態様において、本発明は、単離抗原結合タンパク質の発現を可能とする条件下で細胞を培養することを含む、単離抗原結合タンパク質を産生する方法を提供する。
【0064】
他の態様において、本発明は、単離抗原結合タンパク質、1以上の核酸分子、1以上のベクターおよび/または細胞および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0065】
他の態様において、本発明は、腫瘍の予防、軽減および/または治療のための医薬の製造における、本発明の該単離抗原結合タンパク質、該1以上の核酸分子、該1以上のベクター、該細胞および/または該医薬組成物の使用を提供する。
【0066】
ある実施態様において、該腫瘍は、固形腫瘍および/または血液腫瘍を含む。
【0067】
他の態様において、本発明は、腫瘍の予防、軽減および/または治療のための方法であって、それを必要とする対象に本発明の単離抗原結合タンパク質を投与することを含む、方法を提供する。
【0068】
ある実施態様において、該腫瘍は、固形腫瘍および/または血液腫瘍を含む。
【0069】
他の態様において、本発明は、本発明の単離抗原結合タンパク質を投与することを含む、CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害する方法を提供する。
【0070】
他の態様において、本発明は、本発明の単離抗原結合タンパク質を投与することを含む、CD73内在化を媒介する方法を提供する。
【0071】
他の態様において、本発明は、腫瘍の予防、軽減および/または治療のための医薬の製造における、該単離抗原結合タンパク質、該1以上の核酸分子、該1以上のベクター、該細胞および/または該医薬組成物の使用を提供する。
【0072】
ある実施態様において、腫瘍は、固形腫瘍および/または血液腫瘍を含む。
【0073】
他の態様において、本発明は、腫瘍の予防、軽減および/または治療のための方法であって、それを必要とする対象に本発明の単離抗原結合タンパク質を投与することを含む、方法を提供する。
【0074】
本発明のさらなる態様および利点は、本発明の説明的実施態様のみが示され、記載される、次の詳細な記載から、当分野の当業者には容易に明らかとなる。認識されるとおり、本発明は、他のおよび別の実施態様が可能であり、そのいくつかの詳細は、種々の明らかな点で修飾が可能であり、全て、本開示から逸脱しない。従って、図面および明細書は、本質的に説明的であり、限定的とみなしてはならない。
【0075】
引用による組み込み
本明細書に記載する全ての刊行物、特許および特許出願は、ここでは、引用により、各個々の刊行物、特許または特許出願が具体的にかつ個々に引用により包含されると示されたのと同程度に、引用により本明細書に包含させる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明の新規特性を、特に、添付する特許請求の範囲と共に示す。本発明の特性および利点の良好な理解は、本発明の原則が用いられる説明的実施態様を示す次の詳細な記載および以下のとおりである、添付する図面(ここでは「図」とも称する)を参照して、得られる。
【0077】
図1図1Aおよび1Bは、FACSにより分析したCHO-K1-hCD73細胞株への抗体結合を示す;
【0078】
図2図2は、FACSにより分析した、HEK293-cynoCD73細胞株への抗体結合を示す;
【0079】
図3図3は、FACSによるCHO-K1-hCD73細胞株への抗体結合を示す;
【0080】
図4図4は、FACSにより分析したCHO-K1-hCD73細胞への抗体結合を示す;
【0081】
図5図5Aおよび5Bは、FACSによるCHO-K1-hCD73細胞株への抗体結合を示す;
【0082】
図6図6Aおよび6Bは、抗体の細胞ベースのCD73酵素活性の阻害を示す;
【0083】
図7図7A、7B、8Aおよび8Bは、種々の時間に治療した抗体の可溶性CD73酵素活性の阻害を示す;
【0084】
図9-11】図9A、9B、10および11は、抗体の内在化活性を示す;
【0085】
図12-13】図12A、12B、13Aおよび13Bは、抗体の初代T細胞アッセイにおける細胞増殖を示す;
【0086】
図14図14A、14Bおよび14Cは、抗体の個々の血清濃度-時間プロファイルを示す、A:PR000506、B:PR000846およびC:PR000497;
【0087】
図15-16】図15A、15B、16Aおよび16Bは、インビボでの抗体の腫瘍増殖活性阻害を示し、ここで、A:腫瘍体積、B:体重である;
【0088】
図17図17は、CD73+PR000846複合体(y軸の正の値)とCD73単独(y軸の負の値)の間の重水素取り込みの差を示す;
【0089】
図18-20】図18、19および20は、領域1、2、3を包含するペプチド内の重水素暴露時間の関数としての相対的重水素取り込み(ダルトンでの質量変化)を示す;
【0090】
図21-22】図21および22は、PR000846へのCD73結合のエピトープ分析の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0091】
詳細な記載
本発明の種々の実施態様がここに示され、記載されているが、このような実施態様は単なる例として提供されることは、当業者は明らかである。本発明から逸脱することなく、多くの変動、変化および置換が当業者にはわかり得る。ここに記載する本発明の実施態様の種々の代替を用い得ることは、理解されるべきである。
【0092】
ここで使用する単数表現は、一般に、文脈から他の解釈が明確に支持されない限り、複数対象も含む。
【0093】
ここで使用する用語「CD73」は、5’エクトヌクレオチダーゼとしても知られ、一般に、細胞外ヌクレオシド5’一リン酸をヌクレオシド、すなわちアデノシン一リン酸(AMP)をアデノシンに変換できる酵素(ヌクレオチダーゼ)をいう。CD73の主機能は、細胞外ヌクレオチド(例えば、5’-AMP)から、高度に免疫抑制性分子であるアデノシンへの変換である。用語「CD73」は、細胞により天然に発現されるCD73のあらゆるバリアントまたはアイソフォームを含む。CD73またはその何れかのバリアントおよびアイソフォームは、それを天然に発現する細胞もしくは組織から単離されてよくまたは当分野で周知のおよび/またはここに記載する技術を使用して組み換えにより産生されてよい。従って、ここに記載する抗原結合タンパク質は、ヒト以外の種のもの(例えば、カニクイザルCD73)と交差反応し得る。あるいは、抗体はヒトCD73に特異的であってよく、他種と何ら交差反応性を示さなくてよい。ヒトCD73のアミノ酸配列は、GenBank under accession number AAH65937.1(5’-ヌクレオチダーゼ、エクト)、NP_002517(アイソフォーム1プレプロタンパク質)またはNP_001191742(アイソフォーム2プレプロタンパク質)に示される。
【0094】
ここで使用する用語「Tab1」またはPR002078は、一般に抗CD73抗体をいう。Tab1の重鎖アミノ酸配列は配列番号137に示し、Tab1の軽鎖アミノ酸配列は配列番号145に示した。
【0095】
ここで使用する用語「Tab2」またはPR000752は、一般に抗CD73抗体をいう。Tab2の重鎖アミノ酸配列は配列番号126に示し、Tab3の軽鎖アミノ酸配列は配列番号141に示した。
【0096】
ここで使用する用語「Tab3」またはPR000690は、一般に抗CD73抗体をいう。Tab3の重鎖アミノ酸配列は配列番号125に示し、Tab3の軽鎖アミノ酸配列は配列番号140に示した。
【0097】
ここで使用する用語「内在化」は、細胞の細胞外表面から細胞の細胞内表面への分子の移動の過程と関連する分子、生化学および細胞的事象をいう。本過程は、とりわけ、細胞外分子(例えばホルモン、抗体および小有機分子);膜関連分子(例えば細胞-表面受容体);および細胞外分子に結合した膜関連分子の複合体(例えば、膜貫通受容体に結合したリガンドまたは膜関連分子に結合した抗体)の内在化を含み得る。
【0098】
ここで使用する用語「抗原結合タンパク質」は、一般に、抗原に結合する部分および、所望により、抗原結合部分が抗原への抗原結合タンパク質の結合を促進する立体配座を採ることを可能とする足場またはフレームワーク部分を含む、タンパク質をいう。抗原結合タンパク質の例は、抗体、抗体フラグメント(例えば、抗体の抗原結合部分)、抗体誘導体および抗体アナログを含む。抗原結合タンパク質は、例えば、天然に存在する免疫グロブリンの構造を有し得る。「免疫グロブリン」は、四量体分子である。天然に存在する免疫グロブリンにおいて、各四量体は、ポリペプチド鎖の2個の同一の対からなり、各対は、1個の軽鎖(LC)および1個の重鎖(HC)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主として抗原認識を担う約100~110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主としてエフェクター機能を担う定常領域を規定する。ヒト軽鎖は、κまたはλ軽鎖と分類される。重鎖は、μ、δ、γ、αまたはεと分類され、それぞれIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEとしての抗体のアイソタイプを規定する。天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域は、相補性決定領域またはCDRとも称される3個の超可変領域に連結した比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般的構造を示す。N末端からC末端方向で、軽鎖および重鎖両者は、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。
【0099】
ここで使用する用語「CDR」は、一般に抗原結合タンパク質の相補性決定領域アミノ酸配列をいう。これらは、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の超可変領域である。免疫グロブリンの可変部分に3個の重鎖および3個の軽鎖CDR(またはCDR領域)がある。CDR配列には種々のナンバリングシステム、例えば、Chothia(Chothia et al. (1989) Nature 342: 877-883)、Kabat(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1987 and 1991))があることが当業者には明らかである。Chothiaナンバリングシステムを、本発明の抗体における残基のナンバリングに使用する。
【表1】
【0100】
ここで、Laa-Lbbは、N末端からaa番からbb番のアミノ酸配列をいう。例えば、L24-L34は、軽鎖の24番から34番のアミノ酸配列をいう。
【0101】
用語「単離」は、核酸またはタンパク質に適用するとき、該核酸またはタンパク質が、天然状態では関連している他の細胞成分が実質的にないことをいう。
【0102】
ここで使用する用語「K」または「KD」は、一般に複合体がその成分分子に崩壊するときのような、大きな物体が可逆性に小さな成分に離れる(解離する)傾向を測定する、特定のタイプの平衡定数である解離定数をいう。解離定数は、結合定数の逆である。抗体結合と抗原の特定の場合、通常、用語親和定数は結合定数をいう。
【0103】
ここで使用する用語「抗原結合フラグメント」は、一般に免疫グロブリン分子の部分をいう。抗原結合フラグメントは、1個の軽鎖および単一抗原結合部位を伴う重鎖の一部を含み得る。抗原結合フラグメントは、免疫グロブリン分子のパパイン消化により得られ得る。例えば、抗原結合は、重鎖および軽鎖各々の1個の定常および1個の可変ドメインからなり得る。可変ドメインは、免疫グロブリン分子のアミノ末端に相補性決定領域のセットを含むパラトープ(抗原結合部位)を含み得る。酵素パパインを使用して、免疫グロブリン分子を2個のFabフラグメントおよび1個のFcフラグメントに開裂し得る。酵素ペプシンは、ヒンジ領域の下を開裂し、したがって、F(ab’)フラグメントおよびpFc’フラグメントが形成される。二価F(ab)またはF(ab’)フラグメントは、ジスルフィド結合により結合した2個の抗原結合領域を有する。F(ab)またはF(ab’)フラグメントの還元は、他の分子へのコンジュゲーションに有用である遊離スルフヒドリル基を有する2個の一価FabまたはFab’フラグメントを産生する。
【0104】
ここで使用する用語「Fvフラグメント」は、一般にIgGおよびIgMクラス抗体の酵素開裂から製造される最小フラグメントをいう。
【0105】
ここで使用する用語「ScFv」は、一般に一本鎖抗体フラグメントをいう。ScFvは、抗体の軽鎖および重鎖可変領域が直接またはペプチドリンカーを介して接続されている組み換え一本鎖ポリペプチド分子をいう。
【0106】
ここで使用する用語「完全ヒト抗体」は、一般に抗原特異性がインビボで遺伝子修飾マウスの使用によりまたはスクリーニングと組み合わせた抗体エンジニアリング過程により選択されている、完全ヒトアミノ酸配列由来抗体領域治療剤を有する抗体をいう。
【0107】
ここで使用する用語「1以上の単離核酸分子」は、一般に天然環境から単離されたまたは人工的に合成された、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはそのアナログの何れかの、あらゆる長さのヌクレオチドの重合形態をいう。
【0108】
ここで使用する用語「1以上のベクター」は、一般にタンパク質をコードするポリヌクレオチドが挿入され、かつ発現され得る、核酸媒体をいう。ベクターに載せられる遺伝物質要素は、宿主細胞をベクターで形質転換、形質導入または形質移入することにより、宿主細胞で発現され得る。ベクターの実施態様は、プラスミド、ファージミド、コスミド、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)またはP1由来人工染色体(PAC)などの人工染色体、λファージまたはM13ファージなどのファージおよび動物ウイルスを含む。ベクターは、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列、選択要素およびレポーター遺伝子を含む、発現を制御する種々の要素を含み得る。さらに、ベクターは、複製起点も含み得る。ベクターが、ウイルス粒子、リポソームまたはタンパク質殻などであるが、これら物質だけではない、細胞への侵入を助ける成分を含むことも可能である。
【0109】
ここで使用する用語「細胞」は、一般に本発明の1以上のベクターの保持に使用し得るまたは本発明の抗体、抗原結合フラグメントもしくはバリアントの発現もしくは産生に使用し得る、細胞をいう。本発明の細胞は宿主細胞であり得る。細胞は、大腸菌および枯草菌などの原核生物細胞、酵母細胞またはアスペルギルス細胞などの真菌細胞、S2ショウジョウバエ細胞またはSf9などの昆虫細胞またはCHO細胞、COS細胞、NSO細胞または抗体発現に適する他の細胞などの他の細胞であり得る。
【0110】
ここで使用する用語「発現を可能とする条件」は、一般に、本発明の単離抗原結合タンパク質の発現を可能とする条件をいう。ある実施態様において、このような条件は、インキュベーション時間、温度および培養培地を含み得るが、これらに限定されず、細胞型に依存し得て、当業者により容易に決定され得る。
【0111】
単離抗原結合タンパク質
【0112】
ある態様において、本発明は、同等な結合親和性でヒトCD73およびカニクイザルCD73両方に結合できる可能性がある単離抗原結合タンパク質を提供する。ここで使用する用語「同等な結合親和性」は、一般に抗体の2つの結合親和性の比が、約0.01nM~約100nM、例えば、約0.02nM~約50nM、約0.05nM~約30nM、約0.1nM~約20nM、約0.1nM~約10nM、約0.2nM~約10nM、約0.5nM~約3nMであることをいう。抗体とCD73の結合親和性は、例えば、FACS分析で、CD73安定発現細胞株(例えば、CHO-K1細胞株)を使用して評価し得る。
【0113】
単離抗原結合タンパク質は、CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害できる可能性がある。単離抗原結合タンパク質は、CD73媒介アデノシン産生を阻害、すなわち、AMPからアデノシンへのCD73介在異化反応の阻害をし得る。これは、試験抗体がAMPからアデノシンへの変換を、直接的または間接的に、遮断する能力により評価され得る。ある場合、単離抗原結合タンパク質は、細胞ベースのCD73の活性を阻害し得る。これは、CD73を安定に発現する細胞株、例えば、CHO-K1細胞株の構築により測定され得る。例えば、単離抗原結合タンパク質は、実施例に記載のとおり、約0.01nM~約100nM、例えば、約0.02nM~約50nM、約0.001nM~約10nM、約0.001nM~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.3nM、約0.05nM~約0.25nMの濃度で細胞ベースのCD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を50%阻害し得る。他の場合、単離抗原結合タンパク質は、可溶性組換えCD73の活性を阻害し得る。例えば、酵素産物無機リン酸の定量により、単離抗原結合タンパク質は、AMPからアデノシンへの変換の少なくとも40%減少、AMPからアデノシンへの変換の少なくとも50%減少、AMPからアデノシンへの変換の少なくとも60%減少、AMPからアデノシンへの変換の少なくとも70%減少またはAMPからアデノシンへの変換の少なくとも90%減少を引き起こし得る。
【0114】
単離抗原結合タンパク質は、CD73内在化を媒介することができる可能性がある。ある場合、内在化のパーセントを、フローサイトメトリーで測定して、細胞表面、例えば、NCI-H292のCD73の残存により評価し得る。例えば、抗体と4時間インキュベート後、CD73の約40%~約99%(例えば、約40%~約90%、約40%~約80%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約55%または約50%)が細胞間で内在化した。他の場合、内在化は、実施例に記載するとおり、内在化キットにより測定され得る。抗体と3日間インキュベート後、CHO-K1表面のCD73は内在化し、CD73の抗体介在内在化の最高レベルは、抗体の濃度に依存して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%またはそれ以上であり得る。
【0115】
単離抗原結合タンパク質の活性は、リンパ球の活性を調節する、例えばリンパ球活性のAMP介在抑制を軽減するまたはリンパ球増殖を引き起こす能力について、間接アッセイでも測定し得る。ある場合、単離抗原結合タンパク質は、リンパ球増殖を調節する能力について間接アッセイで評価し得る。リンパ球は、ヘルパーT細胞(例えば、CD4+T細胞)を含むT細胞であり得る。これは、例えば、FACS分析を使用して、取り組み得る。
【0116】
単離抗原結合タンパク質は、血清で少なくとも15日間比較的安定な濃度であり得る。ここで使用する「比較的安定」は、一般に血清における抗体濃度が、対照濃度、例えば、抗体の血清の初期濃度と比較して、50%を超える変化がないことをいう。抗体の血清における安定性は、薬物動態分析により決定され得る。例えば、本発明の単離抗原結合タンパク質のt1/2は、PK分析に記載するとおり、約15日である。
【0117】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152のVHからの少なくとも1個のHCDRを含み得る。
【0118】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR3を含み得て、HCDR3は配列番号154(XQWGSRLDY(配列番号154);ここで、X=DまたはE;X=GまたはAである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0119】
