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  • 特許-防護板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】防護板
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/02 20060101AFI20240412BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20240412BHJP
   F16L 1/028 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H02G9/02 050
H02G1/06
F16L1/028 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020182352
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072739
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】591084654
【氏名又は名称】エバタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】鳥越 将希
(72)【発明者】
【氏名】張替 英樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩
(72)【発明者】
【氏名】北原 智子
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0417009(KR,Y1)
【文献】国際公開第2005/011077(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/02
H02G 1/06
F16L 1/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された線状の防護対象物の上方に配置され、上面及び下面に凹凸を有し、樹脂からなる防護板であって、
2枚の波板状の面板と、該2枚の面板の間に介装されるシートからなり、該シートを挟んだ状態で前記2枚の面板が張り合わされることを特徴とする防護板
【請求項2】
前記2枚の波板状の面板のいずれか一方に、シートを挟んだ状態でさらに1枚の波板状の面板が張り合わされることを特徴とする請求項に記載の防護板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された電線や通信線等が道路工事等の際に誤まって切断されることを防止するための防護板に関する。
【背景技術】
【0002】
街の景観の向上、安全で快適な生活空間の提供等を目的として、特に観光地や都市部で電線等を地中に埋設する無電柱化が進められている。その際経済性を考慮し、電線等は比較的浅い部分に埋設されることが多いため、道路工事等で掘削機等により誤まって切断されると、停電や情報ラインの機能停止を招くこととなる。
【0003】
そこで、例えば特許文献1には、道路直下の地中に埋設される地中埋設物の上に敷設され、蓋部分と、蓋部分から垂設された側板部分とからなる防護鉄蓋が開示されている。
【0004】
また、上記防護鉄蓋以外にも、再生プラスチックをコア材とし、コア材を高剛性スキン材で上下から挟んだ防護板も用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-304198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の防護鉄蓋は、鉄製であるため重く、取り扱いが容易ではない。一方、再生プラスチックをコア材とした防護板は、軽量で取り扱いが容易であるが、地面との間にずれが生じ易く、土中に定着させるのが容易ではない。また、両者とも製造コストの面で改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の防護板の問題点に鑑みてなされたものであって、軽量で、容易に土中に定着させることができ、製造コストの低い防護板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は防護板であって、地中に埋設された線状の防護対象物の上方に配置され、上面及び下面に凹凸を有し、樹脂からなる防護板であって、2枚の波板状の面板と、該2枚の面板の間に介装されるシートからなり、該シートを挟んだ状態で前記2枚の面板が張り合わされることを特徴とする。
【0009】
本発明の防護板によれば、樹脂製であるため軽量で取り扱いが容易で、製造コストも低く抑えることができ、上面及び下面に凹凸を有するため容易に土中に定着させることができる。
【0010】
記2枚の波板状のいずれか一方に、シートを挟んだ状態でさらに1枚の波板状の面板を張り合わせてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、軽量で、容易に土中に定着させることができ、製造コストの低い防護板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る防護板を構成する面板を示す三面図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
図2】本発明に係る防護板の第1の実施形態を示す三面図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
図3図2に示す防護板を製造する要領を説明するための防護板の分解斜視図である。
図4】本発明に係る防護板の第2の実施形態を示す三面図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
図5】本発明に係る防護板の参考例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(c)は右側面図、(d)は背面図、(e)は(a)のB-B線断面図、(f)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る防護板を構成する面板を示し、この面板1は、熱可塑性の樹脂からなる波板状の面板であって、正面視で台形状の空間を形成するように複数の波板部1a、1bが矩形状の頂上部1cを挟んで上面視で各々斜め方向(正面視で波板部1aは右上方向、波板部1bは右下方向)に延設される。
【0016】
図2は、本発明に係る防護板の第1の実施形態を示し、この防護板2は、上記面板1(1A、1B)を2枚、不織布からなるシート3を挟んで、図3に示すように、面板1A、1Bで波の方向が異なるように溶着したものであって、図2の正面視で台形状の空間2aが一対の長辺の端部に形成される。シート3は、スコップ等による耐衝撃性を高めるために設けられ、不織布以外にネット等を用いることができる。図3に示すように波の方向が異なるように面板1A、1Bを重ねることで、防護板2の強度を高めることができる。また、一対の長辺の端部の重なり合った部分を溶着することで、接合部の施工が容易になる。
【0017】
図4は、本発明に係る防護板の第2の実施形態を示し、この防護板4は、上記防護板2の下側の面板1Bにシート3を挟んで面板1Cをさらに溶着したものである。面板1Cをさらに溶着することで強度を高めることができる。
【0018】
図5は、本発明に係る防護板の参考例を示し、この防護板11は、面板1と同様、熱可塑性の樹脂からなり、波板状の面板13と、面板13を囲う4辺を有し、熱可塑性の樹脂からなるフレーム12(12a~12d)とで構成され、面板13には、波板部を横断するリブ14と孔15が形成される。
【0019】
上記防護板2、4、11は、地中に埋設された電線等の防護対象物の上方に配置され、電線等が道路工事等の際に誤まって切断されることを防止する。また、防護板2、4は上面及び下面に波板状の凹凸を有するため、また、防護板11は波板状の面板13、リブ14及び孔15を備えるため、容易に土中に定着させることができる。さらに、防護板2、4、11は、樹脂製で製造が容易であるため、製造コストも低く抑えることができる。防護板11は、防護板2、4で用いられるシート3が不要で、樹脂で一体成形されるため、製造コストをさらに低く抑えることができる。
【0020】
尚、上記実施の形態では、本発明に係る防護板として防護板2、4、11を例示したが、本発明はこれらの防護板2、4、11に限定されず、上面及び下面に凹凸を有し、樹脂からなり、道路工事等の際に上方から落下するスコップ等の衝撃に耐えられるものであれば、他の構成でもよい。
【符号の説明】
【0021】
1(1A~1C) 面板
1a、1b 波板部
1c 頂上部
2 防護板
2a 空間
3 シート
4 防護板
11 防護板
12(12a~12d) フレーム
13 面板
14 リブ
15 孔
図1
図2
図3
図4
図5