(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】腕力器
(51)【国際特許分類】
A63B 23/12 20060101AFI20240412BHJP
A63B 21/05 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
A63B23/12
A63B21/05
(21)【出願番号】P 2023076989
(22)【出願日】2023-05-09
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0059352
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521463034
【氏名又は名称】ジーディー アイエヌディー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GD IND Corp.
【住所又は居所原語表記】205, 105, 33, Gajeong-ro 37beon-gil, Seo-gu, Incheon, 22839, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安泰振
【審査官】野田 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-070826(JP,A)
【文献】登録実用新案第3000735(JP,U)
【文献】登録実用新案第3189179(JP,U)
【文献】特開2019-167693(JP,A)
【文献】特開2015-147542(JP,A)
【文献】特開2020-199872(JP,A)
【文献】特開平07-259433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと、前記ヘッドにそれぞれの上端部が回転軸によって結合され、互いに接近したり、互いに離隔するように動作する2つの作動アームと、下端は、一側作動アームに回転可能に結合され、上端は、他側作動アームの上側部に結合される方式で前記2つの作動アームの間に結合される少なくとも1つのガススプリングと、を含む腕力器として、
前記ガススプリングの前記上端が結合する前記作動アームの上側部には、前記ガススプリングの前記下端を中心に円弧状に延長される移動ホールが形成され、
前記ガススプリングの前記上端を前記移動ホールに沿って移動可能に支持するスライダーを含み、
前記スライダーは、前記移動ホール内でかみ合い、前記ガススプリングの前記上端を調節された位置で固定するストッパを含
み、
前記移動ホールには、長手方向の内側面に沿って結合歯が形成され、
前記スライダーの前記ストッパは、前記結合歯にかみ合うかみ合い歯を備え、
前記ストッパは、前記かみ合い歯が前記結合歯と結合されて前記スライダーを調節された位置で固定するかみ合いの位置と前記かみ合い歯が前記結合歯から離脱して前記スライダーの移動を許容する解除位置との間に移動可能に形成されることを特徴とする腕力器。
【請求項2】
前記2つの作動アームのそれぞれの上端部の外周面には、歯形部が形成されることによって、前記2つの作動アームは、前記歯形部が互いにかみ合って回転するように前記ヘッドに結合されることを特徴とする請求項1に記載の腕力器。
【請求項3】
前記ガススプリングは、2つのガススプリングを含み、
前記2つのガススプリングは、前記2つの作動アームの前後面に互い違いに配置されることを特徴とする請求項1に記載の腕力器。
【請求項4】
前記スライダーは、
前記移動ホールを挟んで前記作動アームの両側表面に配置され、互いに結合する第1ボディと第2ボディを含み、前記ガススプリングの前記上端の結合軸が結合されるスライダーボディを含み、
前記ストッパは、前記第1および第2ボディの間に移動可能に支持される軸形状を有し、前記ストッパの外周面には、前記かみ合い歯が突出して形成され、前記ストッパが前記移動ホールと交差する軸方向に移動することにより、前記かみ合い歯は、前記かみ合いの位置で前記移動ホール内に配置されるか、または移動ホールから離脱して前記解除位置で配置可能であることを特徴とする請求
項1に記載の腕力器。
【請求項5】
前記ストッパの前記かみ合い歯が前記移動ホール内で前記結合歯とかみ合うかみ合いの位置を維持するように、前記ストッパをかみ合いの位置方向に加圧するサポートスプリングを含むことを特徴とする請求
項4に記載の腕力器。
【請求項6】
前記第1ボディの内側面には、前記ストッパの前記かみ合い歯を収容して前記解除位置を形成する収容溝が形成され、
前記ストッパが押されるとき、前記ストッパが前記サポートスプリングを圧縮させながら軸方向に移動し、前記かみ合い歯が前記収容溝に収容されることを特徴とする請求