ある場合、DGQWGSRLDYとしての抗原結合タンパク質のHCDR3と比較して、HCDR3は、次のものから選択される少なくとも1個のアミノ酸置換を含み得る:XおよびXでのアミノ酸置換であって、ここで、Xでのアミノ酸はEに置換されてよく、Xでのアミノ酸はAに置換されてよい。
【0120】
例えば、HCDR3は、配列番号35、38および39の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0121】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR2を含み得て、HCDR2は配列番号153(WYXSF(配列番号153);ここで、X=DまたはE;X=GまたはAである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0122】
例えば、HCDR2は、配列番号18、23および24の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0123】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR1を含み得て、HCDR1は配列番号7(GFTFSDY(配列番号7))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0124】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1を含み得て、H-FR1のC末端は該HCDR1のN末端に直接的または間接的に結合しており、H-FR1は配列番号2(QVQLVESGGGVAQPGRSLSLSCAAS(配列番号2))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0125】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR2を含み得て、H-FR2は該HCDR1と該HCDR2の間に位置し、H-FR2は配列番号12(GMHWVRQAPGKGLEWVALIWVRQAPGKGLEWVA(配列番号12))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0126】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR3を含み得て、H-FR3は該HCDR2と該HCDR3の間に位置し、H-FR3は配列番号28(EYYADSVKGRFSISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCVR(配列番号28))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0127】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR4を含み得て、該H-FR4のN末端は該HCDR3のC末端に直接的または間接的に結合しており、H-FR4は配列番号43(WGQGTLVTVSS(配列番号43))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0128】
本発明において、抗原結合タンパク質はVHを含み得て、VHは配列番号152(QVQLVESGGGVAQPGRSLSLSCAASGFTFSDYGMHWVRQAPGKGLEWVALIWYX5455SFEYYADSVKGRFSISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCVRX99100QWGSRLDYWGQGTLVTVSS(配列番号152);ここで、X54=DまたはE;X55=GまたはA;X99=DまたはE;およびX100=GまたはAである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0129】
例えば、VHは、配列番号96、104、105、106および107の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0130】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体重鎖定常領域を含み得て、抗体重鎖定常領域はヒトIgG定常領域を含む。ある場合、ヒトIgG定常領域は、ヒトIgG1定常領域に由来し得る。例えば、抗体重鎖定常領域は配列番号167(ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号167))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0131】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体重鎖(HC)を含み得て、HCは配列番号162に示すアミノ酸配列を含む。例えば、HCは、配列番号124、132、133、134および135の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0132】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号151のVLからの少なくとも1個のLCDRを含み得る。
【0133】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのLCDR3を含み得て、LCDR3は配列番号78(QQRSNWIFT(配列番号78))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0134】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのLCDR2を含み得て、LCDR2は配列番号66(DASNRAT(配列番号66))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0135】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号152の重鎖可変領域VHからのLCDR1を含み得て、LCDR1は配列番号55(RASQSVSRYLA(配列番号55))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0136】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR1を含み得て、L-FR1のC末端は該LCDR1のN末端に直接的または間接的に結合しており、L-FR1は配列番号48(XIVXTQSPATLSLSPGERATLSC(配列番号48);ここで、X=KまたはE;およびX=MまたはLである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0137】
ある場合、配列番号47に示す抗原結合タンパク質のL-FR1と比較して、L-FR1は、次のものから選択される少なくとも1個のアミノ酸置換を含み得る:Xおよび/またはXのアミノ酸置換であって、ここで、Xでのアミノ酸はEに置換されてよく、Xでのアミノ酸はLに置換されてよい。
【0138】
例えば、L-FR1は、配列番号48および51の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0139】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR2を含み得て、L-FR2は該LCDR1と該LCDR2の間に位置し、L-FR2は配列番号61(WYQQKPGQAPRLLIY(配列番号61))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0140】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR3を含み得て、L-FR3は該LCDR2と該LCDR3の間に位置し、L-FR3は配列番号72(GIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC(配列番号72))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0141】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR4を含み得て、該L-FR4のN末端は該LCDR3のC末端に直接的または間接的に結合しており、L-FR4は配列番号90(FGPGTKVDIK(配列番号90))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0142】
本発明において、抗原結合タンパク質はVLを含み得て、VLは配列番号151(XIVXTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSRYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWIFTFGPGTKVDIK(配列番号151)、ここで、X=KまたはE;X=MまたはLである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0143】
例えば、VLは、配列番号111および115の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0144】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体軽鎖定常領域を含み得て、抗体軽鎖定常領域はヒトIgκ定常領域を含む。例えば、抗体軽鎖定常領域は配列番号166(RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号166))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0145】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体軽鎖(LC)を含み得て、LCは配列番号159に示すアミノ酸配列を含む。例えば、LCは、配列番号139および143の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0146】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号153に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号154に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0147】
ある場合、抗原結合タンパク質はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号7の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18、23、24の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35、38および39の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0148】
例えば、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0149】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0150】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号39に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0151】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号24に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0152】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号24に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号39に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0153】
本発明において、抗原結合タンパク質はLCDR1~3を含み得る。LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0154】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1~4を含み得る。H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0155】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR1~4を含み得る。L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0156】
ある場合、L-FR1は配列番号51の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は、配列番号90の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0157】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCDR1~3およびLCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号153に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号154に示すアミノ酸配列を含み得る;LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0158】
ある場合、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18、23および24の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35、38および39の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る;LCDR1は配列番号55の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0159】
例えば、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0160】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0161】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1~4およびL-FR1~4を含み得る。H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0162】
ある場合、H-FR1は配列番号2の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号51の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は、配列番号90の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0163】
本発明において、抗原結合タンパク質はVHおよびVLを含み得る。VHは配列番号152に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号151に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0164】
ある場合、VHは配列番号96、104、105、106および107の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号111および115の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0165】
ある場合、VHは配列番号96に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0166】
ある場合、VHは配列番号104に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0167】
ある場合、VHは配列番号105に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0168】
ある場合、VHは配列番号106に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0169】
ある場合、VHは配列番号107に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0170】
ある場合、VHは配列番号96に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0171】
ある場合、VHは配列番号104に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0172】
ある場合、VHは配列番号105に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0173】
ある場合、VHは配列番号106に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0174】
ある場合、VHは配列番号107に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0175】
本発明において、抗原結合タンパク質は重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得る。重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得て、軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0176】
本発明において、抗原結合タンパク質は重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含み得る。HCは配列番号162に示すアミノ酸配列を含み得て、LCは配列番号159に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0177】
ある場合、HCは配列番号124、132、133、134および135の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み、LC定常領域は配列番号139および143の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0178】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号153に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号154に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号33に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号152に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号162に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号151に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号159に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0179】
ある場合、抗原結合タンパク質はHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18、23および24の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35、38および39の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号96、104、105、106および107の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号124、132、133、134および135の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48および51に示す何れかのアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号111および115に示すアミノ酸配列の何れかを含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号139および143の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0180】
例えば、抗原結合タンパク質は抗体PR000506のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号96に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号124に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号139に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0181】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000843のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号104に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号132に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号139に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0182】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000844のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号39に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号105に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号133に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号139に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0183】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000845のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号24に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号106に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号134に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号139に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0184】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000846のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号24に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号39に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号107に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号135に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号111に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号139に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0185】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000847のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号104に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号132に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号51に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号143に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0186】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000848のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号23に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号39に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号105に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号133に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号51に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号143に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0187】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000849のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列領域番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号24に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号38に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号106に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号134に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号51に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号143に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0188】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000850のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号24に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号39に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号107に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号135に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号51に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号143に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0189】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000851のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号18に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号35に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号2に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号12に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号28に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号43に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号96に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号124に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号61に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号72に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号115に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号143に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0190】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156のVHからの少なくとも1個のHCDRを含み得る。
【0191】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのHCDR3を含み得て、HCDR3は配列番号34(GGDLLTGPNAFDI(配列番号34))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0192】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのHCDR2を含み得て、HCDR2は配列番号158(WYXSK(配列番号158));ここで、X=DまたはE;X=GまたはAである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0193】
例えば、HCDR2は、配列番号17、21および22の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0194】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのHCDR1を含み得て、HCDR1は配列番号6(GFTFSSY(配列番号6))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0195】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1を含み得て、H-FR1のC末端は該HCDR1のN末端に直接的または間接的に結合しており、H-FR1は配列番号1(QVQVVESGGGVVQPGRSLRLSCAAS(配列番号1))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0196】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR2を含み得て、H-FR2は該HCDR1と該HCDR2の間に位置し、H-FR2は配列番号11(DMHWVRQAPGKGLEWVAST(配列番号11))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0197】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR3を含み得て、H-FR3は該HCDR2と該HCDR3の間に位置し、H-FR3は配列番号27(KYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLKMNSLRGDDTAVYYCAK(配列番号27))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0198】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR4を含み得て、該H-FR4のN末端は該HCDR3のC末端に直接的または間接的に結合しており、H-FR4は配列番号42(WGQGTMVTVSS(配列番号42))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0199】
本発明において、抗原結合タンパク質はVHを含み得て、VHは配列番号156(QVQXVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYDMHWVRQAPGKGLEWVASTWYXSKKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLXMNSLRXDTAVYYCAKGGDLLTGPNAFDIWGQGTMVTVSS(配列番号156));ここで、X=LまたはV、X=DまたはE;X=GまたはA;X=KまたはQ;X=GまたはA;およびX=DまたはEである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0200】
例えば、VHは、配列番号95、99、100、101、102および103の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0201】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体重鎖定常領域を含み得て、抗体重鎖定常領域はヒトIgG定常領域を含む。ある場合、ヒトIgG定常領域は、ヒトIgG1定常領域に由来し得る。例えば、抗体重鎖定常領域は配列番号167(ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号167))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0202】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体重鎖(HC)を含み得て、HCは配列番号161に示すアミノ酸配列を含む。例えば、HCは、配列番号123、127、128、129、130および131の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0203】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号155のVLからの少なくとも1個のLCDRを含み得る。
【0204】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのLCDR3を含み得て、LCDR3は配列番号157(QQYDXYXNT(配列番号157))、ここで、X=M、N、Q、SまたはT;およびX=E、K、S)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0205】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのLCDR2を含み得て、LCDR2は配列番号65(KASSLES(配列番号65))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0206】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号156の重鎖可変領域VHからのLCDR1を含み得て、LCDR1は配列番号54(RASQSISSWLA(配列番号54))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0207】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR1を含み得て、L-FR1のC末端は該LCDR1のN末端に直接的または間接的に結合しており、L-FR1は配列番号47(DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITC(配列番号47))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0208】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR2を含み得て、L-FR2は該LCDR1と該LCDR2の間に位置し、L-FR2は配列番号60(WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号60))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0209】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR3を含み得て、L-FR3は該LCDR2と該LCDR3の間に位置し、L-FR3は配列番号71(GVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYC(配列番号71))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0210】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR4を含み得て、該L-FR4のN末端は該LCDR3のC末端に直接的または間接的に結合しており、L-FR4は配列番号89(FGQGTKLEIK(配列番号89))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0211】