項5に記載の腕力器。
【請求項7】
前記ストッパは、前記第2ボディの外側に延長され、上端にフランジが形成され、前記サポートスプリングは、前記フランジと前記第2ボディとの間に介在することを特徴とする請求
項5に記載の腕力器。
【請求項8】
前記スライダーボディは、前記移動ホール内に配置され、前記移動ホールの前記結合歯と対向する側面に滑らかな表面を有する移動ガイドを含むことを特徴とする請求
項4に記載の腕力器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕力器に関するものであって、より具体的には、一対の作動アームとガススプリングを含み、ガススプリングによって提供される弾性力の強度が調節される腕力器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、腕力器は、腕、肩などの筋力を鍛えるために使用される運動器具であって、スプリングが設けられたヘッドと、スプリングと作動的に連結された一対の作動アームと、を含む。
【0003】
腕力器は、使用者が両手で左右の作動アームをそれぞれ握った後、両側の作動アームが互いに接近するように力を加えて腕、肩などに筋力が付与されるようにし、力を抜いて作動アームを元の離隔位置に復帰させながら、腕、肩などの筋力を弛緩させる動作を繰り返しながら運動が行われる。
【0004】
ところが、従来の腕力器は、使用者が自分の筋力に合わせて強度を簡単に調節できないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ガススプリングによって提供される弾性力の強度が調節されることによって、使用者が自分の筋力に合わせて強度を調節して筋力を鍛えるための腕力器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本発明による腕力器は、ヘッドと、前記ヘッドにそれぞれの上端部が回転軸によって結合され、互いに接近したり、互いに離隔するように動作する2つの作動アームと、下端は、一側作動アームに回転可能に結合され、上端は、他側作動アームの上側部に結合される方式で前記2つの作動アームの間に結合される少なくとも1つのガススプリングと、を含む腕力器として、前記ガススプリングの前記上端が結合する前記作動アームの上側部には、前記ガススプリングの前記下端を中心に円弧状に延長される移動ホールが形成され、前記ガススプリングの前記上端を前記移動ホールに沿って移動可能に支持するスライダーを含み、前記スライダーは、前記移動ホール内でかみ合い、前記ガススプリングの前記上端を調節された位置で固定するストッパを含む。
【0007】
本発明の実施形態によると、前記移動ホールの長手方向の内側面は、結合歯が形成され、前記スライダーの前記ストッパは、前記結合歯にかみ合うかみ合い歯を備え、前記ストッパは、前記かみ合い歯と前記結合歯と結合されて前記スライダーを調節された位置に固定するかみ合いの位置と前記かみ合い歯が前記結合歯から離脱して前記スライダーの移動を許容する解除位置との間に移動可能に提供される。
【0008】
本発明の実施形態によると、前記2つの作動アームのそれぞれの上端部の外周面に歯形部が形成されることによって、前記2つの作動アームは、前記歯形部が互いにかみ合って回転するように前記ヘッドに結合される。
【0009】
本発明の実施形態によると、前記ガススプリングは、2つのガススプリングを含み、前記2つのガススプリングは、前記2つの作動アームの前後面に互い違いに配置される。
【0010】
本発明の実施形態によると、前記スライダーは、前記移動ホールを挟んで前記作動アームの両側表面に配置され、互いに結合される第1ボディと第2ボディを含み、前記ガススプリングの前記上端の結合軸が結合されるスライダーボディを含み、前記ストッパは、前記第1および第2ボディの間に移動可能に支持され、軸形状を有し、前記ストッパの軸方向の中間部には、前記かみ合い歯が突出して形成され、前記ストッパが前記移動ホールと交差する軸方向に移動することにより、前記かみ合い歯は、前記かみ合いの位置で前記移動ホール内に配置されるか、または前記移動ホールの外側に離脱して前記解除位置で配置され得る。
【0011】
本発明の実施形態によると、前記ストッパの前記かみ合い歯が前記移動ホール内で前記結合歯とかみ合うかみ合いの位置を維持するように、前記ストッパをかみ合いの位置方向に加圧するサポートスプリングを含む。
【0012】
本発明の実施形態によると、前記第1ボディの内側面には、前記ストッパの前記かみ合い歯を収容して前記解除位置を形成する収容溝が形成され、前記ストッパが押されるとき、前記ストッパが前記サポートスプリングを圧縮させながら軸方向に移動し、前記かみ合い歯が前記収容溝に収容される。
【0013】
本発明の実施形態によると、前記ストッパは、前記第2ボディの外側に延長され、上端にフランジが形成され、前記サポートスプリングは、前記フランジと前記第2ボディとの間に介在する。
【0014】
本発明の実施形態によると、前記スライダーボディは、前記移動ホール内に配置され、前記移動ホールの前記結合歯と対向する側面に滑らかな表面を有する移動ガイドを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、腕力器においてガススプリングによって提供される弾性力の強度を容易に調節できる。
【0016】
本発明に係る腕力器によると、スライダーに備えられたストッパをかみ合いの位置で解除位置に移動させる動作により、作動アームに対するガススプリングの上端固定を簡単に解除し、前記上端の位置を容易に調節できる。これにより、ガススプリングによって提供される弾性力の強度を容易に調節できる。
【0017】
本発明によると、比較的単純化した構成でガススプリングの上端の位置を調節でき、調節された位置での固定力を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による腕力器の全体的な形態を示す図である。
【
図2】本発明による腕力器の部分断面図としてヘッドと作動アームとの結合関係を示す図である。
【
図3】本発明による腕力器におけるスライダーの部品および結合状態を示す図である。
【
図4】本発明による腕力器におけるスライダーの部品および結合状態を示す図である。
【
図5】スライダーにおけるストッパがかみ合いの位置にある状態を説明するための部分切欠断面図である。
【
図6】スライダーにおけるストッパが解除位置に移動した状態を説明するための部分切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有し得、実施形態を本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態について限定するものではなく、本発明の思想および技術の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素について使用した。
【0020】
前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り複数の表現を含む。
【0021】
図1は、本発明による腕力器の全体的な形態を示す図である。
図2は、本発明による腕力器における部分断面図としてヘッドと作動アームとの結合関係を示す図である。
【0022】
図1および
図2を参照すると、本発明による腕力器10は、ヘッド100と、2つの作動アーム200と、2つの作動アーム200の間に互い違いに配置されるガススプリング300と、作動アーム200とガススプリング300の上端320との結合位置を調節可能にするスライダー400と、を含む。
【0023】
ヘッド100は、腕力器の上部中央に位置し、2つの作動アーム200が回転軸110によって回転可能にそれぞれ結合される。ヘッド100は、前面板101および背面板102を含み、前面板101と背面板102との間の設置空間に作動アーム200の上端部が結合される。
【0024】
2つの作動アーム200は、ヘッド100の中心線に対して互いに対称的に配置されて互いに接近および離隔する動作を行う一側作動アーム201および他側作動アーム202からなる。本明細書において、図面符号200は、作動アームを代表的に指し、図面符号201および202は、2つの作動アームを互いに区別する必要がある場合に使用する。
【0025】
ガススプリング300は、2つの作動アーム200の間に互い違いに配置される。ガススプリング300は、下端310が1つの作動アーム201または202に結合され、上端320が他の1つの作動アーム202または201に結合される。ガススプリング300は、2つの作動アーム200が互いに接近する方向に移動するとき、これを妨げる方向に力を提供する。
【0026】
ガススプリング300の上端320の結合位置が作動アーム200上で調節可能に結合される。
【0027】
作動アーム200の上側部には、ガススプリング300の上端320が移動可能に結合される移動ホール250が形成される。移動ホール250は、作動アーム200に回転可能に結合されたガススプリングの下端310を中心に円弧状に延長される。
【0028】
ガススプリング300の上端320にスライダー400が結合され、スライダー400が移動ホール250に沿って移動したり、調節された位置に固定される方式でガススプリング300の上端320の結合位置が調節される。