本発明において、抗原結合タンパク質はVLを含み得て、VLは配列番号155(DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSISSWLAWYQQKPGKAPKLLIYKASSLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYDXYXNTFGQGTKLEIK(配列番号155))、ここで、X=M、N、Q、SまたはT;X=E、KまたはSである)に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0212】
例えば、VLは、配列番号110、114、118、119、120、121および122の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0213】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体軽鎖定常領域を含み得て、抗体軽鎖定常領域はヒトIgκ定常領域を含む。例えば、抗体軽鎖定常領域は配列番号166(RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号166))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0214】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体軽鎖(LC)を含み得て、LCは配列番号160に示すアミノ酸配列を含む。例えば、LCは、配列番号138、142、146、147、148、149および150の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0215】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号158に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0216】
ある場合、抗原結合タンパク質はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号6の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17、21、22の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0217】
例えば、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0218】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号21に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0219】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0220】
本発明において、抗原結合タンパク質はLCDR1~3を含み得る。LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号157に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0221】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0222】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0223】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号84に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0224】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号85に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0225】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号86に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0226】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号87に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0227】
例えば、抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号88に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0228】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1~4を含み得る。H-FR1は配列番号164に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号165に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0229】
例えば、H-FR1は配列番号1に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0230】
例えば、H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0231】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR1~4を含み得る。L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0232】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCDR1~3およびLCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号158に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号157に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0233】
ある場合、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17、21および22の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77、81、84、85、86、87および88の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0234】
例えば、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0235】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0236】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号21に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0237】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0238】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0239】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号84に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0240】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号85に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0241】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号86に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0242】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号87に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0243】
他の例について、抗原結合タンパク質のHCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;抗原結合タンパク質のLCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号88に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0244】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1~4およびL-FR1~4を含み得る。H-FR1は配列番号164に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号165に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0245】
ある場合、H-FR1は配列番号1および3の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27および31の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は、配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0246】
本発明において、抗原結合タンパク質はVHおよびVLを含み得る。VHは配列番号156に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号155に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0247】
ある場合、VHは配列番号95、99、100、101、102および103の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110、114、118、119、120、121および122の何れかに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0248】
ある場合、VHは配列番号95に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0249】
ある場合、VHは配列番号99に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0250】
ある場合、VHは配列番号100に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0251】
ある場合、VHは配列番号101に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0252】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0253】
ある場合、VHは配列番号103に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0254】
ある場合、VHは配列番号95に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0255】
ある場合、VHは配列番号100に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0256】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0257】
ある場合、VHは配列番号103に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0258】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号118に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0259】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号119に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0260】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号120に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0261】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号121に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0262】
ある場合、VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号122に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0263】
本発明において、抗原結合タンパク質は重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得る。重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得て、軽鎖定常領域は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0264】
本発明において、抗原結合タンパク質は重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含み得る。HCは配列番号161に示すアミノ酸配列を含み得て、LCは配列番号160に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0265】
ある場合、HCは配列番号123、127、128、129、130および131の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み、LC定常領域は配列番号138、142、146、147、148、149および150の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0266】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号158に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号164に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号156に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号161に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号155に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号160に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0267】
ある場合、抗原結合タンパク質はHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17、21、22の何れかに示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号1および3の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号95、99、100、101、102および103の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号123、127、128、129、130および131の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号10、114、118、119、120、121および122の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138、142、146、147、148、149および150の何れか一つに示すアミノ酸配列を含み得る。
【0268】
例えば、抗原結合タンパク質は抗体PR000497のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号1に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号95に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号123に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0269】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000815のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号21に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号1に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号99に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号127に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0270】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000816のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号1に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号100に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号128に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0271】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000817のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号21に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号101に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号129に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0272】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000818のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0273】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000819のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号103に