【0029】
本発明の実施形態によると、2つの作動アーム200の間に2つのガススプリング300が互い違いに配置され得る。本明細書において、図面符号300は、ガススプリングを代表的に指し、一側ガススプリングおよび他側ガススプリングという用語は、複数のガススプリングを互いに区別する必要があるときに使用し、このとき、図面符号301および302と示すことができる。
【0030】
図2に示すように、作動アーム200の上端部210は、前面板101と背面板102との間の設置空間に配置される。作動アーム200の上端部210は、前面板101および背面板102を貫通して固定された回転軸110によって回転可能に支持される。
【0031】
ヘッド100の上部側の縁に沿って前面板101と背面板102との間には、ショルダーアーム120が配置される。ショルダーアーム120は、前面板101と背面板102との間に定義された設置空間を支持する。また、ショルダーアーム120の両側端部には、作動アーム200の上端部210の上部面212と接触して作動アーム200を支持する接触部122が形成される。接触部122は、上端部の上部面212と接触して作動アーム200が開始位置に維持されるようにする。作動アーム200の上端部210の上部面212は、接触部122と接触して作動アーム200が開始位置を越えて回転しないように制限できる輪郭を有する。上部面212には、接触部122に対応するグルーブが形成され得る。ショルダーアーム120は、前面板101、接触部122、および背面板120を貫通して締結される固定ボルトによって固定される。
【0032】
ヘッド100には、掛け部150が形成され得る。掛け部150は、ヘッド100を貫通するホールの形で形成され得、壁に取り付けられたフックなどに腕力器を引っ掛けて保管し得る。
【0033】
図1および
図2を参照すると、作動アーム200は、上端部210が回転軸110によってヘッド100に結合され、下側に延長された板状のアームに形成される。作動アーム200の下側部には、使用者が把持することができるハンドル280が備えられる。使用者は、ハンドル280を握って作動アーム200に力を加えれば、作動アーム200は、回転軸110を中心に回転して下端部が互いに接近する方向に移動し、力を除去すれば、作動アーム200がガススプリング300の弾性力によって開始位置に復帰する。本明細書においては、2つの作動アーム200に力を加えて最大に接近させた位置を接近位置と呼び、力を除去して2つの作動アーム200が弾性力によって回復された位置を開始位置と呼ぶ。
【0034】
回転軸110によってヘッド100に結合される作動アーム200の上端部210の対向する外周面には、互いにかみ合う歯形部220がそれぞれ形成される。一側作動アーム201の上端部210の歯形部220と他側作動アーム202の上端部210の歯形部220が互いにかみ合った状態で作動アーム200が動作する。したがって、一側作動アーム201と他側作動アーム202の動きは互いに連動する。これにより、一側作動アーム201と他側作動アーム202は、中心軸を基準にして互いに対称的に動く。したがって、一側作動アーム201と他側作動アーム202との間に加えられる弾性力が互いに異なっても対称的に動作する。
【0035】
歯形部220の下側には、作動アーム200が接近位置に移動するときに互いに接触する接触面230が形成され得る。一側作動アーム201および他側作動アーム202が回転軸110を中心に回転して互いに接近するとき、接触面230が直接接触するか、または固定ボルトなどを介在して接触することによって接近位置が定義され得る。
【0036】
歯形部220の上部には、上側に延長される突出部240が形成され得る。突出部240が接触することによって作動アーム200の開始位置が設定され得、突出部240がショルダーアーム120の接触部122に接触することによって接近位置を設定し得る。
【0037】
作動アーム200を開始位置と接近位置に支持できる前述の支持手段が一緒にまたは選択的に使用でき、これらの支持手段は、作動アーム200が離隔を防止しながら設定された開始位置と設定された接近位置との間で動作できるようにする。
【0038】
作動アーム200の上側部には、ガススプリング300の上端320が移動可能に結合される移動ホール250が形成される。
【0039】
移動ホール250は、作動アーム200の上側部で作動アーム200の表面を貫通し、長手方向に沿って長く形成される。移動ホール250は、ガススプリング300の下端310を中心とするガススプリング300の上端320の回転経路に沿って円弧状に形成される。移動ホール250が形成された結合歯255の数は、弾性力の調節段階を決定し得る。