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号131に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号110に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号138に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0274】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000820のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号1に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号95に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号123に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号142に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0275】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000822のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号1に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号100に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号128に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号142に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0276】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000824のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号142に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0277】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000825のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号17に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号103に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号131に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号81に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号114に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号142に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0278】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR000832のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号84に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号118に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号146に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0279】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR003833のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号85に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号119に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号147に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0280】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR003834のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号86に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号120に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号148に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0281】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR003835のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号87に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号121に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号149に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0282】
他の例について、抗原結合タンパク質は抗体PR003836のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号22に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号11に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号31に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号42に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号102に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号130に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号88に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号47に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号71に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号122に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号150に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0283】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108のVHからの少なくとも1個のHCDRを含み得る。
【0284】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのHCDR3を含み得て、HCDR3は配列番号40(ERSSSFYYYYGMDV(配列番号40))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0285】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのHCDR2を含み得て、HCDR2は配列番号25(WYDGSN(配列番号25))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0286】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのHCDR1を含み得て、HCDR1は配列番号10(GFTFYSY(配列番号10))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0287】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1を含み得て、H-FR1のC末端は該HCDR1のN末端に直接的または間接的に結合しており、H-FR1は配列番号3(QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAAS(配列番号3))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0288】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR2を含み得て、H-FR2は該HCDR1と該HCDR2の間に位置し、H-FR2は配列番号15(GMHWVRQTPGKGLEWVALI(配列番号15))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0289】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR3を含み得て、H-FR3は該HCDR2と該HCDR3の間に位置し、H-FR3は配列番号32(NYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAT(配列番号32))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0290】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR4を含み得て、該H-FR4のN末端は該HCDR3のC末端に直接的または間接的に結合しており、H-FR4は配列番号45(WGQGTTVTVSS(配列番号45))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0291】
本発明において、抗原結合タンパク質はVHを含み得て、VHは配列番号108(QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFYSYGMHWVRQTPGKGLEWVALIWYDGSNNYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCATERSSSFYYYYGMDVWGQGTTVTVSS(配列番号108))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0292】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体重鎖定常領域を含み得て、抗体重鎖定常領域はヒトIgG定常領域を含む。ある場合、ヒトIgG定常領域は、ヒトIgG1定常領域に由来し得る。例えば、抗体重鎖定常領域は配列番号167(ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号167))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0293】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体重鎖(HC)を含み得て、HCは配列番号136に示すアミノ酸配列を含む。
【0294】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号116のVLからの少なくとも1個のLCDRを含み得る。
【0295】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのLCDR3を含み得て、LCDR3は配列番号82(QQLNSYPYT(配列番号82))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0296】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのLCDR2を含み得て、LCDR2は配列番号69(AASTLQS(配列番号69))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0297】
本発明において、抗原結合タンパク質は配列番号108の重鎖可変領域VHからのLCDR1を含み得て、LCDR1は配列番号58(RASQGISSYLA(配列番号58))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0298】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR1を含み得て、L-FR1のC末端は該LCDR1のN末端に直接的または間接的に結合しており、L-FR1は配列番号52(DIQLTQSPSFLSTSVGDRVTITC(配列番号52))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0299】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR2を含み得て、L-FR2は該LCDR1と該LCDR2の間に位置し、L-FR2は配列番号60(WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号60))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0300】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR3を含み得て、L-FR3は該LCDR2と該LCDR3の間に位置し、L-FR3は配列番号75(GVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号75))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0301】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR4を含み得て、該L-FR4のN末端は該LCDR3のC末端に直接的または間接的に結合しており、L-FR4は配列番号93(FGQGTELEIK(配列番号93))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0302】
本発明において、抗原結合タンパク質はVLを含み得て、VLは配列番号116(DIQLTQSPSFLSTSVGDRVTITCRASQGISSYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQQLNSYPYTFGQGTELEIK(配列番号116))に示すアミノ酸配列を含み得る。例えば、配列は、Chothia定義に従い決定され得る。
【0303】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体軽鎖定常領域を含み得て、抗体軽鎖定常領域はヒトIgκ定常領域を含む。例えば、抗体軽鎖定常領域は配列番号166(RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号166))に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0304】
本発明において、抗原結合タンパク質は抗体軽鎖(LC)を含み得て、LCは配列番号144に示すアミノ酸配列を含む。
【0305】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号10に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号25に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0306】
本発明において、抗原結合タンパク質はLCDR1~3を含み得る。LCDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号82に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0307】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1~4を含み得る。H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号15に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号32に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号45に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0308】
本発明において、抗原結合タンパク質はL-FR1~4を含み得る。L-FR1は配列番号52に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号75に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号93に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0309】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCDR1~3およびLCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号10に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号25に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含み得る;LCDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号82に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0310】
本発明において、抗原結合タンパク質はH-FR1~4およびL-FR1~4を含み得る。H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号15に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号32に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号45に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号52に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号75に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号93に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0311】