【0040】
移動ホール250の長手方向の内側面には、結合歯255が形成される。結合歯255には、スライダー400のストッパ450のかみ合い歯455がかみ合う方式で、前記ストッパ450が移動ホール250内で噛み合う。これにより、スライダー400が移動ホール250内に固定され、スライダー400に結合されたガススプリング300の上端320の位置が固定され得る。ストッパ450と結合歯255とのかみ合いが解除されると、ガススプリング300の上端320がスライダー400とともに移動ホール250に沿って案内されながら移動することができる。
【0041】
ガススプリング300は、下端310が1つの作動アーム200に結合され、上端320がスライダー400によって他の1つの作動アーム200の移動ホール250に結合される。ガススプリング300の下端310は、ガススプリング300の延長方向と交差する方向に延長され、作動アーム200の表面を貫通して延長される結合端部と、前記結合端部に締結されて結合端部を固定する固定ナットと、を含む。
【0042】
本発明の一実施形態は、2つのガススプリング300を含み、2つのガススプリング300は、腕力器10の前後面に互い違いに配置され得る。例えば、一側ガススプリング301は、腕力器の前面で上端320が一側作動アーム201の移動ホール250に結合され、下端310が他側作動アーム202の下側部に回転可能に結合される。他側ガススプリング302は、腕力器10の後面で上端320が他側作動アーム202の移動ホール250に結合され、下端310が一側作動アーム201の下側部に回転可能に結合される。
【0043】
互い違いに配置された2つのガススプリング300の上端320が個別に移動ホール250にスライダー400によって結合されるため、ガススプリング300の上端320の位置調節がそれぞれ行われる。2つのガススプリング300がそれぞれ提供する弾性力の強度を異なるように調節することが可能である。
【0044】
本発明による腕力器10は、作動アーム200の上端部210が歯形部220によって互いにかみ合って回転するため、作動アーム200に加えられる弾性力は、両側作動アーム200に分配されて作用する。したがって、2つのガススプリング300のそれぞれの弾性力調節段階の組み合わせにより、様々な段階に作動アーム200が動くときに加えられる弾性力の強度を調節できるようになる。
【0045】
図3および
図4は、本発明による腕力器におけるスライダーの部品および結合状態を示しており、
図5は、スライダーのストッパがかみ合いの位置にある状態を示し、
図6は、スライダーでストッパが解除位置に移動した状態を示す。
【0046】
図面を参照すると、スライダー400は、ガススプリング300の上端が結合され、移動ホール250に沿って移動可能に固定されるスライダーボディ410と、前記スライダーボディ410に結合されてかみ合いの位置と解除位置との間で移動するストッパ450と、を含む。
【0047】
スライダーボディ410は、移動ホール250を挟んで作動アーム200の一側表面に配置される第1ボディ412と、作動アーム200の他側表面に配置される第2ボディ422と、を含む。第1ボディ412と第2ボディ422は、移動ホール250を挟んで互いに結合され、移動ホール250によって案内されて移動する。
【0048】
ガススプリング300の上端320には、延長方向と交差する方向に結合軸325が形成され、結合軸325がスライダーボディ410に結合される。結合軸325は、第1ボディ412、移動ガイド430、第2ボディ422を貫通して延長され、端部に固定ナット328が締結される。結合軸325には、第1ボディ412と結合する部分に拡径部が備えられることによって、第1ボディ412に対して定められた位置に結合され得る。
【0049】
本発明の実施形態によると、スライダーボディ410は、移動ホール250内に配置され、スライダーボディ410が移動ホール250に沿って移動することを案内する移動ガイド430を備え得る。移動ガイド430は、結合歯255に対向する側面432が滑らかで平らな表面に形成される。したがって、ストッパ450が解除位置に移動してストッパ450によるスライダー400の固定が解除されると、スライダー400が移動ホール250に沿って滑らかに移動することを案内することができる。
【0050】
移動ガイド430は、第1ボディ412から移動ホール250内に延長され、第2ボディ422には、移動ガイド430の端部が安着する安着溝423が形成されることによって、第1ボディ412と第2ボディ422の組み立てを案内する。固定部材440が移動ガイド430を貫通して第1ボディ412と第2ボディ422を互いに固定するために使用できる。
【0051】
ストッパ450は、軸形状を有し、第1ボディ412と第2ボディ422との間で移動可能に支持される。ストッパ450の軸形状部の中間部分の外周面には、移動ホール250の結合歯255とかみ合うかみ合い歯455が外側方向に突出して形成される。ストッパ450は、第1ボディ412と第2ボディ422との間でストッパの軸方向に前記移動ホール250と交差する方向に移動可能に支持される。したがって、ストッパ450が移動ホール250と交差する軸方向に移動することにより、かみ合い歯455は、かみ合いの位置で結合歯255とかみ合いながら移動ホール内に配置されたり、結合歯255とかみ合いが解除されながら前記移動ホール250の外側に離脱して前記解除位置に配置され得る。
【0052】
スライダーボディ410には、ストッパ450が解除位置に移動するときにかみ合い歯455が移動ホール250から離脱することを可能にする収容溝414が形成される。収容溝414は、第1ボディ412の内側面に形成され、ストッパ450が移動ホール250から離脱して解除位置に移動するとき、かみ合い歯455を収容する。
図6は、ストッパ450が移動ホール250から離脱して解除位置に移動した状態を示し、このときのかみ合い歯455は、収容溝414内に位置する。
【0053】
ストッパ450は、かみ合いの位置を維持するように弾性的に支持される。ストッパ450は、第2ボディ422の外側に延長され、上端部には、フランジ454が形成される。フランジ454と第2ボディ422との間には、フランジ454が突出する方向に、すなわち、ストッパ450をかみ合いの位置方向に加圧するサポートスプリング458が提供される。サポートスプリング458は、コイルスプリングの形で形成され得、第2ボディ422の表面には、サポートスプリング458の一端が挿入されるスプリング溝が形成され得る。
【0054】
図5を参照すると、サポートスプリング458により、ストッパ450は、かみ合い歯455が移動ホール150内でかみ合いの位置に維持されるように弾性的に支持される。サポートスプリング458が提供する弾性力により、ストッパ450は、かみ合いの位置、すなわちかみ合い歯455と結合歯255が歯形結合して互いにかみ合って固定される位置で維持される。サポートスプリング458によって支持されたかみ合いの位置を離脱させる外力、例えば、サポートスプリング458を押す力が提供されない場合、ストッパ450は、かみ合いの位置で維持されながら、スライダー400およびガススプリング300の上端が固定された位置に維持されるようにする固定力を提供する。
【0055】
図6を参照すると、使用者がストッパ450を押すと、フランジ454がサポートスプリング458を圧縮させながらストッパ450が下降して解除位置に移動する。解除位置は、かみ合い歯455の移動ホール150から離脱して収容溝414内に移動した状態である。ストッパ450が解除位置にあるとき、かみ合い歯455の歯が移動ホール250の結合歯255から離脱するため、スライダー400を移動ホール150の特定位置に固定する力が除去される。したがって、使用者は、スライダー400を移動させてガススプリング300の上端320を望む位置に調節できる。
【0056】
ガススプリング300の上端320の位置を調節した後、ストッパ450のフランジ454を押す力を除去し、サポートスプリング458の弾性力によってストッパ450がかみ合いの位置に、すなわちかみ合い歯455が移動ホール250内に上昇しながら、かみ合い歯455が結合歯255と再びかみ合う。したがって、ガススプリング300の上端の位置が調節された状態に固定される。
【0057】
ガススプリング300の上端320が移動ホール250の長手方向の下端252に近づくほど、作動アーム200を接近位置に移動させるために加えられる力が増加し、ガススプリング300の上端320が移動ホール250の長手方向の上端251に近づくほど、作動アーム200を接近位置に移動させるために加えられる力が減少する。スライダー400を介してガススプリング300の上端320の固定位置を調節することにより、腕力器の作用する弾性力の強度を調節できるようになる。したがって、使用者は、自分の筋力に合わせて、または望む強度で腕力器の作用する弾性力の強度を調節して運動を行い得る。
【0058】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることを理解できるであろう。したがって、前述した実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解するべきである。本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。