本発明において、抗原結合タンパク質はVHおよびVLを含み得る。VHは配列番号108に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号116に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0312】
本発明において、抗原結合タンパク質は重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得る。重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得て、軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0313】
本発明において、抗原結合タンパク質は重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含み得る。HCは配列番号136に示すアミノ酸配列を含み得て、LCは配列番号144に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0314】
本発明において、抗原結合タンパク質はHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号10に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号25に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号15に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号32に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号45に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号108に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号136に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号82に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号52に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号75に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号93に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号116に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号144に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0315】
例えば、抗原結合タンパク質は抗体PR001408のものと同じHCおよびLCを含み得る。HCはVHおよび重鎖定常領域を含み得る。VHはHCDR1~3およびH-FR1~4を含み得て、HCDR1は配列番号10に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号25に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含み得る;H-FR1は配列番号3に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR2は配列番号15に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR3は配列番号32に示すアミノ酸配列を含み得て、H-FR4は配列番号45に示すアミノ酸配列を含み得る;VHは配列番号108に示すアミノ酸配列を含み得る;重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得る;HCは配列番号136に示すアミノ酸配列を含み得る;およびVLはLCDR1~3およびL-FR1~4を含み得て、LCDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号82に示すアミノ酸配列を含み得る;L-FR1は配列番号52に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR2は配列番号60に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR3は配列番号75に示すアミノ酸配列を含み得て、L-FR4は配列番号93に示すアミノ酸配列を含み得る;VLは配列番号116に示すアミノ酸配列を含み得る;軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る;LCは配列番号144に示すアミノ酸配列を含み得る;
【0316】
ある種の抗CD73抗体
本発明において、抗原結合タンパク質は、CD73への結合についてある種の抗CD73抗体と競合し得る。ある実施態様において、本発明の抗原結合タンパク質はある種の抗CD73抗体と同じアミノ酸配列を含む抗体を含み得る。
【0317】
ある場合、ある種の抗CD73抗体は配列番号152の重鎖可変領域VHからの少なくとも1個のHCDR領域および配列番号151の軽鎖可変領域VLからの少なくとも1個のLCDR領域を含み得る。
【0318】
本発明において、ある種の抗CD73抗体はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号7に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号153に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号154に示すアミノ酸配列を含み得る。ある場合、ある種の抗CD73抗体はLCDR1~3を含み得る。LCDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号78に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0319】
本発明において、ある種の抗CD73抗体はVHおよびVLを含み得る。VHは配列番号152に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号151に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0320】
本発明において、ある種の抗CD73抗体は重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得る。重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得て、軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0321】
本発明において、ある種の抗CD73抗体は重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含み得る。HCは配列番号162に示すアミノ酸配列を含み得て、LC定常領域は配列番号159に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0322】
ある場合、ある種の抗CD73抗体は配列番号156の重鎖可変領域VHからの少なくとも1個のHCDR領域および配列番号155の軽鎖可変領域VLからの少なくとも1個のLCDR領域を含み得る。
【0323】
本発明において、ある種の抗CD73抗体はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号6に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号158に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号34に示すアミノ酸配列を含み得る。ある場合、ある種の抗CD73抗体はLCDR1~3を含み得る。LCDR1は配列番号54に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号65に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号157に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0324】
本発明において、ある種の抗CD73抗体はVHおよびVLを含み得る。VHは配列番号156に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号155に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0325】
本発明において、ある種の抗CD73抗体は重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得る。重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得て、軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0326】
本発明において、ある種の抗CD73抗体は重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含み得る。HCは配列番号161に示すアミノ酸配列を含み得て、LC定常領域は配列番号160に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0327】
ある場合、ある種の抗CD73抗体は配列番号108の重鎖可変領域VHからの少なくとも1個のHCDR領域および配列番号116の軽鎖可変領域VLからの少なくとも1個のLCDR領域を含み得る。
【0328】
本発明において、ある種の抗CD73抗体はHCDR1~3を含み得る。HCDR1は配列番号10に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR2は配列番号25に示すアミノ酸配列を含み得て、HCDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含み得る。ある場合、ある種の抗CD73抗体はLCDR1~3を含み得る。LCDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含み得て、LCDR3は配列番号82に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0329】
本発明において、ある種の抗CD73抗体はVHおよびVLを含み得る。VHは配列番号108に示すアミノ酸配列を含み得て、VLは配列番号116に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0330】
本発明において、ある種の抗CD73抗体は重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得る。重鎖定常領域は配列番号167に示すアミノ酸配列を含み得て、軽鎖定常領域は配列番号166に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0331】
本発明において、ある種の抗CD73抗体は重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含み得る。HCは配列番号136に示すアミノ酸配列を含み得て、LC定常領域は配列番号144に示すアミノ酸配列を含み得る。
【0332】
本発明の抗原結合タンパク質は、それと実質的に同じ機能/性質を有するそのホモログ(homolog)またはバリアントも包含し得る。ある場合、ホモログまたはバリアントは、少なくとも1アミノ酸抗原結合タンパク質と異なるポリペプチドであり得る。例えば、ホモログまたはバリアントは、1以上のアミノ酸、例えば1~50、1~40、1~30、1~20、1~15、1~14、1~13、1~12、1~11、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3または1~2アミノ酸の付加、欠失または置換により抗原結合タンパク質と異なるポリペプチドであり得る。
【0333】
ある場合、抗原結合タンパク質は、生殖系列化およびPTM除去過程によりさらに最適化され得る。用語「生殖系列化」は、抗体の対応する生殖系列配列への逆進の体細胞超変異の過程をいう。用語「PTM除去」は、配列ライアビリティのリスクを低減するためのPTMモチーフの変異の過程をいう。
【0334】
翻訳後修飾(PTM)は哺乳動物細胞で発現されるタンパク質で広範に観察され、これは分子を不安定かつ不均一とし得る。配列ライアビリティを低減するために、PTMモチーフを変異により除去し得る。PTM除去部位は、異性化モチーフ、例えば、CDRにおけるDGであり得る。ある場合、PTM除去部位はHCDRにおけるD54、G55、D99および/またはG100から選択される一か所以上を含み得る。ある場合、D54におけるPTM除去はD54Eであり得る。ある場合、G55におけるPTM除去はG55Aであり得る。ある場合、D99におけるPTM除去はD99Eであり得る。ある場合、G100におけるPTM除去はG100Aであり得る。
【0335】
PTM除去後の抗体は、類似するまたは高い化学安定性または生理活性を有し得る。ある場合、PTM除去後の抗体は、類似するまたは高い結合親和性、酵素活性、T細胞活性化活性腫瘍阻害活性および/または血清安定性を有し得る。例えば、PTM除去抗体(例えば、PR000844、PR000846)は、PTM抗体(例えば、PR000506)と同等な結合親和性を有する。
【0336】
ある場合、ホモログまたはバリアントは、抗原結合タンパク質と少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドであり得る。例えば、ホモログまたはバリアントは、抗体またはその抗原結合フラグメントと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上)の配列同一性を有するポリペプチドであり得る。
【0337】
ここで同定されるポリペプチド配列において使用される用語「パーセント(%)配列同一性」は、一般に、最大パーセント配列同一性を達成するために、配列を整列し、必要であれば、ギャップを導入後、第二の対照ポリペプチド配列またはその一部のアミノ酸残基またはヌクレオチドと同一である、クエリー配列におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドのパーセンテージをいい、配列同一性の一部としてあらゆる保存的置換を考慮しない。パーセントアミノ酸/ヌクレオチド配列同一性決定目的でのアラインメントは、当業者の技術の範囲内である種々の方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、NEEDLEまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公になっているコンピュータソフトウェアを使用して、達成され得る。当業者は、比較する配列の全長にわたり最大アラインメントを達成するのに必要な何らかのアルゴリズムを含む、同一性決定のための適切なパラメータを決定できる。パーセント同一性は、規定ポリペプチド/ポリヌクレオチド配列全体の長さにわたり測定できまたは短い長さ、例えば、大型の規定ポリペプチド/ポリヌクレオチド配列から取ったフラグメントの全長にわたり測定し得る。表、図または配列表においてここに示す配列により支持される、あらゆるフラグメント長を、パーセンテージ同一性を測定すべき長さをいうために使用し得ることは理解される。
【0338】
核酸、ベクターおよび細胞
他の態様において、本発明は、単離抗原結合タンパク質をコードする1以上の単離核酸分子を提供する。
【0339】
単離核酸は、各々抗原結合タンパク質をコードする1以上の核酸分子を含み得る。例えば、単離核酸は、一つは抗体重鎖またはそのフラグメントをコードし、一つは抗体軽鎖またはそのフラグメントをコードする少なくとも2個の核酸分子を含み得る。
【0340】
1以上の単離核酸を、当分野で周知の組み換え技術を使用して、合成し得る。例えば、1以上の単離核酸を、自動化DNAシンセサイザーで合成し得る。標準組み換えDNAおよび分子クローニング技術は、Sambrook, J., Fritsch, E. F. and Maniatis, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press: Cold Spring Harbor, (1989) (Maniatis) and by T. J. Silhavy, M. L. Bennan, and L. W. Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1984) and by Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, pub. by Greene Publishing Assoc. and Wiley-Interscience (1987)により記載のものを含む。簡潔には、対象核酸をゲノムDNAフラグメント、cDNAおよびRNAから調製でき、その全て細胞から調節しても、PCRおよびRT-PCRを含むが、これらに限定されない種々の増幅過程により組み換えにより産生されてもよい。
【0341】
核酸の直接化学合成は、一般に成長中のヌクレオチドポリマー鎖の末端5’-ヒドロキシル基への3’-遮断および5’-遮断ヌクレオチドモノマーの連続的付加を含み、ここで、各付加は、一般にホスホトリエステル、ホスホラミダイトなどのリン誘導体である付加モノマーの3’位上の成長中の鎖の末端5’-ヒドロキシル基の求核性攻撃により実施される。例えば、Matteuci et al., Tet. Lett. 521:719 (1980);Caruthers et al.の米国特許4,500,707;およびSouthern et al.の米国特許5,436,327および5,700,637参照。
【0342】
他の態様において、本発明は、1以上の単離核酸分子を含む、1以上のベクターを提供する。
【0343】
ベクターは、あらゆる直鎖状核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウイルスベクターなどであり得る。ウイルスベクターの非限定的例は、レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスを含み得る。ある実施態様において、ベクターは発現ベクター、例えば、プラスミドである。
【0344】
発現ベクターは、特定のタイプの宿主細胞における使用に適し、他での使用に適さないかもしれない。例えば、発現ベクターを宿主生物に導入し、次いで、生存能およびベクターに含まれた何らかの遺伝子/ポリヌクレオチドの発現をモニターし得る。
【0345】
発現ベクターは、発現により、発現ベクターを担持する宿主細胞の選択またはその他同定に有用である1以上の表現型形質を付与する1以上の選択可能マーカー遺伝子も含み得る。真核生物細胞のための適当な選択可能マーカーの非限定的例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼおよびネオマイシン耐性を含む。
【0346】
対象ベクターを、種々の確立された技術により宿主細胞に安定にまたは一過性に導入し得る。例えば、一つの方法は、発現ベクターがカルシウム沈殿を介して導入される、塩化カルシウム処理を含む。他の塩、例えばリン酸カルシウムも、類似する方法に従い使用し得る。さらに、エレクトロポレーション(すなわち、細胞の核酸透過性を増加させるための電流の適用)を使用し得る。形質転換方法の他の例は、マイクロインジェクション、DEAEデキストラン介在形質転換および酢酸リチウム存在下のヒートショックを含む。脂質複合体、リポソームおよびデンドリマーも、宿主細胞のトランスフェクトに使用し得る。
【0347】
他の態様において、本発明は、本発明の1以上の単離核酸分子または本発明の1以上のベクターを含む、細胞(例えば、宿主細胞などの単離細胞)を提供する。細胞は、本発明の抗原結合タンパク質を発現し得る。細胞は真核生物細胞でも原核生物細胞でもよい。適切な細胞を、本発明の核酸またはベクターで形質転換またはトランスフェクトし、抗原結合タンパク質の発現および/または分泌に使用し得る。例えば、細胞はHEK293細胞、他の細菌宿主細胞、酵母細胞または種々の高級真核生物細胞であり得る。
【0348】
他の態様において、本発明は、本発明の細胞を抗原結合タンパク質の発現を可能とする条件下で培養することを含む、本発明の抗原結合タンパク質を産生する方法を提供する。方法は、所望により本発明の抗原結合タンパク質を取得することをさらに含み得る。
【0349】
医薬組成物、使用および方法
他の態様において、本発明は、単離抗原結合タンパク質、1以上の核酸分子、1以上のベクターおよび/または細胞および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0350】
ここで使用する、「薬学的に許容される担体」は、任意かつ全ての防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含む。微生物の存在を、滅菌方法、上記および種々の抗細菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの包含により、確実に防止し得る。組成物に糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を包含することが望ましいこともあり得る。さらに、注射用医薬形態の長期吸収を、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤の包含によりもたらし得る。
【0351】
医薬組成物は、一般に無菌かつ製造および保存条件下で安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソームまたは高薬物濃度に適する他の秩序だった構造(other ordered structure)に製剤化され得る。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)および適当なそれらの混合物を含む、溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性を、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散体の場合必要な粒子径の維持によりおよび界面活性剤の使用により維持し得る。多くの場合、組成物に等張剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトールまたは塩化ナトリウムを包含させるのが好ましい。注射用組成物の長期吸収を、モノステアリン酸塩およびゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤の包含によりもたらし得る。
【0352】
ここに開示する医薬組成物は、癌の治療に使用する他の化合物、薬物および/または薬剤を含み得る。このような化合物、薬物および/または薬剤は、例えば、化学療法薬物、小分子薬物またはある癌に対する免疫応答を刺激する抗体を含み得る。ある場合、医薬組成物は、例えば、組み合わせ治療のセクションに挙げる薬剤の1以上を含み得る。例えば、組み合わせ治療は、少なくとも1個の他の抗癌剤および/またはT細胞刺激剤(例えば、活性化剤)と組み合わせた、ここに記載する抗CD73抗体を含む。組み合わせ治療に使用できる治療剤の例は、ここに記載する抗体の使用についてのセクションに、詳述する。
【0353】
単離抗原結合タンパク質および/または医薬組成物を、腫瘍の予防、軽減および/または治療に使用し得る。腫瘍は固形腫瘍および/または血液腫瘍である。
【0354】
他の態様において、本発明は、さらに、腫瘍の予防、軽減および/または治療を含む、腫瘍用の方法であって、それを必要とする対象に、対象が治療される、例えば、腫瘍増殖が阻止もしくは低減されるおよび/または腫瘍が退行するように、単離抗原結合タンパク質を投与することを含む、方法を提供する。単離抗原結合タンパク質を単独で癌腫瘍の増殖の阻害に使用し得る。あるいは、単離抗原結合タンパク質を、当分野で知られる他の薬剤、例えば、他の免疫原性剤、標準癌治療または他の抗体と組み合わせて使用し得る。従って、本発明は、対象における、例えば、腫瘍細胞増殖阻害による、腫瘍の予防、軽減および/または治療のための方法であって、対象に治療有効量のここに記載する抗原結合タンパク質またはその抗原結合部分を投与することを含む、方法を提供する。
【0355】
本発明はまた次の実施態様を開示する:
1. 次の性質の1以上を有する単離抗原結合タンパク質:
a. 同等な結合親和性でヒトCD73およびカニクイザルCD73両方に結合できる;
b. CD73の5’エクトヌクレオチダーゼ活性を阻害できる;
c. CD73内在化を媒介することができる;
d. T細胞増殖を促進できる;
e. 血清において、少なくとも15日間、比較的安定な濃度を有する;および
f. 腫瘍増殖および/または腫瘍細胞増殖を阻害できる。
2. 配列番号152の重鎖可変領域VHからの少なくとも1個のHCDR領域を含む、実施態様1の単離抗原結合タンパク質。
3. 配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR3を含む、実施態様1~2の何れかの単離抗原結合タンパク質。
4. 配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR2を含む、実施態様1~3の何れかの単離抗原結合タンパク質。
5. 配列番号152の重鎖可変領域VHからのHCDR1を含む、実施態様1~4の何れかの単離抗原結合タンパク質。
6. 該VHが配列番号96、104、105、106および107の何れかに示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~5の何れかの単離抗原結合タンパク質。
7. 配列番号151の軽鎖可変領域VLからの少なくとも1個のLCDR領域を含む、実施態様1~6の何れかの単離抗原結合タンパク質。
8. 配列番号151の軽鎖可変領域VLからのLCDR3を含む、実施態様1~7の何れかの単離抗原結合タンパク質。
9. 配列番号151の軽鎖可変領域VLからのLCDR2を含む、実施態様1~8の何れかの単離抗原結合タンパク質。
10. 配列番号151の軽鎖可変領域VLからのLCDR1を含む、実施態様1~9の何れかの単離抗原結合タンパク質。
11. 該VLが配列番号111および115の何れかに示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~10の何れかの単離抗原結合タンパク質。
12. 抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、実施態様1~11の何れかの単離抗原結合タンパク質。
13. 該抗原結合フラグメントが、Fab、Fab’、F(ab)2、Fvフラグメント、F(ab’)2、scFv、di-scFvおよび/またはdAbを含む、実施態様12の単離抗原結合タンパク質。
14. 該抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体から選択される、実施態様1~13の何れかの単離抗原結合タンパク質。
15. 該HCDR3が配列番号35、38および39の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様3~14の何れかの単離抗原結合タンパク質。
16. 該HCDR2が配列番号18、23および24の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様4~15の何れかの単離抗原結合タンパク質。
17. 軽鎖可変領域VLを含み、抗原結合タンパク質の該VLがフレームワーク領域L-FR1、L-FR2、L-FR3およびL-FR4を含む、実施態様1~16の何れかの単離抗原結合タンパク質。
18. 該L-FR1のC末端が該LCDR1のN末端に直接的または間接的に結合し、該L-FR1が配列番号163に示すアミノ酸配列を含む、実施態様17の単離抗原結合タンパク質。
19. 該L-FR1が配列番号48および51の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様17~18の何れかの単離抗原結合タンパク質。
20. 該L-FR2がLCDR1とLCDR2の間に位置し、該L-FR2が配列番号61に示すアミノ酸配列を含む、実施態様17~19の何れかの単離抗原結合タンパク質。
21. 該L-FR3がLCDR2とLCDR3の間に位置し、該L-FR3が配列番号72に示すアミノ酸配列を含む、実施態様17~20の何れかの単離抗原結合タンパク質。
22. 該L-FR4のN末端が該LCDR3のC末端に直接的または間接的に結合し、該L-FR4が配列番号90に示すアミノ酸配列を含む、実施態様17~21の何れかの単離抗原結合タンパク質。
23. 抗原結合タンパク質の該VLが配列番号151に示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~22の何れかの単離抗原結合タンパク質。
24. 抗原結合タンパク質の該VLが配列番号111および115の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~23の何れかの単離抗原結合タンパク質。
25. 抗体軽鎖定常領域を含み、該抗体軽鎖定常領域がヒトIgκ定常領域を含む、実施態様1~24の何れかの単離抗原結合タンパク質。
26. 該抗体軽鎖定常領域が配列番号166に示すアミノ酸配列を含む、実施態様25の単離抗原結合タンパク質。
27. 抗体軽鎖LCを含み、該LCが配列番号159に示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~26の何れかの単離抗原結合タンパク質。
28. 抗体軽鎖LCを含み、該LCが配列番号139および143の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~27の何れかの単離抗原結合タンパク質。
29. 重鎖可変領域VHを含み、ここで、抗原結合タンパク質の該VHがフレームワーク領域H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含む、実施態様1~28の何れかの単離抗原結合タンパク質。
30. H-FR1のC末端が該HCDR1のN末端に直接的または間接的に結合し、該H-FR1が配列番号2に示すアミノ酸配列を含む、実施態様29の単離抗原結合タンパク質。
31. 該H-FR2がHCDR1とHCDR2の間に位置し、該H-FR2が配列番号12に示すアミノ酸配列を含む、実施態様29~30の何れかの単離抗原結合タンパク質。
32. 該H-FR3がHCDR2とHCDR3の間に位置し、該H-FR3が配列番号28に示すアミノ酸配列を含む、実施態様29~31の何れかの単離抗原結合タンパク質。
33. H-FR4のN末端が該HCDR3のC末端に直接的または間接的に結合し、該H-FR4が配列番号43に示すアミノ酸配列を含む、実施態様29~32の何れかの単離抗原結合タンパク質。
34. 抗原結合タンパク質の該VHが配列番号152に示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~33の何れかの単離抗原結合タンパク質。
35. 抗原結合タンパク質の該VHが配列番号96、104、105、106および107の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~34の何れかの単離抗原結合タンパク質。
36. 抗体重鎖定常領域を含み、該抗体重鎖定常領域がヒトIgG定常領域を含む、実施態様1~35の何れかの単離抗原結合タンパク質。
37. 抗体重鎖定常領域を含み、該抗体重鎖定常領域がヒトIgG1定常領域を含む、実施態様1~36の何れかの単離抗原結合タンパク質。
38. 該抗体重鎖定常領域が配列番号167に示すアミノ酸配列を含む、実施態様37の単離抗原結合タンパク質。
39. 抗体重鎖HCを含み、該HCが配列番号162に示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~38の何れかの単離抗原結合タンパク質。
40. 抗体重鎖HCを含み、該HCが配列番号124、132、133、134および135の何れか一つに示すアミノ酸配列を含む、実施態様1~39の何れかの単離抗原結合タンパク質。
41. 実施態様1~40の何れかの該単離抗原結合タンパク質をコードする、1以上の単離核酸分子。
42. 実施態様41の該1以上の単離核酸分子を含む、1以上のベクター。
43. 実施態様41の該1以上の単離核酸分子または実施態様42の該1以上のベクターを含む、細胞。
44. 実施態様1~40の何れかの単離抗原結合タンパク質を産生する方法であって、実施態様43の細胞を実施態様1~40の何れかの単離抗原結合タンパク質の発現を可能とする条件下で培養することを含む、方法。
45. 実施態様1~40の何れかの単離抗原結合タンパク質、実施態様41の1以上の核酸分子、実施態様42の1以上のベクターおよび/または実施態様43の細胞および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
46. 腫瘍の予防、軽減および/または治療のための医薬の製造における、実施態様1~40の何れかの該単離抗原結合タンパク質、実施態様41の該1以上の核酸分子、実施態様42の該1以上のベクター、実施態様43の該細胞および/または実施態様45の該医薬組成物の使用。
47. 該腫瘍が、固形腫瘍および/または血液腫瘍を含む、実施態様46の使用。
48. 腫瘍の予防、軽減および/または治療のための方法であって、それを必要とする対象に実施態様1~40の何れかの単離抗原結合タンパク質を投与することを含む、方法。
【0356】
実施例
【0357】
次の実施例は、本発明をどのように行いかつ使用するかの完全な開示および記載を当業者に提供するために示し、本願発明者らが発明とみなしている範囲を限定する意図も、下記実験が実施した全てまたは唯一の実験を表すことを意図するものでもない。使用する数値(例えば量、温度など)に関しては正確を期すよう努力しているが、ある程度の実験誤差および偏差は考慮されるべきである。特に断らない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧近傍である。標準的略語例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル;sまたはsec、秒;min、分;hまたはhr、時間;aa、アミノ酸;nt、ヌクレオチド;i.m.、筋肉内;i.p.、腹腔内;s.c.、皮下;などを使用できる。
【0358】
実施例1 抗CD73抗体の産生
免疫化
CD73タンパク質を、Harbour H2L2マウスを使用して、免疫化における抗CD73抗体を産生するための免疫原として使用した。各マウスに、初回ブーストとしてタンパク質50μgおよびその後のブーストについては25μgを、アジュバント(Sigma, S6322)と共にs.c.およびi.p.で投与した。このような免疫化を、週に2回、6回実施した。最終免疫化をPBSで希釈した免疫原で、i.p.により実施した。血清力価を、ELISAおよびFACSを使用してヒトCD73で検定した。指定された時点で、マウス血清をサンプリングし、CD73またはCD73安定発現細胞株に対する結合を試験するためにELISAおよびFACS分析で力価測定した。良好な血清力価がタンパク質免疫化コホートで観察された。
【0359】
ハイブリドーマ
【0360】
免疫化マウスから単離したマウス脾臓細胞を、細胞融合ジェネレーター(BEX-LF301)を使用する電場ベースのエレクトロポレーターでマウス骨髄腫細胞株SP2/0(ATCC, CRL-1581)と融合させ、ハイブリドーマを得た。通常融合9~14日後、個々のウェルをヒト抗CD73抗体についてスクリーニングした。ハイブリドーマサブクローニング後、CD73に対する良好な結合活性を示す単一クローン38H6を、シーケンシングのために選択した。重鎖可変領域および軽鎖可変領域を同定し、取得した。次いで、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を合成し、それぞれヒトIgG1定常領域をコードするプラスミドおよびヒトIgκ領域をコードするプラスミドにクローン化した。
【0361】
実施例2 抗体産生および精製
標的抗体をコードする組み換えプラスミドを、PEI(Polyscience, 24885)を使用して、HEK293-6Eまたは293-F細胞培養物に一過性に共トランスフェクトした。30μgのプラスミドを混合し、120μLのPEIと室温で15分間インキュベートした。次に、混合物をOpti-MEMに1×10細胞/mLで懸濁した30mLの293細胞に滴下した。トランスフェクション後、細胞を、37℃で5%COおよび120rpmで振盪しながらインキュベートした。6~7日目に採取した細胞培養上清を精製に使用した。
【0362】
標的抗体含有上清を、トランスフェクション6~7日後、遠心分離および濾過により採取した。モノクローナル抗体を、固定rProtein A(GE, 17-1279-02)カラム(Bio-Rad, 7311550)を通して精製した。プロテインAカラムを、0.2mLのrProtein A樹脂を1カラムに充填し、次いで10カラム体積のddHOおよび10カラム体積のPBSで洗浄することにより調製した。細胞培養上清をカラムに載せ、続いて10カラム体積のPBSで洗浄した。次いで、タンパク質を8カラム体積の溶出緩衝液(Thermo, 21004)で溶出し、溶出直後、640μLの中和緩衝液(1M Tris-HCl、pH9.0;Teknova, T1090)と混合した。緩衝液を、3800rpmで4℃の遠心分離(Eppendorf, 5810R)により、濃縮器(Millipore, UFC903024)中、DPBSで500倍を超える交換により交換し、最後に適切な体積に濃縮した。精製抗LAG3抗体の濃度を、280nm(NanoDrop)のUV吸光度により決定した。抗体純度をSEC-HPLCおよびSDS-PAGEにより試験した。1個の組み換え抗体PR000506は、完全に発現され、特徴づけのための精製に成功した。
【0363】
実施例3 抗体工学
【0364】
抗CD73抗体PR000506のVHおよびVL配列を、生殖系列化およびPTM除去過程によりさらに最適化した。
【0365】
生殖系列化方法において、抗体VHまたはVL配列をまず例えばNCBI/Ig-BLASTなどのアルゴリズムにより最も近いヒト生殖系列配列と整列させ、該生殖系列配列と異なる残基を有するフレームワーク領域のn位を、生殖系列配列の対応残基で置き換えた。生殖系列化後の配列バリアントからなる抗体を、次いで、十分に確立された分子生物学技術による組み換えにより産生した。
【0366】
翻訳後修飾(PTM)は、哺乳動物細胞で発現されるタンパク質で広範に観察される。抗体における保存PTM部位、例えばIgG1抗体CH2ドメインの保存N-グリコシル化部位以外、抗体抗原結合部位(すなわちCDR領域)内で生ずる他のPTM部位は抗原結合活性を低減または化学的安定性を低減し得る。例えば、脱アミド化または異性化は、分子を不安定かつ不均一とし得る。配列ライアビリティを低減するために、PTMモチーフを変異により除去し得る。VHまたはVL配列を、PTMモチーフ、例えば、異性化モチーフ(例えばDG)の存在についてスキャンした。次いで、「ホットスポット」残基(例えば、DGモチーフのDまたはG)を生殖系列配列の対応残基または類似する生物物理学的性質を有する他の残基に変異させた。PTM除去後の配列バリアントからなる抗体を、次いで、十分に確立された分子生物学技術による組み換えにより産生した。
【0367】
PR000506、PR000497およびPR001408の配列分析を表2に示した。生殖系列化およびPTM除去によるPR000506からの設計されたバリアントを表3に示した。抗CD73抗体のアミノ酸配列は表4に示し、ここで、PR000815~PR000820、PR000822、PR000824、PR000825およびPR003832~PR003836は、PR000497から誘導体化したPTM除去抗体であった。PR002078はTab1、PR000752はTab2およびPR000690はTab3である。
【表2】

【表3】

【表4】
【0368】
実施例4 抗CD73抗体のCD73への結合
抗体の安定発現細胞株で発現されているhCD73およびcynoCD73への結合を、フローサイトメトリーにより特徴づけした。細胞を種々の濃度の抗体(最高濃度は50nM、8点、3倍希釈)と1時間、4℃でインキュベートした。PBSで2回洗浄し、次いで二次抗体ヤギ抗ヒト(H+L)(Thermo fisher, A11013)を加え、30分間、4℃でインキュベートした。そして蛍光強度をFACSMachine(BD FACS CantoII)で読んだ。中央蛍光強度のプロットと結合EC50を適合させ、GraphPad Prism 5により計算した。結果を図1~5および表5~8に示す。
【0369】
図1および図3は、抗CD73抗体のCHO-K1-ヒトCD73安定発現細胞株への結合活性を示す。表5および表6は、CHO-K1-hCD73安定発現細胞株へのPTM除去抗体EC50を示す。表7はPTM除去抗体EC50対PR000506 EC50比を示す。図2は抗CD73抗体のHEK293-cynoCD73安定発現細胞株への結合活性を示す。表8はHEK293-cynoCD73安定発現細胞株に対するPTM除去抗体EC50を示す。図4および図5は抗CD73抗体のCHO-K1-ヒトCD73安定発現細胞株に対する結合活性を示す。結果は、抗体全てが細胞ベースのCD73と同等な親和性を有することを示す。
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】
【0370】
実施例5 抗CD73抗体による5’エクトヌクレオチダーゼ阻害
5.1 抗CD73抗体による細胞ベースのCD73酵素活性の阻害
抗CD73抗体の機能的活性を、CHO-K1-hCD73安定発現細胞株におけるアデノシンへのCD73触媒AMP加水分解の阻害を測定するインビトロアッセイで決定した。細胞をトリプシン-EDTAで消化し、次いで1000rpmで5分間遠心分離し、細胞を無血清F12K培地に懸濁し、細胞を細胞カウンター(Thermofisher, CountessTM II Automated Cell Counter)で計数し、次いで5000細胞/100μlで96ウェルフラットプレート(corning, 3599)に播種し、4倍希釈抗体(8点、無血清培地により1/5希釈)をプレートに加え、30分間、37℃でインキュベートした。次いで、50μl 4×AMP(200μM)をプレートに加え、次いで1時間、37℃でインキュベートした。プレートを1500rpmで3分間遠心分離し、次いで50μl 培養上清を黒色96ウェルプレート(PerkinElmer, 6005225)に加え、2×ATP(65μM)を次いで加えた。Cell Titer-Glo(PROMEGA, G7573)を、製造者の指示に従い、100μl/ウェル添加した。そして発光をPE Enspireワークステーションにより記録した。遮断活性を、下式を用いて計算した。
【数1】
註:最大発光ウェルは、細胞存在下、AMP、ATPを添加した。最小発光ウェルは細胞非存在下AMP、ATPを添加した。
【0371】
グラフおよびEC50をGraphPad Prismで分析した。結果を図6に示す。図6A~6Bは、抗CD73抗体によるCHO-K1のCD73酵素活性の阻害を示す。表9および表10は、CHO-K1安定発現細胞株に対する抗CD73抗体EC50を示す。全抗体が細胞ベースのCD73の酵素活性を遮断する能力を有することが見られ得る。そしてPR000506の遮断活性はTab1より良好である。
【表9】

【表10】
【0372】
5.2 抗CD73抗体によるsCD73酵素活性の阻害
マラカイトグリーンアッセイを使用する可溶性組み換えCD73活性測定のために、12.5μlの1nM組み換えCD73および12.5μlの1nM抗体何れかを384ウェルプレート(Corning, 3799)に加え、アッセイ緩衝液(25mM Tris pH7.5、5mM MgCl、0.005%Tween-20)で1時間、室温でインキュベートした。25μlのAMP(最高濃度200μM、アッセイ緩衝液中8点1/2希釈)を加え、サンプルを15分間、室温でインキュベートした。無機リン酸の濃度を、製造者の指示に従いマラカイトグリーンアッセイを使用して決定した。そして光学密度値をPE Envisionワークステーションで620nmで記録した。グラフをGraphPad Prismにより分析した。結果を図7および図8に示した。全抗体が可溶性CD73の酵素活性を遮断し、かつCD73がAMPをアデノシンに脱リン酸化を阻害する能力を見ることができる。
【0373】
実施例6 抗CD73抗体によるCD73の内在化
6.1 フローサイトメトリーによる抗体介在CD73内在化アッセイ
NCI-H292細胞を、50nM抗体または陰性対照アイソタイプIgG1存在下で37℃で4時間または30分間インキュベートした。PBSによりプレートを2回洗浄し、次いで抗体50nMの100μlをアイソタイプ対照ウェルに加え、プレートを4℃で1時間インキュベートし、PBSによりプレートを2回洗浄し、洗浄緩衝液を吸引し、ウェルあたり二次抗体ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(Thermofisher, A-21445)を有する100μlのFACS緩衝液を添加し、30分間、4℃でインキュベートした。PBSによりプレートを2回洗浄し、細胞を100μl PBSに懸濁し、そして中央蛍光強度をFACSMachine(BD FACS CantoII)により読み取り、表面残存%を下式により計算した。
表面残存%=[抗体4時間/(アイソタイプ4時間+抗体)]×100
【0374】
結果を図9Aおよび図11に示した。本発明の抗体は、4時間後CD73内在化を介在できる。
【0375】
6.2 内在化キットによる抗体介在CD73内在化アッセイ
細胞CHO-K1-hCD73をトリプシン-EDTAで消化し、次いで1000rpmで5分間遠心分離し、細胞を10%FBS含有F12K培地に再懸濁した。細胞カウンター(Thermofisher, CountessTM II Automated Cell Counter)を使用して細胞をカウントし、次いで96ウェル平黒色透明底TCプレート(PerkinElmer, 6005225)に90μlあたり5000細胞で播種した。一夜、37℃、5%COインキュベーターでインキュベートした。10倍希釈抗体(最高濃度10nM、6点、完全F12K培地により1/5希釈)をプレートに加え、50μg/ml(50×)濃度でHu-zap緩衝液を調製した。2μlをウェルに加え、最終濃度は1μg/mlである。3日間、37℃、5%COインキュベーターでインキュベートした。Cell Titer-Glo(PROMEGA, G7573)を製造者の指示に従い100μl/ウェルで加えた。そして発光をPE Enspireワークステーションにより記録した。結果をCD73内在化%により計算した。註:対照ウェルは細胞のみ播種した。グラフをGraphPad Prismにより分析した。
【0376】
結果を図9Bおよび図10に示す。本発明の抗体は、3日後CD73内在化を媒介することができる。
【0377】
実施例7 抗体はCD4+T細胞増殖アッセイのAMP介在抑制を阻害した
7.1 新鮮ヒトPBMCから単離したCD4+T細胞
PBMCを、予め冷却したPBSで2回、10分間、4℃で300×gの遠心分離により洗浄した。上清を廃棄し、細胞を20mlの予め冷却したPBSに懸濁した。生存可能細胞を決定し、次いで300×gで7分間ペレット化した。上清を完全に吸引した。製造者のプロトコール(Miltenyi, 130-045-101)を使用して、CD4+T細胞を単離した。
【0378】
7.2 CFSE標識
CellTraceTM原液(Invitrogen, C34554)を、CellTraceTM試薬(成分A)の1バイアルに適切な体積のDMSO(成分B)を加え、十分混合することにより使用直前調製し、よく混合し、CellTraceTM DMSO原液(5mM)を予め温めた(37℃)リン酸緩衝化食塩水(PBS)または他の無タンパク質緩衝液で1μM(5000倍)に希釈し、細胞を製造者の指示に従い、標識した。
【0379】
7.3 T細胞活性化および拡大
各ドナーからの細胞を、温かい完全培養培地で2回洗浄し、2×10細胞/mLで懸濁し、DynabeadsヒトTアクティベーターCD3/CD28(life, 11131D)を1×10/mlで懸濁し、細胞懸濁液とDynabeadsを1:1混合した。細胞とビーズの混合物を100μl/ウェルで96ウェル平底プレートに加えた。
【0380】
7.4 4×抗体添加
4×抗体50μl、抗体濃度:6点(最高濃度は20nM、RPMI1640完全培地で6点1/10希釈)を添加。プレートを30分間、37℃、5%COでインキュベートした。
【0381】
7.5 4×AMP添加
4×AMP(Sigma)50μL(最終濃度は650μMまたは800μMである)を加え、プレートを96時間、37℃、5%COでインキュベートした。
【0382】
7.6 FACS分析
細胞を、350gで5分間遠心分離によりペレット化し、200μl PBSで1回洗浄し、最後にBD FACS Canto IIでのフローサイトメトリー分析のために200μl PBSに懸濁した。AMP不含CFSE CD4+T細胞(ビーズのみ)ウェルを使用して、細胞分裂をしている細胞を同定した。
【0383】
結果を図12および図13に示す。抗体は、CD4+T細胞増殖のAMP介在抑制を阻害できる。そして効果は用量依存的である。
【0384】
実施例8 PK分析
8.1 プレートコーティング
抗原CD73を、PBSで5μg/mLに希釈した。50μL/ウェルでELISAプレートに添加した。プレートを密封し、一夜、4℃でインキュベートした。プレートを3回300μlの洗浄緩衝液で洗浄した。200μl/ウェルのアッセイ希釈剤を加え、室温で1~3時間インキュベートした。プレートを3回300μlの洗浄緩衝液で洗浄した。
【0385】
8.2 標品、QC、試験サンプルの調製およびサンプルインキュベーション
標品:5%貯留マウス血清で2倍連続希釈を行った。50~0.391ng/mL範囲の8標品とした。0.391ng/mL標品が基準点であった。QC調製:2セットのQCを、5%貯留マウス血清で調製した。HQC(40ng/mL)、MQC(10ng/mL)およびLQC(2ng/mL)。サンプル調製:全血清サンプルをまずアッセイ希釈剤で20倍希釈した。5%貯留マウス血清でさらに希釈した。50μLの標品、QCおよびサンプルをELISAプレートに加えた。プレートを密封し、37℃で約1時間インキュベートした。
【0386】
8.3 検出試薬反応
プレートを3回300μlの洗浄緩衝液で洗浄。HRPコンジュゲート検出抗体作業溶液調製:抗体溶液をアッセイ希釈剤で1:5000希釈。100μl/ウェルの検出抗体作業溶液をアッセイプレートに添加。プレートを密封し、37℃で30分間インキュベートした。
【0387】
8.4 基質反応およびプレート読み込み
プレートを3回300μlの洗浄緩衝液で洗浄。TMB作業溶液調製:使用前30分間、基質を室温にした。等体積の基質Aと基質Bを混合。100μl/ウェルの前混合TMB基質を加え、室温で約6分間インキュベート。100μL/ウェルのELISA停止溶液を添加。プレートを混合し、SpectraMax M2を使用して450/630nm波長で読む。Soft Max Pro GxPを使用して、データ処理。標準曲線を4-PLモデルを使用して1/yの荷重因子を用いて、フィッティングした。
【0388】
図14Aおよび表11は、雌C57BL/6マウス(N=6/時間点)に5mg/kgのPR000506をIV後の個々の濃度-時間プロファイルを示す。図14Bおよび表12は、雌C57BL/6マウス(N=3/時間点)に10mg/kgのPR000846をIV投与後の個々の濃度-時間プロファイルを示す。血清中のPR000506t1/2は17.4日であり、PR000846は18.1日である。図14Cおよび表13は、雌C57BL/6マウス(N=6/時間点)に5mg/kgのPR000497をIV投与後の個々の血清濃度-時間プロファイルを示す。
【表11】

【表12】

【表13】
【0389】
実施例9 インビボ腫瘍阻害
NCGマウスに、0日目にNCI-H292細胞およびPBMCをs.c.接種し、腫瘍モデルを得た。腫瘍担持マウスを数群に分けた:群アイソタイプ対照、群tab1;群PR000506、群Tab3、群PR000846および群PR000497。各群で、マウスを対応する化合物で、10mpkで週2回、3週間治療した。腫瘍体積および体重を選択した時間に測定した。
【0390】
結果を図15および16に示した。抗CD73抗体が腫瘍増殖の阻害効果を有することが示された。
【0391】
実施例10 PR000846によるCD73のエピトープの決定
本実施例において、抗CD73抗体PR000846と結合するCD73のエピトープを、水素・重水素交換質量分析(HDX-MS)により決定し、エピトープの重要なアミノ酸をCD73タンパク質のアラニン変異により確認した。
【0392】
水素・重水素交換質量分析(HDX-MS)
HDX-MS実験を、先に記載されたとおり、Genechemにより実施した(Park IH, et al., J . Chem. Inf.Model.; 55(9): 1914-1925 (2015); Chalmers MJ, et al., Anal. Chem.; 78(4): 1005-14 (2006))。抗体抗原複合体を、4℃で一夜インキュベーションにより調製し、1:1モル比で使用した。
【0393】
室温オン交換実験を、2μIの0.5mg/ml rhCD73タンパク質(Novoprotein, C446)または2μIのモル等量のCD73-mAb複合体を36μlのDO緩衝液に手で加えることにより実施した。サンプルを30秒、120秒、600秒、1800秒、7200秒の室温でのイン交換後、40μl氷冷保存停止緩衝液(4Mグアニジン塩酸塩(Sangon Biotech, A510243-0500)、0.5M TECP(Aladdin, T107252、0.2M リン酸、pH2.5、0℃)を加えて停止させた。クロマトグラフィー系のプレカラムにサンプルを充填し、オンラインペプシン消化した。マススペクトルを得て、ペプチドを同定した。ペプチド同定を、生データをProteomeDiscoverer2.1を使用して.mgfに変換し、重水素化の定量のために結果をHDExaminerにインポートした。
図17~20は、遊離対結合状態で異なる水素交換を受ける、CD73およびPR000846の領域を示す、水素重水素交換MS(HDX-MS)分析の結果を示す。
【0394】
図17:各データ点は、CD73+PR000846複合体(y軸の正の値)とCD73単独(y軸の負の値)の間の重水素取り込みの差異を示す。縦棒は暴露時間-点にわたる取り込み差異の合計を示す。水平軸は、N末端からC末端方向(左から右)の分析ペプチドに対応する。遊離および複合体化CD73の交換の反応速度の比較は、PR000846と結合したとき、重水素取り込み減少を示す、sCD73のN末端ドメイン内に位置する3つの領域を明らかにした(領域1:aa115~164;領域2:aa168~191;領域3:aa222~254)。
【0395】
図18~20は、領域1、2、3を包含するペプチド内の重水素暴露時間の関数としての相対的重水素取り込み(ダルトンでの質量変化)を表わすプロットを記載する。ペプチド配列、位置および質量をプロットボックス内に示す。水素交換における交換を表し、エピトープを形成するであろうことが予測される配列を含む領域を絞るために、重複ペプチドにおける相対的質量交換を深くした。例えば、領域2において、位置168~186に及ぶペプチドは、差示的交換を示すが、168~181に及ぶペプチドに差はなかった。故に、182の上流の残基は差示的に標識されなかったと判断された。次いで、これら3領域を、PR000846に結合したとき重水素取り込みの減少を示すアミノ酸(aa)132~146(YLPYKVGDEVVG)および182~189(KTLNVNKI)および240~254(IVTSDDGRKVPVVQA)に絞った。
【0396】
実施例11 CD73のアラニン変異体
エピトープのより精密な、残基レベルマッピングを得るために、アラニンスキャニングをCD73のこれら3領域に適用した。これら3領域にアラニン変異体CD73をコードするプラスミドを構築し、これらのプラスミドをHEK293細胞にトランスフェクトし、発現させた。次いで、次のとおりエピトープの重要なアミノ酸を同定するためにELISAを使用。0.5μg/ml抗his抗体(TransGen, HT501-02)を加え、3%ミルクPBSで2時間、37℃で遮断し、CD73変異体の100μl上清を加え、30分間、37℃でインキュベートして、CD73変異体上清の結合を3回繰り返すことにより飽和;次いで、連続希釈PR000846(出発濃度は100nMである)を37℃で1時間添加;0.5%遮断緩衝液による抗CD73抗体1:5000を添加し、次いで37℃で1時間インキュベート;PBST(0.05%Tween 20)で3回洗浄、100μl TMB(KPL)添加、約5分間、室でインキュベート、次いで50μl停止溶液添加。各ウェルの吸光度(450nmの光学密度)をプレートリーダーで読んだ。
【0397】
図21および22:ELISA結合データは、領域1のK136、V137、L138、D142、E143、V144および領域2のK180、V186、N187、K188および領域3またはその周辺のY223、P238、I240が、PR000846へのCD73結合の一次エピトープ残基であることを明らかにする。そして領域1におけるV137、D142は重要なエピトープ残基である。MEDI9447(TAB1)へのCD73結合に重要なエピトープ残基であるN185は、PR000846へのCD73結合のためのエピトープ残基ではない。
【0398】
本発明の好ましい実施態様がここに示され、記載されているが、このような実施態様は単なる例として提供されることは当業者には明らかである。本発明は、本明細書に提供される具体例により限定されることを意図されていない。本発明は上記明細書と関連させて記載されているが、ここでの実施態様の記載および説明は、限定的意味で解釈されることを意図されていない。本発明から逸脱することなく、多くの変動、変化および置換が当業者にはわかり得る。さらに、本発明の全態様は、ここに記載する特定の表現、配置または相対的比率に限定されず、種々の条件および変化に依存することが理解されるべきである。ここに記載する本発明の実施態様の種々の改変が、本発明の実施に際して、用いられ得る。従って、本発明は、あらゆるこのような改変、修飾、変動または均等物を包含することが意図される。次の特許請求の範囲は本発明を規定し、これら特許請求の範囲およびその均等物の範囲内の方法および構造はそれによりカバーされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14-1】
図14-2】
図15
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【配列表】
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